WO2023166887A1

WO2023166887A1 - 制御装置、補聴器、充電装置、補聴器システム、プログラムおよび制御方法

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Publication number: WO2023166887A1
Application number: PCT/JP2023/002370
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Inventors: 智子寺門; 浩司奥本; 竜鋤柄
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Abstract

制御装置は、取得部（２９１）は、補聴器（２）から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、所定ユーザが補聴器（２）を使用した使用時間と、を取得する取得部（２９１）と、音圧情報と、使用時間と、に基づいて、所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における補聴器（２）のパラメータを設定する設定部（２９２）と、を備える。

Description

制御装置、補聴器、充電装置、補聴器システム、プログラムおよび制御方法

　本開示は、制御装置、補聴器、充電装置、補聴器システム、プログラムおよび制御方法に関する。

　近年、補聴器では、患者が医師または専門家によるフィッティング作業なしに購入できるＯＴＣ（Over　The　Counter）補聴器が知られている。このＯＴＣ補聴器は、従来の補聴器で行っていた患者に対する医師やオーディオロジスト等の専門家によるフィッティング作業を患者自身が行うため、患者に適した聴力の調整が難しかった。この結果、患者が補聴器の使用を停止してしまう虞があった。このため、特許文献１では、経過動作時間の経過とともに補聴器の性能が初期パラメータから、患者の聴覚障害を最適に補正するように設計された最終パラメータに自動で変化する技術が開示されている。

米国特許出願公開第２００３／０２１５１０５号明細書

　ところで、補聴器の効果を体感できない患者は、不適切な調整が原因で補聴器の使用を停止してしまう。

　しかしながら、特許文献１では、補聴器の動作時間の経過に従って補聴器の性能のパラメータを変化させているに過ぎず、補聴器の使用状況を何らか考慮していないため、ユーザ毎に最適な補聴器のパラメータを設定することができないという問題点があった。

　本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザ毎に最適な補聴器のパラメータを設定することができる制御装置、補聴器、充電装置、補聴器システム、プログラムおよび制御方法を提供することを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る制御装置は、補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得する取得部と、前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、を備える。

　また、本開示に係る制御装置は、所定ユーザが補聴器を使用した使用時間と、前記補聴器の使用状況と、を取得する取得部と、前記使用時間と、前記使用状況と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、を備える。

　また、本開示に係る補聴器は、上記開示の制御装置と、外音を集音して音声信号を生成する集音部と、前記音声信号に対して増幅する信号処理部と、前記信号処理部が増幅した前記音声信号に対応する音を出力する出力部と、を備え、前記設定部は、前記信号処理部が前記音声信号に対する利得を前記パラメータとして設定する。

　また、本開示に係る充電装置は、上記開示の制御装置と、前記補聴器を収納可能であり、前記補聴器を充電する収納部と、を備える。

　また、本開示に係る補聴器システムは、所定ユーザが装着可能な補聴器と、前記補聴器を収納可能であり、前記補聴器を充電可能な充電装置と、前記補聴器および前記充電装置の少なくとも一方と通信可能であり、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画データを生成して前記補聴器または前記充電装置へ出力する通信デバイスと、前記補聴器の性能を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記補聴器、前記充電装置および前記通信デバイスのいずれかに設けられ、前記制御装置は、前記補聴器から前記所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得する取得部と、前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、を備える。

　また、本開示に係るプログラムは、プロセッサを備え、補聴器の性能を制御する制御装置が実行するプログラムであって、前記プロセッサに、前記補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得し、前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する、ことを実行させる。

　また、本開示に係る制御方法は、プロセッサを備え、補聴器の性能を制御する制御装置が実行する制御方法であって、前記プロセッサが、前記補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得し、前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する、ことを含む。

図１は、実施の形態１に係る補聴器システムの概略構成を示す図である。図２は、実施の形態２に係る補聴器システムの機能構成を示すブロック図である。図３は、従来機種を用いた聴覚リハビリテーション計画の概要を模式的に説明する図である。図４は、従来機種を用いたオージオグラムの概要を模式的に示す図である。図５は、実施の形態１に係る補聴器が実行する処理の概要を示すフローチャートである。図６は、図５の初期設定処理の詳細を示すフローチャートである。図７は、実施の形態２に係る補聴器システムの機能構成を示すブロック図である。図８は、実施の形態２に係る補聴器が実行する処理の概要を示すフローチャートである。図９は、実施の形態３に係る補聴器システムの機能構成を示すブロック図である。図１０は、実施の形態３に係る充電装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。図１１は、実施の形態１～３の変形例における補聴器システムの概略構成を示す図である。

　以下、本開示を実施するための形態を図面とともに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものでない。また、以下の説明において参照する各図は、本開示の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。即ち、本開示は、各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものでない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。さらにまた、本開示に係る補聴器システムの一例として、左右一組とする耳穴式の気導補聴器を備える補聴器システムについて説明する。

（実施の形態１）
　〔補聴器システムの概要〕
　図１は、実施の形態１に係る補聴器システムの概略構成を示す図である。図２は、実施の形態１に係る補聴器システムの機能構成を示すブロック図である。

　図１および図２に示す補聴器システム１は、左右一組とする補聴器２と、補聴器２を収納するとともに補聴器２を充電する充電装置３（充電ケース）と、補聴器２および充電装置３の少なくとも一方と通信可能な携帯電話等の通信デバイス４と、を備える。

　なお、実施の形態１では、補聴器２を気導型の場合について説明するが、これに限定されることなく、例えば骨導型であっても適用することができる。さらに、実施の形態１では、補聴器２を耳穴式の場合について説明するが、これに限定されることなく、例えば耳掛け式、ヘッホン式、ポケット型であっても適用することができる。さらにまた、実施の形態１では、補聴器２を両耳型の場合について説明するが、これに限定されることなく、左右のどちらか一方に装着する片耳型であっても適用することができる。以下においては、右耳に装着する補聴器２を補聴器２Ｒ、左耳に装着する補聴器２を補聴器２Ｌと表記し、左右どちらか一方を指す場合、単に補聴器２と表記して説明する。

　〔補聴器の構成〕
　まず、補聴器２の構成について説明する。
　図１および図２に示すように、補聴器２は、集音部２０と、信号処理部２１と、出力部２２と、計時部２３と、操作部２４と、電池２５と、接続部２６と、通信部２７と、記録部２８と、制御部２９と、を備える。

　集音部２０は、マイク２０１と、Ａ／Ｄ変換部２０２と、を有する。マイク２０１は、外音を集音してアナログの音声信号（音響信号）を生成してＡ／Ｄ変換部２０２へ出力する。Ａ／Ｄ変換部２０２は、マイク２０１から入力されたアナログの音声信号に対してＡ／Ｄ変換処理を行ってデジタルの音声信号を信号処理部２１へ出力する。

　信号処理部２１は、制御部２９の制御のもと、集音部２０から入力されたデジタルの音声信号に対して、所定の信号処理を行って出力部２２へ出力する。ここで、所定の信号処理とは、音声信号に対して所定の周波数毎に分離するフィルタリング処理、フィルタリング処理を行った所定の周波数毎に所定の増幅量で増幅する増幅処理、ノイズリダクション処理およびハウリングキャンセル処理等である。信号処理部２１は、メモリと、ＤＳＰ（Digital　Signal　Processor）等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。

　出力部２２は、Ｄ／Ａ変換部２２１と、レシーバ２２２と、を有する。Ｄ／Ａ変換部２２１は、信号処理部２１から入力されたデジタルの音声信号に対してＤ／Ａ変換処理を行ってレシーバ２２２へ出力する。レシーバ２２２は、Ｄ／Ａ変換部２２１から入力されたアナログの音声信号に対応する出力音（音声）を出力する。レシーバ２２２は、例えばスピーカ等を用いて構成される。

　計時部２３は、日時を計時し、この計時結果を制御部２９へ出力する。計時部２３は、タイミングジェネレータや計時機能を有するタイマ等を用いて構成される。

　操作部２４は、補聴器２を起動するための起動信号の入力を受け付け、受け付けた起動信号を制御部２９へ出力する。操作部２４は、プッシュ型のスイッチ、ボタンまたはタッチパネル等を用いて構成される。

　電池２５は、補聴器２を構成する各部へ電力を供給する。電池２５は、充電可能な二次電池、例えばリチウムイオン電池等を用いて構成される。電池２５は、接続部２６を介して充電装置３から供給される電力によって充電される。

　接続部２６は、後述する充電装置３に補聴器２が収納された際に、充電装置３の接続部と接続し、充電装置３から電力および各種情報を受信するとともに、各種情報を充電装置３へ出力する。接続部２６は、複数のピンを用いて構成される。

　通信部２７は、制御部２９の制御のもと、ネットワークＮＷを介して、所定の通信規格に従って充電装置３または通信デバイス４と双方向に通信を行う。ここで、所定の通信規格とは、例えばＷｉ－Ｆｉ（登録商標）およびＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等が想定される。通信部２７は、通信モジュール等を用いて構成される。

　記録部２８は、補聴器２に関する各種情報を記録する。記録部２８は、ＲＡＭ（Random　Access　Memory）、ＲＯＭ（Read　Only　Memory）およびメモリカード等を用いて構成される。記録部２８は、プログラム記録部２８１と、聴覚リハビリテーション計画データ記録部２８２と、ユーザ情報記録部２８３と、使用時間記録部２８４と、音圧情報記録部２８５と、を有する。

　プログラム記録部２８１は、補聴器２が実行するプログラムおよび補聴器２の処理中の各種データを記録する。

　聴覚リハビリテーション計画データ記録部２８２は、ユーザの聴覚リハビリテーション計画に対応する聴覚リハビリテーション計画データを記録する。ここで、聴覚リハビリテーション計画データとは、ユーザの目標聴力レベルに向けて所定の期間毎に聴力レベルが設定されたものである。なお、聴覚リハビリテーション計画データは、後述する通信デバイス４によって生成される。

　ユーザ情報記録部２８３は、ユーザの年齢、ユーザの補聴器２の使用経験の有無、ユーザの性別等を記録する。

　使用時間記録部２８４は、制御部２９の制御のもと、計時部２３によって計時されたユーザの補聴器２を使用した使用時間を蓄積して記録する。なお、使用時間記録部２８４は、使用時間以外に、補聴器２の使用状況および補聴器２の使用音環境等のデータログを記録してもよい。

　音圧情報記録部２８５は、制御部２９の制御のもと、出力部２２がユーザへ出力する音の音圧情報を記録する。ここで、音圧情報とは、補聴器２が外部音を集音して生成した音声信号に対して、信号処理部２１が聴覚リハビリテーション計画に応じてユーザの聴力レベルに調整して出力するための出力信号に対応する出力音（音圧レベル）の大きさである。また、出力音の大きさとは、周波数毎および音圧レベル毎に蓄積した時間（積分値）、並びに、周波数毎および音圧レベル毎の総和を合成した音圧レベルの時間（積分値）のいずれか一方である。具体的には、周波数毎における音圧レベル毎の時間とは、信号処理部２１が、周波数が９バンドの場合、例えば５００Ｈｚ、７５０Ｈｚ、１０００Ｈｚ、２０００Ｈｚ、３０００Ｈｚ、４０００Ｈｚ、６０００Ｈｚ、８０００Ｈｚの各々を増幅して出力した音圧レベル毎、例えば６０ｄＢ、７０ｄＢおよび８０ｄＢの各々が出力された蓄積時間（総合時間）である。また、周波数毎および音圧レベル毎の総和を合成した音圧レベルの時間とは、周波数が９バンドの場合、例えば５００Ｈｚ、７５０Ｈｚ、１０００Ｈｚ、２０００Ｈｚ、３０００Ｈｚ、４０００Ｈｚ、６０００Ｈｚ、８０００Ｈｚの各々を増幅して出力した音圧レベル毎の総和を合成した音圧レベルが出力された蓄積時間（総合時間）である。

　制御部２９は、補聴器２を構成する各部を制御する。制御部２９は、メモリと、ＣＰＵ（Central　Processing　Unit）やＤＳＰ等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。制御部２９は、プログラム記録部２８１に記録されたプログラムをメモリの作業領域に読み出して実行し、プロセッサによるプログラムの実行を通じて各構成部等を制御することによって、ハードウェアとソフトウェアとが協働し、所定の目的に合致した機能モジュールを実現する。

　具体的には、制御部２９は、取得部２９１と、設定部２９２と、判定部２９３と、記録制御部２９４と、出力制御部２９５と、を有する。なお、実施の形態１では、制御部２９が制御装置として機能する。

　取得部２９１は、音圧情報記録部２８５が記録する補聴器２からユーザへ出力する音の音圧情報と、使用時間記録部２８４が記録するユーザが補聴器２を使用した使用時間と、を取得する。

　設定部２９２は、取得部２９１が取得した音圧情報と、使用時間と、に基づいて、補聴器２のパラメータを設定する。

　判定部２９３は、ユーザが補聴器２を装着したか否かを判定する。また、判定部２９３は、使用時間記録部２８４が記録するユーザの補聴器２の使用時間が所定時間以上であるか否かを判定する。ここで、所定時間とは、聴覚リハビリテーション計画データにおける所定の期間毎に設定された時間である。また、判定部２９３は、音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報が所定の音圧レベル以上であるか否かを判定する。具体的には、判定部２９３は、音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報の３０％以上が６０ｄＢ以上の音圧レベルであるか否かを判定する。

　記録制御部２９４は、計時部２３が計時する時間を使用時間記録部２８４に使用時間として蓄積（計時）するための記録および出力部２２からユーザへ出力する音の音圧情報を音圧情報記録部２８５に蓄積するための記録を制御する。

　出力制御部２９５は、聴覚リハビリテーション計画データを生成して補聴器２に記録する初期設定が完了したことを示す初期設定完了情報を充電装置３または通信デバイス４に向けて出力する。

　〔充電装置の構成〕
　次に、充電装置３の構成について説明する。
　図１および図２に示すように、充電装置３は、表示部３１と、電池３２と、収納部３３と、通信部３４と、記録部３５と、充電制御部３６と、を備える。

　表示部３１は、充電制御部３６の制御のもと、補聴器２に関する各種状態を表示する。例えば、表示部３１は、補聴器２が充電中であることを示す情報、通信デバイス４から各種情報を受信していることを示す情報を表示する。表示部３１は、発光ＬＥＤ（Light　Emitting　Diode）等を用いて構成される。

　電池３２は、後述する収納部３３に設けられた接続部３３１を介して収納部３３に収納された補聴器２および充電装置３を構成する各部へ電力を供給する。電池３２は、二次電池、例えばリチウムイオン電池等を用いて構成される。なお、実施の形態１では、電池３２に加えて、外部から供給されるＡＣ電力をＤＣ電力に変換後、所定の電圧に変換するＤＣ／ＤＣ変換によって補聴器２へ電力を供給する電力供給回路をさらに設けてもよい。

　収納部３３は、補聴器２を左右の各々を個別に収納する。また、収納部３３には、補聴器２の接続部２６と接続可能な接続部３３１が設けられている。

　接続部３３１は、補聴器２が収納部３３に収納された際に、補聴器２の接続部２６と接続し、電池３２から電力および充電制御部３６からの各種情報を送信するとともに、補聴器２からの各種情報を受信して充電制御部３６へ出力する。接続部３３１は、複数のピンを用いて構成される。

　通信部３４は、充電制御部３６の制御のもと、ネットワークＮＷを介して、所定の通信規格に従って、通信デバイス４と通信を行う。通信部３４は、通信モジュールを用いて構成される。

　記録部３５は、充電装置３が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部３５１を有する。記録部３５は、ＲＡＭ、ＲＯＭ、フラッシュメモリおよびメモリカード等を用いて構成される。

　充電制御部３６は、充電装置３を構成する各部を制御する。例えば、充電制御部３６は、収納部３３に補聴器２が収納された場合、接続部３３１を介して電池３２から電力を供給させる。充電制御部３６は、メモリと、ＣＰＵまたはＤＳＰ等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。充電制御部３６は、プログラム記録部３５１に記録されたプログラムをメモリの作業領域に読み出して実行し、プロセッサによるプログラムの実行を通じて各構成部等を制御することによって、ハードウェアとソフトウェアとが協働し、所定の目的に合致した機能モジュールを実現する。

　〔通信デバイスの構成〕
　次に、通信デバイス４の構成について説明する。
　図１および図２に示すように、通信デバイス４は、入力部４１と、通信部４２と、出力部４３と、表示部４４と、記録部４５と、通信制御部４６と、を備える。

　入力部４１は、ユーザからの各種操作の入力を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を通信制御部４６へ出力する。入力部４１は、スイッチおよびタッチパネル等を用いて構成される。

　通信部４２は、通信制御部４６の制御のもと、ネットワークＮＷを介して、充電装置３または補聴器２と通信を行う。通信部４２は、通信モジュールを用いて構成される。

　出力部４３は、通信制御部４６の制御のもと、所定の周波数毎に所定の音圧レベルの音量を出力する。出力部４３は、スピーカ等を用いて構成される。

　表示部４４は、通信制御部４６の制御もと、通信デバイス４に関する各種情報および補聴器２に関する情報を表示する。表示部４４は、液晶ディスプレイまたは有機ＥＬディスプレイ（Organic　Electroluminescent　Display）等を用いて構成される。

　記録部４５は、通信デバイス４に関する各種情報を記録する。記録部４５は、通信デバイス４が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部４５１と、聴覚リハビリテーション計画データを記録する聴覚リハビリテーション計画データ記録部４５２と、を有する。記録部４５は、ＲＡＭ、ＲＯＭ、フラッシュメモリ、メモリカード等の記録媒体を用いて構成される。

　通信制御部４６は、通信デバイス４を構成する各部を制御する。通信制御部４６は、メモリと、ＣＰＵ等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。通信制御部４６は、プログラム記録部４５１に記録されたプログラムをメモリの作業領域に読み出して実行し、プロセッサによるプログラムの実行を通じて各構成部等を制御することによって、ハードウェアとソフトウェアとが協働し、所定の目的に合致した機能モジュールを実現する。

　〔聴覚リハビリテーションについて〕
　次に、従来の補聴器（以下、「従来機種」という）を用いた聴覚リハビリテーションについて説明する。

　図３は、従来機種を用いた聴覚リハビリテーション計画の概要を模式的に説明する図である。図４は、従来機種を用いたオージオグラム（聴力図）の概要を模式的に示す図である。図３において、横軸が時間を示し、縦軸が聴覚レベル（ｄＢ）を示す。また、折れ線Ｌ１が初めて従来機種を使用する難聴者における聴覚リハビリテーション計画の時間と聴力レベルとの関係を示す。直線Ｌ２が目標聴力レベル（ｄＢ）を示す。さらに、図４において、横軸が周波数を示し、縦軸が聴力レベル（ｄＢ）を示す。さらにまた、図４において、曲線Ｌ１０が目標聴力レベル（ｄＢ）を示し、曲線Ｌ１１が従来機種の装着前のユーザの聴力レベルを示し、曲線Ｌ１２が従来機種に初めて装着した際の聴力レベル（ｄＢ）を示す。さらに、図４における領域Ｒ１は、会話域（スピーチバナナ）である。

　図４の曲線Ｌ１１に示すように、難聴であるユーザは、従来機種を初めて使用する場合、音の聞こえていない状態に慣れてしまった難聴の脳に、最初から図３の直線Ｌ２および図４の曲線Ｌ１０の目標聴力レベルの音量を聞かせると、聞こえない音が聞こえる。この結果、難聴であるユーザは、聞こえない音が聞こえることで、うるさく感じでしまい、とても辛くなる。

　このため、従来の聴覚リハビリテーションでは、図４の曲線Ｌ１２に示すように、目標聴力レベルの所定値、例えば８０％から開始する。さらに、従来の聴覚リハビリテーションでは、所定の期間、例えば２～３ヶ月かけて、図３の折れ線Ｌ２に示す所定の時間毎（時刻ｔ１～ｔ４）に、ユーザの聴力レベルに応じた音量を段階的に上げて脳に音を慣らせて目標聴力レベルに到達させていた。

　この従来の聴覚リハビリテーションでは、ユーザが病院等で専門家のもとで従来機種の調整を行って聴覚リハビリテーション計画を作成する必要がある。さらに、補聴器２の効果が感じられないユーザは、不適切な従来機種の調整が原因で、従来機種の使用の離脱に繋がっていた。

　また、専門家は、難聴者への使用状況の聞き取ることによって、従来機種を調整しているが、実際の使用環境と聞き取った使用状況とに乖離があることがある。さらに、専門家は、従来機種の経時的な使用時間だけでは、聴覚リハビリテーション計画を精度よく作成できないという問題点があった。

　このため、補聴器２の制御部２９は、補聴器２から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、所定ユーザが補聴器２を使用した使用時間と、を取得し、この音圧情報と、使用時間と、に基づいて、所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における補聴器２のパラメータを設定する。即ち、補聴器２の制御部２９は、補聴器２から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、所定ユーザが補聴器２を使用した使用時間と、に基づいて、所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における補聴器２のパラメータとして現在の音量（音圧レベル）と、この現在の音量の期間と、を設定することによって、ユーザに最適な補聴器２のパラメータを設定することができる。

　〔補聴器の処理〕
　次に、補聴器２が実行する処理について説明する。図５は、補聴器２が実行する処理の概要を示すフローチャートである。

　図５に示すように、まず、判定部２９３は、ユーザが補聴器２の聴覚リハビリテーションの初期設定を完了しているか否かを判定する（ステップＳ１０１）。具体的には、判定部２９３は、聴覚リハビリテーション計画データ記録部２８２にユーザに対して設定された聴覚リハビリテーション計画データが記録されているか否かを判定し、聴覚リハビリテーション計画データが記録されていない場合、ユーザが補聴器２の聴覚リハビリテーションの初期設定を完了していないと判定する。判定部２９３によってユーザが補聴器２の聴覚リハビリテーションの初期設定を完了していると判定された場合（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）、補聴器２は、後述するステップＳ１０３へ移行する。これに対して、判定部２９３によってユーザが補聴器２の聴覚リハビリテーションの初期設定を完了していないと判定された場合（ステップＳ１０１：Ｎｏ）、補聴器２は、後述するステップＳ１０２へ移行する。

　ステップＳ１０２において、補聴器２は、通信デバイス４を介して、ユーザの聴覚リハビリテーション計画データを取得する初期設定処理を実行する。

　〔初期設定処理の概要〕
　図６は、図５のステップＳ１０２における初期設定処理の詳細を示すフローチャートである。

　図６に示すように、まず、出力制御部２９５は、通信部２７を介して、通信デバイス４と接続し、ユーザ情報記録部２８３が記録するユーザ情報を通信デバイス４へ出力する（ステップＳ２０１）。

　続いて、取得部２９１は、通信部２７を介して通信デバイス４が生成した聴覚リハビリテーション計画データを取得して聴覚リハビリテーション計画データ記録部２８２に記録する（ステップＳ２０２）。この聴覚リハビリテーション計画データは、通信デバイス４の通信制御部４６がプログラム記録部４５１に記録された聴覚リハビリテーション計画データを生成するための生成プログラムに従って、出力部４３に所定の周波数毎に所定の音圧レベル毎に順次出力させることによってユーザの聴力測定を行い、このユーザの聴力測定結果に基づいて生成されたものである。

　また、聴覚リハビリテーション計画データは、ユーザの目標聴力レベル（以下、単に「目標利得」という）に向けて、所定の期間毎に聴力レベルを段階的に設定されたものである。具体的には、聴覚リハビリテーション計画データは、聴覚リハビリテーションを開始する際の開始聴力レベルを目標利得の８０％の聴力レベル（例えば上述した図４の曲線Ｌ１１を参照）に設定したものである。さらに、通信デバイス４は、例えば毎日２ｄＢを上げた場合に、目標利得に到達するまでの期間を所定の期間として算出した聴覚リハビリテーション計画データを生成する（例えば上述した図３の折れ線Ｌ２を参照）。

　なお、通信デバイス４は、補聴器２から出力されたユーザ情報に含まれる年齢および補聴器２の使用経験の有無の少なくとも一方を加味して聴覚リハビリテーション計画データを生成してもよい。具体的には、通信デバイス４は、ユーザ情報に含まれるユーザの年齢が所定年齢以上、例えば８０才以上であるか否かを判定し、ユーザの年齢が所定年齢以上であると判定した場合、開始聴力レベルを目標利得の７０％の聴力レベルに設定して聴覚リハビリテーション計画データを生成してもよい。

　さらに、通信デバイス４は、ユーザ情報に含まれるユーザの補聴器２の使用経験の有無に基づいて、ユーザが補聴器２の使用経験があるか否かを判定してもよい。ユーザが補聴器２の使用経験がある場合、補聴器２に慣れるまでの期間が短いため、通信デバイス４は、ユーザが補聴器２の使用経験があると判定した場合、開始聴力レベルを目標利得の９０％の聴力レベルに設定して聴覚リハビリテーション計画データを生成してもよい。

　その後、出力制御部２９５は、充電装置３または通信デバイス４に向けて初期設定が完了したことを示す初期設定完了情報を出力する（ステップＳ２０３）。この場合、通信デバイス４の表示部４４または充電装置３の表示部３１は、補聴器２から出力された情報を表示する。これにより、ユーザは、初期設定が完了したことを把握することができる。ステップＳ２０３の後、補聴器２は、図５のメインルーチンへ戻り、ステップＳ１０３へ移行する。

　図５に戻り、ステップＳ１０３以降の説明を続ける。
　ステップＳ１０３において、判定部２９３は、ユーザが補聴器２を装着したか否かを判定する。具体的には、判定部２９３は、接続部２６と充電装置３の接続部３３１との電通状態に基づいて、補聴器２が充電装置３から取り出されたか否かを判定することによって、ユーザが補聴器２を装着したか否かを判定する。この場合、判定部２９３は、接続部２６と充電装置３の接続部３３１との電通状態が切断された場合、補聴器２が充電装置３から取り出されてユーザが補聴器２を装着したと判定する。なお、判定部２９３は、単に補聴器２の電源ボタンに対してオン操作されたか否かを判定することによって、補聴器２がユーザに装着されたか否かを判定してもよい。判定部２９３によってユーザが補聴器２を装着したと判定された場合（ステップＳ１０３：Ｙｅｓ）、補聴器２は、後述するステップＳ１０４へ移行する。これに対して、判定部２９３によってユーザが補聴器２を装着していないと判定された場合（ステップＳ１０３：Ｎｏ）、補聴器２は、本処理を終了する。

　ステップＳ１０４において、取得部２９１は、音圧情報記録部２８５が記録する補聴器２からユーザへ出力する音の音圧情報と、使用時間記録部２８４が記録するユーザが補聴器２を使用した使用時間と、を取得する。

　続いて、設定部２９２は、取得部２９１が取得した音圧情報と、使用時間と、に基づいて、補聴器２のパラメータを設定する（ステップＳ１０５）。具体的には、設定部２９２は、取得部２９１が取得した音圧情報と、使用時間と、聴覚リハビリテーション計画データ記録部２８２が記録する聴覚リハビリテーション計画データと、に基づいて、集音部２０が外部音を集音したアナログの音声信号に対して、信号処理部２１が増幅する増幅量の利得を補聴器２のパラメータとして設定する。例えば、設定部２９２は、信号処理部２１による音声信号に対する増幅量を周波数毎の目標利得に近づく聴力レベル（例えば図４の曲線Ｌ１０）となるように補聴器２のパラメータを連続的に調整して設定する（例えば図４の曲線Ｌ１１を参照）。なお、設定部２９２は、信号処理部２１による音声信号に対する増幅量を周波数毎の目標利得に近づく聴力レベル（例えば図４の曲線Ｌ１０）であって、会話域（例えば図４の領域Ｒ１）となるように補聴器２のパラメータを非連続的に調整して設定してもよい。これにより、ユーザ毎に失っている聴力レベルの周波数毎に応じた音圧環境下でユーザが聴覚リハビリテーションを行うことができる。

　その後、記録制御部２９４は、計時部２３が計時する時間を使用時間記録部２８４に使用時間として蓄積（計時）するための記録を開始する（ステップＳ１０６）。

　続いて、記録制御部２９４は、出力部２２からユーザへ出力する音の音圧情報を音圧情報記録部２８５に蓄積するための記録を開始する（ステップＳ１０７）。この場合、記録制御部２９４は、集音部２０から入力される音声信号に対して、所定の期間毎、例えば５ｍｓｅｃ毎に信号処理部２１において周波数毎および音圧レベル毎に計測して音圧情報記録部２８５に蓄積して記録させる。

　その後、判定部２９３は、ユーザが補聴器２を脱着したか否かを判定する（ステップＳ１０８）。具体的には、判定部２９３は、接続部２６と充電装置３の接続部３３１との電通状態に基づいて、補聴器２が充電装置３に収納されたか否かを判定することによって、ユーザが補聴器２を脱着したか否かを判定する。この場合、判定部２９３は、接続部２６と充電装置３の接続部３３１との電通状態が導通された場合、補聴器２が充電装置３に収納されてユーザが補聴器２を脱着したと判定する。なお、判定部２９３は、単に補聴器２の電源ボタンに対してオフ操作されたか否かを判定することによって、ユーザが補聴器２を脱着したか否かを判定してもよい。判定部２９３によってユーザが補聴器２を脱着したと判定された場合（ステップＳ１０８：Ｙｅｓ）、補聴器２は、後述するステップＳ１０９へ移行する。これに対して、判定部２９３によってユーザが補聴器２を脱着していないと判定された場合（ステップＳ１０８：Ｎｏ）、補聴器２は、後述するステップＳ１１１へ移行する。

　ステップＳ１０９において、記録制御部２９４は、計時部２３が計時する時間を使用時間記録部２８４に使用時間として蓄積するための記録を停止する。

　続いて、記録制御部２９４は、補聴器２からユーザへ出力する音の音圧情報を音圧情報記録部２８５に補聴器２からユーザへ出力する音の音圧情報として蓄積するための記録を停止する（ステップＳ１１０）。この場合、出力制御部２９５は、通信部２７を介して、通信デバイス４または充電装置３に使用時間、音圧情報、聴覚リハビリテーション計画データおよび現在の聴覚レベルを出力してもよい。これにより、ユーザは、聴覚リハビリテーションの状況を把握することができるため、聴覚リハビリテーションの離脱を防止しつつ、モチベーションを向上することができる。なお、出力制御部２９５は、通信部２７を介して、外部の専門家が所有するパーソナルコンピュータやユーザの家族が所有する機器へ使用時間、音圧情報、聴覚リハビリテーション計画データおよび現在の聴覚レベルを出力してもよい。これにより、専門家は、正確なユーザの使用状況を把握することができ、ユーザに対して適切なフォローを行うことができる。ステップＳ１１０の後、補聴器２は、本処理を終了する。

　ステップＳ１１１において、判定部２９３は、使用時間記録部２８４が記録するユーザの補聴器２の使用時間が所定時間以上であるか否かを判定する。ここで、所定時間とは、聴覚リハビリテーション計画データにおける所定の期間毎に設定された時間である。判定部２９３によって使用時間記録部２８４が記録するユーザの補聴器２の使用時間が所定時間以上であると判定された場合（ステップＳ１１１：Ｙｅｓ）、補聴器２は、後述するステップＳ１１２へ移行する。これに対して、判定部２９３によって使用時間記録部２８４が記録するユーザの補聴器２の使用時間が所定時間以上でないと判定された場合（ステップＳ１１１：Ｎｏ）、補聴器２は、後述するステップＳ１１９へ移行する。

　ステップＳ１１２において、判定部２９３は、音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報が所定の音圧レベル以上であるか否かを判定する。具体的には、判定部２９３は、音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報の３０％以上が６０ｄＢ以上の音圧レベルであるか否かを判定する。なお、判定部２９３は、音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報における周波数毎に６０ｄＢ以上であるか否かを判定してもよい。判定部２９３によって音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報が所定の音圧レベル以上であると判定された場合（ステップＳ１１２：Ｙｅｓ）、補聴器２は、後述するステップＳ１１３へ移行する。これに対して、判定部２９３によって音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報が所定の音圧レベル以上でないと判定された場合（ステップＳ１１２：Ｎｏ）、補聴器２は、後述するステップＳ１１４へ移行する。

　ステップＳ１１３において、設定部２９２は、信号処理部２１が集音部２０によって集音された音声信号に対して増幅する利得を、聴覚リハビリテーション計画データで次の期間で設定された利得以上に引き上げる。具体的には、設定部２９２は、聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルから所定の聴力レベル、例えば利得を３ｄＢで引き上げ、かつ、目標聴力レベルに到達するまでの聴覚リハビリテーションの期間が短くなるようにて補聴器２のパラメータを修正して設定する。ステップＳ１１３の後、補聴器２は、上述したステップＳ１０８へ戻る。

　ステップＳ１１４において、設定部２９２は、信号処理部２１が集音部２０によって集音された音声信号に対して増幅する利得を、聴覚リハビリテーション計画データで次の期間で設定された利得に引き上げる。具体的には、設定部２９２は、聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルから次の聴力レベル、例えば利得を２ｄＢで引き上げて補聴器２のパラメータを設定する。ステップＳ１１４の後、補聴器２は、上述したステップＳ１０８へ戻る。

　ステップＳ１１５において、判定部２９３は、音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報が所定の音圧レベル以上であるか否かを判定する。判定部２９３によって音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報が所定の音圧レベル以上であると判定された場合（ステップＳ１１５：Ｙｅｓ）、補聴器２は、上述したステップＳ１１４へ移行する。これに対して、判定部２９３によって音圧情報記録部２８５が記録する音圧情報が所定の音圧レベル以上でないと判定された場合（ステップＳ１１５：Ｎｏ）、補聴器２は、後述するステップＳ１１６へ移行する。

　ステップＳ１１６において、判定部２９３は、取得部２９１が取得した現在の使用時間が聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルを設定した所定の期間を経過しているか否かを判定する。判定部２９３によって聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルを設定した所定の期間を経過したと判定された場合（ステップＳ１１６：Ｙｅｓ）、補聴器２は、後述するステップＳ１１７へ移行する。これに対して、判定部２９３によって聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルを設定した所定の期間を経過していないと判定された場合（ステップＳ１１６：Ｎｏ）、補聴器２は、後述するステップＳ１１８へ移行する。

　ステップＳ１１７において、設定部２９２は、聴覚リハビリテーション計画データで設定された現在の聴覚レベルの期間を延長することによって目標利得に到達するまでの聴覚リハビリテーションの期間を修正して補聴器２のパラメータを設定する。ステップＳ１１７の後、補聴器２は、上述したステップＳ１０８へ戻る。

　ステップＳ１１８において、設定部２９２は、聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴覚レベルで、信号処理部２１が増幅するように利得を維持するように補聴器２のパラメータを設定する。ステップＳ１１８の後、補聴器２は、上述したステップＳ１０８へ戻る。

　以上説明した実施の形態１によれば、設定部２９２が取得部２９１によって取得された音圧情報と、使用時間と、に基づいて、補聴器２のパラメータを設定するため、ユーザが実際に聞いた音の大きさと、使用時間を加味してユーザに最適な補聴器２のパラメータを設定することができる。

　また、実施の形態１によれば、音圧情報が、補聴器２が外部音を集音して生成した音声信号に対して、聴覚リハビリテーション計画に応じてユーザの聴力レベルに調整して出力するための出力信号に対応する出力音の大きさであるため、騒音下での使用を想定した補聴器２のパラメータを設定することができる。

　また、実施の形態１によれば、出力音の大きさが周波数毎および音圧レベル毎に蓄積した時間、並びに、周波数毎の音圧レベルの総和を合成した音圧レベルを蓄積した時間のいずれか一方であるため、周波数毎にユーザの使用状況の環境に応じた補聴器２のパラメータを設定することができる。

　また、実施の形態１によれば、使用時間をユーザが補聴器２を装着した時間を累積した累積時間として記録するため、ユーザの装着時間を反映した補聴器２のパラメータを設定することができる。

　また、実施の形態１によれば、設定部２９２がユーザの年齢、ユーザが補聴器２を使用した使用経験の有無、ユーザの状態のいずれか一つ以上と、音圧情報と、使用時間と、に基づいて、補聴器２のパラメータを設定するため、ユーザにより適した補聴器２のパラメータを設定することができる。

　また、実施の形態１によれば、判定部２９３が聴覚リハビリテーション計画データにおける所定の期間毎に、音圧情報および使用時間の少なくとも一方が所定値以上であるか否かを判定し、音圧情報および使用時間の少なくとも一方が所定値以上であると判定した場合、補聴器２のパラメータを次の聴力レベルに応じたパラメータに変更して設定する。即ち、設定部２９２は、聴覚リハビリテーションにおいて効果が得にくい静かな環境下で長時間使用し、次の聴力レベルに進んでしまうことを防止し、ユーザが補聴器２を実際に使用する環境音に合わせて補聴器２のパラメータを設定する。これにより、ユーザは、聴覚リハビリテーション計画に従った周波数毎の聴力レベル、かつ、実際の補聴器２の使用環境を加味して、聴力のリハビリテーションを行うことができる。

　また、実施の形態１では、判定部２９３によってユーザが補聴器２を装着したと判定された場合、設定部２９２によってユーザが補聴器２を装着したタイミングにおいて補聴器２のパラメータが設定されるため、ユーザに違和感を生じさせることなく、ユーザに最適な補聴器２のパラメータを設定することができる。

　なお、実施の形態１では、ユーザが補聴器２を装着している際に、設定部２９２が補聴器２のパラメータを設定していたが、これに限定されることなく、例えば、ユーザが補聴器２を充電装置３に収納した際に、設定部２９２が補聴器２のパラメータを設定してもよい。これにより、ユーザが補聴器２を装着して使用している際に、補聴器２のパラメータが変更されることを防止することができ、違和感を生じさせることを防止することができる。

　また、実施の形態１では、左右の補聴器２Ｒ，２Ｌの各々に制御部２９が設けられていたが、これに限定されることなく、一方にのみ制御部２９を設ける構成であっても適用することができる。この場合、左右の補聴器２Ｒ，２Ｌの一方に設けられた制御部２９の設定部２９２が左右の補聴器２Ｒ，２Ｌの各々のパラメータを設定するようにしてもよい。

　また、実施の形態１では、設定部２９２が左右の補聴器２Ｒ，２Ｌを同じパラメータで設定していたが、これに限定されることなく、ユーザの左右の聴力レベルに応じて左右で異なるパラメータを左右の補聴器２Ｒ，２Ｌに設定してもよい。

　また、実施の形態１では、判定部２９３によってユーザが補聴器２を装着していると判定した場合において、ユーザが補聴器２による聴覚リハビリテーション計画を実行中に外部から補聴器２のパラメータを変更する変更信号が入力されたとき、設定部２９２が変更信号に対応する補聴器２のパラメータの変更を禁止してもよい。これにより、聴覚リハビリテーション計画における聴力レベルを自由に変更されることを防止することができるため、ユーザに対して聴覚リハビリテーションの効果を発揮させることができる。

（実施の形態２）
　次に、実施の形態２について説明する。上述した実施の形態１では、設定部２９２が使用時間および音圧情報に基づいて、補聴器２のパラメータを設定していたが、実施の形態２では、使用時間および音圧情報に、ユーザの状態（例えばバイタルデータ）をさらに加味して、補聴器のパラメータを設定する。なお、以下においては、上述した実施の形態１に係る補聴器システム１と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

　〔補聴器システムの機能構成〕
　図７は、実施の形態２に係る補聴器システムの機能構成を示すブロック図である。図７に示す補聴器システム１Ａは、上述した実施の形態１に係る補聴器２に代えて、補聴器２Ａを備える。補聴器２Ａは、上述した実施の形態１に係る補聴器２の構成に加えて、バイタルセンサ５０をさらに備える。さらに、補聴器２Ａは、制御部２９に代えて、制御部２９Ａをさらに備える。

　バイタルセンサ５０は、補聴器２を装着したユーザの状態を検出し、この検出結果を制御部２９へ出力する。ここで、ユーザの状態とは、脈拍、温度および心拍等のバイタル情報である。バイタルセンサ５０は、例えばレーダ方式のセンサを用いて構成される。なお、バイタルセンサ５０は、ユーザが補聴器２Ａを装着した際にユーザの外耳道における圧力を検出することによって鼓膜に加わる圧力を検出する圧力センサであってもよい。さらに、バイタルセンサ５０は、補聴器２Ａを装着するユーザの脳波を検出するセンサであってもよい。

　制御部２９Ａは、上述した実施の形態１に係る制御部２９の設定部２９２に代えて、設定部２９２Ａを備える。設定部２９２Ａは、取得部２９１が取得した音圧情報と、使用時間と、バイタル情報と、に基づいて、補聴器２のパラメータを設定する。なお、実施の形態２では、制御部２９Ａが制御装置として機能する。

　〔補聴器の処理〕
　次に、補聴器２Ａが実行する処理について説明する。図８は、補聴器２Ａが実行する処理の概要を示すフローチャートである。図８において、補聴器２Ａは、上述した図５のステップＳ１０４およびステップＳ１０５に代えて、ステップＳ１０４ＡおよびステップＳ１０５Ａを実行し、それ以外の各ステップは、上述した図５の各ステップと同様のため、詳細な説明を省略する。以下において、補聴器２Ａが実行するステップＳ１０４ＡおよびステップＳ１０５Ａについて説明する。

　ステップＳ１０４Ａにおいて、取得部２９１は、音圧情報記録部２８５が記録する補聴器２からユーザへ出力する音の音圧情報と、使用時間記録部２８４が記録するユーザが補聴器２を使用した使用時間と、バイタルセンサ５０が検出するバイタル情報と、を取得する。

　続いて、設定部２９２Ａは、取得部２９１が取得した音圧情報と、使用時間と、バイタル情報と、に基づいて、補聴器２Ａのパラメータを設定する（ステップＳ１０５Ａ）。具体的には、設定部２９２は、取得部２９１が取得した音圧情報と、使用時間と、聴覚リハビリテーション計画データ記録部２８２が記録する聴覚リハビリテーション計画データと、に基づいて、集音部２０が外部音を集音したアナログの音声信号に対して、信号処理部２１が増幅する利得を補聴器２のパラメータとして設定する。ステップＳ１０５Ａの後、補聴器２Ａは、ステップＳ１０６へ移行する。

　以上説明した実施の形態２によれば、設定部２９２Ａが、取得部２９１が取得した音圧情報と、使用時間と、バイタル情報と、に基づいて、補聴器２Ａのパラメータを設定するため、ユーザの使用状況やストレス状態を反映することができる。

　なお、実施の形態２では、バイタルセンサ５０が補聴器２Ａに設けられていたが、これに限定されることなく、ユーザが装着するウエアラブル端末、例えば時計または眼鏡にバイタルセンサ５０を設け、取得部２９１が通信部２７を介してユーザのバイタル情報を取得するようにしてもよい。もちろん、通信デバイス４にバイタルセンサ５０を設け、取得部２９１が通信部２７を介して通信デバイス４に設けられたバイタルセンサ５０からユーザのバイタル情報を取得してもよい。さらに、図示しない体重計等にバイタルセンサ５０を設け、取得部２９１が通信部２７を介して図示しない体重計等に設けられたバイタルセンサ５０からユーザのバイタル情報を取得するようにしてもよい。

（実施の形態３）
　次に、実施の形態３について説明する。上述した実施の形態１では、補聴器２が備える制御部２９の設定部２９２が補聴器２のパラメータを設定していたが、実施の形態３では、充電装置の充電制御部が補聴器のパラメータを設定する。即ち、実施の形態３では、補聴器が充電装置に収納された際に、補聴器のパラメータを設定する。このため、以下においては、上述した実施の形態１に係る補聴器システム１と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

　〔補聴器システムの機能構成〕
　図９は、実施の形態３に係る補聴器システムの機能構成を示すブロック図である。図９に示す補聴器システム１Ｂは、上述した実施の形態１に係る補聴器２および充電装置３に代えて、補聴器２Ｂおよび充電装置３Ｂを備える。

　補聴器２Ｂは、上述した実施の形態１に係る制御部２９に代えて、制御部２９Ｂを備える。制御部２９Ｂは、上述した実施の形態１に係る制御部２９から、取得部２９１、設定部２９２、判定部２９３、記録制御部２９４および出力制御部２９５の機能を省略している。

　充電装置３Ｂは、上述した実施の形態１に係る充電装置３の充電制御部３６に代えて、充電制御部３６Ｂを備える。

　充電制御部３６Ｂは、充電装置３を構成する各部を制御する。例えば、充電制御部３６は、収納部３３に補聴器２が収納された場合、接続部３３１を介して電池３２から電力を供給させる。充電制御部３６は、メモリと、ＣＰＵまたはＤＳＰ等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。充電制御部３６Ｂは、プログラム記録部３５１に記録されたプログラムをメモリの作業領域に読み出して実行し、プロセッサによるプログラムの実行を通じて各構成部等を制御することによって、ハードウェアとソフトウェアとが協働し、所定の目的に合致した機能モジュールを実現する。具体的には、充電制御部３６Ｂは、上述した実施の形態１における補聴器２における制御部２９の取得部２９１、設定部２９２、判定部２９３、記録制御部２９４および出力制御部２９５の各々と同様の機能である、取得部２９１Ｂ、設定部２９２Ｂ、判定部２９３Ｂ、記録制御部２９４Ｂおよび出力制御部２９５Ｂと、を有する。なお、実施の形態３では、充電制御部３６Ｂが制御装置として機能する。

　〔充電装置の処理〕
　図１０は、充電装置３Ｂが実行する処理の概要を示すフローチャートである。図１０に示すように、判定部２９３Ｂは、ユーザが補聴器２Ｂを充電装置３Ｂに収納したか否かを判定する（ステップＳ２０１）。具体的には、判定部２９３Ｂは、補聴器２Ｂの接続部２６と充電装置３Ｂの接続部３３１との電通状態に基づいて、補聴器２Ｂが充電装置３Ｂに収納されたか否かを判定する。この場合、判定部２９３は、補聴器２Ｂの接続部２６と充電装置３Ｂの接続部３３１との電通状態が導通されている場合、補聴器２Ｂが充電装置３Ｂに収納されたと判定する。判定部２９３Ｂによって補聴器２Ｂが充電装置３Ｂに収納されたと判定された場合（ステップＳ２０１：Ｙｅｓ）、充電装置３Ｂは、後述するステップＳ２０２へ移行する。これに対して、判定部２９３Ｂによって補聴器２Ｂが充電装置３Ｂに収納されていないと判定された場合（ステップＳ２０１：Ｎｏ）、充電装置３Ｂは、本処理を終了する。

　ステップＳ２０２において、取得部２９１Ｂは、接続部３３１を介して補聴器２Ｂの使用時間記録部２８４から使用時間、音圧情報記録部２８５から音圧情報および聴覚リハビリテーション計画データ記録部２８２から聴覚リハビリテーション計画データを取得する。

　続いて、判定部２９３Ｂは、取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得したユーザの補聴器２Ｂの使用時間が所定時間以上であるか否かを判定する（ステップＳ２０３）。判定部２９３Ｂによって取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得したユーザの補聴器２Ｂの使用時間が所定時間以上であると判定された場合（ステップＳ２０３：Ｙｅｓ）、充電装置３Ｂは、後述するステップＳ２０４へ移行する。これに対して、判定部２９３Ｂによって取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得したユーザの補聴器２Ｂの使用時間が所定時間以上でないと判定された場合（ステップＳ２０３：Ｎｏ）、充電装置３Ｂは、後述するステップＳ２０７へ移行する。

　ステップＳ２０４において、判定部２９３Ｂは、取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した音圧情報が所定の音圧レベル以上であるか否かを判定する。具体的には、判定部２９３は、取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した音圧情報の３０％以上が６０ｄＢ以上の音圧レベルであるか否かを判定する。なお、判定部２９３Ｂは、取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した音圧情報における周波数毎に６０ｄＢ以上であるか否かを判定してもよい。判定部２９３Ｂによって取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した音圧情報が所定の音圧レベル以上であると判定された場合（ステップＳ２０４：Ｙｅｓ）、充電装置３Ｂは、後述するステップＳ２０５へ移行する。これに対して、判定部２９３Ｂによって取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した音圧情報が所定の音圧レベル以上でないと判定された場合（ステップＳ２０４：Ｎｏ）、充電装置３Ｂは、後述するステップＳ２０６へ移行する。

　ステップＳ２０５において、設定部２９２Ｂは、補聴器２Ｂの信号処理部２１が集音部２０によって集音された音声信号に対して増幅する利得を、聴覚リハビリテーション計画データで次の期間で設定された利得以上に引き上げる。具体的には、設定部２９２Ｂは、聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルから所定の聴力レベル、例えば利得を３ｄＢで引き上げ、かつ、目標聴力レベルに到達するまでの聴覚リハビリテーションの期間が短くなるようにて補聴器２Ｂのパラメータを修正して設定する。この場合、出力制御部２９５Ｂは、設定部２９２Ｂが設定した補聴器２Ｂのパラメータを、接続部３３１を介して出力する。これにより、補聴器２Ｂは、充電装置３Ｂに収納される度に、ユーザに適した聴覚リハビリテーション計画のパラメータで音声信号を増幅して出力することができる。ステップＳ２０５の後、充電装置３Ｂは、本処理を終了する。

　ステップＳ２０６において、設定部２９２Ｂは、信号処理部２１が集音部２０によって集音された音声信号に対して増幅する利得を、聴覚リハビリテーション計画データで次の期間で設定された利得に引き上げる。具体的には、設定部２９２Ｂは、聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルから次の聴力レベル、例えば利得を２ｄＢで引き上げて補聴器２のパラメータを設定する。この場合、出力制御部２９５Ｂは、設定部２９２Ｂが設定した補聴器２Ｂのパラメータを、接続部３３１を介して出力する。これにより、補聴器２Ｂは、充電装置３Ｂに収納される度に、ユーザに適した聴覚リハビリテーション計画のパラメータで音声信号を増幅して出力することができる。ステップＳ２０６の後、充電装置３Ｂは、本処理を終了する。

　ステップＳ２０７において、判定部２９３は、取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した音圧情報が所定の音圧レベル以上であるか否かを判定する。判定部２９３によって取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した音圧情報が所定の音圧レベル以上であると判定された場合（ステップＳ２０７：Ｙｅｓ）、補聴器２は、上述したステップＳ２０５へ移行する。これに対して、判定部２９３によって取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した音圧情報が所定の音圧レベル以上でないと判定された場合（ステップＳ２０７：Ｎｏ）、補聴器２は、後述するステップＳ２０８へ移行する。

　ステップＳ２０８において、判定部２９３Ｂは、取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから取得した聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルが設定された所定の期間を経過しているか否かを判定する。判定部２９３Ｂによって聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルが設定された所定の期間を経過したと判定された場合（ステップＳ２０８：Ｙｅｓ）、充電装置３Ｂは、後述するステップＳ２０９へ移行する。これに対して、判定部２９３Ｂによって聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴力レベルが設定された所定の期間を経過していないと判定された場合（ステップＳ２０８：Ｎｏ）、充電装置３Ｂは、後述するステップＳ２１０へ移行する。

　ステップＳ２０９において、設定部２９２Ｂは、聴覚リハビリテーション計画データで設定された現在の聴覚レベルの期間を延長することによって目標利得に到達するまでの聴覚リハビリテーションの期間を修正した補聴器２Ｂのパラメータを設定する。この場合、出力制御部２９５Ｂは、設定部２９２Ｂが設定した補聴器２Ｂのパラメータを、接続部３３１を介して出力する。これにより、補聴器２Ｂは、ユーザの補聴器２Ｂの装着度合い応じた聴覚リハビリテーション計画のパラメータで音声信号を増幅して出力することができる。ステップＳ２０９の後、充電装置３Ｂは、本処理を終了する。

　ステップＳ２１０において、設定部２９２Ｂは、聴覚リハビリテーション計画データにおける現在の聴覚レベルで、信号処理部２１が増幅するように利得を維持するように補聴器２のパラメータを設定する。この場合、出力制御部２９５Ｂは、設定部２９２Ｂが設定した補聴器２Ｂのパラメータを、接続部３３１を介して出力する。これにより、補聴器２Ｂは、ユーザの聴力レベルに応じた聴覚リハビリテーション計画のパラメータで音声信号を増幅して出力することができる。充電装置３Ｂは、本処理を終了する。

　以上説明した実施の形態３によれば、実施の形態１と同様に、ユーザに最適な補聴器２Ｂのパラメータを設定することができる。

　さらに、実施の形態３では、ユーザが補聴器２Ｂを充電装置３Ｂに収納した際に、設定部２９２Ｂが補聴器２Ｂのパラメータを設定するため、ユーザが補聴器２Ｂを装着して使用している際に、補聴器２Ｂのパラメータが変更されることを防止することができ、違和感を生じさせることを防止することができる。

　また、実施の形態３では、補聴器２Ｂが充電装置３Ｂに収納される毎に、取得部２９１Ｂが補聴器２Ｂから音圧情報と、使用時間と、を取得するため、補聴器２Ｂの記録部２８の記録容量を小さくすることができるので、補聴器２Ｂを実施の形態１に係る補聴器２と比して小型化することができる。

　また、実施の形態３では、ユーザが補聴器２Ｂを充電装置３Ｂに収納した際に、設定部２９２Ｂが補聴器２Ｂのパラメータを設定するため、補聴器２Ｂの制御部２９Ｂの処理能力を削減することができるので、補聴器２Ｂの小型化を図ることができる。

（実施の形態１～３の変形例）
　次に、実施の形態１～３の変形例について説明する。上述した実施の形態１に係る補聴器が左右一組とする耳穴式における気導型であったが、これに限定されることなく、左右一組とする耳掛け式であってもよい。

　図１１は、実施の形態１～３の変形例における補聴器システムの概略構成を示す図である。図１１に示す補聴器システム１Ｃは、上述した実施の形態１に係る補聴器２に代えて、補聴器２Ｃを備える。補聴器２Ｃは、左右一組（２ＣＲ，２ＣＬ）とする耳掛け式における気導型である。補聴器２Ｃは、上述した実施の形態１に係る補聴器２と同様の機能を有するため、詳細な構成の説明を省略する。

　以上説明した実施の形態１～３の変形例１によれば、上述した実施の形態１～３と同様の効果を奏する。

（その他の実施の形態）
　上述した本開示の実施の形態１～３に係る補聴器システムに開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上述した本開示の実施の形態１～３に係る補聴器システムに記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、上述した実施の形態１～３に係る補聴器システムで説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。

　また、本開示の実施の形態１～３に係る補聴器システムでは、補聴器の制御部が、ユーザが補聴器を使用した使用時間と、補聴器の使用状況と、を取得し、取得した使用時間と、使用状況と、に基づいて、ユーザの聴覚リハビリテーション計画における補聴器のパラメータを設定してもよい。ここで、使用状況とは、音圧情報およびユーザの状態情報の少なくとも１つである。ここで、ユーザの状態情報とは、例えばバイタル情報である。これにより、ユーザが実際に使用している状況に応じた補聴器のパラメータを設定することができる。

　また、本開示の実施の形態１～３に係る補聴器システムでは、通信デバイス４の通信制御部４６に、取得部２９１と、設定部２９２と、判定部２９３と、記録制御部２９４と、出力制御部２９５と、の機能を持たせることによって、本開示の制御装置として機能させてもよい。

　また、本開示の実施の形態１～３に係る補聴器システムでは、上述してきた「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。

　また、本開示の実施の形態１～３に係る補聴器システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでＣＤ－ＲＯＭ、フレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ－Ｒ、ＤＶＤ（Digital　Versatile　Disk）、ＵＳＢ媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。

　また、本開示の実施の形態１～３に係る補聴器システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。

　なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。

　以上、本願の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本開示を実施することが可能である。

　なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
（１）
　補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得する取得部と、
　前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、
　を備える、
　制御装置。
（２）
　前記（１）に記載の制御装置であって、
　前記音圧情報は、
　前記補聴器が外部音を集音して生成した音声信号に対して、前記聴覚リハビリテーション計画に応じて前記所定ユーザの聴力レベルに調整して出力するための出力信号に対応する出力音の大きさである、
　制御装置。
（３）
　前記（２）に記載の制御装置であって、
　前記出力音の大きさは、
　前記周波数毎および音圧レベル毎に蓄積した時間、並びに、周波数毎の音圧レベルの総和を合成した音圧レベルを蓄積した時間のいずれか一方である、
　制御装置。
（４）
　前記（１）～(３)のいずれか一つに記載の制御装置であって、
　前記使用時間は、
　前記所定ユーザが前記補聴器を装着した時間を累積した累積時間である、
　制御装置。
（５）
　前記（１）～(４)のいずれか一つに記載の制御装置であって、
　前記取得部は、
　前記所定ユーザの年齢、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用経験の有無、前記所定ユーザの状態のいずれか一つ以上を取得し、
　前記設定部は、
　前記所定ユーザの年齢、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用経験の有無、前記所定ユーザの状態のいずれか一つ以上と、前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記パラメータを設定する、
　制御装置。
（６）
　前記（１）～(５)のいずれか一つに記載の制御装置であって、
　前記音圧情報および前記使用時間を判定する判定部をさらに備え、
　前記聴覚リハビリテーション計画は、
　前記所定ユーザの目標聴力レベルに向けて所定の期間毎に聴力レベルが設定されたものであり、
　前記判定部は、
　前記所定の期間毎に、前記音圧情報および前記使用時間の少なくとも一方が所定値以上であるか否かを判定し、
　前記設定部は、
　前記判定部が前記音圧情報および前記使用時間の少なくとも一方が前記所定値以上であると判定した場合、前記パラメータを次の前記聴力レベルに応じたパラメータに変更して設定する、
　制御装置。
（７）
　前記（２）に記載の制御装置であって、
　前記音圧情報および前記使用時間を判定する判定部をさらに備え、
　前記聴覚リハビリテーション計画は、
　前記所定ユーザの目標聴力レベルに向けて所定の期間毎に聴力レベルが設定されたものであり、
　前記判定部は、
　前記所定の期間毎に、前記使用時間が所定時間以上であるか否かを判定するとともに、前記所定の期間毎に、前記音圧情報が所定の音圧レベル以上であるか否かを判定し、
　前記設定部は、
　前記判定部によって前記使用時間が前記所定時間以上であると判定された場合において、前記判定部によって前記音圧情報が所定の音圧レベル以上であると判定されたとき、前記聴力レベルを、前記聴覚リハビリテーション計画において次の期間に設定された前記音声信号に対する利得以上に利得を引き上げて前記パラメータを設定し、
　前記判定部によって前記使用時間が前記所定時間以上であると判定された場合において、前記判定部によって前記音圧情報が所定の音圧レベル以上でないと判定されたとき、前記聴力レベルを、前記聴覚リハビリテーション計画において次の期間に設定された前記音声信号に対する利得に引き上げて前記パラメータを設定し、
　前記判定部によって前記使用時間が前記所定時間以上でないと判定された場合において、前記判定部によって前記音圧情報が所定の音圧レベル以上であると判定されたとき、前記聴力レベルを、前記聴覚リハビリテーション計画において次の期間に設定された前記音声信号に対する利得に引き上げて前記パラメータを設定し、
　前記判定部によって前記使用時間が前記所定時間以上でないと判定された場合において、前記判定部によって前記音圧情報が所定の音圧レベル以上でないと判定されたとき、前記聴力レベルを、前記聴覚リハビリテーション計画において現在の期間に設定された前記音声信号に対する利得を維持して前記パラメータを設定する、
　制御装置。
（８）
　前記（１）～(７)のいずれか一つに記載の制御装置であって、
　請求項１に記載の制御装置であって、
　前記所定ユーザが前記補聴器を装着しているか否かを判定する判定部をさらに備え、
　前記取得部は、
　前記所定ユーザによる前記補聴器の装着状態を取得し、
　前記判定部は、
　前記装着状態に基づいて、前記所定ユーザが前記補聴器を装着しているか否かを判定し、
　前記設定部は、
　前記判定部によって前記所定ユーザが前記補聴器を装着していないと判定された場合、前記パラメータを設定する、
　制御装置。
（９）
　前記（８）に記載の制御装置であって、
　前記設定部は、
　前記所定ユーザが前記補聴器を装着したタイミングで、前記パラメータを設定する、
制御装置。
（１０）
　前記（１）～(７)のいずれか一つに記載の制御装置であって、
　前記所定ユーザが前記補聴器を装着したか否かを判定する判定部をさらに備え、
　前記取得部は、
　前記所定ユーザによる前記補聴器の装着状態を取得し、
　前記判定部は、
　前記装着状態に基づいて、前記所定ユーザが前記補聴器を装着したか否かを判定し、
　前記設定部は、
　前記判定部によって前記所定ユーザが前記補聴器を装着していないと判定された場合、前記パラメータを設定する、
　制御装置。
（１１）
　前記（８）または（９）に記載の制御装置であって、
　前記設定部は、
　前記判定部によって前記所定ユーザが前記補聴器を装着していると判定された場合において、前記所定ユーザが前記補聴器による前記聴覚リハビリテーション計画を実行中に外部から前記補聴器のパラメータを変更する変更信号が入力されたとき、該変更信号に対応する前記パラメータの変更を禁止する、
　制御装置。
（１２）
　前記（１）～(１１)のいずれか一つに記載の制御装置であって、
　前記パラメータおよび前記聴覚リハビリテーション計画を前記補聴器に関連付けられた通信デバイスおよび前記補聴器を充電する充電装置のいずれか一方へ出力する出力制御部をさらに備える、
　制御装置。
（１３）
　所定ユーザが補聴器を使用した使用時間と、前記補聴器の使用状況と、を取得する取得部と、
　前記使用時間と、前記使用状況と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、
　を備える、
　制御装置。
（１４）
　前記（１）～(１２)のいずれか一つに記載の制御装置と、
　外音を集音して音声信号を生成する集音部と、
　前記音声信号に対して増幅する信号処理部と、
　前記信号処理部が増幅した前記音声信号に対応する音を出力する出力部と、
　を備え、
　前記設定部は、
　前記信号処理部が前記音声信号に対する利得を前記パラメータとして設定する、
　補聴器。
（１５）
　前記（１４）に記載の補聴器であって、
　前記所定ユーザが当該補聴器を装着した装着時間を計時する計時部をさらに備え、
　前記制御装置は、
　前記計時部が計時した装着時間を前記使用時間として記録部に蓄積して記録し、かつ、前記出力部が順次出力する前記音を前記音圧情報として前記記録部に蓄積して記録する記録制御部をさらに備える、
　補聴器。
（１６）
　前記（１）～(１２)のいずれか一つに記載の制御装置と、
　前記補聴器を収納可能であり、前記補聴器を充電する収納部と、
　を備える、
　充電装置。
（１７）
　前記（１６）に記載の充電装置であって、
　前記制御装置は、
　前記補聴器が前記収納部に収納されたか否かを判定する判定部と、
　前記音圧情報および前記使用時間を記録部に蓄積して記録する記録制御部と、
　をさらに備え、
　前記取得部は、
　前記判定部によって前記補聴器が前記収納部に収納されたと判定された場合、前記補聴器に記録された前記音圧情報と、前記使用時間と、を取得し、
　前記記録制御部は、
　前記取得部が前記補聴器から取得した前記音圧情報と、前記使用時間と、を前記記録部に蓄積して記録する、
　充電装置。
（１８）
　前記（１６）に記載の充電装置であって、
　前記制御装置は、
　前記補聴器が前記収納部から取り外されたか否かを判定する判定部をさらに備え、
　前記取得部は、
　前記判定部によって前記補聴器が前記収納部から取り外されたと判定された場合、前記補聴器が前記収納部から取り外された時刻から前記補聴器が前記収納部に収納されるまでの時刻までの時間を前記使用時間として取得する、
　充電装置。
（１９）
　所定ユーザが装着可能な補聴器と、
　前記補聴器を収納可能であり、前記補聴器を充電可能な充電装置と、
　前記補聴器および前記充電装置の少なくとも一方と通信可能であり、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画データを生成して前記補聴器または前記充電装置へ出力する通信デバイスと、
　前記補聴器の性能を制御する制御装置と、
　を備え、
　前記制御装置は、
　前記補聴器、前記充電装置および前記通信デバイスのいずれかに設けられ、
　前記制御装置は、
　前記補聴器から前記所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得する取得部と、
　前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、
　を備える、
　補聴器システム。
（２０）
　プロセッサを備え、補聴器の性能を制御する制御装置が実行するプログラムであって、
　前記プロセッサに、
　前記補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得し、
　前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する、
　ことを実行させる、
　プログラム。
（２１）
　プロセッサを備え、補聴器の性能を制御する制御装置が実行する制御方法であって、
　前記プロセッサが、
　前記補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得し、
　前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する、
　ことを含む、
　制御方法。

１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ　補聴器システム
２，２Ａ，２Ｂ，２Ｃ　補聴器
３，３Ｂ　充電装置
４　通信デバイス
２０　集音部
２１　信号処理部
２２，４３　出力部
２３　計時部
２４　操作部
２５，３２　電池
２６，３３１　接続部
２７，３４，４２　通信部
２８，３５，４５　記録部
２９，２９Ａ，２９Ｂ　制御部
３１，４４　表示部
３３　収納部
３６，３６Ｂ　充電制御部
４１　入力部
４６　通信制御部
５０　バイタルセンサ
２０１　マイク
２０２　Ａ／Ｄ変換部
２２１　Ｄ／Ａ変換部
２２２　レシーバ
２８１，３５１，４５１　プログラム記録部
２８２，４５２　聴覚リハビリテーション計画データ記録部
２８３　ユーザ情報記録部
２８４　使用時間記録部
２８５　音圧情報記録部
２９１，２９１Ｂ　取得部
２９２，２９２Ａ，２９２Ｂ　設定部
２９３，２９３Ｂ　判定部
２９４，２９４Ｂ　記録制御部
２９５，２９５Ｂ　出力制御部

Claims

　補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得する取得部と、
　前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、
　を備える、
　制御装置。
　請求項１に記載の制御装置であって、
　前記音圧情報は、
　前記補聴器が外部音を集音して生成した音声信号に対して、前記聴覚リハビリテーション計画に応じて前記所定ユーザの聴力レベルに調整して出力するための出力信号に対応する出力音の大きさである、
　制御装置。
　請求項２に記載の制御装置であって、
　前記出力音の大きさは、
　前記周波数毎および音圧レベル毎に蓄積した時間、並びに、周波数毎の音圧レベルの総和を合成した音圧レベルを蓄積した時間のいずれか一方である、
　制御装置。
　請求項１に記載の制御装置であって、
　前記使用時間は、
　前記所定ユーザが前記補聴器を装着した時間を累積した累積時間である、
　制御装置。
　請求項１に記載の制御装置であって、
　前記取得部は、
　前記所定ユーザの年齢、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用経験の有無、前記所定ユーザの状態のいずれか一つ以上を取得し、
　前記設定部は、
　前記所定ユーザの年齢、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用経験の有無、前記所定ユーザの状態のいずれか一つ以上と、前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記パラメータを設定する、
　制御装置。
　請求項１に記載の制御装置であって、
　前記音圧情報および前記使用時間を判定する判定部をさらに備え、
　前記聴覚リハビリテーション計画は、
　前記所定ユーザの目標聴力レベルに向けて所定の期間毎に聴力レベルが設定されたものであり、
　前記判定部は、
　前記所定の期間毎に、前記音圧情報および前記使用時間の少なくとも一方が所定値以上であるか否かを判定し、
　前記設定部は、
　前記判定部が前記音圧情報および前記使用時間の少なくとも一方が前記所定値以上であると判定した場合、前記パラメータを次の前記聴力レベルに応じたパラメータに変更して設定する、
　制御装置。
　請求項２に記載の制御装置であって、
　前記音圧情報および前記使用時間を判定する判定部をさらに備え、
　前記聴覚リハビリテーション計画は、
　前記所定ユーザの目標聴力レベルに向けて所定の期間毎に前記聴力レベルが設定されたものであり、
　前記判定部は、
　前記所定の期間毎に、前記使用時間が所定時間以上であるか否かを判定するとともに、前記所定の期間毎に、前記音圧情報が所定の音圧レベル以上であるか否かを判定し、
　前記設定部は、
　前記判定部によって前記使用時間が前記所定時間以上であると判定された場合において、前記判定部によって前記音圧情報が所定の音圧レベル以上であると判定されたとき、前記聴力レベルを、前記聴覚リハビリテーション計画において次の期間に設定された前記音声信号に対する利得以上に利得を引き上げて前記パラメータを設定し、
　前記判定部によって前記使用時間が前記所定時間以上であると判定された場合において、前記判定部によって前記音圧情報が所定の音圧レベル以上でないと判定されたとき、前記聴力レベルを、前記聴覚リハビリテーション計画において次の期間に設定された前記音声信号に対する利得に引き上げて前記パラメータを設定し、
　前記判定部によって前記使用時間が前記所定時間以上でないと判定された場合において、前記判定部によって前記音圧情報が所定の音圧レベル以上であると判定されたとき、前記聴力レベルを、前記聴覚リハビリテーション計画において次の期間に設定された前記音声信号に対する利得に引き上げて前記パラメータを設定し、
　前記判定部によって前記使用時間が前記所定時間以上でないと判定された場合において、前記判定部によって前記音圧情報が所定の音圧レベル以上でないと判定されたとき、前記聴力レベルを、前記聴覚リハビリテーション計画において現在の期間に設定された前記音声信号に対する利得を維持して前記パラメータを設定する、
　制御装置。
　請求項１に記載の制御装置であって、
　前記所定ユーザが前記補聴器を装着しているか否かを判定する判定部をさらに備え、
　前記取得部は、
　前記所定ユーザによる前記補聴器の装着状態を取得し、
　前記判定部は、
　前記装着状態に基づいて、前記所定ユーザが前記補聴器を装着しているか否かを判定し、
　前記設定部は、
　前記判定部によって前記所定ユーザが前記補聴器を装着していないと判定された場合、前記パラメータを設定する、
　制御装置。
　請求項８に記載の制御装置であって、
　前記設定部は、
　前記所定ユーザが前記補聴器を装着したタイミングで、前記パラメータを設定する、
制御装置。
　請求項８に記載の制御装置であって、
　前記設定部は、
　前記判定部によって前記所定ユーザが前記補聴器を装着していると判定された場合において、前記所定ユーザが前記補聴器による前記聴覚リハビリテーション計画を実行中に外部から前記補聴器のパラメータを変更する変更信号が入力されたとき、該変更信号に対応する前記パラメータの変更を禁止する、
　制御装置。
　請求項１に記載の制御装置であって、
　前記パラメータおよび前記聴覚リハビリテーション計画を前記補聴器に関連付けられた通信デバイスおよび前記補聴器を充電する充電装置のいずれか一方へ出力する出力制御部をさらに備える、
　制御装置。
　所定ユーザが補聴器を使用した使用時間と、前記補聴器の使用状況と、を取得する取得部と、
　前記使用時間と、前記使用状況と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、
　を備える、
　制御装置。
　請求項１に記載の制御装置と、
　外音を集音して音声信号を生成する集音部と、
　前記音声信号に対して増幅する信号処理部と、
　前記信号処理部が増幅した前記音声信号に対応する音を出力する出力部と、
　を備え、
　前記設定部は、
　前記信号処理部が前記音声信号に対する利得を前記パラメータとして設定する、
　補聴器。
　請求項１３に記載の補聴器であって、
　前記所定ユーザが当該補聴器を装着した装着時間を計時する計時部をさらに備え、
　前記制御装置は、
　前記装着時間を前記使用時間として記録部に蓄積して記録し、かつ、前記出力部が順次出力する前記音を前記音圧情報として前記記録部に蓄積して記録する記録制御部をさらに備える、
　補聴器。
　請求項１に記載の制御装置と、
　前記補聴器を収納可能であり、前記補聴器を充電する収納部と、
　を備える、
　充電装置。
　請求項１５に記載の充電装置であって、
　前記制御装置は、
　前記補聴器が前記収納部に収納されたか否かを判定する判定部と、
　前記音圧情報および前記使用時間を記録部に蓄積して記録する記録制御部と、
　をさらに備え、
　前記取得部は、
　前記判定部によって前記補聴器が前記収納部に収納されたと判定された場合、前記補聴器に記録された前記音圧情報と、前記使用時間と、を取得し、
　前記記録制御部は、
　前記取得部が前記補聴器から取得した前記音圧情報と、前記使用時間と、を前記記録部に蓄積して記録する、
　充電装置。
　請求項１５に記載の充電装置であって、
　前記制御装置は、
　前記補聴器が前記収納部から取り外されたか否かを判定する判定部をさらに備え、
　前記取得部は、
　前記判定部によって前記補聴器が前記収納部から取り外されたと判定された場合、前記補聴器が前記収納部から取り外された時刻から前記補聴器が前記収納部に収納されるまでの時刻までの時間を前記使用時間として取得する、
　充電装置。
　所定ユーザが装着可能な補聴器と、
　前記補聴器を収納可能であり、前記補聴器を充電可能な充電装置と、
　前記補聴器および前記充電装置の少なくとも一方と通信可能であり、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画データを生成して前記補聴器または前記充電装置へ出力する通信デバイスと、
　前記補聴器の性能を制御する制御装置と、
　を備え、
　前記制御装置は、
　前記補聴器、前記充電装置および前記通信デバイスのいずれかに設けられ、
　前記制御装置は、
　前記補聴器から前記所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得する取得部と、
　前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する設定部と、
　を備える、
　補聴器システム。
　プロセッサを備え、補聴器の性能を制御する制御装置が実行するプログラムであって、
　前記プロセッサに、
　前記補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得し、
　前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する、
　ことを実行させる、
　プログラム。
　プロセッサを備え、補聴器の性能を制御する制御装置が実行する制御方法であって、
　前記プロセッサが、
　前記補聴器から所定ユーザへ出力する音の音圧情報と、前記所定ユーザが前記補聴器を使用した使用時間と、を取得し、
　前記音圧情報と、前記使用時間と、に基づいて、前記所定ユーザの聴覚リハビリテーション計画における前記補聴器のパラメータを設定する、
　ことを含む、
　制御方法。