明 細 書
細胞死抑制剤 技術分野
本発明は、 細胞死抑制剤、 Antioxidant response element (A R E ) 活性化剤 等に関する。 背景技術
従来、 マクロファージ遊走阻止因子 (MIF) は、 免疫担当細胞や脳下垂体な どから生体侵襲などの刺激に即応して産生され、 炎症性サイト力インカスケード の上流に位置して炎症反応を制御する種々の炎症性疾患の増悪因子であると考え られている (Annual Reports in Medicinal Chemistry, 第 33卷、 24頁、 1998 年; Advances in Immunology. 第 66卷、 197頁、 1997年) 。
リゥマチ患者の滑膜液や血清中の MIF濃度、 急性呼吸促迫症候群患者の肺胞 洗浄液中の MIF濃度、 腎臓移植を受けた患者の拒絶反応時における尿中の MIF 濃度、 急性心筋梗塞、 糖尿病、 全身性エリテマトーデス、 クローン病およびアト ピー性皮膚炎の患者の血清中の MIF濃度は、 健常人と比べて顕著に上昇してい る。
各種動物病態モデルにおいて、 MIFに対する抗体投与および MIFの欠失は、 腎炎、 肝炎、 肺炎、 関節炎、 エンドドキシンショックなどの症状の改善効果を示 すことが報告されている (International Journal of Molecular Medicine、 第 2 巻、 17頁、 ュ 998年) 。
近年、 MIF が酸化ス トレスで誘発した細胞死を抑制すること (非特許文献 1 J. Exp. Med. 190卷, 1375-1382頁, 1999年、 非特許文献 2 PNAS 99卷, 345· 350頁, 2001年) 、 GSTの発現を誘導すること (非特許文献 3 Cardiovascular Res. 52卷, 438-445頁, 2001年) が報告されている。 WO 03/20719号公報 (特 許文献 1 ) には、 細胞死抑制作用および MIFに結合する能力を有する 1,3-ベン ゾチアジノン誘導体が、 WO 03/90782号公報 (特許文献 2 ) には、 MIFに結合 する物質 (例、 1,3-ベンゾチアジノ ン誘導体等) が細胞死抑制作用、
antioxidant response element (ARE) 制御下にある遺伝子の発現やタンパク質 産生を増強することが報告されている。
立体構造解析より、 MIFの 1位 Proは、 32位 Lys、 64位 Ile、 95位 TVr、 97 位 Asn と疎水性ポケットを形成し、 種々の化合物と結合することが報告されて いる (非特許文献 4 Expert Opin. Ther. Targets, 7巻, 153-164頁, 2003年) 。 一方、 近年、 酸化ス トレスによる細胞死が、 神経変性疾患 (例、 アルッハイマ 一病、 パーキンソン病、 筋萎縮性側索硬化症など) 、 虚血性疾患 (例、 心筋梗塞、 心不全、 脳卒中、 脳梗塞、 虚血性急性腎不全など) 、 骨 ·関節疾患 (例、 骨粗鬆 症、 変形性関節症、 リウマチなど) 、 消化器疾患 (例、 炎症性腸疾患、 急性膝炎 など) 、 肝疾患 (例、 アルコール性肝炎、 ウィルス性肝炎など) 、 糖尿病、 エイ ズなど種々の疾患の発症または進展に深く関わっていることが明らかとなってき ている (別冊 ·医学のあゆみ、 79 頁、 2005 年;別冊 ·医学のあゆみ、 8 頁、 1997 年; 日本臨床、 第 54 卷、 1996 年) 。 Antioxidant response element (ARE) は、 酸化ス トレスに対する多様な防御因子の発現を調節しており、 そ の転写活性化は酸化ストレスに対する最も重要な細胞の防御機構の一つと考えら れている (Current Pharmaceutical Design第 10卷、 879頁、 2004年) 。 ま た、 リゥマチの治療に用いられる金製剤や NSAIDの薬効には AREで制御され る防御因子の発現亢進が関与する可能性が指摘されている (The Journal of Biological Chemistry 第 276卷、 34074 頁、 2001 年; Free Radical Biology and Medicine 第 37卷、 650頁、 2002年) 。 発明の開示
上記より、 ARE 活性化は、 酸化ス トレスが関与する疾患の抑制につながるこ とが予想され、 ARE 活性化を主作用とする安全で強力な細胞死抑制剤の開発が 切望されている。
以上のような状況に鑑み、 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、 a) MIF と特 異的に結合する 1,3-ベンゾチアジノン誘導体が MIFの N末端付近に結合するこ と、 b) MIF力 MIF と結合する該誘導体の存在下で、 ARE を活性化すること、 c ) MIF力、 ARE を活性化することなどを見出した。 これらの知見に基づいて
さらに検討を重ね、 本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
〔1〕 MIFまたはその改変体を含有してなる ARE活性化剤 (または組成物) 、 〔2〕 MIF が、 配列番号: 1または配列番号: 7で表されるアミノ酸配列を含 有するタンパク質またはその塩である上記 〔1〕 記載の剤、
[2a] MIFの改変体が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩である上記 〔1〕 記載の剤、
〔2 b〕 MIF の改変体が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と 95%以上 の相同性を有するアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩であって、 A RE活性化作用または および細胞死抑制作用を有するものである上記 〔1〕 記 載の剤、
〔2 c〕 MIF の改変体が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列において、 1 〜数個 (例えば、 1〜6個) のアミノ酸が欠失、 置換および Zまたは付加したァ ミノ酸 E列を含有するタンパク質またはその塩であって、 ARE活性化作用また は および細胞死抑制作用を有するものである上記 〔1〕 記載の剤、
〔3〕 MIF の改変体が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列の N端側、 32 番目付近 (例えば、 22〜42番目、 より好ましくは 27〜37番目、 さらに好 ましくは 30〜34番目) 、 64番目付近 (例えば、 54〜74番目、 より好ま しくは 59〜69番目、 さらに好ましくは 62〜66番目) 、 95番目付近 (例 えば、 85〜96¾:目、 より好ましくは 90〜 96番目、 さらに好ましくは 93 〜96番目) および 97番目付近 (例えば、 97〜107番目、 より好ましくは 97〜 102番目、 さらに好ましくは 97〜 99番目) から選ばれる少なくとも 一つのアミノ酸が欠失、 付加または (および) 置換された改変体である上記
〔1〕 記載の剤、
[4] N端側が、 配列番号: 1で表されるァミノ酸配列の第 1〜 5番目のァミノ 酸配列である上記 〔3〕 記載の剤、
〔5〕 MIF またはその改変体と、 MIF に結合する能力を有する物質とを組み合 わせてなる ARE活性化剤、
〔5a〕 物質が、 抗 MIF抗体である、 上記 〔5〕 記載の剤、
〔6〕 物質が、 MIF を活性化する能力を有する物質である上記 〔5〕 記載の剤、 〔7〕 物質が、 1, 3—べンゾチアジノン誘導体である上記 〔5〕 記載の剤、 〔8〕 1, 3—ベンゾチアジノン誘導体が、 式
〔式中、 R
1 は水素原子、 ハロゲン原子、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ノヽロゲン化され ていてもよいアルキル、 置換基を有していてもよいアルコキシ、 ァシルまたは置 換基を有していてもよいァミノ、
R 2 は置換基を有していてもよい炭化水素基、 置換基を有していてもよい芳香族 複素環基または置換基を有していてもよいァミノ、
nは 1または 2を示す〕 で表される化合物またはその塩である上記 〔7〕 記載の 剤、
〔9〕 MIFの改変体を含有してなる細胞死抑制剤、
〔1 0〕 MIF 力 配列番号: 1または配列番号: 7で表されるアミノ酸配列を 含有するタンパク質である上記 〔9〕 記載の剤、
〔1 0 a〕 MIFの改変体が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同 一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩である上記 〔9〕 記載の剤、 ( 1 0 b ] MIF の改変体が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と 9 5 %以 上の相同性を有するアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩であって、 A R E活性化作用または Zおよび細胞死抑制作用を有するものである上記 〔 9〕 記載の剤、
〔1 0 c〕 MIF の改変体が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列において、 1〜数個 (例えば、 1〜6個) のアミノ酸が欠失、 置換および Zまたは付加した アミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩であって、 A R E活性化作用ま たは/および細胞死抑制作用を有するものである上記 〔9〕 記載の剤、
〔1 1〕 MIF の改変体が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列の N端側、 3 2番目付近 (例えば、 2 2〜 4 2番目、 より好ましくは 2 7〜 3 7番目、 さらに
好ましくは 30〜34番目) 、 64番目付近 (例えば、 54〜 74番目、 より好 ましくは 59〜 69番目、 さらに好ましくは 62〜66番目) 、 95番目付近
(例えば、 85〜 96番目、 より好ましくは 90〜 96番目、 さらに好ましくは 93〜 96番目) および 97番目付近 (例えば、 97〜 107番目、 より好まし くは 97〜 102番目、 さらに好ましくは 97〜 99番目) から選ばれる少なく とも一つのアミノ酸が欠失、 付加または (および) 置換された改変体である上記
〔9〕 記載の剤、
〔12〕 N端側が、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列の第 1〜 5番目のアミ ノ酸配列である上記 〔11〕 記載の剤、
〔13〕 MIF またはその改変体と、 MIFに結合する能力を有する物質とを組み 合わせてなる細胞死抑制剤、
〔14〕 物質が、 マクロファージ遊走阻止因子を活性化する能力を有する物質で ある上記 〔13〕 記載の剤、
〔15〕 物質が、 1, 3—ベンゾチアジノン誘導体である請求項 〔13〕 記載の 剤、
〔16〕 1, 3—ベンゾチアジノン誘導体が、 式
〔式中、 R1 は水素原子、 ハロゲン原子、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ハロゲン化され ていてもよいアルキル、 置換基を有していてもよいアルコキシ、 ァシルまたは置 換基を有していてもよいァミノ、
R2 は置換基を有していてもよい炭化水素基、 置換基を有していてもよい芳香族 複素環基または置換基を有していてもよいァミノ、
nは 1または 2を示す〕 で表される化合物またはその塩である上記 〔15〕 記載 の剤、
〔17〕 循環器系疾患、 骨 ·関節疾患、 感染症疾患、 炎症性疾患、 腎疾患、 中枢 疾患、 癌または糖尿病の予防 ·治療剤である上記 〔1〕 〜 〔16〕 のいずれかに
記載の剤、
〔1 8〕 MIFを改変することを特徴とする AREの活性化方法、
〔1 9〕 MIFを改変することを特徴とする細胞死抑制方法、
〔2 0〕 MIF を改変することを特徴とする循環器系疾患、 骨 ·関節疾患、 感染 症疾患、 炎症性疾患、 腎疾患、 中枢疾患、 癌または糖尿病の予防 ·治療方法、
〔2 1〕 マクロファージ遊走阻止因子またはその改変体と、 マクロファージ遊走 阻止因子に結合する能力を有する物質とを組み合わせることを特徴とする循環器 系疾患、 骨 ·関節疾患、 感染症疾患、 炎症性疾患、 腎疾患、 中枢疾患、 癌または 糖尿病の予防 ·治療方法、
[ 2 2 ] Antioxidant response element 活性化剤を製造するためのマクロファ 一ジ遊走阻止因子またはその改変体の使用、
〔2 3〕 Antioxidant response element 活性化剤を製造するためのマクロファ 一ジ遊走阻止因子またはその改変体と、 マクロファージ遊走阻止因子に結合する 能力を有する物質とを組み合わせた使用、
〔2 4〕 細胞死抑制剤を製造するためのマクロファージ遊走阻止因子の改変体の 使用、
〔2 5〕 細胞死抑制剤を製造するためのマクロファージ遊走阻止因子またはその 改変体およびマクロファージ遊走阻止因子に結合する能力を有する物質の使用、
〔2 6〕 循環器系疾患、 骨 ·関節疾患、 感染症疾患、 炎症性疾患、 腎疾患、 中枢 疾患、 癌または糖尿病を予防 ·治療する医薬を製造するためのマクロファージ遊 走阻止因子またはその改変体の使用、
〔2 7〕 循環器系疾患、 骨 ·関節疾患、 感染症疾患、 炎症性疾患、 腎疾患、 中枢 疾患、 癌または糖尿病を予防 ·治療する医薬を製造するためのマクロファージ遊 走阻止因子またはその改変体およびマクロファージ遊走阻止因子に結合する能力 を有する物質の使用などに関する。
(a) MIFまたはその改変体は ARE活性化剤として、 (b) MIFまたはその 改変体と、 MIFに結合する能力を有する物質 (例、 1,3-ベンゾチアジノン誘導体、 抗体など) との組み合わせは ARE活性化剤として、 安全で優れた細胞死抑制剤、 例えば循環器系疾患、 骨 ·関節疾患、 感染症疾患、 炎症性疾患、 腎疾患、 中枢疾
患、 癌、 糖尿病等の予防 ·治療剤として有用である。 図面の簡単な説明
図 1は、 ラット MIFと化合物 Aの結合結果を示す。 図中、 縦軸は表面プラズ モン共鳴シグナル (レゾナンスユニット) を、 横軸は時間 (秒) を示す。
図 2は、 hMIFと化合物 Aおよび hMIF-PISと化合物 Aの結合結果を示す。 図中、 縦軸は表面プラズモン共鳴シグナル (レゾナンスユニット) を、 横軸は時 間 (秒) を示す。
図 3は、 ラット MIFの化合物 B存在下における ARE活性化作用の結果を示 す。 図中、 縦軸はルシフェラーゼの発光量を、 横軸はラット MIFおよび化合物 Bの量 (培養液中濃度) を示す。
図 4は、 ラット MIFと化合物 Aまたは化合物 Cの結合結果の比較を示す。 図 中、 縦軸は表面プラズモン共鳴シグナル (レゾナンスユニット) を、 横軸は時間 (秒) を示す。
図 5は、 hMIF と化合物 A、 hMIF-PIS と化合物 Aおよび His-hMIF と化合 物 A の結合結果の比較を示す。 図中、 縦軸は表面プラズモン共鳴シグナル (レ ゾナンスユニット) を、 横軸は時間 (秒) を示す。
図 6は、 ラット MIFの GST Yaまたは HO-1発現誘導作用を示す。 図中、 縦 軸は GST Ya又は HO-1 の mRNA量を、 横軸はラット MIF量 (培養液中濃 度) を示す。
1 . 本発明で用いられる MIFまたはその改変体
本発明で用いられるマクロファージ遊走阻止因子 (MIF) としては、 配列番 号: 1 (hMIF) または配列番号 7 (rMIF) で表されるアミノ酸配列を含有す るタンパク質またはその塩などが挙げられる。 MIF の改変体としては、 配列 番号: 1又は配列番号: 7で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配 列を含有するタンパク質またはその塩などが挙げられる。 配列番号: 1又は配列 番号: 7で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン パク質は、 配列番号: 1または配列番号: 7で表されるァミノ酸配列と約 5 0 %
以上、 好ましくは 7 0 %以上、 好ましくは 8 0 %以上、 好ましくは 9 0 %以上、 好ましくは 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列を含有し、 M I Fと同様の 生理活性 (A R E活性化作用または/および細胞死抑制作用) を有するものを含 む。
また、 配列番号: 1又は配列番号: 7で表さ るアミノ酸配列と実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質は、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以 上 (好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好まし くは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が欠失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1また は 2個以上 (好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さら に好ましくは数 (1〜6 ) 個) のアミノ酸が付加し、 または、 そのアミノ酸配列 に 1または 2個以上 (好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程 度、 さらに好ましくは数 (1〜6 ) 個) のアミノ酸が挿入され、 または、 のァ ミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜 1 0個程度、 さらに好ましくは数 ( 1〜 6 ) 個) のァミノ酸が他のァミノ酸 で置換されていてもよいタンパク質であって、 M I Fと同様の生理活性 (AR E 活性化作用または Zおよび細胞死抑制作用) を有するものを含む。
MIF の改変体としては、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列の N端側 (例、 第 1〜5番目のアミノ酸配列など) 、 3 2番目付近 (例えば、 2 2〜4 2番目、 より好ましくは 2 7〜3 7番目、 さらに好ましくは 3 0〜3 4番目) 、 6 4番目 付近 (例えば、 5 4〜7 4番目、 より好ましくは 5 9〜6 9番目、 さらに好まし くは 6 2〜 6 6番目) 、 9 5番目付近 (例えば、 8 5〜 9 6番目、 より好ましく は 9 0〜9 6番目、 さらに好ましくは 9 3〜9 6番目) および 9 7番目付近 (例 えば、 9 7〜1 0 7番目、 より好ましくは 9 7〜1 0 2番目、 さらに好ましくは 9 7〜9 9番目) から選ばれる少なくとも一つのアミノ酸 (例えば 1〜 1 0個、 好ましくは 1〜5個、 より好ましくは 1または 2個のアミノ酸) が欠失、 付加ま たは (および) 置換された改変体などが挙げられる。 MIF と結合する物質が
MIFの N末端 (Pro) 付近に結合すること、 MIFが MIFと結合し得る物質の存 在下で AREを活性化すること、 MIFの 1位 Proは、 32位 Lys、 64位 Ile、 95 位 iyr、 97位 Asn と疎水性ボケットを形成し種々の化合物と結合することが報
告されている (Expert Opin. Ther. Targets, 7卷, 153-164頁, 2003年) こと力 ら、 配列番号.: 1で表されるアミノ酸配列の N端側、 3 2番目付近、 6 4番目付 近、 9 5番目付近および 9 7番目付近のアミノ酸は、 A R E活性化に密接に関連 していることが考えられる。 従って、 上記部分のアミノ酸のうち、 少なくとも一 つのアミノ酸が欠失、 付加または (および) 置換された M I F改変体は、 有意な
A R E活性化作用、 細胞死抑制作用を有する可能性があると考えられる。
なお、 これに限定されるわけではないが、 以下の同一群に含まれるアミノ酸残 基は一般的に相互に置換可能である。
(第 1群) ロイシン、 イソロイシン、 ノルロイシン、 バリン、 ノルパリン、 ァラ ニン、 2-アミノブタン酸、 メチォニン、 o -メチルセリン、 t-ブチルグリシン、 t_ ブチルァラニンおよびシクロへキシルァラニン
(第 2群) ァスパラギン酸、 グルタミン酸、 イソァスパラギン酸、 イソダルタミ ン酸、 2-アミノアジピン酸および 2-アミノスべリン酸
(第 3群) ァスパラギンおよびグルタミン
(第 4群) リジン、 アルギニン、 オル二チン、 2, 4-ジァミノブタン酸および
2, 3-ジァミノプロピオン酸
(第 5群) プロリン、 3-ヒ ドロキシプロリン、 および 4-ヒ ドロキシプロリン
(第 6群) セリン、 スレオニンおよびホモセリン
(第 7群) フエ二ルァラニンおよびチロシン
したがって、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列の N端側、 3 2番目付近、
6 4番目付近、 9 5番目付近および 9 7番目付近におけるアミノ酸が上記第 1群
〜第 7群に記載の置換可能なアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を有する MIF の改変体は、 本発明において好ましく用いることができる。
また、 本発明で用いることができる MIFの改変体は、 所望の薬理活性 (A R E活 性化作用または/および細胞死抑制作用) を有する限り、 配列番号: 1で表され るアミノ酸配列において、 その N端側、 3 2番目付近、 6 4番目付近、 9 5番目 付近および 9 7番目付近のアミノ酸以外を変異させることもできる。 このような
MIFの改変体としては、 例えば、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列において、 その N端側、 3 2番目付近、 6 4番目付近、 9 5番目付近および 9 7番目付近の
アミノ酸以外の配列部分において、 1〜複数個 (例えば、 1〜1 0個、 好ましく は 1〜数個 (例えば、 1〜6個) 、 さらに好ましくは 1又は 2個) のアミノ酸が 欠失、 置換、 付加及び Z又は挿入したアミノ酸配列を有するタンパグ質が挙げら れる。
さらに、 MIFの改変体としては、 MIFと特異的に結合する物質 (例、 1, 3-ベンゾ チアジノン誘導体、 抗 MIF抗体など) 力 ¾IFと結合している状態の MIFなども含まれ る。
MIF およびその改変体は、 市販品を購入してもよく、 あるいは自体公知の方 法またはそれに準じた方法により製造できる。 例えば、 本発明で用いられる MIF またはその改変体は、 公知の遺伝子工学的手法 (例えば、 後述の実施例、 参考例、 実験例などの記载を参照) 、 公知のタンパク質 ·ペプチド合成法などを 用いて製造することができる。 公知のタンパク質 'ペプチドの合成法は、 例えば、 固相合成法、 液相合成法などを含む ( (i) M. Bodanszky および M.A. Ondetti、 へノチ卜 · ンノセンス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966 年) ; (ii) Schroeder および Luebke、 ザ ·ぺプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年); (iii) 泉屋信夫他、 ぺプチド合成の基礎 と実験、 丸善 (株) (1975年) ; (iv) 矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講 座 1、 タンパク質の化学 IV、 205、 (1977 年); (v) 矢島治明監修、 続医薬品 の開発、 第 14卷、 ペプチド合成、 広川書店、 など参照) 。
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 '蒸留 ·カラムクロマトグ ラフィー ·液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明のタンパ ク質 ·ぺプチドを精製単離することができる。 上記方法で得られるタンパク質 · ぺプチドが遊離体である場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法によって 適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で得られた場合は、 公知の方法ある いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。 な お、 MIF およびその改変体は、 A R E活性化作用または Zおよび細胞死抑制作 用を有している限り、 公知の方法により、 糖鎖修飾、 リン酸化、 カルボニル化、 ュビキチン化、 ァセチル化、 メチル化、 脂質修飾等されていてもよい。
2 · MIF又はその改変体と MIFに結合する能力を有する物質とを組み合わせて なる ARE活性化剤
本発明は、 MIF又はその改変体と MIFに結合する能力を有する物質 (以下、 結合物質ともいう。 ) とを組み合わせてなる ARE活性化剤をも包含する。
MIF又はその改変体としては、 上述の MIF又はその改変体を用いることがで きる。 MIF又はその改変体と結合物質とを組み合わせてなる ARE活性化剤にお いては、 配列番号: 1または 7で表される MIF又はその改変体の 1番目のアミ ノ酸が P r oであることが好ましく、 さらに、 配列番号 1または 7で表される MIF 又はその改変体の N末端のアミノ酸が P r oであることが好ましい。 MIF又はその改変体と MIFに結合する能力を有する物質とを組み合わせてなる とは、 MIF又はその改変体と MIFに結合する能力を有する物質とが、 共有結合 している場合のほ力、 疎水的、 電気的、 イオン的に相互に影響する状態で結合し ていることをも意味する。
(MIF又はその改変体に結合または活性化する能力を有する物質)
MIF又はその改変体に結合する能力を有する物質としては、 MIF又はその改 変体に結合する能力を有する物質であればいずれでもよく、 MIF 又はその改変 体の機能を調節する物質であってもよい。 例えば、 MIF を活性化する能力を有 する物質などが挙げられる。
MIF に結合する能力を有する物質としては、 例えば、 置換基を有していても よい 5〜 8員の環状化合物であって環を構成する原子に少なくとも一つの炭素原 子を含む化合物、 各々が 5〜 8員である置換基を有していてもよい 2環性化合物 であって環を構成する原子に少なくとも一つの炭素原子を含む化合物などが挙げ られる。 ここで、 置換基としては、 1,3-ベンゾチアジノン誘導体の式中 R 1又は R 2における置換基と同様のものが挙げられる。
MIF に結合する能力を有する物質としては、 例えば、 (a) MIF に対する抗 体、 (b) 1,3-ベンゾチアジノン誘導体などが挙げられる。
結合物質としては、 1,3-ベンゾチアジノン誘導体である場合が好ましい。 また、 結合物質が 1,3-ベンゾチアジノン誘導体である場合には、 上述のように配列番 号: 1または 7で表される MIF又はその改変体の 1番目のアミノ酸が P r oで
あることが好ましく、 さらに、 配列番号 1または 7で表される MIF又はその改 変体の N末端のアミノ酸が P r oであることが好ましい。
MIF を活性化する能力を有する物質としては、 例えば、 (b) 1,3-ベンゾチア ジノン誘導体などが挙げられる。
MIF に対する抗体としては、 MIF に特異的に反応するものであればよく、 ポ リクローナル抗体、 モノクローナル抗体、 好ましくはモノクローナル抗体が挙げ られる。 該抗体は、 MIF を抗原として用い、 公知の抗体または抗血清の製造法 に従って製造することができる。
(1,3-ベンゾチアジノン誘導体)
〔式中、 R i は水素原子、 ハロゲン原子、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ハロゲン化され ていてもよいアルキル、 置換基を有していてもよいアルコキシ、 ァシルまたは置 換基を有していてもよいァミノ、
R 2 は置換基を有していてもよい炭化水素基、 置換基を有していてもよい芳香族 複素環基または置換基を有していてもよいァミノ、
nは 1または 2を示す〕 で表される化合物またはその塩、 WO 03/20719 号公報、 WO 03/90782 号公報、 WO2006-132438 号公報などに記載されている化合物な どが挙げられる。
上記式中、 R 1 は水素原子、 ハロゲン原子、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ハロゲン化 されていてもよいアルキル、 置換基を有していてもよいアルコキシ、 ァシルまた は置換基を有していてもよいアミノを示す。
R 1 で示される 「ハロゲン原子」 としては、 例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ョ ゥ素などが挙げられる。
R 1 で示される 「ハロゲン化されていてもよいアルキル」 としては、 例えば 1 ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよいアルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ィ
ソプロピル、 ブチノレ、 イソブチル、 sec-ブチノレ、 tert-ブチノレ、 ペンチル、 へキシ ルなどの ― 6 アルキルなど) などが挙げられる。 具体例としては、 メチル、 クロロメチノレ、 ジフノレオロメチノレ、 トリクロロメチノレ、 トリフノレオロメチノレ、 ェ チノレ、 2—ブロモェチノレ、 2, 2, 2—トリフノレオロェチノレ、 ペンタフノレォロェ チノレ、 プロピノレ、 3, 3, 3—トリフルォロプロピル、 イソプロピル、 ブチル、 4, 4, 4一トリフルォロブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert-ブチノレ、 ペン チル、 イソペンチル、 ネオペンチル、 5, 5, 5— トリフルォロペンチル、 へキ シル、 6, 6, 6—トリフルォ口へキシルなどが挙げられる。 , R1 で示される 「置換基を有していてもよいアルコキシ」 の 「アルコキシ」 と しては、 例えば、 メ トキシ、 エトキシ、 プロポキシ、 イソプロポキシ、 ブトキシ、 イソブトキシ、 sec-ブトキシ、 ペンチルォキシ、 へキシルォキシなどの _ 8 アルコキシなどが挙げられる。
R1 で示される 「置換基を有していてもよいアルコキシ」 の 「置換基」 として は、 後述の R3 で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 の 「置換 基」 などが、 1ないし 3個置換可能な位置に用いられる。
R1 で示される 「ァシル」 としては、 例えば、 式: 一(C = 0)— R3 、 一(C =0)— OR3 、 一(C = 0)— NR3 R4 、 一(C = S)— NHR3 、 一 SO— R5 、 — S02 -R5 または _S02 -NHR3 〔式中、 R3 は水素原子、 置換基を 有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基、 R4 は 水素原子または Ci _ 6 アルキル、 R5 は置換基を有していてもよい炭化水素基 または置換基を有していてもよい複素環基を示す〕 で表されるァシルなどが挙げ られる。
前記式中、 R3 で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 の 「炭化 水素基」 としては、 例えば、 鎖状または環状炭化水素基 (例、 アルキル、 ァルケ ニル、 アルキニル、 シクロアルキル、 ァリール、 ァラルキルなど) などが挙げら れる。 このうち、 炭素数 1ないし 16個の鎖状または環状炭化水素基などが好ま しい。
「アルキル」 としては、 '例えば Ci ― 6 アルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロ ピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert-ブチル、 ペンチル、
へキシルなど) などが好ましい。
「ァルケニル」 としては、 例えば C 2― 6 アルケニル (例、 ビニル、 ァリル、 イソプロぺニル、 1一ブテニノレ、 2—ブテニノレ、 3—ブテニノレ、 2—メチルー 2 —プロぺニノレ、 1 ーメチノレー 2—プロぺニノレ、 2—メチノレー 1 一プロぺニノレな ど) などが好ましい。
「アルキニル」 としては、 例えば C 2 _ 6 アルキニル (例、 ェチェル、 プロ パルギル、 1ーブチニル、 2—ブチュル、 3—ブチニノレ、 1—へキシニルなど) などが好ましい。
「シクロアルキル」 としては、 例えば C 3 _ 6 シクロアルキル (例、 シクロプ ロピノレ、 シクロプチノレ、 シクロペンチノレ、 シクロへキシノレなど) などが好ましい。
「ァリール」 としては、 例えば C 6 ― ! 4 ァリール (例、 フエニル、 1一ナフ チル、 2—ナフチノレ、 2—ビフエ-リル、 3—ビフエニリノレ、 4—ビフエニリノレ、 2—アンスリルなど) などが好ましい。
「ァラルキル」 としては、 例えば C 7 ― 1 6 ァラルキル (例、 ベンジル、 フエ ネチル、 ジフエニノレメチル、 1一ナフチルメチル、 2—ナフチルメチル、 2, 2 —ジフエニノレエチノレ、 3—フエ-ノレプロピノレ、 4—フエニノレブチノレ、 5—フエ- ルペンチルなど) などが好ましい。
R 3 で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 の 「置換基」 として は、 例えばハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) 、 C i _ 3 ァ ルキレンジォキシ (例、 メチレンジォキシ、 エチレンジォキシなど) 、 ニトロ、 シァノ、 ハロゲン化されていてもよい C i ― 6 アルキル、 ハロゲン化されていて もよい C 2 _ 6 アルケニル、 カルボキシ C 2 ― 6 アルケニル (例、 2—カルボキシ ェテュル、 2—カルボキシ一 2—メチルェテニルなど) 、 ハロゲン化されていて もよい C 2― 6 アルキニル、 ノヽロゲン化されていてもよい C 3 _ 6 シクロアルキル、 C 6 _ ! 4 ァリール (例、 フエニル、 1—ナフチル、 2—ナフチル、 2—ビフエ 二リル、 3—ビフエ二リル、 4ービフエ二リル、 2—アンスリルなど) 、 ハロゲ ン化されていてもよい C _ 8 アルコキシ、 C i ― 6 アルコキシ—カルボニル— C
1 ― 6 アルコキシ (例、 エトキシカルボニルメチルォキシなど) 、 ヒ ドロキシ、
C 6 _ ! 4 ァリールォキシ (例、 フエニルォキシ、 1—ナフチルォキシ、 2—ナ
フチルォキシなど) 、 C 7 — 6 ァラルキルォキシ (例、 ベンジルォキシ、 フエ ネチルォキシなど) 、 メルカプト、 ハロゲン化されていてもよい C ― 6 アルキ ルチオ、 C 6 — 4 ァリールチオ (例、 フエ二ルチオ、 1—ナフチルチオ、 2— ナフチルチオなど) 、 C 7 — i 6 ァラルキルチオ (例、 ベンジルチオ、 フエネチ ルチオなど) 、 ァミノ、 モノー C i — 6 アルキルァミノ (例、 メチルァミノ、 ェ チルァミノなど) 、 モノー C 6 4 ァリールァミノ (例、 フエニルァミノ、 1
—ナフチルァミノ、 2—ナフチルァミノなど) 、 ジー _ 6 アルキルアミノ
(例、 ジメチルァミノ、 ジェチルァミノ、 ェチルメチルァミノなど) 、 ジー C 6 - 1 4 ァリールァミノ (例、 ジフエニルァミノなど) ゝ ホルミル、 カルボキシ、 C 1 _ 6 アルキル—カルボニル (例、 ァセチル、 プロピオニルなど) 、 C 3 6 シ クロアノレキノレーカノレボニノレ (例、 シクロプロピルカノレボニル、 シクロペンチノレ力 ルポニル、 シクロへキシルカルボニルなど) 、 C i _ 6 アルコキシ—カルボニル
(例、 メ トキシカルボニル、 エトキシカノレボニル、 プロポキシカルボ二ノレ、 tert- ブトキシカルボニルなど) 、 C 6 4 ァリール—カルボニル (例、 ベンゾィル、 1 ナフトイル、 2 ナフトイルなど) 、 C 7 _ 6 ァラルキル—カルボニル (例、 フエ二ルァセチル、 3—フエニルプロピオニルなど) 、 C 6 4 ァリー ルォキシ—カルボニル (例、 フエノキシカルボニルなど) 、 C 7 _ 6 ァラルキ ルォキシ一カノレボニノレ (例、 ペンジノレオキシカノレボニル、 フエネチルォキシ力ノレ ボニルなど) 、 5ないし 6員複素環カルボニル (例、 ニコチノィル、 イソニコチ ノィル、 テノィル、 フロイル、 モルホリノカルボニル、 チオモルホリノカルボ二 ノレ、 ピぺラジン一 1—ィルカルボニル、 ピロリジン一 1—ィルカルボ二ノレなど) 、 力ルバモイル、 モノ一 C i ― 6 アルキル一力ルバモイル (例、 メチルカノレバモイ ル、 エヂルカルバモイルなど) 、 ジ— C i ― 6 アルキル一力ルバモイル (例、 ジ メチルカルバモイル、 ジェチルカルバモイル、 ェチルメチルカルバモイルなど) 、 ァミノ化されていてもよい _ 6 アルキル一力ルバモイル、 C 6 — 4 ァリール 一力ルバモイノレ (例、 フエ二ルカルバモイル、 1—ナフチルカルバモイノレ、 2— ナフチルカルバモイルなど) 、 5ないし 6員複素環力ルバモイル (例、 2 —ピリ ジルカルバモイル、 3 —ピリジルカルバモイル、 4 —ピリジルカルバモイル、 2 一チェ二ルカルバモイル、 3—チェ二ルカルバモイルなど) 、 C i — 6 アルキル
スルホニル (例、 メチルスルホニル、 ェチルスルホニルなど) 、 c 6 — 4 ァリ ノレスノレホニノレ (例、 フエニノレスルホニノレ、 1—ナフチノレスノレホニノレ、 2 _ナフ チルスルホニルなど) ホルミルァミノ、 C i — 6 アルキル一カルボニルァミノ (例、 ァセチルァミノなど) 、 C 6 — 4 ァリール一カルボニルァミノ (例、 ベ ンゾィルァミノ、 ナフトイルァミノなど) 、 — 6 アルコキシ一カルボニルァ ミノ (例、 メ トキシカルボニルァミノ、 エトキシカルボニルァミノ、 プロポキシ カルボニルァミノ、 ブトキシカルボニルァミノなど) 、 — 6 アルキルスルホ ニルァミノ (例、 メチルスルホニルァミノ、 ェチルスルホ -ルァミノなど) 、 C
6 _ ! 4 ァリールスノレホニルァミノ (例、 フエニルスルホニルァミノ、 2 _ナフ チルスルホニルァミノ、 1—ナフチルスルホニルァミノなど) 、 C — 6 アルキ ル—カルボ-ルォキシ (例、 ァセトキシ、 プロピオニルォキシなど) 、 c 6 — 4 ァリール一カルボニノレオキシ (例、 ベンゾイノレオキシ、 ナフチノレカノレポニルォ キシなど) 、 C — 6 アルコキシ一カルボニノレオキシ (例、 メ トキシカルボニル ォキシ、 エトキシカルボニルォキシ、 プロポキシカルボニルォキシ、 ブトキシカ ルボニルォキシなど) 、 モノー C _ 6 アルキル—力ルバモイルォキシ (例、 メ チルカルバモイルォキシ、 ェチルカルバモイルォキシなど) 、 ジ— C _ 6 アル キル一力ルバモイルォキシ (例、 ジメチルカルバモイノレォキシ、 ジェチルカルバ モイルォキシなど) 、 C 6 — 4 ァリール—力ルバモイルォキシ (例、 フエニル 力ルバモイルォキシ、 ナフチルカルバモイルォキシなど) ニコチノィルォキシ、 置換基を有していてもよい 5ないし 7員飽和環状ァミノ、 5ないし 1 0員芳香族 複素環基 (例、 2—チェニル、 3—チェニル、 2—ピリジル、 3 —ピリジル、 4 —ピリジル、 2 _キノリル、 3—キノリル、 4一キノリル、 5—キノリル、 8— キノリル、 1—イソキノリル、 3—イソキノ リル、 4—イソキノリル、 5—イソ キノリル、 1—インドリル、 2—インドリル、 3 f ンドリル、 2—ベンゾチア ゾリル、 2 ンゾ [ b ] チェ二ノレ、 3—ベンゾ [ b ] チェ二ノレ、 2—ベンゾ
[ b ] フラエル、 3 ンゾ [ b ] フラ-ルなど) スルホなどが挙げられる。 該 「炭化水素基」 は、 例えば上記置換基を、 置換可能な位置に 1ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換基数が 2個以上の場合、 各置換 基は同一または異なっていてもよい。
前記 「ハロゲン化されていてもよい ― 6 アルキル」 としては、 例えば 1な いし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよいアルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ィ ソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert-ブチル、 ペンチル、 へキシ ルなどの _ 6 アルキルなど) などが挙げられる。 具体例としては、 メチル、 クロロメチノレ、 ジフノレオロメチノレ、 トリクロロメチノレ、 トリフノレオロメチノレ、 ェ チノレ、 2—ブロモェチノレ、 2, 2, 2—トリフノレオロェチノレ、 ペンタフノレォロェ チル、 プロピル、 3, 3 , 3—トリフルォロプロピル、 ィソプロピル、 ブチル、 4, 4, 4—トリフルォロブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert-ブチル、 ペン チル、 イソペンチル、 ネオペンチル、 5, 5, 5—トリフルォロペンチル、 へキ シル、 6, 6, 6—トリフルォ口へキシルなどが挙げられる。
前記 「ハロゲン化されていてもよい C 2 _ 6 アルケニル」 としては、 例えば 1 ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよい C 2 _ 6 アルケニル (例、 ビエル、 プロべ-ル、 イソプロぺニノレ、 2—ブテン一 1—ィノレ、 4—ペンテン一 1ーィノレ、 5—へキセ ンー 1—ィノレなど) などが挙げられる。
前記 「ハロゲン化されていてもよい C 2 ― 6 アルキニル」 としては、 例えば 1 ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよい C 2 _ 6 アルキニル (例、 2—ブチン一 1ーィ ル、 4—ペンチン一 1—ィル、 5—へキシン一 1—ィルなど) などが挙げられる。 前記 「ハロゲン化されていてもよい C 3 _ 6 シクロアルキル」 としては、 例え ば 1ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよい C 3 ― 6 シクロアルキル (例、 シクロプ 口ピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシルなど) などが挙げられ る。 具体例としては、 シクロプロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロ へキシル、 4, 4—ジクロロシクロへキシノレ、 2, 2, 3, 3—テトラフルォロ シク口ペンチル、 4—クロロシク口へキシルなどが挙げられる。
前記 「ハロゲン化されていてもよい _ 8 アルコキシ」 としては、 例えば 1 ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、
ヨウ素など) を有していてもよい C ― 8 アルコキシ (例、 メ トキシ、 エトキシ、 プロポキシ、 イソプロポキシ、 ブトキシ、 イソブトキシ、 sec-ブトキシ、 ペンチ ルォキシ、 へキシルォキシなど) などが挙げられる。 具体例としては、 例えばメ トキシ、 ジフルォロメ トキシ、 トリフルォロメ トキシ、 エトキシ、 2, 2, 2 - トリフルォロエトキシ、 プロポキシ、 イソプロポキシ、 ブトキシ、 4, 4, 4一 トリフルォロブトキシ、 イソブトキシ、 sec-ブトキシ、 ペンチルォキシ、 へキシ ルォキシなどが挙げられる。
前記 「ハロゲン化されていてもよい ― 6 アルキルチオ」 としては、 例えば 1ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭 素、 ヨウ素など) を有していてもよい C i _ 6 アルキルチオ (例、 メチルチオ、 ェチルチオ、 プロピルチオ、 イソプロピルチオ、 ブチルチオ、 sec-ブチルチオ、 tert-プチルチオなど) などが挙げられる。 具体例としては、 メチルチオ、 ジフ ルォロメチルチオ、 トリフルォロメチルチオ、 ェチルチオ、 プロピルチオ、 ィソ プロピノレチォ、 ブチノレチォ、 4, 4, 4一トリフルォロブチルチオ、 ペンチルチ ォ、 へキシルチオなどが挙げられる。
前記 「置換基を有していてもよい 5ないし 7員飽和環状アミノ」 の 「5ないし 7員飽和環状ァミノ」 としては、 例えば、 1個の窒素原子と炭素原子以外に、 窒 素原子、 硫黄原子および酸素原子から選ばれる 1または 2種、 1ないし 4個のへ テロ原子を含んでいてもよい 5ないし 7員飽和環状ァミノが挙げられ、 具体例と しては、 ピロリジン一 1—ィル、 ピペリジノ、 ピぺラジン一 1一ィル、 モルホリ ノ、 チオモルホリノ、 テトラヒ ドロアゼピン一 1—ィルなどが挙げられる。
該 「置換基を有していてもよい 5ないし 7員飽和環状ァミノ」 の 「置換基」 と しては、 例えば C ― 6 アルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピ ノレ、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert-ブチル、 ペンチル、 へキシルなど) 、 C 6 _ ! 4 ァリール (例、 フエニル、 1—ナフチル、 2 _ナフチル、 2—ビフエ 二リル、 3—ビフエユリノレ、 4—ビフエニリノレ、 2—アンスリルなど) 、 C _
6 アルキル—カルボニル (例、 ァセチル、 プロピオニルなど) 、 5ないし 1 0員 芳香族複素環基 (例、 2—チェニル、 3—チェニル、 2—ピリジル、 3—ピリジ ノレ、 4一ピリジル、 2 _キノリル、 3—キノリル、 4—キノリル、 5—キノリル、
8—キノリル、 1—イソキノリル、 3—イソキノリル、 4—イソキノリル、 5— イソキノリノレ、 1—インドリル、 2—インドリル、 3—インドリノレ、 2—ベンゾ チアゾリノレ、 2—べンゾ [ b ] チェ二ノレ、 3—ベンゾ [ b ] チェ二ノレ、 2—ベン ゾ [ b ] フラニル、 3—ベンゾ [ b ] フラニルなど) 、 ォキソなどが 1ないし 3 個挙げられる。
R 3 で示される 「置換基を有していてもよい複素環基」 の 「複素環基」 として は、 例えば、 炭素原子以外に窒素原子、 硫黄原子および酸素原子から選ばれる 1 または 2種、 1ないし 4個のへテロ原子を含む 5ないし 1 4員 (単環、 2環また は 3環式) 複素環、 好ましくは (i) 5ないし 1 4員 (好ましくは 5ないし 1 0 員) 芳香族複素環、 (ii) 5ないし 1 0員非芳香族複素環または (iii) 7ないし 1 0員複素架橋環から任意の 1個の水素原子を除いてできる 1価基などが挙げら れる。
上記 「5ないし 1 4員 (好ましくは 5ないし 1 0員) の芳香族複素環」 として は、 例えば、 チオフヱン、 ベンゾ [ b ] チォフェン、 ベンゾ [ b ] フラン、 ベン ズイミダゾーノレ、 べンズォキサゾーノレ、 ベンゾチアゾーノレ、 ベンズイソチアゾー ル、 ナフト [ 2, 3 - b ] チォフェン、 フラン、 ピロール、 イミダゾール、 ビラ ゾール、 ピリジン、 ピラジン、 ピリ ミジン、 ピリダジン、 インドール、 イソイン ドール、 1 H—インダゾール、 プリン、 4 H—キノリジン、 イソキノリン、 キノ リン、 フタラジン、 ナフチリジン、 キノキサリン、 キナゾリン、 シンノリン、 力 ルバゾール、 j3—カルボリン、 フヱナントリジン、 ァクリジン、 フエナジン、 チ ァゾール、 イソチアゾール、 フエノチアジン、 イソォキサゾール、 フラザン、 フ エノキサジンなどの芳香族複素環、 またはこれらの環 (好ましくは単環) が 1な いし複数個 (好ましくは 1または 2個) の芳香環 (例、 ベンゼン環等) と縮合し て形成された環などが挙げられる。
上記 「5ないし 1 0員非芳香族複素環」 としては、 例えば、 ピロリジン、 イミ ダゾリン、 ビラゾリジン、 ピラゾリン、 ピぺリジン、 ピぺラジン、 モルホリン、 チオモルホリン、 ジォキサゾール、 ォキサジァゾリン、 チアジアゾリン、 トリア ゾリン、 チアジアゾール、 ジチアゾールなどが挙げられる。
上記 「7ないし 1 0員複素架橋環」 としては、 例えば、 キヌクリジン、 7—ァ
ザビシクロ [ 2 . 2 . 1 ] ヘプタンなどが挙げられる。
該 「複素環基」 として好ましくは、 炭素原子以外に窒素原子、 硫黄原子おょぴ 酸素原子から選ばれる 1または 2種、 好ましくは、 1ないし 4個のへテロ原子を 含む 5ないし 1 4員 (好ましぐは 5ないし 1 0員) の (単環または 2環式) 複素 環基である。 具体的には、 例えば 2—チェニル、 3—チェニル、 2—フリル、 3 —フリル、 2—ピリジル、 3—ピリジル、 4—ピリジル、 2—キノリル、 3—キ ノリル、 4一キノリル、 5—キノリル、 8—キノリル、 1—イソキノリル、 3— イソキノリル、 4—イソキノリル、 5—イソキノリル、 ピラジュル、 2—ピリ ミ ジニル、 4—ピリ ミジニル、 3—ピロリル、 2—イミダゾリル、 3—ピリダジニ ル、 3—イソチアゾリル、 3—イソォキサゾリル、 1—インドリル、 2—インド リル、 3—インドリル、 2—ベンゾチアゾリル、 2—ベンゾ [ b ] チェニル、 3 —ベンゾ [ b ] チェ二ノレ、 2—べンゾ [ b ] フラ-ノレ、 3—ベンゾ [ b ] フラニ ルなどの芳香族複素環基、 例えば 1—ピロリジニル、 2 _ピロリジニル、 3—ピ 口リジニル、 2—イミダゾリニル、 4一イミダゾリニル、 2—ビラゾリジニル、 3—ビラゾリジニル、 4一ビラゾリジニル、 ピペリジノ、 2—ピぺリジル、 3— ピぺリジル、 4 -ピぺリジル、 1―ピペラジニル、 2 -ピペラジニル、 モルホリ ノ、 チオモルホリノなどの非芳香族複素環基などである。
このうち、 例えば炭素原子以外に窒素原子、 硫黄原子および酸素原子から選ば れる 1ないし 3個のへテ口原子を含む 5ないし 6員の複素環基等がさらに好まし レ、。 具体的には、 2 _チェニル、 3—チェニル、 2—ピリジル、 3—ピリジル、 4一ピリジル、 2—フリル、 3—フリル、 ピラジニル、 2—ピリ ミジニル、 3— ピロリル、 3—ピリダジニル、 3 Tソチアゾリル、 3—^ f ソォキサゾリル、 1 —ピロリジニル、 2 _ピロリジニル、 3—ピロリジ -ル、 2—イミダゾリニル、 4—イミダゾリニル、 2—ビラゾリジニル、 3—ビラゾリジニル、 4一ビラゾリ ジニル、 ピペリジノ、 2—ピぺリジル、 3—ピペリジル、 4—ピペリジル、 1― ピペラジニル、 2 -ピペラジニル、 モルホリノ、 チオモルホリノなどが挙げられ る。
該 「置換基を有していてもよい複素環基」 の 「置換基」 としては、 例えば前記
R 3 で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 の.「置換基」 と同様の
ものなどが挙げられる。
該 「複素環基」 は、 例えば上記置換基を、 置換可能な位置に 1ないし 5個、 好 ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換基数が 2個以上の場合、 各置換基 は同一または異なっていてもよい。
R 4 で示される 「C i ― 6 アルキル」 としては、 例えば、 メチル、 ェチル、 プ 口ピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 se< ブチル、 tert-ブチル、 ペンチ ル、 へキシルなどが挙げられる。
R 5 で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 および 「置換基を有 していてもよい複素環基」 としては、 例えば前記 R 3 で示される 「置換基を有し ていてもよい炭化水素基」 および 「置換基を有していてもよい複素澴基」 がそれ ぞれ挙げられる。
R 1 で示される 「置換基を有していてもよいァミノ」 の 「置換基」 としては、 前記の R 3 で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 の 「置換基」 な どが、 1ないし 2個挙げられる。
R 1 の具体例としては、 (1) 水素原子、 (2) ハロゲン原子、 (3) ヒ ドロキ シ、 (4) ハロゲン化されていてもよい C i ― 6 アルキル、 (5) カルボキシ、 ヒ ドロキシ、 〇ェ — 6 アルコキシ一カルボニルおよび C 6 _ J 。 ァリールから選ば れる置換基を有していてもよい C i ― 6 アルコキシ、 (6) C x 一 6 アルキル一 力ルバモイル、 (7) C 3 — 6 シクロアルキル一力ルバモイル、 (8) 5または 6 員飽和環状ァミノ—カルボニルなどが挙げられる。
R 1 として好ましくは、 水素原子、 ハロゲン原子、 ハロゲン化されていてもよ いアルキル (好ましくは C i _ 6 アルキル) またはハロゲン化されていてもよい アルコキシ (好ましくは 0ェ _ 6 アルコキシ) などが挙げられる。 特に好ましく は水素原子である。
R 2 で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 および 「置換基を有 していてもよい複素環基」 としては、 例えば前記 R 3 で示される 「置換基を有し ていてもよい炭化水素基」 および 「置換基を有していてもよい複素環基」 がそれ ぞれ挙げられる。
R 2 で示される 「置換基を有していてもよいァミノ」 としては、 前記の R 1 で
示される 「置換基を有していてもよいァミノ」 が挙げられる。
R2 として好ましくは、 (1) ハロゲン原子、
(2) (i) ハロゲン原子、 (ii) ヒ ドロキシ、 (iii) カルボキシ、 (iv) シァノ、 (V) カルボキシ— _ 6 アルコキシ、 (vi) C1 _ 6 アルコキシ—C ― 6 ァ ルコキシ、 (vii) C _ 6 ァノレコキシ一カノレボニルー C _ 6 アルコキシ、 (viii) Cx ― 6 アルキル一カルボニルォキシ、 (ix) C1 _ 6 ァノレコキシ一力 ルボニル、 (X) (a) カルボキシを有していてもよいモノ一またはジ一 — 6 アルキ^ (b) Cx _ 6 アルキルスルホニルおよび (c) C6 ァリールス ルホニルから選ばれる 1または 2個の置換基を有していてもよい力ルバモイル、 (xi) カルボキシを有していてもよい 5または 6員飽和環状アミノーカルボニル、
(Xii) C1 _ 6 アルコキシ一カルボニルを有していてもよい ― 6 アルキルチ ォ、 (xiii) C1 _ 6 アルコキシ—カルボニルを有していてもよい C ― 6 アル キノレスノレフイエノレ、 (xiv) C 6 ァノレコキシ一力ノレボニノレを有していてもよ レヽ C _ 6 アルキルスルホニル、 (XV) C7_ ! 2 ァラルキノレチォ、 (xvi) C7 _ ! 2 ァラルキルスルフィニル、 (xvii) C7_ ! 2 ァラルキルスルホニル、 (xviii) 5または 6員芳香族複素環 チォ、 (xix) (a) — 6 アルキル、 (b) 6 アルコキシ一カルボニル、 (c) ハロゲン化されていてもよい C ― 6 アルキル—カルボニル、 (d) C6 。 ァリール—カルボニル、 (e) チェ 二ルカルボニル、 (f) Ca _ 6 アルキルチオ一 Ci _ 6 アルキル一カルボ二ノレ、 (g) モノ—またはジー Ci _ 6 アルキル—力ルバモイル、 (h) C1 _ 6 アルキ ルスルホニル、 (i) C6 _ J 0 ァリールスルホニル、 (j) ジ一 ― 6 アルキ ルホスホノ、 (k) ジー Cj ― 6 アルキルチオホスホノおよび (1) c 6 i 。 ァ リール一力ルバモイルから選ばれる 1または 2個の置換基を有していてもよいァ ミノ、 (XX) フタルイミ ド、 (xxi) C i _ 6 アルキルスルホニルォキシ、 (xxii) 5または 6員芳香族複素環基、 (xxiii) Ci _ 6 アルキルを有していて もよいホスホノ、 (xxiv) (a) C7 _ ! 2 ァラルキル、 (b) ハロゲン化されて いてもよい C6 ― 1 。 ァリールおよび (c) ヒ ドロキシから選ばれる 1または 2 個の置換基を有していてもよい 5ないし 7員飽和環状ァミノおよび (XXV) 5な いし 7員環状アミノーカルボニルから選ばれる 1〜 5個の置換基を有していても
よい Ci ― 6 アルキル、
(3) カルボキシまたは Ci ― 6 アルコキシ一カルボニルを有していてもよい C
! _ 6 アルケニル、
(4) C, _ 6 アルコキシを有していてもよい C 6 _ J 0 ァリール、
(5) Ci _ 6 アルコキシ、 C — 6 アルコキシ—カルボニル、 フタルイミ ド、 ジー〇ェ _ 6 アルキルスルホンアミ ドおよびジー Ci _ 6 アルキルアミノメチレ ンスルホンアミ ドから選ばれる置換基を有していてもよい〇ェ ― 6 アルコキシ、
(6) C1 _ 6 アルキルチオを有していてもよい C6 ― 1 。 ァリールォキシ、
(7) C7_ ! 2ァラルキルォキシ、
(8) モノ—またはジー C — 6 アルキルァミノ、 カルボキシ、 力ルバモイルぉ よび Ci ― 6 アルコキシ—カルボニルから選ばれる置換基を有していてもよい C ! ― 6 アルキルチオ、
(9) モノーまたはジー C _ 6 アルキルァミノ、 カルボキシ、 力ルバモイルぉ よび C _ 6 アルコキシ—カルボニルを有していてもよい Ci _ 6 アルキルスル フィニル、
(10) モノーまたはジー C _ 6 アルキルァミノ、 カルボキシおよび Ci _ 6 ァ ノレコキシ一カルボニルから選ばれる置換基を有していてもよい d _ 6 アルキル スノレホニノレ、
(11) ハロゲン原子、 — 6 アルキルおよび C ― 6 アルコキシ—カルボニル から選ばれる置換基を有していてもよい C6 _ ! 。 ァリールチオ、
(12) C1 _ 6 アルキルを有していてもよい C 6 ― ! 。 ァリールスルフィエル、
(13) Cx _ 6 アルキルを有していてもよい C 6 _ 1 。 ァリールスルホニル、
(14) カルボキシ、
(15) C, _ 6 アルコキシ—カルボニル、
(16) C7_ ! 2ァラルキルチオ、
(17) C7_ ! 2 ァラノレキルスルフィエル、
(18) C7_ ! 2ァラルキルスルホニル、
(19) C, _ 6 アルキル、 C7— 2 ァラルキル、 C — 6 アルコキシ— _ 6 アルキル、 C! _ 6 アルコキシ一カルボニル、 C1 _ 6 アルコキシ—カルボニル
- C 1 _ 6 アルキル、 カルボキシ— ― 6 アルキル、 C 1 _ 6 アルキル一カル ボ -ル、 C 6 — 丄 。 ァリール一カルボ-ル、 C 3 _ 6 シクロアルキル一カルボ二 ノレ、 チェニルカルボニル、 フリルカルボニルおよびモノ一またはジ一 ― 6 ァ ノレキルアミノーカルボニルから選ばれる 1〜 2個の置換基を有していてもよいァ ミノ、
(20) (i) ハロゲン化されていてもよい C 6 ― 1 。 ァリール、 (ii) C 7 _ ! 2 ァラルキル、 (iii) ヒ ドロキシ、 (iv) C 1 _ 6 アルコキシ一カルボ-ルまたは カルボキシを有していてもよい _ 6 アルキル、 (V) ォキソ、 (vi) C 1 ― 6 アルキル—カルボニル、 (vii) C 6 _ ! 0 ァリール一カルボ二ノレおよび (viii) C 1 _ 6 アルコキシ一カルボニルから選ばれる置換基を有していてもよ い 5ないし 7員飽和環状ァミノ、
(21) (i) ハロゲン原子、 — 6 アルコキシ、 ァミノ、 C _ 6 アルコキシ 一カルボキサミ ドおよびヒ ドロキシから選ばれる置換基を有していてもよい
_ 6 アルキル、 (ii) C 7— x 2 ァラルキルおよび (iii) モノ—またはジー C 一 6 アルキルァミノ—カルボニルから選ばれる置換基を有していてもよいカルバモ ィル、
(22) 5ないし 7員環状アミノーカルボニル、
(23) C 1 _ 6 ァルキルを有してぃてもょぃ.5または6員芳香族複素環基、
(24) シァノ、
(25) C , ― 6 アルキルを有していてもよい 5ないし 1 0員芳香族複素環基ーチ ォ、
(26) C 1 _ 6 アルキルカルボニル、 および
(27) ォキソから選ばれる 1ないし 3個の置換基をそれぞれ有している芳香族 複素環 〔例、 ピリジル、 フリル、 チェニル、 ピロリル、 キノリル、 ピラジニル、 ピリミジニル、 ピリダジニル、 インドリル、 テトラヒ ドロキノリルまたはチアゾ リル (好ましくはピリジルさらに好ましくは 2—または 4—ピリジル) 〕 などが 挙げられる。 該ピリジルは、 N—ォキシド化されていてもよい。 該ピリジルの置 換基としては、 ァミノ化されていてもよい _ 6 アルキル一カルボエルが好ま レぃ。
さらに好ましくは、 R 2 は、 (1) — 6 アルコキシ一カルボニル一 一 6 ァ コキシ、 力 ボキシ一 C _ 6 ァノレコキシ、 力 ボキシ、 C — 6 ァノレコ キシ—カルボニルおよび。ェ _ 6 アルキルスルホニルォキシから選ばれる置換基 を有していてもよい C i _ 6 アルキル、 (2) カルボキシまたは _ 6 アルコ キシ一カルボニルを有していてもよい C i _ 6 アルケニル、 (3) モノ一もしく はジ一 ― 6 アルキルアミノまたは C i ― 6 アルコキシ一カルボニルを有して いてもよい ― 6 アルキルチオ、 (4) モノ—またはジ— C _ 6 アルキルァ ミノを有していてもよい C _ 6 アルキルスルフィエル、 (5) モノ一またはジ
_ 6 アルキルアミノを有していてもよい C _ 6 アルキルスルホニル、 (6) C 7 _ ! 2 ァラルキルチオ、 (7) C 7 _ 1 2 ァラルキルスルフィエル、 (8) C 7 _ 1 2 ァラルキルスルホニル、 (9) (i) ハロゲン原子、 _ 6 アル コキシおよびァミノから選ばれる置換基を有していてもよい C _ 6 アルキル、 (ii) C 7 _ ! 2 ァラルキルおよび (iii) モノ—またはジ— C i _ 6 アルキルアミ ノ—カルボエルから選ばれる置換基を有していてもよい力ルバモイルおよび (10) 5ないし 7員環状アミノーカルボニルから 1ないし 3個選ばれる置換基 をそれぞれ有しているピリジル、 フリル、 チェニル、 ピロリル、 キノリル、 ビラ ジニル、 ピリミジニル、 ピリダジニル、 インドリル、 テトラヒ ドロキノリルまた はチアゾリル (好ましくはピリジル、 さらに好ましくは 2—または 4—ピリジ ル) などが挙げられる。 該ピリジルは、 N—ォキシド化されていてもよい。 該ピ リジルの置換基としては、 ァミノ化されていてもよい C i ― 6 アルキル—カルボ エルが好ましい。
式 (I) で表される化合物の 「塩」 としては、 薬学的に許容される塩が好まし く、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩 基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 無機塩基との塩の好適な例と しては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニゥム塩な どが挙げられる。 有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールアミ ン、 トリエタノールァミン、 ジシクロへキシルァミン、 Ν,Ν'-ジベンジルェチレ
ンジァミンなどとの塩が挙げられる。 無機酸との塩の好適な例としては、 例えば 塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。 有機酸との塩 の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマール酸、 シュ ゥ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。 塩基性 アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 オル二チンな どとの塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラ ギン酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
式 (I) で表される化合物が、 コンフィギユレーショナル ァイソマー (配置 異性体) 、 ジァステレオマー、 コンフォーマーなどとして存在する場合には、 所 望により、 前記の分離、 精製手段によりそれぞれを単離することができる。 また、 式 (I) で表される化合物がラセミ体である場合には、 通常の光学分割手段によ り S体および R体に分離することができる。
式 (I) で表される化合物に立体異性体が存在する場合には、 この異性体が単 独の場合およびそれらの混合物の場合も本発明に含まれる。
式 (I) で表される化合物は、 市販品を購入してもよく、 あるいは自体公知の 方法またはそれに準じた方法により製造できる。 なお、 上記のような 1,3-ベンゾ チアジノ ン誘導体およびその製造法法の詳細については、 例えば、 WO 03/20719号公報、 WO 03/90782号公報、 WO2006-132438号公報などを参照す ることができる。
(MIFまたはその改変体の薬理作用、 治療用途など)
MIF またはその改変体は、 細胞保護因子 (例、 ヘムォキシゲナーゼ— 1
(Heme oxygenase- 1) など) の発現を誘導し、 ARE 活性化作用を有している ことより、 細胞死を抑制することができる。 さらには薬物 (例、 抗癌剤、 HMG-
CoA還元酵素阻害薬など) による副作用を軽減することもできる。 MIF または その改変体と結合物質とを組み合わせてなる ARE活性剤は、 細胞保護因子 (例、 ヘムォキシゲナーゼー 1 (Heme oxygenase- 1) など) の発現を誘導し、 ARE 活性化作用を有していることより、 細胞死を抑制することができる。 さらには薬
物 (例、 抗癌剤、 HMG-CoA還元酵素阻害薬など) による副作用を軽減するこ ともできる。
また、 MIFまたはその改変体は、 ARE活性化作用を有していることより、 細 胞保護因子 (例、 ヘムォキシゲナーゼ— 1 (Heme oxygenase- 1) など) の発現 を誘導し、 細胞死を抑制することができる。 さらには薬物 (例、 抗癌剤、 HMG- CoA還元酵素阻害薬など) による副作用を軽減することもできる。 MIF または その改変体と結合物質とを組み合わせてなる ARE 活性剤は、 ARE 活性化作用 を有していることより、 細胞保護因子 (例、 ヘムォキシゲナーゼ一 1 (Heme oxygenase- 1) など) の発現を誘導し、 細胞死を抑制することができる。 さらに は薬物 (例、 抗癌剤、 HMG-CoA還元酵素阻害薬など) による副作用を軽減す ることもできる。 これより、 (a) MIFまたはその改変体、 (b) MIFまたは その改変体と MIF に結合する能力を有する物質との組み合わせは、 安全で低毒 性な ARE活性化剤 (例、 ARE遺伝子の発現促進剤、 ARE タンパク質の発現促 進剤、 AREタンパク質の活性促進剤、 ARE制御下遺伝子 (例、 ヘムォキシゲナ ーゼ一 1 (Heme oxygenase- 1) 、 Liver glutathione S-transferase Ya sub unit ^ Liver glutathione S-transferase Yc subunit、 Glutathione S-transferase Yb sub unit 、 Glutathione S-transferase Ycl subunit 、 Gammma- glutamylcysteine synthetase 、 NAD(P)H:quinone reductase 、 UDP- glucuronosy ltransfe r ase , exon 1 、 Bilirunin-specitic UDP- glucuronosyltransferase NAD (P) H - menadione oxidereductase など) 発現促 進剤、 ARE 制御下遺伝子タンパク質 (遺伝子産物) の産生亢進 (促進) 剤また は活性促進剤など) 、 細胞死抑制剤 (例、 酸化ス トレスによる細胞死、 血清除去 による細胞死、 増殖因子の欠乏による細胞死、 HMG-CoA還元酵素阻害薬によ る細胞死、 抗癌剤による細胞死、 NO による細胞死、 アミロイド 3タンパク質に よる細胞死などの抑制剤) 、 細^保護剤などとして、 例えば循環器系疾患 〔例、 心筋症 (例、 拡張型心筋症、 肥大型閉塞性心筋症、 肥大型非閉塞性心筋症、 特発 性心筋症、 収縮性心筋症、 糖尿病性心筋症など) 、 心不全 (例、 慢性心不全、 慢 性うつ血性心不全、 急性心不全、 心代償不全、 左心不全、 右心不全、 うつ血性心 不全、 急性うつ血性心不全、 代謝性心不全心、 拡張型心不全、 高拍出性心不全、
低拍出性心不全、 難治性心不全、 筋梗塞予後不全など) 、 狭心症、 心筋梗塞、 動 脈硬化症 (動脈瘤、 冠動脈硬化症、 脳動脈硬化症、 末梢動脈硬化症など) 、 虚血 後再灌流障害など〕 、 骨 ·関節疾患 〔例、 慢性関節リウマチ、 変形性関節症、 変 形性膝関節炎など〕 、 感染症疾患 〔例、 サイ トメガルウィルス、 インフルエンザ ウィルス、 ヘルぺスウィルス等のウィルス感染症、 リケッチア感染症、 細菌感染 症など〕 、 炎症性疾患 〔例、 網膜症、 腎症、 神経障害、 大血管障害等の糖尿病性 合併症; リゥマチ様脊髄炎、 骨膜炎等の関節炎;手術 ·外傷後の炎症;腫脹の緩 解;咽頭炎;膀胱炎;肺炎;アトピー性皮膚炎;クローン病、 潰瘍性大腸炎等の 炎症性腸疾患;髄膜炎;炎症性眼疾患;肺炎、 珪肺、 肺サルコィドーシス、 肺結 核等の炎症性肺疾患など〕 、 腎疾患 〔例、 虚血性急性腎不全、 溶血性尿毒症症候 群、 急性尿細管壊死、 水腎症、 腎炎、 糸球体腎炎、 糸球体硬化症、 腎不全、 血栓 性微小血管症、 移植拒絶腎、 透析の合併症、 放射線照射による腎症を含む臓器障 害など〕 、 中枢疾患 〔例、 神経変性疾患 (例、 アルツハイマー病、 パーキンソン 病、 ハンチントン病、 ポリグルタミン病、 筋萎縮性側索硬化症、 エイズ脳症な ど) 、 中枢神経障害 (脳出血および脳梗塞等の障害およびその後遺症 ·合併症、 頭部外傷、 脊椎損傷、 脳浮腫、 知覚機能障害、 知覚機能異常、 自律神経機能障害、 自律神経機能異常、 多発性硬化症など) 、 痴呆症、 記憶障害、 意識障害、 健忘症、 不安症状、 緊張症状、 不快精神状態、 末梢神経障害など〕 、 癌 〔例、 大腸癌、 乳 癌、 肺癌、 前立腺癌、 食道癌、 胃癌、 肝臓癌、 胆道癌、 脾臓癌、 腎癌、 膀胱癌、 子宮癌、 精巣癌、 甲状腺癌、 脖臓癌、 脳腫瘍、 血液腫瘍など〕 、 糖尿病 〔例、 1 型糖尿病、 2型糖尿病、 合併症 (糖尿病性網膜症、 糖尿病性白内障、 糖尿病性腎 症、 糖尿病性神経症など) など〕 などの予防 ·治療剤として有用である。
3 . MIFまたはその改変体を含有する医薬 (単剤) または MIFまたはその改変 体と MIFに結合する能力を有する物質とを併用する医薬 (併用剤)
本発明においては、 MIF またはその改変体は、 これを含有する単剤として用 いることができる。 また、 MIF またはその改変体と、 MIF に結合する能力を有 する物質とを併用して用いることもできる。
以下、 MIFまたはその改変体と MIFに結合する能力を有する物質とを併用し
て使用することを 「本発明の併用剤」 と称する。
MIF またはその改変体と、 MIF に結合する能力を有する物質は、 それぞれ単 独で、 あるいは両者を、 自体公知の方法に従って、 薬理学的に許容される担体と 混合して医薬組成物、 例えば錠剤 (糖衣錠、 フィルムコーティング錠を含む) 、 散剤、 顆粒剤、 カプセル剤、 (ソフトカプセルを含む) 、 液剤、 注射剤、 坐剤、 徐放剤等として、 経口的または非経口的 (例、 局所、 直腸、 静脈投与等) に哺乳 動物 (例、 ヒ ト、 サル等) 安全に投与することができる。 注射剤は、 静脈内、 筋 肉内、 皮下または臓器内投与または直接病巣に投与することができる。
上記薬学的に許容される担体としては、 製剤素材として慣用の各種有機あるい は無機担体物質が用いられ、 賦形剤、 滑沢剤、 結合剤、 崩壊剤、 溶剤、 溶解補助 剤、 懸濁化剤、 等張化剤、 緩衝剤、 無痛化剤などとして配合される。 また必要に 応じて、 通常の防腐剤、 抗酸化剤、 着色剤、 甘味剤、 吸着剤、 湿潤剤等の添加物 を適宜、 適量用いることもできる。
MIFまたはその改変体、 および MIFに結合する能力を有する物質の上記製剤 中の含有量は、 剤全体の約 0.01ないし 100重量%である。
本発明の併用剤の使用に際しては、 MIFまたはその改変体と MIFに結合する 能力を有する物質の投与時期は限定されず、 MIF またはその改変体またはその 医薬組成物と MIF に結合する能力を有する物質またはその医薬組成物とを、 投 与対象に対し、 同時に投与してもよいし、 時間差をおいて投与してもよい。 本発 明の併用剤の投与量は、 臨床上用いられている投与量に準ずればよく、 投与対象、 投与ルート、 疾患、 組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、 特に限定されず、 投与時に、 MIF またはその 改変体と MIF に結合する能力を有する物質とが組み合わされていればよい。 こ のような投与形態としては、 例えば、 (1) MIF またはその改変体と MIF に結 合する能力を有する物質とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2) MIF またはその改変体と MIF に結合する能力を有する物質とを別々に製 剤化して得られる 2種の製剤の投与の製剤の同一投与経路での同時投与、 (3)
MIFまたはその改変体と MIFに結合する能力を有する物質とを別々に製剤化し て得られる 2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、 (4) MIFま
たはその改変体と MIF に結合する能力を有する物質とを別々に製剤化して得ら れる 2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、 (5) MIFまたはその改変体と MIF に結合する能力を有する物質とを別々に製剤化して得られる 2種の製剤の 異なる投与経路での時間差をおいての投与などが挙げられる。
本発明の併用剤における MIF またはその改変体と MIF に結合する能力を有 する物質との配合比または使用比は、 投与対象、 投与ルート、 疾患等により適宜 選択することができる。
例えば、 本発明の併用剤における MIF またはその改変体の含有量は、 製剤の 形態によって相違するが、 通常製剤全体に対して約 0.01〜: 100 重量%、 好まし くは約 0.:!〜 50重量%、 さらに好ましくは約 0.5〜20重量%である。
本発明の併用剤における MIF に結合する能力を有する物質の含有量は、 製剤 の形態によって相違するが、 通常製剤全体に対して約 0.01〜: 100 重量%、 好ま しくは約 0.1〜50重量%、 さらに好ましくは約 0.5〜20重量%である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、 製剤の形態によって相違 するが、 通常製剤全体に対して約 1〜99.99 重量%、 好ましくは約 10〜90 重 量%である。
また、 MIFまたはその改変体および MIFに結合する能力を有する物質をそれ ぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
MIF またはその改変体、 および本発明の併用剤の投与量は、 症状の程度;投 与対象の年齢、 性別、 体重;投与の時期、 間隔、 医薬製剤の性質、 調剤、 種類; 有効成分の種類などによって異なり、 特に限定されないが、 炎症性腸疾患の治療 に用いる場合は、 通常、 成人に対して一日につき、 活性成分として約 10 μ 〜 100mg/kg体重、 好ましくは 100 ;u g〜50mg/kg体重である。 通常 1 日 1〜4回 に分けて投与する。
なお、 ここでは、 併用剤についての有効成分の製剤化、 投与方法などについて 述べたが、 これらの記載は、 MIF またはその改変体を含有する A R E活性化剤 を単剤として使用する場合にも適用し得る。
さらに、 本発明の ARE活性化剤および細胞死抑制剤は、 HMG-CoA還元酵素 阻害薬 (例、 シンパス タチン ( Simvastatin ) 、 ア ト ロノくス タチン
(Atorvastatin) など) 、 フイブラート系高脂血症薬 (例、 ゲムフイブロジル (Gemfibrozil) など) 、 抗癌剤 (例、 ィホスフアミ ド (Ifosfamide) 、 UFT、 アドリアマイシン (Adriamycin) 、 ドキソノレビシン (Doxorubicin) 、 ぺプロ マイシン (Peplomycin) 、 シスプラチン (Cisplatin) 、 シクロフォスフアミ ド (Cyclophosphamide) 、 5-FU、 メ トレキセート (Methotrexate) ヽ マイ トマ イシン C (Mitomycin C) 、 マイ トキサントロン (Mitoxantrone) など) など と併用して用いてもよく、 これにより HMG-CoA還元酵素阻害薬、 フィブラー ト系高脂血症薬、 抗癌剤などの、 正常細胞に障害を及ぼす副作用が軽減される。 本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature ίこよる略^"あるレヽ ίま 当該分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミノ 酸に関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとす る。
DNA :デォキシリボ核酸
c DNA :相補的デォキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G : グァニン
C : シトシン
RNA : リボ核酸
mRNA : メッセンジャーリボ核酸
d ATP :デォキシアデノシン三リン酸
dTTP :デォキシチミジン三リン酸
dGTP :デォキシグアノシン三リン酸
d CTP : デォキシシチジン三リン酸
ATP : アデノシン三リン酸
EDTA : エチレンジァミン四酢酸
SD S : ドデシル硫酸ナトリウム
NO :一酸化窒素
また、 本明細書中で繁用される置換基、 保護基および試薬を下記の記号で表記 する。
Me :メチル基
E t :ェチノレ基
B u :ブチル基
P h : フエニル基
TC : チアゾリジン一 4 (R) 一カルボキサミ ド基
To s : p— トルエンスルフォニル
CHO : ホルミル
B z 1 :ベンジル
Cl2 -Bzl : 2, 6—ジクロ口べンジル
B om :ペンジノレオキシメチノレ
Z :ペンジノレオキシカルボ二ノレ
C 1 - Z : 2—クロ口ペンジノレオキシカノレボニノレ
B r— Z : 2—ブロモペンジノレオキシカノレボニノレ
B o c : t—ブトキシカノレボニノレ
DNP :ジニトロフエニル
T r t : トリチノレ
Bum : t—ブトキシメチノレ
Fm o c : N— 9—フルォレニルメ トキシカルボニル
HOB t : 1—ヒ ドロキシベンズトリアゾール
HOOB t : 3,4—ジヒ ドロ一 3—ヒ ドロキシ一 4—ォキソ一
1,2,3 _ベンゾトリァジン
HONB : 1-ヒ ドロキシ -5-ノルボルネン -2,3-ジカルボキシィミ ド
DCC : N, N,一ジシクロへキシルカルボジイミ ド 本願明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1〕
ヒ ト MIFのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 2〕
参考例 1で使用した抗ーセンス鎖の塩基配列を示す。
〔配列番号: 3〕
参考例 1で使用したセンス鎖の塩基配列を示す。
ほ S列番号: 4〕
参考例 1で使用した抗ーセンス鎖の塩基配列を示す。
〔配列番号: 5〕
参考例 1で使用したセンス鎖の塩基配列を示す。
ほ己列番号: 6〕
ラット Glutathione S-transferase Ya subunit遺伝子の AREの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 7〕
ラット MIFのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 8〕
参考例 2で用いた 5'末端側に Ndel切断部位を含むラット MIFの N末端と一 致するセンス鎖の塩基配列を示す。
〔配列番号: 9〕
参考例 2で用いた 5'末端側に Sapl切断部位を含むラット MIFの C末端と一 致する抗ーセンス鎖の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 0〕
参考例 3で用いた hMIF-5'—プライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 1〕
参考例 3で用いた hMIF-3" —プライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 2〕
参考例 3で用いた N末端に付加したヒスチジンタグを含む 30アミノ酸ぺプチ ドのアミノ酸配列を示す。
Met His His His His His His Ser Ser Gly Leu Val Pro Arg Gly Ser Gly Met Lys Glu Thr Ala Ala Ala Lys Phe Glu Phe lie Met
〔配列番号: 1 3〕
実験例 4において rGST Ya の定量に用いたプライマー (TaqMan primer forward) の塩基配列を示す。
〔配列番号: 14〕
実験例 4において rGST Ya の定量に用いたプライマー (TaqMan primer reverse) の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 5〕
実験例 4において rGST Yaの定量に用いたプローブ (TaqMan probe) の塩基配 列を示す。
〔配列番号: 16〕
実験例 4において rGAPD の定量に用いたプライマー (TaqMan primer forward) の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 7〕
実験例 4において rGAPDの定量に用いたプライマー (TaqMan primer reverse) の塩基配列を示す。
〔配列番号: 18〕
実験例 4において rGAPDの定量に用いたプローブ (TaqMan probe) の塩基配 列を示す。
〔配列番号: 1 9〕
実験例 4において rHO- 1の定量に用いたプライマー (TaqMan primer forward) の塩基配列を示す。
〔配列番号: 20〕
実験例 4において ΓΗΟ-Iの定量に用いたプライマー (TaqMan primer reverse) の塩基配列を示す。
〔配列番号: 21〕
実験例 4において rHO-1の定量に用いたプローブ (TaqMan probe) の塩基配列 を示す。 実 施 例
以下に、 参考例、 実験例を示し、 本発明をより詳細に説明するが、 これらは本
発明の範囲を限定するものではない。
参考例 1
ヒ ト MIFタンパク質およびその N末端改変体の調製
( 1 ) ヒト MIFタンパク質およびその N末端改変体の発現ベクターの構築 ヒ ト相補的 DNA (cDNA) ライブラリー (GIBCO BRL社) より、 5' 末端側 に Ndel切断部位を含むヒ ト MIF の N末端と一致するセンス鎖 (配列番号: 5 ) と 5' 末端側に Sapl切断部位を含むヒ ト MIFの C末端と一致する抗―セ ンス鎖 (配列番号: 2 ) を使用して、 MIF をコードする領域をポリメラーゼ連 鎖反応 (PCR) 法により増幅した。 増幅した MIFcDNAは、 Ndel と Saplで切 断後、 pCYBl (IMPACT I: One-Srep Protein Purification System、 New England BioLabs社) の Ndelと Sapl部位の間に挿入して pCYBl-hMIFを得 た。 次に、 pCYBl-hMIFを Bgllで切断後、 切断面を平滑末端化し、 これをさら に Ndelで切断してヒ ト MIF とインティンーキチンバインディングドメインの 融合タンパク質をコードする DNA断片を回収した。 次に、 回収した DNA断片 を T7プロモータ発現プラスミ ド pET32b(+)(Novagen社)の Ndel と EcoRV部 位の間に挿入して、 ヒ ト MIF—インティン一キチンバインディングドメイン融 合タンパク質発現プラスミ ド pET32b-hMIF-Int-CBD を得た。 得られた発現プ ラスミ ド内の MIFcDNA配列は、 DNAシーケンス ·システム (アプライド ·バ ィォシステム社) を用いて確認した。
ヒト MIFの N末端のプロリン (Pro 1)をセリンに置換した変異 MIFタンパク 質 (hMIF-PlS)の発現プラスミ ドは、 センス鎖 (配列番号: 3 ) と抗ーセンス鎖 (配列番号: 4 ) を使用し、 QuickChange Site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene社)を用いて pET32b-hMIF-Int-CBDの Prolをコードする DNA配 列 (CCG)をセリンをコードする配列 (TCG)に置換することで作製した。 得られた 発現プラスミ ド内の MIFcDNA配列は、 DNAシーケンス ·システム (アプライ ド 'バイオシステム社) を用いて確認した。
( 2 ) ヒト MIFタンパク質の調製
PET32b-hMIF-Int-CBD を大腸菌 BL21(DE3)(Novagen)に形質転換した後、 アンピシリンを添加した LB培地 (1 Q/oトリプトン、 0.5 %ィーストイクストラ
ク ト、 0.5 % NaCl) (LBamp培地)に植菌し、 37°Cでー晚振とう培養した。 これ を LBamp培地に 1 %となるように移し、 37°Cで約 2.5時間振とう培養した後、 0.4 mM のイソプロピル- 1-チォ - i3 -D-ガラク トピラノシド (IPTG) を添加して 15 °Cでさらに約 24時間培養してヒ ト MIF—^ Γンティン一キチンバインディン グドメイン融合タンパク質の発現を誘導した。 培養終了後、 大腸菌を回収し 1/10量の 0.1 。/。トライ トン X-100を含むカラムバッファー (20 mM Tris-HCl; pH8.0, 500 mM NaCl, 0.1 mM EDTA) に懸濁して超音波破砕した。 この菌体破 砕液を 4 °C、 12000rpinで 30分間遠心分離してその上清を回収した。 回収した 上清は 0.1 %トライ トン X-100を含むカラムバッファーで平衡化したキチンビー ズカラム (New England BioLabs社) を通過させて、 ヒ ト MIF—インティン一 キチンバインディングドメイン融合タンパク質を力ラムに結合させた後、 カラム サイズの 10倍容量の 0.1 %トライ トン X-100を含むカラムバッファーとカラム サイズの 10倍容量のカラムバッファーで洗浄して非特異的に結合したタンパク 質および随伴する物質を除去した。 次にカラム内のバッファーを 50 mMのジチ オスレィ トールを含むカラムバッファーと置換して 4 °Cでー晚放置することで、 ィンティンのタンパク質スプライシング活性を利用して融合タンパク質より MIFタンパク質を切り出した。 切り出した MIFタンパク質はカラムバッファー で溶出した後、 20 mMの燐酸ナトリウム緩衝液で透析した。 変異 MIFタンパク 質 OiMIF-PlS)も同様の方法で調製した。 参考例 2
ラット MIFタンパク質の調製
( 1 ) ラット MIFタンパク質発現ベクターの構築
T7プロモータ発現プラスミ ド pET32b(+)(Novagen社)を Saplと Tthlllで切 断後、 切断面を平滑末端化して再び環状化することで、 pET32b(+)より Sapl切 断部位を除去した pET32b-l を得た。 次に、 pCYBl (IMPACT I: One-Srep
Protein Purification System, New England BioLabs社) を Ndelと Bgllで切 断して、 マルチクローニング部位とインティンーキチンバインディングドメイン 融合蛋白質をコードする領域の DNA断片を回収し、 この Bgll切断部位を平滑
末端化した後、 pET32b-l の Ndel と EcoRV部位の間に挿入して pET32b-Int- CBDを得た。
次にラットの相補的 DNA(cDNA)ライブラリ一 (GIBCO BRL社) より MIF をコードする領域をポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) 法により増幅した。 ラット MIFの cDNA増幅には 5'末端側に Ndel切断部位を含むラット MIFの N末端 と一致するセンス鎖;配列番号: 8 )と 5'末端側に Sapl 切断部位を含むラット MIF の C末端と一致する抗ーセンス鎖;配列番号: 9 ) を使用した。 増幅した MIFcDNAは Ndel と Sapl で切断後、 pET32b_Int-CBD の Ndel切断部位と Sapl切断部位の間に挿入して、 ラット MIF—^ f ンティンーキチンバインディン グドメィン融合蛋白質発現プラスミ ド pET32b-rMIF-Int-CBD を得た。 得られ た発現プラスミ ド内の MIFcDNA配列は、 DNAシーケンス ·システム (ァプラ イドバイオシステムズ社) を用いて確認した。
( 2 ) ラット MiFタンパク質の調製
PET32b-rMIF-Int-CBD を大腸菌 BL21(DE3)(Novagen)に形質転換した後、 アンピシリンを添加した LB培地 (1 %トリプトン、 0.5 %ィーストイクストラ クト、 0.5 % NaCl) (LBamp培地)に植菌し、 37°Cでー晚振とう培養した。 これ を LBamp培地に 1 %となるように移し、 37°Cで約 2.5時間振とう培養した後、 0.4 mM のイソプロピル一 1—チォ一 i3—D—ガラク トピラノシド (IPTG) を 添加して 15 °Cでさらに 24 時間培養してラット MIF—^ f ンティン一キチンバイ ンデイングドメイン融合蛋白質の発現を誘導した。 培養終了後、 大腸菌を回収し 1/10量の 0.1 0 /。トライトン X-100を含むカラムバッファー (20 mM ris'HCl; pH8.0, 500 mM NaCl, 0.1 mM EDTA) に懸濁して超音波破碎した。 この菌体破 砕液を 4 °C、 12000rpmで 30分間遠心分離してその上清を回収した。 回収した 上清は 0.1 %トライ トン X-100を含むカラムバッファーで平衡化したキチンビー ズカラム (New England BioLabs社)を通過させて、 ラット MIF—ィンティンー キチンバインディングドメイン融合蛋白質をカラムに結合させた後、 カラムサイ ズの 10倍容量の 0.1 。/。トライトン X-100を含むカラムバッファーとカラムサイ ズの 10倍容量のカラムバッファーで洗浄して非特異的に結合した蛋白質および
随伴する物質を除去した。 次にカラム内のバッファーを 50 mMのジチオスレィ トールを含むカラムバッファーと置換して 4でで 16 時間以上放置することで、 インティンの蛋白質スプライシング活性を利用して融合蛋白質より MIF 蛋白質 を切り出した。 切り出した MIF 蛋白質はカラムバッファーで溶出した後、 20 mMの燐酸ナトリウム緩衝液で透析した。 ラット MIFタンパク質のアミノ酸配 列は配列番号: 7に示すとおりである。 参考例 3
N末端にヒスチジンタグを含有するぺプチドを付加したヒ ト MIF蛋白質の N末 端改変体 (His-hMIF) の調製
( 1 ) His-hMIF発現プラスミ ドの調製
参考例 1 と同様に、 ヒ ト相補的 DNA(cDNA)ライブラリーより、 hMIF-5' primer (5'-CGGAATTCATCATGCCGATGTTCATCGT-3';配列番号: 1 0 )と hMIF-3' primer (5'-GCCTCGAGTTAGGCGAAGGTGGAGTTGT-3' ; 配列番 号: 1 1 )を用いて MIFをコードする領域を PCR法により増幅した。
増幅した MIFcDNAは EcoRIと Xholで切断後、 T7プロモーター発現プラスミ ド pET32a(+)(Novagen社)の EcoRIと Xhol部位の間に挿入して pET32a/hMIF ベクターを得た。 次に pET32a/hMIFを Ndelで切断後、 再び環状化することで、 チォレドキシンをコードする配列を除去した。 このベクターを EcoRI と NspV で切断し、 切断面を平滑末端化した後、 再び環状化することで、 MIFの N末端 にヒスチジンタグを含む 30 アミノ酸のペプチド (配列番号: 1 2 ) を付加した ヒ ト MIF蛋白質の (His-hMIF)発現ベクター pET32a-His-hMIFを得た。
( 2 ) His-hMIF蛋白質の調製
PET32a-His-hMIF を大腸菌 BL21(DE3)に形質転換した後、 アンピシリンを 添加した LB 培地(1%トリプトン、 0.5%ィース トイクス トラク ト、 0.5%
NaCl)(LB amp 培地)に植菌して 37°Cでー晚培養した。 これを LBamp 培地に
1%となるように移し、 37°Cで約 2.5時間振とう培養した後、 0.4mMの IPTGを 添加して、 15°Cでさらに 5時間培養した。 培養終了後、 大腸菌を回収して 0.1%
NP-40を添加したバインディングバッファー (20mM Tris-HCl, pH7.9, 500mM
NaCl, 5mM imidazole)に懸濁して超音波破砕した。 この菌体破砕液を 4°C、 12,000 で 20分間遠心分離し、 その上清を回収して、 0.22 ιηのフィルターで ろ過した。 次に His Bind resin (Novagen)を、 カラムサイズの 5倍量のチヤ一 ジバッファー (50mM NiSO4>でチャージした後、 3 倍量のバインディングバッ ファーで平衡化し、 これに上記の細胞破砕液を通過させてカラムに His-hMIF を結合させた後、 カラムサイズの 10倍量のバインディングバッファーと 6倍量 の洗浄バッファー (20mM Tris-HCl, pH7.9, 500mM NaCl, 60mM imidazole)で 洗浄して非特異的に結合した蛋白質及び随伴する物質を除去した。 次に、 His- hMIF 蛋白質を、 6 倍量の溶出バッファー (20mM Tris-HCl, pH7.9, 500mM NaCl, 1M imidazole)で溶出した。 得られた His-hMIF は 8M urea と 5mM DTT を添加した 20mM 燐酸ナトリゥムバッファー (pH 7.2)で透析後、 5mM DTT を含む 20mM 燐酸ナトリ ゥムバッファー (pH7.2)で透析し、 さらに 20mM燐酸ナトリゥムバッファー (pH7.2) のみで透析した。 実験例 1 ( 1 )
ラット MIFと N-(6-ァミノへキシノレ) -6-(4-ォキソ -4H-1,3-ベンゾチアジン- 2-ィ ル) -2-ピリジンカルボキサミ ド またはその塩酸塩 (以下、 化合物 A と略記) と の結合
参考例 2で得られたラット MIFと化合物 A (WO 03/020719号公報の実施例 107 記載参照:下式参照) との結合を BIACORE3000 (ビアコア株式会社製) を用いて解析した。
化合物 A をセンサーチップ CM5 (ビアコア株式会社製) に固定化後、 1 μ g/mlのラット MIFを含む 0.005% Tween20含有燐酸緩衝生理食塩水をチップ上 に流し、 表面プラズモン共鳴シグナルの変化をラット MIF に対する化合物の結 合として測定した。
結果を図 1に示す。
これより化合物 Aはラット MIFに強く結合することがわかる。
実験例 1 (2)
ラット MIF と N-(6-ァミノへキシル )-6-(8-メチル -4-ォキソ -4H-1,3-ベンゾチア ジン- 2-ィル)ピリジン- 2-カルボキサミ ドまたはその塩酸塩 (以下、 化合物 Cと略 記) との結合
参考例 2で得られたラッ ト MIF と化合物 C (下式参照) との結合を BIACORE3000 を用いて解析した。 実験例 1 ( 1 ) 同様に、 化合物 Cをセンサ 一チップ CM5 (ビアコア株式会社製) に固定化後、 l ju g/mlのラット MIFを含 む 0.005% Tween20含有燐酸緩衝生理食塩水をチップ上に流し、 表面ブラズモ ン共鳴シグナルの変化をラット MIFに対する化合物の結合として測定した。 結果を図 4に示す。 これより化合物 Cでは化合物 Aと比較してラット MIFに 対する結合活性が弱いことがわかり、 MIF との結合には 1,3-ベンゾチアジノン
誘導体の 8位が重要であると考えられる。 実験例 2
MIFまたは変異型 MIFと化合物 Aとの結合
参考例 1で得られたヒ ト MIF (hMIF) および変異型ヒ ト MIF (hMIF-PIS) と化合物 A の結合を BIACORE3000 (ビアコア株式会社製) を用いて解析した。 化合物 A をセンサーチップ CM5 (ビアコア株式会社製) に固定化後、 10 μ g/mlの MIFまたは hMIF-PISを含む HBS-EP buffer (ビアコア株式会社製)を チップ上に流し、 表面プラズモン共鳴シグナルの変化をヒ ト MIF に対する化合 物の結合として測定した。
結果を図 2に示す。
化合物 Aのヒ ト MIFに対する結合能は、 ヒ ト MIF の N末端のプロリンに変 異を導入することで大幅に減弱することがわかる。 これより、 MIF .と特異的に 結合する 1,3-ベンゾチアジノン誘導体は、 MIFの N末端付近に結合することが わかる。 同様にして、 化合物 A と参考例 3で得られた N末端にペプチドを付加した His-hMIFとの結合解析を行った。 結果を図 5に示す。
化合物 Aのヒ ト MIFに対する結合能は、 ヒ ト MIFの N末端のプロリンにヒ スチジンタグを含む 3 0アミノ酸ポリペプチドを付加することによって大幅に減 弱することがわかる。 これより、 MIF と 1,3-ベンゾチアジノン誘導体の結合に は、 N末端のプロリンがフリーであることが適していると推測される。 実験例 3
MIF の 2-(2-ピリジル) -4Η-1._3·.ベンゾチアジン- 4-オン (以下、 化合物 B と略
記) 存在下における ARE活性化作用
参考例 2で得られたラット MIF (rMIF) を AKTA purifer (アマシャム ·バイ ォサイエンス社)を用いて、 Superdex 75 (アマシャム ·バイオサイエンス社) でゲルろ過してさらに精製した後、 Detoxi-Gel (ピアス社製)でェンドトキシン除 去した。 次にこの精製 MIF I MIF と結合する化合物 B (WO 02/18356号公 報の参考例 1記載参照:下式参照) 存在下で ARE活性化作用を示すかどうかを 調べた。
ラット H9c2細胞を 7 X 10
4 個/ ml となるように 10% 熱不活化牛胎児血清を 含むダルベッコ改変イーグル培地 (10 % FBS、 D-MEM培地)に懸濁して 5 % C0
2、 37 °Cで約 16 時間培養した。 これに FuGENE6 Transfection reagent (ロッシュ社製) を用レヽて、 フット Glut&thione S -transferase Ya subunit ¾ 伝子の ARE (配列番号: 6 ) を pGL3-Promoter Vector (プロメガ社製) に組 み込んだルシフヱラーゼレポーターベクター pGL3-ARE をトランスフエグショ ンし、 さらに約 7 時間培養した。 培養終了後、 細胞を回収し、 10 % FBS、 D- MEM培地に 1 X 10
5 個/ ml となるように癡濁し、 96 ゥエル白色ォパックプレ ート (ファルコン社製)の各ゥヱルに ΙΟΟ μ Ιずつ播種して 5 % C0
2、 37 °Cで約 17 時間培養した。 次に 0.3% FBSを含有する D-MEM培地と交換して一日培養 した後、 0.3% FBS を含有する D-MEM培地と交換してさらに約 5時間培養し、 化合物 Bおよびラット MIFを添カ卩して 5 % C0
2、 37 °Cで約 24時間培養した。 培養終了後、 Steady-Glo Reagent (プロメガ社製) を各ゥヱルに 80 μ 1 づっ添 加し、 40 分間室温で放置した後、 ルシフェラーゼによる発光量を WALLAC ARVO SX (パーキンエルマ社製) で測定した。
結果を図 3に示す。 これより MIFと結合する化合物 Β (1 μ Μ) 存在下で、 ラット MIFが濃度依存的に ARE活性化作用を示すことがわかる。
実験例 4
MIF による GST Ya (Glutathione S- transferase Ya subunit) 及び HO-l (Heme oxygenase- 1) 遺伝子の発現該導
日本チヤ一ルスリバ一社より購入した妊娠ウィスター ·ラットより新生仔 (生 後 1日以内のもの) を得、 これをエーテル麻酔し、 70%エタノールで消毒後、 ピ ンセットで心臓を摘出した。 摘出した心臓をリン酸緩衝生理食塩水 (タカラ社製、 T900) で洗浄後、 手術用のハサミで細片化した。 この組織片を、 リン酸緩衝生理 食塩水で 4〜 5回洗浄し、 大部分の血液由来の非心筋細胞を除去した。 この新生 仔 10匹分の組織片に対し、 5 mlの酵素液 〔リン酸緩衝液 (PBS) ( 1 ml) にトリ プシン (1.25 mg) (ディフコ社製) およびコラゲナーゼ (0.25 mg) (シグマ社 製) を溶解したもの〕 を加え、 37°Cに保ちながらスターラーで 1 5分間攪拌した。 これに 2.5mlの酵素液を追加し、 さらに 15分間攪拌し、 この操作を 2回繰り返し た。 続いて、 10%牛胎仔血清 (バイオウイカー社製) を含む Medium 199 (ギブ コ社製) を 5 ml添加して酵素反応を停止させ、 .これをセルストレイナー (フアル コン社製) で濾過後、 400 xgで 5分間遠心分離して細胞を集めた。 このように集め た新生仔 10匹分の細胞を、 50 mlの 10%牛胎仔血清を含む Medium 199に懸濁し、 100 mmシャーレ (イワキ社製) に 10 mlずつ播種し、 5 % C02、 37°Cに設定した C02インキュベータ一中で 1時間培養した。 その後、 非接着性の細胞をセルス ト レイナーで濾過後、 400 xgで 5 分間遠心分離し集めた。 次に集めた細胞を 2 mlの 低張液 〔水 (1 L ) に NH4C1 (8.29 g) 、 KHCOs (1.0 g) および EDTA 2Na
(ethylenediaminetetraacetic acid disodium;同仁ィ匕学研究所製) (37 mg) を 溶かしたもの〕 に懸濁し、 3分間放置して赤血球を破碎した。 これに 10 mlの 10% 牛胎仔血清を含む Medium 199を加え、 400 xgで 5分間遠心分離して集めた細胞を 心筋細胞とした。
このようにして調製したラット新生仔由来初代心筋細胞を 3 X 105個ノ ml と なるように、 10%牛胎仔血清を含む Mediuml99 に懸濁し、 48 穴プレートに
0.5 ml/ wellずつ播種し、 5 % C02、 37°Cに設定した C02インキュベータ一中 で 1日培養した。 これをマイクロミキサー (大洋化学工業社製) で攪拌後、 血清
を含まない Medium 199と 2回交換して血清を除去し、 ラット MIFを加えてさ ら に 1 時間培養 した後、 10 μΜ の NOR3 ( (土)-(E)-4-Ethyl-2-[(E)- hydroxyimino]-5-nitro-3-hexenamide 同人化学研究所製) を添加してさらに 3 時間または 6時間培養した。 なお、 ラット MIF は参考例 2で得られたラッ ト MIF を AKTA purifer (アマシャム ·バイオサイエンス社)を用いて、 Superdex 75 (アマシャム ·バイオサイエンス社製) でゲルろ過してさらに精製した後、 Detoxi-Gel (ピアス社製)でェンドトキシン除去したものを用いた。
培養終了後、 RNeasy 96 kit (キアゲン社製) を用いて RNAを精製し、 以下の プライマー及びプローブを用いてリアルタイム PCR システム (アプライ ドバイ ォシステムズ社製) にて HO-1及び GST Yaの mRNA量を定量した。
GST Ya
① rGSTYaFl TGCCAGCCTTCTGACCTCTTT (配歹 lj番号: 1 3 )
② rGSTYaRl CTGCAGGAACTTCTTCACATTGG (配歹 lj番号: 1 4 )
③ rGSTYa-1 FAM-AAGGCCTTCAAGAGCAGAATCAGCAGC-TAMRA
〔配列番号: 1 5〕
GAPDH
① rGAPDHF2 TGCCAAGTATGATGACATCAAGAAG (配列番号: 1 6 )
② rGAPDHR2AGCCCAGGATGCCCTTTAGT (配列番号: 1 7 )
③ rGAPDH-2 VIC-TGGTGAAGCAGGCGGCCGAG-TAMRA 〔配列番号: 1 8〕 HO-1
① rHO-lF2 CCGCCTTCCTGCTCAACA (配列番号: 1 9 )
② rHO-lR2 AAGAAACTCTGTCTGTGAGGGACTCT (配列番号: 2 0 )
③ rHO-1-2 FAM-CAGGCACTGCTGACAGAGGAACACAAAG-TAMRA (配列 番号: 2 1 )
HO-1 mRNAは MIF添加 4時間後に、 GST Ya mRNAは MIF添加 7時間後 に回収した mRNAを用いて測定した。
結果を図 6に示す。 これにより、 MIFが AREによって発現を支配されている
GST Yaや HO-1の発現を亢進することがわかる。
産業上の利用可能性
(a) MIFまたはその改変体は ARE活性化剤として、 (b) MIFまたはその 改変体と、 MIFに結合する能力を有する物質 (例、 1,3-ベンゾチアジノン誘導体、 抗体など) との組み合わせは ARE活性化剤として、 安全で優れた細胞死抑制剤、 例えば循環器系疾患、 骨 ·関節疾患、 感染症疾患、 炎症性疾患、 腎疾患、 中枢疾 患、 癌、 糖尿病等の予防 ·治療剤として有用である。