空気調和機の壁掛け型室内ユニット
技術分野
[0001] 本発明は、壁掛け型空調機に関する。より詳細には、本発明は薄型化を図るに好 適な空気調和機の壁掛け型室内ユニットの機器配置構造に関する。
背景技術
[0002] 空気調和機の壁掛け型室内ユニットは、奥行き寸法を小さくして、室内との調和が 図られている。特開昭 62— 213620号はこのような室内ユニットを開示する。この室 内ユニットは、本体ケーシングはその前面上部及び前面下部に、それぞれ吸込ダリ ル及び吹出グリルを有する。本体ケーシング内においては、吸込グリルに対向する位 置に平坦な箱型形状をなすフィン付チューブ型熱交換器が上下方向に直線状に配 置され、同熱交^^の下方にクロスフローファンが配置されて 、る。
[0003] 近年、室内ユニットでは省エネルギー化を図るため、フィン付チューブ型熱交換器 の熱交換面積が大きく設計される。このため、従来の空気調和機のように熱交換器が 上下方向に延びるものでは、熱交^^の熱交換面積を大きくするためには通風面積 を大きくする必要がある。しかし、通風面積が大きいと、室内ユニットの前面面積が大 きくなり過ぎるという問題がある。
[0004] また、上記の室内ユニットにおいて、熱交換器の列数を増加させて熱交換面積を 大きくしょうとすると、熱交^^の通風抵抗が大きくなりクロスフローファンでは静圧が 不足するという問題が生ずる。この結果、近年の壁掛け型室内ユニットは、熱交換器 を二つ折れ或いは三つ折れ状に形成してクロスフローファンの上方部を取り囲むよう に配置させることにより、熱交換面積を大きくして熱交^^の能力を向上させるように 構成されている。このような空気調和機の壁掛け型室内ユ ットは特開平 9— 24310 3号、特開平 10— 132371号及び特開 2000— 329364号【こ開示されて!ヽる。 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] し力しながら、上述した従来の空気調和機の壁掛け型室内ユニットは、本体ケーシ
ングの前面面積自体は従来とあまり変わっていないが、熱交 を二つ、または三 つ折れ状に形成したため、奥行き方向の寸法が大きくなつている。この結果、室内ュ ニットが室内壁面力 突出する寸法が大きくなり、部屋との調和がとれなくなつてきて いる。このため、最近はエネルギー効率を低下させることなぐ薄型化した熱交 の室内ユニットの開発が要望されている。
[0006] 本発明は、このような背景に基づきなされたものであって、熱交換器の性能を低下 させることなく薄型化した空気調和機の壁掛け型室内ユニットを提供することを目的と する。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明に係る空気調和機の壁掛け型室内ユニットは、上記課題を解決するために なされたものであって、第 1の発明は、前面に第 1吸込グリルを有し下方に吹出グリル を備えた本体ケーシングと、本体ケーシング内において、側面視、折れ線状に配置さ れたフィン付チューブ型熱交^^と、回転軸が本体ケーシング前面と平行となるよう にフィン付チューブ型熱交^^の下方に配置された複数のシロッコファンとを備えて いることを特徴とする。
[0008] 一態様において、複数のシロッコファンは、吹出側を吹出グリルに連通するように配 置されている。
[0009] 別の態様にぉ 、て、本体ケーシングは、上面に第 2吸込グリルを有し、フィン付チュ ーブ型熱交換器は、前面グリルに平行な直線と、前方上部から後方下部に傾斜する 直線との組み合わせ力 なる二つ折れ山形状に配置されている。
[0010] 更に別の態様において、複数のシロッコファンは、本体ケーシング内を吸い込み側 と吹出側とに仕切る仕切板を介して、斜め下方に吹出口が向けられている。
[0011] また、複数のシロッコファンは、 1台の駆動用モータの回転軸に取り付けられている 図面の簡単な説明
[0012] [図 1]本発明に係る空気調和機の壁掛け型室内ユニットの正面図である。
[図 2]図 1の 2— 2線断面における機器配置図である。
発明を実施するための最良の形態
[0013] 以下に、本発明を具体ィ匕した実施の形態に係る空気調和機の壁掛け型室内ュニッ トを図 1及び 2に基づ 、て説明する。
[0014] 図 2に示すように、本体ケーシング 1は前面に第 1吸込グリル 2を、上面に第 2吸込 グリル 3をそれぞれ有する。本体ケーシング 1は下部に吹出グリル 4を有している。な お、第 1吸込グリル 2、第 2吸込グリル 3及び吹出グリル 4の詳細は図示されることなぐ これらが配置されている場所のみが示されている。本体ケーシング 1内において、フィ ン付チューブ型熱交換器 5が、第 1吸込グリル 2に平行に上下に延びる直線と、前方 上部から後方下部へ傾斜する直線との組み合わせ力 なる逆 V字状に配置されてい る。すなわち、一方の熱交換器 5aは第 1吸込グリル 2に対向して上下方向に直線状 に配置され、他方の熱交換器 5bは、一方の熱交換器 5aの後面側上部からケーシン グ 1の後面よりの下部に直線状に配置されている。
[0015] これら熱交^^ 5a、 5bの下方には多連シロッコファン 10が配置されている。これら シロッコファン 10の回転軸芯はケーシング 1の幅方向(紙面に直交する方向)におい てケーシングの前面と平行に延びている。また、各熱交換器 5a、 5bの下方であって、 シロッコファン 10の上方にはドレンパン 6a、 6bが配置されている。これらドレンパン 6a 、 6b間の空間はシロッコファン 10への通風路 7として機能する。図 1に示すように、シ ロッコファン 10は複数個(この場合 4個)のシロッコファン 11が 1台の駆動用モータ 12 の回転軸 13に適宜の間隔をおいて固定されて、この駆動用モータ 12により駆動され る。図 2に示すように、シロッコファン 10の吹出口 14はケーシング内を吸込側と吹出 側とに仕切る仕切板 15の通風口を介して吹出グリル 4に連通されている。
[0016] 本発明の室内ユニットは、次のように動作する。
[0017] 壁掛け型の室内ユニットが運転されると、ケーシング 1の第 1吸込グリル 2から室内 空気が矢印 Aのように、第 2吸込グリル 3から室内空気が矢印 Bのように吸い込まれる 。両吸込グリル 2, 3から吸い込まれた室内空気は、それぞれ熱交換器 5a、 5bを通過 して冷却又は加熱された後にシロッコファン 10に吸い込まれ、吹出グリル 4力も矢印 C (図 2参照)のように前方下方に吹き出される。
[0018] 本発明における空気調和機の壁掛け型室内ユニットによれば、複数のシロッコファ ン 11を下方に配置し、その上方に熱交換器 5a、 5bを逆 V字状に配置している。した
がって、 2つの熱交^^ 5a、 5bを鋭角的に交わらせることができ、室内ユニットの奥 行き寸法を小さくすることができる。
[0019] 更に、機内循環ファンとして複数のシロッコファン 11を使用しているので、室内ュ- ットの奥行き寸法を小さくして、ケーシング 1内の空気通路の断面積が小さくなり、通 風抵抗が大きくなるにも拘らず、ファンの静圧が不足することがない。したがって、複 数のシロッコファン 11の羽根車の径を小さくすることにより、ケーシング 1の奥行き寸 法を小さくすることが可能となる。
[0020] また、ケーシング内において、熱交換器 5a、 5bの下方に設けるドレンパン 6a、 6bを シロッコファン 10の上方に配置することができる。このため、ドレンパン 6a、 6bに溜ま るドレンの排水に必要な高さを機内に確保することが容易となる。
[0021] 加えて、複数のシロッコファン 11の吹出側を吹出グリル 4に連通し、熱交換器 5a、 5 bがシロッコファン 11の吸込側に配置されているので、熱交換器 5a、 5bの風速分布 を良好にすることができる。
[0022] 更に、ケーシング 1の上面に第 2吸込グリルが設けられるとともに、熱交翻 5a、 5b が第 1吸込グリルに平行な直線と、同直線の上端部からケーシング 1の後面側下部 へ傾斜する直線との組み合わせ力 なる逆 V字状に配置されて 、るので、前面側の 熱交^^ 5a及び後方に傾斜する熱交 に対しても室内空気が均一に通風さ れる。
[0023] 複数のシロッコファン 11は、ケーシング 1内を吸い込み側と吹出側とに仕切る仕切 板 15を介して、斜め下方に吹出口 14が向けられている。したがって、ケーシング 1の 前面の高さ寸法を小さく押さえながら吹出空気を下方に向けて吹き出す構造を容易 に形成することができる。
[0024] また、複数のシロッコファン 11は、 1台の駆動用モータ 12の回転軸 13に取り付けら れているので、構成部品点数を低減することができ、コストを低減することができる。
[0025] 本発明は以下の態様でも実施可能である。
[0026] シロッコファン 11を駆動するモータ 12の個数を任意に設定する。 2個の駆動用モー タ 12を多連シロッコファン 11の左右に配置し、各モータに 2台のシロッコファン 11を 取り付けたり、シロッコファン 11毎に駆動用モータを配置するようにしてもょ 、。