WO2023189035A1 - 腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和のための組成物 - Google Patents

Abstract

本発明の組成物は、有効成分として、下記の成分（１）、成分（２）、成分 （３）及び成分（４）を含む。　成分（１）：女貞子、旱蓮草、百合、黄精、枸杞子、胡麻仁及び黒豆からなる群より選 ばれる少なくとも１種の生薬　成分（２）：鶏血藤、竜眼肉、姜黄、莪朮、絲瓜絡、サンリョウ、紅花、劉寄奴、胡芦 巴、続断、骨砕補、海馬、鎖陽及び沙苑子からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬　成分（３）：茶葉、車前子、車前草、ヨクイニン、赤小豆、玉米鬚、淡竹葉、冬瓜子、 冬葵子、扁蓄及び海金沙からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬　成分（４）：山薬、刺五加、蜂蜜、郁李仁、生姜、陳皮、青皮、枳実、膠飴、大棗及び 粳米からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬

Description

腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和のための組成物

　本発明は、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和のための組成物に関する。

　代表的な伝統医学体系である中国医学及びそれに端を発する漢方医学においては、体調
・体質及び摂取する食品・医薬品が及ぼす影響を解釈する基本概念として「気血水」論が
体系化されている。これは、身体を構成する要素として気・血・水の三要素を挙げ、それ
らの不足、流れの滞り等のバランスの乱れの結果として体調・体質を分類する考え方であ
り、人体の機能を概念的に分類した「五臓」、すなわち、「肝・心・脾・肺・腎」と気血
水との関わりによって体調・体質及び摂取する食品等の影響が解釈されている。

　五臓は上記の通り「肝・心・脾・肺・腎」からなるが、解剖的臓器とは一致せず、人体
の機能を概念的に分類したものである。このうち、「腎」は生命の根本とされ、生命活動
に欠かせないエネルギー、すなわち腎精を貯蔵する蔵精作用を有する。貯えられた腎精が
「気」を生じ、生じた気の働きによって腎精が作られ補給、貯蔵される。このように腎精
と気は繰返しつくられ、精気と言われる。更に、腎精は「血」を生成する基本的な物質で
あり、腎精が充実すれば血も豊富になり、精血同源といわれる（非特許文献１）。

　腎精が不足した状態、すなわち腎精不足は、生命エネルギーの不足と解され、いわゆる
老化により現れる症候群と類似した不調を引き起こし、また精気の不足である腎気虚及び
腎精によって生成される血の不足である血虚を伴って様々な不調症状と関連付けられてい
る（非特許文献１）。

　腎精不足に伴う不調症状としては、白髪、抜け毛、髪のパサつき・ハリのなさ、髪の艶
のなさ、髪の毛のうねり、肌の乾燥、手足の指先の乾燥、乾燥に伴う顔の皮膚の緩み、小
じわ、皮膚のかゆみ、顔のハリ艶のなさ、精神不安定、眠気、不眠・睡眠障害、不眠によ
る集中力の低下、耳鳴り、ふらつき・めまい、視力の低下、筋力の低下、身体の重さ・だ
るさなどが挙げられる（非特許文献１）。

　また、腎精不足に伴って生じる腎気虚と関連する不調症状としては、慢性疲労、息切れ
、身体の重さ・だるさ、加齢による肌の明るさの減少、加齢による肌の透明感の減少、足
腰のだるさなどが、同様に腎精不足に伴って生じる血虚と関連する不調症状としては、爪
のもろさ・割れやすさ、爪の縦線・色の悪さ、手足のしびれ・脱力感、手足の冷えなどが
挙げられる（非特許文献１）。

辰巳洋、実用中医学　一冊でわかる基礎から応用、源草社（２００９）、ｐ１４３－１５１、ｐ１６８－１７３、ｐ１７８－１７９

　本発明は、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和のた
めの組成物を提供することを目的とする。

　本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の帰経及び性味の生
薬群を選定し配合することによって、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態を
予防、改善又は緩和できることを見出した。本発明は、本知見に基づき、さらに検討を重
ねて完成されたものであり、生薬成分を含む新規な組成物を提供するものである。

　すなわち、本発明は、以下のとおりである。

［１］
　有効成分として、下記の成分（１）、成分（２）、成分（３）及び成分（４）を含む、
組成物。
　成分（１）：女貞子、旱蓮草、百合、黄精、枸杞子、胡麻仁及び黒豆からなる群より選
ばれる少なくとも１種の生薬
　成分（２）：鶏血藤、竜眼肉、姜黄、莪朮、絲瓜絡、サンリョウ、紅花、劉寄奴、胡芦
巴、続断、骨砕補、海馬、鎖陽及び沙苑子からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬
　成分（３）：茶葉、車前子、車前草、ヨクイニン、赤小豆、玉米鬚、淡竹葉、冬瓜子、
冬葵子、扁蓄及び海金沙からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬
　成分（４）：山薬、刺五加、蜂蜜、郁李仁、生姜、陳皮、青皮、枳実、膠飴、大棗及び
粳米からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬
［２］
　腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和に用いるための
、［１］に記載の組成物。
［３］
　腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態が、顔の皮膚の緩み、小じわ、白髪、
抜け毛、髪のパサつき・ハリのなさ、爪のもろさ・割れやすさ、爪の縦線・色の悪さ、肌
の乾燥からなる群より選択される少なくとも１つである、［２］に記載の組成物。
［４］
　食品組成物又は医薬組成物である、［１］～［３］のいずれかに記載の組成物。
［５］
　［１］～［４］のいずれかに記載の組成物を、これを必要とする対象に与える工程を含
む、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態を予防、改善又は緩和する方法。
［６］
　腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和に用いるための
、［１］～［４］のいずれかに記載の組成物。
［７］
　腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和のための組成物
の製造における、［１］～［４］のいずれかに記載の組成物の使用。
［８］
　腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和における、［１
］～［４］のいずれかに記載の組成物の使用。

　本発明の組成物は、特定の帰経及び五性の生薬を配合することによって、腎精を補う根
本となる血を補い巡らせ、また体内に滞った余分な水分を排泄すると共に、毒素排泄に寄
与する成分が相乗的に作用を発現し、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態を
予防、改善又は緩和することができる。特に、顔の皮膚の緩み、小じわ、白髪、抜け毛、
髪のパサつき・ハリのなさ、爪のもろさ・割れやすさ、爪の縦線・色の悪さ、肌の乾燥等
の症状に有効である。

　本発明の組成物は、さらに、腎精不足の解消に伴う健康増進効果として、慢性疲労・息
切れ、身体の重さ・だるさ、不眠・睡眠障害などの症状を広く予防、改善又は緩和するこ
とができる。

　「腎精不足」とは、生命活動に欠かせないエネルギーである腎精が不足した状態をいい
、老化により現れる症候群と類似した不調を引き起こすと共に、精気の不足である腎気虚
及び血の不足である血虚を伴って様々な不調症状と関連する。その原因として、先天性の
虚弱、栄養不良、性生活の不節制、慢性病による消耗、老化が知られている。腎精不足の
症状としては、白髪、抜け毛、髪のパサつき・ハリのなさ、髪の艶のなさ、髪の毛のうね
り、肌の乾燥、手足の指先の乾燥、乾燥に伴う顔の皮膚の緩み、小じわ、皮膚のかゆみ、
顔のハリ艶のなさ、精神不安定、眠気、不眠・睡眠障害、不眠による集中力の低下、耳鳴
り、ふらつき・めまい、視力の低下、筋力の低下、身体の重さ・だるさなどが挙げられ、
また、腎精不足に伴って生じる腎気虚と関連する不調症状としては、慢性疲労、息切れ、
身体の重さ・だるさ、加齢による肌の明るさの減少、加齢による肌の透明感の減少、足腰
のだるさなどが、同様に腎精不足に伴って生じる血虚と関連する不調症状としては、爪の
もろさ・割れやすさ、爪の縦線・色の悪さ、手足のしびれ・脱力感、手足の冷えなどが挙
げられる。

　本明細書において、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態は、主に腎精不足
に関連する症状であり、さらに、腎精不足に伴って生じる腎気虚・血虚によりもたされる
様々な症状を指す。より具体的には、顔の皮膚の緩み、小じわ、白髪、抜け毛、髪のパサ
つき・ハリのなさ、爪のもろさ・割れやすさ、爪の縦線・色の悪さ、肌の乾燥からなる群
より選択される少なくとも１つが挙げられ、好ましくは、白髪、抜け毛、髪のパサつき・
ハリのなさ、爪のもろさ・割れやすさ、肌の乾燥等が挙げられる。

　本実施形態の組成物は、有効成分として、成分（１）、成分（２）、成分（３）、及び
成分（４）を含む。成分（１）、成分（２）、成分（３）及び成分（４）は、それぞれ特
定の帰経及び性味を有する一群の生薬を含む。各生薬の帰経、性味及び効能は後述のとお
りである。また、各生薬は一般的に知られている由来及び部位を用いられてよく、詳細は
後述のとおりである。

　ここで、帰経とは、中国医学（中医学）で用いられる概念の１つであり、生薬が人体の
どの部分に作用するかを指し、薬効が現れる作用部位を示す。帰経はいわゆる「五臓」、
すなわち、「肝・心・脾・肺・腎」で構成されるが、中国医学の五臓は解剖学的臓器とは
一致せず、より人体の「機能」を意味する。肝は、自律経、情緒、運動神経、婦人科系、
肝臓に関係し、血液を貯蔵し、気血がスムーズに流れるようにコントロールする。心は、
脳、心臓を含む循環器系に関係し、血を全身にめぐらせ、滋養させる働きがある。脾は、
消化器系、アレルギー、水分代謝の一部に関係し、飲食物を消化吸収し、体の基本となる
「気血水」を作る。肺は、呼吸器系、皮膚、水分代謝の一部、アレルギーに関係し、脾と
協力して「気」をつくり、全身に散布し、水のめぐりを調節し、身体を外邪から守る、免
疫力と関係が深い。腎は、生殖器系、泌尿器系、内分泌系、老化や発育に関係し、生命エ
ネルギーの源を蓄え、全身の水の代謝を司り、尿を生成し、再吸収する。中国医薬では、
五臓は共同で人体の精気の生成や貯蔵を行い、精神活動もコントロールするとされている
。また、帰経は五臓のみでなく「六腑」すなわち、「胃・小腸・大腸・膀胱・胆嚢・三焦
」で構成されることもある。

　性味（「気味」ともいう）とは、生薬の性質を示す分類体系の一類型であり、それぞれ
の味は五臓に関係し、また味自体にそれぞれ役割がある。最も一般的には、「寒・涼・平
・温・熱」の五性により人体を冷やしたり、温めたりする性質を示し、また、「辛・甘・
酸・苦・鹹」の五味により摂取時の味を示すとともに効能の指標ともなっている。五味に
はさらに「淡・渋」が加えられることもある。「熱」及び「温」は寒さを退けて身体を温
かくし、興奮させ、活発にする働きがあり、一方、「寒」及び「涼」は体の熱を冷まし、
解毒し、気持ちを落ち着かせる働きがあり、「平」は、温めもせず冷やしもしない性質を
いう。「寒」は程度によって「大寒」、「寒」、「微寒」にさらに分けることもある。「
辛」は肺に関係し、発汗させ、気を巡らし、散らす作用がある。「甘」は脾に関係し、補
う又は緩和する作用がある。「酸」は肝に関係し、ひきしめる作用がある。「苦」は心に
関係し、熱を冷まし、湿を乾かし、下す作用がある。「鹹」は腎に関係し、堅いものを柔
らかくし、潤して下す作用がある。性味は程度によって「大寒」、「微苦」等のように細
分化されることもある。

　帰経及び性味は、ほぼ全ての生薬に設定されており、帰経及び／又は性味の一致する生
薬はその効能も同様となる傾向が強く、膨大な生薬の効能・処方設計の体系化を助ける技
術思想の代表的なものである。

＜成分（１）＞
　成分（１）は帰経が「腎」又は「心」である生薬であり、具体的には、女貞子、旱蓮草
、百合、黄精、枸杞子、胡麻仁及び黒豆からなる群より選ばれる少なくとも１種である。
これらの生薬のうち、入手しやすさ（供給安定性）の観点から、女貞子、旱蓮草、百合、
枸杞子、胡麻仁及び黒豆からなる群より選ばれる少なくとも１種であることが好ましく、
少ない原料生薬量で効果を奏する観点から、女貞子、旱蓮草、百合、枸杞子及び胡麻仁か
らなる群より選ばれる少なくとも１種であることがより好ましく、効能の観点から、女貞
子であることが特に好ましい。成分（１）としては、１種以上の生薬、２種以上の生薬、
３種以上の生薬、又は４種以上の生薬であってよい。

　女貞子（ジョテイシ）は、トウネズミモチ（Ｌｉｇｕｓｔｒｕｍ　ｌｕｃｉｄｕｍ　Ｗ
．　Ｔ．　Ａｉｔｏｎ）、又はネズミモチ（Ｌｉｇｕｓｔｒｕｍ　ｊａｐｏｎｉｃｕｍ　
Ｔｈｕｎｂ．）の成熟果実をそのまま、又は蒸すか湯通しして乾燥したものであり、性味
は涼、甘・苦であり、帰経は肝・腎であり、効能は滋腎養肝・鳥髪明目・清虚熱である。
主成分が、オレアノリン酸、ウルソール酸、マンニトールである。

　旱蓮草（カンレンソウ）は、タカサブロウ（Ｅｃｌｉｐｔａ　ｐｒｏｓｔｒａｔａ　Ｌ
．）の地上部を乾燥したものであり、性味は寒、甘・酸であり、帰経は肝・腎であり、効
能は養肝益腎・鳥髪固歯、涼血止血である。主成分が、サポニン、タンニン、ビタミンＡ
である。

　百合（ビャクゴウ）は、オニユリ（Ｌｉｌｉｕｍ　ｌａｎｃｉｆｏｌｉｕｍ　Ｔｈｕｎ
ｂ．）、Ｌｉｌｉｕｍ　ｂｒｏｗｎｉｉ　Ｆ．　Ｅ．　Ｂｒｏｗｎ、ハカタユリ（Ｌｉｌ
ｉｕｍ　ｂｒｏｗｎｉｉ　Ｆ．　Ｅ．　Ｂｒｏｗｎ　ｖａｒ．　ｃｏｌｃｈｅｓｔｅｒｉ
　Ｗｉｌｓ．）、又はイトハユリ（Ｌｉｌｉｕｍ　ｐｕｍｉｌｕｍ　ＤＣ．）の鱗片葉を
、通例、蒸して乾燥したものであり、性味は微寒、甘であり、帰経は心・肺であり、効能
は潤肺止咳、清心安神である。主成分が、デンプン、たんぱく質、脂肪、アルカロイドで
ある。

　黄精（オウセイ）は、Ｐｏｌｙｇｏｎａｔｕｍ　ｋｉｎｇｉａｎｕｍ　Ｃｏｌｌｅｔｔ
　ｅｔ　Ｈｅｍｓｌｅｙ、カギクルマバナルコユリ（Ｐｏｌｙｇｏｎａｔｕｍ　ｓｉｂｉ
ｒｉｃｕｍ　Ｒｅｄ．）、Ｐｏｌｙｇｏｎａｔｕｍ　ｃｙｒｔｏｎｅｍａ　Ｈｕａ、又は
ナルコユリ（Ｐｏｌｙｇｏｎａｔｕｍ　ｆａｌｃａｔｕｍ　Ａ．　Ｇｒａｙ）の根茎を、
通例蒸して乾燥したものであり、性味は平、甘であり、帰経は脾・肺・腎であり、効能は
潤肺止咳、清心安神である。主成分が、粘液多糖類、フラボノイド、アルカロイドである
。

　枸杞子（クコシ）は、クコ（Ｌｙｃｉｕｍ　ｃｈｉｎｅｎｓｅ　Ｍｉｌｌ．）、又はナ
カバクコ（Ｌｙｃｉｕｍ　ｂａｒｂａｒｕｍ　Ｌ．）の果実を乾燥したものであり、性味
は平、甘であり、帰経は肝・腎・肺であり、効能は滋補肝腎・明目、潤肺である。主成分
が、ベタイン、ゼアキサンチンである。

　胡麻仁（ゴマニン）は、ゴマ（Ｓｅｓａｍｕｍ　ｉｎｄｉｃｕｍ　Ｌ．）の成熟果実を
乾燥したものであり、性味は平、甘であり、帰経は脾・肺・肝・腎であり、効能は滋養肝
腎・補益精血、潤燥滑腸である。主成分が、リグナン、脂肪酸である。

　黒豆（コクズ）は、ダイズ（Ｇｌｙｃｉｎｅ　ｍａｘ　（Ｌ．）　Ｍｅｒｒ．　ｓｕｂ
ｓｐ．　Ｍａｘ）の成熟果実を乾燥したものであり、性味は平、甘であり、帰経は肝・腎
であり、効能は滋陰補血・利水、きょ風止痙、解毒である。主成分が、たんぱく質、脂肪
、イソフラボン類、サポニンである。

＜成分（２）＞
　成分（２）は帰経が「肝」又は「心」である生薬であり、具体的には、鶏血藤、竜眼肉
、姜黄、莪朮、絲瓜絡、サンリョウ、紅花、劉寄奴、胡芦巴、続断、骨砕補、海馬、鎖陽
及び沙苑子からなる群より選ばれる少なくとも１種である。これらの生薬のうち、入手し
やすさ（供給安定性）の観点から、鶏血藤、竜眼肉、姜黄、莪朮、絲瓜絡、紅花及び胡芦
巴からなる群より選ばれる少なくとも１種であることが好ましく、効能の観点から、鶏血
藤、姜黄、莪朮、紅花及び胡芦巴からなる群より選ばれる少なくとも１種であることがよ
り好ましく、鶏血藤、姜黄、莪朮及び胡芦巴からなる群より選ばれる少なくとも１種であ
ることが特に好ましい。成分（２）としては、１種以上の生薬、２種以上の生薬、３種以
上の生薬、又は４種以上の生薬であってよい。

　鶏血藤（ケイケットウ）は、ミツカトウ（Ｓｐａｔｈｏｌｏｂｕｓ　ｓｕｂｅｒｅｃｔ
ｕｓ　Ｄｕｎｎ）のつる性の茎を乾燥したものであり、性味は温、苦・微甘であり、帰経
は肝・腎であり、効能は活血補血、舒筋通絡である。主成分が、フェノール性化合物、鉄
分、アミノ酸である。

　竜眼肉（リュウガンニク）は、リュウガン（Ｅｕｐｈｏｒｉａ　ｌｏｎｇａｎａ　Ｌａ
ｍ）の仮種皮を乾燥したものであり、性味は平、甘であり、帰経は心・脾であり、効能は
養心血、安神、補脾気  である。主成分が、糖類、有機酸である。

　姜黄（キョウオウ）は、ウコン（Ｃｕｒｃｕｍａ　ｌｏｎｇａ　Ｌ．）の根茎をそのま
ま又はコルク層を除いたものを通例湯通しし乾燥したものであり、性味は温、苦・辛であ
り、帰経は脾・肝であり、効能は破血行気・通経止痛、きょ風勝湿である。主成分が、精
油、ポリフェノール、デンプンである。

　莪朮（ガジュツ）は、ガジュツ（Ｃｕｒｃｕｍａ　ｚｅｄｏａｒｉａ　Ｒｏｓｃｏｅ、
Ｃｕｒｃｕｍａ　ｐｈａｅｏｃａｕｌｉｓ　Ｖａｌｅｔｏｎ、Ｃｕｒｃｕｍａ　Ｋｗａｎ
ｇｓｉｅｎｓｉｓ　Ｓ．　Ｇ．Ｌｅｅ　ｅｔ　Ｃ．　Ｆ．　Ｌｉａｎｇ）の根茎を通例湯
通し乾燥したものであり、性味は温、苦・辛であり、帰経は肝・脾であり、効能は行気破
血、消積止痛である。主成分が、精油、ポリフェノール、デンプンである。

　絲瓜絡（シカラク）は、ヘチマ（Ｌｕｆｆａ　ｃｙｌｉｎｄｒｉｃａ　（Ｌ．）　Ｍ．
Ｒｏｅｍ．）成熟果実の維管束を乾燥したものであり、性味は平、甘であり、帰経は肺・
胃・肝であり、効能は行血通絡である。主成分が、多糖類、フェノール性化合物である。

　サンリョウは、ミクリ（Ｓｐａｒｇａｎｉｕｍ　ｓｔｏｌｏｎｉｆｅｒｕｍ　（Ｇｒａ
ｅｂｎ．）　Ｂｕｃｈ．－Ｈａｍ．　ｅｘ　Ｊｕｚ．）の塊茎の外皮を除いて乾燥したも
のであり、性味は平、苦であり、帰経は肝・脾であり、効能は破血行気、消積止痛である
。主成分が、精油、デンプンである。

　紅花（コウカ）は、ベニバナ（Ｃａｒｔｈａｍｕｓ　ｔｉｎｃｔｏｒｉｕｓ　Ｌ．）の
管状花をそのまま又は黄色色素の大部分を除いたものでときに圧搾して板状としたもので
あり、性味は温、辛であり、帰経は心・肝であり、効能は活血通経、きょお止痛である。
主成分が、フラボノイドである。

　劉寄奴（リュウキド）は、リトウザンヨモギ（Ａｒｔｅｍｉｓｉａ　ａｎｏｍａｌａ　
Ｓ．　Ｍｏｏｒｅ）の全草を乾燥したものであり、性味は温、辛・苦であり、帰経は心・
肝・脾・肺・腎・膀胱であり、効能は破血通経・消脹止痛、止血消腫、清熱利湿、下気除
脹である。主成分が、精油である。

　胡芦巴（コロハ）は、コロハ（Ｔｒｉｇｏｎｅｌｌａ　ｆｏｅｎｕｍ－ｇｒａｅｃｕｍ
　Ｌ．）の成熟種子を乾燥したものであり、性味は大温、苦であり、帰経は肝・腎であり
、効能は温腎陽、逐寒湿、止痛である。主成分が、多糖類、サポニン、フラボノイド、ア
ルカロイドである。

　続断（ゾクダン）は、トウナベナ（Ｄｉｐｓａｃｕｓ　ａｓｐｅｒ　Ｗａｌｌ．　ｅｘ
　Ｈｅｎｒｙ）の根を乾燥したものであり、性味は微温、苦・甘・辛であり、帰経は肝・
腎であり、効能は補肝腎、活絡止痛、通血脈、続筋骨、固経止崩・安胎である。主成分が
、アルカロイド、精油である。

　骨砕補（コツサイホ）は、ハカマウラボシ（Ｄｒｙｎａｒｉａ　ｆｏｒｔｕｎｅｉ　（
Ｋｕｎｚｅ　ｅｘ　Ｍｅｔｔ．）　Ｊ．　Ｓｍ．）の根茎をそのまま乾燥、又は乾燥後焦
がして鱗片を取り除いたものであり、性味は温、苦であり、帰経は肝・腎であり、効能は
補腎、活血続筋である。主成分が、デンプン、糖類、フラボノイドである。

　海馬（カイバ）は、オオウミウマ（Ｈｉｐｐｏｃａｍｐｕｓ　ｋｅｌｌｏｇｇｉ　Ｊｏ
ｒｄａｎ　ｅｔ　Ｓｎｙｄｅｒ）、イバラタツ（Ｈｉｐｐｏｃａｍｐｕｓ　ｈｉｓｔｒｉ
ｘ　Ｋａｕｐ）、Ｈｉｐｐｏｃａｍｐｕｓ　ｋｕｄａ　Ｂｌｅｅｋｅｒ、Ｈｉｐｐｏｃａ
ｍｐｕｓ　ｔｒｉｍａｃｕｌａｔｕｓ　Ｌｅａｃｈ、又はサンゴタツ（Ｈｉｐｐｏｃａｍ
ｐｕｓ　ｊａｐｏｎｉｃｕｓ　Ｋａｕｐ）の全体又は全体から皮膜及び内臓を除去し、乾
燥したものであり、性味は温、甘であり、帰経は肝・腎であり、効能は補腎壮陽、納気平
喘、止遺尿、調気活血である。主成分が、テルペノイドである。

　鎖陽（サヨウ）は、オシャグジタケ（Ｃｙｎｏｍｏｒｉｕｍ　ｓｏｎｇａｒｉｃｕｍ　
Ｒｕｐｒ．）の肉質茎を乾燥したものであり、性味は温、甘であり、帰経は肝・腎であり
、効能は補腎陽、益精血、養筋、潤腸通便である。主成分が、タンニン、トリテルペン、
アントシアニン、アミノ酸である。

　沙苑子（シャエンシ）は、ツルゲンゲ（Ａｓｔｒａｇａｌｕｓ　ｃｏｍｐｌａｎａｔｕ
ｓ　Ｒ．　Ｂｒ．）の成熟種子を乾燥したものであり、性味は温、甘であり、帰経は肝・
腎であり、効能は補腎陽、益精、固精、縮尿、養肝明目である。主成分が、フラボノイド
、アルカロイドである。

＜成分（３）＞
　成分（３）は帰経が「大腸」、「小腸」又は「胃」であり、かつ五性が「寒」、「微寒
」又は「平」である生薬であり、具体的には、茶葉、車前子、車前草、ヨクイニン、赤小
豆、玉米鬚、淡竹葉、冬瓜子、冬葵子、扁蓄及び海金沙からなる群より選ばれる少なくと
も１種である。これらの生薬のうち、入手しやすさ（供給安定性）の観点から、茶葉、車
前子、車前草、ヨクイニン、赤小豆、玉米鬚及び淡竹葉からなる群より選ばれる少なくと
も１種であることが好ましく、少ない原料生薬量で効果を奏する観点から、茶葉、車前子
又は車前草からなる群より選ばれる少なくとも１種であることがより好ましく、製品化加
工の容易性の観点から、茶葉及び車前草からなる群より選ばれる少なくとも１種であるこ
とが特に好ましい。成分（３）としては、１種以上の生薬、２種以上の生薬、３種以上の
生薬、又は４種以上の生薬であってよい。

　茶葉（チャヨウ）は、チャ（Ｃａｍｅｌｌｉａ　ｓｉｎｅｎｓｉｓ　（Ｌ．）　Ｋｕｎ
ｔｚｅ）の葉（しばしば枝先を伴う）を乾燥したものであり、性味が微寒、苦・微甘であ
り、帰経が心・肺・肝・腎・脾・胃であり、効能がきょ風・清爽頭目、清熱降火・解暑、
解熱毒・止痢、利水である。主成分が、アルカロイド、フラボノイド、タンニンである。

　車前子（シャゼンシ）は、オオバコ（Ｐｌａｎｔａｇｏ　ａｓｉａｔｉｃａ　Ｌ．）の
成熟種子を乾燥したものであり、性味が寒、甘・淡であり、帰経が肝・腎・肺・小腸であ
り、効能が清熱利水、滲湿止瀉、清肝明目、化痰止咳である。主成分が、粘液性多糖類、
イリドイド配糖体である。

　車前草（シャゼンソウ）は、オオバコ（Ｐｌａｎｔａｇｏ　ａｓｉａｔｉｃａ　Ｌ．）
の花期の全草を乾燥したものであり、性味が寒、甘・淡であり、帰経が肝・腎・肺・小腸
であり、効能が清熱利水、滲湿止瀉、清肝明目、化痰止咳である。主成分が、イリドイド
配糖体、フラボノイドである。

　ヨクイニンは、ハトムギ（Ｃｏｉｘ　ｌａｃｒｙｍａ－ｊｏｂｉ　ｖａｒ．　ｍａ－ｙ
ｕｅｎ　（Ｒｏｍ．Ｃａｉｌｌ．）　Ｓｔａｐｆ）の成熟種子を乾燥し種皮を除いたもの
であり、性味が微寒、甘・淡であり、帰経が脾・胃・肺であり、効能が清利湿熱、きょ湿
舒除痺、排膿消腫、健脾止瀉である。主成分が、デンプン、たんぱく質である。

　赤小豆（セキショウズ）は、ツルアズキ（Ｖｉｇｎａ　ｕｍｂｅｌｌａｔａ　（Ｔｈｕ
ｎｂ．）　Ｏｈｗｉ　ｅｔ　Ｏｈａｓｈｉ）、又はアズキ（Ｖｉｇｎａ　ａｎｇｕｌａｒ
ｉｓ　（Ｗｉｌｌｄ．）　Ｏｈｗｉ　ｅｔ　Ｏｈａｓｈｉ）の成熟種子を乾燥したもので
あり、性味は微寒、甘・酸であり、帰経は心・小腸であり、効能は利水消腫、清熱利湿、
退黄、解毒排膿である。主成分が、たんぱく質、イソフラボン類、サポニン、アントシア
ニンである。

　玉米鬚（ギョクベイジュ）は、トウモロコシ（Ｚｅａ　ｍａｙｓ　Ｌ．）の花柱を乾燥
したものであり、性味が平、甘であり、帰経が肝・腎・膀胱・心・小腸であり、効能が利
水消腫、退黄である。主成分が、サポニン、フラボノイドである。

　淡竹葉（タンチクヨウ）は、ササクサ（Ｌｏｐｈａｔｈｅｒｕｍ　ｇｒａｃｉｌｅ　Ｂ
ｒｏｎｇｎ．）の茎、葉を乾燥したものであり、性味が微寒、甘・淡であり、帰経が心・
肺・小腸であり、効能が利水通淋、清心除煩である。主成分が、トリテルペノイド、糖類
、アミノ酸である。

　冬瓜子（トウガシ）は、トウガン（Ｂｅｎｉｎｃａｓａ　ｃｅｒｉｆｅｒａ　Ｓａｖｉ
）、又はＢｅｎｉｎｃａｓａ　ｃｅｒｉｆｅｒａ　Ｓａｖｉ　ｆｏｒｍａ　ｅｍａｒｇｉ
ｎａｔａ　Ｋ．　Ｋｉｍｕｒａ　ｅｔ　Ｓｕｇｉｙａｍａの成熟種子を乾燥したものであ
り、性味が微寒、甘であり、帰経が肺・胃・大腸・小腸であり、効能が清熱、利水消腫で
ある。主成分が、脂肪酸、アルカロイドである。

　冬葵子（トウキシ）は、フユアオイ（Ｍａｌｖａ　ｖｅｒｔｉｃｉｌｌａｔａ　Ｌ．）
の成熟種子を乾燥したものであり、性味が寒、甘であり、帰経が小腸・大腸・膀胱であり
、効能が利水通淋、潤腸通便、下乳である。主成分が、脂肪油、たんぱく質である。

　扁蓄（ヘンチク）は、ニワヤナギ（Ｐｏｌｙｇｏｎｕｍ　ａｖｉｃｕｌａｒｅ　Ｌ．）
の地上部を乾燥したものであり、性味が平、苦であり、帰経が胃・膀胱であり、効能が利
水通淋、殺虫止痒である。主成分が、フラボン配糖体、タンニンである。

　海金沙（カキンシャ）は、カニクサ（Ｌｙｇｏｄｉｕｍ　ｊａｐｏｎｉｃｕｍ　（Ｔｈ
ｕｎｂ．）　Ｓｗ．）の成熟胞子を乾燥したものであり、性味が寒、甘・鹹であり、帰経
が膀胱・小腸であり、効能が利水通淋である。主成分が、脂肪油、リゴジンである。

＜成分（４）＞
　成分（４）は帰経が「脾」又は「腎」である生薬であり、具体的には、山薬、刺五加、
蜂蜜、郁李仁、生姜、陳皮、青皮、枳実、膠飴、大棗及び粳米からなる群より選ばれる少
なくとも１種である。これらの生薬のうち、入手しやすさ（供給安定性）の観点から、山
薬、刺五加、蜂蜜、生姜、陳皮、青皮、枳実、膠飴、大棗及び粳米からなる群より選ばれ
る少なくとも１種であることが好ましく、製品化加工の容易性の観点から、山薬、刺五加
、蜂蜜、陳皮及び青皮からなる群より選ばれる少なくとも１種であることが特に好ましい
。成分（４）としては、１種以上の生薬、２種以上の生薬、３種以上の生薬、又は４種以
上の生薬であってよい。

　山薬（サンヤク）は、ヤマノイモ（Ｄｉｏｓｃｏｒｅａ　ｊａｐｏｎｉｃａ　Ｔｈｕｎ
ｂ．）又はナガイモ（Ｄｉｏｓｃｏｒｅａ　ｂａｔａｔａｓ　Ｄｅｃｎｅ．）の周皮を除
いた根茎（担根体）を乾燥したものであり、性味は平、甘であり、帰経は脾・肺・腎であ
り、効能は補脾止瀉、養陰扶脾、養肺益陰・止咳、補腎固精・縮尿・止帯である。主成分
が、多糖類（デンプン、糖たんぱく質）である。

　刺五加（シゴカ）は、エゾウコギ（Ｅｌｅｕｔｈｅｒｏｃｏｃｃｕｓ　ｓｅｎｔｉｃｏ
ｓｕｓ　（Ｒｕｐｒ．　ｅｔ　Ｍａｘｉｍ．）　Ｍａｘｉｍ．）の根、根茎を乾燥したも
のであり、性味が温、辛・苦であり、帰経が肝・腎であり、効能が舒風湿、補肝腎・強筋
骨、利水消腫である。主成分が、サポニン、リグナンである。

　蜂蜜（ホウミツ）は、ヨーロッパミツバチ（Apis mellifera L.）、又はトウヨウミツ
バチ（Apis cerana F.）がその巣に集めた甘味物を採集したものであり、性味が平、甘で
あり、帰経が肺・脾・大腸であり、効能が潤腸通便、清熱、潤肺止咳、補中、緩急止痛で
ある。主成分が、果糖、ブドウ糖である。

　郁李仁（イクリニン）は、コニワザクラ（Ｐｒｕｎｕｓ　ｈｕｍｉｌｉｓ　Ｂｇｅ．）
、ニワウメ（Ｐｒｕｎｕｓ　ｊａｐｏｎｉｃａ　Ｔｈｕｎｂ．）、又はＰｒｕｎｕｓ　ｐ
ｅｄｕｎｃｕｌａｔａ　（Ｐａｌｌ．）　Ｍａｘｉｍ．の成熟種子を乾燥したものであり
、性味が平、辛・苦・甘であり、帰経が大腸・小腸・脾であり、効能が潤腸通便、下気行
水である。主成分が、青酸配糖体、脂肪油、フラボノイドである。

　生姜（ショウキョウ）は、ショウガ（Ｚｉｎｇｉｂｅｒ　ｏｆｆｉｃｉｎａｌｅ　Ｒｏ
ｓｃｏｅ）の根茎で、ときに周皮を除いたものを乾燥したものであり、性味が微温、辛で
あり、帰経が肺・脾・胃であり、効能が散寒解表、温胃止嘔、化痰行水、解毒である。主
成分が、精油、辛み成分、デンプンである。

　陳皮（チンピ）は、ウンシュウミカン（Ｃｉｔｒｕｓ　ｕｎｓｈｉｕ　（Ｓｗｉｎｇｌ
ｅ）　Ｍａｒｃｏｗ．）、又はポンカン（Ｃｉｔｒｕｓ　ｒｅｔｉｃｕｌａｔａ　Ｂｌａ
ｎｃｏ）の成熟果皮を乾燥したものであり、性味が温、辛・苦であり、帰経が脾・肺であ
り、効能が理気健脾、燥湿化痰である。主成分が、精油、フラボノイドである。

　青皮（セイヒ）は、ウンシュウミカン（Ｃｉｔｒｕｓ　ｕｎｓｈｉｕ　（Ｓｗｉｎｇｌ
ｅ）　Ｍａｒｃｏｗ．）、又はポンカン（Ｃｉｔｒｕｓ　ｒｅｔｉｃｕｌａｔａ　Ｂｌａ
ｎｃｏ）の未熟果皮又は未熟果実を乾燥したものであり、性味が温、辛・苦であり、帰経
が肝・胆・脾・胃であり、効能が疏肝破気、消積化滞である。主成分が、精油、フラボノ
イド配糖体である。

　枳実（キジツ）は、ダイダイ（Ｃｉｔｒｕｓ　ａｕｒａｎｔｉｕｍ　Ｌ．　ｖａｒ．　
ｄａｉｄａｉ　Ｍａｋｉｎｏ）、Ｃｉｔｒｕｓ　ａｕｒａｎｔｉｕｍ　Ｌ．、又はナツミ
カン（Ｃｉｔｒｕｓ　ｎａｔｓｕｄａｉｄａｉ（Ｙｕ．Ｔａｎａｋａ）　Ｈａｙａｔａ）
の未熟果実を乾燥したものであり、性味が微温、甘であり、帰経が脾・胃・大腸であり、
効能が破棄消積、化痰消痞である。主成分が、精油、フラボノイド配糖体である。

　膠飴（コウイ）は、トウモロコシ（Ｚｅａ　ｍａｙｓ　Ｌ．）、キャッサバ（Ｍａｎｉ
ｈｏｔ　ｅｓｃｕｌｅｎｔａ　Ｃｒａｎｔｚ）、ジャガイモ（Ｓｏｌａｎｕｍ　ｔｕｂｅ
ｒｏｓｕｍ　Ｌ．）、サツマイモ（Ｉｐｏｍｏｅａ　ｂａｔａｔａｓ　（Ｌ．）　Ｐｏｉ
ｒ．）、又はイネ（Ｏｒｙｚａ　ｓａｔｉｖａ　Ｌ．）のデンプン又はイネの種皮を除い
た種子を加水分解し、糖化したものであり、性味は微温、甘であり、帰経は脾・胃・肺で
あり、効能は補虚建中・緩急止痛、潤肺止咳である。主成分が、麦芽糖である。

　大棗（タイソウ）は、ナツメ（Ｚｉｚｙｐｈｕｓ　ｊｕｊｕｂａ　Ｍｉｌｌ．　ｖａｒ
．　ｉｎｅｒｍｉｓ　（Ｂｕｎｇｅ）　Ｒｅｈｄｅｒ）の果実を乾燥したものであり、性
味は微温、甘であり、帰経は脾・胃・心・肝であり、効能は補脾和胃、養営安神、緩和薬
性である。主成分が、果糖、ブドウ糖である。

　粳米（コウベイ）は、イネ（Oryza sativa L.）の成熟種子を乾燥したものであり、性
味が微寒、甘であり、帰経が脾・胃であり、効能が消食、健脾開胃、和養、脾胃虚弱であ
る。主成分が、澱粉である。

　本実施形態の組成物に含まれる成分（１）、成分（２）、成分（３）及び成分（４）と
しての生薬は、生薬のままであってもよく、生薬を細断又は粉砕したものであってもよく
、或いは、生薬のエキスであってもよい。本願明細書において、生薬のエキスとは、生薬
を製薬上許容される水性溶媒、例えば、水（熱水を含む）、エタノール又は水とエタノー
ルとの混合溶媒によって抽出されたものであることが好ましい。生薬エキスは、公知の抽
出方法によって作製されるものであってよく、一般的な軟エキス又はエキス末・エキス顆
粒であってよい。

　本実施形態の組成物に含まれる成分（１）、成分（２）、成分（３）及び成分（４）と
しての生薬の配合量は、摂取者の体重、年齢、症状等の種々の条件に応じて適宜設定する
ことができ、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和効果
を発揮するのに十分な量であればよく、１日量あたりの生薬の重量（エキスの場合、使用
した生薬の重量（生薬換算重量））（ｇ／日）で規定される。

　各生薬の１日量としては、成分（１）として、女貞子９～１５ｇ、旱蓮草６～１５ｇ、
百合９～１５ｇ、黄精９～１５ｇ、枸杞子３～９ｇ、胡麻仁９～３０ｇ及び黒豆３０～６
０ｇが挙げられる。成分（２）として、鶏血藤９～１５ｇ、竜眼肉６～１２ｇ、姜黄３～
９ｇ、莪朮３～９ｇ、絲瓜絡６～１５ｇ、サンリョウ３～９ｇ、紅花３～９ｇ、劉寄奴９
～１５ｇ、胡芦巴３～９ｇ、続断９～１５ｇ、骨砕補９～１５ｇ、海馬３～９ｇ、鎖陽３
～９ｇ及び沙苑子９～１５ｇ挙げられる。成分（３）として、茶葉３～１５ｇ、車前子３
～９ｇ、車前草３～９ｇ、ヨクイニン９～３０ｇ、赤小豆９～３０ｇ、玉米鬚１５～３０
ｇ、淡竹葉６～１２ｇ、冬瓜子１５～３０ｇ、冬葵子６～１５ｇ、扁蓄９～３０ｇ及び海
金沙６～１２ｇが挙げられる。成分（４）として、山薬９～３０ｇ、刺五加３～９ｇ、蜂
蜜９～３０ｇ、郁李仁３～１２ｇ、生姜３～９ｇ、陳皮３～９ｇ、青皮３～９ｇ、枳実３
～９ｇ、膠飴３０～６０ｇ、大棗３～９ｇ及び粳米５～８ｇが挙げられる。成分（１）、
成分（２）、成分（３）、又は成分（４）として、複数の生薬が用いられる場合、各生薬
の１日量は適宜に減量してもよい。

　本実施形態の組成物は、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善
又は緩和に用いるための組成物である。本実施形態の組成物は、成分（１）が腎・心に働
きかけることで血を補い、成分（２）が補った血や気が巡るのを助け、成分（３）が体内
に滞った余分な水分の排泄を助けることで腎精不足の解消を図る。さらに、成分（４）は
腎・脾に作用すると共に体内の毒素・老廃物の排泄に寄与することが期待され、成分（１
）～（３）と相乗的に作用することで、いわゆる美容に関連する、皮膚、毛髪及び爪の症
状に特に作用を発現することを図る。このように、成分（１）、成分（２）、成分（３）
及び成分（４）を含むことにより、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態を予
防、改善又は緩和することができる。

　腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態は、顔の皮膚の緩み、小じわ、白髪、
抜け毛、髪のパサつき・ハリのなさ、爪のもろさ・割れやすさ、爪の縦線・色の悪さ、肌
の乾燥からなる群より選択される少なくとも１つ、少なくとも２つ、少なくとも３つ、少
なくとも４つ又は少なくとも５つであり、特に抜け毛、髪のパサつき・ハリのなさ、爪の
もろさ・割れやすさ、及び肌の乾燥からなる群より選択される少なくとも１つ、少なくと
も２つ、少なくとも３つ又は４つであることが好ましい。また、上記少なくとも１つの症
状は、一時的なものであってもよく、１週間以上、２週間以上、４週間以上、３ヶ月以上
、６か月以上又は１年以上の期間、にわたって継続する慢性的な症状であってもよい。

　本実施形態の組成物は、食品組成物又は医薬組成物であることが好ましい。本実施形態
の組成物に含まれる各生薬は、日本薬局方　生薬等に収録されておらず、使用規制のない
ものであるため、医療及び食品の両方に用いられる。そのため、本実施形態の組成物は、
機能性食品などの食品組成物とすることができる。そのため、医師の処方を必要とせず、
気軽に不快の症状や身体の不調を予防、改善又は緩和できるという利点がある。

　食品組成物は、食品としてあり得る任意の形態であってよい。例えば、乳製品；発酵食
品(ヨーグルト、チーズ等)；飲料類(コーヒー、ジュース、茶飲料のような清涼飲料、炭
酸飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、乳酸菌入り飲料、ヨーグルト飲料、日本酒、果実酒、洋酒
のような酒等)；スプレッド類(カスタードクリーム等)；ペースト類(フルーツペースト等
)；洋菓子類(ドーナツ、パイ、シュークリーム、ガム、キャンデー、ゼリー、クッキー、
ケーキ、チョコレート、プリン等)；和菓子類(大福、餅、饅頭、カステラ、あんみつ、羊
羹等)；氷菓類(アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベット等)；食品類(カレー、
牛丼、雑炊、粥、味噌汁、スープ、ミートソース、パスタ、漬物、ジャム等)；調味料類(
ドレッシング、旨味調味料、ふりかけ、スープの素等)等が挙げられる。かかる食品組成
物は、業務店舗で料理として提供することもでき、また、惣菜、レトルト食品、冷凍食品
、その他一般的な食品組成物の包装形態等を取って一般流通形態で提供することもできる
。

　上記各種形態の食品組成物は、有効成分としての成分（１）、成分（２）、成分（３）
、及び成分（４）の他に、有効成分の作用に影響を与えなければ、食品として許容される
成分を含んでもよい。例えば、各種一般食材、デンプン、ゼラチン、植物油脂、動物油脂
、加工油脂等、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ローカストビーンガム、ト
ラガントガム、カラヤガム、コンニャクグルコマンナン、キサンタンガム、寒天、カラギ
ーナン、ポリアクリル酸、カロブビーンガム、アルギン酸、シクロデキストリン等のゲル
化剤、調味料、甘味料、香辛料、着色料、保存料、酸化防止剤、水、清涼剤、結合剤、甘
味料、崩壊剤、滑沢剤、着色料、香料、安定化剤、防腐剤、徐放調整剤、界面活性剤、溶
解剤、湿潤剤等が挙げられる。

　本実施形態の食品組成物は、さらに複合的な効果を奏することを目的として、機能性を
有する食品材料を適宜任意に配合することができる。例えば、成分（１）、成分（２）、
成分（３）、及び成分（４）以外の各種生薬、各種プロバイオティクス、各種オリゴ糖、
ビタミン、ミネラル等の栄養成分、フラボノイド類、キノン類、ポリフェノール類、アミ
ノ酸、核酸、必須脂肪酸、その他公知の機能性食品材料を適宜任意に配合することができ
る。

　各種形態の食品組成物の製法は特に限定されず、適宜公知の方法に従うことができる。
また、生薬の特有の味及び匂いを低減できる成分を添加したり、処理を行ったりしてもよ
い。

　本実施形態の食品組成物は、また、保健、健康維持、健康増進等を目的とする食品、例
えば、健康食品、機能性表示食品、栄養補助食品、サプリメント、特定保健用食品又は栄
養機能食品等であってよい。本実施形態の食品組成物は、サプリメントである場合、例え
ば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤、散剤、ドリンク剤、ゼリー等の形態であってもよ
い。本実施形態の食品組成物はそのまま摂取してもよく、食事、軽食、飲料等に混ぜ込ん
で摂取してもよい。

　本実施形態の食品組成物における有効成分としての成分（１）、成分（２）、成分（３
）、及び成分（４）の含有量は、特に限定されず、また、食品組成物の形態によっても異
なる。例えば、食品組成物の形態が、錠剤・カプセル剤・顆粒剤・液剤・散剤・スティッ
クゼリー等のサプリメント形態である場合、食品組成物における各生薬の総重量は典型的
には当該食品組成物の０超～１００重量％、例えば１０～８０質量％であることを挙げら
れる。また、食品組成物の形態が、各種飲料・ゼリー、食品類・レトルト食品類等の一般
食品形態である場合、食品組成物における各生薬の総重量は、典型的には当該食品組成物
の０．０５～２５質量％であることを挙げられる。味や量を考慮すれば、食品組成物中に
おける有効成分の配合量最小限に抑えることが好ましく、その場合、生薬のままで配合す
るよりも、生薬エキスを用いることが好ましい。本実施形態の食品組成物に含まれる生薬
は、通常食品として用いられる作用が緩和なものであるため、その摂取量は特に限定され
ない。本実施形態の食品組成物の摂取量が、上述の生薬の１日量を含む量であれば、所望
の気虚及び／又は血虚に関連する症状の予防、改善又は緩和効果を得ることができる。

　本実施形態の医薬組成物は、ドリンク剤、シロップ、ゼリー、凍結乾燥粉末、錠剤、カ
プセル剤、丸剤、散剤、細粒剤、顆粒剤等の剤形であってもよく、また、有効成分として
の成分（１）、成分（２）、成分（３）、及び成分（４）の他に、例えば、薬学的に許容
される成分、例えば、賦形剤、結合材、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶
解補助剤、懸濁化剤を含んでいてもよい。

　本実施形態の組成物は、他の組成物と併用することもできる。例えば、本実施形態の組
成物を、気虚及び／又は血虚に関連する症状の対処に用いる市販薬、例えば、ビタミンＢ
群や肝臓水解物等と併用することで、最低限の市販薬の使用により不快症状をなくすこと
ができる。

　組成物の摂取は１日１回であってもよく、複数回、例えば２回、３回又は４回に分けて
摂取してもよい。複数回摂取する場合は、１日の合計量が１日量となるように摂取すれば
よい。本実施形態の組成物の摂取タイミングはとくに限定されず、１日１回の摂取の場合
、起床後、食前、食間、食後、就寝前等任意の時間で摂取してもよく、１日複数回の摂取
の場合、起床後、食前、食間、食後、就寝前のうちの２つ、３つ又は４つ以上のタイミン
グで摂取してもよい。また、食事と同時に摂取してもよい。

　本実施形態の組成物は１週間以上、２週間以上、４週間以上、３ヶ月以上、６か月以上
又は１年以上の期間にわたって継続して摂取してもよい。本実施形態の組成物が安全な生
薬成分であるため、長期にわたって摂取しても安全であり、かつ、長期服用することで、
徐々に体質を改善し、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態を徐々に緩和又は
改善できる。

　一実施形態の方法は、上記本実施形態の組成物を、これを必要とする対象に与える工程
を含む、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態を予防、改善又は緩和する方法
である。ここで、対象は、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の自覚を有す
るか、中国医学に基づいて腎精不足と診断され、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状
又は状態を有する対象である。組成物は、上述の１日量で対象に与える（例えば、投与す
る）。投与期間は、特に限定されないが、１週間以上、２週間以上、４週間以上、３ヶ月
以上、６か月以上又は１年以上であってもよい。

　一実施形態の組成物は、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善
又は緩和に用いるための組成物であり、該組成物は上記本実施形態の組成物であってよい
。ここで、使用方法（摂取量、摂取期間）は上述のとおりである。

　一実施形態の使用は、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又
は緩和のための組成物の製造における、上記本実施形態の組成物の使用である。また、別
の実施形態の使用は、腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は
緩和における、上記本実施形態の組成物の使用である。ここで、使用方法（摂取量、摂取
期間）は上述のとおりである。組成物が食品組成物又は医薬組成物であってよく、該組成
物は、有効量の成分（１）、成分（２）、成分（３）及び成分（４）の生薬又は生薬エキ
スを含むように、通常の方法にしたがって製造することができ、必要があれば上述の他の
成分を含ませてもよい。

　以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施
例等に何ら限定されるものではない。

＜試験例１＞
（腎精不足に伴う身体の不調に与える影響の評価試験）
　腎精不足に伴う日常的な身体トラブルを自覚する２０歳以上の日本人男女１８名（実施
例１）、１６名（実施例２及び比較例１）、１４名（実施例３）、１２名（実施例４）、
又は１５名（実施例５）を対象とした単盲検群前後比較試験を実施し、本発明の効果を検
討した。

（組成物）
　実施例１、２、３、４及び５、並びに比較例１の生薬組成及び１日分の使用量を表１に
示す。原料生薬として表１に記載の生薬の分量比率にしたがって原料生薬を配合し、常水
にて沸騰抽出し、ろ過、濃縮、殺菌を行い、デキストリンを適量添加した後スプレードラ
イヤーにて乾燥し、混合植物エキス末を得た。得られたエキスのうち、原料生薬として表
１に記載の生薬量に相当する実施例１のエキス末６．０ｇ、実施例２のエキス末１３．８
ｇ、実施例３のエキス末１４．４ｇ、実施例４のエキス末１５．６ｇ、実施例５のエキス
末１１．４ｇ、又は比較例１のエキス末６．０ｇを１日分の食品組成物とした。

　被験者には実施例１、２、３、４及び５、並びに比較例１のエキス末１回量（実施例１
：２．０ｇ、実施例２：４．６ｇ、実施例３：４．８ｇ、実施例４：５．２ｇ、実施例５
：３．８ｇ、比較例１：２．０ｇを、１日１回朝食前に、約１５０ｃｃのお湯に溶かして
２週間（１４日間）連続で摂取させた。摂取前及び２週間の摂取完了時に、全被験者を対
象とした不快症状アンケートを実施し、症状の改善度を評価した。摂取前の不快症状アン
ケートは、表２に記載の症状群それぞれにつき、「とても気になる（１）」、「少し気に
なる（２）」、「気にならない（３）」の３段階のスコアを設定し、各症状の自覚の有無
を評価した。摂取完了時の不快症状アンケートは、表２に記載の症状群それぞれにつき、
「とても良くなった（１）」、「良くなった（２）」、「変わらない（３）」、「悪くな
った（４）」、「とても悪くなった（５）」の５段階のスコアを設定し、各症状の改善の
有無を評価した。摂取前アンケートのスコアが１又は２であった被験者に占める、摂取完
了時アンケートのスコアが１又は２であった被験者の割合を改善率とし、改善率が正の値
であった不快症状を当該エキスの改善効果あり、改善率３０％以上の不快症状を当該エキ
スの顕著な改善効果ありと判定した。

（結果）
　結果を表２に示す。表２から、成分（１）、成分（３）及び成分（４）を含む比較例１
の生薬エキスを摂取した被験者に比べて、成分（１）、成分（２）、成分（３）及び成分
（４）を含む実施例１、２、３、４及び５の生薬エキスを摂取した被験者において、抜け
毛、髪のパサつき・ハリのなさ、爪のもろさ・割れやすさ、肌の乾燥の改善が認められた
。前記効果に加えて、実施例１、２、３、４及び５の生薬エキスの摂取によって、慢性疲
労・息切れ、身体の重さ・だるさ、不眠・睡眠障害の改善が認められた。更に、実施例１
の生薬エキスの摂取によっては、顔の皮膚の緩み、小じわ、白髪、爪の縦線・色の悪さの
改善が、実施例２の生薬エキスの摂取によっては、顔の皮膚の緩み、爪の縦線・色の悪さ
の改善が、実施例３の生薬エキスの摂取によっては、白髪、爪の縦線・色の悪さの改善が
、実施例４の生薬エキスの摂取によっては、顔の皮膚の緩み、小じわ、白髪の改善が、実
施例５の生薬エキスの摂取によっては、白髪、爪の縦線・色の悪さの改善が認められた。
すなわち、成分（１）、成分（２）、成分（３）及び成分（４）の相乗作用に基づき腎精
不足に関連する症状の全般において予防、改善又は緩和効果が確認された。

Claims (4)

1. 　有効成分として、下記の成分（１）、成分（２）、成分（３）及び成分（４）を含む、
   組成物。
   　成分（１）：女貞子、旱蓮草、百合、黄精、枸杞子、胡麻仁及び黒豆からなる群より選
   ばれる少なくとも１種の生薬
   　成分（２）：鶏血藤、竜眼肉、姜黄、莪朮、絲瓜絡、サンリョウ、紅花、劉寄奴、胡芦
   巴、続断、骨砕補、海馬、鎖陽及び沙苑子からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬
   　成分（３）：茶葉、車前子、車前草、ヨクイニン、赤小豆、玉米鬚、淡竹葉、冬瓜子、
   冬葵子、扁蓄及び海金沙からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬
   　成分（４）：山薬、刺五加、蜂蜜、郁李仁、生姜、陳皮、青皮、枳実、膠飴、大棗及び
   粳米からなる群より選ばれる少なくとも１種の生薬
2. 　腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態の予防、改善又は緩和に用いるための
   、請求項１に記載の組成物。
3. 　腎精不足に伴う皮膚、毛髪及び爪の症状又は状態が、顔の皮膚の緩み、小じわ、白髪、
   抜け毛、髪のパサつき・ハリのなさ、爪のもろさ・割れやすさ、爪の縦線・色の悪さ、肌
   の乾燥からなる群より選択される少なくとも１つである、請求項２に記載の組成物。
4. 　食品組成物又は医薬組成物である、請求項１～３のいずれか一項に記載の組成物。