明 細 書
ソルダーレジスト塗料、その硬化物及びその被膜を備えたプリン ト配線板
技術分野
[0001] 本発明は、二液タイプのソルダーレジスト塗料、その硬化物及びその硬化物の一形 態である被膜を備えたプリント配線板に関する。更に詳しくは、アルコキシシランィ匕合 物の部分加水分解物を含有する第一液とアルコキシチタンを含有する第二液力 構 成される二液タイプのソルダーレジスト塗料にぉ 、て、第一液及び Z又は第二液に チタン酸カリウム繊維を含有させた二液タイプのソルダーレジスト塗料、これらの二液 タイプのソルダーレジスト塗料力ゝら形成される硬化物及びソルダーレジスト塗料から 形成される硬化物の一形態である被膜を備えたプリント配線板に関する。該硬化物、 該被膜は、鉛フリー半田による部品実装に耐える高耐熱性を有するものである。更に 、アンチモンィ匕合物、ハロゲンィ匕合物及びリン化合物を含まないにもかかわらず、難 燃性をも示すものである。
背景技術
[0002] 現在、一部の民生用プリント配線板及びほとんどの産業用プリント配線板のソルダ 一レジストには、アルカリ現像タイプの液状ソルダーレジストが多く使用されている。こ のような感光性 ·熱硬化性榭脂組成物カゝらなるアルカリ現像タイプの液状ソルダーレ ジストとしては、特開昭 61— 243869号公報、特開平 3— 253093号公報、特開平 4 281454号公報、特開平 8— 335767号公報等に、組成物が開示されている。
[0003] また、ソルダーレジストに難燃性を付与する場合は、ハロゲン系難燃化剤、ハロゲン 系難燃化剤とアンチモンィ匕合物との併用が広く使用されている。このようなハロゲン 系難燃化剤を用いるアルカリ現像型のソルダーレジストとしては、例えば特開平 2-8 8615号公報に、組成物が開示されている。し力しながら、最近は、世界的な環境問 題、人体に対する安全性への問題から、難燃性についても脱ハロゲン化、脱アンチ モンへの要求が高まり、例えば、特開 2003— 277470号公報ではハロゲン化合物を 使用しな ヽ有機リン化合物を含有する組成物が開示されて!ヽる。
[0004] 一方、アルカリ現像タイプの液状ソルダーレジストとは別に、もう一つのソルダーレジ ストとして古くから熱硬化タイプの液状ソルダーレジストが使用されており、特公昭 57 -49588号公報、特開昭 56— 15741号公報、特公平 5— 75032号公報、特開平 11 —158252号公報にその組成物が開示されている。組成物としては、主にエポキシ系 榭脂が使用されている。最近でも、フルキシブルプリント配線板や ICパッケージ用プ リント配線板には主に、これらの熱硬化用の液状ソルダーレジストが使用されている。
[0005] ところで、プリント配線板には色々な電子部品が実装されており、その大半は半田 で接合されている。この半田も環境問題から、現在の錫と鉛の共晶半田力 鉛フリー 半田への切替が進められており、一段と高い半田付け温度が要求され、結果的にソ ルダーレジストの耐熱性も向上させねばならなくなつている。この耐熱性の向上等の 目的で、半径十数 nm力 数/ z mのフイラ一をソルダーレジストに添加する方法等が 提案されているが、品質面や生産性の面で不充分である。このように、環境問題を解 決するために、ハロゲン化合物やリンィ匕合物それにアンチモンィ匕合物を含まな 、もの で、かつ、鉛フリー半田による部品実装に耐える高耐熱性を有するソルダーレジスト が実用化に至って 、な 、のが現状である。
[0006] アルカリ現像タイプにしろ、熱硬化タイプにしろ従来のソルダーレジストは、有機ポリ マーが主流であるため、耐熱性及び難燃性に限界があった。また、多くの場合、ソル ダーレジストを基板全面に塗布後、乾燥、露光、現像及び硬化等の煩雑な操作を経 て、基板等に被膜を形成している。そして、パターンに従って必要な箇所のみにソル ダーレジストを塗布し、その後は熱硬化の操作のみで被膜を形成すると ヽぅケースは 極めて少ない状況にある。更に、前述のように有機系のソルダーレジストが主流で、 無機系のソルダーレジストは極めて少ない状況にある。無機系のソルダーレジストが 出現すれば、半田付けの際に、高温度に耐えるという特徴を有し、耐熱性の高いソ ルダーレジスト被膜を形成することができ、また、特に、ハロゲンィ匕合物、アンチモン 化合物、リンィ匕合物等の難燃化剤を使用しなくても、難燃性が確保できるという効果 も期待できる。また、ノターンに従って必要な箇所のみにソルダーレジストを塗布し、 その後は熱硬化の操作のみで被膜を形成するタイプのソルダーレジストにおいては 、露光、現像のための設備が不要で、かつ、工程が少なくなり、製造コストの観点から
も、有利なものである。
[0007] 本発明者らは、耐熱性に優れたコーティング剤を研究する中で、アルコキシ化合物 、アルコキシチタン、コロイダルシリカの水分散液、シリカ粉末等力もなる組成物が耐 熱性に優れた被膜を形成することを見出し、放熱性、遮熱性に優れた組成物及び被 膜として特許出願した (特願 2003— 159589 (特許文献 1) )。本発明者は、このような 放熱性、遮熱性に優れた組成物をソルダーレジストに応用することに着目し、ソルダ 一レジスト塗料の研究を行ってきた。
[0008] アルコキシシラン化合物をソルダーレジスト組成物に応用したものとして、特開 200 1-40663号公報 (特許文献 2)に、ノボラックフエノール榭脂とアルコキシシラン部分 縮合物とを部分的に脱アルコール縮合反応させて得られるアルコキシ基含有シラン 変性フエノール榭脂をエポキシ榭脂とともに使用することが記載されて 、る。しかしな がら、このアルコキシ基含有シラン変性フエノール榭脂は、アルコキシシランの部分縮 合度や脱アルコールによる縮合度を厳密にコントロールする必要があり、その製造が 複雑になるという問題があり、更に、ノボラックフエノール榭脂及びエポキシ榭脂を基 本とする組成物であるので、硬化物である被膜に、そりやクラックを生じやすぐまた、 耐熱性にも限界がある。
[0009] 部分的に加水分解したシランィ匕合物とアルコキシチタンとを反応させることにより無 機系コーティング剤が得られることは、既に知られている(特開昭 63— 12671号公報 (特許文献 3) )。そして、無機系コーティング剤にシリカ微粉末を投入した配合物がタ ィル目地材ゃ充填セメントに使用されている事が特許文献 3に記載されている。しか しながら、これらの混合物をソルダーレジストに使用したところ、比較例にて示したよう に、その被膜の硬度が低ぐ良好な被膜が得られないものである。
[0010] 特許文献 1:特願 2003— 159589号明細書
特許文献 2 :特開 2001-40663号公報
特許文献 3 :特開昭 63-12671号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] 本発明は、上記の有機系ソルダーレジストに係わる事情に鑑みなされたもので、無
機系のソルダーレジストに着目し、耐熱性が高ぐ従って部品実装時には鉛フリー半 田による高温度実装にも耐えることができ、特に難燃化剤を使用することなく高い難 燃性を有し、かつ、工程的にも従来のものに比較し、設備が簡略され、コストの低減し た無機系のソルダーレジスト塗料、該ソルダーレジスト塗料力もなる硬化物及び該ソ ルダーレジスト塗料力もなる被膜を備えたプリント配線板を提供しょうとするものである
課題を解決するための手段
[0012] 本発明の要旨は、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物と有機溶剤力もなる 第一液及びアルコキシチタンと有機溶剤力 なる第二液力 構成される第一液と第 二液とを混合し硬化させる二液タイプのソルダーレジスト塗料にぉ 、て、第一液及び /又は第二液にチタン酸カリウム繊維を含有させることを特徴とする二液タイプのソ ルダーレジスト塗料である。
[0013] そして、第一液及び Z又は第二液に、カオリン粉末、アルミナ粉末及びカップリング 剤処理水酸化アルミ二ユウム粉末からなる群から選択された少なくとも一種を含有す ることができるし、第一液及び Z又は第二液に、表面疎水化処理をしたフュームドシ リカ粉末を含有することもできるし、第一液及び Z又は第二液に、ェチルセルロース 粉末を含有することもできるし、第一液及び Z又は第二液に、ハロゲン原子を含まな 、青色顔料及び Z又はハロゲン原子を含まな 、黄色顔料を配合することができる。
[0014] 上記のソルダーレジスト塗料第一液と第二液とを混合することにより、ソルダーレジ スト硬化物を得ることができる。更に、硬化物の一形態である被膜を同様に得ることが できる。この被膜をプリント配線板にパターン形成することができる。この際、被膜の 厚みは回路のエッジ部において、 7 μ m— 40 μ mになることが好ましい。
[0015] 本発明者は、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物とアルコキシチタンとの反 応で得られる無機系重合体の耐熱性、難燃性等に着目し、鋭意研究し本発明を完 成させたものである。即ち、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物にチタン酸力 リウム繊維を添加し、必要に応じて、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理 水酸化アルミ二ユウム粉末、顔料等を添加し、更には、表面疎水化処理をしたフュー ムドシリカ粉末やェチルセルロース粉末を添加し、アルコキシチタンと反応させること
により、優れた性能をもつソルダーレジスド塗料、該塗料からなる硬化物及び該塗料 力もなる硬化物の一形態である被膜を備えたプリント配線板を提供するものである。 この際、チタン酸カリウム繊維、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸 化アルミ-ユウム粉末、更には、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末ゃェチ ルセルロース粉末、顔料等は、アルコキシチタンを含む液に混合させることもできるし 、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物を含む液とアルコキシチタンを含む液 の両者に混合させることもできる。
発明の効果
[0016] 本発明のソルダーレジスト塗料はソルダーレジスト硬化物、被膜を形成するが、これ らの硬化物、被膜は、耐熱性が高ぐプリント配線板に種々の電子部品が実装される 時に使用される半田の鉛フリー化に伴う実装温度の高温ィ匕に十分耐える高耐熱性を 示し、実用上大きな利点がある。また、実質的に、アンチモンフリー、ハロゲンフリー、 リンフリーであるので、従来の糸且成物に比較して、廃棄物の焼却によって人体や自然 環境に悪影響を与えることなぐプリント配線板廃棄に伴う負担を低減できる。し力も、 ソルダーレジスト塗料の製造が容易で、その硬化物、被膜の形成も複雑な設備を必 要とせず工程も簡略ィ匕され、製造コストの安 、ものとなって!/、る。
発明を実施するための最良の形態
[0017] 本発明の基本は、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物と有機溶剤とからな る第一液及びアルコキシチタンと有機溶剤とからなる第二液とから構成される第一液 と第二液とを混合して硬化させる二液タイプのソルダーレジスト塗料にぉ 、て、第一 液及び/又は第二液にチタン酸カリウム繊維等を含有せしめた二液タイプのソルダ 一レジスト塗料にある。第一液と第二液とを混合して、その混合液 (この混合液をソル ダーレジスト液と称する)を例えば、被覆体に塗布し、必要に応じて加熱することによ り、被覆体上に無機系の硬化物を形成する。膜状に塗布した場合は、被膜が形成さ れる。ここで、チタン酸カリウム繊維は第一液に添加することもできるし、第二液にも添 カロすることもできる。第一液と第二液の両者に添加することもできる。第一液及び Z 又は第二液には、チタン酸カリウム繊維に加えて、カオリン粉末、アルミナ粉末、カツ プリング剤処理水酸化アルミ-ユウム粉末、更には、表面疎水化処理をしたフューム
ドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等を適宜添加することができる。以下、 本発明をアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物を含有する第一液に、チタン酸 カリウム繊維等を混合することを中心に説明する力 チタン酸カリウム繊維、カオリン 粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミ-ユウム粉末、更には、表面疎 水化処理をしたフュームドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等はアルコキシ チタンを含有する第二液に混合して使用することもできる。また、カオリン粉末、アルミ ナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミ-ユウム粉末、表面疎水化処理をしたフユ ームドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等を第一液と第二液とに分けて混 合使用することもできる。
例えば、第一液にチタン酸カリウム繊維を添加し、第二液にカオリン粉末、アルミナ 粉末、カップリング剤処理水酸化アルミ二ユウム粉末、更には、表面疎水化処理をし たフュームドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等を添加してもよいし、第一 液にチタン酸カリウム繊維、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸ィ匕 アルミ-ユウム粉末、顔料等を添加し、第二液に表面疎水化処理をしたフュームドシ リカ粉末やェチルセルロース粉末等を添加してもよ 、し、第二液にチタン酸カリウム 繊維を添加し、第一液にチタン酸カリウム繊維に加えてカオリン粉末、アルミナ粉末、 カップリング剤処理水酸化アルミ-ユウム粉末、更には、表面疎水化処理をしたフユ ームドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等を添加してもよいし、第二液にチ タン酸カリウム繊維、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミ- ユウム粉末等を添加し、第一液にチタン酸カリウム繊維に加えて表面疎水化処理をし たフュームドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等を添加してもよい。また、力 ォリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸ィ匕アルミ-ユウム粉末、更には、 表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等は、第 一液と第二液とに分けて添加混合すること、例えば、添加すべきこれらの無機物の 8 0%は第一液に添加し、残りの 20%は第二液に添加することができる。いずれにして も、第一液と第二液とを混合したソルダーレジスト液において、所定量のチタン酸カリ ゥム繊維、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸ィ匕アルミ-ユウム粉 末、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等を
含有しておればよい。
[0019] アルコキシチタンは単独で使用してもよいが、有機溶剤で希釈して使用する。即ち 、第二液は、少なくとも、アルコキシチタンと有機溶剤とを混合した状態で使用する。 これは、第一液との混合を均一に行うためにも、また、チタン酸カリウム繊維、カオリン 粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミ-ユウム粉末、更には、表面疎 水化処理したフュームドシリカ粉末やェチルセルロース粉末、顔料等を均一に混合 するためにも好ましい。アルコキシチタンの有機溶剤としては、アルコキシチタンを安 定に保持し得るものであればょ ヽ。第一液の有機溶剤と同じ溶剤を使用できることは いうまでもない。
[0020] 第一液のアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物と第二液のアルコキシチタン は、これらを混合すると直ちに反応を開始し硬化を始めるので、ソルダーレジスド塗料 は使用直前によく混合した上で使用するのがよい。そして、第一液と第二液とは混合 した後は、使い切り、長時間混合した状態で放置しないことが奨められる。また、第一 液と第二液とを混合した後は、高温度に曝すことなぐできるだけ低温度に保持する のがよい。
[0021] 第一液と第二液とを混合すると、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物とアル コキシチタンとが反応し、硬化する。これは、アルコキシシラン化合物の部分加水分 解物とアルコキシチタンとが反応する際に、脱アルコールして、 Si— O— Ti結合ないし Si— O— Si結合が生じ、三次元網目構造の重合体になるからである。そして、形成さ れた重合体、即ち、硬化物ないし被膜は実質的に無機系物質力 構成される。硬化 物ないし被膜は、重量で 80%以上が無機物から構成される。本発明のソルダーレジ スト塗料における有機基は、珪素原子及びチタン原子に結合して 、たアルコキシ基 ( アルコール成分)及び珪素原子に直接結合して ヽるアルキル基などの有機基である 力 アルコキシ基はアルコキシシラン化合物の部分加水分解物とアルコキシチタンと が反応する際に、 Si— O— Ti結合ないし Si— O— Si結合が生じ、アルコキシ基のアルコ ール成分が脱離する。但し、珪素原子に直結するアルキル基などの有機基はそのま ま残存する。
[0022] 本発明のソルダーレジスト塗料の第一液及び/又は第二液にはチタン酸カリウム
繊維を混合しているが、これを使用する理由を以下に述べる。プリント配線板は回路 部分と基板部分とからなり、その表面の凹凸は一般に 30— 100 mの段差となって いる。それ故回路被覆用ソルダーレジストは凹の部分で 20— 80 /z m 凸の部分で 1 0— 30 /z mの厚さが必要である。また、プリント配線板は、電子部品が実装されるの で、ソルダーレジストは例えば、 260°Cの半田に耐える必要がある。アルコキシシラン 化合物の部分加水分解物とアルコキシチタン力 なる硬化物のみでは厚い被膜の形 成が困難であり、かつ、例えば、 260°Cの半田でクラックが入りやすい。これらの塗料 にチタン酸カリウム繊維を添加することにより、被膜の厚さが確保でき、かつ、例えば 、 260°Cの半田に耐える被膜を形成することができるようになる。
[0023] また、第一液及び Z又は第二液には、チタン酸カリウム繊維以外にカオリン粉末、 アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末からなる群から選択された 少なくとも一種を添加することができる。これらの化合物の添カ卩により、凹凸のある被 覆体表面上に厚 、被膜を形成することができるとともに、ムラのな!ヽ被膜を形成する ことができる効果がある。一方、部分加水分解したシラン化合物とアルコキシチタンと を反応させる際に、シリカ粉末を混合することが特許文献 3 (特開昭 63-12671号公 報)に記載されている力 本発明者等が、各種カップリング剤処理シリカ粉末も含め て種々検討したものの、熱硬化後の鉛筆硬度が極端に低く実用化できる硬化物ない し被膜を得ることができなカゝつた。
[0024] その他、第一液及び Z又は第二液に、疎水化処理されたフュームドシリカ粉末を添 加することにより、第一液と第二液と混合した後のソルダーレジスト液の粘度が増粘が でき、ソルダーレジスト液のスクリーン印刷やフレキソ印刷の印刷性を向上させること ができる。また、第一液及び/又は第二液に含有するチタン酸カリウム繊維、更には 、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸ィ匕アルミニウム等の沈降を防 止するという効果が認められた。更に、これらの塗料にェチルセルロース粉末を添カロ することにより、プリント配線板の製造カ卩ェ時のワークボードからの外形打ち抜き性を 改善することができる。
[0025] ソルダーレジスト塗料、即ち、第一液と第二液とを混合したソルダーレジスト液を構 成する有機溶剤の配合比率にっ ヽて以下説明する。第一液と第二液とを混合したソ
ルダーレジスト液における有機溶剤は、その配合量は特に限定されるものでな ヽが、 非常に少ない、例えば、ソルダーレジスト液全量に対し、重量で 30%以下になると第 一液と第二液とを混合した際の混合液の硬化時間が短くなり使用上好ましくない。ま た非常に多い、例えば、ソルダーレジスト液全量に対し、重量で 55%以上になると被 膜が薄くなり、安定した被膜の形成が困難になる。
[0026] チタン酸カリウム繊維は、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物 100重量部に 対して、 18重量部力も 80重量部使用するのがよい。この範囲の添カ卩量で、良好な被 膜を得ることができる。 18重量部未満では被膜の厚さを確保するのが困難になり、例 えば、 260°Cの半田付けに耐性が乏しくなる。また、 80重量部を超えると、例えば、ス クリーン印刷により被膜を形成する際、印刷性が悪くなり、均一でムラのない被膜が 得られにくくなり実用上好ましくない。
[0027] 第二液の主要成分であるアルコキシチタンの使用量は、アルコキシシラン化合物の 部分加水分解物 100重量部に対して、 5重量部から 30重量部使用することにより、 良好な被膜性能を得ることができる。 5重量部未満では、被膜の鉛筆硬度等が低くな り実用に耐えないものとなり、 30重量部を超えると例えば、 260°Cの半田槽でのフロ ート試験で被膜にクラック等が入りやすくなり実用に耐えないものとなる。ここでの使 用量はあくまでも、有機溶剤を含まない、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物 、アルコキシチタンをベースにおいている。アルコキシチタンの実際の添カ卩量は、使 用するアルコキシチタンィ匕合物の種類 (例えば、チタンテトラブトキシドであるかチタン テトラプロボキシドであるか等)、アルコキシシランィ匕合物の種類とその使用量 (特に、 トリアルコキシシランゃテトラアルコキシシランの使用量)によって異なる。アルコキシ シランのうち、トリアルコキシシランゃテトラアルコキシシランの使用量が多いと、アルコ キシチタンの添加量は、少なくてよい。また、チタンテトラブトキシドはその分子量が大 きいので、添加量はチタンテトラプロボキシドよりは多めに添加することになる。
[0028] アルコキシチタンの添加量は、珪素元素に対するチタン元素の割合で表して、 0. 0 10-0. 15の範囲にするのがよい。チタンの添カ卩量が珪素元素の対して 0. 010より 少ないと、網目構造の硬化物、被膜の形成が困難になり、一方、チタンの添加量が 珪素元素の対して 0. 15より大きいと、ソルダーレジスト液の硬化速度が速すぎたり、
形成した硬化物や被膜の性能が十分でなぐ例えば、半田付け時にクラックが入りや すくなる。
[0029] 次に、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末等 の添加量であるが、その添加量の上限は被膜のチョウキング (粉末が被膜表面に露 出して ヽる現象)が発生しな ヽ範囲でよ!ヽ。
[0030] 表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末は、アルコキシシラン化合物の部分カロ 水分解物 100重量部に対して 19重量部以下が好ましい。この添加量を超えると、第 二液と混合した混合液の貯蔵中の粘度上昇が速くなつたり、被膜に小径の粒が発生 しゃすくなり実用上好ましくない。ェチルセルロース粉末は、アルコキシシランィ匕合物 の部分加水分解物 100重量部に対して、 13重量部以下が好ましい。この添加量を 超えると被膜の難燃性が低下するからである、また、顔料については、ハロゲン原子 を含まない青色顔料とハロゲン原子を含まない黄色顔料を使用するが、これらは、被 膜を目視で緑色に見える量の青色顔料と黄色顔料の割合でょ 、。
[0031] 次に、本発明のソルダーレジスト塗料の中心成分である、アルコキシシラン化合物 の部分加水分解物にっ 、て説明する。アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物 は、一般式化 1で表せるアルコキシシランィ匕合物を部分的に加水分解、縮合して得ら れるオリゴマーである。ィ匕 1における R1としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、ィ ソプロピル基、アミノエチル基、グリシジルプロピル基 (化 2参照)等、また、 R2としては 、メチル基、ェチル基等を例示することができる。ここで、 nは 0— 3の整数である。
[0032] [化 1]
R ^ S i (O R 2) 4 -
[0033] [化 2]
CH2 - CH- C H2 - 0 - (C H2) 3 - O
[0034] アルコキシシランィ匕合物として、上記化 1で表される物質の中から、少なくとも一種 を適宜選択して使用する。通常二種ないし三種の化合物を混合使用する。これらの アルコキシシラン化合物を酸触媒の存在下で、アルコキシシランを完全に加水分解 するに要する水の量 (計算値)よりも少な!、量の水と反応することにより部分加水分解 物を得ることができる。トリアルコキシシランゃテトラアルコキシシランが存在すると、塗 料の硬化によって得られる被膜は、 3次元構造を有するものとなる。
[0035] 第一液又は第二液で使用する有機溶剤としては、以下の溶剤を使用することがで きる。メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、 1ーブタノール 、 2—ブタノール、ジアセトンアルコール、酢酸ブチル、酪酸ブチル、プロピレンダルコ ールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、ブチルカルビトール、ブチルカルビ トールアセテート、乳酸ブチル、ェチルカルビトール、ェチルカルビトールアセテート 、イソホロン、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコーノレ n—プロ ピルエーテル、プロピレングリコール n—ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメ チルエーテル、プロピレングリコーノレジアセテート、エチレングリコーノレモノブチノレエ 一テル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、 3—メトキシブタノール、 3 -メトキシブチルアセテート等の溶剤である。し力しこれらの溶剤に限定されるもので ないし、また、溶剤は 1種類又は 2種類以上を混合使用することもできる。
[0036] チタン酸カリウム繊維は、六チタン酸カリウムの繊維である。繊維の直径は 1 μ m以 下であり、繊維の平均長さは 20 m以下、最大長さで 100 m以下が好ましい。繊 維の直径や平均長さそれに最大長さがこれらの数値より大きくなるとスクリーン印刷 やフレキソ印刷時被膜にムラができ、安定した印刷ができなくなり適さなくなる。
[0037] アルコキシチタンは、式化 3で表されるものである。式中の Rとしては、メチル基、ェ
チル基、プロピル基、ブチル基等を例示することができる。反応速度から、 Rとして、 プロピル基、ブチル基のものが好適に使用できる。
[0038] [化 3]
T i (OR) 4
[0039] カオリン粉末は、平均粒径が 5 μ m以下、最大粒径が 25 μ m以下の粉末であり、付 着水分は 0. 8重量%以下のものが好ましい。粒径がこれらの数値より大きくなると被 膜に斑が生じやすくなり、均一性に欠けるようになるので適さない。付着水分が 0. 8 重量%を超えると、被膜の鉛筆硬度が極端に小さくなり適さない。アルミナ粉末は、 平均粒径が 5 μ m以下、最大粒径が 25 μ m以下のものが好ましぐ酸化ナトリウム (N a O)が 0.06重量%以下の粉末が好適に使用できる。粒径力これらの数値より大きく
2
なると、被膜に斑が生じやすくなり、均一な被膜が得られないので適さない。酸化ナト リウム(Na O)の量が 0.06重量%を超えると、ソルダーレジスト液の硬化を阻害する
2
ので適さない。
[0040] カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末は、平均粒径が 3 μ m以下、最大粒径 力 S25 μ m以下のものが好ましぐ可溶性酸ィ匕ナトリウムは 0.06重量%以下のものが 好ましい。更に、エポキシシラン系やチタネート系カップリング剤で表面コーティング したものが好適に使用できる。エポキシシラン系カップリング剤で表面コーティングし たものが、プリント配線板の回路銅との密着性で優れている。粒径や可溶性酸化ナト リウム (Na O)に対する数値の制限はアルミナ粉末の場合と同じ理由である。また、力
2
ップリング処理剤で表面コーティングしないと、被膜にはじきが出て適さない。
[0041] 表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末は、一次粒子の平均径が 20nm以下 のものが好まし 、。ジメチルジクロロシランやへキサメチルジシラザン等で表面の疎水 化処理を行ったものが好適に使用できる。特に、へキサメチルジシラザン処理品がソ ルダーレジスト液 (第一液と第二液の混合液をソルダーレジスト液と称して 、る)の増 粘に効果がある。表面疎水化処理されな!、とソルダーレジスト液の増粘効果がな 、 ので適さない。また一次粒子の平均径が 20nmを超えると、硬化後の被膜上に円形 突起が生じ好ましくない。ェチルセルロース粉末は、例えば、米国ハーキュレス社の
N—タイプ(無水グルコース一単位あたりのエトキシ基置換度 2.41から 2.51のもの)を 好適に使用することができる。 N—タイプのうち粘度別グレードでは、 N— 50、 N-100 が特に、溶解性と被膜品質のバランスの観点カゝら好ましい。ハロゲン原子を含まない 青色顔料とハロゲン原子を含まない黄色顔料については、青色顔料としては、銅フタ ロシアニンブルー、鉄フタロシアニンブルー、インジゴなどが例示できる。黄色顔料と しては、アントラキノンイェロー、ベンツイミダゾロンイェロー、酸化鉄などが好適に使 用できる。
[0042] 次に、第一液と第二液とを混合してソルダーレジスト液を調製し、このソルダーレジ スト液をプリント配線板等に塗布して硬化物な 、し被膜を形成する手順にっ 、て説 明する。アルコキシシラン化合物の部分加水分解物を溶解した有機溶剤にチタン酸 カリウム繊維を添加し、混合する。必要に応じて、更に、カオリン粉末、アルミナ粉末、 カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末や表面疎水化処理されたフュームドシリ 力粉末、ェチルセルロース粉末、更には、ハロゲン原子を含まない青色顔料とハロゲ ン原子を含まない黄色顔料を添加し、プロペラ型又は櫂型の回転翼を有する撹拌槽 で、これら繊維や粉末が液体に充分に練りこなれるまで撹拌混合する。当然、この方 式以外の撹拌方式を使用することもできる。この時の混合温度は 40°C以下が好まし い。 40°Cを越えると、混合液に皮張り(ソルダーレジスト液の表面に生成する薄い膜 状のもの)等が発生しやすくなり好ましくない。更に、必要に応じて、混合液をボール ミルや 3本ロール等に移し、粉末や繊維が充分に分散するまで混合、混練する。この 際、前述と同じ理由で、混合、混練時の液温は 40°C以下が好ましい。このようにして 、第一液が得られる。
[0043] 一方、アルコキシチタンを有機溶剤に溶解した第二液を準備する。前記の第一液と 第二液とをプロペラ型あるいは櫂型の回転翼を有する撹拌槽で、両方の液が充分に 混合されるまで、一般に 10分間以上撹拌する。この時の撹拌液温度は 30°C以下が 好ま 、。 30°Cを越えると被膜外観に不均一な斑点等が発生し好ましくな!/、。
[0044] ソルダーレジスト液の調製に当たっては、第一液及び第二液の粘度を混合直前に 互いにほぼ同じ粘度とするのが好ましい。また、ソルダーレジスト液調製時、不十分 な混合による局部的な反応の進行を防止するために、アルコキシシランィ匕合物の部
分加水分解物の有機溶剤溶液に添加する、チタン酸カリウム繊維、カオリン粉末、ァ ルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末や表面疎水化処理されたフ ユームドシリカ粉末、ェチルセルロース粉末、顔料等の一部をアルコキシチタンの有 機溶剤溶液に添加し、ボールミルや 3本ロールで充分混合、混練してもよい。この場 合の混合、混練時の液温も、前述と同じ理由で 40°C以下が好ましい。また、第一液と 第二液は混合すると、直ちに反応し硬化を始めるので、第一液と第二液とを混合した 後は、長時間放置することなぐ速やかに対象物に塗布するのがよい。また、第一液 と第二液とを混合したソルダーレジスト液は、残さずに使い切るのがよい。ソルダーレ ジスト液が残った場合は、廃棄し再使用しないことが奨められる。ソルダーレジスト液 は、第一液と第二液とを別々に調製しておき、二者を混合して得ることもできるし、ァ ルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物の有機溶剤溶液にチタン酸カリウム繊維、 カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末や表面疎 水化処理されたフュームドシリカ粉末、ェチルセルロース粉末、顔料等を混合し、し 力る後にアルコキシチタンの有機溶剤溶液を混合することによつても得ることもできる
[0045] 基板に被膜を形成するには、先に調製した第一液と第二液の混合液であるソルダ 一レジスト液を基板に塗布し、乾燥、熱処理する。基板は、回路がサブトラクティブ法 、セミアデティブ法やアデティブ法等で形成されたプリント配線板等である。プリント 配線板表面にソルダーレジスト液を塗工しパターンを形成する方法としては、スクリー ン印刷法やフレキソ印刷法が適用できる。
[0046] 回路表面に塗工された被膜の乾燥、硬化は、最高で 200°C、最低で 100°Cの範囲 で室温力 徐徐に昇温するプロファイルで乾燥、硬化する。また硬化後の室温までの 冷却は、急冷は避け、徐徐に冷却するプロファイルで行う。昇温や冷却のプロフアイ ルは、プリント配線板の基板の厚さや回路の厚さ等により品質や生産性を考慮して決 定する。最高温度が 200°Cを越えると、プリント配線板の熱劣化や内部応力の発生 により好ましくない。また最高温度が 100°C未満では、本発明のソルダーレジスト塗 料の硬化(乾燥)が実用上必要な時間で終了しな 、ので好ましくな!/、。
[0047] 硬化後の被膜の厚さは、プリント配線板上の回路のエッジ部で 7 μ m以上が必要で
ある。 7 111未満では、長期使用時の回路の保護の劣化を起こし好ましくない。
実施例 1
[0048] ジメチルジメトキシシラン 2000g、メチルトリメトキシシラン 4000g及び式化 4で表さ れるエポキシ基を含むアルコキシシラン (化 4参照) lOOOgからなるアルコキシシラン 混合物を、純水 lOOOgと酢酸 100gの混合液中に滴下し、室温で反応させた。反応 は発熱を伴って進行し、数十分間で終了した。これに、プロピレングリコールモノメチ ルエーテルを加え、アルコキシシラン化合物の加水分解物の溶液を得た。プロピレン グリコールモノメチルエーテルの添加量は、アルコキシシラン化合物の加水分解物の 溶液を 105°Cで 120分間乾燥した後の固形分基準で、 45重量%になる量とした。
[0049] [化 4]
C H 2 - C H - C H2 - O - ( C H 2) 3 - S i (O C H 3) 3
O
[0050] 次いで、上記のアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物溶液 lOOOgに、六チタ ン酸カリウム繊維(繊維の平均直径が 0. 5 μ mのもので、平均長さが 15 mのもの) 240gを加え、液温 20°Cから 30°Cで 30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹 拌した。次いで、この混合液をボールミルに移し、 120分間混合した。混合時の液温 が 20°Cから 30°Cになるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このよう にして第一液を調製した。第二液として、テトラブトキシチタンのプロピレングリコール モノメチルエーテルの 50重量%溶液を調製した。第一液に第二液を、アルコキシシ ランィ匕合物の加水分解物の溶液を 105°Cで 120分間乾燥した後の固形物 100重量 部に対して 36重量部となる割合で加え、プロペラ型撹拌機で 25°Cで 15分間混合し 、液状ソルダーレジスト液とした。
実施例 2
[0051] 実施例 1のアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物溶液 1 OOOgに力オリン粉末 (
粉末の平均粒径が 3. 0 mのもので、付着水分が 0. 6重量0 /0のもの) 100gとアルミ ナ粉末 (粉末の平均粒径が 2. 0 mのもので、酸化ナトリウムが 0. 03重量%のもの) 460gと六チタン酸カリウム繊維(繊維の平均直径が 0. のもので、平均長さが 1 5 mのもの) 120gをカ卩え、液温 20°Cから 30°Cで 30分間プロペラ型回転翼を有す る撹拌槽で撹拌した。次いで、この混合液をボールミルに移し、 120分間混合した。 混合時の液温が 20°Cから 30°Cになるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡 した。このようにして第一液を得る。第二液として、テトラブトキシチタンのプロピレング リコールモノメチルエーテルの 50重量%溶液を調製した。第一液に第二液を、アル コキシシランィ匕合物の部分加水分解物の溶液を 105°Cで 120分間乾燥した後の固 形物 100重量部に対して 36重量部となる割合でカ卩え、プロペラ型撹拌機で 25°Cで 1 5分間混合し、液状ソルダーレジスト液とした。
実施例 3
[0052] 実施例 1のアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物溶液 1000gに、カオリン粉 末(粉末の平均粒径が 3. 0 mのもので、付着水分が 0. 6重量%のもの) 100gとァ ルミナ粉末 (粉末の平均粒径が 2. のもので、酸ィ匕ナトリウムは 0. 03重量0 /0の もの) 460gと六チタン酸カリウム繊維 (繊維の平均直径が 0. のもので、平均長 さが 15 mのもの) 120gと表面疎水化処理したフュームドシリカ粉末 (一次粒子の平 均径が 7nmで、へキサメチルジシラザンで表面処理されたもの) 50gをカ卩え、液温 20 °Cから 30°Cで 30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌した。次いで、この混 合液をボールミルに移し、 120分間混合した。混合時の液温が 20°Cから 30°Cになる ように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡して、第一液を得た。第二液として、テ トラブトキシチタンのプロピレングリコールモノメチルエーテルの 50重量0 /0溶液を調製 した。第一液に第二液を、アルコキシシランィ匕合物の加水分解物の溶液を 105°Cで 120分間乾燥した後の固形物 100重量部に対して 36重量部となる割合でカ卩え、プロ ペラ型撹拌機で 25°Cで 15分間混合し、液状ソルダーレジスト液とした。
実施例 4
[0053] 実施例 1のアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物溶液 1000gに、カオリン粉 末(粉末の平均粒径が 3. 0 mのもので、付着水分が 0. 6重量%のもの) 100gとァ
ルミナ粉末 (粉末の平均粒径が 2. O /z mのもので、酸ィ匕ナトリウムは 0. 03重量0 /0の もの) 460gと六チタン酸カリウム繊維 (繊維の平均直径が 0. のもので、平均長 さが 15 μ mのもの) 120gと表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末(一次粒子の 平均径が 7nmで、へキサメチルジシラザンで表面処理されたもの) 50gと米国ハーキ ュレス社の N— 50タイプのェチルセルロース粉末 30gとを加え、液温 20°Cから 30°C で 30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌した。次いで、この混合液をボー ルミルに移し、 120分間混合した。混合時の液温が 20°Cから 30°Cになるように制御 した。ボールミルの途中簡単に脱泡して、第一液を得た。第二液として、テトラブトキ シチタンのプロピレングリコールモノメチルエーテルの 50重量0 /0溶液を調製した。第 一液に第二液を、アルコキシシランィ匕合物の加水分解物の溶液を 105°Cで 120分間 乾燥した後の固形物 100重量部に対して 36重量部となる割合で加え、プロペラ型撹 拌機で 25°Cで 15分間混合し、液状ソルダーレジスト液とした。
実施例 5
実施例 1のアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物溶液 lOOOgに、六チタン酸 カリウム繊維(繊維の平均直径が 0. 5 mのもので、平均長さが 15 mのもの) 240 g、カップリング剤処理した水酸ィ匕アルミニウム粉末 (粉末の平均粒径が 2. のも ので、可溶'性酸ィ匕ナトリウムは 0. 05重量%で、エポキシシラン系カップリング剤で表 面コーティングしてあるもの) 550gと表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末 (一 次粒子の平均径が 7nmでへキサメチルジシラザンで表面処理されたもの) 60gと黄 色顔料 (アントラキノンイェロー) 4gと青色顔料 (銅フタ口-シアンブルー) 4gとを加え 、液温 20°Cから 30°Cで 30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌した。次い で、この混合液をボールミルに移し、 180分間混合した。混合時の液温が 20°Cから 3 0°Cになるように制御した。このようにして第一液を調製した。第二液として、テトラブト キシチタンの酪酸ブチルの 50重量%溶液を調製した。第一液に第二液を、アルコキ シシランィ匕合物の加水分解物の溶液を 105°Cで 120分間乾燥した後の固形物 100 重量部に対して 40重量部となる割合で加え、プロペラ型撹拌機で 25°Cで 15分間混 合し、液状ソルダーレジスト液とした。
実施例 6
[0055] 実施例 1一 3のソルダーレジスト液を、常法のサブトラクティブ法によりパターン形成 された FR— 4グレードの銅張積層板の銅箔上及び全面エッチングされた FR— 4ダレ ードの基板上にアプリケーター塗工し、最高温度 180°Cの温度プロファイルで徐々に 昇温して全乾燥時間で 120分間熱風乾燥し、その後 60分間で徐々に室温まで冷却 した。また、実施例 4、 5のソルダーレジスト液については、常法のサブトラクティブ法 によりパターン形成された FR— 4グレードの銅回路板上にアプリケーター塗工し、最 高温度 180°Cの温度プロファイルで徐々に昇温して全乾燥時間で 120分間熱風乾 燥し、その後 60分間で徐々に室温まで冷却した。尚、硬化 (乾燥)後の被膜の厚さは 銅回路のエッジ部で 10 μ mになるようにした。
[0056] 実施例 1一 5で得たソルダーレジスト硬化物 (被膜)につ 、て、プリント配線板として の性能試験を行った。結果を実施例 1、 2及び 3については表 1に、実施例 4、 5につ いては表 2に示す。また、表中の各性能試験の評価方法は、別途示した通りである。
[0057] [表 1]
[0058] [表 2]
特 性 実施例 4 実施例 5 被膜外観 良好 良好
銅回路上 6Η 6Η
鉛筆硬度
基材上 6Η 6Η
半田耐熱性 (260て 20秒フロート) クラック、 剥雜無し クラック、 剥離無し 鉛筆硬度 6Η 6Η
耐酸性 銅回路上
外観 クラック、 剥雜無し クラック、 剥離無し
(0. 5%硫酸水溶液
に 30てで 10分間浸 基材上 鉛筆硬度 6Η 6Η
溴)
外観 クラック、 剥雜無し クラック、 剥離無し 電気絶縁性 1O0O0M Ω 10000M Ω 電気耐電圧性 合 格 合 格
目視による 目視による
塩水1 クラック、 剥離無し クラック、 剥離無し
( 5 %食塩水を 35てで 96時間噴霧)
テープによる剥饑無し テープによる剥讎無し 耐燃性 (UL垂直法による) V-0 合格 V-0 合格 ソルダーレジスト硬化物中のアンチモン含有量 1 ΡΡΜ以下 1 ΡΡΜ以下
塩素 12 ΡΡΜ 12 ΡΡΜ ソルダーレジスト硬化物中のハロゲン含有量
臭素 5 ΡΡΜ以下 5 ΡΡΜ以下 ソルダーレジスト硬化物中のリン含有量 80 ΡΡΜ以下 80ΡΡΜ以下 実施例 7
実施例 1のアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物溶液 lOOOgに、六チタン酸 カリウム繊維(繊維の平均直径が 0.5 mのもので、平均長さが 15 mのもの) 240 gを加え、液温 20°Cから 30°Cで 30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌し た。次いで、この混合液をボールミルに移し、 180分間混合した。混合時の液温が 20 °Cから 30°Cになるように制御した。このようにして、第一液を得た。別途、第二液とし て、テトラブトキシチタンのプロピレングリコールモノメチルエーテルの 50重量0 /0溶液 を調製した。第一液に第二液を、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物の溶液 を 105°Cで 120分間乾燥した後の固形物 100重量部に対して、 10、 16、 30、 40、 4 8、 60重量部になる割合で配合 '混合し、プロペラ型撹拌機で 25°Cで 15分間混合し 、この液剤を、常法のサブトラクティブ法によりパターン形成された FR— 4グレードの 銅張積層板の銅箔上及び全面エッチングされた FR— 4グレードの基板上にアプリケ 一ター塗工し、最高温度 180°Cの温度プロファイルで徐々に昇温して全乾燥時間で 120分間熱風乾燥し、その後 60分間で徐々に室温まで冷却した。尚、硬化 (乾燥)
後の被膜の厚さはエッチング基板上で 10 mになるようにした。その硬化物の物性 等を表 3に示した。表 3から、この実施例にお力るアルコキシシランィ匕合物とアルコキ シチタンィ匕合物との関係においては、アルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物の 固形分 100重量部に対してアルコキシチタン正味の混合量は 8— 24重量部が好まし い被膜を与えることがわかる。これをチタン元素と珪素元素との元素比で表すと、 0. 029—0. 087の値となる。
[0060] [表 3]
比較例 1
[0061] 実施例 1のアルコキシシランィ匕合物の部分加水分解物溶液 lOOOgにシリカ粉末( 粉末の平均粒径が 4. 8 μ mのもの) 470gと表面疎水化処理したフュームドシリカ粉 末(一次粒子の平均径が 7nmでへキサメチルジシラザンで表面処理されたもの) 60g とを加え、液温 20°Cから 30°Cで 30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌し た。次いで、この混合液をボールミルに移し、 180分間混合した。混合時の液温が 20 °Cから 30°Cになるように制御した。このようにして、第一液を調製した。一方、テトラブ トキシチタンの酪酸ブチルの 50重量%溶液を第二液として調製した。第一液に第二 液を、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液を 105°Cで 120分間乾燥した 後の固形物 100重量部に対して 40重量部の割合でカ卩え、プロペラ型撹拌機で 25°C で 15分間混合し、液状ソルダーレジスト液とした。ソルダーレジスト液を、常法のサブ トラクティブ法によりパターン形成された FR— 4グレードの銅張積層板の銅箔上及び 全面エッチングされた FR— 4グレードの基板上にアプリケーター塗工し、最高温度 18 0°Cの温度プロファイルで徐々に昇温して全乾燥時間で 120分間熱風乾燥し、その 後 60分間で徐々に室温まで冷却した。尚、硬化 (乾燥)後の被膜の厚さは銅回路の エッジ部で 10 μ mになるようにした。
比較例 2
[0062] 比較例 1のシリカ粉末 470gの代わりに、疎水化されたシリカ粉末 (粉末の平均粒径 が 5. O /z mのもので、含水ケィ酸に有機ケィ素化合物を化学的に反応結合させたも ので、その表面は有機基で覆われている) 470gを配合し、比較例 2と同様に処理し た。
比較例 3
[0063] 比較例 1のシリカ粉末 470gの代わりに、カオリン粉末 (粉末の平均粒径が 2. 3 m のもので、付着水分が 0. 9重量%のもの) 360gを配合し、比較例 1と同様に処理した 比較例 4
[0064] 実施例 3の表面疎水化処理したフュームドシリカ粉末 60gの代わりに、表面疎水化 処理されて!ヽな 、フュームドシリカ粉末(一次粒子の平均粒径が 12nmのもの) 60g を配合し、比較例 2と同様に処理した。
[0065] 実施例 1は添加物として六チタン酸カリウム繊維を添加した系、実施例 2は添加物と して六チタン酸カリウム繊維の他にカオリン粉末とアルミナ粉末を添加した系、実施 例 3は添加物として六チタン酸カリウム繊維の他にカオリン粉末、アルミナ粉末及び へキサメチルジシラザンで表面疎水化処理したフュームドシリカ粉末を添加した系、 である。いずれの系も、表 2に示したように、被膜外観が良好で、被膜の硬度も 6Hで 充分な硬度を有し、耐熱性も半田耐熱性が 260°C20秒フロートで問題はなぐ耐酸 '性も問題のな!、ものであった。
[0066] 実施例 4は六チタン酸カリウム繊維の他にカオリン粉末、アルミナ粉末、表面疎水 化処理したフュームドシリカ粉末及びェチルセルロース粉末を添加した系であり、実 施例 5は六チタン酸カリウム繊維の他にカップリング剤処理した水酸ィ匕アルミニウム粉 末、表面疎水化処理したフュームドシリカ粉末及び黄色顔料 (アントラキノンイェロー )と青色顔料 (銅フタ口-シアンブルー)を添加した系である。 V、ずれの系の被膜も、 表 3に示したように、表面外観、表面硬度、半田耐熱性、耐酸性、電気絶縁性、電気 耐電圧性、耐酸性、難燃性等に問題なぐまた、ハロゲン、アンチモンやリンの含有 量の少な!/、ものであった。
[0067] 比較例 1一 4で得たソルダーレジスト硬化物 (被膜)につ 、て、プリント配線板として の性能試験を行った。結果を表 4に示す。また、表中の各性能試験の評価方法は別 途記載した通りである。
[0068] [表 4]
[0069] 比較例 1はシリカ粉末及び表面疎水化処理したフュームドシリカ粉末を添加した系 、比較例 2は比較例 1におけるシリカ粉末の代わりに疎水化されたシリカ粉末を添カロ した系、比較例 3は比較例 1におけるシリカ粉末代わりにカオリン粉末を添加した系、 比較例 4は実施例 3の表面疎水化処理したフュームドシリカ粉末の代わりに表面疎水 化処理されていないフュームドシリカ粉末を添カ卩した系である。いずれの系も、チタン 酸カリウム繊維は含まず、シリカ粉末を含む系であり、特に、比較例 4は表面疎水化 処理をしていないフュームドシリカ粉末を含む系である。表 4から、チタン酸カリウム繊 維は含まず、単にシリカ粒子を添加した系、表面疎水化処理をしていないフュームド シリカ粉末を添加した系は、その被膜の硬度が低ぐ良好な被膜が得られないことが ゎカゝる。
[0070] 表中における各性能試験における、試験方法は以下の通りである。
鉛筆硬度: JISK5600の試験方法に従い、評価は被膜の破れで評価する。評価する 場所は銅回路上と銅回路の無!ヽ基板上で行う。
半田耐熱性: JISC5012の試験方法で行う。 260°Cの半田槽に 20秒間フロートさせ、 被膜のクラックの有無や被膜と基材ならびに銅回路との間の剥離の有無を目視で観 察する。
耐酸性:試験片を 0. 5%硫酸水溶液に 30°Cで 10分間浸漬し、水洗後 120°Cで 120 分乾燥し、室温まで放冷後前述の鉛筆硬度試験と目視による被膜のクラックや剥離 を観察する。
耐塩水噴霧性: JISK5600の試験方法で行 、、 5%食塩水で 35°Cで 96時間噴霧し 、水洗乾燥した後目視による被膜のクラックや剥離を観察する。また、セロテープ (登 録商標)による被膜の剥離を観察する。
電気絶縁性: JISC5012の試験方法で行う。試験片を 60°CZ90%ZDC30VZ50 0時間処理後の回路間絶縁抵抗を測定する。試験片の回路はライン Zスペース = 1 25 μ m/125 μ mとした。
電気耐電圧性: JISC5012の試験方法で行う。回路のライン Zスペース = 125 μ m Ζΐ 25 /ζ πιの回路間に 250V、 1分間印加し、漏れ電流 0. 5mA以下を合格とする。 耐燃性:米国の難燃性試験規格 UL94の試験方法で行う。 1. 6mm厚さの FR— 4グ レードガラスエポキシ銅張積層板 (UL94で V— 0グレードに認定されて 、る品種)の 全面エッチングされた基板の両面に、硬化(乾燥)後の厚さで約 20 μ mの被膜を形 成したもので、垂直法で耐燃焼試験を行い、 V— 0に合格するかどうかを判定する。 アンチモン、ハロゲン、リン含有量:アンチモンは原子吸光法、ハロゲンはイオンクロ マト法、リンは吸光光度法による。
産業上の利用可能性
以上詳述したように、本発明は、二液タイプのソルダーレジスト塗料及びそのソルダ 一レジスト塗料カゝらなる硬化物、その硬化物である被膜を備えたプリント配線板に関 するものであり、硬化物、被膜は重量で 8割以上の成分が無機物であることを特徴と している。従って、耐熱性が高ぐプリント配線板に種々の電子部品の実装時に使用 される半田の鉛フリー化に伴う実装温度の高温ィ匕に十分耐えるものであり、また、ァ ンチモンィ匕合物、ハロゲンィ匕合物やリンィ匕合物を実質的に含まないので、それ自体 高い難燃性を有すると共に、従来のソルダーレジスト硬化物、被膜に比較して廃棄物 の焼却によって人体や自然環境に悪影響を与えないという特徴を有する。更に、露 光、現像工程を必要としないので、工程が簡略化され、製造コストも低くなるという特 徴もある。このような特徴を備えた本発明は、プリント配線板を使用する、広い産業分 野で、有効に利用できるものである。