WO2007066713A1

WO2007066713A1 - 潤滑油組成物

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Publication number: WO2007066713A1
Application number: PCT/JP2006/324428
Authority: WO
Inventors: Hideto Kamimura
Original assignee: Idemitsu Kosan Co Ltd
Current assignee: Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date: 2005-12-09
Filing date: 2006-12-07
Publication date: 2007-06-14
Anticipated expiration: 2008-06-09
Also published as: EP1964910A4; EP1964910A1; US20090186785A1; JP2007161773A; JP5258162B2; US8318645B2; EP1964910B1; CN101326273B; CN101326273A

Abstract

　鉱物油及び／又は合成油からなる基油に、（Ａ－１）アミン系酸化防止剤を全窒素量が８００ｐｐｍ以上、及び（Ａ－２）リン及び／又はイオウを含有する化合物を含有させてなる潤滑油組成物であり、特に熱・酸化安定性、抗スラッジ性、潤滑性、長寿命性及び水分離性の全てを高水準で達成できる圧縮機油を提供する。

Description

明細書

潤滑油組成物

技術分野

[0001] 本発明は、熱'酸化安定性、抗スラッジ性が極めて高い、新規な潤滑油組成物、特に圧縮機油組成物として好適な潤滑油組成物に関する。

背景技術

[0002] 圧縮機は，空気又はガス（窒素ガス、酸素ガス、水素ガス、アンモニアガス、二酸ィ匕炭素ガス、一酸ィ匕炭素ガス、各種炭化水素ガスなど）に外部より仕事を与えて圧縮し、圧力を高めた圧縮ガスを送り出す装置である。このような圧縮機は、空気又はガスの圧力を高める作動原理により、容積型及びターボ型に分けられる。容積型圧縮機は、さらに往復式圧縮機と回転式圧縮機とに分類される。

[0003] 一方、回転式圧縮機は、従来の往復式と比較して、省資源や騒音，振動の対策及び効率等の観点から、幅広く使用されている。

回転式圧縮機の潤滑条件は、潤滑油が高温高圧の空気やガスと接触することなど、往復式の場合より過酷であるため、熱酸ィ匕安定性の高い圧縮機油が望まれているまた、最近の回転式圧縮機はさらに小型化が進み、 SO、 NOなどの酸ィ匕性ガス

X X

の雰囲気下や、切削ミスト雰囲気下など周囲環境の悪いところで運転される機会が増えている。このような場合、オイルにスラッジが発生し、ごく短期間で装置内への付着やフィルターの閉塞を引き起こし、装置が運転不能となることがある。

このような背景から、耐スラッジ性の高、オイルが求められて、る。

[0004] 特許文献 1には、プロピレンのオリゴマー力誘導される分岐アルキル基を含む N —P—アルキルフエ-ルー OC ナフチルァミン及びプロピレンのオリゴマーから誘導される分岐アルキル基を含む P, p' ジアルキルジフエ-ルァミンを必須成分として配合してなる潤滑油組成物が開示されて、る。

一方、特許文献 2には、 N—p アルキルフエ-ルー α—ナフチルァミンと ρ, ρ'— ジアルキルジフエ-ルァミンの含有量の重量比を所定範囲とする潤滑油組成物が開示されている。

また、特許文献 3には、フエノール系酸化防止剤である 2 tert—ブチルー 4 アルキルォキシメチルー 6—アルキルフエノールと N—p—アルキルフエ-ルー α ナフチルァミンと ρ, ρ' ジアルキルジフエ-ルァミンとを配合した潤滑油組成物が提案されている。

また、特許文献 4には、リン含有フエノール系酸化防止剤、リンを含有しないフエノール系酸化防止剤、及びアミン系酸化防止剤を含有する潤滑油組成物が提案されている。

さらに、特許文献 5には、フエ二ルー a ナフチルァミンと p, p' ジアルキルジフエ -ルァミンとリン系極圧剤とを含有する潤滑油組成物が提案されている。

[0005] しかし、これらの特許文献記載の潤滑油組成物は、 V、ずれも圧縮機油としての用途において、熱'酸化安定性、抗スラッジ性、潤滑性、長寿命性及び水分離性の全てを高水準で達成することはできず、さらなる改善が望まれていた。

[0006] 特許文献 1 :特開平 3— 95297号公報

特許文献 2 :特開平 7— 252489号公報

特許文献 3 :特開平 9 296192号公報

特許文献 4 :特開平 11 35962号公報

特許文献 5：特開 2005 - 239897号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 本発明は、このような状況下でなし遂げられたものであり、熱'酸化安定性、抗スラッジ性、潤滑性、長寿命性及び水分離性の全てを高水準で達成できる、特に圧縮機油組成物として好適な潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明者らは、熱'酸化安定性、抗スラッジ性を高水準で達成できる圧縮機油を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、鉱物油、合成油力なる基油に、アミン系酸化防止剤、及び特定構造のリン及び Z又はィォゥを含有する化合物を含有させた潤滑油組成物により、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、

(1)鉱物油及び Z又は合成油からなる基油に、（A—1)アミン系酸ィ匕防止剤を全窒素量が 800ppm以上、及び (A— 2)リン及び Z又はィォゥを含有する化合物を含有させてなることを特徴とする潤滑油組成物、

(2) (A—1)アミン系酸化防止剤が、ジフエ-ルァミン系及び Z又はフエ-ルーナフチルァミン系である前記（1)記載の潤滑油組成物、

(3) (A— 2)リン及び Z又はィォゥを含有する化合物が下記一般式 (1)、（11)、又は (II I)で表される前記（1)又は（2)に記載の潤滑油組成物、

[化 1]

R³

〔式中、 Ri〜R³は水素原子、炭化水素基、又はジー t ブチルフエノール基を示し、 Ri〜R³はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。 X^X⁴は酸素原子、硫黄原子を示し、 xi〜x⁴はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕

[化 2]

_R6

〔式中、 R⁴〜R⁶は水素原子、又は炭化水素基を示し、 R⁴〜R⁶はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。 x⁵〜x⁷は酸素原子、硫黄原子を示し、 X⁵〜X⁷はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕

R'-OOC-A'- S -A' -COO -R⁸ (III)

X

〔式中、 R⁷、 R⁸、 A¹は炭化水素基を示し、

R⁸は同一でも異なってもよい。 Xは 1〜4 の整数を表す。〕

(4)前記（3)に記載のリン及び Z又はィォゥを含有する化合物が、下記一般式 (IV) で示されるリン系化合物である前記（1)〜（3)の、ずれか 1に記載の潤滑油組成物、

〔式中、 A²、 R⁹〜R¹²はそれぞれ炭化水素基を示し、 R⁹〜R¹²は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。〕

を提供する。

発明の効果

[0009] 本発明の潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤を、当該アミン系酸化防止剤に基因する窒素量としての全窒素量が 800ppm以上、及び一般式 (1)、（II)、又は (III)で示されるリン及び Z又はィォゥを含む化合物を含有させたので、熱'酸化安定性、抗スラッジ性、潤滑性、長寿命性及び水分離性の全てを高水準で達成でき、特に圧縮機の長連続運転時間を達成できると!ヽぅ効果を有する。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]インディアナ酸ィ匕試験法の説明図である。

符号の説明

[0011] 1.試料容器

2.試料

3.空気吹き込み管

4.鉄触媒

5.銅触媒

発明を実施するための最良の形態

[0012] 本発明の潤滑油組成物は、鉱物油及び Z又は合成油からなる基油に、（A— 1)ァミン系酸化防止剤を全窒素量が 800ppm以上、及び (A— 2)下記一般式 (I)、（II)、又は (III)で示されるリン及び Z又はィォゥを含有する化合物を含有させてなることを特徴とする。

まず、アミン系酸ィ匕防止剤は、潤滑油組成物中に該ァミン系酸ィ匕防止剤の全窒素量が 800ppm以上となるように添加配合される。全窒素量が 800ppm以上であれば、他の (A— 2)リン含有ィ匕合物、及び Z又はィォゥ含有ィ匕合物との組み合わせにおいて充分な効果が得られる。なお、全窒素量が 3, OOOppm以下の範囲であれば、潤滑油組成物への溶解性、経済性と酸ィ匕防止性能との調和がとれる。より好ましい全窒素量は 800〜2, OOOppm,特に好ましくは、 900〜1, 500ppmである。

[0013] 本発明に使用できるアミン系酸ィ匕防止剤としては、例えば、 p, p' —ジォクチルージフエ-ルァミン、 p, p' —ジ— α—メチルベンジル—ジフエ-ルァミン、 Ν— ρ ブチルフエ二ルー Ν—ρ' —ォクチルフエニルァミン、モノー tーブチルジフエニルァミン、モノォクチルジフエ-ルァミンなどのアルキルジフエ-ルァミン類、メチルフエ-ルー 1 ナフチルァミン、ェチルフエ二ルー 1 ナフチルァミン、ブチルフエ二ルー 1ーナフチルァミン、へキシルフェニルー 1 ナフチルァミン、ォクチルフエ二ルー 1 ナフチルァミン、 N— t ドデシルフェ-ル—1—ナフチルァミンなどのフエ-ルー α ナフチルァミン類、ジ（2, 4 ジェチルフエ-ル）ァミン、ジ（2 ェチルー 4ーノユルフェ -ル）ァミンなどのビス（ジアルキルフエ-ル）アミン類、 1—ナフチルァミン、フエ-ル —1—ナフチルァミン、フエ-ルー 2—ナフチルァミン、 Ν へキシルフエ-ルー 2— ナフチルァミン、 Ν ォクチルフヱニル 2—ナフチルァミンなどのァリールナフチルァミン類、 Ν, N' —ジイソプロピル一 ρ フエ-レンジァミン、 Ν, N' —ジフエ-ル —ρ フエ-レンジァミンなどのフエ-レンジアミン類、フエノチアジン、 3, 7—ジォクチルフエノチアジンなどのフエノチアジン類などが挙げられる。

これらのうち、特にフエ-ルー α ナフチルァミン、アルキルジフエ-ルァミンの一種単独でまたは二種を組み合わせて使用するのが好ましぐジォクチルジフエ-ルァミンと Ν— (ρ—ォクチルフエ-ル）一 1—ナフチルァミンとを組み合わせて使用することが、酸化寿命、耐スラッジ性の観点力も特に好ましい。

[0014] (Α— 2)リン含有化合物及び Ζ又はィォゥ含有化合物に用いられるリン含有化合物は下記一般式 (I)、又は (II)で表されるものが特に好ましい。

[0015] [化 4]

[0016] 上記一般式 (I)における Ri〜R³は水素原子、炭化水素基、又はジー t—プチルフェノール基を示し、 Ri〜R³はそれぞれ同一でも異なって、てもよ、。

また、式中、 x^x⁴は酸素原子、硫黄原子を示し、〜はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。

[0017] [化 5]

[0018] 上記一般式 (I)における R⁴〜R⁶は水素原子、又は炭化水素基を示し、 R⁴〜R。はそれぞれ同一でも異なって、てもよ、。

また、式中、 x⁵〜x⁷は酸素原子、硫黄原子を示し、 x⁵〜x⁷はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。

[0019] また、本発明に使用できるィォゥ含有ィ匕合物は、一般式 (III)で示されるチォグリコール酸エステルである。

R'-OOC-A'-S -A'-COO-R⁸ (III)

上記式中、

R⁸は同一でも異なってもよい。 Xは

1〜4の整数を表す。

具体的には、ジブチル，ジォクチル，ジトリデシルチオプロピオネート、及びステアリルー（3, 5—ジメチルー 4 ォキシベンジル）チォグリコール酸エステル等を挙げることがでさる。

[0020] さらに、リン含有ィ匕合物としては、下記一般式 (IV)で表される化学構造を有するものを使用することが好まし、。

[0021] [化 6]

[0022] 上記一般式 (IV)における A²、 R⁹〜R¹²は、それぞれ炭化水素基を示し、 R⁹〜R¹²はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。上記一般式 (IV)において、 A²で表わされる炭化水素基としては好ましくは炭素数 1〜8のアルキレン基，例えばメチレン基 ,エチレン基，プロピレン基等が挙げられる。また、 R⁹〜R¹²の各々で表される炭化水素基としては、炭素数 1〜24のアルキル基、更に炭素数 1〜8のアルキル基が好ましく用いられ、具体的には、メチル基，ェチル基，プロピル基， tert—ブチル基、 2ェチルへキシル基等が挙げられる。

具体的には、ジェチル [〔3, 5—ビス（1, 1ージメチルェチル）ー4ーヒドロキシフエ- ル〕メチル]ホスフォネート、及びジェチルへキシルアシッドフォスフェートが好適に使用できる。

[0023] また、本発明の潤滑油組成物は、鉱物油系及び Z又は合成油系の基油に、（A— 1)アミン系酸ィ匕防止剤を全窒素量が 800ppm以上、及び (A— 2)—般式 (1)、（11)、又は（III)で示されるリン及び Z又はィォゥを含有する化合物を含有させてなるが、リン，ィォゥ含有化合物の含有量は、前記効果を有効に発揮し得る点から、 0. 05〜2 質量％の範囲が好ましぐさらに 0. 1〜1質量％の範囲が好ましい。

[0024] 本発明の潤滑油組成物の基油としては、鉱油及び合成油のいずれをも使用することがでさる。

鉱油基油としては、例えば原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、及び水素化精製等の処理を 1つ以上行って精製したもの、あるいは鉱油系ワックスゃフイツシヤートロプシュプロセス等により製造されるワックス (ガストウリキッドワックス）を異性化することによって製造される基油等が挙げられる。

また、合成油としては、従来公知の種々のものが使用可能であり、例えば、ポリ OC - ォレフィン（_α—ォレフイン共重合体を含む）、ポリブテン、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル、ポリフエ-ルエーテル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリオキシアルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、シリコーンォィル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、更にはヒンダードエステルなどを用!/、ることができる。

これらの基油は、単独で、あるいは二種以上組み合わせて使用することができ、鉱油と合成油とを組み合わせて使用してもょ、。

上記基油としては、 40°Cにおける動粘度が 5〜460mm²Zsであると共に％C 10

A

以下であるものが好ましい。該動粘度が上記範囲にあれば、圧縮機や自動変速機のギヤ軸受けやクラッチなどの摺動部における摩擦を十分に低減し得ると共に、低温特性も良好となる。該動粘度は、 40°Cで 10〜320mm²Zsがより好ましぐ 22〜220 mm²Zsであることが特に好まし、。

%Cが 10以下であると酸ィ匕安定性を高めることができ、 %C力 ¾以下がより好まし

A A

ぐ特に％c力^以下が好ましい。

A

なお、この⁰ /oCは n—d—M環分析法により測定した値である。

A

また、上記基油は、ィォゥ分が 100質量 ppm以下のものが好ましぐ該ィォゥ分が 1 00質量 ppm以下であれば、酸ィ匕安定性が良好である。

[0025] また、本発明の潤滑油組成物においては、その性能をさらに高める目的で

金属系スルフォネート、金属系サリチレート、金属系フィネート、及びアルケニルコハク酸イミド類カゝら選ばれる少なくとも 1種の清浄分散剤を含有させることができる。これらは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用してもよ、。

[0026] さらに、本発明の潤滑油組成物にぉ、ては、他の酸化防止剤を組み合わせて使用してもよく、特にフエノール系酸ィ匕防止剤をさらに含有してもよい。例えばこのフエノール系酸化防止剤としては、 2, 6 ジ—tert—ブチルー 4 メチルフエノール； 2, 6— ジー tert—ブチルー 4 ェチルフエノール； 2, 4, 6 トリー tert ブチルフエノール； 2, 6 ジー tert—ブチルー 4ーヒドロキシメチルフエノール； 2, 6 ジー tert—ブチルフエノール； 2, 4 ジメチルー 6 tert ブチルフエノール； 2, 6 ジー tert—ブチル一 4— (N, N—ジメチルアミノメチル）フエノール； 2, 6 ジ一 tert—ァミル一 4—メチルフエノール； n—ォクタデシルー 3—（4'ーヒドロキシー3', 5'—ジ—tert ブチルフエ-ル）プロピオネートなどの単環フエノール類、 4, 4'ーメチレンビス（2, 6 ジ t ert—ブチルフエノール）； 4, 4'—イソプロピリデンビス（2, 6 ジ一 tert—ブチルフエノール）； 2, 2'—メチレンビス（4—メチル 6— tert ブチルフエノール）； 4, 4'—ビス（2, 6 ジ tert ブチルフエノール）； 4, 4 '—ビス（2—メチルー 6—tert—ブチルフエノール）；2, 2'—メチレンビス（4ーェチルー 6—tert ブチルフエノール）；4, 4'ーブチリデンビス（3—メチルー 6 tert ブチルフエノール）；2, 2' チォビス（4 ーメチルー 6— tert ブチルフエノール）；4, 4'ーチォビス（3—メチルー 6—tert— ブチルフノール）などの多環フノール類などが挙げられる。これらの中で、高圧下での瞬時の高温熱履歴に対して効果が高、点から、分子量が 340以上のフエノール類が好適である。

[0027] これらのフエノール系酸ィ匕防止剤は単独で用いてもよぐ二種以上を組み合せて用いてもよい。また、その配合量は、組成物全量に基づき、 0.01〜5質量％の範囲で選定される。この量が 0.01質量％未満では該酸ィ匕防止剤を配合した効果が充分に発揮されな!、おそれがあり、一方 5質量％を超えるとその量の割には効果の向上が認められず、むしろ低温時にこのものが析出することがあり、また経済的にも不利である。酸ィ匕防止剤としての効果、低温時での析出抑制及び経済性などの面から、このフヱノール系酸ィ匕防止剤の好ましい配合量は、組成物全量に基づき、 0. 1〜2質量％の範囲である。

[0028] さらに、本発明の潤滑油組成物においては、前記清浄分散剤以外の無灰分散剤、金属系清浄剤、摩擦調整剤、粘度指数向上剤、極圧添加剤、酸化防止剤、腐食防止剤、消泡剤、着色剤等に代表される各種添加剤を単独で、又は数種組み合わせて配合してもよい。

これら公知の添加剤の添加量は任意であるが、使用する場合、潤滑油全量基準でその含有量が、酸化防止剤では、通常、 0. 01〜5. 0質量％；鲭び止め剤、腐食防止剤では、通常、それぞれ 0. 01〜3. 0質量％;磨耗防止剤では、通常 0. 1〜5. 0 質量％;流動点降下剤では、通常 0. 05〜5質量％;消泡剤では、通常 0. 01〜0. 0

5質量％である。

[0029] このようにして調製された本発明の潤滑油組成物は、アミン系酸ィ匕防止剤を全窒素量が 800ppm以上、及び一般式 (I)、（11)、又は（III)で示されるリン及び Z又はィォゥを含有する化合物を含有させたので、熱'酸化安定性、抗スラッジ性、潤滑性、長寿命性及び水分離性の全てを高水準で達成でき、特に圧縮機の長連続運転時間を達成できるという効果を有し、圧縮機の潤滑油 (圧縮機油）として好適に用いることができる。なお、圧縮機油のほか、タービン油、油圧作動油、ギヤ油、軸受油など各種用途の潤滑油としても好ましく用いることもできる。

実施例

[0030] 次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例によってなんら限定されるものでな!、。

[0031] 〔実施例 1〜3、比較例 1及び 2〕

実施例 1〜3、比較例 1及び 2において、それぞれ以下に示す基油及び添加剤を用

Vヽて表 1に示す組成を有する圧縮機油組成物を調製した。

[0032] (基油）

基油 1 :ポリ一 a—ォレフイン（BP、ァモコ社製： DURASYN166)

(添加剤）

B1：ジォクチルジフエニルァミン

C1 : N- (p—ォクチフエ-ル）— 1ナフチルァミン

D 1：ジェチル[〔 3 , 5 ビス（ 1 , 1 ジメチノレエチノレ） 4 ヒドロ

キシフエ-ル〕メチル]ホスフォネート

E1：ジトリデシノレチォプロピオネート

Fl : 4, 4'ーメチレンビス（2, 6 ジ tert ブチルフエノー

ル）

G1：ァルケ-ルコハク酸エステル（防鲭剤）

HI：ジメチルシリコーン（消泡剤）

[0033] [表 1] 表 1

[0034] 表 1に示す実施例及び比較例においては、いずれにも上記の基油 1を用い、フエノール系酸化防止剤として上記 Fl、防鲭剤として Gl、消泡剤として HIを同量添加し、 (A—1)アミン系酸化防止剤、（A— 2)リン含有ィ匕合物、又はィォゥ含有ィ匕合物の添加量等を変更した。

各潤滑油組成物の酸化安定度は、インディアナ酸ィヒ試験法を用い、図 1に示す装置を用い、試料容器 1に試料 2を 300mL秤取し、空気吹き込み管 3から空気を 10L Zhで吹き込み、鉄触媒 4及び銅触媒 5の存在下で劣化させ、 175°C ' 196時間経過後の酸価上昇値を測定した。

また、実機連続運転テストは、回転式圧縮機を連続運転し、平均運転油温 80°C、平均運転圧力 0. 7Mpa、連続全負荷無補給運転において、各潤滑油組成物の RB OT値 (JIS K2514)が 100分未満になるまでの時間（実機寿命）を測定した。

[0035] 表 1の酸価上昇量力理解できるように、本発明の潤滑油組成物は、高温で酸化されにくぐ長時間の連続運転ができる。

産業上の利用可能性

[0036] 本発明の潤滑油組成物は、アミン系酸ィ匕防止剤を全窒素量 (該ァミン系酸ィ匕防止剤に基因する窒素量）が 800ppm以上、及び一般式 (1)、（11)、又は (III)で示されるリン及び Z又はィォゥを含有する化合物を含有させたので、熱'酸化安定性、抗スラッジ性、潤滑性、長寿命性及び水分離性の全てを高水準で達成でき、とりわけ長連続運転時間を要求される圧縮機油として好適に利用できる。

Claims

請求の範囲

[1] 鉱物油及び Z又は合成油からなる基油に、（A—1)アミン系酸ィ匕防止剤を全窒素量が 800ppm以上、及び (A— 2)リン及び Z又はィォゥを含有する化合物を含有させてなることを特徴とする潤滑油組成物。

[2] (A—1)アミン系酸化防止剤が、ジフエ-ルァミン系及び Z又はフエ-ルーーナフチルァミン系である請求項 1記載の潤滑油組成物。

[3] (A— 2)リン及び Z又はィォゥを含有する化合物が下記一般式 (1)、（11)、又は (III) で表される請求項 1又は 2に記載の潤滑油組成物。

[化 1]

(-)

R³

〔式中、 Ri〜R³は水素原子、炭化水素基、又はジー t—ブチルフエノール基を示し、 Ri〜R³はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。 X^X⁴は酸素原子、硫黄原子を示し、 xi〜x⁴はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕

[化 2]

— R^e (II)

〔式中、 R⁴〜R⁶は水素原子、又は炭化水素基を示し、 R⁴〜R°はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。 x⁵〜x⁷は酸素原子、硫黄原子を示し、 x⁵〜x⁷はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕

R— OOC— A— S — A— COO— R (III)

X

〔式中、 R⁷、 R⁸、 A¹は炭化水素基を示し、 R R⁸は同一でも異なってもよい。 Xは 1〜4 の整数を表す。〕

[4] 請求項 3に記載のリン及び Z又はィォゥを含有する化合物が、下記一般式 (IV)で示されるリン系化合物である請求項 1〜3のいずれか 1項に記載の潤滑油組成物。

[化 3]

[5] さらに金属系スルフォネート、金属系サリチレート、金属系フィネート、及びアルケニルコハク酸イミド類カゝら選ばれる少なくとも 1種の清浄分散剤を含有してなる請求項 1

〜4の、ずれか 1項に記載の潤滑油組成物。

[6] 基油の環分析 (n— d— M法）による％C (芳香族炭素）が 10以下である請求項 1〜

A

5の、ずれか 1項に記載の潤滑油組成物。

[7] 圧縮機油として用いる請求項 1〜6のいずれ力 1項に記載の潤滑油組成物。