WO2009107534A1

WO2009107534A1 - テープカセット、テープ作成装置及びテープ作成システム

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Publication number: WO2009107534A1
Application number: PCT/JP2009/052858
Authority: WO
Inventors: 晃志郎山口; 強長江
Original assignee: Brother Industries Ltd
Current assignee: Brother Industries Ltd
Priority date: 2008-02-29
Filing date: 2009-02-19
Publication date: 2009-09-03
Anticipated expiration: 2010-08-29

Abstract

　テープカセットは、熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープ（７４）と、印字が行われる印字面を有する印字テープ（１７）と、印字テープ（１７）及び貼り合せテープ（７４）を搬送するテープ送りローラ（３２）を有する。テープカセットは、テープ印字装置に着脱可能である。テープカセットがテープ印字装置に装着された状態において、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープ（１７）の印字面と前記貼り合せテープ（７４）の熱活性性の粘着剤とが接触する。また、活性化されていない状態で貼り合せテープ（７４）と印字テープ（１７）とが接触しても、印字テープ（１７）に貼り合せテープ（７４）が貼り合わされることがない。

Description

テープカセット、テープ作成装置及びテープ作成システム

　本発明は、印字テープ、及び、該印字テープに貼り合わされる貼り合せテープの消費量を抑制することができるテープカセット、テープ作成装置及びテープ作成システムに関するものである。

　印字テープの印字面を保護するために、種々の手法が提案されている。例えば、下記特許文献１においては、印字テープの印字面に粘着テープを貼り合せることにより、印字面を保護している。

特開２００６－１８１７５０号公報

　上記特許文献１に記載されるテープ印字装置では、印字機構と切断機構とが近接していないため、作成された印字テープの前端部の余白部が大きい。この余白部は、作成された印字テープにおける無駄（不必要）な部分、すなわち、不必要な消費部分である。印字テープを経済的に使用するためには、このような不必要な消費量を抑制する必要がある。

　また、印字機構と切断機構とを近接させた場合、印字テープを印字直後に切断することができるようになるものの、その一方で、粘着テープを切断するための切断機構を別途設ける必要がある。

　本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、１つの切断機構を備えたテープ作成装置において使用可能であり、かつ、印字テープ、及び、該印字テープに貼り合わされる貼り合せテープの消費量を抑制することができるテープカセットを提供することを目的とする。
　また、本発明は、印字テープ、及び、該印字テープに貼り合わされる貼り合せテープの消費量を抑制することができるテープ作成装置及びテープ作成システムを提供することを目的とする。

　請求項１に係る発明は、テープカセットであって、常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字テープへの印字位置よりもテープ搬送方向下流側に位置し、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するテープ送りローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケースとを有し、印字機構を備えたテープ印字装置に着脱可能であり、前記テープ印字装置に装着された状態において前記テープ送りローラが当該テープ印字装置のテープ送りサブローラと対向する位置で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側であって、かつ、前記テープ送りローラの位置までの間に前記貼り合せテープが熱活性化される加熱領域を有することを特徴とする。

　上記テープカセットは、粘着剤が塗布された貼り合せテープの粘着剤及び印字が行われる印字テープの印字面が、印字位置よりも排出方向下流側で接触する。そして、前記粘着剤は、熱活性性であるので、前記貼り合せテープの粘着性を制御することができ、接触する貼り合せテープ及び印字テープの貼り合せ制御を行うことができる。また、該テープカセットが装着される印字装置は、１つのカッタユニットを有する構成とすることができる。

　請求項２に係る発明は、請求項１のテープカセットであって、前記テープ送りローラは、ヒートローラであり、前記テープ送りローラの位置で、前記貼り合せテープが熱活性化されることを特徴とする。

　上記テープカセットは、該テープカセットが有するテープ送りローラがヒートローラであり、前記テープ送りローラの位置で、前記貼り合せテープが熱活性化される。これにより、貼り合せテープの粘着剤を活性化させるための加熱装置と該貼り合せテープの搬送装置とを１つの装置で実現することができる。

　請求項３に係る発明は、請求項１のテープカセットであって、前記加熱領域において、前記テープ印字装置が有する加熱部材を挿入する開口部をさらに備え、前記加熱部材の位置で、前記貼り合せテープが熱活性化されることを特徴とする。

　上記テープカセットは、テープ印字装置が有する加熱部材を挿入する開口部を備え、前記加熱部材の位置で、前記貼り合せテープが熱活性化される。これにより、テープ印字装置が有する加熱部材をカセット内に挿入させることができる。

　請求項４に係る発明は、請求項１または請求項３のテープカセットであって、前記テープ印字装置が有する加熱部材の位置を規制する位置規制部材をさらに備える、ことを特徴とする。

　上記テープカセットは、テープ印字装置が有する加熱部材の位置を規制する位置規制部材を備える。これにより、加熱部材が貼り合せテープ側に移動したときの位置を規制することができる。

　請求項５に係る発明は、請求項１乃至請求項４いずれかのテープカセットであって、前記テープ送りローラは、前記テープ印字装置が有するテープ送りサブローラと協働することにより、前記印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とを接触させることを特徴とする。

　上記テープカセットは、印字位置よりも搬送方向下流側において、テープ送りローラ及びテープ送りサブローラの協働によって、印字テープの印字面と貼り合せテープの粘着剤とが接触する。これにより、貼り合せテープの粘着剤が活性化している状態において、印字テープに貼り合せテープを貼り合せることができる。

　請求項６に係る発明は、請求項１乃至請求項５いずれかのテープカセットであって、前記テープ印字装置が有する切断装置と前記テープ送りローラの間に位置し、前記印字テープ及び前記貼り合せテープを案内規制する保持部が形成されていることを特徴とする。

　上記テープカセットは、印字テープ及び貼り合せテープを案内規制する保持部を備える。これにより。印字テープ及び貼り合せテープを確実に切断装置側へ搬送することができる。

　請求項７に係る発明は、請求項１乃至請求項６いずれかのテープカセットであって、前記貼り合せテープの粘着剤が熱活性状態にない場合、前記印字テープと貼り合せテープとは互いに粘着していないことを特徴とする。

　上記テープカセットは、貼り合せテープの粘着剤が熱活性状態にない場合は、前記印字テープと貼り合せテープとは互いに粘着していない。これにより、印字テープ及び貼り合せテープの先端を認識するために両テープを接触させて搬送することができる。

　請求項８に係る発明は、請求項１乃至請求項７いずれかのテープカセットであって、前記カセットケースには、さらにインクリボンが収納され、前記印字位置で、前記インクリボンのインク面と前記印字テープの印字面とが接触することを特徴とする。

　上記テープカセットは、インクリボンを収納する。これにより、テープカセットとは別にインクリボンを印字装置に装着する必要がない。

　請求項９に係る発明は、請求項１乃至請求項８いずれかのテープカセットであって、前記貼り合せテープは透明であり、前記粘着剤は活性化した状態において透明であることを特徴とする。

　上記テープカセットは、粘着剤が活性化した状態において透明である。これにより、活性化した粘着剤を通して印字内容を視認することができる。

　請求項１０に係る発明は、請求項９のテープカセットであって、前記印字テープは、前記印字面の裏側に粘着剤層が構成されていることを特徴とする。

　上記テープカセットは、印字面の裏側に粘着剤層が構成されている。これにより、作成された印字テープを所望の場所に貼り付けることができる。

　請求項１１に係る発明は、前記印字テープの粘着剤層側には、剥離紙が貼り付けられ、前記剥離紙には、センサによって検出される目印印刷が施されていることを特徴とする。

　上記テープカセットは、印字テープの粘着剤層側に剥離紙が貼り付けられ、また、該剥離紙には、センサによって検出される目印印刷が施されている。これにより、作成された印字テープを長期間保管することができ、また、剥離紙を剥がして所望の場所に貼り付けることができる。さらに、目印印刷を検出することによって、印字テープの搬送量を認識することができる。

　請求項１２に係る発明は、テープ作成装置であって、常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するテープ送りローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケース、を有するテープカセットが着脱可能であり、前記テープ送りローラを係合支持する支持部材を備え、前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、前記テープ送りサブローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接を行う第１離間圧接手段と、前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第２離間圧接手段と、を有し、第１離間圧接手段と第２離間圧接手段とは、独立して動作可能であり、前記第１離間圧接手段による前記テープ送りサブローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接、及び、前記第２離間圧接手段による前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接をそれぞれ独立して行う離間圧接制御手段を備え、前記テープ送りサブローラ、又は前記支持部材は加熱装置であり、前記テープ送りサブローラ又は前記支持部材の熱状態を制御する加熱制御手段を有し、前記加熱制御手段は、前記テープ送りサブローラに対し、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、前記テープ送りサブローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとが貼り合わされることを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、粘着剤が塗布された貼り合せテープの粘着剤及び印字が行われる印字テープの印字面が、印字位置よりも排出方向下流側で接触する。また、貼り合せテープの粘着剤の熱状態を制御する。これにより、前記テープ送りサブローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとを貼り合わせることができる。

　請求項１３に係る発明は、請求項１２のテープ作成装置であって、前記加熱制御手段は、前記テープ送りサブローラを、印字済みの印字テープの後端が前記テープ送りサブローラに到達したときに、非加熱状態にし、搬送手段、切断手段をさらに有し、前記搬送手段は、前記テープ送りサブローラが非加熱状態において、前記印字済みの印字テープを、前記印字済みの印字テープの後端が切断位置に到達するまで排出方向下流側に搬送し、前記切断手段は、前記印字済みの印字テープの後端を、前記貼り合せテープとともに切断し、前記搬送手段は、切断後の印字テープ及び前記貼り合せテープを、その先端が第１の所定位置に到着するまで前記排出方向とは逆方向に搬送し、前記搬送手段は、切断後の貼り合せテープを、その先端が第２の所定位置まで前記排出方向とは逆方向に搬送することを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、前記テープ送りサブローラを、印字済みの印字テープの後端が前記テープ送りサブローラに到達したときに、非加熱状態にする。また、非加熱状態において、前記印字済みの印字テープを、前記印字済みの印字テープの後端が切断位置に到達するまで排出方向下流側に搬送する。切断手段は、前記印字済みの印字テープの後端を、前記貼り合せテープとともに切断する。さらに、切断後の印字テープ及び前記貼り合せテープを、その先端が第１の所定位置に到着するまで前記排出方向とは逆方向に搬送し、切断後の貼り合せテープを、その先端が第２の所定位置まで前記排出方向とは逆方向に搬送する。これにより、印字テープ及び貼り合せテープの消費量を抑制することができる。

　請求項１４に係る発明は、請求項１３のテープ作成装置であって、前記印字テープの印字面の裏面側に印刷された目印を読み取る読取センサをさらに有し、前記読取センサは、読み取った前記目印に基いて、前記印字テープの位置を検出し、前記第２離間圧接手段は、前記印字テープ及び前記貼付テープが前記逆方向に搬送されるときは、前記印字ヘッドと前記プラテンローラとを離間し、前記印字テープ及び前記貼付テープが前記逆方向に搬送されるときは、前記印字テープと前記プラテンローラとは相対的に離間され、前記第１離間手段は、前記印字テープのみが前記逆方向に搬送されるときは、前記テープ送りローラと前記テープ送りサブローラとを離間させる、ことを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、前記印字テープの印字面の裏面側に印刷された目印を読み取り前記印字テープの位置を検出する。これにより、印字テープの搬送量を認識することができる。

　請求項１５に係る発明は、テープ作成装置であって、常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するヒートローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記ヒートローラを収納するカセットケース、を有するテープカセットが着脱可能であり、前記テープ送りローラを係合支持する支持部材を備え、前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、前記テープ送りサブローラと前記ヒートローラとの離間・圧接を行う第３離間圧接手段を有し、前記印字ヘッドと前記前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第４離間圧接手段を有し、第３離間圧接手段と第４離間圧接手段とは、独立して動作可能であり、前記第３離間圧接手段による前記テープ送りサブローラと前記ヒートローラとの離間・圧接、及び、前記第４離間圧接手段による前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接をそれぞれ独立して行う離間圧接制御手段を備え、前記ヒートローラ又は前記支持部材の熱状態を制御する加熱制御手段を有し、前記加熱制御手段は、前記ヒートローラに対し、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、前記ヒートローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化されることを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、上記テープ作成装置は、粘着剤が塗布された貼り合せテープの粘着剤及び印字が行われる印字テープの印字面が、印字位置よりも排出方向下流側で接触する。また、貼り合せテープの粘着剤の熱状態を制御する。これにより、ヒートローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとを貼り合わせることができる。

　請求項１６に係る発明は、請求項１５のテープ作成装置であって、前記加熱制御手段は、前記ヒートローラ又は前記支持部材を、印字済みの印字テープの後端が前記ヒートローラに到達したときに、非加熱状態にし、搬送手段、切断手段をさらに有し、前記搬送手段は、前記ヒートローラが非加熱状態において、前記印字済みの印字テープを、前記印字済みの印字テープの後端が切断位置に到達するまで排出方向下流側に搬送し、前記切断手段は、前記印字済みの印字テープの後端を、前記貼り合せテープとともに切断し、前記搬送手段は、切断後の印字テープ及び前記貼り合せテープを、その先端が第１の所定位置に到着するまで前記排出方向とは逆方向に搬送し、前記搬送手段は、切断後の貼り合せテープを、その先端が第２の所定位置まで前記排出方向とは逆方向に搬送することを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、前記ヒートローラを、印字済みの印字テープの後端が前記ヒートローラに到達したときに、非加熱状態にする。また、非加熱状態において、前記印字済みの印字テープを、前記印字済みの印字テープの後端が切断位置に到達するまで排出方向下流側に搬送する。切断手段は、前記印字済みの印字テープの後端を、前記貼り合せテープとともに切断する。さらに、切断後の印字テープ及び前記貼り合せテープを、その先端が第１の所定位置に到着するまで前記排出方向とは逆方向に搬送し、切断後の貼り合せテープを、その先端が第２の所定位置まで前記排出方向とは逆方向に搬送する。これにより、印字テープ及び貼り合せテープの消費量を抑制することができる。

　請求項１７に係る発明は、請求項１６のテープ作成装置であって、前記印字テープの印字面の裏面側に印刷された目印を読み取る読取センサをさらに有し、前記読取センサは、読み取った前記目印に基いて、前記印字テープの位置を検出し、前記第４離間圧接手段は、前記印字テープ及び前記貼付テープが前記逆方向に搬送されるときは、前記印字ヘッドと前記プラテンローラとを離間し、前記印字テープ及び前記貼付テープが前記逆方向に搬送されるときは、前記印字テープと前記プラテンローラとは相対的に離間され、前記第３離間手段は、前記印字テープのみが前記逆方向に搬送されるときは、前記テープ送りローラと前記テープ送りサブローラとを離間させる、ことを特徴とする。

　請求項１８に係る発明は、請求項１３、請求項１４、請求項１６、請求項１７の何れかのテープ作成装置であって、先端位置検出装置をさらに有し、前記先端位置検出装置は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープの先端を検出し、前記搬送手段は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープの先端が、前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送し、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープは、その先端が前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送されることにより、該先端の位置が特定され、前記第１の所定の位置は、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向下流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置であり、前記第２の所定の位置は、印字位置よりも前記排出方向下流側に位置し、かつ、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向上流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置であることを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープは、その先端が前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送されることにより、該先端の位置が特定される。また、前記第１の所定の位置は、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向下流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置であり、前記第２の所定の位置は、印字位置よりも前記排出方向下流側に位置し、かつ、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向上流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置である。これにより、印字テープ及び貼り合せテープの逆搬送量を把握することができる。また、印字テープ及び貼り合せテープを確実に排出口側へ搬送することができる。

　請求項１９に係る発明は、テープ作成システムにおいて、印字ヘッド、プラテン、テープ送りサブローラ、を備えたテープ作成装置、及び、常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するテープ送りローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケース、を有するテープカセット、からなり、前記テープカセットは、前記テープ作成装置に着脱可能であり、前記テープ送りローラを係合支持する支持部材を備え、前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、前記テープ送りサブローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接を行う第１離間圧接手段を有し、前記印字ヘッドと前記前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第２離間圧接手段を有し、第１離間圧接手段と第２離間圧接手段とは、独立して動作可能であり、前記第１離間圧接手段による前記テープ送りサブローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接、及び、前記第２離間圧接手段による前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接をそれぞれ独立して行う離間圧接制御手段を備え、前記テープ送りサブローラは、又は前記支持部材は加熱装置であり、前記テープ送りサブローラ又は前記支持部材の熱状態を制御する加熱制御手段を有し、前記ヒートローラ加熱制御手段は、前記テープ送りサブローラに対し、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、前記テープ送りサブローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとが貼り合わされることを特徴とする。

　上記テープ作成システムは、粘着剤が塗布された貼り合せテープの粘着剤及び印字が行われる印字テープの印字面が、印字位置よりも排出方向下流側で接触する。また、貼り合せテープの粘着剤の熱状態を制御する。これにより、前記テープ送りサブローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとを貼り合わせることができる。

　請求項２０に係る発明は、テープ作成システムであって、印字ヘッド、プラテン、テープ送りサブローラ、を備えたテープ作成装置、及び、常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するヒートローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケース、を有するテープカセット、からなり、前記テープカセットは、前記テープ作成装置に着脱可能であり、前記テープ送りローラを係合支持する支持部材を備え、前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、前記テープ送りサブローラと前記ヒートローラとの離間・圧接を行う第３離間圧接手段を有し、前記印字ヘッドと前記前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第４離間圧接手段を有し、第３離間圧接手段と第４離間圧接手段とは、独立して動作可能であり、前記第３離間圧接手段による前記テープ送りサブローラと前記ヒートローラとの離間・圧接、及び、前記第４離間圧接手段による前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接をそれぞれ独立して行う離間圧接制御手段を備え、前記ヒートローラ又は前記支持部材の熱状態を制御する加熱制御手段を有し、前記加熱制御手段は、前記ヒートローラに対し、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、前記ヒートローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化されることを特徴とする。

　上記テープ作成システムは、粘着剤が塗布された貼り合せテープの粘着剤及び印字が行われる印字テープの印字面が、印字位置よりも排出方向下流側で接触する。また、貼り合せテープの粘着剤の熱状態を制御する。これにより、ヒートローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとを貼り合わせることができる。

　請求項２１に係る発明は、テープ作成装置であって、印字ヘッド、プラテンローラを備えたテープ作成装置において、常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するテープ送りローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケース、を有するテープカセットが着脱可能であり、前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、印字位置よりも下流側に位置し、かつ、前記貼り合せテープまたは前記印字テープに接触する加熱装置と、前記加熱装置の熱状態を制御する加熱制御装置と、を有し、前記加熱制御装置は、前記加熱装置に対し、少なくとも印字済みの印字テープが該加熱装置を通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、前記加熱装置は、少なくとも印字済みの印字テープが該加熱装置を通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとが貼り合わされることを特徴とする。

　請求項２２に係る発明は、請求項２１のテープ作成装置であって、前記加熱装置よりも前記印字テープの排出方向下流側に位置する貼り合せローラを有し、前記貼り合せローラは、前記テープカセットが装着された状態において、前記テープ送りローラと対向し、前記貼り合わせローラ及び前記テープ送りローラは、前記貼り合せテープと前記印字済みテープとを貼り合わせることを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、貼り合せローラを加熱装置よりも印字テープの排出方向下流側に有する。すなわち、加熱装置を前記貼り合せローラとは別体として構成する。これにより、印字テープと貼り合せテープとを貼り合せる前段階において、貼り合せテープを加熱することができる。

　請求項２３に係る発明は、請求項２１または請求項２２のテープ作成装置であって、前記加熱制御装置は、前記加熱装置を、前記印字済みの印字テープの後端が該加熱装置に到達したときに、非加熱状態にし、搬送装置、切断装置をさらに有し、前記搬送装置は、前記加熱装置が非加熱状態において、前記印字済みの印字テープを、前記印字済みの印字テープの後端が切断位置に到達するまで排出方向下流側に搬送し、前記切断装置は、前記印字済みの印字テープの後端を、前記貼り合せテープとともに切断し、前記搬送装置は、切断後の印字テープ及び前記貼り合せテープを、その先端が第１の所定位置に到着するまで前記排出方向とは逆方向に搬送し、前記搬送装置は、切断後の貼り合せテープを、その先端が第２の所定位置まで前記排出方向とは逆方向に搬送することを特徴とする。

　請求項２４に係る発明は、請求項２３のテープ作成装置において、先端位置検出装置をさらに有し、前記先端位置検出装置は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープの先端を検出し、前記搬送装置は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープの先端が、前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送し、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープは、その先端が前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送されることにより、該先端の位置が特定され、前記第１の所定の位置は、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向下流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置であり、前記第２の所定の位置は、印字位置よりも前記排出方向下流側に位置し、かつ、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向上流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置であることを特徴とする。

　請求項２５に係る発明は、請求項２３または請求項２４のテープ作成装置であって、前記印字テープの印字面の裏面側に印刷された目印を読み取る読取センサを有し、前記読取センサは、読み取った前記目印に基いて、前記印字テープの位置を検出し、前記貼り合わせローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接を行う第１離間圧接装置と、前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第２離間圧接装置と、前記加熱装置と位置規制装置との離間・圧接を行う第３離間圧接装置と、を有し、第１離間圧接装置、第２離間圧接装置、第３離間圧接装置は、それぞれ独立して動作可能であり、前記印字済みテープの後端が前記加熱装置に到達した時に、前記第３離間圧接装置により該加熱装置と前記位置規制装置とを離間し、前記印字テープ及び前記貼り合せテープが前記逆方向に搬送されるときに、前記第２離間圧接装置及び前記第３離間圧接装置により前記印字ヘッドと前記プラテンローラ、及び前記加熱装置と前記位置規制装置とをそれぞれ離間し、前記印字テープのみが前記逆方向に搬送されるときに、前記第１離間圧接装置、前記第２離間圧接装置及び前記第３離間圧接装置によりそれぞれ前記貼り合せローラと前記テープ送りローラ、前記印字ヘッドと前記プラテンローラ、及び前記加熱装置と前記位置規制装置とを離間するように制御する離間圧接制御装置を備えることを特徴とする。

　請求項２６に係る発明は、請求項２５のテープ作成装置であって、前記位置規制装置は、前記テープカセットに設けられていることを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、位置規制装置がテープカセットに設けられている。これにより、テープカセットの着脱を容易にすることができる。

　請求項２７に係る発明は、請求項２５のテープ作成装置であって、前記位置規制装置は、該テープ作成装置に設けられていることを特徴とする。

　上記テープ作成装置は、位置規制装置を有する。これにより、テープカセット側に位置規制装置を有する必要がなく、テープカセットのコストダウンを図ることができる。

　本発明によれば、印字テープ、及び、該印字テープに貼り合わされる貼り合せテープの消費量を抑制することができる。

第１実施形態のテープ印字装置のカセット収納部にテープカセットを装着する状態を示す要部拡大図である。第１実施形態の印字テープカセット内部構成及びテープ印字装置の一部を模式的に示す平面図である。第１実施形態のテープ印字装置の電気的構成を示すブロック図である。第１実施形態での印字過程における印字テープ１７及びインクリボン１９の関係を示した模式図である。ゼブラマークの一例を示した図である。第１実施形態において、加熱状態にあるテープ送りサブローラと印字済みの印字テープ及び貼り合せテープとの関係を示した模式図である。第１実施形態において、非加熱状態にあるテープ送りサブローラと印字済みの印字テープ及び貼り合せテープとの関係を示した模式図である。第１実施形態における搬送制御処理のフローチャートである。第１実施形態における搬送制御処理のフローチャートである。第１実施形態における搬送制御処理のフローチャートである。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第１実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第２実施形態のテープ印字装置のカセット収納部にテープカセットを装着する状態を示す要部拡大図である。第２実施形態の印字テープカセット内部構成及びテープ印字装置の一部を模式的に示す平面図である。第２実施形態において、加熱状態にあるテープ送りサブローラと印字済みの印字テープ及び貼り合せテープとの関係を示した模式図である。第２実施形態において、非加熱状態にあるテープ送りサブローラと印字済みの印字テープ及び貼り合せテープとの関係を示した模式図である。第３実施形態の印字テープカセット内部構成及びテープ印字装置の一部を模式的に示す平面図である。第３実施形態のテープ印字装置の電気的構成を示すブロック図である。第３実施形態において、加熱状態にあるヒータと印字済みの印字テープ及び貼り合せテープとの関係を示した模式図である。第３実施形態において、非加熱状態にあるヒータと印字済みの印字テープ及び貼り合せテープとの関係を示した模式図である。第３実施形態における搬送制御処理のフローチャートである。第３実施形態における搬送制御処理のフローチャートである。第３実施形態における搬送制御処理のフローチャートである。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。第３実施形態における印字テープ及び貼り合せテープの搬送の様子を示した模式図である。

［第１実施形態］
　以下、本発明を具体化した第１実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
　図１はテープ印字装置のカセット収納部に印字テープカセットを装着する状態を示す要部拡大斜視図である。
　図２は印字テープカセット内部構成及びテープ印字装置の一部を模式的に示す平面図である。

（印字テープカセット）
　まず、テープカセット１００について説明する。図１に示すように、テープカセット１００は、テープ印字装置１１０に設けられたカセット収納部６に着脱可能である。

　テープカセット１００は、上ケース２と下ケース３とを有する。上ケース２は下ケース３の上面を被覆する蓋部材である。下ケース３には、印字テープスプール１８、インクリボンスプール２０、インクリボン巻取スプール２１、貼り合せテープスプール３１が配置されている（図２参照）。

　印字テープスプール１８には、印字面が内側となるように印字テープ１７が巻回されている。印字テープ１７は、長尺状のテープである。印字テープ１７の詳細については後述する。また、印字テープスプール１８は、後述するように印字テープ１７を巻き戻すことができる。

　インクリボンスプール２０には、インク層が内側となるようにインクリボン１９が巻回されている。インクリボン巻取スプール２１は、インクリボンスプール２０からインクリボン１９を引き出す。また、文字等の印字によって消費されたインクリボン１９を巻き取る。

　また、印字テープスプール１８は、テープカセット１００内の中央部より若干上方に位置する（図２参照）。また、インクリボンスプール２０は、テープカセット１００内の右下部に位置する（図２参照）。インクリボン巻取スプール２１は、インクリボンスプール２０よりも印字テープ１７の搬送方向下流側に位置する（図２参照）。

　貼り合せテープスプール３１には、粘着剤層が内側となるように貼り合せテープ７４が巻回されている。貼り合せテープ７４の詳細については後述する。また、貼り合せテープスプール３１は、後述するように貼り合せテープ７４を巻き戻すことができる。また、貼り合せテープスプールは、テープカセット１００内の左上部に位置する（図２参照）。

　テープカセット１００には、テープ送りローラ３２が配置されている。テープ送りローラ３２は、テープ印字装置１１０のテープ送りローラ軸５５（後述）に連結する。テープ送りローラ３２は、テープカセット１００がテープ印字装置１１０に装着された状態において、テープ印字装置１１０のテープ送りサブローラ５１（後述）に対向する。

　テープカセット１００には、テープ案内コロ３０、案内ピン４２、開口部４３が配置されている。テープ案内コロ３０、案内ピン４２、開口部４３は、印字テープ１７の搬送位置を規制する。また、テープ案内コロ３０は、テープカセット１００内の右下部に位置する（図２参照）。案内ピン４２は、テープ案内コロ３０よりも印字テープ１７の搬送方向下流側に位置する（図２参照）。

　テープカセット１００には、規制突起部４４、規制突起部４５が配置されている。規制突起部４４及び規制突起部４５は、インクリボン１９の搬送位置を規制する。

　テープカセット１００には、分離部材４が形成されている。分離部材４によって、インクリボン１９の搬送位置が規制される。また、分離部材４は、印字位置（後述）において貼り合された印字テープ１７とインクリボン１９とを分離させる機能をも有する。

　テープカセット１００には、案内部材３３が配置されている。案内部材３３は、分離部材４とテープ送りローラ３２の間に位置する。案内部材３３とテープカセット１００の外枠の間に、第１案内路３４が形成される。第１案内路３４は、印字テープ１７の搬送経路を規制する。即ち、第１案内路３４は、印字テープ１７の厚み方向と幅方向への移動を規制している（特に、幅方向に関しては、テープカセット１００の上面と下面が規制している）。

　テープカセット１００には、ヘッド挿通口４０が形成されている。ヘッド挿通口４０は、上ケース２及び下ケース３を貫通している。また、テープカセット１００がテープ印字装置１１０のカセット収納部６に収納された際に、サーマルヘッド７（後述）が挿通される。

　テープカセット１００には、排出口１３が形成されている。印字テープ１７は、排出口１３よりテープカセット１００外に排出される。
　テープカセット１００には、排出口１３周辺に、第２案内路３５が形成されている。第２案内路３５は、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送経路を規制する。即ち、第２案内路３５は、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の厚み方向と幅方向への移動を規制している（特に、幅方向に関しては、テープカセット１００の上面と下面が規制している）。

　テープカセット１００には、テープ印字装置１１０が有する種別識別センサ（後述）によって読み取られる識別部（テープカセットの種類を示す）を有する。

（カセット収納部）
　次に、テープ印字装置１１０のカセット収納部６及びその周辺に配置される各要素について説明する。
　カセット収納部６には、サーマルヘッド７が固設されている（図１及び図２参照）。サーマルヘッド７は、縦長四角形の平板状である。前面の左端縁部の辺に沿って、所定個数の発熱素子が一列に配列されて形成されている。

　テープ印字装置１１０は、プラテンローラ８を備えている。プラテンローラ８は、プラテンホルダ８４に回転可能に支持されている。プラテンホルダ８４は、ホルダ軸４７に回動可能に支持されている。プラテンローラ８は、ソレノイド６７によって、サーマルヘッド７への離間・圧接が行われる。ソレノイド６７は、所謂プッシュ型のソレノイドであり、通電時にはプッシュピンを突出することでプラテンローラ８とサーマルヘッド７を圧接状態にし、非通電時にはソレノイド内部のバネによってプッシュピンを引き込むことでプラテンローラ８とサーマルヘッド７を離間状態にする。
　プラテンローラ８は、印字テープ送りモータ６９（図３参照）の駆動に基いて図２における反時計方向に回転する。プラテンローラ８の反時計方向の回転を駆動源として、印字前及び印字後の印字テープ１７は搬送される。また、テープ印字装置１１０には、プラテンローラ８の回転量（すなわち、テープ送りローラの回転量）を検出する不図示のエンコーダを有する。

　また、プラテンホルダ８４には、読取センサ１１が取り付けられている。読取センサ１１は、印字テープ１７に印字されているゼブラマーク（後述）を読み取る。

　テープ印字装置１１０は、テープ送りサブローラ５１を備えている。テープ送りサブローラ５１は、ヒータ７０を備えており、テープ送りサブローラ５１の表面を加熱することができる。

　テープ送りサブローラ５１は、サブローラホルダ５４に回転可能に支持されている。サブローラホルダ５４は、サブローラ軸５２に回動可能に支持されている。なお、図１においては、サブローラホルダ５４は省略している。
　テープ送りサブローラ５１は、ソレノイド６８によって、テープ送りローラ３２との離間・圧接の制御が行われる。ソレノイド６８は、所謂プッシュ型のソレノイドであり、通電時にはプッシュピンを突出することでテープ送りローラ３２とテープ送りサブローラ５１を圧接状態にし、非通電時にはソレノイド内部のバネによってプッシュピンを引き込むことでテープ送りローラ３２とテープ送りサブローラ５１を離間状態にする。

　ソレノイド６７とソレノイド６８とは、独立して駆動可能である。すなわち、プラテンローラ８とサーマルヘッド７との離間・圧接、及び、テープ送りサブローラ５１とテープ送りローラ３２との離間・圧接は、独立して行うことが可能である。それぞれの離間・圧接制御の詳細については、後述する。

　カセット収納部６には、リボン巻取軸９が配置されている。リボン巻取軸９は、上述したテープカセット１００がテープ印字装置１１０に装着された際に、インクリボン巻取スプール２１と連結する。リボン巻取軸９は、印字テープ送りモータ６９（図３参照）により図２における時計方向に回転する。リボン巻取軸９が時計方向に回転することにより、インクリボン１９を引き出すことができる。

　カセット収納部６には、印字テープ巻取軸１０が配置されている。印字テープ巻取軸１０は、上述したテープカセット１００がテープ印字装置１１０に装着された際に、印字テープスプール１８と連結（係合）する。印字テープ巻取軸１０は、印字テープ巻取りモータ７１（図３参照）により図２における反時計方向に回転する。印字テープ巻取軸１０が反時計方向に回転することにより、印字テープを巻き戻す。

　カセット収納部６には、貼り合せテープ軸５３が配置されている。貼り合せテープ軸５３は、上述したテープカセット１００がテープ印字装置１１０に装着された際に、貼り合せテープスプール３１と連結する。貼り合せテープ軸５３は、貼り合せテープ巻取りモータ７２（図３参照）により図２における時計方向に回転する。貼り合せテープ軸５３が時計方向に回転することにより、貼り合せテープ７４を巻き戻すことができる。

　カセット収納部６には、テープ送りローラ軸５５が配置されている。テープ送りローラ軸５５は、上述したテープカセット１００がテープ印字装置１１０に装着された際に、テープ送りローラ３２と連結する。テープ送りローラ軸５５は、貼り合せテープ送りモータ７３（図３参照）により図２における時計方向に回転する。テープ送りローラ３２にテープ送りサブローラ５１が圧接されている際はテープ送りローラ３２の回転に従動してテープ送りサブローラ５１も回転する。テープ送りローラ軸５５が図２における時計方向に回転することにより、テープ送りローラ３２とテープ送りサブローラ５１によって、貼り合せテープ７４は、排出口５に向かって搬送される。また、テープ印字装置１１０には、テープ送りローラ軸５５の回転量（すなわち、テープ送りローラの回転量）を検出する不図示のエンコーダを有する。

　固定刃５７Ａ及び可動刃５７Ｂにより構成されるカッタユニット５７は、テープ送りサブローラ５１及びテープ送りローラ軸５５よりも搬送方向下流側に配置されている。可動刃５７Ｂが固定刃５７Ａに向かって移動することにより、貼り合せテープ７４及び印字済みの印字テープ１７が切断される。可動刃５７Ｂは、カッタモータ７５（図３参照）により移動する。

　カセット収納部６には、発光素子５８Ａ及び受光素子５８Ｂから構成される先端部検出センサ５８が配置されている。また、先端部検出センサ５８は、フォトセンサ等の透過型センサで構成されている。発光素子５８Ａと受光素子５８Ｂは、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の搬送路を挟んで対向する。発光素子５８Ａと受光素子５８Ｂの間を貼り合せテープ７４及び印字テープ１７を搬送される間、発光素子５８Ａから出力された光は、受光素子５８Ｂに到達しない。この原理を用いることにより、先端部検出センサ５８は、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の先端を検出することができる。

　テープ印字装置１１０には、排出口５が形成されている。排出口５は、カッタユニット５７よりも搬送方向下流側に位置している。

　テープ印字装置１１０には、装着されたテープカセット１００の種別を識別するための種別識別センサ（不図示）を有している。

　次に図３を参照して、上述したテープ印字装置の電気的構成について説明する。テープ印字装置は、制御基板上に形成される制御回路部７６を備えている。制御回路部７６は、各機器を制御するＣＰＵ７７、ＣＰＵ７７にデータバス７８を介して接続されたＣＧ－ＲＯＭ７９、ＲＯＭ８０、ＲＡＭ８１、及び、入出力インタフェース８２等から構成されている。
　ＣＧ－ＲＯＭ７９には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタの各々に関して、印字用ドットパターンデータがコードデータに対応させて記憶されている。

ＲＯＭ８０には、テープ印字装置の表示制御や印字制御などに必要な各種プログラムが各々記憶されている。ＣＰＵ７７は、ＲＯＭ８０に記憶されている各種プログラムに基づいて各種演算を行う。ＲＡＭ８１には、テキストメモリ、印字バッファ、パラメータ記憶エリア等が設けられている。入出力インタフェース８２には、液晶ディスプレイ８３を駆動するためのＬＣＤＣ８５、キーボード８６、読取センサ１１、先端部検出センサ５８、サーマルヘッド７を駆動する駆動回路８７、印字テープ送りモータ６９を駆動する駆動回路８８、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動する駆動回路８９、印字テープ巻取りモータ７１を駆動する駆動回路９０、貼り合せテープ巻取りモータ７２を駆動する駆動回路９１、カッタモータ７５を駆動する駆動回路９２、ソレノイド６７を駆動する駆動回路９３、ソレノイド６８を駆動する駆動回路９４、ヒータ７０を駆動する駆動回路９５、等が各々接続されている。
　各駆動回路は、ＣＰＵ７７により制御される。

　以上のような電気的構成を有するテープ印字装置において、キーボード８６を用いて文字等が入力された場合、そのテキスト（文書データ）はテキストメモリに記憶される。そして、各種プログラムに基づいて、キーボード８６で入力された文字等に対応するドットパターンが液晶ディスプレイ８３上に表示される。さらにサーマルヘッド７は駆動回路８７を介して駆動され、印字バッファに記憶されたドットパターンデータの印字を行う。また、印字テープ送りモータ６９及び貼り合せテープ送りモータ７３は、サーマルヘッド７による印字動作に同期してテープの排出口５へ向かう方向（下流側と称する）への送り制御を行う。このとき、サーマルヘッド７では駆動回路８７によってサーマルヘッド７の備える各発熱素子が１ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動される。印字済みの印字テープ１７は、カッタユニット５７の切断位置まで搬送され、可動刃５７Ｂが移動する結果、固定刃５７Ａと可動刃５７Ｂとが互いに協働することで切断される。

　また、印字テープ１７の使用量を節約するため、印字テープ１７を排出口５とは逆方向（上流側と称する）に送ることがある。その際は、印字テープ巻取りモータ７１を駆動させて、印字テープ１７を印字テープスプール１８に巻き戻すように制御する。また、貼り合せテープ７４の使用量を節約するため、貼り合せテープ７４を排出口５とは逆方向（上流側と称する）に送ることがある。その際は、貼り合せテープ巻取りモータ７２を駆動させて、貼り合せテープ７４を貼り合せテープスプール３１に巻き戻すように制御する。
　尚、印字テープ１７を下流側に送るときは、駆動回路９３を介してソレノイド６７に通電することでプラテンローラ８をサーマルヘッド７に圧接させる。印字テープ１７を上流側に送るときは、駆動回路９３を介してソレノイド６７への通電を停止することでプラテンローラ８をサーマルヘッド７から離間させる。それにより、インクリボン１９が印字テープ１７に追従して上流側に送られて弛みができることを防止する。

　また、貼り合せテープ７４を下流側に送るときは、駆動回路９４を介してソレノイド６８に通電することでテープ送りサブローラ５１をテープ送りローラ３２に圧接させる（貼り合せテープ７４を上流側に送るときにテープ送りサブローラ５１をテープ送りローラ３２から離間させることは、必ずしも必要ではない）。
　ヒータ７０は、駆動回路９５を介して通電することで発熱し、通電を停止することで発熱が停止する。

（印字テープへの印字）
　次に、印字テープ１７への印字、及び、印字テープ１７の搬送について説明する。
　印字テープスプール１８に巻回されている印字テープ１７は、プラテンローラ８の回転駆動により、テープ案内コロ３０、案内ピン４２、開口部４３を経てサーマルヘッド７及びプラテンローラ８に向かって搬送される。
　また、インクリボンスプール２０に巻回されているインクリボン１９は、インクリボン巻取スプール２１の回転駆動により、規制突起部４４、規制突起部４５、開口部４３を経てサーマルヘッド７及びプラテンローラ８に向かって搬送される。

　図４は印字過程における印字テープ１７及びインクリボン１９の関係を模式的に示したものである。
　図４に示すように、インクリボン１９は、基材フィルム２２及びインク層２３により構成されている。また、印字テープ１７は、基材フィルム２５、粘着剤層２４、離型紙２６により構成されている。作成された印字テープ１７は、離型紙２６を剥がした状態で、粘着剤層２４の面が被着体に貼り付けられる。

　印字テープ１７及びインクリボン１９は、サーマルヘッド７及びプラテンローラ８によって重ね合わされる。すなわち、印字テープ１７とインクリボン１９は、サーマルヘッド７及びプラテンローラ８の間で接触する。また、印字時には、サーマルヘッド７の発熱素子群が発熱駆動される。発熱素子群の発熱により、インクリボン１９の被加熱部分のインク層２３が溶解し、溶解したインク層２３が印字テープ１７に転写される。インク層２３のインクは、高融点タイプ（インクの融点が、例えば、９０℃以上のもの）を用いることができる。

　また、離型紙２６の表面（粘着剤層２４と接していない側）には、例えば、ゼブラマークが印字されている。ゼブラマークは、上述した読取センサ１１によって読み取られる。図５は、ゼブラマークの一例を示した図である。印字テープ１７の幅方向に伸びる線（例えば、直線）が、所定間隔で印字されている。

　該所定間隔の長さは、テープ印字装置１１０に認識されるよう構成される。例えば、装着されるテープカセットの種別によらず、該所定間隔の長さを一定（固定値）とすることができる。この場合、該固定値を予めテープカセット１００に記憶しておけばよい。また、上述した識別部（テープカセット１００）が、該所定間隔の長さの情報を含むように構成してもよい。この場合、読取センサ１１は、装着されたテープカセット１００の種類とともに、ゼブラマークの間隔の長さを検出する。

　読取センサ１１が読み取ったゼブラマークの数に、該所定間隔の長さを掛け合わせることにより、印字テープ１７の搬送量を算出することができる。

　ゼブラマークの色は、例えば、黒とすることができる。なお、読取センサ１１によって読み取ることができる色であれば、どのような色でもよい。また、ゼブラマークが印字される離型紙２６は、上述したとおり被着体への貼り付け時に剥がされる。

　印字が行われた後、インクリボン１９は、分離部材４を経てインクリボン巻取スプール２１に巻き取られる。このとき、印字済みの印字テープ１７とインクリボン１９とは分離される。また、印字済みの印字テープ１７は、第１案内路３４を経て、テープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ５１の位置まで搬送される。

　印字済み印字テープ１７は、テープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ５１の間を通過するとき、該印字済み印字テープ１７の印字面には、貼り合せテープ７４が貼り合わされる。印字済み印字テープ１７に貼り合せテープ７４が貼り合わされるメカニズムについては後述する。

　作成された印字済みの印字テープ１７は、テープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ５１の回転駆動により、第２案内路３５を経て排出口５まで搬送される。第１案内路３４では印字済み印字テープ１７が幅方向に規制され、第２案内路３５では印字済み印字テープ１７及び貼り合せテープ７４が幅方向に規制されることにより、印字済み印字テープ１７及び貼り合せテープ７４は互いに幅方向にずれることなく貼り合わされることとなる。
　また、印字済みの印字テープ１７は、所望の位置でカッタユニット５７により切断される。

（印字テープへの貼り合せ）
　図６は、加熱状態にあるテープ送りサブローラ５１と印字済みの印字テープ１７及び貼り合せテープ７４との関係を模式的に示したものである。
　図６に示すように、貼り合せテープ７４は、粘着剤層２７及びフィルム２８により構成される。フィルム２８として、インク層（すなわち、印字内容）が視認できるものが用いられる。例えば、ＰＥＴフィルム、ポリエチレン（ＰＥ）フィルム、ポリプロピレン（ＰＰ）フィルムを用いることができる。

　また、フィルム２８は、半透明であってもよい。例えば、曇りガラス状のフィルム（ＭＡＴＴフィルム）を用いてもよい。また、有色のフィルムでもよい。また、幅方向の両端部に、花柄、キャラクタ等が印字されているものを用いてもよい。

　粘着剤層２７の粘着剤は、常温では粘着性を有しておらず、加熱されることにより粘着性を有する（活性化する）。すなわち、該粘着剤は、熱活性性である（このような性質を有する粘着剤は、例えば、特許３３９４５７２号に開示されている。）。また、粘着性を有すると、その後温度が低下しても暫く粘着性を保持する（このような性質を有する粘着剤は、例えば、特開２００２－２６５８９５号に開示されている）。本実施形態では市販の一般的な熱活性性の粘着剤を使用しており、その時間は５分程度となっている。なお、粘着剤の粘着性が発現している間に粘着した貼り合せテープ７４と印字テープ１７とは、粘着剤の粘着性が消滅した後も接着状態は維持している。粘着性が消滅した粘着剤を備えた貼り合せテープ７４は新たな被着体と粘着することができないだけである。
　また、粘着性を有するための温度（活性温度）は、８０℃とすることができる。この温度は、上述したインクの融解温度よりも低い。

　また、粘着剤層２７の粘着剤は、活性化した状態において透明である。これにより、フィルム２８及び粘着剤層２７を通して、印字内容（すなわち、インク層２３）が視認できる。なお、粘着剤層２７の粘着剤は、活性化していない状態においては、透明でなくてもよい。

　テープ送りサブローラ５１が加熱されると、その熱は、印字テープ１７を通じて粘着剤層２７に伝わることになる。
　そして、粘着剤層２７の温度が８０℃（すなわち、活性温度）に達すると、粘着性を有する。ただし、フィルム２８の温度が９０℃（すなわち、融解温度）に達しないようテープ送りサブローラ５１は熱制御される。

　これにより、テープ送りサブローラ５１及びテープ送りローラ３２で接触した印字テープ１７及び貼り合せテープ７４は、貼り合わされることになる。貼り合わされた印字済みの印字テープ１７は、カッタユニット５７まで搬送され、所定の位置で切断される。

　図７は、非加熱状態にあるテープ送りサブローラ５１と印字済みの印字テープ１７及び貼り合せテープ７４との関係を模式的に示したものである。
　図７においては、粘着剤層２７は非活性状態にあるから、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４が接触したとしても、印字テープ１７に貼り合せテープ７４が貼り合わされることはない。

（印字テープ及び貼り合せテープの搬送制御）
　次に、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送制御について説明する。
　図８乃至図１０は、搬送制御処理のフローチャートである。搬送制御処理は、テープ印字装置１１０が有するプロセッサ（不図示）によって実行される。搬送制御処理は、印字制御の指令信号が出力されることにより実行が開始される。
　図１１乃至図２４は、貼り合せテープ７４、インク層２３、印字テープ１７の搬送の様子を示した図である。

　Ｓ１において、プラテンローラ８を原点位置に移動させる。プラテンローラ８の原点位置とは、プラテンローラ８がサーマルヘッド７に圧接する位置のことである。即ち、プラテンローラ８をサーマルヘッド７側に移動させることにより、印字テープ１７を先端部検出センサ５８側に搬送可能な状態にする。それには、ソレノイド６７に通電することにより、プラテンローラ８を原点位置に移動させる。
　Ｓ２において、テープ送りサブローラ５１を原点位置に移動させる。テープ送りサブローラ５１の原点位置とは、テープ送りサブローラ５１がテープ送りローラ３２に圧接する位置のことである。即ち、テープ送りサブローラ５１をテープ送りローラ３２側に移動させることにより、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７を先端部検出センサ５８側に搬送可能な状態にする。それには、ソレノイド６８に通電することにより、テープ送りサブローラ５１を原点位置に移動させる。

　図１１は、プラテンローラ８及びテープ送りサブローラ５１が、原点位置に位置している様子を示している。また、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の先端は、カッタユニット５７の近傍に位置している。

　Ｓ３において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を先端部検出センサ５８側に向かって搬送させる。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。

　Ｓ４において、先端部検出センサ５８が印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の先端を検出したか否かを判断する。具体的には、発光素子５８Ａからの光が遮られたことを検知したときに、上記テープの先端を検出したと判断する。

　テープの先端を検出していないと判断した場合は（Ｓ４：ＮＯ）、Ｓ３に戻る。これにより、テープの先端が検出されるまでの間、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送動作が継続して行われることになる。

　一方、テープの先端を検出したと判断した場合は（Ｓ４：ＹＥＳ）、Ｓ５に移行する。
　Ｓ５において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送を停止する。それには、印字テープ送りモータ６９の駆動を停止してプラテンローラ８の回転を停止させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３の駆動を停止してテープ送りローラ３２の回転を停止させる。
　Ｓ６において、プラテンローラ８をサーマルヘッド７から離間させる。それには、ソレノイド６７への通電を停止することにより、プラテンローラ８をサーマルヘッド７から離間させる。これにより、印字テープ１７の逆搬送が可能となる。
　図１２は、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の先端が先端部検出センサ５８の位置に到達し、かつ、プラテンローラ８がサーマルヘッド７から離間した様子を示している。

　Ｓ７において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を逆搬送させる。すなわち、先端部検出センサ５８とは反対側に向かって搬送させる。それには、印字テープ巻取りモータ７１を駆動する。これにより、印字テープ１７は、印字テープスプール１８に巻き戻され印字テープ１７は逆搬送される。また、貼り合せテープ巻取りモータ７２を駆動する。それにより、貼り合せテープ７４は、貼り合せテープスプール３１に巻き戻され貼り合せテープ７４は逆搬送される。

　本実施形態では、この逆搬送は、印字テープスプール１８、貼り合せテープスプール３１を回転させることで行っている。しかしながら、テープの逆搬送にはテープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ５１の回転を併用してもよい。なお、テープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ５１をテープの逆搬送に用いない場合であっても、上記貼り合せテープ７４の逆搬送に伴って、テープ送りローラ３２は回転する。そして、テープ送りローラ３２の回転量は、貼り合せテープ７４の搬送量と比例関係にある。

　Ｓ８において、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達したか否かを判断する。ここで、第１所定位置とは、第２案内路３５における所定の位置（第２案内路３５の中ほど）である。また、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達したか否かの判断は、テープ送りローラ３２の回転量に基いて算出された逆搬送量に基いて行われる。

　貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ８：ＮＯ）、Ｓ７に戻る。これにより、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達するまでの間、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の逆搬送動作が継続して行われることになる。

　一方、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達したと判断した場合は（Ｓ８：ＹＥＳ）、Ｓ９に移行する。
　Ｓ９において、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の逆搬送を停止する。それには、貼り合せテープ巻取りモータ７２及び印字テープ巻取りモータ７１の駆動を停止する。また、テープ送りサブローラ５１を、テープ送りローラ３２から離間させる。それには、ソレノイド６８への通電を停止する。
　図１３は、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の先端が第１所定位置に到達し、かつ、テープ送りサブローラ５１がテープ送りローラ３２から離間している様子を示している。

　貼り合せテープ７４の無駄をできるだけ少なくするという観点においては、貼り合せテープ７４の先端を、できるだけテープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ５１（以下、「搬送ローラ対」ということがある。）に接近させた方が望ましい。
　図１４は、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の先端が、搬送ローラ対に接近している様子を示している。
　図１４の状態においては、貼り合せテープ７４を排出口５に向かって搬送させる場合に、貼り合せテープ７４の搬送が正しく行われない可能性がある。図１５に示す例では、貼り合せテープ７４がテープ送りローラ３２の周囲に巻き付くように搬送され、第２案内路３５に向かって正しく搬送されていない状態を示している。
　そのため、本実施形態においては、貼り合せテープ７４の逆搬送を、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達した時点で停止させている。

　説明を図８に戻す。Ｓ９の処理が終了したあと、Ｓ１０（図９）に移行する。
　Ｓ１０において、印字テープ１７のみを逆搬送させる。すなわち、先端部検出センサ５８とは反対側に向かって搬送させる。そのためには、印字テープ巻取りモータ７１を駆動する。これにより、印字テープ１７は、印字テープスプール１８に巻き戻され印字テープ１７は逆搬送される。

　Ｓ１１において、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達したか否かを判断する。ここで、第２所定位置とは、第１案内路３４における所定の位置（第１案内路３４の中ほど）である。また、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達したか否かの判断は、読取センサによって読み取られたゼブラマークの数に基いて算出される印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。

　印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ１１：ＮＯ）、Ｓ１０に戻る。これにより、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達するまでの間、印字テープ１７の逆搬送動作が継続して行われることになる。

　一方、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達したと判断した場合は（Ｓ１１：ＹＥＳ）、Ｓ１２に移行する。
　Ｓ１２において、印字テープ１７の逆搬送を停止する。それには、印字テープ巻取りモータ７１の駆動を停止する。
　図１６は、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達している状態を示している。

　作成した印字テープ１７の前余白をできるだけ少なくするという観点においては、印字テープ１７の先端を、できるだけプラテンローラ８に接近させたほうが望ましい。
　図１７は、印字テープ１７の先端が、プラテンローラ８に接近している状態を示している。
　図１７に示す状態においては、印字テープ１７を先端部検出センサ５８側に向かって搬送させた場合に、印字テープ１７の搬送が正しく行われない可能性がある。図１８に示す例では、印字テープ１７がプラテンローラ８の周囲に巻き付くような経路で搬送され、第１案内路３４に向かって正しく搬送されていない状態を示している。
　そのため、本実施形態においては、印字テープ１７の逆搬送を、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達した時点で停止させている。

　説明を図９に戻す。Ｓ１３において、プラテンローラ８を原点位置に移動させる。また、テープ送りサブローラ５１を原点位置に移動させる。それには、ソレノイド６７及びソレノイド６８に通電する。
　Ｓ１４において、印字テープ１７に対し印字動作を行うとともに、搬送ローラ対に向かって搬送させる。それには、サーマルヘッド７の駆動と同期を取りながら印字テープ送りモータ６９を駆動することによりプラテンローラ８を回転させる。
　図１９は、印字テープ１７に対し印字を行いつつ、印字テープ１７を搬送している様子を示している。

　Ｓ１５において、印字テープ１７の先端が搬送ローラ対の位置に到達したか否かを判断する。この判断は、プラテンローラ８の回転数に基いて算出した印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。

　印字済みの印字テープ１７の先端が搬送ローラ対の位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ１５：ＮＯ）、Ｓ１４に戻る。これにより、印字済みの印字テープ１７の先端が搬送ローラ対に到着するまでの間、印字テープ１７に対する印字動作及び搬送動作が継続して行われることになる。

　印字済みの印字テープ１７の先端が搬送ローラ対に到達したと判断した場合は（Ｓ１５：ＹＥＳ）、Ｓ１６に進む。
　図２０は、印字済みの印字テープ１７の先端が搬送ローラ対に到達した様子を示している。

　Ｓ１６において、印字テープ１７の搬送を停止する。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動を停止する。また、テープ送りサブローラ５１を加熱する。それには、ヒータ７０に通電する。そして、テープ送りサブローラ５１の表面が、貼り合せテープ７４の粘着剤層を活性化させるために必要な熱量を有するまで待機する。テープ送りサブローラ５１の表面が、必要な熱量を有するまでになったところでＳ１７に移行する。

　Ｓ１７において、印字動作を行うとともに、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４をカッタユニット５７側に向かって搬送させる。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。
　図２１は、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４がカッタユニット５７側に向かって搬送されている様子を示している。また、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４が搬送ローラ対を通過するとき、印字テープ１７には、貼り合せテープ７４が貼り合わされる（図６参照）。

　Ｓ１８において、貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置が、切断位置に到達したか否かを判断する。この判断は、プラテンローラ８の回転数に基いて算出した印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。また、テープ送りローラ３２及び／またはテープ送りサブローラ５１の回転量を併用して印字テープの搬送量を算出してもよい。

　この貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置において、貼り合せテープ７４を切断することにより、作成済みの印字テープ１７における不必要な部分（すなわち、貼り合せテープ７４のみが先行している部分）が除去される。

　貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置が切断位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ１８：ＮＯ）、Ｓ１７に戻る。これにより、貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置が切断位置に到着するまでの間、印字テープ１７への印字動作、及び、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送動作が継続して行われることになる。

　Ｓ１８において、貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置が切断位置に到達したと判断した場合は（Ｓ１８：ＹＥＳ）、Ｓ１９（図１０）に進む。
　Ｓ１９において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送を停止する。それには、印字テープ送りモータ６９の駆動を停止してプラテンローラ８の回転を停止させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３の駆動を停止してテープ送りローラ３２の回転を停止させる。
　Ｓ２０において、貼り合せテープ７４を切断する。このとき、カッタモータ７５を駆動して可動刃５７Ｂに切断動作をさせる。
　図２２は、貼り合せテープ７４の先端部分が切断された様子を示している。

　Ｓ２１において、印字テープ１７に対して印字処理を行うとともに、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４をカッタユニット５７側に向かって搬送させる。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。また、プラテンローラ８、テープ送りローラ３２の回転に同期して、サーマルヘッド７が発熱駆動する。
　Ｓ２３において、印字が終了したか否かが判断される。印字が終了するまで、Ｓ２２の処理（すなわち、印字処理及び搬送動作）が繰り返されることになる。

　印字が終了したと判断した場合は（Ｓ２２：ＹＥＳ）、Ｓ２３に移行する。
　Ｓ２３において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４をカッタユニット５７側に向かって搬送させる。それには、引き続き印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。
　Ｓ２４において、印字テープ１７における印字済みの領域の後端（以下、印字済みの印字テープ１７の後端と称する）が搬送ローラ対の位置に到達したか否かを判断する。この判断は、プラテンローラ８の回転数に基いて算出した印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。また、テープ送りローラ３２及び／またはテープ送りサブローラ５１の回転量を併用して印字テープの搬送量を算出してもよい。

　印字済みの印字テープ１７の後端が搬送ローラ対の位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ２４：ＮＯ）、Ｓ２３に戻る。これにより、印字済みの印字テープ１７の後端が搬送ローラ対に到着するまでの間、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送動作が継続して行われることになる。

　印字済みの印字テープ１７の後端が搬送ローラ対の位置に到達したと判断した場合は（Ｓ２４：ＹＥＳ）、Ｓ２５に移行する。
　図２３は、印字済みの印字テープ１７の後端が搬送ローラ対の位置に到達した様子を示している。

　Ｓ２５において、テープ送りサブローラ５１を非加熱にする。それには、ヒータ７０への通電を停止する。また、テープ送りサブローラ５１の表面が、貼り合せテープ７４の粘着剤層が活性化しない温度まで低下するまで待機する。ここでの待機時間は、予め計測された時間としてもよく、また、不図示の温度センサによって制御してもよい。また、テープ送りサブローラ５１の表面の温度を低下させるためにファンを用いてもよい。

　Ｓ２６において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４をカッタユニット５７側に向かって搬送させる。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。また、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４が搬送ローラ対を通過するときに両テープは接触するが、テープ送りサブローラ５１は非加熱状態にあるので、印字テープ１７に貼り合せテープ７４が貼り合わされることはない（図７参照）。

　Ｓ２７において、印字済みの印字テープ１７の後端が切断位置に到達したか否かを判断する。この判断は、プラテンローラ８の回転数に基いて算出した印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。また、テープ送りローラ３２及び／またはテープ送りサブローラ５１の回転量を併用して印字テープの搬送量を算出してもよい。

　印字済みの印字テープ１７の後端が切断位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ２７：ＮＯ）、Ｓ２６に戻る。これにより、印字済みの印字テープ１７の後端が切断位置に到着するまでの間、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送動作が継続して行われることになる。

　印字済みの印字テープ１７の後端が切断位置に到達したと判断した場合は（Ｓ２７：ＹＥＳ）、Ｓ２８に移行する。
　Ｓ２８において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送を停止する。それには、印字テープ送りモータ６９の駆動を停止してプラテンローラ８の回転を停止させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３の駆動を停止してテープ送りローラ３２の回転を停止させる。また、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を切断する。このとき、カッタモータ７５を駆動して可動刃５７Ｂに切断動作をさせる
　図２４は、印字済みの印字テープ１７が切断された様子を示している。

　以上説明した第１実施形態によれば、カッタユニット５７の近傍に位置する印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を所定量巻き戻し、その後印字処理を開始するので、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の前余白部分を少なくすることができる。また、貼り合せテープ７４は第２案内路３５まで巻き戻され、また、印字テープ１７は第１案内路３４まで巻き戻されるので、その後の搬送動作を確実に行うことができる。また、貼り合せテープ７４の粘着剤層２７の熱状態を制御することにより、貼り合せテープ７４の粘着性を制御することができ、搬送ローラ対において接触する印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の貼り合せ制御を行うことができる。また、１つのカッタユニットで本発明を実現することができる。

　なお、上述した第１実施形態において、作成される印字テープ１７の前余白部分の一部を切断するよう構成してもよい。

［第２実施形態］
　次に、本発明の第２実施形態について説明する。第２実施形態のテープカセット２００には、上述した第１実施形態のテープ送りローラ３２に代えてテープ送りローラ６２が配置されている。また、第２実施形態のテープ印字装置２１０には、上述した第１実施形態のテープ送りローラ軸５５に代えてテープ送りローラ軸６５が配置されている。また、第２実施形態のテープ印字装置２１０には、上述した第１実施形態のテープ送りサブローラ５１に代えてテープ送りサブローラ６１が配置されている。

　第２実施形態では、テープ送りローラ６２の表面が加熱されることにより、粘着剤層２７の粘着剤が活性化する。また、テープ送りサブローラ６１は、その表面に熱を発生しない。
ヒータ７０は、第１実施形態においてはテープ送りサブローラ５１（テープ印字装置側）に備わっていたが、第２実施形態においてはテープ送りローラ６２（テープカセット側）に備わっている。

　図２５はテープ印字装置のカセット収納部に印字テープカセットを装着する状態を示す要部拡大斜視図である。
　図２６は印字テープカセット内部構成及びテープ印字装置の一部を模式的に示す平面図である。

　テープ送りサブローラ６１、テープ送りローラ６２、テープ送りローラ軸６５以外の要素は、上述した第１実施形態と同じであるので説明を省略する。
　テープ送りローラ軸６５は、テープカセット２００がカセット収納部に装着された場合に、テープ送りローラ６２と連結する。

　テープ送りローラ軸６５の表面（テープ送りローラ６２との接触面）の一部または全部は、導電体で形成されている。テープ印字装置２１０が有する駆動回路９５から供給された電流（電圧）が、テープ送りローラ軸６５の導電体に供給される。また、テープ送りローラ軸６５は、貼り合せテープ送りモータ７３により回転する。

　テープ送りローラ６２の軸穴には、導電体が形成されている。この導電体は、テープ送りローラ軸６５の導電体と接触する。これにより、テープ印字装置２１０が有する駆動回路９５から供給された電流（電圧）が、テープ送りローラ６２に伝わる。そして、ヒータ７０を構成するテープ送りローラ６２の表面は、供給電流によって加熱される。また、テープ送りローラ６２の表面が加熱されることにより、該テープ送りローラ６２に接触する貼り合せテープ７４の粘着剤層２７に粘着性が発生する。

　図２７は、加熱状態にあるテープ送りローラ６２と印字済みの印字テープ１７及び貼り合せテープ７４との関係を模式的に示したものである。
　印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の構成は、上述した第１実施形態と同じであるので説明を省略する。

　テープ送りローラ６２が加熱されると、その熱は、粘着剤層２７に伝わることになる。そして、粘着剤層２７の温度が８０℃（すなわち、活性温度）に達すると、粘着性を有する。ただし、フィルム２８の温度が９０℃（すなわち、融解温度）に達しないようテープ送りローラ６２は熱制御される。これにより、テープ送りローラ６２及びテープ送りサブローラ６１で接触した印字テープ１７及び貼り合せテープ７４は、貼り合わされることになる。

　図２８は、非加熱状態にあるテープ送りローラ６２と印字済みの印字テープ１７及び貼り合せテープ７４との関係を模式的に示したものである。
　図２８においては、粘着剤層２７は非活性状態にあるから、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４が接触したとしても、印字テープ１７に貼り合せテープ７４が貼り合わされることはない。

（印字テープ及び貼り合せテープの搬送制御）
　次に、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送制御について説明する。第２実施形態における搬送制御は、加熱／非加熱の制御対象がテープ送りローラ６２である点を除いて、上述した第１実施形態における搬送制御と基本的には同じである。

　すなわち、図９のＳ１６、及び、図１０のＳ２５以外の処理は、上述した図８乃至図１０に示したフローチャートと同じ処理を行う。
　そして、第２実施形態においては、図９のＳ１６の「テープ送りサブローラを加熱」する処理に代えて、「テープ送りローラ６２を加熱」する処理が行なわれる。また、図１０のＳ２５の「テープ送りサブローラを非加熱にする」処理に代えて、「テープ送りローラ６２を非加熱にする」処理が行われる。

　以上説明した第２実施形態によれば、カッタユニット５７近傍に位置する印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を所定量巻き戻し、その後印字処理を開始するので、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の前余白部分を少なくすることができる。また、貼り合せテープ７４は第２案内路３５まで巻き戻され、また、印字テープ１７は第１案内路３４まで巻き戻されるので、その後の搬送動作を確実に行うことができる。また、貼り合せテープ７４の粘着剤層２７の熱状態を制御することにより、貼り合せテープ７４の粘着性を制御することができ、搬送ローラ対において接触する印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の貼り合せ制御を行うことができる。また、１つのカッタユニットで本発明を実現することができる。

［第３実施形態］
　次に、第３実施形態について説明する。上述した第１実施形態及び第２実施形態においては、それぞれ、テープ送りサブローラ、テープ送りローラが、粘着剤層２７の粘着剤を活性化させるための加熱装置を兼ねていた。本実施形態においては、粘着剤層２７の粘着剤を活性化させるための各加熱装置を上記ローラとは別体として備えている。

　第３実施形態では、上述した第１実施形態のテープ送りサブローラ５１に代えてテープ送りサブローラ６６が配置されている。テープ送りサブローラ６６は、その表面に熱を発生しない。

　図２９は印字テープカセット内部構成及びテープ印字装置の一部を模式的に示す平面図である。図３０は、第３実施形態のテープ印字装置の電気的構成を示すブロック図である。上述した第１実施形態と同じ部材については、同じ番号を付している。また、該同じ部材については、説明を省略する。

　第３実施形態のテープカセットは、案内部材３７を有する。案内部材３７は、貼り合せテープ７４の搬送位置を規制する。
　第３実施形態のテープカセットは、位置止め部材３９を有する。

　第３実施形態のテープ印字装置は、ヒータ５９を有する。ヒータ５９は、テープカセットがテープ印字装置に装着された状態において、位置止め部材３９に対向する。ヒータ５９は、その表面に熱を発生させることができる。

　テープカセットの位置止め部材３９の材質は、ヒータ５９の熱に耐えるために、難燃性の樹脂、金属等にすることが望ましい。また、テープカセットには、ヒータ５９を挿入する開口部が設けられている。なお、図２９では、開口部を点線で囲っている。

　ヒータ５９は、ソレノイド９６によって、位置止め部材３９への離間・圧接が行われる。ソレノイド９６は、は、所謂プッシュ型のソレノイドであり、通電時にはプッシュピンを突出することでヒータ５９と位置止め部材３９を圧接状態にし、非通電時にはソレノイド内部のバネによってプッシュピンを引き込むことでヒータ５９と位置止め部材３９を離間状態にする。駆動回路９７を介してソレノイド９６に通電したり、通電を停止したりする。

　ソレノイド６７、ソレノイド６８、ソレノイド９６は、それぞれ、独立して駆動可能である。すなわち、プラテンローラ８とサーマルヘッド７との離間・圧接、テープ送りサブローラ５１とテープ送りローラ３２との離間・圧接、ヒータ５９と位置止め部材３９との離間・圧接は、独立して行うことが可能である。それぞれの離間・圧接制御の詳細については、後述する。

　図３１は、加熱状態にあるヒータ５９と印字済みの印字テープ１７及び貼り合せテープ７４との関係を模式的に示したものである。
　印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の構成は、上述した第１実施形態と同じであるので説明を省略する。

　ヒータ５９が加熱されると、その熱は、粘着剤層２７に伝わることになる。そして、粘着剤層２７の温度が８０℃（すなわち、活性温度）に達すると、粘着性を有する。これにより、テープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ６６で接触した印字テープ１７及び貼り合せテープ７４は、貼り合わされることになる。

　図３２は、非加熱状態にあるヒータ５９と印字済みの印字テープ１７及び貼り合せテープ７４との関係を模式的に示したものである。
　図３２においては、ヒータ５９と接触しておらず、粘着剤層２７は非活性状態にあるから、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４が接触したとしても、印字テープ１７に貼り合せテープ７４が貼り合わされることはない。

（印字テープ及び貼り合せテープの搬送制御）
　次に、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送制御について説明する。
　図３３乃至図３５は、搬送制御処理のフローチャートである。搬送制御処理は、テープ印字装置１１０が有するＣＰＵ７７によって実行される。搬送制御処理は、印字制御の指令信号が出力されることにより実行が開始される。
　図３６乃至図４９は、貼り合せテープ７４、インク層２３、印字テープ１７の搬送の様子を示した図である。なお、図３６乃至図４９においては、説明の便宜上、開口部に係る図示を省略している。

　Ｓ３１において、プラテンローラ８を前述の原点位置に移動させる。即ち、プラテンローラ８をサーマルヘッド７側に移動させることにより、印字テープ１７を先端部検出センサ５８側に搬送可能な状態にする。それには、ソレノイド６７に通電することにより、プラテンローラ８を原点位置に移動させる。
　Ｓ３２において、テープ送りサブローラ６６を前述の原点位置に移動させる。テープ送りサブローラ６６をテープ送りローラ３２側に移動させることにより、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７を先端部検出センサ５８側に搬送可能な状態にする。それには、ソレノイド６８に通電することにより、テープ送りサブローラ５１を原点位置に移動させる。

　図３６は、プラテンローラ８及びテープ送りサブローラ６６が、原点位置に位置している様子を示している。また、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の先端は、カッタユニット５７の近傍に位置している。

　Ｓ３３において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を先端部検出センサ５８側に向かって搬送させる。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。

　Ｓ３４において、先端部検出センサ５８が印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の先端を検出したか否かを判断する。具体的には、発光素子５８Ａからの光が遮られたことを検知したときに、上記テープの先端を検出したと判断する。

　テープの先端を検出していないと判断した場合は（Ｓ３４：ＮＯ）、Ｓ３３に戻る。これにより、テープの先端が検出されるまでの間、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送動作が継続して行われることになる。

　一方、テープの先端を検出したと判断した場合は（Ｓ３４：ＹＥＳ）、Ｓ３５に移行する。
　Ｓ３５において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送を停止する。それには、印字テープ送りモータ６９の駆動を停止してプラテンローラ８の回転を停止させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３の駆動を停止してテープ送りローラ３２の回転を停止させる。
　Ｓ３６において、プラテンローラ８をサーマルヘッド７から離間させる。それには、ソレノイド６７への通電を停止することにより、プラテンローラ８をサーマルヘッド７から離間させる。これにより、印字テープ１７の逆搬送が可能となる。
　図３７は、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の先端が先端部検出センサ５８の位置に到達し、かつ、プラテンローラ８がサーマルヘッド７から離間した様子を示している。

　Ｓ３７において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を逆搬送させる。すなわち、先端部検出センサ５８とは反対側に向かって搬送させる。それには、印字テープ巻取りモータ７１を駆動する。これにより、印字テープ１７は、印字テープスプール１８に巻き戻され印字テープ１７は逆搬送される。また、貼り合せテープ７４は、貼り合せテープスプール３１に巻き戻され貼り合せテープ７４は逆搬送される。

　本実施形態では、この逆搬送は、印字テープスプール１８、貼り合せテープスプール３１を回転させることで行っている。しかしながら、テープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ６６の回転を併用してもよい。なお、テープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ６６をテープの逆搬送に用いない場合であっても、上記貼り合せテープ７４の逆搬送に伴って、テープ送りローラ３２は回転する。そして、テープ送りローラ３２の回転量は、貼り合せテープ７４の搬送量と比例関係にある。

　Ｓ３８において、貼り合せテープ７４の先端が前述の第１所定位置に到達したか否かを判断する。また、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達したか否かの判断は、テープ送りローラ３２の回転量に基いて算出された逆搬送量に基いて行われる。

　貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ３８：ＮＯ）、Ｓ３７に戻る。これにより、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達するまでの間、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の逆搬送動作が継続して行われることになる。

　一方、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達したと判断した場合は（Ｓ３８：ＹＥＳ）、Ｓ３９に移行する。
　Ｓ３９において、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の逆搬送を停止する。それには、貼り合せテープ巻取りモータ７２及び印字テープ巻取りモータ７１の駆動を停止する。また、テープ送りサブローラ６６を、テープ送りローラ３２から離間させる。それには、ソレノイド６８への通電を停止する。
　図３８は、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の先端が第１所定位置に到達し、かつ、テープ送りサブローラ６６がテープ送りローラ３２から離間している様子を示している。

　貼り合せテープ７４の無駄をできるだけ少なくするという観点においては、貼り合せテープ７４の先端を、できるだけテープ送りローラ３２及びテープ送りサブローラ６６（以下、「搬送ローラ対」ということがある。）に接近させた方が望ましい。
　図３９は、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の先端が、搬送ローラ対に接近している様子を示している。
　図３９の状態においては、貼り合せテープ７４を排出口５に向かって搬送させる場合に、貼り合せテープ７４の搬送が正しく行われない可能性がある。図４０に示す例では、貼り合せテープ７４がテープ送りローラ３２の周囲に巻き付くように搬送され、第２案内路３５に向かって正しく搬送されていない状態を示している。
　そのため、本実施形態においては、貼り合せテープ７４の逆搬送を、貼り合せテープ７４の先端が第１所定位置に到達した時点で停止させている。

　説明を図３３に戻す。Ｓ３９の処理が終了したあと、Ｓ４０（図３４）に移行する。
　Ｓ４０において、印字テープ１７のみを逆搬送させる。すなわち、先端部検出センサ５８とは反対側に向かって搬送させる。そのためには、印字テープ巻取りモータ７１を駆動する。これにより、印字テープ１７は、印字テープスプール１８に巻き戻され印字テープ１７は逆搬送される。

　Ｓ４１において、印字テープ１７の先端が前述の第２所定位置に到達したか否かを判断する。また、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達したか否かの判断は、読取センサによって読み取られたゼブラマークの数に基いて算出される印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。

　印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ４１：ＮＯ）、Ｓ４０に戻る。これにより、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達するまでの間、印字テープ１７の逆搬送動作が継続して行われることになる。

　一方、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達したと判断した場合は（Ｓ４１：ＹＥＳ）、Ｓ４２に移行する。
　Ｓ４２において、印字テープ１７の逆搬送を停止する。それには、印字テープ巻取りモータ７１の駆動を停止する。
　図４１は、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達している状態を示している。

　作成した印字テープ１７の前余白をできるだけ少なくするという観点においては、印字テープ１７の先端を、できるだけプラテンローラ８に接近させたほうが望ましい。
　図４２は、印字テープ１７の先端が、プラテンローラ８に接近している状態を示している。
　図４２に示す状態においては、印字テープ１７を先端部検出センサ５８側に向かって搬送させた場合に、印字テープ１７の搬送が正しく行われない可能性がある。図４３に示す例では、印字テープ１７がプラテンローラ８の周囲に巻き付くような経路で搬送され、第１案内路３４に向かって正しく搬送されていない状態を示している。
　そのため、本実施形態においては、印字テープ１７の逆搬送を、印字テープ１７の先端が第２所定位置に到達した時点で停止させている。

　説明を図３４に戻す。Ｓ４３において、プラテンローラ８を原点位置に移動させる。また、テープ送りサブローラ６６を原点位置に移動させる。それには、ソレノイド６７及びソレノイド６８に通電する。
　Ｓ４４において、印字テープ１７に対し印字動作を行うとともに、搬送ローラ対に向かって搬送させる。それには、サーマルヘッド７の駆動と同期を取りながら印字テープ送りモータ６９を駆動することによりプラテンローラ８を回転させる。
　図４４は、印字テープ１７に対し印字を行いつつ、印字テープ１７を搬送している様子を示している。

　Ｓ４５において、印字テープ１７の先端がヒータ５９の位置に到達したか否かを判断する。この判断は、プラテンローラ８の回転数に基いて算出した印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。

　印字済みの印字テープ１７の先端がヒータ５９の位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ４５：ＮＯ）、Ｓ４４に戻る。これにより、印字済みの印字テープ１７の先端がヒータ５９の位置に到着するまでの間、印字テープ１７に対する印字動作及び搬送動作が継続して行われることになる。

　印字済みの印字テープ１７の先端がヒータ５９の位置に到達したと判断した場合は（Ｓ４５：ＹＥＳ）、Ｓ４６に進む。
　図４５は、印字済みの印字テープ１７の先端がヒータ５９の位置に到達した様子を示している。

　Ｓ４６において、印字テープ１７の搬送を停止する。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動を停止する。また、ヒータ５９を位置止め部材３９側に移動させるとともに、ヒータ５９を加熱する。それには、ソレノイド９６に通電することにより、ヒータ５９を位置止め部材３９側に移動させるとともに、ヒータ５９に通電する。そして、ヒータ５９の表面が、貼り合せテープ７４の粘着剤層を活性化させるために必要な熱量を有するまで待機する。ヒータ５９の表面が、必要な熱量を有するまでになったところでＳ４７に移行する。
　或いは、ヒータ５９を位置止め部材３９側に移動させる前からヒータ５９の加熱を開始し、ヒータ５９の表面が必要な熱量に達してからヒータ５９を位置止め部材３９側へ移動させてもよい。この場合は、ヒータ５９の表面が、貼り合せテープ７４の粘着剤層を活性化させるために必要な熱量を有するまで待機する必要がなくなるため、時間の短縮を図ることができる。

　Ｓ４７において、印字動作を行うとともに、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４をカッタユニット５７側に向かって搬送させる。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。また、ヒータ５９を回転可能に構成し、ヒータ５９をテープ搬送のために併用してもよい。

　図４６は、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４がカッタユニット５７側に向かって搬送されている様子を示している。また、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４が搬送ローラ対を通過するとき、印字テープ１７には、貼り合せテープ７４が貼り合わされる（図３１参照）。

　Ｓ４８において、貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置が、切断位置に到達したか否かを判断する。この判断は、プラテンローラ８の回転数に基いて算出した印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。また、テープ送りローラ３２及び／またはテープ送りサブローラ５１の回転量を併用して印字テープの搬送量を算出してもよい。

　貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置が切断位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ４８：ＮＯ）、Ｓ４７に戻る。これにより、貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置が切断位置に到着するまでの間、印字テープ１７への印字動作、及び、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送動作が継続して行われることになる。

　Ｓ４８において、貼り合せテープ７４における印字テープ１７の先端位置が切断位置に到達したと判断した場合は（Ｓ４８：ＹＥＳ）、Ｓ４９（図３５）に進む。
　Ｓ４９において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送を停止する。それには、印字テープ送りモータ６９の駆動を停止してプラテンローラ８の回転を停止させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３の駆動を停止してテープ送りローラ３２の回転を停止させる。
　Ｓ５０において、貼り合せテープ７４を切断する。このとき、カッタモータ７５を駆動して可動刃５７Ｂに切断動作をさせる。
　図４７は、貼り合せテープ７４の先端部分が切断された様子を示している。

　Ｓ５１において、印字テープ１７に対して印字処理を行うとともに、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４をカッタユニット５７側に向かって搬送させる。それには、印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。また、プラテンローラ８、テープ送りローラ３２の回転に同期して、サーマルヘッド７が発熱駆動する。
　Ｓ５２において、印字が終了したか否かが判断される。印字が終了するまで、Ｓ５２の処理（すなわち、印字処理及び搬送動作）が繰り返されることになる。

　印字が終了したと判断した場合は（Ｓ５２：ＹＥＳ）、Ｓ５３に移行する。
　Ｓ５３において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４をカッタユニット５７側に向かって搬送させる。それには、引き続き印字テープ送りモータ６９を駆動してプラテンローラ８を回転させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３を駆動してテープ送りローラ３２を回転させる。
　Ｓ５４において、印字済みの印字テープ１７の後端がヒータ５９の位置に到達したか否かを判断する。この判断は、プラテンローラ８の回転数に基いて算出した印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。また、テープ送りローラ３２及び／またはテープ送りサブローラ６６の回転量を併用して印字テープの搬送量を算出してもよい。

　印字済みの印字テープ１７の後端がヒータ５９の位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ５４：ＮＯ）、Ｓ５３に戻る。これにより、印字済みの印字テープ１７の後端がヒータ５９の位置に到着するまでの間、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送動作が継続して行われることになる。

　印字済みの印字テープ１７の後端が搬送ローラ対の位置に到達したと判断した場合は（Ｓ５４：ＹＥＳ）、Ｓ５５に移行する。

　Ｓ５５において、ヒータ５９を離間させるとともに、ヒータ５９を非加熱にする。それには、ソレノイド９６への通電を停止するとともに、ヒータ５９への通電を停止する。ヒータ５９を離間させることにより、貼り合せテープ７４の粘着剤層の温度は、活性化しない温度まで低下する。したがって、ヒータ５９の表面の温度が低下するための待機時間は必要がない。また、ヒータ５９の表面の温度を低下させるためのファンを設ける必要がない。
　図４８は、印字済みの印字テープ１７の後端が搬送ローラ対の位置に到達し、かつ、ヒータ５９が離間している様子を示している。

　Ｓ５６において、引き続き印字テープ１７及び貼り合せテープ７４をカッタユニット５７側に向かって搬送させる。また、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４が搬送ローラ対を通過するときに両テープは接触するが、印字テープ１７に貼り合せテープ７４が貼り合わされることはない。

　Ｓ５７において、印字済みの印字テープ１７の後端が切断位置に到達したか否かを判断する。この判断は、プラテンローラ８の回転数に基いて算出した印字テープ１７の搬送量に基いて行われる。また、テープ送りローラ３２及び／またはテープ送りサブローラ６６の回転量を併用して印字テープの搬送量を算出してもよい。

　印字済みの印字テープ１７の後端が切断位置に到達していないと判断した場合は（Ｓ５７：ＮＯ）、Ｓ５６に戻る。これにより、印字済みの印字テープ１７の後端が切断位置に到着するまでの間、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送動作が継続して行われることになる。

　印字済みの印字テープ１７の後端が切断位置に到達したと判断した場合は（Ｓ５７：ＹＥＳ）、Ｓ５８に移行する。
　Ｓ５８において、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の搬送を停止する。それには、印字テープ送りモータ６９の駆動を停止してプラテンローラ８の回転を停止させる。また、貼り合せテープ送りモータ７３の駆動を停止してテープ送りローラ３２の回転を停止させる。また、印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を切断する。このとき、カッタモータ７５を駆動して可動刃５７Ｂに切断動作をさせる
　図４９は、印字済みの印字テープ１７が切断された様子を示している。

　以上説明した第３実施形態によれば、カッタユニット５７近傍に位置する印字テープ１７及び貼り合せテープ７４を所定量巻き戻し、その後印字処理を開始するので、貼り合せテープ７４及び印字テープ１７の前余白部分を少なくすることができる。また、貼り合せテープ７４は第２案内路３５まで巻き戻され、また、印字テープ１７は第１案内路３４まで巻き戻されるので、その後の搬送動作を確実に行うことができる。また、貼り合せテープ７４の粘着剤層２７の熱状態を制御することにより、貼り合せテープ７４の粘着性を制御することができ、搬送ローラ対において接触する印字テープ１７及び貼り合せテープ７４の貼り合せ制御を行うことができる。また、１つのカッタユニットで本発明を実現することができる。また、ヒータ５９を予め加熱しておき、位置止め部材３９に移動した直後に粘着剤層２７の温度を上昇して活性化できるので、粘着剤層２７が活性化するまでの時間を短縮することができる。さらに、ヒータ５９が離間した直後に粘着剤層２７の温度が低下するので、粘着剤層２７を非加熱状態にするまでの時間を短縮することができる。

　なお、上述した第３実施形態においては、位置止め部材３９をテープカセット側に設けたが、該位置止め部材３９と同じ機能を有する部材を、印字装置側に設けるよう構成してもよい。
　また、第３実施形態においてヒータ５９は貼り合せテープ７４側に接触しているが、ヒータ５９と位置止め部材３９の位置関係を逆にして、ヒータ５９が貼り合せテープ７４の反対側である印字テープ１７側に接触する構成としてもよい。

　本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはいうまでもない。上述した実施形態においては、プラテンローラ８とサーマルヘッド７との離間・圧接、テープ送りサブローラ５１とテープ送りローラ３２との離間・圧接、ヒータ５９と位置止め部材３９との離間・圧接には、ソレノイドを用いたが、それに限定されない。例えば、モータとギヤを組合せて実現してもよい。また、上述した各フローチャートは単なる一例であり、上記各処理と同等の結果を得ることできるものであれば、他のフローチャートによって処理を実現してもよい。また、上述した搬送制御処理に係る方法、該方法をコンピュータによって実行するためのプログラム、該プログラムを記憶した記録媒体としても本発明は実現可能である。

Claims

　常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、
　印字が行われる印字面を有する印字テープと、
　印字テープへの印字位置よりもテープ搬送方向下流側に位置し、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するテープ送りローラと、
　前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケースとを有し、
　印字機構を備えたテープ印字装置に着脱可能であり、
　前記テープ印字装置に装着された状態において前記テープ送りローラが当該テープ印字装置のテープ送りサブローラと対向する位置で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、
　　印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側であって、かつ、前記テープ送りローラの位置までの間に前記貼り合せテープが熱活性化される加熱領域を有する、
ことを特徴とするテープカセット。
　前記テープ送りローラは、ヒートローラであり、
　前記テープ送りローラの位置で、前記貼り合せテープが熱活性化される、
ことを特徴とする請求項１のテープカセット。
　前記加熱領域において、前記テープ印字装置が有する加熱部材を挿入する開口部をさらに備え、
　前記加熱部材の位置で、前記貼り合せテープが熱活性化される、
ことを特徴とする請求項１のテープカセット。
　前記テープ印字装置が有する加熱部材の位置を規制する位置規制部材をさらに備える、ことを特徴とする請求項１または請求項３のテープカセット。
　前記テープ送りローラは、前記テープ印字装置が有するテープ送りサブローラと協働することにより、前記印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とを接触させる、
ことを特徴とする請求項１乃至請求項４いずれかのテープカセット。
　前記テープ印字装置が有する切断装置と前記テープ送りローラの間に位置し、前記印字テープ及び前記貼り合せテープを案内規制する保持部が形成されている、
ことを特徴とする請求項１乃至請求項５いずれかのテープカセット。
　前記貼り合せテープの粘着剤が熱活性状態にない場合、前記印字テープと貼り合せテープとは互いに粘着していない、
ことを特徴とする請求項１乃至請求項６いずれかのテープカセット。
　前記カセットケースには、さらにインクリボンが収納され、
　前記印字位置で、前記インクリボンのインク面と前記印字テープの印字面とが接触する、
ことを特徴とする請求項１乃至請求項７いずれかのテープカセット。
　前記貼り合せテープは透明であり、前記粘着剤は活性化した状態において透明である、
ことを特徴とする請求項１乃至請求項８いずれかのテープカセット。
　前記印字テープは、前記印字面の裏側に粘着剤層が構成されている、
ことを特徴とする請求項９のテープカセット。
　前記印字テープの粘着剤層側には、剥離紙が貼り付けられ、
　前記剥離紙には、センサによって検出される目印印刷が施されている、
ことを特徴とする請求項１０のテープカセット。
　印字ヘッド、プラテンローラ、テープ送りサブローラ、を備えたテープ作成装置において、
　常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するテープ送りローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケース、を有するテープカセットが着脱可能であり、
　前記テープ送りローラを係合支持する支持部材を備え、
　前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、
　前記テープ送りサブローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接を行う第１離間圧接手段と、
　前記印字ヘッドと前記前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第２離間圧接手段と、を有し、
　第１離間圧接手段と第２離間圧接手段とは、独立して動作可能であり、
　前記第１離間圧接手段による前記テープ送りサブローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接、及び、前記第２離間圧接手段による前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接をそれぞれ独立して行う離間圧接制御手段を備え、
　前記テープ送りサブローラ、又は前記支持部材は加熱装置であり、
　前記テープ送りサブローラ又は前記支持部材の熱状態を制御する加熱制御手段を有し、
　前記加熱制御手段は、前記テープ送りサブローラに対し、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、
　前記テープ送りサブローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとが貼り合わされる、
ことを特徴とするテープ作成装置。
　前記加熱制御手段は、前記テープ送りサブローラを、印字済みの印字テープの後端が前記テープ送りサブローラに到達したときに、非加熱状態にし、
　搬送手段、切断手段をさらに有し、
　前記搬送手段は、前記テープ送りサブローラが非加熱状態において、前記印字済みの印字テープを、前記印字済みの印字テープの後端が切断位置に到達するまで排出方向下流側に搬送し、
　前記切断手段は、前記印字済みの印字テープの後端を、前記貼り合せテープとともに切断し、
　前記搬送手段は、切断後の印字テープ及び前記貼り合せテープを、その先端が第１の所定位置に到着するまで前記排出方向とは逆方向に搬送し、
　前記搬送手段は、切断後の貼り合せテープを、その先端が第２の所定位置まで前記排出方向とは逆方向に搬送する、
ことを特徴とする請求項１２のテープ作成装置。
　前記印字テープの印字面の裏面側に印刷された目印を読み取る読取センサをさらに有し、
　前記読取センサは、読み取った前記目印に基いて、前記印字テープの位置を検出し、　
　前記第２離間圧接手段は、前記印字テープ及び前記貼付テープが前記逆方向に搬送されるときは、前記印字ヘッドと前記プラテンローラとを離間し、
　前記印字テープ及び前記貼付テープが前記逆方向に搬送されるときは、前記印字テープと前記プラテンローラとは相対的に離間され、
　前記第１離間手段は、前記印字テープのみが前記逆方向に搬送されるときは、前記テープ送りローラと前記テープ送りサブローラとを離間させる、
ことを特徴とする請求項１３のテープ作成装置。
　印字ヘッド、プラテンローラ、テープ送りサブローラ、テープ切断装置、を備えたテープ作成装置において、
　常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するヒートローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記ヒートローラを収納するカセットケース、を有するテープカセットが着脱可能であり、
　前記テープ送りローラを係合支持する支持部材を備え、
　前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、
　前記テープ送りサブローラと前記ヒートローラとの離間・圧接を行う第３離間圧接手段を有し、
　前記印字ヘッドと前記前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第４離間圧接手段を有し、
　第３離間圧接手段と第４離間圧接手段とは、独立して動作可能であり、
　前記第３離間圧接手段による前記テープ送りサブローラと前記ヒートローラとの離間・圧接、及び、前記第４離間圧接手段による前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接をそれぞれ独立して行う離間圧接制御手段を備え、
　前記ヒートローラ又は前記支持部材の熱状態を制御する加熱制御手段を有し、
　前記加熱制御手段は、前記ヒートローラに対し、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、
　前記ヒートローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化される、
ことを特徴とするテープ作成装置。
　前記加熱制御手段は、前記ヒートローラ又は前記支持部材を、印字済みの印字テープの後端が前記ヒートローラに到達したときに、非加熱状態にし、
　搬送手段、切断手段をさらに有し、
　前記搬送手段は、前記ヒートローラが非加熱状態において、前記印字済みの印字テープを、前記印字済みの印字テープの後端が切断位置に到達するまで排出方向下流側に搬送し、
　前記切断手段は、前記印字済みの印字テープの後端を、前記貼り合せテープとともに切断し、
　前記搬送手段は、切断後の印字テープ及び前記貼り合せテープを、その先端が第１の所定位置に到着するまで前記排出方向とは逆方向に搬送し、
　前記搬送手段は、切断後の貼り合せテープを、その先端が第２の所定位置まで前記排出方向とは逆方向に搬送する、
ことを特徴とする請求項１５のテープ作成装置。
　前記印字テープの印字面の裏面側に印刷された目印を読み取る読取センサをさらに有し、
　前記読取センサは、読み取った前記目印に基いて、前記印字テープの位置を検出し、　
　前記第４離間圧接手段は、前記印字テープ及び前記貼付テープが前記逆方向に搬送されるときは、前記印字ヘッドと前記プラテンローラとを離間し、
　前記印字テープ及び前記貼付テープが前記逆方向に搬送されるときは、前記印字テープと前記プラテンローラとは相対的に離間され、
　前記第３離間手段は、前記印字テープのみが前記逆方向に搬送されるときは、前記テープ送りローラと前記テープ送りサブローラとを離間させる、
ことを特徴とする請求項１６のテープ作成装置。
　先端位置検出装置をさらに有し、
　前記先端位置検出装置は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープの先端を検出し、
　前記搬送手段は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープの先端が、前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送し、
　前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープは、その先端が前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送されることにより、該先端の位置が特定され、
　前記第１の所定の位置は、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向下流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置であり、
　前記第２の所定の位置は、印字位置よりも前記排出方向下流側に位置し、かつ、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向上流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置である、
ことを特徴とする請求項１３、請求項１４、請求項１６、請求項１７の何れかのテープ作成装置。
　印字ヘッド、プラテン、テープ送りサブローラ、を備えたテープ作成装置、及び、
　常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するテープ送りローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケース、を有するテープカセット、からなるテープ作成システムにおいて、
　前記テープカセットは、前記テープ作成装置に着脱可能であり、
　前記テープ送りローラを係合支持する支持部材を備え、
　前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、
　前記テープ送りサブローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接を行う第１離間圧接手段を有し、
　前記印字ヘッドと前記前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第２離間圧接手段を有し、
　第１離間圧接手段と第２離間圧接手段とは、独立して動作可能であり、
　前記第１離間圧接手段による前記テープ送りサブローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接、及び、前記第２離間圧接手段による前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接をそれぞれ独立して行う離間圧接制御手段を備え、
　前記テープ送りサブローラは、又は前記支持部材は加熱装置であり、
　前記テープ送りサブローラ又は前記支持部材の熱状態を制御する加熱制御手段を有し、
　前記ヒートローラ加熱制御手段は、前記テープ送りサブローラに対し、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、
　前記テープ送りサブローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとが貼り合わされる、
ことを特徴とするテープ作成システム。
　印字ヘッド、プラテン、テープ送りサブローラ、を備えたテープ作成装置、及び、
　常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するヒートローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケース、を有するテープカセット、
からなるテープ作成システムにおいて、
　前記テープカセットは、前記テープ作成装置に着脱可能であり、
　前記テープ送りローラを係合支持する支持部材を備え、
　前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、
　前記テープ送りサブローラと前記ヒートローラとの離間・圧接を行う第３離間圧接手段を有し、
　前記印字ヘッドと前記前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第４離間圧接手段を有し、
　第３離間圧接手段と第４離間圧接手段とは、独立して動作可能であり、
　前記第３離間圧接手段による前記テープ送りサブローラと前記ヒートローラとの離間・圧接、及び、前記第４離間圧接手段による前記印字ヘッドと前記プラテンローラとの離間・圧接をそれぞれ独立して行う離間圧接制御手段を備え、
　前記ヒートローラ又は前記支持部材の熱状態を制御する加熱制御手段を有し、
　前記加熱制御手段は、前記ヒートローラに対し、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、　
　前記ヒートローラは、少なくとも印字済みの印字テープが該テープ送りサブローラを通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化される、
ことを特徴とするテープ作成システム。
　印字ヘッド、プラテンローラを備えたテープ作成装置において、
　常温では粘着性を有さず、加熱することにより粘着性を発する熱活性性の粘着剤が塗布された貼り合せテープと、印字が行われる印字面を有する印字テープと、印字後の前記印字テープ及び前記貼り合せテープを搬送するテープ送りローラと、前記貼り合せテープ、前記印字テープ、及び、前記テープ送りローラを収納するカセットケース、を有するテープカセットが着脱可能であり、
　前記テープカセットが装着された状態では、印字位置よりも前記印字テープの排出方向下流側で、前記印字テープの印字面と前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤とが接触し、
　印字位置よりも下流側に位置し、かつ、前記貼り合せテープまたは前記印字テープに接触する加熱装置と、
　前記加熱装置の熱状態を制御する加熱制御装置と、を有し、
　前記加熱制御装置は、前記加熱装置に対し、少なくとも印字済みの印字テープが該加熱装置を通過する間、前記貼り合せテープの粘着剤の熱活性化に必要な熱を生じさせ、
　前記加熱装置は、少なくとも印字済みの印字テープが該加熱装置を通過する間は加熱状態にあり、前記貼り合せテープの熱活性性の粘着剤が活性化され、前記貼り合せテープと前記印字済み印字テープとが貼り合わされる、
ことを特徴とするテープ作成装置。
　前記加熱装置よりも前記印字テープの排出方向下流側に位置する貼り合せローラを有し、
　前記貼り合せローラは、前記カセットが装着された状態において、前記テープ送りローラと対向し、
　前記貼り合わせローラ及び前記テープ送りローラは、前記貼り合せテープと前記印字済みテープとを貼り合わせる、
ことを特徴とする請求項２１のテープ作成装置。
　前記加熱制御装置は、前記加熱装置を、前記印字済みの印字テープの後端が該加熱装置に到達したときに、非加熱状態にし、
　搬送装置、切断装置をさらに有し、
　前記搬送装置は、前記加熱装置が非加熱状態において、前記印字済みの印字テープを、前記印字済みの印字テープの後端が切断位置に到達するまで排出方向下流側に搬送し、
　前記切断装置は、前記印字済みの印字テープの後端を、前記貼り合せテープとともに切断し、
　前記搬送装置は、切断後の印字テープ及び前記貼り合せテープを、その先端が第１の所定位置に到着するまで前記排出方向とは逆方向に搬送し、
　前記搬送装置は、切断後の貼り合せテープを、その先端が第２の所定位置まで前記排出方向とは逆方向に搬送する、
ことを特徴とする請求項２１または２２のテープ作成装置。
　先端位置検出装置をさらに有し、
　前記先端位置検出装置は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープの先端を検出し、
　前記搬送装置は、前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープの先端が、前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送し、
　前記切断後の印字テープ及び貼り合せテープは、その先端が前記先端位置検出装置によって検出されるまで前記排出方向に搬送されることにより、該先端の位置が特定され、
　前記第１の所定の位置は、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向下流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置であり、
　前記第２の所定の位置は、印字位置よりも前記排出方向下流側に位置し、かつ、前記テープ送りサブローラよりも前記排出方向上流側に位置するガイドされたテープ搬送路の位置である、
ことを特徴とする請求項２３のテープ作成装置。
　前記印字テープの印字面の裏面側に印刷された目印を読み取る読取センサ有し、
　前記読取センサは、読み取った前記目印に基いて、前記印字テープの位置を検出し、
　前記貼り合わせローラと前記テープ送りローラとの離間・圧接を行う第１離間圧接装置と、
　前記印字ヘッドと前記前記プラテンローラとの離間・圧接を行う第２離間圧接装置と、
　前記加熱装置と位置規制装置との離間・圧接を行う第３離間圧接装置と、を有し、
　第１離間圧接装置、第２離間圧接装置、第３離間圧接装置は、それぞれ独立して動作可能であり、
　前記印字済みテープの後端が前記加熱装置に到達した時に、前記第３離間圧接装置により該加熱装置と前記位置規制装置とを離間し、
　前記印字テープ及び前記貼り合せテープが前記逆方向に搬送されるときに、前記第２離間圧接装置及び前記第３離間圧接装置により前記印字ヘッドと前記プラテンローラ、及び前記加熱装置と前記位置規制装置とをそれぞれ離間し、
　前記印字テープのみが前記逆方向に搬送されるときに、前記第１離間圧接装置、前記第２離間圧接装置及び前記第３離間圧接装置によりそれぞれ前記貼り合せローラと前記テープ送りローラ、前記印字ヘッドと前記プラテンローラ、及び前記加熱装置と前記位置規制装置とを離間するように制御する離間圧接制御装置を備える、
　ことを特徴とする請求項２３または請求項２４のテープ作成装置。
　前記位置規制装置は、前記テープカセットに設けられている、
ことを特徴とする請求項２５のテープ作成装置。
　前記位置規制装置は、前記テープ作成装置に設けられている、
ことを特徴とする請求項２５のテープ作成装置。