WO2007123046A1

WO2007123046A1 - チャコールフィルタシガレットのためのメンソール送出システム

Info

Publication number: WO2007123046A1
Application number: PCT/JP2007/058088
Authority: WO
Inventors: Masafumi Tarora; Masahiro Onozawa; Katsuo Kato; Satoshi Hatakenaka; Masayuki Aoki; Shinsuke Arikawa
Original assignee: Japan Tobacco Inc
Current assignee: Japan Tobacco Inc
Priority date: 2006-04-20
Filing date: 2007-04-12
Publication date: 2007-11-01
Anticipated expiration: 2008-10-20
Also published as: TW200744483A; JP5164217B2; JPWO2007123046A1

Abstract

　チャコールフィルタシガレットのためのメンソール送出システムは、フィルタシガレット自身若しくはフィルタシガレットとは別に準備されたメンソールホルダと、フィルタシガレットとは分離して準備され、フィルタシガレットが喫煙される直前にメンソールホルダ内に収容され、喫煙時、フィルタシガレットからの主流煙にメンソールを付加するメンソール発生源と有する。

Description

明細書

チヤコールフィルタシガレットのためのメンソール送出システム技術分野

[0001] 本発明は、喫煙者に吸引される主流煙中の蒸気相成分の低減と、その主流煙へのメンソールの付カ卩との両立を図ったチヤコールフィルタシガレットのためのメンソール送出システムに関する。

背景技術

[0002] シガレットの喫煙時、シガレットの主流煙中に含まれる蒸気相成分 (ァセトアルデヒド、アセトン、ベンゼン等）を低減するため、シガレットはその端にチヤコールフィルタを有する。このチヤコールフィルタは、フィルタ材料と、このフィルタ材料に分布された活性炭の粒子と、フィルタ材を円筒状に包み込む包材とを有する。

[0003] 一方、喫煙時、主流煙の本来の風味や味覚にカ卩え、主流煙にメンソールの芳香を付加することができるメンソールタイプのチヤコールフィルタシガレットが知られており、このフィルタシガレットは、シガレット内の刻たばこに直接的に添加されたメンソールを含んでいる。それ故、喫煙時、メンソールの芳香は、主流煙がチヤコールフィルタを通過する前の段階で、主流煙に付加される。

[0004] それ故、主流煙がチヤコールフィルタを通過するとき、主流煙にはメンソールの芳香が既に付加されているため、メンソールの一部はチヤコールフィルタ中の活性炭の粒子に吸着されてしまう。この結果、上述したタイプのメンソールシガレットにあっては、喫煙者の口内までメンソールの芳香を効果的に送り込むことができず、また、メンソ一ルを吸着した活性炭の粒子は、主流煙中の蒸気相成分を低減する本来の大きく損なう。

[0005] 上述の不具合を解消するため、シガレットとチヤコールフィルタとを別々に備えたシガレットシステム（特許文献 1)や、シガレットとメンソール等のフレーバを発生するフィルタとを別々に備えたシガレットシステム (特許文献 2)が知られている。これらシガレットシステムにおいて、シガレットの喫煙に先立ち、シガレット及びフィルタは互いに結合される。特許文献 1：特開平 9-117273号公報

特許文献 2：特開平 9-187266号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 主流煙中の蒸気相成分の低減と主流煙へのメンソールの芳香付けとを同時に達成するため、特許文献 1, 2のフィルタを組み合わせたフィルタを製造することが考えられる。しかしながら、このようなフィルタにあっても、活性炭の粒子及びメンソールはフィルタ内にて互!ヽに隣接して存在するため、活性炭の粒子にメンソールが吸着されてしまうことは避けられず、上述の不具合を本質的に解消することにはならない。

[0007] 本発明の目的は、主流煙中の蒸気相成分を低減しつつ、主流煙にメンソールの芳香を効果的に付加することができるチヤコールフィルタシガレットのためのメンソール送出システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008] 上記の目的を達成するため、本発明のメンソール送出システムは、シガレット及び円筒状のチヤコールフィルタを備え、このチヤコールフィルタがその内部に分布された活性炭の粒子を含む、チヤコールフィルタシガレットと、フィルタシガレット自身又はフィルタシガレットとは別に準備され、フィルタシガレットの喫煙時、フィルタシガレット力も発生する主流煙の流れ方向でみてチヤコールフィルタの下流に位置付けられるメンソールホルダと、フィルタシガレットの喫煙前にはフィルタシガレットと分離した状態で準備され、喫煙の直前にメンソールホルダを介してフィルタシガレットに組み合わされることで、喫煙時、主流煙にメンソールを付加するメンソール発生源とを備える

[0009] 上述したメンソール送出システムによれば、フィルタシガレットとメンソール発生源とが組み合わされた後にフィルタシガレットが喫煙されたとき、主流煙は先ずチャコ一ルフィルタを通過する。このとき、主流煙中の蒸気相成分の一部はチヤコールフィルタに吸着され、主流煙中の蒸気相成分は低減される。この後、主流煙はメンソール発生源を通過し、この際、メンソールの芳香が付加され、そして、喫煙者の口内に吸い込まれる。 [0010] より詳しくは、メンソールホルダはメンソール発生源を収容可能であり、メンソールホルダ及びメンソール発生源は、チヤコールフィルタと同様な円筒状をなしている。このようにメンソールホルダが円筒形状を有していれば、本発明の送出システムは、喫煙時にあっても、通常のフィルタシガレットに近似した外観を提供することができる。

[0011] メンソール発生源は、フィルタ材と、このフィルタ材に添カ卩されたメンソールとを含むことができる。この場合、フィルタ材中に添加されたメンソールの添カ卩量が Maで表され、且つ、フィルタシガレットの喫煙時、主流煙とともにメンソール発生源を通じて送出されるタール及びメンソールの送出量に関して、タールの送出量 (Tar)に対するメンノールの送出量（Md)の比が R (Md/Tar)で表されるとき、メンソール発生源は、 R/Ma≥0. 02を満たす特性を有しているのが望ましい。この場合、フィルタ材はセルロースアセテートの繊維束力形成されており、更に、フィルタ材は、繊維束の外周面を熱成形して形成した円筒状の被覆を有することができる。このような被覆はフィルタ材を包み込むための包材を不要にする。

[0012] 上述した値 RZMaは、メンソールの添加量 Maに対するメンソールの解放効率を表す指標である。より詳しくは、メンソールの添カ卩量 Maが同一であっても、メンソールの送出量 Mdはタールの送出量 Tarによって変化する。それ故、前記比 R(MdZTar) はタールの送出量 Tarの変化に拘わらず、ほぼ一定になり、メンソールの添加量 Ma に対するメンソールの解放効率を表す指標になり得る。

[0013] それ故、メンソールの送出効果を更に高めるには、上述値 RZMaは 0. 03以上確保されているのが好ましい。この場合、メンソール発生源のフィルタ材は、紙素材及びパルプの不織布の一方から形成することができ、そして、メンソールは、アルコール類又はダリコール類の溶剤に溶解された溶液の形態でフィルタ材に添加されている。

[0014] アルコール類の溶剤にはエタノール、メタノール、ベンジンアルコール、グリセリン等が含まれ、そして、グリコール類の溶剤にはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が含まれる。また、メンソール溶液はフィルタ材が圧縮成形される前段にて、フィルタ材に添加されるのが好ましい。

[0015] 具体的には、メンソールホルダは、チヤコールフィルタと一体に形成され且つチャコールフィルタ力も突出する中空の円筒形状をなすことができる。この場合、メンソールホルダはその内部にメンソール発生源を収容する凹所を有する。

[0016] また、メンソールホルダは、チヤコールフィルタとは別部材として形成された中空円筒状のジョイントホルダであってもよぐこのジョイントホルダは、チヤコールフィルタの端部を受け入れるための一端部と、メンソール発生源を収容するための他端部とを有する。

[0017] 更には、メンソールホルダは、チヤコールフィルタとは別部材として形成された円筒状のジョイントホルダであってもよぐこのジョイントホルダはその一端部にチヤコールフィルタの端部を受け入れるための凹所と、メンソール発生源を収容した他端部とを有する。

発明の効果

[0018] 上述したメンソール送出システムによれは、喫煙の直前に、チヤコールフィルタ及びメンソール発生源が組み合わされるので、フィルタシガレットの喫煙時、主流煙中の蒸気相成分の低減と、主流煙へのメンソールの効果的な芳香付けとの両立が可能となる。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]第 1実施例のメンソール送出システムを示した図である。

[図 2]第 2実施例のメンソール送出システムを示した図である。

[図 3]第 3実施例のメンソール送出システムを示した図である。

[図 4]セルロースアセテートの繊維束カゝら形成されたフィルタ材を含むメンソール発生源を示した図である。

[図 5]紙素材カゝら形成されたフィルタ材を含むメンソール発生源を示示した図である。

[図 6]ノルプの不織布力も形成されたフィルタ材を含むメンソール発生源を示した図である。

[図 7]セルロースアセテートの繊維束を熱成形して得たフィルタ材を含むメンソール発生源を示した図である。

[図 8]第 1〜第 3実施例のシステムに対して比較されるフィルタシガレットを (a)〜（c) にそれぞれ示す。

[図 9]主流煙中の蒸気相成分の低減に関して、実施例と比較例とを比較した結果を示すグラフである。

[図 10]メンソールの送出量に関し、実施例と比較例とを比較した結果を示すグラフである。

[図 11]メンソールの添カ卩量とメンソールの送出量との関係において、実施例のシステム AMF, PMFを比較して示したグラフである。

[図 12]メンソールの送出量とその経時変化との関係において、システム AMF, PMF を比較して示したグラフである。

[図 13]チヤコール添カ卩量とメンソールの送出量との関係について、システム AMF, P MFを比較して示すグラフである。

発明を実施するための最良の形態

[0020] 図 1のメンソール送出システムは、チヤコールタイプのフィルタシガレット 2と、円筒状のメンソール発生源 4とを備えている。フィルタシガレット 2は、シガレット 6と、このシガレット 6の一端に接続されたチヤコールフィルタ 8とを含む。具体的には、チヤコールフィルタ 8は、フィルタプラグ 10と、このフィルタプラグ 10とシガレット 6とを接続するチップぺーパ 12とを有し、チップぺーパ 12はシガレット 6の一端からフィルタプラグ 10に亘り、シガレット 6及びフィルタプラグ 10の双方に卷付けられている。フィルタプラグ 1 0は、セルロースアセテート繊維の束と、この束中に分布された活性炭の粒子と、束を円筒状に包み込む包材とを含む。

[0021] 図 1から明らかなように、チップぺーパ 12はフィルタプラグ 10から突出し、その内部に円筒状の凹所 14を有しており、この凹所 14はチヤコールフィルタ 8を所謂、リセスフィルタ (recess filter)に形成する。

[0022] 凹所 14はメンソール発生源 4を差し込み可能な内径を有し、メンソール発生源 4のためのメンソールホルダを形成する。即ち、メンソール発生源 4はフィルタシガレット 2 が喫煙される直前に、凹所 14内に差し込まれ、そして、収容される。

[0023] 通常、フィルタシガレット 2は通常 20本入りのシガレットパッケージとして喫煙者に提供されるが、メンソール発生源 4もまた個々に気密に包装された形態、又は、 20個単位で気密に包装された形態にして喫煙者に提供される。なお、メンソール発生源 4の具体的な構成については後述する。 [0024] 図 2は、第 2実施例のメンソール送出システムを示す。

第 2実施例のシステムは、フィルタシガレット 16と、メンソール発生源 4と、中空円筒状のジョイントホルダ 18とを備え、このジョイントホルダ 18はフィルタシガレツト 16とメンソール発生源 4とを互、に結合することができる。

[0025] フィルタシガレット 16は第 1実施例のフィルタシガレット 2に対して、そのチヤコールフィルタの形態のみが異なる。詳しくは、フィルタシガレット 16のチヤコールフィルタ 2 0は前述した凹所 14を有しておらず、チップぺーパ 12の端及びフィルタプラグ 10の端面は同一の面内にある。

[0026] 一方、ジョイントホルダ 18は環状のストッパ 24を有する。このストッパ 24はジョイントホルダ 18の内周面から突出し、ジョイントホルダ 18内を一対の凹所 26, 28に区画する。フィルタシガレット 16の喫煙に先立ち、一方の凹所 26にはフィルタシガレット 16 のチヤコールフィルタ 20の一部が差し込まれ、これに対し、他方の凹所 28にはメンソール発生源 4が差し込まれ、凹所 28内に収容される。

[0027] 図 3は、第 3実施例のメンソール送出システムを示す。

第 3実施例のシステムは、フィルタシガレット 17と、メンソールホルダ 19とを備える。フィルタシガレット 17もまた、第 1及び第 2実施例のフィルタシガレット 2, 16に対して、チヤコールフィルタの形態のみが異なる。即ち、フィルタシガレット 17のチヤコールフィルタ 21は所謂、デュアルフィルタであって、チヤコールフィルタ要素 CF及びァセテートフィルタ要素 AFとを有する。チヤコールフィル要素 CFは前述したフィルタプラグ 10と同一の構造を有し、一方、アセテートフィルタ要素 AFはフィルタプラグ 10から活性炭の粒子が除かれており、これらフィルタ要素 CF, AFの合計長さはフィルタプラグ 10の長さと同一である。

[0028] 一方、メンソールホルダ 19は、前述したメンソール発生源 4と、この発生源 4を囲む円筒状のシース 23とを含む。メンソール発生源 4はシース 23の一端部に位置付けられ、シース 23の他端部を凹所 25として形成する。この凹所 25はフィルタシガレット 17 のチヤコールフィルタ 21を差込み可能とする内径を有する。

[0029] それ故、フィルタシガレット 17の喫煙時、メンソールホルダ 19はその凹所 25にフィルタシガレット 17におけるチヤコールフィルタ 21の一端部を受け入れることにより、フィルタシガレツト 17に結合される。

[0030] 図 4〜図 7はメンソール発生源 4を具体的に示す。

図 4のメンソール発生源 4は、前述したフィルタプラグ 10と同様にセルロースァセテートの繊維束からなるフィルタ材 30と、このフィルタ材 30を円筒状に包み込む包材 3 2と、フィルタ材 30中に添カ卩されたメンソールとからなる。

[0031] 図 5メンソール発生源 4はフィルタ材 30の代わりに、紙素材を円筒状に成形したフィルタ材 34を有する点のみで、図 4のメンソール発生源 4とは異なる。

[0032] 図 6のメンソール発生体源 4は、フィルタ材 30の代わり〖こ、パルプの不織布を円筒状に成形したフィルタ材 36を有する点のみで、図 4のメンソール発生源 4とは異なる。

[0033] 図 7のメンソール発生源 4は、フィルタ材 30の外周面を熱成形して得られる円筒状の被覆 38を有し、この被覆 38が包材 32の代わりに使用されている点のみで、図 4のメンソール発生源 4とは異なる。

[0034] 図 4〜図 7のメンソール発生源 4の場合、メンソールは溶剤に溶力された液の状態で、そのフィルタ材中に添カ卩され、添カ卩量の上限値は 8mgである。なお、図 5, 6のメンソール発生源 4の場合、メンソールのための溶剤にはアルコール類溶剤（エタノール、メタノール、ベンジンアルコール、グリセリン等)若しくはグリコール類溶剤（プロピレンダリコール、ポリエチレングリコール等）を使用することができる。

[0035] 上述した第 1〜第 3実施例のシステムの機能を検証するため、図 8の（a)〜（c)に示される比較例 C1〜C3がそれぞれ準備された。

[0036] 比較例 C1のフィルタシガレットは、シガレット MCと、このシガレット MCの一端に接続されたデュアルフィルタ DFとを含み、シガレット MCはその刻たばこに添加されたメンソールを有する。デュアルフィルタ DFは第 3実施例のチヤコールフィルタ 21と同様なチヤコールフィルタ要素 CF及びアセテートフィルタ要素 AFを有する。

[0037] 比較例 C2のフィルタシガレットは、シガレット MC，と、デュアルフィルタ DFとを含み、シガレット MC'はその刻みたばこ中に添カ卩された粒子状のメンソールカプセルを有する。シガレット MC'の喫煙時、メンソールカプセルは主流煙の熱により破壊され、メンソールを放出する。それ故、比較例 C2のフィルタシガレットは喫煙前において、チャコールフィルタ要素 CF中の活性炭の粒子にメンソールが吸着されてしまうことはない。

[0038] 比較例 C3のフィルタシガレットは、メンソールを含まない通常のプレーンシガレット P

Cと、アセテートフィルタ要素 AFの代わりにメンソール発生源 4と同様なメンソールフィルタ MFを有したデュアルフィルタ DFを含んでいる。

[0039] 比較例 C1〜C3及び本発明の複数の実施例 E (図 1〜図 3のシステム）に対して喫煙試験がそれぞれ実施され、主流煙中の蒸気相成分の低減率及びメンソールの送出量に関する測定結果を図 9及び図 10にそれぞれ示す。

[0040] 比較例 C1〜C3及び実施例 Eにおいて、チヤコールフィルタに含まれる活性炭の粒子の量、即ち、チヤコール量は何れも 140mgであり、そして、フィルタシガレット全体の通気度 Vfcは、フィルタシガレットからのタールの送出量がそれぞれ 6mgとなるように設定されている

[0041] 図 9から明らかなように、比較例 C2及び実施例 Eは比較例 CI, C3に比べて蒸気相成分の低減率が高い。このことは、実施例 Eの場合、活性炭の粒子がその本来の機能を十分に発揮することを示す。即ち、喫煙に先立つ段階で、実施例 Eのシステムのメンソールは、チヤコールフィルタ（8, 20, CF)から分離されており、活性炭の粒子力 Sメンソールを吸着することはな、。

[0042] なお、比較例 C2の場合、メンソールがカプセル化された状態で、シガレット MC'内に含まれているため、喫煙前の段階にて、メンソールがチヤコールフィルタ要素 CFの活性炭の粒子に吸着されることはない。それ故、比較例 C2の活性炭の粒子もまた、実施例 Eの活性炭の粒子と同様に、本来の機能を十分に発揮することができる。

[0043] これに対し、比較例 CI, C3の場合、メンソールとチヤコールフィルタ要素 CFとが隣接しているため、喫煙前の段階でメンソールが活性炭の粒子に吸着されてしまう。このため、比較例 CI, C3の活性炭の粒子は主流煙中の蒸気相成分を吸着する本来の機能を十分に発揮することができな、。

[0044] 一方、喫煙時、主流煙に付加されるメンソールの量、即ち、メンソールの送出量についてみても、図 10から明らかなように、実施例 Eのメンソールの送出量は比較例 C 1, C3に比べて高い。これも、喫煙前の段階で、メンソールが活性炭の粒子に吸着されなヽこと〖こよる。 [0045] ここで、比較例 C2の場合には、喫煙時、メンソールが付加された主流煙がチャコ一ルフィルタ要素 CFを通過した後に、喫煙者の口内に達するため、この時点で、メンソールが活性炭の粒子に吸着されてしまう。このため、比較例 Cのメンソール送出量は大きく低下する。

[0046] 図 4及び図 5のメンソール発生源 4に関し、メンソール添カ卩量、タール送出量及びメンソール送出量をそれぞれ測定した結果を添加量に対する送出量の比とともに以下の表 1に示す。図 11は表 1のメンソール添カ卩量とメンソール送出量との関係を表したグラフである。

[表 1]

表 1及び図 11中、 AMF, PMFは図 4及び図 5のメンソール発生源 4をそれぞれ使用した発明のシステムを示し、 KMは図 8 (a)の比較例 C1のチヤコールフィルタシガレットを示す。 [0048] 図 11から明らかなように、メンソールの添カ卩量が同一であっても、システム AMFは KMよりもメンソール送出量が高い。この理由は、システム KMのシガレット MC'がメンソールを含んでいるため、喫煙時、シガレット MC'から主流煙とともに送出されたメンノールがデュアルフィルタ DF通過するとき、メンソールがデュアルフィルタ DFのチャコールフィルタ要素 CFに吸着されることによる。これに対し、システム AMFは喫煙時、その吸口端にメンソール発生源 4が位置付けられるので、喫煙時、メンソールが活性炭の粒子に吸着されることは殆ど無い。この結果、タール送出量が同一である場合、システム AMFは KMに比べて、メンソールの解放効率が高い。

[0049] 更に、図 11は、システム AMFに比べてシステム PMFのメンソール送出量が高いことも示している。この理由として、システム AMFの場合、メンソール発生源 4のフィルタ材 30がセルロースアセテートの繊維束から形成され、通常、この種のフィルタ材 30 にはその繊維束を硬化させるトリァセチンが可塑剤として使用されているので、メンソールがトリァセチンとともに、セルロースアセテート繊維に収着されことが考えられる。つまり、システム AMFは、メンソールの送出を抑制する現象を引き起す。

[0050] これに対し、システム PMFの場合、メンソール発生源 4のフィルタ材 34は紙素材から形成されているので、システム PMFの上述の不具合を被ることが無い。それ故、システム PMFは、システム AMFに比べてメンソールの送出量を増加させることができる。

[0051] 上述の理由から、メンソール力メンソール溶剤の形態でフィルタ材 34に添加される場合、前述したアルコール類又はダリコール類の溶剤がメンソールに対する溶剤として使用するのが好ましぐ溶剤としてのトリァセチンの使用は避けるべきである。

[0052] また、表 1から明らかなように、メンソール送出量 (Md)とタール送出量 (Tar)との比 R(MdZTar)カンソール添カ卩量（Ma)で除算された値 (RZMa)に関して、 PMF, AMF, KMが比較されたとき、システム AMFの値（RZMa)は KMの値（RZMa)よりも大きぐ 0. 02以上に確保されていることが分かる。それ故、システム AMFは KM に比べて、要求されるメンソール送出量に対するメンソール添加量を削減可能である

[0053] 更に、システム PMFの値（RZMa)は、システム AMFの値（RZMa)よりも更に大きぐ 0. 03以上に確保されているので、要求されるメンソール送出量に対するメンソール添加量を更に削減可能である。

[0054] なお、図 6, 7のメンソール発生源 4を使用したシステムにあっても、上述の利点を有することは言うまでもない。

[0055] 図 12はメンソールの送出量に関して、その経時変化を示す。

図 12から明らかなように、システム PMFの場合、日数が経過してもメンソールの送出量は殆ど変化しないのに対し、システム AMFの場合、メンソールの送出量は日数の経過に伴い減少する。それ故、システム PMFはシステム AMFに比べ、メンソールの保持能力が高い。

[0056] 更に、図 13は、チヤコールフィルタに添加される活性炭の粒子量、即ち、チャコ一ル量とメンソールの送出量との関係を示す。

[0057] 図 13から明らかなように、システム AMFの場合、チヤコール量が増加すればするほど、メンソールの送出量は減少する。これに対し、システム PMFの場合、チャコ一ル量に拘わらず、メンソールの送出量はほぼ一定である。この結果、本発明の実施に際し、図 4及び図 7のメンソール発生源 4よりも図 5及び図 6のメンソール発生源 4の方が好適する。

[0058] なお、図 12及び図 13中において、 AMF, PMFの後ろに付カ卩した数値はメンソ一ルの添加量を示す。

[0059] 本発明は上述の実施例に制約されず、種々の変形が可能である。

例えば、図 2のシステムは、ジョイントホルダ 18に取り外し可能に取付け可能なマウスピースを更に含むことができる。

Claims

請求の範囲

[1] シガレット及び円筒状のチヤコールフィルタを備え、前記チヤコールフィルタがその内部に分布された活性炭の粒子を含む、チヤコールフィルタシガレットと、前記フィルタシガレット自身又は前記フィルタシガレットとは別に準備され、前記フィルタシガレットの喫煙時、前記フィルタシガレットから発生する主流煙の流れ方向でみて前記チヤコールフィルタの下流に位置付けられるメンソールホルダと、

前記フィルタシガレットの喫煙前には前記フィルタシガレットと分離した状態で準備され、前記喫煙の直前に前記メンソールホルダを介して前記フィルタシガレットに組み合わされることで、喫煙時、前記主流煙にメンソールを付加するメンソール発生源と

を具備したチヤコールフィルタシガレットのためのメンソール送出システム。

[2] 前記メンソールホルダは前記メンソール発生源を収容可能であり、

前記メンソールホルダ及び前記メンソール発生源は、前記チヤコールフィルタと同様な円筒状をなしている、請求項 1のメンソール送出システム。

[3] 前記メンソール発生源は、フィルタ材と、このフィルタ材に添加されたメンソールとを含む、請求項 2のメンソール送出システム。

[4] 前記メンソール発生源の製造時、前記フィルタ材中に添加されたメンソールの添カロ量が Maで表され、且つ、前記フィルタシガレットの喫煙時、前記主流煙とともに前記メンソール発生源を通じて送出されるタール及びメンソールの送出量に関し、タールの送出量 (Tar)に対するメンソールの送出量（Md)の比が R (Md/Tar)で表されるとき、前記メンソール発生源は、 RZMa≥0. 02を満たす特性を有する、請求項 3のメンソール送出システム。

[5] 前記フィルタ材は、セルロースアセテートの繊維束力形成されて、る、請求項 4のメンソール送出システム。

[6] 前記フィルタ材は、前記繊維束の外周面を熱成形して形成した円筒状の被覆を有する、請求項 5のメンソール送出システム。

[7] 前記メンソール発生源の製造時、前記フィルタ材中に添加されたメンソールの添カロ量が Maで表され、且つ、前記フィルタシガレットの喫煙時、前記主流煙とともに前記メンソール発生源を通じて送出されるタール及びメンソールの送出量に関し、タールの送出量 (Tar)に対するメンソールの送出量（Md)の比が R (Md/Tar)で表されるとき、前記メンソール発生源は、 RZMa≥0. 03を満たす特性を有する、請求項 3のメンソール送出システム。

[8] 前記フィルタ材は、紙素材及びパルプの不織布の一方カゝら形成されてヽる、請求項 7のメンソール送出システム。

[9] 前記メンソールは、アルコール類又はダリコール類の溶剤に溶解された溶液の形態で、前記フィルタ材に添加されている、請求項 7のメンソール送出システム。

[10] 前記メンソールホルダは、前記チヤコールフィルタと一体に形成され且つ前記チヤコールフィルタ力突出する中空の円筒形状をなし、内部に前記メンソール発生源を収容する凹所を有する、請求項 1のメンソール送出システム。

[11] 前記メンソールホルダは、前記チヤコールフィルタとは別部材として形成された中空円筒状のジョイントホルダであって、このジョイントホルダは、前記チヤコールフィルタの端部を受け入れるための一端部と、前記メンソール発生源を収容するための他端部とを有する、請求項 1のメンソール送出システム。

[12] 前記メンソールホルダは、前記チヤコールフィルタとは別部材として形成された円筒状のジョイントホルダであって、このジョイントホルダはその一端部に前記チヤコールフィルタの端部を受け入れるための凹所と、前記メンソール発生源を収容した他端部とを有する、請求項 1のメンソール送出システム。