明 細 書
発泡体およびその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、発泡体およびその製造方法に関する。
背景技術
[0002] 樹脂中に気泡を含んでなる発泡体は、クッション性 ·断熱性 ·衝撃吸収性 ·軽量性 · 吸水性'透湿性等に優れ、バンパー、シートクッション等の自動車用部材、断熱材、 パネル等の建築材料、魚箱や食品包材等の食品用途等、さまざまな分野で利用さ れている。医療用途においても、介護パッド、フットケアパッド、カテーテル固定シート 、止血ばん、創傷被覆材等に使用されており、これらの医療用途に利用されている樹 脂発泡体の材料樹脂としては、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリオレフイン、ポリスチ レン等が用いられている。
[0003] 例えば、親水性ポリウレタン樹脂発泡体を用いて、特に深傷の治癒に効果がある創 傷被覆材が得られることが知られている(例えば、特許文献 1)。し力もながら、ポリウ レタンにぉレ、ては、残存する反応触媒の臭気や未反応のイソシァネートが有する毒 性が危惧されるほか、吸水時の膨潤により、使用時に不快感が生じる場合があった。 このため、吸水性フォームの膨潤を抑制する試みがなされている(特許文献 2)。しか しながら、好ましく用いられているのはウレタンであり、上記毒性危惧の問題は解決さ れていない。
[0004] 一方、創傷被覆材としてシリコーン樹脂発泡体を用いたものも知られて!/、る(例えば 、特許文献 3)。透湿性、柔軟性等に優れるシリコーン樹脂を使用することにより、ムレ がなぐ傷面に優しぐかつ、イソシァネート等の毒性の心配の少ない創傷被覆材が 得られている力 シリコーン樹脂発泡体は皮膚との親和性が低ぐまた、吸水性が低 い傾向にあり、浸出液の多い創傷部には使用が困難である等の問題があった。
[0005] 従来、シリコーン発泡体は、ウレタン発泡体などの他種の高分子からなる発泡体に 比べて、耐熱性、疎水性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性、柔軟性等の多くの優れた 物性を有していることが知られている(例えば、特許文献 4)。し力もながら、シリコーン
発泡体は、一般に、シリコーンの表面張力が低いことなどから、吸水性を付与すること は難しぐ化粧用パフやトイレタリー素材、農業用、園芸用床材、掃除用素材等、吸 水性が必要な分野に用いることは困難であった。
[0006] 他方、シリコーン発泡体の塗装性や接着性を改善する手段として、炭素 炭素二 重結合を有し、分子骨格がポリエーテル系の有機重合体骨格、フエノールーホルム アルデヒド系の有機重合体骨格、およびビスフエノール Aの単量体骨格からなる群か ら選ばれる 1種以上であり、かつ分子骨格中にシロキサン単位を含まない有機化合 物、鎖状のポリオルガノハイドロジェンシロキサンからなるシリコーン系樹脂組成物を 用いた発泡体が知られている(例えば、特許文献 5)。し力もながら、吸水性の向上に 関する知見は見られない。
特許文献 1:特許第 3541948号
特許文献 2 :特表 2005— 516735
特許文献 3:特公平 7 - 51139
特許文献 4:特開平 9 124816
特許文献 5:特許第 3569919号
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] このような状況の下、本発明が解決しょうとする課題は、医療用途に好適に使用で きる樹脂発泡体、および吸水性を有するシリコーン系軟質樹脂発泡体を提供すること である。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、前記課題の解決のため鋭意研究を行った結果、分子骨格中にシロ キサン単位およびォキシアルキレン単位を有し、かつ、イソシァネート基に由来する 単位を含有しない樹脂を用いることにより、毒性が低ぐかつ、透湿性、皮膚へのなじ み、低刺激性等、医療用として優れた物性を有する樹脂発泡体が得られること、また 、特定の樹脂組成、発泡体構造とすることにより、吸水性を有するシリコーン系軟質 樹脂発泡体が得られることを見出し、本発明に至った。
[0009] すなわち本発明は、分子骨格中にシロキサン単位およびォキシアルキレン単位を
有し、かつ、イソシァネート基に由来する単位を含有しない樹脂を用いることを特徴と する医療用樹脂発泡体に関する。
[0010] また、生理食塩水中に 37°Cにて 24時間浸漬した際の、下記式(1)で表される吸水 率力 200wt%以上 2000wt%未満である医療用樹脂発泡体に関する。
吸水率 = 100 X (浸漬後の発泡体重量ー浸漬前の発泡体重量) ÷ (浸漬前の発泡 体重量) (1)。
[0011] また、分子骨格中にシロキサン単位およびォキシアルキレン単位を有し、かつ、イソ シァネート基に由来する単位を含有しない樹脂を用いることを特徴とする発泡体であ つて、該発泡体を生理食塩水中に 37°Cにて 24時間浸漬した際の、前記式(1)で表 される吸水率が、 200wt %以上 2000wt %未満である吸水性軟質樹脂発泡体に関 する。
[0012] また、前記樹脂が、ォキシアルキレン単位の少なくとも 1種として、ォキシエチレン単 位を含有することを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0013] また、前記樹脂が、ォキシエチレン単位を 5wt%以上 80wt%未満含有することを 特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0014] また、前記樹脂が、
(A)アルケニル基を有する化合物、
(B)ヒドロシリル基を有する化合物、および
(C)ヒドロシリル化触媒
を含有する混合物を硬化してなることを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0015] また、(A)アルケニル基を有する化合物力 分子骨格中にシロキサン単位を含まな い有機化合物であることを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0016] また、(A)アルケニル基を有する化合物力 末端に少なくとも 1個のアルケニル基を 有するポリオキシアルキレン重合体を 50wt%以上含有することを特徴とする樹脂発 泡体に関する。
[0017] また前記樹脂に、さらに (D)発泡剤を含有せしめ、該混合物を硬化と同時に発泡さ せてなることを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0018] また前記発泡剤(D)の少なくとも 1種が、活性水素基含有化合物であることを特徴
とする樹脂発泡体に関する。
[0019] また、前記活性水素基含有化合物が、 OH基を有する化合物であることを特徴とす る樹脂発泡体に関する。
[0020] また、前記 OH基を有する化合物が、水、アルコールおよびポリエーテルポリオール よりなる群から選ばれる少なくとも 1種であることを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0021] また、前記 OH基を有する化合物の少なくとも 1種力 ポリエチレングリコールである ことを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0022] また、化合物(B)中のヒドロシリル基力 S、 (A)アルケニル基を有する化合物中のアル ケニル基に対し、 2モル当量以上存在することを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0023] また、密度が 10kg/m3以上 500kg/m3未満であり、連続気泡率が 80%以上であ ることを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0024] また、密度が 10kg/m3以上 500kg/m3未満、厚み lmm以上 100mm未満、連 続気泡率が 80%以上であることを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0025] また、高吸水性樹脂、およびこれを用いた粒子、繊維よりなる群から選ばれる少なく とも 1種を一体化してなることを特徴とする樹脂発泡体に関する。
[0026] また、生理食塩水中に 37°Cにて 24時間浸漬した際の下記式(2)で表される吸水 膨張率が、 50vol%未満であることを特徴とする樹脂発泡体に関する。
吸水膨張率 = 100 X (浸漬後の発泡体体積ー浸漬前の発泡体体積) ÷ (浸漬前の 発泡体体積) (2)。
[0027] また (A)アルケニル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)発泡剤、およ び、場合によってはその他の添加物を加えてなる樹脂組成物を混合した後、(B)ヒド ロシリル基を有する化合物を添加、混合し、注入発泡もしくはスプレー発泡することを 特徴とする樹脂発泡体の製造方法に関する。
発明の効果
[0028] 本発明によれば、医療用途に好適に使用できる樹脂発泡体、および吸水性に優れ たシリコーン系軟質樹脂発泡体が提供される。具体的には、創傷被覆材、フットケア パッド、カテーテル固定シート、止血ばん、介護パッドなどの医療用途、および化粧 用パフ、トイレタリー素材、農業用、園芸用床材、掃除用素材等の、吸水性が必要な
用途に有用である。
発明を実施するための最良の形態
[0029] 本発明の樹脂発泡体に用いられる樹脂は、分子骨格中にシロキサン単位およびォ キシアルキレン単位を有し、かつ、イソシァネート基に由来する単位を含有しないこと を特徴とする。分子骨格中にシロキサン単位およびォキシアルキレン単位を有するこ とで、透湿性や柔軟性と、皮膚との親和性等のバランスに優れるとともに、イソシァネ ート基に由来する単位を含有しないことで、残存イソシァネートによる毒性を危惧する ことなく、医療用途に使用可能な発泡体が得られる。ォキシアルキレン単位としては、 特に限定するものではないが、例えば、ォキシメチレン、ォキシエチレン、ォキシプロ ピレン、ォキシイソプロピレン、ォキシブチレン、ォキシイソブチレン等、炭素数;!〜 20 のアルキレン基を有する化合物が挙げられる力 S、少なくともひとつとして、ォキシェチ レン単位を含有することが、吸水性軟質樹脂発泡体においては吸水性付与の点、ま た、医療用発泡体としても体液や汗の吸収性を付与できることから好ましぐォキシプ ロピレン単位とォキシエチレン単位からなることがさらに好ましい。
[0030] また、本発明の吸水性樹脂発泡体は、生理食塩水中に 37°Cにて 24時間浸漬した 際の、下記式(1)で表される吸水率が、 200wt%以上 2000wt%未満であることが 好ましぐ 250wt%以上 1700wt%未満であることがより好ましぐ 300wt%以上 150 Owt%未満であることがさらに好ましい。
吸水率 = 100 X (浸漬後の発泡体重量ー浸漬前の発泡体重量) ÷ (浸漬前の発泡 体重量) (1)。
[0031] 発泡体の吸水率が 200wt%未満では、十分な吸水効果が得られない傾向があり、 2000wt%以上では、吸水時に発泡体の機械物性が低下して取り极レ、づらくなる傾 向がある。
[0032] また、上記吸水特性発現のためには、発泡体樹脂がォキシエチレン単位を 5wt% 以上 80wt%未満含有することが好ましぐ 7wt%以上 70wt%未満含有することがよ り好ましく、 10wt%以上 60wt%未満含有することがさらに好ましい。
[0033] なお、発泡体樹脂のォキシエチレン単位の含有量は、樹脂作成時に添加した原料 中のォキシエチレン単位の量力 計算できるが、界面活性剤分析法 新版 (幸書房、
界面活性剤分析研究会編、 1987年、 282頁)に記載の IRスペクトルにおける CH2〇 基に由来のピーク強度を用いる方法により測定することができる。
[0034] 本発明の樹脂組成としては、上記分子骨格を持つものであれば、特に限定されるも のではないが、例えば、(A)アルケニル基を有する化合物、(B)ヒドロシリル基を有す る化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を含有する混合物を硬化してなる樹脂が、発泡 成形性や機械物性、および上記医療用発泡体としての諸物性のバランスに優れるこ とから好ましい。
[0035] 前記アルケニル基を有する化合物 (A)は、アルケニル基を有する化合物であれば 、特に制限するものではないが、分子骨格中にシロキサン単位を含まない有機化合 物であることが、皮膚に対する親和性などに優れ、また、吸水性等さまざまな特性を 付加出来ることから好ましい。
[0036] 前記アルケニル基を有する化合物 (A)にお!/、て、その分子構造を、骨格部分と、そ の骨格に共有結合によって結合しているアルケニル基とに分けて考えた場合、アル ケニル基は分子内のどこに存在してもよいが、反応性の点から側鎖または末端に存 在するのが好ましい。
[0037] 前記アルケニル基を有する化合物 (A)の骨格は、上記の理由から構成元素として ケィ素を含まず、炭素のみ、あるいは炭素と、酸素、水素、窒素、ィォゥ、ハロゲンより なる群から選ばれる少なくとも 1種のみを含む、通常の有機重合体骨格または有機単 量体骨格であることが好ましい。有機重合体骨格としては、例えば、ポリオキシアルキ レン系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステ ル系、ポリアミド系、フエノールーホルムアルデヒド系(フエノール樹脂系)等の骨格で ある。また単量体骨格としては、例えばフエノール系、ビスフエノール系、またはこれら の混合物が挙げられる。
[0038] これらのうち、一般式(一 R1— O—)で表される繰り返し単位からなるポリオキシアル キレン系重合体骨格が、医療用発泡体として有用な、また吸水性を付与した、軟質 の発泡体を得るために好ましい。ここで、— R1—は、 2価のアルキレン基である。上記 ポリオキシアルキレン系重合体は、 1種類の繰り返し単位からなるものであっても、複 数の繰り返し単位からなるものであってもよ!/、。上記ポリオキシアルキレン系重合体は
、直鎖状の重合体であってもよいし、分岐を有する重合体であってもよい。
[0039] 具体的には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレン、 ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン共重合体等が挙げられ、医療用発泡体と しては、皮膚刺激性が低ぐ皮膚への濡れ性が適度に良くなることから、特に好まし い骨格はポリオキシプロピレン、すなわち、上記—R1—が—CH CH (CH )一である
。また、入手上、作業性の点からも好ましい。ただし、吸水性軟質樹脂発泡体におい て、アルケニル基を有する化合物 (A)の骨格中にポリオキシエチレン骨格が含有さ れない場合には、後述するポリエチレングリコールやその誘導体を別途導入すること 力 吸水性付与の観点から好ましい。
[0040] 本発明のアルケニル基を有する化合物 (A)としては、特に、末端に少なくとも 1個の アルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体を 50wt%以上含有することが好 ましぐ 70wt%以上含有することがより好ましぐ 80wt%以上含有することがさらに 好ましい。
[0041] ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量は、室温での作業性がよぐ良好な 皮膚親禾ロ十生カ得られる^ ら、 3000〜50000力 S好まし <、 4000〜40000力 Sより好 ましく、 5000〜30000カさらに好ましい。数平均分子量力 3000未満では、得られる 発泡体が脆くなり、かつ製造しにくくなる傾向があり、逆に数平均分子量が 50000を 超えると、高粘度になって作業性が低下する傾向にある。なお、ポリオキシアルキレ ン系重合体の数平均分子量は、 GPCで測定されるポリスチレン換算数平均分子量 である。
[0042] 本発明のアルケニル基を有する化合物 (Α)におけるアルケニル基とは、ヒドロシリ ル化反応に対して活性のある炭素 炭素二重結合を含む基であれば特に制限され るものではない。アルケニル基としては、炭素数が好ましくは 2〜20個、より好ましくは 2〜6個の脂肪族不飽和炭化水素基 (例:ビュル基、ァリル基、メチルビュル基、プロ ぺニル基、ブテュル基、ペンテュル基、へキセニル基等)、炭素数が好ましくは 3〜2 0個、より好ましくは 3〜6個の環式不飽和炭化水素基(例:シクロプロぺニル基、シク ロブテュル基、シクロペンテュル基、シクロへキセニル基等)、メタクリル基等が挙げら れる。
[0043] アルケニル基を骨格部分へ導入する合成反応の容易性の点から、好ましいァルケ ニル基としては、以下の(1)、(2)が挙げられる。下記式において、 R2は水素原子ま たは炭素数;!〜 10の炭化水素基であり、好ましくは水素原子またはメチル基である。
(1) H C = C (R2)—
(2) HC (R2) =CH—。
[0044] 本発明のアルケニル基を有する化合物(A)中の 1分子当たりの平均アルケニル基 の数としては、少なくとも 1個含有することが好ましぐ;!〜 5個含有することがより好ま しぐ;!〜 3個含有することがさらに好ましぐ;!〜 2個含有することが特に好ましい。ァ ルケ二ル基を有する化合物 (A)中の 1分子当たりの平均アルケニル基の数が 1個未 満では硬化性が不十分になる傾向があり、また、骨格部分の分子量にもよる力 1分 子中に含まれるアルケニル基の数が多すぎると網目構造が密になるため、発泡体が 硬くかつ脆くなり、柔軟性や機械的強度、さらには皮膚への追従性、触感が低下する 頃向にある。
[0045] なお、 1分子当たりの平均アルケニル基の数は、ヨウ素価により測定した値である。
アルケニル基の骨格への結合様式は特に限定はなぐアルケニル基の直接結合、ェ 一テル結合、エステル結合、カーボネート結合、ゥレア結合等が例示される。
[0046] 本発明のアルケニル基を有する化合物 (A)の製造方法は特に限定なぐ例えば、 ポリオキシアルキレン系重合体を骨格とする場合、ポリオキシアルキレン系重合体を 得た後にアルケニル基を導入する方法が例示される。この場合、ポリオキシアルキレ ン系重合体は種々の公知の製造法を適用することができ、さらに市販のポリオキシァ ルキレン系重合体を用いてもよい。また、ポリオキシアルキレン系重合体にアルケニ ル基を導入する方法もまた公知であり、例えば、アルケニル基を有するモノマー(例: ァリルグリシジルエーテル)とポリオキシアルキレン系重合体を合成するためのモノマ 一とを共重合させる方法や、官能基 (例:水酸基、アルコキシド基)を所望の部分(主 鎖の末端等)に予め導入しておいたポリオキシアルキレン系重合体に、当該官能基 に対して反応性を有する官能基とアルケニル基とを両方有する化合物(例:アタリノレ 酸、メタクリル酸、酢酸ビュル、アクリル酸クロライド等)を反応させる方法等が挙げら れる。
[0047] 本発明のヒドロシリル基を有する化合物(B)は、ヒドロシリル基を有する化合物であ れば、特に制限するものではないが、発泡体を得る上で、 1分子中に 1〜100個のヒ ドロシリル基を有する化合物が好ましい。ここで、ヒドロシリル基とは Si— H結合を有す る基を意味する。
[0048] なお、本発明においては、同一ケィ素原子(Si)に水素原子(H)が 2個結合してい る場合は、ヒドロシリル基 2個と計算する。
[0049] 本発明の(B)ヒドロシリル基を有する化合物においては、ヒドロシリル基以外の化学 構造に関しては特に限定はない。
[0050] 本発明のヒドロシリル基を有する化合物(B)の数平均分子量は、 400〜30000で あることが好ましぐ 500〜; 10000であることがより好ましい。ヒドロシリル基を有する化 合物(B)の数平均分子量が 400未満では、発泡成形時の破泡が激しぐ発泡体が 得られ難い傾向にあり、数平均分子量が 30000を超えると、硬化速度が遅ぐ製造 効率が低くなる傾向にある。
[0051] ヒドロシリル基を有する化合物(B)の 1分子に含まれるヒドロシリル基の個数は、好ま しくは 1〜 100個であり、他の成分との相溶性を損なわない限り多!/、ほうが好まし!/、。 化合物(B)の 1分子に含有されるヒドロシリル基が 2個以上であれば、硬化の際に、 複数の化合物 (A)分子を架橋することができ、また、該ヒドロシリル基が 2個未満であ ると、硬化が遅ぐ硬化不良を起こす場合が多い。また、後述するように、(D)発泡剤 として活性水素含有化合物を用いる場合、化合物 (B)と該活性水素化合物とが脱水 素縮合して、発泡に関与するものであるから、該ヒドロシリル基の個数は、 目的とする 発泡倍率にもよる力 一般に 2個を超えるものであることが好ましレ、。
[0052] また、同様の理由から、本発明におけるヒドロシリル基を有する化合物(B)は、アル ケニル基を有する化合物 (A)中のアルケニル基に対し、 2モル当量以上のヒドロシリ ル基を有することが好ましい。
[0053] 但し、ヒドロシリル基を有する化合物(B)中のヒドロシリル基の数が多すぎると、架橋 が密になりすぎて、得られた発泡体の柔軟性や皮膚追従性が低下しやすぐさらに は化合物(B)の安定性が悪くなり、そのうえ得られた発泡体中にヒドロシリル基が極め て多量に残存した場合、皮膚刺激ゃボイドの原因となる場合がある。また、架橋の粗
密は、透湿性や、吸水性にも影響を及ぼす。
[0054] よって、ヒドロシリル基を有する化合物(B)中のヒドロシリル基の数は、化合物(A)の アルケニル基の数と、活性水素化合物を始め、ヒドロシリル基と反応するその他の添 加剤中の官能基の数とのバランスを考慮して選択する。そこで、本発明におけるヒド ロシリル基を有する化合物(B)は、化合物(A)のアルケニル基と、その他の添加物中 に存在するヒドロシリル基と反応可能な官能基の総和に対して、 0. 1モル当量以上 5 0モル当量以下のヒドロシリル基を有することが好ましぐさらに好ましくは 0. 2モル当 量以上 30モル当量以下、特に好ましくは 0. 5モル当量以上 20モル当量以下である
[0055] 本発明におけるヒドロシリル基を有する化合物(B)は単独で用いてもよいし、 2種類 以上を併用してもよい。
[0056] 本発明のヒドロシリル基を有する化合物(B)は、アルケニル基を有する化合物 (A) に対して良好な相溶性を有するものが好ましい。原材料の入手のし易さや、アルケニ ル基を有する化合物 (A)に対する相溶性の面から、好適なヒドロシリル基を有する化 合物(B)として、オルガノハイドロジェンシロキサンが例示される。
[0057] オルガノハイドロジェンシロキサンの典型例は、下記一般式(3)または(4)で表され る化合物である。
[0058] [化 1]
[0059] [化 2] cH3 cH3
Si—ひ Si— O (4)
ノ b
[0060] 上記一般式(3)または(4)の式中の aの値力 分子中のヒドロシリル基の数と一致す る。 aは 1以上、 bは 0以上であり、 a + bの値は特に限定はないが、好ましくは 1〜; 100 である。 R3は特に限定されないが、主鎖の炭素数が 2〜20の炭化水素基、ポリオキ シアルキレン基から選ばれる少なくとも 1種であることが好ましい。
[0061] 上記一般式(3)または(4)の化合物は、未変性のメチルハイドロジェンシリコーンそ のもの、もしくはこれを変十生して R3を導人することにより得ることカできる。ここで、未変 性のメチルハイドロジェンシリコーンとは、上記式(3)において R3が全て Hである化合 物に相当し、株式会社シーエムシー発行(1990. 1. 31)の「シリコーンの巿場展望 メーカー戦略と応用展開一」にも記載されているように、各種変性シリコーンの原 料として用いられている。 R3の導入のための有機化合物としては、 α—ォレフイン、ス チレン、 α—メチルスチレン、ァリルアルキルエーテル、ァリルアルキルエステル、ァリ ノレフエニノレエーテノレ、 ァリノレフエニノレエステノレ、ポリオキシァノレキレンァリノレエーテノレ 等があげられる。変性のために加える上述の有機化合物の量によって、変性後の分 子中のヒドロシリル基の数を調節することができる。
[0062] 本発明の発泡体を形成するための化合物 (Α)と化合物(Β)の量比は、特に限定す るものではないが、前述したように、化合物 (Α)に由来するアルケニル基の総量に対 する、化合物(Β)に由来するヒドロシリル基の総量によって表現される。前述のように 、本発明における化合物(Β)は、化合物 (Α)のアルケニル基に対し、 2モル当量以 上のヒドロシリル基を有することが好ましいが、さらに詳しくは、使用する発泡剤の種 類や、発泡方法に従って決定される。また、化合物 (Α)と化合物(Β)の量比は、上記 の官能基の量に従って決定されるものであるが、発泡成形性を考慮すると、化合物( Α)と化合物(Β)との重量比 (A) / (B)が、 0. 05以上 20以下であることが好ましぐ 0 . 1以上 10以下であることがさらに好ましい。
[0063] 本発明におけるヒドロシリル化触媒 (C)としては、特に限定されず、ヒドロシリル化反 応を促進するものであれば任意のものを使用できる。ヒドロシリル化触媒 (C)の具体 例としては、塩化白金酸、白金 ビュルシロキサン錯体 (例えば、白金 1 , 3—ジビ ニル一 1 , 1 , 3, 3, —テトラメチルジシロキサン錯体、白金一 1 , 3, 5, 7—テトラビ二 ル一 1 , 3, 5, 7—テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体)、白金一ォレフィン錯体(
例えば、 Pt (ViMe SiOSiMe Vi) Pt[ (MeViSiO) ] (但し、式中、 p、 q、 rは正の
P 2 2 q 4 r
整数を示し、 Viはビュル基を示す))等があげられる。これらのうちでも、触媒活性の 点からは、強酸の共役塩基を配位子として含まない白金錯体触媒が好ましぐ白金
—ビュルシロキサン錯体がより好ましぐ白金 1 , 3—ジビニルー 1 , 1 , 3, 3, —テト ラメチルジシロキサン錯体または白金 1 , 3, 5, 7 テトラビ二ルー 1 , 3, 5, 7 テト ラメチルシクロテトラシロキサン錯体が特に好ましい。
[0064] 本発明におけるヒドロシリル化触媒 (C)の使用量は特に制限はないが、化合物 (A) によるアルケニル基の総量 lmolに対して、好ましくは 10— 8〜; 10— imolであり、より好ま しくは 10— 6〜 10— 3molである。ヒドロシリル化触媒(C)の使用量が上記範囲内であれ ば、適切な硬化速度、安定な硬化性、必要なポットライフの確保等が達成しやすくな
[0065] 本発明における吸水性軟質樹脂発泡体の製造方法としては、特に限定するもので はなぐ分子骨格中にシロキサン単位およびォキシアルキレン単位を有し、かつ、イソ シァネート基に由来する単位を含有しない樹脂を得た後、これに発泡剤(D)を添カロ し加熱して発泡させる方法や、加圧下で発泡剤(D)を含浸した後圧力開放して発泡 させる方法も可能である力 S、アルケニル基を有する化合物 (A)、ヒドロシリル基を有す る化合物(B)およびヒドロシリル化触媒 (C)からなる混合物に、さらに発泡剤(D)を含 有せしめ、この混合物を硬化と同時に発泡させる方法が、発泡成形性や生産効率の 観点から好ましい。
[0066] 本発明における発泡剤(D)としては、特に限定するものではなぐ例えば、通常、ポ リウレタン、フエノール、ポリスチレン、ポリオレフイン等の有機発泡体に用いられる、揮 発性の物理発泡剤や、加熱分解もしくは化学反応により気体を発生させる化学発泡 剤や、ヒドロキシル基と反応して水素を発生させる活性水素基含有化合物等があげら れる。これらのうちでも、活性水素基含有化合物が、連続気泡率の向上や柔軟性等 医療用発泡体としての特性発現に寄与する為、好ましく用いられる。
[0067] 活性水素基含有化合物としては、ヒドロキシル基と反応して水素を発生する活性水 素基を含有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、柔軟性、吸水性 付与の観点から、シリコーンフォームで用いられる OH基含有ポリシロキサンではなく
、酸素が直接炭素に結合してレ、る化合物または水が好まし!/、。
酸素が直接炭素に結合している活性水素含有化合物としては、飽和炭化水素アル コール、カルボン酸または水が好ましく用いられる。その具体例としては、水;メタノー ノレ、エタノーノレ、 n プロパノーノレ、 iso プロパノーノレ、 n ブタノ一ノレ、 iso ブタノ 一ノレ、 tert ブタノ一ノレ、エチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、エチレングリコー ノレモノェチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノプロピノレエーテノレ、エチレングリコー ノレモノブチノレエーテノレ、ジエチレングリコ一ノレモノメチノレエーテノレ、エチレングリコー ノレモノフエ二ルエーテル、エチレングリコールモノァリノレエーテル、グリセリンジァリノレ エーテルなどの 1価のアルコーノレ;エチレングリコーノレ、プロピレングリコール、 1 , 4 ブチレングリコーノレ、 1 , 3 ブチレングリコーノレ、 2, 3 ブチレングリコーノレ、ジェチ レングリコーノレ、トリエチレングリコーノレ、ネオペンチノレグリコーノレ、 1 , 6—へキサメチ レングリコール、 1 , 9 ノナメチレングリコーノレ、グリセリン、トリメチロールプロパン、ぺ ンタエリスリトーノレ、ソノレビトーノレ、スクロース、グリセリンモノアリノレエーテノレなどの多 価アルコール;ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、これらの共重合体 、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール(ソルビトール、スクロー ス、テトラエチレンジァミン、エチレンジァミン等を開始剤とした一分子内に OH基を 3 個以上含むものも含む);アジペート系ポリオール、ポリ力プロラタトン系ポリオール、 ポリカーボネート系ポリオールなどのポリエステルポリオール;エポキシ変性ポリオ一 ノレ;ポリエーテルエステルポリオール;ベンジリックエーテル型フエノールポリオ一ノレな どのフエノール系ポリオール;ルミフロン(旭硝子社製)などのフッ素ポリオール;ポリブ タジエンポリオール;水添ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ハロゲン 含有難燃性ポリオール;リン含有難燃性ポリオール;酢酸、プロピオン酸等の一価の 飽和カルボン酸等のカルボン酸類;フエノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシ ン、力テコーノレ、ピロガローノレ、ビスフエノール A、ビスフエノール B、ビスフエノール S、 フエノール樹脂などのフエノール性 OH基を有する化合物; 2—ヒドロキシェチル (メタ )アタリレート、 2—ヒドロキシプロピル(メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシェチルビニルェ 一テル、 N メチロール (メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工業 (株)製のァロニタス 5700、 4ーヒドロキシスチレン、 日本触媒化学工業(株)製の HE— 10、 HE— 20、 H
P— 10および HP— 20 [いずれも末端に OH基を有するアクリル酸エステルオリゴマ 一]、日本油脂(株)製のブレンマー PPシリーズ [ポリプロピレングリコールメタタリレー ト]、ブレンマー PEシリーズ [ポリエチレングリコーノレモノメタタリレート]、ブレンマー P EPシリーズ [ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタタリレート]、ブレンマ 一 AP— 400 [ポリプロピレングリコールモノアタリレート]、ブレンマー AE— 350 [ポリ エチレングリコールモノアタリレート]、ブレンマー NKH— 5050 [ポリプロピレングリコ 一ルポリトリメチレンモノアタリレート]およびブレンマー GLM [グリセロールモノメタタリ レート]、 OH基含有ビュル系化合物と ε—力プロラタトンとの反応により得られる ε— 力プロラタトン変性ヒドロキシアルキルビュル系モノマーなどの ΟΗ基含有ビュル系モ ノマー [なお、 ΟΗ基含有ビュル系モノマーは、化合物 (Α)と発泡剤(D)の兼用物質 としても利用できる] ;前記 ΟΗ基含有ビュル系モノマーとアクリル酸、メタクリル酸、そ れらの誘導体などとの共重合により得ることが可能な ΟΗ基を有するアクリル樹脂;そ の他アルキド樹脂、エポキシ樹脂などの ΟΗ基を有する樹脂があげられる。
[0069] これらの活性水素基含有化合物のなかでも、反応性や取り扱い性の観点から、水、 一級アルコール、およびポリエーテルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも 1 種が好ましぐまた、得られた発泡体を医療用途として用いる場合に人体への影響が 少ないとの観点から、水、エタノール、ポリエチレングリコールがさらに好ましい。ポリ エチレングリコールを使用した場合、発泡体に吸水性を付与できることから、特に好 ましく用いられる。
[0070] 本発明における活性水素基含有化合物中の水酸基当量は、該水酸基当量が小さ くなると、添加する活性水素基含有化合物の体積が大きくなり、発泡倍率が上がらな くなるため、 0. lmmol/g以上が好ましぐさらに、反応性の点から 0. 5mmol/g以 上がより好ましい。
[0071] 本発明においては、ヒドロシリル基を有する化合物(B)中のヒドロシリル基との脱水 素反応を容易に行うために、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類を用いることもで きる。また、発泡速度の調整のために、 2種類以上の活性水素基含有化合物を併用 することも可能である。
[0072] さらに、架橋度や、発泡成形性、吸水性などの物性調整のために、エチレングリコ
ーノレモノアリノレエーテノレ、ポリエチレングリコーノレモノァリノレエーテノレ、ポリプロピレン グリコーノレモノァリノレエーテノレ、エチレングリコーノレプロプレングリコーノレ共重合体の モノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジァリルエーテル、ペン タエリスリトールジァリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の、分子 内にヒドロシリル化可能な炭素 炭素二重結合と、 OH基との両方を合わせ持つ化 合物を、使用することもできる。
[0073] なお、 1分子内に 2個以上の OH基を有する活性水素化合物、もしくは 1分子内に O H基とアルケニル基をともに有する活性水素化合物を用いた場合は、(B)ヒドロシリル 基を有する化合物中のヒドロシリル基と、活性水素化合物中の OH基との反応により、 水素ガスを発生すると共に、ヒドロシリル基と OH基およびアルケニル基との反応架橋 構造を形成するため、該活性水素化合物を多量に用いることは、十分な発泡を行う 前に硬化してしまう可能性があるために望ましくない。
[0074] 本発明にお!/、て発泡剤(D)として活性水素化合物を用いる場合、化合物 (A)、化 合物 (B)および発泡剤 (D)の配合割合は、各化合物の構造、 目的とする発泡倍率、 目的とする物性により適宜選択されるものであって特に限定はされないが、化合物( B)中のヒドロシリル基のモル数 Xと、化合物(A)中のアルケニル基のモル数 yおよび 発泡剤(D)中の OH基のモル数 zの和との比率が、 x : y+ z = 50 :;!〜 1: 10であるこ と力 S好ましく、 x : y+ z = 30 :;!〜 1: 5であること力 Sより好ましく、 x : y+ z = 20 :;!〜 1: 2 であることがさらに好ましい。ヒドロキシル基のモル比が x : y+ z = 50 : lを越えると、架 橋密度が低くなり、十分な機械的強度が得られない傾向があり、モル比が x : y+ z = 1: 10未満であると、十分な発泡、硬化が起こらない場合がある。
[0075] また、化合物(A)のアルケニル基のモル数 yと発泡剤 (D)の OH基のモル数 zとの 比率には特に限定はなぐ 目的とする発泡倍率、 目的とする物性、化合物 (A)の骨 格、発泡剤(D)の種類により、適宜選定することが出来るが、一般的には、 y : z = 10 0 :;!〜 1: 100力 S好ましく、 y : z = 10 :;!〜 1: 20がより好ましい。
[0076] 発泡剤(D)としては、上記活性水素化合物以外にも、上述の物理発泡剤や他の化 学発泡剤を単独、もしくは活性水素化合物と合わせて使用しても良い。
[0077] 物理発泡剤としては、ヒドロシリル化反応を阻害しな!/、ものであれば特に限定はな
いが、発泡性、および作業性と安全性の観点から、沸点 100°C以下の化合物である ことが好ましぐ 50°C以下がより好ましい。具体的には、炭化水素、フロン、塩化アル キル、エーテルなどの有機化合物、二酸化炭素、窒素、空気などの無機化合物が挙 げられる力 環境適合性の観点から、炭化水素、エーテル、二酸化炭素、窒素、空気 力も選ばれる化合物を用いることが好ましい。このうち、炭化水素としては、メタン、ェ タン、プロノ ン、 n—ブタン、イソプ'タン、 n—ペンタン、イソペンタン、ネ才ペンタン、 n —へキサン、 2 メチルペンタン、 3 メチルペンタン、 2, 2 ジメチルブタン、 2, 3- ジメチルブタンクロブタン、シクロペンタン、シクロへキサン等が挙げられる。また、ェ 一テル類としては、ジメチルエーテル、ジェチルエーテル、ェチルメチルエーテル、 ジプロピノレエーテノレ、ジイソプロピノレエーテノレ、ブチノレメチノレエーテノレ、ブチノレエチ ノレエーテノレ、 tert ブチノレメチノレエーテノレ、 tert ブチノレエチノレエーテノレ、 1 , 1 ジメチルプロピルメチルエーテル等が挙げられる。なお、発泡体製造時に、空気中で 機械的な攪拌を行う場合は、攪拌に伴って巻き込まれた空気により気泡が形成され る場合があり、これもまた物理発泡剤のひとつであると考える。ただし、これら物理発 泡剤を使用する場合、医療用途として用いられる際に、残存物の人体への影響を考 慮する必要がある場合があり、発泡体製造後、使用した物理発泡剤の沸点以上の温 度で加熱養生することにより、取り除いておくことが好ましい。
[0078] 活性水素化合物以外の化学発泡剤としては、ヒドロシリル化反応を阻害しないもの であれば特に限定はないが、例えば、 NaHCO、(NH ) CO
3 4 2 3、 NH HCO
4 3、 NH N
2
O、 Ca (N )、 NaBHなどの無機系化学発泡剤、ァゾジカルボンアミド、ァゾビスイソ
2 3 2 4
ブチロニトリル、ノ リウムァゾジカルボキシレート、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、 ノ ラトルエンスルホニルヒドラジドなどの有機系化学発泡剤などが挙げられる。ただし
、これら化学発泡剤を用いる場合、医療用途として用いられる際に、残存物の人体へ の影響を考慮する必要がある場合があるため、その使用は制限される。
[0079] 本発明の発泡体には、必要に応じて、さらに、充填剤、老化防止剤、ラジカル禁止 剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、ポリジメチルシロキサン ポリアルキレ ンォキシド系界面活性剤あるいは有機界面活性剤(ポリエチレングリコールアルキル フエニルエーテル等) などの整泡剤、酸あるいは塩基性化合物(ヒドロシリル基と OH
基との反応調整のための添加剤であり、酸で縮合反応を抑制し、塩基で加速する。 ) 、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤 、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン 系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤などを、本発明の目 的および効果を損なわない範囲において添加することができる。ただし、医療用途と して使用するため、その使用は制限される場合がある。
[0080] 本発明においては、これらのうち、後述の吸水性や、吸水速度を向上させる目的で 、高吸水性樹脂、およびこれを用いた粒子、繊維よりなる群から選ばれる少なくとも 1 種を添カロすること力 Sできる。
ただし、医療用途として使用するため、その使用は制限される場合がある。高吸水性 樹脂の具体例としては、天然多糖類、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギ ン酸、アルギン酸塩、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアタリレート、ポリメタクリレ ート、ポリアクリロニトリル、ポロビュルピロリドン、ポリビュルラタタム、ポリビュルピリヂ ン、ポリビュルアルコール、ポリビュルアセテート、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン又 は他の親水性ポリペプチド、力ラゲナン、ぺクチン、キサンタン、キチン、キトサン、澱 粉及びそれらの塩、誘導体、澱粉 アクリル酸グラフト共重合体、ビュルアルコール アクリル酸塩系共重合体、エチレン ビュルアルコール系共重合体、ポリアクリロ 二トリルーメタクリル酸メチルーブタジエン系共重合体等のコポリマー、及び混合物な どがあげられる。
[0081] 高吸水性樹脂、およびこれを用いた粒子、繊維と、発泡体との一体化の方法として は、特に限定するものではないが、高吸水性樹脂、およびこれを用いた粒子、繊維 に発泡体を積層する方法や、高吸水性樹脂、およびこれを用いた粒子、繊維を発泡 性樹脂組成物に混入せしめた後、発泡体を得る方法等が挙げられる。
[0082] また、吸水性向上に寄与する添加剤として、表面にシラノール基を有する無水シリ 力(酸化ケィ素)などのように表面に水酸基を有する粒子径 lOOOnm以下の微粉末、 スメクタイト、膨潤性フッ素雲母などの吸水性のある層状珪酸塩、あるいは、これらの 有機化処理品、ゼォライト、活性炭、アルミナ、シリカゲル、多孔質ガラス、活性白土、 けレ、藻土などの多孔性物質、などを添加してもよレ、。
[0083] また、整泡性や、化合物 (A)〜(D)の相溶性を向上する目的で、界面活性剤を添 カロすることもできる。界面活性剤の種類としては特に限定されるものではないが、具 体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリ ルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオ キシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、塩化ラウリルトリメチルアンモニゥム、塩化ァ ベンザルコニゥム液、アルキルジメチルァミノ酢酸べタイン、アルキルジメチルアミンォ キサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタイン、アルキ ルアミドプロピルべタイン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸ェ ステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン生界面活性剤などがあげられる。
[0084] 本発明の発泡体の密度は、特に限定するものではないが、 10kg/m3以上 500kg /m3未満であることが好ましぐ 20kg/m3以上 400kg/m3未満であることがより好 ましい。密度が 10kg/m3未満では機械物性が低下し、取り扱い性が悪ぐまた、 50 Okg/m3以上では、柔軟性等の発泡体特性が得られない傾向にある。
[0085] 本発明の発泡体の連続気泡率は、特に限定するものではないが、 80%以上である こと力 S好ましく、 90%以上であることがより好ましい。連続気泡率が 80%未満であると 、柔軟性や触感等、医療用発泡体として好適な特性が得られ難い傾向があり、また、 後述する吸水性も得られ難い。なお、連続気泡率は、 ASTM D2856 (1998)に準 じて測定するものとする。
[0086] 本発明の発泡体の厚みは、 1mm以上 100mm未満であることが好ましい。厚みが lmm未満では、発泡体として十分な機能が発揮できず、 100mm以上では、医療用 途で使用する際の取り扱いが困難となる。
[0087] また、本発明の医療用発泡体においても、生理食塩水中に 37°Cにて 24時間浸漬 した際の、下記式(1)で表される吸水率が、 200wt%以上 2000wt%未満であること が好ましぐ 250wt%以上 1700wt%未満であることがより好ましぐ 300wt%以上 1 500wt%未満であることがさらに好ましい。
吸水率 = 100 X (浸漬後の発泡体重量ー浸漬前の発泡体重量) ÷ (浸漬前の発泡 体重量) (1)。
[0088] さらに、本発明の発泡体は、生理食塩水中に 37°Cにて 24時間浸漬した際の、下記 式(2)で表される吸水膨張率を、 50vol%未満とすることにより、吸汗性や、体液吸収 性がよぐ特に、創傷被覆剤等に好適に利用できる為、好ましい。
吸水膨張率 = 100 X (浸漬後の発泡体体積ー浸漬前の発泡体体積) ÷ (浸漬前の 発泡体体積) (2)。
[0089] 吸水率が 200wt%未満では、十分な吸汗 ·吸体液効果が得られず、 2000wt%以 上では、吸水時に発泡体の機械物性が低下して取り扱いづらぐ実用的ではない。 吸水率として、さらに好ましくは 250wt%以上 1700wt%未満であり、特に好ましくは 、 300wt%以上 1500wt%未満である。
[0090] 吸水膨張率については、 50vol%以上では、膨張による圧迫感や不快感が生じる 為、好ましくない。吸水膨張率として、さらに好ましくは 40vol%未満であり、特に好ま しくは 30vol%未満である。
[0091] また、上記吸水特性発現のためには、発泡体樹脂がォキシエチレン単位を 5wt% 以上 80wt%未満含有することが好ましぐ 7wt%以上 70wt%未満含有することがよ り好ましく、 10wt%以上 60wt%未満含有することがさらに好ましい。
[0092] 本発明の発泡体の形態としては、特に限定するものではなぐ板状、シート状、不 定形塊状、ビーズ状、あるいは袋状や衣服の形態に成形したものなどが挙げられる 1S 特に、シート状としたものが汎用的に用いられる。また、発泡体は単独で用いても よぐフィルムや布、不織布、紙等の素材と一体成形して用いても良い。また、前述の 創傷被覆剤のごとぐ皮膚に直接付着させて用いる場合等、粘着剤や粘着フィルム、 包帯等と一体化させて用いることも可能である。
[0093] また、本発明の発泡体は、発泡成形時に形成される表皮層を残したまま使用しても よぐ切除して、もしくは所望の形態に切り出して用いても良い。ただし、創傷被覆剤 等、前述の吸水特性を効果的に発現させることが必要な用途に関しては、表皮層を 切除する力、、もしくは表皮層に開孔部を設ける必要がある。
[0094] 本発明の発泡体の製造方法としては、特に限定されないが、前述のごとぐァルケ 二ル基を有する化合物 (A)、ヒドロシリル化触媒 (C)、発泡剤(D)、および、場合によ つてはその他の添加物を加えてなる樹脂組成物を混合した後、ヒドロシリル基を有す
る化合物 (B)を添加、混合し、注入発泡もしくはスプレー発泡し、所望の形態に成形 する方法が好ましく用いられる。
実施例
次に、本発明の発泡体を実施例に基づいてさらに詳細に説明する力 本発明はか 力、る実施例のみに制限されるものではない。なお、特にことわりがない場合、実施例 および比較例の部は重量部、%は重量%を表す。実施例では、下記の化合物を用 いた。
A:アルケニル基を有する化合物
A— 1:ァリル基末端ポリオキシアルキレン(下記合成例参照、アルケニル基
0. 219mmol/g含有)
B:ヒドロシリル基を有する化合物
B—1 : KF— 99 (信越化学工業(株)製メチルハイドロジェンシリコーンオイル、 ヒドロシリル基 16. 6mmol/g含有)
C :ヒドロシリル化触媒
C— 1 :白金—1 , 3—ジビニルー 1 , 1 , 3, 3—テトラメチルジシロキサン錯体
(3重量%白金イソプロパノール溶液)
D :発泡剤
0—1 :ェタノール(0^1基21. 7mmol/g含有)
D— 2 :ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、マクロゴール 400、
分子量 400、 OH基 5· 00mmol/g含有)
D- 3 :ポリエチレングリコールモノアリルエーテル (日本油脂(株)製、ュニオック ス PKA— 5002、 ノレゲニノレ基 2. 50mmol/g、 OH基 2. 50
mmol/ g¾ ¾ )
D— 4 :イソペンタン
E :その他の原料
E—1:透湿性ポリウレタンフィルム((株)シーダム製 DSU-214-CDB、 30〃
(坪量 35g/m2) )
化合物 A— 1の合成例を以下に示す。
[0096] (化合物 A 1の合成)
苛性アルカリを用いた重合法により、数平均分子量 3000のォキシプロピレン重合 体グリコールを得た。特開平 5— 117521号公報の合成例 1の方法に準じ、そのォキ シプロピレン重合体グリコールを開始剤として複合金属シアン化物錯体触媒 (亜鉛へ キサシァノコバルテート)を用いてプロピレンォキシドを重合し、数平均分子量 13800 の重合物を得た。この重合物に対して、ナトリウムメチラートの 28%メタノール溶液と 塩化ァリルを使用して末端をァリル基に変換した後、脱塩精製して、 1分子中に概ね 2個のァリル基末端を有するポリオキシアルキレン化合物(化合物 A— 1)を得た。得 られた重合体のァリル末端基量は 0. 219mmol/gであった。
[0097] (実施例 1)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1) 7重量部およ びポリエチレングリコール(D— 2) 22重量部、ヒドロシリル化触媒(C— 1) 0. 3重量部 を加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1)を 13重量部添加してすばやく混合し た。室温で終夜放置し、発泡体を得た。得られた発泡体の密度は 120kg/m3、連続 気泡率は 100%であった。得られた発泡体に対する測定結果を、表 1に示す。
[0098] (実施例 2)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1) 7重量部およ びポリエチレングリコールモノアリルエーテル(D— 3) 22重量部、ヒドロシリル化触媒( C 1) 0. 6重量部を加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1)を 13重量部添カロ してすばやく混合した。室温で終夜放置し、発泡体を得た。得られた発泡体の密度 は 60kg/m3、連続気泡率は 100%であった。得られた発泡体に対する測定結果を 、表 1に示す。
[0099] (実施例 3)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1) 7重量部およ びポリエチレングリコール(D— 2) 22重量部、イソペンタン(D— 4) 5重量部、ヒドロシ リル化触媒 (C 1) 0. 3重量部を加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1)を 13 重量部添加してすばやく混合した。室温で終夜放置し、発泡体を得た。得られた発 泡体の密度は 105kg/m3、連続気泡率は 100%であった。得られた発泡体に対す
る測定結果を、表 1に示す。
[0100] (比較例 1)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1) 12重量部、 ヒドロシリル化触媒 (C 1) 0. 3重量部を加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1 )を 13重量部添加してすばやく混合した。室温で終夜放置し、発泡体を得た。密度 1 00kg/m3、連続気泡率 96%であった。得られた発泡体に対する測定結果を、表 1 に示す。
[0101] (比較例 2)
2, 6 トリレンジイソシァネート(分子量 174· 16) 15重量部、ポリエチレングリコー ノレ(三洋化成(株)製、マクロゴーノレ 1500、分子量 1500) 85重量部およびトリェチル ァミン 0. 1部、水 4重量部をよく攪拌した。室温で終夜放置し、発泡体を得た。密度 1 30kg/m3、連続気泡率 100%であった。得られた発泡体に対する測定結果を、表 1 に示す。
[0102] [表 1]
[0103] 上記結果より、本発明が、分子骨格中にシロキサン単位およびォキシアルキレン単 位を有し、かつ、イソシァネート基に由来する単位を含有しない吸水性軟質樹脂発 泡体を提供することが明らかである。
[0104] (実施例 4)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1)を 7重量部、 ヒドロシリル化触媒 (C 1) 0. 3重量部を加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1 )を 13重量部添加してすばやく混合した後、剥離処理を施した剥離紙上にアプリケ
一ターを用いて厚さ 3mmに均一に塗布した。その上面に、厚さ 6mmのスぺーサー を介して、剥離処理を施した剥離紙で蓋をしてプレス機にて挟み込み、室温で 10分 間放置後、 120°Cで 5分間加熱した。得られた発泡シートをスライサーで厚み方向に 半分にスライスし、厚さ 3mmの片面表皮付発泡体シートを得た。密度 130kg/m3、 連続気泡率 100 %であった。
[0105] (実施例 5)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1)を 7重量部、 ポリエチレングリコール(D— 2) 22重量部、ヒドロシリル化触媒(C— 1) 0. 3重量部を 加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1)を 13重量部添加してすばやく混合した 後、剥離処理を施した剥離紙上にアプリケーターを用いて厚さ 3mmに均一に塗布し た。その上面に、厚さ 6mmのスぺーサーを介して、剥離処理を施した剥離紙で蓋を してプレス機にて挟み込み、室温で 10分間放置後、 120°Cで 5分間加熱した。得ら れた発泡シートをスライサーで厚み方向に半分にスライスし、厚さ 3mmの片面表皮付 発泡体シートを得た。密度 129kg/m3、連続気泡率 100%であった。
[0106] (実施例 6)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1)を 7重量部、 ポリエチレングリコール(D— 2) 22重量部、ヒドロシリル化触媒(C— 1) 0. 3重量部を 加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1)を 13重量部添加してすばやく混合した 後、透湿性ポリウレタンフィルム(E—1) ( (株)シーダム製 DSU-214-CDB、 30 )(坪 量 35g/m2)にアプリケーターを用いて厚さ 3mmに均一に塗布した。その上面に、 厚さ 6mmのスぺーサーを介して、透湿性ポリウレタンフィルム(E— 1)で蓋をしてプレ ス機にて挟み込み、室温で 10分間放置後、 120°Cで 5分間加熱した。得られた発泡 シートをスライサーで厚み方向に半分にスライスし、厚さ 3mmの片面透湿性ポリウレタ ンフィルム付発泡体シートを得た。密度 150kg/m3、連続気泡率 95%であった。
[0107] (実施例 7)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1)を 7重量部、 ポリエチレングリコール(D— 2) 22重量部、ヒドロシリル化触媒(C— 1) 0. 3重量部を 加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1)を 13重量部添加してすばやく混合した
後、剥離処理を施した剥離紙にアプリケーターを用いて厚さ 2mmに均一に塗布した 。その上面に、厚さ 3mmのスぺーサーを介して、剥離処理を施した剥離紙で蓋をし てプレス機にて挟み込み、室温で 10分間放置後、 120°Cで 5分間加熱した。得られ た厚さ 3mmの両面表皮付発泡シートの片面を、 SUNX社製 C02レーザーマーカー LP— 200を用いて片面のスキン層を貫通する孔径 500 の孔を開口率 20%となる ように穿った。密度 200kg/m3、連続気泡率 90%であった。
[0108] (実施例 8)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1)を 7重量部、 ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(D— 3) 22重量部、ヒドロシリル化触媒(C - 1) 0. 6重量部を加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1)を 13重量部添加し てすばやく混合した後、剥離処理を施した剥離紙上にアプリケーターを用いて厚さ 3 mmに均一に塗布した。その上面に、厚さ 6mmのスぺーサーを介して、剥離処理を 施した剥離紙で蓋をしてプレス機にて挟み込み、室温で 10分間放置後、 120°Cで 5 分間加熱した。得られた発泡シートをスライサーで厚み方向に半分にスライスし、厚さ 3mmの片面表皮付発泡体シートを得た。密度 65kg/m3、連続気泡率 100%であつ た。
[0109] (実施例 9)
化合物 (A— 1) 100重量部に対して、発泡剤としてエタノール (D— 1)を 7重量部、 ポリエチレングリコール(D— 2) 22重量部、イソペンタン(D— 4) 5重量部、ヒドロシリ ル化触媒 (C 1) 0. 3重量部を加えて十分に混合し、さらに、化合物(B— 1)を 13重 量部添加してすばやく混合した後、剥離処理を施した剥離紙上にアプリケーターを 用いて厚さ 3mmに均一に塗布した。その上面に、厚さ 6mmのスぺーサーを介して、 剥離処理を施した剥離紙で蓋をしてプレス機にて挟み込み、室温で 10分間放置後 、 120°Cで 5分間加熱した。得られた発泡シートをスライサーで厚み方向に半分にス ライスし、厚さ 3mmの片面表皮付発泡体シートを得た。密度 110kg/m3、連続気泡 率 100%であった。
[0110] (比較例 3)
2, 6— TDI (分子量 174. 16) 15重量部、マクロゴール 1500 (分子量 1500) 85重
量部、トリエチルァミン 0. 1部、水 4重量部をよく攪拌したのち透湿性ポリウレタンフィ ルム((株)シーダム製 DSU-214-CDB、 30 )(坪量 35g/m2)上にアプリケーターを 用いて厚さ 3mmに均一に塗布した。その上面に、厚さ 6mmのスぺーサーを介して、 透湿性ポリウレタンフィルム(E— 1)で蓋をしてプレス機にて挟み込み、室温で 10分 間放置後、 120°Cで 5分間加熱した。得られた発泡シートをスライサーで厚み方向に 半分にスライスし、厚さ 3mmの片面透湿性ポリウレタンフィルム付発泡体シートを得た 。密度 140kg/m3、連続気泡率 100%であった。
[0111] 各発泡体シートにおける、以上の測定結果を表 1にまとめた。
[0112] [表 2]
[0113] 上記結果より、本発明が、イソシァネート基を有さず、かつ皮膚へのなじみの良い医 療用発泡体を提供するとともに、成分調整により、高吸水性かつ低吸水膨潤性の、 創傷被覆材等として好適に使用可能な医療用発泡体を提供することが明らかである なお、実施例および比較例中の測定、評価は次の条件 ·方法により行った。
[0114] (1)発泡体樹脂中のォキシエチレン単位含有量
発泡体重量に対する添加したポリエチレングリコールの重量比率、もしくはポリェチ レンダリコールモノアリルエーテル中のァリル基分を除いた重量比率を計算し、含有 量とした。
[0115] (2)密度
得られた発泡体の密度は、 JISK6400に準じて測定した。ただし、サンプルは一辺 が約 20mmの立方体状の大きさで切り出し、表皮部分は取り除いて用いた。
[0116] (3)連続気泡率
得られた発泡体の連続気泡率は、 ASTM D2856 (1998)に準じて測定した。た だし、サンプルは一辺が約 20mmの立方体状の大きさで切り出し、表皮部分は取り 除いて用いた。
[0117] (4)吸水特性
得られた発泡体を生理食塩水中に 37°Cにて 24時間浸漬し、浸漬前後の重量を精 秤することにより、下記式(12)で表される吸水率を求めた。
吸水率 = 100 X (浸漬後の発泡体重量ー浸漬前の発泡体重量) ÷ (浸漬前の発泡 体重量) 式 (1)
ただし、サンプルは一辺が約 20mmの立方体状の大きさで切り出し、表皮部分は取 り除いて用いた。
[0118] 同様に、 24時間浸漬前後の体積を、ノギスや厚みゲージを用いて外形から計算し 、下記式 (2)で表される吸水膨張率を求めた。
吸水膨張率 = 100 X (浸漬後の発泡体体積ー浸漬前の発泡体体積) ÷ (浸漬前の 発泡体体積) (2)。
[0119] (5)硬さ
得られた発泡体に対して、レオメータ(RT— 200J— CW、 FUDOH製)を使用し、 直径 15mmの円柱を、 50mm/分の速度にてサンプル厚さの 25%まで押し込んだ 状態で停止し、 30秒保持後の圧縮応力を測定した。ただし、サンプルは一辺が約 2 5mmの立方体状の大きさで切り出し、表皮部分は取り除いて用いた。
[0120] (6)皮膚刺激性
20mm X 20mmに切断した発泡体シートをボランティア 5人の上腕部に包帯(通常 市販されているものでよぐ例えば白十字社製 FCのびない包帯 M腕用など)で巻き つけて固定した。 6時間経過後、皮膚の蒸れをふやけにより相対評価するとともに、 皮膚の伸び縮みに対する発泡シートの引張応力等による搔痒感を官能評価した。
[0121] 蒸れ 〇 フャケが少ない、または観察出来ない
X フャケが多い、または認められる
搔痒感 〇 違和感をほとんど感じない
△ 違和感を感じる
X 引きつれなどの強い違和感を感じる
[0122] (治癒実験)
db/dbマウスの 9週齢の^を使用して φ 6mmのバイオプシパンチで全層欠損創を作 製し、発泡シートをサージカルテープ (通常市販されているものでよぐ例えば白十字 社製 FC紙テープなど)を用いて貼付して、 3日毎に貼り替え、 21日後までの治癒状 況を観察した。
[0123] 〇 肉芽組織表皮の形成が見られる
X 瘡蓋の形成、傷の収縮が見られる
[0124] また、貼り替え時に、発泡シートの創傷部への付着性に関して相対評価した。
[0125] 〇 抵抗無く剥がれる
△ 創傷部に付着し、剥がす時に抵抗を感じる
X 創傷部に発泡体が付着したまま発泡体がちぎれる あるいは、傷口が引っ張られて開く