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JP2003061664A - RNA結合蛋白質Musashi2 - Google Patents

RNA結合蛋白質Musashi2

Info

Publication number
JP2003061664A
JP2003061664A JP2001250186A JP2001250186A JP2003061664A JP 2003061664 A JP2003061664 A JP 2003061664A JP 2001250186 A JP2001250186 A JP 2001250186A JP 2001250186 A JP2001250186 A JP 2001250186A JP 2003061664 A JP2003061664 A JP 2003061664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
msi2
cells
msi1
expression
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001250186A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Okano
栄之 岡野
Shinichi Sakakibara
伸一 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2001250186A priority Critical patent/JP2003061664A/ja
Priority to PCT/JP2002/008370 priority patent/WO2003016531A1/ja
Publication of JP2003061664A publication Critical patent/JP2003061664A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4702Regulators; Modulating activity

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 特定のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸
配列に対して1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠
失、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を有するRNA
結合性を有するムサシ蛋白質2及びその遺伝子。 【効果】 本発明のMsi2蛋白質及びMsi2遺伝子は、神経
前駆細胞/中枢神経系幹細胞の維持および増殖用の試薬
として有用である。またPV含有GABA作動性神経細胞亜集
団の生成および/又は維持用試薬として有用である。さ
らに、種々の神経系疾患の治療薬としても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として神経前駆細
胞で発現しているRNA結合蛋白質であるムサシ蛋白質2
及びそれをコードする遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】神経前駆細胞の増殖または分化において
機能する多くの転写因子が同定されている。しかしなが
ら、近年の神経細胞特異的RNA結合蛋白質の発見は、転
写後調節の段階においても、前駆細胞からの神経細胞の
発生が制御されている可能性を高めている。これらには
mRNAの安定化または翻訳調節による制御が含まれる。非
脊椎動物および脊椎動物の両者で神経細胞RNA結合蛋白
質が発見されており、これらが2種の遺伝子ファミリー
に相当する。(Okano, Dev. Growth Diff. 37:619-629
(1995))。ひとつは、Elavファミリーであり、3つのRNP
型RNA認識モチーフを(RRM)を有し、Drosophilaのelav遺
伝子(Yao et al.,J. Neurobiol. 24:723-739(1993))
および脊椎動物のHu遺伝子(Okano and Darnell, J. Ne
urosci. 17:3024-3037(1997))を含む。このファミリー
のメンバーは分裂後神経細胞で発現されており、神経細
胞の生存または分化において機能していると考えられて
いる(Akamatsu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA
96:9885-9890(1999))。もう一つのファミリーであるム
サシ(Musashi:Msi)ファミリーは2つのRRMで特徴付けら
れ、ホヤ類、線虫、ショウジョウバエ、カエル、ヒヨ
コ、マウスおよびヒトにおいて保存されている。Elavフ
ァミリーと対照的にMsiファミリーのメンバーは主とし
て神経前駆細胞で発現している(Sakakibara et al., D
ev. Biol. 176:230-242(1996); Pincus et al.,Ann.Neu
rol. 43:576-585(1998); Kaneko et al., Dev. Neurosc
i. 22:139-153(2000))。Drosophilaにおいてはd-Msiが
胎生期中枢神経系の無数の前駆細胞および外因性感覚器
前駆細胞(SOPs)において発現しており(Nakamura et
al., Neuron 13:67-81(1994))、SOPの2回の連続した非
対称性分裂に必要である(Nakamura et al., Neuron 1
3:67-81(1994))。MsiおよびElavファミリーの分子機能
は不明確なままであるが、両者の異なる発現パターンは
2つのファミリーが神経細胞の発生および維持において
異なる役割を果たしている可能性を示唆している。
【0003】哺乳類の中枢神経系発生期においては、神
経細胞とグリア細胞は、胎生期脳室周囲(VZ)に存在す
る共通の神経前駆細胞(中枢神経系幹細胞)から生じる
と考えられている。本発明者は以前にMsiが主として増
殖性多能性神経前駆細胞において発現しており、新たに
発生した分裂後神経細胞においては発現していないこと
を発見した(Sakakibara et al., Dev. Biol. 176:230-
242(1996); Kaneko etal., Dev. Neurosci. 22:139-153
(2000))。周産期において、VZは収縮し一層の上皮層で
ある脳室上衣になる。もう一つの増殖性脳室下層(SV
Z)がその後胎生期後期に出現し、大幅に減少した形で
成体期まで持続する。哺乳類における皮質の神経発生は
主に胎生期のVZにおいて生じると長い間考えられてき
た。しかしながら、いくつかの近年の研究では、SVZの
アストロサイトおよび/または脳室上衣細胞が生後およ
び成体期における中枢神経系幹細胞集団に相当すること
が示されている(Scheffler他、Trends Neurosci. 21:4
28-433(1999))。したがって、これらの推定される前駆
細胞において、かなりのMsi1蛋白質が成体になってから
も継続して発現している(Sakakibara and Okano, J. N
eurosci. 17:8300-8312(1997))。
【0004】このように神経細胞の発生と維持に重要な
役割を果たしているMsiファミリーのうち、ムサシ蛋白
質1(Musashi1;Msi1)についてはクローニングされてい
る(Sakakibara et al., Dev. biol. 176:230-242(199
6))。
【0005】しかし、哺乳類におけるもう一つのタイプ
であるムサシ蛋白質2(Musashi2:Msi2)については、我
々がその存在を示唆していたにすぎず、その機能も明ら
かにはされておらず、クローニングもされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、新規なRNA結合蛋白質であるムサシ蛋白質2(Msi2)
の構造及び機能を解明することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、Msi2
遺伝子をクローニングすべく種々検討した結果、成体マ
ウス小脳より得られたラムダgt11 cDNAライブラリーよ
りクローニングに成功した。そして、得られたMsi2の機
能について種々検討したところ、Msi2は、Msi1と同様に
神経前駆細胞において存在するRNA結合蛋白質であり、M
si2発現が哺乳類中枢神経系において細胞型特異的に発
生過程で調節を受けていること、さらには中枢神経系発
生全般にわたり脳室周囲および脳室下層に存在する前駆
細胞において顕著に発現していること、生後および成体
の中枢神経系において、上衣細胞を含むアストロサイト
系譜の細胞において発現していること、また神経発生期
においてMsi2およびMsi1の両者の発現は分裂終了神経細
胞の大半において失われることを見出した。しかし、Ms
i2の発現は新皮質のパラアルブミン含有GABA神経細胞お
よび大脳基底核のいくつかの核における神経細胞等、一
部の神経細胞系譜細胞の亜集団において持続しているこ
とから、Msi2は特定の神経細胞系譜の生成および/また
は維持に必要な独自の役割を担っていることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、配列番号1もしくは
2で示されるアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列に対
して1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加も
しくは挿入されたアミノ酸配列を有するRNA結合性を有
するムサシ蛋白質2を提供するものである。
【0009】また、本発明は、配列番号1もしくは2で
示されるアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列に対して
1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加もしく
は挿入されたアミノ酸配列をコードするRNA結合性を有
するムサシ蛋白質2の遺伝子を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のムサシ蛋白質2(Msi2)
は、(1)配列番号1又は2で示されるアミノ酸配列、又
は(2)当該アミノ酸配列に対して1もしくは複数個のア
ミノ酸が置換、欠失、付加もしくは挿入されたアミノ酸
配列を有するものである。ここで、配列番号2は、配列
番号1における18アミノ酸(264から281)が欠失したアミ
ノ酸配列を有するものである。これらの2種はMsi2のア
イソフォームである。配列番号1をMsi2L、配列番号2
をMsi2Sという。配列番号1は図1にも示してある。
【0011】Msi2は、2個のRNA結合モチーフ(RRMs)を
有し、これらのRRMはRNA結合蛋白質間でよく保存された
配列であるRNP-1とRNP-2を有する(図1のボックスで囲
った部分)。
【0012】Msi2はマウスだけでなく、アフリカツメガ
エル、ヒトでも存在し、広く脊椎動物で保存されてい
る。
【0013】前記アミノ酸配列に対して1もしくは複数
個のアミノ酸が置換、欠失、付加もしくは挿入されたア
ミノ酸配列を有する蛋白質には、それがRNA結合性を有
し、実質的に配列番号1又は2で示されるアミノ酸配列
からなるMsi2と同様な性質を有するものである限り含ま
れる。これらの改変は、例えば配列番号1又は2のアミ
ノ酸配列に対して80%以上、特に90%以上のホモロジー
を有するものであることが好ましい。
【0014】本発明のMsi2遺伝子は、(1)配列番号1又
は2で示されるアミノ酸配列、又は(2)当該アミノ酸配
列に対して1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、
付加もしくは挿入されたアミノ酸配列をコードする塩基
配列を有するものである。その塩基配列としては、配列
番号3、4又は5で示される塩基配列、又は当該塩基配
列に対して1もしくは複数個の塩基が置換、欠失、付加
もしくは挿入された塩基配列が挙げられる。
【0015】この塩基配列の改変も、前記アミノ酸配列
の改変と同様の範囲であり、前記Msi2と同様な性質を有
するポリペプチドをコードする限り、含まれる。これら
の改変は、例えば配列番号3、4又は5の塩基配列に対
して80%以上、特に90%以上のホモロジーを有するもの
であることが好ましい。なお、配列番号3はMsi2遺伝子
の全配列であり、配列番号4はMsi2Lのコード領域であ
り、配列番号5はMsi2Sのコード領域である。
【0016】本発明の遺伝子は、脊椎動物、例えばマウ
スの小脳を用いてcDNAライブラリーを調製し、該ライブ
ラリーから本発明遺伝子に特有の適当なプローブや抗体
を用いて所望のクローンを選択する方法により得ること
ができる〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 78, 6613(1
981);Science, 222, 778(1983)など〕。
【0017】本発明の遺伝子をcDNAライブラリーからス
クリーニングする方法も、特に制限されず、通常の方法
に従うことができる。具体的には、例えばcDNAによって
産生される蛋白質(Msi2)に対して、該蛋白質の特異抗体
を使用した免疫的スクリーニングにより対応するcDNAク
ローンを選択する方法、目的のDNA配列に選択的に結合
するプローブを用いたプラークハイブリダイゼーショ
ン、コロニーハイブリダイゼーション、これらの組合せ
などを例示できる。
【0018】本発明遺伝子によれば、通常の遺伝子工学
的手法を用いることにより、Msi2蛋白質を容易に大量
に、安定して製造することができる。Msi2蛋白質の製造
は、より詳細には、該Msi2遺伝子が宿主細胞中で発現で
きる組換えDNA(発現ベクター)を作成し、これを宿主
細胞に導入して形質転換し、該形質転換体を培養し、つ
いで得られる培養物から回収することにより行なわれ
る。上記宿主細胞としては、原核生物および真核生物の
いずれも用いることができ、例えば原核生物の宿主とし
ては、大腸菌や枯草菌といった一般的に用いられるもの
が広く挙げられ、好適には大腸菌、とりわけ大腸菌(Esc
herichia coli)K12株を例示できる。また、真核成分の
宿主細胞には、脊髄動物、酵母等の細胞が含まれ、前者
としては、例えばサルの細胞であるCOS細胞〔Cell, 23:
175(1981)〕、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞およ
びそのジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損株〔Proc. Natl.
Acad. Sci., USA., 77:4216(1980)〕などが、後者とし
ては、サッカロミセス属酵母細胞などが好適に用いられ
る。
【0019】またMsi2蛋白質は、配列番号1又は2のア
ミノ酸配列に従いペプチド合成法によっても製造するこ
とができる。
【0020】次に後記の実施例の結果に基づいて、Msi2
蛋白質の機能について説明する。 (1)神経前駆細胞/中枢神経系幹細胞におけるMsi2の役割 哺乳類神経系において、Msi2は、細胞タイプ特異的に、
また発生段階で制御を受けて発現することが判明した。
特に胎生VZおよびSVZにおける増殖性細胞は高いレベル
のMsi2発現を示した。発生が進むにつれて、中間体およ
び皮質板内のほとんどの分裂後または移動中神経細胞に
おいてMsi2の発現は消失した。興味深いことに二重標識
の結果は増殖性細胞においてMsi2の発現はMsi1の発現と
一致していることがわかった。従来のin vivoおよびin
vitroの解析は、Msi1が主として神経前駆細胞/多能性中
枢神経系幹細胞において発現していることを示すもので
あった(Sakakibara et al., Dev. Biol. 176:230-242
(1996); Kaneko et al.,Dev. Neurosci. 22:139-153(20
00))。したがって、Msi2とMsi1は胎生中枢神経系発生
期に中枢神経系幹細胞において共発現している可能性が
高い。Msi2の顕著な発現が増殖性ニューロスフェアで見
られ、これはさらにMsi2の中枢神経系幹細胞での発現を
支持している。出生後、Msi2とMsi1の一致した発現はSV
Zの増殖性神経細胞および/またはグリアの前駆細胞で維
持されていた。Msi2とMsi1蛋白質は分化初期においてオ
リゴデンドロサイトから消失したが、脳室上衣細胞を含
むアストロサイト系譜の細胞では持続して発現してい
た。成体のSVZ領域は中枢神経系幹細胞集団を含む(Mor
shead et al., 1994; Johe et al., 1996)。VZの胎生
神経上皮細胞とともに出生後のSVZ、脳室上衣細胞、お
よびアストロサイトにおいてMsi1とMsi2が発現している
ことは、Msiファミリー蛋白質が幹細胞の特性を有する
細胞において機能を果たしている可能性を示唆するもの
である。増殖性反応性アストロサイトにおいてMsi2とMs
i1の発現量が増大していることは、これらの細胞がアス
トロサイトを生じる能力を有するグリア前駆細胞または
神経幹細胞の特性を賦与されていることも反映している
のかもしれない。
【0021】(2)γ-アミノ酪酸(GABA)神経細胞亜集団で
のMsi2の役割 大脳皮質の発生過程において、Msi2の発現はGABA介在神
経細胞を除くほとんどの皮質神経細胞において大いに発
現量が低下している。GABA神経伝達物質を含む介在神経
は哺乳類新皮質における抑制性神経細胞の主たる類型で
ある。これらの細胞は全皮質神経細胞の25%を包含し、
フィードバック阻害およびフィードフォワード阻害の両
者を介し局在神経回路に対する強力な調節を行ってい
る。胎生外側神経節隆起(LGE)でのMsi2の発現は、脳室
面に対して接線方向の細胞移行を行っているGABA作動性
系譜によりMsi2が維持されているとの考えと矛盾がな
い。
【0022】成体新皮質において、GABA介在神経細胞は
2種の別々の亜集団、すなわちCabindin-D28K(CB)陽性ダ
ブル−ブーケット細胞とパラアルブミン(PV)陽性シャン
デリアおよび籠細胞、に分類される。Msi2の発現は新皮
質、海馬、小脳皮質内のPV含有GABA作動性神経細胞亜集
団において維持されている。これらの領域においてその
他のCB陽性GABA作動性神経細胞または錐体細胞はMsi2の
発現をほとんどまたは全く示さない。PV含有GABA介在神
経細胞は電気生理学的に迅速な(fast-firing)振る舞
いを示し、おそらく同調性オシレーションの生成を可能
にし、脳領域内の時空情報を処理する(Fukuda and Kos
aka, Neurosci. Res. 38:123-130(2000))樹状突起間間
隙接合(電気的シナプス)により連結された独自の周密
なネットワークを形成する。PV含有GABA介在神経細胞が
適切に機能するには、代謝共役型グルタミン酸受容体蛋
白質(mGluR5)の選択的な発現または急速な代謝回転、
または電位ゲート型のナトリウムおよびカリウムイオン
チャネルの非常に局在された樹状突起での発現を必要と
することが示されている。従ってMsi2は、神経前駆細胞
での役割に加えて、これらの受容体およびチャネルmRNA
の局所での翻訳または安定性を制御することによりこれ
ら特定の神経細胞系譜の生成および/または維持に関与
している可能性が高い。
【0023】(3)Msi2と神経疾患 免疫組織化学染色研究では、精神分裂症、ラットでの甲
状腺機能不全症、および皮質形成異常の動物モデルを含
むある種の病的状態における新皮質のPV含有GABA神経細
胞の選択的な減少または機能障害が報告されている。Ms
i2はPV含有神経細胞における機能を通してそのような疾
患の病因に影響を与えている可能性がある。
【0024】従って、本発明のMsi2蛋白質及びMsi2遺伝
子は、神経前駆細胞/中枢神経系幹細胞の維持および増
殖用の試薬として有用である。またPV含有GABA作動性神
経細胞亜集団の生成および/又は維持用試薬として有用
である。さらに、種々の神経系疾患の治療薬としても有
用である。
【0025】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0026】A.材料と方法 (1)マウスmsi2遺伝子cDNAのクローニング 成体マウス小脳より得られたラムダgt11 cDNAライブラ
リー(Sakakibara et al., Dev. Biol. 176:230-242(19
96))はマウスmsi1遺伝子コード領域(Genbankアクセシ
ョン番号#D4965、Sakakibara et al., Dev. Biol. 17
6:230-242(1996))の1.1キロ塩基対のEcoRI断片および
アフリカツメガエルxrp1 cDNA(Genbankアクセション番
号#L02953、Good et al., Nucl. Acids. Res. 21:999-
1006(1993))コード領域カルボキシル末端を含む387塩
基対のBamHI−NdeI断片を用いてスクリーニングした。
ハイブリダイゼーションは、1×107個のプラークに対し
て、msi1遺伝子プローブを用いて60℃で、またxrp1遺
伝子プローブを用いて55℃で、18時間から24時間の間、
5×105cpm/mlの32P標識されたランダムプライムドプロ
ーブを含む緩衝液(1M塩化ナトリウム、1%SDS、10%硫
酸デキストラン、0.1mg/ml鮭精子DNA)中で行った。ハ
イブリダイゼーションされたフィルターは、2×SSC、0.
1%SDS(低ストリンジェンシー)中で室温にて20分間2
回洗浄した。msi1遺伝子およびxrp1遺伝子プローブ両
方にハイブリダイズした32個の陽性クローンが得られ
た。その中でxrp1 cDNAに強くハイブリダイズした9個が
選択され、pBluescriptII(Stratagene、ラホヤ、カリ
フォルニア州)にサブクローニングされ、そしてダイプ
ライマーキット(Amersham Pharmacia Biotech、バッキ
ンガムシャー、イギリス)を用いて定法のダイデオキシ
ヌクレオチドシークエンス法により塩基配列が決定され
た。シークエンス解析では、マウスmusashi2(msi2)と
名づけた、0.5キロ塩基対の5'非翻訳領域、0.8キロ塩基
対の3'非翻訳領域、および1.0キロ塩基対の推定オープ
ンリーディングフレーム(ORF)にわたる複数の重複クロ
ーンが明らかになった。推定上の選択スプライシングさ
れるエクソンが予測コード領域のカルボキシル末端に54
塩基対の挿入として発見され、msi2 cDNAのショートフ
ォームとロングフォームのORFを形成していた。ショー
トフォームとロングフォームのmsi2転写物のin vivoで
の発現はE12胎生期と成体の脳から単離されたRNAの逆転
写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)解析により確
認された。類似性検索とアライメントがBLASTとFASTAア
ルゴリズムを用いてNCBIサーバーで行われた。系統樹解
析(DDBJのWWWサーバー上のclustalWプログラム)に用い
られた蛋白質のアクセション番号は以下のとおりであ
る。Hu(ヒト)U1snRNP70K(A25707)、Mus(マウス)hnRNP A
1(NP034577)、Hu hnRNP A0(Q13151)、Mus hnRNP A2
/B1(O88569)、Hu hnRNP A3(P51991)、Hu hnRNP A/B
タイプ(AAA36575)、ラット AUF1(BAB03468、BAB0346
6、BAB03467)、Mus hnRNP C1/C2(AAD03717)、HuhnRNP
F(S43484)、Mus hnRNP G(O35479)、Hu hnRNP H(I
39358)、Mus PTB(hnRNPI)(P17225)、Mus brPTB(N
P062423)、Hu hnRNP L(P14866)、Hu hnRNP M(P5227
2)、Hu hnRNP R(T02673)、Mus hnRNP U(NP058085)、Mus
TIA-1(P52912)、Mus TIAR(S72436)、Mus HuR(NP03461
5)、Mus HuB(AAC52644)、Mus HuC(Q60900)、Mus HuD(JC
2298)、Hu Brunol3(AAB09040)、Mus Lark(NP03305
8)およびRat La/SS-B(JC1494)。
【0027】(2)動物および組織調整 組織蛋白質抽出液、RNA、または組織切片の調整に用い
たICR(CD-1)マウスはCharles River Japan Inc.(日
本)から購入した。妊娠日は膣栓の存在により決定さ
れ、胎生0日目(E0)として記録され、出生日をP0とし
た。
【0028】(3)ノーザンブロット解析 各マウス組織および胎児よりトータルRNA(20μg)をメ
ーカーの指示書に従いTrizol(Gibco-BRL、Grand Isla
nd、ニューヨーク州)を用いて単離した。1%アガロー
ス-ホルムアルデヒドゲルの電気泳動で分離し、バイオ
ダインBナイロン膜(Pall、Portwasington、ニューヨー
ク州)上にトランスファーした。マウスmsi2 cDNA 750
塩基対の3'非翻訳領域断片の32P標識プローブは、ラン
ダムプライムドDNA標識キット(Roche Diagnostics、マ
ンハイム、ドイツ)を用いて調整し、50%ホルムアルデ
ヒド、6×SSPE、5×デンハート液、0.5%SDS、および20
0μg/mlの鮭精子DNA中にて42℃で16時間ハイブリダイズ
した。インキュベーション後、0.1×SSC、0.1%SDS中に
て50℃で厳密に洗浄し、フィルターはKodak X-OMATフィ
ルムに48時間露光した。トランスファーしたRNA標本の
完全性は、各ブロットを放射標識ベータアクチンプロー
ブ(Clontech、パロアルト、カリフォルニア州)を用い
て再プローブして確認を行った。
【0029】(4)抗Msi2抗体の作製と精製 Msi2蛋白質の14アミノ酸の末端配列(MEANGSPGTSGSAN)
に相当する、システインアミド残基が続くペプチドを抗
体作製のために合成した。このペプチド配列はRNA結合
ドメインであるRRM1(図2参照)の配列とは重複せず、
Msi1蛋白質の対応するN末端領域とはいかなる類似性も
示さない。約15mgのペプチドをシステインアミド残基を
介して、m-ブロモスクシンイミド処理されたキーホール
リンペットヘモシアニン(KLH)に結合し、ニュージー
ランドシロウサギに免疫性を与えるために使用した。抗
Msi2抗血清をアフィニティ精製するため、メーカーの指
示書に従い、合成ペプチド(5mg)を活性化した2-フル
オロ-1-メチルピリヂニウム-トルエン-4-スルホン酸塩
(FMP)セルロファイン(Seikagaku Kogyo、日本)に共
有結合させた。フィルターろ過(0.45μm)した全抗血清1
0mlを、TBS緩衝液(0.15M塩化ナトリウム、20mMトリス
塩酸塩、pH7.5)を用いて事前に平衡化したペプチド-FM
Pセルロファインアフィニティ樹脂3mlとともに4℃でイ
ンキュベートした。その後1M塩化ナトリウム50ml、1%
トライトンX-100、トリス塩酸塩20mM(pH 7.5)、続い
て0.15M塩化ナトリウム20mlを用いて樹脂を洗浄し、100
mMグリシン塩酸塩4ml(pH 2.0)を用いて4℃で溶出し、
直ちに1Mトリス0.2mlで中和した。
【0030】(5)組み換えMsi1およびMsi2蛋白質 Msi2蛋白質のショートフォームとロングフォームのORF
に相当する983塩基対と1072塩基対のBamHI-EcoRI断片は
E12胎生期および成体の脳のRNAからRT-PCRにより単離し
た。発現ベクターpRSET-A(Invitrogen、Carlsbad、カ
リフォルニア州)にインフレームにサブクローニング
し、pRSET-Msi2S(ショートフォーム)とpRSET-Msi2L
(ロングフォーム)を構築し、6ヒスチジン残基をアミ
ノ末端に有する融合蛋白質が生成した。発現ベクターpR
SET-Msi1(Sakakibara et al., 1996)、pRSET-Msi2S、
およびpRSET-Msi2LはBL21(DE3)pLysS大腸菌株に導入
し、1mMIPTG(イソプロピル-ベータ-D-チオガラクトピ
ラノシド)を用いて30℃で6時間インキュベーションす
ることで融合蛋白質を誘導した。組み換え融合蛋白質
(His6-Msi2S、His6-Msi2L、およびHis6-Msi1)は、供
給メーカーの指示通りに、Probond樹脂(Invitrogen)
カラムを用いてアフィニティ精製した。融合蛋白質の純
度と濃度は、溶出液のSDSポリアクリルアミド(PAGE)
ゲルをクマシーブリリアントブルー(Sigma)染色、お
よびブラッドフォード定量法(Biorad、ヘラクレス、カ
リフォルニア州)で確認した。
【0031】(6)プロテインフォスファターゼ処理およ
び免疫ブロッティング法 組織抽出液は緩衝液A(50mMトリス塩酸塩 pH7.6、1mM酢
酸カリウム、1.5mM酢酸マグネシウム、2mMジチオスレイ
トール(DTT)、100μg/mlフェニルメチルスルホニルフ
ルオリド(PMSF)、5μg/mlアプロチニン、5μg/mlロイ
ペプチン)を用いてホモジナイズし、続いて10,000×g
にて10分間遠心分離した。細菌で発現した精製組み換え
蛋白質(50ng/レーン)または組織抽出液(蛋白質量30
μg/レーン)は10%SDS-PAGEゲルで分離し、セミドライ
転写装置を用いてImmobilon-P膜(Millipore、ベッドフ
ォード、マサチューセッツ州)にエレクトロブロットし
た。各組織から等量の総蛋白質がロードされたことは、
標準ブラッドフォード定量法で確かめ、二重複製ゲルを
クマシーブルー染色することで立証した。化学発光シグ
ナルは、メーカーの指示に従い、ECL(Amerasham Pharm
acia Biotech)によりKodak X-OMATフィルムを用いて検
出した。蛋白質脱リン酸化測定を行うため、内在性のMs
i2蛋白質が胎生期脳抽出液(E12.5)より部分精製し
た。E12.5の脳(湿重量で1.0g)を緩衝液A5mlにホモジ
ナイズし、遠心分離して核を沈殿させた(12,000×g、1
0分間、4℃)。上清を取り除き、ショ糖1.5ml(緩衝液A
中にて30% w/v)のクッション上に静かに重層し、130,
000×g、4℃で2時間、BeckmanSW55Tiローターを用いて
遠心分離した。S130上清とショ糖クッションを除いた
後、沈殿したポリソーム画分をすすいで取り出し、緩衝
液A 500μl中に再懸濁した。かなりの量のMsi2蛋白質を
このポリソーム画分から回収した。プロテインフォスフ
ァターゼ処理のために、精製ポリソーム画分由来の蛋白
質10μgを、25μlの50mMトリス(pH7.5)、0.1mM EDT
A、5mM DTT、0.01%ブリッジ35、2mM塩化マンガン、10
μg/ml PMSF、5μg/mlアプロチニン、5μg/mlロイペプ
チン中で800ユニットのラムダプロテインフォスファタ
ーゼ(λPPAse)(New England BioLabs、Beverly、マ
サチューセッツ州)とともに30℃で1時間インキュベー
トした。λPPAseはリン酸化されたセリン、スレオニ
ン、チロシン残基を脱リン酸化する。λPPAseを含まな
い対照サンプルも上述のよにインキュベートした。反応
はSDS-PAGEサンプル緩衝液を用いて停止し、免疫ブロッ
ティング法に関して10%SDS-PAGEゲルにて分離した。
【0032】(7)in vitro転写/翻訳およびRNA結合アッ
セイ Msi2ロングフォームのコード領域(524-1564番の塩基)
とMsi1のコード領域(64-1152番の塩基、アクセション
番号D49654)に相当するcDNA断片を、FLAGタグをアミノ
末端にコードするプライマーを用いてPCRにより単離し
た。pCDNA3(Invitrogen)にサブクローニングし、発現
ベクターpCDNA-msi2およびpCDNA-msi1を構築した。こ
れらのプラスミドはウサギ網状赤血球溶解液(TNT T7 Q
uick coupled転写/翻訳系、Promega、マジソン、ウィス
コンシン州)中で、メーカーの推奨する条件に従い、0.
4mCi/ml 35Sメチオニン(Amersham Pharmacia Biotec
h)存在下にて転写/翻訳させた。61キロダルトンのルシ
フェラーゼ蛋白質をコードするルシフェラーゼT7コント
ロールベクター(Promega)もまた上述のとおりにinvit
roで翻訳させた。in vitro翻訳された蛋白質のRNAホモ
ポリマーへの結合については若干の変更を加えたが、基
本的には以前に記載されたように行った(Swanson and
Dreyfuss、1988)。簡潔に述べると、結合緩衝液(10mM
トリス塩酸塩、pH7.4、2.5mM塩化マグネシウム、0.5%
トライトンX-100、2mg/mlペプスタチン、2mg/mlロイペ
プチン、0.5%アプロチニン、1mg/mlヘパリン)により
平衡化した各20μlのリボホモポリマー-アガロースビー
ズを35S標識された蛋白質(1×10 5 cpm)とともに、100
mMまたは250mMの塩化ナトリウムを含む500μlの結合緩
衝液中にて、15分間振動台上で4℃にてインキュベート
した。ビーズは短時間の回転で沈殿し、50μl SDS-PAGE
ローディング緩衝液に再懸濁する前に結合緩衝液500μl
で5回洗浄した。結合した蛋白質は煮沸により溶出さ
せ、10% SDS-PAGEにて分離して、フルオログラフィー
により可視化させた。
【0033】(8)免疫組織化学 仔と8週齢の成体は、0.1Mリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4
中の4%パラホルムアルデヒド(PFA)を用いて左心室を通
じて潅流した。胎児は帝王切開で摘出され同一の固定剤
中に浸透させた。脳およびその他の組織は解剖し、4℃
にて一晩、処置後固定した。PBS中30%ショ糖中で4℃に
て一晩低温保護し、O.C.T.化合物(Tissue Tek、Mile
s、Elkhart、インディアナ州)に包埋した。12ミクロメ
ーターのクリオスタット切片を切断し、3アミノプロピ
ルトリエトキシシランコート済みのガラススライド(Ma
tsunami Glass、大阪、日本)に貼附した。切片はPBS中
0.4%トライトンX-100中に30分間浸透化処理し、その後
2次抗体を免疫化した10%正常血清、1%スキムミルク、
0.1%トライトンX-100(PBS中)を用いて室温にて1時間
ブロッキングした。続いて切片を一次抗体のカクテルを
用いて4℃にて一晩インキュベートした。このカクテル
は、10%正常血清および0.1%トライトンX-100(PBS
中)において1:300に希釈されたアフィニティ精製され
たウサギ抗Msi2ポリクロナール抗体を常に含有し、ま
た、以下の抗体の一つを含んでいる。1:500に希釈され
た抗Msi1(14H1、ラットモノクロナールIgG2b、腹水、K
aneko et al., 2000)、そして1:500に希釈された抗Hu
蛋白質(マウスモノクロナールIgG2b、HuD、HuC、およ
びHuBを含むHu蛋白質に結合するクローン16A11、Marusi
ch et al., 1994)、1:250に希釈された抗ネスチン(Ra
t401、マウスモノクロナールIgG、アイオワ大学Develop
mental Studies Hybridoma Bank)、1:500に希釈された
抗Ki-67(マウスモノクロナールIgG、Novocastra、Newc
astle upon Tyne、英国)、1:400に希釈された抗glial
fibrillary acidic protein(GFAP)(マウスモノクロ
ナールIgG1、Sigma)、1:100に希釈された抗2',3'-環状
ヌクレオチド-3'-ホスホヒドロラーゼ(CNPase)(マウ
スモノクロナールIgG1、Sigma)、1:500に希釈された抗
microtuble associated protein 2(MAP2) (マウスモ
ノクロナールIgG1、Sigma)、1:200に希釈された抗TuJ1
(Berkeley Antibody、マウスモノクロナールIgG2a/
K)、1:500に希釈された抗パラアルブミン(PV)(マウ
スモノクロナールIgG1、Chemicon、Temecula、カリフォ
ルニア州)、1:400に希釈された抗GABA(モルモットポ
リクロナール、Chemicon、Temecula、カリフォルニア
州)、1:100に希釈された抗アセチルコリントランスフ
ェラーゼ(ChAT)(ヤギポリクロナール抗体、Chemico
n)1:1000に希釈された抗Calbindin D28K(マウスモノ
クロナールIgG1、Sigma)、1:1000に希釈された抗チロ
シンヒドロキシラーゼ(TH)(マウスモノクロナールIg
G1、Hatanaka博士より提供を受けた)、1:100に希釈さ
れた抗Mac1(マウスモノクロナールIgG1、Roche Diagno
stics)、または1:5000に希釈された抗ブロモデオキシ
ウリジン(BrdU)(マウスモノクロナールIgG1、Sigm
a)。0.1%トライトンX-100(PBS中)を用いて4回洗浄
した後、切片は一次抗体と同じ溶液に1:500に希釈され
た以下の二次抗体を含むカクテル中で1時間インキュベ
ーションした。Alexa Fluor 568結合ヤギ抗ウサギIgG
(Molecular Probe、ユージン、オレゴン州)およびAle
xa Fluor 488結合抗マウス、抗ラット、抗モルモット、
抗ヤギIgG(Molecular Probe)。PBSでリンスした後、
適切なエピ蛍光フィルターを装着した蛍光顕微鏡(Zeis
s Axioplan 2)下で切片を検査された。光学切片は操作
型レーザー共焦点イメージングシステム(ZeissLSM51
0)を用いて観察した。コントロール切片では抗Msi2抗
体を取り除くか、もしくは免疫前ウサギ血清を代わりに
用いた。抗Msi2抗体の特異性は、組織切片の免疫染色に
使用する前に、免疫処理用のペプチド(50μg/ml)を用
いて事前に吸収させることにより検討した。
【0034】(9)細胞培養 ニューロスフェア(neurosphere)培養は過去に記載さ
れている方法で調整した(Nakamura et al., 2000)。
簡単に述べると、25μg/mlインスリン、100μg/mlトラ
ンスフェリン、20nMプロゲステロン、60μMプトレシ
ン、30nM亜セレン酸ナトリウム、20ng/ml EGF、および1
0ng/ml bFGFを含む基礎培地、D-MEM/F12(1:1)(Gibco
- BRL)を用い、E14.5終脳の前半分に由来する細胞を初
代スフェア形成に使用した(5×105細胞/5ml/ウェル、6
ウェルプレート)。10日間培養した後、ニューロスフェ
アは4% PFA中で4℃で30分間固定し、低温切片化のため
にO.C.T.化合物に包埋した。マウス神経芽細胞腫とラッ
ト神経膠腫の融合細胞であるNG108-15(Amano et al.,
1974)は、10%(v/v)のウシ胎児血清を添加したダル
ベッコ変法イーグル培地(Gibco- BRL)中にて増殖させ
た。細胞は5×105細胞/cm2の密度まで0.01% ポリ-L-リ
ジン(Sigma)にてプレコートされたカバースリップ上
で増殖させ、4% PFAを用いて4℃で30分間固定し、0.05
%トライトンX-100 PBS溶液中で10分間浸透化処理し
た。Msi1またはMsi2に対する免疫反応性はローダミン結
合ロバ抗ウサギIgGまたは抗ラットIgG二次抗体を用いて
可視化させた(Chemicon、1:250希釈)。細胞は核を同
定するために10μMヘキスト33342色素(Sigma)を用い
て対比染色した。光学画像はツァイスLSM410走査型共焦
点レーザー顕微鏡システムを用いて得た。
【0035】(10)脳損傷用外科処置とブロモデオキシウ
リジン(BrdU)取りこみ 脳損傷実験は文献に記載された方法で実施した(Sakaki
bara and Okano, J. Neurosci. 17:8300-8312(199
7))。2ヶ月齢の成体ICRマウスはネンブタール注射(10
mg/kg)(Abbott Laboratories、ノースシカゴ、イリノ
イ州)により麻酔し、正中線皮膚切開を行った。片側性
直線性頭蓋局部切除は、頭蓋骨において正中線から左3m
mの位置にドリルを用いて施した。損傷は左大脳半球に
生じさせた。27ゲージのステンレススチール針を矢状縫
合裂(sagittal fissure)に対し3mm外側に、ラムダ線
に対し2mm前方に位置し、軟膜を通して1.5mmの深さに挿
入した。脳は矢状縫合でラムダ線に対し4mm前方で切断
した。頭蓋骨の破断面はボーンワックスを用いて充填
し、傷は縫合糸で閉じた。損傷を受けた動物は、明らか
な行動上または運動上の問題を示さなかった。術後4日
目、損傷を受けた動物には2回にわたり2時間かけてBrdU
(100mg/体重kg、Sigma)を腹膜内注入し、2回目の注
射から2時間後に再び麻酔して、潅流して屠殺した。抗B
rdU抗体を用いた免疫染色は文献に記載された方法で行
った(Sakakibara and Okano, J. Neurosci. 17:8300-8
312(1997))。
【0036】(11)マウスmsi1およびmsi2の染色体マッピ
ング 各々ATG翻訳開始コドンを含むマウスmsi1(11.5kb)お
よびmsi2(11 kb)のマウス129sv/JゲノムDNA断片は、p
BulescriptII(Strategene)およびpZErO-1(Invitroge
n)プラスミドベクターに各々サブクローニングし、文
献に記載されているように、蛍光in situハイブリダイ
ゼーション(FISH)に使用した(Satoh et al., Cell Gen
et. 62:49-51(1993))。各プラスミドはビオチン-16-dU
TPまたはジゴキシゲニン-11-dUTPを用いてニックトラン
スレーションキット(Roche Diagnostics)により標識
し、マウス129胚性幹細胞細胞由来の分裂中期染色体に
ハイブリダイゼーションした。各スライドにおいて標識
DNA 1μgを5から10倍過剰量のマウスCot-1 DNA(Gibco-
BRL)とともに適用し、反復配列への非特異的ハイブリ
ダイゼーションを防止した。ハイブリダイゼーションシ
グナルはFITC-アビジン(Roche Diagnostics)またはロ
ーダミン結合抗ジゴキシゲニン(Vector Lab、Burlinga
ne、カリフォルニア州)を用いて可視化した。各染色体
を同定するために、DAPIを用いて染色体を対比染色し
た。写真はDAPIにてバンディングされた染色体像上にFI
SHシグナルをスーパーインポーズして撮影した。
【0037】B.結果 (1)Msi2の同定とその一次構造の特性 Msi1に類似性を有する新規の哺乳類RNA結合蛋白質のcDN
Aの単離を目的に、マウスmsi1およびXenopus xrp1 cDNA
プローブを用いて、低減したストリンジェンシーにて、
マウス神経系cDNAライブラリーをスクリーニングした。
Xenopus xrp1遺伝子(Good et al., Nucl. Acids Res.
21:999-1006(1993))はMsi1(Skakaibara et al., Dev.
Biol. 176:230-242(1996))のアフリカツメガエル相同
体であるNRP1蛋白質に配列上関連付けられる蛋白質をコ
ードしている。全長cDNAを得るため、獲得された最長の
DNAを、厳しいストリンジェンシーにてcDNAライブラリ
ーをスクリーニングするためのプローブとして用いた。
予測分子量37キロダルトンの346アミノ酸の蛋白質をコ
ードする最長かつ唯一のオープンリーディングフレーム
が、9個の重複したcDNAより同定された(図1)。配列
解析により、cDNAにコードされる遺伝子産物が新規のRN
A結合蛋白質であることが明らかとなった。我々はこのM
si1関連遺伝子をmusashi2(msi2)と名づけた。ライブ
ラリースクリーニングから得た複数のcDNAクローン、お
よびE12と成体のマウス脳(データ未発表)から単離し
たRNA由来のmsi2転写物について、RT-PCR解析すること
で2種の選択スプライスされた転写産物が存在すること
が示された(図1中、破下線)。この2種はMsi2のカルボ
キシ末端半分内の短いセグメント(18アミノ酸)の存
在、非存在により分けられる。この選択スプライスは、
予測分子量36.9および35.7キロダルトン(Msi2LおよびM
si2Sと各々名づけた)の2種のMsi2蛋白質のアイソフォ
ームが生成することを示している。Msi2Lのアミノ酸配
列を配列番号1に、Msi2のアミノ酸配列を配列番号2に
示した。またmsi2Lの塩基配列を配列番号4に、msi2Sの
塩基配列を配列番号5に示した。
【0038】多くのRNA結合蛋白質は、RNP-1およびRNP-
2(Burd and Dreyfuss, Science 265:615-621(1994))
と称される2種の短い非常に保存されたコアドメインを
含む、RNA結合モチーフ(RRM)と名づけられた80-90ア
ミノ酸保存配列を含んでいる(図1)。Msi2はよく保存
されたRNP-1コンセンサス配列である(K/R)G(F/Y)(G/A)F
VX(F/Y) (Burd and Dreyfuss, Science 265:615-621(1
994))を含む2つのRRM(RRM-1およびRRM-2)を含む。RN
P-2はRNP-1ほど保存されていないが、脂肪族および芳香
族的性質およびRNP-1に対する相対的な位置で特徴付け
られる(Burd andDreyfuss, Science 265:615-621(199
4))。ESTおよびGenbankデータベースに対する類似性検
索は、多くの既知RNA結合蛋白質の中で、Msi2が神経系R
NA結合蛋白質であるXenopus XRP1およびマウスMsi1に対
して顕著な類似性を示すことを明らかにした(図2、3、
4)。Msi2とMsi1は顕著な配列類似性を示した(全構造
にわたり75%のアミノ酸ホモロジー)。特に、Msi2のRR
M領域はMsi1およびXRP1のRRM領域にそれぞれ85%および
95%のホモロジーを示した(図2)。RNA基質に結合する
ために必須のRNP-1およびRNP-2のアミノ酸配列はこれら
の3種の蛋白質で完全に保存されていた(図3)。これに
よりMsi2は、Msi1またはXRP1により認識されるものと同
じRNA分子に結合する可能性が高まる。一方Msi2はDroso
philaのElav(Yao et al., J. Neurobiol. 24:723-739
(1993))および脊椎動物Hu蛋白質(HuB、HuC、HuDおよ
びHuR)(Okano and Darnell,J. Neurosci. 17:3024-30
37(1997))等のその他のいかなるRNA結合蛋白質のRRMに
も高い類似性を示さなかった。RRMを含まない、蛋白質
のカルボキシル末端尾部においてMsi2はMsi1に67%のア
ミノ酸同一性を示した(図2)。Msi2とXRP1の主な相違
はXRP1のカルボキシル末端半分に存在する58アミノ酸の
セグメントであり、Msi2では346アミノ酸、XRP1では406
アミノ酸となっている(図3)。2つのRRMドメインを除
いて、 想定されたMsi2蛋白質にはその他の機能ドメイ
ンやコンセンサス配列は同定されなかった。この点はMs
i1とXRP1でも同様である。
【0039】Msi2およびMsi1蛋白質の他のRRMを含む哺
乳類蛋白質との関係については、図4に示したペアワイ
ズ比較により明らかにした。補助ドメインに加えて2コ
ピーのRRMドメインを含むヘテロ核リボ蛋白質(hnRNP)
であるhnRNP A/Bクラスの中で、Msi1は独自のサブグル
ープを形成していた。このクラスの中で、hnRNPタイプA
/B蛋白質(Khan et al., FEBS Lett. 290:159-161(199
1))およびAUF1(hnRNP D)(Zhang et al., Mol. Cell
Biol. 13:7652-7665(1993))はこのMsi1亜群にいくら
か関連付けられる(図4)。AUF1は多くのがん原遺伝子
やサイトカインmRNAの3'非翻訳領域のUに富むエレメン
トに結合し、これらのmRNAの安定性を制御している(De
Maria and Brewer J. Biol. Chem. 271:12179-12184(19
96); Blaxall etal., J. Biol. Chem. 274:4290-4297(2
000))。
【0040】msi2 mRNAが組織特異的な様態で発現して
いるかどうかを見極めるために、マウスmsi2 cDNAの750
塩基対の3'非翻訳領域断片を用いてプロービングして、
成体マウスの様々な組織に由来するRNAのノーザンブロ
ットを行った(図6)。7.1キロベースの十分なレベルの
主要msi2転写物が測定した全組織で検出された。最も高
いレベルは小脳で検出され、また肝臓と小腸の検出レベ
ルは比較的低かった。1.5キロベースのショートフォー
ムのmsi2転写物は、精巣でのみ検出された。異なる発生
段階に由来するRNAのノーザンブロットにより、msi2転
写物が中枢神経系で発生段階を通して連続して発現して
いることが示された(図7)。msi2転写物のこの組織分
布と発生プロファイルは、Xenopus xrp1 mRNAで報告さ
れた分布プロファイルと相似していた(Good et al., N
ucl. Acids Res. 21:999-1006(1993))。
【0041】(2)msi1およびmsi2遺伝子の染色体座位決
定 msi1およびmsi2ゲノム断片由来のプローブを用いてゲノ
ムサザンブロット解析を行った結果、いくつかの適切な
制限酵素に対する単一バンドが推定され、共に単一コピ
ー遺伝子である可能性が高いことが示された。msi1およ
びmsi2遺伝子の細胞遺伝学的位置は蛍光インサイチュハ
イブリダイゼーション(FISH)により決定した。図5に示
すように、msi1およびmsi2遺伝子は、各々DAPIバンドに
より染色体5qE3-Fおよび11qB5-Cにマップされた。我々
の以前のFISHおよび体細胞ハイブリッドパネル解析(Go
od et al., Genomics 52:382-384(1998))により、ヒト
msi1遺伝子は、マウスmsi1座位のシンテニー領域に相当
する染色体12q24.1-24.31に座位決定されている。msi2
遺伝子は比較地図により、ヒトでは染色体17q11-21に位
置すると予測された(ジャクソン研究所マウスゲノムイ
ンフォーマテイクスデータベース)。実際に、ヒトゲノ
ムデータベースの検索により、17番染色体上に(アクセ
ション番号AC005325の165キロベースのBACクローンでカ
バーされている)ヒトmsi2遺伝子の部分核酸配列がある
ことが明らかとなり、アフリカツメガエル、マウス、お
よびヒト等、種を超えてmsi2およびmsi1遺伝子が保存さ
れていることが示された。ヒトではこのmsi2シンテニー
領域は、パーキンソン症を伴う前頭側頭型痴呆(FTDP1
7)(Spillantini and Geodert、Trends Neurosci 21:4
28-433(1998))、ピック病(Munoz-Garcia and Ludwi
n、Ann. Neurol. 16:467-480(1984))、家族性進行性皮
質下グリオーシス(GPSC)(Pertersen et al、Neurolo
gy 45:1062-1067(1997))および神経線維腫症1型(レッ
クリックハウゼン病、NF1)(Mukonoweshru et al、Neu
ropediatrics 30:111-119(1999))という遺伝性神経系
疾患のいくつかの座位を含んでいた。
【0042】(3)Msi2蛋白質のRNA結合特性 Msi2が実際にRNAに結合するか、もしそうであればMsi1
とMsi2が共通のRNAターゲットを認識するかどうかを検
討するため、我々はin vitroにてRNA結合解析を行っ
た。全長のMsi2およびMsi1蛋白質をin vitro転写/翻訳
により調整し、それらのRNAホモポリマーへの結合性を
決定した。Msi2およびMsi1蛋白質は、100mMの塩化ナト
リウムを含む緩衝液中における通常のストリンジェント
シー条件下で、ポリ(U)に強い結合性を示した。ポリ(G)
には弱い結合を示し、ポリ(A)およびポリ(C)には全く結
合しないことが示された(図8)。61キロダルトンのルシ
フェラーゼポリペプチドはどのホモポリマーにも結合せ
ず、Msi2およびMsi1蛋白質のRNA結合活性を確認した。
さらに最高1.0M塩化ナトリウムまで、様々な程度のスト
リンジェントシー下で結合実験を行い、Msi1およびMsi2
蛋白質が共にポリ(U)およびポリ(G)に結合することを示
した。ポリ(U)への結合は250mM塩化ナトリウムでも安定
だったが、ポリ(G)への結合は100mM塩化ナトリウム下で
のみ見られた(図9)。
【0043】(4)Msi2抗体の特異性 組織でのMsi2の局在性を示すため、Msi1との明らかな類
似性が見られないマウスMsi2のアミノ末端の14アミノ酸
に相当するペプチドを用いて、ウサギでポリクロナール
抗血清(抗Msi2)を作製した(図1、図3)。図10に示
すように、抗Msi2抗血清は組み換え全長Msi2LおよびMsi
2S蛋白質ともに認識するが、Msi1蛋白質には交差反応を
示さなかった。逆に抗Msi1モノクロナール抗体(14H1)(K
aneko etal., Dev. Neurosci. 22:139-153(2000))はMsi
1蛋白質のみを検出し、Msi2を検出しなかった。胎生期
(E12)および生後(P3)脳のウエスタンブロットにお
いて、抗Msi1抗体は約37-40キロダルトンのダブレット
を認識し(図11、図2)、選択プライシング産物(Sakak
ibara et al., Dev. Biol. 176:230-242(1996))を反映
している。Msi2蛋白質もまた、35および37キロダルトン
の電気泳動移動度を有する2つの主要なポリペプチドと
して同定され(図11、2つの矢印)、これは各々Msi2Sお
よびMsi2Lに相当する可能性が高い。35および37キロダ
ルトンの蛋白質は共に近接したダブレットを含んでいる
ようであった(図11)。部分精製した内在性Msi2をラム
ダプロテインフォスファターゼで処理することにより、
これらのダブレットは単一の速い移動度のバンドに減衰
したことから、おそらくin vivoでのMsi2LおよびMsi2S
のリン酸化に起因するものであった(図12)。Msi2の配列
はセリンおよびスレオニン残基(12%)に富み、その多く
はカゼインキナーゼI、II、GSK3、またはPKCの潜在的な
リン酸化部位であった。msi2ノックアウトマウスの免疫
ブロット解析により、これらの全てのバンドがmsi2遺伝
子に由来することを確認した。総合すると、これらの結
果は、抗Msi1および抗Msi2抗体の特異性を確立するもの
である。
【0044】(5)Msi2およびMsi1蛋白質の亜細胞分布 Msi2およびMsi1蛋白質はNG108(図13)およびPC12細胞
を含むいくつかの神経細胞株の細胞質に限定的に局在し
ている。Msi2およびMsi1の細胞質における発現は、E10
神経上皮細胞においても観察された(図14G、H、GとHの
挿入図、図15C)。加えてMsi2は、非神経組織の細胞お
よび分化後神経細胞の細胞質に存在しており(図17G、1
8G)、分化後神経細胞ではMsi2蛋白質は樹状突起や軸索
よりもむしろ細胞体近位領域に見られる。E12.5脳溶解
液の細胞内分画では、多くの量のMsi2がポリソーム画分
より回収された(図12)。
【0045】(6)中枢神経系におけるMsi2の発生期の発
現 Msi1蛋白質は胎生期中枢神経系において非常に濃縮され
ていたが、Msi2蛋白質レベルはそのmRNAレベル(図7)
と並行して脳発生期において比較的一定レベルに留まっ
ているようであった(図11)。しかしながら、後述する
免疫組織化学試験の結果によって、少なくとも胎生期お
よび生後の中枢神経系の様々な領域において、Msi2は遍
在して発現していないことが明示された。むしろMsi2は
細胞型特異的な様態で発現しており、その発現はマウス
脳および脊髄の発生において空間的におよび時間的に強
く制御されているようであった。特に、発生中の中枢神
経系において、Msi1と等しい発現パターンで、Msi2は主
としてVZおよびSVZの増殖性前駆細胞で検出された。
【0046】(7)VZおよびSVZ 最初に活発な神経発生と細胞分化が起きていることが知
られている時期の中枢神経系において、Msi2の発現部位
を検討した。E10マウス胎仔の神経管は、分裂性の未分
化神経上皮細胞で均一に占められている。この段階では
Msi2蛋白質の発現は終脳および脊髄一面で非常に強かっ
た(図14、15)。ほとんどのMsi2陽性細胞はMsi1陽性
(図14A、B、15A、B)、Ki67陽性(図14C、D、15C、
D)、そしてネスチン陽性(図14E、F)神経上皮細胞で
あった。Ki67は増殖細胞のマーカーであり(Nakamura e
t al., J. Neurosci. 20:283-293(2000))、中間径フ
ィラメント蛋白質であるネスチンは中枢神経系幹細胞の
マーカーである(Lendahl et al., Cell 60:585-595(19
90))。E12-E14までには、中枢神経系の神経発生が進
み、Msi1陽性分裂神経前駆細胞は終脳および脊髄のVZに
限局されるようになり、この時点では分化した神経細胞
は周辺部を占めるようになる(Sakakibara et al., De
v. Biol. 176:230-242(1996); Kaneko et al., Dev. Ne
urosci. 22:139-153(2000))。同時に終脳(図14G-
L)、脊髄(図15C-L)、および神経節隆起(図14I、J)を
含むほとんどの中枢神経系領域のVZ細胞で、Msi2とMsi1
の共発現が検出された。Msi2の発現は、中間層および前
脳皮質板(図14I−L)および脊髄(図15G、H)に移動し
たほとんどのMAP2陽性分裂後神経細胞において消失し
た。
【0047】出産後および成体の中枢神経系において、
脳室上衣およびSVZ領域の細胞はMsi2とMsi1の強い発現
レベルを示した。活発なグリア発生期間のP7において、
多くの密に凝集したMsi2陽性細胞が、線条体で境界付け
られ、脳梁を覆うSVZの側背角で発見された(図14M)。
この領域は増殖性であり、アストロサイトとオリゴデン
ドロサイトを生ずるグリア前駆細胞だけでなく(Leviso
n and Goldman, Neuron 10:201-212(1993); Sakakibara
and Okano, J. Neurosci. 17:8300-8312(1997))、嗅
球の介在神経細胞となる(SVZ前方部の;SVZaの)神経細
胞前駆細胞も含むことが知られている(Lois and Alvar
ez-Buylla, Proc. Natl. Acad. Sci.USA 9:2073-2077(1
993); Luskin, Neuron 11:173-189(1993))。生後発生
においてグリオ発生が進むと、SVZは薄くなる。しかし
ながら分裂活発な層として成体期中維持されている(Le
wis, Exp. Neurol. 20:203-207(1968))。成体前脳にお
いては多くのMsi2陽性細胞が脳室上衣およびSVZ細胞に
見られた(図14O)。SVZ成分が既に消失している成体脊
髄においては、Msi2の高い発現が中心管を裏打ちする脳
室上衣細胞で持続していた(図15M、O)。二重免疫蛍光
染色により、脳室上衣およびSVZの細胞において生後生
涯にわたりMsi2とMsi1が共発現していることが示され
た。
【0048】Msi2の中枢神経系幹細胞集団での発現を調
べるために、ニューロスフェアを用いた免疫染色実験を
行った。EGFやbFGF等の分裂誘発因子存在下で、解離さ
せた神経細胞は増殖し、「ニューロスフェア」と呼ばれ
る浮遊性多細胞構造を形成する(Reynolds and Weiss e
t al., 1996; Nakamura et al., J. Neurosci. 20:283-
293(2000))。ニューロスフェアのほとんどの細胞は単
一の中枢神経系幹細胞/前駆細胞よりクローン増殖した
ものであり、中枢神経系幹細胞の特徴を有すると考えら
れる(Reynolds and Weiss et al., 1996; Nakamura et
al., 2000)。すなわち、自己再生活性を有し、多分化
性であり、神経細胞またはグリアのいずれにも分化する
ことができると考えられている。図16A-Cに示すよう
に、Msi2とMsi1はE14.5終脳に由来するニューロスフェ
ア細胞において強く共発現していた。Msi2とKi67の共発
現(図16D、Dの挿入図)は多くのMsi2陽性細胞がニュー
ロスフェアにおいて増殖能を賦与されていることを示し
ていた。これらのニューロスフェアはまたネスチンに対
する抗体で均一に免疫標識され、その多分化能は娘ニュ
ーロスフェアを用いた分化アッセイにより確認された。
【0049】Msi2の発現がin vivoにおいて神経前駆細
胞/中枢神経系幹細胞に限定されているか否かを明らか
にするため、GFAP、Hu、Tuj1、またはPDGFR-αに対する
抗体を用いてSVZ領域の切片を二重染色した。側脳室周
囲の生後SVZにおいて、また図16Eに示されているよう
に、Msi2の顕著な発現が密に凝集した細胞において観察
された。SVZ内にGFAPに反応する細胞は全く検出できな
かったが(図16E)、いくつかのMsi2およびGFAPに陽性
で、多数の突起を有するアストロサイトが発生中の脳梁
において存在していた。Huは、ほとんどの幼若および分
化後神経細胞において発現しているもう一つのRNA結合
蛋白質Elavファミリーに属する(Barami et al., J. Ne
arobiol., 2882-101(1995); Okano and Darnell, J. Ne
urosci. 17:3024-3037(1997); Sakakibara and Okano
J. Neurosci. 17:8300-8312(1997))。SVZ領域の側背部
分は多数のHu陽性細胞幼若神経細胞を含み、これらの神
経細胞はSVZ細胞から作られ、そして外側の実質に移動
しているように思われた。Msi2陽性細胞とHu陽性細胞は
これらのSVZ領域の中で混じり合っていたが、Msi2陽性
細胞は例外なく免疫学的にHu陰性であり、Hu陽性細胞は
Msi2陰性であった(図16F)。同様にこれらのSVZ領域の
Tuj1陽性幼若神経細胞とその絡みあった神経突起は決し
てMsi2で標識されなかった。オリゴデンドロサイト系譜
では生後SVZに存在するPDGFR-α陽性細胞が、オリゴデ
ンドロサイト前駆細胞(OPCまたはO-2A前駆細胞)のも
っとも初期の形態であると提唱されていた(Nishiyama
et al., J.Neurosci. Res. 43:299-314(1996))。オリ
ゴデンドロサイト前駆細胞はSVZにおいて分裂し、脳梁
および新皮質等の初期実質内においてオリゴデンドロサ
イト系譜のさらに分化した細胞を生じることになる。二
重免疫蛍光標識はこれらのPDGFR-α陽性オリゴデンドロ
サイト前駆細胞はMsi2に対する免疫反応性を全く示さな
いことを示した(図16G)。
【0050】総合するとこれらの結果は、Msi2の発現は
VZおよびSVZに存在する増殖性前駆細胞/中枢神経系幹細
胞に主として関連付けられ、オリゴデンドロサイト系譜
およびほとんどの分化初期の神経細胞より消失してい
た。このMsi2の発現プロファイルは中枢神経発生期に渡
り、Msi1のそれに類似していた。しかしながら分化した
神経細胞の亜集団ではMsi2の持続した発現が以下に述べ
る免疫組織化学的結果より明らかであった。
【0051】(8)大脳 胎生期VZまたは生後SVZに各々起因する神経細胞および
グリア細胞は、脳梁を含む発達中の白質を通過して、層
状の成体大脳皮質を形成するために適切な層まで移動す
る。Msi1は移動中のGFAP陰性(原形質性)およびGFAP陽
性の分化後アストロサイトを含む、アストロサイト系譜
の細胞で発現していることが知られている(Miller and
Raff, J. Neurosci. 4:585-592(1984); Sakakibara an
d Okano,J. Neurosci. 17:8300-8312(1997))。SVZの細
胞に比してMsi2の低い免疫反応性と粗な分布がこれらの
領域では見られるが、Msi2発現細胞は大脳皮質、脳梁、
線条体を含む大脳の実質細胞域において生涯を通して同
定される。成熟した中枢神経系においてMsi2を発現する
細胞タイプを同定するために、Msi2と以下のマーカー蛋
白質の一つ、すなわち神経細胞に対してHu、分化後オリ
ゴデンドロサイトに対してCNPase(Sprinkle CRC Crit.
Rov. Neurobiol.4:235-301(1989))、そしてアストロサ
イトに対してGFAPおよびMsi1、に対する抗体を用いて、
二重標識間接免疫染色を行った。大脳皮質全体にわたっ
てMsi2陽性細胞の集積が観察された(図17A、B)。これ
らの中にはMsi1を共発現し、分化後アストロサイトに特
徴的な態様である比較的厚く分岐した突起を有するもの
があった(図17E、F)。Msi2およびGFAPに対する抗体の
二重標識により、予測された通り、アストロサイトでの
Msi2の発現を確認した(図17I、J)。Msi2とGFAP共に免
疫反応性を示す細胞は主として分子層(I層)(図17I、
J)および軟膜表面近傍に分布していた。さらに皮質の
より深層(II-VI層)はかなりの数のMsi2陽性、Hu陰性
のアストロサイト様の細胞を有していた(図17C、D、
G、H 矢印)。これらの細胞はMsi1を共発現していたた
め(図17E、F)、大脳皮質I層に稀でII-VI層に豊富であ
ることが知られている原形質性アストロサイト(Sakaki
bara and Okano, J. Neurosci. 17:8300-8312(1997))
を示しているのかもしれない。これらのアストロサイト
の多くはGFAP免疫組織化学法では染色されない(Miller
and Raff, J. Neurosci. 4:585-592(1984))。さらに
血液血管の上皮細胞に密接に関連付けられるアストロサ
イトはまたMsi2に対し免疫反応性であった。オリゴデン
ドロサイトにおいては、Msi2陽性細胞とCNPase陽性細胞
は灰白質および白質でともに絡み合っているのが見られ
るが、CNPase陽性細胞は必ずMsi2に対して免疫学的に陰
性であり、逆もまたそうであった(図17K、L)。これは
上述したように、生後SVZに存在するオリゴデンドロサ
イト前駆細胞にMsi2が存在しないことを示す観察と一致
していた。
【0052】一方、Msi2蛋白質はまた、小型Msi1陽性ア
ストロサイトとは異なる巨大円形細胞集団にも発現して
いた(図17A、B、矢印)。これらのMsi2陽性細胞は主と
してII-VI層に見られ、神経細胞であることを示すHuに
対する免疫反応性と重なっていた(図17C、D中の矢印、
図17G、H中の星印)。しかしながらHuとMsi2の発現を比
較すると、大多数のHu陽性細胞はMsi2に対して陰性であ
ることが明らかに示された(図17C、D、および17G、H中
の矢印)。大脳の神経細胞亜集団におけるMsi2の発現と
一致して、上述したようにMsi2陽性神経様細胞は胎生脊
髄(図15G、Hの括弧で囲まれた領域、図15K、Lの矢
印)、および成体の脊髄(図15O、P)、線条体(図14
O、P)において見られた。Msi2の発現はアストロサイト
における発現とともに、神経細胞系譜の細胞亜集団にお
いて維持されていることがこれらのデータから示され
た。Msi2の発現はMsi1の場合と同様に、オリゴデンドロ
サイト系譜の非常に初期段階においては、消失または強
く発現量が低下している(Sakakibara and Okano, J. Ne
urosci. 17:8300-8312(1997))。
【0053】(9)GABA神経細胞の亜集団におけるMsi2の
発現 成体の大脳皮質においてMsi2を発現している神経細胞型
を決定するために、コリン作動性(ChAT)、ドパーミン
作動性(TH)、およびGABA作動性(パラアルブミン、ca
lbindin-D28K、GABA)神経に対するいくつかのマーカー
を用いて二重免疫蛍光染色を行った。成体マウスの大脳
皮質は、II、III、IV、V層内の大型錐体神経細胞および
皮質全体に分布する中型非錐体神経細胞を含む、多くの
タイプの細胞から構成されている。パラアルブミン(P
V)およびcalbindin-D28K(CB)の2つのカルシウム結合
蛋白質は神経伝達物質としてGABAを含有する非錐体神経
細胞の少数において発現していることが知られている
(Celio Neuroscience 35:375-475(1990); Hendry et a
l., Exp. Brain Res. 76:467-472(1989))。過去の研究
ではPVとCBは、これらのGABA作動性介在神経細胞の全く
異なる2つの集団で発現していることが知られている(H
endry et al., Exp. Brain Res、76:467-472(1989); De
Felipe, J. Chem. Neuroanat. 14:1-19(1997))。すな
わちPVはシャンデリアおよび籠細胞で発現しており、CB
はダブル−ブーケット細胞で見られる(DeFelipe, J. C
hem. Neuroanat. 14:1-19(1997))。図18A-Dに示される
ように、Msi2およびPVの発現は、皮質領域(すなわち頭
頂、前頭、または帯状束皮質)にかかわらず、多くの細
胞で一致している。全てのPV陽性細胞は強くMsi2を発現
しており、II-V層に集中している。Msi2およびCB共に陽
性の細胞はほとんどまたは全くなかった(図18E-H)。
これらの観察と一致するように、Msi2とGABAに対する抗
体を用いての二重免疫蛍光標識は、GABA作動性神経細胞
の亜集団におけるMsi2の発現を示した。多くのMsi2陽性
細胞はII-III層に存在するGABA含有性中型神経細胞と重
複していたが(図18I、J)、GABA陽性Msi2陰性の細胞集
団も存在した(図18K、L、矢印)。さらにMsi2の発現は
全ての皮質錐体神経細胞において失われていた。皮質錐
体神経細胞は、その大きな細胞体と典型的な形態により
他の細胞から容易に区別し得るものである。V層には以
前に観察されたように(Hendryet al., J. Chem. Neuro
anat. 14:1-19(1989))、籠細胞の軸索終末に典型的なP
V陽性多端末性終末(図18D、星印)で包囲された大型錐
体神経細胞の細胞体および近位樹状突起が多数存在し
た。Msi2の発現はこれらのPV陰性細胞体では失われてい
た(図17C、星印)。図18MおよびNで示されるように、
小型卵形細胞体および微細上行性突起を有するChAT陽性
コリン作動性細胞が皮質中に疎に観察され、それらはMs
i2の発現も示さなかった(図18M、N、矢印)。大脳皮質
の発生段階においてMsi2の発現はPV含有性GABA作動性神
経細胞の系譜では維持されていることが示された。
【0054】(10)小脳 Msi2発現の動的なパターンが発生期の小脳においても観
察された。E14.5の小脳原基において、Msi2は外側窩の
菱脳唇から移動している外顆粒細胞層(EGL)における
小型の密に充填された細胞。および第4脳室のVZにおい
てもMsi2が発現されている。生後初期の発生期間におい
てEGLは発生中の小脳の表面を覆っており、増殖性神経
細胞前駆体からのみ構成されている。Msi1に比べると程
度は低いけれども、P3までにはMsi2の発現はEGLにおい
て検出することができた(図15A、B)。神経発生が進む
と、2種類の細胞集団がEGLに現れる。EGLの上部で増殖
する細胞(EGLa)とEGLのより深部で神経細胞分化の最
初の段階を遂げている細胞(EGLb)(Altman, J. Comp.
Neurolo 145:353-398(1972); Kuhar et al., Developme
nt 117:97-104(1993))である。P7では、Msi1の発現は以
前に報告されたように(Sakakibara and Okano, J. Neu
rosci. 17:8300-8312(1997))、EGLa細胞内に主として
観察され、一方HuはEGLb内の分化している顆粒神経細胞
に発現していた(図19E、G)。この時EGLaではMsi2のか
すかな発現が見られたに過ぎない(図19F、H)。
【0055】Msi2とMsi1間の発現のもっとも顕著な差異
は、プルキンエ細胞層(PCL)と深部小脳核内の神経細
胞集団において見られる(図19A、B)。発生段階および
成体のPCLでは、Msi1の免疫反応性を全く失っている大
型プルキンエ細胞においてMsi2の発現が顕著であった
(図19C、D、I、J、矢印)。Msi2の分化した神経細胞で
の発現は深部小脳核(図19B、星印)、および分子層に
存在する星状細胞および籠細胞等の介在神経細胞(図19
D)においても観察された。しかしながら、Hu陽性の内
顆粒細胞層(IGL)の無数の顆粒神経細胞においてMsi2
は発現していない(図19G)。IGLにおいてはMsi2はゴル
ジ介在神経細胞においてのみ検出された(図19D、矢
先)。Msi2のGABA神経細胞での持続した発現は、成体の
小脳皮質においても観察された。Msi2の発現は分子層の
星状細胞および籠細胞、プルキンエ細胞、およびIGLの
ゴルジ細胞等のほぼ全ての抑制性GABA神経細胞に限定さ
れていた(図18)。これに相応して、PVはこれらの細胞
で発現していることが知られている(Celio, Neuroscie
nce 35:375-475(1990))。
【0056】グリア細胞においてMsi2の発現は白質神経
路とIGL(図19C)内のアストロサイトで検出され、これ
は、これらの領域で非常に強く発現されているMsi1と比
較すると非常に低いレベルであった(Sakakibara and O
kano, J. Neurosci. 17:8300-8312(1997))(図19B、
D)。Msi2とMsi1の発現は、PCLでは放射状に配置された
バーグマングリア細胞とPCLから分子層を通り軟膜表面
にコースをとる、その繊維において付随的に観察された
(図19C-J)。成体小脳の組織切片をGFAPおよびCNPase
に対する抗体を用いて間接二重標識するにより、PCL
(バーグマングリア)および葉状の白質神経路を含むさ
まざまな領域においてMsi2とGFAPが同位置に局在してい
ることが示された。CNPaseはこれらの領域では決してMs
i2とは共発現していなかった。これらの結果は小脳の神
経細胞およびアストロサイトの特定の亜集団におけるMs
i2の発現を示した。
【0057】(11)その他の中枢神経系領域 特定の神経細胞亜集団でのMsi2の持続した発現は脳のそ
の他の領域においてもまた明白に観察された。成体の海
馬形成において、小型の分散したMsi2陽性神経細胞が錐
体細胞層、上昇層、放線層、および網状分子において検
出された。CA1領域の強拡像はこの領域内に均一に分布
しているアストロサイトにおける拡散した発現とともに
少数の神経細胞におけるMsi2の強い発現を示した(図18
O、P)。CA1およびCA3部分体ではGABA作動性神経細胞全
体の約20%がPVを含有している(Kosaka et al., Brain
Res. 491:119-130(1987))。このGABA神経細胞のPV陽
性亜集団は他の局部回路神経細胞よりも電気的にも代謝
的にも活性なfirst-spiking細胞をあらわしていると考
えられている(Kawaguchi et al., Brain Res. 416:369
-374(1987))。いくつかのMsi2陽性神経細胞はPV陰性で
あったが、Msi2はCA1領域のこれらのPV含有GABA作動性
神経細胞に主として局在していた(図18O)。対照的にM
si2の免疫反応性は、CBが発現していることが知られて
いる(Celio, Neuroscience 35:375-475(1990))錐体細
胞層に並んでいるCA1の錐体神経細胞にはなかった(図1
8O)。多くの歯状回の顆粒神経細胞はMsi2も発現してい
なかったが、一方、抗Msi2抗体は歯状回の顆粒層の最深
領域であるsubgranular領域のいくつかの細胞を染色し
た。以前の報告(Kaneko et al., Dev. Neurosci. 22:1
39-153(2000))はMsi1がこのsubgranular領域において
同一の発現パターンを示すことを報告した。ほとんどの
海馬領域における神経細胞の産生はマウスにおいては出
生前に終了している。しかしながら、歯状回において顆
粒神経細胞が成体まで産生し続けられている(Eriksson
et al., Nat. Med. 4:1313-1317(1998))。subgranula
r領域が生後神経発生能を有する幹細胞集団を含んでい
るとすると(Palmer et al., Mol. Cell Neurosci. 8:3
89-404(1997))、この領域のMsi2陽性細胞は機能的に異
なった亜集団すなわち生後海馬の中枢神経系幹細胞集団
を代表しているかもしれない。
【0058】一方、大脳基底核および脳幹を含むその他
の限局された脳領域において、PVもCBも含まないいくつ
かの非GABA神経細胞においてMsi2免疫反応性が見られ
た。大脳基底核内においては、ventral pallidum、淡蒼
球、およびcaudate putamenに疎に分布している神経細
胞亜集団でMsi2が同定された。Msi2の発現がPV陽性神経
細胞に加えて線条体、対角帯核(Ch2およびCh3)(図18
Q、R)、内側中隔核(Ch1)、および内側手綱核(Ch7)
のいくつかのChAT陽性コリン作動性投射神経細胞におい
て見られた。チロシン水酸化酵素(TH)の存在で同定さ
れるいくつかのドーパミン作動性神経細胞もまたMsi2を
発現していた。図18SおよびTは、第3脳室周囲の視床領
域の不確帯ドーパミン作動性神経細胞(A13)においてM
si2とTHが同じ場所に位置することを示している。視
床、視床上部、視床下部領域においてMsi2の神経細胞で
の発現が内側視索前核、視索上核、周室核、中間手綱
核、外側手綱核において同定され、一方Msi1はこれらの
領域のアストロサイトでのみ発現していた。
【0059】総合すると、いくつかの異なる脳領域(大
脳皮質、海馬、小脳皮質)の発生段階において、Msi2の
発現は、アストロサイトの系譜と同様に前駆細胞段階か
ら分裂後分化後段階に属するPV含有GABA作動性神経細胞
の系譜において維持されている。しかしながらその他の
脳領域(大脳基底核、脳幹)のコリン作動性およびドー
パミン作動性神経細胞でもMsi2が発現している。
【0060】(12)損傷後のMsi2の発現変化 以前の報告(Sakakibara and Okano, J. Neurosci. 17:
8300-8312(1997))は脳損傷後に反応性アストロサイト
におけるMsi1の発現が顕著に上昇していることを示し
た。Msi2がアストロサイト系譜の細胞でも発現している
事実に基づき、我々は中枢神経系損傷後のグリア瘢痕組
織の形成期間におけるMis2の発現変化を検討した。実験
的に誘発された中枢神経系損傷により、損傷部位でのグ
リア瘢痕組織の形成および損傷組織を囲むアストロサイ
トの複合的変化が起こる。無数の肥大および過形成の反
応性アストロサイトはGFAPレベルの上昇を示し、損傷後
活発に分裂するようになる(Miyake et al., Brain Re
s. 590:300-302(1992))。損傷直後(0日目)Msi2およ
びGFAPの発現レベルは損傷部位周辺(大脳皮質2-3層)
では変化しなかった(図20A、B)。損傷後2日目までに
は損傷部位周辺のMsi2陽性細胞の数は、同側性および対
側性半球の非損傷領域における数と有意に異ならなかっ
た)。損傷後4日目、障害部位の近傍(損傷部位から100
-200μm以内の領域)におけるMsi2陽性細胞の数は劇的
に上昇した(図20)。グリア瘢痕組織の形成期における
同領域の免疫組織化学分析は、損傷後3-4日のMsi2とMsi
1蛋白質の劇的で一致した誘導を示した(図20E、F)。
この領域には無数のGFAP陽性アストロサイトが存在し
た。これらの細胞は全方向に伸びた長く波型の突起を有
し、密な束状構造を形成しているようであった。これら
は反応性アストロサイトの典型的な特徴である。これら
のGFAP陽性細胞は全てMsi2に対し免疫反応性陽性であっ
た(図20G、H、矢印)。BrdU投与実験は、損傷後4日目
においてさえ、これらのMsi2陽性反応性アストロサイト
が増殖し続けていたことを示した(約35%のBrdU取り込
み細胞がMsi2を発現していた)(図20C、D、矢印)。こ
れは、脳損傷によりGFAP発現アストロサイト内で細胞分
裂が引き起こされることを示した過去の研究(Miyake e
t al., Brain Res. 590:300-302(1992))と一致するも
のである。一方、損傷部位には多くのBrdU陽性Msi2陰性
増殖細胞が存在した(図20C、D、矢先)。これらの細胞
のほとんどは、損傷に反応して増殖する活性化アメーバ
様ミクログリアまたは浸潤したマクロファージであるよ
うであった。ミクログリアおよびマクロファージにおい
てMsi2誘導が生じないことは抗Msi2および抗MacI抗体に
よる二重染色により確定された(Thomas., 1992)。
【0061】Msi1の発現と同様のプロファイル(Sakaki
bara and Okano, Brain Res. 590:300-302(1997))
で、瘢痕組織形成過程の反応性アストロサイトにおいて
Msi2の発現が高いレベルで誘導されることがこれらの観
察より示された。したがってmsi2とmsi1遺伝子の発現は
反応性アストロサイトにおいては、共通の制御機構によ
り調節されているかもしれない。
【0062】
【発明の効果】本発明のMsi2蛋白質及びMsi2遺伝子は、
神経前駆細胞/中枢神経系幹細胞の維持および増殖用の
試薬として有用である。またPV含有GABA作動性神経細胞
亜集団の生成および/又は維持用試薬として有用であ
る。さらに、種々の神経系疾患の治療薬としても有用で
ある。
【0063】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science and Technology Corporation <120> RNA-Binding Protein Musashi2 <130> P03561308 <140> <141> <160> 5 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 346 <212> PRT <213> Mouse <400> 1 Met Glu Ala Asn Gly Ser Pro Gly Thr Ser Gly Ser Ala Asn Asp Ser 1 5 10 15 Gln His Asp Pro Gly Lys Met Phe Ile Gly Gly Leu Ser Trp Gln Thr 20 25 30 Ser Pro Asp Ser Leu Arg Asp Tyr Phe Ser Lys Phe Gly Glu Ile Arg 35 40 45 Glu Cys Met Val Met Arg Asp Pro Thr Thr Lys Arg Ser Arg Gly Phe 50 55 60 Gly Phe Val Thr Phe Ala Asp Pro Ala Ser Val Asp Lys Val Leu Gly 65 70 75 80 Gln Pro His His Glu Leu Asp Ser Lys Thr Ile Asp Pro Lys Val Ala 85 90 95 Phe Pro Arg Arg Ala Gln Pro Lys Met Val Thr Arg Thr Lys Lys Ile 100 105 110 Phe Val Gly Gly Leu Ser Ala Asn Thr Val Val Glu Asp Val Lys Gln 115 120 125 Tyr Phe Glu Gln Phe Gly Lys Val Glu Asp Ala Met Leu Met Phe Asp 130 135 140 Lys Thr Thr Asn Arg His Arg Gly Phe Gly Phe Val Thr Phe Glu Asn 145 150 155 160 Glu Asp Val Val Glu Lys Val Cys Glu Ile His Phe His Glu Ile Asn 165 170 175 Asn Lys Met Val Glu Cys Lys Arg Ala Gln Pro Lys Glu Val Met Phe 180 185 190 Pro Pro Gly Thr Arg Gly Arg Ala Arg Gly Leu Pro Tyr Thr Met Asp 195 200 205 Ala Phe Met Leu Gly Met Gly Met Leu Gly Tyr Pro Asn Phe Val Ala 210 215 220 Thr Tyr Gly Arg Gly Tyr Pro Gly Phe Ala Pro Ser Tyr Gly Tyr Gln 225 230 235 240 Phe Pro Gly Phe Pro Ala Ala Ala Tyr Gly Pro Val Ala Ala Ala Ala 245 250 255 Val Ala Ala Ala Arg Gly Ser Val Leu Asn Ser Tyr Ser Ala Gln Pro 260 265 270 Asn Phe Gly Ala Pro Ala Ser Pro Ala Gly Ser Asn Pro Ala Arg Pro 275 280 285 Gly Gly Phe Pro Gly Ala Asn Ser Pro Gly Pro Val Ala Asp Leu Tyr 290 295 300 Gly Pro Ala Ser Gln Asp Ser Gly Val Gly Asn Tyr Ile Ser Ala Ala 305 310 315 320 Ser Pro Gln Pro Gly Ser Gly Phe Gly His Gly Ile Ala Gly Pro Leu 325 330 335 Ile Ala Thr Ala Phe Thr Asn Gly Tyr His 340 345 <210> 2 <211> 328 <212> PRT <213> Mouse <400> 2 Met Glu Ala Asn Gly Ser Pro Gly Thr Ser Gly Ser Ala Asn Asp Ser 1 5 10 15 Gln His Asp Pro Gly Lys Met Phe Ile Gly Gly Leu Ser Trp Gln Thr 20 25 30 Ser Pro Asp Ser Leu Arg Asp Tyr Phe Ser Lys Phe Gly Glu Ile Arg 35 40 45 Glu Cys Met Val Met Arg Asp Pro Thr Thr Lys Arg Ser Arg Gly Phe 50 55 60 Gly Phe Val Thr Phe Ala Asp Pro Ala Ser Val Asp Lys Val Leu Gly 65 70 75 80 Gln Pro His His Glu Leu Asp Ser Lys Thr Ile Asp Pro Lys Val Ala 85 90 95 Phe Pro Arg Arg Ala Gln Pro Lys Met Val Thr Arg Thr Lys Lys Ile 100 105 110 Phe Val Gly Gly Leu Ser Ala Asn Thr Val Val Glu Asp Val Lys Gln 115 120 125 Tyr Phe Glu Gln Phe Gly Lys Val Glu Asp Ala Met Leu Met Phe Asp 130 135 140 Lys Thr Thr Asn Arg His Arg Gly Phe Gly Phe Val Thr Phe Glu Asn 145 150 155 160 Glu Asp Val Val Glu Lys Val Cys Glu Ile His Phe His Glu Ile Asn 165 170 175 Asn Lys Met Val Glu Cys Lys Arg Ala Gln Pro Lys Glu Val Met Phe 180 185 190 Pro Pro Gly Thr Arg Gly Arg Ala Arg Gly Leu Pro Tyr Thr Met Asp 195 200 205 Ala Phe Met Leu Gly Met Gly Met Leu Gly Tyr Pro Asn Phe Val Ala 210 215 220 Thr Tyr Gly Arg Gly Tyr Pro Gly Phe Ala Pro Ser Tyr Gly Tyr Gln 225 230 235 240 Phe Pro Gly Phe Pro Ala Ala Ala Tyr Gly Pro Val Ala Ala Ala Ala 245 250 255 Val Ala Ala Ala Arg Gly Ser Gly Ser Asn Pro Ala Arg Pro Gly Gly 260 265 270 Phe Pro Gly Ala Asn Ser Pro Gly Pro Val Ala Asp Leu Tyr Gly Pro 275 280 285 Ala Ser Gln Asp Ser Gly Val Gly Asn Tyr Ile Ser Ala Ala Ser Pro 290 295 300 Gln Pro Gly Ser Gly Phe Gly His Gly Ile Ala Gly Pro Leu Ile Ala 305 310 315 320 Thr Ala Phe Thr Asn Gly Tyr His 325 <210> 3 <211> 2370 <212> DNA <213> Mouse <400> 3 cgccaactgc ccttccaagt kgcacactgt acatctgtga gtgggtgtta gtgtctgggt 60 gtgaacctca aagagagaga acatctactt cctaggcctc acactgaagg gacctggggc 120 agtcatttaa aaagaactct gaagcttcaa atggtgatcc tagtcagagc acatagattt 180 ccctaccctg acataaaaat attcttagct aaagctgcca gaattaatgt aatgattaaa 240 ttctctcaca gggtatttta aacattgttt acatatgaaa tgtgcatctg ctgccaaatg 300 ctactgtcca atatgcggtg catatacact ggacctgcag tgatggaatc atcccagatg 360 ggtcttctca acactggccc catcccaatg caaaacggct ccacgcgtgt ggtgtggcac 420 cctcctttgg ggcctagagt tcttgcaagc tcttggtggg atgaaggctg tagatgatga 480 tgtcatgcac cctggtgact cctttccaaa ttggggctcc gctatggagg caaatgggag 540 cccaggcacc tcgggcagcg ccaacgactc ccagcacgac cccggtaaaa tgtttatcgg 600 tggactgagc tggcagacct caccagatag ccttagagac tattttagca aatttggaga 660 aattagagaa tgtatggtca tgagagatcc cacaacgaaa cgctccagag gcttcggttt 720 cgtcaccttc gcagacccag caagtgtaga taaagtatta ggtcagcccc accatgagtt 780 agattccaag acgattgacc caaaagttgc atttcctcgt cgagcgcaac ctaagatggt 840 cacaagaaca aagaaaatct tcgtaggagg attgtctgcg aacacagtag tggaagatgt 900 aaagcagtat ttcgagcagt ttggcaaggt agaggatgcg atgctgatgt tcgacaaaac 960 caccaacagg cacagagggt ttggctttgt cacctttgag aatgaagacg ttgtggagaa 1020 agtctgtgag attcatttcc atgaaatcaa taataaaatg gtagaatgta agaaagctca 1080 gccgaaagaa gtcatgttcc cacctgggac aagaggccgg gcccgggggc tgccatacac 1140 catggatgcg ttcatgcttg gcatggggat gctgggctac cccaactttg tggcaaccta 1200 tggcagaggc taccccggat ttgctcctag ctatggctac cagttcccag gcttcccggc 1260 agcagcttat ggaccagtgg cagcggcagc tgtggcagcg gctcgaggat cagtcctgaa 1320 tagctacagt gctcaaccga attttggcgc gcccgcttcc ccggcaggct ccaacccggc 1380 gcggcccgga ggcttcccgg gggccaacag cccaggacct gtcgccgatc tctacggccc 1440 tgccagccag gactccggag tggggaatta cataagcgcg gccagcccac agccgggctc 1500 cggcttcggc cacggcatag ctggaccttt gattgcaacg gcctttacaa atggatacca 1560 ctgagcaggc gcttccattg ccgtctcact atgagagcat acctggatgt ccaggcaaga 1620 ctgggcgaag tttctgagtg gccctttgtt taggtgacgt cctcagacct ggacccccac 1680 cagcctcact cctcatccca accagaggtg gcacacttgg attgagggtt gacacatctc 1740 atctcaccca tcggctacct gctgtaatat aagacaacag cttttaaacg tgtatataat 1800 ccatgatttt ggtttggttc tgtttgtttt ccttggtggt ccccctctcc ctctccctct 1860 tctcctttta aatctccctc aatcacattt ggtagtgatt tttgacttag tctggtagtc 1920 acccagctta atatctagtt aaagctaacc atagtatact tgttatatat taaggagttt 1980 ttttttttct ttcttttgtt ttcttttttc ctttaaagag aatttttgtt ttgttttgat 2040 tctgttctcg cttttaaagg atgctgagat ggtgatgtta ctctccattt ttggtaccag 2100 ttctgagact gtaagacttt tcatctggga ctttagcaca cactgaatcg aagttgtgat 2160 acgcggagcg ggaggtgggc atagactcta ttttgtgttg tagaagtgac atacagttgg 2220 ctgcttaaca gactctctag ccgttcattt ttgtgacgtc tctttgttaa cctaagtata 2280 tctattttcg gcaataaggt aaggacggcc gtgttttgag ggtcttcctt tcctatgagt 2340 gctttttctt ttcttctgtt caaagaggtc 2370 <210> 4 <211> 1038 <212> DNA <213> Mouse <400> 4 atggaggcaa atgggagccc aggcacctcg ggcagcgcca acgactccca gcacgacccc 60 ggtaaaatgt ttatcggtgg actgagctgg cagacctcac cagatagcct tagagactat 120 tttagcaaat ttggagaaat tagagaatgt atggtcatga gagatcccac aacgaaacgc 180 tccagaggct tcggtttcgt caccttcgca gacccagcaa gtgtagataa agtattaggt 240 cagccccacc atgagttaga ttccaagacg attgacccaa aagttgcatt tcctcgtcga 300 gcgcaaccta agatggtcac aagaacaaag aaaatcttcg taggaggatt gtctgcgaac 360 acagtagtgg aagatgtaaa gcagtatttc gagcagtttg gcaaggtaga ggatgcgatg 420 ctgatgttcg acaaaaccac caacaggcac agagggtttg gctttgtcac ctttgagaat 480 gaagacgttg tggagaaagt ctgtgagatt catttccatg aaatcaataa taaaatggta 540 gaatgtaaga aagctcagcc gaaagaagtc atgttcccac ctgggacaag aggccgggcc 600 cgggggctgc catacaccat ggatgcgttc atgcttggca tggggatgct gggctacccc 660 aactttgtgg caacctatgg cagaggctac cccggatttg ctcctagcta tggctaccag 720 ttcccaggct tcccggcagc agcttatgga ccagtggcag cggcagctgt ggcagcggct 780 cgaggatcag tcctgaatag ctacagtgct caaccgaatt ttggcgcgcc cgcttccccg 840 gcaggctcca acccggcgcg gcccggaggc ttcccggggg ccaacagccc aggacctgtc 900 gccgatctct acggccctgc cagccaggac tccggagtgg ggaattacat aagcgcggcc 960 agcccacagc cgggctccgg cttcggccac ggcatagctg gacctttgat tgcaacggcc 1020 tttacaaatg gataccac 1038 <210> 5 <211> 984 <212> DNA <213> Mouse <400> 5 atggaggcaa atgggagccc aggcacctcg ggcagcgcca acgactccca gcacgacccc 60 ggtaaaatgt ttatcggtgg actgagctgg cagacctcac cagatagcct tagagactat 120 tttagcaaat ttggagaaat tagagaatgt atggtcatga gagatcccac aacgaaacgc 180 tccagaggct tcggtttcgt caccttcgca gacccagcaa gtgtagataa agtattaggt 240 cagccccacc atgagttaga ttccaagacg attgacccaa aagttgcatt tcctcgtcga 300 gcgcaaccta agatggtcac aagaacaaag aaaatcttcg taggaggatt gtctgcgaac 360 acagtagtgg aagatgtaaa gcagtatttc gagcagtttg gcaaggtaga ggatgcgatg 420 ctgatgttcg acaaaaccac caacaggcac agagggtttg gctttgtcac ctttgagaat 480 gaagacgttg tggagaaagt ctgtgagatt catttccatg aaatcaataa taaaatggta 540 gaatgtaaga aagctcagcc gaaagaagtc atgttcccac ctgggacaag aggccgggcc 600 cgggggctgc catacaccat ggatgcgttc atgcttggca tggggatgct gggctacccc 660 aactttgtgg caacctatgg cagaggctac cccggatttg ctcctagcta tggctaccag 720 ttcccaggct tcccggcagc agcttatgga ccagtggcag cggcagctgt ggcagcggct 780 cgaggatcag gctccaaccc ggcgcggccc ggaggcttcc cgggggccaa cagcccagga 840 cctgtcgccg atctctacgg ccctgccagc caggactccg gagtggggaa ttacataagc 900 gcggccagcc cacagccggg ctccggcttc ggccacggca tagctggacc tttgattgca 960 acggccttta caaatggata ccac 984
【図面の簡単な説明】
【図1】Msi2蛋白質のアミノ酸配列を示す図である(下
線は2個のRNA結合モチーフ(RRM)を示し、破線はMsi2
遺伝子の選択的スプライシングにより欠失あるいは付加
される配列を示す。星印はMsi2蛋白質に対するペプチド
抗体作成に用いた配列を示す)。
【図2】マウスMsi2とMsi1の構造の比較を示す図であ
る。
【図3】マウスMsi2蛋白質と、そのアフリカツメガエル
における相同分子XRP1、およびマウスMsi1蛋白質間の配
列の比較を示す図である。
【図4】哺乳類における様々なRRM型のRNA結合蛋白質の
系統樹による比較を示す図である。
【図5】FISHによるmsi2遺伝子とmsi1遺伝子のマウス染
色体上の位置の決定を示す図である(左のパネルはmeta
phaseの染色体のDAPI染色像で、右のパネルは同一染色
体上のmsi2(上段のパネル)およびmsi1(下段のパネ
ル)両遺伝子のハイブリダイゼーションシグナル(矢
印)を示す。右側の模式図中の縦線は写真判定により決
定されたmsi2とmsi1遺伝子の染色体上の位置を示す)。
【図6】成体マウスの各組織におけるmsi2mRNAの分布を
示す図である。
【図7】脳の発生にともなうmsi2mRNAの発現変化を示す
図である(下段は解析に用いたRNAの量、質の検定のた
めに行ったβ-actin遺伝子プローブによるノーザンブロ
ット)。
【図8】全長のMsi2およびMsi1蛋白質のRNAホモポリマ
ーへの結合実験結果を示す図である(RNAホモポリマー
の種類(A,C,U,G)および蛋白質の種類を各レーンの上に
示した。'Input'レーンは各結合実験に用いた35S-標識
蛋白質のフルオログラフィーを示す。図左に分子量マー
カーを示す)。
【図9】より厳しい結合条件下でのMsi2とMsi1のRNAホ
モポリマーへの結合特性を示す図である(図内の数値は
塩濃度(M))。
【図10】抗Msi2および抗Msi1抗体の特異性の検討結果
を示す図である(レーン1:Msi2S、レーン2:Msi2L、レー
ン3:Msi1)。
【図11】Msi2およびMsi1蛋白質の脳発生にともなう発
現量変化を示す図である(胎生12日目(E12)および生後3
日目(P3)の脳の蛋白抽出液によるウェスタンブロット解
析)。
【図12】E12.5胎児脳のポリソーム画分を調製し、蛋
白質脱リン酸化酵素で処理したもの(+)としないもの(-)
に対して、Msi2抗体によるウェスタンブロット解析を行
った結果を示す図である。
【図13】神経系の株化細胞NG108におけるMsi1とMsi2
の細胞内局在を示す図である(抗Msi1抗体(a)、抗Msi2
抗体(c)による免疫染色の共焦点レーザー顕微鏡による
観察結果。b,dは各々の視野のヘキスト33342による核染
色像。スケールバーは8μm)。
【図14】胎生期脳室周囲(VZ)および生後の脳室下層(S
VZ)に存在する神経系前駆細胞におけるMsi2の発現を示
す図である(各パネルは図中に示した抗体による2重免
疫染色像)。A-F:胎生10日(E10)の終脳。G/H:胎生12日
(E12)の大脳皮質。I-L:胎生14日(E14)の大脳皮質。M/N:
生後7日(P7)の前脳側脳室周囲のSVZ領域。O/P:成体の側
脳室周囲のSVZ、および上衣細胞におけるMsi2の発現。O
/Pの矢印はMsi2陽性、Msi1陰性のニューロン様細胞を示
す。スケールバー:A-H,K,L,50μm;I,J,M,N,90μm;O,P,2
5μm;GとHの挿入図,8μm.星印;側脳室;cp,cortical pla
te;vz,脳室周囲層;lge, lateral ganglionic eminence;
cc,脳梁;str,線状体。
【図15】脊髄におけるMsi2を示す図である(胎児期お
よび成体の各腰髄の水平断切片の抗Msi2とMsi1抗体、MA
P2またはHu抗体による2重免疫染色)。A/B,C/D,E/F,G/
H,I/J,K/L,M/NおよびO/Pの各パネルは図中に示した抗体
による2重免疫染色像を示す。A/B:E10神経管。C/D:E10
神経管の強拡大。E/F:E12脊髄。G-L:E脊髄。K/L:I/J中
の線で示した領域の強拡大。M/N:成体の脊髄。O/P,M/N
の強拡大。OPの矢尻はHu陽性、Msi2陰性のニューロンを
示す。スケールバー:A,B,100μm;C,D,12μm;E-H,50μm;
I,J,M,N,45μm;K,L,O,P,10μm。cc,中心管。
【図16】ニューロスフェアーにおけるMsi2の発現と、
SVZ内の幼若ニューロンおよびオリゴデンドロサイト前
駆細胞におけるMsi2発現の欠失を示す図である。A-C:E1
4.5終脳由来の単一ニューロスフェアーにおけるMsi2(B,
赤)とMsi1(C,緑)の発現。核はヘキスト色素により染色
(A,青)。D:ニューロンスフェアーのMsi2抗体(赤)とKi
67抗体(緑)による2重染色。挿入図は強拡大。矢印はM
si2、Ki67陽性細胞を示す。E-G:生後(P2)の側脳室周囲
のSVZを含む領域の前額切断片の2重染色。E:GFAP(緑)と
Msi2(赤)による2重染色。F:Hu(赤)とMsi2(緑)による2重
染色。G:PDGFR-α(赤)and Msi2(緑)による2重染色。ス
ケールバー:C,50μm;D,20μm;G,10μm。
【図17】成体大脳におけるMsi2の発現を示す図である
(Msi2とMsi1、あるいはその他の細胞型特異的マーカー
による成体大脳新皮質の2重染色)。A/B,C/D,E/F,G/H,I
/J,K/Lの各パネルは図中に示した抗体による2重免疫染
色像を示す。A-D:Msi2は灰白質(II-III層)と白質(I層)
にび慢性分布するアストロサイト。E-L,灰白質(II-III
層、E-H)と白質(分子層;I/J,白質下層;K/L)におけるM
si2発現細胞の強拡大図。スケールバー:A-D,25μm;E-L,
8μm。
【図18】抗Msi2抗体と抗parvalbumin(PV)、抗calbind
in-D28K(CB)、抗GABA、抗cholineacetyltransferase(Ch
AT)、または抗tyrosine hydroxylase(TH)抗体による成
体大脳新皮質の2重染色を示す図である。A/B,C/D,E/F,G
/H,I/J,K/L,M/N,O/P,Q/RおよびS/Tの各パネルは図中に
示した抗体による2重免疫染色像を示す。A/B:新皮質II-
III層。C/D;深層(V層)に存在するMsi2陽性、PV陽性ニュ
ーロンの強拡大。E/F;新皮質II-III層。G/H;II-III層に
あるMsi2あるいはCB陽性ニューロンの強拡大。I/J,K/
L、II-III層のMsi2とGABA抗体による2重染色。M/N;灰白
質のChAT陽性コリン作動性ニューロン。O/P;海馬体。Q/
R,S/T;それぞれ対角帯核垂直部、不確帯。スケールバ
ー:A,B,E,F,M-T,25μm;C,D,G,H,I-L,8μm。Rad, stratu
m radiatum; Py,stratum pyramidale; Or,stratum orie
ns。
【図19】小脳におけるMsi2の発現を示す図である(抗
Msi2抗体と抗Msi1、またはHu抗体による生後および成体
の小脳矢状断切片の2重染色)。A/B,C/D,E/F,G/Hおよび
I/Jの各パネルは図中に示した抗体による2重免疫染色像
を示す。A/B:P3小脳。E-H,P7小脳。C/D;成体小脳。I/J,
PCLの拡大図。スケールバー:A,B,100μm;C-H,30μm;I,
J,8μm。ML,分子層;PCL,プルキンエ細胞層;IGL,内顆粒
細胞層;EGL,外顆粒細胞層。
【図20】反応性アストロサイトにおけるMsi2とMsi1の
発現誘導を示す図である(成体大脳皮質への物理的損傷
を加えたのち、0日目(A,B)と4日後(C-H)の切片(II-III
層の部分)の抗Msi2抗体と抗Msi1、BrdUまたはGFAP抗体
による2重染色)。A,B;0日目のGFAPとMsi2による2重染
色。C.D;損傷後4日目。E,F;損傷後4日目。G,H;損傷後4
日目。スケールバー:A-F,18μm。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1もしくは2で示されるアミノ
    酸配列、又は当該アミノ酸配列に対して1もしくは複数
    個のアミノ酸が置換、欠失、付加もしくは挿入されたア
    ミノ酸配列を有するRNA結合性を有するムサシ蛋白質
    2。
  2. 【請求項2】 配列番号1もしくは2で示されるアミノ
    酸配列、又は当該アミノ酸配列に対して1もしくは複数
    個のアミノ酸が置換、欠失、付加もしくは挿入されたア
    ミノ酸配列をコードするRNA結合性を有するムサシ蛋白
    質2の遺伝子。
  3. 【請求項3】 配列番号3、4もしくは5で示される塩
    基配列、又は当該塩基配列に対して1もしくは複数個の
    塩基が置換、欠失、付加もしくは挿入された塩基配列を
    有するものである請求項2記載のムサシ蛋白質2の遺伝
    子。
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