WO2010047231A1

WO2010047231A1 - パンクシーリング剤収容容器およびパンク修理装置

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Publication number: WO2010047231A1
Application number: PCT/JP2009/067575
Authority: WO
Inventors: 大輔金成; 巧関口
Original assignee: Yokohama Rubber Co Ltd
Current assignee: Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date: 2008-10-20
Filing date: 2009-10-08
Publication date: 2010-04-29
Anticipated expiration: 2011-04-20
Also published as: DE112009002513T5; CN102186658B; US20110192492A1; CN102186658A; US8517063B2

Abstract

　簡単な構成で容器を安定に固定できるようにしたパンクシーリング剤収容容器およびこの容器を使用したパンク修理装置である。パンクシーリング剤を充填した容器（２）に圧縮空気を圧入する空気流入部（３）と前記パンクシーリング剤を容器（１）外へ圧送するシーリング剤吐出部（４）とを具えたパンクシーリング剤収容容器（１）において、前記容器（１）の外側面に着脱可能な固定手段を設け、該固定手段を介して前記容器を他物体に固定したとき、前記シーリング剤吐出部（４）の流入口が前記容器（１）内の下部に位置するように構成している。

Description

パンクシーリング剤収容容器およびパンク修理装置

　本発明は、パンクシーリング剤収容容器およびパンク修理装置に関し、更に詳しくは、簡単な構成で容器を安定に固定できるようにしたパンクシーリング剤収容容器およびこの容器を使用したパンク修理装置に関する。

　近年、空気入りタイヤ（以下、単に「タイヤ」という。）がパンクした際に、パンクシーリング剤をパンクしたタイヤ内に注入することによってパンク孔に流し込み、所定の規定圧まで内圧を充填するようにしたパンク修理キットが普及している。このようなパンク修理キットを用いることで、車両にスペアタイヤを搭載する必要がなくなるため、省資源化や車両の軽量化を図ることができる。また、スペアタイヤを搭載するために車両に設けられていたスペースを他の目的のために有効利用することができるという利点がある。

　図１８は、従来のパンク修理キットを例示したものである。このパンク修理キットは、パンクシーリング剤を収容した耐圧容器１に空気流入部３とシーリング剤吐出部４とを具え、その空気流入部３とシーリング剤吐出部４とに、それぞれホース１２ａ、１２ｂが接続されるようになっている。ホース１２ａにはコンプレッサＣから圧縮空気が供給されて空気流入部３から容器１に圧入され、その圧縮空気の加圧により容器１内のパンクシーリング剤をシーリング剤吐出部４へ押し出し、ホース１２ｂを介してタイヤＴの内部へ導入するようになっている。

　上記パンク修理キットにおいて、容器１はパンクシーリング剤をタイヤに供給している間は、転倒したり、傾斜したりしないように安定な姿勢に固定されている必要がある。従来、このような対策のために、特許文献１は、シール剤を収容する容器の下部に装着したキャップの下端に複数本の脚部を放射状に拡張するように設けることを提案している。

　しかし、このような脚部は、水平な路面では容器を安定に設置することはできるものの、傾斜した路面や悪路等では転倒するなどして安定に設置することができないという問題があった。

特開２００５－１４５０７６号公報

　本発明の目的は、上述する問題点を解決するもので、路面が傾斜していたり、悪路であっても簡単な構成で容器を安定に固定できるようにしたパンクシーリング剤収容容器およびこの容器を使用したパンク修理装置を提供することにある。

　上記目的を達成するための本発明のパンクシーリング剤収容容器は、パンクシーリング剤を充填した容器に圧縮空気を圧入する空気流入部と前記パンクシーリング剤を容器外へ圧送するシーリング剤吐出部とを具えたパンクシーリング剤収容容器において、前記容器の外側面に他物体に対して着脱可能な固定手段を設け、該固定手段を介して前記容器を前記他物体に固定したとき、前記容器内における前記シーリング剤吐出部の流入口が前記容器内の下部に位置するように構成したことを特徴とする。

　また、上述する構成において、以下（１）～（８）に記載するように構成することが好ましい。

（１）前記固定手段を前記容器の下側に設けて前記他物体に固定する。
（２）前記容器の開口部に脱着可能なキャップを設け、該キャップに前記空気流入部と前記シーリング剤吐出部とを設けると共に、該キャップの外面側に前記固定手段を設ける。
（３）前記容器の開口部に該開口部を塞ぐようにシール膜を設けると共に、該シール膜の外側から前記キャップを嵌合するように構成し、前記空気流入部の吐出口先端及び前記シーリング剤吐出部の流入口先端をそれぞれ鋭角に加工し、これら吐出口先端と流入口先端とが前記キャップの嵌合時に前記シール膜を破るようにする。
（４）前記キャップの内壁に、側方へ突出する弾性フックを形成し、該キャップを前記容器の開口部に嵌合するとき、前記弾性フックが前記開口部の外壁に設けた係合溝に係合するようにする。
（５）前記空気流入部の吐出口先端及び前記シーリング剤吐出部の流入口先端に、それぞれ側方へ突出する弾性フックを形成し、前記キャップを前記容器の開口部に嵌合するとき、前記弾性フックが前記開口部の内壁に設けた係合溝に係合するようにする。
（６）前記着脱可能な固定手段が前記他物体に対して吸着可能な吸盤であるようにする。
（７）前記着脱可能な固定手段が前記容器側に設けた面ファスナーと前記他物体側に設け他面ファスナーとの対からなるようにする。
（８）前記容器側の面ファスナーが設けられる前記容器の部分を平面にする。

　また、本発明のパンクシーリング剤収容容器を使用するパンク修理装置は以下（９）～（１１）に記載するように構成することが好ましい。

（９）上記（６）の構成を持つパンクシーリング剤収容容器と、前記空気流入部に圧縮空気を圧入するコンプレッサとからなり、該コンプレッサのケース外面に前記吸盤を吸着させる。
（１０）前記平滑面を前記コンプレッサのケース表面に貼り付けた平滑な素材のステッカーで形成した構成からなるようにする。
（１１）前記ステッカーに前記吸盤の固定場所を示す模様及び／又は文章を表示する。

　また、本発明のパンクシーリング剤収容容器を使用する他のパンク修理装置は以下（１２）～（１４）に記載するように構成することが好ましい。

（１２）上記（７）又は（８）の構成を持つパンクシーリング剤収容容器と、前記空気流入部に圧縮空気を圧入するコンプレッサとからなり、該コンプレッサのケース外面に前記他物体側の面ファスナーを設ける。
（１３）前記パンクシーリング剤収容容器の横側面と前記コンプレッサのケース横側面とに、前記対をなす面ファスナーとは独立した別の対をなす第２の保管用面ファスナーを設ける。
（１４）前記面ファスナーと前記第２の保管用面ファスナーをそれぞれ構成するフックファスナーとループファスナーとの組み合わせを前記パンクシーリング剤収容容器と前記コンプレッサのケースとに対して互いに逆の関係になるようにする。

　本発明によれば、パンクシーリング剤を充填した容器に圧縮空気を圧入する空気流入部と前記パンクシーリング剤を容器外へ圧送するシーリング剤吐出部とを具えたパンクシーリング剤収容容器において、前記容器の外側面に他物体に対して着脱可能な固定手段を設け、該固定手段を介して前記容器を前記他物体に固定するので、路面が傾斜していたり、悪路であっても、簡単な構成で容器を安定かつ確実に固定することが出来る。また、容器を固定手段で他物体に固定したとき、前記シーリング剤吐出部の流入口が前記容器内の下部に位置するようにしたので、パンクシーリング剤を確実に吐出することが出来る。

図１は本発明の実施形態からなるパンクシーリング剤収容容器を示す概略図である。図２は本発明の他の実施形態からなるパンクシーリング剤収容容器の概略図である。図３は本発明の更に他の実施形態からなるパンクシーリング剤収容容器の概略図である。図４は図１の実施形態の変形例のキャップ及び本体の断面図である。図５は図１の実施形態の他の変形例のキャップ及び本体の断面図である。図６は図１の実施形態の更に他の変形例のキャップ及び本体の断面図である。図７は図４における本体とキャップとの嵌合方法を示した説明図である。図８は本発明の他の実施形態からなるパンクシーリング剤収容容器の概略図である。図９は本発明の更に他の実施形態からなるパンクシーリング剤収容容器の概略図である。図１０は本発明の更に他の実施形態からなるパンクシーリング剤収容容器の概略図である。図１１は図１０の実施形態からなるパンクシーリング剤収容容器の変形例を示す斜視図である。図１２は本発明の実施形態からなるパンク修理装置の使用状態を示す概略図である。図１３は本発明の実施形態からなるコンプレッサの斜視図である。図１４は本発明の他の実施形態からなるコンプレッサの斜視図である。図１５は本発明の他の実施形態からなるパンク修理装置の使用状態を示す概略図である。図１６は本発明の更に他の実施形態からなるパンク修理装置の使用状態を示す概略図である。図１７は面ファスナーと保管用面ファスナーとの位置関係を示す説明図である。図１８は従来のパンク修理装置を示す概略図である。

　図１は、本発明の実施形態からなるパンクシーリング剤収容容器を示す概略図である。

　容器１は、本体２の内部にパンクシーリング剤を収容し、その下部側に設けた開口部２ａにキャップ６が装着されている。キャップ６が装着された開口部２ａには、ホース１２ａを介して不図示のコンプレッサに接続される空気流入部３と、ホース１２ｂを介して不図示のパンクしたタイヤに接続されるシーリング剤吐出部４とがそれぞれ設けられている。この空気流入部３とシーリング剤吐出部４とは、キャップ６及び開口部２ａの壁面を貫通するように設けられている。このように構成された容器１の下方のキャップ６の頂面に他物体に対して着脱可能な吸盤５が固定手段として設けられている。

　このように容器１の外面に他物体に対して吸着可能な吸盤５を固定手段として設けることで、この吸盤５を介して他物体上にパンクシーリング剤収容容器１を簡便かつ安定に固定することができる。そのため、パンク修理作業を円滑に行うことができる。尚、図１のように吸盤５を設ける場合は他物体の平滑な表面に吸着させる。

　このように、容器１を他物体に対して固定したとき、シーリング剤吐出部４はその流入口４ａが容器１内の下部に位置するようにしなければならない。流入口４を容器１内の下部に配置しないと、パンクシーリング剤の全てをタイヤ内へ導入することができなくなる。

　吸盤５の容器１に対する取り付け位置は、容器１の外面であればどこに設けても構わないが、好ましくは容器１を鉛直方向に直立させたとき、その下面側の外面に設けるとよい。つまり、吸盤５は、容器１を直立状態にして他物体に固定する場合には、容器１の下部に位置するように設けるとよい。吸盤５を容器１の下部に設けることで、更に容器１の重量によって確実に固定することができる。このときも、シーリング剤吐出部４の流入口４ａは容器１内の下部側に位置するようにする。

　図２は、キャップ６側を容器１の上部側にして容器１を直立させるようにした実施形態である。この態様の場合には、吸盤５を容器１の底面に取り付けると共に、キャップ６に設けた空気流入部３とシーリング剤吐出部４とのうち、シーリング剤吐出部４は、その流入口４ａが容器１の下部まで延長するようにしなければならない。

　図３は、容器１を横設するようにした実施形態である。この実施態様の場合には、本体２の側面に吸盤５を固定すると共に、キャップ６に設けた空気流入部３とシーリング剤吐出部４とのうち、シーリング剤吐出部４は、流入口４ａが横設の本体の下側に位置するようにしなければならない。

　いずれの場合でも、空気流入部３とシーリング剤吐出部４とはどこに設けられてもよいが、シーリング剤吐出部４の流入口４ａは、必ず容器１内の下部に位置するようにしなければならない。

　図４～図６に示す実施形態は、それぞれ図１の実施形態に対する変形例を示す。

　一般に、シーリング剤を収容した容器１は、パンクシーリング剤の漏れや劣化を防止するために、シール膜８が本体２の開口部２ａを覆うように貼り付けられている。そのため、使用開始時には、本体２からシール膜８を取り除く作業が必要になっている。

　図４の実施形態は、キャップ６の空気流入部３の吐出口３ａ先端とシーリング剤吐出部４の流入口４ａ先端とが鋭角に尖った形状に加工されている。このように構成してあるため、容器１を他物体に固定する際に、キャップ６を、吸盤５を下側にして他物体の表面に設置した状態にして、本体２の開口部２ａをキャップ６内に差し込みながら押し下げると、特にシール膜８を破く作業を追加せずに、吸盤５を他物体の表面に自動的に吸着固定させることができる。即ち、吸盤５によって容器１を他物体に固定する作業とキャップ６の取り付け作業とを同時にすることができる。

　尚、このようにシール膜８を破って本体２とキャップ６とを組み合わせるとき、パンクシーリング剤がコンプレッサＣ側に逆流するのを防止するために、空気流入部３には逆止弁を設けるとよい。

　図５の実施形態は、図４の構成に加えて、キャップ６の内壁に側方へ突出する弾性フック９を形成すると共に、本体２の開口部２ａの外壁に係合溝１０を設けたものである。開口部２ａの外壁上の係合溝１０は、開口部２ａとキャップ６とが正規の位置に嵌合したとき、弾性フック９と同一位置に対応するようにしてある。このように構成してあるため、図４の場合と同様に、吸盤５を下側にして他物体の表面に設置した状態にして、本体２の開口部２ａをキャップ６内に差し込みながら押し下げると、吸盤５によって容器１を他物体に固定する作業と、空気流入部３の吐出口３ａ先端とシーリング剤吐出部４の流入口４ａ先端によるシール膜８の破断を行う作業と、キャップ６の取り付け作業と、を同時に行うことができる。更に、弾性フック９と係合溝１０とが嵌合するため、本体２とキャップ６とを確実に固定することができる。

　図６の実施形態は、図５の実施形態とは弾性フック９と係合溝１０との位置関係を逆にしたものである。弾性フック９は、キャップ６の内壁ではなく、鋭角に加工した空気流入部３の吐出口３ａ及びシーリング剤吐出部４の流入口４ａの先端にそれぞれ側方へ突出するように設けると共に、係合溝１０は開口部２ａの内壁に形成してある。このように構成してあるため、図５の場合と同様に、吸盤５によって容器１を他物体に固定する作業とシール膜８の破断作業とキャップ６の取り付け作業とを同時に行うことができるうえ、本体２とキャップ６とを確実に固定することができる。

　図５のように、キャップ６の内壁に弾性フック９を設けると共に、本体２の開口部２ａの外壁に係合溝１０を形成する場合の弾性フック９と係合溝１０との嵌合方法を図７に示す。

　図７Ａに示すように、キャップ６側の弾性フック９は、開口部２ａの外壁と接触する前には垂直に立っている。本体２の押し下げにより、弾性フック９が開口部２ａの外壁に当接すると図７Ｂのように湾曲する。更に本体２を押し下げて本体２とキャップ６とが完全に正規の位置関係に嵌合したとき、図７Ｃに示すように、開口部２ａの外壁に設けられた係合溝１０にキャップ６側の弾性フック９が嵌合するようになっている。弾性フック９は、図７のように変形して本体２側の係合溝１０に嵌合できる弾性を持っていればよく、その形状や設ける箇所や設ける個数は特に限定しない。

　固定手段として吸盤５を設ける場合、吸盤５の形状や大きさは、容器１を他物体に対して固定できるものであれば特に限定しない。吸盤５は少なくとも１個設ければよいが、複数個の吸盤によって固定するようにしても構わない。

　図８は、固定手段として上述した図１における吸盤５に替えて、面ファスナー７をキャップ６の頂面に設けた別の実施形態を示す。

　このように固定手段として面ファスナー７を容器１の外面に設ける場合は、これと着脱自在に係合する対をなす別の面ファスナーを他物体（不図示）の表面に貼り付けるようにする。面ファスナー７を固定手段にした場合も、パンクシーリング剤収容容器１を他物体上に簡便かつ安定に固定することができるため、パンク修理作業を円滑に行うことができる。

　このように面ファスナー７が固定手段の場合にも、図１の吸盤５の場合と同様に、容器１を他物体に対して固定したとき、図８のようにシーリング剤吐出部４の流入口４ａは容器１内の下部に位置するようにしなければならない。

　面ファスナー７の容器１に対する取り付け位置は、容器１の外面であればどこに設けても構わないが、好ましくは容器１を鉛直方向に直立させたとき、その下面側の外面に設けるとよい。つまり、面ファスナー７は、容器１を直立状態にして他物体に固定する場合には、容器１の下部に位置するように設けるとよい。面ファスナー７を容器１の下部に設けることで、更に容器１の重量によって確実に固定することができる。このときも、シーリング剤吐出部４の流入口４ａは容器１内の下部側に位置するようにする。

　図９は、キャップ６を容器１の上部側に配置して容器１を直立させるようにした図２と対応する実施形態である。この実施態様の場合には、面ファスナー７を容器１の底面に取り付けると共に、キャップ６に空気流入部３とシーリング剤吐出部４とを設けている。このように設けた空気流入部３とシーリング剤吐出部４のうち、シーリング剤吐出部４は、その流入口４ａが容器１の下部まで延長するようにしなければならない。

　図１０は、容器１を横設するようにした図３と対応する実施形態である。この実施態様の場合には、本体２の側面に面ファスナー７を固定すると共に、キャップ６に設けた空気流入部３とシーリング剤吐出部４のうち、シーリング剤吐出部４は、流入口４ａを横設の容器本体２の下側に位置するようにさせなければならない。

　固定手段として吸盤５を設けた場合の図４～６に記載の実施形態は、固定手段として面ファスナー７を設けた場合にも同様の構成にすることが出来、それによって本体２とキャップ６とを確実に固定することが出来る。

　固定手段が面ファスナー７の場合、面ファスナー７の形状や大きさは、容器１を固定できるものであれば特に限定しない。面ファスナー７は少なくとも１個設ければよいが、複数個の面ファスナーによって固定するようにしても構わない。

　本発明に使用される面ファスナーは、容器１側に設ける面ファスナー７と他物体側に設ける面ファスナー７′とが対をなすように構成される。更に具体的には、布帛の片面にモノフィラメントからなる多数のフックが突出するように植設されたフックファスナーと、布帛の片面に合成繊維マルチフィラメント糸条からなる多数のループが突出するように植設されたループファスナーとが対をなして構成され、フックファスナーのフックとループファスナーのループとが着脱自在に係合するようになっている。この対をなす面ファスナーは、後述する図３のパンク修理装置のように、一方の面ファスナー７を容器１に取り付けた場合、他方の面ファスナー７′を他物体Ｃ側に取り付けて使用される。そして、容器１側の面ファスナー７をフックファスナーにしたときは、他物体Ｃ側の面ファスナー７にはループファスナーを使用する。逆に容器１側の面ファスナー７をループファスナーにしたときは、他物体Ｃ側の面ファスナー７′をフックファスナーにする。

　容器１や他物体に対して面ファスナーを設ける部分は平面であることが好ましい。面ファスナーを設ける部分が平面でなくても面ファスナー同士を貼り付けることはできるが、平面である方が、面ファスナー同士が接する面積が広くなるので、より強固に安定して容器１を他物体に対して固定することができる。従って、図８のようにキャップ６の頂面や、図９のように容器１の底面に設けるとよい。

　キャップ６の頂面に面ファスナー７を設ける場合は、空気流入部３とシーリング剤吐出部４と面ファスナー７とを一体としたキャップ６を別個に成形して、容器１と組み合わせることができる。従って、パンクシーリング剤収容容器の製造の低コスト化が図れるので好ましい。

　容器１の側面などの丸みを帯びた箇所に面ファスナー７を設ける場合には、図１１の実施形態のように容器１の側面の一部を平面状に形成するとよい。これにより面ファスナー７の係合面積を広くすることができる。

　図１２は、前述したパンクシーリング剤収容容器のうち、吸盤５を固定手段として備えた容器１を使用する場合のパンク修理装置１１（パンク修理キット）を示す概要図である。このパンク修理装置１１では、容器１を固定させるための他物体として、コンプレッサＣが用いられている。

　コンプレッサＣの表面は平滑面１３に加工されており、この平滑面１３に容器１が吸盤５を介して垂直に固定されている。空気流入部３はホース１２ａによってコンプレッサＣと接続され、シーリング剤吐出部４にはホース１２ｂが取り付けられている。そのホース１２ｂの他端をパンクしたタイヤＴのバルブＢに連結して、コンプレッサＣから圧縮空気を供給すると、圧縮空気はホース１２ａを通じて空気流入部３に供給され、容器１の本体２の下部に圧入される。本体２のパンクシーリング剤の中に圧入された圧縮空気は、パンクシーリング剤の液面の上方へ上昇し、その液面を加圧する。この圧縮空気の加圧により、本体２内のパンクシーリング剤は下部のシーリング剤吐出部４からホース１２ｂに押し出され、空気流入バルブＢを介してタイヤＴへ注入される。注入されたパンクシーリング剤はタイヤＴのパンク孔に流入してパンク孔をシールする。パンクシーリング材が全て流入した後、更に圧縮空気が注入されることにより、タイヤは所定の空気圧に達するようになっている。

　一般に、パンク修理装置を使用する際に、周辺に平滑面を有する他物体があるとは限らない。コンプレッサＣはパンク修理装置１１の一部として車両に搭載されているため、上記のようにコンプレッサＣの外壁に平滑面を設けることで、吸盤５により容器１を安定に固定できるようにすることで、どのような状況でもパンク修理作業を行うことができる。即ち、吸盤５を介して容器１をコンプレッサＣ上に固定することで、コンプレッサＣが傾斜した路面や悪路に置かれた場合でも、容器１を安定に維持することができる。

　コンプレッサＣの外壁が平滑に加工されていない場合は、図１３に例示するように、別途用意した平滑な素材のステッカー１４等を貼り付けることにより平滑面を形成するようにしてもよい。このようにステッカー１４を貼り付ける方法は、ステッカー１４を貼り付けるだけで所望の任意の場所に平滑面１３を簡単に形成できるので好ましい。

　ステッカー１４は無地であってもよいが、図１４に示すように、使用者が容器１の固定場所を正しく判断できるように、ステッカー１４の表面に容器１の固定位置を示す模様１４ａや文章１４ｂを表示するようにするとよい。

　図１５は、前述したパンクシーリング剤収容容器のうち、面ファスナー７を固定手段として備えた容器１を使用する場合のパンク修理装置１１を示す。

　図１２の場合と同様に、他物体はコンプレッサＣである。容器１は、容器１に設けられた面ファスナー７とコンプレッサＣの上面に設けられた面ファスナー７′とが、対をなして互いに接合することにより垂直に固定されるようになっている。空気流入部３はホース１２ａによってコンプレッサＣと接続され、シーリング剤吐出部４にはホース１２ｂが取り付けられている。図１２の場合と同様に、パンクしたタイヤＴのバルブＢにホース１２ｂを連結した後、コンプレッサＣから圧縮空気を送り出すと、圧縮空気はホース１２ａを通じて空気流入部３に供給され、空気流入部３から容器１の本体２に圧入される。圧縮空気は本体２内のパンクシーリング剤の中を上昇した後、パンクシーリング剤の液面を加圧する。この圧縮空気の加圧により、本体２内のパンクシーリング剤はシーリング剤吐出部４からホース１２ｂを介して、空気流入バルブＢを介してタイヤＴへ流入するようになっている。

　容器１を他物体に固定する場合の場所は、図１５のようにコンプレッサＣ上に限定されず、図１６に示すように、コンプレッサＣの側面に固定するようにしても良い。この場合、面ファスナー７は容器１の側面に貼り付け、面ファスナー７′はコンプレッサＣの横側面に貼り付けるようにする。

　固定手段として面ファスナー７，７′を用いる場合、面ファスナー７，７′は、接着剤または粘着剤を用いて予め容器１及びコンプレッサＣ上に接着固定しておくのが好ましい。しかし、粘着剤の場合は、パンク修理装置１１の使用環境は様々であるので、温度依存性が大きい粘着剤を用いると、低温下あるいは高温下では粘着性が低下してしまう虞がある。従って、好ましくは粘着剤よりも接着剤を使用するのがよい。

　面ファスナー７，７′の面積Ａ，Ａ′はそれぞれシーリング剤を含む容器の重量Ｗ、面ファスナーの剥離強さＦに対して、Ａ′≧Ａ≧（Ｗ／Ｆ）^２という関係になるとよい。剥離強さＦは、面ファスナーの種類及びフックファスナーとループファスナーとの組み合わせによって異なるので、面ファスナーの種類と容器の重量とによって、その容器を固定可能な最低面積を求めることができる。

　例えば、剥離強さＦが２１４ｇ／ｃｍ、容器の重量が１ｋｇのとき、１辺４．６７ｃｍであれば固定可能であるので、４．６７ｃｍ平方、即ち２１．８ｃｍ^２以上であればよい。

　容器側の面ファスナー７と他物体側の面ファスナー７′とは、互いに同一形状で同一の面積に形成すればよい。しかし、好ましくは、コンプレッサＣ側の面ファスナー７′の面積Ａ′を大きくして、その面ファスナー７′が容器１側の面ファスナー７を包含するようにするのがよい。面ファスナー７，７′間の接合強度は、互いに貼り合わさる面積が広いほど強固になる。従って、面ファスナー７と７′との面積が同一の場合、面ファスナー７，７′の対向面が一致するように注意深い作業で貼り合わせなければならない。しかし、この面倒な貼り合わせ作業は、コンプレッサＣ側の面ファスナー７′の面積Ａ′を容器側の面ファスナー７の面積Ａよりも大きくすることで、面ファスナー７を面ファスナー７′の表面内のどこかに貼り合わせてもよくなるので簡単になる。

　パンク修理装置１１は、どのように保管しても構わないが、キットとして使用することを明確にするため容器１とコンプレッサＣとを一緒に保管するとよい。更に、これらを面ファスナーを利用して互いに貼り合わせた状態にして保管するのが好ましい。このような保管の一層好ましい方法としては、図１７に例示するように、容器１とコンプレッサＣとに設けた１対の面ファスナー７，７′とは別に、第２の保管用面ファスナー１５，１５′を設けるとよい。かつ、この保管用面ファスナー１５，１５′は、面ファスナー７，７′とは異なる箇所に設けるようにすることで、容器１とコンプレッサＣとを最もかさばらない位置関係に貼り付けて保管することができる。

　図１７Ａ及びＢに示す例では、保管用面ファスナー１５は容器１の横側面に貼り付けられ、保管用面ファスナー１５′はコンプレッサＣの横側面に長手方向に沿うように貼り付けられている。コンプレッサＣの高さと容器１の直径とが略等しくなっているので、容器１を水平方向に倒した状態でコンプレッサＣの横側面に長手方向に沿うようにコンパクトに保管することができる。図１７の場合に限らず、容器１とコンプレッサＣとの形状に応じて、最もかさばらない形状になるように組み合わせられるように保管用面ファスナー１５，１５′の貼り付け場所を設定するとよい。

　このように、容器１とコンプレッサＣとに２対の面ファスナー７，７′と１５，１５′とを設けた場合、ユーザーが互いに異なる対の面ファスナー同士を接合してしまう虞がある。この誤取り付けを防止するために、パンク修理に使用時の面ファスナー７，７′と保管用面ファスナー１５，１５′とで、それぞれのフックファスナーとループファスナーとの組み合わせ関係を互いに逆にするように容器１とコンプレッサＣとに貼り付けるようにするとよい。即ち、パンク修理に使用時の面ファスナー７，７′として、容器１側の面ファスナー７をループファスナーにし、コンプレッサＣ側の面ファスナー７′をフックファスナーにした場合、保管用面ファスナー１５，１５′としては、容器１側の保管用面ファスナー１５をフックファスナーにし、コンプレッサＣ側の保管用面ファスナー１５′をループファスナーにするのである。逆に、パンク修理に使用時の面ファスナー７，７′として、容器１側の面ファスナー７をフックファスナーにし、コンプレッサＣ側の面ファスナー７′をループファスナーにした場合、保管用面ファスナー１５，１５′としては、容器１側の保管用面ファスナー１５をループファスナーにし、コンプレッサＣ側の保管用面ファスナー１５′をフックファスナーにするのである。

　このように組み合わせることで、ループファスナー同士あるいはフックファスナー同士は係合し合わないので、誤取り付けを防止することができる。更に、パンク修理に使用時の面ファスナー７，７′の対と保管用面ファスナー１５，１５′の対とを、それぞれ互いに異なる色および／又は形状にして、同じ色同士または同じ形状同士を接合させるようにして組み合わせが明確になるようにしてもよい。

　１　容器
　２　本体
　２ａ　開口部
　３　空気流入部
　４　シーリング剤吐出部
　５　吸盤
　６　キャップ
　７　面ファスナー
　８　シール膜
　９　弾性フック
　１０　嵌合溝
　１１　パンク修理装置
　１２ａ，１２ｂ　ホース
　１３　平滑面
　１４　ステッカー
　１５、１５′　保管用面ファスナー
　Ｃ　コンプレッサ
　Ｔ　タイヤ

Claims

　パンクシーリング剤を充填した容器に圧縮空気を圧入する空気流入部と前記パンクシーリング剤を容器外へ圧送するシーリング剤吐出部とを具えたパンクシーリング剤収容容器において、
　前記容器の外側面に他物体に対して着脱可能な固定手段を設け、該固定手段を介して前記容器を前記他物体に固定したとき、前記容器内における前記シーリング剤吐出部の流入口が前記容器内の下部に位置するように構成したパンクシーリング剤収容容器。
　前記固定手段を前記容器の下側に設けて前記他物体に固定した請求項１に記載のパンクシーリング剤収容容器。
　前記容器の開口部に脱着可能なキャップを設け、該キャップに前記空気流入部と前記シーリング剤吐出部とを設けると共に、該キャップの外面側に前記固定手段を設けた請求項１又は２に記載のパンクシーリング剤収容容器。
　前記容器の開口部に該開口部を塞ぐようにシール膜を設けると共に、該シール膜の外側から前記キャップを嵌合するように構成し、前記空気流入部の吐出口先端及び前記シーリング剤吐出部の流入口先端をそれぞれ鋭角に加工し、これら吐出口先端と流入口先端とが前記キャップの嵌合時に前記シール膜を破るようにした請求項１、２又は３に記載のパンクシーリング剤収容容器。
　前記キャップの内壁に、側方へ突出する弾性フックを形成し、該キャップを前記容器の開口部に嵌合するとき、前記弾性フックが前記開口部の外壁に設けた係合溝に係合するようにした請求項４に記載のパンクシーリング剤収容容器。
　前記空気流入部の吐出口先端及び前記シーリング剤吐出部の流入口先端に、それぞれ側方へ突出する弾性フックを形成し、前記キャップを前記容器の開口部に嵌合するとき、前記弾性フックが前記開口部の内壁に設けた係合溝に係合するようにした請求項４に記載のパンクシーリング剤収容容器。
　前記着脱可能な固定手段が前記他物体に対して吸着可能な吸盤である請求項１～６に記載のパンクシーリング剤収容容器。
　前記着脱可能な固定手段が前記容器側に設けた面ファスナーと前記他物体側に設け他面ファスナーとの対からなる請求項１～６に記載のパンクシーリング剤収容容器。
　前記容器側の面ファスナーが設けられる前記容器の部分を平面にした請求項８に記載のパンクシーリング剤収容容器。
　請求項７に記載のパンクシーリング剤収容容器と、前記空気流入部に圧縮空気を圧入するコンプレッサとからなり、該コンプレッサのケース外面に前記吸盤を吸着させる平滑面を設けたパンク修理装置。
　前記平滑面を前記コンプレッサのケース表面に貼り付けた平滑な素材のステッカーで形成した構成からなる請求項１０に記載のパンク修理装置。
　前記ステッカーに前記吸盤の固定場所を示す模様及び／又は文章を表示した請求項１１に記載のパンク修理装置。
　請求項８又は９に記載のパンクシーリング剤収容容器と、前記空気流入部に圧縮空気を圧入するコンプレッサとからなり、該コンプレッサのケース外面に前記他物体側の面ファスナーを設けたパンク修理装置。
　前記パンクシーリング剤収容容器の横側面と前記コンプレッサのケース横側面とに、前記対をなす面ファスナーとは独立した別の対をなす第２の保管用面ファスナーを設けた請求項１３に記載のパンク修理装置。
　前記面ファスナーと前記第２の保管用面ファスナーをそれぞれ構成するフックファスナーとループファスナーとの組み合わせを前記パンクシーリング剤収容容器と前記コンプレッサのケースに対して互いに逆の関係になるようにした請求項１４に記載のパンク修理装置。