WO2005006923A1 - 空気流通路用スペーサ - Google Patents

Abstract

　本発明は、低コストで製造でき、大面積化が可能であり、且つ量産性に優れた空気流通路用スペーサを提供する。空気流通路用スペーサ３０は、外部の空気又は冷却あるいは除湿した空気を人体の表面近傍に流通させる空気流通路を形成するために用いられるものである。空気流通路用スペーサ３０は、略平面状のメッシュ状部材３１と、複数の凸部３２とを備える。メッシュ状部材３１の素材としては、プラスチックが用いられる。複数の凸部３２は、メッシュ状部材３１の表面に規則的に形成されている。空気流通路用スペーサ３０は、メッシュ状部材３１を元にして作ることができる。例えば、加熱した二つの金型（雄型、雌型）にメッシュ状部材３１を挟み込み、それらの金型でメッシュ状部材３１を押圧することにより、メッシュ状部材３１に複数の凸部３２を簡単に形成することができる。

Description

明 細 書

空気流通路用スぺーサ

技術分野

[0001] 本発明は、外部の空気又は冷却あるいは除湿した空気を人体の表面近傍に流通 させる空気流通路を形成するために用いられる空気流通路用スぺーサに関する。 背景技術

[0002] 本発明者は、人体の表面近傍に外部の空気等を流通させることにより湿気を除去 したり、体温の上昇を抑えたりすることができる人体密着型空調装置と、その人体密 着型空調装置に使用されるスぺーサとを案出している (例えば、特許文献 1、特許文 献 2参照。）。

人体密着型空調装置は、外部の空気又は冷却あるいは除湿した空気を人体の表面 近傍に流通させるための空気流通路と、空気流通路の内部に空気の流れを強制的 に生じさせる送風手段とを備えており、例えば、衣服、マット、座布団等に適用される 。また、スぺーサは、空気流通路を形成するためのものであり、例えば、板状部材と、 その上に形成された多数の突起部とを有する。かかるスぺーサとしては、実用上、プ ラスチックの射出成型により板状部材と突起部とがー体的に形成されたものが用いら れる。

[0003] 特許文献 1：国際公開第 01/15573号パンフレット

特許文献 1：国際公開第 01/24664号パンフレット

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力、しながら、従来、スぺーサを、プラスチックの射出成型により形成してレ、るので、 プラスチックの使用量が多くなり、その製造コストが高いという問題があった。また、ベ ッドの上に敷くマット等に適用される人体密着型空調装置には、大きな面積を有する スぺーサを用いる必要があるが、力かる大面積のスぺーサを射出成型により形成す ることは困難であった。

[0005] また、ベッドやソファーの上に敷くマットや、乗り物のシート等に適用される人体密着 型空調装置に用いられるスぺーサは、マットやシート等が本来的に有しているクッショ ン性を損なわない程度の柔軟性と、人体からの圧力に十分耐えることができる程度の 耐圧性 ·耐久性とを備える必要がある。

[0006] 本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、低コストで製造でき、大面積化 が可能であり、且つ量産性に優れた空気流通路用スぺーサを提供することを目的と するものである。また、本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、柔軟性及 び耐圧性に優れた空気流通路用スぺーサを提供することを目的とするものである。 課題を解決するための手段

[0007] 上記の目的を達成するための請求項 1記載の発明は、外部の空気又は冷却あるい は除湿した空気を人体の表面近傍に流通させる空気流通路を形成するために用い られる空気流通路用スぺーサであって、プラスチックを素材とするメッシュ状部材と、 前記メッシュ状部材の表面に形成された複数の凸部とを備えることを特徴とするもの である。

[0008] 請求項 2記載の発明は、請求項 1記載の空気流通路用スぺーサにおいて、前記メ ッシュ状部材は複数の線状部材力 構成されており、前記凸部が形成された部分以 外の部分における前記メッシュ状部材の一部について、前記メッシュ状部材の表面 に略垂直な方向における前記線状部材の厚さを薄く形成したことを特徴とするもので ある。

[0009] 請求項 3記載の発明は、請求項 2記載の空気流通路用スぺーサにおいて、前記メ ッシュ状部材の素材として、ポリプロピレン又はポリプロピレンを含有するプラスチック を用いたことを特徴とするものである。

[0010] 請求項 4記載の発明は、請求項 1、 2又は 3記載の空気流通路用スぺーサにおいて 、人体と人体に接する物体との間に設けられることを特徴とするものである。

発明の効果

[0011] 本発明に係る空気流通路用スぺーサは、プラスチックを素材とするメッシュ状部材と

、その表面に形成された複数の凸部とを備えることにより、単位面積当たりのプラスチ ックの使用量が少なくて済む。このため、空気流通路用スぺーサを低コストで製造で き、且つ空気流通路用スぺーサの軽量ィ匕を図ることができる。また、ロール状に卷か れたメッシュ状部材を連続的に成形することによって空気流通路用スぺーサを得るこ とができるので、この空気流通路用スぺーサは量産性に優れており、また、大きな面 〇

積を有する空気流通路用スぺーサであっても容易に作ることができる。

[0012] また、凸部が形成された部分以外の部分におけるメッシュ状部材の一部について、 メッシュ状部材の表面に略垂直な方向における線状部材の厚さを薄く形成することに より、その線状部材の厚さを薄くした部分の柔軟性を高めることができ、したがって、 空気流通路用スぺーサ全体に、メッシュ状部材の表面に略垂直な方向における柔軟 性を持たせることができる。特に、メッシュ状部材の素材として、ポリプロピレン又はポ リプロピレンを含有するプラスチックを用いることにより、メッシュ状部材の厚さを薄くす る程、その引っ張り強度や繰り返し耐久性が向上するので、空気流通路用スぺーサ の耐圧性 ·耐久性を高めることができる。

図面の簡単な説明

[0013] [図 1] (a)は第一実施形態の空気流通路用スぺーサが用いられる空調マットの概略 平面図、（b)はその空調マットの A— A矢視方向概略断面図である。

[図 2] (a)は第一実施形態の空気流通路用スぺーサの一部の概略平面図、（b)はそ の空気流通路用スぺーサの一部の概略側面図である。

[図 3]第二実施形態の空気流通路用スぺーサの一部の概略平面図である。

[図 4] (a)はその空気流通路用スぺーサにおいて線状部材に形成されたヒンジ部の 概略平面図、（b)はそのヒンジ部の概略側面図である。

符号の説明

空調マット

11 下板

12 布地

13 力分散手段

14 空気入口部

15 空気出口部

16 クロスフロー'

17 スィッチ 18 プラグ

30, 300 空気流通路用スぺーサ（メッシュスぺーサ）

31 , 310 メッシュ状部材

31a, 31b, 310a, 310b 線状部材

32, 320 凸部

330 ヒンジ咅 B

発明を実施するための最良の形態

[0015] 以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について 説明する。まず、本発明の第一実施形態について説明する。

[0016] 第一実施形態の空気流通路用スぺーサは、外部の空気又は冷却あるいは除湿し た空気を人体の表面近傍に流通させる空気流通路を形成するために用いられるもの である。この空気流通路は、例えば、人体の表面近傍に外部の空気等を流通させる ことにより湿気を除去したり、体温の上昇を抑えたりすることができる人体密着型空調 装置に使用される。以下では、第一実施形態の空気流通路用スぺーサを、人体密着 型空調装置としての空調マットに適用した場合について説明する。

[0017] 最初に、空調マットについて簡単に説明する。図 1 (a)は第一実施形態の空気流通 路用スぺーサが用いられる空調マットの概略平面図、図 1 (b)はその空調マットの A— A矢視方向概略断面図である。

[0018] 図 1に示す空調マット 10は、ベッドの上に敷いて使用するマットであり、人がその上 に寝転ぶときに、体の蒸れを防止するためのものである。この空調マット 10は、下板 1 1と、空気流通路用スぺーサ 30と、布地 12と、力分散手段 13と、空気入口部 14と、 空気出口部 15と、クロスフローファン 16と、スィッチ 17と、プラグ 18とを備える。

[0019] 下板 11は、柔らかい平坦な板状部材であり、その上に空気流通路用スぺーサ 30 が載置される。空気流通路用スぺーサ 30は、空気が流通する空間を確保するため のものである。空気流通路用スぺーサ 30については後に詳述する。空気流通路用ス ぺーサ 30の上には、力分散手段 13と布地 12がこの順で載せられている。布地 12と しては、空気の流通性が小さぐ且つ透湿性の良い布が用いられる。この布地 12は、 図 1 (a)において、力分散手段 13の表面及び上下の側面を覆っている。このように、 下板 11と布地 12との間には、空気流通路用スぺーサ 30によって略扁平状の空気流 通路が形成されている。人は、この布地 12の上に横たわることになる。

[0020] 力分散手段 13は、人が布地 12の上に寝転がつたときに、人体から受ける力を分散 させて空気流通路用スぺーサ 30に加えるためのものである。力分散手段 13としては 、例えばメッシュ状の部材が用いられる。一般に、力分散手段 13としては必ずしもメッ シュ状のものを用いる必要はなぐ柔軟性があり、熱抵抗が小さぐしかも透湿性に優 れたものであればどのようなものでも力分散手段 13として用いることができる。この力 分散手段 13を用いることにより、空気流通路用スぺーサ 30の凸部 32が体に当たる ゴッゴッ感を抑えると共に、布地 12の一部が空気流通路用スぺーサ 30の凸部 32の 間に入り込んでしまい、空気の流通を阻害するのを防止することができる。

[0021] 図 1 (b)に示すように、空気流通路用スぺーサ 30の左側面は、空気を吸い込むこと ができるように開放されている。この開放されている部分が空気入口部 14である。ま た、空気流通路用スぺーサ 30の右側面も開放されており、この開放されている部分 の先に空気を外部に排出する空気出口部 15が設けられている。

[0022] クロスフローファン 16は、帯状の送風源であり、空気流通路用スぺーサ 30内に空 気の流れを強制的に生じさせるためのものである。このクロスフローファン 16は、布地 12の上に寝転がつた人の足側に取り付けられている。また、クロスフローファン 16は 、空気流通路用スぺーサ 30内の空気を空気出口部 15から外部に排出する方向に 回転する。スィッチ 17は、クロスフローファン 16の駆動をオン'オフするためのもので ある。

プラグ 18は、商用電源に接続するためのものである。

[0023] 空調マット 10はこのような構成になっているので、クロスフローファン 16を回転させ ると、空気流通路用スぺーサ 30内の空間にある空気が排出されて当該空間が陰圧 になるので、空気入口部 14から外部の空気が空気流通路用スぺーサ 30内に流入し 、空気流通路用スぺーサ 30内を流通する。空調マット 10の上に人が寝ていると、人 体から出た汗は布地 12を通して空気流通路用スぺーサ 30内に入り込む。そして、こ の入り込んだ湿気は、空気流通路用スぺーサ 30内を流通する空気によって外部に 排出される。また、空気の流通量が多ければ、体温で布地 12が温まることはなぐ暑 い夜でも人は快適に熟睡することができる。特に、外部の空気をそのまま空気流通路 用スぺーサ 30内に流通させるのではなぐ除湿や冷却した空気を流通させることによ りさらに効果が上がる。

[0024] 次に、第一実施形態の空気流通路用スぺーサ 30について説明する。図 2 (a)は第 一実施形態の空気流通路用スぺーサ 30の一部の概略平面図、図 2 (b)はその空気 流通路用スぺーサ 30の一部の概略側面図である。

[0025] 第一実施形態の空気流通路用スぺーサ 30は、図 2に示すように、略平面状のメッ シュ状部材 31と、複数の凸部 32とを備える。メッシュ状部材 31は、横方向に沿って 一定間隔で配列された複数の線状部材 31aと、縦方向に沿って一定間隔で配列さ れた複数の線状部材 31bとを有する。複数の凸部 32は、メッシュ状部材 31の表面に 規則的に形成されている。メッシュ状部材 31の素材としては、プラスチックが用いられ る。また、空気流通路用スぺーサ 30は、メッシュ状部材 31を元にして作ることができ る。例えば、加熱した二つの金型 (雄型、雌型）にメッシュ状部材 31を挟み込み、そ れらの金型でメッシュ状部材 31を押圧することにより、メッシュ状部材 31に複数の凸 部 32を簡単に形成することができる。以下、このような構成の空気流通路用スぺーサ 30を「メッシュスぺーサ」とも称することにする。

[0026] このメッシュスぺーサ 30には次のような数々の利点がある。すなわち、第一に、メッ シュスぺーサ 30はメッシュ状部材 31を成形することにより得られるものであるので、単 位面積当たりのプラスチックの使用量が少なくて済む。したがって、メッシュスぺーサ 30を低コストで製造でき、且つメッシュスぺーサ 30の軽量化を図ることができる。第二 に、凸部 32自体もメッシュ状であるので、凸部 32が空気の流通を妨げることはない。 第三に、メッシュ状部材 31を構成する線状部材 31a， 31bの太さや間隔等を調整す ることにより、種々の特性を持たせたメッシュスぺーサ 30を得ることができる。例えば、 線状部材 31a， 31bの太さを太くすると共に線状部材 31a， 31bの間隔を狭くすること により、耐圧性の非常に高レ、メッシュスぺーサ 30を作ることができ、一方、線状部材 3 la, 31bの太さを細くすると共に線状部材 31a， 31bの間隔を広くすることにより、耐 圧性はあまり高くないが非常に軽量であるメッシュスぺーサ 30を作ることができる。第 四に、ロール状に巻かれたメッシュ状部材 31を用レ、、それを連続的に成形することに よってメッシュスぺーサ 30を得ることができるので、メッシュスぺーサ 30は量産性に優 れており、また、大きな面積を有するメッシュスぺーサ 30であっても容易に作ることが できる。このようにメッシュスぺーサ 30は空気流通路を確保するためのスぺーサとして 用いるのに理想的なものであると言える。

[0027] 尚、メッシュ状部材 31としては、プラスチック製の平板に多数の孔を開けたような構 造のものであって、その表面における開口率が 30%以上であるものを用いてもよレ、。 この場合には、孔以外の部位を線状部材と考えることになる。ここで、「表面における 開口率」とは、メッシュ状部材の表面において、当該表面全体の面積に対する線状 部材が形成されてレ、なレ、領域の面積の割合をレ、う。

[0028] 第一実施形態の空気流通路用スぺーサは、プラスチックを素材とするメッシュ状部 材と、その表面に形成された複数の凸部とを備えることにより、単位面積当たりのブラ スチックの使用量が少なくて済む。このため、空気流通路用スぺーサを低コストで製 造でき、且つ空気流通路用スぺーサの軽量化を図ることができる。また、ロール状に 卷かれたメッシュ状部材を連続的に成形することによって空気流通路用スぺーサを 得ることができるので、この空気流通路用スぺーサは量産性に優れており、また、大 きな面積を有する空気流通路用スぺーサであっても容易に作ることができる。

[0029] 次に、図面を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。図 3は第二実 施形態の空気流通路用スぺーサの一部の概略平面図、図 4 (a)はその空気流通路 用スぺーサにおいて線状部材に形成されたヒンジ部の概略平面図、図 4 (b)はそのヒ ンジ部の概略側面図である。

[0030] メッシュスぺーサには上記の第一実施形態で説明したように種々の利点がある。し かし、メッシュスぺーサの耐圧性を大きく高める必要がある場合には、線状部材自体 を太くしなければならないが、これでは、メッシュスぺーサの柔軟性が低下してしまうこ とになる。第二実施形態の空気流通路用スぺーサは、力、かる問題を解決し、耐圧性 と柔軟性をともに高めることができるように、上記の第一実施形態の空気流通路用ス ぺーサを改良したものである。

[0031] 第二実施形態の空気流通路用スぺーサ (メッシュスぺーサ） 300は、図 3及び図 4に 示すように、メッシュ状部材 310と、複数の凸部 320と、複数のヒンジ部 330とを備え る。ここで、メッシュ状部材 310は、横方向に沿って一定間隔で配列された複数の線 状部材 310aと、縦方向に沿って一定間隔で配列された複数の線状部材 31 Obとを 有する。第二実施形態のメッシュスぺーサ 300が第一実施形態のものと異なる点は、 メッシュ状部材 310に複数のヒンジ部 330を形成した点と、メッシュ状部材 310の素 材としてポリプロピレンを用いた点とである。その他の点については、上記第一実施 形態のものと同様である。

[0032] ヒンジ部 330は、凸部 320が形成された部分以外の部分におけるメッシュ状部材 3 10の一部であって、ヒンジ力卩ェが施された部分である。すなわち、ヒンジ部 330は、 図 4に示すように、メッシュ状部材 310の表面に略垂直な方向における線状部材 310 a, 310bの厚さを薄く形成した部分である。図 3では、力かるヒンジ部 330を黒丸で示 しており、複数のヒンジ部 330は、各凸部 320を取り囲む所定の大きさの正方形を考 えたときに、この正方形の各辺に対応する線状部材 310a， 310bの各部分に形成さ れている。ここで、 「メッシュ状部材 310の表面に略垂直な方向」とは、メッシュスぺー サ 300が空調マット 10に用いられた場合には、人体が接する面に略垂直な方向を意 味する。したがって、図 3において、上下方向における線状部材 310a, 310bの厚さ を薄く形成するのではなぐ紙面に垂直な方向における線状部材 310a, 310bの厚 さを薄く形成している。

[0033] ヒンジ部 330は、メッシュ状部材 310の表面に略垂直な方向に沿って、当該線状部 材 310a, 310bの一部を押しつぶして扁平状に加工することにより形成される。具体 的には、加熱することによりプラスチックが軟化する性質を利用し、加熱した所定の金 型をメッシュ状部材 310に押し当てることにより、線状部材 310a, 310bの一部に容 易にヒンジ力卩ェを施すことができる。もちろん、凸部 320を成形する際に、その凸部 3 20の成形と同時にヒンジ部 330を形成することもできる。このように、メッシュ状部材 3 10にヒンジ部 330を形成することは、とても簡単である。

[0034] このようにメッシュ状部材 310にヒンジ部 330を形成したことにより、ヒンジ部 330力 S 柔軟性を有するので、メッシュスぺーサ 300全体に、メッシュ状部材 310の表面に略 垂直な方向における柔軟性を持たせることができる。ヒンジ部 330の厚さを薄くすれ ばする程、メッシュスぺーサ 300の柔軟性が増す。 [0035] また、第二実施形態では、メッシュ状部材 310の素材としてポリプロピレンを用いて いる。ポリプロピレンは、ヒンジ効果で、薄くする程、引っ張り強度や繰り返し耐久性が 向上するという特徴がある。家庭でよく使われる、各種用途の収納ケースのヒンジに は、ポリプロピレンのこの特性が使われている。したがって、メッシュ状部材 310の素 材にポリプロピレンを用いると共に、メッシュ状部材 310にヒンジ部 330を形成するこ とにより、メッシュスぺーサ 300の耐圧性と柔軟性をともに高めることができる。

[0036] 尚、ヒンジ部 330に高い耐圧性を持たせる場合、上述したようにメッシュ状部材 310 の素材としては、ポリプロピレンを用いることが望ましレ、が、もちろん、純粋なポリプロ ピレンを用いる必要はなぐメッシュスぺーサ 300に付加すべき他の特性を考慮して、 適正な割合でポリプロピレンを含有させたプラスチックを用いてもよい。

[0037] 第二実施形態の空気流通路用スぺーサは、第一実施形態のものと同様の効果を 奏する。

特に、第二実施形態では、メッシュ状部材の素材にポリプロピレンを用いると共に、メ ッシュ状部材にヒンジ部を形成することにより、空気流通路用スぺーサの耐圧性と柔 軟性をともに高めることができる。

[0038] 尚、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなぐその要旨の範囲内に おいて種々の変形が可能である。

[0039] 上記の第一及び第二の実施形態では、空気流通路用スぺーサを人体密着型空調 装置に使用する場合について説明したが、本発明の空気流通路用スぺーサは、人 体密着型空調装置に使用されるスぺーサの目的に類する目的、例えば、人体と人体 に接する物体との間に空気の流通路を設ける目的で使用することもできる。すなわち 、本発明の空気流通路用スぺーサを人体と人体に接する物体との間に設けることに より、人体と当該物体との間に、空気を流通させるための空間を確保することができる ので、その空間に空気を強制的に流通させなくても、ある程度の効果が期待できる。 例えば、本発明の空気流通路用スぺーサを、人の背中とリュックサックの背中に接す る部位との間に設けることにより、背中とリュックサックとの間に空気の流通路を確保 すること力 Sできる。このとき、空気流通路用スぺーサ内の空気は体温で温められ、空 気流通路用スぺーサの内部を上昇し、背中とリュックサックとの間に空気の流れが生 じるので、背中が蒸れてしまうのをある程度、防止することができる。

産業上の利用可能性

以上説明したように、本発明の空気流通路用スぺーサは、プラスチックを素材とす るメッシュ状部材と、その表面に形成された複数の凸部とを備えることにより、単位面 積当たりのプラスチックの使用量が少なくて済む。このため、空気流通路用スぺーサ を低コストで製造でき、且つ空気流通路用スぺーサの軽量ィ匕を図ることができる。ま た、ロール状に巻かれたメッシュ状部材を連続的に成形することによって空気流通路 用スぺーサを得ることができるので、この空気流通路用スぺーサは量産性に優れて おり、また、大きな面積を有する空気流通路用スぺーサであっても容易に作ることが できる。したがって、本発明の空気流通路用スぺーサは、空調マット等の人体密着型 空調装置に空気流通路を形成する目的で、又は人体と人体に接する物体との間に 空気流通路を形成する目的で使用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 外部の空気又は冷却あるいは除湿した空気を人体の表面近傍に流通させる空気 流通路を形成するために用いられる空気流通路用スぺーサであって、

プラスチックを素材とするメッシュ状部材と、前記メッシュ状部材の表面に形成され た複数の凸部とを備えることを特徴とする空気流通路用スぺーサ。

[2] 前記メッシュ状部材は複数の線状部材力 構成されており、前記凸部が形成された 部分以外の部分における前記メッシュ状部材の一部について、前記メッシュ状部材 の表面に略垂直な方向における前記線状部材の厚さを薄く形成したことを特徴とす る請求項 1記載の空気流通路用スぺーサ。

[3] 前記メッシュ状部材の素材として、ポリプロピレン又はポリプロピレンを含有するプラ スチックを用いたことを特徴とする請求項 2記載の空気流通路用スぺーサ。

[4] 人体と人体に接する物体との間に設けられることを特徴とする請求項 1、 2又は 3記 載の空気流通路用スぺーサ。