WO2006059540A1

WO2006059540A1 - 弁体

Info

Publication number: WO2006059540A1
Application number: PCT/JP2005/021655
Authority: WO
Inventors: Takayuki Mori; Ryoichi Soba; Shigeki Numata; Hiroshi Yagi
Original assignee: Terumo Corp
Current assignee: Terumo Corp
Priority date: 2004-12-01
Filing date: 2005-11-25
Publication date: 2006-06-08
Anticipated expiration: 2007-06-01

Abstract

　弁体は、弾性材料で構成され、長尺部材の挿入・抜去に伴って開閉する複数のスリットで構成された開閉部を有するものである。この弁体の開閉部は、弁体の内部から該弁体の頂面にのみ到達する第１のスリットと、内部から弁体の底面にのみ到達し、内部において第１のスリットと交差する第２のスリットと、内部から底面にのみ到達し、第２のスリットの中心部から離れた位置で該第２のスリットと交差する、少なくとも１つの補助スリットとを有している。

Description

明細書

弁体

技術分野

[0001] 本発明は、例えばカテーテルやガイドワイヤあるいはダイレータ等のような長尺部材の挿入'抜去に伴って開閉する複数のスリットで構成された開閉部を有する弁体に関する。

背景技術

[0002] カテーテルやガイドワイヤ等のような医療に用いられる長尺部材を生体内へ導入するときには、イントロデューサが使用されている。このイントロデューサとしては、例えば、

特公平 2— 949号公報に記載されたものが知られている。

[0003] このイントロデューサは、筒状をなすハブと、ハブの一端部に装着されたキャップと、ハブの他端部に接続されたシースチューブとを有するシースと、シースの生体内への導入を容易にするためシースに挿入して使用されるダイレータとで構成されている

。キャップには、ハブの中空部と連通する開口が設けられている。そして、当該開口を覆うように、すなわち、ハブの中空部の液密状態を維持するように、円盤状をなす弁体が設置されている。

[0004] この弁体には、十文字状に交差する 2つのスリットが形成されている。両スリットは、長尺部材 (管体)がシースに挿入された際には、開いた状態となり、長尺部材がシ一ス力抜去された際には、閉じた状態となる。

[0005] し力しながら、このような弁体は、長尺部材を長期間挿入した状態にしたり、長尺部材の挿入 ·抜去を頻繁に繰り返したりした場合には、スリットに裂けが生じるおそれがめつに。

[0006] スリットに裂けが生じた場合、たとえ長尺部材を抜去して両スリットが閉じたとしても、前記裂けにより、弁体 (スリット）の液密性が低下する (損なわれる）ことがあるという問題があった。

発明の開示 [0007] 本発明の目的は、長尺部材を挿入するに際し、スリットに裂けが生じない弁体を提供することにある

上記目的を達成するために、本発明は、

弾性材料で構成され、長尺部材の挿入 '抜去に伴って開閉する複数のスリットで構成された開閉部を有する弁体であって、

前記開閉部は、

前記弁体の内部力該弁体の頂面にのみ到達する第 1のスリットと、

前記内部から前記弁体の底面にのみ到達し、前記内部にお、て前記第 1のスリットと交差する第 2のスリットと、

前記内部力前記底面にのみ到達し、前記第 2のスリットの中心部力離れた位置で該第 2のスリットと交差する、少なくとも 1つの補助スリットとを有することを特徴とする弁体である。

[0008] これにより、長尺部材を挿入するに際し、スリットに裂けが生じない。

[0009] 上記目的を達成するために、本発明は、

前記開閉部は、

前記内部から前記弁体の底面にのみ到達し、前記内部にお、て前記第 1のスリットと交差する第 2のスリットとを有し、

前記第 2のスリットは、その端部または途中において複数に分岐した補助スリットを有することを特徴とする弁体である。

[0010] これにより、長尺部材を挿入するに際し、スリットに裂けが生じない。

[0011] また、本発明の弁体では、前記補助スリットは、 2つ設けられているのが好ましい。

[0012] これにより、長尺部材を弁体に挿入したとき、補助スリットが開いて、第 2のスリットの中心部付近に働く内部応力を分散 (緩和)させることができ、よって、弁体に裂け (亀裂）が生じるのを防止することができる。

[0013] また、本発明の弁体では、前記 2つの補助スリットは、前記弁体の底面に向って互ヽに接近するように形成されて!、るのが好ま、。

[0014] これにより、長尺部材を弁体に挿入したとき、第 2のスリットの中心部付近に働く内部応力が好適に分散されるため、第 2のスリットに裂けが生じるのを確実に防止することができる。

[0015] また、本発明の弁体では、前記 2つの補助スリットは、前記弁体の底面に向って互

Vヽに離間するように形成されて!、るのが好ま、。

[0016] これにより、長尺部材を弁体に挿入したとき、第 2のスリットの中心部付近に働く内部応力が好適に分散されるため、第 2のスリットに裂けが生じるのを確実に防止することができる。

[0017] また、本発明の弁体では、前記補助スリットは、前記中心部を介してほぼ等距離となるように設けられて、るのが好まし！/、。

[0018] これにより、長尺部材を弁体に挿入したとき、補助スリットが開いて、第 2のスリットの中心部付近に働く内部応力を分散 (緩和)させることができ、よって、弁体に裂け (亀裂）が生じるのを防止することができる。

[0019] また、本発明の弁体では、前記補助スリットは、その形状が平面視で一文字状をなしているのが好ましい。

[0020] これにより、補助スリットを簡単な形状 (構成）とすることができ、よって、各補助スリツト（開閉部)が容易かつ確実に開閉することができる。

[0021] また、本発明の弁体では、前記補助スリットは、その形状が平面視で V字状をなしているのが好ましい。

[0022] これにより、補助スリットは、長尺部材が挿入されたときに (挿入状態で)第 2のスリツトが開く方向に対して傾斜するよう形成されるため、挿入状態で補助スリットが過剰に開くのを防止することができる。

[0023] また、本発明の弁体では、前記補助スリットは、その V字における谷部で前記第 2のスリットと交差し、かつ、前記谷部が前記中心部側に位置しているのが好ましい。

[0024] これにより、挿入状態の補助スリットは、第 2のスリットに対して、対称的に位置する部位同士が互いに均等に開くことができる。

[0025] また、本発明の弁体では、前記補助スリットは、その形状が平面視で U字状をなしているのが好ましい。

[0026] これにより、補助スリットは、長尺部材が挿入されたときに (挿入状態で)第 2のスリツトが開く方向に対して傾斜するよう形成されるため、挿入状態で補助スリットが過剰に開くのを防止することができる。

[0027] また、本発明の弁体では、前記補助スリットは、その U字における谷部で前記第 2のスリットと交差し、かつ、前記谷部が前記中心部側に位置しているのが好ましい。

[0028] これにより、挿入状態の補助スリットは、第 2のスリットに対して、対称的に位置する部位同士が互いに均等に開くことができる。

[0029] また、本発明の弁体では、前記弁体に対する前記補助スリットの深さは、前記弁体に対する前記第 2のスリットの深さとほぼ同等であるのが好ましい。

[0030] これにより、長尺部材を弁体に挿入したとき、補助スリットが開いて、第 2のスリットの中心部付近に働く内部応力を好適に分散させることができ、よって、第 2のスリットに裂け (亀裂）が生じるのを確実に防止することができる。

[0031] また、本発明の弁体では、前記補助スリットは、前記深さが前記補助スリットの長手方向に対して変化して、る部分を有するのが好ま、。

[0032] これにより、長尺部材を弁体に挿入したとき、補助スリットが開いて、第 2のスリットの中心部付近に働く内部応力を好適に分散させることができ、よって、第 2のスリットに裂け (亀裂）が生じるのを確実に防止することができる。

[0033] また、本発明の弁体では、前記第 1のスリットおよび前記第 2のスリットの少なくとも一方の形状が、平面視で一文字状をなして、るのが好ま、。

[0034] これ〖こより、当該スリットを簡単な形状 (構成）とすることができ、よって、当該スリットが容易かつ確実に開閉することができる。

[0035] また、本発明の弁体では、前記長尺部材は、ダイレータ、カテーテルまたはガイドヮィャであるのが好ましい。

[0036] これにより、当該長尺部材を生体内に導入することができる。

図面の簡単な説明

[0037] [図 1]第 1図は、本発明の弁体を有するイントロデューサを示す部分縦断面図である。

[図 2]第 2図は、本発明の弁体の第 1実施形態を示す斜視図である。 [図 3]第 3図は、図 2に示す弁体の平面図である。

[図 4]第 4図は、図 2に示す弁体の下面図である。

[図 5]第 5図は、図 2に示す弁体に長尺部材が揷通した状態を示す平面図である。

[図 6]第 6図は、図 2に示す弁体に長尺部材が揷通した状態を示す下面図である。

[図 7]第 7図は、本発明の弁体の第 2実施形態を示す側面図である。

[図 8]第 8図は、本発明の弁体の第 3実施形態を示す側面図である。

[図 9]第 9図は、本発明の弁体の第 4実施形態を示す下面図である。

[図 10]第 10図は、本発明の弁体の第 5実施形態を示す下面図である。

[図 11]第 11図は、本発明の弁体の第 6実施形態を示す下面図である。

[図 12]第 12図は、本発明の弁体の第 7実施形態を示す下面図である。

[図 13]第 13図は、本発明の弁体の第 8実施形態を示す斜視図である。

[図 14]第 14図は、本発明の弁体の第 9実施形態を示す斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0038] 以下、本発明の弁体を、添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。

[0039] <第 1実施形態 >

第 1図は、本発明の弁体を有するイントロデューサを示す部分縦断面図、第 2図は、本発明の弁体の第 1実施形態を示す斜視図、第 3図は、第 2図に示す弁体の平面図、第 4図は、第 2図に示す弁体の下面図、第 5図は、第 2図に示す弁体に長尺部材が挿通した状態を示す平面図、第 6図は、第 2図に示す弁体に長尺部材が揷通した状態を示す下面図である。なお、以下では、説明の都合上、第 1図および第 2図中の上側を「上」または「基端」、下側を「下」または「先端」として説明する。

[0040] 第 1図に示すイントロデューサ 1は、例えばガイドワイヤやカテーテル等のような医療に用いられる長尺部材を生体内（例えば、血管等）に導入するのに使用されるものである。

[0041] このイントロデューサ 1は、ハブ 2と、ハブ 2の先端側に固定された管状のシースチューブ 4と、封止手段 6とを有するシース 7と、シース 7の生体内への導入を容易にするためにシース 7に挿入して使用されるダイレータ (拡張管） 10とで構成されている。

[0042] ハブ 2は、管体で構成されている。 [0043] このハブ 2の外周部には、側方に突出するサイドポート (接続部） 21が設けられている。サイドポート 21は、管状をなしており、その中空部（内部） 211がハブ 2内と連通している。このサイドポート 21には、例えばポリ塩ィ匕ビニル製の可撓性を有するチューブ 8の一端が液密に接続される。

[0044] シースチューブ 4は、生体内に導入される部材であり、薄肉の管状部材で構成されている。このシースチューブ 4は、その基端部がハブ 2の先端部に嵌入されている。

[0045] ハブ 2の基端部には、ハブ 2内を封止する封止手段 6が設けられている。

[0046] 封止手段 6は、ダイレータ（拡張管） 10やカテーテルある、はガイドワイヤが通過可能な弁体 61と、当該弁体 61をノ、ブ 2に対し支持固定する有底筒状の蓋部材 64とで構成されている。

[0047] 蓋部材 64は、ハブ 2の基端外周部 22に嵌合して装着されて、る。この蓋部材 64の底部 641には、ダイレータ 10やカテーテルあるいはガイドワイヤが揷通可能な挿入口 65が形成されている。

[0048] ここで、ダイレータ 10について説明する。

[0049] ダイレータ 10は、可撓性を有する管体 (チューブ)で構成されてヽる。このダイレータ 10は、シース 7に挿入され、シース 7に固定された状態で生体内へ挿入 (導入)される。また、ダイレータ 10は、例えば血管への導入を容易にするため、ダイレータ 10 の先端部 101が先端に向力つて縮径している。

[0050] このようなダイレータ 10は、シースチューブ 4が生体（血管）内に挿入された後、シース 7から抜去される。その後、揷入口 65からカテーテルあるいはガイドワイヤが挿入される。

[0051] さて、前述したように、封止手段 6は、弁体 61を有している。

[0052] 第 2図に示すように、弁体 61は、円形の膜状（円盤状)をなす弾性体で構成されている。この弁体 61は、ハブ 2の基端面 23と蓋部材 64の底部 641とで挟持されることにより、ハブ 2に対し液密に固定されている（第 1図参照)。

[0053] 弁体 61は、ダイレータ 10の挿入.抜去に伴って開閉する開閉部 66を有している（第 3図〜第 6図参照)。

[0054] 第 2図に示すように、開閉部 66は、第 1のスリット 62と、第 2のスリット 63と、 2つの補助スリット 67、 67とで構成されている。

[0055] 第 1のスリット 62は、弁体 61の内部力も弁体 61の上面（頂面） 68にのみ到達するように形成されている。また、この第 1のスリット 62は、その形状が平面視で一文字状をなしている（第 3図参照)。これにより、第 1のスリット 62を簡単な形状 (構成）とすることができ、よって、第 1のスリット 62 (開閉部 66)が容易かつ確実に開閉することができる

[0056] なお、第 1のスリット 62の深さは、特に限定されず、例えば、弁体 61の厚さの 40〜 9 0%程度が好ましぐ 40〜70%程度がより好ましい。

[0057] 第 2のスリット 63は、弁体 61の内部力も弁体 61の下面 (底面） 69にのみ到達するように形成されている。また、この第 2のスリット 63は、その形状が平面視で一文字状をなしている（第 4図参照)。これにより、第 2のスリット 63を簡単な形状 (構成）とすることができ、よって、第 2のスリット 63 (開閉部 66)が容易かつ確実に開閉することができる

[0058] なお、第 2のスリット 63の深さは、特に限定されず、例えば、弁体 61の厚さの 40〜9

0%程度が好ましぐ 40〜70%程度がより好ましい。

[0059] また、このような第 1のスリット 62と第 2のスリット 63とは、弁体 61の内部において部分的に交差している。図示の構成では、両スリット 62、 63は、十文字状に交差している、すなわち、両スリット 62、 63の交差角度は、 90° となっている力この交差角度は、 90° に限定されない。

[0060] なお、第 1のスリット 62と第 2のスリット 63との交差部の長さ L (第 2図参照）は、特に限定されないが、例えば、弁体 61の厚さの 20〜50%程度が好ましぐ 30〜40%程度がより好ましい。

[0061] 2つの補助スリット 67および 67は、それぞれ、弁体 61の内部から下面 69にのみ到達している。また、両補助スリット 67および 67は、第 2のスリット 63の中心部 631からほぼ等距離の位置に形成されており、その位置で第 2のスリット 63のみと交差している (第 2図、第 4図参照)。

[0062] 図示の構成では、各補助スリット 67と第 2のスリット 63とは、十文字状に交差して!/ヽる、すなわち、各補助スリット 67と第 2のスリット 63との交差角度は、 90° となっている。換言すれば、両補助スリット 67および 67は、それぞれ、第 1のスリット 62と平行となるように形成され、第 2のスリット 63と交差している。

[0063] 以上のような構成の補助スリット 67を設けることにより、ダイレータ 10を弁体 61に挿入したとき、各補助スリット 67が開いて、第 2のスリット 63の中心部 631付近に働く内部応力を分散 (緩和）させることができ、よって、第 2のスリット 63 (弁体 61)に裂け (亀裂)が生じるのを防止することができる (第 6図参照)。

[0064] 従って、例えば、シース 7にダイレータ 10を挿通した状態 (第 1図に示す状態。以下、この状態を「組立状態」という）を、長期間維持したとしても、前述したように弁体 61 に裂けが生じるのが防止されているため、シース 7とダイレータ 10とを組立状態で出荷 (販売)することができる。

[0065] また、弁体 61 (開閉部 66)にダイレータ 10を挿入したときには、第 1のスリット 62、第 2のスリット 63のみならず、各補助スリット 67も開く（第 6図参照)。これにより、ダイレータ 10が開閉部 66を通過し易くなる、すなわち、ダイレータ 10の外周面 102と弁体 61 との摺動抵抗が低減 (軽減)する。

[0066] 第 4図に示すように、各補助スリット 67は、その形状が平面視で一文字状をなしている。これにより、各補助スリット 67を簡単な形状 (構成）とすることができ、よって、各補助スリット 67 (開閉部 66)が容易かつ確実に開閉することができる。

[0067] なお、第 2図に示すように、補助スリット 67の深さは、第 2のスリット 63の深さとほぼ同等であるのが好ましいが、これに限定されず、例えば、第 2のスリット 63の深さより深くてもよいし、第 2のスリット 63の深さより浅くてもよい。補助スリット 67の深さが第 2 のスリット 63の深さとほぼ同等である場合には、前記内部応力を好適に分散させることができ、よって、第 2のスリット 63に裂け (亀裂）が生じるのを確実に防止することができる。

[0068] また、第 2図に示すように、各補助スリット 67は、その両端部 678および 678が第 2 のスリット 63との交差部 677からの長さが等しくなるように形成されているのが好ましいが、これに限定されず、前記長さが異なるように形成されていてもよい。

[0069] また、弁体 61の構成材料としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム、またはイソプレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、ァクリルゴム等の各種合成ゴム、ポリアミド系、ポリエステル系等の各種熱可塑性エラストマ一等の弾性材料が挙げられる。

[0070] このような構成の弁体 61を用いることにより、弁体 61にダイレータ 10を揷通（挿入）していないときはもちろんのこと、ダイレータ 10を挿通したときでも、液密性が確保され、ハブ 2内に満たされた液体 (例えば、血液)の漏れを確実に防止することができる

[0071] 第 5図および第 6図に示すように、ダイレータ 10の挿入に際しては、第 1のスリット 6

2および第 2のスリット 63が、それぞれ、ダイレータ 10の外周面 102に異なる方向から密着し、摺動するため、弁体 61にダイレータ 10が挿通された状態でも、液密性が確保され、血液等の漏れ出しが有効に防止される。

[0072] また、第 3図および第 4図に示すように、ダイレータ 10を弁体 61 (イントロデューサ 1

)力も抜去したときには、弁体 61は、その弾性により瞬時に元の形状に復元し、すなわち、第 1のスリット 62、第 2のスリット 63および補助スリット 67が瞬時に閉じ、液密性を発揮して液漏れを防止する。

[0073] なお、イントロデューサ 1では、補助スリット 67が形成された面（下面 69)が基端側に位置するように弁体 61を配置していたが、それに限定されず、補助スリット 67が形成された面が先端側に位置するように弁体 61を配置してもよ、。

[0074] また、弁体 61を介して、シース 7内に挿入されるものとしては、ダイレータ 10であるのに限定されず、例えば、カテーテル、ガイドワイヤであってもよい。

[0075] <第 2実施形態 >

第 7図は、本発明の弁体の第 2実施形態を示す側面図である。

[0076] 以下、この図を参照して本発明の弁体の第 2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。

[0077] 本実施形態は、補助スリットの形成状態が異なること以外は前記第 1実施形態と同様である。

[0078] 第 7図に示すように、 2つの補助スリット 67A、 67Aは、第 1のスリット 62に対して傾斜している、すなわち、基端側（下面 69側）に向って互いに接近するように形成されている。これにより、各補助スリット 67Aの基端側を第 2のスリット 63の中心部 631に近づけることができ、よって、ダイレータ 10が挿入されたとき（以下、このときの状態を「挿入状態」という）の中心部 631の基端部（下面 69)付近の内部応力が好適に分散されるため、第 2のスリット 63に裂けが生じるのを確実に防止することができる。

[0079] なお、第 1のスリット 62に対する各補助スリット 67Aの傾斜角度 (第 7図中、 Θ で示す角度）は、特に限定されず、例えば、 30〜70° であるの力好ましく、 40〜60° であるのがより好ましい。

[0080] また、 2つ傾斜角度 Θ は、同等であるのに限定されず、互いに異なっていてもよい

[0081] <第 3実施形態 >

第 8図は、本発明の弁体の第 3実施形態を示す側面図である。

[0082] 以下、この図を参照して本発明の弁体の第 3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。

[0083] 本実施形態は、補助スリットの形成状態が異なること以外は前記第 1実施形態と同様である。

[0084] 第 8図に示すように、 2つの補助スリット 67B、 67Bは、第 1のスリット 62に対して傾斜している、すなわち、基端側（下面 69側）に向って互いに離間するように形成されている。これにより、ダイレータ 10の挿入方向（上面 68から下面 69に向う方向）に沿つて、両補助スリット 67B、 67B間の間隔が大きく（広く）なるため、挿入状態のとき、開閉部 66が開き易くなる。

[0085] なお、第 1のスリット 62に対する各補助スリット 67Bの傾斜角度 (第 8図中、 Θ で示

2 す角度）は、特に限定されず、例えば、 30〜70° であるの力好ましく、 40〜60° であるのがより好ましい。

[0086] また、 2つ傾斜角度 Θ は、同等であるのに限定されず、互いに異なっていてもよい

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[0087] <第 4実施形態 >

第 9図は、本発明の弁体の第 4実施形態を示す下面図である。

[0088] 以下、この図を参照して本発明の弁体の第 4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。 [0089] 本実施形態は、補助スリットの形状が異なること以外は前記第 1実施形態と同様である。

[0090] 第 9図に示すように、各補助スリット 67Cは、その形状が平面視で V字状をなしている。これにより、各補助スリット 67Cは、ダイレータ 10が挿入されたときに第 2のスリット 63が開く方向（第 9図中、上下方向）に対して傾斜するよう形成されるため、挿入状態で各補助スリット 67Cが過剰に開くのを防止することができる。

[0091] また、各補助スリット 67Cは、その V字における谷部 671で、第 2のスリット 63と交差し、かつ、谷部 671が第 2のスリット 63の中心部 631側に位置している。これにより、挿入状態の各補助スリット 67Cは、第 2のスリット 63に対して、図中の上側の部位 672 と下側の部位 673とが互いに均等に開くことができる。

[0092] <第 5実施形態 >

第 10図は、本発明の弁体の第 5実施形態を示す下面図である。

[0093] 以下、この図を参照して本発明の弁体の第 5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。

[0094] 本実施形態は、補助スリットの形成位置が異なること以外は前記第 4実施形態と同様である。

[0095] 第 10図に示すように、各補助スリット 67Dの谷部 671は、第 2のスリット 63の端部 63 2と交差している。すなわち、第 2のスリット 63は、その端部 632 (または途中）において複数 (本実施形態では、 2つ）に分岐した補助スリット 67Dおよび 67Dを有している。これにより、挿入状態で両端部 632、 632がそれぞれ大きく開くことができ、よって、ダイレータ 10が容易に弁体 61を挿通することができる。

[0096] なお、前記第 4実施形態では、補助スリットが第 2のスリットの端部から 3つに分岐するように形成されてヽるとも言うことができる。

[0097] <第 6実施形態 >

第 11図は、本発明の弁体の第 6実施形態を示す下面図である。

[0098] 以下、この図を参照して本発明の弁体の第 6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。

[0099] 本実施形態は、補助スリットの形状が異なること以外は前記第 1実施形態と同様である。

[0100] 第 11図に示すように、各補助スリット 67Eは、その形状が平面視で U字状をなしている。これにより、各補助スリット 67Eは、ダイレータ 10が挿入されたときに第 2のスリツト 63が開く方向（第 9図中、上下方向）に対して傾斜するよう形成されるため、挿入状態で各補助スリット 67Eが過剰に開くのを防止することができる。

[0101] また、各補助スリット 67Eは、その U字における谷部 674で、第 2のスリット 63と交差し、かつ、谷部 674が第 2のスリット 63の中心部 631側に位置している。これにより、挿入状態の各補助スリット 67Eは、第 2のスリット 63に対して、図中の上側の部位 675 と下側の部位 676とが互いに均等に開くことができる。

[0102] <第 7実施形態 >

第 12図は、本発明の弁体の第 7実施形態を示す下面図である。

[0103] 以下、この図を参照して本発明の弁体の第 7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。

[0104] 本実施形態は、補助スリットの形成位置が異なること以外は前記第 6実施形態と同様である。

[0105] 第 12図に示すように、各補助スリット 67Fの谷部 674は、第 2のスリット 63の端部 63 2と交差している。すなわち、第 2のスリット 63は、その端部 632 (または途中）において複数 (本実施形態では、 2つ）に分岐した補助スリット 67Fおよび 67Fを有している。これにより、挿入状態で両端部 632、 632がそれぞれ大きく開くことができ、よって、ダイレータ 10が容易に弁体 61を挿通することができる。

[0106] なお、前記第 6実施形態では、各補助スリットが第 2のスリットの端部力 3つに分岐するように形成されてヽるとも言うことができる。

[0107] <第 8実施形態 >

第 13図は、本発明の弁体の第 8実施形態を示す斜視図である。

[0108] 以下、この図を参照して本発明の弁体の第 8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。

[0109] 本実施形態は、補助スリットの形状が異なること以外は前記第 1実施形態と同様である。 [0110] 第 13図に示すように、各補助スリット 67Gは、その深さが補助スリットの長手方向に対して変化している、すなわち、深さが端部 678から交差部 677に向って増カロ (漸増 )している。また、図示の構成では、各補助スリット 67G深さは、端部 678でほぼ零となっている。

[0111] このような構成の補助スリット 67Gにより、挿入状態で、前記内部応力を好適に分散させることができ、よって、第 2のスリット 63に裂け (亀裂）が生じるのを確実に防止することがでさる。

[0112] なお、本実施形態では、各補助スリット 67Gの最大深さが第 2のスリット 63の深さとほぼ同等となっている。

[0113] <第 9実施形態 >

第 14図は、本発明の弁体の第 9実施形態を示す斜視図である。

[0114] 以下、この図を参照して本発明の弁体の第 9実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。

[0115] 本実施形態は、補助スリットの形状が異なること以外は前記第 1実施形態と同様である。

[0116] 第 14図に示すように、各補助スリット 67Hは、その深さが補助スリットの長手方向に対して変化している、すなわち、深さが部分的に漸減している。

[0117] このような構成の補助スリット 67Hにより、挿入状態で、前記内部応力を好適に分散させることができ、よって、第 2のスリット 63に裂け (亀裂）が生じるのを確実に防止することがでさる。

[0118] 以上、本発明の弁体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなぐ弁体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。

[0119] また、本発明の弁体は、前記各実施形態のうちの、任意の 2以上の構成 (特徴)を組み合わせたものであってもよ！/、。

[0120] 例えば、前記第 4実施形態の補助スリットが、それぞれ、前記第 2実施形態または前記第 3実施形態の補助スリットのように傾斜して、てもよ、。

[0121] また、前記第 5実施形態の補助スリットが、それぞれ、前記第 2実施形態または前記第 3実施形態の補助スリットのように傾斜して、てもよ、。

[0122] また、前記第 5実施形態の補助スリットが、前記第 1実施形態の補助スリットのよう〖こ平面視での形状が一文字状をなして、てもよ、。

[0123] また、弁体に挿入 '抜去されるものとしては、管体 (ダイレータ）のような中空のものであるのに限定されず、例えば、中実のものであってもよい。

[0124] また、補助スリットの形成数は、 2つであるのに限定されず、例えば、 1つまたは 3つ以上であってもよい。

[0125] また、第 1のスリットおよび第 2のスリットは、それぞれの形状が平面視で一文字状をなしているのに限定されず、例えば、第 1のスリットのみ一文字状をなしていてもよいし、第 2のスリットのみ一文字状をなしていてもよい。

実施例

[0126] 次に、本発明の弁体の具体的実施例について説明する。

[0127] 1.シース（イントロデューサ）の作製

(実施例 1)

シリコーンゴムを用いて、第 2図〜第 4図に示す弁体を作製し、この弁体を装着して、第 1図に示すシース (イントロデューサ)を作製した。

[0128] (実施例 2)

シリコーンゴムを用いて、第 9図に示す弁体を作製し、この弁体を装着して、第 1図に示すシースを作製した。

[0129] (比較例）

補助スリットを省略した以外は、前記実施例 1と同様の弁体を作製し、この弁体を装着して、第 1図に示すシースを作製した。

[0130] 2.評価

各実施例および比較例で作製したシースに、それぞれ、ダイレータを挿入し、第 1 図に示す状態で、オーブンで加温した。なお、加温の条件は、 60°C X 13時間とした

[0131] 加温終了後、各実施例および比較例で作製した管体導入器具力ダイレータを抜去し、弁体を取り出した。そして、各弁体について、それぞれ、第 2のスリットの状態を目視にて確認した。

[0132] その結果、各実施例の弁体では、いずれも、第 2のスリットの裂けは、認められなかつた o

[0133] これに対し、比較例の弁体では、第 2のスリットに明らかな裂けが認められた。

産業上の利用可能性

[0134] 本発明の弁体は、弾性材料で構成され、長尺部材の挿入 '抜去に伴って開閉する複数のスリットで構成された開閉部を有する弁体であって、前記開閉部は、前記弁体の内部力該弁体の頂面にのみ到達する第 1のスリットと、前記内部から前記弁体の底面にのみ到達し、前記内部において前記第 1のスリットと交差する第 2のスリットと、前記内部から前記底面にのみ到達し、前記第 2のスリットの中心部力離れた位置で該第 2のスリットと交差する、少なくとも 1つの補助スリットとを有する。そのため、長尺部材を長期間挿入した状態にしたり、長尺部材の挿入 ·抜去を頻繁に繰り返したりしたとしても、スリットに裂けが生じるのを防止することができる。また、例えば、力テーテルゃガイドワイヤ等のような医療に用いられる長尺部材を生体内に導入するイントロデューサのシースに、本発明の弁体を用いる (設置する)ことができる。従って、本発明の弁体は、産業上の利用可能性を有する。

Claims

請求の範囲

[1] 弾性材料で構成され、長尺部材の挿入 '抜去に伴って開閉する複数のスリットで構成された開閉部を有する弁体であって、

前記開閉部は、

前記内部力前記底面にのみ到達し、前記第 2のスリットの中心部力離れた位置で該第 2のスリットと交差する、少なくとも 1つの補助スリットとを有することを特徴とする弁体。

[2] 弾性材料で構成され、長尺部材の挿入 '抜去に伴って開閉する複数のスリットで構成された開閉部を有する弁体であって、

前記開閉部は、

前記第 2のスリットは、その端部または途中において複数に分岐した補助スリットを有することを特徴とする弁体。

[3] 前記補助スリットは、 2つ設けられている請求の範囲第 1項または第 2項に記載の弁体。

[4] 前記 2つの補助スリットは、前記弁体の底面に向って互いに接近するように形成されて、る請求の範囲第 3項に記載の弁体。

[5] 前記 2つの補助スリットは、前記弁体の底面に向って互いに離間するように形成されて、る請求の範囲第 3項に記載の弁体。

[6] 前記補助スリットは、前記中心部を介してほぼ等距離となるように設けられている請求の範囲第 3項に記載の弁体。

[7] 前記補助スリットは、その形状が平面視で一文字状をなしている請求の範囲第 1項または第 2項に記載の弁体。

[8] 前記補助スリットは、その形状が平面視で V字状をなしている請求の範囲第 1項または第 2項に記載の弁体。

[9] 前記補助スリットは、その V字における谷部で前記第 2のスリットと交差し、かつ、前記谷部が前記中心部側に位置している請求の範囲第 8項に記載の弁体。

[10] 前記補助スリットは、その形状が平面視で U字状をなしている請求の範囲第 1項または第 2項に記載の弁体。

[11] 前記補助スリットは、その U字における谷部で前記第 2のスリットと交差し、かつ、前記谷部が前記中心部側に位置している請求の範囲第 10項に記載の弁体。

[12] 前記弁体に対する前記補助スリットの深さは、前記弁体に対する前記第 2のスリットの深さとほぼ同等である請求の範囲第 1項または第 2項に記載の弁体。

[13] 前記補助スリットは、前記深さが前記補助スリットの長手方向に対して変化している部分を有する請求の範囲第 12項に記載の弁体。

[14] 前記第 1のスリットおよび前記第 2のスリットの少なくとも一方の形状が、平面視で一文字状をなしている請求の範囲第 1項または第 2項に記載の弁体。

[15] 前記長尺部材は、ダイレータ、カテーテルまたはガイドワイヤである請求の範囲第 1 項または第 2項に記載の弁体。