WO2019038838A1 - 香味吸引器、香味源ユニットの収容ケース、及び香味源ユニットの収容部付き吸い殻入れ - Google Patents

Abstract

香味源ユニットを片手で着脱することの可能な香味吸引器に関する技術を提供する。香味吸引器は、香味源から放出された香味を吸引するための香味吸引器であって、使用者によって操作される操作部と、操作部の第１操作に連動して前記香味源を含む香味源ユニットを把持し、操作部の第２操作に伴い前記香味源ユニットの把持を解除する着脱手段と、を備える。

Description

香味吸引器、香味源ユニットの収容ケース、及び香味源ユニットの収容部付き吸い殻入れ

　本発明は、香味源を着脱可能な香味吸引器、香味源ユニットの収容ケース、及び香味源ユニットの収容部付き吸い殻入れに関する。

　従来、シガレットに代わり、タバコ等の香味源を燃焼させることなく、香味を味わう香味吸引器（喫煙物品）が提案されている。例えば、燃焼型熱源及び香味源を含む香味源ユニットを先端側に着脱自在に構成した香味吸引器が知られている（例えば、特許文献１を参照）。

米国特許第５２４００１２号明細書

　特許文献１に記載されている香味吸引器は、先端側に取り付けられた香味源ユニットを、香味吸引器から取り外すための排出部１７６を備えている。しかしながら、上記従来の香味吸引器には、当該香味吸引器に香味源ユニットを取り付けるための機構が設けられていないため、香味吸引器を一方の手に把持し、他方の手に把持した香味源ユニットを香味吸引器の先端に取り付ける必要がある。

　本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、香味源ユニットを片手で着脱することの可能な香味吸引器に関する技術を提供することにある。

　上記課題を解決するための本発明は、香味源から放出された香味を吸引するための香味吸引器であって、使用者によって操作される操作部と、前記操作部に対する第１操作に連動して前記香味源を含む香味源ユニットを把持し、前記操作部に対する第２操作に伴い前記香味源ユニットの把持を解除する着脱手段と、を備える。

　また、本発明に係る香味吸引器において、前記着脱手段は、前記香味源ユニットを把持する把持部を有する開閉チャック部を含み、前記開閉チャック部は、前記把持部を開閉することで前記香味源ユニットの把持及びその解除が可能であっても良い。

　また、本発明に係る香味吸引器において、前記着脱手段に把持された状態で密封された前記香味源ユニットを開封する開封手段を更に備えていても良い。

　また、本発明に係る香味吸引器において、前記香味吸引器のケーシングは、後端側にマウスピースが設けられた筒状の外筒本体を有し、前記外筒本体内には、前記香味源から放出された香味を前記マウスピースまで輸送する香味流路が軸方向に沿って延設され、前記香味流路は、前記ケーシング内に軸方向に延設される中空管の内部に形成される中空路を含み、前記中空管における先端側の側面には、前記香味源から放出された香味を前記中空路に取り入れる通気口が形成されていても良い。

　また、本発明に係る香味吸引器において、前記中空管における先端側には先尖形状を有する先尖部が形成されており、前記着脱手段が前記香味源ユニットを把持する際に、前記先尖部が前記香味源を突き刺すことで当該香味源が開封されるように構成されていても良い。

　また、本発明に係る香味吸引器において、前記中空管は、前記外筒本体の軸方向に沿って所定範囲内でスライド自在に設けられ、前記操作部は、前記中空管の側面から突出して設けられると共に、前記外筒本体に貫通形成された長穴を通じて前記外筒本体の外部に露出していても良い。

　また、本発明に係る香味吸引器において、前記香味源ユニットは、前記香味源を密封する密封フィルムを更に含んでいても良い。

　また、本発明に係る香味吸引器において、前記香味源ユニットは、前記香味源と一体に設けられた燃焼型熱源を更に含んでいても良い。

　また、本発明に係る香味吸引器において、前記香味源ユニットは、前記香味源を収容する耐熱容器を更に含んでいても良い。

　また、本発明は、香味源ユニットの収容ケースとして特定することもできる。すなわち、本発明は、上述までの香味吸引器に装着する香味源ユニットを収容する収容ケースであって、未使用の前記香味源ユニットを収容すると共に、上部に開口端を有する収容部を備え、前記収容部には、前記香味源ユニットの上端側に形成されると共に前記香味吸引器への装着時に係止される被係止部が前記開口端側に面するように前記香味源ユニットが収容されていることを特徴とする。

　また、本発明は、香味源ユニットの収容部付き吸い殻入れとして特定することもできる。すなわち、本発明は、上述までの香味吸引器に装着する香味源ユニットの収容部付き吸い殻入れであって、前記香味源ユニットの吸い殻を収容するための吸い殻廃棄部と、前記吸い殻廃棄部の上端に形成される吸い殻投入口の周囲に形成される上方縁部に形成され、前記香味源ユニットを保持する収容凹部と、を備え、前記収容凹部には、前記香味源ユニットの上端側に形成されると共に前記香味吸引器への装着時に係止される被係止部が上方を向くように前記香味源ユニットが収容されていることを特徴とする。

　本発明によれば、香味源ユニットを片手で着脱することの可能な香味吸引器を提供できる。

図１は、実施形態１に係る香味吸引器の概略側面図（１）である。 図２は、実施形態１に係る香味吸引器の概略側面図（２）である。 図３は、実施形態１に係る香味吸引器の分解側面図である。 図４は、実施形態１に係る香味吸引器の分解斜視図である。 図５は、実施形態１に係る香味吸引器の概略的な縦断面図である。 図６は、香味源ユニットを示す図である。 図７は、実施形態１に係る香味吸引器を使用して喫煙する際の手順について説明する図である。 図８は、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がリターン位置にあるときの外筒本体の係止突条が設けられている区間における係止突条及び摺動突起の関係を示す図である。 図９Ａは、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がリターン位置からプッシュ位置に切り替え操作される第１操作時におけるノック棒及び回転子の動作を説明する図である（１）。 図９Ｂは、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がリターン位置からプッシュ位置に切り替え操作される第１操作時におけるノック棒及び回転子の動作を説明する図である（２）。 図９Ｃは、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がリターン位置からプッシュ位置に切り替え操作される第１操作時におけるノック棒及び回転子の動作を説明する図である（３）。 図９Ｄは、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がリターン位置からプッシュ位置に切り替え操作される第１操作時におけるノック棒及び回転子の動作を説明する図である（４）。 図１０Ａは、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がプッシュ位置からリターン位置に切り替え操作される第２操作時におけるノック棒及び回転子の動作を説明する図である（１）。 図１０Ｂは、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がプッシュ位置からリターン位置に切り替え操作される第２操作時におけるノック棒及び回転子の動作を説明する図である（２）。 図１０Ｃは、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がプッシュ位置からリターン位置に切り替え操作される第２操作時におけるノック棒及び回転子の動作を説明する図である（３）。 図１０Ｄは、実施形態１に係る香味吸引器において、操作部がプッシュ位置からリターン位置に切り替え操作される第２操作時におけるノック棒及び回転子の動作を説明する図である（４）。 図１１は、実施形態１に係る香味吸引器に香味源ユニットが装着された状態を説明する図である。 図１２Ａは、香味源ユニットを収容する収容ケースを示す図である（１）。 図１２Ｂは、香味源ユニットを収容する収容ケースを示す図である（２）。 図１２Ｃは、香味源ユニットの収容部付き吸い殻入れを示す図である。 図１３Ａは、香味吸引器に適用される他の香味源ユニットを説明する図である（１）。 図１３Ｂは、香味吸引器に適用される他の香味源ユニットを説明する図である（２）。 図１４は、実施形態２に係る香味吸引器の概略側面図（１）である。 図１５は、実施形態２に係る香味吸引器の概略側面図（２）である。 図１６は、実施形態２に係る香味吸引器の分解側面図である。 図１７は、実施形態２に係る香味吸引器の分解斜視図である。 図１８は、実施形態２に係る香味吸引器の概略的な縦断面図である。 図１９は、実施形態３に係る香味吸引器の概略側面図（１）である。 図２０は、実施形態３に係る香味吸引器の概略側面図（２）である。 図２１は、実施形態３に係る香味吸引器の分解側面図である。 図２２は、実施形態３に係る香味吸引器の分解斜視図である。 図２３は、実施形態３に係る香味吸引器の概略的な縦断面図である。

　ここで、本発明に係る加熱型香味吸引具の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

＜実施形態１＞
　図１及び図２は、実施形態１に係る香味吸引器１Ａの概略側面図である。図３は、実施形態１に係る香味吸引器１Ａの分解側面図である。図４は、実施形態１に係る香味吸引器１Ａの分解斜視図である。図５は、実施形態１に係る香味吸引器１Ａの概略的な縦断面図である。図６は、実施形態１に係る香味源ユニットを示す図である。実施形態１に係る香味吸引器１Ａは、使用者が握るのに適した細長いロッド形状を有しており、その先端側に香味源ユニット３０を装着して使用される喫煙具である。

　香味吸引器１Ａは、香味吸引器１Ａを構成する各種部品を収容するケーシング１０を有する。ケーシング１０は、全体で略筒状を有しており、その後端にマウスピース（吸い口）２０が設けられている。また、香味吸引器１Ａは、ケーシング１０の前端側に、香味源ユニット３０が着脱自在となっている。詳しくは後述するが、香味吸引器１Ａは香味源ユニット３０の装着及び取り外しを行うための着脱手段を有している。着脱手段は、使用者によって操作される操作部４８及び開閉チャック部４０等を含む。開閉チャック部４０は、操作部４８に対する第１操作に連動して香味源ユニット３０を把持する装着動作と、操作部４８に対する第２操作に伴い香味源ユニット３０の把持を解除する離脱動作を行う。

　図１は、操作部４８がリターン位置に操作されている状態を示し、図２は、操作部４８がプッシュ位置に操作されている状態を示している。香味吸引器１Ａは、使用者（喫煙者）によって操作部４８のノック操作を受け付け、操作部４８の位置がリターン位置とプッシュ位置との間で切り替えられることで、使用者が香味源ユニット３０を直接触れることなく、香味源ユニット３０の着脱を行うことができるようになっている。

　香味源ユニット３０は、図６に示すように、カップ形状を有する金属製の耐熱容器３１と、耐熱容器３１の内部に収容された香味源３２と、密封フィルム３３を含んで構成されている。耐熱容器３１は、円形の平坦底面３１ａと、平坦底面３１ａから立設する側面３１ｂを有し、側面３１ｂの上端側が開口端３１ｃとなっている。香味源３２は、加熱されることで香味を放出する材料であれば特に限定されず、本実施形態においては例えば香料を含んだタバコ刻である。密封フィルム３３は、耐熱容器３１における開口端３１ｃを覆っており、耐熱容器３１の内部空間を外部から遮断することで、耐熱容器３１に収容されている香味源３２を密封している。

　詳しくは後述するが、図６に示した香味源ユニット３０は、香味吸引器１Ａに備えられた着脱手段によって香味吸引器１Ａの前端側に装着される。そして、耐熱容器３１の平坦底面３１ａ側を例えばライターの火などによって炙ることで内部の香味源３２から放出させた香味をマウスピース２０から吸引する。なお、図６に示すように、耐熱容器３１の側面３１ｂにおける上端近傍には側面３１ｂを周回する環状の窪みが形成されることで側面３１ｂの上端に環状の被係止部３１ｄが形成されている。この被係止部３１ｄは、香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０が装着される際に、上記着脱手段によって把持（掴持）される部分であるが、詳しくは後述する。

　次に、香味吸引器１Ａの構成について詳しく説明する。図１乃至図５に示すように、香味吸引器１Ａのケーシング１０は、外筒本体１０１及びテーパ筒部１０２を有している。外筒本体１０１は直径が略一定の円筒部材である。外筒本体１０１の後端側には、軸方向に沿って延びる楕円形の長穴１０１０が形成されている。また、外筒本体１０１における長穴１０１０よりも前端側の位置において、外筒本体１０１における内周面の一定範囲に内方に突出し且つ軸方向に延在する３本の係止突条１０１１が軸方向に沿って伸びるように突設されている。３本の係止突条１０１１は、外筒本体１０１の周方向における１２０°間隔で設けられている。また、外筒本体１０１の内周面において隣接する係止突条１０１１同士の間にはカム溝１０１２が形成されており（図８を参照）、このカム溝１０１２には回転子４６の摺動突起４６２が挿入されると共にカム溝１０１２に沿って摺動突起４６２を摺動させることができる。また、外筒本体１０１の後端側には、外径が一段小さい小径筒部１０１３が設けられている。

　ここで、外筒本体１０１の前端にテーパ筒部１０２が取り付けられている。テーパ筒部１０２は、軸方向における後端側から前端側に向かってテーパ状に直径が漸次大きくなっている。また、テーパ筒部１０２の後端側には、外径が一段小さい小径筒部１０２０が設けられている。更に、小径筒部１０２０の外径は、外筒本体１０１の内径と等しくなっている。マウスピース２０は、内側が中空の部材であり、その後端側に、使用者が喫煙時に口で咥えるための吸い口部２０１が設けられている。また、吸い口部２０１の先端には、吸い口孔２０１ａが形成されている。詳しくは後述するが、外筒本体１０１の内部に形成される中空路２Ａ（図５を参照）を通じてマウスピース２０に供給された香味を含むエアロゾルは、吸い口孔２０１ａから喫煙者によって吸引される。また、マウスピース２０の前端側には、円筒形状を有する接続筒部２０２が形成されている。マウスピース２０における接続筒部２０２の内径は、外筒本体１０１における小径筒部１０１３の外径と等しく、マウスピース２０における接続筒部２０２の内周側に外筒本体１０１の小径筒部１０１３を挿入した状態で、マウスピース２０及び外筒本体１０１が一体に接合されるようになっている。

　図３乃至図５において、符号４０は開閉チャック部、符号４１は中空管、符号４２はスプリング保持管、符号４３は先尖部、符号４４はリターンスプリング、符号４５はベアリング、符号４６は回転子、符号４７はノック棒、符号４８はピン状の操作部、符号４９はＯリング、符号５０は固定ネジである。中空管４１は、内部に中空路が形成される円筒状のチューブであり、その外周側に開閉チャック部４０、スプリング保持管４２、ベアリング４５、回転子４６等が外嵌されるようになっている。また、中空管４１の先端には、先尖部４３が装着される。先尖部４３は、先が尖った先尖形状となっている。また、中空管４１の前端部近傍には、中空管４１の側壁を厚さ方向に貫通する一対の通気口４１０が形成されている。この通気口４１０は、香味源３２から放出された香味を中空路に取り入れるための取込口として機能する貫通孔である。一対の通気口４１０は、中空管４１の周方向に１８０°ずれた位置に対向配置されている。但し、中空管４１に設ける通気口４１０の数は特に限定されない。

　開閉チャック部４０は、軸方向に沿って中空管４１の外径と等しい貫通孔を有しており、中空管４１に外嵌可能となっている。開閉チャック部４０は、周方向９０°毎に前端側から後端側に向かってスリット状のスリ割り４００が形成されている。開閉チャック部４０の前端側には、４本のスリ割り４００によって分割された４つの把持部４０１が周方向に並んで形成されている。各把持部４０１の外面には、テーパ外面４０１０が形成されている。なお、開閉チャック部４０における把持部４０１の数は特に限定されず、２個でも良いし、３個でも良い。

　スプリング保持管４２は、軸方向に沿って中空管４１の外径と等しい貫通孔を有する筒状部材であり、中空管４１に外嵌可能となっている。図３乃至図５に示すように、スプリング保持管４２は、開閉チャック部４０の後段に配置される。また、スプリング保持管４２の後端には鍔部４２０が形成されている。

　ベアリング４５及び回転子４６も、スプリング保持管４２と同様、軸方向に沿って延びる貫通孔を有しており、中空管４１に外嵌されるようになっている。ベアリング４５は、スプリング保持管４２の後段に配置され、更にベアリング４５の後段には回転子４６が配置される。回転子４６は、筒体４６０を有し、筒体４６０の後端面にはギザ状のカム斜面４６１が形成されている。また、筒体４６０の外周面には、３つのリブ状の摺動突起４６２が径方向外方に向かって突設されている。３つの摺動突起４６２は、回転子４６（筒体４６０）の周方向における１２０°毎に配置されており、筒体４６０の軸方向に沿って延在している。また、摺動突起４６２の後端面には、カム斜面４６２ａが形成されている。

　ノック棒４７は、回転子４６をノックするための筒状部材である。ノック棒４７の前端面には、回転子４６のカム斜面４６１に対応するギザ状のカム斜面４７１が形成されている。ノック棒４７における側面には、操作部４８を取り付けるための凹部４７２が形成されている。凹部４７２の周面にはネジ切りがなされており、操作部４８を凹部４７２に螺着することができる。ノック棒４７は、前端側の大径筒部４７３と、後段側の小径筒部４７４を有する。ノック棒４７における小径筒部４７４は、大径筒部４７３より外径が小さく、小径筒部４７４の先端を含む一部領域はマウスピース２０内に挿入されるようになっている。また、ノック棒４７における大径筒部４７３には、中空管４１の先端側が挿入された状態で固定されるようになっている。なお、Ｏリング４９は、ノック棒４７の小径筒部４７４に外嵌された上でマウスピース２０内の所定位置に位置決めされた状態で配置される。また、外筒本体１０１及びテーパ筒部１０２は、固定ネジ５０によって一体に固定される。

　図４に示すように、香味吸引器１Ａが組み立てられた状態においては、外筒本体１０１、テーパ筒部１０２及びマウスピース２０が一体に固定されている。また、ノック棒４７及び中空管４１が一体に固定された状態で、ケーシング１０内の所定範囲で軸方向に沿ってスライド可能に収容されている。ここで、ノック棒４７に固定される操作部４８は、外筒本体１０１の長穴１０１０を通じて、香味吸引器１Ａ（ケーシング１０）の外部に露出している。香味吸引器１Ａを組み上げる際、外筒本体１０１及びテーパ筒部１０２内に各種部品を組み付けた後で、外筒本体１０１の長穴１０１０を通じて外側から操作部４８をノック棒４７の凹部４７２に螺着する。

　また、開閉チャック部４０及びスプリング保持管４２は一体に接合され、中空管４１に外嵌された状態でケーシング１０内部に設けられている。また、リターンスプリング４４は、外筒本体１０１の内周面とスプリング保持管４２の外周面との間に形成される空間に収容される。リターンスプリング４４は、テーパ筒部１０２の小径筒部１０２０と鍔部４２０との間に挟まれるようにスプリング保持管４２の外周面に装着され、スプリング保持管４２の鍔部４２０を香味吸引器１Ａ（ケーシング１０）の後端側に向かって常時押圧する。リターンスプリング４４の付勢力は、スプリング保持管４２を介して、中空管４１に外嵌されているベアリング４５、回転子４６、ノック棒４７に作用し、これらをケーシング１０の後端側に戻す方向に押圧する。

　なお、図５に示すように、開閉チャック部４０における把持部４０１には、香味源ユニット３０における耐熱容器３１の被係止部３１ｄを係止するための窪みである係止部４０１１が設けられている。また、本実施形態において、中空路２Ａは、中空管４１及びノック棒４７の内周側に形成された中空部分によって構成されている。中空路２Ａは、マウスピース２０の内部に形成された中空部２０３を介して吸い口孔２０１ａに連通されている。

＜香味吸引器１Ａの動作＞
　本実施形態に係る香味吸引器１Ａは、操作部４８をノック操作することで、その操作に連動して開閉チャック部４０を開閉させ、香味源ユニット３０の把持（掴持）及び当該把持の解除を行う方式を採用する。図７は、香味吸引器１Ａを使用して喫煙する際の手順について説明する図である。図７（ａ）は、香味吸引器１Ａの操作部４８がリターン位置にあり、且つ、香味吸引器１Ａの前端側に設けられた開閉チャック部４０に香味源ユニット３０が装着されていない状態（以下、「香味源未装着状態」という）を示している。

　図８は、実施形態１に係る香味吸引器１Ａにおいて、操作部４８がリターン位置にあるときの外筒本体１０１の係止突条１０１１が設けられている区間における係止突条１０１１及び摺動突起４６２の関係を示す図である。また、図９Ａ乃至図９Ｄは、操作部４８がリターン位置からプッシュ位置に切り替え操作される第１操作時におけるノック棒４７及び回転子４６の動作を説明する図である。また、図１０Ａ乃至図１０Ｄは、操作部４８がプッシュ位置からリターン位置に切り替え操作される第２操作時におけるノック棒４７及び回転子４６の動作を説明する図である。図９Ａ乃至図９Ｄ及び図１０Ａ乃至図１０Ｄは、外筒本体１０１の係止突条１０１１が設けられている区間の横断面を展開した状態を概略的に示している。図９Ａ乃至図９Ｄ及び図１０Ａ乃至図１０Ｄに示すように、各係止突条１０１１の前端側はギザ形状を呈し、外筒本体１０１の軸方向に対して傾斜した係止縁１０１１ａ及び誘導縁１０１１ｂを有する。また、係止縁１０１１ａ及び誘導縁１０１１ｂの間には、外筒本体１０１の軸方向に伸びる軸方向縁１０１１ｃが形成されている。

　図９Ａは、香味吸引器１Ａが香味源未装着状態のときにおけるノック棒４７及び回転子４６の関係を示している。図８及び図９Ａに示すように、操作部４８がリターン位置にあるときは、回転子４６の摺動突起４６２が外筒本体１０１のカム溝１０１２に挿入されることで、回転子４６が外筒本体１０１の係止突条１０１１と軸方向に重なっている。図９Ａに示す状態では、摺動突起４６２のカム斜面４６２ａがカム溝１０１２の後端側に位置する溝底に当接した状態で位置決めされている。

　次に、使用者（喫煙者）は、上述した香味源未装着状態から図７（ｂ）に示すようにリターンスプリング４４の付勢力に抗してリターン位置にある操作部４８をノックする第１操作を行う。そうすると、図３等に示したように、ノック棒４７の前端側に形成されているカム斜面４７１と回転子４６の筒体４６０の後端面に形成されているカム斜面４６１とが当接した状態で、ノック棒４７が回転子４６を前方に押し込むように動作する。その際、図９Ｂに示すように、外筒本体１０１のカム溝１０１２に挿入されている回転子４６の摺動突起４６２が、カム溝１０１２に沿って前方に摺動する。そして、摺動突起４６２のカム斜面４６２ａがカム溝１０１２の前端を乗り越えると、ノック棒４７のカム斜面４７１に軸方向に押される回転子４６のカム斜面４６１が周方向に横滑りすることにより、回転子４６が軸周りに回転する。

　その結果、図９Ｃに示すように、回転子４６における摺動突起４６２のカム斜面４６２ａが、外筒本体１０１における係止突条１０１１の係止縁１０１１ａに移動し、更に、摺動突起４６２のカム斜面４６２ａが係止縁１０１１ａ上を滑ることで係止縁１０１１ａと軸方向縁１０１１ｃによって形成されるＶ字谷部１０１１ｄに係止される（図９Ｄを参照）。その結果、操作部４８がプッシュ位置に保持（ロック）される。

　上記のように操作部４８がリターン位置からプッシュ位置に切り替えられると、ノック棒４７と一体に接合された中空管４１もノック棒４７に連動して軸方向の前端側に向かって変位する。また、ノック棒４７及び回転子４６と同様に、中空管４１に外嵌された状態で回転子４６の前段に配設されているベアリング４５、スプリング保持管４２も回転子４６に連動して軸方向の前端側に向かって変位する。更に、スプリング保持管４２と一体に接合された開閉チャック部４０も、スプリング保持管４２に付随して軸方向の前端側に前進する。

　その結果、操作部４８がリターン位置の状態のときにテーパ筒部１０２内に収容されていた中空管４１の先尖部４３や開閉チャック部４０の把持部４０１が、テーパ筒部１０２の前端から外部前方に突出する。その際、開閉チャック部４０における把持部４０１のテーパ外面４０１０がテーパ筒部１０２のテーパ内周面１０２１（図５を参照）に沿って摺動しながら開閉チャック部４０が軸方向前方に変位するため、開閉チャック部４０の把持部４０１を閉じる方向に締め付けていたテーパ内周面１０２１による締め付けが緩和され、把持部４０１が開放される。

　以上のように、本実施形態に係る香味吸引器１Ａにおいて、操作部４８がリターン位置からプッシュ位置に切り替えられる際、開閉チャック部４０は、把持部４０１を開放させながらテーパ筒部１０２の前端から突出するまで軸方向前方に変位する。本実施形態では、操作部４８がプッシュ位置までノックされた際に、把持部４０１における係止部４０１１（図５を参照）がちょうど耐熱容器３１の被係止部３１ｄを係止するのに適した開き具合となるように、開閉チャック部４０及びテーパ筒部１０２が設計されている。

　次に、使用者は、図７（ｂ）に示す状態から香味吸引器１Ａを香味源ユニット３０に接近させる。そして、中空管４１の先端に設けられた先尖部４３を香味源ユニット３０の密封フィルム３３に突き刺すことで、香味源ユニット３０を開封することができる。つまり、香味源３２を密封する密封フィルム３３を先尖部４３が突き破ることで香味源３２が開封される。使用者は、香味源ユニット３０における耐熱容器３１の深部まで中空管４１を差し込み、開閉チャック部４０の把持部４０１における係止部４０１１に耐熱容器３１の被係止部３１ｄを係止させる。その結果、図７（ｃ）に示すように、香味吸引器１Ａの開閉チャック部４０に香味源ユニット３０を装着した状態となる。以下、図７（ｃ）に示すように、香味吸引器１Ａの操作部４８がプッシュ位置にあり、且つ、開閉チャック部４０に香味源ユニット３０が装着された状態を「香味源装着状態」と呼ぶ。

　上記のように、香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０を装着する際、使用者は香味吸引器１Ａを把持している方の手の指で操作部４８をノックする動作だけで足りる。つまり、本実施形態における香味吸引器１Ａによれば、片手だけで香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０を装着できる。なお、本実施形態においては、香味源ユニット３０が開閉チャック部４０に把持される際、中空管４１の先端に取り付けられた先尖部４３が耐熱容器３１における平坦底面３１ａの内面に当接するか、若しくは両者間のクリアランスが僅かになるように、香味源装着状態における開閉チャック部４０における係止部４０１１から先尖部４３までの直線寸法が調整されている。本実施形態における香味吸引器１Ａにおいては、中空管４１における先端側の側面に通気口４１０が設けられているため、図１１に示すように、香味源ユニット３０を装着した状態において、耐熱容器３１内に収容されている香味源３２に通気口４１０が埋もれてしまうことがない。つまり、中空管４１の通気口４１０が、香味源３２によって閉塞されることを抑制できる。

　次いで、使用者は、図７（ｄ）に示すように、香味源ユニット３０における耐熱容器３１の平坦底面３１ａ側を例えばライターの火などによって炙る。その結果、耐熱容器３１内部の香味源３２が加熱され、香味源３２から香味が放出される。例えば、香味源３２を加熱して香味を放出した後、喫煙者は香味吸引器１Ａのマウスピース２０を口に咥え、吸引動作（パフ動作）を行う。或いは、喫煙者はマウスピース２０を口に咥えた状態で香味源３２の加熱を行っても良く、香味源３２の加熱後又はそれと併行して吸引動作（パフ動作）を行っても良い。喫煙者による吸引動作（パフ動作）に伴い、香味吸引器１Ａ内に外部空気が以下の経路で導入される。すなわち、喫煙者による吸引動作（パフ動作）に伴い、香味吸引器１Ａの開閉チャック部４０におけるスリット状のスリ割り４００によって分割された４枚の把持部４０１のスリット間を通じて外部から流入した外部空気が、中空管４１の先尖部４３によって破られた香味源ユニット３０の密封フィルム３３と中空管４１の側面の間に形成された隙間から、耐熱容器３１の内部に流入する。このように、耐熱容器３１に収容されている香味源３２から放出された香味は、上記のように耐熱容器３１に流入した空気と混合されることでエアロゾル（以下、「香味エアロゾル」という）を形成する。そして、耐熱容器３１内で生成された香味エアロゾルは、喫煙者の吸引動作（パフ動作）に伴う吸引力によって、中空管４１の通気口４１０を通じて中空管４１内の中空路２Ａに導入され、中空路２Ａの前端側から後端側に向かって輸送される。そして、中空路２Ａの後端に到達した香味エアロゾルは、マウスピース２０の中空部２０３内に供給された後、吸い口孔２０１ａから使用者の口内に吸引される。本実施形態においては、中空路２Ａ及び中空部２０３によって本発明における香味流路が構成される。

　使用者は、図７（ｄ）に示すように香味源ユニット３０の耐熱容器３１を火で炙る動作と、香味エアロゾルの吸引（パフ）動作を、適宜繰り返し行うことができる。なお、香味源３２を加熱した際、図１１に示すように耐熱容器３１内の香味源３２によって通気口４１０が閉塞されていないため、香味源３２から放出された香味を含む香味エアロゾルを、通気口４１０から中空管４１（中空路２Ａ）内に円滑に取り入れることができる。また、本実施形態においては、香味吸引器１Ａの中空管４１先端側には先尖形状を有する先尖部４３が形成され、開閉チャック部４０が香味源ユニット３０を把持する際に、先尖部４３が香味源３２を突き刺すことで香味源３２が開封される構造を採用している。

　これによれば、香味吸引器１Ａに装着される香味源ユニット３０を、密封フィルム３３によって香味源３２を密封した構造を採用することができる。これにより、香味源ユニット３０の存置中に香味源３２の密閉性を確保することができ、香味源３２から香味が大気中に拡散することを抑制できる。そして、喫煙時においては、先尖部４３によって香味源３２を開封することで円滑な喫煙が可能となる。本実施形態においては、先尖部４３が本発明に係る開封手段に相当する。また、香味源ユニット３０においては、金属性の耐熱容器３１に香味源３２を収容しているので、喫煙時に香味源３２を直接加熱せずに耐熱容器３１を外側から加熱することで香味源３２から円滑に香味を放出させることができる。

　次に、香味エアロゾルの喫煙を終了した後、使用者は、プッシュ位置にある操作部４８を再びノックする第２操作を行う。上記のように、香味源装着状態から操作部４８を再びノックすると、ノック棒４７の前端側に形成されているカム斜面４７１が回転子４６のカム斜面４６１に衝突し、カム斜面４７１がカム斜面４６１を前方に押し込む。その結果、外筒本体１０１における係止突条１０１１のＶ字谷部１０１１ｄに係止されている回転子４６における摺動突起４６２のカム斜面４６２ａの係止が解除され、図１０Ａに示すようにカム斜面４６２ａが係止縁１０１１ａから離反する。そして、係止突条１０１１の軸方向縁１０１１ｃをガイドとして回転子４６における摺動突起４６２が前方に摺動する。つまり、香味源装着状態から操作部４８を再びノックすると、ノック棒４７及び回転子４６が軸方向に沿って前進することで、開閉チャック部４０の把持部４０１が更に開がりつつ、中空管４１も前方に押し込まれる。その際、中空管４１の先端に設けられている先尖部４３が香味源ユニット３０における耐熱容器３１の平坦底面３１ａを前方に押し込むことで、開閉チャック部４０における把持部４０１の係止部４０１１による耐熱容器３１の被係止部３１ｄの係止が解除され、図７（ｅ）に示すように、開閉チャック部４０の把持部４０１から香味源ユニット３０が離脱する。香味吸引器１Ａからの香味源ユニット３０の離脱に際して、使用者は香味吸引器１Ａを把持している方の手の指で操作部４８をノックする動作だけで足りる。つまり、本実施形態における香味吸引器１Ａによれば、片方の手だけで香味吸引器１Ａから香味源ユニット３０を離脱させることができる。

　そして、図１０Ｂに示すように、摺動突起４６２のカム斜面４６２ａが軸方向縁１０１１ｃの前端を乗り越えると、ノック棒４７のカム斜面４７１に軸方向に押される回転子４６のカム斜面４６１が周方向に横滑りする結果、回転子４６が回転する。その結果、図１０Ｃに示すように、回転子４６における摺動突起４６２のカム斜面４６２ａが、係止突条１０１１の誘導縁１０１１ｂに移動し、更に、摺動突起４６２のカム斜面４６２ａが誘導縁１０１１ｂ上を滑ることで、摺動突起４６２がカム溝１０１２に対応する位置に至るまで回転子４６が回転する。

　その結果、図１０Ｄに示すように、回転子４６の摺動突起４６２が再びカム溝１０１２内に受け入れられ、リターンスプリング４４の付勢力によってカム溝１０１２内を摺動突起４６２が後方に向けて摺動する。これにより、回転子４６が香味吸引器１Ａの軸方向後端側に向かって変位する。回転子４６の後方への変位に伴い、回転子４６によってノック棒４７が軸方向後端側に向かって押し込まれることで、図９Ａに示されるように、回転子４６の摺動突起４６２における回転子４６の摺動突起４６２が、外筒本体１０１のカム溝１０１２における溝底に当接した状態に戻る。その結果、図７（ｆ）に示すように、操作部４８がプッシュ位置からリターン位置に戻された香味源未装着状態に戻る。

　操作部４８がプッシュ位置からリターン位置に戻る際、ノック棒４７と一体の中空管４１は軸方向の後端側に向かって後退変位することで、中空管４１の先尖部４３がテーパ筒部１０２内に格納された状態となる。また、開閉チャック部４０における把持部４０１のテーパ外面４０１０がテーパ筒部１０２のテーパ内周面１０２１上を摺動させながら後方に変位する。そのため、開閉チャック部４０は、把持部４０１がテーパ内周面１０２１によって締め付けられることで閉じつつテーパ筒部１０２の内部に格納されることになる。

　以上のように、本実施形態に係る香味吸引器１Ａによれば、片手でリターン位置にある操作部４８をノックする第１操作を行うことで、香味源３２の開封と開閉チャック部４０に対する香味源ユニット３０の装着を行うことができる。同様に、片手でプッシュ位置にある操作部４８をノックする第２操作を行うことで、開閉チャック部４０に装着されていた香味源ユニット３０を開閉チャック部４０から離脱させることができる。つまり、香味吸引器１Ａに対する香味源ユニット３０の装着、香味源３２の開封、及び香味吸引器１Ａからの香味源ユニット３０の取り外しという一連の全ての操作を、香味源ユニット３０に触れることなく片手で簡単に行うことができる。これにより、手が香味源ユニット３０（香味源３２）で汚れることがない。逆に、香味源ユニット３０（香味源３２）に手の汚れが付着することも抑制できる。また、喫煙直後は、香味源ユニット３０（香味源３２）が高温となっているが、香味吸引器１Ａから香味源ユニット３０を取り外す際に香味源ユニット３０に触れる必要がないため安全である。

　更に、香味吸引器１Ａにおいて、中空管４１は、外筒本体１０１の軸方向に沿って所定範囲内でスライド自在に設けられ、操作部４８は、中空管４１の側面から突出して設けられると共に、外筒本体１０１に貫通形成された長穴１０１０を通じて外筒本体１０１の外部に露出する構造となっている。これによれば、操作部４８を操作する際、中空管４１の内側に形成されている中空路２Ａ内への空気の流入量に乱れを起こしにくくすることができる。また、本実施形態においては、操作部４８のように指で操作する部品を、マウスピース２０とは分離して設けるようにしたので、衛生面を担保する上でより一層好適である。

　なお、本実施形態では、香味吸引器１Ａから香味源ユニット３０を離脱させる際、開閉チャック部４０の把持部４０１を開放させることに加え、中空管４１の先端に設けられている先尖部４３によって香味源ユニット３０（耐熱容器３１）における平坦底面３１ａを押し込むようにしているが、必ずしも中空管４１（先尖部４３）によって平坦底面３１ａを押し込まなくても良い。つまり、操作部４８に対する上記第２操作を受け付けた際に、開閉チャック部４０の把持部４０１を開放させて、把持部４０１による香味源ユニット３０の把持を解除することによって、香味源ユニット３０を香味吸引器１Ａから落下させることで取り外しても良い。

　ここで、図１２Ａ、香味源ユニット３０を収容する収容ケース６０Ａを示す図である。図１２Ｂは、変形例に係る収容ケース６０Ｂを示す図である。図１２Ｃは、香味源ユニット３０の収容部付き吸い殻入れ６０Ｃを示す図である。図１２Ａに示す収容ケース６０Ａは、矩形の平面形状を有しており、収容部６１及びスライド蓋６２を有する。収容部６１は、上部が開口端６１ｃとして開放されており、香味源ユニット３０を載置する底部６１ａと、底部６１ａから立設する側面６１ｂを有する。側面６１ｂの高さは香味源ユニット３０の高さに合わせて調整されている。また、スライド蓋６２は、収容部６１に対してスライド自在に装着されており、収容部６１の開口端６１ｃを開閉することができる。

　また、図１２Ａに示すように、収容ケース６０Ａには、密封フィルム３３が収容部６１の開口端６１ｃ側を向くように全ての香味源ユニット３０が収容部６１の底部６１ａに載置されている。言い換えると、収容部６１には、香味源ユニット３０の上端側に形成されると共に香味吸引器１Ａへの装着時に係止される環状の被係止部３１ｄが収容部６１の開口端側に面するように未使用の香味源ユニット３０が収容されている。使用者は、喫煙する際、収容ケース６０Ａのスライド蓋６２をスライドすることで、図１２Ａに示すように収容部６１の開口端６１ｃを開放する。そして、図７等で説明した手順に従い、収容部６１に収容されている香味源ユニット３０を香味吸引器１Ａに装着し、香味を含むエアロゾルを喫煙することができる。

　ここで、図１２Ａに示すように、収容部６１における一の角部（隅部）には、Ｌ字形のガイド壁６３が設けられている。収容部６１のうち、ガイド壁６３が設けられている方の端部には、ガイド壁６３が設けられることによって香味源ユニット３０がちょうど１つだけ収まるような個別収容部６４が形成されている。個別収容部６４に収容されている香味源ユニット３０は、図１２Ａに示すように、個別収容部６４以外の収容空間に収容されている香味源ユニット３０同士ほど密集していないため、使用者は、個別収容部６４に収容されている香味源ユニット３０を香味吸引器１Ａに容易に装着することができる。個別収容部６４は、香味吸引器１Ａのテーパ筒部１０２の前端部における直径より大きな寸法に設定されている。例えば、図１２Ａに示す例では、個別収容部６４の間口寸法Ｗ１がテーパ筒部１０２の直径よりも大きな寸法として設定されている。これによれば、香味源ユニット３０を香味吸引器１Ａへ装着する際に、個別収容部６４の壁部（側面６１ｂやガイド壁６３）にテーパ筒部１０２が衝突することがない。これにより、香味吸引器１Ａへの装着対象とする香味源ユニット３０の円滑な装着操作が可能となる。つまり、収容ケース６０Ａは、香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０を装着する際の利便性が非常に優れている。なお、図１２Ａに示すように、個別収容部６４の平面積（平面的な占有面積）は、間口寸法Ｗ１及びこれに直交する奥行寸法Ｗ２によって規定されている。個別収容部６４の間口寸法Ｗ１及び奥行寸法Ｗ２は、香味源ユニット３０（耐熱容器３１）の最大直径の２倍よりも小さな寸法に設定されていることが好ましい。その結果、個別収容部６４に、複数の香味源ユニット３０が収容されることが抑制され、香味吸引器１Ａへの装着対象とする香味源ユニット３０の円滑な装着操作が可能となる。

　次に、図１２Ｂに示す収容ケース６０Ｂを説明する。図１２Ｂの（ａ）には、収容ケース６０Ｂの概略的な断面図が示されている。また、図１２Ｂの（ｂ）には、収容ケース６０Ｂの収容部６１の概略的な上面図が示されている。収容ケース６０Ｂは、上述した収容ケース６０Ａと同様、収容部６１及びスライド蓋６２を有している。収容部６１は、上部が開口端６１ｃとして開放されており、香味源ユニット３０を載置する底部６１ａと、底部６１ａから立設する側面６１ｂを有している。また、スライド蓋６２は、収容部６１に対してスライド自在に装着されており、収容部６１の開口端を開閉することができる。

　また、収容ケース６０Ｂの形状を特に限定されないが、図１２Ｂの（ｂ）に示す例では、略矩形状平面を有している。そして、収容部６１の底部６１ａには、シート状の香味源保持部材６８が配置されている。香味源保持部材６８は、収容部６１の底部６１ａと同様な略矩形平面を有し、且つ、底部６１ａと略同一の大きさを有している。そして、香味源保持部材６８は、香味源ユニット３０を保持する保持部６８０が複数箇所に設けられている。各保持部６８０は、香味源保持部材６８を厚さ方向に貫通する円形孔部６８１の周縁から立ち上がる係止縁部６８２を含み、耐熱容器３１の底部側を係止縁部６８２に挿入することで耐熱容器３１の側面３１ｂが係止縁部６８２によって係止されている。

　以上のように、図１２Ｂに示す収容ケース６０Ｂは、香味源保持部材６８における各保持部６８０に香味源ユニット３０を保持することができる。そして、香味源保持部材６８は、収容部６１の底部６１ａと大きさが略等しいため、収容部６１の底部６１ａ上で香味源保持部材６８が大きくスライドすることがない。その結果、収容部６１内において、複数の香味源ユニット３０の姿勢や位置が大きく変更されることなく、安定して状態でこれらを収容することができる。その際、香味源保持部材６８の保持部６８０には、香味源ユニット３０における耐熱容器３１の底部側が保持されている。そのため、収容ケース６０Ｂの収容部６１に収容されている全ての香味源ユニット３０は、香味源ユニット３０の上端側に位置する環状の被係止部３１ｄ及び密封フィルム３３が収容部６１の開口端６１ｃ側に面した状態に保持される。これにより、収容ケース６０Ｂの収容部６１に収容されている香味源ユニット３０を香味吸引器１Ａに対して簡単に装着することができる。

　香味源保持部材６８について更に詳述すると、隣接する円形孔部６８１同士の中心間距離が、香味吸引器１Ａのテーパ筒部１０２の前端部における直径より大きな寸法に設定されている。これによれば、香味源保持部材６８の保持部６８０に保持されている一の香味源ユニット３０を香味吸引器１Ａへ装着する際に、それに隣接する香味源ユニット３０にテーパ筒部１０２が衝突することがない。これにより、香味吸引器１Ａへの装着対象とする香味源ユニット３０の円滑な装着操作が可能となる。更に、香味源ユニット３０の装着操作時において、装着対象に隣接する香味源ユニット３０に香味吸引器１Ａが衝突しにくくなるため、装着対象以外の香味源ユニット３０における密封フィルム３３が破れることを好適に抑制できる。以上のように、上述した収容ケース６０Ａ，６０Ｂは、香味吸引器１Ａに対して着脱自在な香味源ユニット３０を収容する容器として適した構造を有している。なお、収容ケース６０Ａ，６０Ｂに用いる材料は特に限定されない。また、収容ケース６０Ｂの収容部６１には、Ｌ字形のガイド壁６３が設置されていなくても良い。また、上述した香味源保持部材６８の保持部６８０は、香味源ユニット３０を保持することができればよく、その具体的な機構は特に限定されない。

　なお、上述の実施形態では、香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０をピックアップした後、耐熱容器３１をライター等の火で炙ることで香味源３２を加熱することで香味エアロゾルを喫煙する例を説明したが、これには限られない。例えば、予め加熱しておいた香味源ユニット３０（香味源３２）を香味源ユニット３０に装着した後、マウスピース２０を咥えて吸引することで香味エアロゾルを喫煙しても良い。また、本実施形態に係る香味吸引器１Ａによれば、通常の電子シガレットと異なり、ケーシング１０内にバッテリーを設置する必要がない。そのため、香味吸引器の軽量化が可能となると共に香味吸引器の設計自由度が大きくなる。但し、本実施形態における香味吸引器１Ａにおいて、ケーシング１０内にバッテリーを収容することが阻害されるものでない。

　次に、図１２Ｃに示す収容部付き吸い殻入れについて説明する。収容部付き吸い殻入れ６０Ｃは、カップ状の吸い殻廃棄部（灰皿部）６５と、吸殻廃棄部６５の上端に形成される吸い殻投入口６５ａの周囲に形成される上方縁部６６には、香味源ユニット３０を保持する複数の収容凹部６７が形成されている。収容凹部６７には、図１２Ｃに示すように密封フィルム３３が上方を向くように香味源ユニット３０の下部側が嵌合されている。言い換えると、収容凹部６７には、香味源ユニット３０の上端側に形成されると共に香味吸引器１Ａへの装着時に係止される環状の被係止部３１ｄが上方を向くように未使用の香味源ユニット３０が収容（保持）されている。上記構成の収容部付き吸い殻入れ６０Ｃにおいては、上方縁部６６に形成されている収容凹部６７に嵌合されている香味源ユニット３０を香味吸引器１Ａに装着し、使用者は香味を含むエアロゾルを喫煙する。その際、収容凹部６７に収容されている香味源ユニット３０の密封フィルム３３が上方を向いているため、香味吸引器１Ａの先端に香味源ユニット３０を装着しやすいという利点がある。そして、喫煙後においては、香味吸引器１Ａの先端に装着された香味源ユニット３０を吸殻廃棄部６５上に位置したさせた状態で操作部４８に対して第２操作を行い、香味吸引器１Ａから離脱させた香味源ユニット３０を吸殻廃棄部６５の内部に落下させることで廃棄することができる。吸殻廃棄部６５は、耐熱材料で形成することが好ましい。以上のように構成される収容部付き吸い殻入れ６０Ｃは、香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０を装着する際の利便性が非常に優れ、かつ、喫煙後において香味吸引器１Ａから香味源ユニット３０を取り外す際にも非常に利便性が優れている。なお、上述した収容ケース６０Ａ，６０Ｂ、及び吸い殻入れ６０Ｃの形状は適宜変更することができる。

　なお、本実施形態に係る香味吸引器１Ａに適用される香味源ユニット３０は、適宜の変更を加えることができる。例えば、図１３Ａ及び図１３Ｂは、香味吸引器１Ａに適用される他の香味源ユニット３０Ａ，３０Ｂを説明する図である。図１３Ａに示す香味源ユニット３０Ａは、香味源３２、密封フィルム３３、及び香味源３２を収容する金属製の耐熱容器３１に加えて、燃焼型熱源３４を含んでいる。耐熱容器３１は、カップ形状を有しており、天井部３１ｅ及び側壁３１ｆを有しており、側壁３１ｆの端部が開口端として構成されている。図１３Ａに示すように、耐熱容器３１の内側には、香味源３２、燃焼型熱源３４が天井部３１ｅ側からこれらの順に収容されている。香味源３２は、例えばたばこ顆粒であっても良い。また、耐熱容器３１は、金属製でなくても良く、例えば難燃性の紙管であっても良い。燃焼型熱源３４は、例えば炭素系熱源であっても良く、着火することで発生した熱が香味源３２に伝達されることで、香味源３２から香味が放出されるようになっている。

　ここで、耐熱容器３１における天井部３１ｅには開口３１ｇが形成されており、開口３１ｇを覆うようにして天井部３１ｅの外側に密封フィルム３３が設けられている。密封フィルム３３は、耐熱容器３１における開口３１ｇの内部を外部から遮断することで、耐熱容器３１に収容されている香味源３２を密封している。なお、図示は省略するが、耐熱容器３１における側壁３１ｆのうち、天井部３１ｅの近傍位置には、図６に示すような被係止部３１ｄが側壁３１ｆを周回する環状の窪みとして形成されている。この被係止部３１ｄは、香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０Ａを装着する際、開閉チャック部４０の把持部４０１によって係止される。また、図１３Ａに示すように、耐熱容器３１における天井部３１ｅには開口３１ｇが設けられているため、香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０Ａを装着する際に、この開口３１ｇから中空管４１を香味源３２に突き刺すことができる。また、上記のように、天井部３１ｅには開口３１ｇを覆うようにして密封フィルム３３が接着されているため、香味源ユニット３０Ａの存置中に香味源３２の密閉性を確保することができ、香味源３２から香味が大気中に拡散することを抑制できる。

　次に、図１３Ｂに示す香味源ユニット３０Ｂについて説明する。香味源ユニット３０Ｂは、香味源３２と、香味源３２の周囲を覆うことで香味源３２を密封する密封フィルム３３を含んでいる。香味源ユニット３０Ｂにおいても、香味源ユニット３０Ａの存置中に香味源３２の密閉性を確保することができ、香味源３２から香味が大気中に拡散することを抑制できる。また、香味吸引器１Ａに香味源ユニット３０Ａを装着する際には、この中空管４１の先尖部４３を香味源３２に突き刺すことで、香味源３２を開封することができる。また、密封フィルム３３を熱可溶性の材料で形成しても良い。このようにすることで喫煙時に密封フィルム３３を溶かすことができ、密封フィルム３３によって香味源３２の加熱が阻害されることを抑制できる。

＜実施形態２＞
　次に、実施形態２について説明する。図１４及び図１５は、実施形態２に係る香味吸引器１Ｂの概略側面図である。図１６は、実施形態２に係る香味吸引器１Ｂの分解側面図である。図１７は、実施形態２に係る香味吸引器１Ｂの分解斜視図である。図１８は、実施形態２に係る香味吸引器１Ｂの概略的な縦断面図である。以下、実施形態２に係る香味吸引器１Ｂと実施形態１に係る香味吸引器１Ａとの相違点を中心に説明し、香味吸引器１Ａと共通の構成については共通の参照符号を付すことで詳しい説明を省略する。

　本実施形態における香味吸引器１Ｂも、いわゆるボールペンのノック方式を採用している点は実施形態１に係る香味吸引器１Ａと同様である。実施形態１に係る香味吸引器１Ａは、ケーシング１０（外筒本体１０１）の側面に設けた操作部４８によってノック操作を行う方式であったが、本実施形態に係る香味吸引器１Ｂにおいては、マウスピース自体をノック操作することで香味源ユニット３０の装着及びその解除を行う方式を採用している。

　図１４乃至図１８に示すように、香味吸引器１Ｂは、外筒本体１０１Ｂ、ノック棒４７Ｂ及びマウスピース２０Ｂのディテールが実施形態１に係る香味吸引器１Ａの外筒本体１０１、ノック棒４７及びマウスピース２０と相違しているが、他の部品について共通である。また、符号５１は、マウスピース２０Ｂとノック棒４７Ｂを一体に固定するための固定ネジである。香味吸引器１Ｂにおけるノック棒４７Ｂにおいては、軸方向における中央より少し後端寄りの位置に、環状の位置決め用フランジ４７５がノック棒４７Ｂの側面から径方向に突設されている。ここで、ノック棒４７Ｂにおける位置決め用フランジ４７５よりも後端側の領域を後端側領域４７６と呼ぶ。香味吸引器１Ｂを組み付ける際、ノック棒４７Ｂは、後端側領域４７６がマウスピース２０Ｂ内に挿入される。その際、図１８に示すように、マウスピース２０Ｂの前端面に、ノック棒４７Ｂの位置決め用フランジ４７５が当接した状態で、位置決めがなされる。また、ノック棒４７Ｂの後端側領域４７６には、固定ネジ５０を螺着するためのねじ切りがなされた凹部４７２Ｂが形成されている。

　なお、図１８に示すように、本実施形態における香味吸引器１Ｂは、外筒本体１０１Ｂの後端に、マウスピース２０Ｂの接続筒部２０２を挿入した状態で、香味吸引器１Ｂの軸方向にマウスピース２０Ｂをスライド自在に外筒本体１０１Ｂとマウスピース２０Ｂを接続する。これに伴い、本実施形態における外筒本体１０１Ｂの後端には、実施形態１における小径筒部１０１３は形成されていない。また、マウスピース２０Ｂの接続筒部２０２の外径は、外筒本体１０１Ｂの後端における内径と等しい。そして、香味吸引器１Ｂは、マウスピース２０Ｂの前端を外筒本体１０１Ｂにおける後端の内側に挿入した状態で、外筒本体１０１Ｂの軸方向に沿ってマウスピース２０Ｂを摺動できるように外筒本体１０１Ｂ及びマウスピース２０Ｂが接続される。

　図１６乃至図１８に示すように、本実施形態においても外筒本体１０１Ｂには長穴１０１０が設けられている。香味吸引器１Ｂを組み上げる際、外筒本体１０１Ｂ及びテーパ筒部１０２内に各種部品を組み付け、且つ、外筒本体１０１Ｂの後端側にマウスピース２０Ｂの接続筒部２０２を挿入した状態で、外筒本体１０１Ｂの長穴１０１０を通じて外側から固定ネジ５１をノック棒４７Ｂの凹部４７２Ｂに螺着する。その結果、マウスピース２０Ｂとノック棒４７Ｂとが一体に接合されると共に、外筒本体１０１Ｂに対して軸方向に所定範囲内でスライド自在となる。なお、外筒本体１０１Ｂに対してマウスピース２０Ｂ及びノック棒４７Ｂがスライド可能なストロークは、外筒本体１０１Ｂの長穴１０１０の長軸寸法に略等しい。また、香味吸引器１Ｂが組み上げられた状態において、リターンスプリング４４の付勢力は、常時、スプリング保持管４２を香味吸引器１Ｂ（ケーシング１０）の後端側に向かって押圧する方向に作用する。

　また、実施形態１と同様に開閉チャック部４０及びスプリング保持管４２は一体に接続され、中空管４１に外嵌された状態でケーシング１０の内部に設けられている。そして、中空管４１におけるスプリング保持管４２の後段には、更に、ベアリング４５、回転子４６、ノック棒４７Ｂが中空管４１に外嵌された状態で、順次、連設されている。そのため、リターンスプリング４４の付勢力によって、スプリング保持管４２を介して、開閉チャック部４０、ベアリング４５、回転子４６、ノック棒４７Ｂ及び中空管４１が、香味吸引器１Ｂ（ケーシング１０）の後端側に向かって常時押圧された状態となっている。また、香味吸引器１Ｂにおける外筒本体１０１Ｂの内周面に形成された係止突条１０１１は、実施形態１における外筒本体１０１に形成されている係止突条１０１１と同一の構造となっている。

　以上のように構成された香味吸引器１Ｂは、マウスピース２０Ｂをノック操作することで香味源ユニット３０の装着及びその解除を行うことができる。図１４は、マウスピース２０Ｂがリターン位置にあるときの香味吸引器１Ｂを示している。一方、図１５は、マウスピース２０Ｂが外筒本体１０１Ｂに対して押し込まれたプッシュ位置にあるときの香味吸引器１Ｂを示している。

　香味吸引器１Ｂに香味源ユニット３０を装着する際には、図１４に示すようにリターン位置にあるマウスピース２０Ｂをリターンスプリング４４の付勢力に抗してノックする第１操作を行う。その結果、図８及び図９を参照して説明したノック棒４７及び回転子４６の動作と同様に、香味吸引器１Ｂにおけるノック棒４７及び回転子４６も動作する。その結果、香味吸引器１Ｂにおけるマウスピース２０Ｂがリターン位置からプッシュ位置まで押し込まれると共に、マウスピース２０Ｂがプッシュ位置に保持される。その際、実施形態１に係る香味吸引器１Ａと同様、把持部４０１を開放させながら開閉チャック部４０及び中空管４１が軸方向前端側に向かって変位し、中空管４１の先尖部４３及び開閉チャック部４０の把持部４０１がテーパ筒部１０２の前端から外部前方に突出した状態に保持される。これにより、使用者は、中空管４１の先尖部４３によって香味源ユニット３０の香味源３２を開封すると共に、開閉チャック部４０の把持部４０１における係止部４０１１に耐熱容器３１の被係止部３１ｄを係止させることで、香味吸引器１Ａの開閉チャック部４０に香味源ユニット３０を装着することができる。

　そして、喫煙後においては、図１５に示すようにプッシュ位置にあるマウスピース２０Ｂをリターンスプリング４４の付勢力に抗してノックする第２操作を行う。その結果、香味吸引器１Ｂのノック棒４７及び回転子４６においても、図１０を参照して説明したノック棒４７及び回転子４６と同様に動作する。これにより、開閉チャック部４０における把持部４０１の係止部４０１１による耐熱容器３１の被係止部３１ｄの係止が解除され、開閉チャック部４０の把持部４０１から香味源ユニット３０を離脱させることができる。つまり、本実施形態における香味吸引器１Ｂによれば、香味源ユニット３０の装着、香味源３２の開封、及び香味吸引器１Ａからの香味源ユニット３０の取り外しという全ての操作を、香味源ユニット３０に触れることなく片手で簡単に行うことができる。

＜実施形態３＞
　次に、実施形態３について説明する。図１９及び図２０は、実施形態３に係る香味吸引器１Ｃの概略側面図である。図２１は、実施形態３に係る香味吸引器１Ｃの分解側面図である。図２２は、実施形態３に係る香味吸引器１Ｃの分解斜視図である。図２３は、実施形態３に係る香味吸引器１Ｃの概略的な縦断面図である。以下、実施形態３に係る香味吸引器１Ｃと実施形態１に係る香味吸引器１Ａとの相違点を中心に説明し、香味吸引器１Ａと共通の構成については共通の参照符号を付すことで詳しい説明を省略する。本実施形態における香味吸引器１Ｃは、香味源ユニット３０の着脱を行う際のノック方式が、上述した実施形態１及び２と相違する。

　図１９乃至図２３に示すように、香味吸引器１Ｃは、ケーシングとしての外筒本体１０１Ｃ及びテーパ筒部１０２Ｃを有している。外筒本体１０１Ｃは、実施形態１に係る外筒本体１０１と略同一形状の円筒形のハウジングであるが、その内周面には係止突条１０１１が形成されていない点で、実施形態１における外筒本体１０１と相違する。また、外筒本体１０１Ｃには、実施形態１と同様に長穴１０１０が設けられている。外筒本体１０１Ｃ及びテーパ筒部１０２Ｃは、固定ネジ５０によって一体に接合されるようになっている。

　また、香味吸引器１Ｃは、開閉チャック部４０、スプリング保持管４２Ｃ、操作部４８、Ｏリング４９、第１中空管５２、第２中空管５３等を有している。第１中空管５２の前端には、先の尖った先尖部５２０が形成されている。スプリング保持管４２Ｃは、軸方向に沿って中空路が形成された筒状部材であり、その前端側に第１中空管５２及び開閉チャック部４０の夫々の後端側を挿入した状態で固定されるようになっている。図２３示すように、スプリング保持管４２Ｃの軸方向における中央より若干後端寄りの位置に鍔部４２０が設けられている。ここで、スプリング保持管４２Ｃのうち、鍔部４２０よりも前端側の領域を前方領域４２１ａと呼び、鍔部４２０よりも後端側の領域を後方領域４２１ｂと呼ぶ。スプリング保持管４２Ｃにおける前方領域４２１ａと後方領域４２１ｂにおける外径は等しい。また、スプリング保持管４２Ｃの内径は、軸方向に沿って一定である。また、スプリング保持管４２Ｃの前方領域４２１ａの外周面には、リターンスプリング４４が装着される。

　第２中空管５３は、スプリング保持管４２Ｃにおける前方領域４２１ａ及び後方領域４２１ｂと等しい外径及び内径を有する円筒部材である。第２中空管５３における後端側の部位には、操作部４８を取り付けるための凹部５３０が形成されており、操作部４８を螺着することができる。香味吸引器１Ｃは、マウスピース２０Ｃを有する。マウスピース２０Ｃは、その前端開口から第２中空管５３の後端側を挿入した状態で、外筒本体１０１Ｃの後端と一体に接合される。香味吸引器１Ｃを組み立てる際、図２３に示すように、スプリング保持管４２Ｃの前端側には、第１中空管５２及び開閉チャック部４０の後端部が同軸状に挿入された状態で、第１中空管５２及び開閉チャック部４０がスプリング保持管４２Ｃに接合される。また、スプリング保持管４２Ｃ及び第２中空管５３が一体に接合される。このようにして、各種部品を外筒本体１０１Ｃ及びテーパ筒部１０２Ｃ内に組み付けた状態で、外筒本体１０１Ｃの前端側にテーパ筒部１０２Ｃを接合すると共に外筒本体１０１Ｃの後端側にマウスピース２０Ｃを接合する。その後、外筒本体１０１Ｃの長穴１０１０を通じて外側から操作部４８を第２中空管５３の凹部５３０に螺着することで、香味吸引器１Ｃの組み立てが完了する。また、図２３に示すように、香味吸引器１Ｃの組み立て後において、開閉チャック部４０は、テーパ筒部１０２Ｃの内周側に配置されている。

　以上のように構成された香味吸引器１Ｃは、操作部４８をノック操作することで香味源ユニット３０の装着及びその解除を行うことができる。但し、実施形態１及び２に係るボールペン式ノック機構とは異なり、本実施形態に係る香味吸引器１Ｃにおいては、バネ式ノック機構を採用している。図１９は、操作部４８がリターン位置にあるときの香味吸引器１Ｂを示している。一方、図２０は、操作部４８がリターン位置から前方に押し込まれたプッシュ位置にあるときの香味吸引器１Ｃを示している。

　香味吸引器１Ｃに香味源ユニット３０を装着する際には、図１９に示すようにリターン位置にある操作部４８をリターンスプリング４４の付勢力に抗してノックする第１操作を行う。上記のように、香味吸引器１Ｃは、スプリング保持管４２Ｃの後端側に第２中空管５３が一体に接合され、スプリング保持管４２Ｃの前端側に第１中空管５２及び開閉チャック部４０が同軸状かつ一体に接合され、これら全体がリターンスプリング４４の弾性力によって軸方向後端側に向かって常時付勢されている。ここで、使用者が、リターン位置にあるマウスピース２０Ｂをリターンスプリング４４の付勢力に抗してノック操作（第１操作）がなされると、リターンスプリング４４が縮まることで、スプリング保持管４２Ｃ、第１中空管５２、第２中空管５３、及び開閉チャック部４０が前方に押し込まれる。

　その際、開閉チャック部４０は、把持部４０１のテーパ外面４０１０がテーパ筒部１０２のテーパ内周面１０２１（図２３を参照）に沿って摺動しながら開閉チャック部４０が軸方向前方に変位するため、開閉チャック部４０の把持部４０１を閉じる方向に締め付けていたテーパ内周面１０２１による締め付けが緩和され、把持部４０１が開放される。従って、開閉チャック部４０は把持部４０１を開放させながら第１中空管５２と一緒に軸方向前端側に向かって変位する。これにより、図１９に示されるようなリターン位置に操作部４８が保持されていた場合に比べて、テーパ筒部１０２の前端部からの開閉チャック部４０の突出量が増える。

　なお、図２０に示されるように操作部４８がプッシュ位置まで押し込まれた状態での開閉チャック部４０の把持部４０１の開き度合いは、香味吸引器１Ｃを香味源ユニット３０に上方から押し付けた際に、把持部４０１における係止部４０１１に耐熱容器３１の被係止部３１ｄを嵌合させることができるように調整されている。使用者は、操作部４８を指でプッシュ位置に保持した状態で、香味吸引器１Ｃを香味源ユニット３０に接近させ、第１中空管５２の先端に設けられた先尖部５２０を密封フィルム３３に突き刺すことで、香味源ユニット３０（香味源３２）を開封する。そして、開閉チャック部４０の把持部４０１における係止部４０１１に耐熱容器３１の被係止部３１ｄを係止した状態で、使用者は操作部４８を保持する指の力を緩める。その結果、リターンスプリング４４の付勢力（弾性力）によって、操作部４８がプッシュ位置からリターン位置に向かって戻る。

　上記のように操作部４８をプッシュ位置に保持している指の力を緩めると、スプリング保持管４２Ｃ、第１中空管５２、第２中空管５３、及び開閉チャック部４０が軸方向後端側に向けて後退する。その際、開閉チャック部４０における把持部４０１のテーパ外面４０１０が、テーパ筒部１０２Ｃのテーパ内周面１０２１上を摺動させながら後方に変位するため、開閉チャック部４０の把持部４０１が閉じられる（図１９、図２３等を参照）。その結果、操作部４８がリターン位置に戻り、開閉チャック部４０に香味源ユニット３０を把持した状態が維持される。香味吸引器１Ｃに香味源ユニット３０を装着した状態では、上述までの実施形態と同様、香味源ユニット３０における耐熱容器３１をライターの火などによって炙り、香味源３２を加熱することで香味エアロゾルを喫煙することができる。

　そして、喫煙後において香味吸引器１Ｃから香味源ユニット３０を取り外す場合、使用者は、リターン位置にある操作部４８をリターンスプリング４４の付勢力に抗して再びノックする第２操作を行う。そうすると、再び開閉チャック部４０は把持部４０１を開放させつつ軸方向前方に変位する。そのため、開閉チャック部４０の把持部４０１による耐熱容器３１の被係止部３１ｄの係止が解除されることで、香味源ユニット３０が香味吸引器１Ｃの開閉チャック部４０から離脱する。例えば、自重によって香味源ユニット３０が落下することで、香味源ユニット３０を香味吸引器１Ｃの開閉チャック部４０から取り外すことができる。

　以上のように、本実施形態における香味吸引器１Ｃによれば、香味源ユニット３０の装着、香味源３２の開封、及び香味吸引器１Ａからの香味源ユニット３０の取り外しという全ての操作を、香味源ユニット３０に触れることなく片手で簡単に行うことができる。

　以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、可能な限り実施形態を組み合わせて実施することができる。

１Ａ，１Ｂ，１Ｃ・・・香味吸引器
１０・・・ケーシング
２０・・・マウスピース
３０・・・香味源ユニット
３１・・・耐熱容器
３２・・・香味源
３３・・・密封フィルム
４０・・・開閉チャック部
４１・・・中空管
４３・・・先尖部
４６・・・回転子
４７・・・ノック棒
１０１・・・外筒本体
１０２・・・テーパ筒部
４０１・・・把持部
４１０・・・通気口

Claims (11)

1. 　香味源から放出された香味を吸引するための香味吸引器であって、
   　使用者によって操作される操作部と、
   　前記操作部に対する第１操作に連動して前記香味源を含む香味源ユニットを把持し、前記操作部に対する第２操作に伴い前記香味源ユニットの把持を解除する着脱手段と、
   　を備える、香味吸引器。
2. 　前記着脱手段は、前記香味源ユニットを把持する把持部を有する開閉チャック部を含み、
   　前記開閉チャック部は、前記把持部を開閉することで前記香味源ユニットの把持及びその解除が可能である、
   　請求項１に記載の香味吸引器。
3. 　前記着脱手段に把持された状態で密封された前記香味源ユニットを開封する開封手段を更に備える、
   　請求項１又は２に記載の香味吸引器。
4. 　前記香味吸引器のケーシングは、後端側にマウスピースが設けられた筒状の外筒本体を有し、
   　前記外筒本体内には、前記香味源から放出された香味を前記マウスピースまで輸送する香味流路が軸方向に沿って延設され、
   　前記香味流路は、前記ケーシング内に軸方向に延設される中空管の内部に形成される中空路を含み、
   　前記中空管における先端側の側面には、前記香味源から放出された香味を前記中空路に取り入れる通気口が形成されている、
   　請求項１から３の何れか一項に記載の香味吸引器。
5. 　前記中空管における先端側には先尖形状を有する先尖部が形成されており、
   　前記着脱手段が前記香味源ユニットを把持する際に、前記先尖部が前記香味源を突き刺すことで当該香味源が開封される、
   　請求項４に記載の香味吸引器。
6. 　前記中空管は、前記外筒本体の軸方向に沿って所定範囲内でスライド自在に設けられ、
   　前記操作部は、前記中空管の側面から突出して設けられると共に、前記外筒本体に貫通形成された長穴を通じて前記外筒本体の外部に露出している、
   　請求項４又は５に記載の香味吸引器。
7. 　前記香味源ユニットは、前記香味源を密封する密封フィルムを更に含む、
   　請求項１から６の何れか一項に記載の香味吸引器。
8. 　前記香味源ユニットは、前記香味源と一体に設けられた燃焼型熱源を更に含む、
   　請求項１から７の何れか一項に記載の香味吸引器。
9. 　前記香味源ユニットは、前記香味源を収容する耐熱容器を更に含む、
   　請求項１から８の何れか一項に記載の香味吸引器。
10. 　請求項１から９の何れか一項に記載の香味吸引器に装着する香味源ユニットを収容する収容ケースであって、
    　未使用の前記香味源ユニットを収容すると共に、上部に開口端を有する収容部を備え、
    　前記収容部には、前記香味源ユニットの上端側に形成されると共に前記香味吸引器への装着時に係止される被係止部が前記開口端側に面するように前記香味源ユニットが収容されている、
    　香味源ユニットの収容ケース。
11. 　請求項１から９の何れか一項に記載の香味吸引器に装着する香味源ユニットの収容部付き吸い殻入れであって、
    　前記香味源ユニットの吸い殻を収容するための吸い殻廃棄部と、
    　前記吸い殻廃棄部の上端に形成される吸い殻投入口の周囲に形成される上方縁部に形成され、前記香味源ユニットを保持する収容凹部と、
    　を備え、
    　前記収容凹部には、前記香味源ユニットの上端側に形成されると共に前記香味吸引器への装着時に係止される被係止部が上方を向くように前記香味源ユニットが収容されている、
    　香味源ユニットの収容部付き吸い殻入れ。

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