WO2023105575A1

WO2023105575A1 - ジョブの切替方法および実装ライン

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Abstract

ジョブの切替方法は、ジョブを切り替える場合、実装ラインを構成する複数の実装機のうち最上流の実装機から下流の所定の実装機までの第１実装機群に対しては、第１ジョブ切替を行ない、所定の実装機よりも下流側にある第２実装機群に対しては、第２ジョブ切替を行なう。第１ジョブ切替は、第１実装機群の全ての実装機で第１種類の基板の生産が終了し、少なくとも第１実装機群の特定の実装機で段取り替えが終了した後に、第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える。一方、第２ジョブ切替は、第２実装機群のうち下流の実装機が第１種類の基板を生産するのと並行して第１種類の基板の生産が終了した上流の実装機で段取り替えを実行させ、当該段取り替えが終了した後、第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える。

Description

ジョブの切替方法および実装ライン

　本明細書は、ジョブの切替方法および実装ラインについて開示する。

　従来、この種の実装ラインとしては、基板に部品を実装する実装機が複数台並べられた実装ラインにおいて、１種類の基板の生産が終了し、生産される基板の種類が変わるときに、段取り替えを連続的段取り替え生産モードに従って行なうものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。連続的段取り替え生産モードは、第１種類の基板の生産から第２種類の基板の生産への段取り替えが、下流側の実装機において第１種類の基板の生産が行なわれるのと並行して上流側の実装機において行なわれるモードである。段取り替えは、上流側の実装機から順に、第１種類の基板の生産の終了後、直ちに行われ、段取り替えが終わり次第、次の第２種類の基板への部品の実装が開始される。そのため、実装ラインにおいて、段取り替え前の基板の生産のための部品の実装と、段取り替えと、段取り替え後の基板の生産のための部品の実装とが並行して行なわれる時期がある。

特開２００９－１１１０８７号公報

　しかしながら、こうした連続的段取り替えを行なうことができない場合が生じる。例えば、特定の組み合わせ部品をそれぞれ別々の実装機で実装する場合、組み合わせ部品のうち一方の部品が一方の実装機にセットされてはじめて、他方の実装機にセットすべき他方の部品が決定されることがある。組み合わせ部品としては、例えば、ＬＥＤと、ＬＥＤに印加される電流を制限するための電流制限抵抗と、を挙げることができる。ＬＥＤは、どれも均一な光量で発光できる訳ではなく、製造要因等により発光量にばらつきが生じる。このような状況においても、照明の光量を均一にするために、ＬＥＤのクラスに応じて電流制限抵抗の抵抗値を変更することが行なわれている。この場合、組み合わせ部品のうち下流側の実装機により実装されることが多い一方の部品（ＬＥＤ）が一方の実装機にセットされるまでは、他方の部品（電流制限抵抗）が決まらず、他方の部品を他方の実装機にセットすることができないため、上述した連続的段取り替えを実行することができない場合が生じる。また、一方の部品（ＬＥＤ）が他方の部品（電流制限抵抗）よりも上流側の実装機により実装される場合であっても、他方の部品が実際に下流側の実装機にセットされるまでは、基板の生産が保証されない。確実を期すのであれば、やはり、組み合わせ部品の両者の部品が確定してから生産を行なうべきである。こうした場合において、実装ラインを構成する全ての実装機について、第１種類の基板の生産が終了するのを待ってから、段取り替えを行ない、段取り替えが終了すると、最上流の実装機に第２種類の基板を流して第２種類の基板の生産を開始することも考えられるが、第２種類の基板の生産に大幅な遅れが生じてしまう。

　本開示は、実装ラインを構成する全ての実装機において連続的な段取り替えを行なうことができない場合であっても、できる限り効率よくジョブを切り替えることを主目的とする。

　本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。

　本開示のジョブの切替方法は、
　部品を基板に実装する複数の実装機が基板の搬送方向に並ぶ実装ラインにおけるジョブの切替方法であって、
　第１種類の基板を生産するジョブから第２種類の基板を生産するジョブへと切り替える場合、前記実装ラインを構成する複数の実装機のうち最上流の実装機から下流の所定の実装機までの第１実装機群に対しては、前記第１実装機群の全ての実装機で前記第１種類の基板への部品の実装が終了し、少なくとも前記第１実装機群の特定の実装機で段取り替えが終了した後に、前記第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える第１ジョブ切替を行ない、前記所定の実装機よりも下流側にある第２実装機群に対しては、前記第２実装機群のうち下流の実装機が前記第１種類の基板に部品を実装するのと並行して前記第２実装機群のうち前記第１種類の基板への部品の実装が終了した上流の実装機で段取り替えを実行させ、当該段取り替えが終了した後、前記第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える第２ジョブ切替を行なう、
　ことを要旨とする。

　この本開示のジョブの切替方法では、実装ラインを構成する複数の実装機のうち最上流の実装機から下流の所定の実装機までの第１実装機群に対しては、第１ジョブ切替を行ない、所定の実装機よりも下流側にある第２実装機群に対しては、第２ジョブ切替を行なう。第１ジョブ切替は、第１実装機群の全ての実装機で第１種類の基板への部品の実装が終了し、少なくとも第１実装機群の特定の実装機で段取り替えが終了した後に、第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える。一方、第２ジョブ切替は、第２実装機群のうち下流の実装機が第１種類の基板に部品を実装するのと並行して第２実装機群のうち第１種類の基板への部品の実装が終了した上流の実装機で段取り替えを実行させ、当該段取り替えが終了した後、第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える。これにより、実装ラインを構成する全ての実装機に対して第２ジョブ切替を適用できない場合であっても、一部の実装機に対して第２ジョブ切替を適用することにより、実装ラインを構成する全ての実装機に対して第１ジョブ切替を適用するものに比して、効率よくジョブを切り替えることが可能となる。

　本開示の生産ラインでは、本開示のジョブの切替方法と同様にジョブを切り替えることで、本開示のジョブの切替方法と同様の効果を奏することができる。

部品実装ラインの外観斜視図である。部品実装機の概略構成図である。部品実装ラインの電気的な接続関係を示すブロック図である。フィーダ保有情報の一例を示す説明図である。切替モード設定処理の一例を示すフローチャートである。ジョブ切替処理の一例を示すフローチャートである。段取り替え支援処理の一例を示すフローチャートである。組み合わせ部品情報の一例を示す説明図である。図９Ａ～図９Ｃは一括ジョブ切替の様子を示す説明図である。図１０Ａ～図１０Ｃは一括ジョブ切替の様子を示す説明図である。図１１Ａ～図１１Ｃはシームレスジョブ切替の様子を示す説明図である。図１２Ａ～図１２Ｃは、一括ジョブ切替を行なう部品実装機とシームレスジョブ切替を行なう部品実装機とを決定する様子を示す説明図である。

　次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。

　図１は、部品実装ライン１の外観斜視図である。図２は、部品実装機１０の概略構成図である。図３は、部品実装ライン１の電気的な接続関係を示すブロック図である。なお、図１および図２中、左右方向がＸ軸方向であり、前後方向がＹ軸方向であり、上下方向がＺ軸方向である。

　本実施形態の部品実装ライン１は、部品を実装した基板Ｓを生産するものであり、図１に示すように、基板Ｓの搬送方向に沿って配列される複数（８台）の部品実装機１０（１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ，１０Ｅ，１０Ｆ，１０Ｇ，１０Ｈ）と、ライン全体を管理する管理装置５０と、を備える。部品実装ライン１の最上流の部品実装機１０Ａには、当該部品実装機１０Ａに基板Ｓを供給するための基板供給装置２が下流側の部品実装機１０Ｂとは反対側に隣接して設置されている。基板Ｓの表面には、当該基板Ｓの種類を識別するための基板ＩＤ（例えばバーコード）が付され、読み取り機６０（例えばバーコードリーダ）により基板ＩＤが読み取られることにより、生産する基板Ｓの種類が管理装置５０に認識される。

　各部品実装機１０は、図２に示すように、フィーダ３０と、基板搬送装置２１と、ヘッド２２と、ヘッド移動装置２３と、を備える。

　フィーダ３０は、部品実装機１０の前部に設置されたフィーダ台に着脱可能に装着される。フィーダ台にはフィーダ３０がそれぞれ挿入される複数のスロットが設けられ、フィーダ３０は、複数のスロットに装着されることで、Ｘ軸方向に並ぶように配列される。フィーダ３０は、例えば、所定間隔置きに形成された複数のキャビティにそれぞれ部品が収容されたキャリアテープと、キャリアテープが巻回されたリールと、リールからキャリアテープを巻き解して送り出すテープ送り装置と、を備えるテープフィーダである。

　基板搬送装置２１は、上流側の部品実装機１０の基板搬送装置２１から基板Ｓを搬入すると共に、下流側の部品実装機１０の基板搬送装置２１へ基板Ｓを搬出する。この基板搬送装置２１は、図２に示すように、ベルトコンベア装置であり、それぞれ一対のローラに架け渡されると共に前後（Ｙ軸方向）に所定の間隔をおいて配置される前後一対のコンベアベルト２１ａと、コンベアベルト２１ａを周回駆動するベルト駆動装置と、を備える。一対のコンベアベルト２１ａのうちの一方は、他方に対して近接および離間する方向に移動可能である。基板搬送装置２１は、一対のコンベアベルト２１ａの間隔を調整することで、サイズが異なる複数種の基板Ｓを搬送することができる。

　ヘッド２２は、吸着ノズル（採取部材）が着脱可能に取り付けられるホルダと、ホルダを昇降させる昇降装置と、を備える。吸着ノズルには、電磁弁を介して負圧源からの負圧が供給され、吸着ノズルは、負圧によって部品を吸着（採取）可能である。

　ヘッド移動装置２３は、ヘッド２２を前後左右（ＸＹ軸方向）に移動させるものである。このヘッド移動装置２３は、Ｙ軸モータの駆動により前後（Ｙ軸方向）に移動するＹ軸スライダと、Ｘ軸モータの駆動によりＹ軸スライダに対して左右（Ｘ軸方向）に移動するＸ軸スライダと、を有する。ヘッド２２は、Ｘ軸スライダに取り付けられ、Ｘ軸モータおよびＹ軸モータの駆動により前後左右（ＸＹ軸方向）に移動する。

　また、部品実装機１０は、マークカメラ２５と、パーツカメラ２６と、ノズルストッカ２７も備える。マークカメラ２５は、基板Ｓの位置を検知するために、基板Ｓに付された基準マークを上方から撮像するものである。パーツカメラ２６は、吸着ミスや吸着ずれを検知するために、吸着ノズルに吸着された部品を下方から撮像するものである。ノズルストッカ２７は、ヘッド２２のホルダに取り付け可能な複数種類の吸着ノズルをストックするものである。

　制御装置４０は、図３に示すように、ＣＰＵ４１を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、ＣＰＵ４１の他に、ＲＯＭ４２やＲＡＭ４３、記憶装置４４（ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど）、入出力インタフェースを備える。制御装置４０は、ヘッド移動装置２３に設けられヘッド２２のＸ軸方向およびＹ軸方向における各位置を検出するための位置センサからの検出信号を入力したり、パーツカメラ２６やマークカメラ２５で撮像された画像信号を入力したりする。また、制御装置４０は、フィーダ３０や基板搬送装置２１、ヘッド移動装置２３、パーツカメラ２６、マークカメラ２５などへ制御信号を出力する。

　管理装置５０は、ＣＰＵ５１やＲＯＭ５２、ＲＡＭ５３、記憶装置５４（ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど）等を含む汎用のコンピュータであり、各部品実装機１０の制御装置４０と通信可能に接続されている。管理装置５０には、マウスやキーボードなどの入力装置５５と、各種情報を表示する表示装置５６と、読み取り機６０とが接続されている。記憶装置５４には、生産スケジュールの他、生産に必要な各種情報として、フィーダ保有情報や、ジョブ情報、ステータス情報などが記憶されている。これらの情報は、部品実装機１０ごとに管理されている。ここで、生産スケジュールは、各部品実装機１０において、どの基板Ｓにどの部品をどの順番で実装するか、また、そのように実装した基板Ｓ（製品）を何枚作製するかなどを定めたスケジュールである。フィーダ保有情報は、各部品実装機１０が保有するフィーダ３０に関する情報である。フィーダ保有情報には、図４に示すように、フィーダＩＤや部品種、部品残数などのフィーダ情報と、フィーダ３０（部品）を保有する装置（ローケーション）やフィーダ３０の装着位置（スロット番号）などの位置情報と、が含まれる。ジョブ情報は、各部品実装機１０が実行すべき生産ジョブに関する情報である。このジョブ情報には、生産する基板の種別や実装する部品の種別、部品ごとの実装位置、各部品実装機１０にセットすべき部品（フィーダ３０）のセット位置（部品セット情報）などが含まれる。部品セット情報は、その部品を収容したフィーダ３０の予定された装着位置（予定スロット）を示し、部品実装機１０ごとに管理される。ステータス情報は、各部品実装機１０の動作状況を示す情報である。このステータス情報には、生産中や、段取り替え中、異常発生中などが含まれる。

　管理装置５０は、各部品実装機１０の制御装置４０と有線により通信可能に接続され、各部品実装機１０と各種情報のやり取りを行なう。管理装置５０は、各部品実装機１０から動作状況を受信してステータス情報を最新の情報に更新する。また、管理装置５０は、各部品実装機１０のフィーダ台に取り付けられたフィーダ３０と制御装置４０を介して通信可能に接続される。管理装置５０は、フィーダ３０が部品実装機１０から取り外されたり、部品実装機１０に取り付けられたりしたときに、対応する部品実装機１０から着脱状況を受信してフィーダ保有情報を最新の情報に更新する。

　次に、こうして構成された本実施形態の部品実装ライン１の動作について説明する。各部品実装機１０の制御装置４０は、管理装置５０から生産ジョブを受信し、受信した生産ジョブに従って基板Ｓに部品を実装する実装処理を行なう。すなわち、実装処理では、ＣＰＵ４１は、まず、ヘッド移動装置２３によりフィーダ３０の部品供給位置の上方へヘッド２２を移動させる。続いて、ＣＰＵ４１は、昇降装置により吸着ノズルを下降させて当該吸着ノズルに部品を吸着させる。次に、ＣＰＵ４１は、吸着ノズルに吸着させた部品をヘッド移動装置２３によりパーツカメラ２６の上方へ移動させ、当該部品をパーツカメラ２６で撮像する。ＣＰＵ４１は、撮像すると、部品の撮像画像を処理して当該部品の吸着ずれ量を測定し、基板Ｓへの部品の実装位置を補正する。そして、ＣＰＵ４１は、吸着ノズルに吸着させた部品をヘッド移動装置２３により補正後の実装位置の上方へ移動させ、昇降装置により吸着ノズルを下降させて部品を基板Ｓに実装させる。

　次に、生産する基板Ｓの種類を変更する際の動作について説明する。図５は、管理装置５０のＣＰＵ５１により実行されるジョブ切替モード設定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、生産する基板Ｓの種類が変更される際に実行される。生産する基板Ｓの種類の変更は、オペレータが読み取り機６０により次に生産する基板Ｓに付された基板ＩＤを読み取ることで、管理装置５０に認識される。

　ジョブ切替モード設定処理では、管理装置５０のＣＰＵ５１は、まず、現生産において実装する部品の中に特定の組み合わせ部品があるか否か（Ｓ１００）、次生産において実装する部品の中に特定の組み合わせ部品があるか否か（Ｓ１１０，Ｓ１２０）、をそれぞれ判定する。ＣＰＵ５１は、現生産および次生産のいずれにおいても実装する部品の中に特定の組み合わせ部品がないと判定すると（Ｓ１００で「ＮＯ」且つＳ１２０で「ＮＯ」）、部品実装ライン１の全ての部品実装機１０でジョブ切り替えモードをシームレスジョブ切替モードに設定して（Ｓ１３０）、ジョブ切替モード設定処理を終了する。

　ＣＰＵ５１は、現生産において実装する部品の中に特定の組み合わせ部品があるが次生産において実装する部品の中に特定の組み合わせ部品がないと判定すると（Ｓ１００で「ＹＥＳ」且つＳ１１０で「ＮＯ」）、部品実装ライン１の最上流の部品実装機１０から現生産で組み合わせ部品がセットされている部品実装機１０のうち最も下流の部品実装機１０までのジョブ切り替えモードを一括ジョブ切り替えモードに設定する（Ｓ１４０）。そして、ＣＰＵ５１は、部品実装ライン１の残りの部品実装機１０のジョブ切り替えモードをシームレスジョブ切り替えモードに設定して（Ｓ１７０）、ジョブ切替モード設定処理を終了する。

　ＣＰＵ５１は、現生産において実装する部品の中に特定の組み合わせ部品がないが次生産において実装する部品の中に特定の組み合わせ部品があると判定すると（Ｓ１００で「ＮＯ」且つＳ１２０で「ＹＥＳ」）、部品実装ライン１の最上流の部品実装機１０から次生産で組み合わせ部品がセットされる部品実装機１０のうち最も下流の部品実装機１０までのジョブ切り替えモードを一括ジョブ切り替えモードに設定する（Ｓ１５０）。そして、ＣＰＵ５１は、部品実装ライン１の残りの部品実装機１０でジョブ切り替えモードをシームレスジョブ切り替えモードに設定して（Ｓ１７０）、ジョブ切替モード設定処理を終了する。

　ＣＰＵ５１は、現生産および次生産のいずれにおいても実装する部品の中に特定の組み合わせ部品があると判定すると（Ｓ１００で「ＹＥＳ」且つＳ１１０で「ＹＥＳ」）、部品実装ライン１の最上流の部品実装機１０から現生産で組み合わせ部品がセットされている部品実装機１０および次生産で組み合わせ部品がセットされる部品実装機１０のうち最も下流の部品実装機１０までのジョブ切り替えモードを一括ジョブ切り替えモードに設定する（Ｓ１６０）。そして、ＣＰＵ５１は、部品実装ライン１の残りの部品実装機１０でジョブ切り替えモードをシームレスジョブ切り替えモードに設定して（Ｓ１７０）、ジョブ切替モード設定処理を終了する。

　このように、本実施形態では、現生産および次生産のいずれにおいても実装する部品の中に特定の組み合わせ部品が含まれない場合には、部品実装ライン１の全ての部品実装機１０のジョブの切り替えをシームレスジョブ切替（第２ジョブ切替）で行なう。一方、現生産および次生産のいずれかにおいて実装する部品の中に特定の組み合わせ部品が含まれる場合には、最上流の部品実装機１０から組み合わせ部品がセットされる部品実装機１０までを含む一部の部品実装機１０のジョブの切り替えを一括ジョブ切替モード（第１ジョブ切替）で行ない、残りのジョブの切り替えをシームレスジョブ切替モード（第２ジョブ切替）で行なう。一括ジョブ切替モード（第１ジョブ切替）は、一括ジョブ切替モードが設定された全ての部品実装機１０で現生産（第１種類）の基板Ｓに対して部品の実装が終了し、且つ、段取り替えが終了するまでは、次生産（第２種類）の基板Ｓの生産が開始されないモードである。また、シームレスジョブ切替モード（第２ジョブ切替）は、シームレスジョブ切替モードが設定された複数の部品実装機１０のうち上流側の部品実装機１０が現生産の基板Ｓに対して部品の実装が終了して基板Ｓを下流側の部品実装機１０に搬出すると、当該下流側の部品実装機１０が現生産の基板Ｓに対して部品を実装するのと並行して、段取り替えを行ない、段取り替えが終了次第、次生産の基板Ｓの生産が開始されるモードである。

　ここで、特定の組み合わせ部品としては、例えば、ＬＥＤと、ＬＥＤに印加される電流を制限するための電流制限抵抗と、を挙げることができる。ＬＥＤは、どれも均一な光量で発光できる訳ではなく、製造要因等により発光量にばらつきが生じる。このような状況においても、照明の光量を均一にするために、本実施形態では、ＬＥＤのクラスに応じて電流制限抵抗の抵抗値を変更することが行なわれている。この場合、段取り替えにおいて、組み合わせ部品のうち一方の部品（ＬＥＤ）を収容したフィーダ３０が一方の部品実装機１０にセットされるまでは、他方の部品（電流制限抵抗の必要な抵抗値）が決まらず、他方の部品を収容したフィーダ３０を他方の部品実装機１０にセットすることができない。このため、特定の組み合わせ部品がそれぞれ別々の部品実装機１０にセットされる場合には、上流側から順に段取り替えを行なうことができない場合が生じる。例えば、他方の部品（電流制限抵抗）を一方の部品（ＬＥＤ）よりも上流側の部品実装機１０にセットする場合、上流側の部品実装機１０の段取り替えにおける少なくとも一部の作業（他方の部品のセット）を下流側の部品実装機１０の段取り替え（一方の部品のセット）よりも後に行なう必要があり、これらの組み合わせ部品がセットされる複数の部品実装機１０に対して上流側から順に段取り替えを行なうシームレスジョブ切替モードを適用することができない。そこで、本実施形態では、最上流の部品実装機１０Ａから特定の組み合わせ部品がセットされる部品実装機１０までのジョブの切り替えを一括して行なうものとした。但し、全ての部品実装機１０でジョブの切り替えを一括ジョブ切替モードで行なうと、次生産の開始が大幅に遅れる。このため、本実施形態では、一括ジョブ切替モードを行なう部品実装機１０を必要なもののみに限定し、残りの部品実装機１０のジョブの切り替えをシームレスジョブ切替モードで行なうことで、できる限り効率よくジョブを切り替えるものとした。

　図６は、制御装置４０により実行されるジョブ切替処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、部品実装機１０毎に実行される。

　ジョブ切替処理が実行されると、制御装置４０のＣＰＵ４１は、まず、フラグＦが値０であるか否かを判定する（Ｓ２００）。フラグＦが値０であると判定すると、現生産の基板Ｓから次生産の基板Ｓへと基板種が変更されるか否かを判定する（Ｓ２１０）。この判定は、次生産の基板Ｓに付された基板ＩＤが読み取り機６０により読み取られた際に、管理装置５０から基板種が変更される旨の情報（基板種変更情報）を取得することにより、取得した情報に基づいて行なうことができる。ＣＰＵ４１は、基板種が変更されると判定すると、フラグＦを値１に設定すると共に、基板残数カウント値Ｎを基板種変更取得時基板残数Ｎｍに設定する（Ｓ２２０）。基板種変更取得時基板残数Ｎｍは、基板種が変更されるまでに現生産において生産すべき基板Ｓの残数である。この基板種変更取得時基板残数Ｎｍは、部品実装機１０毎に異なり、最上流の部品実装機１０Ａから下流に向かって数えた順番数に値１を減じた数が設定される。例えば、最上流の部品実装機１０Ａの下流に隣接する２番目の部品実装機１０Ｂにおいては、基板種変更取得時基板残数は値１となる。ＣＰＵ４１は、Ｓ２００でフラグＦが値０でなく値１であると判定すると、フラグＦは値１に設定済みであるから、Ｓ２３０に進む。

　次に、ＣＰＵ４１は、基板残数カウント値Ｎが値１以上であるか否か、すなわち現生産で生産すべき基板Ｓが残っているか否かを判定する（Ｓ２３０）。ＣＰＵ４１は、基板残数カウント値Ｎが値１以上であると判定すると、基板供給装置２あるいは上流側の部品実装機１０から基板Ｓを搬入して部品を実装した後、下流側へ搬出し（Ｓ２４０～Ｓ２６０）、基板残数カウント値Ｎを値１だけデクリメントして（Ｓ２７０）、ジョブ切替処理を終了する。ＣＰＵ４１は、基板残数カウント値Ｎが値１未満となるまで、現生産の基板Ｓを搬入して搬入した基板Ｓに対して部品を実装すると共に、基板残数カウント値Ｎを値１だけデクリメントする処理を繰り返す。

　ＣＰＵ４１は、Ｓ２３０で部品残数カウント値が値１未満であると判定すると、段取り替えを行なって（Ｓ２８０）、段取り替えが終了するのを待つ（Ｓ２９０）。段取り替えには、基板搬送装置２１の一対のコンベアベルト２１ａの間隔が次生産の基板Ｓの幅に対応した間隔となるように調整したり、次生産の基板Ｓに実装する部品を収容したフィーダ３０を対応する部品実装機１０のフィーダ台にセットしたり、次生産で使用される吸着ノズルをノズルストッカ２７にセットしたりする作業が含まれる。

　ＣＰＵ４１は、段取り替えが終了したと判定すると、自機（このジョブ切替処理を実行している部品実装機１０）に設定されているジョブ切替モードが一括ジョブ切替モードであるか否かを判定する（Ｓ３００）。この判定は、切替モード設定処理により設定されたジョブ切替モードを管理装置５０から通信により取得することにより行なうことができる。ＣＰＵ４１は、自機に設定されているジョブ切替モードが一括ジョブ切替モードではなく、シームレスジョブ切替モードであると判定すると、自機の段取り替えが終了次第、上流側から次に生産する基板Ｓを搬入して生産を開始すると共に（Ｓ３２０）、フラグＦに値０を設定して（Ｓ３３０）、ジョブ切替処理を終了する。シームレスジョブ切替モードでは、シームレスジョブ切替モードが設定されている部品実装機１０（第２実装機群）において、上流側の部品実装機１０が現生産の基板Ｓに対して部品の実装を終了して下流側の部品実装機１０へ搬出した後、下流側の部品実装機１０が現生産の基板Ｓに対して部品を実装するのと並行して上流側の部品実装機１０で段取り替えを行ない、段取り替えが終了次第、次生産の基板Ｓが搬入されて生産が開始される。

　一方、ＣＰＵ４１は、ジョブ切替モードが一括ジョブ切替モードであると判定すると、一括ジョブ切替モードに設定されている他機（このジョブ切替処理を実行している部品実装機１０以外の部品実装機１０）の段取り替えが終了するのを待つ（Ｓ３１０）。そして、ＣＰＵ４１は、一括ジョブ切替モードに設定されている他機の段取り替えが終了したと判定すると、上流側から次に生産する基板Ｓを搬入して生産を開始すると共に（Ｓ３２０）、フラグＦに値０を設定して（Ｓ３３０）、ジョブ切替処理を終了する。一括ジョブ切替モードでは、一括ジョブ切替モードに設定されている全ての部品実装機１０（第１実装機群）において、現生産の基板Ｓに対して部品の実装が終了し、且つ、段取り替えが終了するまで、次生産の基板Ｓの生産は開始されない。

　次に、ジョブ切替処理のＳ２８０において実行される段取り替えにおいてオペレータが行なうべき作業を案内するための段取り替え支援処理について説明する。なお、段取り替えにおいてオペレータが行なうべき作業としては、次生産で基板Ｓに実装する部品を収容したフィーダ３０を部品実装機１０にフィーダ台にセットしたり、次生産で部品の吸着に用いる吸着ノズルをノズルストッカ２７にセットしたりする作業を挙げることができる。図７は、管理装置５０により実行される段取り替え支援処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、部品実装ライン１のいずれかの部品実装機１０において段取り替えが発生した際に実行される。

　段取り替え支援処理が実行されると、管理装置５０のＣＰＵ５１は、まず、表示装置５６に段取り替えの案内表示を行なう（Ｓ４００）。段取り替えの案内表示は、段取り替え対象の部品実装機１０に関する情報や、部品実装機１０にセットすべき部品に関する情報や、部品（フィーダ３０）をセットすべき位置（スロット番号）、ノズルストッカ２７にセットすべき吸着ノズルに関する情報などが含まれる。続いて、ＣＰＵ５１は、段取り替え対象の部品実装機１０のジョブ切替モードが一括ジョブ切替モードであるか否かを判定する（Ｓ４１０）。ＣＰＵ５１は、段取り替え対象の部品実装機１０のジョブ切替モードが一括ジョブ切替モードであると判定すると、段取り替え対象の部品実装機１０にセットすべき部品の中に特定の組み合わせ部品が含まれると判断し、一方の組み合わせ部品がセットされるまで待つ（Ｓ４２０）。ＣＰＵ５１は、一方の組み合わせ部品がセットされたと判定すると、他方の組み合わせ部品の種類を複数の部品の中から選択する（Ｓ４３０）。本実施形態では、一方の組み合わせ部品はＬＥＤであり、他方の組み合わせ部品は電流制限抵抗である。Ｓ４３０の処理は、使用するＬＥＤのロット等が変わっても照明の光量を均一にするため、セットされたＬＥＤに対応する抵抗値の電流制限抵抗を抵抗値が異なる複数の電流制限抵抗の中から選択することにより行なわれる。具体的には、電流制限抵抗の選択は、ＬＥＤのクラスと電流制限抵抗の抵抗値との関係を予め求めてテーブルとして記憶しておき、ＬＥＤが選択されると、対応する電流制限抵抗をテーブルから導出することにより行なわれる。このテーブルの一例を図８に示す。そして、ＣＰＵ５１は、他方の組み合わせ部品のセットを案内する案内表示を表示装置５６に行なって（Ｓ４４０）、段取り替え支援処理を終了する。

　図９Ａ～図９Ｃおよび図１０Ａ～１０Ｃは一括ジョブ切替の様子を示す説明図である。図１１Ａ～図１１Ｃはシームレスジョブ切替の様子を示す説明図である。管理装置５０のＣＰＵ５１は、第１種類Ａの基板の生産中に、第２種類Ｂの基板に付された基板ＩＤが読み取り機６０によって読み取られることで、基板種が変更されることを認識する（図９Ａ参照）。ＣＰＵ５１は、基板種の変更を認識すると、最上流の部品実装機１０Ａから現生産で特定の組み合わせ部品（ＬＥＤ－ＡおよびＲｅｓｉｓｔｅｒ－Ａ）がセットされている部品実装機１０Ｂ，１０Ｃおよび次生産で特定の組み合わせ部品がセットされる部品実装機１０Ｂ，１０Ｃのうち最も下流の部品実装機１０Ｃまでを一括ジョブ切替モードに設定する（図９Ｂ，９Ｃの一点鎖線内を参照）。複数の部品実装機１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃで一括ジョブ切替モードが設定されると、一括ジョブ切替モードが設定された全ての部品実装機１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃにおいて、現生産の最後の基板Ｓへの部品の実装が終了し、且つ、段取り替えが終了するまでは、第２種類Ｂの基板の生産は開始されない。段取り替えは、本実施形態では、オペレータによって行なわれ、段取り替え支援処理によってオペレータによる作業が支援される。すなわち、段取り替えにおいて部品実装機１０にセットすべき部品に特定の組み合わせ部品が含まれる場合には、ＣＰＵ５１は、まず、一方の組み合わせ部品（ＬＥＤ）をセットすべき部品実装機１０Ａを案内する。そして、ＣＰＵ５１は、一方の組み合わせ部品（ＬＥＤ－Ｂ）がセットされると、他方の組み合わせ部品（Ｒｅｓｉｓｔｅｒ－Ｂ）を選択し、選択した他方の組み合わせ部品とこの部品をセットすべき部品実装機１０Ｃとを案内する。他方の組み合わせ部品（フィーダ３０）が部品実装機１０Ｃにセットされ、一括ジョブ切替モードの全ての部品実装機１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃで段取り替えが終了すると（図１０Ｂ参照）、第２種類Ｂの基板が搬入されて次生産が開始されることとなる（図１０Ｃ参照）。

　また、ＣＰＵ５１は、一括ジョブ切替モードに設定しなかった部品実装機１０Ｄ，１０Ｅ，１０Ｆ，１０Ｇ，１０Ｈをシームレスジョブ切替モードに設定する（図１０Ｃの一点鎖線内を参照）。シームレスジョブ切替モードが設定された部品実装機１０Ｄ，１０Ｅ，１０Ｆ，１０Ｇ，１０Ｈの段取り替えは、上流の部品実装機１０Ｄから順に、第１種類Ａの最後の基板への部品の実装が終了すると、直ちに行なわれる。そして、段取り替えが終了次第、第２種類Ｂの基板が搬入されて次生産が開始される（図１１Ａ～１１Ｃ参照）。これにより、段取り替え前の第１種類Ａの基板に対する部品の実装と、段取り替えと、段取り替え後の第２種類Ｂの基板に対する部品の実装とが並行して行なわれることとなり、ジョブの切り替えを効率よく行なうことができ、生産効率を高めることができる。

　なお、図９Ａ～図９Ｃ、図１０Ａ～１０Ｃおよび図１１Ａ～図１１Ｃの例では、他方の部品（電流制限抵抗）を一方の部品（ＬＥＤ）よりも上流側の部品実装機１０にセットする場合において、最上流の部品実装機１０Ａから組み合わせ部品（一方の部品）がセットされる部品実装機１０までのジョブ切替モードを一括ジョブ切替モードに設定するものとした。これに対し、他方の部品（電流制限抵抗）を一方の部品（ＬＥＤ）よりも下流側の部品実装機１０にセットする場合においても、同様に、最上流の部品実装機１０Ａから組み合わせ部品（他方の部品）がセットされる部品実装機１０までのジョブ切替モードを一括ジョブ切替モードに設定してもよい。後者の場合、先にセットされる一方の部品（ＬＥＤ）のセット先が上流側の部品実装機１０であり、後にセットされる他方の部品（電流制限抵抗）のセット先が下流側の部品実装機１０であるから、上流側から順に段取り替えを行なうことが可能である。しかし、他方の部品が実際に下流側の部品実装機１０にセットされるまでは、基板Ｓの生産が保証されないため、確実を期すために、組み合わせ部品の両者の部品が確定してから生産を行なうべきである。後者の場合であっても、組み合わせ部品がセットされる複数の部品実装機１０に対して一括ジョブ切替モードを適用するのは、こうした理由に基づく。但し、他方の部品（電流制限抵抗）を一方の部品（ＬＥＤ）よりも下流側の部品実装機１０にセットする場合には、部品実装ライン１の全ての部品実装機１０のジョブ切替モードをシームレスジョブ切替モードに設定するようにしてもよい。

　図１２Ａ～図１２Ｃは、一括ジョブ切替を行なう部品実装機１０とシームレスジョブ切替を行なう部品実装機１０とを決定する様子を示す説明図である。図示するように、一括ジョブ切替モードは、最上流の部品実装機１０Ａから、現生産で使用される特定の組み合わせ部品がセットされる部品実装機１０Ｂ，１０Ｃと次生産で使用される特定の組み合わせ部品がセットされる部品実装機１０Ｄ，１０Ｇとのうち最も下流の部品実装機１０Ｇまでが設定される。このように、必要に応じて一括ジョブ切替モードの範囲を設定することで、特定の組み合わせ部品が含まれる部品実装機１０のジョブの切り替えを適切に行ないつつ、残りをシームレスジョブ切替モードでジョブを切り替えることで、ジョブの切替を効率よく行なうことが可能となる。

　ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の部品実装機１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ，１０Ｅ，１０Ｆ，１０Ｇ，１０Ｈが本開示の複数の実装機に相当し、一括ジョブ切替モードが第１ジョブ切替に相当し、シームレスジョブ切替モードが第２ジョブ切替に相当する。

　なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。

　例えば、上述した実施形態では、一括ジョブ切替モードでは、一括ジョブ切替モードが設定された全ての部品実装機１０において、現生産の最後の基板Ｓに対して部品の実装が終了し、且つ、段取り替えが終了したときに、次生産の基板Ｓの生産が開始されるものとした。しかし、少なくとも特定の組み合わせ部品がセットすべき部品実装機１０にセットされていれば、最上流の部品実装機１０Ａから順にその段取り替えが終了次第、次生産の基板Ｓの生産が開始されるようにしてもよい。

　また、上述した実施形態では、ＣＰＵ５１は、最上流の部品実装機１０Ａから現生産または次生産において実装する部品に特定の組み合わせ部品がセットされる部品実装機１０までのジョブ切替モードを一括ジョブ切替モードに設定し、残りの部品実装機１０のジョブ切替モードをシームレスジョブ切替モードに設定した。しかし、ＣＰＵ５１は、別の条件に基づいて各部品実装機１０に対して一括ジョブ切替モードとシームレスジョブ切替モードの一方を設定してもよい。また、各部品実装機１０に設定するジョブ切替モードの選択をオペレータが行なうようにしてもよい。

　また、上述した実施形態では、段取り替えにおいて、オペレータが各部品実装機１０に対して基板Ｓに実装する部品（フィーダ３０）をセットするものとしたが、一部の部品を自動搬送装置により各部品実装機１０にセットするようにしてもよい。

　以上説明したように、実装ラインを構成する複数の実装機のうち最上流の実装機から下流の所定の実装機までの第１実装機群に対しては、第１ジョブ切替を行ない、所定の実装機よりも下流側にある第２実装機群に対しては、第２ジョブ切替を行なう。第１ジョブ切替は、第１実装機群の全ての実装機で第１種類の基板への部品の実装が終了し、少なくとも第１実装機群の特定の実装機で段取り替えが終了した後に、第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える。一方、第２ジョブ切替は、第２実装機群のうち下流の実装機が第１種類の基板に部品を実装するのと並行して第２実装機群のうち第１種類の基板への部品の実装が終了した上流の実装機で段取り替えを実行させ、当該段取り替えが終了した後、第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える。これにより、実装ラインを構成する全ての実装機に対して第２ジョブ切替を適用できない場合であっても、一部の実装機に対して第２ジョブ切替を適用することにより、実装ラインを構成する全ての実装機に対して第１ジョブ切替を適用するものに比して、効率よくジョブを切り替えることが可能となる。

　こうした本開示のジョブの切替方法において、前記第１種類の基板または前記第２種類の基板にそれぞれ実装する部品には、特定の組み合わせ部品が含まれ、前記所定の実装機は、前記組み合わせ部品をそれぞれ実装する複数の実装機のうち最も下流に位置する実装機であってもよい。こうすれば、特定の組み合わせ部品のうち一方の部品が実装機にセットされなければ、他方の部品が決まらない場合でも、第１ジョブ切替によってジョブの切り替えを適切に行なうことができる。また、所定の実装機よりも下流の実装機に対して第２ジョブ切替を適用することで、効率よくジョブを切り替えることができる。この場合、前記第１ジョブ切替は、前記第１実装機群の全ての実装機で前記第１種類の基板への部品の実装が終了し、少なくとも前記特定の実装機として前記第１実装機群の前記組み合わせ部品をそれぞれ実装する複数の実装機で段取り替えが終了した後に、前記第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替えてもよい。さらにこれらの場合、前記第１種類の基板に実装する部品と前記第２種類の基板に実装する部品のいずれにも前記組み合わせ部品が含まれ、前記所定の実装機は、前記第１種類の基板に組み合わせ部品を実装する複数の実装機と前記第２種類の基板に組み合わせ部品を実装する複数の実装機とのうち最も下流に位置する実装機であってもよい。第１種類の基板に実装する部品と第２種類の基板に実装する部品のいずれにも特定の組み合わせ部品が含まれる場合でも、第１ジョブ切替によりジョブの切り替えを適切に行なうことができる。また、これらの場合、前記組み合わせ部品の段取り替えにおいて、前記組み合わせ部品のうち一方の部品が前記組み合わせ部品を実装する複数の実装機のうち一方の実装機にセットされると、他方の実装機にセットすべき他方の部品の種類を案内してもよい。こうすれば、組み合わせ部品の段取り替えが容易となる。

　なお、本開示は、ジョブの切替方法の形態とするものに限られず、複数の実装機が基板搬送方向に配列された実装ラインの形態とすることもできる。

　本開示は、実装ラインの製造産業などに利用可能である。

　１　部品実装ライン、２　基板供給装置、１０，１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ，１０Ｅ，１０Ｆ，１０Ｇ，１０Ｈ　部品実装機、２１　基板搬送装置、２１ａ　コンベアベルト、２２　ヘッド、２３　ヘッド移動装置、２５　マークカメラ、２６　パーツカメラ、２７　ノズルストッカ、３０　フィーダ、４０　制御装置、４１　ＣＰＵ、４２　ＲＯＭ、４３　ＲＡＭ、４４　記憶装置、５０　管理装置、５１　ＣＰＵ、５２　ＲＯＭ、５３　ＲＡＭ、５４　記憶装置、５５　入力装置、５６　表示装置、６０　読み取り機、Ｓ　基板。

Claims

　部品を基板に実装する複数の実装機が基板の搬送方向に並ぶ実装ラインにおけるジョブの切替方法であって、
　第１種類の基板を生産するジョブから第２種類の基板を生産するジョブへと切り替える場合、前記実装ラインを構成する複数の実装機のうち最上流の実装機から下流の所定の実装機までの第１実装機群に対しては、前記第１実装機群の全ての実装機で前記第１種類の基板への部品の実装が終了し、少なくとも前記第１実装機群の特定の実装機で段取り替えが終了した後に、前記第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える第１ジョブ切替を行ない、前記所定の実装機よりも下流側にある第２実装機群に対しては、前記第２実装機群のうち下流の実装機が前記第１種類の基板に部品を実装するのと並行して前記第２実装機群のうち前記第１種類の基板への部品の実装が終了した上流の実装機で段取り替えを実行させ、当該段取り替えが終了した後、前記第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える第２ジョブ切替を行なう、
　ジョブの切替方法。
　請求項１に記載のジョブの切替方法であって、
　前記第１種類の基板または前記第２種類の基板にそれぞれ実装する部品には、特定の組み合わせ部品が含まれ、
　前記所定の実装機は、前記組み合わせ部品をそれぞれ実装する複数の実装機のうち最も下流に位置する実装機である、
　ジョブの切替方法。
　請求項２に記載のジョブの切替方法であって、
　前記第１ジョブ切替は、前記第１実装機群の全ての実装機で前記第１種類の基板への部品の実装が終了し、少なくとも前記特定の実装機として前記第１実装機群の前記組み合わせ部品をそれぞれ実装する複数の実装機で段取り替えが終了した後に、前記第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える、
　ジョブの切替方法。
　請求項２または３に記載のジョブの切替方法であって、
　前記第１種類の基板に実装する部品と前記第２種類の基板に実装する部品のいずれにも前記組み合わせ部品が含まれ、
　前記所定の実装機は、前記第１種類の基板に組み合わせ部品を実装する複数の実装機と前記第２種類の基板に組み合わせ部品を実装する複数の実装機とのうち最も下流に位置する実装機である、
　ジョブの切替方法。
　請求項２ないし４いずれか１項に記載のジョブの切替方法であって、
　前記組み合わせ部品の段取り替えにおいて、前記組み合わせ部品のうち一方の部品が前記組み合わせ部品を実装する複数の実装機のうち一方の実装機にセットされると、他方の実装機にセットすべき他方の部品の種類を案内する、
　ジョブの切替方法。
　部品を基板に実装する複数の実装機が基板の搬送方向に並ぶ実装ラインであって、
　第１種類の基板を生産するジョブから第２種類の基板を生産するジョブへと切り替える場合、前記実装ラインを構成する複数の実装機のうち最上流の実装機から下流の所定の実装機までの第１実装機群に対しては、前記第１実装機群の全ての実装機で前記第１種類の基板への部品の実装が終了し、少なくとも前記第１実装機群の特定の実装機で段取り替えが終了した後に、前記第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える第１ジョブ切替を行ない、前記所定の実装機よりも下流側にある第２実装機群に対しては、前記第２実装機群のうち下流の実装機が前記第１種類の基板に部品を実装するのと並行して前記第２実装機群のうち前記第１種類の基板への部品の実装が終了した上流の実装機で段取り替えを実行させ、当該段取り替えが終了した後、前記第２種類の基板の生産が開始されるようにジョブを切り替える第２ジョブ切替を行なう、
　実装ライン。