明 細 書
画像判定方法、画像判定装置および画像判定方法をコンピュータに実行 させるプログラムを記録した記録媒体
技術分野
[0001] 本発明は、カメラにより撮影された映像及び画像における所定の被写体の映り具合 を判定する画像判定方法などに関するものであり、特に、カメラと被写体との間に他 建造物などが存在する場合であっても、当該他建造物を考慮して最適な映像及び画 像データを選択することができる画像判定方法、画像判定装置および画像判定方法 をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体に関するものである。 背景技術
[0002] 従来、所定の被写体に力かる映像データなどを利用するユーザ (以下、単にユー ザと表記する)が、当該被写体の映像データ及び画像を取得する場合には、異なる 位置に設置された複数のカメラを利用して被写体を様々な方向から撮影し、撮影し た映像及び画像群の中力も最適なデータ、つまり、最も被写体の映り具合のよいデ ータをユーザ自身が閲覧選択し、選択した映像及び画像データを利用して 、た。
[0003] しかし、上述した手法では、複数のカメラが撮影する被写体の映像及び画像データ の数が増えると、ユーザが一つ一つ各映像及び画像データを閲覧しながらチェックし 、最適な映像中の画像フレーム及び画像データ(以下、単に画像と表記する)をユー ザ自身が選択する必要があるため、ユーザにかかる負担が大き!/、と 、う問題があった
[0004] そこで、ユーザにかかる負担を軽減させるベぐカメラの撮影位置と方向と、被写体 の位置を使い、カメラの撮影空間と被写体の位置関係に基づいて、最適な映像及び 画像データを自動的に選択可能とする技術が公開されている(例えば、特許文献 1、 特許文献 2参照)。これらの技術によれば、図 22に示すように、カメラ Aが撮影した画 像に対して、カメラ Aの位置を頂点とし、撮影方向を中心として焦点距離などカも算 出したカメラ画角で広がる楕円錐、または四角錘の空間を撮影空間として定義し、そ の撮影空間内にある被写体 ABを該当画像に映っていると判定し、空間外にある被
写体 cは映って 、な 、と判定する。
[0005] また、映像及び画像の映り具合を判定する手法としては、カメラ Aの画像に映って いると判定した被写体 ABに対して、カメラ Aからの距離をそれぞれ求めて、距離が近 V、被写体 Bを映りが良 、と判定し、距離が遠!、被写体 Aにつ 、ては映りが悪 、と判定 する。
[0006] また、他の映像及び画像の映り具合を判定する手法としては、カメラの撮影空間に 存在する被写体 ABの中でも特に、撮影空間の楕円錐または四角錘の中心軸近くに 存在する被写体 Aの映り具合が良いと判定するという手法も存在する。
[0007] 特許文献 1 :特開 2001— 34250号公報
特許文献 2 :特開 2003— 179908号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] しカゝしながら、かかる従来の技術では、必ずしも最適な映像及び画像データを選択 することができな 、と 、う問題があった。
[0009] なぜなら、図 23に示すように、たとえばカメラ Aと被写体 ABとの間に他建造物体群 が存在し、被写体 ABがこれらの他建造物物体群に隠れてしまい、カメラ Aが被写体 ABを適切に撮影できない場合であっても、従来の手法では、被写体 ABに対する最 適な画像データとして、カメラ Aによって撮影された画像を誤選択してしまうからであ る。
[0010] この誤選択は、被写体の映り具合を判定して画像を選択する手法であっても起こり
、従来の技術は、カメラと被写体との間に存在する他建造物を考慮していないため、 最適な画像データを適切に選択することができない。
[0011] すなわち、カメラと被写体との間に他建造物などが存在する場合であっても、当該 他建造物を考慮して最適な画像データを自動で選択可能とすることが極めて重要な 課題となっている。
[0012] この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり 、カメラと被写体との間に他建造物などが存在する場合であっても、当該他建造物を 考慮して最適な画像データを自動で選択することができる画像判定方法、画像判定
装置および画像判定方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒 体を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0013] 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、カメラにより撮影された 画像における所定の被写体の映り具合を判定する画像判定方法、画像判定装置お よび画像判定方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であつ て、被写体の存在領域に関する位置情報を基にして、被写体を特徴づける特徴点を 抽出する特徴点抽出手段と、前記特徴点抽出手段によって抽出された所定の被写 体の特徴点の位置とカメラの位置と、当該特徴点およびカメラの間の領域の高さ情報 を基にして、当該特徴点およびカメラの間に存在する被写体物体を検知し、その被 写体物体の位置に基づ 、て、当該被写体とは異なる建造物などの被写体物体であ るかを判定し、所定の被写体の映り具合を判定する判定手段と、を備えたことを特徴 とする。
発明の効果
[0014] 本発明によれば、被写体の存在領域に関する情報を基にして、被写体の位置を特 徴づける特徴点を抽出し、抽出した特徴点の位置と、この特徴点およびカメラの間に 存在する被写体物体の位置に基づ!/、て所定の被写体であるかを判定し、所定の被 写体の映り具合を判定するので、カメラと所定の被写体との間に建造物などの他の 被写体物体 (以後、略して他物体と記載)が存在する場合であっても、所定の被写体 の映りが良い最適な画像データを選択することができる。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]図 1は、本発明における画像判定方式の原理を示す原理図である。
[図 2]図 2は、建造物 ·地表高さマップ情報の一例を示す図である。
[図 3]図 3は、本実施例 1における画像判定装置の構成を示す機能ブロック図である
[図 4]図 4は、ベクトル地図情報であるベクトル地図の一例を示す図である。
[図 5]図 5は、被写体領域位置情報を取得するために、ベクトル地図を利用してユー ザに入力を促す表示装置上の画面の一例を示す図である。
[図 6]図 6は、被写体領域位置情報を取得するために、ベクトル地図を利用してユー ザに入力を促す表示装置上の画面のその他の例を示す図(1)である。
[図 7]図 7は、被写体領域位置情報を取得するために、ベクトル地図を利用してユー ザに入力を促す表示装置上の画面のその他の例を示す図(2)である。
[図 8]図 8は、被写体形状推定部が判定対象被写体の概形状を取得する処理を説明 するための説明図である。
圆 9]図 9は、被写体特徴点抽出部の処理を説明するための説明図である。
[図 10]図 10は、他物体遮蔽判定部の処理を説明するための説明図である。
[図 11]図 11は、表示処理部が物体遮蔽指標を利用して映像及び画像データを表示 するインタフェースの一例を示す図である。
[図 12]図 12は、図 11において映像データ (a)が選択された場合の表示画面の一例 を示す図である。
[図 13]図 13は、本実施例 1に示した画像判定装置の処理手順を示すフローチャート である。
[図 14]図 14は、図 13のステップ S105で示した他物体遮蔽判定処理を示すフローチ ヤートである。
[図 15]図 15は、建造物こみの地表高さマップ情報から被写体領域位置情報を取得 する手法を説明するための説明図である。
[図 16]図 16は、本実施例 2における画像判定装置の構成を示す機能ブロック図であ る。
[図 17]図 17は、高さクラスタリング部が算出するクラスタリング情報を説明するための 説明図である。
[図 18]図 18は、特徴点とクラスタリング情報とを基にして、個数情報を作成する処理 を説明するための説明図である。
[図 19]図 19は、本実施例 3における画像判定装置の概念を説明するための説明図 である。
[図 20]図 20は、本実施例 3における画像判定装置の構成を示す機能ブロック図であ る。
[図 21]図 21は、高さマップ補正情報のデータ構造の一例を示す図である。
[図 22]図 22は、従来技術を説明するための説明図である。
[図 23]図 23は、従来技術の問題点を説明するための説明図である。
符号の説明
[0016] 10, 20, 30 画像判定装置
40 入力装置
50 表示装置
60 従来被写体内在判定部
100 画像判定方式
110a ベクトル地図情報
110b 建造物 ·地表高さマップ情報
HOba 建造物こみ地表高さマップ情報
HObb 地表高さマップ情報
110c 映像データ
110d 判定被写体領域位置情報
110e カメラデータ
120, 320 被写体形状推定部
130 被写体特徴点抽出部
140, 220 他物体遮蔽判定部
150 他物体遮蔽指標算出部
160 表示処理部
210 高さクラスタリング部
310a 高さマップ補正情報
330 高さマップ補正処理部
発明を実施するための最良の形態
[0017] 以下に、本発明における画像判定方法、画像判定装置および画像判定方法をコン ピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体の実施例について説明する。 実施例 1
[0018] まず、本発明における画像判定方式の原理について説明する。図 1は、本発明に おける画像判定方式の原理を示す原理図である。同図は、映像および画像内で対 象となる被写体 (以下、判定対象被写体)がどのような他物体遮蔽を受けているかと いう映り具合を、他物体遮蔽指標として算出する画像判定方式 100の構成を示すと 同時に、画像判定方式 100が利用するデータ類を示す。
[0019] 画像判定方式 100は、映像および画像内での具体的な他物体遮蔽による映り具合 判定を開始する前処理として、主に判定対象被写体に関する処理を行う被写体形状 推定部 120と、被写体特徴点抽出部 130を有し、この前処理の結果を用いて映像ま たは画像の各画像フレームにおける映り具合判定そのものを処理する、他物体遮蔽 判定部 140と、他物体遮蔽指標算出部 150とを有する。利用データ類は、画像判定 方式 100を適用する判定対象被写体に関するデータである、被写体領域位置情報 1 10dと、映像及び画像を撮影したカメラに関するカメラデータ 110eと、当方式の前処 理および本処理で利用する建造物 ·地表高さマップ情報 110がある。
[0020] 被写体領域位置情報 110dは、判定対象被写体の存在領域の位置情報である。存 在領域は、一点、楕円、矩形、多角形、など、様々な指定がありうるが、例えば、存在 領域を多角形とする場合には、その形状を構成する各頂点の緯度経度などの位置 座標値、各頂点から多角形を構成するために必要な構造情報(トポロジ)等からなる 。存在領域は、判定対象被写体の各マップ上の占有領域を特定するために用いる。
[0021] 建造物 ·地表高さマップ情報 110bは、人工建造物ゃ榭木等の自然物(以下、建造 物と記載)の高さ、建造物を除いた純粋な地表の高さ、などの各種高さ情報を、その 測定位置と共にマップとした情報である。このマップ情報の具体的な保持例にっ 、て は、実施例 1以降で詳しく述べるが、これらの各種高さは別々に保持しても良いし、 足した高さを保持しても良い。また、ここでは、位置情報力も各種高さを取得できると いう意味で、理解のためマップと表現しているが、実際に装置に実装する場合は、テ 一ブルリストとして保持することも可能である。図 2は、建造物 ·地表高さマップ情報 1 10bの一例を示す図である。
[0022] カメラデータ 110eは、本発明を適用する、映像及び画像の各画像フレームに関係 する撮影カメラの情報であり、カメラ位置、撮影方向、焦点距離などのカメラパラメ一
タ、また、それらから算出できる画角などの情報である。本発明では、映像および画 像の各画像フレームを直接判定に利用するのではなぐそれらに関連するカメラデー タ l lOeを画像判定に用い、判定結果が良いカメラデータ l lOeに対応する映像デー タを、最終的に判定対象被写体に力かわる最適な映像データとして選択する。
[0023] 被写体形状推定部 120は、被写体領域位置情報 l lOdと建造物,地表高さマップ 情報 110bをつき合わせて、判定対象被写体の存在領域の高さを取得することで、 被写体形状を推定する。なお、判定対象被写体の概形状を抽出する方法は、上述し た方法に限られるものではなぐ CAD (computer aided design)データのような詳細 な 3次元データを用いて、判定対象被写体の概形状を抽出してもよい。
[0024] 被写体特徴点抽出部 130は、被写体形状推定部 120で推定した形状を元に、判 定対象被写体を代表する特徴点の位置及び高さを算出する。判定対象被写体の位 置及び形状を代表する特徴点であれば、その算出方法は特に問わな 、ものとする。 例えば、実施例 1で述べるように、形状を任意の幅でメッシュ分割してメッシュ格子点 を利用してもよいし、ランダムに形状内から特徴点を取得してもよいし、形状の重心一 点を特徴点にしてもよい。
[0025] 他物体遮蔽判定部 140は、被写体特徴点抽出部 130で抽出した特徴点と、カメラ データ l lOeである判定対象のカメラ位置とを結ぶ線分上の各ポイントに対して、建 造物 ·地表高さマップ情報 110b内の高さ情報を取得し、その高さと線分の高さを比 較することで、線分を超える被写体物体の存在を検知する。さらに、被写体領域位置 情報 110dの判定対象被写体の存在領域内に被写体物体が存在したポイント位置 力 Sある力否かを判定することで、被写体物体が判定対象被写体であるか否か、すな わち、他物体であるか否かを判定する。なお、調査した線分上のポイント全てで線分 を超える被写体物体が存在しなカゝつた場合は、該当特徴点は、何にも遮られないと 判定する。他物体遮蔽判定部 140は、これらの判定で特徴点を、他物体によって遮 られた、判定対象被写体自身によって遮られた、何にも遮られない、の 3種類に分類 する。
[0026] 他物体遮蔽指標算出部 150は、他物体遮蔽判定部 140で判定した、特徴点ごとの 判定分類結果を用いて、該当カメラの関係する映像及び画像における、判定対象被
写体の他物体遮蔽に関する映り具合を表す指標値を、最終的に算出する。
[0027] このように、画像判定方式 100は判定対象被写体の特徴点を抽出し、抽出した特 徴点および他の被写体の高さなどを基にして、カメラから見た特徴点がどのくらい他 の被写体によって隠れて 、るかを推定し、その画像における判定対象被写体の映り 具合を判定するので、ユーザは判定結果を基にして、複数のカメラによって撮影され た複数の映像及び画像データの中から最適な映像及び画像データを効率よく選択 することができる。
[0028] 次に、本発明における画像判定方式の原理図の具体的な実施例として、画像判定 方式を搭載した装置 (以下、画像判定装置)の構成例である実施例 1を、図面に基づ いて詳細に説明する。図 3は、本実施例 1における画像判定装置の構成を示す機能 ブロック図である。同図に示すように、この画像判定装置 10は、図 1で示した本発明 の原理図に加えて、入力装置 40および表示装置 50、ベクトル地図情報 110a、従来 被写体内在判定部 60、映像データ 110c、表示処理部 160を有する。また、建造物- 地表高さマップ情報 110bの一例として、建造物こみ地表高さマップ情報 lOObaと、 地表高さマップ情報 110bbを有する。
[0029] 入力装置 40は、キーボードやマウスなどの入力装置であり、出力装置 50は、デイス プレイなどの表示装置である。
[0030] ベクトル地図情報 110aは、図 4で示すような、一般的なベクトル地図であり、建造物 などの被写体が存在する地図上の領域を示す。本実施例 1では、ユーザが、このべ タトル地図を利用して判定対象被写体領域の位置を指定し、指定された領域位置に 合致するベクトル図形をそのまま被写体領域位置情報 l lOdとして利用する一例を示 す。
[0031] 図 5は、本実施例 1の画像判定方式を搭載した装置が、画像判定方式の利用開始 に伴い、表示装置 50に表示させるベクトル地図を使った表示の一例を示す図である 。ユーザは、表示装置 50に表示されたベクトル地図を基にして、判定対象被写体を 指定して、ベクトル地図上のベクトル形状を選択し、その形状の各点の緯度経度等の 位置情報、すなわち判定対象被写体領域の輪郭点を、被写体領域位置情報 l lOd とみなす。この際、ユーザは、入力装置 40を利用して表示装置 50に表示されたべク
トル地図上に存在する判定対象被写体をなぞって指定し、その位置にあるベクトル 形状を選択する。
[0032] なお、ベクトル地図情報 110aを用いて被写体領域位置情報 110dを取得する方法 は、図 5に示した方法に限定されるものではなぐ例えば、図 6に示すように、判定対 象被写体を円で囲んで近隣のベクトル形状を指定してもよいし、図 7に示すように、 判定対象被写体を多角形で囲んで近隣のベクトル形状を指定してもよい。また、名 前や住所、電話番号などと、ベクトル地図上のベクトル図形をあら力じめ対応付けし たものを用意しておき、名前や住所、電話番号などでベクトル図形を指定してもよい。
[0033] もちろん、本実施例 1のようにベクトル地図情報 110aを使わずに写体領域位置情 報 110dを取得することも可能であり、判定対象となる被写体領域の輪郭を、緯度経 度の数値で直接指定したり、または、図 4のベクトル地図の代わりに、周辺領域を上 空から撮影した写真や描!ヽた絵などを表示し、図 4に類似した入力装置で輪郭を描 画しながら、入力装置内の描画位置を直接緯度経度に変換することで指定してもよ い。
[0034] 建造物 ·地表高さマップ情報 110bは、本実施例 1では一例として、建造物を含む 地表の高さのデジタル地図である、建造物こみ地表高さマップ情報 l lObaと、純粋な 地面の高さのデジタル地図である、地表の高さマップ情報 l lObbから構成する。建 造物こみ地表高さマップ情報 l lObaは、建造物がある位置は建造物の高さ、建造物 力 い場合は純粋な地面の高さを、位置と共に保持した情報である。この構成及び 内容は一例であり、建造物のうち人工物だけの高さマップ、建造物のうち榭木のみの 高さマップ、地表のみの高さマップ、など、各要素をそれぞれを分割保持して代用し てもよ ヽし、さらにこれらを行政区分単位等で分割保持してもよ 、。
[0035] カメラデータ 110eは、図示しない複数のカメラによって映像及び画像を撮影した時 のカメラの位置や方向、画角等のカメラデータを合わせたデータ群である。
[0036] 映像データ 110cは、図示しない複数のカメラによって撮影された映像及び画像そ のものである。映像データ 110cとカメラデータ 110eは、相互関係がとれるように保持 する。本実施例 1の画像判定装置 10は、映像データ 110cを直接判定するのではな ぐ関連するカメラデータ 110eを使った画像判定方式 100を搭載することで、入力装
置 40よりユーザによって指定された判定対象被写体に力かわる最適な映像データを この映像データ 110cから選択することを目的としている。
[0037] 従来被写体内在判定部 60は、従来技術の項で述べた、カメラデータ 110eを使つ て対応する映像データ 110c内に判定対象被写体が映っているかを間接的に調べる 処理部である。まず、カメラデータ 110eのカメラ位置や撮影方向、画角を用いて、力 メラの撮影空間を楕円錘または四角錘などで定義する。次に、被写体領域位置情報 110dの判定対象被写体の存在領域の位置情報を用いて、撮影空間内部に判定対 象被写体が存在するか否かを判定する。具体的には、判定対象被写体のベクトル形 状の各点の位置と撮影空間の位置を比較することで、ベクトル形状の一部または全 部が撮影空間に含まれるか否かを判定する。撮影空間に含まれる場合は、判定対象 被写体が撮影空間内部に存在するとみなし、該当するカメラデータ 110e及び対応 する映像データ 110cを、判定対象被写体が映って 、るデータであると判定する。
[0038] なお、従来技術では、実際には、判定被写体領域の形状 (輪郭の複数点)ではなく 、判定被写体の位置 (一点)を使って、撮影空間内部に存在するか否かを判定するこ とが多い。本実施例は、本手法の被写体領域位置情報 110dを、ベクトル地図情報 1 10aから求めたため、判定対象被写体領域の形状 (複数点)としているが、図 1の本 発明の原理図で示したように、被写体領域位置情報 110dは、特に一点か複数点か を問わないため、従来のような一点として、撮影空間内部力否力の判定を行うことも 可能である。
[0039] 本実施例 1では、画像判定方式 110へカメラデータ 110eをそのまま渡さず、従来 被写体内在判定部 60を通し、判定対象被写体が各カメラの撮影範囲内にないカメラ データは渡さな 、ことで、そもそも映像内に判定対象被写体が映って 、な 、カメラデ ータに関しては画像判定方式 110の入力とせず、他物体遮蔽による映り具合判定を 行わな 、ことを意図して 、る。
[0040] 被写体形状推定部 120は、ベクトル地図情報 110aから取得した被写体領域位置 情報 110dの、判定対象被写体領域の輪郭の位置情報と、建造物'地表高さマップ 情報 110b内の建造物こみ地表高さマップ情報 l lObaを突合せ、輪郭の各ポイント の位置に関わる建造物こみの地表の高さを調べることで、判定対象被写体の概形状
の上面を抽出する。同様にして、建造物 ·地表高さマップ情報 110b内の地表高さマ ップ情報 l lObbと突合せ、輪郭の各ポイントの位置に関わる地表の高さを調べること で、判定対象被写体の概形状の下面を抽出する。高さ的には、この上面と下面の間 力 概形状になる。
[0041] 図 8は、被写体形状推定部 120が判定対象被写体の概形状を取得する処理を説 明するための説明図である。同図に示すように、判定対象被写体の概形状は、対応 するベクトル図形 (太線で示した図形。同図では、分かりやすく解説するため、判定 対象被写体以外のベクトル図形も細 、線で示して 、る)の輪郭上の任意のポイントの 緯度経度値と、当該緯度経度値に対応する建造物こみの地表高さマップ情報 110b a、及び地表高さマップ情報 l lObbの高さをそれぞれ加えることで、判定対象被写体 の概形状とする。被写体形状推定部 120は、抽出した判定対象被写体の形状情報 を被写体特徴点抽出部 130に渡す。
[0042] なお、判定対象被写体の概形状を抽出する方法は、上述した方法に限られるもの ではなぐ被写体の輪郭上の各ポイントの高さをそれぞれ正確に求めずに、例えば、 被写体の輪郭形状の中心位置を求めて、その中心位置での高さを、当該被写体に かかわる高さとして代用してもよい。
[0043] 被写体特徴点抽出部 130は、被写体形状推定部 120から判定対象被写体の概形 状情報を取得し、建造物 ·地表高さマップ情報 110bの建造物の高さ及び地表の高さ を適宜調べながら、判定対象被写体の特徴点を抽出する。以下に、被写体特徴点 抽出部 130の処理について具体的に説明する。図 9は、被写体特徴点抽出部 130 の処理を説明するための説明図である。
[0044] 同図に示すように、被写体特徴点抽出部 130は、まず、判定対象被写体の概形状 にかかる側面および上面を任意の間隔でメッシュ状に分割する。分割する間隔は、 一つの規定値 (例えば、 5mなど)を用いてもよいし、複数の数値 (例えば、 lm、 5m、 10mなど)を用意し、それぞれの数値で分割してもよ 、。
[0045] 次に、被写体特徴点抽出部 130は、分割したメッシュのうち、特に上面の各格子点 の高さを、建造物'地表高さマップ情報 110bの建造物の高さ、すなわち建造物こみ 地表高さマップ情報 l lObaの高さを適宜調べながら、算出する。なお、この高さは、
被写体形状推定部 120の対象被写体の輪郭上の各ポイントの高さと同様、それぞれ 正確に求めるのではなぐ輪郭形状の中心位置などの代表位置の高さを、メッシュの 各格子点の共通の高さとして代用してもよい。
[0046] さらに、被写体特徴点抽出部 130は、分割したメッシュのうち、側面の各格子点の 高さを、建造物上面の高さ(=建造物こみ地表高さマップ情報 l lObaの高さ)及び下 接地面の高さ(=地表の高さマップ情報 l lObbの高さ)を、指定メッシュ間隔で補間 した値とする。
[0047] 本実施例 1の被写体特徴点抽出部 130は、このようにして判定対象被写体の概形 状の側面および上面を任意の間隔で分割したメッシュの各格子点と、概形状の頂点 群を、その分割間隔に対する特徴点群とする。被写体特徴点抽出部 130は、抽出し た特徴点群の情報と被写体の形状情報とを他物体遮蔽判定部 140に渡す。
[0048] なお、被写体特徴点抽出部 130が特徴点を抽出する手法は、上述した手法に限ら れるものではなぐ判定対象被写体側面または上面内に含まれる点として、高さ、緯 度、経度のランダム値を取得し、取得した各ランダム値を特徴点としてもよい。
[0049] また、メッシュ分割ではなく、ストリップ分割によって判定対象被写体を分割し、この ストリップの各格子点と概形状の頂点群とを特徴点群としてもよい。また、概形状の側 面及び上面に限らず、概形状の内部の点を特徴点としても力まわない。更に、被写 体特徴点抽出部 130にかかわる計算量を軽減させるベぐ単一の特徴点を抽出して もよい。この場合は、例えば、判定対象被写体の重心 (全頂点位置群の加算平均位 置)の点を特徴点とする。また、概形状に対してまんべんなく特徴点群を求めずに、よ り目に入りやすい建物の上層部など、任意の場所の特徴点数を増やすように算出し てもよい。
[0050] 他物体遮蔽判定部 140は、被写体特徴点抽出部 130からの判定対象被写体の形 状情報および特徴点群の情報と、建造物 ·地表高さマップ情報 110bと、カメラデータ 110eのうちで従来被写体内在判定部 60を通して判定被写体が映っていると判定さ れたカメラデータとの 3つの情報を基にして、カメラと判定対象被写体の各特徴点と の間に存在する被写体物体があるかを調べ、さらにその被写体物体が判定対象被 写体自身であるかどうかを判定することで、他物体による隠れを推定する処理部であ
る。
[0051] 図 10は、他物体遮蔽判定部 140の処理を説明するための説明図である。同図に 示すように、他物体遮蔽判定部 140は、カメラ位置と特徴点とを線分で結び、結んだ 線を越える被写体が存在するか否かを判定する。具体的には、カメラ位置と特徴点と の線分に沿 、ながら、建造物 ·地表高さマップ情報 110bの建造物こみの地表の高さ マップ情報 l lObaを使って、建造物の高さを調べていき、線分よりも建造物の高さの 方が高いポイントがないか探す。次に、そのポイントが判定対象被写体自身であるか どうかを、判定対象被写体の形状情報力も判定し、判定対象被写体自身でない場合 は、他の物体であると判定する。
[0052] 他物体遮蔽判定部 140は、例えば、図 9の(a)に示すように、特徴点とカメラ位置と の線分よりも高いポイント M力 建造物こみの地表高さマップ情報 110ba上で見つか り、かつ、ポイント Mは判定被写体のポイントでなかった場合に、「カメラと判定被写体 の特徴点の間には、他物体が存在する」と判定する。このような場合には、カメラ位置 と当該線分をなす特徴点を、他物体に遮られる特徴点 (以下、特徴点 (B)と表記する )とする。
[0053] また、他物体遮蔽判定部 140は、図 10の(b)に示すように、特徴点とカメラ位置との 線分よりも高いポイントが、建造物こみの地表高さマップ情報 110ba上で見つからな い場合に、「カメラと判定被写体の特徴点の間には、他物体が存在しない」と判定す る。このような場合には、カメラ位置と当該線分をなす特徴点を、他物体に遮られない 特徴点 (以下、特徴点 (A)と表記する)とする。
[0054] また、他物体遮蔽判定部 140は、図 10の(c)に示すように、特徴点とカメラ位置との 線分よりも高いポイント N力 建造物こみの地表高さマップ情報 l lOba上で見つかり、 かつ、ポイント Nが被写体内のポイントであった場合に、「カメラと判定被写体の特徴 点の間には、他物体が存在しない」と判定する。このような場合には、カメラ位置と当 該線分をなす特徴点を、自分自身で遮られる特徴点 (以下、特徴点 (C)と表記する) とする。
[0055] 他物体遮蔽判定部 140は、特徴点群それぞれに対して上述した判定を行い、特徴 点 (A)の個数、特徴点 (B)の個数、特徴点 (C)の個数をカウントし、各特徴点 (A)〜
(C)の個数に力かわる情報を、個数情報として、他物体遮蔽指標算出部 150に渡す
[0056] 他物体遮蔽指標算出部 150は、他物体遮蔽判定部 140から個数情報を取得し、 取得した個数情報を基にして、他物体によって判定対象被写体が遮られて 、る割合 を他物体遮蔽指標として算出する処理部である。他物体によって遮られている割合 を算出する具体的な式の一例は、他物体によって遮られている割合 =特徴点(B)の 個数 ÷ (全特徴点の個数 (A+B + C)—特徴点 (C)の個数)によって表される。本実 施例 1の他物体遮蔽指標算出部 150は、この算出した他物体によって遮られている 割合を、判定対象被写体が他物体遮蔽指標として、そのまま利用し、表示処理部 16 0に渡す。
[0057] なお、他物体によって遮られている割合、及び、最終的な他物体遮蔽指標の算出 方法は、上述した手法に限定されるものではなぐ例えば、特徴点による重要度の違 いを考慮し、重み付けをした計算をしてもよい。すなわち、他物体遮蔽判定部 140か ら個数情報以外に、それぞれの特徴点の位置情報などを取得しておき、ランドマーク となるような建物の場合、目印となる特徴的な形状部分の特徴点を重視したり、建物 が立てこんでいる区域の場合、建物の下層部の隠れは、重要でないとして、上層部 の特徴点を重視することなどの重みを加味し、最終的な他物体遮蔽指標を算出する ことち考免られる。
[0058] 表示処理部 160は、他物体遮蔽指標算出部 150から判定対象被写体の他物体遮 蔽指標値を取得し、取得した指標値に基づいて、判定対象カメラデータ l lOeに対応 する映像データ 110cを探して、表示装置 50で再生表示する処理部である。図 11は 、表示処理部 160が物体遮蔽指標を利用して映像及び画像データを表示するインタ フェースの一例を示す図である。
[0059] 本発明の実施例 1における表示処理部 160は、図 11に示すように、映像データ (a 、 b、 e)及び画像データ (c、 d、 f〜k)を他物体遮蔽指標の値で昇順 (数値が小さいも の力 大きいものへの順。この例では、数値が小さいものほど他物体による遮られる 割合が低いとする)に並べる。さらに、判定対象被写体がより良く映っているものを推 薦する意図のもと、他物体遮蔽指標の値が所定値未満の映像及び画像データを判
定対象被写体に対して最適な映像及び画像データとみなし、例えば該当する図 11 の(a)〜(e)の映像及び画像のサムネイル画像をカラーで表示する。一方で、他物体 遮蔽指標の値が所定値以上の映像及び画像データを判定対象被写体に対して適 切でな ヽ映像及び画像データとみなし、例えば該当する図 11の (f)〜 (k)の映像及 び画像のサムネイル画像を白黒で表示する。
[0060] なお、本実施例 1の図 11では、元の映像及び画像データ単位で結果を表示してい るが、映像データを他物体遮蔽指標の数値の小さい部分、すなわち判定対象被写 体の他物体による映り具合の良い部分だけ抽出することで、複数の映像ショットに分 け、それらを表示してもよい。また、推薦したい映像及び画像のファイル名をリストに 羅列したり、推薦度合いの高いものを大きくより画面に近くなるような 3次元 CGで表 示したり、任意の表示方法を行っても力まわない。
[0061] 本発明の実施例 1における表示処理部 160は、出力装置 50で表示した図 11に対 して、入力装置 40を介してユーザが映像データを選択した場合には、選択映像及び 画像データの閲覧再生などを開始する。図 12は、図 11において映像データ (a)が 選択された場合の表示画面の一例を示す図である。図 12では、映像の画像フレー ム群のうち、従来被写体内在判定部 60によってカメラの撮影領域に判定被写体が存 在する判定された画像フレームであり、かつ本手法である画像判定方式 100によつ て他物体遮蔽指標が低 、 (他物体による遮蔽が少な 、)と判定された画像フレーム の部分を、白黒濃淡バー上に白く表示している。ユーザはこの濃淡バー上で白い部 分のみを選択することで、本手法が推薦する、判定被写体が他の物体に遮られること なく映っている映像フレームのみを再生閲覧することができる。なお、図 12に示すよう に、他物体遮蔽指標から求めた判定被写体の映り具合を濃淡バーで表示してもよ ヽ し、他物体遮蔽指標の値を具体的な数字で表示してもよい。また、図 11の段階で遮 られ率の低い画像フレームのみを集めた映像ショットに分けた場合などには、図 12で 再生する映像ショットは全編を通して映りが良いと考えられるので、特に他物体遮蔽 指標値や映り具合を表示しなくても力まわな 、。
[0062] 次に、本実施例 1における画像判定装置 10の処理手順について説明する。図 13 は、本実施例 1に示した画像判定装置 10の処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、画像判定装置 10は、画像判定方式 100の処理である部分 (S10
2〜S106)と、画像判定方式 100の前後で利用するデータを揃えると同時に入力及 び出力を制御する部分 (S101、 S104, S107)に分かれる。
[0063] まず、入力装置 40経由で、表示装置 50上に表示されたベクトル地図情報 110a内 の判定対象被写体に関係する領域を指定することで、被写体領域位置情報 1 lOdを 指定ベクトル形状情報から取得する (ステップ S101)。
[0064] そして、被写体形状推定部 120が、被写体領域位置情報 110dと、建造物 ·地表高 さマップ情報 110bから被写体の概形状を特定し (ステップ S102)、被写体特徴点抽 出部 130が特徴点群を抽出する (ステップ S103)。
[0065] 次に、従来被写体内在判定部 60が、カメラデータ 110eと被写体領域位置情報 11
Odを使って、判定対象被写体が映っているカメラデータを振り分ける (ステップ S 104
) o
[0066] 続ヽて、他物体遮蔽判定部 140が、判定済みの各カメラデータと判定被写体の特 徴点群、建造物 ·地表高さマップ情報 110bを用いて、各特徴点における他物体遮 蔽判定処理を実行する (ステップ S 105)。
[0067] 続いて、他物体遮蔽指標算出部 150が、他物体による遮蔽指標値を算出し (ステツ プ S106)、表示処理部 160が、遮蔽指標を基にして映像データ 110cを出力する (ス テツプ S 107)。
[0068] 次に、図 13のステップ S 105で示した他物体遮蔽判定処理について説明する。図 1 4は、図 13のステップ S 105で示した他物体遮蔽判定処理を示すフローチャートであ る。同図に示すように、他物体遮蔽判定部 140は、特徴点 (A)、(B)、(C)のカウント を初期化 (各特徴点 (A)〜(B)に力かる個数を 0に設定)し (ステップ S201)、全ての 特徴点を選択したか否かを判定する (ステップ S 202)。
[0069] 全ての特徴点を選択した場合には (ステップ S203, Yes)、個数情報を他物体遮蔽 指標算出部 150に渡す (ステップ S 204)。一方、全ての特徴点を選択していない場 合には (ステップ S 203, No)、未選択の特徴点を選択し (ステップ S 205)、カメラ位 置を始点、選択した特徴点を終点とした線分を作成する (ステップ S 206)。
[0070] そして、他物体遮蔽判定部 140は、作成した線分の高さを上回る被写体が存在す
る力否かを判定し (ステップ S 207)、線分を上回る被写体が存在しない場合には (ス テツプ S208, No)、特徴点(A)のカウントに 1を力卩算し (ステップ S209)、ステップ S2 02に移行する。
[0071] 一方、線分を上回る被写体が存在する場合には (ステップ S208, Yes)、線分の高 さを上回った被写体は、判定対象被写体力否かを判定し (ステップ S210)、線分の 高さを上回った被写体が判定対象被写体で無い場合には (ステップ S211, No)、特 徴点(B)のカウントに 1を加算し (ステップ S 212)、ステップ S 202に移行する。
[0072] 一方、線分の高さを上回った被写体が判定対象被写体である場合には (ステップ S 211, Yes)、特徴点(C)のカウントに 1を力卩算し (ステップ S213)、ステップ S202に 移行する。
[0073] このように、他物体遮蔽判定部 140が、個数情報を作成し、他物体遮蔽指標算出 部 150がこの個数情報を利用してた物体遮蔽指標を算出し、表示処理部 160が他 物体遮蔽指標を基にして映像データ 110cを表示装置 50に表示させるので、ユーザ は効率よぐ最適な映像データを選択することができる。
[0074] 上述してきたように、本実施例 1の画像判定装置 10は、被写体形状推定部 120が 被写体領域位置情報 110d、建造物 ·地表高さマップ情報 110bを基にして、指定さ れた判定対象被写体の形状を抽出し、被写体特徴点抽出部 130が、判定対象被写 体の形状を基にして特徴点を抽出し、他物体遮蔽判定部 140が、カメラデータ 110e 、判定対象被写体形状、特徴点と建造物 ·地表高さマップ情報 110bを基にして他物 体遮蔽に関する特徴点の分類個数情報を作成し、他物体遮蔽指標算出部 150が、 個数情報を基にしてカメラデータごとの他物体遮蔽指標を算出する。算出した各カメ ラデータ毎の他物体遮蔽指標は、本実施例 1で示すように表示処理部 160が、関連 する映像データ 110cを表示装置 50に表示する際の、判定被写体の他物体遮蔽に 関する映り具合に対する推薦度として利用することができるため、カメラと、判定対象 被写体との間に他物体が存在する場合にでも、最適な映像データを選択することが できる。
[0075] なお、本実施例 1にかかわる建造物 ·地表高さマップ情報 110bは、建造物こみの 地表高さマップ情報 110ba以外に、純粋な地表の高さである地表高さマップ情報 11
Obbを含んでいたが、建造物こみの地表高さマップ情報 l lObaのみで地表高さマツ プ情報 l lObbを代用することができる。本実施例 1で、地表高さマップ情報 l lObbは 、被写体形状推定部 120が、被写体形状の下面、すなわち地表との接地面の高さを 求めるために利用している。そこで、被写体形状推定部 120が、被写体領域位置情 報 110dと建造物こみの地表高さマップ情報 110baを基にして、被写体の下接地面、 すなわち被写体位置における地表の高さ情報を取得する一例を示す。
[0076] 被写体形状推定部 120は、建造物こみの高さマップ情報 l lObaと被写体領域位置 情報 110dとをつき合わせ、建造物こみの高さマップ情報内で被写体領域に含まず、 かつ被写体領域よりも十分大きな領域 (建造物同士が地表をみせずに完全に接して 存在することは稀なので、この十分大きな領域のどこかに、建造物が無く地表が現れ て 、るポイントが存在する可能性が高 、)に対応する建造物こみの地表の高さを取得 する。そして、被写体形状推定部 120は、取得した高さのうち、最も低い高さを擬似 的な該当領域全体の地表面の高さとする。なお、高さを取得する領域が広すぎて、 擬似的な地表面の高さとみなしたポイントが、被写体の存在する領域力 離れると、 被写体の存在する領域の地表面との誤差が大きくなるので、単純に最も低 、高さを 採用するのではなぐ被写体力もの距離を使って重み付けをして採用してもよい。
[0077] このように、被写体形状推定部 120が、建造物こみの高さマップ情報 l lObaと被写 体領域位置情報 11 Odとを利用して、地表面の高さを取得するので、地表の高さマツ プ情報 110bbを建造物 ·地表高さマップ情報 110に含める必要性が無くなり、情報 記録容量やマップ情報の取得経費、及びマップ情報を最新に保っための更新の手 間および経費を節約することができる。
[0078] また、建造物 ·地表高さマップ情報 110bの建造物こみの地表高さマップ情報 110b aを利用して、ベクトル地図情報 110aを代用して、被写体領域位置情報 110dを取得 することができる。ここで、建造物こみの地表高さマップ情報 l lObaを利用して、判定 被写体領域位置情報 10dを取得する一例を示す。
[0079] 図 15は、建造物こみの地表高さマップ情報 l lObaから被写体領域位置情報 110d を取得する手法を説明するための説明図である。同図に示すように、従来の被写体 内在判定と同様、判定対象被写体を代表位置一点で入力装置 40などから指定する
。まず、この代表位置一点を、その緯度経度などの値を使い、建造物こみ地表高さマ ップ情報 110ba上の代表点として設定する。
[0080] そして、代表点から周辺に向かって、円状に、所定間隔及び角度ごとに移動しなが ら、移動先の各ポイントに対応する建造物こみ地表の高さを取得する。各ポイントの 高さを取得する際に、一つ前に取得したポイントの高さ(または、代表点の高さ)と比 較し、高さが大幅に変化する場所 (例えば、代表点の高さの 1Z4以下となる場所)を 探し、大幅に変化した場所を判定対象被写体領域の外縁点として登録する(図 15の 例では、 P1と P2が外縁点として登録される)。時計周りに角度をずらしながら、周辺 に向けて外縁点を探して登録して ヽつた場合には、登録順に外縁点をつなぎ合わせ たものが、被写体領域位置情報 110dの判定被写体領域である。
[0081] なお、ここでは、建造物 ·地表高さマップ情報 110bのうち、建造物こみ地表高さマツ プ情報 110baのみを使って、被写体領域位置情報 110dを取得する例を示したが、 地表高さマップ情報 l lObbも用いて高さの差分を求めれば、高さが大幅に変化する 場所が、地表に起伏があるために、建造物の高さはそのままでも、建造物こみの地表 の高さが変わった場所 (傾斜地の段々形のマンションなど)なの力 地表に起伏がな ぐ建造物自体の高さが変わった場所なのかをより正確に推定することが可能でる。 この場合、前者の場合は外縁点とはせず、後者の場合のみを外縁点とすることで、よ り正確な判定対象被写体領域を取得することができる。
[0082] このように、ベクトル図情報を使わず、判定被写体の代表位置一点から、建造物 · 地表高さマップ情報 110bを利用して、自動的に被写体領域位置情報 110dを取得 することができるので、予めベクトル地図情報 110aを用意、記録させる必要性を無く すことができ記録容量を節約することができとともに、従来技術と同程度の簡単な指 定方法で、被写体領域位置情報 110dを自動取得することができる。
実施例 2
[0083] 次に、本実施例 2における画像判定方式を搭載した装置 (画像判定装置)につ!/ヽて 説明する。本実施例 2における画像判定装置は、実施例 1の建造物'地表高さマップ 11 Obの高さデータ群を、属するマップ領域毎に階層的に区切ってクラスタリングし、 クラスタリング結果の領域内で、最高の高さ、最低の高さを算出する。そして、画像判
定装置は、領域ごとの最高の高さを利用して、効率よく他物体遮蔽判定を行い、他物 体遮蔽指標を算出する。
[0084] 図 16は、本実施例 2における画像判定装置 20の構成を示す機能ブロック図である 。同図に示すように、この画像判定装置 20は、高さクラスタリング部 210および内部 動作が異なる他物体遮蔽判定部 220を有する。その他の構成および動作は、実施 例 1に示した画像判定装置 20と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号 を付して説明を省略する。
[0085] 高さクラスタリング部 210は、建造物 ·地表高さマップ情報 110bを基にして、マップ 上に含まれる高さ群のうち、最高高さおよび最低高さを所定領域ごとに特定する(以 下、特定した情報をクラスタリング情報と表記する)処理部である。図 17は、高さクラス タリング部 210が算出するクラスタリング情報を説明するための説明図である。
[0086] 同図に示すように、建造物 ·地表高さマップ情報 110bの情報力 高さの測定単位 である最小領域単位毎の高さデータで構成されて 、る場合を考える。高さクラスタリ ング部 210は、まず、近隣の最小領域単位を 4つずつ纏めた統合領域を作成し、そ の領域内に含まれる 4つの最小領域単位の高さを比較して、統合領域内での最高高 さを特定する。図 17の例では、 2m〜4mの高さをもつ最小領域単位群 A211〜A21 4を纏めて A21という領域を作成し、最高の高さは 4mとして特定する。同様に 5m〜 6mの高さの最小領域単位群 A221〜A224を纏めた A22と、 9m〜12mの高さの最 小領域単位群 A231〜A234を纏めた A23と、 13m〜16mの高さの最小領域単位 群 A241〜A244を纏めた A24、の 3つの領域を作成し、それぞれの最高高さ(6m、 12m、 16m)を特定する。
[0087] 次に、高さクラスタリング部 210は、近隣領域 A21〜A24の四つを纏めて新たな領 域 A2を作成し、各領域 A21〜A24の最高高さを比較して、領域 A2の最高高さ(16 m)を特定する。図 17の例では、同様にして所定領域 Al、 A3、 A4を作成し、その最 高高さを特定する。
[0088] 高さクラスタリング部 210は、纏めた統合領域の面積が規定面積以上、または、クラ スタリングによる統合階層が規定階層以上になるまで、領域統合および最高高さ特 定を繰り返し行う。高さクラスタリング部 210は、他物体遮蔽判定部 220に算出したク
ラスタリング†青報を渡す。
[0089] なお、本実施例 2では、高さクラスタリング部 210は、近隣の 4つの小領域を統合し て 1つの大領域を作成する例を示して 、るが、統合する小領域の数は 4つでなくても 良いし、逆に大領域を分割しながら作成しても力まわない。さらに、一律に統合する のではなぐ市街地等の検索用途の多い地域力否かや、高低差の変化の激しい場 所か否か、等で階層数や統合領域数を変えて作成してもよい。また、高さクラスタリン グ部 210のクラスタリング処理は、判定対象被写体とは無関係に実施することができ るため、毎回処理を行うのではなぐクラスタリングしたデータを、建造物'地表高さマ ップ情報 110bとして保持し、禾 IJ用することもできる。
[0090] 他物体遮蔽判定部 220は、被写体特徴点抽出部 130によって抽出された特徴点と クラスタリング情報とを基にして、特徴点 (A)、(B)、(C)にかかわる個数情報を作成 する処理部である。
[0091] 図 18は、特徴点とクラスタリング情報とを基にして、個数情報を作成する処理を説 明するための説明図である。なお、図 18では、カメラ位置から判定対象被写体への 線分 Tが、緯度に沿って伸びている場合について説明する。また、図 18に示すように 、カメラ位置と判定対象被写体との間には、クラスタリングを行った領域 A、 Bが含まれ て 、る場合にっ 、て説明する。
[0092] まず、他物体遮蔽判定部 220は、線分 Tを、領域 A、 Bに沿って 2分割し、分割線分 をそれぞれ TA、 TBとする。そして、他物体遮蔽判定部 220は、各分割線分 TA、 TB の最小の高さ TAMin、 TBMinと、領域 A、 B内で最大の高さ AMax、 BMaxとを比 較する。
[0093] 線分の高さ力 領域 A、 Bの高さよりも高い場合、つまり、 TAMin>AMaxかつ TB Min>BMaxの場合には、他物体遮蔽判定部 220は、当該線分に対応する特徴点 を特徴点 (A)と判定する。これは、領域 A、 B内に存在する全ての被写体の高さよりも 線分 Tのほうが高いことを意味するからである。
[0094] 一方、線分の高さ力 領域 Aまたは Bの高さ以下の場合、つまり、 TAMin≤AMax または TBMin≤BMaxの場合には(図 17の例では、 TBMin≤ BMaxである)、他物 体遮蔽判定部 220は、領域 B内の対応する領域 (B1〜B4のいづれかの領域)を利
用して、線分 Tと、対応する領域に含まれる被写体の高さとを比較する。
[0095] 例えば、線分 Τが、領域 Bl、 Β2に対応する場合 (線分 Τが、領域 Bl、 Β2上を通過 する場合等)は、上述した手法を利用して、線分 Τよりも高い被写体高さが存在する か否かを判定する。ここで、仮に、 Bl、 Β2が最小領域単位である場合について説明 すると、線分 Τよりも高い被写体高さが領域 Bl、 Β2に存在しない場合には、線分丁に 対応する特徴点を特徴点 (Α)と判定する。
[0096] 一方、線分 Τよりも高い被写体高さが領域 B1または Β2に存在する場合には、線分 Τに対応する特徴点を特徴点 (Β)または特徴点 (C)と判定する。該当領域が判定対 象被写体の場合には、特徴点 (C)となり、該当領域が判定対象被写体でない場合に は、特徴点(Β)となる。
[0097] 他物体遮蔽判定部 220は、上述した手法により、判定対象被写体にかかわる特徴 点群それぞれを、特徴点 (A)、(B)、(C)に分類し、分類した情報を個数情報として 遮られ率算出部 150に渡す。
[0098] このように、他物体遮蔽判定部 220は、クラスタリング情報を基にして、必要なときに だけ、下位部の細かな領域単位および各測定ポイント毎の詳細な高さと線分の高さ とを比較するので、他物体遮蔽判定処理にかかわる負担を軽減させることができる。
[0099] 上述してきたように、本実施例 2における画面判定装置 20は、高さクラスタリング部 210力 建造物.地表高さマップ情報 110bを基にして、各被写体の中で最も高い被 写体の高さを所定範囲ごとに特定したクラスタリング情報を作成し、他物体遮蔽判定 部 220が、クラスタリング情報を利用して、特徴点群に力かわる個数情報を作成する ので、効率よく最適な映像データを選択することができる。
[0100] なお、高さクラスタリング部 210で統合領域を作成する際に、最高高さと同時に、各 統合領域の最低高さを算出して利用してもよい。本発明の実施例 1で述べた、建造 物 ·地表高さマップ情報 110bの建造物こみ地表高さマップ情報 1 lObaのみで、地表 高さマップ情報 l lObbを代用する手法で、被写体形状推定部 120で行う、被写体の 下面、すなわち地表との接地面の高さを算出する手法を、クラスタリングによる各統合 領域の最低高さを利用することで、より簡単に行うことができる。すなわち、本発明の 実施例 1では、判定被写体領域より十分大きな領域内で、建造物こみ地表高さマツ
プ情報 l lObaを調べて、最低の高さを算出して擬似的な該当領域全体の地表の高 さとみなす手法を述べたが、該当領域の位置から、該当領域を含むクラスタリング統 合領域群を求め、それらの最低高さを比較することで、効率よく該当領域の最低高さ を算出することができる。
実施例 3
[0101] 次に、実施例 3における画像判定方式を搭載した装置 (画像判定装置)につ!/ヽて説 明する。図 19は、本実施例 3における画像判定装置の概念を説明するための説明 図である。図 19の左側に示すように、時期 T1にカメラ Aを利用して被写体 Aを撮影し 、時期 T2にカメラ Bを利用して被写体 Bを撮影し、時期 T3にカメラ Cを利用して被写 体 Cを撮影し、画像判定装置が、いずれの映像データに対しても、映り具合がよい( 他物体遮蔽指標が所定値以下)と判定したにもかかわらず、映像データの映り具合 が悪いとユーザに判断された場合に、画像判定装置は、各カメラ A〜Cの撮影領域 の重複部分に、遮蔽物が発生したと判定し、建造物 ·地表高さマップ情報などを修正 する。
[0102] また、図 19の右側に示すように、時期 T4に被写体 Aを撮影し、時期 T5に被写体 B を撮影し、時期 T6に被写体 Cを撮影し、画像判定装置が、いずれの映像データに対 しても、映り具合が悪い (他物体遮蔽指標が所定値より上)と判定したにもかかわらず 、映像データの映り具合がよいとユーザに判断された場合に、画像判定装置は、各 カメラ A〜Cの撮影領域の重複部分に存在して 、た遮蔽物が消滅したと判定し、建 造物 ·地表高さマップ情報などを修正する。
[0103] このように、実施例 3における画像判定装置は、他物体遮蔽指標にかかわるユーザ からの応答によって、建造物'地表高さマップ情報などを修正するので、他物体遮蔽 指標に力かわる信頼性を向上させることができる。また、建造物'地表高さマップ情報 を定期的に更新する必要がなくなるので、コストを大幅に削減することができる。
[0104] 図 20は、本実施例 3における画像判定装置 30の構成を示す機能ブロック図である 。同図に示すように、この画像判定装置 30は、高さマップ補正処理部 330と、建造物 •地表高さマップ情報 110bの関連情報として高さマップ補正情報 310aとを有する。 その他の構成および動作は、実施例 1に示した画像判定装置と同様であるので、同
一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
[0105] 建造物 ·地表高さマップ情報 110bは、関連する情報として高さマップ補正情報 31 Oaを有する。なお、建造物 ·地表高さマップ情報の一例である、建造物こみ地表高さ マップ情報 110ba、地表高さマップ情報 l lObbに関する説明は、実施例 1と同様で あるため説明を省略する。ここで、本実施例 3では、一例として高さマップ補正情報 3 10aを、建造物 ·地表高さマップ情報 110bの一部とした力 相互に対応がとれれば、 別の情報として独立保持しても力まわな 、。
[0106] 高さマップ補正情報 310aは、建造物 ·地表高さマップ情報 110bのうち、特に建造 物に関連した高さ情報、すなわちここでは、建造物こみの地表高さマップ情報 l lOba にかかわる修正情報である。図 21は、高さマップ補正情報 310aのデータ構造の一 例を示す図である。同図に示すように、この高さマップ補正情報 310aは、補正エリア テーブルと、補正エリア形状テーブルと、補正エリア頂点テーブルとを有する。
[0107] 補正エリアテーブルは、「ID」、「種別」、「変化発生推定時期 (MIN)」、「変化発生 推定時期 (MAX)」、「推定形状 ID」、「MBR (MIN)緯度経度」、「MBR (MAX)緯 度経度」、「所属 3次元メッシュ ID」を有する。
[0108] ここで、「ID (identification)」は、補正データ領域を識別するための情報であり、「種 別」は、補正データ領域の高さが高すぎるという誤りから、ある高さの領域 (建造物)の 消滅を察知したのか、低すぎるという誤りから、ある高さの領域 (建造物)の発生を察 知したか、の情報であり、「変化発生推定時期(MIN)」および「変化発生時期推定時 期(MAX)」は、建造物が変化 (消滅または発生)した時期を示す情報である。
[0109] 「推定形状 ID」は、補正エリア形状テーブルの対応する情報を特定するための情報 であり、「MBR(MIN)緯度経度」および「MBR(MAX)緯度経度」は、建造物が存 在する領域の情報を示し、「所属 3次元メッシュ ID」は、所属 3次元メッシュコードを識 別するための情報である。
[0110] 補正エリア形状データの説明に移ると、補正エリア形状データは、「ID」、「推定高さ
(MAX)」、「推定高さ (MIN)」、「射影形状頂点数」、「射影形状頂点 ID群」とを有す る。「ID」は、補正エリアテーブルにかかわる「推定形状 ID」と対応づけするための識 別情報であり、「推定高さ(MAX)」および「推定高さ (MIN)」は、推定される被写体
の高さの情報である。
[0111] なお、「推定高さ(MAX)」には、建造物が消滅したと判定された場合に、当該領域 内での最大高さにかかる情報が格納され、「推定高さ(MIN)」には、建造物が発生し たと判定された場合に、当該領域内での最小高さにかかる情報が格納される。「射影 形状頂点数」は、該当領域形状または該当領域に含まれる建造物の頂点数を示す 情報であり、「射影形状頂点 ID群」は各頂点を識別するための情報である。
[0112] 補正エリア頂点テーブルは、建造物の推定形状に力かわる頂点の緯度経度情報を 有し、「ID」、「緯度」、「経度」からなる。ここで、「ID」は、補正エリア形状テーブルに 力かわる「射影形状頂点 ID群」の各 IDと対応づけするための情報である。「緯度」、「 経度」はそれぞれ、緯度および経度の情報を示す。
[0113] 被写体形状推定部 120が、判定対象被写体領域の上面および下接触面の高さを 算出したり、被写体特徴点抽出部 130が、判定対象被写体の特徴点を抽出する際 に特徴点の高さを算出したり、他物体遮蔽判定部 140がカメラと特徴点を結ぶ線分 に沿って線分より高さの高いポイントを探索したりする際に、建造物 ·地表高さマップ 情報 11 Obの建造物こみ地表高さマップ情報 11 Obaを利用する力 その時に高さマ ップ補正情報 310aを突合せ、高さマップ補正情報 310aによって所定領域の情報が 、修正されている場合には、高さマップ補正情報 310aに含まれる情報を優先させる
[0114] 高さマップ補正処理部 330は、表示処理部 160が表示した映像データの他物体遮 蔽指標に対する応答を受付け、受付けた応答に応じて高さマップ補正情報 310aを 作成 ·更新する処理部である。
[0115] 具体的に、この高さマップ補正処理部 330は、表示処理部 160が表示した映像デ ータの他物体遮蔽指標が間違って 、る旨の情報 (応答)を入力装置 40から取得した 場合には、当該映像データを撮影したカメラ位置と判定対象被写体との間の領域に かかわる建造物 ·地表高さマップ情報 110bが変化したと判定する。
[0116] そして、高さマップ補正処理部 330、例えば、図 19の左側で説明したように、遮蔽 物体発生が疑われるエリアをある程度特定できた場合には、当該エリアに関する情 報を高さマップ補正情報 310aに書き込む。この場合は、「種別」を「発生」に設定し、
推測される範囲を「MBR (MIN)経度緯度」および「MBR (MAX)経度緯度」に登録 する。
[0117] また、変化が予測される時期に関しては、例えば、図 19の左側の例では、時期 T1 〜T3に変化したと推定できるため、時期 T1を「変化発生推定時期 (ΜΙΝ)」に登録し 、時期 Τ3を「変化発生推定時期 (MAX)」に登録する (Tl < T2 < T3の場合)。
[0118] また、図 19の右側で説明したように、遮蔽物体消滅が疑われるエリアをある程度特 定できた場合には、当該エリアに関する情報を高さマップ補正情報 310aに書き込む 。この場合は、「種別」を「消滅」に設定し、推測される範囲を「MBR(MIN)経度緯度 」および「MBR (MAX)経度緯度」に登録する。
[0119] 続いて、変化が予期される時期に関しては、例えば、図 19の右側の例では、時期 T 4〜T6に変化したと推定できるため、時期 Τ4を「変化発生推定時期 (ΜΙΝ)」に登録 し、時期 Τ6を「変化発生推定時期 (MAX)」に登録する (T4く T5<T6の場合)。
[0120] 上述してきたように、本実施例 3における画像判定装置 30は、高さマップ補正処理 部 330が、表示処理部 160によって表示された映像データの他物体遮蔽指標にか 力わる応答を入力装置 40から受付け、この応答に、他物体遮蔽指標が間違っている 旨の情報が含まれている場合に、高さマップ補正情報 310aを作成'更新するので、 建造物 ·地表高さマップ情報を定期的に更新保守する必要がなくなり、コストを大幅 に削減することができる。
[0121] なお、実施例 3の例では、遮蔽物が完全に新規発生および消滅する例を示したが 、実際には建造物の改築等で、見えな力つた被写体の一部が見えたり隠れたりする ことも考えられる。この場合にも、撮影空間レベルでの重ね合わせではなぐそれぞ れの被写体特徴点群のどの部分が見えな 、と判定したものが誤りだったの力、などを 詳細に調べて、特徴点とカメラの線分同士の重なるエリアを求め、そのエリア算出の 元となった線分の高さより高いまたは、低いべきかを精査することで、エリアの高さ変 化をある程度推測することもできる。
産業上の利用可能性
[0122] 以上のように、本発明における画像判定方法、画像判定装置及び記録媒体は、複 数台のカメラ等を利用して所定の被写体を撮影し、撮影した各映像データの中から
最適な映像データを、ユーザに負担をかけることなく選択する必要のある画像判定シ ステムなどに対して有用である。