WO2009128154A1 - マッサージ用ロウソク - Google Patents

Abstract

【課題】　マッサージ用オイルは、当然常温であるため、被施術者は冷たく感じることが多い。そこで、体温程度に加温して使用しようとすると、その加温設備が必要であるだけでなく、火傷を防止するため温度をコントロールしなければならない。結局、大掛かりとなり、また事故が発生する危険性もある。そこで、温熱効果も期待でき、安価で且つ視覚的にも種々の効果が期待できるマッサージ用ロウソクを提供する。 【解決手段】　芯が埋め込まれたロウ成分が容器に入ったものであって、該ロウ成分はシア脂の含有量が４０重量％以上、植物性オイルの含有量が１５～４０重量％であり、融点が３０°C～６０°Cの範囲内であるもの。

Description

マッサージ用ロウソク

　本発明は、マッサージ用ロウソクに関するものである。

　マッサージとは、直接皮膚を押圧、摩擦することによって身体の種々の機能の改善を期するものである。本出願においては、一般で言うマッサージだけではなく、皮膚に施術すること全般を指す語として使用する。

　マッサージは、何も使用せずそのまま皮膚を押圧、摩擦することもあるが、マッサージ用のオイルを用いて手指を滑りやすくするとともに、オイルの皮膚への効果も期待して行なわれることも多い。

　このようなマッサージ用オイルは、当然常温であるため、被施術者は冷たく感じることが多い。そこで、体温程度に加温して使用しようとすると、その加温設備が必要であるだけでなく、火傷を防止するため温度をコントロールしなければならない。結局、大掛かりとなり、また事故が発生する危険性もある。

　そこで、温熱効果も期待でき、安価で且つ視覚的にも種々の効果が期待できるマッサージ用ロウソク、マッサージ料液化方法及びマッサージ方法を提供する。

　以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明マッサージ用ロウソク、マッサージ料液化方法及びマッサージ方法を完成したものであり、その特徴とするところは、マッサージ用ロウソクにあっては、芯が埋め込まれたロウ成分が容器に入ったものであって、該ロウ成分はシア脂の含有量が４０重量％以上、植物性オイルの含有量が１５～４０重量％であり、融点が３０℃～６０℃の範囲内である点にあり、マッサージ料液化方法にあっては、固形成分を加熱し液化させてマッサージに使用する場合、該固形成分を有芯のロウソクにし、該ロウソクに点火し、その火炎の熱によって液化させる方法において、該固形成分はシア脂の含有量が４０重量％以上、植物性オイルの含有量が１５～４０重量％であり、融点が３０℃～６０℃の範囲内である点にあり、マッサージ方法にあっては、芯が埋め込まれたロウ成分が容器に入ったものであって、該ロウ成分はシア脂の含有量が４０重量％以上、植物性オイルの含有量が１５～４０重量％であり、融点が３０℃～６０℃の範囲内であるマッサージ用ロウソクに点火し、液化した成分を被マッサージ者の皮膚に適用する点にある。

　まずマッサージ用ロウソクについて説明する。
　芯はどのようなものでもよく、通常のロウソクの芯でよい。

　容器は、後述するロウ成分が収納できればどのようなものでもよいが、融けたロウを注ぐための注ぎ口があった方が使いやすい。形状的にはビーカーのようなものが好適である。

　ここでいうロウ成分とは、ロウソク本体をいう。芯に火をつければ融解して一部は燃焼する部分である。

　ここでいうシア脂とは、シアの木（Butyrospermum
parkii　アカテツ科）の実からとれる脂肪分及びそれに含まれるエキスや含有物全般をいう。バターのようなもので、シアバターとも呼ばれる。これは、常温では固体であるが、融点が低く通常は４０～６０℃程度である。本発明では、特別なシア脂である必要はなく通常のものでよい。また、シアの木から抽出されるものは、狭義のシア脂だけではなく、エキスやオイルその他のものを含んでいてもよい。

　本発明では、このシア脂を少なくとも４０重量％以上は含まれている。これ以下では、シア脂を入れている効果が小さくなるためである。５０重量％以上が好適でり、６０重量％以上はより好適である。

　本発明ロウ成分には植物性オイルが必須である。ここでいう植物性オイルは植物性脂肪も含める。例えば、パーム油、大豆油、アーモンド油、ヤシ油、野菜油、カラパグアイアネンシス種子油、マンゴ種子脂、カカオ脂等である。
　これはロウ成分の融点を調整するためと、マッサージが容易になるよう融解成分の延びをよくし、滑らかにするためである。

　この植物性オイルの混合量は、１５～４０重量％である。４０重量％以上では、融点が下がりすぎるためである。１５重量％以下では、融解した液体の延びも悪く、マッサージが難しくなる。

　植物性オイルの中でもパーム油が滑らかでマッサージには好適である。よって、パーム油と更に他の植物油（少なくとも１種）と両方混合してもよい。

　本発明ロウ成分はその融点が３０℃～６０℃である点もポイントである。３０℃以下では夏場融解してしまい芯に着火する意味がなくなり、６０℃以上では融解しずらく、皮膚に適用したときにどうしても熱くなる。

　中でも、融点は３５℃～５５℃が好適である。保形性も十分あり、融解も容易である。このような融点の調整は植物油の添加量で行なうのがよい。
　また、融点の高い（５０℃以上の）高級脂肪酸の添加によって融点を調整してもよい。これは、マッサージにはパーム油等の延びのよいオイルが多い方がよく、それによって融点が下がり過ぎるのを調整するためである。例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等である。

　更に、本発明には粘度を調整するための増粘剤を混合してもよい。例えば、シリル化処理した無水ケイ酸等の粉末である。油脂によくなじむ粉体が好ましい。
　この粉末は、２～１５重量％が好適である。

　本発明では、このロウ成分に香料を添加することが好ましい。これは、マッサージをするときにアロマセラピー効果が期待できるためである。
　香料としてはどのようなものでもよいが、アンジェリカ、ベンゾイン、オレガノ、オレンジ、カモミール、カユプテ、ガルバナム、クラリセージ、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、シトロネラ、シナモン、ジャスミン、ジュニパー、ジンジャー、スパイクラベンダー、セペアミント、セージ、ゼラニウム、タイム、タンジェリン、ティートリー、ナツメグ、乳香、ネロリ、パイン、バジル、パチュリー、バーベナ、バラ、パルマローザ、フェンネル、プチグレン、ベチバー、ペパーミント、ベルガモット、マージョラム、マンダリン、メリッサ、ユーカリ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、レモングラス、ローズウッド、ローズマリー等が好適であり、１つ又は複数合わせて用いてもよい。

　香料の混合量は、その種類によって異なるが、数百ｐｐｍ～数％程度が好適である。

　更に、本発明のロウ成分には、皮膚に対する栄養成分を混合してもよい。ビタミンや種々のエキス等である。

　本発明ロウソクの製造方法は、どのような方法でもよいが、１例を示すと、加熱し（最初から液体ならば不要）液状にしたシア脂に植物油を混合し、香料等を加え、ロウ成分を調整しそれを容器に充填し芯を立て、冷却してロウ成分が固形化すれば完成である。

　次に本発明マッサージ料液化方法について説明する。前記説明した本発明のマッサージ用ロウソクのロウ成分を融解して皮膚に垂らして使用するものである。よって、このロウ成分を液化して皮膚に垂らすのであるが、その方法としてヒーター等で加熱して液化させることも可能であるが、本発明ではロウソクとして着火して融解するのである。

　これは、炎の視覚効果が大きな効果を発揮するためである。非常にリラックスでき、香料が含まれていればよりいっそう効果が高くなる。

　次に本発明マッサージ方法について説明する。
　まず、本発明ロウソクに火を着け、ロウ成分が融解するのを待つ。数十秒で融解が始まる。この融解した液体を被施術者の皮膚に直接垂らすか、施術者の手に垂らしてから被施術者の皮膚に垂らすかする。次いで、その上からマッサージを施す。

　本発明には次のような利点がある。
（１）　本発明ロウソクは、低融点で融解し、その融解物が皮膚に適用し使用するマッサージオイルに適している。
（２）　ロウソクであるため、炎の視覚効果でリラックスできる。
（３）　適度な温度のロウの融解物が肌に触れ、それ自体で好ましい感触が得られる。
（４）　ロウ成分に香料を混合すると、着火により、香料がより蒸発し、芳香が漂い、アロマセラピー効果が発揮される。
（５）　さらにマッサージを施術するため、大きなリラックス感や筋肉の揉みほぐし感が得られる。
（６）　本発明ではすべてのロウ成分が植物由来にすることができ、自然物である。

本発明ロウソクの１例を示す斜視図である。

符号の説明

　１　本発明ロウソク
　２　容器
　３　ロウ成分
　４　芯
　５　注ぎ口

　以下実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。

　図１は、本発明ロウソク１の１例を示す斜視図である。容器２内に固形のロウ成分３が存在し、芯４が中心にある。この容器は陶器製で、大きさは通常の水を飲むコップ程度である。この芯４に着火すれば、その炎の熱でその下方のロウ成分が融解する。通常のロウソクと比べて融点が低いため、融解した液がロウ成分３の上部に溜まることになる。

　この液体を容器の注ぎ口５から、マッサージ施術者の手又はマッサージを受ける者の皮膚に直接垂らすのである。液体の温度は、基本的にはロウ成分の融点である。全てが融解する前では融点以上にならないのは、１気圧では水が１００℃以上にならないのと同じである。

　マッサージの方法は自由であり、オイルを塗布して行なう従来の方法でも、まったく新しい方法でもよい。この時、塗布する液体が暖かいこと、炎の効果、混合している香料によるアロマセラピー効果等が相乗効果となり、従来にない効果を発揮する。

　次に本発明ロウ成分の成分例を示す。
　表１に本発明のロウ成分の実施例の成分を示す。また、比較例として、通常のロウソク（高融点）、融点の低いもの、植物油の少ないものを示す。無水ケイ酸は、シリル化処理したものを用いた。
　各実施例で使用したパーム油以外の植物油は、次の通りである。
実施例２：ヤシ油にアロエベラ葉エキスを混合したもの
実施例３：マンゴ種子脂
実施例４：水添（水素化）大豆油
実施例５：アーモンド油と水添野菜油との混合物
実施例６：カラパグアイアネンシス種子油
実施例７：カカオ脂

　これらの実施例、及び比較例には種々の香料を添加した。その量は数百ｐｐｍであった。

　比較例１のロウソクは、融点が８２℃であった。これを使用すると皮膚に触れたときに熱く火傷しそうであった。勿論、マッサージにはまったく使えない。

　比較例２は融点が低く、固形化しなかった。比較例３は植物油を含まないものである。これは適当な融点を有していたが、皮膚に塗布したときの延びが悪くマッサージに適さない。

　実施例１～７はすべて融点も問題なく、皮膚に塗布したときの延びも問題なかった。非常にマッサージしやすかった。

Claims (7)

1. 　芯が埋め込まれたロウ成分が容器に入ったものであって、該ロウ成分はシア脂の含有量が４０重量％以上、植物性オイルの含有量が１５～４０重量％であり、融点が３０℃～６０℃の範囲内であることを特徴とするマッサージ用ロウソク。
2. 　植物性オイルは、パーム油と他の少なくとも１種の植物性オイルである請求項１記載のマッサージ用ロウソク。
3. 　更にシリル化処理した無水ケイ酸を２～１５％混合したものである請求項１又は２記載のマッサージ用ロウソク。
4. 　更に香料が含まれているものである請求項１～３記載のマッサージ用ロウソク。
5. 　更に薬効成分を混合したものである請求項１～４記載のマッサージ用ロウソク。
6. 　固形成分を加熱し液化させてマッサージに使用する場合、該固形成分を有芯のロウソクにし、該ロウソクに点火し、その火炎の熱によって液化させる方法において、該固形成分はシア脂の含有量が４０重量％以上、植物性オイルの含有量が１５～４０重量％であり、融点が３０℃～６０℃の範囲内であることを特徴とするマッサージ料液化方法。
7. 　芯が埋め込まれたロウ成分が容器に入ったものであって、該ロウ成分はシア脂の含有量が４０重量％以上、植物性オイルの含有量が１５～４０重量％であり、融点が３０℃～６０℃の範囲内であるマッサージ用ロウソクに点火し、液化した成分を被マッサージ者の皮膚に適用することを特徴とするマッサージ方法。
    

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