明 細 書
アルケニルを有するモノフッ素化テルフエニル化合物、液晶組成物およ び液晶表示素子
技術分野
[0001] 本発明は液晶表示素子用の材料として有用な新規液晶性化合物およびこの化合 物を含有する液晶組成物に関する。詳しくは低い粘性、他の液晶化合物との良好な 相溶性を持ち、加えて適切な大きさの屈折率異方性値および誘電率異方性値を有 し、液晶表示素子に使用した場合には印加電圧に対する急峻な電気光学特性を得 ることができる新規液晶性ィ匕合物およびこの化合物を含有する液晶組成物ならびに この液晶組成物を含有する液晶表示素子に関する。
背景技術
[0002] 従来から、 TN、 STN、 PC、 ECB、 OCB、 IPS, VAなどのモードで駆動するァクテ イブマトリックス (AM)型ある!/、はパッシブマトリックス(PM)型の液晶表示素子が開 発されているが、その液晶表示素子に用いられる液晶性ィ匕合物として、ァルケ-ルを 持つテルフエ-ル誘導体が種々合成されている。例えば、特許文献 1には、下記式( s— 1)で示される化合物およびその化合物を含む組成物が開示されている。また、特 許文献 2に下記式 (s— 2)および (s— 3)で示される化合物が、特許文献 3に下記式( s— 4)および (s— 5)で示される化合物が、特許文献 4に下記式 (s— 6)および (s— 7 )で示される化合物が、それぞれ開示されている。
[0003] しかし、式(3—1)ぉょび(3— 6)〜(3— 7)で示される化合物は粘性が高ぃ。また、 式 (s— 2)〜(s— 3)で示される化合物は化学的安定性が低い傾向にある。さらに、式 (s— 4)〜(s— 5)で示される化合物はスメクチック性が強く低温で結晶が析出する場 合がある。
(S-2)
SCN /
特許文献 2:欧州特許出願公開第 1126006号明細書
特許文献 3:特開平 11—43450号公報
特許文献 4:特開 2001— 11456号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
本発明の第一の目的は、熱および紫外線に対する安定性、適切な大きさの屈折率 異方性値、適切な大きさの誘電率異方性値、広い温度範囲のネマチック相、ならび に他の液晶性ィ匕合物との優れた相溶性を有し、かつ小さな粘度を有する液晶性ィ匕 合物を提供することである。本発明の第二の目的は、この液晶性ィ匕合物を含有し、ネ マチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、適切な屈折率異方性、 高 、比抵抗および低 ヽしき!ヽ値電圧を有し、かつ小さな粘度を有する液晶組成物を 提供することである。本発明の第三の目的は、この液晶組成物を含有し、広い使用 温度範囲、小さな消費電力、大きなコントラスト、低い駆動電圧、印加電圧に対する
急峻な電気光学特性および長 ヽ寿命を有し、かつ短!ヽ応答時間を有する液晶表示 素子を提供することである。
課題を解決するための手段
[0006] 前記課題を検討した結果、本発明者らは、テルフエ-ルの一端の 1, 4—フエ-レン 環にフッ素とアルケニルとを有する特定の化合物力 広い温度範囲のネマチック相、 大きな屈折率異方性値、高い化学的安定性、他の液晶性ィ匕合物との優れた相溶性 を有し、かつ非常に低い粘度を有することを見出した。さらに、本発明者らは、その化 合物を含有する液晶組成物力 作製される液晶表示素子は、広 、動作温度範囲を 有し、かつ短い応答時間を有することを見出した。
[0007] 本発明の要旨は下記の項 1から項 14のとおりである。
1. 一般式 (1)で表される化合物。
[0009] [一般式(1)中、 R1は水素または炭素数 1〜5のアルキルであり;
X1および X2は、一方が水素、他方がフッ素であり;
R2は水素またはメチルである。 ]
2. 一般式(1)において、 R2が水素である、項 1に記載の化合物。
3. 一般式(1)において、 X1がフッ素であり X2が水素である、項 1〜2に記載の化合 物。
4. 項 1〜3のいずれかに記載の化合物を少なくとも 1種類含有することを特徴とす る液晶組成物。
5. 一般式 (2)、(3)および (4)で表される化合物群力 選択される少なくとも 1つの 化合物をさらに含有する、項 4に記載の液晶組成物。
[0011] [一般式(2)〜(4)中、 R3は独立して、炭素数 1〜10のアルキルまたは炭素数 2〜10 のァルケ-ルであり、そのアルキルまたはァルケ-ルの任意の水素はフッ素で置き換 えられてもよく、そのアルキルにおいて任意の— CH—は— O で置き換えられても
2
よく;
X3は独立して、フッ素、塩素、 OCF 、— OCHF 、 一 CF 、— CHF 、 一 CH F、 一
3 2 3 2 2
OCF CHFまたは OCF CHFCFであり;
2 2 2 3
環 Aおよび環 Bは独立して、 1, 4ーシクロへキシレン、 1, 3 ジォキサン 2, 5 ジ ィルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい 1, 4 フエ-レンであり、環 C は 1, 4ーシクロへキシレンまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい 1, 4 フエ二レンであり;
Z1および Z2は独立して、―(CH ) —、― (CH ) ―、— COO—、— CF O—、— OC
2 2 2 4 2
F 一、—CH = CH または単結合であり;
2
L1および L2は独立して水素またはフッ素である。 ]
6. 一般式 (5)および (6)で表される化合物群力も選択される少なくとも 1つの化合 物をさらに含有する、項 4に記載の液晶組成物。
[0012] [化 4]
[0013] [一般式(5)および (6)中、 R4および R5は独立して、炭素数 1〜: L0のアルキルまたは 炭素数 2〜10のァルケ-ルであり、そのアルキルまたはァルケ-ルの任意の水素は フッ素で置き換えられてもよぐそのアルキルにおいて任意の CH は—O で置
2
き換免られてちょく;
X4は CNまたは C≡ C CNであり;
環 Dは 1, 4ーシクロへキシレン、 1, 4 フエ二レン、 1, 3 ジォキサン 2, 5 ジィ ルまたはピリミジン一 2, 5 ジィルであり、環 Eは 1, 4ーシクロへキシレン、ピリミジン - 2, 5 ジィルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい 1, 4 フエ-レン であり、環 Fは 1, 4ーシクロへキシレンまたは 1, 4 フエ-レンであり;
Z3は—(CH ) ―、— COO—、— CF O—、— OCF—または単結合であり;
2 2 2 2
L3、 L4および L5は独立して水素またはフッ素であり;
a、 bおよび cは独立して 0または 1である。 ]
7. 一般式 (7)、(8)、(9)、(10)および(11)のそれぞれで表される化合物の群か ら選択される少なくとも 1つの化合物をさらに含有する、項 4に記載の液晶組成物。
[0014] [化 5]
[一般式(7)〜(11)中、 R6は独立して、炭素数 1〜: L0のアルキルまたは炭素数 2〜1 0のァルケ-ルであり、そのアルキルまたはァルケ-ルの任意の水素はフッ素で置き 換えられてもよぐそのアルキルにおいて任意の— CH—は— O で置き換えられて
2
もよく;
R7は独立して、フッ素、炭素数 1〜10のアルキルまたは炭素数 2〜10のァルケ-ル であり、そのアルキルまたはァルケ-ルの任意の水素はフッ素で置き換えられてもよ ぐこのアルキルにおいて任意の CH—は—O で置き換えられてもよく;
2
環 Gおよび^ [は独立して、 1, 4ーシクロへキシレン、 1, 4 フエ-レンまたはデカヒド ロー 2, 6 ナフチレンであり;
Z4および Z5は独立して、—(CH ) COO または単結合であり;
2 2
L6、 L7、 L8および L9は独立して水素またはフッ素であって、 L6、 L7、 L8および L9の少 なくとも 2つはフッ素である。 ]
8. 一般式(12)、(13)および(14)で表される化合物群力 選択される少なくとも 1 つの化合物をさらに含有する、項 4に記載の液晶組成物。
[0016] [化 6]
[0017] [一般式(12)〜(14)中、 R8および R9は独立して、炭素数 1〜10のアルキルまたは 炭素数 2〜10のァルケ-ルであり、そのアルキルまたはァルケ-ルの任意の水素は フッ素で置き換えられてもよぐそのアルキルにおいて任意の CH は—O で置
2
き換免られてちょく;
環 Lは独立して、 1, 4ーシクロへキシレン、ピリミジン 2、 5 ジィノレ、 1, 4 フエニレ ン、 2 フノレオロー 1, 4 フエ二レン、 3 フノレオロー 1, 4 フエ二レンまたは 2, 5— ジフルオロフェニレンであり;
環 Kおよび環 Mは独立して、 1, 4ーシクロへキシレン、ピリミジンー2、 5 ジィノレ、 1, 4 フエ二レンまたは 2, 5 ジフルオロフェニレンであり;
Z6および Z7は独立して— C≡C一、 COO—、—(CH ) —、— CH = CH または
2 2
単結合である。 ]
9. 項 6に記載の一般式(5)および (6)のそれぞれで表される化合物の群力 選択 される少なくとも 1つの化合物をさらに含有する、項 5に記載の液晶組成物。
10. 項 8に記載の一般式(12)、(13)および(14)で表される化合物群力 選択さ れる少なくとも 1つの化合物をさらに含有する、項 5に記載の液晶組成物。
11. 項 8に記載の一般式(12)、(13)および(14)で表される化合物群力 選択さ れる少なくとも 1つの化合物をさらに含有する、項 6に記載の液晶組成物。
12. 項 8に記載の一般式(12)、(13)および(14)で表される化合物群力 選択さ れる少なくとも 1つの化合物をさらに含有する、項 7に記載の液晶組成物。
13. 少なくとも 1つの光学活性ィ匕合物をさらに含有する、項 4〜12のいずれかに記 載の液晶組成物。
14. 項 4〜 13のいずれかに記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
発明の効果
[0018] 本発明の化合物は、液晶性ィ匕合物として必要とされる、熱および紫外線に対する 安定性、適切な大きさの屈折率異方性値、適切な大きさの誘電率異方性値、広い温 度範囲のネマチック相、ならびに他の液晶性ィ匕合物との優れた相溶性を有し、さらに 小さな粘度も有する。本発明の液晶組成物は、ネマチック相の高い上限温度、ネマ チック相の低い下限温度、適切な大きさの屈折率異方性値、高い比抵抗および低い しきい値電圧を有し、さらに小さな粘度も有する。本発明の液晶表示素子は、広い使 用温度範囲、小さな消費電力、大きなコントラスト、低い駆動電圧、印加電圧に対す る急峻な電気光学特性および長い寿命を有し、さらに短い応答時間を有する。本発 明の液晶表示素子は、 TN、 STNなどの動作モードで駆動する液晶表示素子、例え ば TFT液晶表示素子として好適に使用できる。
発明を実施するための最良の形態
[0019] この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶性化合物は、ネマチッ ク相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有しな 、が液晶組 成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶表示素子は液晶表示パネルお よび液晶表示モジュールの総称である。ネマチック相の上限温度はネマチック相 等方相の相転移温度であり、そして単に上限温度と略すことがある。ネマチック相の 下限温度は、単に下限温度と略すことがある。一般式(1)で表わされる化合物をィ匕合 物(1)と略すことがある。この略記は一般式(2)などで表される化合物にも適用するこ と力 Sある。百分率で表したィ匕合物の量は液晶組成物の全質量に基づ 、た質量百分 率 (質量%)である。以下に本発明をさらに説明する。
[0020] 〔液晶性化合物(1)〕
まず、下記一般式 (1)で表される本発明の液晶性ィ匕合物を具体的に説明する。
[0021] [化 7]
[0022] 上記一般式(1)中、 R
1は水素または炭素数 1〜5のアルキルであり;
1および X
2は 一方が水素、他方がフッ素であり; R
2は水素またはメチルである。
[0023] 上記化合物(1)はテルフエニル化合物であり、そのテルフエニルの一端の 1, 4ーフ ェ-レン環にフッ素とァルケ-ルとを同時に有している。この化合物(1)は、液晶表示 素子が通常使用される条件下において、物理的および化学的に極めて安定であり、 さらに、他の液晶性化合物との相溶性がよい。この化合物(1)を含有する液晶組成 物は液晶表示素子が通常使用される条件下で安定である。この液晶組成物を低 ヽ 温度で保管しても、化合物(1)が結晶もしくはスメクチック相として析出することはない 。この化合物は、小さい粘度、適切な大きさの屈折率異方性値および適切な大きさの 誘電率異方性値を有する。
[0024] 化合物(1)の末端基、フッ素の置換位置を適切に選択することによって、屈折率異 方性、誘電率異方性、ネマチック相温度などの物性を任意に調整することが可能で ある。化合物(1)における好ましい末端基、フッ素の置換位置が、化合物(1)の物性 に与える効果を以下に説明する。
[0025] 化合物(1)の R1が、直鎖であるときは液晶相の温度範囲が広くそして粘度が小さい 。 R1が分岐鎖であるときは他の液晶性ィ匕合物との相溶性がよい。 R1が光学活性基で ある化合物は、キラルド一パントとして有用である。この化合物を液晶組成物に添カロ することによって、液晶表示素子に発生するリバース 'ツイスト'ドメイン(Reverse twist ed domain)を防止することができる。 R1が光学活性基でない化合物は液晶組成物の 成分として有用である。
[0026] より小さな粘度、高いネマチック相の上限温度を実現するためには、 R1が直鎖の基 であることが好ましい。また、液晶組成物にらせん構造を誘起するためには、 R1が光 学活性であることが好まし 、。
[0027] スメクチック相を出現しにくくするためには、 R1は、一 H、 一 CH 、 一 C H 、 一 C H 、
3 2 5 3 7
—C Hが好ましい。
4 9
[0028] R1がー Hの場合は、より広い温度範囲のネマチック相が得られる。
[0029] R1が— CHの場合は、良好な電気的特性が得られる。
3
[0030] R1が— C H 、 一 C Hの場合は、良好な相溶性が得られる。
[0031] 化合物(1)の R2は、水素またはメチル(一 CH )である。 R2が水素であるときは粘度
3
力 S小さぐ他の液晶性化合物との相溶性がよい。 R2カ チルであるときは液晶相の温 度範囲が広い。
[0032] 小さな粘度とするためには、 R2は水素が好ましい。また、小さな粘度とするためには 、 R2がー CHである場合には、 R2に隣接する C = C二重結合の平面を基準として、他
3
方の原子団に対して、立体配置がトランス (E)であることが好ま 、。
[0033] 小さい粘度と、他の液晶性ィ匕合物との高い相溶性を得るために、 R2は水素がさらに 好ましい。
[0034] 上記化合物(1)において、 X1および X2は一方が水素であり他方はフッ素である。 X1 力 Sフッ素であり X2が水素であるときは粘度が小さぐ他の液晶性ィ匕合物との相溶性が よい。一方、 X1が水素であり X2がフッ素であるときはネマチック相の上限温度が高い。
[0035] 以上のように、末端基、フッ素の置換位置を適当に選択することにより目的の物性 を有する化合物を得ることができる。したがって、化合物(1)は PC、 TN、 STN、 ECB 、 OCB、 IPS, VAなどのモードで駆動する液晶表示素子に用いられる液晶組成物 の成分として有用である。
[0036] 化合物(1)の好ましい例は、下記一般式(1— 1)で表される化合物である。これらの 化合物における R1および R2の記号の意味は、上記化合物(1)の場合と同一である。
[0037] 化合物(1)が化合物(1 1)である場合には、他の液晶性ィ匕合物との高い相溶性 を示す。
[0039] さらに好ましい例は、下記一般式(1— 2)で表される化合物である。これらの化合物 における R1の記号の意味は、上記化合物(1)場合と同一である。
[0040] 化合物(1)が化合物(1— 2)である場合には、粘度が小さぐ他の液晶性化合物と の高い相溶性を示す。
[0042] 本発明の化合物(1)は有機合成化学における手法を適切に組み合わせることによ り合成できる。出発物に目的の末端基および環構造を導入する方法は、オーガニッ クシンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック 'リアクション ズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリへンシブ 'オーガニック'シ ンセシス (Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実,!^ィ匕学 §苒座 (丸 善)などの成書に記載されて 、る。
[0043] テルフ 二ルイヒ合物である上記化合物(1)の合成方法の一例を以下説明する。以 下の説明において、 MSG1または MSG2は、少なくとも一つの環を有する 1価の有機 基である。また、複数の MSG1 (または MSG2)は、同一であってもよいし、異なっても よい。下記化合物(1A)は本発明の化合物(1)に相当する。
[0044] [化 10]
Pd(PPh3)4, aq. K2C03
MSG1— B(OH)2 + Hal― MSG2 ^ MSG1— MSG2
(15) (16) Hal = Br, I (1A)
Hal― MSG2
1) »-BuLi? 2) ZnCl2; 3) Pd(PPh3)4 (16) Hal = Br, I
MSG1— Hal ^ SG1-MSG2
(17) Hal ^ Br, I (1A)
[0045] 単結合の生成
ァリールホウ酸( 15)と公知の方法で合成される化合物( 16)とを、炭酸塩水溶液と テトラキス(トリフエ-ルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合 物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(17)に n —プチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、テトラキス(トリフエ-ルホスフィン) パラジウムのような触媒の存在下で化合物(16)を反応させることによつても合成され る。
次に一般式(1 a)で表される化合物にアルケニルを導入する方法の具体例を下記 のスキームに示す。ただし、下記反応経路において R
1
X
1、 X
2は化合物(1)の場
合と同一の意味である
[0046] [化 11]
( a)
1)〔 0 PPh3Br
Pd/C, H2
[0047] 上述した方法に準じてアルデヒド体( 1 a)を製造する。つ!ヽで、製造したアルデヒ ド体( 1— a)にァセタールのホスホ-ゥム塩とカリウム t -ブトキシド力も調製したイリ ドを作用させてォレフィン( 1 b)を製造する。
[0048] ォレフィン(1 b)にパラジウム炭素を触媒として水素添加を行った後、酸を作用さ せてァセタール保護基を外し、アルデヒド(1— c)に変換する。このアルデヒド(1— c) にリンイリドを反応させて、本発明の化合物(1)を製造することができる。
[0049] 〔液晶組成物〕
次に、本発明の液晶組成物をさらに説明する。この液晶組成物は、化合物(1)から 選択された少なくとも一つの化合物を 1〜99%の割合で含有する。この液晶組成物 は、さらに、上記一般式(2)〜( 14)で表される液晶性ィ匕合物を含有していてもよい。 液晶組成物を調製する場合には、化合物(1)の粘度、あるいは化合物(1)のネマチ ック相転移温度を考慮して成分を選択できる。
[0050] 上記液晶組成物の中でも、正の値の誘電率異方性を持ち、高 、信頼性を実現する AM型表示素子に好適に用いられる液晶性組成物を調製するという観点からは、化 合物(1)の群から選択された少なくとも 1つの化合物と、化合物(2)、(3)および (4) の群力 選択された少なくとも 1つの化合物とを含有する液晶組成物が好ましい。
[0051] また、上記液晶組成物の中でも、正に非常に大き!/、誘電率異方性を持ち、 STNモ ードで駆動する液晶表示素子に好適に用いられる液晶性組成物を調製すると!/、う観 点からは、化合物(1)の群から選択された少なくとも 1つの化合物と、化合物(5)およ び (6)の群から選択された少なくとも 1つの化合物とを含有する液晶組成物が好まし い。
[0052] さらに、上記液晶組成物の中でも、さらに正に大きい誘電率異方性を持ち、低いネ マチック相の下限温度を持つ液晶性組成物を調製するという観点力 は、化合物(1 )の群力 選択された少なくとも 1つの化合物と、化合物(2)、(3)および (4)の群から 選択された少なくとも 1つの化合物と、化合物(5)および (6)の群から選択された少な くとも 1つの化合物とを含有する液晶組成物が好ま 、。
[0053] また、これら液晶組成物の液晶相の温度範囲、粘度、屈折率異方性、誘電率異方 性、しきい値電圧などを調整する目的で、上記一般式(12)、(13)および(14)で表 される化合物群力 選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。
[0054] また、これら液晶組成物の物性をさらに調整する目的で、上記一般式 (7)〜(11) で表される化合物群力 選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。
[0055] これら液晶組成物は、 TNモードで駆動する AM型液晶表示素子、 STNモードで 駆動する液晶表示素子に適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物など の化合物をさらに含有してもよい。
[0056] 上記液晶組成物の中でも、化合物(1)の群力 選択された少なくとも 1つの化合物
と、化合物(2)、(3)および (4)の群力 選択された少なくとも 1つの化合物とを含有 する液晶組成物は、化合物(2)、 (3)および (4)は、誘電率異方性が正に大きいので 、 TNモードで駆動する AM型液晶表示素子に好適に用いられる。本発明の液晶組 成物において、これら化合物(1)〜 (4)の含有量は、通常 1〜99%であり、好ましく は 10〜97%、より好ましくは 40〜95%である。また、この液晶組成物にさらに、化合 物(12)、(13)または(14)をさらに添加する場合、この化合物(12)、(13)および(1 4)の合計の好ま U、量は 60%以下である。より好まし 、量は 40%以下である。
[0057] 上記組成物の中でも、化合物(1)の群力 選択された少なくとも 1つの化合物と、化 合物(5)および (6)の群力 選択された少なくとも 1つの化合物とを含有する液晶組 成物は、化合物(5)および (6)は、誘電率異方性が正に非常に大きいので、 STNモ ードで駆動する液晶表示素子に好適に用いられる。本発明の液晶組成物において、 これら化合物(1)、(5)および (6)の含有量は、通常 1〜99%であり、好ましくは 10〜 97%、より好ましくは 40〜95%である。この液晶組成物に化合物(12)、(13)または (14)をさらに添加する場合、この化合物(12)、(13)および(14)の合計の好ましい 量は 60%以下である。より好ま U、量は 40%以下である。
[0058] 上記液晶組成物の中でも、化合物(1)の群力 選択された少なくとも 1つの化合物 と、化合物(7)、 (8)、(9)、(10)および(11)の群力 選択された少なくとも 1つの化 合物とを含有する液晶組成物は、化合物(7)、(8)、(9)、(10)および(11)が、誘電 率異方性が負であるので、 VAモードで駆動する液晶表示素子に好適に用いられる 。本発明の液晶組成物において、これら化合物(1)、(7)、(8)、 (9)、 (10)および(1 1)の含有量は、好ましくは 80%以下、より好ましくは 40〜80%である。この液晶組成 物に化合物(12)、(13)または(14)をさらに添加する場合、この化合物(12)、 (13) および(14)の合計の好ましい量は 60%以下である。より好ましい量は 40%以下で ある。
[0059] 化合物( 12)、( 13)および( 14)の誘電率異方性は小さ!/、。化合物( 12)は粘度ま たは屈折率異方性を調整する目的で主に使用される。化合物(13)および(14)は上 限温度を上げて液晶相の温度範囲を広げる、または屈折率異方性を調整する目的 で使用される。化合物(12)、(13)および(14)の量を増加させると液晶組成物のしき
い値電圧が高くなり、粘度が小さくなる。したがって、液晶組成物のしきい値電圧の要 求値を満たす力ぎり多量に使用してもよい。
[0060] 上記化合物(2)〜(14)としては、具体的には、それぞれ、下記一般式(2— 1)〜( 2— 9)で表される化合物、下記一般式(3— 1)〜(3— 97)で表される化合物、下記 一般式 (4 1)〜 (4 34)で表される化合物、下記一般式(5— 1)〜(5— 56)で表 される化合物、下記一般式 (6— 1)〜(6— 3)で表される化合物、下記一般式(7— 1 )〜(7— 4)で表される化合物、下記一般式 (8— 1)〜(8— 6)で表される化合物、下 記一般式(9 1)〜(9 3)で表される化合物、下記一般式(10— 1)で表される化合 物、下記一般式(11 1)で表される化合物、下記一般式(12— 1)〜(12— 11)で表 される化合物、下記一般式(13— 1)〜(13— 21)で表される化合物および下記一般 式(14 1)〜( 14 6)で表される化合物が挙げられる。これら化合物における R3、 R R5、 R6、 R7、 R8、 R9、 X3および X4の記号の意味は、化合物(2)〜 4)におけるこ れら記号の意味と同一である。
[0061] [化 12- A]
[0062] [化 12- B]
〔 12C-
〔〕〔s0064121
[0066] [化 12— F]
[0068] [化 12 - H]
§§〔:- 12丄
[0070] [化 12- J]
§s00712—
[0073] 本発明の液晶組成物は、例えば、成分となる液晶性ィ匕合物を混合、加熱して調製 できる。また、本発明の液晶組成物は、その他公知の方法によっても調製できる。さら に、本発明の液晶組成物に添加物を加えて液晶組成物の物性を調整してもよ ヽ。
[0074] 例えば、ゲストホスト(GH)モードで駆動する液晶表示素子に本発明の液晶組成物 を使用する場合には、二色性色素が本発明の液晶組成物に添加される。この二色 性色素としては、メロシアニン色素、スチリル色素、ァゾ色素、ァゾメチン色素、ァゾキ シ色素、キノフタロン色素、アントラキノン色素、テトラジン色素などが挙げられる。
[0075] また、液晶にらせん構造を誘起して必要なねじれ角を与える場合には、キラルド一 パントが本発明の液晶組成物に添加される。このキラルド一パントとしては、下記式(
Op— 1)〜(Op— 13)で表される化合物が挙げられる。
上述のように、キラルド一パントを液晶組成物に添加すると、液晶のねじれのピッチ を調整できる。 TNモードで駆動する液晶表示素子 (例えば、 TFT型素子)に使用す る液晶組成物の好ましいピッチは 40〜200 μ mの範囲である。 STNモードで駆動す る液晶表示素子に使用する液晶組成物の好ま 、ピッチは 6〜20 μ mの範囲である 。 BTNモードで駆動する液晶表示素子に使用する液晶組成物の好ま 、ピッチは 1 . 5〜4 /ζ πιの範囲である。 PCモードで駆動する液晶表示素子に使用する液晶組成
物にはキラルド一パントを比較的多量に添加する。
[0078] また、ピッチの温度依存性を調整することなどを目的とし、上記キラルド一パントを 2 つ以上液晶組成物に添加してもよ ヽ。
[0079] 本発明の液晶組成物には、物性の調整などを目的としてその他公知の添加物が加 えられていてもよい。
[0080] 本発明の液晶組成物は、 PC、 TN、 STN、 BTN, ECB、 OCB、 IPS, VAなどのモ ードで駆動する液晶表示素子に使用できる。これらの液晶表示素子は駆動方式が P Mであってもよいしまたは AMであってもよい。また、この液晶組成物をマイクロカプ セル化して作製した NCAP (nematic curvilinear aligned phase)素子や、液晶組成物 中に三次元の網目状高分子を形成させた PD (polymer dispersed)素子、例えば PN ( polymer network)素子にも、本発明の液晶組成物は使用できる。
実施例
[0081] 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。し力しながら、本発明はこれら の実施例によって制限されない。得られたィ匕合物は NMRスペクトル、質量スペクトル などで構造を同定した。これらによる測定方法は後述する方法に従った。
[0082] — NMR分析:核磁気共鳴装置として、 DRX— 500 (ブルカーノィォスピン (株) 製)を用いて、測定を行った。サンプルが可溶な重水素化溶媒 (例えば、 CDC1 )に、
3 サンプルを溶解して測定用溶液を調製し、室温にて測定した。なお、 δ値のゼロ点 の基準物質にはテトラメチルシラン (TMS)を用いた。
[0083] ガスクロマトグラフ分析: GC— 14B型ガスクロマトグラフ(島津製作所製)を用いて、 測定を行った。キャリアーガスはヘリウム(2mlZ分)である。試料気化室を 280°Cに、 検出器 (FID)を 300°Cに設定した。測定用のカラムとしては、 Agilent Technologiesln c.製のキヤビラリカラム DB— 1 (長さ 30m、内径 0. 32mm、膜厚 0. 25 /z m;固定液 相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。サンプルをアセトンに溶解して 0. 1 質量%の測定用溶液を調製した。この溶液 1 1を試料気化室に注入した。測定は、 カラムを 180°Cで 2分間保持した後、 5°CZ分の割合で 280°Cまで昇温することにより 、行った。測定結果は、 C—R5A型 Chromatopac (島津製作所製)、またはその同等 品で記録し、クロマトグラムとして得た。得られたクロマトグラムには、サンプルに含ま
れる化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積が示されていた。
[実施例 1]
A" —(3 ブテュル)一 4 ェチル 2 一フルォロ一 [1,1' ;4' ,1 ]テルフエ ル(1— 1— 2)を下記に示す合成スキームに従って製造した。
[化 14]
(E- 1)
CHO
1) BrPh3P-CH3
2) i-BuOK
2— [2—(3 フルオローフエ-ル) ビュル ]ー[1、 3]ジォキソラン(E— 2)の製造 ジォキソラン一 2—ィル メチルトリフエ-ルホスホ-ゥムブロミド 8. 3g (19. 3mmo
1)および THF30mlの懸濁液を 30°Cに冷却した。この懸濁液に t BuOK 2. 2g (19. 3mmol)を添カロした。 30°Cで 15分撹拌した後、(E— 1) 2. 0g (16. lmmol )の THFlOml溶液を、—30°C以下に保ちながら、滴下した。 30°Cで 5時間撹拌し た後、得られた液を 0°Cまで昇温し、水 30mlを滴下した。トルエン 50mlで抽出した後 、トルエン抽出液を水洗した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧下にこの抽出 液から溶媒を留去し、残渣 11. 2gを得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー (溶離液:トルエン)で精製し、(E— 2) 2. 7gを得た。
[0086] 2— [2—(3 フルオローフエ-ル) ェチル ]ー[1、 3]ジォキソラン(E— 3)の製造 上記操作で得た(E— 2) 2. 7g (13. 9mmol)、 5% -Pd/C 0. 3gおよびトルェ ン 30mlの混合物を水素雰囲気下、 6時間撹拌して反応させた。反応終了後、触媒を 濾過により除き、得られた反応液から減圧下で溶媒を留去し、残渣 2. 8gを得た。こ の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶離液:トルエン)で精製し、(E— 3) 2. 6gを得た。
[0087] 2- [2- (3 フノレオ口一 4 ョード一フエ-ノレ)一ェチル]— [1、 3]ジォキソラン(E
4)の製造
上記操作で得た(E— 3) 2. 6g (13. 3mmol)の THF30ml溶液に、 Sec— BuLi 14. 6ml (14. 6mmol)を、 60°C以下に保ちながら、滴下した。—60°Cで 1時間撹 拌した後、ヨウ素 3. 9g (15. 2mmol)の THF25ml溶液を、—60°C以下に保ちな がら、この液に滴下した。 60°Cで 30分撹拌した後、得られた液を 0°Cまで昇温し、 水 15mlを滴下した。トルエン 30mlで抽出した後、トルエン抽出液を希チォ硫酸ナト リウム溶液および水で洗浄した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧下にこの抽 出液力 溶媒を留去し、 (E-4) 3. 3gを得た。
[0088] 2- [2- (4"ーェチルー 2 フルオロー [1, 1';4', 1"]テルフエ-ルー 4 ィル)ーェ チル ]ー[1、 3]ジォキソラン (E— 5)の製造
上記操作で得た(E— 4) 3. 3g ( 10. 2mmol)、 4, ェチルビフエ-ル 4 ィル ジヒドロキシボラン 2. 8g (12. 3mmol)、炭酸カリウム 3. 2g (15. 4mmol)、 5% -Pd/C 0. 2gおよびトルエン Zエタノール Z水(lZlZl = 50ml)の混合物を 6 時間還流させ、反応液を得た。触媒を濾過により取り除いた後、この反応液にトルェ
ン 50mlをカ卩え、水洗した。水洗した反応液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、減 圧下に反応液から溶媒を留去し、残渣 6. 4gを得た。この残渣をシリカゲルカラムクロ マトグラフィー (溶離液:トルエン Z酢酸ェチル = 15ZDで精製し、 (E- 5)の粗結 晶 3. lgを得た。この粗結晶をエタノール Z酢酸ェチル (8Z2)混合液に溶解した後 、再結晶させ、(E— 5)の精製結晶 2. 4gを得た。
[0089] 3—(4"ーェチルー 2 フルオロー [1,1';4',1"]テルフエ-ルー 4 ィル) プロピオ ンアルデヒド(E— 6)の製造
上記操作で得た(E— 5) 2. 4g (6. 4mmol)、蟻酸 15mlおよびトルエン 50mlの混 合物を 3時間還流させ、反応液を得た。この反応液に水 30mlを加え、水洗した。水 洗した反応液を、さらに希炭酸水素ナトリウム溶液、水で洗浄した。無水硫酸マグネ シゥム上で乾燥後、減圧下に得られた溶液力 溶媒を留去し、(E— 6) l. 9gを得た
[0090] 4"一(3 ブテュル)ー4ーェチルー 2 "—フルオロー [1,1';4',1"]テルフエ-ル(1 1 2)の製造
メチルトリフエ-ルホスホ-ゥムブロミド 2. 5g (7. lmmol)および THF20mlの懸 濁液を—10°Cに冷却した。この懸濁液に t—BuOK 0. 8g (7. lmmol)を添カ卩した 。—10°Cで 1時間撹拌した後、上記操作で得た (E— 6) 1. 9g (5. 7mmol)の THF1 Oml溶液を、—10°C以下に保ちながら、滴下した。得られた液を— 10°Cで 1時間撹 拌した後、希塩酸 20mlを滴下した。トルエン 50mlで抽出した後、トルエン抽出液を 水洗した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧下にこの抽出液から溶媒を留去 し、残渣 5. 2gを得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタ ン Zトルエン =4Zl)で精製し、(E— 7)の粗結晶 1. 7gを得た。この粗結晶をェタノ ール Z酢酸ェチル (9Z1)混合液に溶解した後、再結晶させ、(1 1 2)の精製結 晶 1. 2gを得た。相転移温度は C 90. 9 N 144. 3 Isoであった。
[0091] (1 1 2)の物性値は下記組成例の項に記載した様に、 15質量%の化合物およ び 85質量%の母液晶を混合することによって試料を調製し、測定によって得られた 値力も外揷法によって算出した。外揷値 = (試料の測定値— 0. 85 X母液晶の測定 値) Z0. 15。物性値は、 NI= 109. 7°C, Δ ε = 7. 4, Δ η=0. 257, η = 19
. 7mPa'sである。
[実施例 2]
A" —(3 ブテュル)一 4 ェチル 3 一フルオロー [1,1' ;4' ,1 ]テルフエ- ル( 1— 2— 2)を下記に示す合成スキームに従つて製造した。
[化 15]
1) BrPh3P-CH3
" ェチル 3 フルォロ [1 , 1 ' ;4' , 1 ' ']テルフエ-ル(E— 8)の製造 —ブロモ—4,—ェチルビフエ-ル 5. 6g (21. 4mmol)、 3—フルオロフェ-ル
ヒドロキシボラン 3. 6g (25. 7mmol)、炭酸カリウム 4. 4g (32. 2mmol)、 5%— P d/C 0. 3gおよびトルエン Zエタノール Z水(lZlZl = 60ml)の混合物を 6時間 還流させ、反応液を得た。触媒を濾過により除いた後、この反応液にトルエン 50mlを 加え、水洗した。水洗した反応液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧下に反 応液から溶媒を留去し、残渣 8. 6gを得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー (溶離液:ヘプタン Zトルエン =4Zl)で精製し、(E— 8)の粗結晶 5. lgを得た。 この粗結晶をエタノール Z酢酸ェチル(10Z1)混合液に溶解した後、再結晶させ、 ( E— 8)の精製結晶 4. 5gを得た。
[0094] 4" ェチル 3 フルォロ [1 , 1 ' ;4' , 1 ' ']テルフエ-ル 4 カルボアルデヒド(E
9)の製造
上記操作で得られた(E— 8) 4. 5g (16. 3mmol)の THF50ml溶液に、 Sec— Bu Li 17. 9ml (17. 9mmol)を、—60°C以下に保ちながら、滴下した。 60°Cで 1時 間撹拌した後、ジメチルホルムアミド 1. 37g (18. 7mmol)の THFlOml溶液を、 — 60°C以下に保ちながら、滴下した。 60°Cで 30分撹拌した後、得られた液を 0°C まで昇温し、希塩酸 15mlを滴下した。トルエン 30mlで抽出した後、トルエン抽出液 を希炭酸水素ナトリウム溶液および水で洗浄した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥 後、減圧下にこの抽出液力も溶媒を留去し、残渣 4. 6gを得た。この残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー (溶離液:トルエン Z酢酸ェチル =20Zl)で精製し、(Ε— 9) 3. 6gを得た。
[0095] 2— [2—(4"ーェチルー 3 フルオロー [1, 1';4', 1"]テルフエ-ルー 4 ィル)ービ- ル ]ー[1、 3]ジォキソラン (E— 10)の製造
ジォキソラン一 2—ィル メチルトリフエ-ルホスホ-ゥムブロミド 6. lg (14. 2mmo 1)および THF30mlの懸濁液を 30°Cに冷却した。この懸濁液に t BuOK 1. 6g (14. 2mmol)を添カ卩した。—30°Cで 15分撹拌した後、上記操作で得られた (E— 9 ) 3. 6g (l l . 8mmol)の THF20ml溶液を— 30°C以下に保ちながら、滴下した。—3 0°Cで 5時間撹拌した後、得られた液を 0°Cまで昇温し、水 30mlを滴下した。トルエン 50mlで抽出した後、トルエン抽出液を水洗した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥後 、減圧下にこの抽出液力も溶媒を留去し、残渣 10. 6gを得た。この残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー (溶離液:トルエン)で精製し、(E— 10)3. 9gを得た。
[0096] 2-[2- (4"ーェチルー 3 フルオロー [1,1';4',1"]テルフエ-ルー 4 ィル)
チル] [1 3]ジォキソラン (E— 11)の製造
上記操作で得られた(E 10) 3. 9g(10.4mmol 5% PdZC 0. 3gおよびト ルェン 50mlの混合物を水素雰囲気下、 6時間撹拌して反応させた。反応終了後、触 媒を濾過により除き、減圧下に得られた反応液から溶媒を留去し、残渣 3. 7gを得た 。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶離液:トルエン)で精製し、(E— 11 )3. 5gを得た。
[0097] 3—(4"ーェチルー 3 フルオロー [1,1';4',1"]テルフエ-ルー 4 ィル) プロピオ ンアルデヒド(E— 12)の製造
上述の (E— 6)の製造法に従って (E— 12) 2. 8gを得た。
[0098] A" —(3 ブテュル)一 4 ェチル 3 一フルオロー [1,1' ;4' ,1 ]テルフエ- ル(1 2— 2)の製造
上述の(1— 1— 2)の製造法に従って(1— 2— 2)1. 6gを得た。相転移温度は C 9 0 S 124.4 S 155. 3 S 187. 6 Isoであった。
E B A
[0099] 物性値は下記組成例の項に記載した様に、 15質量%の化合物および 85質量% の母液晶を混合することによって試料を調製し、測定によって得られた値カゝら外揷法 によって算出した。外揷値 = (試料の測定値一 0.85 X母液晶の測定値) Z0.15 物性値は、 NI=132. 7°C, Δ ε =6.4, Δη=0. 267, η = 20. OmPa'sで ある。
[0100] 化合物の物性値を表 1に示す。物性値は上記実施例 1と同様にして測定した。
[0102]
X
1および X
2の記号の意味は、化合物(1)におけるこれら記号の 意味と同一である。
[0103] [表 1]
本発明の代表的組成の一例を以下に示す。物性値の測定方法は後述する方法に つ 7こ。
[組成例 1]
4つの化合物を混合して、ネマチック相を有する液晶組成物 A (母液晶)を調製した
。 4つの化合物は、 4一(4一プロビルシクロへキシル)ベンゾ-トリル(24 4一(4 ペンチルシクロへキシル)ベンゾ-トリル(36 4一(4一へプチルシクロへキシ ル)ベンゾ-トリル(25%)、 4— (4 ペンチルシクロへキシル) 4,一シァノビフエ- ル(15%)である。
[0105] 液晶組成物 Aの物性値は次のとおりであった。上限温度 (NI) = 71. 7°C ;粘度( 7?
屈折率異方性( 11) =0. 137 ;誘電率異方性(Δ ε ) = 11. 0。
[0106] この液晶組成物 Αに実施例 1に記載の 4 一(3 ブテュル)ー4ーェチルー 2 フルォロ [1,1' ;4' ,1" ]テルフエ-ル(1— 1— 2)を 15質量0 /0添カ卩して物性値を 測定した。その結果、上限温度 (NI) =80. 3で;屈折率異方性(厶11) =0. 155 ;誘 電率異方性(Δ ε ) = 10. 8であった。
[比較例 1]
[0108] 既知化合物(C— 1)の性貧は Mol. Cryst. Liq. Cryst., 123, 185 (1985 Mol. Cryst . Liq. Cryst., 366, 125 (2001)および欧州特許出願公開第 0132377号明細書に開 示されており、その相転移温度は C 180 S 200 S 214 S 218 Isoである
E B A
。 (C—1)の構造から予測されるように、融点は 180°Cと極めて高い。この様な左右の 両末端基がアルキルであるテルフエ-ルイ匕合物を、液晶表示素子に用いる液晶組成 物に含有させた場合、その液晶組成物の物性値は粘度が大幅に増大し、低温でこ の化合物が結晶もしくはスメクチック相として析出するため相溶性に劣ることが予想さ れる。よって、(C—1)と本願発明化合物(1)とは大きな対照をなす。
[0109] [比較例 2]
組成例 1に記載した液晶組成物 Aの 85%と (C— 2) 15%とからなる液晶組成物を 調製し、物性値を測定によって得られた値力も外揷法によって算出した。その物性値
は、 NI=109. 7°C, Δ ε =5. 6, Δη=0. 230, η =27. 8mPa-sである。こ の値は(1 1 2)の物性値と比較して、 NI点が低ぐ屈折率異方性が小さぐ粘度 が大きい。
[比較例 3]
[0113] 組成例 1に記載した液晶組成物 Aの 85%と特許文献 3に開示されたィ匕合物(C— 3 ) 15%とからなる液晶組成物を調製し、物性値を測定によって得られた値カゝら外揷法 によって算出した。その物性値は、 NI=121. 7°C, Δ ε =6. 3, Δη=0. 250, η =19. 7mPa'sである。この値は(1— 1—2)の物性値と比較して、粘度は同等で あるが、 NI点が低ぐ屈折率異方性が小さい。
[比較例 4]
[0115] 組成例 1に記載した液晶組成物 Aの 85%と特開 2001— 11456号公報に開示され た化合物 (C— 4) 15%とからなる液晶組成物を調製し、物性値を測定した。その構 造から予想されるように、(C 4)はスメクチック性が強ぐ低温でこの化合物が結晶も しくはスメクチック相として析出した。
[0116] 本発明の代表的な液晶組成物を組成物例 2〜17にまとめた。最初に、液晶組成物 の成分である化合物とその量 (質量%)を示した。化合物は表 2の取り決めに従い、 左末端基、フッ素の置換位置および右末端基の記号によって表示した。末端基の記 号がない場合は、末端基が水素であることを意味する。次に液晶組成物の物性値を 示した。
[0117] [表 2]
記号を用いた化合物の表記方法
[0118] 特性値の測定は下記の方法にしたがって行うことができる。それらの多くは、 日本 電子機械工業会規格 (Standard of Electric Industries Association of Japan; EIAJ 'E D— 2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法である。測定に用いた T N素子には、 TFTを取り付けな力つた。
[0119] 転移温度 (°C):次の 、ずれかの方法で測定した。 1)偏光顕微鏡を備えた融点測
定装置のホットプレート (メトラー社 FP— 52型ホットステージ)に試料を置き、 1°CZ分 の速度で加熱した。試料が相変化したときの温度を測定した。 2)パーキンエルマ一 社製走査熱量計 DSC— 7システムを用い 3°CZ分速度で測定した。
[0120] 結晶は Cと表した。結晶の区別がつく場合は、それぞれ Cまたは Cと表した。スメク
1 2
チック相は Sと表した。液体 (ァイソトロピック)は Isoと表した。ネマチック相は Nと表し た。スメクチック相の中で、スメクチック B相、スメクチック C相またはスメクチック A相の 区別がつく場合は、それぞれ S 、 Sまたは Sと表した。転移温度の表記として、「C
B C A
92. 9 N 196. 9 Iso」とは、結晶力 ネマチック相への転移温度(CN)が 92. 9°C であり、ネマチック相力も液体への転移温度(NI)が 196. 9°Cであることを示す。他の 表記も同様である。
[0121] ネマチック相の上限温度 (NI;°C):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレ ートに試料を置き、 1°CZ分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方 性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と 略すことがある。
[0122] ネマチック相の下限温度 (T ;°C):ネマチック相を有する試料を 0°C、 一 10°C、 一 2
C
0°C、— 30°Cおよび— 40°Cのフリーザー中に 10日間保管したあと、液晶相を観察し た。例えば、試料が 20°Cではネマチック相のままであり、 30°Cでは結晶(または スメクチック相)に変化したとき、 Tを≤—
C 20°Cと記載する。ネマチック相の下限温度 を「下限温度」と略すことがある。
[0123] 化合物の相溶性:類似の構造を有する幾つかの化合物を混合してネマチック相を 有する母液晶を調製した。測定する化合物とこの母液晶とを混合した液晶組成物を 得た。混合する割合の一例は、 15%の化合物と 85%の母液晶である。この液晶組 成物を— 20°C、—30°Cのような低い温度で 30日間保管した。この液晶組成物の一 部が結晶(またはスメクチック相)に変化した力否かを観察した。必要に応じて混合す る割合と保管温度とを変更した。このようにして測定した結果から、結晶(またはスメク チック相)が析出する条件および結晶(またはスメクチック相)が析出しない条件を求 めた。これらの条件が相溶性の尺度である。
[0124] 粘度( 7? ; 20°Cで測定; mPa's):測定には E型回転粘度計を用いた。
[0125] 回転粘度(γ 1 ; 25°Cで測定; mPa' s)
1)誘電率異方性が正である試料:測定は M. Imai et al., Molecular Crystals and Li quid Crystals, Vol. 259, 37 (1995)に記載された方法に従った。ツイスト角が 0° であ り、そして 2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が 5 mである TN素子に試料を入 れた。 TN素子に 16ボルトから 19. 5ボルトの範囲で 0. 5ボルト毎に段階的に印加し た。 0. 2秒の無印加のあと、ただ 1つの矩形波(矩形パルス; 0. 2秒)と無印加(2秒) の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流 (transient current) のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値と M. Imaiらの論文、 40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な 誘電率異方性の値は、この回転粘度の測定で使用した素子にて、下記の誘電率異 方性の測定方法で求めた。
[0126] 2)誘電率異方性が負である試料:測定は M. Imai et al., Molecular Crystals and Li quid Crystals, Vol. 259, 37 (1995)に記載された方法に従った。 2枚のガラス基板の 間隔(セルギャップ)力 ¾0 μ mの VA素子に試料を入れた。この素子〖こ 30ボルト力ら 5 0ボルトの範囲で 1ボルト毎に段階的に印加した。 0. 2秒の無印加のあと、ただ 1つの 矩形波(矩形パルス; 0. 2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加に よって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時 間(peak time)を測定した。これらの測定値と M. Imaiらの論文、 40頁の計算式(8)と から回転粘度の値を得た。この計算に必要な誘電率異方性は、下記の誘電率異方 性で測定した値を用いた。
[0127] 屈折率異方性(A n; 25°Cで測定):測定は、波長 589nmの光を用い、接眼鏡に偏 光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビン グ (rubbing)したあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率 (n || )は偏光の方向がラ ビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率 (n丄)は偏光の方向がラビングの 方向と垂直であるときに測定した。屈折率異方性の値は、 Δ η=η II — η丄、の式から 計算した。試料が液晶組成物のときはこの方法によって屈折率異方性を測定した。 試料が化合物のときは、化合物を適切な液晶組成物に混合したあと屈折率異方性を 測定した。化合物の屈折率異方性は外揷値である。
[0128] 誘電率異方性( Δ ε ; 25°Cで測定):試料が化合物のときは、化合物を適切な液晶 組成物に混合したあと誘電率異方性を測定した。化合物の誘電率異方性は外揷値 である。試料が液晶組成物のときは、以下のように測定した。
[0129] 1)誘電率異方性が正である液晶組成物: 2枚のガラス基板の間隔 (ギャップ)が約 9
^ m,ツイスト角が 80度の液晶セルに試料を入れた。このセルに 20ボルトを印加して 、液晶分子の長軸方向における誘電率( ε II )を測定した。 0. 5ボルトを印加して、 液晶分子の短軸方向における誘電率 丄)を測定した。誘電率異方性の値は、 Δ ε = ε II - ε丄、の式力 計算した。
[0130] 2)誘電率異方性が負である液晶組成物:ホメオト口ピック配向に処理した液晶セル に試料を入れ、 0. 5ボルトを印加して誘電率( ε II )を測定した。ホモジ-ァス配向に 処理した液晶セルに試料を入れ、 0. 5ボルトを印加して誘電率( ε丄)を測定した。 誘電率異方性の値は、 Δ ε = ε II — ε丄、の式力 計算した。
[0131] しきい値電圧 (Vth ; 25°Cで測定; V):試料が化合物のときは、化合物を適切な液 晶組成物に混合したあとしきい値電圧を測定した。化合物のしきい値電圧は外揷値 である。試料が液晶組成物のときは、以下のように測定した。
[0132] 1)誘電率異方性が正である液晶組成物: 2枚のガラス基板の間隔 (ギャップ)が(0 . 5/ Δ η) mであり、ツイスト角が 80度である、ノーマリーホワイトモード(normally w hite mode)の液晶表示素子に試料を入れた。 Δ ηは上記の方法で測定した屈折率 異方性の値である。この素子に周波数が 32Hzである矩形波を印加した。矩形波の 電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率が 90%になったときの電圧の値を測定 した。
[0133] 2)誘電率異方性が負である液晶組成物: 2枚のガラス基板の間隔 (ギャップ)が約 9 μ mであり、ホメオト口ピック配向に処理したノーマリーブラックモード(normally black mode)の液晶表示素子に試料を入れた。この素子に周波数が 32Hzである矩形波を 印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率 10%になったとき の電圧の値を測定した。
[0134] 電圧保持率 (VHR; 25°Cで測定;%):測定に用いた TN素子はポリイミド配向膜を 有し、そして 2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は 6 μ mである。この素子は試料
を入れたあと紫外線によって重合する接着剤で密閉した。この TN素子にパルス電圧 (5Vで 60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で 16. 7ミリ 秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積 Aを求めた。面 積 Bは減衰しなカゝつたときの面積である。電圧保持率は面積 Bに対する面積 Aの百 分率である。
[0135] らせんピッチ(20°Cで測定; μ m):らせんピッチの測定には、カノのくさび型セル法 を用いた。カノのくさび型セルに試料を注入し、セルカゝら観察されるディスクリネーショ ンラインの間隔(a ;単位は/ z m)を測定した。らせんピッチ(P)は、式13 = 2 ' & &11 0 から算出した。 Θは、くさび型セルにおける 2枚のガラス板の間の角度である。
[0136] 成分または液晶性ィ匕合物の割合 (百分率)は、液晶性ィ匕合物の全質量に基づ!、た 質量百分率 (質量%)である。液晶組成物は、液晶性ィ匕合物などの成分の質量を測 定して力 混合することによって調製される。したがって、成分の質量%を算出するの は容易である。
[0137] 特性値の測定において、化合物単体をそのまま試料として用いる場合、化合物を 母液晶に混合し試料として用いる場合、そして液晶組成物をそのまま試料として用い る場合の 3通りの方法がある。化合物を母液晶に混合する場合は、次の方法をとる。 15質量%の化合物および 85質量%の母液晶を混合することによって試料を調製し た。測定によって得られた値力も外揷法によって化合物の特性値を算出した。外挿 値 = (試料の測定値—0. 85 X母液晶の測定値) ZO. 15。この割合でスメクチック相 (または結晶)が 25°Cで析出するときは、化合物と母液晶の割合を 10質量%: 90質 量%、 5質量%: 95質量%、 1質量%: 99質量%の順に変更した。
[0138] 測定で得られた値のうち、化合物単体をそのまま試料として用い得られた値と、液 晶組成物をそのまま試料として用いて得られた値は、そのままの値を実験データとし て記載する。化合物を母液晶に混合し試料として用い得られた値は、そのままの値を 実験データとして記載する場合もあるし、外挿法で得られた値を記載する場合もある
[0139] 試料を希釈するための溶媒は、クロ口ホルム、へキサンなどを用いてもよい。成分ィ匕 合物を分離するために、次のキヤビラリカラムを用いてもよい。 Agilent Technologies I
nc.製の HP— 1 (長さ 30m、内径 0. 32mm,膜厚 0. 25 m)、 Restek Corporation 製の Rtx— 1 (長さ 30m、内径 0. 32mm,膜厚 0. 25 m)、 SGE International Pty. Ltd製の BP—1 (長さ 30m、内径 0. 32mm、膜厚 0. 25 m)。化合物ピークの重な りを防ぐ目的で島津製作所製のキヤビラリ一力ラム CBP1— M50— 025 (長さ 50m、 内径 0. 25mm、膜厚 0. 25 m)を用いてもよい。ガスクロマトグラムにおけるピーク の面積比は成分ィ匕合物の割合に相当する。成分ィ匕合物の質量%は各ピークの面積 比と完全には同一ではない。しかし、本発明においては、これらのキヤビラリカラムを 用いるときは、成分ィ匕合物の質量%は各ピークの面積比と同一であると見なしてよい 。成分ィ匕合物における補正係数に大きな差異がないからである。
[組成例 2]
1 -BBB (2F) - 2V1 10%
2-BEB (F)— C 5°/
3-BEB (F)— C 4°/
4-BEB (F)— C 12°/
1V2-BEB (F, F)— C 12°/
3-HB-02 8C
3-HH-4 3^
3-HHB-F 3«
3-HHB- 1 4(
3-HHB-Ol 4
3-HBEB-F 4C
3-HHEB-F T
5-HHEB-F T
3-H2BTB- 2 4°
3-H2BTB- 3 4°
3-H2BTB-4 4°
3-HB (F)TB- 2 5°/
[組成例 3]
2-BBB(2F)-2V 7%
3 -BBB (F)-2V 3%
2-HB-C 5%
3-HB-C 12%
3-HB-02 14%
3— HHB— 1 8%
3— HHB— Ol 5°A
3— HHB— 3 13%
3-HHEB-F 4%
5-HHEB-F 4%
2 -HHB (F)— F 4%
3 -HHB (F)— F 4%
5— HHB(F)— F 5%
3— HHB (F, F)— F 5%
[組成例 4]
3-BBB(2F)-2Vl 8%
3 -BEB (F)-C 8%
1V-HB-C 8%
3-HB-02 3%
3-HH-2V 12%
3-HH-2V1 6%
V2-HHB-1 10%
3— HHB— 1 5%
3-HHEB-F 7°/c
3-H2BTB-2
3-H2BTB-3
3- H2BTB-4 [組成例 5]
1 BBB (F)-2V1 5 -BEB (F)— C V-HB-C
5-PyB-C
4- BB-3
3-HH-2V
5- HH-V
V— HHB— 1 V2-HHB-1 3— HHB— 1 1V2-HBB-2 3 -HHEBH -3 [組成例 6]
2- BBB(2F)-2V 1V2-BEB(F, F)-
3- HB-C
2— BTB— 1 5-HH-VFF 3— HHB— 1 VFF - HHB -1 VFF2-HHB-1 3-H2BTB-2 3-H2BTB-3 3-H2BTB-4
NI = 83.8°C; Δη=0.143; Δ ε =6.9; η =13.2mPa-s.
[組成例 7]
1一 BBB(2F)—2V 3%
3— BBB (F)-2V1 5%
5-HB-CL 16%
3— HH— 4 12%
3-HH-5 4%
3-HHB-F 4%
3-HHB-CL 3%
4-HHB-CL 4%
3-HHB (F)— F 8%
4-HHB (F)-F 7%
5-HHB (F)— F 7%
7-HHB (F)— F 6%
5-HBB (F)-F 4% lOl— HBBH— 5 3%
3-HHBB (F, F)— F 2%
-HHBB (F, F)— F 3%
5-HHBB (F, F)— F 3%
3-HH2BB (F, F)— F 3%
-HH2BB (F, F)— F 3%
[組成例 8]
2— BBB(2F)— 2V 6%
-HHB (F, F)— F 8%
-H2HB (F, F)— F 8%
-H2HB (F, F)-F 8% — H2HB(F, F)— F 8%
-HBB (F, F)-F 20%
5-HBB (F, F)-F 18%
3-H2BB (F, F)-F 8%
5 -HHBB (F, F)-F 3%
5 - HHEBB -F 3%
3-HH2BB (F, F) -F 2% lOl— HBBH— 4 4% lOl— HBBH— 5 4%
NI=102. 1°C; Δη=0. 125; Δ 8.8; η =34. OmPa-s.
[組成例 9]
3-BBB(2F)-2Vl 10%
5- HB-F 12%
6- HB-F 9%
7- HB-F 7%
2- HHB-OCF3 7%
3- HHB-OCF3 7%
4- HHB-OCF3 7%
5- HHB-OCF3 5%
3-HH2B-OCF3 4%
5-HH2B-OCF3 4%
3-HHB(F, F)— OCF2H 4%
3— HHB (F, F)— OCF3 5%
3— HH2B(F)— F 3%
3-HBB(F)-F 5%
5-HBB (F)-F 5%
5— HBBH— 3 3%
3— HB(F)BH— 3 3%
[組成例 10]
1-BBB(2F)-2V 6%
5-HB-CL 11°/
3— HHB (F, F)— F 8%
3-HBB(F, F) -F 18%
5 -HBB (F, F) -F 12%
3— HHEB (F, F) -F 10%
4 -HHEB (F, F) -F 3%
5- HHEB (F, F) -F 3%
2-HBEB (F, F) -F 3%
3 -HBEB (F, F) -F 5%
5 -HBEB (F, F) -F 3%
3 -HHBB (F, F) -F 6%
[組成例 11]
2-BBB(2F) -2V 7%
3-H2HB-OCF3 5°/
5-H4HB-OCF3 12°/
V— HHB (F) -F 5%
3 -HHB (F)— F 5%
5 -HHB (F)— F 5%
3— H4HB(F, F) -CF3 8%
5-H4HB (F, F) -CF3 8%
5-H2HB (F, F)— F 5%
5-H4HB(F, F)— F 7%
2- H2BB (F)-F 3%
3- H2BB (F)-F 7%
3 -HBEB (F, F)-F 5%
I = 75.7°C; Δη=0.113; Δ 8.2; η =24. ImPa-s.
[組成例 12]
2- BBB(2F)-2V 8%
5-HB-CL 17%
7-HB (F, F)-F 3%
3- HH-4 10%
3-HH-5 5%
3-HB-02 12%
3— HHB— 1 7%
3— HHB— Ol 5%
2 - HHB (F)— F 6%
3 - HHB (F)— F 6%
5 -HHB (F)— F 6%
3 -HHB (F, F)— F 5%
3- H2HB (F, F)— F 5%
- H2HB (F, F)-F 5%
I = 75.3°C; Δη=0.088; Δ 3.0; η =14. ImPa-s. [組成例 13]
1-BBB(2F)-2V 8%
5- HB-CL 3%
7-HB (F)-F 7%
3-HH-4 9%
3— HH— EMe 15%
3— HHEB— F 8%
5— HHEB— F 8%
3- HHEB(F, F)-F 10%
4- HHEB(F, F)-F 5%
4- HGB(F, F)-F 5%
5- HGB(F, F)-F 6%
2— H2GB(F, F)— F 4%
3— H2GB(F, F)— F 5% 5-GHB(F, F)-F 7% [組成例 14]
2- BBB(2F)-2V 6%
1- BBB(2F)-2V 6%
3- HH-4 10% 3— HHB— 1 6% 3— HHB(F, F)— F 10% 3— H2HB(F, F)— F 10% 3-HBB(F, F)-F 35% lOl— HBBH— 5 7%
2- HHBB(F, F)-F 3%
3- HHBB(F, F)-F 3% 3— HH2BB(F, F)—F 4% [組成例 15]
- BBB(2F)-2V 8% - HH-4 5% -HH-5 5% -HH-Ol 6% -HH-03 6% -HB-Ol 5% -HB-02 5% -HB(2F, 3F)-02 10%
/)OCH wo¾ sg3Hll。 / 。
/0寸 。
/0寸 。
/0寸 。
/0 0
- PyBB -F 10%- PyBB-F 10%- PyBB-F 10%-HBB (F)B-2 8%-HBB (F)B-3 8%