WO2012001775A1

WO2012001775A1 - 紙幣処理装置、紙幣処理システム及び紙幣処理方法

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Publication number: WO2012001775A1
Application number: PCT/JP2010/061072
Authority: WO
Inventors: 尾崎　博文; 達也菅野; 伊藤　治; 尚司冨谷
Original assignee: Glory Ltd
Current assignee: Glory Ltd
Priority date: 2010-06-29
Filing date: 2010-06-29
Publication date: 2012-01-05
Anticipated expiration: 2012-12-29
Also published as: EP2590147A1; WO2012001775A9; EP2590147A4

Abstract

　ホッパ部（１３）から繰り込まれた紙幣を集積部（１７）又はリジェクト部（１８）に搬送する搬送部（１５）と、搬送部（１５）によって搬送された紙幣の記番号を認識する認識部（２４）と、認識部（２４）による紙幣の記番号認識結果で得た記番号に基づき、サムチェック機能を利用した演算処理を実行し、この紙幣の演算結果が規定値でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定して、当該紙幣をリジェクト部（１８）に搬送すべく、搬送部（１５）を制御する制御部（２５）とを有し、記番号が正しいか否かを確認し、未確認の誤った記番号を使用しての各種処理の不具合を未然に防止できる。

Description

紙幣処理装置、紙幣処理システム及び紙幣処理方法

　本発明は、例えば、紙幣の記番号を認識する機能を備えた紙幣処理装置、紙幣処理システム及び紙幣処理方法に関する。

　従来、投入紙幣の記番号を認識する機能を備えた紙幣処理システムでは、投入紙幣を分類集積する紙幣処理装置と、この紙幣処理装置と接続するサーバ装置とを有するシステムが知られている。紙幣処理装置は、投入紙幣の金種を識別し、その識別結果に基づき、投入紙幣を分類集積する機能を備えている。更に、紙幣処理装置は、投入紙幣の記番号を認識し、その記番号の認識結果をサーバ装置に通知する。

　更に、サーバ装置は、例えば、偽造券の記番号を格納した記番号データベースと接続し、紙幣処理装置から投入紙幣の記番号の認識結果を受信すると、この認識結果で得た記番号を記番号データベースに格納した偽造券の記番号と照合する。サーバ装置は、その照合結果に基づき、投入紙幣が偽造券であるか否かを判定する。そして、サーバ装置は、認識結果で得た記番号が記番号データベース内にある場合、この投入紙幣が偽造券であると判断する。また、サーバ装置は、認識結果で得た記番号が記番号データベース内にない場合、この投入紙幣が偽造券でないと判断する。

　従って、上記従来の紙幣処理システムでは、紙幣処理装置及びサーバ装置と連携して、投入紙幣の記番号に基づき投入紙幣が偽造券であるか否かを識別できる。

特開２００９－１１６７９８号公報（要約書及び図５参照）

　上記従来の紙幣処理システムでは、投入紙幣の記番号を認識し、その認識結果で得た記番号が正しいか否かを事前に確認することなく、正しいとみなし、そのままの未確認の記番号を使用して記番号処理等の各種処理を実行する。しかしながら、上記従来の紙幣処理システムでは、本来、正しい記番号を使用して記番号処理等の各種処理を実行する必要があるにもかかわらず、誤った記番号を使用して各種処理を実行してしまうことで不具合が生じる。

　また、欧州のユーロ紙幣には記番号のチェックサム機能がある。しかしながら、上記従来の紙幣処理システムでは、記番号のチェックサム機能が有効活用されていないのが実情である。

　本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記番号が正しいか否かを確認し、未確認の誤った記番号を使用しての各種処理の不具合を未然に防止できる紙幣処理装置、紙幣処理システム及び紙幣処理方法を提供することにある。

　上記目的を達成するために本発明の紙幣処理装置は、紙幣を受け入れて一枚ずつ繰り込む受入部と、前記紙幣を集積する紙幣集積部と、リジェクト対象の紙幣を集積するリジェクト紙幣集積部と、前記受入部から繰り込まれた前記紙幣を前記紙幣集積部又は前記リジェクト紙幣集積部に搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送された前記紙幣の記番号を認識する認識部と、前記認識部による前記紙幣の記番号認識結果で得た記番号に基づき、所定の演算処理を実行し、この紙幣の演算結果が所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定して、当該紙幣に対する所定処理を実行する制御部とを有するようにした。

　本発明の紙幣処理装置は、前記制御部が、前記紙幣の記番号のチェックサム機能を使用した前記所定の演算処理を実行するようにした。

　本発明の紙幣処理装置は、前記所定の演算処理が、前記紙幣の記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を９で除算して、その剰余を得る演算処理に相当し、前記所定結果が８である。

　本発明の紙幣処理装置は、前記所定の演算処理が、前記紙幣の記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字を含む記番号の全桁の数字の総和を算出し、その算出結果である総和が１桁になるまで全桁の数字の総和を繰り返して算出する演算処理に相当し、前記所定結果が８である。

　本発明の紙幣処理装置は、前記所定の演算処理が、前記紙幣の記番号内のアルファベット文字をアスキー文字コードの１０進数の数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を９で除算して剰余を得る演算処理に相当し、前記所定結果が０である。

　本発明の紙幣処理装置は、前記所定の演算処理が、前記紙幣の記番号内のアルファベット文字をアスキー文字コードの１０進数の数字に置き換え、この置き換えた数字を含む記番号の全桁の数字の総和を９で除算して剰余を得る演算処理に相当し、前記所定結果が０である。

　本発明の紙幣処理装置は、前記制御部が、前記紙幣の記番号内の所定桁の数値を使用して前記所定の演算処理を実行した。

　本発明の紙幣処理装置は、前記制御部が、前記記番号認識結果で得た紙幣の記番号内に認識不可の桁が存在する場合に、当該記番号のチェックサム機能を使用した前記所定の演算処理の逆算処理を実行することで、前記記番号内の認識できた各桁の数字及び前記所定結果に基づき、前記記番号内の前記認識不可の桁の数字を算出するようにした。

　本発明の紙幣処理装置は、前記制御部が、前記所定処理として、前記紙幣を前記リジェクト紙幣集積部に搬送して集積するようにした。

　本発明の紙幣処理装置は、前記制御部が、前記所定処理として、エラー報知するようにした。

　本発明の紙幣処理装置は、前記制御部が、エラー報知として、当該紙幣の記番号を警告表示するようにした。

　本発明の紙幣処理装置は、前記制御部が、前記エラー報知として、当該紙幣が偽造券の疑いがある旨を警告表示するようにした。

　本発明の紙幣処理装置は、前記搬送部によって搬送された前記紙幣の金種を識別する識別部を有し、前記制御部は、前記識別部による当該紙幣の金種識別結果が正常である場合で、かつ、前記所定の演算処理の当該紙幣の演算結果が前記所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定し、当該紙幣の記番号に対して所定の記番号処理を実行するようにした。

　本発明の紙幣処理装置は、前記制御部が、前記紙幣の記番号に対して特定記番号と照合する特定番号チェック処理、前記紙幣の記番号を印字する記番号印字処理、前記紙幣の記番号をデータ保存する記番号データ記憶処理及び、同一紙幣の複数個所の記番号同士を照合する異番号チェック処理の内、少なくとも一つの処理を前記所定の記番号処理として実行するようにした。

　本発明の紙幣処理システムは、紙幣の記番号を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記紙幣の記番号に基づき、所定の演算処理を実行して当該紙幣の演算結果を算出する演算部と、前記演算部による当該紙幣の演算結果が所定結果であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを認定する認定部とを有するようにした。

　本発明の紙幣処理システムは、前記認定部が、前記判定部にて前記紙幣の演算結果が前記所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定すると共に、前記判定部にて前記紙幣の演算結果が前記所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定するようにした。

　本発明の紙幣処理システムは、前記取得部が、前記紙幣の記番号を認識して、その認識結果で得た記番号を取得する認識部と、入力操作に応じて紙幣の記番号を取得する入力部との何れか一方若しくは両方を含むようにした。

　本発明の紙幣処理方法は、紙幣の記番号を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記紙幣の記番号に基づき、所定の演算処理を実行して当該紙幣の演算結果を算出する演算ステップと、前記演算ステップによる当該紙幣の演算結果が所定結果であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを認定する認定ステップとを含むようにした。

　本発明の紙幣処理方法は、前記認定ステップが、前記判定ステップによって前記紙幣の演算結果が前記所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定すると共に、前記判定ステップによって前記紙幣の演算結果が前記所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定するようにした。

　上記のように構成された本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号認識結果で得た記番号に基づき、所定の演算処理を実行し、この紙幣の演算結果が所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定し、当該紙幣に対する所定処理を実行する。その結果、記番号が正しいか否かを確認し、当該紙幣の記番号が誤っている場合には、当該紙幣に対する所定処理を実行するため、未確認の誤った記番号を使用した各種処理の不具合を未然に防止できるという効果を奏する。しかも、本発明の紙幣処理装置では、従来のようにサーバ装置と連携しなくても、記番号が正しいか否かを装置単体で確認し、その確認結果に基づき、当該紙幣に対する所定処理を瞬時に実現できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号のチェックサム機能を使用して所定の演算処理を実行するようにしたので、その演算結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を９で除算し、その剰余が８の場合に、当該紙幣の演算結果が所定結果であると判断した。そして、その判断結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字を含む記番号の全桁の数字の総和を算出し、その算出結果である総和が１桁になるまで全桁の数字の総和を繰り返して算出し、その演算結果が８の場合に、当該紙幣の演算結果が所定結果であると判断した。そして、その判断結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号内のアルファベット文字をアスキー文字コードの１０進数の数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を９で除算し、その剰余が０の場合に、当該紙幣の演算結果が所定結果であると判断した。そして、その判断結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号内のアルファベット文字をアスキー文字コードの１０進数の数字に置き換え、この置き換えた数字を含む記番号の全桁の数字の総和を９で除算し、その剰余が０の場合に、当該紙幣の演算結果が所定結果であると判断した。そして、その判断結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号内の所定桁の数値を使用して所定の演算処理を実行するようにしたので、その演算結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、記番号認識結果で得た紙幣の記番号内に認識不可の桁が存在する場合に、当該記番号のチェックサム機能を使用した所定の演算処理の逆算処理を実行することで、記番号内の認識できた全桁の数字及び所定結果に基づき、記番号内の認識不可の桁の数字を算出する。その結果、記番号認識結果で得た紙幣の記番号内に認識不可の桁が存在したとしても、当該記番号のチェックサム機能を有効活用することで認識不可の桁の数字を特定できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、所定処理として、紙幣をリジェクト紙幣集積部に搬送して集積する。その結果、紙幣の記番号が誤っている場合に、当該紙幣をリジェクト紙幣集積部に瞬時に搬送して集積できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号が誤っている場合にエラー報知する。その結果、ユーザは、エラー報知に基づき、記番号が誤っている旨を認識できるという効果を奏する。

　従って、本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号が誤っている場合に、その紙幣の記番号を警告表示するようにしたので、ユーザは、警告表示に基づき、記番号の内容を瞬時に認識できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号が誤っている場合に、その紙幣が偽造券の疑いがある旨を警告表示するようにしたので、ユーザは、警告表示に基づき、紙幣が偽造券の疑いがある旨を瞬時に認識できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、識別部による紙幣の金種識別結果が正常である場合で、かつ、所定の演算処理の当該紙幣の演算結果が所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定し、当該紙幣の記番号に対して所定の記番号処理を実行する。その結果、紙幣の金種識別結果が正常で、かつ、記番号が正しい場合にのみ、当該紙幣の記番号に対して所定の記番号処理を実行できるため、未確認の誤った記番号を使用した記番号処理の不具合を未然に防止できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理装置では、特定番号チェック処理、記番号印字処理、記番号データ記憶処理及び異番号チェック処理の内、少なくとも一つの処理を所定の記番号処理として実行する。その結果、紙幣の金種識別結果が正常で、かつ、記番号が正しい場合に、特定番号チェック処理、記番号印字処理、記番号データ記憶処理や異番号チェック処理を所定の記番号処理として実現できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理システムでは、取得部によって取得された紙幣の記番号に基づき所定の演算処理を実行し、紙幣の演算結果が所定結果であるか否かを判定し、この判定結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを認定する。その結果、当該紙幣の記番号が正しいか否かを確認するため、未確認の記番号を使用した各種処理の不具合を未然に防止できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理システムでは、紙幣の演算結果が所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定すると共に、紙幣の演算結果が所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定する。その結果、紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理システムでは、記番号認識結果で得た記番号又は記番号入力で得た記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理方法では、取得された紙幣の記番号に基づき所定の演算処理を実行し、紙幣の演算結果が所定結果であるか否かを判定し、この判定結果に基づき、紙幣の記番号が正しいか否かを認定する。その結果、その紙幣の記番号が正しいか否かを確認するため、未確認の記番号を使用した各種処理の不具合を未然に防止できるという効果を奏する。

　本発明の紙幣処理方法では、紙幣の演算結果が所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定すると共に、紙幣の演算結果が所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定する。その結果、紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるという効果を奏する。

図１は、実施例１の紙幣識別装置の外観構成を示す斜視図である。図２は、実施例１の紙幣識別装置の内部構成を示す説明図である。図３は、実施例１の紙幣識別装置の内部構成を示すブロック図である。図４は、実施例１の紙幣処理に関わる処理手順を示すフローチャートである。図５は、実施例１の紙幣処理に関わる処理手順を示すフローチャートである。図６は、入力指定画面の一例を示す説明図である。図７は、記番号修正入力画面の一例を示す説明図である。図８は、記番号入力画面（注意喚起画面）の一例を示す説明図である。図９は、入力指定画面の一例を示す説明図である。図１０は、記番号入力画面（１２桁入力画面）の一例を示す説明図である。図１１は、記番号チェックサム処理に関わる制御部の処理動作を示すフローチャートである。図１２は、実施例２の紙幣識別装置の外観構成を示す斜視図である。図１３は、実施例２の紙幣識別装置の内部構成を示す説明図である。図１４は、実施例３の紙幣識別装置の内部構成を示す説明図である。

　以下、図面に基づき本発明の紙幣処理装置、紙幣処理システム及び紙幣処理方法に関わる実施例について詳細に説明する。

　まず、最初に本実施例の概要を説明するとすれば、その概要は、取得された紙幣の記番号に基づき所定の演算処理を実行し、演算結果が所定結果であるか否かを判定し、この判定結果に基づき、紙幣の記番号が正しいか否かを認定する。その結果、本実施例では、その紙幣の記番号が正しいか否かを確認できるため、未確認の記番号を使用した各種処理の不具合を未然に防止できるというものである。

　図１は、実施例１の紙幣識別装置の外観構成を示す斜視図、図２は、実施例１の紙幣識別装置の内部構成を示す説明図である。図１及び図２に示す紙幣識別装置１は、各種情報を画面表示する表示部１１と、この表示画面上で各種コマンドを入力する操作部１２と、装置内に受け入れるべき、取引紙幣を装填するホッパ部１３と、このホッパ部１３に装填された紙幣を一枚単位で装置内に繰り出す繰出部１４とを有している。更に、紙幣識別装置１は、この繰出部１４に繰り出された紙幣を搬送する搬送ベルト等の搬送部１５と、この搬送部１５で搬送された紙幣の金種、真偽や方向等の種別を識別する紙幣識別部１６とを有している。

　更に、紙幣識別装置１は、紙幣識別部１６にて紙幣の種別を識別し、この識別結果に基づき、紙幣を順次集積する集積部１７と、識別不能の紙幣や、設定により対象外の紙幣をリジェクトするリジェクト部１８とを有している。

　また、紙幣識別装置１内の搬送路上の分岐箇所には、搬送路上を搬送する紙幣を集積部１７又はリジェクト部１８に振り分ける分岐部１９を配置している。尚、分岐部１９は、検知センサ２０Ａを通じて紙幣の先端の進入を検知すると、図示せぬソレノイドが駆動することで紙幣を振り分けるものである。

　また、集積部１７は、紙幣を一枚単位で紙幣集積空間内の所定位置に集積する羽根車２１と、紙幣集積空間内に集積された紙幣を取出可能にすべく、紙幣集積空間の紙幣取出口を開閉するシャッタ２２とを備えている。

　また、紙幣識別部１６は、識別プログラムに基づき、搬送路上の紙幣の表面及び裏面を光学的に検知し、その検知結果に基づき紙幣を識別するラインセンサで構成している。尚、ラインセンサには、紙幣の金種等の種別を識別する識別部２３と、紙幣に印字した記番号を認識する認識部２４とを有している。更に、紙幣識別装置１は、紙幣識別装置１全体を制御する制御部２５を有している。

　図３は、実施例１の紙幣識別装置１の内部構成を示すブロック図である。図３に示す紙幣識別装置１は、表示部１１と、操作部１２と、識別部２３及び認識部２４を含む紙幣識別部１６と、検知センサ２０Ａ等を含むセンサ部２０と、制御部２５と、駆動制御部２６と、通信部２７と、記憶部２８とを有している。駆動制御部２６は、繰出部１４、搬送部１５、集積部１７、リジェクト部１８、分岐部１９、羽根車２１やシャッタ２２等を駆動制御する。通信部２７は、通信ネットワーク経由で外部のパソコン端末２と通信接続する通信インタフェースに相当する。記憶部２８は、各種情報を記憶し、例えば、登録済みの偽造券の記番号を示す特定番号を登録する特定番号メモリ領域２８Ａを有する。

　制御部２５は、演算部３１と、判定部３２と、認定部３３とを有している。演算部３１は、例えば、ユーロ紙幣の記番号に採用したチェックサム機能を使用し、紙幣の記番号に基づき所定の演算処理を実行する。尚、所定の演算処理とは、例えば、１２桁の記番号の内、アルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を９で除算して、その剰余を得る演算処理に相当する。例えば、記番号が“Ｚ１０７０８４７６２６４”の１２桁とした場合、演算部３１は、アルファベット文字“Ｚ”のアルファベット順序は“２６”番目であるため、“Ｚ”を“２６”に置き換える。更に、演算部３１は、この置き換えた数字“２６”と、残りの“１０７０８４７６２６４”の各桁の数字との総和、すなわち“２６＋１＋０＋７＋０＋８＋４＋７＋６＋２＋６＋４＝７１”を算出する。更に、演算部３１は、その総和“７１”を“９”で除算することで剰余を得る。

　更に、判定部３２は、演算部３１の演算結果、すなわち剰余が規定値であるか否かを判定する。尚、規定値とは、チェックサム機能を使用して所定の演算処理を実行し、その記番号が正しい場合に必ず得られる数値に相当する。本実施例の演算処理では、その規定値は“８”となる。

　認定部３３は、演算部３１の演算結果が規定値である場合、紙幣の記番号が正しいと認定する。例えば、認定部３３は、演算結果が“８”の場合、紙幣の記番号が正しいと認定する。また、認定部３３は、演算部３１の演算結果が規定値でない場合、紙幣の記番号が誤っていると認定する。例えば、認定部３３は、演算結果が“８”でない場合、紙幣の記番号が誤っていると認定する。

　そして、制御部２５は、認定部３３にて紙幣の記番号が誤っていると認定された場合、当該紙幣に対して所定処理を実行する。尚、所定処理とは、例えば、表示部１１に警告を表示するエラー表示処理や、当該紙幣をリジェクト部１８に搬送して集積するリジェクト搬送処理等に相当する。制御部２５は、認定部３３にて記番号が誤っていると認定した場合、当該紙幣をチェックサム確認ＮＧ券としてリジェクト部１８に搬送すべく、駆動制御部２６を制御する。更に、制御部２５は、認定部３３にて記番号が誤っていると認定された場合、当該紙幣の警告表示を表示部１１に表示する。

　また、制御部２５は、認定部３３にて紙幣の記番号が正しいと認定された場合、当該紙幣に対して記番号処理を実行する。尚、記番号処理には、特定番号チェック処理、記番号印字処理、記番号データ記憶処理や異番号チェック処理等がある。

　特定番号チェック処理とは、認定部３３にて記番号が正しいと認定された場合、この紙幣の記番号と、特定番号メモリ領域２８に登録した偽造券の記番号に相当する特定番号とを照合し、当該紙幣の記番号が特定番号と合致しているか否かを判定する処理である。制御部２５は、特定番号チェック処理を実行して、紙幣の記番号が特定番号と合致した場合、当該紙幣を特定番号券としてリジェクト部１８に搬送する。また、制御部２５は、紙幣の記番号が特定番号と合致しなかった場合、当該紙幣を集積部１７に搬送する。

　また、記番号印字処理とは、認定部３３にて記番号が正しいと認定された場合、この紙幣の記番号を印字出力する処理である。制御部２５は、認定部３３にて記番号が正しいと認定された場合、当該紙幣の記番号を図示せぬプリンタから印字出力する。

　また、記番号データ記憶処理とは、認定部３３にて記番号が正しいと認定された場合、この紙幣の記番号を記憶部２８に記憶する処理である。制御部２５は、認定部３３にて紙幣の記番号が正しいと認定された場合、当該紙幣の記番号を記憶部２８に記憶する。

　また、異番号チェック処理とは、認定部３３にて記番号が正しいと認定された場合、この紙幣上に印字された二つの記番号同士を比較照合し、これら記番号同士が合致しているか否かを判定する処理である。制御部２５は、異番号チェック処理を実行して記番号同士が合致していない場合、当該紙幣を異番号券としてリジェクト部１８に搬送する。また、制御部２５は、異番号チェック処理を実行して記番号同士が合致した場合、当該紙幣を集積部１７に搬送する。

　また、制御部２５は、操作部１２の設定操作に応じて登録モードを設定すると、その登録モード中に、認識部２４の記番号認識結果で得た記番号を特定番号として特定番号メモリ領域２８Ａに自動登録するようにしても良い。また、制御部２５は、登録モード中に、操作部１２のマニュアル入力で得た記番号を特定番号として特定番号メモリ領域２８Ａに自動登録するようにしても良い。また、制御部２５は、登録モード中でなくても、操作部１２の所定操作に応じて、マニュアル入力で得た記番号を特定番号として特定番号メモリ領域２８Ａに登録するようにしても良い。

　また、制御部２５は、図示せぬカード装着部に装着されたＳＤカードから特定番号を取得し、この取得した特定番号を特定番号メモリ領域２８Ａに登録し、特定番号メモリ領域２８Ａに登録された特定番号をＳＤカードに登録することも可能である。

　更に、制御部２５は、通信部２７を通じてパソコン端末２と通信接続し、パソコン端末２から特定番号を収集し、この収集した特定番号を特定番号メモリ領域２８Ａに登録し、特定番号メモリ領域２８Ａに登録された特定番号をパソコン端末２に伝送することも可能である。

　次に、実施例１の紙幣識別装置１の動作について説明する。図４及び図５は、実施例１の紙幣処理に関わる処理手順を示すフローチャートである。図４においてユーザは、紙幣識別装置１のホッパ部１３に紙幣を装填する（ステップＳ１１）。紙幣識別装置１の制御部２５は、ホッパ部１３に装填された紙幣を装置内に一枚ずつ繰り込み、識別部２３を通じて当該紙幣の金種を識別し、識別部２３の識別結果に基づき、当該紙幣の金種が識別できたか否かを判定する（ステップＳ１２）。

　制御部２５は、当該紙幣の金種が識別できた場合に（ステップＳ１２肯定）、識別部２３の識別結果に基づき、当該紙幣が真券と識別できたか否かを判定する（ステップＳ１３）。制御部２５は、当該紙幣が真券と識別できた場合に（ステップＳ１３肯定）、認識部２４を通じて当該紙幣の記番号を認識し、記番号が認識できたか否かを判定する（ステップＳ１４）。

　制御部２５は、記番号が認識できた場合に（ステップＳ１４肯定）、チェックサム機能を使用して記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを認定する記番号チェックサム処理を実行する（ステップＳ１５）。更に、制御部２５は、記番号チェックサム処理を実行した後、記番号認識結果で得た記番号が正しいと認定されたか否かを判定する（ステップＳ１６）。制御部２５は、記番号が正しいと認定された場合に（ステップＳ１６肯定）、この紙幣に対する通常の記番号処理を実行し（ステップＳ１７）、紙幣を集積部１７へ搬送する（ステップＳ１７Ａ）と共に、識別計数結果等の処理結果を表示部１１に表示し（ステップＳ１７Ｂ）、この処理動作を終了する。尚、通常の記番号処理とは、特定番号チェック処理、記番号印字処理、記番号データ記憶処理及び異番号チェック処理等の処理である。

　制御部２５は、紙幣の金種が識別できなかった場合（ステップＳ１２否定）、当該紙幣を搬送異常券又は金種異常券としてリジェクト部１８へ搬送すべく、駆動制御部２６を制御する（ステップＳ１８）。尚、紙幣の金種を識別できなかった場合には、金種異常の他に、搬送路上の紙幣斜行等の搬送異常も含むものとする。制御部２５は、紙幣の金種や枚数等をマニュアル入力するか否かを指定する操作画面を表示部１１に表示し（ステップＳ１９）、その操作画面上でマニュアル入力を指定したか否かを判定する（ステップＳ２０）。

　制御部２５は、マニュアル入力を指定した場合（ステップＳ２０肯定）、当該紙幣の金種及び枚数のマニュアル入力が完了したか否かを判定する（ステップＳ２１）。制御部２５は、金種及び枚数のマニュアル入力が完了した場合（ステップＳ２１肯定）、当該紙幣の記番号を入力する記番号入力画面を表示部１１に表示する（ステップＳ２２）。尚、記番号入力画面は、図１０に示す記番号全桁（１２桁）の入力を促す画面に相当する。

　制御部２５は、記番号入力画面上で記番号のマニュアル入力が完了したか否かを判定する（ステップＳ２３）。制御部２５は、マニュアル入力が完了した場合（ステップＳ２３肯定）、後述する図１１の記番号チェックサム処理を実行する（ステップＳ２４）。更に、制御部２５は、記番号チェックサム処理を実行した後、マニュアル入力で得た記番号が正しいと認定されたか否かを判定する（ステップＳ２５）。制御部２５は、マニュアル入力で得た記番号が正しいと認定された場合に（ステップＳ２５肯定）、当該紙幣に対する通常記番号処理を実行すべく、ステップＳ１７に移行する。

　また、制御部２５は、マニュアル入力で得た記番号が正しくない、すなわち誤っていると認定された場合（ステップＳ２５否定）、当該紙幣が偽造券の疑念がある旨の注意喚起画面を表示部１１に表示する（ステップＳ２６）。尚、注意喚起画面は、図８に示す内容である。ユーザは、注意喚起画面を見て、リジェクト部１８に搬送して集積された紙幣を偽造券として回収することになる（ステップＳ２７）。

　また、制御部２５は、マニュアル入力を指定しなかった場合（ステップＳ２０否定）、リジェクト部１８に搬送して集積された紙幣を、ユーザの手作業で再度ホッパ部１３に装填すべく、ステップＳ１１に移行する。また、制御部２５は、金種及び枚数等の入力が完了しなかった場合（ステップＳ２１否定）、金種及び枚数等の入力が完了するまでステップＳ２１の監視動作を継続する。また、制御部２５は、マニュアル入力が完了しなかった場合（ステップＳ２３否定）、マニュアル入力が完了するまでステップＳ２３の監視動作を継続する。

　また、制御部２５は、紙幣が真券と識別できなかった場合（ステップＳ１３否定）、当該紙幣をリジェクト部１８に搬送すべく、駆動制御部２６を制御する（ステップＳ２８）。制御部２５は、当該紙幣が偽造券の疑念がある旨のＳＵＳＰ表示を表示部１１に表示する（ステップＳ２９）。ユーザは、ＳＵＳＰ表示に基づき、リジェクト部１８に搬送された当該紙幣の目視確認作業にて真偽チェックして当該紙幣が真券であるか否かを判定する（ステップＳ３０）。ユーザは、当該紙幣を真券と判断した場合（ステップＳ３０肯定）、リジェクト部１８に搬送して集積された当該紙幣を手作業でホッパ部１３に再度装填すべく、図中のＭ１に移行する。

　また、ユーザは、当該紙幣を真券でないと判断した場合（ステップＳ３０否定）、当該紙幣を偽造券と判断し、リジェクト部１８に搬送して集積された当該紙幣を偽造券として手作業で回収することになる（ステップＳ３１）。

　また、制御部２５は、当該紙幣の記番号が認識できなかった場合（ステップＳ１４否定）、当該紙幣を記番号認識ＮＧ券としてリジェクト部１８に搬送すべく、駆動制御部２６を制御する（ステップＳ３２）。更に、制御部２５は、記番号をマニュアル入力するか否かを指定する入力指定画面を表示部１１に表示し（ステップＳ３３）、その入力指定画面上でマニュアル入力を指定したか否かを判定する（ステップＳ３４）。尚、入力指定画面は、図６に示す画面内容に相当する。制御部２５は、マニュアル入力を指定した場合（ステップＳ３４肯定）、記番号修正入力画面を表示部１１に表示し（ステップＳ３５）、ステップＳ２３に移行する。尚、記番号修正入力画面は、図７に示すように認識部２４にて認識できた記番号の桁を表示すると共に、認識できなかった認識不可の桁をブランク表示するものである。また、制御部２５は、マニュアル入力を指定しなかった場合（ステップＳ３４否定）、リジェクト部１８に搬送して集積された紙幣を手作業でホッパ部１３に再度装填すべく、図中のＭ２に移行する。

　また、制御部２５は、記番号認識結果で得た記番号が正しくないと認定された場合（ステップＳ１６否定）、すなわち記番号が誤っていると認定された場合、図５に示すＭ３に移行する。

　図５に示すＭ３において制御部２５は、記番号認識結果で得た記番号が誤っていると認定された場合、当該紙幣をチェックサム確認ＮＧ券としてリジェクト部１８に搬送すべく、駆動制御部２６を制御する（ステップＳ４１）。制御部２５は、記番号をマニュアル入力するか否かを指定する入力指定画面を表示部１１に表示する（ステップＳ４２）。尚、入力指定画面は、図９に示す画面内容に相当する。ユーザは、リジェクト部１８に搬送して集積された紙幣の記番号を目視確認し、その紙幣の記番号の認識結果が正しいか否かを判定する（ステップＳ４３）。ユーザは、リジェクト部１８に搬送して集積された紙幣の記番号の認識結果が正しい、すなわち紙幣の記番号と記番号認識結果が一致していると判断した場合に（ステップＳ４３肯定）、記番号認識結果に誤認なしと判断して、当該紙幣を偽造券として手作業で回収する（ステップＳ４４）。

　また、制御部２５は、ユーザにて目視確認作業で紙幣の記番号の認識結果が正しくない、すなわち記番号が正しく認識されていないと判断された場合に（ステップＳ４３否定）、記番号認識結果に誤認ありと判断し、入力指定画面上で記番号修正のマニュアル入力を指定したか否かを判定する（ステップＳ４５）。制御部２５は、入力指定画面上で記番号修正のマニュアル入力を指定した場合に（ステップＳ４５肯定）、記番号修正画面を表示部１１に表示し（ステップＳ４６）、記番号の修正が完了したか否かを判定する（ステップＳ４７）。

　また、制御部２５は、記番号の修正が完了した場合に（ステップＳ４７肯定）、マニュアル入力で得た記番号が正しいか否かを判定するステップＳ２４の記番号チェックサム処理を実行すべく、図４のＭ４に移行する。また、制御部２５は、記番号の修正が完了しなかった場合に（ステップＳ４７否定）、記番号の修正が完了するまで監視動作を継続すべく、ステップＳ４７に移行する。また、制御部２５は、記番号修正のマニュアル入力を指定しなかった場合に（ステップＳ４５否定）、リジェクト部１８に搬送して集積された紙幣を手作業でホッパ部１３に再度装填すべく、図４のＭ５に移行する。

　図４に示す紙幣処理では、紙幣の記番号を認識した場合に、チェックサム機能を使用して記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを確認し、その記番号が正しいと認定された場合に、その紙幣に対して記番号処理を実行する。

　紙幣処理では、チェックサム機能を使用して記番号認識結果で得た記番号が誤っていると認定された場合に、その紙幣をリジェクト部１８に搬送して集積する。

　また、紙幣処理では、紙幣の記番号をマニュアルで入力した場合に、チェックサム機能を使用してマニュアル入力で得た記番号が正しいか否かを確認し、その記番号が正しいと認定された場合に、その紙幣に対して記番号処理を実行する。

　また、紙幣処理では、紙幣の記番号をマニュアルで入力した場合に、チェックサム機能を使用してマニュアル入力で得た記番号が正しいか否かを確認し、その記番号が誤っていると認定された場合に、その紙幣を偽造券として回収対象とする。

　次に、図４のステップＳ１５及びステップＳ２４で実行する記番号チェックサム処理について説明する。図１１は、記番号チェックサム処理に関わる制御部２５内部の処理動作を示すフローチャートである。図１１に示す記番号チェックサム処理は、記番号認識結果又はマニュアル入力で得た紙幣の記番号が正しいか否かを、チェックサム機能を使用して認定する処理である。

　図１１において制御部２５の演算部３１は、記番号認識結果又はマニュアル入力で得た当該紙幣の記番号に基づきチェックサム機能を利用した演算処理を実行する（ステップＳ５１）。制御部２５の判定部３２は、演算部３１の演算結果が規定値“８”であるか否かを判定する（ステップＳ５２）。制御部２５の認定部３３は、当該演算部３１の演算結果が規定値“８”である場合に（ステップＳ５２肯定）、当該紙幣の記番号が正しいと認定し（ステップＳ５３）、この処理動作を終了する。

　また、認定部３３は、当該演算部３１の演算結果が規定値“８”でない場合に（ステップＳ５２否定）、当該紙幣の記番号が正しくない、すなわち記番号が誤っていると認定し（ステップＳ５４）、この処理動作を終了する。

　図１１に示す記番号チェックサム処理では、記番号認識結果又はマニュアル入力で得た記番号に基づき、チェックサム機能を利用した演算処理を実行し、その演算結果が規定値である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定する。

　また、記番号チェックサム処理では、記番号認識結果又はマニュアル入力で得た記番号に基づき、チェックサム機能を利用した演算処理を実行し、その演算結果が規定値でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定する。

　実施例１では、紙幣の記番号認識結果で得た記番号に基づき、チェックサム機能を利用した演算処理を実行し、この紙幣の演算結果が規定値でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定し、当該紙幣をリジェクト部１８に搬送して集積した。その結果、記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを確認し、当該記番号が誤っている場合に、当該紙幣をリジェクト部１８に搬送して集積するため、誤った記番号を使用しての記番号処理を確実に防止できる。

　実施例１では、紙幣の演算結果が規定値である場合に、当該紙幣の記番号認識結果で得た記番号が正しいと認定し、当該紙幣を集積部１７に搬送して集積した後、当該紙幣に対して記番号処理を実行する。その結果、正しい記番号を使用しての記番号処理を実現できる。

　実施例１では、従来のようにサーバ装置（パソコン端末２）と連携しなくても、記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを紙幣識別装置１単体で確認し、当該紙幣の記番号が誤っている場合に、当該紙幣をリジェクト部１８に瞬時に搬送して集積できる。

　実施例１では、記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを確認し、当該紙幣の記番号が誤っている場合に、当該紙幣の警告表示を表示部１１に表示する。その結果、ユーザは、警告表示を視認して記番号認識結果で得た記番号が誤っていると認識できる。

　実施例１では、紙幣の記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を９で除算し、その剰余が８の場合に、紙幣の記番号が正しいと認定する。その結果、チェックサム演算処理の演算結果に基づき、紙幣の記番号が正しいか否かを確認できる。

　実施例１では、紙幣の金種識別結果が正常で、かつ、記番号認識結果で得た記番号が正しいと認定された場合に、特定番号チェック処理、記番号印字処理、記番号データ記憶処理及び異番号チェック処理等の記番号処理を実行する。その結果、正しい記番号を使用した記番号処理を実現できる。

　実施例１では、特定番号が登録された特定番号メモリ領域２８Ａを紙幣識別装置１に内蔵しているため、パソコン端末２と連携しなくても、特定番号チェック処理を紙幣識別装置１単体で実現できる。尚、特定番号チェック処理だけでなく、記番号印字処理、記番号データ記憶処理や異番号チェック処理等の記番号処理についても、紙幣識別装置１単体で実現できる。

　実施例１では、記番号のチェックサム機能を利用して記番号認識結果又はマニュアル入力で得た記番号が正しいか否かを確認し、その紙幣の記番号の正誤に適合した各種処理を実行することで、未確認の記番号を使用した各種処理の不具合を未然に防止できる。

　尚、上記実施例１の紙幣識別装置１は、集積部１７を１個としたが、集積部１７を２個にしても良く、この場合の実施形態につき、実施例２として以下に説明する。

　図１２は、実施例２の紙幣識別装置の外観構成を示す斜視図、図１３は、実施例２の紙幣識別装置の内部構成を示す説明図である。尚、実施例１の紙幣識別装置１と同一の機能構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。

　図１２及び図１３に示す紙幣識別装置１Ａは、表示部１１、操作部１２、ホッパ部１３、繰出部１４、搬送部１５、紙幣識別部１６、リジェクト部１８、分岐部１９、検知センサ２０Ａを備えたセンサ部２０及び羽根車２１を有する。更に、紙幣識別装置１Ａは、制御部２５Ａ及び、図示は省略するが、駆動制御部２６、通信部２７及び記憶部２８を有する。図１２に示す紙幣識別装置１Ａが実施例１の紙幣識別装置１と大きく異なるところは、集積部１７を第１集積部１７Ａ及び第２集積部１７Ｂの２個にした点にある。

　更に、センサ部２０は、ホッパ部１３に装填された紙幣の有無を検知する検知センサ２０Ｂと、第１集積部１７Ａ及び第２集積部１７Ｂ内の紙幣有無を検知する検知センサ２０Ｃとを有している。更に、センサ部２０は、第１集積部１７Ａ及び第２集積部１７Ｂ内の紙幣の満杯を検知するフル検知センサ２０Ｄと、リジェクト部１８内の紙幣有無を検知する検知センサ２０Ｅとを有している。

　制御部２５Ａは、紙幣識別部１６の識別結果に基づき、紙幣が正常な正券の場合、正券の紙幣を第１集積部１７Ａに搬送して集積すると共に、紙幣が正常な損券の場合、損券の紙幣を第２集積部１７Ｂに搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。また、制御部２５Ａは、紙幣識別部１６にて紙幣が異常な紙幣、例えば、偽造券、特定番号券、異番号券、チェックサム確認ＮＧ券、搬送異常券、金種異常券、記番号認識ＮＧ券の場合、これら紙幣をリジェクト部１８に搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。

　実施例２では、紙幣の記番号認識結果で得た記番号に基づき、チェックサム機能を利用した演算処理を実行し、この紙幣の演算結果が規定値でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定し、当該紙幣をリジェクト部１８に搬送して集積した。その結果、記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを確認し、当該記番号が誤っている場合に、当該紙幣をリジェクト部１８に搬送して集積するため、誤った記番号を使用しての記番号処理を確実に防止できる。

　実施例２では、紙幣の演算結果が規定値である場合に、当該紙幣の記番号認識結果で得た記番号が正しいと認定し、正券の紙幣を第１集積部１７Ａに搬送して集積し、損券の紙幣を第２集積部１７Ｂに搬送して集積した後、紙幣に対して記番号処理を実行する。その結果、正しい記番号を使用しての正券及び損券の紙幣に対する記番号処理を実現できる。

　実施例２では、従来のようにサーバ装置（パソコン端末２）と連携しなくても、記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを確認し、当該紙幣の記番号が正しくない場合に、当該紙幣をリジェクト部１８に瞬時に搬送して集積できる。

　尚、上記実施例２では、正常な損券を第２集積部１７Ｂに搬送して集積するようにした。しかしながら、リジェクト部１８に搬送異常券、金種異常券及び記番号認識ＮＧ券を搬送して集積し、第２集積部１７Ｂに偽造券、特定番号券、異番号券、チェックサム確認ＮＧ券を搬送して集積しても良い。尚、第１集積部１７Ａ、第２集積部１７Ｂ及びリジェクト部１８の集積種別が設定に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。

　また、実施例２の紙幣識別装置１Ａでは、集積部１７を２個、リジェクト部１８を１個にしたが、集積部１７を８個、リジェクト部１８を２個にしても良く、この場合の実施形態につき、実施例３として以下に説明する。

　図１４は、実施例３の紙幣識別装置の内部構成を示す説明図である。尚、実施例２の紙幣識別装置１Ａと同一の機能構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図１４に示す紙幣識別装置１Ｂは、表示部１１（図示省略）、操作部１２（図示省略）、ホッパ部１３、繰出部１４、搬送部１５、紙幣識別部１６、分岐部１９、検知センサ２０Ａを備えたセンサ部２０及び羽根車２１を有する。更に、紙幣識別装置１Ｂは、制御部２５Ｂ及び、図示は省略するが、駆動制御部２６、通信部２７及び記憶部２８を有する。

　紙幣識別装置１Ｂが実施例２の紙幣識別装置１Ａと大きく異なるところは、集積部１７を第１集積部１７Ａ～第８集積部１７Ｈの８個にし、リジェクト部１８を第１リジェクト部１８Ａ及び第２リジェクト部１８Ｂの２個にした点にある。尚、紙幣識別装置１Ｂは、操作部１２の設定操作に応じて、第１集積部１７Ａ～第８集積部１７Ｈ、第１リジェクト部１８Ａ及び第２リジェクト部１８Ｂの集積種別を設定する。例えば、第１集積部１７Ａに１０ユーロ紙幣の正券を設定し、第２集積部１７Ｂに２０ユーロ紙幣の正券を設定し、第３集積部１７Ｃに５０ユーロ紙幣の正券を設定し、第４集積部１７Ｄに１００ユーロ紙幣の正券を設定する。更に、第５集積部１７Ｅに１０ユーロ紙幣の損券を設定し、第６集積部１７Ｆに２０ユーロ紙幣の損券を設定し、第７集積部１７Ｇに５０ユーロ紙幣の損券を設定し、第８集積部１７Ｈに１００ユーロ紙幣の損券を設定する。更に、第１リジェクト部１８Ａに、偽造券、チェックサム確認ＮＧ券、特定番号券及び異番号券を設定する。更に、第２リジェクト部１８Ｂに、搬送異常券、金種異常券及び記番号認識ＮＧ券を設定する。

　制御部２５Ｂは、紙幣識別部１６の識別結果に基づき、搬送紙幣が異常紙幣、例えば、偽造券、特定番号券、異番号券又はチェックサム確認ＮＧ券の場合、この搬送紙幣を第１リジェクト部１８Ａに搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。

　また、制御部２５Ｂは、紙幣識別部１６の識別結果に基づき、搬送紙幣が異常紙幣、例えば、搬送異常券、金種異常券又は記番号認識ＮＧ券の場合、この搬送紙幣を第２リジェクト部１８Ｂに搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。

　実施例３では、紙幣の記番号認識結果で得た記番号に基づき、チェックサム機能を利用した演算処理を実行し、この紙幣の演算結果が規定値でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定し、当該紙幣を第１リジェクト部１８Ａに搬送して集積した。その結果、記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを確認し、当該記番号が誤っている場合に、当該紙幣を第１リジェクト部１８Ａに搬送して集積するため、誤った記番号を使用しての記番号処理を確実に防止できる。

　実施例３では、紙幣の演算結果が規定値である場合に、当該紙幣の記番号認識結果で得た記番号が正しいと認定し、当該紙幣を指定金種に応じた第１集積部１７Ａ～第８集積部１７Ｈに搬送して集積する。その結果、正しい記番号を使用しての紙幣に対する記番号処理を実現できる。

　実施例３では、従来のようにサーバ装置（パソコン端末２）と連携しなくても、記番号認識結果で得た記番号が正しいか否かを確認し、当該紙幣の記番号が正しくない場合に、当該紙幣を第１リジェクト部１８Ａに瞬時に搬送して集積できる。

　更に、実施例３では、搬送紙幣が、例えば、偽造券、特定番号券、異番号券又はチェックサム確認ＮＧ券の場合、この搬送紙幣を第１リジェクト部１８Ａに搬送して集積するので、ユーザは、搬送紙幣から偽造券、特定番号券、異番号券又はチェックサム確認ＮＧ券を簡単に収集できる。

　更に、実施例３では、搬送紙幣が、例えば、搬送異常券、金種異常券、記番号認識ＮＧ券の場合、この搬送紙幣を第２リジェクト部１８Ｂに搬送して集積するので、ユーザは、搬送紙幣から搬送異常券、金種異常券又は記番号認識ＮＧ券を簡単に収集できる。

　更に、実施例３では、搬送紙幣が正常の正券又は損券の場合、搬送紙幣を指定金種に応じた第１集積部１７Ａ～第８集積部１７Ｈに搬送して集積するので、ユーザは、搬送紙幣から指定金種の正常な正券又は損券の紙幣を簡単に収集できる。

　また、第１集積部１７Ａ～第８集積部１７Ｈ、第１リジェクト部１８Ａ及び第２リジェクト部１８Ｂの集積種別として、第１リジェクト部１８Ａに偽造券を設定し、第２リジェクト部１８Ｂに搬送異常券、金種異常券及び記番号認識ＮＧ券を設定する。更に、第１集積部１７Ａにチェックサム確認ＮＧ券、第２集積部１７Ｂに特定番号券を設定し、第３集積部１７Ｃに異番号券を設定し、第４集積部１７Ｄ～第８集積部１７Ｈに正常な各金種紙幣を設定しても良い。

　この場合、制御部２５Ｂは、搬送紙幣が偽造券の場合、搬送紙幣を第１リジェクト部１８Ａに搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。また、制御部２５Ｂは、搬送紙幣が搬送異常券、金種異常券又は記番号認識ＮＧ券の場合、搬送紙幣を第２リジェクト部１８Ｂに搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。また、制御部２５Ｂは、搬送紙幣がチェックサム確認ＮＧ券の場合、搬送紙幣を第１集積部１７Ａに搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。また、制御部２５Ｂは、搬送紙幣が特定番号券の場合、搬送紙幣を第２集積部１７Ｂに搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。また、制御部２５Ｂは、搬送紙幣が異番号券の場合、搬送紙幣を第３集積部１７Ｃに搬送して集積すべく、駆動制御部２６を制御する。

　紙幣識別装置１Ｂは、搬送紙幣が偽造券の場合、この搬送紙幣を第１リジェクト部１８Ａに搬送して集積できる。更に、紙幣識別装置１Ｂは、搬送紙幣が搬送異常券、金種異常券又は記番号認識ＮＧ券の場合、この搬送紙幣を第２リジェクト部１８Ｂに搬送して集積できる。更に、紙幣識別装置１Ｂは、搬送紙幣がチェックサム確認ＮＧ券の場合、この搬送紙幣を第１集積部１７Ａに搬送して集積できる。更に、紙幣識別装置１Ｂは、搬送紙幣が特定番号券の場合、この搬送紙幣を第２集積部１７Ｂに搬送して集積できる。更に、紙幣識別装置１Ｂは、搬送紙幣が異番号券の場合、この搬送紙幣を第３集積部１７Ｃに搬送して集積できる。更に、紙幣識別装置１Ｂは、搬送紙幣が正常紙幣の場合、指定金種に応じて第４集積部１７Ｄ～第８集積部１７Ｈに搬送して集積できる。

　尚、上記実施例１～３では、記番号のチェックサム演算処理として記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を“９”で除算して、その剰余を得る演算処理を実行した。そして、その演算結果が規定値“８”の場合に記番号が正しいと認定した。しかしながら、次のような演算処理を使用してチェックサム演算処理を実行しても良い。

　演算部３１は、紙幣の記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字を含む記番号の全桁の数字の総和を算出し、その算出結果である総和が１桁になるまで各桁の数字の総和を繰り返して算出する演算処理を実行する。例えば、記番号が“Ｚ１０７０８４７６２６４”の１２桁とした場合、アルファベット文字“Ｚ”のアルファベット順序は“２６”番目であるため、“Ｚ”を“２６”に置き換える。この置き換えた数字を含む記番号“２６１０７０８４７６２６４”の全桁の数字の総和、すなわち、“２＋６＋１＋０＋７＋０＋８＋４＋７＋６＋２＋６＋４＝５３”を算出する。そして、演算部３１は、総和が“５３”となるため“５＋３＝８”を演算して、その演算結果は“８”となる。認定部３３は、その演算結果が規定値“８”の場合に記番号が正しいと認定するようにしても良い。

　また、演算部３１は、紙幣の記番号内のアルファベット文字をアスキー文字コードの１０進数の数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を“９”で除算し、その剰余を得る演算処理を実行する。例えば、記番号が“Ｚ１０７０８４７６２６４”の１２桁とした場合、アルファベット文字“Ｚ”のアスキー文字コードの１０進数の数字が“９０”となるため、“Ｚ”を“９０”に置き換える。この置き換えた数字“９０”と、残りの“１０７０８４７６２６４”の各桁の数字との総和、すなわち、“９０＋１＋０＋７＋０＋８＋４＋７＋６＋２＋６＋４＝１３５”を算出する。そして、その総和を“９”で除算することで剰余を得る。認定部３３は、その演算結果が規定値“０”の場合に記番号が正しいと認定するようにしても良い。

　また、演算部３１は、紙幣の記番号内のアルファベット文字をアスキー文字コードの１０進数の数字に置き換え、この置き換えた数字を含む記番号の全桁の数字の総和を“９”で除算して、その剰余を得る演算処理を実行する。例えば、記番号が“Ｚ１０７０８４７６２６４”の１２桁とした場合、アルファベット文字“Ｚ”のアスキー文字コードの１０進数の数字は“９０”となるため、“Ｚ”を“９０”に置き換える。この置き換えた数字“９０”を含む記番号の全桁の数字“９０１０７０８４７６２６４”の各桁の数字の総和、すなわち、“９＋０＋１＋０＋７＋０＋８＋４＋７＋６＋２＋６＋４＝５４”を算出する。更に、演算部３１は、総和が“５４”となるため、その各桁の数字を総和して“５＋４＝９”を算出する。そして、演算部３１は、その算出結果である“９”を“９”で除算することで剰余を得る。そして、認定部３３は、その演算結果が規定値“０”の場合に記番号が正しいと認定するようにしても良い。

　また、上記実施例１～３では、記番号認識結果で得た記番号内の一部の桁に認識不可の桁が存在する場合、認識不可の桁の数字をマニュアル入力するようにしたが、例えば、認識不可の桁が１桁の場合、前述したサムチェック機能の演算処理を逆算して認識不可桁の数字を自動算出しても良い。例えば、記番号が“Ｚ１０７０８＊７６２６４”の１２桁とし、７桁目が認識不可“＊”の場合、“Ｚ”をアルファベット順序の“２６”番に置き換える。更に、この置き換えた数字“２６”と、認識不可の桁を除く、“１０７０８＊７６２６４”の各桁の数字との総和、すなわち、“２６＋１＋０＋７＋０＋８＋７＋６＋２＋６＋４＝６７”を算出する。更に、その総和に“９”を除算して剰余“４”を得る。そして、規定値“８”から剰余“４”を減算して、その演算結果“４”を７桁目の認識不可の数字として算出する。

　つまり、記番号認識結果で得た紙幣の記番号内に認識不可の桁が存在する場合に、当該記番号のチェックサム機能を使用した所定の演算処理の逆算処理を実行することで、記番号内の認識できた全桁の数字及び、当該演算処理の規定値に基づき、記番号内の認識不可の桁の数字を算出する。その結果、記番号認識結果で得た紙幣の記番号内に認識不可の桁が存在したとしても、当該記番号のチェックサム機能を有効活用することで認識不可の桁の数字を特定できる。

　上記実施例では、記番号に基づきチェックサム機能を利用して演算する演算処理と、演算結果が規定値であるか否かを判定する判定処理と、その判定結果に基づき、記番号が正しいか否かを認定する認定処理とを紙幣識別装置１（１Ａ，１Ｂ）単体に負担させた。しかしながら、紙幣識別装置１（１Ａ，１Ｂ）と接続するパソコン端末２に演算処理、判定処理及び認定処理の何れかを分担させるようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、上記実施例では、記番号のチェックサム機能を採用したユーロ紙幣を例に挙げて説明したが、ユーロ紙幣に限定されることなく、チェックサム機能を採用した紙幣に適用可能である。

　また、上記実施例では、記番号のチェックサム機能を使用して記番号が正しいか否かを確認するようにしたが、記番号のチェックディジット機能を使用して記番号の特定桁が合致しているか否かを判定し、その判定結果に基づき、記番号が正しいか否かを確認するようにしても良い。

　以上、本発明の実施例について説明したが、本実施例によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施例が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。

　また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。

　また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。

　さらに、各装置で行われる各種処理機能は、ＣＰＵ（Central　Processing　Unit）（又はＭＰＵ（Micro　Processing　Unit）、ＭＣＵ（Micro　Controller　Unit）等のマイクロ・コンピュータ）上、又は同ＣＰＵ（又はＭＰＵ、ＭＣＵ等のマイクロ・コンピュータ）で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。

　上記のように構成された本発明の紙幣処理装置では、紙幣の記番号に対する所定の演算処理を実行し、その演算結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを確認し、当該記番号が誤っている場合にのみ、当該紙幣に対する所定処理を実行するため、未確認の誤った記番号を使用した各種処理の不具合を未然に防止できるため、記番号を使用した各種処理を実行する紙幣識別装置に有用である。

　１　紙幣識別装置
　１Ａ　紙幣識別装置
　１Ｂ　紙幣識別装置
　１１　表示部
　１２　操作部
　１３　ホッパ部
　１５　搬送部
　１７　集積部
　１７Ａ～１７Ｈ　第１集積部～第８集積部
　１８　リジェクト部
　１８Ａ　第１リジェクト部
　１８Ｂ　第２リジェクト部
　２３　識別部
　２４　認識部
　２５　制御部
　２５Ａ　制御部
　２５Ｂ　制御部
　３１　演算部
　３２　判定部
　３３　認定部

Claims

　紙幣を受け入れて一枚ずつ繰り込む受入部と、
　前記紙幣を集積する紙幣集積部と、
　リジェクト対象の紙幣を集積するリジェクト紙幣集積部と、
　前記受入部から繰り込まれた前記紙幣を前記紙幣集積部又は前記リジェクト紙幣集積部に搬送する搬送部と、
　前記搬送部によって搬送された前記紙幣の記番号を認識する認識部と、
　前記認識部による前記紙幣の記番号認識結果で得た記番号に基づき、所定の演算処理を実行し、この紙幣の演算結果が所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定して、当該紙幣に対する所定処理を実行する制御部と
を有することを特徴とする紙幣処理装置。
　前記制御部は、
　前記紙幣の記番号のチェックサム機能を使用した前記所定の演算処理を実行することを特徴とする請求項１記載の紙幣処理装置。
　前記所定の演算処理は、
　前記紙幣の記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を９で除算して、その剰余を得る演算処理に相当し、前記所定結果が８であることを特徴とする請求項２記載の紙幣処理装置。
　前記所定の演算処理は、
　前記紙幣の記番号内のアルファベット文字をアルファベット順序に対応する数字に置き換え、この置き換えた数字を含む記番号の全桁の数字の総和を算出し、その算出結果である総和が１桁になるまで全桁の数字の総和を繰り返して算出する演算処理に相当し、前記所定結果が８であることを特徴とする請求項２記載の紙幣処理装置。
　前記所定の演算処理は、
　前記紙幣の記番号内のアルファベット文字をアスキー文字コードの１０進数の数字に置き換え、この置き換えた数字と、当該記番号内の全桁の数字との総和を９で除算して剰余を得る演算処理に相当し、前記所定結果が０であることを特徴とする請求項２記載の紙幣処理装置。
　前記所定の演算処理は、
　前記紙幣の記番号内のアルファベット文字をアスキー文字コードの１０進数の数字に置き換え、この置き換えた数字を含む記番号の全桁の数字の総和を９で除算して剰余を得る演算処理に相当し、前記所定結果が０であることを特徴とする請求項２記載の紙幣処理装置。
　前記制御部は、
　前記紙幣の記番号内の所定桁の数値を使用して前記所定の演算処理を実行したことを特徴とする請求項１記載の紙幣処理装置。
　前記制御部は、
　前記記番号認識結果で得た紙幣の記番号内に認識不可の桁が存在する場合に、当該記番号のチェックサム機能を使用した前記所定の演算処理の逆算処理を実行することで、前記記番号内の認識できた各桁の数字及び前記所定結果に基づき、前記記番号内の前記認識不可の桁の数字を算出することを特徴とする請求項２～６の何れか一つに記載の紙幣処理装置。
　前記制御部は、
　前記所定処理として、前記紙幣を前記リジェクト紙幣集積部に搬送して集積することを特徴とする請求項１～８の何れか一つに記載の紙幣処理装置。
　前記制御部は、
　前記所定処理として、エラー報知することを特徴とする請求項１～９の何れか一つに記載の紙幣処理装置。
　前記制御部は、
　前記エラー報知として、当該紙幣の記番号を警告表示することを特徴とする請求項１０記載の紙幣処理装置。
　前記制御部は、
　前記エラー報知として、当該紙幣が偽造券の疑いがある旨を警告表示することを特徴とする請求項１０記載の紙幣処理装置。
　前記搬送部によって搬送された前記紙幣の金種を識別する識別部を有し、
　前記制御部は、
　前記識別部による当該紙幣の金種識別結果が正常である場合で、かつ、前記所定の演算処理の当該紙幣の演算結果が前記所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定し、当該紙幣の記番号に対して所定の記番号処理を実行することを特徴とする請求項１～１２の何れか一つに記載の紙幣処理装置。
　前記制御部は、
　前記紙幣の記番号に対して特定記番号と照合する特定番号チェック処理、前記紙幣の記番号を印字する記番号印字処理、前記紙幣の記番号をデータ保存する記番号データ記憶処理、同一紙幣の複数個所の記番号同士を照合する異番号チェック処理の内、少なくとも一つの処理を前記所定の記番号処理として実行することを特徴とする請求項１３記載の紙幣処理装置。
　紙幣の記番号を取得する取得部と、
　前記取得部によって取得された前記紙幣の記番号に基づき、所定の演算処理を実行して当該紙幣の演算結果を算出する演算部と、
　前記演算部による当該紙幣の演算結果が所定結果であるか否かを判定する判定部と、
　前記判定部の判定結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを認定する認定部と
を有することを特徴とする紙幣処理システム。
　前記認定部は、
　前記判定部にて前記紙幣の演算結果が前記所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定すると共に、
　前記判定部にて前記紙幣の演算結果が前記所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定することを特徴とする請求項１５記載の紙幣処理システム。
　前記取得部は、
　前記紙幣の記番号を認識して、その認識結果で得た記番号を取得する認識部と、
　入力操作に応じて紙幣の記番号を取得する入力部との何れか一方若しくは両方を含むことを特徴とする請求項１５又は１６に記載の紙幣処理システム。
　紙幣の記番号を取得する取得ステップと、
　前記取得ステップによって取得された前記紙幣の記番号に基づき、所定の演算処理を実行して当該紙幣の演算結果を算出する演算ステップと、
　前記演算ステップによる当該紙幣の演算結果が所定結果であるか否かを判定する判定ステップと、
　前記判定ステップの判定結果に基づき、当該紙幣の記番号が正しいか否かを認定する認定ステップと
を含むことを特徴とする紙幣処理方法。
　前記認定ステップは、
　前記判定ステップによって前記紙幣の演算結果が前記所定結果でない場合に、当該紙幣の記番号が誤っていると認定すると共に、
　前記判定ステップによって前記紙幣の演算結果が前記所定結果である場合に、当該紙幣の記番号が正しいと認定することを特徴とする請求項１８記載の紙幣処理方法。