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WO2005020865A1 - 吸収性物品およびその製造方法 - Google Patents

吸収性物品およびその製造方法 Download PDF

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WO2005020865A1
WO2005020865A1 PCT/JP2004/012352 JP2004012352W WO2005020865A1 WO 2005020865 A1 WO2005020865 A1 WO 2005020865A1 JP 2004012352 W JP2004012352 W JP 2004012352W WO 2005020865 A1 WO2005020865 A1 WO 2005020865A1
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absorber
fiber
absorbent
absorbent article
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Iwao Goto
Yasuo Ido
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Daio Paper Corp
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • A61F13/53Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium
    • A61F13/534Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium having an inhomogeneous composition through the thickness of the pad

Definitions

  • the types of pulp can be broadly classified according to the raw material. Softwood pulp (N wood, pine, etc.), hardwood pulp (L wood, beech, etc.), non-wood pulp (kenaf, bagasse, etc.), deinked waste paper pulp (DIP) and so on. Further classified by the pulp manufacturing method, there are mechanical pulp manufactured by mechanical crushing and chemical pulp manufactured by using chemicals such as sulfurous acid and sulfate. As special pulp, TCF (Total Chlorine Free) pulp and ECF (Elemental Chlorine Free) nonolehus are also available.
  • SAP, synthetic fiber and pulp form separate layers, respectively, and these layers are laminated to form an absorber, so that the entanglement of the fibers in the fiber layer becomes stronger, and the absorber absorbs the body fluid. Even when sucked and moistened, the stiffness of each fiber decreases Since the entanglement between the squeezed fibers does not decrease, it is possible to prevent the absorbent from leaking or swelling.
  • FIG. 3 is a development view of an absorbent article to which the present invention is applied
  • FIG. 4 is a cross-sectional view taken along line IV-IV ′ of FIG.
  • An absorbent article sanitary napkin (hereinafter, referred to as a napkin) 100 shown in FIG. 3 has an absorber 104 different from the first embodiment, and does not include the carrier layer 5 in the first embodiment. Therefore, in describing the second embodiment, the same components as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
  • Table 1 shows the total composition, basis weight (g / m 2 ), and weight of each of the above Examples and Comparative Examples.
  • Compression Stiffness (gf 'cm / cm 2) was measured using a KES compression tester.
  • the KES compression tester is a handy compression tester (KES-G5) manufactured by Kato Tech Co., Ltd.
  • the test conditions are as follows.
  • Examples 1-1 are 18.2 in the dry state, 15.4 in the wet state, Example 1 2 is 17.7 in the dry state, 15.3 in the wet state, and Example 1 3 Shows a value of 17.8 in the dry state, 15.1 in the wet state, and Examples 1 to 4 show a value of 18.3 in the dry state and 15.0 in the wet state.
  • An absorber 104 was manufactured by forming the second layer as the first adhesive layer.

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Description

明 細 書
吸収性物品およびその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、吸収性物品およびその製造方法に関する。
背景技術
[0002] 近年、吸収性物品である生理用ナプキンは、使用する際の装着感ゃ外出先への持 ち運びに嵩張らないといった理由から、薄型のものが好まれてきた。薄型生理用ナブ キンは、一般に、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に介 装される吸収体とを備えてなり、吸収体としては、例えば、パルプなどの吸水性繊維 中に高吸収性樹脂(以下、「SAP」という。)が分散混入され、単層構造のシート状を 成すものが知られている(例えば特許文献 1参照)。かかる単層構造の吸収体におけ る吸水性繊維は、装着時のクッションとしての役割と、吸収体の結合保持と、トップシ ートを通過した体液を SAPまで搬送する働きをなし、 SAPは、吸水性繊維から受け 取った体液を自身の内部に取り込むことによって体液を保持する役割を果たすもの である。
さらに、パルプなどの吸水性繊維力 なる繊維質基材中に高吸水性樹脂を混入し て、体液の吸収性を向上させた複数層構造からなるものが知られている(例えば、特 許文献 2参照。)。また、このような吸収体を効率よく生産し、且つその形状が安定し やすいように、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シート上に、パルプなどの親水性繊 維や、高吸水性樹脂を積層するように形成された吸収体なども知られている。
特許文献 1 :特開 2003 - 038552号公報
特許文献 2 :特開 2002 - 224161号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] しかし、上記特許文献 1に挙げた薄型生理用ナプキンに用いられる単層構造の吸 収体は、その特徴でもある薄さ故に、厚みのあるタイプに比較して Z軸方向(即ち、厚 み方向)に対するクッション性が低ぐ装着感が悪いという問題があった。また、上記 単層構造の吸収体の特徴であるパルプ繊維同士を絡め合わせた構造は、体液を吸 収した際に、繊維一本一本のコシが弱くなり、繊維同士の絡み合いが緩くなるために 吸収体がヮレを起こしてしまうという問題があった。さらに、薄型であることを保持しつ つより高い吸水性を得る為に SAP量を増やすと、体液を吸収した際に、隣り合う樹脂 同士がゲルブロッキングを起こしたり、樹脂量に対するパルプ繊維の相対量が少なく なるために吸収体自体を結合保持している力が弱まることとなり、ョレゃヮレが生じ、 吸収体上で SAPが不均一となり、漏れが発生してしまうという問題があった。逆に、ク ッシヨン性を高めるためにパルプ繊維量を増やすと、繊維量に対する SAPの相対量 が減り、吸水力が低下するとレ、う問題があった。
また、上記単層構造の吸収体の場合、トップシートの直下に SAPを含む吸収体が 配されることとなる力 SAPは比較的ゆっくりと水分を吸収する特性を持っため、 SA Pが短時間では吸収しきれなかった水分を吸水性繊維で保持しきれないと、トップシ ート側への逆戻りやバックシート側への染み出しを生じさせてしまレ、、ベたつきを生じ させるという問題があった。さらに、人体に接する面であるトップシートの直下に SAP を含む吸収体が配されているためにごわつき感があり、装着感が悪いという問題があ つた。カロえて、吸収体で保持されずにバックシート方向に達した体液が保持されずに 、漏れの原因になるという問題があった。その上、パルプ繊維と SAPを混合して単層 のシートを形成しているため、パルプ繊維同士の結合が充分に強いものでなぐ吸収 体のねじれ方向に力がかけられるとョレゃヮレが生じやすく漏れを生じてしまうという 問題があった。
一方、上記特許文献 2に挙げた吸収性物品の場合、吸収体における体液の吸収 性を向上させて、体液の逆戻りを軽減することにより、吸収性物品の着用者の不快感 を軽減することはできるものの、吸収体の柔軟性や弾力性は十分であるとはいえず、 吸収性物品の装着時の違和感にもつながることがあり、着用者にとって、その吸収性 物品の装着感は必ずしもよいものではなかった。また、吸収体にティッシュ、クレープ 紙などの繊維シートが含まれる場合、繊維シート上にパルプなどの繊維を柔らかく積 層しても、その繊維シートが有する硬さやコシが吸収体にも反映されてしまレ、、クッシ ヨン性が悪ぐ比較的硬い吸収体となってしまうことがあり、吸収性物品装着時の違和 感につながり、装着者が、その吸収性物品の装着感に満足が得られないという問題 があった。
[0004] 本発明の課題は、装着感が良好な吸収性物品およびその製造方法を提供すること である。
課題を解決するための手段
[0005] 上記課題を解決するため、請求の範囲第 1項に記載の発明は、人体との接触面側 に設けられ、透液性を有するトップシートと、人体との接触面と反対面側に設けられる ノ ックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に介装される吸収体とを備 える吸収性物品において、前記吸収体の初期厚み (cm)に対する KES圧縮試験機 による圧縮エネルギー値 (gf- cm/cm2)の比が、 3. 3gf/cm2以上であることを特徴 とする。 '
[0006] 請求の範囲第 2項に記載の発明は、請求の範囲第 1項に記載の吸収性物品にお いて、前記吸収体の初期厚み(cm)に対する KES大型ねじれ試験機による 70度ね じれ抵抗エネルギー値 (gf ' cmZcni)の比が、 160giZcm以下であることを特徴と する。
[0007] 請求の範囲第 3項に記載の発明は、請求の範囲第 1項または第 2項に記載の吸収 性物品において、前記吸収体の湿潤時の引張強度値 (NZ25mm)が、 1. 0〜30N /25mmであることを特徴とする。
[0008] 請求の範囲第 4項に記載の発明は、請求の範囲第 1項〜第 3項の何れか一項に記 載の吸収性物品において、前記吸収体は、水分を吸収する吸収層と、前記吸収層よ りも前記トップシート側に配され、パルプと化学繊維とを含んでなる第 1の繊維層と、 前記吸収層よりも前記バックシート側に配される第 2の繊維層と、を備えることを特徴 とする。
[0009] 請求の範囲第 5項に記載の発明は、請求の範囲第 4項に記載の吸収性物品にお いて、前記吸収層は、吸収性樹脂を備えることを特徴とする。
[0010] 請求の範囲第 6項に記載の発明は、請求の範囲第 4項または第 5項に記載の吸収 性物品において、前記第 2の繊維層は、パルプと化学繊維とを含んでなることを特徴 とする。
訂正された用紙 (規則 91) [0011] 請求の範囲第 7項に記載の発明は、請求の範囲第 4項〜第 6項の何れか一項に記 載の吸収性物品において、前記吸収体は、前記第 2の繊維層よりも前記バックシート 側に配され、化学繊維からなる第 3の繊維層を備え、前記吸収体と前記バックシート との間に吸水性を有するキャリア一層を備えることを特徴とする。 ,
[0012] 請求の範囲第 8項に記載の発明は、請求の範囲第 7項に記載の吸収性物品にお いて、前記キャリア一層は、クレープ紙を備え、前記クレープ紙は、クレープ率が 20 %以上であることを特徴とする。
[0013] 請求の範囲第 9項に記載の発明は、請求の範囲第 4項〜第 8項の何れか一項に記 載の吸収性物品において、前記化学繊維は、合成繊維を親水化処理した繊維であ ることを特徴とする。
[0014] 請求の範囲第 10項に記載の棻明は、人体との接触面側に設けられるトップシートと 、人体との接触面と反対面側に設けられるバックシートと、前記トップシートと前記バッ クシートとの間に介装される吸収体とを備える吸収性物品において、前記吸収体は、 少なくともパルプを含む吸収体層と、前記吸収体層よりも前記トップシート側に設けら れる第 1の接着剤層と、前記吸収体層よりも前記バックシート側に設けられる第 2の接 着剤層と、を備えることを特徴とする。
[0015] 請求の範囲第 11項に記載の発明は、請求の範囲第 10項に記載の吸収性物品に おいて、前記吸収体の前記吸収体層は、少なくともパルプを含む基盤繊維層に、パ ルプと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を含む 一乃至複数の榭脂層とが、積層されてなることを特徴とする。
[0016] 請求の範囲第 12項に記載の発明は、請求の範囲第 10項または第 11項に記載の 吸収性物品において、前記吸収体は、当該吸収体の略中央部である体液排出部位 を含む所定の領域以外に、前記吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が 連続する波状加工が施されてレ、ることを特徴とする。
[0017] 請求の範囲第 13項に記載の発明は、請求の範囲第 10項〜第 12項の何れか一項 に記載の吸収性物品において、前記第 1の接着剤層と、前記第 2の接着剤層とは、 エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂により構成されていることを特徴とする。
[0018] 請求の範囲第 14項に記載の発明は、請求の範囲第 10項〜第 13項の何れか一項
訂正された用紙 (紘麵 ) に記載の吸収性物品において、前記第 1の接着剤層と、前記第 2の接着剤層とは、 0 . 01g/m2以上、 20g/m2以下の目付量で形成されていることを特徴とする。
[0019] 請求の範囲第 15項に記載の発明は、人体との接触面側に設けられるトップシートと 、人体との接触面と反対面側に設けられるバックシートと、前記トップシートと前記バッ クシートとの間に介装される吸収体とを備える吸収性物品の製造方法において、前 記吸収体の製造工程は、少なくともパルプを含む基盤繊維層を形成する基盤繊維 層形成工程と、前記基盤繊維層形成工程により形成された前記基盤繊維層に、パル プと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を含む一 乃至複数の樹脂層とを積層して、吸収体層を形成する吸収体層形成工程と、前記吸 収体層形成工程により形成された前記吸収体層の上層面と下層面に、所定の接着 剤を付与し、それぞれ第 1の接着剤層と、第 2の接着剤層とを形成する接着剤層形 成工程と、を備えることを特徴とする。
発明の効果
[0020] 請求の範囲第 1項に記載の発明によると、初期厚み(cm)に対する KES圧縮試験 機による圧縮エネルギー値(gf ' cm/cm2)の比が 3· 3gf/cm2以上であるので、吸 収体の厚み方向における柔らカ^を有するということが言える。つまり、吸収体は、常 に吸収体の初期厚み(cm)に対する KES圧縮試験機による圧縮エネルギー値の比 が 3. 3gf/cm2以上であるクッション性を有するため、吸収体の厚みを薄く維持しな 力 Sらも、良好な装着感を得ることができる。
[0021] 請求の範囲第 2項に記載の発明によると、請求の範囲第 1項に記載の発明の効果 が得られるのは当然のこと、特に、吸収体の初期厚み(cm)に対する KES大型ねじ れ試験機による 70度ねじれ抵抗エネルギー値(gf ' cm/cm)の比が、 160gf/cm 以下であるため、装着時に違和感がなぐまたショーツの動きに追従することができ、 ずれ難くなつて、さらに装着感を向上させることができる。
[0022] 請求の範囲第 3項に記載の発明によると、請求の範囲第 1項又は第 2項に記載の 発明の効果が得られるのは当然のこと、特に、湿潤時の引張強度値 (N/25mm)が 、 1. 0— 30N/25mmであるため、湿潤時の吸収体のョレゃヮレを生じにくくするこ とができる。 [0023] 請求の範囲第 4項に記載の発明によると、請求の範囲第 1項〜第 3項に記載の発 明の効果が得られるのは当然のこと、人体に接するトップシートの直下に、パルプと 化学繊維からなる第 1の繊維層が配されることにより、従来のように吸収性樹脂がトツ プシート側に露出することがなくなることとなって、吸収性樹脂によってもたらされてい た装着時のごわつき感が解消される。そして、パルプに加えて化学繊維が混合され るため、吸収体の厚さ方向に対して高いクッション性を有することとなり、吸収体の薄 さを維持しながらもさら,に装着感を向上させることができる。
また、第 1の繊維層に、パルプだけでなく化学繊維を含むために、繊維層の内部構 造がより強く高度に結合し、湿潤時において繊維一本一本のコシが低下しにくぐ繊 維同士の絡み合レ、も低下しないため、吸収体のヮレを防ぐことが出来、漏れを防止 することができる。
[0024] 請求の範囲第 5項に記載の発明によると、請求の範囲第 4項に記載の発明の効果 が得られるのは当然のこと、吸収性樹脂と繊維とが分離された上で配されていること によつて、比較的スピーディ一に体液を吸収する第 1の繊維層が通過させた体液を、 比較的ゆっくりと、しかし大量に体液を吸収できる吸収性樹脂層が時間をかけて吸収 することができる。さらに第 2の繊維層によって、吸収性樹脂層ですぐに吸収できずに バックシート側に漏れ出してしまった体液を吸収、保持し、体液の逆戻りおよび漏れ を防ぐことができる。さらには吸収性樹脂層と繊維層が分離されたことによって、吸収 性樹脂量を増やすことが可能になり、吸収体が、高い吸収性を有することができる。
[0025] 請求の範囲第 6項に記載の発明によると、請求の範囲第 4項または第 5項に記載の 発明の効果が得られるのは無論のこと、第 2の繊維層がパルプと化学繊維からなるこ とによって、各層間の接着強度が向上し、湿潤時の強度を向上させることができる。 また、本願発明の吸収性物品をナプキンに用いた場合、特に湿潤時の吸収体のョレ やヮレを生じにくくすることができる。
[0026] 請求の範囲第 7項に記載の発明によると、請求の範囲第 4項〜第 6項に記載の発 明の効果が得られるのは勿論のこと、第 2の繊維層よりもバックシート側に、化学繊維 力 なる第 3の繊維層および吸水性を有するキャリア一層が配されたことによって、比 較的ゆっくりと体液を吸収する吸収性樹脂層では瞬間的に吸収、保持できな力 た
訂正された用紙 ために第 2の繊維層に染み出した体液がさらにバックシート側に染み出したとしても、 この第 3の繊維層およびキャリア一層により体液をせき止め、保持することが可能にな り、より確実に漏れを防ぐことができる。
[0027] 請求の範囲第 8項に記載の発明によると、請求の範囲第 7項に記載の発明の効果 が得られるのは当然のこと、 20%という高レ、クレープ率を有するクレープ紙によって 体液をせき止め保持することができるので、バックシートへの漏れだけでなぐ吸収体 力 トップシート側への逆戻りも防ぐことができる。
[0028] 請求の範囲第 9項に記載の発明によると、請求の範囲第 4項〜第 8項に記載の発 明の効果が得られるのは無論のこと、合成繊維を親水化処理した繊維を利用するこ とによって、第 1の繊維層および第 2の繊維層における化学繊維の嵩を減らすことが 可能になり、その分パノレプを増量することによって、吸収体のクッション性を高めるこ とが可能になり、装着感をより良好にすることができる。
また、単純に第 1の繊維層および第 2の繊維層において、合成繊維を親水化処理 した繊維を使用することによって、第 1および第 2の繊維層の嵩が減り、その分吸収 性樹脂層に吸収性樹脂を追加することが可能になる。ゲルブロックを起こさなレ、程度 の吸収性樹脂の増量により、より大量の体液を吸収することができるので、その結果 、装着時間を長くすることができることとなって、装着者がナプキンやおむつ、失禁パ ッドなどを取り替える手間を軽減させ、より使い勝手のよいものとすることが可能になる
[0029] 請求の範囲第 10項に記載の発明によると、吸収性物品に備えられる吸収体は、少 なくともパルプを含む吸収体層のトップシート側とバックシート側に、それぞれ第 1の 接着剤層と第 2の接着剤層とを備えている。このような吸収体は、吸収体層のトップシ ート側とバックシート側の両面が接着剤層により覆われて、吸収体層におけるパルプ などがほぐれて分離しないように接着されているので、この吸収体 (吸収体層)の形状 は崩れにくいようになって!/、る。
このように接着剤層により吸収体層を覆うことで、吸収体 (吸収体層)の形状が崩れ ないように維持することができるので、従来のように、ティッシュ、クレープ紙などの繊 維シート上に、パルプなどの親水性繊維や高吸水性樹脂を積層するように吸収体を
訂正された用紙 (規則 9i) 形成しなくても、その形状が安定した吸収体を形成することができる。
よって、吸収体において、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シートが不要となり、そ の使用されなくなった繊維シートが有していた硬さゃコシ強度などを低減することが できるので、パルプなどが有する柔らかさなどを阻害する要因が減り、より柔らかなク ッシヨン性を有する吸収体とすることができる。従って、このような吸収体を備える吸収 性物品もクッション性を有する柔らかな吸収性物品とすることができ、装着感が良好 な吸収性物品とすることができる。
[0030] 請求の範囲第 1 1項に記載の発明によると、請求の範囲第 10項に記載の発明の効 果が得られるのは無論のこと、特に、吸収体の吸収体層は、少なくともパルプを含む 基盤繊維層に、一乃至複数の繊維層と、一乃至複数の樹脂層とが、所定の配置に 積層されてなる。つまり、基盤繊維層に繊維層や樹脂層を、それぞれ所定の配置に 所定数積層することで吸収体層を形成することができるので、容易に吸収体を形成 すること力 Sできる。
そして、繊維層に含まれる繊維の種類や、様々な繊維の配合割合を変化させること で、繊維層の柔らかさ(固さ)や体液の吸収性を変化させることができる。
また、樹脂層に含まれる吸収性樹脂の種類やその配合割合を変化させることで、体 液の吸収性を調整することができる。
よって、柔らかさや体液吸収性能など、様々な特性を有する吸収体を容易に形成 すること力 Sできる。従って、そのような吸収体を吸収性物品に備えることで、装着感が 良好であるとともに、様々な特性を有する吸収性物品を容易に形成することができる
[0031] 請求の範囲第 12項に記載の発明によると、請求の範囲第 10項又は第 1 1項に記 載の発明の効果が得られるのは無論のこと、特に、吸収体に、吸収性物品の長手方 向に沿って凹部および凸部が連続する波状加工を施すことにより、吸収体中の吸収 体層に含まれるパルプなどの繊維をほぐし、その吸収体をより柔らかぐコシがなくな るように処理することができる。特に、吸収体の略中央部である体液排出部位を含む 所定の領域には、波状力卩ェは施されていないので、吸収性物品における吸収体は、 体液排出部位にフィットすることができ、体液の吸収性能を悪化させることはない。 よって、より柔ら力べコシをなくした吸収体を備えることで、吸収性物品の装着感を向 上させることができる。
[0032] 請求の範囲第 13項に記載の発明によると、請求の範囲第 10項一第 12項の何れか 一項に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、特に、第 1の接着剤層と、第 2 の接着剤層とは、エチレン酢酸ビュル共重合体樹脂により構成されているので、より 柔らかぐコシがない吸収体を形成することができる。
[0033] 請求の範囲第 14項に記載の発明によると、請求の範囲第 10項一第 13項の何れか 一項に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、特に、第 1の接着剤層と、第 2 の接着剤層とは、 0. 01g/m2以上、 20g/m2以下の目付量で形成されているので 、より柔らかぐコシがない吸収体を形成することができる。
[0034] 請求の範囲第 15項に記載の発明によると、トップシートとバックシートの間に介装さ れる吸収体を備える吸収性物品の製造方法において、その吸収体を形成する製造 工程には、少なくともパルプを含む基盤繊維層を形成する基盤繊維層形成工程と、 基盤繊維層形成工程により形成された基盤繊維層に、パルプとィ匕学繊維の少なくと も一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を含む一乃至複数の樹脂層とを、 所定の配置に積層し、吸収体層を形成する吸収体層形成工程と、吸収体層形成ェ 程により形成された吸収体層の上層面と下層面に、所定の接着剤を付与し、それぞ れ第 1の接着剤層と、第 2の接着剤層とを形成する接着剤層形成工程と、の 3つのェ 程がある。つまり、吸収体は、少なくともパルプを含む基盤繊維層に、所定数の繊維 層と所定数の樹脂層とを所定の配置に積層して吸収体層を形成し、その吸収体層の 上層面 (例えば、トップシート側の面)と下層面(例えば、バックシート側の面)に、所 定の接着剤を塗布するなどして付与し、吸収体層の両面を接着剤層で覆うことにより 、吸収体層の形状が崩れないように維持することができる吸収体を容易に形成するこ とができる。
このように形成された吸収体は、従来のように、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シ ートを用いずに形成されているので、その使用されなくなった繊維シートが有してい た硬さゃコシ強度などを低減することができ、より柔らかなクッション性を有する吸収 体とすることができる。よって、このような 3つの工程を備える製造工程によって、より 柔らかなクッション性を有する吸収体を形成することができる。そして、このような吸収 体の製造工程を有する製造方法により製造される吸収性物品は、クッション性を有す る柔らかな吸収性物品として製造することができ、装着感が良好な吸収性物品とする こと力 Sできる。
図面の簡単な説明
[0035] [図 1]本発明を適用した実施形態 1に係る吸収性物品の展開図である。
[図 2]図 1の ΙΗΓ線における断面図である。
[図 3]本発明を適用した実施形態 2に係る吸収性物品の展開図である。
[図 4]図 3の IV— IV'線における断面図である。
[図 5]実施形態 2における吸収体の変形例 (波状力卩工)を示す説明図である。
発明を実施するための最良の形態
[0036] ぐ実施形態 1 >
以下、本発明の実施形態 1を図 1、図 2を用レ、て説明する。図 1は、本発明を適用し た吸収性物品の展開図であり、図 2は図 1の II一 II'線における断面図である。
[0037] 図 1、 2に示す吸収性物品としての生理用ナプキン(以下、「ナプキン」という。) 1は 、人体との接触面側に設けられ、経血やおりものなどの体液を速やかに透過させる透 液性のトップシート 3と、人体との接触面と反対側に設けられる、ポリエチレンシートな ど力もなる不透液性のバックシート 2と、これらバックシート 2とトップシート 3との間に介 装される吸収体 4と、キャリア一層 5と、などを備える。
[0038] ナプキン 1の吸収体 4の周囲において、吸収体 4の周辺に延出しているバックシート
2とトップシート 3とがナプキン 1の縁に沿うようにホットメルトなどの接着剤やヒートシ一 ル等の接着手段によって接着されている。
[0039] バックシート 2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材により形成さ れている。また、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましぐこ の遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の ォレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または 二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。 また、バックシート 2の外面には一又は複数条の粘着剤層(図示せず)が形成され ており、身体への装着時にナプキン 1を下着に固定できるようになつている。
[0040] トップシート 3は、有孔または無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどにより 形成されている。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピ レン等のォレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンゃキ ュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布を製造す る方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、スパンレース法、スパ ンボンド法、サーマルボンド法、メルトブロー法、ニードルパンチ法、或いはこれらを 組み合わせた方法等によって不織布を製造することができる。
トップシート 3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等の体液がより速 やかに吸収されるようになり、ドライタツチ性に優れたものとなる。
[0041] 本発明の特徴である吸収体 4は、体液を吸収するものであり、図 2に示す通り、トツ プシート 3の下側に配される第 1の繊維層 6と、第 1の繊維層 6の下側に配される吸収 性樹脂を備える吸収層(以下、「SAP層」という。) 7と、 SAP層 7の下側に配される第 2の繊維層 8と、第 2の繊維層 8の下側に配される第 3の繊維層 9と、を備えて構成さ れている。
[0042] 第 1の繊維層 6は、パルプと化学繊維からなる。パルプとは、木材などの植物体を機 械的 '化学的に処理してほぐし、セルロース繊維を分離し水に懸濁した状態や厚紙 状にしたもののことであり、セルロースとへミセルロース、リグニンが 3大成分で、その 他に樹脂や色素、中性物質などを含んでいる。
パルプの種類は、原料によって大きく分けると、針葉樹パルプ (N材、マツなど)、広 葉榭パルプ (L材、ブナなど)、非木材パルプ (ケナフ、バガスなど)、脱墨古紙パルプ (DIP)などがある。更にパルプの製造方法で分類され、機械的に砕いて製造するメ 力二カルパルプ、亜硫酸や硫酸塩などの化学薬品を用いて製造するケミカルパルプ などがある。また特殊パルプとして、 TCF (Total Chlorine Free)パルプ、 ECF ( Elemental Chlorine Free)ノヽノレフス ども ¾?ό。
パルプはもともと親水性でし力も多孔質のため、吸水成に富んでおり、原料や製造 方法の組み合わせによって多くの種類のパルプが存在するため、適当なパルプを選 択し、使用することが望ましい。 [0043] 一方、化学繊維とは、石炭 ·石油などの原料から化学的に合成、または天然繊維を 化学的に加工して作った繊維のことである。化学繊維として、例えば、外側がポリエ チレン、内側がポリプロピレンからなる芯鞘構造の合成繊維が利用可能だ力 これ以 外にも、ナイロン、ァラミド、アクリル、ポリエステルなどの化学繊維を適宜使用して構 わない。
第 1の繊維層 6にパルプのみならず化学繊維を加えることによって、シート内での繊 維同士の結合力が高まり、装着者の動き等に伴う外力に対して高い耐性を持つよう になると共に、化学繊維の存在によって、熱をかけた場合に化学繊維が溶解すること で接着剤の役割を果たすことになる。化学繊維は、例えばポリプロピレンは 150°C以 上で溶解し、溶解温度の高いものであっても、 400°C前後で溶解することが知られて いる。この化学繊維の特性によって、ホットメルトなどの接着剤を使わずに、ヒートシ一 ル等で融着させることが可能になり、人体に優しぐかぶれなどの原因を少なくするこ とができる。
また、繊維層に化学繊維を加えることによって、クッション性を高めることが可能にな り、パルプによる吸収性と化学繊維によるクッション性のバランスを取りつつ両性能を 上げること力 Sできる。
[0044] SAP層 7は、 SAP (Super Absorbent Polymer)からなる。 SAPは、自身の 3次元網 目構造の分子間に水の分子を束縛することで、吸収した水分をゲル化して閉じ込め る機能を有している。「毛細管現象」による綿、パルプ、スポンジなどの吸収力が、 自 重の 20倍程度であるのに対し、 SAPは自重の数 100— 1000倍もの水を吸収するこ とができる。
SAPの中では、タテ、ョコに張り巡らされた高分子の細かい網目の中に、水分子が 水素結合でしつ力 押さえ込まれている形で保持される。内部で結合しているために 、絞ったり押したりといった行為により圧力を加えても水を吐き出すことはない。
[0045] 具体的に、 SAPは、例えば、デンプン一ポリアクリロニトリル加水分解物、デンプン一 ポリアクリル酸塩架橋物、カルボキシルメチルセルロース系、酢酸ビュル一アクリル酸 メチル共重合体のケンィ匕物、ポリアクリル酸ソーダ架橋物などを用いることができる。 それぞれ吸水、保水、強度などの性質に違いがある。 [0046] 第 2の繊維層 8は、例えばナイロンゃァラミドのようなポリアミド繊維や PET繊維、 PT T繊維のようなポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフイン繊維のような合成繊維 の他、酢酸セルロース繊維のような半合成繊維、再生セルロース繊維のような再生繊 維等の単体もしくは複合体が挙げられる。また、化学繊維とパルプなどの混合物でも 構わない。
例えば、第 2の繊維層 8が、第 1の繊維層 6と同様の構造をしているとすると、両層 にパルプおよび化学繊維が含まれることになり、これにより各層を熱融着させることが 出来、各層の接着強度を向上させることが可能になる。その結果、特に湿潤時にお ける引張強度の値を向上させることができる。よって、第 2の繊維層 8が、第 1の繊維 層 6と同様の構造をしているとすると、特に湿潤時における吸収体 4のョレゃヮレを生 じにくくすることができる。
[0047] 第 3の繊維層 9は、合成繊維を親水化処理した繊維からなる。例えばこのような繊 維として、インタック(商品名)が挙げられる。第 3の繊維層 9が配されていることによつ て、第 1の繊維層 6、 SAP層 7および第 2の繊維層 8では吸収しきれな力つた体液を 受け止め、保持することで、トップシート 3側への逆戻りのみならず、バックシート 2側 への染み出しを防ぐことができる。尚、第 3の繊維層は、必ずしも合成繊維を親水化 処理した繊維でなくとも良ぐ第 1の繊維層 6、第 2の繊維層 8のように化学繊維とパル プなどの混合物でも良いし、化学繊維単体、或いはパルプ単体であってもよい。
[0048] 以上の通り、吸収体 4は、合成繊維とパルプからなる第 1の繊維層 6と同じく合成繊 維とパルプからなる第 2の繊維層 8が SAP層 7を挟み込み、さらに第 2の繊維層 8の 下側に合成繊維からなる第 3の繊維層 9が配された四層構造をとる。
ここで、吸収体の初期厚み(cm)に対する KES圧縮試験機(後述する)による圧縮 エネルギー値(gf ' cmZcm2)の比は、 3. 3gf/cm2以上であることが望ましぐより好 ましくは 4. 8gf/cm2以上である。後述するナプキン 1の使用時における官能評価に より、吸収体 4の初期厚み(cm)に対する KES圧縮試験機による圧縮エネルギー値 が 3. 3gf/cm2以上であると、クッション性を有するため装着者の装着感がよいが、 3 . 3gfZcm2を下回ると、厚みに対する柔らかさが充分ではなぐ吸収体の厚み方向 に対するクッション性が確保できないからである。 また、吸収体の初期厚み(cm)に対する KES大型ねじれ試験機(後述する)による 70度ねじれ抵抗エネルギー値(gf ' cm/ cm)の比は、 160gf/cm以下であることが 望ましぐより好ましくは 84gf/cm以下である。 160gf/cm以下であることによって、 クッション性に加え、ねじれ方向にも柔軟に吸収体が変形することが出来、体とのフィ ット感を高めることが可能となり、逆に、この比が、 160gf/cmより大きいと硬ぐ装着 時に違和感があり、またショーツの動きに追従することが出来ず、ずれ易くなるからで ある。
さらに、吸収体 4の初期厚み(mm)は、 5mm以下である。より好ましくは 2mm以下 である。かかる厚みを有する吸収体 4を用いたナプキン 1は、特に薄ぐクッション性を 有しているため、装着時に体の凹凸形状にフィットする。そのためモレが生じに《、 装着者に違和感を感じさせることなぐ装着感を向上させることができる。
また、吸収体 4の、湿潤時の引張強度値(NZ25mm)は、 1. 0— 30N/25mm、 好ましくは 5— 25N/25mm、より好ましくは 10— 20N/25mmである。
以上の様な四層構造、つまり、水分吸収速度は比較的遅いものの、大量の水分を 吸収できる SAP層 7を、吸収する水分量は少ないものの、水分吸収速度が比較的早 い三層の繊維層で挟み込む構造をとることによって、第 1の繊維層 6で吸収され、 SA P層 7に運ばれた体液は、 SAP層 7に運ばれてからゆっくりと SAPによって吸収され ることが可能になり、第 1の繊維層 6に染み出したとしてもパルプや合成繊維がせき止 めることが出来、逆戻りを防ぐことが可能となり、また逆に SAP層 7からバックシート 2 側、つまり、第 2の繊維層 8および第 3の繊維層 9側へ漏れ出したとしても、第 3の繊 維層 9で体液を吸収し、保持することが出来、漏れを防ぐことができる。
さらに、 SAPと、合成繊維およびパルプを分離し別々のシートとして重ねる構造を 取ることによって、人体に接する面であるトップシートの直下に配される第 1の繊維層 6を合成繊維とパルプのみで構成することが可能になり、 SAPによってもたらされて レ、たごわつき感が解消され、高レ、装着感を得ることができる。
そして、 SAPと、合成繊維およびパルプがそれぞれ別の層を形成し、それらが積層 されて吸収体を構成していることによって、繊維層における繊維同士の絡み合いが 強固になり、吸収体が体液を吸って湿潤した際にも、繊維一本一本のコシは低下し にくぐ繊維同士の絡み合いも低下しないので吸収体がョレたりヮレたりすることがな ぐ漏れを防ぐことができる。
[0050] 四層構造を取る吸収体に、より良いクッション性をもたらす為、また、より高い吸収性 を与える為に、パルプ量や SAP量を増やそうとすると、吸収体 4の厚みが増してしま レ、、薄さを維持することが出来ずに装着感が低下してしまう。
そこで、この問題を解決するために繊維層において、合成繊維を親水化処理した 繊維を使用すると、当該繊維は通常の化学繊維に比較して結合力が高い分その嵩 を小さくすることが可能になり、当該繊維を利用することによって、第 1の繊維層 6およ び第 2の繊維層 8の嵩を減らすことができる。吸収体の薄さを維持するためには、そ れぞれの成分の嵩合計が薄型であるために目指す薄さを超えないことが必要であり 、このため、なんらかの成分を増やす場合には他の成分を減らす必要がある。
合成繊維を親水化処理した繊維を使用すると、吸収体全体の嵩が減り、その減少 分だけ希望する別の成分の追加が可能となる。
例えば、クッション性を上げるために、通常の化学繊維を、合成繊維を親水化処理 した繊維に代えることによって得られた減量分と同量のパルプを加えることが可能に なり、例えば吸収性を高めるためにゲルブロッキングを起こさない程度の SAPを加え ることが可能になる。これにより、より良いクッション性やより高い吸収性を得ることがで きる。
[0051] キャリア一層 5は、吸収体 4とバックシート 2の間に介装され、クレープ紙からなる。ク レープ紙は表面に連続的な細かい皺(クレープ)が加工されていることが特徴であり、 柔軟で緩衝性、伸張性を有する。
[0052] クレープ加工は、抄紙過程で乾燥ドライヤーから抄紙をドクターブレードで剥がし、 クレープ (皺)を付けながらリールに卷き取ることによって行われる。クレープ率とは、ド ライヤ一での送り速度に対するリールでの卷き取り速度の差の比率(Q/o)であり、下式 (1)によって表される。
[ { (ドライヤーでの送り速度)一 (リールでの卷き取り速度) } / (ドライヤーでの送り速 度) ] Χ 100 (%) · · · (1)
[0053] 本実施形態 1においては、このクレープ率は 20%以上である。 20%を下回ると水 分吸収能が低ぐ第 1の繊維層 6、 SAP層 7および第 2の繊維層 8で保持されずタレ ープ紙にまで到達した体液を吸収、保持することが出来ずに漏れを生じてしまう可能 性が高いからである。 20%以上のクレープ率を有することによって吸収体 4へ逆戻り させることもなぐさらにバックシート 2側への漏れも防ぐことが可能になる。
[0054] 本実施形態 1におけるナプキン 1の製造方法として、例えば以下の方法が挙げられ る。ベルトコンベアに載せられたクレープ紙の上に、まず第 1のフォーミングヘッドによ つて第 3の繊維層 9が重ねられる。第 1のフォーミングヘッドはクレープ紙の上側から 第 3の繊維層 9を載置可能に設けられ、第 1のフォーミングヘッドの、ベルトコンベア の真下には、積層された第 3の繊維層 9がクレープ紙から落下しない様、第 3の繊維 層 9を吸引することによってクレープ紙に押し付ける吸引手段が設けられている。 次に、第 2のフォーミングヘッドによって、第 3の繊維層 9の上面に第 2の繊維層 8が 載置される。この第 2のフォーミングヘッドの真下にも、第 3の繊維層 9および第 2の繊 維層 8を吸引する吸引手段が設置されている。
次いで、第 3のフォーミングヘッドによって、第 2の繊維層 8の上面に SAP層 7が載 置され、第 4のフォーミングヘッドによって、 SAP層 7の上面に第 1の繊維層 6が載置 される。このようにしてクレープ紙の上に吸収体 4の各層を順次重ねていくことで複数 層からなる吸収体 4が形成される。この第 3のフォーミングヘッドおよび第 4のフォーミ ングヘッドの真下にも、吸収体 4を構成する各層を吸引する吸引手段が設置されて いる。
[0055] 吸収体 4の各層の積層工程が終了すると、次にコンパクタ一で吸収体 4をプレスし、 全体を固めた上でオーブンに入れて熱風を通し、第 1、第 2および第 3の繊維層 6、 8 、 9に含まれる化学繊維を融着させ、各層間を結合させる。この時の温度は、 100 2 00°Cが好ましい。その後、冷却を行い、熱カレンダーで再度加熱し、 目付測定器や 異物検出器、金属探知機等で品質項目を検査した後、クレープ紙を巻き取る。これ をもって、クレープ紙を含む、吸収体 4の製造は完了する。
[0056] このように、吸収体 4を構成する複数の層をクレープ紙の上に順次重ねていくだけ で本発明に係る吸収体 4を製造することが可能となり、一層毎にプレス、加熱および 冷却等の工程を行う場合に比べて、吸収体 4の製造に要する時間を大幅に短縮する こと力 Sできる。
[0057] なお、上記した製造方法において、積み重ねられた段階で化学繊維の配合量が多 すぎると、化学繊維同士の隙間力 パルプや SAPが脱落してしまうという問題が発生 する。そこで、パルプの配合量を増やすことによって SAPの脱落を防止することがで きるが、逆に化学繊維の配合量が少なくなると、各層間の接着力が低下してしまうた め、化学繊維層は少なくとも吸収体重量の 10— 60%程度が好ましぐより好ましくは 20— 50%である。
また、積み重ねられた段階で、嵩高くなつてしまった場合には、合成繊維を親水化 処理した繊維を使用することによって、全体の嵩を移送可能な高さに維持しつつパ ルプ量や SAP量を増やすことが可能となる。
[0058] ぐ実施形態 2 >
次いで、本発明の実施形態 2を、図 3 図 5を用いて説明する。図 3は、本発明を適 用した吸収性物品の展開図であり、図 4は図 3の IV— IV'線における断面図である。 図 3に示す吸収性物品生理用ナプキン(以下、ナプキンという。) 100は、吸収体 10 4が上記実施形態 1と異なり、実施形態 1におけるキャリア一層 5を備えない。従って、 実施形態 2を説明するにあたって、上記実施形態 1と同様の構成については同一の 符号を付し、説明は省略する。
[0059] 図 3、 4に示すナプキン 100は、人体との接触面側に設けられ、経血やおりものなど の体液を速やかに透過させる透液性のトップシート 3と、人体との接触面と反対側に 設けられる、ポリエチレンシートなどからなる不透液性のバックシート 2と、これらバック シート 2とトップシート 3との間に介装される吸収体 104と、などを備える。
[0060] 吸収体 104は、体液を吸収するものであり、パルプ、化学繊維等の各種繊維が所 定の割合で配合、混合された繊維層や、前述した SAP (高吸水性樹脂)等が含まれ る樹脂層力、所定の配置に積層されてなる吸収体層 104aを有している。
そして、その繊維層や樹脂層を積層してなる吸収体層 104aのトップシート 3側(上 面側)には、所定の接着剤により構成される第 1の接着剤層 105が設けられ、また、 吸収体層 104aのバックシート 2側(下面側)には、所定の接着剤により構成される第 2の接着剤層 106が設けられてレ、る。この第 1の接着剤層 105と第 2の接着剤層 106 とは、吸収体層 104aにおける各繊維や高吸水性樹脂などがほぐれてしまうなど分離 、分解しないように、各繊維や高吸水性樹脂などを接着、固着することで、その吸収 体 104 (吸収体層 104a)の形状を維持するための層である。
[0061] 本実施形態 2においては、図 4に示すように、少なくともパルプを含むようにパルプ と化学繊維が所定の割合で配合された繊維混合体における各繊維が絡み合うように 、所定の厚みに形成された基盤繊維層 107と、その基盤繊維層 107の上面に所定 量の SAPを載せるように形成された樹脂層 108と、その樹脂層 108の上面に少なくと もパルプを含むようにパルプと化学繊維が所定の割合で配合された繊維混合体にお ける各繊維を絡み合わせて載せるように形成された繊維層 109と、を有する吸収体 層 104aを形成し、その吸収体層 104aの上面側である繊維層 109の表面と、吸収体 層 104aの下面側である基盤繊維層 107の表面に、所定の接着剤を付与するように 塗布し、それぞれ第 1の接着剤層 105と、第 2の接着剤層 106とを形成して吸収体 1 04が形成されている。
[0062] つまり、吸収体 104は、少なくともパルプを含むようにパルプと化学繊維が所定の割 合で配合された繊維混合体からなる基盤繊維層 107を形成する基盤繊維層形成ェ 程と、基盤繊維層 107の上面に、吸収性樹脂 (例えば、 SAP)を含む所定数の樹脂 層 108と、パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む所定数の繊維層 109とを、所定 の配置に積層し、吸収体層 104aを形成する吸収体層形成工程と、吸収体層 104a の上層面である繊維層 109の表面と、吸収体層 104aの下層面である基盤繊維層 10 7の表面に、所定の接着剤を付与するように塗布し、それぞれ第 1の接着剤層 105と 、第 2の接着剤層 106とを形成する接着剤層形成工程と、を備える製造方法によって 、形成、製造されるようになっている。
[0063] このように形成された吸収体 104は、クッション性が良好で、ねじれの柔らかさがよく 、適度なコシ強度を有する吸収体 104とすることができる。
なお、この吸収体 104の厚みは、 0. 5mm以上、 5. Omm以下であることが好ましく 、より好ましくは、 0. 7mm以上、 2. Omm以下である。
吸収体 104の厚みが 0. 5mm未満であると、吸収体における体液の吸収量が少な ぐ体液の吸収性が低いので、体液の逆戻りや漏れなどが生じてしまうことある。また 、吸収体 104の厚みが 0. 5mm未満であると、吸収体が薄いため、そのクッション性 能が低減してしまい、柔ら力さが損なわれることがある。
また、吸収体 104の厚みが 5. Ommを超えると、その吸収体を備えたナプキン 100 の厚みも増し、ナプキンが嵩張るようになるので、個別包装されたナプキンを携帯し づらくなる問題が生じることがある。
[0064] 吸収体 104 (吸収体層 104a)にパルプのみならず化学繊維を加えることによって、 吸収体内での繊維同士の結合力が高まり、装着者の動き等に伴う外力に対して高い 耐性を持つようになると共に、化学繊維の存在によって、熱をかけた場合に化学繊維 が溶解することで接着剤の役割を果たすことになる。化学繊維は、例えばポリプロピ レンは 150°C以上で溶解し、溶解温度の高いものであっても、 400°C前後で溶解す ることが知られている。この化学繊維の特性によって、ホットメルトなどの接着剤を使 わずに、ヒートシール等で融着させることが可能となる。
また、吸収体 104に化学繊維を加えることによって、吸収体 104の厚み方向へのク ッシヨン性を高めることが可能になり、パルプや SAPによる吸収性と、化学繊維による クッション性のバランスを取りつつ両性能を上げることができる。
[0065] 接着剤とは、吸収体 104の表面において、パルプや化学繊維などの各繊維や高吸 水性樹脂などを接着し、その吸収体 104 (吸収体層 104a)の形状を維持するための ものである。接着剤として、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂 (EVA; Ethylene Vinyl Acetate)、ポリビエルアルコール(PVA)、アクリルアミド 'ポリビエルァ ノレコール共重合体、アクリル酸エステル.酢酸ビュル共重合体、カルボキシメチルセ ノレロースナトリウム、 SIS、 SBS、 SIBS、 SEPS等のスチレン系エラストマ一、ポリエス テル'アクリル系エラストマ一、ポリオレフイン系エラストマ一などを適宜使用することが できる。
本実施形態 2における接着剤としては、乾燥時にタック (粘り気)の少ない接着剤で あることが好ましい。タック性が高いと、吸収体 104のコシが強まってしまレ、、所望する 柔らかさを有する吸収体 104を形成しに《なってしまうからである。
このようなタック性の低さ(非粘着性)と、経時後の粘度安定性が高ぐ加工安定性 を有するエチレン酢酸ビュル共重合体樹脂(EVA)を、好適に本発明に係るナプキ ン 100の吸収体 104に使用することができる。
また、 EVAは、肌に貼りつき難いので、肌に触れる部分 (肌に触れる可能性がある 部分)に使用しても、肌触り感が悪化しにくぐナプキン 100の吸収体 104に好適に 使用すること力 Sできる。
また、フヱノール系、ィォゥ系、リン系の安定剤を併用することにより、接着剤のタツ ク性を低下させて使用することができるようになる。
[0066] 接着剤を吸収体層 104aに塗布する方法は、カーテン法、ビート法、スロット法、ス パイラル法など、周知の塗布方法 (例えば、スプレー塗布やブレードコートなど)によ り行うことができる。そして、吸収体層 104aに付与された接着剤が、第 1の接着剤層 1 05や第 2の接着剤層 106を形成する。
この第 1の接着剤層 105や第 2の接着剤層 106は、 0. 01g/m2 20g/m2の目 付量で形成されることが好ましぐより好ましくは 0. 3g/m2 10g/m2の目付量であ る。このような目付量であれば、クッション性が良好で、適度なコシ強度を有する吸収 体 104とすることができる。
EVAの目付量が、 0. Olg/m2未満であると、吸収体 104 (吸収体層 104a)に含ま れるパルプなどの繊維が脱落しやすくなり、また、 EVAの目付量力 20g/m2を超え ると、接着剤層のコシ強度や粘性が高くなることで、吸収体 104が固くなってしまうと レ、う問題が生じる場合があるからである。
[実施例]
[0067] 以下に、上記に説明した実施形態 1に係るナプキン 1の実施例を比較例とともに説 明する力 本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
具体的には、吸収体 4の各層およびキャリア一層の組成、 目付量を以下の通りに変 化させて、各実施例および比較例とした。
[実施例 1一 1]
[0068] 〔吸収体の各層の組成、 目付量および重量〕
第 1の繊維層および第 2の繊維層に、パルプと合成繊維(PE/PP)力 なる繊維 層を配し、第 3の繊維層にはインタック PP/PEを配した吸収体 4を製造した。この吸 収体 4を、 elisさらさらシルクエタストラスリム軽い日一ふつう用 20cm羽なし(寸法: 幅 90mm X長さ 200mm X厚さ 2mm、重量: 22. 4g)の吸収体と入れ替えてナプキ ン 1を製造した。
[実施例 1 - 2]
[0069] 実施例 1—1のナプキン 1に比較して、クレープ率を 12%から 20%に上げたクレー プ紙をキャリア一層 5にて使用した。
[実施例 1一 3]
[0070] 実施例 1 - 2の吸収体 4に比較して、化学繊維および SAPの量を減らしてパルプ量 を増やした。
[実施例 1一 4]
[0071] 実施例 1一 3の吸収体 4に比較して、合成繊維 (PE/PP)をインタックに代えること によつてパルプ量を増やした。
[比較例 1一 1]
[0072] 吸収体の組成および目付(g/m2)および各組成の重量の合計を表 1に示す通りと した。即ち、表 1に示す比較例の吸収体は、パルプと SAPとが分散混入され、単層構 造のシート状を成すものである。
以上の各実施例および比較例の組成、 目付 (g/m2)、および重量の合計を表 1に 示した。
[表 1]
Figure imgf000023_0001
[0073] 〔特性評価方法〕
上述の各実施例および比較例により得られたナプキン 1について、初期厚み(cm) 、逆戻り量(g/lcc)、圧縮固さ(gf ' cmノ cm2)、ねじれ固さ 70° (gf - cm/cm)お よび引張強度値 (N/25mm)を測定した。併せて、それぞれの実施例のナプキンを 使用したときの官能評価も実施した。
[0074] 〔逆戻り量〕
逆戻り量の測定方法としては、次の通りである。
人工血液 3ccを筒(高さ 100mm、径 25mm)の上から注入し、その 3分後に人工血 液 3ccを追加注入し、その 2分後に(計 5分後)、吸収した領域を表面材の上力 濾紙 で覆い、その上に 100g (縦 40mm X横 50mm)の重りを載せ 10秒間放置し、その後 に吸収した濾紙の重さを量り、元の重さから吸収(逆戻り)した量を量ることにより行つ た。上記作業を繰り返し 2回行い、 1回目および 2回目測定で得られた数値を表 2に 記載した。
[0075] 〔圧縮硬さ〕
圧縮固さ(gf ' cm/cm2)は、 KES圧縮試験機を用いて測定した。 KES圧縮試験 機とは、カトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機 (KES-G5)である。試験 条件は以下の通りである。
•SENS (記録感度): 2
'力計の種類: lkg
•SPEED RANGE : 0. 01 (cm/sec)
•DEF感度: 5
'加圧面積: 2cm2
•取込み間隔: 0. 1 (標準)
•STROKE SET: 5. 0
'上限荷重: 50gf/cm2
上記の試験条件下でサンプル (ナプキン)をその厚み方向に圧縮し、圧力と変形量 との相関図力も圧縮固さを得る。圧縮固さ値が大きいほど、圧縮されやすい、即ち柔 らかぐ値が小さいほど硬い。
[0076] 〔ねじれ固さ〕
ねじれ固さ 70度とは、サンプルを 70度ねじったときの強度のことであり、ねじれ固さ 70度として、 KES大型ねじれ試験機を用いて測定した。 KES大型ねじれ試験機とは 、カトーテック株式会社製の大型ねじれ試験機 (KES— YN-1— B)のことであり、吸収 性物品(ナプキン)のサンプルの大きさを長さ 150mm X幅 55mmに設定し、以下の 試験条件で測定した。
•測定チャック部:上部チャックと下部チャックのエッジをサンプルのエッジに合わせて セット
•チャック間隔: 115mm
•SENS (記録感度): 2
'ねじれ角度: 7
•CONTROL : 7
•SPEED : 12cm/s
•サンプル幅: 6cm
0—土 70度のねじれ角度間で測定してグラフ (X軸:度、 Y軸: gf - cm/cm (応力)) を作成し、グラフから、ねじれ角度 10— 65度におけるグラフの傾き、即ちねじれ固さ 70度値を読取る。
〔引張強度〕
引張強度はテンシロン引張試験機で測定した。テンシロン引張試験とは、サンプノレ を挟み、上下方向に引張り、素材が切れた時点の値を読取ることで強度を測る試験 である。試験条件は下記の通りである。
'試験片寸法: MD方向(長さ 120mm X幅 25mm)
• 速度: 500mm/ mm
• 荷重チャレンジ: 25N
• チャック間距離: 90mm
試験方法としては、乾燥状態で測定するサンプルについては、素材をチャックでは さみ試験条件を設定しスタートさせ、装置が動き出し、素材が切れたところでストップ させて試験時のピーク値を読取ることでサンプルの強度を測るもので、湿潤状態のサ ンプルについては上記手順に入る前にまず試験片の中央部に lccの精製水をたらし 、 5分間放置する作業が必要である。この引張強度値が大きいほど、外部から受ける 力に対する耐力があるということになり、ヮレゃョレを起こしづらくなり、漏れを防ぐこと ができる。
[0078] 〔官能評価〕
官能評価は、一般女性 100人に実施例 1一 3の吸収性物品を送付し、生理時にナ プキンを実際使用した後、アンケート用紙に官能評価を三段階で記入してもらった。 装着感(表 2の項目 A)、体液吸収後のベタツキ感(表 2の項目 B)、吸収体のヮレゃ すさ(表 2の項目 C)の三項目について、項目 A, Bについては、◎:大変良い、〇:良 レ、、 X:悪いの三段階で評価し、項目 Cについては、◎:ヮレにくい、〇:普通、 X:ヮ レやすレ、の三段階で評価した。
上記した試験方法により試験した結果を表 2に示した。
[表 2]
Figure imgf000026_0001
[0079] 以下に、表 1、表 2に基づき、各実施例におけるナプキンの評価結果について説明 する。
[0080] 〔逆戻り〕
比較例における 1回目の逆戻り量は、 0. 150 (g/lcc 以下単位略)であり、さらに 1回目の逆戻り量測定から一定時間経過後に実施した 2回目の逆戻り量測定では 0. 403であった。実施例においてはいずれの実施例でも、 1回目が 0. 144以下、 2回 目が 0· 321以下と、比較例に比較して 1回目、 2回目共に逆戻り量が少なくなつてお り、本実施例は逆戻り防止効果が比較例よりも高いことが分かる。
各実施例においては、実施例 1-1が 1回目 0. 144、 2回目 0. 321、実施例 1一 2が 1回目 0. 098、 2回目 0. 251とレヽぅ数ィ直を示す。
つまり、クレープ紙のクレープ率が 20%の実施例 1一 2については、クレープ率 12 %である実施例 1一 1に比較して、逆戻り量が少なぐより吸収力が向上している。 また、官能評価における項目 Bの結果からも 20%のクレープ率であるクレープ紙を 使用したほうが体液吸収後のベタツキ感がなぐ大変良いという結果が得られた。 [0081] 〔圧縮固さ〕
圧縮固さの評価は、圧縮固さ(gf ' cm/cm2)そのものではなぐ圧縮固さを初期厚 み(cm)で割った値で評価を行った。つまり、吸収体 4が厚くなればそれだけ柔らかさ が増すことは当然であり、吸収体の薄さを維持しながらクッション性を高めたことが本 願発明の特徴であるため、単位厚さあたりのクッション性の向上を確認するべぐ圧 縮固さ Z初期厚み (gfZcm2 以下単位略)をもって評価した。
比較例における圧縮固さ Z初期厚みは、 2. 43であるが、実施例においてはいず れも 3. 3以上を示しており、比較例に比べて実施例は明らかにクッション性が向上し ている。
さらに、各々の実施例について比較する。圧縮固さ Z単位厚みは、実施例 1—1が 3 . 91、実施例 1 - 2が 3. 30、実施例 1—3が 4. 82、実施例 1 - 4が 5. 16という値を示 す。
20%のクレープ率を有するクレープ紙を使用し、且つ吸収体中の化学繊維をイン タックに代えてパルプ量を増量した実施例 1 4の場合に、最も高い単位厚みあたり のクッション性を示す。
また、官能評価の項目 Aの結果からも、圧縮固さ/初期厚みが 3. 3 (実施例 1 1) 以上であると、装着感がよいとレ、う結果が得られた。
[0082] 〔ねじれ固さ〕
ねじれ固さ 70度(gf ' cm/cm)については、圧縮固さと同様に、ねじれ固さ 70度を 初期厚み(cm)で割った値で評価を行った。つまり、吸収体 4が厚くなればそれだけ ねじれに対して強くなることは当然であるからである。そこで、単位厚さあたりのねじれ 方向に対する耐カを吸収体の初期厚みに対する KES大型ねじれ試験機による 70 度ねじれ抵抗エネルギー値の比を確認した。
比較例におけるねじれ固さ Z初期厚み(gfZcm 以下単位略)は、 350であるが、 実施例においてはいずれも 160以下であり、約半減していることが分かる。
実施例間で比較すると、実施例 1一 1が 153. 64、実施例 1一 2が 144. 00、実施例 1—3力 S84. 71、実施 f列 1—4力 S60. 00とレヽぅィ直を示す。
20%のクレープ率を有するクレープ紙を使用し、且つ吸収体中の化学繊維をイン タックに代えてパルプ量を増量した実施例の場合に、最も低い単位厚みあたりのねじ れ固さを示す。
また、官能評価における項目 Aの結果においても、本願発明のナプキンはねじれ 固さ 70度値は、 16. 90 (実施例 1一 1)以下であると、装着時に違和感がなぐまたシ ョーッの動きに追従することが出来、ずれ難レ、ことから装着感が良いという結果が得 られた。
[0083] 〔引張強度〕
引張強度については、乾燥状態と湿潤状態とで確認し、比較を行った。 比較例における引張強度値は、乾燥状態で 12. 1 (NZ25mm;以下単位略)、湿 潤状態で 0. 92であるが、実施例においてはいずれも、乾燥状態で 17. 7以上、湿潤 状態で 15. 0以上という値を示しており、実施例は比較例に比べて乾燥、湿潤両状 態で高い引張強度値を有してレ、る。
実施例間で比較すると、実施例 1 - 1が乾燥状態で 18. 2、湿潤状態で 15. 4、実施 例 1 2が乾燥状態で 17. 7、湿潤状態で 15. 3、実施例 1 3が乾燥状態で 17. 8、 湿潤状態で 15. 1、実施例 1 - 4が乾燥状態で 18. 3、湿潤状態で 15. 0という値を示 す。
本願発明のナプキンにおいては、引張強度値が、乾燥状態で 17. 0以上、湿潤状 態で 15. 0以上である。湿潤状態で 15. 0以上の引張強度値を有すると、引っ張り等 の外力に対して耐えることができ、吸収体にヮレゃョレが生じにくぐ体液の漏れを防 止すること力 Sできる。このことは、官能評価の項目 Cの結果からも分かる。
[0084] 〔官能評価〕
比較例に比較して、いずれの実施例も、装着感が上がり、体液吸収後のベタツキ感 が少なくなり、吸収体のヮレやすさが改善されている。
特に、実施例 1-3および実施例 1-4については、いずれの項目も大変良いと評価 されている。
[0085] 次に、上記に示した実施形態 2に係るナプキン 100の実施例を比較例とともに説明 する。当然、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表 3に示されるように、吸収体 104は、第 1層から第 5層の各層が重ねられて構成さ れている。ここで、第 2層から第 4層の 3層分が吸収体層 104aに相当する。
尚、各層や、各層における構成材料の配合比率は、 目付け量 (g/m2)で示してい る。
[実施例 2 - 1]
[0086] 〔吸収体の各層の組成、 目付量および重量〕
パルプが 50gZm2、ポリプロピレン/ポリエチレン(3. 3/5. 0)が 2gZm2の配合 比率となるように基盤繊維層である第 2層を形成し、その第 2層上に SAPが 55g/m2 となるように樹脂層である第 3層を形成し、その第 3層上にパルプが 50gZm2、ポリプ ロピレン/ポリエチレン(3. 3/5. 0)が 6g/m2の配合比率となるように繊維層である 第 4層を形成し、吸収体層 104aを製造した。
上記の吸収体層 104aの上面側と下面側とに、それぞれ接着剤としての EVAをス プレー塗布し、それぞれ 4g/m2となるように、第 1の接着剤層である第 5層と、第 2の 接着剤層である第 1層とを形成し、吸収体 104を製造した。
そして、この吸収体 104を、トップシート 3とバックシート 2との間に介装するようにナ プキン 100を製造した。このナプキンの特性評価結果を表 4に示す。
[実施例 2 - 2]
[0087] 実施例 2— 1において、第 2層のポリプロピレン/ポリエチレン(3. 3/5. 0)を 3g/ m2に、第 3層の SAPを 60g/m2に、第 4層のポリプロピレン/ポリエチレン(3· 3/5 . 0)を 2g/m2に代えた以外は実施例 2-1と同様にして吸収体を得て、ナプキンを製 造した。このナプキンの特性評価結果を表 4に示す。
[実施例 2 - 3]
[0088] 実施例 2—1において、第 3層の SAPを 50gZm2に、第 4層のパルプを 33g/m2に 、ポリプロピレン/ポリエチレン(3. 3/5. 0)を 30g/m2に代えた以外は実施例 2—1 と同様にして吸収体を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの特性評価結果を表 4に示す。
[実施例 2 - 4]
[0089] 実施例 2— 1において得られた吸収体に、図 5に示されるように、当該吸収体の略中 央部である体液排出部位を含む所定の領域 F以外に、吸収体 (が備えられるナプキ ン)の長手方向に沿って凹部および凸部が連続する波状加工を施した以外は実施 例 2— 1と同様にして吸収体を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの特性評価結 果を表 4に示す。
[実施例 2 - 5]
[0090] 実施例 2—1において、第 4層のパルプを 45g/m2に、ポリプロピレン/ポリエチレン
(3. 3/5. 0)を 6g/m2に代え、その第 4層に SWPを 5g/m2カ卩えた吸収体を形成し 、その吸収体に、図 5に示されるように、当該吸収体の略中央部である体液排出部位 を含む所定の領域 F以外に、吸収体 (が備えられるナプキン)の長手方向に沿って凹 部および凸部が連続する波状加工を施した以外は実施例 2— 1と同様にして吸収体 を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの特性評価結果を表 4に示す。
[比較例 2 - 1]
[0091] 実施例 2—1において、第 3層の SAPを 50gZm2に、第 4層のポリプロピレン/ポリ エチレン(3· 3/5. 0)を 3g/m2に代え、第 1層と第 5層を形成せずに、第 1層が相 当する配置に 16g/m2のクレープ紙を配設した以外は実施例 2-1と同様にして吸収 体を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの特性評価結果を表 4に示す。
以上の各実施例および比較例の組成、 目付 (g/m2)および重量の合計を表 3に示 した。
[表 3]
比較例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 配合 構成 目付 目付 瞧 目付 目付 〉 目付〈 厣 接着剤
- - 一 ― 層
― - 一 一 - - 層 接着剤
キヤリャ -層 ウレ-ブ紙 割合 割合 割合 割合 割台 割合 構成 【¾) (%) (%) 化繊 接着剤
クレ-プ紙
合計
[0092] 〔特性評価方法〕
上述の実施例 2—1— 2_5および比較例 2_1により得られたナプキンについて、ね じれ固さ 70° (gf 'cm/cm)、圧縮固さ(gf ' cm/cm2)および回復率(%)を測定し た。併せて、それぞれの実施例のナプキンを使用したときの官能評価も実施した。物 性評価を行った。ねじれ固さ 70° (gf - cm/cm)および圧縮固さ(gf ' cm/cm2)の 測定は実施例 1に示した方法に従レ、実施した。
[0093] 〔回復率〕
回復率(%)は、 KES圧縮試験機を用いて測定した。 KES圧縮試験機とは、カトー テック株式会社製のハンディー圧縮試験機 (KES—G5)である。試験条件は以下の 通りである。
•SENS (記録感度): 2
•SPEED RANGE : 0. 01 (cm/sec)
•DEF感度: 5
- STROKE SET : 5. 0
'上限荷重: 50gf/cm2 上記の試験条件下でサンプル (ナプキン)を折り畳んだ状態で圧縮し、圧力と変形 量との相関図から回復率を得る。回復率が大きいほど、折り畳まれる前の形状に戻り やすぐ即ちクッション性がよい。
[0094] 〔官能評価〕
官能評価は、評価試験官が実際にナプキンを装着し、その肌触り間などを体感し、 その使用時の違和感のなさを評価した。その評価基準は、 Aの「非常に良い」、 8の「 よレ、」、 Cの「普通」の 3段階で評価した。
上記した試験方法により試験した結果を表 4に示した。
[表 4]
Figure imgf000032_0001
[0095] 以下に、表 3、表 4に基づき、各実施例におけるナプキンの評価結果について説明 する。
[0096] 表 3に示されるように、実施例 2-1におけるナプキン 100は、比較例としての従来の ナプキンにおけるクレープ紙を使用せずに、吸収体層 104aを接着剤層である第 1層 と第 5層とにより覆レ、、その吸収体 104の形状を維持するようにしたものである。
この実施例 2_1におけるナプキン 100は、表 4に示されるように、クレープ紙がなく なったことにより、クレープ紙が有していたコシ強度がなくなる。このコシ強度の低下 は、ねじれ固さ値が比較例より低下したことによりわかる。
また、表 3に示されるように、クレープ紙に相当する目付量 (g/m2)分を、ポリプロピ レン Zポリエチレン(PP/PE)と SAPして増やしたことにより、表 4に示されるように、 圧縮固さや回復率が上昇し、そのクッション性が向上しているとともに、体液の吸収量 も向上している。
このように、実施例 2-1におけるナプキン 100は、従来のナプキンに比べ、コシがな くクッション性がよいので、装着感が良好なナプキンとすることができ、また、吸収性能 が良好なナプキンであるといえる。
[0097] なお、この実施例 2— 1において、接着剤層である第 1層と第 5層を形成する際に、 E VAの塗布方法をスパイラル法とカーテン法とのそれぞれにより行レ、、厚さ 50 z mの 接着剤層を形成した吸収体 104を備えるナプキン 100の比較を行った。
スパイラル法により接着剤層を形成した吸収体 104からは、パルプなどの繊維の脱 落があるため、吸収体 104の形状が安定しにくいという問題があった。
一方、カーテン法により接着剤層を形成した吸収体 104を備えるナプキン 100は、 クッション性やねじれ固さが良好なナプキンとすることができた。
よって、接着剤層を形成する際における EVAなどの接着剤の塗布方法は、カーテ ン法がよりよレ、とレ、うことが判った。
[0098] 実施例 2-2におけるナプキン 100は、実施例 2— 1と同様にクレープ紙を使用せず に、吸収体層 104aを接着剤層である第 1層と第 5層とにより覆レ、、その吸収体 104の 形状を維持するようにしたものである。
この実施例 2_2におけるナプキン 100は、表 3に示されるように、 SAPの配合比率 、割合をより多くしたものである。このように SAPの量を増やしたことにより、表 4に示さ れるように、ナプキンにおける体液の吸収量がより向上してレ、る。
このように、実施例 2-2におけるナプキン 100は、従来のナプキンに比べ、コシがな くクッション性がよぐさらに吸収性能が良好であるので、装着感が良好であるとともに 、吸収性能が良好なナプキンとすることができる。
[0099] 実施例 2—3におけるナプキン 100は、実施例 2— 1と同様にクレープ紙を使用せず に、吸収体層 104aを接着剤層である第 1層と第 5層とにより覆レ、、その吸収体 104の 形状を維持するようにしたものである。
この実施例 2—3におけるナプキン 100は、表 3に示されるように、第 4層のパルプ比 率を下げ、 PPZPE比率を増やしたものである。このように PP/PEの量を増やしたこ とにより、表 4に示されるように、ナプキンにおける回復率が向上している。 このように、実施例 2-3におけるナプキン 100は、従来のナプキンに比べ、コシがな くクッション性がよぐさらに回復率が良好であるので、装着感が良好であるとともに、 クッション性が良好なナプキンとすることができる。
[0100] 実施例 2— 4におけるナプキン 100は、実施例 2— 1と同様にクレープ紙を使用せず に、吸収体層 104aを接着剤層である第 1層と第 5層とにより覆レ、、その吸収体 104の 形状を維持するようにしたものである。
この実施例 2— 4におけるナプキン 100は、表 4に示されるように、実施例 2—1にお ける吸収体 104に図 5に示されるような所定の波状力卩ェが施された吸収体 140を備 えるものである。
このような波状加工を吸収体に施すことにより、吸収体 140中の吸収体層 104aに おける各繊維をほぐし、吸収体をより柔らかぐコシがなくなるように処理することがで きるのである。これは、表 4において、ナプキンのねじれ固さ値が低下していることから もわかる。
このように、実施例 2— 4におけるナプキン 100は、従来のナプキンに比べ、コシがな ぐ柔らかさを向上させることができるので、装着感が良好なナプキンとすることができ る。
[0101] 実施例 2-5におけるナプキン 100は、実施例 2— 1と同様にクレープ紙を使用せず に、吸収体層 104aを接着剤層である第 1層と第 5層とにより覆レ、、その吸収体 104の 形状を維持するようにしたものである。
この実施例 2_5におけるナプキン 100は、表 3に示されるように、第 4層のパルプ比 率を下げ、代わりに SWPを加えた吸収体に、図 5に示されるような所定の波状加工が 施された吸収体 140を備えるものである。
このような波状加工を吸収体に施すことにより、吸収体 140中の吸収体層 104aに おける各繊維をほぐし、吸収体をより柔らかぐコシがなくなるように処理することがで きるのである。これは、表 4において、ナプキンのねじれ固さ値が低下していることから もわかる。
このように、実施例 2—5におけるナプキン 100は、従来のナプキンに比べ、コシがな ぐ柔らかさを向上させることができるので、装着感が良好なナプキンとすることができ る。
[0102] このように、本発明に力かるナプキン 100における吸収体は、従来の吸収体に用い られていたティッシュ、クレープ紙などの繊維シートを使用せずに、接着剤層を設ける ことにより形成することができ、その使用されなくなった繊維シートが有していた硬さ ゃコシ強度などを低減することができるので、パルプなどが有する柔らかさなどを阻 害する要因が減り、より柔らかなクッション性を有する吸収体とすることができる。 このような吸収体を備える本発明に力、かるナプキン 100は、従来の繊維シートを含 んでいたナプキンに比べ、より柔らかなクッション性を有するナプキンとすることができ る。
よって、本発明に係るナプキン 100は、クッション性が良好な柔らかなナプキンとす ること力 sでき、装着感が良好なナプキンとすることができる。
[0103] なお、以上の実施の形態においては、吸収体層 104aは、繊維層 2層と樹脂層 1層 の、計 3層の構造を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなぐ繊維 層や樹脂層はそれぞれ何層であってもよぐその配置順や各層の構成 (例えば、繊 維や樹脂の種類、比率)なども任意である。
また、吸収体層、特に繊維層に柔軟剤を塗布するなどして付与することにより、吸 収体層(吸収体)のコシ強度をより低減するようにしてもよい。
また、吸収体層(吸収体)に、消臭剤の粉体などを混入、混合することで、吸収性物 品(ナプキン)に消臭性能を付与するようにしてもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論 である。
産業上の利用可能性
[0104] 本発明は、吸収性物品の製造業において利用可能である。
符号の説明
[0105] 1、 100 ナプキン
2 バックシート
3 トップシート
4、 104 吸収体 4a 吸収体層 キャリア一層 第 1の繊維層 吸収層(SAP層) 第 2の繊維層 第 3の繊維層5 第 1の接着剤層6 第 2の接着剤層7 基盤繊維層8 樹脂層
9 繊維層

Claims

請求の範囲
[13 人体との接触面側に設けられ、透液性を有するトップシートと、人体との接触面と反 対面側に設けられるバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に介装 される吸収体とを備える吸収性物品におレヽて、
前記吸収体の初期厚み (cm)に対する KES圧縮試験機による圧縮エネルギー値( gf' cm/cm2)の比が、 3. 3gfZcm2以上であることを特徴とする吸収性物品。
[2] 前記吸収体の初期厚み(cm)に対する KES大型ねじれ試験機による 70度ねじれ 抵抗エネルギー値 (gf · cm/cm)の比が、 160gfZcm以下であることを特徴とする 請求の範囲第 1項に記載の吸収性物品。
[3] 前記吸収体の湿潤時の引張強度値 (NZ25mm)が、 1. 0〜30NZ25mniである ことを特徴とする請求の範囲第 1項又は第 2項に記載の吸収性物品。
[4] 前記吸収体は、
水分を吸収する吸収層と、
前記吸収層よりも前記トップシート側に配され、ノ^レプと化学繊維とを含んでなる第 1の繊維層と、
前記吸収層よりも前記バックシート側に配される第 2の繊維層と、
を備えることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 3項の何れか一項に記載の吸収 性物品。
[5] 前記吸収層は、吸収性樹脂を備えることを特徴とする請求の範囲第 4項に記載の 吸収性物品。
[6] 前記第 2の繊維層は、パルプと化学繊維とを含んでなることを特徴とする請求の範 囲第 4項または第 5項に記載の吸収性物品。
[7] 前記吸収体は、 '
前記第 2の繊維層よりも前記バックシート側に配され、化学繊維力 なる第 3の繊維 層を備え、
前記吸収体と前記バックシートとの間に吸水性を有するキャリア一層を備えることを 特徴とする請求の範囲第 4項〜第 6項の何れか一項に記載の吸収性物品。
[8] 前記キャリア一層は、クレープ紙を備え、
訂正された用紙 前記クレープ紙は、クレープ率が 20%以上であることを特徴とする請求の範囲第 7 項に記載の吸収性物品。
[9] 前記化学繊維は、合成繊維を親水化処理した繊維であることを特徴とする請求の 範囲第 4項〜第 8項の何れか一項に記載の吸収性物品。
[10] 人体との接触面側に設けられるトップシートと、人体との接触面と反対面側に設けら れるバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に介装される吸収体と を備える吸収性物品にお!/、て、
前記吸収体は、少なくともパルプを含む吸収体層と、
前記吸収体層よりも前記トップシート側に設けられる第 1の接着剤層と、 前記吸収体層よりも前記バックシート側に設けられる第 2の接着剤層と、 を備えることを特徴とする吸収性物品。
[11] 前記吸収体の前記吸収体層は、少なくともパルプを含む基盤繊維層に、
パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を 含む一乃至複数の樹脂層とが、積層されてなることを特徴とする請求の範囲第 10項 に記載の吸収性物品。
[12] 前記吸収体は、当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以 外に、前記吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続する波状加工が 施されていることを特徴とする請求の範囲第 10項または第 11項に記載の吸収性物
ΡΠο
[13] 前記第 1の接着剤層と、前記第 2の接着剤層とは、エチレン酢酸ビニル共重合体樹 脂により構成されていることを特徴とする請求の範囲第 10項〜第 12項の何れか一項 に記載の吸収性物品。
[14] 前記第 1の接着剤層と、前記第 2の接着剤層とは、 0. OlgZm2以上、 20gZm2以 下の目付量で形成されていることを特徴とする請求の範囲第 10項〜第 13項の何れ か一項に記載の吸収性物品。
[15] 人体との接触面側に設けられるトップシートと、人体との接触面と反対面側に設けら れるバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に介装される吸収体と を備える吸収性物品の製造方法において、
訂正された用S (規則 91) 前記吸収体の製造工程は、
少なくともパルプを含む基盤繊維層を形成する基盤繊維層形成工程と、 前記基盤繊維層形成工程により形成された前記基盤繊維層に、パルプとィヒ学繊維 の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を含む一乃至複数の樹 脂層とを積層して、吸収体層を形成する吸収体層形成工程と、
前記吸収体層形成工程により形成された前記吸収体層の上層面と下層面に、所定 の接着剤を付与し、それぞれ第 1の接着剤層と、第 2の接着剤層とを形成する接着剤 層形成工程と、
を備えることを特徴とする吸収性物品の製造方法。
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