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JP2004164029A - 弾性振動の制御装置 - Google Patents

弾性振動の制御装置 Download PDF

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JP2004164029A
JP2004164029A JP2002325941A JP2002325941A JP2004164029A JP 2004164029 A JP2004164029 A JP 2004164029A JP 2002325941 A JP2002325941 A JP 2002325941A JP 2002325941 A JP2002325941 A JP 2002325941A JP 2004164029 A JP2004164029 A JP 2004164029A
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vibration
elastic
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JP2002325941A
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Koji Ito
浩司 伊藤
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Canon Inc
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Abstract

【課題】可動体の弾性振動を抑制し、高精度な位置制御系を実現する。
【解決手段】可動体1と可動体の剛体位置を制御する剛体駆動手段3と、可動体に弾性振動を発生させる弾性振動駆動手段2と、弾性振動駆動手段の発生する力を決定する弾性振動補償器4を有する弾性振動の制御装置により、弾性振動補償器4は前記剛体駆動手段への駆動指令値を用いて、前記弾性振動駆動手段の指令値を決定することを特徴とする弾性振動の制御方法および装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体露光装置、工作機械、OA機器など高速、高精度の位置、速度制御が求められる分野において、可動体の弾性振動が制御精度に影響を与える場合の弾性振動の制御方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
可動体の弾性振動を抑制するための従来の技術として、例えば特開平05−225734「磁気ディスク装置」(以下、引例1)がある。本例では、磁気ディスクのスプリングアームに弾性振動の駆動用と弾性振動の検出用に圧電素子を設け、さらに、この圧電素子間に接続する抵抗と、この抵抗の抵抗値を変化させる制御回路を具備する。そして、アームを大きく回転移動させるシーク時と、微小移動させるオントラック時で前記の抵抗値を切り替える。これによって、シーク時はスプリングアームの弾性振動を抑え、オントラック時はスプリングアームを弾性部材として用いる方法を提案している。
【0003】
また、可動体の弾性振動ではないが、梁の弾性振動を抑制する手法として、例えば「圧電フィルムによるはり振動の検出と制御」(日本機械学会論文集C編63巻615号、以下、引例2)などの文献がある。この例でも梁の両面に、前記引例1と同様に圧電素子を貼り付け、検出用の圧電素子の電圧を増幅し、駆動用の圧電素子に入力する方法により梁の弾性振動を抑圧している。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
引例1および引例2においては、弾性体の弾性振動を検出し、その計測値を弾性振動の駆動手段にフィードバックすることで弾性振動を抑圧する手法を提案している。従って、これらの方法では、フィードバック・ループのゲインをどれだけ高くとれるかにより、減衰特性が決まる。引例1の方式では電力を供給するアンプがないため、あまり高い減衰特性を得ることはできない。また、引例2の手法でも、弾性体に対して圧電素子を貼る位置、圧電素子の特性等により実現可能なフィードバック・ループのゲインには限界があり、得られる減衰性には限界がある。このように、フィードバック制御による減衰性能の改善には、安定性に伴う限界が存在し、必ずしも必要な減衰性能を得られない場合がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記引例の手法はいずれもフィードバック系により振動を抑制する手法である。制御の分野では、応答性を高めるための手法としてフィードフォワード制御が有効であることが知られている。本願はフィードフォワード制御を用いて弾性振動の速やかな抑圧を実現することを目的とする。
【0006】
本発明では、可動体を移動するための外力の大きさ、方向、および可動体への作用点が予め分かっている場合、その力の大きさと可動体への作用位置、可動体の材質等をもとに、可動体の弾性変形を抑える内力を決定し、内力の発生手段に指令する。これによって可動体の弾性振動を抑圧することが可能になる。
【0007】
可動体の弾性振動を抑圧するため、本願では、図1に示すような構成を提案する。可動体1に内力を発生する弾性振動駆動手段2を取り付ける。そして、その弾性振動駆動手段2に発生させる力の大きさは、可動体を移動させる外力を発生する剛体駆動手段への駆動指令値から計算することを特徴とする。
【0008】
このような構成により、外力が印加されると、その外力による変形を、即座に、抑制するフィードフォワード制御が可能になる。このような応答性の高い系を構成することにより、可動体に加えられる外力による弾性変形は小さく抑えることが可能になる。その結果、弾性変形による弾性振動も大幅に低減することが可能になる。また、このような弾性振動を抑圧する構成を内部にもつ、位置制御系を外部に構成することにより、高速かつ高精度な位置制御系を構成することも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施例1
図7は本願の基本的な構成を示す図1の実施例である。図7で可動体1はステージである。ステージ1はX方向に長い梁構造をしているものとする。このステージの中央下部に剛体駆動手段3であるリニアモータの可動子32と固定子31およびリニアモータに電力を供給するアンプ33を接続し、Z方向に力を発生させるものとする。また、ステージ下部の左右にはステージ重量を鉛直方向(Z方向)に支えるばね25a、25bがある。一方、ステージの上面には弾性振動を抑制するための圧電素子21が貼り付けられているものとする。また圧電素子には圧電素子に電力を供給するアンプ22が接続されている。この圧電素子21およびアンプ22が、図1における弾性振動駆動手段2に相当する。このような系で、リニアモータへの駆動指令値80を指令すると、リニアモータはZ方向にステージ1を移動する外力30を発生し、ステージはZ方向に移動するとともに、主に鉛直方向に弾性振動を発生する。図8(a)は、図7の構成で例えば駆動指令値40を切断してフィードフォワード補償を行わない場合のステージの左右の端のZ方向への振動を表示したものである。ここでz1はステージの左端、z2は右端の速度を表示したものである。一方図8(b)はフィードフォワード補償を行った場合の同じ位置の振動を表示したものである。両者を比較すると、フィードフォワード補償により振動は、ほぼ1/20に振動が減少している。以上のように、本願の構成により、本願の構成を用いない場合に比べ、弾性振動を小さく抑制したままで移動が可能になる。
【0010】
実施例2
実施例1で示した図1の構成は可動体の駆動指令値80に対して発生する弾性振動を抑圧することができるが、他の外乱要因により、可動体に力が加えられた場合の弾性振動は、抑圧することができない。このような場合、図2の構成が有効である。図2の構成で示された弾性振動測定手段5により弾性振動を測定し、弾性振動制御手段6を介して弾性振動駆動手段2によって可動体に内力20を印加することにより、弾性振動を抑圧することが可能になる。
【0011】
図9は、図2の構成(特許請求範囲2)の実施例を示したものである。これは図7のステージに弾性振動計測手段5である圧電素子51を、弾性振動駆動手段2の圧電素子21に重ねて付着し、弾性振動計測手段5の計測値50を弾性振動制御手段6にフィードバックし、弾性振動制御手段6の弾性振動駆動指令値60と弾性振動補償器4の出力値40の和を弾性振動駆動手段2である圧電素子21のアンプ22に指令する。このような構成により、ステージがリニアモータにより駆動される場合の外力と、それ以外の外乱により印加される外力の両方の外力に対して弾性振動を抑圧することが可能になる。
【0012】
実施例3
図3は本願を位置制御系に応用した場合の構成を示す図である。図1の構成の外部に、可動体の剛体位置指令値生成手段9と、可動体の位置を計測する手段7と、目標位置指令値90と計測位置70から剛体駆動手段3への駆動指令値80を生成する剛体振動制御手段8を付加することにより、可動体1の位置を精密に制御することができる。
【0013】
図10は、図7のステージ制御系に対して位置制御系を付加した場合の実施例である。ステージ1のZ方向の位置は、外部基準から例えばレーザ干渉計、リニアエンコーダ等を用いて計測される。この計測位置70と、ステージ位置指令値生成手段9が生成した目標位置指令値90から剛体振動制御手段8は剛体駆動信号80を出力する。剛体駆動信号80は剛体駆動手段であるリニアモータの電力増幅アンプ33と、弾性振動補償器4に入力される。電力増幅アンプ33で増幅された電流がリニアモータの固定子31であるコイルに印加され、可動子32である永久磁石との相互作用により外力がステージに加えられ、Z方向に移動する。また、弾性振動補償器4は、前記のリニアモータによりステージに加えられる外力によって引き起こされるステージの弾性振動を推定し、弾性振動を抑圧するための内力を求め、弾性振動駆動手段である圧電素子21に電力を供給するアンプ22に駆動指令値40を出力する。このような構成により、ステージ1は弾性振動を小さく抑制した状態で、リニアモータにより剛体位置を制御することが可能になる。
【0014】
本願の弾性振動を抑圧する構成をもたない位置制御系では、リニアモータによる駆動力は、ステージの剛体位置を変化させると同時に、ステージの弾性振動も引き起こすため、剛体位置の制御ループの制御帯域は、弾性振動による共振周波数により制約を受ける。このため、高精度な制御を実現することが困難になる。しかし、本願の図4のような系を構成することにより、弾性振動を抑圧することが可能になるため、位置制御系のゲインを高く制御することが可能になり、高速、高精度の位置制御系を実現できる。
【0015】
実施例4
実施例3と同様に、図2の構成の外部に位置制御系を付加することにより、図4のような位置制御系を構成できる。図4の系は、弾性振動計測手段5により弾性振動50を検出して、弾性振動制御手段6を介して弾性振動駆動手段2にフィードバックする制御ループがある。このため、図4の系は、図3の系に比べ、外乱により励起される弾性振動を抑圧する性能の高い位置制御系が実現できる。
【0016】
実施例5
実施例3、4の構成においては、弾性振動補償器4への駆動指令値は剛体駆動手段3への駆動指令値80を用いた、この構成では、実際に可動体に印加される力に近い値を用いているため、弾性振動補償器4の生成する補正値40を正確に求めることが可能である。しかし、この構成では系が不安定になる可能性がある。その理由を実施例3の構成を示す図3を用いて以下に説明する。
【0017】
図3において位置制御系の信号の流れは次のようになる。剛体位置指令値生成手段9が生成する位置指令値90と、剛体振動測定手段7により計測された可動体位置70から剛体振動制御手段8は剛体駆動手段3への駆動指令値80を決定する。駆動指令値80は剛体駆動手段3に入力され外力30が発生し、可動体1を移動させる。このような位置制御系本来の信号のループをループ1と呼ぶことにする。
【0018】
一方、可動体剛体振動制御手段8の出力する指令値80は、弾性振動補償器4にも入力され補正値40を出力する。補正値40は弾性振動駆動手段2に入力され、内力20を発生し、可動体1に弾性変形を引き起こす。このとき、可動体1が弾性変形する結果、剛体振動計測手段7には可動体1の剛体振動のみならず、弾性振動も重なった信号が計測される。計測値70は剛体振動制御手段8に入力され、駆動指令値80を出力する。駆動指令値80は弾性振動補償器4に入力される。このような、副次的なループをループ2と呼ぶことにする。このループ2とループ1が干渉し安定性を損なう場合があり、最悪の場合には系が不安定になる。この問題は実施例4の系でも起こり得る。実施例4の系では、弾性振動計測手段5の計測する弾性変形が弾性振動制御手段6を介して弾性振動駆動手段2にフィードバックするループ3も存在するため、安定性の問題はより複雑である。
【0019】
このように、実施例1の構成の外部に位置制御系を付加した場合には、制御系の安定性の問題が発生する可能性がある。この問題を回避する方法として、図5の構成を提案する。
【0020】
図5では弾性振動補償器4への入力に、剛体振動制御手段8の駆動信号80を用いる代わりに、位置指令値生成手段9に目標位置指令値90に対応する加速度信号91を生成する機能を持たせ、その加速度信号91を目標変換手段93に入力し、目標駆動力92を生成し、弾性振動補償器4の入力とする。ここで、目標変換手段93は剛体への目標加速度91から、剛体駆動手段3が発生するべき力を推定する機能をもつ。目標変換手段93は実施例3の1自由度系では加速度信号91に可動体1の質量を乗ずるだけでよいが、実施例7のような多自由度の系では、剛体への位置に対する指令値から、剛体駆動手段が実際発生する駆動力を推定する演算を行う必要がある。
【0021】
駆動信号80と目標駆動力92は本来異なる値であるが、以下のような条件のもとにはよく似た値になる。
▲1▼可動体に接続する他の部材との結合剛性が低い。
▲2▼可動体を制御する制御系の応答性が十分高い。
例えば、図10の構成では、可動体1を支えるばね23a、23bの剛性を十分低くし、位置制御系の応答性を十分高く設定できるとき、可動体に印加される力は、目標位置指令値に対応する加速度に可動体の質量を掛けた加速力とほぼ一致するため、駆動信号80の代わりに、目標駆動力92を代用可能である。
【0022】
実施例6
一般に重力の働く状態では、可動体の重量を支えるために、何らかのばねにより可動体を支持することが一般的である。例えば実施例1の図7においてもステージの下部にばねを配置している。このような場合、ばねの剛性が高いと、弾性振動がこのばねの影響を大きく受け、弾性振動補償器の補正値の決定が困難になる。従って、この重力を補正するばねの剛性を可能な限り柔らかくすることにより、弾性振動の抑圧性能の高い系を実現できる。また、実施例5で説明した構成に対しても、ばねが柔らかいほど駆動指令値80と目標駆動力92は近い値になるため、弾性振動の抑圧性能の高い系が実現できる。
【0023】
実施例7
図11にはステージの姿勢をステージ重心位置を基準とするZ、X、Θyの3自由度で制御する場合の構成を示す。ステージの剛体3自由度の姿勢を制御するため、ステージにはX方向1個、Z方向2個のリニアモータを付加し、これら3つの力を制御する。リニアモータ1は固定子31a、と可動子32aより構成され、X方向への推力Fxを発生する。またリニアモータ2、3は、各々固定子31b,31c、と可動子32b,32cより構成され、Z方向への推力Fz1、Fz2を発生する。。このときは制御対象である可動体1には複数の方向から外力が印加されることになるため、弾性振動はより発生し易くなる。このとき、弾性振動補償器4は、3個の剛体駆動手段3への3個の駆動指令値から弾性振動駆動手段への駆動指令値を生成することになる。
【0024】
図11で駆動信号80は1本の線で表示してあるが、実際はZ、X、Θy方向の3自由度の駆動力を発生させるために、3個リニアモータが発生すべき力を表すベクトルである。例えば(Fz1,Fx,Fz2)のように表示される。弾性振動補償器4はこれらの力がステージ1に印加された場合の弾性振動を推定し、弾性1次振動モードを抑圧するのに適当な内力を求め、弾性振動駆動手段2である圧電素子21およびそれに電力を供給するアンプ22に指令する。
【0025】
実施例8
実施例1、実施例2などではX方向に長い梁上のステージの中央に1個、弾性振動駆動手段2に相当する圧電素子21を貼り付けて弾性振動を制御する方法を示した。梁の弾性振動モードは無限に高い次数の弾性モードをもつが、多くの場合、実際に問題となる振動モードは低い方のいくつかである。図13に梁の低次の弾性振動モードを示す。図13(a)、図13(b)、図13(c)は順に梁の弾性振動モードの低い方から1次、2次、3次のモードである。梁の中央に弾性振動駆動手段2を貼り付けた場合、抑圧可能な弾性振動モードは1次のみで、3次にも多少の減衰効果がある。制御対象に複数個の弾性振動加振手段2を設けることにより、複数の弾性振動モードを抑圧することが可能になる。例えば、図12のように梁の長手方向の3分の1の部分3箇所に弾性振動駆動手段2である圧電素子21a、21b、21cを貼り付けることにより、2次および3次の弾性振動モードも抑圧することが可能になる。図13のステージの位置制御系では、ステージの剛体位置を制御するため、剛体振動駆動手段3として、X方向1個、Z方向に2個のリニアモータを用いている。このため、弾性振動モードとして、1次だけでなく、2次、3次のモードも励振されやすい。弾性振動補償器4は3個のリニアモータへの駆動指令80から、弾性振動駆動手段2である3個の圧電素子への指令値を決定する。
【0026】
実施例9
可動体の特定の位置に特定の力が印加された場合に発生する内力による弾性変形を、他の位置に貼り付けられた駆動手段の内力で打ち消す値を計算することは、可動体の形状、拘束条件が単純な場合には比較的容易であるが、形状、拘束条件が複雑な場合には、計算が困難である。弾性振動補償器4は印加される外力とその外力による弾性変形を打ち消す内力を求める必要がある。弾性振動補償器4の構成は、単純な比例定数で実現可能な場合もあるが、式の決定が困難な場合もある。このような場合、実験あるいはFEM解析を用いて予めその値、式を求めテーブルとして計算機に記憶させて、弾性振動補償器4を実現する方法が有効である。
【0027】
実施例10
実施例5で説明した通り、図3および図4の構成では、系が不安定になる場合がある。実施例5では、この問題への解決策として、弾性振動駆動手段2への指令値として、系の内部信号である剛体振動制御手段8の出力80の代わりに、剛体位置指令値生成手段9の生成する目標駆動力92を代用する方式を提案した。
【0028】
一方、実施例3、4のように、剛体振動制御手段8の出力80を用いたままで系の安定化を図る方法として、例えば高周波遮断フィルタのような動特性を有する補償器を挿入する方法が有効である。実施例5で示したループ1、ループ3の本来の目的とする特性を変えないためには、補償器を挿入する位置として、弾性振動補償器4に直列に入れるのが適当である。
【0029】
実施例11
弾性振動駆動手段2は可動体1に内力を加え弾性変形を引き起こすことが目的である。このため力を発生する手段としては、リニアモータ等の電磁力を使うことも可能であるが、圧電素子がもっとも適当である。本発明の応用では弾性体に変形を発生させることが目的である。従って、変位は小さくてもよいが、大きな力を発生する必要がある。リニアモータに大きな力を発生させるためには大きな電流を流す必要があり、この場合、発熱が大きくなるなどの問題がある。もちろん用途によっては弾性振動駆動手段としてリニアモータ等の電磁力を発生する素子を用いることも可能である。
【0030】
実施例12
ここでは本願の構成図4を半導体露光装置のウエハステージに適用した場合の実施例を示す。図14(a)は本願を適用した半導体露光装置の構成概略図である。また、図14(b)はチルトステージの詳細を示す。なお、以下では基準座標系に対する並進3軸(X,Y,Z)と並進3軸の各軸周りの回転3軸(θx、θy、θz)を合わせて6自由度位置と呼ぶことにする。この例を用いて、高速・高精度の位置制御系の構成とその動作を説明する。
【0031】
図14(a)において、41は定盤で、床49からダンパ47aを介して支持されている。43はYステージで、定盤41に固定された固定ガイド42に沿ってY方向に推力を発生するYリニアモータ34により、定盤41の基準面上をY方向に移動可能である。定盤41および固定ガイド42とYステージ43との間は静圧軸受であるエアパッド44a、44bを介してエアで結合されており非接触である。Yステージ43はX方向のガイドを備えており、Yステージに搭載されたXステージ45をX方向に案内する。また、Yステージ43にはX方向に力を発生するXリニアモータ固定子が設けられ、Xステージに設けられたXリニアモータ可動子と共に、Xステージ45をX方向に駆動させる。定盤41及びXガイドとXステージ45との間は静圧軸受であるエアパッド44cを介してエアで結合されており、非接触である。
【0032】
Xステージ45にはチルトステージ12が搭載されている。なお、ここでは、ステージ基板(天板)、レーザ干渉計用のミラー、微動用のリニアモータなどを含めた全体をチルトステージ12と呼ぶ。チルトステージ12にはウエハチャックを備えたステージ基板11があり、被露光体であるウエハ13を保持する。また、ステージ基板上にはステージの鏡筒定盤48を基準とした6軸方向の位置計測に用いる計測ミラー72a、bが設けられる。鏡筒定盤48は床49から支柱46にダンパ47bを介して支持される。鏡筒定盤48側にはレーザ干渉計71が設けられる。図14(a)では、チルトステージのX方向、Z方向位置を計測するレーザ干渉計71a、71cのみ示しているが、チルトステージの6軸剛体位置を計測するため、最低6個のレーザ干渉計が設けられている。また、Xステージ、Yステージの位置計測のためにも別途レーザ干渉計が用意されているものとする。本実施例では、チルトステージは6軸微動ステージである。Xステージ、Yステージは粗動ステージとして動作する。すなわちX、Yは精度は高くないが、大きなストロークと移動することが目的であり、高精度な動作はチルトステージが行う。
【0033】
図14(b)はチルトステージの詳細を示す。図14(b)の上段、下段は各々チルトステージの側面と裏面である。32a〜fはチルトステージを駆動するリニアモータである。32a〜dは水平方向の力を発生し、32e〜fは垂直方向の力を発生する。チルトステージ12はこれらのリニアモータ32a〜fによる推力で水平3軸方向(X,Y,Z)の移動と3軸(θx、θy、θz)方向の回転を行い6軸剛体振動を制御する。また、ステージ基板11を曲げるように力を発生する弾性駆動駆動手段2として圧電素子21a〜dを接続する。また、その駆動用圧電素子21の隣に、曲げ歪を計測する弾性振動計測手段5として圧電素子51a〜dを接続する。6a〜dは各々前記計測手段51a〜dの計測速度を入力とし、その値をもとに、駆動手段21a〜dの発生力を決定する。
【0034】
X,Yステージの位置決め、および、チルトステージの6軸方向への位置決めは各軸にサーボ系を構成することにより達成される。X、Yステージは、レーザ干渉計の位置情報をもとにステージのX方向、Y方向のアクチュエータであるX方向のリニアモータとY方向のリニアモータへの駆動指令値を演算し、各々Xステージ、Yステージを駆動する。また、チルトステージは剛体6軸方向の位置を制御するため、別途、位置制御系が構成される。
【0035】
図4はチルトステージ側の制御系の構成を示す。ステージの位置指令値生成手段9はチルトステージの6軸の目標位置指令90を生成する。この指令値のX、Y成分は、前記のX、Yステージの指令値としても用いられる。目標位置指令90と、レーザ干渉計71により計測されたチルトステージの6軸計測信号70a〜eから剛体振動制御手段8は、剛体振動駆動手段3であるリニアモータ32a〜fへの指令値80を決定する。一方、本願の特徴である弾性振動補償器4は剛体振動制御手段8の出力する駆動信号80を用いて、ステージ基盤11の弾性変形を抑えるように弾性振動駆動手段21に指令値を出力する。また、弾性振動制御手段6は、前述したように、弾性振動の速度成分をフィードバックすることで天板の弾性振動の減衰性が高めることができる。これらの弾性振動を制御する要素の効果により、チルトステージ駆動時の弾性振動が効果的に抑圧できるため、チルトステージの剛体振動を制御する位置制御系は高いサーボ帯域を実現でき、その結果チルトステージの制御精度を向上させることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、弾性振動を制御することにより、従来より高速かつ高精度に可動体の移動が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の基本構成を示す図である。
【図2】本願の第2の構成を示す図である。
【図3】本願の第3の構成を示す図である。
【図4】本願の第4の構成を示す図である。
【図5】本願の第5の構成を示す図である。
【図6】本願の第6の構成を示す図である。
【図7】実施例1の構成を示す図である。
【図8】実施例1の構成における弾性振動の抑圧効果を示す図である。
【図9】実施例2の構成を示す図である。
【図10】実施例3の構成を示す図である。
【図11】実施例4の構成を示す図である。
【図12】実施例5の構成を示す図である。
【図13】梁の弾性振動モードを示す図である。
【図14】実施例12の構成を示す図である。
【符号の説明】1:可動体、ステージ、2:弾性振動駆動手段、20:内力、21、21a〜21d:駆動用圧電素子、22:圧電素子アンプ、25、:25a、25b重力支持ばね、3:剛体駆動手段、30:外力、31、31a〜31f:リニアモータ固定子、32、32a〜32f:リニアモータ可動子、33:リニアモータ・アンプ、4:弾性振動補償器、40:駆動指令値、5:弾性振動計測手段、50:弾性振動測定値、51、51a〜51d:弾性振動測定用圧電素子、6、6a〜6d :弾性振動制御手段、60:弾性振動駆動指令値、7:剛体振動計測手段、70、70a〜70f:剛体振動測定値、8:剛体振動制御手段、80:駆動指令値、9:剛体位置指令値生成手段、90:目標指令値、91:加速力指令値、92:目標駆動力、93:目標変換手段、10:フィルタ。

Claims (12)

  1. 可動体1と、可動体1を移動させる力を印加する剛体駆動手段3と、前記可動体1に弾性変形を発生させる弾性振動駆動手段2と、弾性振動駆動手段2の発生する力を決定する弾性振動補償器4を有する弾性振動の制御装置において、前記弾性振動補償器4は前記剛体駆動手段3への駆動指令値を用いて、前記弾性振動駆動手段2の指令値を決定することを特徴とする弾性振動の制御方法および装置。
  2. 可動体1と、可動体1を移動させる力を印加する剛体駆動手段3と、前記可動体1に弾性変形を発生させる弾性振動駆動手段2と、前記可動体1の弾性振動を計測する弾性振動計測手段5と、前記弾性振動計測手段2の計測値から弾性振動制御値60を決定する弾性振動制御手段6と、前記剛体駆動手段3への駆動指令値から弾性振動制御値40を決定する弾性振動の制御装置において、前記弾性振動駆動手段2への指令値は前記弾性振動制御値60と弾性振動制御値40の和として決定することを特徴とする弾性振動の制御方法および装置。
  3. 請求項1において、さらに、前記可動体1の剛体振動を計測する剛体振動計測手段7と、前記可動体1の目標移動位置指令値を生成する剛体位置指令値生成手段9と、前記剛体振動計測手段7の計測値と剛体位置指令値生成手段9の生成位置指令値から剛体駆動指令値を決定する剛体振動制御手段8を付加した、可動体の位置の制御装置において、前記弾性振動補償器4への指令値は前記剛体振動制御手段8の生成する駆動指令値であることを特徴とする可動体位置の制御方法および装置。
  4. 請求項2において、さらに、前記可動体1の剛体振動を計測する剛体振動計測手段7と、前記可動体1の目標移動位置指令値を生成する剛体位置指令値生成手段9と、前記剛体振動計測手段7の計測値と剛体位置指令値生成手段9の生成位置指令値から剛体駆動指令値を決定する剛体振動制御手段8を付加した、可動体の位置の制御装置において、前記弾性振動補償器4への指令値は前記剛体振動制御手段8の生成する値であることを特徴とする可動体位置の制御方法および装置。
  5. 請求項3と請求項4において、前記剛体位置生成手段9は、可動体1の目標位置を生成すると同時に、目標位置に対応する目標加速度も同時に生成し、前記弾性振動補償器4は、前記目標加速度から駆動指令値を決定することを特徴とする可動体位置の制御方法および装置。
  6. 請求項1から請求項5において、可動体1は柔らかいばねに支持されていることを特徴とする弾性振動および可動体位置の制御方法、および装置。
  7. 請求項1から請求項6において、前記剛体駆動手段3は複数個存在し、可動体1の多自由度の運動を制御することを可能とした弾性振動および可動体位置の制御方法、および装置。
  8. 請求項1から請求項7において、弾性振動駆動手段2は複数個存在し、可動体1の高次の弾性振動モードを抑圧することを可能とした弾性振動および可動体位置の制御方法、および装置。
  9. 請求項1から請求項8において、弾性振動補償器4は予め計算、あるいは実測された補正値のテーブルであることを特徴とする弾性振動および可動体位置の制御方法、および装置。
  10. 請求項1から請求項9において、弾性振動補償器4と直列に動特性を有する補償器10を挿入することを特徴とする弾性振動および可動体位置の制御方法、および装置。
  11. 請求項1から請求項10において弾性振動駆動手段2および弾性振動計測手段5は圧電素子であることを特徴とする弾性振動および可動体位置の制御方法、および装置。
  12. 請求項1から請求項11において、可動体1は半導体露光装置のステージ天板であって、剛体駆動手段3はリニアモータであって、剛体振動計測手段7はステージ天板に接続されたミラーとレーザ干渉計であって、弾性振動駆動手段2と弾性振動計測手段5はステージ天板に接続された圧電素子であることを特徴とする半導体露光装置のステージ装置。
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