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WO2011105492A1 - 経皮吸収製剤 - Google Patents

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WO2011105492A1
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智史 天野
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  • an ester obtained from a primary to tertiary alcohol having 2 to 18, preferably 4 to 12 carbon atoms of an alkyl group and acrylic acid or methacrylic acid may be used. it can.
  • the support layer can be a stretchable or non-stretchable support.
  • it is selected from cloth, non-woven cloth, polyurethane, polyester, polyvinyl acetate, polyvinylidene chloride, polyethylene, polyethylene terephthalate, aluminum sheet, or a composite material thereof.
  • the microneedle is not limited to a needle shape having a sharp tip as long as it is a convex structure, and may have a shape with no sharp point.
  • the diameter at the base is about 50 to 200 ⁇ m.
  • the microneedle 13 has a conical shape, but may have a polygonal pyramid shape such as a quadrangular pyramid.
  • the area of the flat portion at the tip of the microneedle is preferably 20 to 600 ⁇ m 2 , more preferably 50 to 250 ⁇ m 2 .

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Abstract

 多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有する経皮吸収製剤は、薬物の含量安定性に優れるため有用である。

Description

経皮吸収製剤
 本発明は、経皮吸収製剤に関する。
 経皮吸収製剤において、薬物の経皮吸収性という点ばかりでなく、製剤の保存安定性を確保することが必要である。このため、薬物の分解を抑制し、製剤中で薬物を安定に保持するための方法が種々検討されている。
 このような方法としては、
(1)光に不安定な薬物を含有する場合に、UV吸収剤を製剤中に添加するか、遮光性の支持体、ライナー、包装袋を用いる方法、
(2)酸化に不安定な薬物の場合に、抗酸化剤を添加するか、脱酸素剤を包装内に同封する方法、
(3)水に不安定な薬物の場合に、製剤の成分を油性とするか、製剤中に吸水性成分を添加し、必要に応じて、乾燥剤を包装袋内に同封する方法、
(4)酸性あるいは塩基性条件に敏感な場合に、pH調節剤を添加して、薬物が安定に存在するpHに調節する方法、
 などがある。このような方法においては、薬物の分解を誘発する要因を排除して薬物の安定性を向上させるものである。
 一方、薬物と製剤中に存在する成分との反応が原因となり、薬物含量の低下が起こる場合がある。このような場合、薬物と反応しやすい成分を、反応し難い他の成分に換えるのが最も好ましい方法である。しかし、このような場合、経皮吸収性、製剤物性(付着性、皮膚刺激性など)の製剤性能が大きく変わるため、適当な処方を設計することが困難となる。
 薬物の皮膚への移行性を安定させる方法として、感圧性接着剤中に、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛などの金属塩化物を含有させる方法が開示されている(特許文献1~2)。
 なお、所定の薬物、金属塩化物並びに粘着剤を含有し、架橋処理が施されてなる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されてなる経皮吸収剤が開示されており、これによれば、粘着剤層の凝集力の低下を防止できるとされている(特許文献3)。
特開昭57-176908号公報 特開昭58-65168号公報 特開2007-16020号公報
 しかしながら、公知の技術を適用して、経皮吸収製剤中の薬物含量(特に、アミノ基を有する塩基性薬物を含有する経皮吸収製剤の薬物含量)の安定性(含量安定性)を効果的に高めるのは困難であった。そこで、本発明の目的は、アミノ基を有する塩基性薬物の含量安定性に優れた経皮吸収製剤を提供することにある。薬物の含量安定性が優れるとは、製剤中の薬物を安定に保持する性能が高いことを意味する。
 本発明は、多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有し、支持体上に層状に積層され、貼付剤の形状を成す、経皮吸収製剤を提供する。経皮吸収製剤は、多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有し、ペースト状、クリーム状、ジェリー状、ゲル状、乳液状又は液状を成すものであってもよい。
 このような成分を採用することにより、アミノ基を有する塩基性薬物の含量安定性に特に優れるようになる。本発明者らの知見によれば、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材は結合を生じやすいが、多価金属塩化物を含有させたことにより、アミノ基を有する塩基性薬物に多価金属塩化物(ルイス酸として機能すると考えられる)が配位してアミノ基の反応性が低下し、アミノ基と反応する官能基(エステル基)を有する基剤との化学反応が進行するのが阻害されているものと考えられる。この結果、薬物含量安定性の向上効果が得られるものと推測される。
 なお、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材の結合としては、例えば、付加反応、置換反応等、窒素原子との共有結合が生成する反応に基づくものが挙げられ、結果として、基剤成分と薬物とが縮合した化合物が生成する。場合によっては、最初の反応で生じた生成物がさらに、2次的に、脱離反応、酸化反応、還元反応等により変化したり、他の成分と2次的に反応する場合もありうる。
 経皮吸収製剤は、多価金属塩化物及びアミノ基を有する塩基性薬物が、エステル基含有基材中に分散又は溶解されている構成であってもよい(第1の態様)。このような態様の経皮吸収製剤は、薬物含量安定性が高いのみならず、アミノ基を有する塩基性薬物の皮膚透過性が向上する。
 経皮吸収製剤は、多価金属塩化物及びアミノ基を有する塩基性薬物を含有する薬物層が、エステル基含有基材からなる成形物上に形成されている構成を採ってもよい(第2の態様)。このような構成の典型例は、成形物がマイクロニードルであるマイクロニードルデバイスである。このような態様の経皮吸収製剤についても、薬物含量安定性に加えて、アミノ基を有する塩基性薬物の高い皮膚透過性が得られる。
 第1の態様の経皮吸収製剤において、経皮吸収製剤のpHを7~9に制御することでアミノ基を有する塩基性薬物の皮膚透過性が顕著に向上するが、これは、低いpHでは、アミノ基を有する塩基性薬物がイオン化してしまうためと推察される。なお、第1の態様の経皮吸収製剤のうち、非水系基剤を有する製剤(実質的に水を含有しない製剤)のpHは、製剤を蒸留水に浸漬して試験液を調整し、試験液のpHを測定することにより測定することができる。ここで、実質的に水を含有しないとは、経皮吸収製剤が大気からの吸湿によって含有することになる水分含有量を超す水分を含有しないことを意味する。典型的には、非水系基剤を有する経皮吸収製剤の水分含有量は、経皮吸収製剤の全量基準で7質量%以下であり、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。また、第1の態様の経皮吸収製剤のうち、水系基剤を有する製剤(水を含有する製剤)のpHは、直接測定することができる。経皮吸収製剤中の多価金属塩化物の含有量を変化させることで、経皮吸収製剤のpHを7~9に制御することができる。また、塩基性物質や酸性物質を加えてpHを制御してもよい。
 高い薬物含量安定性や、アミノ基を有する塩基性薬物の高い皮膚透過性の効果は、多価金属塩化物が塩化アルミニウムであるときに特に顕著であり、多価金属塩化物の含有量を経皮吸収製剤の全量に対して0.05~5質量%にすると特によい。
 本発明は、多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有し、ペースト状、クリーム状、ジェリー状、ゲル状、乳液状及び液状からなる群から選択される形態の経皮吸収製剤を、皮膚に適用する、経皮吸収製剤の投与方法を提供する。
 本発明はまた、多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有する経皮吸収製剤が、支持体上に層状に積層され、全体として貼付剤の形状としたものを、皮膚に適用する、経皮吸収製剤の投与方法を提供する。
 本発明はさらに、上記多価金属塩化物及びアミノ基を有する塩基性薬物を含有する薬物層が、上記エステル基含有基材からなる成形物上に形成されている、経皮吸収製剤を、皮膚に適用する、経皮吸収製剤の投与方法を提供する。この場合において、上記成形物を、マイクロニードルとして、皮膚に突き刺すことにより、経皮吸収製剤の投与方法を実施してもよい。
 本発明によれば、アミノ基を有する塩基性薬物の含量安定性に優れた経皮吸収製剤が提供される。
貼付剤の一実施形態を示す斜視図である。 マイクロニードルデバイスの一実施形態を示す斜視図である。 図2のIII-III線断面図である。 (a)~(c)は、マイクロニードルデバイスの製造方法の一例を示す図である。 実施例2~7及び比較例5の貼付剤について薬物の経皮吸収性を表すグラフである。
 以下、場合により図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(経皮吸収製剤)
 経皮吸収製剤は、多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有する。アミノ基を有する塩基性薬物とは、アミノ基を備える薬物であって塩基性のものをいい、製剤中において、基剤成分のエステル基と反応し、基剤成分と縮合した化合物を生成する傾向のある薬物である。アミノ基としては、1級又は2級アミノ基が挙げられる。ここで、2級アミノ基とはイミノ基(-NH-)のことをいう。アミノ基には、脂肪族アミノ基や芳香族アミノ基が存在する。脂肪族アミノ基とは、置換基を有していてもよい炭素数1~10、好ましくは炭素数1~5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の脂肪族の置換基を有するアミノ基をいう。芳香族アミノ基とは、置換基を有していてもよいアリール基、ヘテロアリール基等の芳香族の置換基を有するアミノ基をいう。薬物が有するアミノ基は、脂肪族アミノ基であることが好ましく、脂肪族2級アミノ基であることがより好ましい。脂肪族アミノ基、特に脂肪族2級アミノ基は、芳香族アミノ基と比較して塩基性が高く、エステル基と反応しやすい。したがって、脂肪族2級アミノ基を有する塩基性薬物は、製剤中における薬物含量安定性の向上効果が顕著に現れる傾向がある。
 アミノ基を有する塩基性薬物は、薬物の薬理学的に許容される塩であってもよく、このようなものとしては、例えば、塩基性薬物の塩酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、サリチル酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩などの酸性塩が挙げられる。
 薬物の具体例としては、抗痴呆薬(塩酸ドネペジル等)、排尿障害改善薬(塩酸タムスロシン等)、催眠・鎮静剤(塩酸フルラゼパム、塩酸リルマザホン等)、解熱消炎鎮痛剤(酒石酸ブトルファノール、クエン酸ペリソキサール等)、興奮・覚醒剤(塩酸メタンフェタミン、塩酸メチルフェニデート等)、精神神経用剤(塩酸クロルプロマジン、塩酸イミプラミン、リスペリドン、アリピプラゾール、オランザピン等)、局所麻酔剤(塩酸リドカイン、塩酸プロカイン等)、泌尿器官用剤(塩酸オキシブチニン等)、骨格筋弛緩剤(塩酸チザニジン、塩酸エペリゾン、メシル酸プリジノール等)、自律神経用剤(塩化カルプロニウム、臭化ネオスチグミン等)、抗パーキンソン剤(塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸アマンタジン、メシル酸ペルゴリド等)、抗ヒスタミン剤(フマル酸クレマスチン、タンニン酸ジフェンヒドラミン等)、気管支拡張剤(塩酸ツロブテロール、境酸プロカテロール等)、強心剤(塩酸イソプレナリン、塩酸ドパミン等)、冠血管拡張剤(塩酸ジルチアゼム、塩酸べラパミル等)、末梢血管拡張剤(クエン酸二カメタート、塩酸トラゾリン等)、禁煙補助薬(バレニクリン酒石酸塩等)、循環器官用剤(フマル酸ビソプロロール、塩酸フルナリジン、塩酸ニカルジピン等)、不整脈用剤(塩酸プロプラノロ一ル、塩酸アルプレノロール等)、抗アレルギー剤(フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン等)、鎮暈剤(メシル酸ベタヒスチン、塩酸ジフェニドール等)、セロトニン受容体拮抗制吐剤、麻薬系の鎮痛剤(硫酸モルヒネ、クエン酸フェンタニル等)が挙げられる。
 なお、これらの薬物は単独で用いても2種類以上併用してもよく、無機塩あるいは有機塩のいずれの形態の薬物も含まれる。また、薬物は、貼付剤として適用した場合において、十分な透過量を得また発赤等の皮膚への刺激性等を低減させるために、経皮吸収製剤の組成全体の重量に基づいて、1~50重量%の量で配合されることが好ましい。
 経皮吸収製剤は、上記アミノ基を有する塩基性薬物に加えて、多価金属塩化物を含み、当該成分が薬物の安定化剤として機能する。
 多価金属塩化物としては、金属が2価又は3価の多価金属塩化物が好ましく、このような塩化物としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等が挙げられ、金属が3価のアルミニウムである塩化アルミニウムが特に好ましい。
 多価金属化合物の添加量は、薬物の安定化効果(含量安定化効果)が生じる範囲内であれば制限はないが、通常、経皮製剤の組成全体に対して、0.05~5質量%の範囲で添加される。この範囲の添加量であれば、製剤物性や経皮吸収性に大きな影響を与えることなく、安定化効果を発揮できる。なお、この範囲は、0.1~3質量%がより好ましく、0.2~2質量%がさらに好ましい。
 経皮吸収製剤は、上述した、アミノ基を有する塩基性薬物及び多価金属塩化物に加えて、エステル基含有基材を含有し、当該成分が薬物及び多価金属塩化物の担体として機能する。
 エステル基含有基材としては、(メタ)アクリル酸エステルを単量体単位とするポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、上述した第1の態様に有効に用いられる。第1の態様の中でもプラスター剤(貼付剤の一態様)として適用する場合は、エステル基含有基材は、適用温度(室温~体温)で粘着性を有するポリマー(アクリル系粘着剤)が好ましい。
 アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で重合した重合体が好ましい。特に好ましくは一種もしくは二種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50~98重量%と、一種もしくは二種以上の共重合性単量体2~50重量%を共重合して得られる共重合体が用いられる。
 このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2~18、好ましくは4~12の一級~三級アルコールと、アクリル酸もしくはメタクリル酸とから得られるエステルを用いることができる。
 一方、共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有すると共に、カルボキシル基(例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)やヒドロキシル基(例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなど)、スルホキシル基(例えばスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸など)、アミノ基(例えば(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルアミノエチルエステルなど)、アミド基(例えば(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、Nーメチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなど)、アルコキシル基(例えば(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなど)などの官能基を側鎖に有する単量体を用いることができる。これら以外に共重合できる単量体としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N-ビニル-2-ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピベリドン、ビニルピリミジン、ビニルピベラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンなどを用いることができる。
 これらの共重合性単量体は一種もしくは二種以上共重合することができるが、粘着特性としての接着性や凝集性、粘着剤層中に含有する塩基性薬物及び/又はその薬理学的に許容される塩の放出性などの点から、カルボキシル基含有単量体やヒドロキシル基含有単量体の少なくとも一種を1~50重量%、好ましくは3~20重量%の範囲で共重合し、必要に応じて上記に例示の他の単量体、例えば酢酸ビニルやN-ビニル-2-ピロリドンのようなビニル系単量体を40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で共重合することが好ましい。
 具体的なアクリル系粘着剤としては、2-エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とからなる共重合体、2-エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレートとからなる共重合体、2-エチルヘキシルアクリレートとメチルメタクリレートとからなる共重合体、2-エチルヘキシルアクリレートと2-メトキシエチルアクリレートと酢酸ビニルからなる共重合体、2-エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンとからなる共重合体、2-エチルヘキシルアクリレートとメチルメタクリレートと2-メトキシエチルアクリレートとからなる共重合体、2-エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンとアクリル酸とからなる共重合体などが挙げられる。また、市販品を用いることもできる。
 更に、上記アクリル系粘着剤には、薬物の保存安定性を損なわない範囲内であれば、上記多官能性単量体以外の、エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物などの架橋剤を添加してもよいが、本発明においては、安定剤である多価金属塩化物による安定化効果が十分に発揮できるので、架橋剤を加えていないアクリル系粘着剤を用いるほうが好ましい。
 なお、アクリル系粘着剤には、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤(合成イソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、スチレン/イソプレン/スチレンゴム、スチレン/ブタジエン/スチレンゴム)、シリコーン系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤などの粘着剤を併用してもよい。
 アクリル系粘着剤は、当該粘着剤を構成するポリマーと相溶する液状成分を含有していてもよく、このような液状成分としては、とくに限定されないが、親油性の液状成分が挙げられ、吸収促進剤、溶解剤、可塑剤などであることができる。吸収促進剤としては、カプリル酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ジメタノールアミド、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。可塑剤としては、スクワラン、クスワレン、シリコンオイル、石油系オイル(例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル)、植物系オイル(例えば、オリーブ油、ひまし油、ツバキ油、トール油、らっかせい油)などが挙げられる。溶解剤としては、ジプロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
(貼付剤)
 図1は、上述した第1の態様の経皮吸収製剤に係る貼付剤の一実施形態を示す斜視図である。図1に示す貼付剤1は、シート状の支持体2と、支持体の一方面上に積層された薬物層3とから構成される。薬物層3の支持体2と反対側の面には、剥離ライナー4が積層されている。貼付剤1は、剥離ライナー4を剥がしてから、患者等の皮膚に薬物層3が密着するように貼付して用いられる。
 貼付剤は、溶剤法、ホットメルト法等の方法により製造することができる。溶剤法により製造する場合には、多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含む成分を、溶剤中に溶解又は分散させ、得られる溶解物又は分散物を支持体上に展延し、溶剤を除去して薬物層を形成し、貼付剤を得ることができる。また、配合される成分がホットメルト法により塗工可能なものである場合には、高温で上記成分を溶解させ、得られる溶解物を支持体上に展延して薬物層を形成し、貼付剤を得ることもできる。薬物層の支持体と反対側の面には、剥離ライナーをさらに積層してもよい。
 上記の製造方法において、溶解物又は分散物を、支持体の代わりに剥離ライナー上に展延して薬物層を形成した後、支持体を貼り合わせることにより貼付剤を得てもよい。
 溶剤法により製造する場合に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、トルエン、酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
 支持体層は伸縮性又は非伸縮性の支持体を用いることができる。例えば、布、不繊布、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムシート、又はそれらの複合素材から選択される。
 剥離ライナーとしては、具体的にはポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、上質紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム等を用いることができる。これらの剥離ライナーは、貼付側から剥離ライナーを剥離する際の作業容易性を高めるために、剥離ライナーの粘着剤層と接触する側の面にフッ素処理やシリコン処理を施すことが好ましい。
 第1の態様の経皮吸収製剤が、パップ剤(貼付剤の一態様)である場合には、エステル基含有基材として、ゼラチン、CMC-Na(カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩)、ポリアクリル酸誘導体等が挙げられ、これらは、グリセリン、プロピレングリコール、水等を含んでいてもよい。
 第1の態様の経皮吸収製剤のうち、貼付剤以外の態様として、多価金属塩化物及びアミノ基を有する塩基性薬物を含む成分を、エステル基含有基材に溶解又は混合分散させて、ペースト状、クリーム状、ジェリー状、ゲル状、乳液状、液状等の形状になされたもの(軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、チンキ剤等)を挙げることができる。
(マイクロニードルデバイス)
 第2の態様の経皮吸収製剤としては、マイクロニードルデバイスが挙げられる。マイクロニードルデバイスとしては、基板と、当該基板上に設けられた、皮膚を穿孔可能なマイクロニードルと、当該マイクロニードル上及び/又は基板上に設けられた薬物層とを備えるマイクロニードルデバイスであって、薬物層が、上述した多価金属塩化物及びアミノ基を有する塩基性薬物を含み、マイクロニードル及び/又は基板が、エステル基含有基材からなるものが挙げられる。
 図2は、マイクロニードルデバイスの一実施形態を示す斜視図である。図3は図2のIII-III線断面図である。
 図2に示すように、マイクロニードルデバイス100は、マイクロニードル基板12と、そのマイクロニードル基板12上に二次元状に配置された、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードル13とを備えている。
 マイクロニードル基板12は、マイクロニードル13を支持するための土台である。マイクロニードル基板12には、複数の貫通孔14が二次元状に配置されるように形成されている。マイクロニードル13と貫通孔14とは、マイクロニードル基板12の対角線方向において交互に配置されている。貫通孔14により、マイクロニードル基板12の背面から薬物を投与することが可能になる。貫通孔14の無い基板を用いてもよい。マイクロニードル基板12の面積は、0.5~10cmであり、好ましくは1~5cm、より好ましくは1~3cmである。マイクロニードル基板12を数個つなげることで所望の大きさの基板を構成するようにしてもよい。
 マイクロニードル13は微小構造であり、その高さ(長さ)hは、好ましくは50~500μmである。ここで、マイクロニードル13の長さを50μm以上とするのは、薬物の経皮投与を確実にするためであり、500μm以下とするのは、マイクロニードルが神経に接触するのを回避して痛みの可能性を確実に減少させるとともに、出血の可能性を確実に回避するためである。また、マイクロニードル13の長さが500μm以下であると、皮内に入るべき量の薬物を効率良く投与することができる。マイクロニードル13の長さは、300~500μmであることが好ましく、400~500μmであることが特に好ましい。
 マイクロニードルは、凸状構造物であれば、鋭い先端を有する針形状のものに限定されるものではなく、先の尖っていない形状でもよい。マイクロニードル13が円錐状構造である場合には、その基底における直径は50~200μm程度である。本実施形態ではマイクロニードル13は円錐状であるが、四角錐などの多角錐状でもよい。先の尖っていない形状の場合、マイクロニードルの先端の平坦部の面積は20~600μmであることが好ましく、より好ましくは50~250μmである。
 マイクロニードル13は、典型的には、針の横列について1ミリメートル(mm)当たり約1~10本の密度が提供されるように間隔を空けて設けられている。一般に、隣接する横列は横列内の針の空間に対して実質的に等しい距離だけ互いに離れており、1cm当たり100ないし10000本の針密度を有する。100本以上の針密度があると、効率良く皮膚を穿孔することができる。一方、10000本を超える針密度では、皮膚穿孔可能な強度をマイクロニードル13に付与することが難しくなる。マイクロニードル13の密度は、1cm当たり、好ましくは200~5000本、さらに好ましくは300~2000本、最も好ましくは400~850本である。
 図3に示すように、マイクロニードル13上には、多価金属塩化物及びアミノ基を有する塩基性薬物を含有する薬物層15が形成される。
 マイクロニードルデバイス100を用いた薬物の投与方法としては、手押しによる直接投与や、アプリケータ等の補助器具によりマイクロニードルデバイス100を角質層に衝突させて投与する方法、補助器具を用いた上で手押しにより投与する方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
 エステル基含有基剤をマイクロニードル又はマイクロニードルアレイに成形する場合、基剤としては、天然の樹脂素材等が挙げられるが、微小突起の抗原性及び材質の単価を考慮すると、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリ乳酸-co-ポリグリコリド等の生分解性ポリマーや、非分解性ポリマーであるポリカーボネート、エチレンビニルアセテート等の合成又は天然の樹脂素材が特に好ましい。また、多糖類であるコンドロイチン硫酸、セルロース誘導体も好適である。
 マイクロニードル基板12あるいはマイクロニードル13の製法としては、精密機械加工(放電加工、レーザー加工、ダイシング加工、ホットエンボス加工、射出成型加工等)、機械切削加工等が挙げられる。これらの加工法により、マイクロニードル基板12及びマイクロニードル13が一体に成型される。マイクロニードル13を作製後にレーザー加工等で二次加工し、マイクロニードル13を中空にしてもよい。
 図4(a)~(c)は、マイクロニードル13に薬物層15を形成する方法の一例を示す図である。この方法では、まず、図4(a)に示すように、多価金属塩化物及びアミノ基を有する塩基性薬物を含有する薬物組成物20をマスク版21上でヘラ22により矢印A方向に掃引し、開口部23に薬物組成物20を充填する。続いて、図4(b)に示すように、マスク版21の開口部23にマイクロニードル13を挿入する。その後、図4(c)に示すように、マスク版21の開口部23からマイクロニードル13を引き出す。これにより、マイクロニードル13に薬物層15が形成される。その後、風乾、真空乾燥、凍結乾燥又はそれらの組み合わせの既知の方法により、マイクロニードル13上の薬物層15を乾燥する。これにより、薬物組成物20は薬物層15としてマイクロニードル13に固着化される。
 マイクロニードル13の薬物層15の厚さは50μm未満であり、好ましくは25μm未満、さらに好ましくは1~10μmである。薬物層15の厚さは、乾燥後に測定される平均の厚さである。薬物層15の厚さは、固着した薬物層に更に薬物組成物20の塗付を繰り返すことで、増大させることができる。
 マイクロニードル13に薬物層15を形成する際には、薬物組成物20の溶媒揮発による薬剤の濃度変化および物性の変化を最小限にするために、温湿度を一定に制御することが好ましい。溶媒の蒸散を防ぐためには、温度を下げるか湿度を上げるかのどちらか、またはその両方を行うことが好ましい。温度を制御しない場合の室温での湿度は、相対湿度として50~100%RHであり、好ましくは70.0~99.9%RHである。50%RH以下であると溶媒の蒸発が起こり、薬物組成物20の物性の変化が起こる場合がある。加湿方式には気化式、蒸気式、水噴霧式などがあるが、目的の湿度状態が確保できればいずれの方式でもよい。
 以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。尚、実施例において、「%」は全て「質量%」を意味するものとする。
(製剤の安定性)
 製造した貼付剤を10cmの大きさに裁断し、試験に用いるサンプルを得た。各サンプルをアルミ包材中に密封してから、温度60℃、湿度75%の恒温恒湿槽中に2週間及び1ヶ月保管し、各貼付剤に残存する塩基性薬物を以下に示す方法にしたがって抽出し、それぞれの初期含有量に対する残存率を対初期値(%)として算出した。
(貼付剤中の塩基性薬物含量の測定)
 貼付剤から剥離ライナーを剥がした後、有機溶媒で薬物を抽出し、その抽出液中の薬物含量を高速液体クロマトグラフィーにより分析し、各貼付剤中に含まれる塩基性薬物の含量を定量した。
 温度60℃、湿度75%の恒温恒湿槽中に2週間及び1ヶ月保存した各サンプルの測定により得られた塩基性薬物の含有量(N)、及び初期サンプルの測定で得られた塩基性薬物の含有量(N)の値を下記式(1)に示す関係式に代入して得られた値(R)を計算し、各条件での保管後における、各サンプルに含有する塩基性薬物の量を対初期値(%)で示した。
 R(%)=N/N×100 …(1)
(皮膚透過試験)
 へアレスマウス腹側部皮膚を剥離し、真皮側をレセプター層側として37℃の温水を外周部に循環させた透過セルに装着した。次に皮膚の角質層側に適用面積5cmの貼付剤を貼付し、レセプター層としてPBSを用いて2時間ごとに24時間までのレセプター層をサンプリングした。その流量を測定すると共に、高速液体クロマトグラフィーを用いて薬物濃度を測定し、その測定値から1時間当たりの薬物透過速度を算出し、それの最大値(Jmax)μg/cm/hrを求めた。
(比較例1:ビソプロロール含有製剤)
(貼付剤の製造)
 下記表に示す配合比の通り、アクリレート共重合体(アクリル系粘着剤)の溶液(-COOH基含有タイプ、溶媒:酢酸エチル・トルエン)に、脂肪族2級アミノ基を有する薬物であるビソプロロールを加え、十分に攪拌し塗工液を得た。次に、得られた塗工液をポリエチレンテレフタレート製剥離ライナー上に塗布した後、溶媒であるトルエン及び酢酸エチルを乾燥除去して、所定の膏体厚み(200μm)を有する薬物含有層を形成させた。さらに、この薬物含有層をポリエチレンテレフタレート製支持体と張り合わせて、比較例1の貼付剤を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(薬物含量安定性の評価)
 比較例1の貼付剤について、上述した方法にしたがって薬物含量を測定し、含量安定性を検討した。結果を以下に示す。
   60℃,2週間後の ビソプロロール含量 :97.5%
   60℃,1ヶ月後の ビソプロロール含量 :94.9%
 比較例1では、薬物の抽出サンプル中には、ビソプロロール由来と推定される分解物はほとんど存在しなかった。一方、薬物抽出後の製剤の残渣について詳細に分析した結果、アクリレート共重合溶液(-COOH基含有タイプ)とビソプロロールとが反応した生成物が存在することが示唆された(NMRにおいて、ビソプロロールのフェニル基の水素原子に由来するピークを確認した)。このことから、薬物とエステル基含有基剤との縮合が起こっているものと推定された。
(実施例1、比較例2~4:バレニクリン含有製剤)
(貼付剤の製造)
 下記表に示す配合比の通り、脂肪族2級アミノ基を有する薬物である酒石酸バレニクリン及び水酸化ナトリウムを適量のメタノール中で十分に攪拌し混合物を得た。次に、アクリレート共重合体(アクリル系粘着剤)(-OH基含有タイプ)に残りの成分を加え混合したものを調製し、先に得られた混合物に加えて十分に攪拌し塗工液を得た。次に、得られた塗工液をポリエチレンテレフタレート製剥離ライナー上に塗布した後、溶剤を乾燥除去して、所定の膏体厚み(100μm)を有する薬物含有層を形成させた。さらに、この薬物含有層をポリエチレンテレフタレート製支持体と張り合わせて、貼付剤を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
(薬物含量安定性の評価)
 上述した方法にしたがってバレニクリン製剤(実施例1、比較例2~4)の経時安定性を評価した。結果を下記表に示す。なお、表中、例えば、「60℃-2W」は60℃で2週間、「60℃-1M」は60℃で1ヶ月間の保管条件を指す(以下同様である)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
(実施例2~7、比較例5:タムスロシン含有製剤)
(貼付剤の製造)
 下記表に示す配合比にしたがって材料を混合した。あらかじめ、脂肪族2級アミノ基を有する薬物である塩酸タムスロシン、酢酸ナトリウム、脂肪酸エステル及びポリビニルピロリドンを溶剤中にてよく混合した後、塩化アルミニウムを溶解したアクリル系ポリマー(アクリレート共重合体(-OH基含有タイプ))と混合した。剥離ライナー上に塗工後、溶剤を乾燥除去し、ポリエチレンテレフタレートフィルム支持体と張り合わせて貼付剤を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
(薬物含量安定性の評価)
 上述した方法にしたがって、タムスロシン含有製剤(実施例2~6、比較例5)の経時安定性を評価した。結果を下記表に示す。
(pHの測定方法)
 剥離ライナーを剥がした製剤(5cm)を20mLの蒸留水に浸漬し、24時間撹拌したものを試験液とし、試験液のpHを測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
(皮膚透過性の評価)
 上述した方法にしたがって、タムスロシン含有製剤(実施例2~7、比較例5)における薬物の皮膚透過試験を行った。結果を図5に示す。
(皮膚透過性の経時安定性の評価)
 上述した方法にしたがって、タムスロシン含有製剤(実施例3及び比較例5)における薬物の皮膚透過性の経時安定性を評価した。結果を下記表に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 実施例1~6、比較例1~5の結果から、アミノ基を有する塩基性薬物と、アクリル粘着剤を含有する粘着剤層を有する経皮吸収製剤において、塩化アルミニウムを添加することにより、薬物の含量安定性が向上した。
 図5に示す実施例2~7の製剤の皮膚透過性試験の結果から、製剤のpHが7以上である製剤は、皮膚透過性も優れていた。また、皮膚透過性の経時安定性を検討した結果から、脂肪族2級アミノ基を有するタムスロシン含有製剤に、0.2%の塩化アルミニウムを添加しても、皮膚透過性の経時安定性への悪影響は少ないことが示された。
 以上のように、多価金属塩化物(特に塩化アルミニウム)を製剤中に含有することにより、塩基性薬物の経時安定性が顕著に改善された。多価金属塩化物が効果を有する理由は明らかではないが、塩基性薬物と(メタ)アクリル酸エステル共重合体との反応を阻害することが推定される。
 その理由として、発明者らの知見として、塩基性薬物としてビソプロロールをアクリレート粘着剤中に配合した粘着剤層において、経時的なビソプロロールの含量低下が認められたため、分析したところ、ビソプロロールとアクリル共重合体との反応が起こっていることが確認されたことが挙げられる。
 ビソプロロールだけでなく、塩基性アミノ基を有するタムスロシン、バレニクリンにおいてもアクリル酸エステル共重合体を含有する粘着剤中での含量低下が認められ、粘着剤層からの抽出液中には、タムスロシンやバレニクリンに由来すると推定される分解物はほとんど見出せなかったことから、ビソプロロールのように、ポリマー(エステル基含有基剤)との反応が起こった可能性が高いと考えられた。
 本発明によれば、種々の塩基性薬物を含有する、経時的な含量安定性の高い経皮吸収製剤を提供可能である。
  1…貼付剤、2…支持体、3,15…薬物層、4…剥離ライナー、12…マイクロニードル基板、13…マイクロニードル、14…貫通孔、20…薬物組成物、21…マスク版、22…ヘラ、23…開口部、100…マイクロニードルデバイス。

Claims (7)

  1.  多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有し、支持体上に層状に積層され、貼付剤の形状を成す、経皮吸収製剤。
  2.  多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有し、ペースト状、クリーム状、ジェリー状、ゲル状、乳液状又は液状を成す、経皮吸収製剤。
  3.  前記多価金属塩化物及び前記アミノ基を有する塩基性薬物が、前記エステル基含有基材中に分散又は溶解されている、請求項1又は2記載の経皮吸収製剤。
  4.  多価金属塩化物、アミノ基を有する塩基性薬物及びエステル基含有基材を含有し、前記多価金属塩化物及び前記アミノ基を有する塩基性薬物を含有する薬物層が、前記エステル基含有基材からなる成形物上に形成されている、経皮吸収製剤。
  5.  前記成形物は、マイクロニードルである、請求項4記載の経皮吸収製剤。
  6.  前記多価金属塩化物は、塩化アルミニウムである、請求項1~5のいずれか一項に記載の経皮吸収製剤。
  7.  前記多価金属塩化物の含有量は、経皮吸収製剤の全量に対して0.05~5質量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の経皮吸収製剤。
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