WO2013031276A1

WO2013031276A1 - 内視鏡用撮像ユニット

Info

Publication number: WO2013031276A1
Application number: PCT/JP2012/059099
Authority: WO
Inventors: 達也大丸
Original assignee: Olympus Medical Systems Corp
Current assignee: Olympus Medical Systems Corp
Priority date: 2011-08-30
Filing date: 2012-04-03
Publication date: 2013-03-07
Anticipated expiration: 2014-02-28

Abstract

　内視鏡用撮像ユニット３０は、内視鏡２の挿入部９の先端部６に内蔵され、前方側で対物光学系３１を保持する固定枠３２と、固定枠３２の後方側に配設され、対物光学系３１によって被検体像が結像される受光部３６を備えた撮像部３５と、先端部６に配設された照明部２３と撮像部３５との間に設けられ、照明部２３の端部と受光部３６の角部を結ぶ接線Ａ,Ｂ上に位置するように設けられ、受光部３６へ照明部２３の迷光を遮光する遮光部３８と、を備えて、照明光による固体撮像素子へのフレアなどの光害を確実に防止すると共に、組立性の低下および挿入部の先端部の大型化を防止する。

Description

内視鏡用撮像ユニット

　本発明は、内視鏡用撮像ユニットに関し、特に受光部に照明光が入射して生じるフレアなどを防止した内視鏡用撮像ユニットに関する。

　医療分野、及び工業分野において、内視鏡が広く利用されている。従来の内視鏡では、イメージガイドなどが用いられ、ユーザが覗き込む接眼部にて、患者の体腔内、又はジェットエンジン内部等を観察できるものが主流であった。

　これに対して、近年の内視鏡は、撮像ユニットが組込まれ、被検対象物を外部モニタなどの表示装置に内視鏡画像として表示する電子内視鏡装置が登場している。このような電子内視鏡には、照明手段として、光源装置からの照明光を伝送するライトガイドバンドルが用いられている。なお、内視鏡は、照明手段として、ＬＥＤ光源が用いられる場合がある。

　例えば、日本国特開２００４－１４１３３５号公報には、ライトガイドバンドル折れなどが生じることで、迷光が撮像ユニットの固体撮像素子に直接入射することを防止した内視鏡が開示されている。この従来の内視鏡は、遮光材料となる支持体に固体撮像素子の入射面の周囲を覆う枠体を有して、ライトガイドバンドルからの迷光が撮像ユニットの固体撮像素子に直接入射することを防止した構成となっている。

　しかしながら、日本国特開２００４－１４１３３５号公報のような従来の内視鏡では、ライトガイドバンドルからの迷光を防止する枠体が固体撮像素子の周囲を覆っているため、この枠体を配置するスペースが必要となり、撮像ユニットが配設される挿入部の先端部が大径化するという課題があった。つまり、特許文献１の内視鏡は、挿入部の先端部の細径化を阻害してしまうという問題があった。

　また、先端部内において、部分的にアルミ箔や接着剤層によって、ライトガイドバンドルからの迷光を固体撮像素子へ遮光する構成にすると、組立性の低下や、組立バラツキなどにより光漏れが生じる可能性があるという課題がある。

　そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、照明光による固体撮像素子へのフレアなどの光害を確実に防止すると共に、組立性の向上および挿入部の先端部の細径化を実現可能な内視鏡用撮像ユニットを提供することを目的とする。

　本発明における一態様の内視鏡用撮像ユニットは、内視鏡の挿入部の先端部に内蔵される内視鏡用撮像ユニットであって、前方側で対物光学系を保持する固定枠と、前記固定枠の後方側に配設され、前記対物光学系により被検体像が結像される受光部を備えた撮像部と、前記先端部に配設された照明部と前記撮像部との間に設けられ、前記照明部の長手方向に直交する断面における端部と前記受光部の角部を結ぶ接線上に位置するように設けられ、前記受光部へ前記照明部の迷光を遮光する遮光部と、を備えている。

第１の実施の形態に係る内視鏡の全体構成図同、内視鏡の先端部の構成を示す断面図同、図２のＩＩＩ－ＩＩＩ線断面図同、変形例の内視鏡の先端部の断面図第２の実施の形態に係る内視鏡の先端部の構成を示す断面図同、図５のＶＩ－ＶＩ線断面図同、図５のＶＩＩ－ＶＩＩ線断面図第３の実施の形態に係る処置具チャンネルなどの内蔵物を有する内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図同、第１の変形例の内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図同、第２の変形例の内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図同、第３の変形例の内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図第１の参考例に係る内視鏡の先端部の構成を示す断面図同、図１２のＸＩＩＩ－ＸＩＩＩ線断面図第２の参考例に係る内視鏡の先端部の構成を示す断面図同、図１４のＸＶ－ＸＶ線断面図第３の参考例に係る内視鏡の先端部の構成を示す断面図同、図１６とは異なる位置の内視鏡の先端部の構成を示す断面図第４の参考例に係る内視鏡の先端部の構成を示す断面図第５の参考例に係る内視鏡の先端部の構成を示す断面図

　以下、本発明である内視鏡装置について説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。

　なお、以下の構成説明における内視鏡は、生体の上部または下部の消化器官に挿入するため挿入部が可撓性のある所謂軟性鏡を例に挙げて説明するが、これに限定されることなく、外科用に用いられる挿入部が硬質な所謂硬性鏡にも適用できる技術である。

（第１の実施の形態）
　先ず、図面に基づいて本発明の第１の実施の形態を説明する。図１から図４は本発明の第１の実施の形態に係り、図１は内視鏡の全体構成図、図２は内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図３は図２のＩＩＩ－ＩＩＩ線断面図、図４は変形例の内視鏡の先端部の断面図である。

　図１に示すように、本実施の形態の電子内視鏡システム１は、内視鏡２と、光源装置３と、ビデオプロセッサ４と、モニタ５と、から主に構成されている。

　内視鏡２は、長尺で細長な挿入部９と、操作部１０と、電気ケーブルであるユニバーサルケーブル１７と、を有して構成されている。内視鏡２の挿入部９は、先端から順に先端部６と、湾曲部７と、可撓管部８と、を有して構成されている。

　また、操作部１０は、操作部本体１１と、この操作部本体１１および挿入部９の可撓管部８の一端の間に設けられた折れ止め部に配置され、挿入部９に配設される各種処置具を挿通する処置具チャンネルの開口部である処置具チャンネル挿通部１８と、を有して構成されている。

　操作部本体１１には、挿入部９の湾曲部７を湾曲操作するための湾曲操作ノブ１４が回動自在に配設されると共に、各種内視鏡機能のスイッチ類等が設けられている。尚、湾曲操作ノブ１４は、湾曲部７を上下方向に湾曲操作するためのＵＤ湾曲操作ノブ１２と、湾曲部７を左右方向に湾曲操作するためのＲＬ湾曲操作ノブ１３と、が重畳するように配設されている。

　操作部１０から延設されたユニバーサルケーブル１９は、延出端に光源装置３と着脱自在な内視鏡コネクタ１９ａを有している。尚、本実施の形態の内視鏡２は、ユニバーサルケーブル１９、操作部１０および挿入部９に配設された照明手段としての照明部であるライトガイドバンドル２３（図２および図３参照）によって、光源装置３から先端部６まで照明光を伝送するものである。また、内視鏡コネクタ１９ａは、コイル状のコイルケーブル２０が延設しており、このコイルケーブル２０の延出端にビデオプロセッサ４と着脱自在な電気コネクタが設けられている。

　ビデオプロセッサ４は、内視鏡画像を表示するモニタ５と電気的に接続され、内視鏡２の後述する撮像手段としての撮像部である内視鏡用撮像ユニット３０によって光電変換された撮像信号を信号処理して、画像信号としてモニタ５に出力する。なお、電子内視鏡システム１は、図示しないが、内視鏡２の挿入部９の先端部６から空気、及び水を噴出する送気送水機能が光源装置３に設けられている。

　次に、内視鏡２の挿入部９の先端部６の内部構成について、図２および図３に基づいて、以下に説明する。

　図２および図３に示すように、内視鏡２の挿入部９の先端部６は、金属製または硬質樹脂製のフレーム部となる先端硬性部２１を有して、主に外形が形成されている。

　先端硬性部２１は、先端平面部に光源装置３から伝送された照明光を被検体に向けて照射する照明窓である、ここでは２つの照明レンズ２２が設けられている。つまり、照明光は、光源装置３内の光源から発光され、ライトガイドバンドル２３により、内視鏡２内に伝送され、照明レンズ２２を介して、被検体に照射される。このライトガイドバンドル２３は、先端硬性部２１内に挿通配置され、先端が照明レンズ２２を臨むように断面略三日月状に形成されており、先端硬性部２１内で固着されている。

　また、先端硬性部２１には、本実施の形態の内視鏡用撮像ユニット（以下、単に撮像ユニットという）３０が内蔵されている。

　この撮像ユニット３０は、対物光学系である対物レンズ群３１と、この対物レンズ群３１を保持する固定枠である略管状のレンズ枠３２と、このレンズ枠３２の後方に保持されたカバーガラス３３と、このカバーガラス３３に光学接着剤により固着された撮像手段（撮像部）の固体撮像素子３５と、この固体撮像素子３５と電気的に接続された撮像基板３７と、を有して主に構成されている。

　対物レンズ群３１は、観察窓である最先端の第１の対物レンズ３１ａと、この対物レンズ３１ａの後方にレンズ枠３２の中途で保持された第２の対物レンズ３１ｂと、を有して構成されている。なお、レンズ枠３２は、先端硬性部２１の先端平面と第１の対物レンズ３１ａの表面が同一面内に配置されるように固着されている。

　撮像ユニット３０は、対物レンズ群３１に入光する光軸Ｏの撮影光（被写体像）が固体撮像素子３５の受光部３６で結像されるようになっている。この固体撮像素子３５は、撮影光を光電変換して、被写体の撮像データを撮像基板３７に出力する。この撮像基板３７は、撮像データを適正に電気的に処理して、電気的に接続された通信ケーブル（不図示）に出力する。この通信ケーブルは、内視鏡２に挿通配置され、外部機器であるビデオプロセッサ４と、内視鏡コネクタ１９ａから延出したコイルケーブル２０に設けられた電気コネクタを介して電気的に接続される。

　ところで、本実施の形態の撮像ユニット３０は、レンズ枠３２の両側端部分の後方部に遮光手段としての遮光部である２つの鍔部３８が固体撮像素子３５の受光部３６の受光面よりも所定の距離Ｌだけ後方に延出するように配設されている（図２参照）。換言すると、２つの鍔部３８のそれぞれは、固体撮像素子３５の対向する側面にラップ、すなわち投影した領域に受光部３６の表面位置（受光面の位置）が対向配置されるように、受光部３６から所定の距離Ｌだけ後方に延設されている。

　そして、これら２つの鍔部３８は、平板状をしており、カバーガラス３３および固体撮像素子３５の側面と対向する平面との隙間に接着剤３９が充填固着されている。なお、この接着剤３９は、黒色で非光透過性のものが使用されている。また、２つの鍔部３８は、それぞれ先端部６の外方側の面がライトガイドバンドル２３に対向しており、ここでは少なくとも固体撮像素子３５の受光部３６の側辺部に上下端を越える所定の高さＨが設定されている。

　以上のように構成された撮像ユニット３０は、固体撮像素子３５の受光部３６の上端角部よりも２つの鍔部３８の上端がライトガイドバンドル２３の上端よりも上方に位置すると共に、固体撮像素子３５の受光部３６の下端角部よりも２つの鍔部３８の下端がライトガイドバンドル２３の下端よりも下方に位置するように構成されている。

　つまり、撮像ユニット３０は、２つのライトガイドバンドル２３の断面における上下端と、これら上下端に対して遠方側の固体撮像素子３５の受光部３６の上下角部を結ぶ接線Ａ,Ｂ上に２つの鍔部３８が少なくとも位置して通過するように、２つの鍔部３８の所定の高さＨが設定されている。これに加え、撮像ユニット３０は、固体撮像素子３５の受光部３６が２つの鍔部３８が上述したように固体撮像素子３５の受光部３６の表面（受光面）よりも所定の距離Ｌだけ後方に延出するように配設されているため、受光部３６が２つの鍔部３８によって遮光される位置に配置されることになり２つのライトガイドバンドル２３からの迷光が入射することが防止された構成となっている。また、上述した如く接着剤３９は、黒色で非光透過性のものが使用されているため、鍔部３８の後端側から進入してカバーガラス３３の後面で反射したり、カバーガラス３３内に進入して拡散し、最終的に受光部３６の表面に入射しようとする迷光Ｆ（図２参照）は、この接着剤３９によって遮光が可能である。仮に、この迷光Ｆが接着剤３９の層を通過することができたと仮定しても、該接着剤３９を通過した光であること、そしてカバーガラス３３の後面で反射する光であることから、受光部３６に入射する際は極めて微弱な光となり、受光部３６に与えるフレア等の影響も極力抑えることが可能である。

　以上の説明から、本実施の形態の撮像ユニット３０は、照明光による固体撮像素子へのフレアなどの光害を確実に防止される。さらに、撮像ユニット３０は、固体撮像素子３５の周囲を鍔部３８で囲むのではなく、受光部３６とライトガイドバンドル２３との間にのみ鍔部３８を配置しているため、先端硬性部２１内の無駄なスペースを必要とせず、先端部６の細径化が実現できる。そして、撮像ユニット３０は、レンズ枠３２に一体形成した２つの鍔部３８で２つのライトガイドバンドル２３に対して固体撮像素子３５の受光部３６を遮光する構成であるため、部分的にアルミ箔や接着剤層によって遮光する構成に比して、組立性の低下や、組立バラツキなどによるライトガイドバンドル２３からの光漏れが生じることもなく、確実に遮光できる構成となっている。

　なお、ライトガイドバンドル２３は、断面略三日月状の構成に限定されることなく、例えば、図４に示すように、断面円形状の構成でも良い。

　具体的には、撮像ユニット３０は、固体撮像素子３５の受光部３６の上端角部よりも２つの鍔部３８の上端がライトガイドバンドル２３の上端よりも上方に位置すると共に、固体撮像素子３５の受光部３６の下端角部よりも２つの鍔部３８の下端がライトガイドバンドル２３の下端よりも下方に位置するように構成されている。

　つまり、撮像ユニット３０は、上述したように、２つの鍔部３８の所定の高さＨが断面円形の２つのライトガイドバンドル２３の上下端と、これら上下端に対して遠方側の固体撮像素子３５の受光部３６の上下角部を結ぶ接線Ａ,Ｂ上に２つの鍔部３８が位置して通過するように設定されており、２つの鍔部３８が固体撮像素子３５の受光部３６の表面よりも所定の距離Ｌだけ後方に延出するように配設されていれば良い。これにより、撮像ユニット３０は、２つの鍔部３８をライトガイドバンドル２３からの迷光を遮光する位置に配置することにより、先端部６を大型化することなく、２つのライトガイドバンドル２３からの迷光が受光部３６に入射することを防止した構成となる。

（第２の実施の形態）
　次に、図５から図７に基づいて、第２の実施の形態について説明する。この実施の形態は第１の実施の形態の変形例であって、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。図５から図７は本発明の第２の実施の形態に係り、図５は内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図６は図５のＶＩ－ＶＩ線断面図、図７は図５のＶＩＩ－ＶＩＩ線断面図である。

　本実施の形態の撮像ユニット３０は、図５および図６に示すように、光軸Ｏを有する撮影光を反射して方向を変更するプリズム４１を備え、このプリズム４１によって反射した撮影光が下方側に配置された固体撮像素子３５の受光部３６に入射する構成となっている。なお、プリズム４１は、保護ガラス４２が反射面４１ａに貼着されており、反射面４１ａが保護された構成となっている。

　ここでの撮像ユニット３０のレンズ枠３２は、両側端部分の後方部に遮光手段（遮光部）である２つの鍔部４３が固体撮像素子３５の受光部３６の表面にラップするように下方側に延設する所定の高さＨが設定されている。これら２つの鍔部４３は、第１の実施の形態と同様に平板状をしており、ここではプリズム４１および保護ガラス４２の側面と対向する平面との隙間に接着剤３９が充填固着されている。なお、２つの鍔部３８は、ここでも、それぞれ先端部６の外方側の面が断面略三日月状のライトガイドバンドル２３に対向している。

　本実施の形態の２つの鍔部４３は、それぞれが対向するプリズム４１の反射面４１ａにラップするように所定の距離ｄを有して後方側に延設されている。また、ここでの撮像ユニット３０は、２つのライトガイドバンドル２３の上下端と、これら上下端に対して近接する固体撮像素子３５の受光部３６の左右角部を結ぶ接線Ｃと、が２つの鍔部４３を通過するように、２つの鍔部４３の所定の高さＨが設定されている。

　以上から、撮像ユニット３０は、第１の実施の形態に記載した効果を奏し、光軸Ｏを有する撮影光がプリズム４１に反射された構成であっても、下方側に配設される固体撮像素子３５の受光部３６が２つの鍔部４３によって２つのライトガイドバンドル２３からの迷光を遮光する位置に配置することにより、先端部６を大型化することなく、これら２つのライトガイドバンドル２３からの迷光が受光部３６に入射することを防止した構成となっている。

（第３の実施の形態）
　次に、図８から図１１に基づいて、第３の実施の形態について説明する。この実施の形態は第１の実施の形態の変形例であって、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。図８から図１１は本発明の第３の実施の形態に係り、図８は処置具チャンネルなどの内蔵物を有する内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図、図９は第１の変形例の内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図、図１０は第２の変形例の内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図、図１１は第３の変形例の内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図である。

　図８に示すように、本実施の形態の内視鏡２は、先端部６に、例えば、処置具チャンネル５１が挿通配置されており、撮像ユニット３０のレンズ枠３２に一体形成される遮光手段（遮光部）である鍔部４５が断面コの字状に形成されて、断面略三日月状のライトガイドバンドル２３からの迷光が遮光する構成となっている。

　詳述すると、鍔部４５は、先端部６の先端硬性部２１の空間内の処置具チャンネル５１に対向する固体撮像素子３５の一側部および固体撮像素子３５の上下端を連続的に覆うように断面コの字状の形状となっている。この鍔部４５は、２つのライトガイドバンドル２３の端部と、固体撮像素子３５の受光部３６の角部を結ぶ接線Ｄが通過するように設定されている。

　以上のような構成としても、撮像ユニット３０は、第１の実施の形態に記載した効果を奏し、先端硬性部２１の空間内に処置具チャンネル５１などの内蔵物が挿通配置された構成であっても、下方側に配設される固体撮像素子３５の受光部３６が断面コの字状の鍔部４５によって２つのライトガイドバンドル２３からの迷光を遮光する位置に配置することにより、先端部６を大型化することなく、これら２つのライトガイドバンドル２３からの迷光が入射することが防止される。

（第１の変形例）
　なお、図９に示すように、２つのライトガイドバンドル２３の端部と、固体撮像素子３５の受光部３６の角部を結ぶ接線Ｄが通過するように、撮像ユニット３０のレンズ枠３２に一体形成される遮光手段（遮光部）である板状の鍔部４６を２つ形成しても良い。

（第２の変形例）
　また、２つのライトガイドバンドル２３が断面円形状であった場合、図１０に示すように、撮像ユニット３０のレンズ枠３２に一体形成される遮光手段（遮光部）である鍔部４７を２つの断面Ｌ字状となるように切り欠き部４７ａを形成して、この切り欠き部４７ａを利用して内蔵物である処置具チャンネル５１の収容スペースを確保して、先端部６を大型化することなの構成としても良い。

　なお、先端硬性部２１の内部空間において、切り欠き部４７ａが形成された鍔部４７の２つの端部と、これら２つの端部に近接する固体撮像素子３５の受光部３６の２つの角部を対角状に結ぶ２本の接線Ｄによって囲まれた領域α内に２つのライトガイドバンドル２３を配置しなければ、２つのライトガイドバンドル２３からの迷光が入射することが防止できる構成となる。

（第３の変形例）
　さらに、２つのライトガイドバンドル２３が断面円形状であった場合、図１１に示すように、ライトガイドバンドル２３の迷光の指向性に応じて、各ライトガイドバンドル２３の端部と、固体撮像素子３５の受光部３６の角部を結ぶ接線Ｅが通過する位置に応じて、板状の鍔部４６を複数、ここでは２つを撮像ユニット３０のレンズ枠３２に一体形成しても良い。

（参考例）
　以下、図１２から図１９に基づき、参考例を記載する。

　なお、図１２および図１３は、第１の参考例に係り、図１２は内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図１３は図１２のＸＩＩＩ－ＸＩＩＩ線断面図、図１４および図１５は第２の参考例に係り、図１４は内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図１５は図１４のＸＶ－ＸＶ線断面図、図１６および図１７は第３の参考例に係り、図１６は内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図１７は図１６とは異なる位置の内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図１８は第４の参考例に係る内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図１９は第５の参考例に係る内視鏡の先端部の構成を示す断面図である。

（第１の参考例）
　図１２および図１３に示すように、本参考例の内視鏡２は、先端部６の先端硬性部２１を非導電性の硬質樹脂で形成し、この先端硬性部２１の後方に連設するゴムなど樹脂パイプ２４と、この樹脂パイプ２４の内面に配設された金属パイプ２５が設けられている。

　また、ここでの先端硬性部２１は、上下に延設された２つの突起部３４を備えている。これら突起部３４は、金属パイプ２５に非接触で近接するように上下に延設されており、金属パイプ２５との離間距離ｇは、例えば、およそ０．２ｍｍ程度に設定されている。

　以上のように構成された本変形例の内視鏡１は、先端硬性部２１からの静電気が２つの突起部３４を介して金属パイプ２５に放電される。そして、印加された電荷は、金属パイプ２５や湾曲部７の湾曲管から可撓管部８のシールドを伝って、ビデオプロセッサ４のＧＮＤに安全に流れる構成となっている。これにより、内視鏡１は、先端部６内の電気的構成、この例では固体撮像素子３５の方へ静電気が放電しづらい構成とすることができる。

（第２の参考例）
　図１４に示すように、本参考例の内視鏡２は、撮像ユニット３０に延設される撮像ケーブル６３の先端部分まで固体撮像素子３５および電子部品が実装された撮像基板３７の周囲を覆う２つの第１および第２の接着剤層６１，６２が設けられている。

　内方側の第１の接着剤層６１は、蒸気透過性が高く固化したときに硬質となる接着剤が用いられ、この第１の接着剤層６１の周囲を覆う第２の接着剤層６２は蒸気透過性が低く固化したときに第１の接着剤層６１よりも軟質となる接着剤が用いられている。また、ここでのカバーガラス３３を介して固体撮像素子３５を固定保持する固定枠のレンズ枠３２は、ＰＥＥＫなどの樹脂部材、セラミックなど焼結部材により形成されている。

　このように、撮像ユニット３０は、固体撮像素子３５および電子部品が実装された撮像基板３７の周囲に蒸気透過性の異なる２つの第１および第２の接着剤層６１，６２によって、蒸気の侵入を低減している。

　なお、撮像ケーブル６３は、図１５に示すように、外皮６４の内方に２重の総合シールド６５，６６が設けることで、内部の信号栓から放射される電磁波を防ぐことができ、ＥＭＣ耐性を向上させることが可能となる。また、２重の総合シールド６５，６６は、先端外周部分が軟導線６５ａで絡げられて固定されている。

（第３の参考例）
　図１６および図１７に示すように、本参考例の内視鏡２は、撮像ユニット３０の先端硬性部２１の後方外周部分にニッケルなどから形成した管状の補強枠６７ａを設け、この補強枠６７ａの周囲を第１の絶縁チューブ６７が被覆するよう構成されている。さらにこの第１の絶縁チューブ６７の後端は、１ｍｍほど、撮像ケーブル６３の先端外周部を覆う第２の絶縁チューブ６８の先端外側に重畳するように被覆されている。すなわち本参考例の内視鏡２の撮像ユニット３０は、挿入部９の長手方向に２分割された絶縁熱収縮チューブを有している。

　先端側の第１の絶縁チューブ６７は、第２の絶縁チューブ６８よりも肉厚が薄く、基端側の第２の絶縁チューブ６８よりもガラス転移点が低く設定されている。これにより、組み立て時に固体撮像素子３５への熱負荷が低減でき、撮像ユニット３０の基端側で応力が加わり易い部分にはより安定的な絶縁チューブを使用できることから、挿入部先端の細径化が可能となる。

　そして、撮像ユニット３０は、撮像基板３７に実装された電子部品３７ａおよび撮像ケーブル６３の総合シールド６５に架設された例えば、グラファイトシートの高熱伝導性部材７０が設けられている。この高熱伝導性部材７０は、先端部分が電子部品３７ａに基端部分が総合シールド６５に面接触するように設けられ、電子部品３７ａで発生する熱を総合シールド６５を介して内視鏡挿入部の基端側へ導くことで放熱できる。よって電気特性に優れる撮像ユニット３０を得ることが可能となる。

（第４の参考例）
　図１８に示すように、本参考例の内視鏡２は、撮像ユニット３０の先端硬性部２１を硬質樹脂から形成し、この先端硬性部２１の中途外周部に嵌合する管状の絶縁管７１が固体撮像素子３５および撮像基板３７にラップするように配設されている。この絶縁管７１は、オートクレーブ滅菌などのリプロセスの温度よりガラス転移点が高い素材であるポリイミドチューブなどから形成されている。

　このような構成により、内視鏡１は、先端部６において固体撮像素子３５および撮像基板３７が保持される樹脂性の先端硬性部２１および絶縁管７１により先端側と基端側を絶縁構造とすることができ、小型でより絶縁性に優れた撮像ユニット３０が提供可能となる。

（第５の参考例）
　図１９に示すように、本参考例の内視鏡２は、撮像ユニット３０の固体撮像素子３５および撮像基板３７を第１の接着剤層７２で覆い、この第１の接着剤層７２の周囲に絶縁チューブ７３が設けられている。この絶縁チューブ７３は、補強枠６７ａの内側に配設され、周囲に第２の接着剤層７４が固化されている。このような硬性としても、先端部６において固体撮像素子３５および撮像基板３７を絶縁した構造とすることができる。

　以上の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態および変形例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。

　例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出される得るものである。

　本出願は、２０１１年８月３０日に日本国に出願された特願２０１１－１８７８３８号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の内容は、本願明細書、請求の範囲、および図面に引用されたものである。

Claims

　内視鏡の挿入部の先端部に内蔵される内視鏡用撮像ユニットであって、
　前方側で対物光学系を保持する固定枠と、
　前記固定枠の後方側に配設され、前記対物光学系により被検体像が結像される受光部を備えた撮像部と、
　前記先端部に配設された照明部と前記撮像部との間に設けられ、前記照明部の長手方向に直交する断面における端部と前記受光部の角部を結ぶ接線上に位置するように設けられ、前記受光部へ前記照明部の迷光を遮光する遮光部と、
　を備えたことを特徴とする内視鏡用撮像ユニット。
　前記遮光部は、前記固定枠の後方に延出するように一体形成され、前記受光部の受光面よりも所定の距離だけ後方に延設していることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡用撮像ユニット。
　前記対物光学系から撮像光を屈折反射するプリズムが前記固体撮像素子に接合され、
　前記遮光部は、前記固定枠に一体形成されて、前記プリズムの反射面よりも後方に延出すると共に、前記受光部の受光面よりも所定の距離だけ下方に延設していることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡用撮像ユニット。
　内視鏡の挿入部の先端部に内蔵される内視鏡用撮像ユニットであって、
　前方側で対物光学系を保持する固定枠と、
　前記固定枠の後方側に配設され、前記対物光学系により被検体像が結像される受光部を備えた撮像手段と、
　前記先端部に配設された照明手段と前記撮像手段との間に設けられ、前記照明手段の長手方向に直交する断面における端部と前記受光部の角部を結ぶ接線上に位置するように設けられ、前記受光部へ前記照明手段の迷光を遮光する遮光手段と、
　を備えたことを特徴とする内視鏡用撮像ユニット。