WO2007113944A1

WO2007113944A1 - スチーム噴出装置

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Publication number: WO2007113944A1
Application number: PCT/JP2007/052975
Authority: WO
Inventors: Isoji Yao
Original assignee: Naomoto Corp
Current assignee: Naomoto Corp
Priority date: 2006-04-05
Filing date: 2007-02-19
Publication date: 2007-10-11
Anticipated expiration: 2008-10-05
Also published as: CN101415388B; JP2007275251A; KR101383555B1; EP2002818A2; US20090133645A1; KR20080111046A; JP4854367B2; EP2002818A4; EP2002818A9; CN101415388A; US8230824B2

Abstract

　乾き度が高いスチームを噴出することができるスチーム噴出装置を提供する。　水を加熱してスチームを発生させるスチーム発生装置２０と、スチーム発生装置２０で発生したスチームを噴出するスチーム噴出口５０と、スチーム発生装置２０からスチーム噴出口５０へスチームを案内するスチーム案内管２１とを備えるスチーム噴出装置１であって、スチーム案内管２１により案内されたスチームをスチーム噴出口５０の手前で加熱するスチーム加熱ブロック５３をさらに備えるスチーム噴出装置１である。

Description

スチーム噴出装置

技術分野

[0001] 本発明は、顔面や頭部など、人体の所定の部位にスチームを噴出するスチーム噴出装置に関する。

背景技術

[0002] 従来、美容機器などの分野にお!、て、顔面などの人体の所定の部位にスチームを噴出する装置として、例えば、特許文献 1に開示されているスチーム噴出装置が知られていた。

[0003] このスチーム噴出装置 110は、図 5に示すように、水を加熱して気化させるボイラー 101と、ボイラー 101で発生したスチームを噴出するためのノズル 102と、ボイラー 10 1力もノズル 102にスチームを供給するスチーム流路 103と、スチーム流路 103に接続された結露復水管 104とを備えるものであって、ノズル 102が結露復水管 104の垂直部分の途中に配置された構成である。このような構成のスチーム噴出装置 110によれば、ボイラー 101で発生したスチームがスチーム流路 103を通過する際に凝縮して結露水が生じたとしても、この結露水を結露復水管 104により鉛直下方へ導くことができ、結露水がスチームと共にノズル 102に到達するのを防止することができる。特許文献 1：特開 2002— 209971号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] しかし、このようなスチーム噴出装置 110では、スチーム流路 103から結露復水管 1 04に導入されたスチームが、結露復水管 104から分岐する分岐流路 105に導入された後に凝縮して、結露水が生じていた。これにより、分岐流路 105で生じた結露水がスチームと共にノズル 102に到達し、高温の結露水がスチームと一緒にノズル 102 力噴出されるおそれがあった。また、結露水が噴出されることにより、スチームが噴射される顔面などが濡れるという問題があった。

[0005] 本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、乾き度が高いスチームを噴出することができるスチーム噴出装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明の前記目的は、水を加熱してスチームを発生させるスチーム発生部と、前記スチーム発生部で発生したスチームを噴出するスチーム噴出口と、前記スチーム発生部から前記スチーム噴出口ヘスチームを案内するスチーム案内部とを備えるスチーム噴出装置であって、前記スチーム案内部により案内されたスチームを前記スチーム噴出口の手前で加熱するスチーム加熱部をさらに備えるスチーム噴出装置により達成される

[0007] また、前記スチーム発生部は、スチーム発生容器と、発熱により前記スチーム発生容器を加熱するスチーム発生用発熱体と、前記スチーム発生容器の温度を検知するスチーム発生用温度検知手段と、前記スチーム発生容器に給水する給水手段と、前記給水手段の作動を制御する給水制御手段とを備え、前記給水制御手段は、前記スチーム発生用発熱体の発熱量が一定の状態で、前記スチーム発生用温度検知手段の検知温度に基づ!/、て前記給水手段の給水量を制御することが好ま U、。

[0008] また、上記各スチーム噴出装置は、前記スチーム発生部を水平方向に回転可能なように支持する台座をさらに備え、前記スチーム噴出口は、前記スチーム発生部に対して上下方向に回動可能なように構成されて、ることが好まし、。

[0009] また、上記各スチーム噴出装置は、前記スチーム噴出口からスチームが噴出される方向へ延びる筒状のカバー部材をさらに備えることが好ましい。

[0010] また、前記スチーム噴出口は、スチームが噴出される際に旋回可能なように構成されていることが好ましい。

発明の効果

[0011] 本発明のスチーム噴出装置によれば、乾き度が高いスチームを噴出することができる。

図面の簡単な説明

[0012] [図 1]本発明の一実施形態に係るスチーム噴出装置の全体構成図である。

[図 2]図 1に示すスチーム噴出装置におけるスチームヘッドの拡大断面図である。

[図 3]図 1に示すスチーム噴出装置の内部の概略構成図である。圆 4]図 3に示すスチーム発生装置における給水制御装置の給水制御の一例を示す図である。

圆 5]従来のスチーム噴出装置の全体構成を示す断面図である。

[図 6]実施例 1における S— IgAの経時変化を示す図である。

[図 7]実施例 1におけるリラクゼーション効果を示す図である。

[図 8]実施例 1における S-IgAの変化率を示す図である。

[図 9]実施例 2における活性酸素の変化を示す図である。

[図 10]実施例 2における活性酸素の 1ヶ月毎の変化を示す図である。

[図 11]実施例 3における総ヘモグロビン量の経時変化を示す図である。

[図 12]実施例 3における酸素化ヘモグロビン量の経時変化を示す図である。

圆 13]実施例 3における末梢血管の血流量変化率を示す図である。

符号の説明

1 スチーム噴出装置

2 装置本体

3 台座

4 アーム

5 スチームヘッド

6 ヘッドカノ一

20 スチーム発生装置

21 スチーム案内管

22 スチーム発生容器

25 給水ポンプ

26 スチーム発生用発熱体

27 スチーム発生用温度検知装置

28 給水制御装置

50 スチーム噴出口

53 スチーム加熱ブロック

発明を実施するための最良の形態 [0014] 以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図 1は、本発明の一実施形態に係るスチーム噴出装置の全体構成図であり、図 1 (a)は正面図、図 1 (b)は側面図である。

[0015] 図 1に示すように、このスチーム噴出装置 1は、内部でスチームを生成する装置本体 2と、装置本体 2を水平方向に回転可能なように支持する台座 3と、装置本体 2の側面部に取り付けられたアーム 4と、装置本体 2内で生成されたスチームを噴出するスチームヘッド 5とを備えて!/、る。

[0016] 装置本体 2の正面部には、スチーム噴出装置 1の起動および停止など、各種操作を行うためのコントロールパネル 9が設けられている。台座 3は、台座軸 35を中心とした円周に沿って複数配置されたコロ 36を備えており、コロ 36が台座軸 35を中心として転がることにより、上部に配置された装置本体 2を回転可能なように支持する。ァーム 4は、基端部がアーム回動軸 7によって装置本体 2に軸支されることにより、装置本体 2に対して上下方向に回動自在に支持されており、アーム回動軸 7を中心に回動することによって、先端部に取り付けられたスチームヘッド 5の位置を上下方向に調整可能なように構成されてヽる。

[0017] スチームヘッド 5は、基端部がヘッド回動軸 8によってアーム 4の先端部に軸支されることにより、アーム 4に対して上下方向に回動自在に支持されており、ヘッド回動軸 8を中心に回動することによって、鉛直方向に対する角度を調整可能なように構成されている。また、スチームヘッド 5は、複数のスチーム噴出口 50を備えるスチーム噴出体 52と、スチーム噴出体 52の外周を覆う筒状のヘッドカバー 6とを先端部に備えている。ヘッドカバー 6は、スチームヘッド 5の先端部力スチームが噴出される方向へ延びるように配置されており、スチーム噴出体 52から噴出するスチームが近距離で人体に噴出されないように構成されている。ヘッドカバー 6の材質としては、例えば、耐熱プラスチックなど、軽量で耐熱性があり、比熱が小さぐ熱伝導性が悪いものが好ましぐヘッドカバー 6の内部が視認できるように透明または半透明であることが好ましい。また、ヘッドカバー 6の側面には、噴出されたスチームをヘッドカバー 6の外部へ逃がすための通気孔 60が複数形成されて、る。

[0018] 図 2は、スチームヘッド 5の拡大断面図である。図 2に示すように、スチームヘッド 5 は、アーム 4の先端部に軸支されたケーシング 58と、ケーシング 58の内部に立設された固定板 59と、固定板 59に固定された駆動モーター 56と、駆動モーター 56の駆動軸に取り付けられた偏心軸継手 57と、基端部が偏心軸継手 57に結合された首振り軸 55と、首振り軸 55を支持する揺動軸受 54とを備えており、首振り軸 55の先端部がスチーム噴出体 52に取り付けられている。偏心軸継手 57は、駆動モーター 56の駆動軸と、首振り軸 55とを互いの軸線がずれるように連結している。揺動軸受 54は、ジンバル機構により直交する回転軸回りに揺動自在に支持されており、揺動することにより、首振り軸 55が揺動軸受 54を支点として旋回可能なように構成されている。スチーム噴出体 52は、首振り軸 55が旋回することにより旋回し、スチームの噴出方向が旋回可能なように構成されている。スチーム噴出体 52は、内部にスチーム加熱ブロック 53を備えている。

[0019] 次に、スチーム噴出装置 1の内部構成について、図 3を参照して説明する。スチーム噴出装置 1は、水を加熱してスチームを発生させるスチーム発生装置 20と、スチーム発生装置 20で発生したスチームを噴出するスチーム噴出口 50を備えるスチーム加熱ブロック 53と、スチーム発生装置 20からスチーム加熱ブロック 53ヘスチームを案内するスチーム案内管 21とを備えている。本実施形態では、スチーム発生装置 20 が装置本体 2内に配置され、スチーム加熱ブロック 53がスチームヘッド 5内に配置され、スチーム案内管 21がアーム 4内に配置されている。

[0020] スチーム発生装置 20は、水を収容する給水タンク 23と、スチームを生成するスチーム発生容器 22と、給水タンク 23内の水をスチーム発生容器 22内に供給する給水ライン 24と、給水タンク 23から給水ライン 24へ水を送出する給水ポンプ 25と、給水ポンプ 25の作動を制御する給水制御装置 28とを備えている。

[0021] スチーム発生容器 22は、例えば、アルミニウムなどの熱伝導性が良好な材質力もなり、スチーム発生容器 22を発熱により加熱するスチーム発生用発熱体 26と、スチーム発生容器 22の温度を検知するスチーム発生用温度検知装置 27と、スチーム発生容器 22が過度に昇温するのを防止するスチーム発生用温度ヒューズ 29とを備えている。スチーム発生用発熱体 26は、例えば電気ヒーターなどであり、単位時間当たりの消費熱量が一定になるように構成されており、 ONZOFF切り替えが可能なように構成されている。（注:請求項 2において、スチーム発生用発熱体の発熱量が一定として、るので、スチーム発生用発熱体 26の温度が制御される旨の記載は控えて!/、ます。）スチーム発生容器 22は、スチーム発生容器 22の内部を覆うように周縁部に密着した蓋体 30を備えており、蓋体 30の中心部には、スチーム発生容器 22内で発生したスチームをスチーム案内管 21に送るスチーム出口 31が形成されている。

[0022] 給水ライン 24は、一端部が給水タンク 23に接続されており、他端部には、水を噴射するスプレーノズル 32が取り付けられている。また、給水ライン 24の一端部には、水に含まれる不純物を除去するフィルター 37が取り付けられて!/、る。スプレーノズル 32 の先端部は、スチーム発生容器 22の内部に突出している。

[0023] 給水ポンプ 25は、電磁力とパネ力を利用することにより流量調整が可能なように構成されて!/、る公知の電磁ポンプを用いることができる。

[0024] 給水制御装置 28は、スチーム発生用温度検知装置 27に接続されており、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度に基づいて給水ポンプ 25の流量を制御することにより、スチーム発生容器 22に供給する水の量を調整可能なように構成されている。制御方法としては、例えば、設定温度と検知温度との偏差、偏差の積分値、偏差の微分値によって、給水ポンプ 25の流量を制御する PID制御を用いることができる。

[0025] スチーム加熱ブロック 53は、例えば、アルミニウムなどの熱伝導性が良好な材質からなり、内部に形成されたスチーム流路 72と、スチーム案内管 21で案内されたスチームをスチーム流路 72に導入するスチーム導入口 74と、スチーム流路 72からスチームを噴出するスチーム噴出口 50とを備えている。また、スチーム加熱ブロック 53は、スチーム加熱ブロック 53を発熱により加熱する再加熱用発熱体 71と、再加熱用発熱体 71の温度を制御する温度制御装置 77と、スチーム加熱ブロック 53の温度を検知する再加熱用温度検知装置 75と、スチーム加熱ブロック 53が過度に昇温するのを防止する再加熱用温度ヒューズ 73とを備えている。スチーム流路 72は、距離が長くなるように蛇行していることが好ましい。温度制御装置 77は、再加熱用温度検知装置 75の検知温度に基づいて再加熱用発熱体 71の温度を制御可能なように構成されている。

[0026] スチーム案内管 21は、可撓性を有し、一端部力スチーム出口 31に接続されており、他端力 Sスチーム導入口 74に接続されている。

[0027] 次に、以上のように構成されたスチーム噴出装置 1を用いて人体の所定の部位にスチームを噴出する方法を説明する。

[0028] まず、装置本体 2を台座 3に対して水平方向に回転させ、アーム 4を装置本体 2に対して上下方向に回動させ、スチームヘッド 5をアーム 4に対して上下方向に回動させる。こうして、人体の所定の部位に対して、スチームヘッド 5の位置および角度を調整することにより、スチームが噴射される方向を所望の状態に設定する。

[0029] また、コントロールパネル 9を操作することにより、駆動モーター 56を作動させて、首振り軸 55の一端部を、偏心軸受 57を介して駆動モーター 56の駆動軸回りに旋回させる。首振り軸 55の一端部が旋回することにより、首振り軸 55の他端部が揺動軸受 5 4を中心として旋回し、スチーム噴出体 52が旋回する。こうして、スチーム噴出口 50 力スチームが噴射される際に旋回する。

[0030] 次に、再度、コントロールパネル 9を操作することにより、スチーム発生装置 20を作動させると共に、スチーム加熱ブロック 53の再加熱用発熱体 71に通電する。

[0031] スチーム発生装置 20が作動すると、スチーム発生用発熱体 26が通電により発熱し、スチーム発生容器 22が加熱される。スチーム発生用発熱体 26は、図 4に示すように、発熱量が一定になるように通電されているので (通電量: AO)、スチーム発生容器 22の温度が時間の経過と共に高くなる。

[0032] 一方、再加熱用発熱体 71への通電により、再加熱用発熱体 71が発熱し、スチーム加熱ブロック 53およびその内部のスチーム流路 72が加熱される。スチーム加熱ブロック 53およびスチーム流路 72の温度は、温度制御装置 77が再加熱用温度検知装置 75の検知温度に基づいて再加熱用発熱体 71の温度を制御することにより、ほぼ一定に保たれる。

[0033] スチーム発生装置 20におけるスチーム発生容器 22の温度はスチーム発生用温度検知装置 27により検知されており、図 4に示すように、検知温度が所定の温度 (T1) 以上になると、これに基づいて給水制御装置 28が給水ポンプ 25を作動させる（流量： Wl)。給水ポンプ 25が作動すると、給水タンク 23内の水力給水ライン 24へ送出され、給水ライン 24の先端部のスプレーノズル 32からスチーム発生容器 22の内部に霧状に噴射される。スチーム発生容器 22に供給された水は加熱されて蒸発し、スチームが発生する。

[0034] 給水制御装置 28は、給水ポンプ 25を作動させた後、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度に基づいて給水ポンプ 25の流量を制御する。具体的には、図 4に示すように、給水制御装置 28は、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度が所定の温度 (TO)より高くなると、給水ポンプ 25の流量を増やし (流量: W2)、スチーム発生容器 22への給水量を増やす。また、スチーム発生容器 22への給水量が増えることにより、スチーム発生容器 22の温度が下がり、スチーム発生用温度検知装置 27 の検知温度が所定の温度 (TO)より低くなると、給水ポンプ 25の流量を減らし (流量： W1)、スチーム発生容器 22への給水量を減らす。こうして、スチーム発生容器 22の温度が略一定 (TO)に保たれると共に、給水タンク 23内の水がスチーム発生容器 22 に連続的に供給される。これにより、スチーム発生容器 22からスチームが連続的に発生する。また、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度がさらに下がり、所定の温度 (T1)より低くなると、給水制御装置 28は、給水ポンプ 25の作動を停止する。また、検知温度が所定の温度 (T2)以上になるとスチーム発生用温度ヒューズ 29がスチーム発生用発熱体 26への通電を遮断し、スチーム発生容器 22の加熱を停止する。

[0035] スチーム発生容器 22で発生したスチームは、蓋体 30のスチーム出口 31からスチーム案内管 21に流出し、スチーム案内管 21によりスチーム加熱ブロック 53まで案内される。スチーム案内管 21の内部のスチームは、スチーム案内管 21を通過する過程で冷却され、一部が凝縮して液体となり、スチームと水との混合流体となる。

[0036] スチーム加熱ブロック 53に案内されたスチームと水との混合流体は、スチーム導入口 74からスチーム流路 72へ導入され、スチーム流路 72を通過した後、スチーム噴出口 50から人体の所定の部位へ噴出される。噴出されたスチームは、ヘッドカバー 6 の内部を通過して人体に到達する。

[0037] この時、スチームと水との混合流体がスチーム流路 72を通過する際に、スチーム流路 72の内部で加熱されることにより、水が再びスチームになり、スチーム噴出口 50から乾き度が高、スチームが噴出される。 [0038] 本実施形態に係るスチーム噴出装置 1によれば、スチーム案内管 21により案内されたスチームをスチーム噴出口 50の手前で加熱するスチーム加熱ブロック 53を備えて、るので、スチームが噴出する手前でスチームを再加熱して結露水を蒸発させることができ、乾き度が高いスチームを噴出することができる。これにより、スチームが噴射された顔面や頭部などの人体の所定の部位が結露水によって濡れるのを防止することができる。また、乾き度が高ぐ高い熱エネルギーを有するスチームを顔面や頭部などの人体の所定の部位に噴出することにより、その部位の皮下内部まで十分に温めることができ、血流量を増カロさせて血液循環を促進させることができると共に、その効果を長時間持続させることができるので、医療機器として特に効果的である。

[0039] また、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度に基づいて給水ポンプ 25の流量を制御する給水制御装置 28を備えているので、給水制御装置 28が、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度が所定の温度より低ければ給水ポンプ 25の流量を減らし、検知温度が所定の温度より高ければ給水ポンプ 25の流量を増やして、スチーム発生容器 22への給水量を調整することにより、スチームを連続的に発生させることができる。これにより、人体の所定の部位にスチームを連続的に噴出することができる。

[0040] また、給水制御装置 28が、スチーム発生用発熱体 26の発熱量が一定の状態で、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度に基づいて給水ポンプ 25の流量を制御するので、スチーム発生用発熱体 26への通電量を変化させなくても、スチーム発生容器 22の温度をほぼ一定に保ったままスチームを連続的に発生させることができ、スチーム発生用発熱体 26の熱を効率よく利用することができる。

[0041] また、装置本体 2が台座 3に対して水平方向に回転可能なように支持されており、ァーム 4が装置本体 2に対して上下方向に回動可能なように支持されており、また、スチームヘッド 5がアーム 4に対して上下方向に回動可能なように支持されて、るので、装置本体 2、アーム 4およびスチームヘッド 5をそれぞれ回転または回動させることにより、人体の所定の部位に対して所望の位置および角度にスチーム噴出口 50を配置してスチームを噴出することができる。また、広範囲にわたる人体の部位の中から、スチームが噴出される部位を自由に選択することができる。 [0042] また、スチームヘッド 5がスチーム噴出口 50の外周を覆う筒状のヘッドカバー 6を備えており、このヘッドカバー 6がスチーム噴出口 50からスチームが噴出される方向へ延びるように配置されているので、スチーム噴出口 50から噴出されたスチームがへッドカバー 6を通過した後に人体の所定の部位に到達し、人体に対して安全にスチームを供給することができる。

[0043] また、スチーム噴出口 50が、スチームが噴出される際に旋回可能なように構成されているので、スチームが一箇所に集中して噴出されることがなぐスチームを広範囲に噴出することができる。

[0044] 以上、本発明の一実施形態につ!ヽて説明したが、本発明の具体的な態様は、上記実施形態に限定されるものではなヽ。

[0045] 例えば、本実施形態では、スチーム発生装置 20は、スプレーノズル 32からスチーム発生容器 22の内部へ水を霧状に噴射する滴下式スチーム発生装置であつたが、スチームを発生させることができれば、その構成は特に限定されず、公知のボイラー式スチーム発生装置であってもよい。この場合、スチーム発生装置 20は、水を収容するボイラーと、ボイラーを加熱するボイラー加熱手段とを備えている（いずれも図示せず)。

[0046] また、スチーム噴出装置 1は、タイマー式であり、タイマーにより設定された時間中、スチームを継続して噴出するように構成されていてもよい。この場合、コントロールパネル 9はタイマースィッチ（図示せず）を備えており、タイマースィッチで所定の時間を設定することにより、スチーム発生装置 20が設定時間継続して作動し、設定時間が経過すると、スチーム噴出口 50からのスチームの噴出が停止する。また、タイマーにより設定された時間中、駆動モーター 56を作動させることにより、スチーム噴出口 50 が旋回するように構成されて、てもよ、。

[0047] また、給水制御装置 28が給水ポンプ 25の流量を制御する方法は特に限定されず、例えば、印加される電圧の大きさにより吐出量が制御可能な給水ポンプを用い、検知温度に基づいて、印加電圧を変えることにより制御してもよい。また、印加電圧の周波数により吐出量が制御可能な給水ポンプを用い、周波数を変えることにより制御してもよい。また、吐出量が異なる複数の給水ポンプを用い、検知温度に基づいて、複数の給水ポンプのいずれかを選択して作動させることにより制御してもよい。

[0048] また、本実施形態では、給水制御装置 28が給水ポンプ 25の流量を制御することにより、スチーム発生容器 22への給水量を制御していた力スチーム発生容器 22への給水量を調整可能であれば、その構成は限定されず、径の異なる複数の流路が給水ポンプ 25に接続されており、検知温度に基づいて、給水制御装置 28が複数の流路のいずれかを選択して給水することにより、スチーム発生容器 22への給水量を制御してちょい。

[0049] また、スチーム発生用発熱体 26の発熱量、スチーム発生容器 22の容積、スチーム出口 31の径、給水ポンプ 25の流量、給水制御装置 28が給水ポンプ 25の流量を制御する際に基準とする設定温度などは適宜変更可能である。また、給水ポンプ 25の制御の基準となる設定温度は、予め設定されていてもよぐまた、スチーム発生装置 1 の作動毎にコントロールパネル 9により設定してもよい。

実施例

[0050] 実施例 1

唾液中免疫抗体量ィムノグロブリン A (S— IgA)の変化からみたスチーム噴出装置のリラクゼーション効果につ、て

本検証は、ィムノグロブリン A: S— IgA (唾液中免疫抗体量)を指標として、スチーム噴出装置による顔面蒸気噴射のリラクゼーション効果について検討した。

[0051] 1.検証の方法

被検者は、 20〜28歳の健康な成人女性 14名である。

[0052] 被検者には、あらかじめインフォームドコンセントおよびメディカルチェックを行い、本人の検証に対する理解と承諾を得た。

[0053] 検証は、予備実験と本実験の 2部構成とした。予備実験では、平常のスキンケア一以外何も行わない条件下で、 5日間にわたり午前 2回午後 2回の計 20回 S— IgAを測定し平常値および個体内変動について検討した。その後、それぞれの被検者ごとに規定した時間に、スチーム噴出装置により顔面に蒸気噴射を行い S— IgAを測定した。

[0054] V、ずれの被検者に対しても、検証の目的や検証に使用する製品の性能や内容などについては情報開示を行わないブラインド法を採用した。

[0055] 生体のコンディショニングは、以下の項目にお、て実施した。

[0056] (1)検証期間内中は、日常的な薬理療法 (漢方含む）は行わない。

[0057] (2)現在精神性疾患を有していない。

[0058] (3)喫煙の習慣を有していない。

[0059] (4)検証期間中は、過度の飲酒を行わな！/、。

[0060] (5)検証期間中は、通常の行動以外過度の運動等行わない。

[0061] (6)睡眠のリズムは、律動的であり長眠および短眠者でな!、。

[0062] (7)摂食のリズムは、 3食を基本としダイエットなどを行わない。

[0063] (8)現在歯科での治療中でない。

[0064] (9)性周期が律動的であることおよび妊娠中でな!、。

[0065] 2.検査項目および方法

(1)ィムノグロブリン A: S— IgAについて

検査項目は、ィムノグロブリン A: S— IgA (以下 S— IgAと表す)である。

[0066] 唾液中に含まれる免疫抗体である分泌型 S— IgAは、体液性免疫物質の一つであり分子量は 39万である。

[0067] 粘液中のタンパク質分解酵素で溶けないように分子量が 5〜6万のペプチドから出来た分泌片で覆われて！/ヽる。

[0068] S— IgAは、口や消化管などの全身の粘液系を覆う粘液中で細菌などの外来異物を無毒化する役割を持つ。この量が増加することが、生体防御系である免疫系がストレスに対して 1次的に反応して、ることを意味して、る。

[0069] 特に、 1990年代になり、唾液中に含まれる S— IgAが比較的簡易に計測できるようになってから、精神免疫学の分野において S— IgAがストレス反応の指標として利用されている。さらに、様々なセラピーの効果を検証する研究において唾液中の S— Ig

Aが有意に上昇することで、ストレスの解消あるいはリラクゼーション効果が認められると結論づけられている。

[0070] (2) S— IgAの測定法

S -IgAの測定は、被検者を安静座位状態で唾液の採取を行った後スチーム噴出装置による顔面噴射を 15分間行い、終了 3分後に唾液の採取を行い初期値に対する蒸気噴射後の S-IgA量の変化を数量ィ匕した。

[0071] 各被検者の S-IgAの平常値は、予備実験において得られた S-IgAの分析値から個体内変動を考慮し S— IgAの平常値を決定した。

[0072] 今回の検証における実験時刻および S -IgA測定時間は、被検者の S-IgA値が最も安定してヽる時間帯を考慮した。

[0073] (3)スチーム噴出装置の噴射条件および噴射手順

1)噴射姿勢は、被検者に安静座位をとらせスチーム噴出装置のスチーム噴出口より約 40cm離れた位置で顔面に蒸気噴射した。

[0074] 2)噴射条件は、 1セッションとして 5分間の顔面噴射の後約 1分の休息とした。 1日に 3セッションで合計 15分間の顔面蒸気噴射とした。検証期間は 40日間とし、毎日 1 回の顔面噴射条件とした。

[0075] 3)蒸気噴射温度は、顔面部で約 37. 0± 1. 0°Cとした。また、蒸気の乾き度は、スチーム噴出口において、約 0. 98である。

[0076] 4)健康管理は、被検者の自覚症状を最優先させ、疲労や精神的ストレス過剰状態などの場合は、被検者の自己判断により蒸気噴射を終了した。

[0077] (4)マッサージおよびホットパックによる顔面刺激

スチーム噴出装置のリラクゼーション効果を比較するために、被検者に、それぞれ 3 日間ずつスチーム噴出装置による蒸気噴射とマッサージおよびホットパックを行った

[0078] なおそれぞれの刺激法は、少なくとも 3日以上の間隔をお、た。

[0079] マッサージは、 1セッションとして顔面に推拿療法による刺激を 5分間行い 1分の休息とした。 1日に 9セッションとし、 3日間で 27セッション行った。

[0080] ホットパックは、 1セッションとして顔面に約 39度のタオルパックを 5分間行い 1分の休息とした。 1日 9セッションとし、 3日間で 27セッション行った。なお、タオルパックは

、 1分ごとにタオルを取り替え顔面温度の維持に配慮した。

[0081] 3.検証結果

(1)予備実験の結果 5日間にわたり、午前午後で計 20回の S— IgAの測定を行い検討した結果、今回のすベての被検者において、 S— IgAの日内変動は、平均値の 5%以内であることが明らかとなった。

[0082] また、被検者個々の S— IgAは、時間帯により若干の変動が認められ個体特性が観察された。

[0083] (2)スチーム噴出装置による顔面噴射後の S— IgAの経時変化

被検者 7名について、スチーム噴出装置による顔面噴射直後から、 1分ごとに S-I gAを分析した結果、噴射前の値に比べ、 1分後は S -IgAが減少した。

[0084] 2分経過時点では、僅かであるが噴射前の値に比べ増加傾向が認められた。

[0085] 3分目より S— IgAの顕著な上昇が認められ、その後 5分目に至るまで同じ水準で S

IgAの上昇が認められた。このことより、スチーム噴出装置による顔面噴射直後の唾液の採取は 3分経過時点とした。

[0086] (3)各種顔面刺激の S—IgA力みたリラクゼーション効果

被検者 12名について、スチーム噴出装置を含む 3種類の顔面刺激を行い、 S-Ig

Aを指標としてリラクゼーション効果を検討した。

[0087] スチーム噴出装置では、噴射前 197に対し 211と 6. 7%の上昇が認められた。

[0088] 推拿療法による刺激では、刺激前 195に対し 199と 2. 1%の上昇が認められた。

[0089] ホットパックでは、ノック前 193に対し 202と 4. 5%の上昇が認められた。

[0090] これらの結果、スチーム噴出装置による顔面噴射が最も S— IgAの上昇が顕著となりリラクゼーション効果が高いことが明ら力となった。

[0091] (4) 40日間にわたるスチーム噴出装置での顔面噴射による S— IgAの変化

スチーム噴出装置による蒸気噴射前の S— IgA値に対する、顔面噴射後 3分目の S IgA値の変化率について検討した。その結果、検証実験開始 1日目で 6. 9%の上昇が認められた。その後 5日目 7. 3%、 10日目 7. 7%、 15日目 9. 9%と徐々に増加傾向が示されたが、有意差は認められな力つた。

[0092] 20日目に 11. 6%の有意な増加が認められ、その後 40日に至るまで 10%を超える有意な増加が認められた。このことから、スチーム噴出装置での顔面噴射による S— I gAカゝらみたリラクゼーション効果は、少なくとも毎日 15分の噴射を 20日間以上継続することにより、顕著に現れるといえる。

[0093] 図 6にスチーム噴出装置顔面噴射後の S— IgAの経時変化を示す。

[0094] 図 7に各種顔面刺激の S— IgAからみたリラクゼーション効果を示す。被検者は、健康な成人女性 12名（20〜36歳）を対象として、各種顔面刺激前後の S— IgAの変化を分析しリラクゼーション効果を検討した。顔面刺激条件は、いずれも 1回 5分 1分休息を 1セッションとし、 3日間にわたり 27セッションを行い、 3日間の平均値を採用した。スチーム噴出装置条件が最も S— IgA値が増加し、リラクゼーション効果が高いことが明かとなった。

[0095] 図 8にスチーム噴出装置顔面噴射による S— IgAの変化率を示す。被検者 14名 ( 女性： 20〜36歳）を対象として、スチーム噴出装置噴射前の S— IgA値に対する噴射（5分 X 3)後 3分経過時の S— IgA値の変化率（％)からリラクゼーション効果を検討した。スチーム噴出装置噴射条件は 1日 5分 X 3回を毎日実施し、 40日経過時点まで 5日間ごとの変化率を検証した。その結果、 20日経過時点で顕著な S— IgAの変化が認められた。スチーム噴出装置によるリラクゼーション効果は、 1日目より認められるものの、 20日間の継続により顕著となる。 S— IgA力もみたリラクゼーション効果は、スチーム噴出装置による顔面噴射前の値に対し、 10%の増加により演繹となる。

[0096] 実施例 2

スチーム噴出装置による蒸気噴射が生体の活性酸素に及ぼす影響

1.検証の目的

スチーム噴出装置による顔面への蒸気噴射が、生体内の活性酸素に対しどの程度除去効果があるのかにつ、て、ヒドロペルォキシドを指標として検証する。

[0097] 2.検証の方法

被検者は、 20〜36歳の健康な成人女性 24名である。

[0098] 被検者には、あらかじめインフォームドコンセントおよびメディカルチェックを行い、本人の検証に対する理解と承諾を得た。

[0099] 検証は、 2群構成とし、無作為にスチーム噴出装置を顔面噴射する群（12名）と平常何も行わな、群（ 12名）とに分けた。

[0100] V、ずれの被検者に対しても、検証の目的や検証に使用する製品の性能や内容などについては情報開示を行わないブラインド法を採用した。

[0101] 生体のコンディショニングは、以下の項目において実施した。

[0102] (1)検証期間内中は、日常的な薬理療法 (漢方含む）は行わない。また、トコトリエノールなどのビタミン剤の摂取は行わな！/、。

[0103] (2)現在精神性疾患を有していない。

[0104] (3)喫煙の習慣を有していない。

[0105] (4)検証期間中は、過度の飲酒を行わない。

[0106] (5)検証期間中は、通常の行動以外過度の運動等行わない。

[0107] (6)睡眠のリズムは、律動的であり長眠および短眠者でな!、。

[0108] (7)摂食のリズムは、 3食を基本としダイエットなどを行わなヽ。また、できるだけ SO

D食品等の摂取を行わな、。

[0109] (8)現在皮膚疾患などにより皮膚科での治療中でな!、。

[0110] (9)性周期が律動的であることおよび妊娠中でな!、。

[0111] 3.検証項目

体内の活性酸素 (フリーラジカル）

本検証において、分析測定している対象は、活性酸素'フリーラジカルによって過酸化反応などのダメージを受けた脂質 ·たんばく質'アミノ酸 ·核酸が変化したヒドロべルォキシドである。

[0112] したがって、本検証で得られた活性酸素の数値は、スバーオキシドや過酸化水素およびヒドロキシルラジカルなどを総合した任意の単位 U—CARR (カール）で表している。

[0113] 4.分析方法

フリーラジカル分析システム（FRAS : Free Radical Analitical System)を使用した。計測の方法としては、これまで主として ESR (電子スピン共鳴装置）が使用されることが多カゝつた。この装置は、検体の電子のスピンをトラッピングし、その共鳴を分析してフリーラジカルを測定していた。しかし計測時間が長く多くの検体分析を困難にしていた。そこで今回は、 FRASを導入し少量の採血によって短時間に正確に体内で活性酸素によって損傷を受けた脂質やたんぱく質などのダメージの結果を分析し被検者の活性酸素量を数値ィ匕することとした。

[0114] 5.検査手順

(1)個体特性および日内変動

まず被検者の、活性酸素の平常値および日内変動を測定し個体特性を検討した。

[0115] (2)スチーム噴出装置の噴射条件および噴射手順

被検者に対し、スチーム噴出装置による顔面噴射は以下の方法に規定した。

[0116] 1)噴射姿勢は、被検者に安静座位をとらせスチーム噴出装置のスチーム噴出口より約 40cm離れた位置で顔面に蒸気を噴射した。

[0117] 2)噴射条件は、 1セッションとして 5分間の顔面噴射の後約 1分の休息とした。 1日に 3セッションで合計 15分間の顔面蒸気噴射とした。検証期間は 3ヶ月間とし、 1週間で 3〜4回、 30曰で 45セッションと規定した。

[0118] 3)蒸気噴射温度は、顔面部で約 37. 0± 1. 0°Cとした。また、蒸気の乾き度は、スチーム噴出口において、約 0. 98である。

[0119] 4)健康管理は、被検者の自覚症状を最優先させ、疲労や精神的ストレス過剰状態などの場合は、被検者の自己判断により蒸気噴射を終了した。

[0120] (3)活性酸素測定法

全被検者に対して、スチーム噴出装置による噴射前に活性酸素を測定し、蒸気噴射終了 30分後に再度活性酸素の測定を行った。

[0121] 活性酸素は、 2週間ごとに 12週間にわたって測定した。

[0122] なお、被検者の活性酸素の日内変動を考慮し、予備実験で得られた覚醒時の最も活性酸素の高い時間に測定を行った。

[0123] (4)活性酸素分析法

被検者の指先から 20 μ mlの血液を採血ストローに採取する。

[0124] 採取した血液を、 pH4. 8の緩衝液にいれキューピットにうつしクロモゲンを混入させミックスした後、遠心分離を行う。

[0125] その後分光光学計により、ヒドロペルォキシド分子を分析した。

[0126] 6.検証結果

スチーム噴出装置による顔面噴射前の初期値は、スチーム噴出装置群が 258U. CARRを示し、コントロール群は、 254U. CARRを示した。

[0127] 両群の間には有意な差は認められなかった。

[0128] 2週間経過時点でのスチーム噴出装置群の活性酸素は、 264U. CARRとなり初期値との間には、有意な変化は認められな力つた。

[0129] その後 8週間経過時点まで、初期値に対して有意な差は認められな力つた。

[0130] スチーム噴出装置群における 10週間経過時点の活性酸素は、 231U. CARRとなり、初期値に対して有意な減少が認められた。

[0131] その後、 12週間（3ヶ月間）経過時点で 222U. CARRとさらに顕著な減少が認められた。

[0132] コントロール群においては、 12週間経過時点まですべての測定値は初期値とほぼ同水準を示し、有意な変化は認められな力つた。

[0133] 以上のことから、スチーム噴出装置の顔面噴射による活性酸素除去効果は、 1日 1

5分、週 3〜4回の噴射条件において、 10週間の継続噴射により効果が認められることが明らかになった。

[0134] 図 9にスチーム噴出装置顔面噴射による活性酸素の変化を示す。健康な成人女性 24名（スチーム噴出装置 12名、コントロール 12名：年齢 20〜36歳）を対象として、スチーム噴出装置による顔面噴射（5分 X 3回）を週 3〜4回の条件で、三ヶ月間継続し活性酸素量の変化を検証した。その結果、スチーム噴出装置噴射条件は、コント口ールに比べ 10週間経過時点で有意に活性酸素が減少し、 12週経過時点でさらに顕著な減少を示した。

[0135] 図 10にスチーム噴出装置顔面噴射による活性酸素の 1ヶ月毎の変化を示す。

[0136] 実施例 3

脳の血液循環動態からみたスチーム噴出装置の効果について

本検証は、スチーム噴出装置がどのような効果を持つのかについて明らかにするため、末梢血管血流量および脳血液循環動態を測定し検討した。

[0137] 1.方法

(1)被検者

被検者は、健康な成人女性 20名を対象とした。年齢は、 19〜22歳である。 [0138] 被検者に対し、インフォームドコンセント及びメディカルチェックを行い本人の実験に対する理解と協力につヽて承諾を得た。

[0139] 被検者のバックグランドとして、日常的に特別の化粧品の使用は抑制し、薬理療法等の治療中でないことを確認した。また、慢性的な睡眠障害でない状態を自己申告により調査した。

[0140] さらに、性周期や摂食リズムが律動的であることも合わせて調査した。

[0141] (2)検証方法

被検者の検証条件は、安静椅座位状態を保持し、スチーム噴出装置のスチーム噴出口力も約 40cmの位置で顔面にスチームを噴射した。

[0142] 噴射条件は、 1セッションとしてスチームを 5分間顔面噴射し 1分間の休息をとつた。

[0143] このセッションを 1日 3セッションとし、 20日間に 60セッションの継続を行った。

[0144] 噴射温度は、顔面部で平均 37± 1. 2°Cとした。また、蒸気の乾き度は、スチーム噴出口において、約 0. 98である。

[0145] なお、被検者の健康管理上疲労や精神状態を優先し、自己判断により噴射の終了を申告させた。

[0146] 検査に先立って、被検者 20名を無作為に 10名ずつ 2群に分け、 Aおよび B群とした。

[0147] 検証は、クロスオーバー方式を採用し、 A群はスチーム噴出装置による顔面噴射 2 0日間実施した後、コントロールとして 10日間にわたり通常のフェイススキンケア一を行った。 B群は、最初に 10日間のコントロールを行った後、スチーム噴出装置による顔面噴射を 20日間実施した。

[0148] 脳血液循環動態の検査は、スチーム噴出装置使用前と 20日間経過後 60セッション実施後の 2回とした。

[0149] 末梢血管血流量は、スチーム噴出装置による 3セッション中に末梢血管血流量の変化を休息時を含め 17分間にわたり記録した。

[0150] 脳 (経頭蓋)の血流量は、スチーム噴出装置による 3セッション終了直後より 240秒（

4分）間連続記録を行った。

[0151] なお、被検者には、検査の目的や、製品に関する情報を全く与えないブラインドテスト方式を採用した。

[0152] (3)検査項目

1) St02 (組織酸素飽和度）

2)総ヘモグロビン量

3) Oxy-Hb (酸素化ヘモグロビン）

4) Deoxy-Hb (脱酸素化ヘモグロビン）

5)末梢血管血流量

本検査で用いたのは、近赤外線分光法による脳内酸素飽和度および総へモグロビン量測定器である。組織酸素飽和度およびヘモグロビン量の測定部位は、前額部左側に筋肉 ·経頭蓋脳用センサー (psp20x50)を貼付し、近赤外線分光法により測定した。

[0153] 本検査方法は、吸光光度法を用いた理論式により、頭蓋骨におおわれた脳や、皮膚表面力深いところにある筋肉などの組織の St02や Hbを同時に非観血で連続的に記録するものである。

[0154] 2.結果

被検者の平均値比較では、 St02、総ヘモグロビン量、 Oxy— Hb量、 Deoxy-Hb の 4項目とも、スチーム噴出装置使用条件はコントロールに比べて高い値が認められた。

[0155] この結果から、スチーム噴出装置によるスチームの顔面噴射は、脳の血液量を増加させ血液循環を促進させる効果をもたらすことが明らかとなった。

[0156] 末梢血管血流量についても同様にスチーム噴出装置使用条件はコントロールに比ベて明らかに高い値が認められた。

[0157] 図 11にスチーム噴出装置使用による Total Hb (総ヘモグロビン量）の経時変化を示す。健康な成人女性 20名を対象として、スチーム噴出装置のスチームを 3セッション（5分 X 3回） Z20日間顔面に噴射し、近赤外線分光法により脳の総ヘモグロビン量を定量ィ匕した。その結果、スチーム噴出装置条件はコントロールに比べ顕著に脳の総ヘモグロビン量が増加した。この結果は、スチーム噴出装置のスチーム噴射によつて脳の血液量が増加したことを示唆するものといえる。 [0158] 図 12にスチーム噴出装置使用による Oxy—Hb (酸素化ヘモグロビン量）の経時変化を示す。健康な成人女性 20名を対象として、スチーム噴出装置のスチームを 3セッシヨン（5分 X 3回） Z20日間顔面に噴射し、近赤外線分光法により脳の酸素化へモグロビン量を定量ィ匕した。その結果、スチーム噴出装置条件はコントロールに比べ顕著に脳の酸素化ヘモグロビン量が増加した。この結果は、スチーム噴出装置のスチーム噴射によって脳の血液量が増加したことによる酸素化の促進が示唆された。

[0159] 図 13にスチーム噴出装置使用による末梢血管の血流量変化率を示す。スチーム噴出装置の顔面や身体への噴射は、脳の血流量を増加させ、血液循環を促進させる効果をもたらすことが明ら力となった。末梢血管血液量についても、同様にスチーム噴出装置の使用はコントロールに比べて明らかに高い値が認められた。

[0160] 実施例 4

以下、実施例および比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明が本実施形態に限定されるものではない。

[0161] 図 3に示すスチーム発生装置 20を備えるスチーム噴出装置 1を用いて、スチームを噴出する試験を行った。

[0162] スチーム発生装置 20におけるスチーム発生用発熱体 26は、ヒーター容量が 1. 3k w/hの電気ヒーターとした。また、スチーム発生用発熱体 26は、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度が 150°C以上のとき、通電が遮断されるように設定した。

[0163] 給水ポンプ 25は、 ONZOFF制御が可能な小型電磁ポンプとした。また、給水ポンプ 25は、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度が 140°C以上のときは、単位時間（100秒)あたり 3秒間 ON状態となり、流量が 30mlZl00秒となるように、また、検知温度が 140°C以下のときは、単位時間（100秒)あたり 2秒間 ON状態となり、流量が 20mlZl00秒となるように設定した。また、給水ポンプ 25は、スチーム発生用温度検知装置 27の検知温度が 130°C以下のとき、 OFF状態となるように設定した。

[0164] スチーム噴出装置 1を作動させて、スチーム発生用発熱体 26の発熱量が 1. 3kw Zhとなるように通電した。

[0165] その結果、スチーム発生容器 22からスチームが連続的に発生し、スチーム噴出装置 1からスチームが連続的に噴出された。この時、スチーム発生容器 22の内部圧力は 0. 06〜0. 08MPaであった。また、スチーム発生容器 22の温度は、ほぼ 140°C に維持された。これより、本発明に係るスチーム噴出装置によれば、スチームを連続的に噴出することができると共に、スチーム発生用発熱体の熱を効率良く利用できることが確認できた。

Claims

請求の範囲

[1] 水を加熱してスチームを発生させるスチーム発生部と、

前記スチーム発生部で発生したスチームを噴出するスチーム噴出口と、前記スチーム発生部から前記スチーム噴出口ヘスチームを案内するスチーム案内部とを備えるスチーム噴出装置であって、

前記スチーム案内部により案内されたスチームを前記スチーム噴出口の手前でカロ熱するスチーム加熱部をさらに備えるスチーム噴出装置。

[2] 前記スチーム発生部は、スチーム発生容器と、発熱により前記スチーム発生容器を加熱するスチーム発生用発熱体と、前記スチーム発生容器の温度を検知するスチーム発生用温度検知手段と、前記スチーム発生容器に給水する給水手段と、前記給水手段の作動を制御する給水制御手段とを備え、

前記給水制御手段は、前記スチーム発生用発熱体の発熱量が一定の状態で、前記スチーム発生用温度検知手段の検知温度に基づいて前記給水手段の給水量を制御する請求項 1に記載のスチーム噴出装置。

[3] 前記スチーム発生部を水平方向に回転可能なように支持する台座をさらに備え、前記スチーム噴出口は、前記スチーム発生部に対して上下方向に回動可能なように構成されている請求項 1または 2に記載のスチーム噴出装置。

[4] 前記スチーム噴出ロカスチームが噴出される方向へ延びる筒状のカバー部材をさらに備える請求項 1から 3のいずれかに記載のスチーム噴出装置。

[5] 前記スチーム噴出口は、スチームが噴出される際に旋回可能なように構成されている請求項 1から 4のいずれかに記載のスチーム噴出装置。