明 細 書
貼付剤
技術分野
[0001] 本発明は、 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ヒド ロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロぺ ンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸の C;!〜 4アルコールエステル体(単に、 C;!〜 4アルコールエステル体と略すことがある。 )およびシリコーン粘着剤の 2成分からなる 粘着剤層を含有する、安定かつ適用部位等の違いによる薬物の皮膚透過性変化が 小さい持続放出型貼付剤に関する。
背景技術
[0002] プロスタグランジン (以下、 PGと略記する。)類は、生体内の様々な臓器や体液中 に広く分布し微量で強力な活性を示し、例えば、平滑筋の弛緩および収縮、血管の 収縮および拡張、血小板凝集抑制作用等の多様な生理活性を有する化合物である 。 PG類の中でも、 PGEは細胞保護作用、子宮収縮、発痛作用、消化管の蠕動運動
2
促進、覚醒作用、胃酸分泌抑制作用、血圧降下作用、利尿作用等の生理活性を有 して!/、るため、これまで各種の疾病の予防や治療に用いられてきた。
[0003] しかしながら、 PG類は、化学的に極めて不安定であり、有効な投与方法としては静 脈内投与等の限られた方法しかなぐまた血圧低下、胃腸障害、皮膚血管浮腫等の 副作用が発現する可能性がある(ザ 'ジャーナル ·ォブ 'クリニカル'インヴエスティゲ ーシヨン(The Journal of Clinical Investigation) ,第 108巻、 25〜30ページ、 2001年 )。 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)—3 ヒドロキシ一 4
[3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル)ェ チル]スルファニル }ブタン酸は、 PGE受容体サブタイプの一つである EP4に対して
2
ァゴニスト活性を有する 5—チア一 ω—置換フエ二ループロスタグランジン Ε誘導体と して知られた化合物であり、種々の疾患、例えば、骨疾患等の予防および/または 治療剤に有用であることが知られている(特許文献 4、 5参照。)。該化合物のみなら ず、そのプロドラッグ体でぁる4 { [2—((11^, 2R, 31¾—3—ヒドロキシー2—{ (1£
, 3S)— 3—ヒドロキシー 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブター 1 ェニル } 5— ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル 体もまた非常に不安定な化合物であり、熱、水分、 pH等の影響を受けて、経時変化 しゃすいことが知られている。該 Cl〜4アルコールエステル体を経口投与や静脈内 投与 (例えば、急速静注、点滴静注等)等の全身投与を行った際、活性本体に変換 され、その血中濃度が急激に上昇した場合には、血圧低下や心拍数増加等の循環 器への影響、下痢、および皮膚血管浮腫等の副作用を引き起こすことが考えられる。 また、骨疾患を治療する場合には、骨形成には時間を要するため、静脈内投与で薬 剤を多くの回数投与する必要が生じ、患者に負担がかかる点から必ずしも満足なも のではない。
[0004] そこで、 PG類の新しい投与経路や投与形態が検討されている。骨疾患に適用する ための PG類の新しい投与経路や投与形態に関しては、これまでに、該 Cl〜4アル コールエステル体を、局所投与用の徐放性製剤(例えば、マイクロカプセル製剤、マ イクロスフェア製剤、ナノスフエア製剤等)や、生体内吸収性高分子と有機溶媒に溶 解し、凍結乾燥することによる局所投与用の埋め込み式の持続性フィルム状製剤とし て、骨量低下疾患等の予防および/または治療に用いることができることが知られて いる(例えば、特許文献 6、 7参照)。また、骨体積を増加するために、 PGE受容体サ
2 ブタイプの一つである EP1ァゴニストを経皮的に投与することが開示され (例えば、特 許文献 8参照。)、さらに、 EP4受容体選択的ァゴニストの局所投与が、骨疾患の治 療に有用である旨が開示されている(例えば、特許文献 9参照)。
[0005] また、新し!/、投与形態の一つとして、貼付剤等の経皮吸収型製剤の可能性につ!/、 ても研究が行われている(例えば、特許文献 1、 2、 3参照)。
貼付剤の特徴としては、在宅医療が可能、投薬に痛みを伴わない、投薬後の除去 が可能等、患者への負担は軽減されるといったメリットがある。しかし、皮膚のバリヤ 一機能により、概して薬物の経皮吸収性は乏しぐ実用的で限られた貼付面積で薬 効発現に必要な薬物量を皮膚力も送達することは困難なことが多い。また、貼付剤は 薬物の安定性、持続性、効果、安全性 (副作用発現)、皮膚刺激性 (例えば、紅斑、 浮腫、搔痒感、発疹、色素沈着等)等の問題点も多い。これらの貼付剤において懸
念される種々の問題点を回避するために様々な検討がなされている。
[0006] 例えば、貼付剤に含有される添加剤(両親媒性溶解助剤、経皮吸収促進剤、皮膚 副作用緩和剤、薬物安定化剤および/または架橋剤等)、充てん剤の配合性により 、有効成分の放出制御や浸潤の促進が調整され、薬物の安定性、経皮吸収性等が 改善されることが知られている。
[0007] その一例として、特許第 2655983号公報には、チロシナーゼ抑制活性を有する薬 物の安定性を改善する方法として、薬物混合物と疎水性粘着剤とを混合した主内容 物層を含むマトリックス型構造または貯蔵槽型構造に経皮製剤化する方法が開示さ れており、該主内容物層は、疎水性粘着剤、薬物の皮膚吸収促進剤、薬物安定化 剤、系内薬物溶解剤、皮膚副作用緩和剤を混合したものであることが記載されてい る(特許文献 10参照)。
[0008] また、支持体層と、薬物を含有する粘着剤層とを含む経皮吸収型製剤であって、そ の粘着剤層に、炭化水素系ゴムおよび含ケィ素ポリマーを含む混合粘着基剤を含有 するものは、製剤中の薬物の経皮吸収性に優れ、皮膚刺激性も低ぐ薬物の経時的 安定性にも優れてレ、ることが開示されて!/、る(特許文献 11参照)。
[0009] 特開平 5— 238929号公報には、代謝性骨疾患治療薬がシリコーンに含有されて いることを特徴とする長期持続性製剤が開示されており、薬物の放出速度を制御す るために、アルブミン等の放出速度を制御するための物質を用いることが開示されて いる(特許文献 12参照)。
しかし、複数の添加剤を添加した場合、薬物の安定性、経皮吸収性等が改善され るものの、添加剤の影響による皮膚刺激等が引き起こされることが懸念される。
[0010] また、 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ヒドロキシ
4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル )ェチル]スルファニル }ブタン酸については、そのエステル体および外用剤用基剤を 含有する血中濃度調節型経皮吸収型製剤が開示されており、ここでの外用剤用基 剤としては、スチレン 'イソプレン'スチレンブロック共重合体、アクリル酸エステル樹脂 およびアクリル系共重合樹脂などの基剤が記載されて!/、る(特許文献 13参照)。 しかし、該経皮吸収型製剤は、経時的安定性に問題があることが判明した。すなわ
ち、製剤を保存中に薬物が分解されてしまうため、使用時に十分な薬効を発揮でき ないことが懸念される。
[0011] さらに、 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ヒドロキ シ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチ ノレ)ェチル]スルファニル }ブタン酸の C;!〜 4アルコールエステル体を骨疾患、特に骨 折に用いる場合、患部をギプスなどで固定するため、患部に薬剤を適用できない場 合もある。また、貼付剤を同じ場所に貼り続けることによって、かゆみやかぶれを生じ る場合もある。さらに、個人差や適用部位等の違いによって薬物の生体内濃度が不 安定となり、例えば薬物の血中濃度が急激に上昇し、作用が強すぎたり、副作用が 発現したりすることも懸念される。これらの問題を回避するため、必ずしも患部に適用 する必要がなぐ身体のどの部位に適用しても同様の薬効が得られる貼付剤が望ま れている。そのためには、適用部位の違い、個人差、外傷や皮膚炎などの皮膚病変 の有無等によって薬物の皮膚透過性のばらつきが小さい貼付剤、すなわち皮膚透 過性変化の小さい貼付剤が有用である。
[0012] 特許文献 1 :特開昭 58— 134019号公報
特許文献 2:特公平 07— 25666号公報
特許文献 3:特許第 2910857号公報
特許文献 4:国際公開第 00/003980号パンフレット
特許文献 5:国際公開第 01/037877号パンフレット
特許文献 6:国際公開第 03/009872号パンフレット
特許文献 7 :国際公開第 03/041717号パンフレット
特許文献 8 :国際公開第 00/051585号パンフレット
特許文献 9 :特開 2001— 181210号公報
特許文献 10 :特許第 2655983号公報
特許文献 11 :特開 2006— 16382号公報
特許文献 12:特開平 5— 238929号公報
特許文献 13 :国際公開第 2006/118173号パンフレット
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0013] 本発明の目的は、化学的に極めて不安定な 4 { [2—((1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロ キシー2—{ (IE, 3S) 3 ヒドロキシー4 [3 (メトキシメチル)フエニル]ブター 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸の C;!〜 4アル コールエステル体の安定かつ皮膚透過性変化が小さい貼付剤を提供することにある
。さらに貼付剤において懸念される持続性、効果、安全性 (副作用発現)、皮膚刺激 性等の種々の問題点を改善した貼付剤を提供するものである。
課題を解決するための手段
[0014] 本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意検討した結果、シリコーンワックス、 シリコーンオイル、シリコーン樹脂、シリコーンエラストマ一および/またはそれらの混 合物から構成される多種多様なシリコーン粘着剤が存在する中、後に定義するポリジ メチルシロキサンとシリケート樹脂を組み合わせた特定のシリコーン粘着剤を 4 { [2 - ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)—3 ヒドロキシ一 4— [3— (メト キシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル)ェチル]スルフ ァニル }ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル体と組み合わせた粘着剤層を含有す る貼付剤とすることによって、該 Cl〜4アルコールエステル体とシリコーン粘着剤以 外の粘着剤との組み合わせでは解決できなかった該 Cl〜4アルコールエステル体 の分解を抑制し、経時的に安定な貼付剤となることを見出した。
[0015] また、本発明の貼付剤は、適用部位の違い、個人差、外傷や皮膚炎などの皮膚病 変の有無等による薬物の皮膚透過性のばらつきが小さいため、適応部位の違い、個 人差等による薬物血中濃度の急激な上昇を制御し、副作用発現を回避することが可 能である。さらに、通常、有効成分の放出制御や浸潤の促進を調整するために添カロ される、経皮吸収促進剤、薬物安定化剤、皮膚副作用緩和剤等の添加剤を加えるこ となぐ該 Cl〜4アルコールエステル体とシリコーン粘着剤の 2成分のみで貼付剤に おいて懸念される種々の問題点を回避することができることも見出した。本発明の貼 付剤はシリコーン粘着剤以外の添加剤を含まなレ、ので、複数の添加剤を添加した場 合に懸念される皮膚刺激性等の問題を回避することができる。さらに、該貼付剤は薬 物の放出制御が可能であり、薬物を急激に放出することなく持続的に放出し、活性
本体の血中濃度を急激に上昇させることなく有効濃度を持続させることができるため 、副作用を回避し持続的に薬効を発揮することができることも見出した。
以上のように本発明者等は、本発明の貼付剤が上記課題を解決することを見出し、 本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 4- { [2- ( (lR, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ヒドロキシ一 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル) ェチル]スルファニル }ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル体およびシリコーン粘着 剤の 2成分からなる粘着剤層を含有する、安定かつ皮膚透過速度比が小さ!/、持続放 出型貼付剤、
2. Cl〜4アルコールエステル体の濃度力 S、粘着剤層全体の 0. 1質量%〜5質量 %である前記 1記載の剤、
3. Cl〜4アルコールエステル体の濃度力 10 g/cm2~500 μ g/cm2-Cfc¾ 前記 1記載の剤、
4. 貼付剤の面積が 1 cm2〜 100cm2である前記 1記載の剤、
5. 粘着剤層の厚みが 20 H m〜150 μ mである前記 1記載の剤、
6. Cl〜4アルコールエステル体力 S、メチル 4 { [2—((1R, 2R, 3R)—3 ヒド ロキシー2—{ (IE, 3S) 3 ヒドロキシー4 [3 (メトキシメチル)フエニル]ブター 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタノアートである前 記 1記載の剤、
7. 40°Cで 1ヶ月間保存後の Cl〜4アルコールエステル体の残存率が 90%以上で ある前記 1記載の剤、
8. 正常皮膚に対する角質剥離された皮膚の皮膚透過速度比が 1〜5である前記 1 記載の剤、
9. シリコーン粘着剤が、
[ 1 ]成分( 1 )シラノール基を分子鎖末端もしくは側鎖に有する直鎖状もしくは分岐鎖 状のポリジメチルシロキサンおよび成分(2)分子中にシラノール基を有するポリシリケ ート樹脂の混合物、
[2]成分(1)および成分(2)の縮合反応物、または
[3] [1 ]の混合物と [2]の縮合反応物の混合物
である前記 1記載の剤、
10. 成分(1)の 25°Cにおける粘度が lOmPa' s〜; lOOOOOmPa ' sであり、成分(2) のスチレン換算による重量平均分子量が 500〜; 100000である前記 9記載の剤、
11. 粘着剤層が、シリコーン粘着剤 100質量部に対して、芳香族炭化水素系有機 溶剤、脂肪族炭化水素系有機溶剤、エステル系有機溶剤、またはそれらの混合溶剤 を 50〜; 1000質量き^]口えて得られる、米占度力 000mPa * s〜; 10000mPa* sである溶 液と、 4—{ [2—( (lR, 2R, 31¾—3—ヒドロキシー2—{ (1£, 3S)— 3 ヒドロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル )ェチル]スルファニル }ブタン酸の C;!〜 4アルコールエステル体をそのまま混合する か、または、その芳香族炭化水素系有機溶剤、脂肪族炭化水素系有機溶剤、エステ ル系有機溶剤、またはそれらの混合溶剤との混合物を混合して製造される前記 1記 載の剤、
12. 骨疾患の予防、治療および/または進行抑制用である前記 1記載の剤、
13. 骨疾患が骨折である前記 12記載の剤、
14. メチル 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ヒド ロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロぺ ンチル)ェチル]スルファニル }ブタノアートおよびシリコーン粘着剤の 2成分からなる 粘着剤層を含有する、下記の(1)〜½)の条件を満たす、安定かつ皮膚透過速度比 が小さい持続放出型貼付剤:
(1)メチル 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ヒドロ キシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペン チル)ェチル]スルファニル }ブタノアートの濃度力 粘着剤層全体の 0. 1質量0/。〜 2 質量%である、
(2)メチル 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ヒドロ キシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペン チノレ)ェチノレ]スルファニノレ }ブタノアートの濃度力 10 μ g/cm2〜200 μ g/cm2で
ある、
(3)貼付剤の面積が lcm2〜25cm2である、
(4)粘着剤層の厚みが 20 111〜; 120 111である、
(5) 40°Cで 1ヶ月間保存後のメチル 4—{ [2—( (lR, 2R, 3R)—3 ヒドロキシー2 — { (IE, 3S)— 3—ヒドロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブター 1ーェニ ル} 5—ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタノアートの残存率が 90% 以上である、
(6)正常皮膚に対する角質剥離された皮膚の皮膚透過速度比が 1〜 5である。
15. シリコーン粘着剤が、
[ 1 ]成分( 1 )シラノール基を分子鎖末端もしくは側鎖に有する直鎖状もしくは分岐鎖 状のポリジメチルシロキサンおよび成分(2)分子中にシラノール基を有するポリシリケ ート樹脂の混合物、
[2]成分(1)および成分(2)の縮合反応物、または
[3] [1 ]の混合物と [2]の縮合反応物の混合物
である前記 14記載の剤、
16. 成分(1)の 25°Cにおける粘度が lOmPa' s〜; lOOOOOmPa ' sであり、成分(2) のスチレン換算による重量平均分子量が 500〜; 100000である前記 15記載の剤、
17. シリコーン粘着剤 100質量部に対して、芳香族炭化水素系有機溶剤、脂肪族 炭化水素系有機溶剤、エステル系有機溶剤、またはそれらの混合溶剤を 50〜; 1000 質量部加えて得られる、粘度が 1000mPa ' s〜10000mPa' sである溶液と、メチル 4- { [2 - ( (lR, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ヒドロキシ一 4— [ 3 (メトキシメチノレ)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチノレ)ェチル ]スルファニル }ブタノアートをそのまま混合する力、、または、その芳香族炭化水素系 有機溶剤、脂肪族炭化水素系有機溶剤、エステル系有機溶剤、またはそれらの混合 溶剤との混合物を混合して製造される前記 14記載の剤、
18. 貼付剤に含有される4 { [2—((11^, 2R, 31¾—3—ヒドロキシー2—{ (1£, 3S)— 3—ヒドロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブター 1 ェニル } 5— ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル
体の安定化方法であって、その貼付剤中の粘着剤層が 4 { [2—((1R, 2R, 3R) 3 ヒドロキシー2—{ (IE, 3S) 3 ヒドロキシー4 [3 (メトキシメチル)フエ二 ノレ]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチノレ)ェチル]スルファニル }ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル体およびシリコーン粘着剤の 2成分からなることを特徴と する方法、
19. 貼付剤に含有される 4 { [2—((1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシー 2— { (1E, 3S)— 3—ヒドロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブター 1 ェニル } 5— ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル 体の皮膚透過性変化を小さくする方法であって、その貼付剤中の粘着剤層が 4一 { [ 2- ( (lR, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)—3 ヒドロキシ一 4— [3— (メ トキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチノレ)ェチル]スル ファニル}ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル体およびシリコーン粘着剤の 2成分 力 なることを特徴とする方法に関する。
[0017] 本発明の貼付剤に含まれる 4 { [2—((1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシー 2— { (1E , 3S)— 3—ヒドロキシー 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブター 1 ェニル } 5— ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル 体とは、その形状(固体、液体)等によって限定されるものではない。該 C;!〜 4アルコ ールエステルは、製剤化する際に、化合物をそのまま用いてもよいし、芳香族炭化水 素系有機溶剤(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系有機 溶剤(例えば、ペンタン、へキサン、ヘプタン等)、エステル系有機溶剤(例えば、酢 酸ェチル、酢酸ブチル等)、またはそれらの混合溶剤に溶解して用いてもよい。
[0018] 本発明における、 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)— 3 ーヒドロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシク 口ペンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸の Cl〜4アルコールエステル体とは、一 般式 (I)
(式中、
[化 2]
は α 配置を表わし、
[化 3コ
Ζ
は 0 配置を表わし、 Rは C;!〜 4アルキル基を表わす。 )
で示される化合物である。
ここで C;!〜 4アルキル基とは、メチル、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ィ ソブチル、 tert ブチル、 sec ブチル(1 メチルプロピル)を表わす。
本発明において、一般式 (I)で示される化合物として、好ましくは、例えば、式 (I
[化 4]
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。 )
で示される化合物、すなわち、メチル 4 { [2—((1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシー 2— { (IE, 3S)— 3 ヒドロキシー4 [3 (メトキシメチル)フエニル]ブター 1ーェニ ル} 5—ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタノアート等が挙げられる。 なお、これらの命名は、 IUPAC名を機械的に生成するコンピュータープログラム、 ACD/NAME™ (Advanced Chemistry Development社)を用いて行ったものである
[0021] 本発明において、一般式 (I)で示される化合物は、実質的に純粋で単一な物質で あるものに限定されず、医薬品原薬として許容される範囲であれば不純物(例えば、 製造工程に由来する副生成物、溶媒、原料、または分解物等)を含有していてもよい 。医薬品原薬として許容される不純物の含有量は、その含有される不純物によっても 異なる力、例えば、メチル 4— { [2— ( (1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (1E, 3S)— 3—ヒドロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブター 1 ェニル } 5— ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタノアートでは、個々の類縁物質量は 約 1. 0%以下、類縁物質の合計量は約 4. 0%以下であることが好ましい。
[0022] 一般式 (I)で示される化合物は、それ自体公知の方法、例えば、国際公開第 00/ 003980号パンフレット、または国際公開第 03/009872号パンフレットに記載の方 法、コンプリへンシヴ 'オーガニック 'トランスフォーメーションズ:ァ'ガイド 'トゥー'ファ ンクショナル 'グループ'プレパレーシヨンズ、セカンド 'エディション(リチャード C.ラロ ック、ンヨンワイリーゾノ!"サンズ Inc. , 1999) [(comprehensive Organic Transformati ons: A uide to functional Group Preparations, 2nd Edition (Richardし丄 arockjoh n Wiley & Sons Inc., 1999)]に記載された方法等を単独で、または組み合わせて改 良し用いることによって製造すること力 Sできる。また、製造された該化合物は、通常の 精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケィ酸マグ ネシゥムを用いた高速液体クロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶等の方法によって 精製すること力 Sでさる。
[0023] 一般式 (I)で示される化合物は体内に吸収されると、代謝されて活性本体である 4 - { [2 - ( (lR, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { (IE, 3S)—3 ヒドロキシ一 4— [3 (メトキシメチノレ)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチノレ)ェチル] スルファニル }ブタン酸に変換される。 4 { [2—((1R, 2R, 31¾—3—ヒドロキシー2 — { (IE, 3S)— 3—ヒドロキシ 4 [3—(メトキシメチル)フエニル]ブター 1ーェニ ル} 5—ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸は、式(I—A)
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物である。
[0024] 一般式 (I)で示される化合物が貼付剤として経皮投与された際の活性本体の血中 濃度は、その投与目的が達成される濃度であれば特に限定されない。具体的には、 活性本体の有効血中濃度以上、副作用が発現する血中濃度以下であり、例えば、 約 0. 1pg/mL〜約 7pg/mLが好ましぐ約 0.5pg/mL〜約 4pg/mLがより好まし い。活性本体の血中濃度は、一般式 (I)で示される化合物の粘着剤層中の濃度、貼 付面積、粘着剤層の厚み等により調節することが可能である。
[0025] 本発明の貼付剤に配合される一般式 (I)で示される化合物の量は、投与時間、およ びシリコーン粘着剤との配合比等によっても異なる力 S、経皮投与した際にその活性本 体の血中濃度が、約 0.1pg/mL〜約 7pg/mLに到達する範囲であれば特に限定 されない。例えば、一般式(I)で示される化合物が、約 5 μ g/cm2〜約 500 μ g/c m2、好ましくは約 10 μ g/cm2〜約 500 μ g/cm2,さらに好ましくは約 10 μ g/cm2 〜約 200 μ g/cm¾5合されて!/、ること力 Sより好まし!/ヽ。
[0026] 一般式 (I)で示される化合物は、溶解型、非溶解型または溶解型と非溶解型の混 合型のいずれで配合されていてもよぐ安定性を保ち、一般式 (I)で示される化合物 を効率よぐかつ持続的に皮膚透過させ、活性本体に変換できれば特に制限されな い。具体的には、溶解型または非溶解型の一般式 (I)で示される化合物のみを配合 するか、あるいは溶解型および非溶解型の混合型の一般式 (I)で示される化合物を 配合する。
[0027] 本発明において、溶解型の一般式 (I)で示される化合物とは、一般式 (I)で示され る化合物が完全に溶解された状態で粘着剤層中に存在することであり、詳しくは粘 着剤層中に一般式 (I)で示される化合物の結晶が目視または光学顕微鏡で観察さ れず、粘着剤層が均一であることである。また、高濃度でも薬物が析出することなぐ 粘着剤層に完全に溶解された状態で薬物を保持できる利点がある。
[0028] 本発明において、溶解型および非溶解型の混合型の一般式 (I)で示される化合物 とは、一般式 (I)で示される化合物の溶解状態と非溶解状態、詳しくは溶解状態と結 晶状態または非溶解状態で粘着剤層中に混在することである。溶解型による速やか な吸収による粘着剤層中の一般式 (I)で示される化合物の減少を補うベぐ非溶解型 の一般式 (I)で示される化合物の再溶解が速やかに起こり、溶解した一般式 (I)で示 される化合物の吸収により薬効持続性が保持される。粘着剤層中のすべての一般式 (I)で示される化合物の消失速度に対する、非溶解型の一般式 (I)で示される化合 物の消失速度の比は、好ましくは約 0.1以上である。消失速度の比が低い場合には、 溶解型薬物の減少に対する非溶解型薬物の再溶解が不十分となるので、薬効の持 続性は良くない。
[0029] 本発明に使用するシリコーン粘着剤としては、 [1]成分(1)シラノール (Sト OH)基を 分子鎖末端もしくは側鎖に有する直鎖状もしくは分岐鎖状のポリジメチルシロキサン( 以下、成分(1)と略する。)および成分(2)分子中にシラノール (Si-OH)基を有するポ リシリケート樹脂 (以下、成分 (2)と略する。)の混合物、 [2]成分(1)および成分 (2) の縮合反応物、または [3]成分(1)および成分(2)の混合物と成分(1)および成分( 2)の縮合反応物の混合物、すなわち上記 [1]の混合物と [2]の縮合反応物の混合 物が挙げられる。
[0030] 成分(1)は、シラノール (Si-OH)基を分子鎖末端もしくは側鎖に有する直鎖状また は分岐鎖状のポリジメチルシロキサンである。かかる成分(1)は、分子鎖両末端がシ ラノール基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサンであって、 25°Cにおける粘 度が 10〜; 100, OOOmPa ' sの範囲にあるものが好適であり、 25°Cにおける粘度が 1 , 000—50, OOOmPa' sの範囲にあるものがより好適に使用できる。
[0031] 成分(2)は、分子中にシラノール (Si-OH)基を有するポリシリケート樹脂である。より 具体的には、構造単位、 M (R SiO 単位)および Q (SiO 単位)から構成されるポ
3 1/2 4/2
リシリケート樹脂が挙げられ、置換基 Rは各々独立に、一価の有機基またはシラノー ル基である力 S、ポリシリケート樹脂全体として少なくとも 1個のシラノール基を有するも のである。本発明において、分子中に 2個以上のシラノール基を有する MQ型のポリ シリケート樹脂が最も好適に使用することができ、置換基 Rは、シラノール基、炭素原
子数 1〜6のアルキル基およびフエニル基から選択されることが特に好ましい。また、 シラノール基の一部が炭素原子数 1〜6のアルキル基により封鎖された、炭素原子数 ;!〜 6のアルコキシ基を有する構造であっても良い。かかるポリシリケート樹脂のスチ レン換算による重量平均分子量は、 500—100, 000の範囲が好適であり、 1 , 000 〜15, 000力 Sより好適である。さらに、ポリシリケート樹脂中の M単位/ Q単位の比は 0·6〜0·9であるものが好まし!/、。
[0032] 本発明に使用するシリコーン粘着剤は、上記成分(1)および成分(2)の混合物で あってもよいが、シリコーン粘着剤の粘着力の点から、両成分を、例えば、カナダ特 許第 71 1756号に記載されたような方法で縮合させた縮合反応物を使用してもよい。 この縮合反応では、成分(1)であるシラノール基を有するポリジメチルシロキサンと成 分(2)である分子中にシラノール基を有するポリシリケート樹脂は、無触媒または触 媒量のシラノール縮合触媒の存在下で混合され、次!/、で室温下または還流下で 1〜 20時間加熱することによって縮合される。シラノール縮合触媒の例としては第 1級、 第 2級、第 3級ァミン、これらァミンのカルボン酸、第 4級アンモニゥム塩が例示でき、 とくにアンモニアが好適に使用できる。
[0033] 本発明で使用するシリコーン粘着剤は、上記成分(1)および成分 (2)の縮合反応 物を、へキサメチルシラザン等のトリメチルシリル化剤を用いて処理することにより、ェ 一ジング時の保存安定性およびアミノ官能性薬物に対する抵抗性を高めたものであ つても良い。これらのシリコーン粘着剤は例えば、特開昭 61— 108681号公報ゃ特 開昭 61— 158920号公報に記載の方法により得ることができる。
[0034] 本発明で使用するシリコーン粘着剤は、成分(1)であるシラノール基を有するポリジ メチルシロキサンと成分(2)である分子中にシラノール基を有するポリシリケート樹脂 の分子量、配合比によりシリコーン粘着剤の粘着力を調節することができ、各成分に ついて所望の分子量、配合比を選択して、公知の方法、例えば上記の方法で縮合さ せた縮合反応物を使用することができる。一般的には成分(1)の割合は約 30〜70 質量部の範囲である。
[0035] 上記シリコーン粘着剤は、芳香族炭化水素系有機溶剤(例えば、ベンゼン、トルェ ン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系有機溶剤(例えば、ペンタン、へキサン、ヘプタ
ン等)、エステル系有機溶剤(例えば、酢酸ェチル、酢酸ブチル等)、またはそれらの 混合溶剤に希釈して使用することができる力 なかでもヘプタン、キシレン、酢酸ェチ ルまたはそれらの混合溶剤等が特に好ましい。シリコーン粘着剤 100質量部に対し て、上記有機溶剤を 50〜; 1000質量部加えて希釈したものを使用することが好適で ある。その粘度は塗工性の点から 1 , 000-10, OOOmPa' sであることが好ましいが 、この範囲に限定されるものではない。
[0036] 本発明で使用するシリコーン粘着剤は、可塑剤添加の必要性なしに接着するもの であって、軽く押圧することによって付着し、それ故にシリコーン感圧接着剤 (pressur e- sensitive adhesive formulation : PSA)と云われるものである。上記シリコーン米占着斉 lj と上記有機溶剤の混合物を支持体に展延し、乾燥により有機溶剤を除去することに より、支持体上にシリコーン粘着剤からなる感圧接着層を形成させることができる。こ のようなシリコーン粘着剤と有機溶剤の混合物としては具体的に、ダウコーユング社 製の、 BIO-PSA 7-4601 (商品名)、 BIO-PSA 7-4501 (商品名)、 BIO-PSA 7-4401 ( 商品名)、 BIO-PSA 7-4602 (商品名)、 BIO-PSA 7-4502 (商品名)、 BIO-PSA 7-440 2 (商品名)、 BIO-PSA 7-4301 (商品名)、 BIO-PSA 7-4201 (商品名)、 BIO-PSA 7_4 101 (商品名)、 BIO-PSA 7-4302 (商品名)、 BIO-PSA 7-4202 (商品名)、 BIO-PSA 7 -4102 (商品名)等が挙げられ、これらを単独で用いても、 2種以上組み合わせて用い てもよい。なかでも、塗工性の点から、 BIO-PSA 7-4601 (商品名)、 BIO-PSA 7-4501 (商品名)、 BIO-PSA 7-4401 (商品名)、 BIO-PSA 7-4602 (商品名)、 BIO-PSA 7-45 02 (商品名)、 BIO-PSA 7-4402 (商品名)が好ましい。
[0037] 本発明の貼付剤において、一般式 (I)で示される化合物の量は、粘着剤層全体の 約 0.01質量%〜約 10質量%であることが好ましぐさらに好ましくは約 0.1質量%〜約 5質量%であり、特に好ましくは約 0.1質量%〜約2質量%でぁる。
[0038] 本発明の貼付剤は薬物の放出制御が可能であり、一般式 (I)で示される化合物を 急激に放出することなぐかつ持続的に放出する。これを本発明においては「持続放 出型」と定義する。後記の実施例 3にも記載されている通り、パドルオーバーディスク 法による薬物放出性試験において、本発明の貼付剤は薬物の初期放出がほとんど なぐ 24時間で約 40%の薬物を放出し、安定した放出カーブを示した。また、 in vitr
oヒト皮膚透過試験の結果から鑑みて、本発明の持続放出型貼付剤は、少なくとも 1 日、最大約 7日間持続的に薬物を放出することが可能である。本発明の持続放出型 貼付剤は、一般式 (I)で示される化合物を急激に放出することがないため、活性本体 の血中濃度の急激な上昇を抑制し、血圧低下や心拍数増加等の循環器への影響 や下痢等の副作用を回避することが可能である。さらに、持続的に一般式 (I)で示さ れる化合物を放出するため、薬効が持続する。
[0039] 本発明の貼付剤は、化学的に不安定な PG誘導体である一般式 (I)で示される化 合物の分解を抑制し、安定に保存することが可能な製剤である。ここでの「安定」は、 経時的安定性をいい、本発明の貼付剤は室温において長期保存が可能である。本 発明の貼付剤の安定性は、一般に用いられる安定性試験 (加速試験、過酷試験等) を用いて評価することができる。例えば、式 (I 1)で示される化合物を含有する本発 明の貼付剤を 40°Cで 1ヶ月間保存後の式 (1—1)で示される化合物の残存率は、約 90%以上であり、好ましくは 95%以上である。
[0040] 一般式 (I)で示される化合物および分解物の量は、公知の分析方法 (例えば、高速 液体クロマトグラフ法、ガスクロマトグラフ法、薄層クロマトグラフ法等)を用いて測定す ること力 Sできる力 特に、高速液体クロマトグラフ法を用いて測定することが好ましい。 具体的には、例えば、後記の実施例 4に記載したような高速液体クロマトグラフィー( 以下、 HPLCと略する。)の試験条件によって一般式 (I)で示される化合物および分 解物等を定量し、それらの比率を算出することが可能である。
[0041] 本発明の貼付剤中の一般式 (I)で示される化合物を安定化する方法とは、化学的 に不安定な一般式 (I)で示される化合物の分解を抑制する方法であって、例えば、 一般式 (I)で示される化合物を含有する貼付剤を 40°Cで 1ヶ月間保存後の式 (I)で 示される化合物の残存率を約 90%以上、好ましくは約 95%以上に保つ方法である。 貼付剤中の一般式 (I)で示される化合物を安定化するには、その粘着剤層が、一般 式 (I)で示される化合物およびシリコーン粘着剤の 2成分のみから構成されるもので あればよい。シリコーン粘着剤としては、上記した [1]成分(1)および成分(2)の混合 物、 [2]成分(1)および成分(2)の縮合反応物、または [3] [1]の混合物と [2]の縮 合反応物の混合物が好ましぐさらに上記の成分(1)の 25°Cにおける粘度が 10mP
a ' s〜; lOOOOOmPa ' sであり、成分(2)のスチレン換算による重量平均分子量が 500 〜; 100000であるシリコーン粘着剤が好ましい。後記の実施例 4にも記載されている 通り、粘着剤層が一般式 (I 1)で示される化合物とシリコーン粘着剤で構成されて いる貼付剤を 40°Cで 1ヶ月間保存した場合の式 (I— 1)で示される化合物の含量は ほとんど低下しなかった力 S、粘着剤層が一般式 (I 1)で示される化合物とシリコーン 粘着剤以外の粘着剤で構成されてレ、る貼付剤を 40°Cで 1ヶ月間保存した場合は、 式 (I 1)で示される化合物の含量が 10%以上低下して!/、た。
[0042] 貼付剤を安全に投与するためには、適用部位の違い、個人差、外傷や皮膚炎など の皮膚病変の有無等による薬物の皮膚透過性のばらつきの小さいもの、すなわち皮 膚透過性変化の小さいものが好ましい。薬物の皮膚透過性のばらつきは、例えば、 非常に薬物透過性の高い状態である角質剥離された皮膚に貼付剤を貼付した場合 における薬物の皮膚透過速度と、角質を剥離していない皮膚 (正常皮膚)に貼付剤 を貼付した場合における薬物の皮膚透過速度の比、すなわち、以下の式で示される 皮膚透過速度比
國 角質 i lK lfc皮膚における薬 皮膚遞膽盧 麼膚透遍速度 tt= ^
正謙膚 る薬 麵透遍速産 で表わすことができ、皮膚透過速度比が小さいほど皮膚透過性変化が小さい。貼付 剤を安全に使用するためには、皮膚透過速度比が約 1〜約 5であるものが好ましい。 逆に、皮膚透過速度比が大きい貼付剤を用いた場合、個人差や適用部位の違いに よって薬物の生体内濃度が不安定となり、皮膚透過速度が速い場合は、作用が強す ぎたり、副作用発現の危険性がある。皮膚透過速度比が約 1〜約 5であれば、かかる 観点からも優れた貼付剤を設計できる。
[0043] 本発明の貼付剤中の一般式 (I)で示される化合物の皮膚透過性変化を小さくする 方法とは、適用部位の違い、個人差、外傷や皮膚炎などの皮膚病変の有無等による 薬物の皮膚透過性のばらつきを小さくする方法であって、例えば、上記の皮膚透過 速度比を約 1〜約 5にする方法である。貼付剤中の一般式 (I)で示される化合物の皮 膚透過性変化を小さくするためには、その粘着剤層が、一般式 (I)で示される化合物
およびシリコーン粘着剤の 2成分のみから構成されるものであればよい。シリコーン粘 着剤としては、上記した [1]成分(1)および成分(2)の混合物、 [2]成分(1)および 成分(2)の縮合反応物、または [3] [1]の混合物と [2]の縮合反応物の混合物が好 ましぐさらに上記の成分(1)の 25°Cにおける粘度が 10mPa ' s〜100000mPa ' sで あり、成分(2)のスチレン換算による重量平均分子量が 500〜100000であるシリコ ーン粘着剤が好ましい。後記の実施例 2にも記載されている通り、粘着剤層が一般式 (I 1)で示される化合物とシリコーン粘着剤で構成されている貼付剤を正常皮膚と 非常に薬物透過性の高い状態である角質剥離された皮膚に貼付した場合、皮膚透 過速度はほとんど変化しなかったのに対して、粘着剤層が一般式 (I 1)で示される 化合物とシリコーン粘着剤以外の粘着剤で構成されている貼付剤においては、角質 剥離した皮膚に貼付した場合の皮膚透過速度は、正常皮膚に貼付した場合と比較 して大幅に増大した。
[0044] 一般に、貼付剤としては、例えば、マトリックス (粘着単層)型、リザーバー型等が挙 げられる力 S、本発明の貼付剤としてはマトリックス型が好ましい。さらに、マトリックス型 には、薬剤分散型および、薬剤溶解型等が含まれる。マトリックス型貼付剤は、一般 式 (I)で示される化合物とシリコーン粘着剤を組み合わせることにより形成した粘着性 を有する「粘着剤層」、「支持体」および粘着剤層を保護する「ライナー」からなる構造 形成体より構成される。薬剤分散型のマトリックス型貼付剤の粘着剤層には、非溶解 型の一般式 (I)で示される化合物か、または溶解型と非溶解型の混合型の一般式 (I )で示される化合物が含まれ、薬剤溶解型のマトリックス型貼付剤の粘着剤層には、 溶解型の一般式 (I)で示される化合物が含まれる。
[0045] 粘着剤層の厚みは、皮膚への長時間の貼付に耐え、剥離除去時の皮膚面への糊 残りを生じ難くするため、約 20 m〜約 150 m力 S好ましく、さらに好ましくは約 20〃 m〜約 120 μ mであり、さらに好ましくは約 20 μ m〜約 80 μ mである。
[0046] 本発明における貼付剤の粘着力は、医薬品製造販売指針に基づくボールタック試 験において、粘着面で 30秒以上停止できるスチールボール No.として、ボール No. 4以上であることが好ましぐボール No. 7以上であることがより好ましい。
[0047] 本発明におけるマトリックス型貼付剤の構造形成体を構成する支持体は特に限定
されないが、皮膚面に貼付した際に顕著な違和感を生じない程度に柔軟性を有する ものが好ましく、例えば、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテ レフタレート、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニノレアセテート、ポリプロピレン、 ポリエステル、ポリ酢酸ビュル、エチレン 酢酸ビュル共重合体等)、金属箔(例えば 、アルミニウム箔等)、不織布、綿布、織布、編布、紙等からなる単層フィルムやこれら の積層フィルムが使用できる。ライナーは、本発明の貼付剤を使用する際に容易に 剥がすことができ、ライナーで覆う前の粘着剤層を維持できるものであれば特に限定 されない。具体的には、例えば、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂の処理を施した紙 、プラスチックフイノレム(例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタ ン、ポリエチレン、エチレンビュルアセテート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸 ビュル、エチレン 酢酸ビュル共重合体等)等を使用できる。
[0048] in vitroヒト皮膚透過試験の結果から鑑みて、本発明の貼付剤は最大約 7日間持続 的に薬物を放出することが可能であるため、本発明の貼付剤の好ましい投与方法は 、 1日 1回、あるいは 2〜7日の間に 1回貼り替える方法である。貼付剤を持続的に貼 付することによって、製剤中の薬物濃度が減少し、皮膚透過速度が低下することから 考えると、有効な活性本体の血中濃度を十分維持するためには、 1日に 1回、あるい は 2〜4日の間に 1回貼り替える方法が好ましい。
[0049] 本発明の貼付剤は、皮膚透過性変化が小さぐ適用部位の違い、個人差、外傷や 皮膚炎などの皮膚病変の有無等による薬物の皮膚透過性のばらつきが少ないので 、身体のどの部位に適用しても同様の薬効が得られ、必ずしも患部に適用する必要 がない。したがって、本発明の貼付剤の貼付部位は、貼付可能な位置であれば特に 限定されず、例えば、耳の後ろ、上腕部、腹部、胸部、腰背部、臀部または脚部 (例 えば、大腿部内側、ふくらはぎ等)等に貼付することができる。
[0050] 本発明の貼付剤の面積は、約 lcm2〜約 100cm2であることが好ましぐ約 lcm2〜 約 50cm2であることがより好ましい。さらに好ましい貼付剤の貼付面積は約 lcm2〜 約 25cm2である。またその形状はいかなるものであってもよいが、好ましくは正方形、 長方形、円形または楕円形等である。
[0051] 本発明の貼付剤は以下に示す一般的な製造方法によって製造することができる。
粘着剤層に用いる溶液または分散液は、例えば、(1)溶剤法、(2)加熱法 (ホットメル ト法)、または(3)カレンダ一法によって作製される。
[0052] 溶剤法とは、例えば、シリコーン粘着剤と芳香族炭化水素系有機溶剤(例えば、ベ ンゼン、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系有機溶剤(例えば、ペンタン、へ キサン、ヘプタン等)、エステル系有機溶剤(例えば、酢酸ェチル、酢酸ブチル等)、 またはそれらの混合溶剤との混合物と、一般式 (I)で示される化合物もしくは一般式( I)で示される化合物と上記溶剤またはそれらの混合溶剤との混合物とを混合し、展 延した後に溶剤を乾燥させる方法である。好ましくは約 20°C〜約 60°Cで、約 30秒〜 約 24時間乾燥する。
[0053] 加熱法は、化合物およびシリコーン粘着剤を高熱にて溶解混合し、展延して冷却 する方法である。
カレンダ一法とは、化合物および外用剤用基剤をミキサーで混合し、カレンダ一口 ールで展延する方法である。また、粘度が比較的低いものは化合物および外用剤用 基剤を通常のミキサーで混合し展延される。
[0054] このようにして得られた粘着剤層に用いる溶液または分散液を保護用のライナー上 に塗布、乾燥してライナー上に粘着剤層を形成し、その後、支持体を当該粘着剤層 に接着させることによって製造できる。
[0055] 本発明の貼付剤の製造方法は、溶剤法が好ましい。また、本発明の貼付剤の製造 方法は以上の方法に限定されるものではなぐ他の効率的な方法で製造してもよい。
[0056] [毒性]
式 (I)および (I A)で示される化合物の毒性は十分に低いものであるため、本発 明の貼付剤は医薬品として安全に使用することができる。
[0057] [医薬品への適用]
式 (I A)で示される化合物は、 EP4作動活性を有するので、哺乳動物(例えば、ヒ ト、非ヒト動物、例えば、サル、ヒッジ、ゥシ、ゥマ、ィヌ、ネコ、ゥサギ、ラット、マウス等) における、免疫疾患(例えば、自己免疫疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 、多発性硬化症、シエーダレン症候群、関節リウマチ、全身性エリトマト一デス(SLE) 等)、臓器移植後の拒絶反応等)、喘息、骨形成異常、神経細胞死、肺傷害、肝障害
、急性肝炎、腎炎、腎不全、高血圧、心筋虚血、全身性炎症反応症候群、火傷性疼 痛、敗血症、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、スティル(Still病)、川 崎病、熱傷、全身性肉芽腫、潰瘍性大腸炎、クローン病、透析時の高サイト力イン血 症、多臓器不全、ショック、睡眠異常、血小板凝集、消化管潰瘍 (例えば、胃潰瘍、 十二指腸潰瘍等)、 口内炎、禿頭症、脱毛症、骨疾患等の疾患の予防、治療および
/または進行抑制を目的に、一般式 (I)で示される化合物を含有する貼付剤を使用 すること力 sできる。ここで、骨疾患とは、例えば、(1)骨折、癌骨転移、高カルシウム血 症、ページエツト病、骨欠損 (歯槽骨欠損、下顎骨欠損、小児期突発性骨欠損等)、 骨壊死、(2)原発性骨粗鬆症 (例えば、加齢に伴う原発性骨粗鬆症、閉経に伴う原 発性骨粗鬆症、卵巣摘出術に伴う原発性骨粗鬆症、椎体骨折等)、(3)二次性骨粗 鬆症 (例えば、グルチコルチコイド誘発性骨粗鬆症、甲状腺機能亢進性骨粗鬆症、 固定誘発性骨粗鬆症、へパリン誘発性骨粗鬆症、免疫抑制誘発性骨粗鬆症、腎不 全による骨粗鬆症、炎症性骨粗鬆症、クッシング症候群に伴う骨粗鬆症、リウマチ性 骨粗鬆症等)等が挙げられる。さらにまた、骨の手術後の骨形成 (例えば、骨折後の 骨形成、骨移植後の骨形成、人工関節術後の骨形成、脊椎固定術後の骨形成、そ の他骨再建術後の骨形成等)の促進'治癒促進を目的に、一般式 (I)で示される化 合物を含有する貼付剤を使用することができる。また、骨移植代替療法等にも用いる こと力 Sでさる。
[0058] 上記の種々の疾患のうち、本発明の貼付剤の適応として最も好ましい疾患は骨疾 患であり、とりわけ、骨折または椎体骨折が好ましい。また、骨の手術後の骨形成 (例 えば、骨折後の骨形成、骨移植後の骨形成、人工関節術後の骨形成、脊椎固定術 後の骨形成、その他骨再建術後の骨形成等)の促進 ·治癒促進を目的に、一般式 (I )で示される化合物を含有する貼付剤を使用することも好ましレ、。特に骨折にお!/、て は、患部をギプスなどで固定するため、患部に薬剤を適用できない場合もある力 本 発明の貼付剤は、皮膚透過性変化が小さぐ身体のどの部位に適用しても同様の薬 効が得られるので、必ずしも患部に適用する必要がないため好適である。
[0059] 本発明の貼付剤は、他の薬剤、例えば、ビスホスホネート製剤、ビタミン D製剤、力 ルシゥム製剤、エストロゲン製剤、カルシトニン製剤、ィプリフラボン製剤、タンパク同
化ステロイド薬、ビタミン K製剤、カテブシン K阻害薬、副甲状腺ホルモン、成長因子 、カスパーゼ 1阻害薬、 PTHrP誘導体、メタ口プロティナーゼ阻害薬、フアルソネィ ド X受容体作動薬、抗アンドロゲン薬、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SE RMs)、プロゲステロン作動薬、カルシウム受容体アンタゴニスト(calcylitics)、スト口 ンチウム製剤、 a カルシトニン遺伝子関連ペプチド製剤、骨形成蛋白製剤、抗 RA NKL抗体、抗 TNF α抗体、抗 IL 6抗体等と併用して使用してもよい。併用する 薬剤は、本発明の貼付剤に含有されていてもよい。また、併用する薬剤の投与方法 は特に限定されず、経口投与であっても非経口投与であってもよ!/、。
[0060] ビスホスホネート製剤としては、例えば、アレンドロン酸ナトリウム水和物(alendronat e sodium hydrate)、イノくンドロン酸 (Ibandronic acid)、インカドロン酸ニナトリウム (inc ardronate disodium)、ェチドロン酸ニナトリウム (etidronate disodium)、オノレノ ドロネ ート(olpadronate)、クロドロン酸ナトリウム水和物(clodronate sodium hydrate) ,ゾレド ロン酸(zoledronic acid)、チルドロン酸ニナトリウム(tiludronate disodium)、ネリドロネ ート、 neridronate)、ノヽミドロン酸ニナトリヮム (pamidronate disodiumリ、ピリドロ不一ト (p iridronate)、ミノドロン酸水和物(minodronic acid hydrate)、リセドロン酸ナトリウム水 和物(sodium risedronate hydrate)、 YM175等が挙げられる。
[0061] ビタミン D製剤としては、例えば、アルファカルシドール(alfacarcidol)、ファレカルシ トリオール(falecalcitriol)、カルシトリオール(calcitriol) , 1 α , 25 ジヒドロキシコレカ ノレシフェローノレ(1 a ,25-dihydroxycholecalciferol)、ジヒドロタキステロ一ノレ(dihydrota chysterol)、 ST— 630、 KDR、 ED— 71、口カルトール(Ro44_7190)、タカルシォー ノレ(tacalciol)、マキサカルシトール(maxacalcitol)等が挙げられる。
[0062] カルシウム製剤としては、例えば、塩化カルシウム(calcium chloride)、ダルコン酸カ ノレシゥム (calcium gluconate)、グリセ口リン酸カノレシゥム (calcium glycerophosphateノ、 ?し酸カノレシゥム(calcium lactate)、 L ァスパラギン酸カノレシゥム(calcium L- aspartat e)、リン酸水素カルシウム(dibasic calcium phosphate)等が挙げられる。
[0063] エストロゲン製剤としては、例えば、エストラジオール(estradiol)、安息香酸エストラ ンォーノレ、 estradiol benzoateノ、エストフンス ーノレンピオナート (estradiol cypionate 、 ェストラジオーノレジプロピオナート (estradiol dipropionate)、エストラジォーノレエナン
タート (estradiol enanthate)、エストラジオ一ノレへキサヒドロべンゾアート (estradiol hex ahydrobenzoate)、エストフンォーノレフエニノレフロヒ-オナート ^estradiol phenylpropiona te)、ェストラジオ一ノレゥンデカノアート(estradiol undecanoate)、吉草酸ェストラジオ 一ノレ estradiol valerate)、エストロン (estroneリ、ェチニノレエストラジオ一ノレ (ethynyl es tradiol)、メストラノール(mestranol)等が挙げられる。
[0064] カルシトニン製剤としては、例えば、カルシトニン(calcitonin)、サケカルシトニン(sal mon calcitonin ; STH- 32、 SMC20- 51)、ニヮトリカルシトニン(chicken calcitonin ; MCI- 536)、セカルシフエロール(secalciferol)、エルカトニン(elcatonin)、 TJN— 135等力 S 挙げられる。
[0065] ィプリフラボン製剤としては、例えば、ィプリフラボン (ipriflavone)等が挙げられる。
[0066] タンパク同化ステロイド薬としては、例えば、ォキシメトロン(oxymetholone)、スタノゾ ロール(stanozolol)、デカン酸ナンドロロン(nandrolone Decanoate)、フエニルプロピ オン酸ナンドロロン(nandrolone phenylpropionate) ,シクロへキシノレプロピオン酸ナン 卜 ロノ ^nandrolone cyclohexylpropionate)、目乍酸メァノロノ metenolone acetate;、メ スタノロン (mestanolone)、ェチノレエストレノーノレ (ethylestrenol)、カノレステロン (calust erone)等が挙げられる。
[0067] ビタミン K製剤としては、例えば、メナテトレノン (menatetrenone)、フイトナジオン (ph ytonadione)等が挙げられる。
[0068] カテブシン K阻害薬としては、例えば、 ONO 5334、 AAE581、 SB462795等 が挙げられる。
[0069] 副甲状腺ホルモン(PTH)としては、例えば、乾燥甲状腺(dried thyroid)、レポチロ キシンナトリウム (levothyroxine sodiumリ、リオチロニンナトリウム (liothvronine sodium)
、チアマヽノ、一ノレ (thiamazole)、酉乍酸テリノ ラ テド(teriparatide acetateリ等カ举け、られる。
[0070] 成長因子としては、例えば、線維芽細胞成長因子(FGF)、血管内皮成長因子 (V
EGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インシュリン様成長因子(IGF)等が挙げられる。
[0071] カスパーゼ 1阻害薬としては、例えば、ニトロフルルビプロフェン(nitroflurbiprofen
)、プラルナカサン(pralnacasan)等が挙げられる。
PTHrP誘導体としては、例えば、 hPTHrP, RS— 66271等が挙げられる。
[0072] フアルネソイド X受容体作動薬としては、例えば、 SR—45023A等が挙げられる。
抗アンドロゲン薬としては、例えば、酢酸ォサテロン等が挙げられる。
[0073] 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMs)としては、例えば、 TSE— 42 4、 WJ - 713/MPA,酒石酸ラソフォキシフェン(lasofoxifene tartrate)、塩酸ラロキ シフェン(raloxifene hydrochloride)、タエン酸タモキシフェン(tamoxifene citrate)等が 挙げあれる。
[0074] プロゲステロン作動薬としては、例えば、トリメグストン(trimegestone)等が挙げられ
[0075] カルシウム受容体アンタゴニスト(calcylitics)としては、例えば、 NPS— 423557等 が挙げられる。
[0076] ストロンチウム製剤としては、ラネリック酸ストロンチウム(strontium ranelate)等が挙 げられる。
[0077] 抗 RANKL抗体としては、例えば、 AMG162等が挙げられる。
骨形成蛋白製剤としては、例えば、 YM484等が挙げられる。
[0078] 抗 TNF— a抗体としては、例えば、インフリマキシブ(infliximab)、エタネルセプト (e tanerecept)、ァダリムバブ(adalimumab)等が挙げられる。
[0079] 以上の併用薬剤は例示であって、これらに限定されるものではない。
他の薬剤は、任意の 2種以上を組み合わせて投与してもよい。また、併用する薬剤 には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今 後見出されるものも含まれる。
発明の効果
[0080] 4 - { [2 - ( ( 1R, 2R, 3R)— 3 ヒドロキシ一 2— { ( IE, 3S)—3 ヒドロキシ一 4—
[3—(メトキシメチル)フエニル]ブタ 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル)ェチ ノレ]スルファニル }ブタン酸の C 1〜4アルコールエステル体およびシリコーン粘着剤 の 2成分からなる粘着剤層を含有する本発明の貼付剤は、該 C l〜4アルコールエス テル体を急激に放出させることなく持続的に放出するため、血中濃度が急激に上昇 せず副作用を回避することができ、かつ薬効を持続することができる。また、本発明
の貼付剤は経時的に安定であるため、室温にお!/、て長期保存が可能な製剤である。 さらに、本発明の貼付剤は、適用部位の違い、個人差、外傷や皮膚炎などの皮膚病 変の有無等による薬物の皮膚透過性のばらつきが小さいため、どのような部位にも適 用可能な製剤である。
発明を実施するための最良の形態
[0081] 以下、製剤例および実施例を挙げて、本発明を詳述するが、本発明はこれらに限 定されるものではない。
また、以下の製剤例は、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
[0082] [製剤例]
吝 II例 1 : 0.5 %化 物 A含 シリコ一ン 吝 II
式 (I 1)で示される化合物(以下、化合物 Aと略す。)を酢酸ェチル (キシダ化学( 株))に溶解させて薬物溶液(10mg/mL)を調製し、薬物溶液(lmUをシリコーン 粘着剤(BIO-PSA 7-4601 (商品名)、ダウコーユング社)(3316.7mg)と混合して塗工 液を調製した。塗工液を支持体(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア( 株))上に、厚みが約 80 mになるようにアプリケーターを用いて展延した。粘着面を 室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナー(Scotchpak#1022 (商品名) 、スリーェムヘルスケア (株))で覆い、後記の実施例 1および 2においてフランツ型セ ノレ(開口面積 0.64cm2)に装着するために 0.64cm2の円形に切断して、本発明の貼付 剤 (製剤 1 (化合物 A含有量: 40 a g/cm2) )を得た。
[0083] 製剤例 2: 1 %化合物 A含有シリコーン製剤
化合物 A(60mg)をシリコーン粘着剤(BIO-PSA 7-4501 (商品名)、ダウコーユング 社) (9740.9mg)と混合して塗工液を調製した。塗工液を支持体(Scotchpak#1022 (商 品名)、スリーェムヘルスケア (株))上に、厚みが約 80〃 mになるようにアプリケーター を用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナ 一(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))で覆い、 8cm2の円形に切 断して、本発明の貼付剤 (製剤 2 (化合物 A含有量: 80 g/cm2) )を得た。
[0084] 製吝 II例 3: 1 % ^物 A含有シリコーン製吝 II
化合物 A(60mg)をシリコーン粘着剤(BIO-PSA 7-4501 (商品名)、ダウコーユング
社) (9740.9mg)と混合して塗工液を調製した。塗工液を支持体(Scotchpak#1022 (商 品名)、スリーェムヘルスケア (株))上に、厚みが約 80〃 mになるようにアプリケーター を用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナ 一(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))で覆い、 4cm2の正方形に 切断して、本発明の貼付剤 (製剤 3 (化合物 A含有量: 80 ,i g/cm2) )を得た。
[0085] 製剤例 4: 0.3%化合物 A含有シリコーン製剤
化合物 Aを酢酸ェチル(キシダ化学 (株))に溶解させて薬物溶液(24mg/mL)を 調製し、薬物溶液(lmL)をシリコーン粘着剤(BIO-PSA 7-4601 (商品名)、ダウコー ユング社)(13293.3mg)と混合して塗工液を調製した。塗工液を支持体(Scotchpak# 1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))上に、厚みが約 80 mになるようにアプリ ケーターを用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥 離ライナー(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))で覆い、 4cm2の 正方形に切断して、本発明の貼付剤 (製剤 4 (化合物 A含有量: 25 ,i g/cm2) )を得 た。
[0086] 製剤例 5 : 0.5%化合物 A含有シリコーン製剤
化合物 Aを酢酸ェチル(キシダ化学 (株))に溶解させて薬物溶液(20mg/mL)を 調製し、薬物溶液 (0.5mL)をシリコーン粘着剤(BIO-PSA 7-4401 (商品名)、ダウコ 一ユング社)(3316.7mg)と混合して塗工液を調製した。塗工液を支持体(Scotchpak# 1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))上に、厚みが約 80 mになるようにアプリ ケーターを用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥 離ライナー(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))で覆い、 6.25cm2 の正方形に切断して、本発明の貼付剤 (製剤 5 (化合物 A含有量: 40 ,i g/cm2) )を 得た。
[0087] 比較例 1: 1 %化合物 A含有 SIS製剤
スチレン イソプレン スチレンブロック共重合体(以下、 SISと略記する。 : SIS-522 9 (商品名)、 JSR (株))(577mg)、超淡色ロジンエステル (KE-311、荒川化学工業 (株 )) (577mg)および軽質流動パラフィン (NO.70-S (商品名)、三光化学工業 (株)) (62 6mg)を酢酸ェチル (キシダ化学製 (株)) (2000mg)に溶解させて、粘着液を調製し
た。化合物 A (40mg)およびォレイルアルコール(以下、 OLAと略記する。 : AO-85S (商品名)、 日本油脂 (株))(200mg)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工 液を支持体(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))上に、厚みが約 6 0 111になるようにアプリケーターを用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させ た。乾燥した粘着面を剥離ライナー(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケ ァ (株))で覆い、 0.64cm2の円形に切断して、比較例としての貼付剤(比較製剤 1 (化 合物 A含有量: 60 g/cm2)を得た。
[0088] 比較例 2: 1 %化合物 A含有 SIS製剤
SIS (SIS_5229 (商品名)、 JSR (株)) (577mg)、ロジンエステル(KE-311 (商品名)、 荒川化学工業 (株))(577mg)および軽質流動パラフィン (NO.70-S (商品名)、三光化 学工業 (株)) ½26mg)を酢酸ェチル (キシダ化学製)(2000mg)に溶解させて、粘 着液を調製した。化合物 A(40mg)および OLA(AO_85S (商品名)、 日本油脂 (株)) (200mg)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(Scotchpakiil 022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))上に、厚みが約 60〃 mになるようにアプリ ケーターを用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥 離ライナー(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケア (株))で覆い、 8cm2の 円形に切断して、比較例としての貼付剤(比較製剤 2 (化合物 A含有量: 6011 g/cm 2)を得た。
[0089] 比較例 3: 2%化 物 A含 SIS i吝 II
SIS (SIS_5229 (商品名)、 JSR (株))(4g)、高分子量ポリイソプチレン(ビスタネックス MML-10 (商品名)、ェクソン化学 (株))(0.6g)、低分子量ポリイソブチレン (ォパノー ル B12SPN (商品名)、 BASFジャパン (株))(1.4g)、エステルガム(KE-311 (商品名)、 荒川化学工業 (株))(0.8g)、脂環族飽和炭化水素樹脂 (アルコン P-100 (商品名)、荒 川化学工業 (株))(5.2g)、流動パラフィン (ハイコール M352 (商品名)、カネダ (株)) (6. 56g)、 OLA(AO_85S (商品名)、 日本油脂 (株))(lg)、ジー t—プチルヒドロキシトル ェン(ヨシノックス(商品名)、(株)エーピーアイコーポレーション)(0.04g)を n—へキサ ン(20g)に溶解させて、粘着液を調製した。化合物 A(0.04g)を粘着液に溶解させて 塗工液を調製した。塗工液を支持体(Scotchpak#1022 (商品名)、スリーェムヘルスケ
ァ (株))上に、厚みが約 60 mになるようにアプリケーターを用いて展延した。粘着面 を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、約 4cm2の正方 形に切断して、比較例としての貼付剤(比較製剤 3 (化合物 A含有量: 20011 g/cm2 )を得た。
[実施例]
実施例 1 : In vitroヒト皮膚诱渦性試験
ハンスバイオメド(Hans Biomed)社から入手したヒト皮膚(背部或レ、は大腿部皮膚: 72歳男性(2例)、 63歳男性、 74歳男性、 78歳男性)をフランツ型セル(開口面積 0. 64cm2)に装着し、製剤 1を角質層側に貼付した。真皮側のセルには生理食塩水(4 mUを適用した。経時的に真皮層側セルから 0.5mLを採取し、以下に示す条件の L C/MS/MS法により化合物 Aと活性本体である 4 { [2—((1R, 2R, 3R)— 3— ヒドロキシー 2—{ (IE, 3S) 3 ヒドロキシー4 [3 (メトキシメチル)フエニル]ブ ター 1 ェニル } 5—ォキソシクロペンチル)ェチル]スルファニル }ブタン酸(以下、 化合物 Bと略記する。)を定量した。 48時間までの合計累積透過量を算出し、その傾 きょり皮膚透過速度を算出した。
<皮膚透過性試験における定量 (LC/MS/MS)〉
マイクロチューブにレセプター溶液を 20 μ L採り、ァセトニトリノレ 180 μ Lを加えてよ く混合後、遠心分離(12000rpm、 5min)した。ガラス製試験管に上清 50 Lを採り 、 0.1%酢酸/ァセトニトリル混液(20 : 80) 150 Lを加えて十分に混和し、これを注 入試料とした。
<測定条件 >
(1)化合物 Aの測定
(1 1) LC条件
カラム: YMC— Pak MB-ODS 2. O X 50mm, 3 μ πι (YMC)
カラム温度:室温
グラジェント:
流速: 0.2 mL/min
オートサンプラー温度: 10°C
測定時間: 10分
注入量: lO L
(1 2)MS/MS条件
[表 2]
(2)化合物 Bの測定
(2 1)LC条件
カラム: YMC_Pak MB-ODS 2. OX 50mm, 3 m (YMC) カラム温度:室温
グラジェント:
流速: 0.2 mL/min
オートサンプラー温度: 10°C
測定時間: 9分
注入量: lO L
(2— 2) MS/MS条件
[表 4]
<結果〉
上記の In vitroヒト皮膚透過性試験で得られた結果を図 1に示す。
またこのヒト皮膚透過プロファイルの傾きよりそれぞれヒト皮膚透過速度を算出した。
[表 5]
表 5より、ヒト皮膚透過速度を全身クリアランスで除して定常状態の血中濃度を推測 したところ、約 2.6cm
2の貼付面積にて、薬効が十分得られると予測される約 1.4pg/ mLの血中濃度が得られることが示唆された。
[0091] 実施例 2: In vitroヒト角晳剥離皮膚を用いた诱渦性試験
Hans Biomed社から入手したヒト皮膚(背部或いは大腿部皮膚: 72歳男性(2例)、 6 2歳男性 (2例)、 80歳男性 (以上、比較製剤 1の試験に使用)、 72歳男性 (3例)、 63 歳男性、 74歳男性、 78歳男性 (以上、製剤 1の試験に使用))の角質側にテープ貼 付して剥離する操作を 20回繰り返し、角質剥離処理皮膚を調製した。角質剥離処理 皮膚をフランツ型セル(開口面積 0.64cm2)に装着し、製剤 1および比較製剤 1を表皮 層側に貼付した。真皮側のセルには生理食塩水(4mUを適用した。経時的に真皮 層側セルから 0.5mLを採取し、実施例 1と同様の条件による LC/MS/MS法により 化合物 Aと活性本体である化合物 Bを定量した。得られた結果を図 2および図 3に示 す。 48時間までの合計累積透過量を算出し、その傾きより皮膚透過速度を算出した
[表 6]
<結果〉
角質剥離処理皮膚における透過性評価を実施したところ、比較製剤 1の場合、速 やかな皮膚透過が観察され、角質を剥離していない正常皮膚に比べて透過速度が 約 40倍増大した。一方、本発明の貼付剤である製剤 1の場合、角質剥離皮膚におい ても透過速度の増大を顕著に抑制し、正常皮膚の約 3倍程度にとどまった。化合物 Aとシリコーン粘着剤との組み合わせからなる本発明の貼付剤は、皮膚透過性の非 常に高い状態である角質剥離された皮膚においても透過速度がほとんど変化しなか つたことから、適用部位等による皮膚透過性変化を小さくすることができた。
[0092] 実施例 3 :薬物放出試験
パドルオーバーディスク法により薬物放出性を評価した。製剤 2および比較製剤 2を ディスクに固定し、以下の条件において薬物放出試験を実施した。
<溶出試験条件〉
溶出試験器: DISSOLUTION TESTER NTR-6100 (富山産業 (株))
試験液:生理食塩水 ((株)大塚製薬工場)
試験液量: 500 mL
試験液の温度: 32 +/- 0.5 °C
サンプリング時間: 15, 30, 60, 120, 240, 480, 720, 1440 min
パドル回転数: 50 rpm
サンプリング量: 5 mL
<定量方法 >
サンプリング液を HPLCに注入し、以下の条件にて化合物 Aを定量した。
< HPLC条件 >
検出器:紫外吸光光度計 (測定波長: 210 nm)
カラム: YMC_Pack Pro C AS_302 (4.6 mm i.d. , 150 mm)
18
カラム温度: 50°C
移動相: 0· 1Μリン酸/ァセトニトリル混液(60: 40)
流速: 1.0 mL/min
クーラー温度: 5°C
分析時間: 10分
注入量: Calib液 20 μ L, Sample 70 /i L
<結果〉
上記の薬物放出試験の結果を図 4に示す。粘着剤として SISを用いた比較製剤 2 は、速やかな薬物放出性が認められたのに対して、本発明のシリコーン粘着剤を含 む製剤 2は、薬物を急激に放出することなく持続的に放出し、製剤からの薬物放出を 制御して!/、ること力 S確認できた。
以上の結果から、本発明の貼付剤は、薬物放出制御能を有し、薬物を急激に放出 することがない安全かつ有効な持続放出型製剤であることが示唆された。
実施例 4 :安定性試験
製剤 3、製剤 4、および比較製剤 3をアルミ防湿袋に入れてヒートシールを施し、各 条件 (40°C— 1、 3、 4ヶ月、 25°C— 4ヶ月、 5°C— 4ヶ月 )にて安定性試験を実施した
〇
<純度試験法〉
各条件にて安定性試験を行った製剤中の化合物 A含量値および不純物の生成に ついて HPLCにより測定した。
(1)比較製剤 3の純度試験
比較製剤 3に、へキサン(20mL)を加えて 15分間振とう後、水:ァセトニトリル = 7 : 3混液を 10mL加えてさらに 15分間振とうした。これを 2000rpmにて 5分間遠心分離 して下層 9mLを得た。また、上層に水:ァセトニトリル = 7 : 3混液 lOmLを再度加えて 15分間振とうし、 2000rpmにて 5分間遠心分離して下層 9mLを得た。下層 18mLを 試料溶液として以下の HPLC条件にて測定した。
< HPLC条件 >
検出器:紫外吸光光度計 (測定波長: 21 Onm)
カラム: YMC_Pack Pro C AS-302 (4.6mmi.d., 150mm)
18
カラム温度: 50°C
移動相: A 水 メタノール混液(9 : 1)
B ァセトニトリル メタノール混液(6 : 4)
下記の表 7に従って経時的に溶媒比を変化させて測定した。
[表 7]
流速: 1. OmL/ min
クーラー温度: 5°C
分析時間: 60分
注入量:50〃 L
(2)製剤 3の純度試験
製剤 3に、ァセトニトリル(10mUを加えて 500rpmにて 24時間攪拌抽出した。抽 出液を lmLとり、水(lmUを加えて混合し、 0.2 mのフィルターにてろ過し、ろ液を 試料溶液として以下の HPLC条件にて測定を行った。
< HPLC条件 >
検出器:紫外吸光光度計 (測定波長: 21 Onm)
カラム: YMC_Pack Pro C AS-302 (4.6mmi.d., 150mm)
18
カラム温度: 60°C
移動相: A 水 メタノール混液(9 : 1)
B ァセトニトリル メタノール混液(6 : 4)
下記の表 8に従って経時的に溶媒比を変化させて測定した。
[表 8]
流速: 1. OmL/ min
クーラー温度: 5°C
分析時間: 60分
注入量: 100 し
(3)製剤 4の純度試験
製剤 4に、へキサン(20mL)を加えて 15分間振とう後、内部標準液 (4 ヒドロキシ 安息香酸ェチル)(120.02 g/mL)溶液を lmLおよびァセトニトリル溶液を lmL加え 、さらに 0.1Mリン酸—ァセトニトリル混液(1 : 7)を 8mL加えて 15分間振とう後、 2000 rpmにて 5分間遠心分離して下層 2mLを得た。この下層 2mLに水(2mL)を加えて 混合後、 2000rpmにて 5分間遠心分離して得た下層を試料溶液として、以下の HP
LC条件にて測定した。
< HPLC条件 >
検出器:紫外吸光光度計 (測定波長: 21 Onm)
カラム: YMC_Pack Pro C AS-302 (4.6mmi.d., 150mm)
18
カラム温度: 60°C
移動相: A 水/メタノール混液(9 : 1)
B ァセトニトリル/メタノール混液(6 : 4)
下記の表 9に従って経時的に溶媒比を変化させて測定した。
[表 9]
流速: 1. OmL/ min
クーラー温度: 5°C
分析時間: 60分
注入量: 100 し
<結果〉
上記安定性試験の結果を以下の表 10に示す。
[表 10]
比較製剤 3においては 40°C、 1ヶ月保存後の化合物 A含量値が 10%以上低下し
たのに対して、製剤 3および製剤 4では 40°C、 4ヶ月後においても顕著な薬物含量の 低下が認められなかった。
以上の結果から、本発明の貼付剤は経時的に安定であり、長期の室温保存が可能 であることが示唆された。
実施例 5:ゥサギ皮膚刺激性試験
製剤 5を日本白色種の雄性ゥサギ背部に 24時間閉塞経皮投与し、投与 24時間( 閉塞除去後約 30分)および投与後 48時間時の皮膚反応を観察し、表に示すドレイ ズ(Draise)の評価基準 [ザ ·ジャーナル ·ォブ 'ファーマコロジー ·アンド ·エタスぺリメ ンタル.セラピューテイクス第 83巻、 377— 390頁、 1944年] (表 11)に従って評価し た。
[表 11]
紅斑なし 0 ごく軽度の紅斑 (やっと認められる程度) 1 明かな紅斑 2 中等度から強い :斑 3 深紅色の強い :斑に軽い痂皮症状 (傷害は深部に) 4
B . 浮腫
浮腫なし 0 ごく軽度の浮腫 (やっと認められる程度) 1 明かな浮腫 (周囲と明らかに区別可能) 2 中等度から強い浮腫 (約 1 mm盛り上がつている) 3 強い浮腫 ( 1 mm以上の盛り上がり、 周囲にも広がる) 4 被験検体除去時 (投与後 24時間)および除去後 24時間(投与後 48時間)の各動 物の平均評点から一次刺激インデックス (ΡΠ)を算出した。
ΡΠ =各検体の平均評点の合計 /3
安全性区分は、(i) PIIが 0のときは刺激性なし、(ii) 0を越えて 2以下のときは弱い 刺激物、(iii) 2を越えて 5以下のときは中程度の刺激物、(iv) 5を越えるときは強い刺 激物とした。
<結果〉
製剤 5の ΡΠは 1.50であった。したがって、本発明の貼付剤は、皮膚刺激性が少なく
安全な製剤であることが示唆された。
産業上の利用可能性
[0095] 本発明の貼付剤は、室温での長期保存が可能であり、かつ副作用も回避できるた め、安全な医薬品として利用できる。
図面の簡単な説明
[0096] [図 1]製剤 1における In vitroヒト皮膚透過性試験の結果である。
[図 2]In vitroヒト角質剥離皮膚を用いた透過性試験(比較製剤 1)の結果である。
[図 3]In vitroヒト角質剥離皮膚を用いた透過性試験 (製剤 1)の結果である。
[図 4]製剤 2および比較製剤 2における薬物放出試験の結果である。