WO2008026629A1

WO2008026629A1 - Food composition

Info

Publication number: WO2008026629A1
Application number: PCT/JP2007/066744
Authority: WO
Inventors: Kenji Matsushima; Hidenori Ishii; Kinji Yamashita; Motonaka Kuroda
Original assignee: Ajinomoto Co Inc
Current assignee: Ajinomoto Co Inc
Priority date: 2006-08-30
Filing date: 2007-08-29
Publication date: 2008-03-06
Anticipated expiration: 2009-02-28

Description

食品組成物技術分野

[0001] [関連出願の記載]

本発明は、日本国特許出願：特願 2006— 233193号（平成 18年 8月 30日出願）、特願 2006— 233194号（平成 18年 8月 30曰出願）及び特願 2006— 259225号（平成 18年 9月 25日出願）の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は

明

引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。

本発明は、魚介類又は魚介類加工品を原料とする食品組成物、その一例を挙げ

書

れば、鰹節より抽出した抽出物を粉末化してなる食品組成物に関するものである。また、当該食品組成物を含む抗疲労及び/又は抗ストレス作用を有する食品組成物に関するものある。

背景技術

[0002] 魚節あるいは煮干から熱水抽出により取得される抽出物（「だし」）は抽出後、空気中に放置すると、時間の経過とともに抽出直後のだし本来の好ましい風味を速やかに消失してしまう。この抽出だしの風味劣化の遅延とさらには腐敗を防止し長期的に保存する上で、だしを粉末化する手法が一般的に行われている。

[0003] だしを粉末化する手法としては、抽出しただしに直接または間接的に熱を加え水分を蒸発させる方法、又は凍結乾燥やマイクロ波乾燥法が公知の常法であるが、前者では熱劣化による初期品質低下が著しぐ後者では工業的に大規模な設備投資が必要となり、コスト面から実施は困難である。

[0004] 特許文献 1 (特開平 8-107768号公報）では、魚介類又は魚介類加工品を原料とする液状又はペースト状だしの製造工程において含硫化合物を添加することにより、だしが有する本来の風味が強化され、且つ製造後においては風味の劣化を抑制できる技術が開示されている。し力、しながら、本技術においてはだしの粉末化における劣化抑制効果にっレ、ては確認されて!/、なレ、。

[0005] 更に特許文献 2 (特開 2005-46109号公報）において、燻製品より抽出されたェキス画分に含硫化合物を添加し賦形剤をして粉末化することで燻煙臭が増強されることが記載されている。しかし、だし本来の風味や香りの劣化については何ら記載されておらず、これを抑制するという課題を認識することができないものである。

[0006] また、特許文献 3 (特開平 11— 32721号公報）において、サイクロデキストリンを添カロした魚節類エキスを得るに際し、魚節類エキス中の総サイクロデキストリン重量に対する、 α—及び /3—サイクロデキストリンの重量和の割合を 60%以上 100%以下で、且つ /3—サイクリデキストリンが 10%以上とすることにより、本来の魚節類とほとんど同様の香りを有する魚節類エキス及びその乾燥物を得る方法が提案されて!/、る。し力、し、 aと 13の特定比率のサイクロデキストリンを用いなければならず、風味や香りの劣化を抑制する点にぉレ、ても満足すべきものではなレ、。

[0007] 特に最近、抗疲労組成物として、アンセリン、カルノシン及びバレニンから選ばれた少なくとも 1種以上であるイミダゾールジペプチド類及び/又はその塩を有効成分として含有させること（例えば、特許文献 4 (特開 2002— 173442号公報)参照）、更に、これらのイミダゾール化合物と D リボースを有効成分として含有させること (例えば、特許文献 5 (特開 2002— 338473号公報)が知られている。これらは、魚介類ゃ畜肉に多く含まれるアンセリンやカルノシンが ATPaseを活性化することから、魚介類、鶏肉、畜肉などから得られるエキスの低分子画分を、限外濾過膜を通して特異的にイミダゾールペプチド類、特にアンセリン、カルノシン及びバレニンなどを精製したものである。この中から選ばれる少なくとも 1種以上の投与により運動能力の向上及び抗疲労効果をもつことが提唱されているが、運動負荷後の疲労回復の際に重要となる ATP量の検討は行っていないので、疲労回復との関係は明らかではない。更に、疲労回復用食品組成物として、回遊魚、特に鰹の抽出物を有効成分として含有する食品組成物（例えば、特許文献 6 (WO2004/032652号パンフレット）が知られている。

[0008] 一方、抗ストレス組成物として、アンセリン、カルノシン、バレニン、 π—メチルヒスチジン及び τ メチルヒスチジンの群から選ばれた 1種以上のイミダゾール化合物を含有する組成物が、ヒトに対して過度の精神活動による疲労感を軽減し、集中力を増強する抗精神疲労効果を有することが示されている。（例えば、特許文献 7 (特開平 9 20661号公報）参照）また、アンセリン、バレニン、 π メチルヒスチジン及び τーメチルヒスチジンの群から選ばれた 1種以上のイミダゾール化合物、又はこれを主成分とする抽出物を添加してなる抗ストレス飲食品が開示され (例えば、特許文献 8 (特開平 9 20660号公報)参照）、同文献の実施例 5ではヒトの計算力試験及び短期記憶力試験を実施している。しかしながら、ここに、イミダゾール化合物を主成分とする抽出物とは、例えば、魚類加工時の煮汁濃縮物から限外濾過及びイオン交換樹脂を用いて分離された画分（同文献実施例 6 (段落 0039)参照）であって、イミダゾール化合物の含量は 2%以上、好ましくは 10%以上、より好ましくは 50%以上がよぐ特にアンセリンの含量は 1 %以上、好ましくは 5%以上、より好ましくは 20%以上のものである（同文献段落 0014〜0015参照）。この組成物は高コストであり、一般食品としては現実的ではないと考えられる。更にまた、回遊魚、特に鰹の抽出物を有効成分として含有する抗ストレス作用を有する食品組成物も知られている（例えば、特許文献 9 (WO2005/087022号ノンフレツ卜）参照）。

これらの、抗疲労及び/又は抗ストレス作用を有する食品組成物に魚介類又は魚介類加工品を原料とする液体抽出物を高濃度で大量に利用しょうとするときに、回遊魚の抽出物は特有の苦味やエダ味が感じられるため、風味や香りの嗜好性を向上することが求められていた。

特許文献 1 :特開平 8-107768号公報

特許文献 2：特開 2005-46109号公報

特許文献 3：特開平 11-32721号公報

特許文献 4：特開 2002— 173442号公報

特許文献 5：特開 2002— 338473号公報

特許文献 6： WO2004/032652号ノンフレット

特許文献 7：特開平 9 20661号公報

特許文献 8：特開平 9 20660号公報

特許文献 9： WO2005/087022号ノンフレット

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0010] 特許文献；!〜 9の開示事項は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとする。

本発明は、魚介類または魚介類加工品を原料とする液体抽出物を粉末化する際に生ずる風味や香りの劣化を簡便且つ効果的に抑制することのできる、食品組成物を提供することにある。更に本発明は、抗疲労作用及び/又は抗ストレス作用を有する食品組成物として、魚介類または魚介類加工品の抽出物を高濃度で用いる際に、特有の苦味やエダ味を低減すると共に、風味や香りといった食品の嗜好性を向上した、抗疲労及び/又は抗ストレス作用を有する食品組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0011] 本発明者らは、前記の目的を達成すべく鋭意研究の結果、鰹などの回遊魚や回遊魚から得られる魚介類または魚介類加工品の抽出物、特に魚節の抽出物に対し、果実又は果実抽出物と、甘味料とを所定の割合で配合することにより、飲みやすくかつ抗疲労、抗ストレス作用を有する食品組成物が得られることを見出した。さらに風味保持のため、上記魚節抽出物が、魚節抽出液の固形分に対して硫黄元素の質量比で 2. 5 X 10— ⁶〜2. 5 X l

の範囲となる含硫化合物含有酵母エキスを添加されること、粉末形態の調製においては賦形剤として魚節抽出液の固形分に対して 1〜3 5質量％のサイクロデキストリンを添加し乾燥を行うことにより、だし本来の風味と香りの劣化が抑制され嗜好性が改善することを見出し、このような知見に基づいて本発明を完成するに至った。

[0012] すなわち、本発明の食品組成物は、魚介類または魚介類加工品を原料とする抽出物と、果実及び/又は果実抽出物と、甘味料とを、それぞれの固形分質量にて 100 : ；!〜 50 : 10〜； 150の割合で含むことを特徴とする。好ましい実施形態において、前記抽出物は、魚介類又は魚介類加工品を原料とする液体抽出物に、サイクロデキストリンを含む賦形剤と含硫化合物を含む酵母エキスとを添加した後に、当該液体抽出物を粉末化することを特徴とする。液体抽出物に添加される前記賦形剤は、抽出物の固形分に対して 1〜35質量％となるサイクロデキストリンを含み、且つ前記酵母ェキスは、抽出物の固形分に対して硫黄元素の質量比で 2. 5 X 10— ⁶〜2. 5 X 10^{_ 1}% の範囲となる含硫化合物を含むことを特徴とする。前記含硫化合物は、システィン、 γ ダルタミルシスティン、ダルタチオン、システュルグリシン及びそれらの塩から選ばれる何れ力、 1種又は 2種以上であることが好ましい。本発明の 1つの実施形態において、前記酵母エキスが、硫黄元素換算で 0. 025-2. 5質量％となるように、システイン、 Ί ダルタミルシスティン、ダルタチオン、システュルグリシン及びそれらの塩から選ばれる何れ力、 1種又は 2種以上を添加して調製されることを特徴とする。本発明の他の好ましい実施形態として、前記粉末にする工程が、スプレードライ法又はドラムドライ法を用いて行なわれる。本発明の特に好ましい実施態様において、前記魚介類加工品が魚節であることを特徴とする。

[0013] さらに、本発明の異なる観点において、前記食品組成物が、長期間にわたって風味や香りが維持されると共に抗疲労及び/又は抗ストレス作用を有することに基づきこれらの機能を発揮し、従って、これらの用途に使用することが好ましい食品組成物を提供するものである。前記食品組成物に含まれる抽出物は魚介類または魚介類加ェ品、好ましくは魚節、さらに好ましくは鰹節を原料とするものであり、当該鰹節抽出物固形分を 1食あたり 0. 5g以上含有することが好ましい。

[0014] さらになお別の観点において、本発明は、対象者の疲労及び/又はストレスを軽減する方法であって、上記食品組成物をそのような必要のある対象者に経口的に摂取させることを含む。

発明の効果

[0015] 本発明の食品組成物は、魚介類または魚介類加工品、好ましくは魚節、さらに好ましくは鰹節から抽出される成分に由来するところの抗疲労及び/又は抗ストレス作用を有すると共に、これらの原料特有の苦味やエダ味が低減され、本発明によれば、粉末化する際に添加したサイクロデキストリンと含硫酵母エキスによってだしの風味、香りの劣化を抑制できる粉末調味料及びこれを含有する食品組成物を、簡便に且つ低コストで製造することカできる。

発明を実施するための最良の形態

[0016] 本発明において使用する抽出物の原料としては、魚介類または魚介類加工品である。多くの場合、生鮮の魚介類よりも魚介類加工品が使用される。魚介類加工品としては魚節、例えば、回遊魚を生切り、煮熟、及び焙乾を行って得られ荒節、並びに荒節にカビ付けを行って得られた枯節等を用いることができる。原料の節類から熱水抽出を行って抽出液を得た後、そのまま、あるいは濃縮後に乾燥を行って抽出物を得る。また、上記の原料となる節類に水を添加して、プロテアーゼ、ぺプチダーゼ等のタンパク質分解酵素を添加して酵素分解を行った後に熱水抽出操作を行レ、、抽出物を得ることも可能である。素干品あるいは塩干品の何れも使用される力特に魚節が適当である。魚節として「鰹節」「宗太節」「鯖節」「鰺節」「鰯節」「鮪節」「雑魚節」「削り節」「粉末節」「荒節」などが例示される。

[0017] このような魚介類または魚介類加工品から抽出物を得るための一般的な抽出法としては、液化炭酸ガス抽出法、超臨界ガス抽出法、アルコール抽出法、熱水抽出法などがあり、特に限定されるものではないが、好ましい抽出方法としては熱水抽出法が適当である。熱水抽出の条件としては、魚節を 75〜95°Cの熱水中で 30〜60分間抽出すればよい。

[0018] 上記抽出操作によって得られたエキス画分を粉末化する方法としては、真空乾燥法、凍結乾燥法、スプレードライ法、ドラムドライヤー法、バキュームドラムドライヤー法、マイクロ波乾燥法などがある。本発明においてはこれら何れの方法も使用可能であるカ、加熱劣化が著しいスプレードライ法、ドラムドライヤー法を用いたときの、だしの風味、香りの劣化抑制効果が著しい。

[0019] 本発明は、このような魚節抽出物の抗疲労及び/又は抗ストレス作用を効果的に発揮させるため、従来品より飲み易ぐ食品としての嗜好性を向上させるために、果実又は果実抽出物の添加、及び甘味料の添加を行った。果実又は果実抽出物の添加による酸味の付与と甘味料を加えることによる甘さの付与により、高濃度の抽出物を単体で飲む上で妨げとなる苦味やエダ味がマスキングされ、嗜好性を高めることが可能となる。配合の割合としては魚節抽出物の固形分 100部に対し、果実又は果実抽出物固形分 (果汁においては可溶性固形分として）を 1〜50部の割合で添加する。好ましくは 2〜40部の割合である。

[0020] 本発明で用いる果実又は果実抽出物は、蜜柑、檸檬、柚子、オレンジなどの柑橘類、林檎、梨、梅などをあげられる力特に梅を用いた時に、魚節との相性が良く摂取し易い。本発明に用いる梅は、青梅自身及びこれを塩蔵して得られる一般的な梅干の他、これらを抽出した梅エキスや梅干エキス、更には梅干を作る際の漬け込み液も利用可能である。尚、梅の抽出法は前述の抽出物の抽出法と同様に水抽出や熱水抽出が適当である。配合割合としては魚節抽出物の固形分 100に対し、梅肉や梅干及び抽出物固形分を;!〜 50、好ましくは 2〜40の割合で添加する。これを下回るとだしの苦味がマスクしきれず、一方で上回ると梅の呈味が先行し酸味が強く好ましくない。

[0021] さらに甘味料に関してはその種類は問わない。例えば、アスパルテーム、アセスルファーム、ステビアサイド、サッカリンなどの高甘味度甘味料や、グリシン、ァラニンなどのアミノ酸系甘味料、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖、トレハロース、ラタトースなどの糖類、蜂蜜、糖蜜などいずれについても使用することが可能である。また、澱粉の部分分解物を用いることも可能である。上記の糖類の一つ以上のものを混合して用いることも可能である。ただし、上記の糖類の中では、呈味質、風味質や加工特性の点からショ糖が好ましい。糖類については魚節固形分の 100部に対して 10〜； 150 部の割合で添加する。好ましくは 80〜130部の割合である。さらに好ましくは 100〜 130部の割合が好ましい。これを下回ると魚節由来のだしの苦味がマスキングできず、一方で上回ると甘さが残って後味として好ましくなレ、。

[0022] 本発明はさらに上記魚節抽出物の製造方法を工夫することにより、魚節抽出物のだしの風味、香りの劣化を抑制し、スープ等の液状食品としたときに飲み易くあるいはカプセルや顆粒状、ゼリー状等の固体状、半固体状食品としても摂取し易い食品組成物を提供することができる。

[0023] 本発明において、粉末化する際に添加する賦形剤としては、デキストリン、乳糖、塩、グルタミン酸ナトリウム、グラニュー糖、ゼラチン等の公知の賦形剤が使用可能である力少なくともその一部又は全部にサイクロデキストリンを含むことを特徴とする。サイクロデキストリンは、 D—グルコースが α ( 1→4)結合で環状構造を形成したものであり、一般的にはグルコースが 6個から 8個結合したものが知られ、それぞれ、 α—、 13 γ—サイクロデキストリンと呼ばれている。デンプンにバチルス属由来の細菌酵素を作用させて合成される。内部にある孔隙に一定の大きさの分子を包接する性質があり、その性質を利用して不安定な物質の安定化や疎水性物質の可溶化等、食品や医薬品分野において利用されている。本発明の方法で使用するサイクロデキストリンの形態（種類）は特に限定されないが、コストおよび品質の観点から /3—サイクロデキストリンが好ましい。サイクロデキストリンの添加量は、抽出物の固形分に対して 1〜35質量％の範囲、好ましくは 5〜20質量％、さらに好ましくは 5〜； 10質量％の範囲で添加される。 1質量％より少ないと本発明の効果が得られにくぐ 35質量％より多いとサイクロデキストリン自体の呈味が影響し、だしの呈味が弱く感じられるとともにコスト的にも負担が大きい。

本発明において粉末化する際に添加する含硫化合物としては、食品として安全で且つ含硫化合物を多く含有する酵母エキスの形態で添加されることが好ましレ、。酵母エキスとしては、ビール酵母、パン酵母又はトルラ酵母等の一般的な材料を、自己消化法、酵素消化法又は酸分解法等によって得られる酵母エキスであれば特に制限はなぐこれらは市販品を入手し、又は所望により製造することもできる。含硫化合物の含量が高い場合、例えば、培養法や抽出法を工夫することにより得られるグルタチオン等の含硫化合物を高濃度に含む酵母エキスの場合はそのまま用いることもできる力含硫化合物を別途添加し、その含量が所定の範囲となるように調整することが好ましい。本発明の方法に用いる含硫化合物としては、食品素材中に一般に含まれる含硫化合物であれば特に限定されず、例えば、システィン、シスチン、メチォ二ン、タウリン等の含硫アミノ酸、ダルタチオン、 _Ί -グルタミルシスティン、システュルグリシン等の含流ペプチド、及びチアミン等の含流ビタミン等を挙げることができる。その中でも、特にスルフヒドリル基を有する含硫化合物が好ましぐ例えば、システィン、ダルタチオン、 γ—ダルタミルシスティン、システュルグリシン並びにそれらの塩、及び/又は水和物等を挙げることができる。例えば、システィンは塩酸塩又は水和物でもよく、また、シスチンのようなジスルフイドから還元によってスルフヒドリル基が生成されてもよい。これらのスルフヒドリル基を含む含硫化合物の何れか 1つ以上を用いた場合に、本発明に係るだしの風味、香りの劣化抑制効果が大きい。これらの含硫化合物は、 1種又は 2種以上の組成物として酵母エキスに予め添加する力、、又は酵母エキスと共に液体抽出物に含硫化合物の結晶又は粉末を散布、添加する方法、含硫化合物の結晶又は粉末を含有する希釈物粉末を散布、添加する方法、含硫化合物の高濃度水性溶液を噴霧、添加する方法などの任意の添加方法が採用されるが、添加終了時に含硫化合物が均一に分布していることが好ましい。

[0025] 本発明において添加される含硫化合物の量は、抽出物の固形分に対して硫黄元素の質量比で 2· 5 X 10— ⁶〜2. δ Χ

の範囲、好ましくは 2· 5 X 10— ⁴〜2. 0 Χ 10_³%の範囲で添加することが好ましい。添加量が 2. 5 Χ 10_⁶%以下ではだし風味保持の効果は殆ど得られず、 2. 5 X 10— 。以上では含硫化合物及び酵母エキス自体の呈味が前面に感じられ、だし風味を損ねる可能性がある。したがって特に好ましくは、酵母エキスと含硫化合物とを予め混合し、含硫化合物の濃度を高め、又は所定の濃度範囲となるように調整した含硫酵母エキスを用いることができる。例えば、硫黄元素換算で 0· 025-2. 5質量⁰ /₀となるように、システィン、 γ—ダルタミルシステイン、ダルタチオン、システュルグリシン及びそれらの塩から選ばれる何れか 1種又は 2種以上を添加して含硫酵母エキスを調製することができる。これを抽出物の固形分に対して 0. 01〜； 10質量％程度添加することにより、含硫化合物の濃度を好ましい範囲に調整することができる。

[0026] 本発明の食品組成物は、上記のように魚介類エキスと、サイクロデキストリンを含む賦形剤と、含硫化合物を含む酵母エキスとを均一に粉末化したものである力更に、必要によりその他の添加剤を含んでもよい。その場合の添加剤としては、グルタミン酸ソーダ等の調味料、砂糖、塩、香辛料、保存安定剤、着色料、香料等の、風味、呈味、物性改善剤等を挙げることができる。また、上記酵母エキスには様々な種類があること力、ら、旨みやコクを強化するために、 5 '—イノシン酸 (IMP)ナトリウムや 5 '—グァニル酸（GMP)ナトリウムが高含量のものを用いてもよ!/、。

[0027] また、魚類及び/又は魚節抽出物力食あたりの抽出物の固形分換算重量で 0. 5 g以上、好ましくは 1. 0〜10g摂取できるように、本発明の食品組成物を単独又は上記に示した添加剤と混合することにより、抗疲労、抗ストレス作用を有する食品組成物を提供することが可能である。なお、ここでいうところの抗疲労、抗ストレス作用とは、からだを疲労の状態からいち早く回復する疲労回復作用、運動負荷や精神負荷を与えた際に疲れに《する効果、又は日常的に感じる眼精疲労、精神的疲労、若しくは精神不全等のストレスを軽減し、さらには頭脳作業の効率を改善する作用を示す。すなわち、本発明は、このような魚類及び/又は魚節抽出物の抗疲労及び/又は抗ストレス作用を効果的に発揮させるため、従来品より飲み易ぐ食品としての嗜好性が向上したものである。これらの作用が発揮されるためには、ある程度の期間にわたつて摂取する必要があることから食品としての嗜好性は極めて重要である。なお、かかる抗疲労及び/又は抗ストレス作用を示す有効成分については、本出願人による先の出願（国際公開第 2004/032652号パンフレット及び国際公開第 2005/0870 22号パンフレット）に基本的に開示されており、これらの内容は参照により本願に組み込まれるものとする。

[0028] 本発明の食品組成物は、抗疲労、又は抗ストレス作用を妨げない範囲内で適当な添加物を配合することができる。そのような添加物としては、タンパク質 (乳タンパク質、大豆タンパク質等）、糖類、脂肪、ミネラル、ビタミン類、嬌味成分、賦形成分、静菌成分、色素成分等でありうる。

[0029] このようにして製造された本発明の食品組成物は、そのまま粉末混合物として、あるいは適宜液体混合物を調製して医薬品、飲食品、サプリメント、調味料等として用いること力 Sできる。飲食品の形態としては、固形又は液状の食品ないし嗜好品、例えば、パン、麵類、ごはん、菓子類（ビスケット、クッキー、ケーキ、キャンデー、チョコレート、チューインガム、和菓子）豆腐及びその加工品、みりん、食酢、醤油、味噌、ドレツシング、ヨーグルト、ハム、マヨネーズ等の加工食品、力、まぼこ、揚げ天、はんぺん等の水産食品、果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料、茶等の飲料等が挙げられる。

[0030] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する力本発明はこれらの例によつて何ら限定されるものでなレ、。

実施例 1

[0031] 鰹節抽出物の粉末化におけるサイクロデキストリン添加系評価を実施した。まず事前に低分子含硫化合物含有量が少ない酵母エキス（味の素株式会社製「酵母ェキス No. 1」、自己消化型酵母エキス、含硫化合物濃度 0. 05質量％以下と見積もられる。） 100gにシスティン 2gを添加しシスティン含有酵母エキスを調製した。一般的に市販されている鰹節を 25% (w/w)になるように調製し、 80°Cの熱水で 60分間抽出した。得られた高濃度鰹節抽出物 lOOOgに、先に調製したシスティン含有酵母ェキスを 0· lg、 /3—サイクロデキストリン（日本食品化工 (株）セルデッタス B— 100) )とデキストリン (三和澱粉工業 (株）「サンデック # 100」）をあわせて 15g添加（各添加割合は下記表 1参照）した液体抽出物溶液をスプレードライにて粉末化した。本粉末 5gを熱水 95gで希釈し、下記表 1に付記した評価基準に従って溶液の官能評価を実施した。

[0032] その結果、下記表 1に記すように賦形剤としてデキストリンに代わりサイクロデキストリンを添加することで鰹だしの風味と香りの劣化が抑制されかつ好まし力、つた。

[0033] [表 1]

[0034] 〈評価基準〉評点 5点：強い、または好ましい

4点：やや強い、またはやや好ましい

3点：無添加と同じ

2点：やや弱い、またはやや好ましくない

1点：弱い、または好ましくない

実施例 2

[0035] 次に、各含硫化合物の酵母エキスの系にて評価した。低分子含硫化合物含有量が少ない酵母エキス（味の素株式会社製「酵母エキス No. 1」、自己消化型酵母ェキス）をコントロール（対照品）に用いて、酵母エキス各 100gにシスティンは 2g、グルタチオンは 5g添加し含硫酵母エキスを調製した。一般的に市販されている鰹節を 25 % (w/w)になるように調製し 90°Cの熱水で 30分間抽出した。得られた高濃度鰹節抽出物 lOOOgに先に調製した酵母エキスを 0· lg、 /3—サイクロデキストリン（日本食品化工 (株）「セルデッタス B— 100」）を 5g、デキストリン (三和澱粉工業 (株）「サンデック # 100」 )を 10g添加した液体抽出物溶液をスプレードライにて粉末化した。本粉末 5gを熱水 95gで希釈し、実施例 1の評価基準に従って溶液の官能評価を実施した。

[0036] その結果、下記表 2に記すように含硫化合物の添加により鰹だしの風味と香りの劣化が抑制されかつ好まし力、つた。

[0037] [表 2]

実施例 3

[0038] [鰹節抽出物への果実抽出物と甘味料の添加効果]

次に実施例 2の試験区 1をコントロールとし、風味と香りの劣化が抑制された鰹節抽出物における果実と甘味料を添加することでの飲み易さの改善効果を評価した。上記の通りコントロールには一般的に市販されている鰹節を 25% (w/w)になるよう調整し 85°Cで 45分熱水抽出した高濃度鰹節抽出物 lOOOgに、事前に低分子含硫化合物含有量が少ない酵母エキス lOOgにシスティンを 2g添加して調整しておいた酵母エキス 0· lg、 /3—サイクロデキストリン（日本食品化工 (株)「セルデッタス B— 100」 ) 5g、デキストリン（三和澱粉工業 (株)「サンデック # 100」） 10g添加しスプレードライにて粉末化した鰹節抽出物粉末 (表では鰹だし粉末と記述した）を使用した。ここへ果実抽出物として市販の梅肉粉末 (井村屋製菓 (株)「梅パウダー」）、レモン果汁 ((株 )ポッカコーポレーション「100レモン」）、ゆず果汁（青果）、甘味料としてショ糖、蜂蜜 (味の素 (株)「はちみつシロップ」 )を添加してサンプルを調整し、試飲時の鰹節抽出物濃度が一定となるように希釈（単純に果実抽出物と甘味料分を上乗せ）して実施例 1と同じ評価基準に従って官能評価を実施した。

[0039] その結果、下記の通り、果実抽出物と甘味料を添加することで鰹節抽出物として飲み易さが向上した。 [0040] [表 3]

果実抽出物と甘味料の組み合わせ

rF3での平均、

実施例 4

[0041] [精神的ストレスに対する影響]

一般的に市販されている鰹節を 25% (w/w)になるように調製し 90°Cの熱水で 45 分間抽出した。得られた鰹節抽出物 5kgにデキストリン (三和澱粉工業 (株)「サンデック # 100」）を 250g添加し、凍結乾燥によって粉末化した。得られた鰹節抽出物粉末 100重量部に対して、市販梅肉粉末 50. 5重量部、グラニュー糖 55. 9重量部、市販昆布エキス粉末 20. 4重量部を混合することにより、本発明の食品組成物を得た。また、上記の組成物の鰹節抽出物粉末の区分を、鰹節フレーバー粉末、カラメル、食塩およびデキストリンに置換して、鰹節抽出物粉末以外の原料を同一にして調製した組成物をプラセボ試料として用いた。

[0042] 精神的なストレスを表す生化学指標の変化に対する影響調査を二重盲検クロスォ一バー法にて実施した。健康な成人女子 35名（平均年齢 21. 1 ± 1. 2歳、平均士標準偏差)を 2群に分けて、上記で調製した食品組成物 11. 5g (鰹節抽出物固形分 2.4 g含有)又はプラセボ試料 11. 5gを 2週間摂取させた（第 1摂取期間）。 6週間のゥォッシュアウト期間の後に、第 1摂取期間とは異なる試料を 2週間摂取させた (第 2摂取期間）。摂取期間前後の測定日の一定時刻に、被験者の唾液を採取し、精神的なストレスを表す生化学指標として報告されているコルチゾール含量ならびにアミラーゼ活性を測定した。唾液コルチゾールの分析値を表 4に、唾液アミラーゼ活性の測定結果を表 5に示す。表 4に示したようにプラセボ摂取時には唾液コルチゾール含量が増加したが、一方、本発明の食品組成物の摂取時には減少する傾向が示された。また、表 5に示したように、プラセボ摂取時には唾液アミラーゼ活性は増加した力 S、一方、本発明の食品組成物の摂取時には減少する傾向が示された。すなわち、プラセボ摂取時には、いずれのストレスの生化学指標も増加し、本発明の食品組成物の摂取時には減少する傾向が示された。以上の結果から、本発明の食品組成物を 2週間、継続摂取することにより、精神的なストレスが軽減されることが示された。

[表 4]

唾液コルチゾール分析値

摂取サンプル摂取荊 1¾ 'it

プラセボ 2.95 土 0.24 3.27 ± 0.31 0.32 ± 0.35 鰹だし 3.40 土 0.26 3.28 ± 0.28 -0.12 ± 0.30

Mean±SE n= 35 ( μ g/L)

[0044] [表 5]

唾液アミラーゼ活性

摂取サンプル摂取前摂取後 I s

プラセボ 30.6 ± 2.2 36.5 ± 3.7 5.9 土 21.9

鰹だし 35.4 士 3.6 34.8 士 2.8 -0.7 士 3.3

Mean±SE n=35 (KU/L) 実施例 5

[0045] [日常疲労感および精神ストレスに対する影響]

日常疲労感および精神ストレス (精神的なストレスを表す生化学指標の変化）に対する本発明の食品組成物摂取の影響調査を二重盲検クロスオーバー法にて実施した。日常疲労感については POMS(Profile of Mood States)試験により評価を行った（横山ら、日本公衆衛生学雑誌； 37,913-918, 1990)。疲労感を有する成人女子（PO MS試験の「疲労」スコアの T得点が 50点以上の人を選定して被験者とした） 15名（平均年齢 21.5±1.3歳、平均土標準偏差)を 2群に分けて、実施例 4にて調製した食品組成物 11.6g (鰹節抽出物固形分 2.4g含有）またはプラセボ試料 11.6gを 2 週間摂取させた (第 1摂取期間)。 6週間のゥォッシュアゥト期間の後に、第 1摂取期間とは異なる試料を 2週間摂取させた (第 2摂取期間)。摂取期間前後の測定日の一定時刻に POMS試験 (金子書房 (株)製、 No.850を使用した）による気分'感情状態の調査を実施し、「疲労」項目のスコアについて測定を行った。また、試料摂取期間中の就寝時に疲労に関連する項目を調査する自覚症状アンケートを行った。この自覚症状アンケートは「疲労感」、「目の疲労感」、「集中力」、「眠りの深さ」の 4項目からなり、 1点から 5点の 5点評価法にて調査した。「疲労感」および「目の疲労感」については 1点（非常に強く感じる）、 2点（強く感じる）、 3点（やや感じる）、 4点（あまり感じない )、 5点ほったく感じない）とした。「集中力」については 1点ほったくない）、 2点（あまりない）、 3点（ややある）、 4点（ある）、 5点（非常にある）とした。また、「眠りの深さ」については、 1点（浅い）、 2点（やや浅い）、 3点（どちらでもない）、 4点（やや深い）、 5 点 (深い）とした。なお、自覚症状アンケートについてはそれぞれの摂取期間の第 1週の 7日間のスコアと第 2週のスコアのそれぞれの平均値を求めて比較を行った。さらに POMS試験実施前に唾液の採取を行い、精神的なストレスを表す生化学指標として報告されているコルチゾール含量ならびにアミラーゼ活性を測定した。 POMSの「疲労」スコアの結果を表 6に、自覚症状アンケートの結果を表 7に示した。また、唾液コルチゾールの分析値を表 8に、唾液アミラーゼ活性の測定結果を表 9に示す。表 6 に示したようにプラセボ摂取時には「疲労」スコアが有意に (危険率 0. 05以下)増加したが、一方、本発明の食品組成物の摂取時には有意な変化は認められな力、つた。この結果から本発明の食品組成物を摂取することにより「疲労感」の増加が抑制されることが示された。また、表 7に示したようにプラセボ摂取時には「疲労感」スコアが低下する（疲労が増加する）傾向を示したが、一方、本発明の食品組成物の摂取時にはスコアに変化は認められな力、つた。また、「目の疲労感」についてはプラセボ摂取時にはスコアが低下する（目の疲労感が増加する）傾向（有意傾向；危険率 0. 1以下 )を示した力一方、本発明の食品組成物の摂取時には有意な変化は認められなかつた。「集中力」についてはプラセボ摂取時にはスコアが有意に (危険率 0. 05以下）低下する（集中力が低下する）ことが認められたが、一方、本発明の食品組成物の摂取時には有意な変化は認められな力た。さらに、「眠りの深さ」についてはプラセボ摂取時にはスコアに変化は認められな力、つた力一方、本発明の食品組成物の摂取時にはスコアが増加する（眠りがより深くなる）傾向（有意傾向；危険率 0. 1以下）が確認された。以上の自覚症状アンケートの結果から、本発明の食品組成物を摂取することにより「疲労感」や「目の疲労感」の増加が抑制されること、「集中力」の低下が抑制されること、および「眠りの深さ」が改善することが示された。

[0046] 表 8に示したように、プラセボ摂取時には唾液コルチゾール含量は増加した力一方、本発明の食品組成物の摂取時には減少する傾向が示された。また、表 9に示したように、プラセボ摂取時には唾液アミラーゼ活性は増加した力一方、本発明の食品組成物の摂取時には減少する傾向が示された。すなわち、プラセボ摂取時には、いずれのストレスの生化学指標も増加し、本発明の食品組成物の摂取時には減少する傾向が示された。以上の結果から、本発明の食品組成物を 2週間、継続摂取することにより、疲労感を感じている被験者のリ精神的なストレスが軽減されることが示され

1+ 1+

た。

[0047] [表 6]

POMS— Fスコア（疲労スコア）の変化

摂取サンプル摂取摂取後変化量

プフセ^、 57.1 ± 2.1 4.4 ± 2.0

鰹だし 57.2 ± 1 .9 0.8 ± 1 .8

Mean±SE n=15

*:p<0.05 (摂取期間前後に有意差あり）

[表 7]

自覚症状アンケ一 •hにおけるスコアの変化

摂取サンプル摂取前摂取後

プラセボ 2.1 土 0.1 2.0 土 0.1

疲労感

鰹だし 2.0 士 0.1 2.0 士 0.1

J™ セポ 2.5 土 0.1 2.2 土 0.2

眼の疲労感

鰹だし 2.3 士 0.2 2.1 士 0.2

集中力プラセボ 2.8 土 0.1 2.6 土 0.1 *

鰹だし 2.6 士 0.2 2.6 士 0.2

J™ セポ 3.2 士 0.1 3.2 士 0.2

眠りの深さ

鰹だし 3.2 士 0.2 3.4 士 0.2 ^$

Mean土 SE n=15

*: pく 0.05(摂取前後の変化に有意差あり）

$ :pく 0.1 (摂取前後の変化に有意傾向の差あり）

[0049] [表 8] 唾液コルチゾ一ル分析値

摂取 J

サンプル摂取前摂取後し里

プラセボ 2.85 士 0.29 3.19 士 0.56 0.34 士 0.56

鰹だし 3.05 ± 0.31 2.86 ± 0.33 -0.19 ± 0.32

Mean土 SE n= 15 ( ju g/L)

[表 9コ

唾液アミラーゼ活性

摂取 J

サンプル摂取前摂取後し里

プラセボ 28.0 ± 3.6 32.6 ± 7.2 4.7 ± 6.9

鰹だし 30.6 士 4.1 30.2 士 4.5 -0.5 士 3.7

Mean士 SE n=15 (KU/L) 実施例 6

[0051] [日常のストレス、疲労などの気分'感情状態及び眼精疲労に対する影響]

日常のストレス、疲労感などの気分 ·感情状態および眼精疲労に対する本発明の食品組成物摂取の影響調査を、成人男女 9名（年齢 39. 6 ± 2. 4歳、平均土標準偏ややややああ

やャまま：

差)を対象として実施した。実施例 2の試験区 1の粉末調味感感悪感リ U料 *ないじじじ (鰹節抽出物粉末） 10

る.

力

0重量部に対して、市販梅肉粉末 (井村屋製菓社製「梅パウダー」） 45重量部およびな

グラニュー糖 50重量部を混合したものを試験食として用いた。 1週間の前観察期間の後、 1日あたりの鰹節抽出物固形分摂取量が 2. 4gになるように、上記の組成物（試験食）を 2週間摂取させ、摂取期間前後に POMS(Profile of Mood States)試験による気分'感情状態の調査を実施した。また、試料摂取期間中の朝夕の一定時刻にフリッカー測定装置（ヒロボー社製、 Mepica Digital Flicker HE-100)を用いた疲労度の測定を行った。さらに試料摂取期間中の月曜日から金曜日の夕方の一定時刻に体調に関する自覚症状アンケートを行った。この自覚症状アンケートは「疲労感」、「肉体の疲労感」、「体力」、「寝起き」、「目の疲れ」、「集中力」の 6項目からなり、 1点力、ら 5点の 5点評価法にて調査した。それぞれの評点を示す状態については表 10に示した。

[0052] [表 10]

ンート amの A評 jにける状態

Ύ らとも— wえなし強く感じるあまリ感じないどちらとも言えなし ¾ <感じるややあるどちらとも言えなし全くないやや良いどちらとも言えなしい

あまり感じないどちらとも言えなし

やや》中力はあるちらキ; ¾ 1. [0053] なお、自覚症状アンケートにつ!/、ては前観察期間、摂取第 1週目、摂取第 2週目の月曜日から金曜日までの 5日間の平均値を算出し、 1週間後との平均値について比

T

較を行 fっ労乱 £力た。前観察期間前、摂取期間前、摂取 1週間後、摂取 2週間後の POMSの「疲労」スコアの変化を表 11に示した。

[0054] [表 11]

POMS試験の結果

鎖又 it

54.3 1.5 52.0 1 .6

48.8 2.4 49.3

53.0 4.4 50.3 3.フ

1.5 51.8 3.1

59.6 2.7 54.0 2.6

55.8 土 3.3 53.8 2.4

220.2 ± 1 1.1 20フ.フ 10.9

MEAN + SEM n=9

[0055] 表 11に示したように、本発明の食品組成物の摂取により「緊張-不安」スコアが有意に（ρ< 0· 05)低下すること、すなわち改善することが示された。また、本発明の食品組成物の摂取により「疲労」スコアが低下する傾向（有意傾向； ρ< 0· 1)、すなわち改善する傾向が示された。「緊張-不安」が改善されたことから、本発明の食品を摂取することにより、日常の精神的なストレスが軽減される可能性が示唆された。また、自覚症状アンケートの結果を表 12に示した。

[0056] [表 12]

自覚症状アンケートの結果

前観察期間摂取 1週目摂取 2週目疲労感 3.9 士 0.3 3.8 士 0.2 3.6 士 0.3 肉体の疲労感 3.6 土 0.3 3.6 ± 0.2 3.5 土 0.3 体力 3.2 士 0.2 3.1 士 0.3 3.0 士 0.3 寝起き 3.4 士 0.4 3.3 士 0.5 3.2 士 0.4 眼の疲れ 4.1 土 0.3 4.0 ± 0.3 3.9 土 0.3 集中力 3.0 土 0.2 3.0 ± 0.3 2.8 土 0.2

MEAN±SEM n=9

表 12に示したように、「疲労感」、「肉体の疲労感」、「体力」、「寝起き」、「眼の疲れ」、「集中力」のいずれの項目においても摂取期間において改善する傾向が確認された。これらの結果から、本発明の食品組成物を 2週間摂取することにより、日常的に感じる「疲労感」、特に「体の疲労感」や「眼の疲れ」が改善することが示された。さらに「集中力」が向上することから、頭脳作業の効率改善作用を有する可能性も示唆された。一方、フリッカー値の測定結果を表 13に示した。前観察期間、摂取 1週目および摂取 2週目の月曜日から金曜日の測定値の平均値を示した。また、朝の測定値、夕方の測定値に加えて夕方の測定値から朝の測定値を引いた値（以下、「リツ力一値」と表記する）につ!/、ても示した。

[表 13]

フリッカー 1厦の変化

前観察期間摂取 1週目摂取 2週目朝 35.5 士 0.4 35.6 士 0.8 35.7 士 0.9

タ 34.1 土 0.7 34.3 土 0.8 34.5 土 0.9

夕-朝 -1 .4 士 0.3 -1 .4 士 0.5 -1.2 士 0.4

MEAN土 SEM n=9

[0059] 表 13に示したように、朝、夕方のフリッカー値は両者ともに摂取期間中に増加する傾向を示すことが確認された。また、 Δフリッカー値については、摂取期間中に大きな変動は見られなかった。フリッカー値は視覚を通じた大脳の情報処理能力を反映していると考えられており（柿崎ら、産業医学； 34,565-573, 1992)、眼精疲労および脳の疲労の指標として用いられてレ、る。上記のフリッカー値の結果および自覚症状の「眼の疲れ」が改善傾向を示すことから、本発明の食品組成物の摂取により、眼精疲労が改善することが示された。

実施例 7

[0060] [日常疲労感に対する影響]

日常の気分'感情状態に対する本発明の食品組成物摂取の影響調査を、成人男女 9名（年齢 39. 6 ± 2. 4歳、平均土標準偏差)を対象として実施した。実施例 3で用いた食品組成物を試験食として用いた。摂取量についても実施例 3と同様とした。 1 週間の非摂取期間の後、上記の試料 (鰹節抽出物固形分 2. 4g/日になるように）を 1週間摂取させ、非摂取期間および摂取期間の前後に POMS(Profile of Mood State s)試験による気分 ·感情状態の調査を実施した。なお、摂取期間においては 1名が脱落したため、 8名（39. 8 ± 2. 5歳、平均土標準偏差）の結果について解析を行った。非摂取期間および摂取期間前後の POMSの「疲労」スコアの変化を表 14に示した。

[0061] [表 14] POMSの「疲労」スコアの変化

n 摂取刖

非摂取 9 57.7 ± 3.4 59.6 ± 2.7 1 .9 ± 1 .5 ~ # 摂取 8 60.3 士 2.9 57.3 士 3.8 -3.0 ± 1 .7—

MEAN士 SEM n=8,9

#:p<0.1

[0062] 表 14に示したように、非摂取期間には「疲労」スコアが増加する傾向が示された力本発明の食品組成物の摂取期間には「疲労」スコアが低下する、すなわち「疲労」が改善する傾向が示された。また、「疲労」スコアの変化量において、摂取期間の変化量は非摂取期間の変化量と比較して、低値を示す傾向（有意傾向； p< 0. 1)を示した。上記の結果から、本発明の食品組成物を 1週間摂取することにより、日常的に感じる「疲労」が軽減することが示された。

[0063] [比較例 1]

上記で示した実施例 6および実施例 7の実験では、本発明の調味料粉末に対して、飲み易さを向上させるために梅肉粉末およびグラニュー糖を混合したものを試験食として用いた。すなわち、試験食中の梅肉粉末およびグラニュー糖が上記の効果に寄与する可能性も考えられた。そこで、実施例 6および実施例 7で用いたものと等量の梅肉粉末と糖類の疲労感やストレスに対する影響にっレ、て調査を行った。市販梅肉粉末 (井村屋製菓社製「梅パウダー」） 45重量部およびグラニュー糖 50重量部に鰹節フレーバー粉末 5重量部を混合したものを試験食として用いた。疲労感を有する成人女子（POMS試験の「疲労」スコアの T得点が 50点以上の人を選定して被験者とした） 15名（平均年齢 21. 5 ± 1. 3歳、平均土標準偏差）に、上記の試験食を梅肉粉末とグラニュー糖の摂取量が実施例 6及び実施例 7と同じになるように、毎日 1回、 2週間摂取させた。摂取期間前後の測定日の一定時刻に POMS試験 (金子書房（株)製、 No.850を使用した）による気分 ·感情状態の調査を実施した。また、試料摂取期間中の就寝時に疲労に関連する項目を調査する自覚症状アンケートを行った。この自覚症状アンケートは「疲労感」、「眼の疲労感」、「集中力」、「眠りの深さ」の 4項目力、らなり、 1点から 5点の 5点評価法にて調査した。「疲労感」および「眼の疲労感」については 1点（非常に強く感じる）、 2点（強く感じる）、 3点（やや感じる）、 4点（あまり感じない）、 5点ほったく感じない）とした。「集中力」については 1点ほったくない）、 2点（あまりない）、 3点（ややある）、 4点（ある）、 5点（非常にある）とした。また、「眠りの深さ」については、 1点（浅い）、 2点（やや浅い）、 3点（どちらでもない）、 4点（やや ¾張 ^活疲混

深い）、労乱敵力不 5点（深い）とした。なお、自覚症状アンケートについてはそれぞれの摂取期間の第 1週の 7日間のスコアと第 2週のスコアのそれぞれの平均値を求めて比較を行つた。 POMSの結果を表 15に、自覚症状アンケートの結果を表 16に示した。

[表 15]

POMS試験の結果

54.1 2.4 58.5 土 1 .9

55.6 2.5 57.3 土 2.4

52.5 1 .8 54.4 土 2.0

46.0 2.0 46.7 ± 2.4

57.1 2.1 61 .5 土 1 .6

56.0 2.3 60.5 土 2.2

MEAN土 SEM n=15

*:pく 0.05(摂取前後の変化に有意差あり）

く 0.1 (摂取前後の変化に有意傾向の差あり)

[0065] [表 16]

自覚症状アンケートにおけるスコアの変化

1週第 2週

疲労感 2.1 土 0.1 2.0 土 0.1

眼の疲労感 2.5 士 0.1 2.2 士 0.2 ^$

集中力 2.8 土 0.1 2.6 土 0.1 *

眠りの深さ 3.2 土 0.1 3.2 土 0.2

Mean士 SE n= 15

*:pく ο5(摂取前後の変化に有意差あり）

$ _:Ρく 0.1 (摂取前後の変化に有意傾向の差あり）

[0066] 表 15に示したように、本比較例における試験食 (梅肉粉末 +グラニュー糖 +鰹節フレーバー）摂取時には「疲労」および「混乱」スコアが有意に（危険率 0. 05以下)増加、すなわち悪化した。また、「緊張-不安」スコアについては有意傾向（危険率 0. 1以下）で増加した。また、自覚症状アンケートの結果、「眼の疲労感」については本比較例における試験食の摂取時にはスコアが低下する（眼の疲労感が増加する)傾向（有意傾向；危険率 0. 1以下）を示した。「集中力」については本試験食摂取時にはスコァが有意に（危険率 0. 05以下)低下する（集中力が低下する）ことが認められた。また、「眠りの深さ」についてはスコアに変化は認められなかった。 [0067] 以上の結果から、本試験食 (梅肉粉末 +グラニュー糖 +鰹節フレーバー）には、疲労やストレスを改善する作用は認められなかった。これらの結果から、実施例 6および実施例 7において確認された、疲労やストレスを改善する作用は、本発明の粉末調味料 (鰹節抽出物粉末）によるものであることが示された。

産業上の利用可能性

[0068] 本発明は、だしの風味、香りの劣化を抑制できる食品組成物を簡便且つ低コストで製造できる。当該食品組成物は種々の食品に添加することができ、例えば、抗疲労及び/又は抗ストレス作用を有する食品組成物として有用である。本発明によれば、日常的に感じる眼精疲労などの疲労感、精神的疲労や精神不全、あるいは精神的に不安定な状態などのストレスに由来する状態を予防、軽減することが可能な、抗ストレス作用、延いては精神負荷に対する抗疲労作用、さらにはそれらの作用による集中力の向上や頭脳作業の効率改善作用を有する食品組成物を容易に提供することができる。従って健康や生活の質を向上させるための食品産業分野において有用である。

[0069] 以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ制限されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。

Claims

請求の範囲

[I] 魚介類又は魚介類加工品を原料とする抽出物と、果実及び/又は果実抽出物と、甘味料とを、それぞれの固形分質量にて 100 :；!〜 50 : 10〜150の割合で含むことを特徴とする食品組成物。

[2] 前記魚介類加工品を原料とする抽出物が、魚節抽出物であることを特徴とする請求項 1に記載の食品組成物。

[3] 前記の果実及び/又は果実抽出物が、梅由来であることを特徴とする請求項 1に記載の食品組成物。

[4] 前記魚節抽出物が、魚節抽出液に賦形剤と含硫化合物含有酵母エキスとを添加した後に乾燥して得られる粉末であって、当該酵母エキスが、魚節抽出液の固形分に対して硫黄元素の質量比で 2. 5 X 10— ⁶〜2. δ Χ ΙΟ— οの範囲となる含硫化合物を含むことを特徴とする請求項 2に記載の食品組成物。

[5] 前記賦形剤が、魚節抽出液の固形分に対して 1〜35質量％のサイクロデキストリンを含むことを特徴とする請求項 4に記載の食品組成物。

[6] 前記含硫化合物が、システィン、ダルタチオン、 γ -ダルタミルシスティン、システニルグリシン、及びそれらの塩から選択される 1種又は 2種以上であることを特徴とする請求項 4又は 5に記載の食品組成物。

[7] 前記酵母エキスが、硫黄元素換算で 0. 025〜2. 5質量％となるように、システィン

、 γ -ダルタミルシスティン、ダルタチオン、システュルグリシン及びそれらの塩から選ばれる何れか 1種又は 2種以上を添加して調製されることを特徴とする請求項 4又は

5に記載の食品組成物。

[8] 前記魚節抽出液の乾燥が、スプレードライ法又はドラムドライ法を用いて行なわれることを特徴とする請求項 4又は 5に記載の食品組成物。

[9] 前記魚節抽出物が、魚節から 75〜95°Cの熱水で 30〜60分間抽出した抽出液であることを特徴とする請求項 2に記載の食品組成物。

[10] 請求項 1〜9何れか記載の食品組成物を含むことを特徴とする調味料。

[I I] 請求項 1〜9何れか記載の食品組成物を含むことを特徴とする飲食品又は健康補助食品。

[12] 請求項;!〜 9いずれか記載の食品組成物を構成成分として含むことを特徴とする、抗疲労及び/又は抗ストレス作用を有する食品組成物。

[13] 前記食品組成物が鰹節を原料とするものであり、当該食品組成物を 1食あたり 0. 5 g以上含有することを特徴とする、請求項 12記載の抗疲労及び/又は抗ストレス作用を有する食品組成物。

[14] 対象者の疲労及び/又はストレスを軽減する方法であって、請求項;!〜 9いずれか記載の食品組成物をそのような必要のある対象者に経口的に摂取させることを含む方法。