WO2006038284A1

WO2006038284A1 - エレベータの非常ブレーキ装置

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Publication number: WO2006038284A1
Application number: PCT/JP2004/014634
Authority: WO
Inventors: Kazumasa Ito
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 2004-10-05
Filing date: 2004-10-05
Publication date: 2006-04-13
Anticipated expiration: 2007-04-05
Also published as: CN1914110A; US20090032341A1; US20070170409A1; US7607518B2; JPWO2006038284A1; EP1813565A1; US8006806B2; EP1813565A4

Abstract

　エレベータの非常ブレーキ装置において、制動体は、回転可能な綱車の外周部に対して接離可能で、かつ綱車の外周部に接触しながら綱車の回転方向へ変位可能になっている。また、制動体は、綱車とくわえ金との間に設けられている。くわえ金は、綱車の外周部に対して傾斜された傾斜部を有している。制動体が綱車の回転方向へ変位されたときには、綱車の外周部と傾斜部との間に制動体が噛み込むようになっている。制動体には、綱車に対して変位可能な連結体が接続されている。連結体は、制動体が綱車の外周部に接離する方向へブレーキ駆動装置により変位されるようになっている。

Description

明細書

エレベータの非常ブレーキ装置

技術分野

[0001] この発明は、かご及び釣合おもりの昇降を制動するためのエレベータの非常ブレーキ装置に関するものである。

背景技術

[0002] 従来、かご及び釣合おもりを吊り下げる主索が巻き掛けられた駆動シーブに制動ボルトを係合させ、かつ駆動シーブにブレーキ片を接触させることにより、かご及び釣合おもりの昇降を制動するエレベータの非常ブレーキ装置が提案されている。駆動シーブには、駆動シーブの径方向へ延び、制動ボルトが係合される複数本のスポークが設けられている。また、駆動シーブの径方向外側には、一対のブレーキ片が配置されている。各ブレーキ片は、アームに設けられている。アームは、ばねにより回動されるようになっている。各ブレーキ片は、アームの回動により駆動シーブの外周部に接離される。駆動シーブの回転は、制動ボルトのスポークへの係合、及びブレーキ片の駆動シーブへの接触により、制動される (特許文献 1参照)。

[0003] 特許文献 1 :特開平 5— 193860号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力し、このような従来のエレベータの非常ブレーキ装置では、制動ボルトがスポークに係合可能な位置に変位されても、スポークが制動ボルトに係合されるまでは、駆動シーブが回転してしまう。

[0005] また、駆動シーブに対する所定の制動力を確保する必要があるので、アームやばねが大形ィ匕してしまい、装置の設置スペースが大きくなつてしまう。また、製造コストもカ^^ってしまう。

[0006] この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、設置スペースを小さくすることができるとともに、綱車をより確実に制動することができるエレベータの非常ブレーキ装置を得ることを目的とする。課題を解決するための手段

[0007] この発明によるエレベータの非常ブレーキ装置は、回転可能な綱車に対して変位可能な連結体、連結体に設けられ、綱車の外周部に対して接離可能で、かつ綱車の外周部に接触しながら綱車の回転方向へ変位可能な制動体、制動体が綱車の外周部に対して接離する方向へ連結体を変位させるブレーキ駆動装置、及び綱車の外周部に対して傾斜された傾斜部を有し、制動体が綱車の回転方向へ変位されたときに綱車の外周部と傾斜部との間に制動体が嚙み込むようになつているくわえ金を備え、制動体が綱車の外周部に接触し、綱車の外周部とくわえ金の傾斜部との間に嚙み込むことにより、綱車の回転を制動するようになっている。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]この発明の実施の形態 1によるエレベータを示す構成図である。

[図 2]図 1のエレベータの非常ブレーキ装置を示す正面図である。

[図 3]図 2の ΠΙ-ΠΙ線に沿った断面図である。

[図 4]図 2の制動ローラを示す斜視図である。

[図 5]この発明の実施の形態 2によるエレベータの非常ブレーキ装置を示す正面図である。

[図 6]図 5の IV-IV線に沿った断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0009] 以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。

実施の形態 1.

図 1は、この発明の実施の形態 1によるエレベータを示す構成図である。図において、昇降路 1上部には、水平に延びる水平梁 2が設けられている。水平梁 2上には、支持台である機械台 3が固定されている。機械台 3には、駆動装置である卷上機 4と、卷上機 4と間隔を置いて配置された綱車であるそらせ車 5とが支持されている。卷上機 4は、モータを含む卷上機本体 6と、卷上機本体 6により回転される綱車である駆動シーブ 7とを有して!/、る。駆動シーブ 7及びそらせ車 5は互いに平行な水平軸にそれぞれ設けられている。

[0010] 駆動シーブ 7及びそらせ車 5には、複数本の主索 8が巻き掛けられている。昇降路 1 内には、力ご 9及び釣合おもり 10が各主索 8により吊り下げられている。各主索 8は、駆動シーブ 7の回転により移動される。そらせ車 5は、各主索 8の移動により回転される。力ご 9及び釣合おもり 10は、各主索 8の移動により昇降される。なお、昇降路 1内には、力ご 9を案内するための一対のかごガイドレール 11と、釣合おもり 10を案内するための一対の釣合おもりガイドレール 12とが設けられている。

[0011] 駆動シーブ 7の径方向外側には、駆動シーブ 7の回転を制動するための非常ブレーキ装置 13が配置されている。この例では、非常ブレーキ装置 13は、駆動シーブ 7 の下方に配置されている。また、非常ブレーキ装置 13は、機械台 3上に設けられている。非常ブレーキ装置 13は、駆動シーブ 7と機械台 3との間に配置されている。

[0012] 図 2は、図 1の駆動シーブ 7の一部及び非常ブレーキ装置 13を示す正面図である。

また、図 3は、図 2の ΠΙ-ΠΙ線に沿った断面図である。図において、駆動シーブ 7の外周部には、駆動シーブ 7の周方向へ延びる複数の溝部 14が設けられている（図 3)。各主索 8は、各溝部 14に沿って駆動シーブ 7に巻き掛けられている。

[0013] 機械台 3上には、非常ブレーキ装置 13を支持するブレーキ支持部材 15が固定されている。ブレーキ支持部材 15の上部には、駆動シーブ 7の下方に配置されたくわえ金 16が固定されている。くわえ金 16は、駆動シーブ 7の外周部に対向する一対の傾斜部 17を有している。各傾斜部 17は、駆動シーブ 7の径方向へ延びるブレーキ中心線に関して対称に配置されている。各傾斜部 17と駆動シーブ 7の外周部との間の間隔は、ブレーキ中心線力も離れるほど小さくなつている。即ち、各傾斜部 17と駆動シーブ 7の外周部との間の間隔は、くわえ金 16の中央部側よりも端部側で小さくなつている。

[0014] 駆動シーブ 7とくわえ金 16との間には、制動体である制動ローラ 18が設けられている。制動ローラ 18は、図 4に示すように、表面が高摩擦材により構成された円柱状部材である。また、制動ローラ 18は、ブレーキ中心線上を往復変位可能になっている。制動ローラ 18は、ブレーキ中心線上での往復変位により、駆動シーブ 7の外周部に対して接離されるようになつている。また、制動ローラ 18は、回転される駆動シーブ 7 に接触することにより、駆動シーブ 7の外周部に接触しながら駆動シーブ 7の回転方向へ変位されるようになっている。制動ローラ 18は、駆動シーブ 7の回転方向への変位により、駆動シーブ 7の外周部と傾斜部 17との間に嚙み込むようになつている。

[0015] 制動ローラ 18には、駆動シーブ 7に対して変位可能な連結体 19が接続されている。また、ブレーキ支持部材 15の下部には、制動ローラ 18が駆動シーブ 7の外周部に接離する方向へ連結体 19を変位させるブレーキ駆動装置 20が設けられている。

[0016] ブレーキ駆動装置 20は、連結体 19に接続され、中心線に沿って往復変位可能なプランジャ 21と、制動ローラ 18が駆動シーブ 7の外周部に接する方向へプランジャ 2 1を付勢する付勢ばね 22と、制動ローラ 18が駆動シーブ 7の外周部から開離される方向へ付勢ばね 22の付勢に逆らってプランジャ 21を変位させるための電磁マグネット 23とを有している。

[0017] 連結体 19は、くわえ金 16を避けて制動ローラ 18及びプランジャ 21間に配置されている。制動ローラ 18は、連結体 19の一端部にピン 24により回転自在に設けられている。制動ローラ 18とピン 24との間には、一定のフリクション (摩擦力）が発生するようになっている。プランジャ 21は、連結体 19の他端部にピン 25により回動自在に接続されている。連結体 19は、制動ローラ 18の駆動シーブ 7の回転方向への変位により、ピン 25を中心に回動されるようになっている。即ち、連結体 19は、制動ローラ 18がブレーキ中心線力も離れる方向へ変位されることにより、ブレーキ中心線に対して傾くように回動されるようになっている。また、連結体 19の中間部には、連結体 19の長さ方向へ延びる長穴 26が設けられて、る。

[0018] くわえ金 16とブレーキ駆動装置 20との間には、制動ローラ 18が駆動シーブ 7の回転方向へ変位されたときに、制動ローラ 18の変位に逆らうように連結体 19を付勢する連結体位置復帰装置 27が設けられている。この例では、連結体位置復帰装置 27 は、ブレーキ中心線上に向けて連結体 19を付勢するようになっている。また、連結体位置復帰装置 27は、ブレーキ支持部材 15に固定された固定部材 28と、連結体 19 のピン 25を中心とする回動により固定部材 28に対して変位される可動部材 29と、連結体 19がブレーキ中心線上へ変位されるように可動部材 29を付勢する付勢部である一対の復帰用ばね 30, 31とを有している。

[0019] 固定部材 28は、固定板 32と、固定板 32の両端部に設けられ、互いに対向する一対の固定側止め部 33, 34とを有している。連結体 19は、各固定側止め部 33, 34間に配置されている。

[0020] 可動部材 29は、各固定側止め部 33, 34間にスライド可能に通されたスライド棒 35 と、スライド棒 35に設けられ、長穴 26に通された通しピン 36と、スライド棒 35に設けられ、各固定側止め部 33, 34にそれぞれ対向する一対の可動側止め部 37, 38とを有している。

[0021] 連結体 19がピン 25を中心に回動されて連結体 19がブレーキ中心線力も外れる方向へ変位されたときには、通しピン 36の連結体 19に対する係合により、可動部材 29 が連結体 19とともに固定部材 28に対して変位される。また、連結体 19がブレーキ中心線に沿って変位されたときには、通しピン 36が長穴 26内をスライドされることにより、可動部材 29の固定部材 28に対する位置が保持されたまま、連結体 19が固定部材 28に対して変位される。

[0022] 復帰用ばね 30は、固定側止め部 33と可動側止め部 37との間に設けられている。

また、復帰用ばね 31は、固定側止め部 34と可動側止め部 38との間に設けられている。復帰用ばね 30及び復帰用ばね 31は、連結体 19がブレーキ中心線上にあるときに釣り合うように可動部材 29を付勢している。可動部材 29の位置は、復帰用ばね 30 , 31の付勢により保持されている。連結体 19の位置がブレーキ中心線力外れたときには、復帰用ばね 30及び復帰用ばね 31のいずれか一方が縮み、復帰用ばね 30 及び復帰用ばね 31のいずれか他方が伸びる。これにより、連結体 19は、ブレーキ中心線に向けて付勢される。

[0023] なお、非常ブレーキ装置 13は、くわえ金 16、制動ローラ 18、連結体 19、ブレーキ駆動装置 20及び連結体位置復帰装置 27を有してヽる。

[0024] また、昇降路 1内には、エレベータの運転を制御する制御装置（図示せず)が設置されている。制御装置は、非常ブレーキ装置 13及び卷上機 4に電気的に接続されている。また、昇降路 1内には、力ご 9の位置及び速度を検出する例えばエンコーダ等の検出センサ（図示せず）が設けられている。検出センサは、制御装置に電気的に接続されている。制御装置は、検出センサ力もの情報に基づいてエレベータの異常の有無を判定し、判定結果に基づいて非常ブレーキ装置 13及び卷上機 4を制御するようになっている。 [0025] 次に、動作について説明する。通常運転時には、電磁マグネット 23に通電され、制動ローラ 18は駆動シーブ 7の外周部から開離されている（図 2の実線)。これにより、駆動シーブ 7に対する制動は、解除されている。

[0026] 例えばかご 9の速度が極端に大きくなつたり、あるいは各階に通常停止されているかご 9が駆動シーブ 7への制動力の低下等により移動されたりすると、エレベータの異常が制御装置により検出される。この後、制御装置の制御により、電磁マグネット 2 3への通電が停止される。これにより、制動ローラ 18は、駆動シーブ 7の外周部に接する方向へ付勢ばね 22の付勢により変位される。このとき、連結体 19は、可動部材 2 9に対してスライドされる。この後、制動ローラ 18は、駆動シーブ 7の外周部に接する

[0027] 制動ローラ 18が駆動シーブ 7の外周部に接した状態で駆動シーブ 7が回転されると、制動ローラ 18は、ピン 24及び駆動シーブ 7との摩擦力により転動されながら駆動シーブ 7の回転方向へ変位される。このとき、連結体 19は、ピン 25を中心に回動される。また、可動部材 29は、通しピン 36の連結体 19に対する係合により、連結体 19とともに変位される。これにより、復帰用ばね 30, 31の一方が縮められ、他方が伸ばされる。

[0028] 駆動シーブ 7の回転が所定量を超えると、制動ローラ 18は、駆動シーブ 7の外周部と傾斜部 17との間に嚙み込む。これにより、駆動シーブ 7の回転が制動され、力ご 9 の移動が停止される。

[0029] 復帰時には、電磁マグネット 23に通電した後、駆動シーブ 7を逆回転させる。これにより、制動ローラ 18の駆動シーブ 7と傾斜部 17との間への嚙み込みが外れて、制動ローラ 18は駆動シーブ 7の外周部から開離される。このとき、制動ローラ 7及び連結体 19は、復帰用ばね 30, 31の付勢により、ブレーキ中心線上へ変位される。

[0030] このようなエレベータの非常ブレーキ装置 13では、制動ローラ 18を駆動シーブ 7の回転方向へ変位させて、くわえ金 16と駆動シーブ 7との間に制動ローラ 18を嚙み込ませることにより、駆動シーブ 7の回転を制動するようにしているので、駆動シーブ 7の回転力を制動ローラ 18の駆動シーブ 7に対する押し付け力に変換することができる。従って、非常ブレーキ装置 13全体の小形ィ匕を図ることができ、非常ブレーキ装置 13 の設置スペースを小さくすることができる。これにより、製造コストも低減することができる。また、駆動シーブ 7の回転をより確実に制動することもできる。

[0031] また、連結体 19には、制動ローラ 18が一定のフリクション (摩擦力）が発生するように回転自在に設けられているので、駆動シーブ 7とくわえ金 16との間への制動ローラ 18の嚙み込みを円滑にすることができる。

[0032] また、連結体位置復帰装置 27は、制動ローラ 18が駆動シーブ 7の回転方向へ変位されたときに、制動ローラ 18の変位に逆らうように連結体 19を付勢するようになつているので、駆動シーブ 7とくわえ金 16との間への制動ローラ 18の嚙み込みを解除する方向へ連結体 19を付勢することができ、非常ブレーキ装置 13の作動の復帰を容易にかつより確実に行うことができる。

[0033] 実施の形態 2.

図 5は、この発明の実施の形態 2によるエレベータの非常ブレーキ装置 13を示す正面図である。また、図 6は、図 5の VI-VI線に沿った断面図である。図において、連結体 19の駆動シーブ 7側の端部には、制動体である楔 41がピン 24により回動自在に設けられている。楔 41は、駆動シーブ 7に対向する制動面 42を有している。制動面 4 2は、駆動シーブ 7の外周部に沿って延びている。楔 41は、駆動シーブ 7の外周部に対して接離可能で、かつ駆動シーブ 7の回転により、駆動シーブ 7の外周部に接触されながら駆動シーブ 7の回転方向へ変位可能になっている。

[0034] 連結体 19は、駆動シーブ 7の回転方向への楔 41の変位によりピン 25を中心に回動される。連結体 19は、ピン 25を中心とする回動により、ブレーキ中心線から外れる方向へ変位される。

[0035] ブレーキ支持部材 15の上部には、駆動シーブ 7と間隔を置いて配置されたくわえ金 43が取り付けられている。楔 41は、くわえ金 43と駆動シーブ 7との間に配置されている。

[0036] くわえ金 43は、ブレーキ支持部材 15に固定されたくわえ金固定部 44と、くわえ金固定部 44と楔 41との間に配置され、くわえ金固定部 44に対してブレーキ中心線に沿った方向へ往復変位可能な受け部である押圧板 45と、押圧板 45とくわえ金固定部 44との間に設けられ、押圧板 45のくわえ金固定部 44に対する変位により伸縮される付勢部である複数の押圧ばね 46と、楔 41の駆動シーブ 7の回転方向への変位量を規制する一対のストッノ 47とを有して、る。

[0037] 押圧板 45は、駆動シーブ 7の外周部に対して傾斜された一対の傾斜部 48を有している。各傾斜部 48は、ブレーキ中心線に関して対称に配置されている。楔 41は、各傾斜部 48をスライド可能になっている。押圧板 45は、楔 41が駆動シーブ 7の外周部に接触しながら駆動シーブ 7の回転方向へ変位されたときに、楔 41に押されて駆動シーブ 7から離れる方向へ変位されるようになっている。即ち、押圧板 45は、楔 41がブレーキ中心線力も離れる方向へ変位されたときに、楔 41により傾斜部 48をスライドされながら押されて、くわえ金固定部 44に近づく方向へ変位されるようになっている。

[0038] 各押圧ばね 46は、押圧板 45の駆動シーブ 7から離れる方向、即ちくわえ金固定部 44に近づく方向への変位により、縮められて弾性復元力を発生するようになっている。即ち、各押圧ばね 46は、押圧板 45の駆動シーブ 7から離れる方向、即ちくわえ金固定部 44に近づく方向への変位に逆らって、楔 41を駆動シーブ 7の外周部に押し付ける方向へ押圧板 45を付勢するようになっている。なお、この例では、楔 41がブレーキ中心線上にあるときには、各押圧ばね 46は、押圧板 45に対する駆動シーブ 7側への付勢力を発生しないようになっている。駆動シーブ 7の回転は、楔 41の駆動シーブ 7の外周部に対する押し付けにより制動される。

[0039] 各ストッノ 47は、押圧板 45を挟むように配置されている。また、各ストッパ 47は、ブレーキ中心線に関して対称位置に配置されている。さらに、各ストッパ 47は、くわえ金固定部 44に対して固定されて、る。楔 41の駆動シーブ 7の回転方向にっ、ての変位量は、楔 41が各ストッパ 47に当接されることにより、規制されるようになっている。他の構成は実施の形態 1と同様である。

[0040] 次に、動作について説明する。通常運転時には、電磁マグネット 23に通電され、楔 41は駆動シーブ 7の外周部から開離されている（図 5の実線)。これにより、駆動シーブ 7に対する制動は、解除されている。

[0041] エレベータの異常が制御装置により検出されたときには、制御装置の制御により電磁マグネット 23への通電が停止される。これにより、楔 41は、駆動シーブ 7の外周部に接する方向へ付勢ばね 22の付勢により変位される。このとき、可動部材 29の位置が保持されたまま、連結体 19が可動部材 29に対してスライドされる。この後、楔 41の制動面 42が駆動シーブ 7の外周部に接する。

[0042] 楔 41が駆動シーブ 7の外周部に接した状態で駆動シーブ 7が回転されると、楔 41 は、駆動シーブ 7の外周部と制動面 42との間の摩擦力により駆動シーブ 7の外周部とともに駆動シーブ 7の回転方向へ変位される。このとき、連結体 19は、ピン 25を中心に回動される。また、可動部材 29は、通しピン 36の連結体 19に対する係合により、連結体 19とともに変位される。これにより、復帰用ばね 30, 31の一方が縮められ、他方が伸ばされる。

[0043] 楔 41が駆動シーブ 7の回転方向へ変位されると、押圧板 45は、楔 41により傾斜部 48をスライドされながら押されて駆動シーブ 7から離れる方向へ変位される。これにより、各押圧ばね 46が縮められ、押圧板 45は、駆動シーブ 7に近づく方向へ各押圧ばね 46により付勢される。これにより、駆動シーブ 7と押圧板 45との間で楔 41が駆動シーブ 7の外周部に押し付けられる。

[0044] 楔 41の駆動シーブ 7の回転方向への変位量が所定量に達すると、楔 41はストッパ 47に当接し、楔 41が駆動シーブ 7とくわえ金 43との間力外れることが防止される。このようにして、駆動シーブ 7の回転が制動され、かご 9の移動が停止される。

[0045] 復帰時には、電磁マグネット 23に通電した後、駆動シーブ 7を逆回転させる。これにより、楔 41は、ブレーキ中心線上へ変位されながら、駆動シーブ 7の外周部から開離される。

[0046] このようなエレベータの非常ブレーキ装置 13では、楔 41が駆動シーブ 7の回転方向へ変位されたときに、押圧板 45が楔 41によって押されて変位され、押圧板 45の変位に逆らって楔 41を駆動シーブ 7の外周部に押し付ける方向へ押圧ばね 46が押圧板 45を付勢するようになって!/、るので、駆動シーブ 7の回転力を楔 41の駆動シーブ 7に対する押し付け力に変換することができる。従って、非常ブレーキ装置 13全体の小形ィ匕を図ることができ、非常ブレーキ装置 13の設置スペースを小さくすることができる。これにより、製造コストも低減することができる。また、駆動シーブ 7の回転をより確実に制動することもできる。さらに、楔 41は、押圧ばね 46により駆動シーブ 7の外周部に弹性的に押し付けられるようになっているので、駆動シーブ 7の回転速度が大きい場合であっても、極端に大きな制動力を駆動シーブ 7に与えることを防止することができ、力ご 9への衝撃を小さくすることができる。

また、連結体 19には、楔 41が回動可能に設けられているので、連結体 19がブレーキ中心線に対して傾斜されても駆動シーブ 7の外周部に対する楔 41の接触面積を一定に保つことができ、楔 41の駆動シーブ 7に対する制動力の低下を防止することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 回転可能な綱車に対して変位可能な連結体、

上記連結体に設けられ、上記綱車の外周部に対して接離可能で、かつ上記綱車の外周部に接触しながら上記綱車の回転方向へ変位可能な制動体、

上記制動体が上記綱車の外周部に対して接離する方向へ上記連結体を変位させるブレーキ駆動装置、及び

上記綱車の外周部に対して傾斜された傾斜部を有し、上記制動体が上記綱車の回転方向へ変位されたときに上記綱車の外周部と上記傾斜部との間に上記制動体が嚙み込むようになって、るくわえ金

を備え、

上記制動体が上記綱車の外周部に接触し、上記綱車の外周部と上記傾斜部との間に嚙み込むことにより、上記綱車の回転を制動するようになっていることを特徴とするエレベータの非常ブレーキ装置。

[2] 上記制動体は、上記連結体に回転自在に設けられた制動ローラであることを特徴とする請求項 1に記載のエレベータの非常ブレーキ装置。

[3] 回転可能な綱車に対して変位可能な連結体、

上記制動体が上記綱車の回転方向へ変位されたときに上記制動体に押されて上記綱車から離れる方向へ変位される受け部と、上記受け部の上記綱車から離れる方向への変位に逆らって、上記綱車の外周部に上記制動体を押し付ける方向へ上記受け部を付勢する付勢部とを有するくわえ金

を備え、

上記制動体が上記受け部により上記綱車の外周部に押し付けられることにより上記綱車の回転を制動するようになっていることを特徴とするエレベータの非常ブレーキ装置。

[4] 上記制動体は、上記連結体に回動自在に設けられた楔であることを特徴とする請求項 3に記載のエレベータの非常ブレーキ装置。

[5] 上記制動体が上記綱車の回転方向へ変位されたときに、上記制動体の変位に逆らうように上記連結体を付勢する連結体位置復帰装置をさらに備えていることを特徴とする請求項 1乃至請求項 4の何れかに記載のエレベータの非常ブレーキ装置。