明 細 書
2, 5-ジォキソピロリジン 3 カルボキシレート類の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、糖尿病合併症治療薬として期待されるテトラヒドロピロ口 [1, 2— a]ビラ ジン一 4 スピロ一 3'—ピロリジン誘導体の鍵中間体である 2, 5 ジォキソピロリジン 3—カルボキシレート類の製造法に関する。
背景技術
[0002] 強力なアルドース還元酵素阻害作用を有する糖尿病合併症治療薬として期待され るテトラヒドロピロ口 [1, 2— a]ビラジン一 4 スピロ一 3,一ピロリジン誘導体が文献に 開示されている(例えば、特許文献 1および非特許文献 1参照)。そして、この誘導体 の中から選ばれたラニレスタット[1¾11 31&1;八5-3201;(31¾—2, - (4 ブロモ 2 —フルォロベンジル)スピロ [ピロリジン一 3, 4' (l'H)—ピロ口 [1, 2— a]ピラジン]— 1', 2, 3', 5 (2' H)—テトラオン]が臨床開発されている。 2, 5 ジォキソピロリジン 3—カルボキシレート類はこれらの誘導体の鍵中間体の一つであり、そのいくつか の製造方法が文献に開示されている(例えば、特許文献 1、特許文献 2、および非特 許文献 1参照)。そのなかでも、下図に示す方法は工業的製法として有用である。
[0003] [化 1]
R4H
R4
(式中、 R1はカルボキシル基の保護基を意味し、 R4は水素化分解により脱離しうる基 又は tert-ブトキシカルボ二ル基を意味する。 )
[0004] 上記の製造方法では、所望の中間体、 2, 5 ジォキソピロリジン 3 カルボキシ レート類(3)、(3')および(3")を得るために、化合物(1)および(1')のシァノ基をアミ ド基に変換して化合物(2)および(2')を得るための試薬として過酸化水素が使用さ れている。そして、この過酸化水素を用いる工程は、発熱反応であり、突然発泡が起 こる可能性があるため、反応の制御に困難を伴う。そのため、制御が容易でより安全 な 2, 5 ジォキソピロリジンー3 カルボキシレート類の製造方法が望まれていた。 一方、水和反応によるシァノ基からアミド基への変換方法はいくつか知られているが 、 2, 5 ジォキソピロリジンー3 カルボキシレート類は加水分解を受け易い化学構 造であるため、強酸性条件下や高い反応温度を要する工程を回避する必要がある。
[0005] 特許文献 1:特開平 5— 186472号公報
特許文献 2:特開平 6— 192222号公報
非特許文献 1 :J. Med. Chem., 1998年, 41, ρ·4118〜4129
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 本発明の課題は、強力なアルドース還元酵素阻害作用を示し、糖尿病合併症治療 薬として期待されるテトラヒドロピロ口 [1 , 2— a]ピラジンー4ースピロ 3' ピロリジン 誘導体の合成中間体として有用な 2, 5 ジォキソピロリジン 3 カルボキシレート 類を過酸化水素を使用せずに安全かつ効率的に製造できる工業的に有用な方法を 提供することにある。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明者らは、上記課題を解決すべく容易に入手可能な金属化合物触媒を用い る温和な条件下でのシァノ基のアミド基への変換方法およびその方法を含む 2, 5— ジォキソピロリジン 3—カルボキシレート類の製造方法について鋭意検討を重ねた 結果、特定の金属化合物触媒を用いる方法が該課題に係るシァノ基力 アミド基へ の変換方法として有用であること、および該方法が 2, 5 ジォキソピロリジンー3 力 ルポキシレート類の効率的なワンポット製造方法に適用可能であることを見出し、本 発明を完成するに至った。すなわち本発明によれば、以下の態様を含む 2, 5 ジォ キソピロリジン 3—カルボキシレート類の新規な製造方法が提供される。
[0008] [1] 下記式(I)
(式中、 R1は保護基で保護されたァミノ基、保護基で保護されたヒドラジノ基、または ピロ一ルー 1 ィル基を表し、 R2は低級アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキ ルー低級アルキル基、置換されていてもよいァリール基、または置換されていてもよ ぃァリール 低級アルキル基を表す。 )
で表される化合物の製造方法であって、以下の工程(1)および(2)を含む製造方法
[0009] (1)二価パラジウム化合物、第 1アミドおよび水の存在下、下記式 (II)
[化 3コ
R202C ,(CH2)n CN
X ( Π )
R1 、(CH2)m-C02R3
(式中、 nおよび mは各々独立して 0または 1を表し;
但し nが 0のとき、 mは 1であって、 R2と R3は同一または異なるカルボキシ基の保護 基を表し; nが 1のとき、 mは 0であって、 R2と R3は同一のカルボキシ基の保護基を表 し;
R1は前掲と同じものを表す。 )
で表される化合物中のシァノ基を力ルバモイル基に変換する工程、および
(2)工程(1 )の生成物を環化させる工程。
[0010] [2] 二価パラジウム化合物が塩化パラジウム (11)、酢酸パラジウム (Π)またはトリフルォ 口酢酸パラジウム (II)であり、第 1アミドがァセトアミド、プロピオンアミド、 n—ブチルアミ ドまたはイソブチルアミドである [1]記載の製造方法。
[0011] [3] 工程(1)が二価パラジウム化合物、第 1アミド、水、およびシァノ基を持たない有 機溶媒の存在下、前項記載の式 (Π)で表される化合物中のシァノ基を力ルバモイル 基に変換する工程である [1]記載の製造方法。
[0012] [4] 二価パラジウム化合物が塩化パラジウム (11)、酢酸パラジウム (Π)またはトリフルォ 口酢酸パラジウム (II)であり、第 1アミドがァセトアミド、プロピオンアミド、 n—ブチルアミ ドまたはイソブチルアミドであり、シァノ基を持たない有機溶媒がテトラヒドロフラン、メ タノール、エタノール、イソプロパノール、 tert-ブタノール、酢酸ェチル、 N, N—ジメ チルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる単一の溶媒また は 2〜3種の混合溶媒である [3]記載の製造方法。
[0013] [5] 工程(2)が工程(1)の生成物を塩基で処理して環化させる工程である [1]〜 [4
]いずれか一項に記載の製造方法。
[0014] [6] 工程(2)をキレート剤存在下に行なう、 [5]記載の製造方法。
[0015] [7] 工程(1)が工程(1)で生成する反応混合物から二価パラジウム化合物を除去 する工程を含む [1]〜 [5] V、ずれか一項に記載の製造方法。
[0016] [8] 工程(1)で生成する反応混合物から二価パラジウム化合物を除去する工程が 工程(1)で生成する反応混合物を無機酸水溶液で洗浄する工程である [7]記載の 製造方法。
[0017] [9] R1が加水素分解により脱離しうる保護基で保護されたァミノ基、加水素分解に より脱離しうる保護基で保護されたヒドラジノ基、またはピロ一ルー 1ーィル基であり、 R2が低級アルキル基である式 (I)の化合物の製造方法であって、式 (Π)の化合物の 定義中のカルボキシ基の保護基が低級アルキル基である [1]〜 [8]レ、ずれか一項に 記載の製造方法。
[0018] [10] [1]〜 [9]のいずれか一項に記載の式 (Π)の化合物から式 (I)の化合物を製 造する工程、および該化合物をラニレスタツトに変換する工程、を含むラニレスタツト の製造方法。
本発明による中間体 2 , 5 ジォキソピロリジン 3 カルボキシレート類の改良製 法を利用することにより、医薬として有用なラニレスタツトを効率よく製造することがで きる。
すなわち、本発明はラニレスタツトの改良製法をも提供するものである。例えば、式 ( II)中、 R1基が保護基で保護されたァミノ基または保護基で保護されたヒドラジノ基で ある場合には、力、かるラニレスタツトの製造方法は下記の工程を含む。
(i) R1が保護基で保護されたァミノ基または保護基で保護されたヒドラジノ基である前 記式 (II)で表される化合物中のシァノ基を力ルバモイル基に変換する工程;
(ii)前記工程 (i)の生成物を環化させて式 (I)で表される化合物(ここにお!/、て、該化 合物の R1は保護基で保護されたァミノ基または保護基で保護されたヒドラジノ基であ る)を製造する工程;
(iii)前記工程 (ii)の生成物を加水素分解または強酸により脱保護する工程;
(iv)前記工程 (iii)の生成物を光学分割して光学活性体 (R体)を製造する工程; (V)前記工程 (iv)の生成物中のアミノ基をピロ一ルー 1ーィル基に変換する工程;
(vi)前記工程(V)の生成物中のピロ一ルー 1 ィル基を 2—トリクロロアセチルピロ一 ルー 1ーィル基に変換する工程;および
(vii)前記工程 (vi)の生成物と 4 ブロモ 2 フルォロベンジルァミンとを反応させ
てラニレスタツトへ変換する工程。
別法として、上記の製法において、工程 (i)の式 (Π)で表される化合物中の R1基が 保護基で保護されたァミノ基である場合、該製法の工程 (iii)と工程 (iv)の順序を入れ 替えてラニレスタツトを製造することもできる。
さらに、別法として、式 (II)中、 R1基がピロール一 1—ィル基である場合には、下記 の工程を含むラニレスタツトの製造方法をも提供される。
(a) R1基がピロ一ルー 1ーィル基である前記式 (Π)で表される化合物中のシァノ基を 力ルバモイル基に変換する工程;
(b)前記工程 (a)の生成物を環化させて式 (I)で表される化合物(ここにお!/、て、該化 合物の R1基はピロ一ルー 1ーィル基である)を製造する工程;
(c)前記工程 (b)の生成物を光学分割して光学活性体 (R体)を製造する工程;
(d)前記工程(c)の生成物中のピロ一ルー 1 ィル基を 2—トリクロロアセチルピロ一 ルー 1ーィル基に変換する工程;および
(e)前記工程(d)の生成物と 4 ブロモ 2 フルォロベンジルァミンとを反応させて ラニレスタツトへ変換する工程。
発明の効果
[0019] 本発明の製造方法は、ラニレスタツトの中間体として有用な 2, 5 ジォキソピロリジ ンー 3—カルボキシレート類を過酸化水素のような危険性のある試薬を使うことなぐ 温和な条件下で製造することができ、さらにその収率の向上が期待できる製造方法 であるので、当該化合物の工業的な製造方法として有用である。
発明を実施するための最良の形態
[0020] 本願明細書および添付する特許請求の範囲中で使用する用語について以下に説 明する。特に断らなければ、本明細書中の基または用語について提示する最初の定 義は、個別にまたは別の基の一部として、本願明細書および特許請求の範囲中の基 または用語に適用する。
[0021] 「保護基で保護されたァミノ基」とは、ペプチド合成の分野で常用されるァミノ基の 保護基で保護されたァミノ基であって、加水素分解や強酸などにより脱離しうる保護 基で保護されたアミノ基を意味する。好ましい該保護基は、加水素分解により脱離し
うる保護基、例えば、ベンゼン環部分がハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコ キシ基およびニトロ基からなる群から選ばれる 1〜3個の原子または基で置換されて V、てもよ!/、ベンジルォキシカルボニル基等である。該加水素分解により脱離しうる保 護基の具体例としては、ベンジルォキシカルボニル基、 4 クロ口ベンジルォキシカ ノレボニル基、 4 メチルベンジルォキシカルボニル基、 2 メトキシベンジルォキシカ ルポニル基、 4一二トロべンジルォキシカルボニル基などが挙げられる。強酸により脱 離しうる保護基の具体例としては、 tert-ブトキシカルボニル基などが挙げられる。保 護基で保護されたァミノ基の好ましレ、具体例としては、ベンジルォキシカルボニルアミ ノ基、 4 クロ口べンジルォキシカルボニルァミノ基、 4 メチルベンジルォキシカルボ ニルァミノ基、 2 メトキシベンジルォキシカルボニルァミノ基、 4一二トロべンジルォキ シカルボニルァミノ基などが挙げられる。
[0022] 「保護基で保護されたヒドラジノ基」とは、ペプチド合成の分野で常用されるァミノ基 の保護基で保護されたヒドラジノ基であって、加水素分解や強酸などにより脱離しうる 保護基で保護されたヒドラジノ基を意味する。好ましい該保護基は、加水素分解によ り脱離しうる保護基である。該加水素分解や強酸などにより脱離しうる保護基の具体 例は前述と同じである。保護基で保護されたヒドラジノ基の好ましい具体例としては、 N, N, 一ビス(ベンジルォキシカルボ二ノレ)ヒドラジノ基、 N, N, 一ビス(4 クロ口ベン ジルォキシカルボニル)ヒドラジノ基、 N, N' ビス(4 メチルベンジルォキシカルボ 二ノレ)ヒドラジノ基、 N, N'—ビス(2—メトキシベンジルォキシカルボニル)ヒドラジノ基 、 N, N' ビス(4一二トロべンジルォキシカルボニル)ヒドラジノ基などが挙げられる。
[0023] 「低級アルキル基」とは、炭素数 1〜6の直鎖または分枝鎖のアルキル基(C アル
1 -6 キル基)を意味し、具体例としてはメチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 ブチル基、イソブチル基、 tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチ ル基、へキシル基などが挙げられる。
[0024] 「シクロアルキル基」とは、炭素数 3〜8のシクロアルキル基(C シクロアルキル基)
3-8
を意味し、具体例としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク 口へキシル基、シクロへプチル基およびシクロォクチル基が挙げられる。
[0025] 「シクロアルキル 低級アルキル基」とは、シクロアルキル基で置換された低級アル
キル基を意味し、好ましい具体例としては、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメ チル基、シクロへキシルメチル基が挙げられる。
[0026] 「置換されていてもよいァリール基」とは、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アル コキシ基およびニトロ基からなる群から選ばれる 1〜3個の原子または基で置換され ていてもよいァリール基(ここにおいて、ァリール基とは、フエニル基及びベンゼン環 からなる縮合多環式の芳香族炭化水素基を意味する。)を意味し、好ましい具体例と しては、フエニル基、ナフチル基、 4 クロ口フエ二ル基、 4 メチルフエニル基、 2 メ トキシフエニル基などが挙げられる。
[0027] 「置換されて!/、てもよ!/、ァリール 低級アルキル基」とは、置換されて!/、てもよ!/ヽァリ ール基で置換された低級アルキル基を意味し、好ましい具体例としては、ベンジル基 、 4 クロ口べンジル基、 4 メチルベンジル基、 4ーメトキシベンジル基、 2 メトキシ ベンジル基などが挙げられる。
[0028] 「二価パラジウム化合物」の具体例としては、塩化パラジウム (11)、酢酸パラジウム (II) 、トリフルォロ酢酸パラジウム (II)などが挙げられる。
[0029] 「第 1アミド」とは、力ルバモイル基を有する有機化合物を意味し、力ルバモイル基を 有する炭素数 1〜6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素が好ましい。好ましい具体 例としては、ァセトアミド、プロピオンアミド、 n ブチルアミド、イソブチルアミドなどが 挙げられ、これらのうち一層好ましいのはァセトアミドである。
[0030] 「カルボキシ基の保護基」は、ペプチド合成の分野で常用されるカルボキシ基の保 護基であって、保護基で保護されたァミノ基または保護基で保護されたヒドラジノ基 の脱保護を行うときに同時に脱保護されないカルボキシ基の保護基を意味する。好 まし!/、カルボキシ基の保護基は、低級アルキル基または置換されて!/、てもよ!/、ァリ一 ル基であり、これらのうち、低級アルキル基が好ましい。
[0031] 「キレート剤」とは、ノ ラジウムに配位し得る化合物を意味する。具体例としては、有 機塩基(例えば、 N, N, Ν' , N' テトラメチルエチレンジァミン(以下、「TMEDA」 と略記する)、トリェチルァミン、ジブチルァミン、 1 , 10—フエナント口リン)、および有 機リン化合物(例えば、トリフエニルホスフィン)などが挙げられる。
[0032] 次に、本願発明の製造方法について以下に説明する。
[0033] 式(I)で表される 2, 5 ジォキソピロリジン 3 カルボキシレート類は下記に示す 方法によって製造することができる。
[化 4コ 202C (
(式中、
R
2、 R
3、 nおよび mは前掲と同じものを表す。 )
[0034] 工程(1)は、水および適当な有機溶媒中、二価パラジウム化合物の存在下で、第 1 アミドと反応させて、式 (I)の化合物中のシァノ基を水和して式 (III)の化合物を製造 する工程である。本工程は Org. Lett. 2005年, 7, ρ·5237_5239に記載の方法に準 じて行うこと力できる。二価パラジウム化合物の量は、特に限定されないが、式 (Π)の 化合物に対して触媒量 (0.001〜0.5当量)が好ましい。第 1アミドの量は、通常、式 (II )の化合物に対して 1〜50当量である。水の量は、通常、式 (Π)の化合物 lgに対して ;!〜 50mlである。
[0035] 工程(1)における有機溶媒としては、シァノ基を持たない有機溶媒、好ましくは水と 混和できるシァノ基を持たな!/、有機溶媒の使用が好ましレ、。当該有機溶媒としては、 例えばアルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、 tert- ブタノール)、エステル系溶媒 (例えば、酢酸ェチル)、エーテル系溶媒 (例えば、テト ラヒドロフラン)、極性非プロトン溶媒(例えば、 N, N ジメチルホルムアミド、ジメチル スルホキシド)などが挙げられ、これらのうちテトラヒドロフランが好ましい。これらの有 機溶媒はそれぞれ単独でまたは 2種以上を混合して用いることができる。有機溶媒の 使用量は、通常、水 lmlに対して 0. 5〜2mlである。反応温度は、特に限定されない 1S 室温 (約 5°C〜約 35°C)が好ましい。
[0036] 工程(1)の反応完了後、反応混合物から二価パラジウム化合物を除去することによ り、工程(2)において式 (I)の化合物の収率や純度を向上させることもできる。二価パ ラジウム化合物の除去方法としては、工程(1)で生成する反応混合物を無機酸水溶 液で洗浄する方法が挙げられる。無機酸水溶液の具体例としては、塩酸水溶液、硫
酸水溶液、リン酸水溶液などが挙げられ、これらのうち塩酸水溶液が好ましい。当該 無機酸水溶液の濃度は、通常、 0.;!〜 2mol/Lである。
[0037] 工程(2)は、式 (III)の化合物中の力ルバモイル基とエステルとを反応させて式 (I) の化合物を製造する工程である。該工程(2)の閉環反応は式 (III)の化合物を単離 することなぐ工程(1)の反応条件下で連続して進行し得て、同一反応容器内で連続 して fiうことあでさる。
[0038] 一方、通常、この閉環反応の反応速度は遅いため、工程(1)の反応完了後に、塩 基を添加することにより、閉環反応に要する時間を短縮することもできる。塩基の具体 例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基、トリエ チルァミン、ピリジン、 1 , 8—ジァザビシクロ [5. 4. 0]ゥンデカー 7—ェン、ナトリウム エトキシド、カリウム tert-ブトキシドなどの有機塩基が挙げられる。好ましい塩基は炭 酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基である。塩基の使用 量は、一般式 (ΠΙ)で表される化合物に対して触媒量から過剰量まで選択できるが、 好ましくは式 (II)の化合物に対して 1〜5当量である。工程(2)の反応温度は、特に 限定されないが、室温が好ましい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパ ノール、テトラヒドロフラン、ァセトニトリル、水などが挙げられ、それぞれ単独でまたは 2種以上を混合して用いることができる。
[0039] また、工程(1)の反応完了後にキレート剤を添加することにより、工程(2)において 式 (I)の化合物の収率や純度を向上することもできる。キレート剤の量は、通常、式 (II )の化合物に対して 0. 5〜; 10当量である。
[0040] 式 (Π)の化合物は、上述の特許文献 1、特許文献 2および非特許文献 1に記載の 方法、あるいはこれらの文献に準じる方法で製造することができる。
[0041] 特許文献 1、特許文献 2および非特許文献 1には式 (I)で表される化合物(但し、該 化合物の R1は保護基で保護されたヒドラジノ基以外の基である)を用いてラニレスタツ トを製造する方法が記載されている。したがって、本発明の製造方法は、ラニレスタツ トの製造方法に利用できる。
実施例
[0042] 以下に実施例を挙げて本願発明を更に具体的に説明するが、本願発明はこれら
実施例に限定されるものではない。化合物の確認は、プロトン核磁気共鳴スペクトル (:H NMR)、炭素 13核磁気共鳴スペクトル(13C醒 R)、質量スぺクトノレ(MS)の解析 により行った。核磁気共鳴スペクトルには、テトラメチルシランを内部標準として用い た。実施例中に用いた略号の Etはェチル基を意味し、 Cbzはべンジルォキシカルボ 二ル基を意味する。
実施例 1 :ェチル 3 べンジルォキシカルボニルアミノー 2, 5 ジォキソピロリジン 3一力ノレボキシレートの製造:
[化 5]
3 ベンジルォキシカルボニルアミノー 3—エトキシカルボニル 3—シァノプロピオ ン酸ェチル(1.0 g)とァセトアミド(1.7 g)を 50%(v/v)テトラヒドロフラン一水溶液(30 mL )に溶かし、塩化パラジウム (Π) (64 mg)を加えた。この混合物を室温で 15時間撹拌し た。反応混合物を酢酸ェチルで抽出し、抽出液を 0.5 mol/L塩酸で 3回、水で 1回洗 浄した。この酢酸ェチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した 。得られた残渣を 50%(v/v)テトラヒドロフラン一水溶液(30 mL)に溶かし、炭酸ナトリウ ム(0.46 g)を加え、室温で 5時間撹拌した。反応混合物を 0.5mol/L塩酸で pH 1に調 整し、酢酸ェチルで抽出した。この酢酸ェチル溶液を水洗後、硫酸マグネシウムで乾 燥し、濾過した。濾液を濃縮し、 目的物(0.93 g, 100%)を結晶として得た。
:H NMR (400 MHz, CDC1 , 22 °C) δ: 8.77 (1Η, br), 7.39- 7.33 (5H, m), 6.29 (
1H, br), 5.15 (1H, d, J = 12.0 Hz), 5.08 (1H, d, J = 12.4 Hz), 4.32 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.22 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.14 (1H, d, J = 18.0 Hz), 1.29 (3H, t , J = 7.0 Hz). 13C NMR (100 MHz, CDC1 , 23 °C) δ: 173.2, 172.1 , 166.5, 154
.9, 128.6, 128.5, 128.2, 67.7, 64.5, 64.1 , 40.8, 13.8.
実施例 2 :ェチル 3 べンジルォキシカルボニルアミノー 2, 5 ジォキソピロリジン 3一力ノレボキシレートの製造:
2—べンジルォキシカルボニルアミノー 2—シァノメチルマロン酸ジェチル(348 mg) とァセトアミド(591 mg)を 50%(v/v)テトラヒドロフラン一水溶液(6 mL)に溶かし、塩化 パラジウム (Π) (17.7 mg)を加え、室温で一夜撹拌した。反応混合物を酢酸: 抽出し、抽出液を 1 mol/L塩酸で 3回、水で 1回洗浄した。この酢酸ェチル溶液を硫 :?乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を 50%(v/v)テトラヒ 水溶液 (6 mL)に溶かし、炭酸ナトリウム(0.46 g)を加え室温で 1時間撹 拌した。反応混合物を 1 mol/L塩酸で酸性にし、酢酸ェチルで抽出した。この酢酸ェ チル溶液を水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、 目的物(3 10 mg, 97%)を非晶質として得た。
実施例 3 :ェチル 3 べンジルォキシカルボニルアミノー 2, 5 ジォキソピロリジン 3一力ノレボキシレートの製造:
[化 7]
2—べンジルォキシカルボニルアミノー 2—シァノメチルマロン酸ジェチル(348 mg) とァセトアミド(591 mg)を 50%(v/v)テトラヒドロフラン一水溶液(6 mL)に溶かし、塩化 ノ ラジウム (Π) (17.7 mg)を加え、室温で一夜撹拌した。この反応混合物に TMEDA ( 0.038 mL)を加え 5分間撹拌後、炭酸ナトリウム(159 mg)を加え、室温で 1時間撹拌 した。この反応混合物を 1 mol/L塩酸で酸性に調整し、酢酸ェチルで 3回抽出した。 この酢酸ェチル溶液を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過 した。濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-へキサン :酢酸ェチル = 2: 1)で精製し、 目的物(294 mg, 92%)を油状物として得た。
実施例 4 :ェチル 3 べンジルォキシカルボニルアミノー 2, 5 ジォキソピロリジン
3—カルボキシレートの製造:
[化 8]
Et〇2C\ CH2-CN
。
Cbz -N CO
H Cbz-N C02Et
H
2—べンジルォキシカルボニルアミノー 2—シァノメチルマロン酸ジェチル(348 mg) とァセトアミド(591 mg)を 50%(v/v)テトラヒドロフラン一水溶液(6 mL)に溶かし、塩化 ノ ラジウム (Π) (17.7 mg)を加え、室温で一夜撹拌した。この反応混合物に炭酸ナトリ ゥム(159 mg)を加え、室温で 50分間撹拌した。この反応混合物を 1 md/L塩酸で酸 性に調整し、酢酸ェチルで 3回抽出した。この酢酸ェチル溶液を水、飽和食塩水で 洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して得られた残渣をシリ 力ゲルカラムクロマトグラフィー(n-へキサン:酢酸ェチル = 2: 1)で精製し、 目的物(2 93 mg, 92%)を油状物として得た。
実施例 5 :ェチル 3—(1 ピロリル) 2, 5 ジォキソピロリジン 3 カルボキシレ ートの製造:
[化 9]
2—(1 ピロリル)ー2—シァノメチルマロン酸ジェチル(264 mg)とァセトアミド(591 mg)を 50%(v/v)テトラヒドロフラン一水溶液(6 mL)に溶かし、塩化パラジウム (II) (17.7 mg)を加え室温で 3日間撹拌した。更に塩化パラジウム (Π) (24.0 mg)を加え、室温で 2日間撹拌した。次に、この反応混合物に炭酸ナトリウム(159 mg)を加え、室温で 45 分間撹拌した。この反応混合物を酢酸ェチルで抽出し、抽出液を 1 mol/L塩酸で 3回 、水で 1回洗浄した。この酢酸ェチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。 濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-へキサン:酢酸 ェチル = 2 : 1)で精製し、 目的物(151 mg, 54%)を非晶質として得た。
Ή NMR (400 MHz, CDCl , 23 °C) δ : 9.05 (IH, br), 6.94 (IH, t, J = 2.2 Hz),
6.26 (IH, t, J = 2.2 Hz), 4.28 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.59 (IH, d, J = 17.6 Hz) , 3.36(1H, d, J = 18.0 Hz), 1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz). 13C NMR (100 MHz, CD CI , 24 °C) δ: 172.7, 170.5, 166.8, 120.0, 110.1, 68.6, 63.9, 41.9, 13.8. M
S (APCI): 237(M+H).
[0048] 参考例 1 : 2— [N, N, 一ビス(ベンジルォキシカルボニル)ヒドラジノ ]ー2 エトキシカ ルポ二ルメチルー 2—シァノ酢酸ェチルの製造:
[化 10]
Et〇2C CN
(1)シァノ酢酸ェチル(1.1 mL)のエタノール溶液(10 mL)にナトリウムエトキシド(20% エタノール溶液、 3.4 g)を氷冷下ゆっくり加え、その後 5分間撹拌した。この混合物に ブロモ酢酸ェチル(1.3 mL)を加えた後、室温で 1時間撹拌した。反応混合物をジィ ソプロピルエーテルで希釈し、水洗、乾燥 (MgSO )、濾過し、その濾液を濃縮して油 状物を得た。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-へキサン:酢酸ェチル = 10 : 1〜8: 1)で精製し反応生成物(1.59 g)を得た。
(2)前記の反応生成物を酢酸ェチル(20 mL)に溶かし、ジベンジルァゾジカルボキ シレート(895 mg)、次いで炭酸カリウム(41.5 mg)を室温で加えた。この反応液を室 温で 15分間撹拌後、セライト濾過し、濾液を濃縮して油状物を得た。これをシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(n-へキサン:酢酸ェチル =3: 1〜2: 1)で精製し、 目的物( 1.15 g、 23%)を結晶として得た。 MS (APCI) : 498(M+H).
[0049] 実施例 6 :ェチノレ 3—[N, N'—ビス(ベンジルォキシカルボニル)ヒドラジノ ]—2, 5 ージ才キソピロリジン 3—力ノレボキシレートの製造:
[化 11]
2 - [N, N, 一ビス(ベンジルォキシカルボ二ノレ)ヒドラジノ ]ー2—エトキシカルボ二 ルメチルー 2—シァノ酢酸ェチル(301 mg)とァセトアミド(357 mg)を 50%(v/v)テトラヒド 口フラン一水溶液(10 mL)に懸濁し、続いてこれに塩化パラジウム (Π) (10.7 mg)を加 えた。この混合物を室温で一夜撹拌した。この反応混合物に炭酸ナトリウム (96mg)を 加えて 15分間撹拌した後、この反応液を 1 mol/L塩酸で酸性に調整し、酢酸ェチル で 3回抽出した。この酢酸ェチル溶液を水、次いで飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグ ネシゥムで乾燥、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト グラフィー(n-へキサン:酢酸ェチル = 2 : 1)で精製し、 目的物(152 mg, 54%)を油状 物として得た。
:H NMR (300 MHZ, DMSO— d , 120 °C) δ: 11.4 (1H, br), 9.66 (1H, br), 7.35-
6
7.25 (10H, m), 5.15- 5.02 (4H, m), 4.14 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.40 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.17 (1H, d, J = 18.2 Hz), 1.14 (3H, t, J = 7.1 Hz).
[0050] 実施例 7 :ェチノレ 3—[N, N'—ビス(ベンジルォキシカルボニル)ヒドラジノ ]—2, 5 ージ才キソピロリジン 3—力ノレボキシレートの製造:
2 - [N, N, 一ビス(ベンジルォキシカルボ二ノレ)ヒドラジノ ] 2—エトキシカルボ二 ルメチルー 2—シァノ酢酸ェチル(301 mg)とァセトアミド(358 mg)を 50%(v/v)テトラヒド 口フラン一水溶液(10 mL)に懸濁し、続いてこれに塩化パラジウム (Π) (12.5 mg)を加 えた。この混合物を室温で一夜撹拌した。この反応混合物を酢酸ェチルで希釈し、 1 mol/L塩酸で 4回、水で 2回、飽和食塩水で 1回順次洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥 、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をテトラヒドロフラン一水の混合溶液(1 : 1 v/ v、 10 mL)に懸濁し、炭酸ナトリウム(97.6 mg)を加え、同温で 3時間撹拌した。この反 応混合物を 1 mol/L塩酸で酸性に調整し、酢酸ェチルで 3回抽出した。この酢酸ェチ ル溶液を水、次いで飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、濾液 を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-へキサン:酢酸ェ チル = 2: 1)で精製し、 目的物(254 mg, 89%)を油状物として得た。
[0051] 実施例 8 :ェチル 3— [N, N' ビス(ベンジルォキシカルボニル)ヒドラジノ]—2, 5 ージ才キソピロリジン 3—力ノレボキシレートの製造:
2 - [N, N, 一ビス(ベンジルォキシカルボ二ノレ)ヒドラジノ ]一 2—エトキシカルボ二
ルメチルー 2—シァノ酢酸ェチル(302 mg)とァセトアミド(362 mg)を 50%(v/v)テトラヒド 口フラン一水溶液(10 mL)に懸濁し、続いてこれに塩化パラジウム (Π) (13.0 mg)を加 えた。この混合物を室温で一夜撹拌した。この反応混合物に TMEDA (28.0 L)、 次いで炭酸ナトリウム(97.0 mg)を加え、同温で 3時間撹拌した。この反応混合物を 1 mol/L塩酸で酸性に調整し、酢酸ェチルで 3回抽出した。この酢酸ェチル溶液を水、 次いで飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、濾液を濃縮した。 得られた残渣をフラッシュカラム(n-へキサン:酢酸ェチル = 2: 1)で精製し、 目的物( 241 mg, 85%)を油状物として得た。
実施例 9 :ェチル 3 アミノー 2, 5 ジォキソピロリジン一 3 カルボキシレートの製 造:
[化 12]
ェチル 3—[N, N, 一ビス(ベンジルォキシカルボ二ノレ)ヒドラジノ ]—2, 5—ジォキ ソピロリジン 3 カルボキシレート(496 mg)の酢酸(15 ml)溶液に酸化白金(102 m g)を加えた。これを水素雰囲気下(常圧)、 50°Cで 6時間激しく撹拌した。この間、反 応の進行と共に発生する二酸化炭素を取り除くため、反応容器中のガスを数回水素 で置換した。反応混合物をセライト濾過し、少量の酢酸でセライトを洗浄した。濾液と 洗液を合わせて濃縮し、残留する酢酸を除くため残渣にトルエンを加えて再度濃縮 した。残渣に酢酸ェチルを加えて不溶物を濾去し、酢酸ェチル溶液を濃縮して得ら れた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロ口ホルム:メタノール = 30 : 1) で精製し、 目的物(126 mg, 64%)を結晶として得た。この生成物の1 H NMR (CDC1 ) による分析値は、非特許文献 1に記載の光学活性体のそれと一致した。
:H NMR (400 MHz, CDC1 , 22 °C) δ : 4.28 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.18 (1H, d, J
= 18.0 Hz), 2.76 (1H, d, J = 18.0 Hz), 1.29 (3H, t, J = 7.2 Hz).
実施例 10 :ェチル 3 アミノー 2, 5 ジォキソピロリジン一 3 カルボキシレートの 製造:
[化 13]
ェチル 3 べンジルォキシカルボニルアミノー 2, 5 ジォキソピロリジン 3 力 ルポキシレート(1.00 g)の酢酸ェチル溶液(50 mL)に 20%水酸化パラジウム 炭素(0 .50 g)を加え、これを水素気流下(常圧)室温で 1.5時間激しく撹拌した。この反応混 合物をセライトろ過し、ろ液を濃縮し、 目的物(0.58 g、 100%)を白色結晶として得た。
[0054] 実施例 11 :ェチル (R)— 3 アミノー 2, 5 ジォキソピロリジンー3 カルボキシレ ートの (S)-(+)_カンファースノレホン酸塩の製造:
ェチル 3 アミノー 2, 5 ジォキソピロリジン一 3 カルボキシレート(8.00 g)と (S)_ (+)-カンファースルホン酸(10.0 g)をエタノール(80 ml)に加温しながら溶かした後、 全量が約 45 mlになるまでこの溶液を減圧濃縮した。これを氷冷下で静置し、生じた 結晶を濾取し、エタノールで洗った。この結晶をエタノールから再結晶し、 目的物(4. 70 g)を結晶として得た。
融点: 229- 230。C (分解). [ α ] 27+10·2。 (c 1.03, MeOH). 'Η NMR (400 MHZ,
D
D O, 23 °C) δ : 4.43 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.56 (1H, d, J = 18.8 Hz), 3.28 (1H , d, J = 15.2 Hz), 3.22 (1H, d, J = 18.8 Hz), 2.86 (1H, d, J = 14.8 Hz), 2.46 -2.37 (1H, m), 2.16 (1H, t, J = 4.8 Hz), 2.09-2.00 (1H, m), 1.84 (1H, d, J = 18.8 Hz), 1.68-1.61 (1H, m), 1.49-1.42 (1H, m), 1.30 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1. 04 (3H, s), 0.83 (3H, s).
[0055] 実施例 12 :ェチル (R)— 2, 5 ジォキソー3 (ピロ一ルー 1 ィル)ピロリジンー3 一力ノレボキシレートの製造:
ェチル (R)— 3 アミノー 2, 5 ジォキソピロリジン一 3 カルボキシレートの (S)_( +)-カンファースルホン酸塩(418 mg)を 25%酢酸水溶液(4 ml)に溶力、した。これに酢 酸ナトリウム(82 mg)と 2, 5 ジメトキシテトラヒドロフラン(0.143 ml)を加え、 70°Cで 1· 5時間撹拌した。放冷後、この混合物に酢酸ェチル(20 ml)を加え、水、続いて飽和 食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を濃縮して油状物を得
た。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-へキサン:酢酸ェチル =3 : 1)で精製 し、 目的物(230 mg, 97%)を油状物として得た。この生成物の1 H NMRによる分析値 は、非特許文献 1に記載のそれと一致した。
:H NMR (400 MHz, CDC1 , 23 °C) δ : 9.05 (1H, br), 6.94 (2H, t, J = 2.2 Hz),
6.26 (2H, t, J = 2.2 Hz), 4.28 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.59 (1H, d, J = 17.6 Hz), 3.36 (1H, d, J = 18.0 Hz), 1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz). 13C NMR (100 MHz, CDC 1 , 24 °C) δ : 172.7, 170.5, 166.8, 120.0, 110.1, 68.6, 63.9, 41.9, 13.8. MS
(APCI): 237(M+H).
[0056] 実施例 13 : (3R)—2,一(4ーブロモー 2 フルォロベンジル)スピロ [ピロリジン—3, 4,( Η)—ピロ口 [1 , 2— a]ピラジン]— 1,, 2, 3,, 5 (2, H) テトラオンの製造: (1)ェチル (R)— 2, 5 ジォキソー3 (ピロ一ルー 1 ィル)ピロリジンー3 カル ボキシレート(767 mg)の酢酸ェチル(10 ml)溶液にトリクロロアセチルクロリド(1.1 ml) を加え、この溶液を一晩加熱還流した。この反応混合物を室温まで放冷後、トリクロ口 ァセチルクロリド(1.1 ml)を加え、この混合物を 3時間加熱還流した。この反応混合物 を室温まで水冷し、残留したトリクロロアセチルクロリドを飽和炭酸水素ナトリウム水溶 液で注意深く分解した。水層がアルカリ性であることを確認後、これを酢酸ェチル (5 ml)で 3回抽出し、合わせた抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄、硫酸- で乾燥、ろ過、濃縮し油状の粗生成物を得た。 .
一(n-へキサン:酢酸ェチル = 1 : 1)で精製し、ェチル (R)—2, 5 ジォキソー3—( 2—トリクロロアセチルピロ一ルー 1ーィノレ)ピロリジンー3 カルボキシレート(1.17 g、 94%)を得た。
:H NMR (400 MHz, DMSO— d、 22。C) δ: 12.4 (br s, 1H), 7.68 (dd, 1H, J = 1.2
, 4.4 Hz), 7.55 (dd, 1H, J = 1.6, 2.8 Hz), 6.44 (dd, 1H, J = 2.4, 4.4 Hz), 4. 25-4.08 (m, 2H), 3.72 (d, 1H, J = 18.0 Hz), 3.06 (d, 1H, J = 18.0 Hz), 1.11 ( t, 3H, 7.2 Hz).
[0057] (2) 4 ブロモ 2—フルォロベンジルァミン(0.93 g)とトリエチルァミン(1.3 ml)の N, N-ジメチルホルムアミド(5 ml)溶液に、ェチル (R) - 2, 5 ジォキソー3—(2 トリ クロロアセチルビロール一 1—ィノレ)ピロリジン一 3—カルボキシレート(1.16 g)の N, N
-ジメチルホルムアミド(3 ml)溶液を室温で滴下した。この混合物を室温で 8時間撹拌 した。この反応混合物を酢酸ェチルで希釈した後、 lmol/L塩酸(3回)、水(4回)、飽 和食塩水で順次洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮し黄色油状の粗生成物 を得た。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-へキサン:酢酸ェチル =2 : 1)で 精製し、(3R)— 2,一(4 ブロモ 2 フルォロベンジル)スピロ [ピロリジン一 3, 4, (1,H)—ピロ口 [1 , 2— a]ピラジン]— 1,, 2, 3,, 5 (2, H) テトラオン(831 mg、 65% )を得た。更に、これを n-へキサン 酢酸ェチルから結晶化し、 目的物の結晶(385 m g)を得た。
Mp: 189-191 °C. :H NMR (400 MHz, DMSO— d、 22 °C) δ: 12.2 (br s, 1H), 7.73
6
(dd, 1H, J = 2.0, 3.2 Hz), 7.55 (dd, 1H, J = 2.0, 9.6 Hz), 7.36 (dd, 1H, J = 2.0, 8.4 Hz), 7.17-7.12 (m, 2H), 6.53 (dd, 1H, J = 2.8, 4.0 Hz), 5.04 (d, 1H , J = 15.2 Hz), 4.96 (d, 1H, J = 15.6 Hz), 3.57 (s, 2H).
[0058] 比較例 1 :
3 ベンジルォキシカルボニルアミノー 3—エトキシカルボニル 3—シァノプロピオ ン酸ェチル(2.0 g)、 A1 0 (1.5 g)およびエタノール(5 mL)を混合し、 8時間加熱還
2 3
流下で撹拌した。しかし、反応の進行は認められな力 た。
[0059] 比較例 2 :
3 ベンジルォキシカルボニルアミノー 3—エトキシカルボニル 3—シァノプロピオ ン酸ェチル(2.0 g)、塩化亜鉛(78 mg)、アセトンォキシム(168 mg)、水(0.2 mL)およ びクメン(5 mL)を混合し、 24時間加熱還流下で撹拌した。反応混合物を HPLCで 分析した結果、 7 %の 2 ベンジルォキシカルボニルアミノー 2 シァノ酢酸ェチル、 6 %の 3—ベンジルォキシカルボニルアミノー 3—力ルバモイル 3—エトキシカルボ ニルプロピオン酸ェチルおよび 48%のェチル 3 べンジルォキシカルボニルァミノ 2, 5 ジ才キソピロリジン 3 力ノレボキシレートが検出された。
[0060] 比較例 3 :
3 ベンジルォキシカルボニルアミノー 3—エトキシカルボニル 3—シァノプロピオ ン酸ェチル(2.0 g)、二酸化マンガン(1.0 g)、水(2.5 mL)およびエタノール(5 mL)を 混合し、 1週間加熱還流下で撹拌した。反応液をセライトろ過した後濃縮し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-へキサン:酢酸ェチル = 100: 0〜0: 100)で精 製し、 3—ベンジルォキシカルボニルアミノー 3—エトキシカルボニル 3—シァノプロ ピオン酸ェチルと 3—ベンジルォキシカルボニルアミノー 3—シァノプロピオン酸ェチ ルをほぼ等量含有する混合物(1.2 g)を得た。
産業上の利用可能性
本発明の製造方法により、式 (I)で表される 2, 5 ジォキソピロリジン 3 カルボ キシレート類を安全に効率良く製造することができる。これらの化合物のうち、 R1が保 護基で保護されたヒドラジノ基である式 (I)の化合物は、実施例 9に示すとおり、 R1が ァミノ基に変換された化合物へと誘導できる。この R1がァミノ基に変換された化合物、 R1が保護基で保護されたァミノ基、またはピロ一ルー 1ーィル基である式 (I)の化合 物は、ラニレスタツト等の中間体として利用できることが特許文献 1、特許文献 2およ び非特許文献 1に記載されている。したがって、本発明の製造方法は、強力なアルド ース還元酵素阻害作用を示し、糖尿病性神経症などの改善が期待される薬剤として 有用なラニレスタツト、その関連化合物およびそれらの中間体の製造方法として有用 である。