明 細 書
樹脂組成物及び光学部材
技術分野
[0001] 本発明は、樹脂組成物及びこれを用いた光学部材に関する。
背景技術
[0002] 従来、ガラスや樹脂等の透光性材料に金属イオンを含有させて、この金属イオンに よる特定の光学的特性を該透光性材料に付与する試みがなされてレ、る。このような 金属イオンとしては、特定の波長域の光線を吸収して防眩性を発現する希土類金属 イオンが知られている。
[0003] また、このような希土類金属イオンを含有する樹脂組成物としては、例えば、希土類 金属イオン、(メタ)アタリロイル基等を有するリン酸エステルイ匕合物及びアクリル系樹 脂を含有する樹脂組成物等が知られている。そして、力かる樹脂組成物を用いた光 学部材としては、例えば、防眩性眼鏡レンズ、テレビ等に用いられる防眩フィルター、 照明器具の輝度調節フィルター、色調補正フィルターが挙げられる(例えば、特許文 献 1 , 2参照)。
特許文献 1:特開 2000 - 247985号公報
特許文献 2:特開 2001 - 122923号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] ところで、近年、光学部材の一つである合わせガラスの需要が高まっている。この合 わせガラスは、 2枚のガラス間に樹脂成分を含む中間膜を備えるものであり、樹脂成 分としてポリビュルァセタール樹脂やエチレン酢酸ビュル樹脂等が使用されている。 また、 自動車のフロントガラスにおいては、以前から安全性の確保を目的として合わ せガラスの使用が義務付けられている。さらに、このフロントガラス以外の自動車の窓 材ゃ建築の窓材においても、安全性や防犯の観点から、従来の安全ガラス等から合 わせガラスへの代替が望まれてレ、る。
[0005] このような巿場トレンドの流れの中で、自動車や建築の窓材等においては、上述し
た合わせガラスを使用することにより安全性を確保するとともに、更に紫外線吸収機 能や防眩機能等を付与した高付加価値の合わせガラスが要望されている。
[0006] し力 ながら、合わせガラスに防眩性を付与するために、ポリビエルァセタール樹脂 に希土類金属イオンを添加して、合わせガラス用中間膜を形成するための樹脂組成 物の調製を試みると、当該樹脂中に希土類金属イオンを均一に溶解又は分散させる ことができなレ、。このため、樹脂成分としてポリビュルァセタール樹脂を用レ、、合わせ ガラス等の光学部材に対し防眩性及び透光性を付与することの可能な樹脂組成物 は、未だ提供されていない。
[0007] 本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、樹脂成分としてポリビニルァ セタール樹脂を用い、光学部材に対し優れた防眩性及び充分な透光性を付与する ことの可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、当該樹脂組成 物を用いた光学部材を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、希土類金属イオン とポリビニルァセタール樹脂とに特定のリン酸エステルイヒ合物を組み合わせることに より、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0009] すなわち、本発明の樹脂組成物は、希土類金属イオンと、アルキルリン酸エステル 化合物又はアルケニルリン酸エステル化合物と、ポリビュルァセタール樹脂と、を含 有することを特徴とする。
[0010] また、本発明の樹脂組成物は、希土類金属イオンと、アルキルリン酸エステル化合 物と、ポリビュルァセタール樹脂とを含有することを特徴としてもよい。
[0011] 本発明によれば、樹脂成分としてポリビュルァセタール樹脂を用いた樹脂組成物で あっても、光学部材に対し優れた防眩性及び充分な透光性を付与することができる。 このように優れた防眩性を付与することができるのは、特定の波長域の光線を高い効 率で吸収可能な希土類金属イオンを含有することに主に基づいているものと、本発 明者らは推測している。また、充分な透光性を付与することができるのは、希土類金 属イオンがポリビエルァセタール樹脂中に凝集することなく均一に溶解又は分散する ことが可能になることに主に起因するものと、本発明者らは推察している。
[0012] また、希土類金属イオンのポリビュルァセタール樹脂への溶解性や分散性が優れ るようになる要因は必ずしも明らかではなレ、が、希土類金属イオンとリン酸基とがィォ ン結合及び/又は配位結合を形成すること、希土類金属イオンが結合したリン酸ェ ステルのアルキル基に基づいてポリビュルァセタール樹脂への相溶性が高められる こと等に起因するものと、本発明者らは推察している。さらに、本発明によれば、光に 対する優れた安定性、すなわち、優れた耐光性が得られるようになるほか、加熱や長 期保存による透光性の低下を大幅に抑制することも可能となる。その結果、本発明の 樹脂組成物を用いて得られる合わせガラスは、耐光性、耐熱性、保存安定性に優れ 、長期の使用によっても極めて劣化が少ないものとなる。
[0013] なお、本発明における「ポリビュルァセタール樹脂」とは、ポリビュルアルコールにァ ルデヒドを反応させてァセタール化した樹脂をレ、い、一部をァセタール化したもの及 び大部分 (完全を含む)をァセタールイ匕したものの双方が含まれる。このようなポリビ 二ルァセタール樹脂としては、例えば、ポリビエルホルマール樹脂(ビニロン)、ポリビ 二ルブチラール樹脂が挙げられる。
[0014] また、上記アルキルリン酸エステル化合物又は前記アルケニルリン酸エステル化合 物は、下記一般式(la)及び/又は下記一般式(lb)で表される化合物であることが 好ましい。
(式中、 R1はそれぞれ独立に炭素数が 4一 18のアルキル基又は炭素数 4一 18のァ ノレケニル基を示す。 )
特に、上記アルキルリン酸エステル化合物は、下記一般式(la)及び/又は下記一 般式(lb)で表されるアルキルリン酸エステルイ匕合物であることが好ましい。
[化 3]
0
( HO)-P-OR1 (1 a)
[化 4]
0
、 ιι , , (1 b)
[0016] このような特定のアルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸エステル化 合物とすることにより、希土類金属イオンとともに樹脂への溶解性及び分散性がより 一層高められるため、防眩性及び透光性が格段に優れた樹脂組成物とすることがで きる。
[0017] 本発明はまた、前述した本発明の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする光学部 材を提供する。力かる光学部材は、上述した樹脂組成物が付与されて一体を成す光 学部材である。このため、本発明の光学部材は、特定の波長光に対する吸収性能、 すなわち防眩性に優れるとともに、高い透光性を有することができる。また、優れた耐 光性を有するようになるほか、加熱や長期保存による透光性の低下も極めて少ないも のとなる。
[0018] なお、本発明の光学部材は、建築物の部材料に限られず、例えば、移動車両の窓 に用いられるような外光を取り込むための部材を含んでおり、より具体的には、例え ば、アーケード等の通路の天蓋材、カーテン、カーポートやガレージの天蓋、サンノレ 一ムの窓又は壁材、ショーウィンドウやショーケースの窓材、テント又はその窓材、ブ ラインド、定置住宅や仮設住宅等の屋根材ゃ天窓その他窓材、 自動車、船舶、航空 機又は電車 (鉄道)車両の窓材、道路標識等の塗装面の被覆材、その他パラソル等 の日除け具材、等が挙げられる。但し、これらに限定されない。
[0019] これらの光学部材に上述した樹脂組成物を付与する方法としては、例えば、当該 樹脂組成物を樹脂フィルムとして貼付したり、粘着性樹脂組成物と混合して塗布した り、コーティング材料と混合してコートしたりする方法が挙げられる。また、ガラス又は プラスチック等の透光性材料を用いる場合には、その調製、成形又は加工時に原材 料に添加'混合するといつた簡便な手段を用いることができる。
発明の効果
[0020] 本発明によれば、樹脂成分としてポリビュルァセタール樹脂を用い、優れた防眩性 及び充分な透光性を有する樹脂組成物を提供することが可能になる。また、当該榭 脂組成物を用いることで、優れた防眩性及び充分な透光性を有する光学部材を提供 すること力 Sできる。
図面の簡単な説明
[0021] [図 1]本発明による光学部材の一例を模式的に示す断面図である。
[図 2]実施例に係る光学部材のヘーズの測定結果の一例を示すグラフである。
[図 3]実施例 1一 3及び比較例 1に係る光学部材の分光スペクトルの測定結果の一例 を示すグラフである。
[図 4]実施例 4一 6に係る光学部材の分光スペクトルの測定結果の一例を示すグラフ である。
[図 5]実施例 7— 8に係る光学部材の分光スペクトルの測定結果の一例を示すグラフ である。
[図 6]実施例 9に係る光学部材の分光スペクトルの測定結果の一例を示すグラフであ る。
[図 7]実施例 10に係る光学部材の分光スペクトルの測定結果の一例を示すグラフで ある。
符号の説明
[0022] 1…板状基材、 2…樹脂組成物からなる層(防眩組成物層)、 10…窓材。
発明を実施するための最良の形態
[0023] 以下、本発明の樹脂組成物及び光学部材の実施形態に関し詳細に説明する。
[0024] (樹脂組成物)
先ず、樹脂組成物について説明する。樹脂組成物は、希土類金属イオンと、アルキ ルリン酸エステル化合物又はァルケ二ルリン酸エステルと、ポリビニルァセタール榭 脂と、を含有するものである。
[0025] 希土類金属イオンとしては、ランタノイドイオン、すなわち、ランタンイオン、セリウム イオン、プラセオジムイオン、ネオジムイオン、プロメチウムイオン、サマリウムイオン、 ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオン、ジスプロシウムイオン、ホ ルミゥムイオン、エルビウムイオン、ツリウムイオン、イッテルビウムイオン、ルテチウム イオン等を例示することができる。そして、これらの希土類金属イオンは、それぞれの 金属イオンを含む金属化合物を供給源とすることができる。
[0026] このような金属化合物(以下、「希土類金属塩」とレ、う。)としては、例えば、希土類金 属との有機酸塩、希土類金属との無機塩の無水物又は水和物、希土類金属の酸化 物、希土類金属の水酸化物等のヒドロォキシ塩ゃヒドロオタソ錯塩が挙げられる。また 、ネオジム一 2, 4—ペンタンジォネート、ネオジムトリフルォロペンタンジォネートといつ た化合物も例示可能である。なお、上述した有機酸塩を構成する有機酸としては、例 えば、酢酸、安息香酸、シユウ酸、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられ、無機酸塩を構 成する無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸、水酸化物が例示できる。 これらの中では、入手が容易であり、かつ、樹脂組成物の製造時に副生する酸成分 の除去の容易さから、希土類金属の酢酸塩が好ましい。
[0027] このような希土類金属イオンを含有する樹脂組成物は、可視光の防眩性に優れた 光学部材を形成でき、また、医療用或いは加工用レーザで用いられるレーザ光(波 長約 520nm)からの眼の防護性に優れた光学部材を形成することが可能である。さ らに、これら希土類金属のイオンは、希土類金属イオンの中でも、蛍光を高効率で発 光したり、レーザ発光したりするので、これら希土類金属イオンを含む樹脂組成物は 、優れた光増幅機能を発現することが可能となる。
[0028] また、上述した希土類金属イオンの中では、ネオジム、プラセオジム及びホルミウム 力 なる群より選ばれる少なくとも一つの金属のイオンが好ましい。ネオジム、プラセ オジム及びホルミウムのイオンは、波長 580nm近傍や波長 520nm近傍の光の吸収
特性に優れており、これらの波長域は人間の眼球の視細胞が有する最大応答波長と 合致することから、防眩性により一層優れた樹脂組成物を得ることができる。
[0029] また、希土類金属イオンは、単独で又は 2種以上混合して使用することができる。希 土類金属イオンの含有割合は樹脂組成物の全質量基準で 0. 02 25質量%である ことが好ましぐより好ましくは 0. 02— 20質量%、更に好ましくは 0. 02 15質量% である。希土類金属イオンの含有割合が 0. 02質量%未満であると、後述する光学 部材の厚さによっては特定の波長光に対する吸収特性が充分に得られ難ぐ防眩性 が不充分となる場合がある。一方、この含有割合が 25質量%を超えると、樹脂組成 物中に希土類金属イオンを均一に溶解又は分散させ難レ、傾向にある。
[0030] さらに、上述した樹脂組成物は、希土類金属イオン以外の他の金属イオンを含有し ていてもよい。他の金属イオンとしては、例えば、銅イオン、ナトリウムイオン、カリウム イオン、カルシウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、コバルトイオン、マグネシウムィ オン、ニッケルイオンが挙げられる。これらの他の金属イオンは、希土類金属イオンと 同様に金属化合物を供給源とすることができる。これら他の金属イオンのうち、特に 銅イオンは、近赤外領域の光(近赤外光)に対する良好な吸収特性を有している。こ のような銅イオンが樹脂組成物の一成分として含まれると、アルキルリン酸エステル化 合物又はアルケニルリン酸エステルのリン酸基が配位結合及び/又はイオン結合に より銅イオンにも結合し、銅イオンはそれら成分に囲まれた状態で樹脂組成物に溶解 又は分散される。そして、この銅イオンの d軌道の電子遷移によって近赤外光が選択 的に吸収されるので、このような銅イオンを含む樹脂組成物は、優れた近赤外光吸 収性を有する。よって、 目的に応じて銅イオンを導入することにより、希土類金属ィォ ンに特有の波長の可視光吸収特性と近赤外光吸収特性を併せ持つ樹脂組成物を 得ること力 Sできる。
[0031] これら他の金属イオンの含有量としては、例えば、全金属イオン量 (希土類金属ィ オンと他の金属イオンとの合計量)の 50質量%未満、好ましくは 30質量%以内とす ると好適である。この場合、希土類金属イオンの全金属イオンに対する割合は 50質 量%以上となり、防眩性に充分に優れた樹脂組成物を得ることが可能になる。また、 他の金属イオンを混合することにより、それら他の金属イオンに特徴的な波長光をも
吸収できる樹脂組成物が形成される。
[0032] 次に、アルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸エステルについて説明 する。アルキルリン酸エステル化合物としては、下記一般式(la)及び/又は下記一 般式(lb)で表されるアルキルリン酸エステルィヒ合物が好適であり、下記一般式(la) で表されるリン酸ジエステル成分と、下記一般式(lb)で表されるリン酸モノエステル 成分とを、それぞれ単独で又は各成分を混合して使用することができる。
[化 5]
0
(HO)-P-OR1 (1 a)
[化 6]
0
(HO)-P-(OR1) (1 b)
[0033] 上記一般式中、 R1は炭素数力 ¾一 18のアルキル基であることが好ましぐより好まし くは炭素数 5— 18であり、更に好ましくは炭素数 6— 16であり、特に好ましくは炭素数 6— 12である。炭素数力 ¾未満又は 18を超えると、リン酸エステル化合物の樹脂への 溶解性及び分散性が低下して樹脂組成物の透光性が不充分となる場合がある。な お、上記一般式(lb)中、複数存在する R1は同一であっても異なっていてもよい。
[0034] 上記アルキル基としては、直鎖状、分枝状、環状のアルキル基が挙げられる。これ らのうち、直鎖状、分枝状のものが好ましぐ例えば、 2_ェチルへキシル基、ブチル 基、アミノレ基、へキシル基、 n—ォクチル基、ノニノレ基、デシル基、ラウリル基、へキサ デシル基、ォクタデシル基が好適である。また、アルケニルリン酸エステル化合物は、 上記アルキル基に代えて、アルケニル基を含む不飽和結合を有する基が置換した 1 価の炭化水素基を有するものである。このようなアルケニル基としては、例えば、ォレ ィル基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、 4一 18であると好ましい。このような アルキル基又はアルケニル基を採用することにより、リン酸エステル化合物の樹脂へ の溶解性及び分散性が格段に向上することから、より一層透光性に優れる樹脂組成 物を得ること力 Sできる。
アルキルリン酸エステル化合物の具体例としては、下記式(2a)—(6a) (8a)で表 されるアルキルリン酸モノエステル化合物と、下記式(2b)—(6b) (8b)で表される アルキルリン酸ジエステル化合物が挙げられる。
[化 7]
[化 8]
[化 9]
[化 12] (8b)
また、アルケニルリン酸エステル化合物としては、下記式(9a)で表されるリン酸モノ エステル化合物と下記式(9b)で表されるリン酸ジエステル化合物と挙げられる。
[化 13]
[0037] なお、上述したアルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸エステル化合 物は、市販の化合物を使用しても良ぐまた、下記の G)—(m)の方法により製造して あよい。
[0038] (i)無溶媒又は適宜の有機溶剤(例えばトルエン、キシレン等)中で、特定のアルコ ール (例えば、 Ι^〇Η、以下同じ)と、五酸化リンとを反応させる方法である。特定のァ ルコールと五酸化リンとの反応条件は、反応温度が 0— 100°C、好ましくは 40— 80 °Cであり、反応時間が 1一 24時間、好ましくは 4一 9時間である。この方法においては 、例えば、特定のアルコール及び五酸化リンをモル比で 3 : 1となる割合で用いること により、リン酸モノエステル成分と、リン酸ジエステル成分との割合が略 1 : 1の混合物 が得られる。
[0039] (ii)無溶媒又は適宜の有機溶剤(例えばトルエン、キシレン等)中で、特定のアルコ ールとォキシハロゲン化リンとを反応させ、得られる生成物に水を添加して加水分解 する方法である。ォキシハロゲン化リンとしては、例えば、ォキシ塩化リンが好適に用 レ、られる。そして、特定のアルコールとォキシハロゲン化リンとの反応条件は、反応温 度が 0— 110°C、好ましくは 40— 80°Cであり、反応時間が 1一 20時間、好ましくは 2 一 8時間である。また、この方法においては、例えば、特定のアルコール及びォキシ ハロゲン化リンをモル比で 1: 1となる割合で用いることにより、アルキルリン酸モノエス テル化合物又はアルケニルリン酸エステル化合物を得ることができる。
[0040] (iii)無溶媒又は適宜の有機溶剤(例えば、へキサン、ヘプタン等)中で、特定のァ ルコールと三ハロゲン化リンとを反応させることにより、ホスホン酸エステル化合物を 合成し、その後、得られたホスホン酸エステル化合物を酸化する方法である。三ハロ ゲン化リンとしては、例えば三塩化リンが好適に用いられる。そして、特定のアルコー ルと三ハロゲン化リンとの反応条件は、反応温度が 0— 90°C、好ましくは 40— 75°C
であり、反応時間が 1一 10時間、好ましくは 2— 5時間である。上記ホスホン酸エステ ル化合物を酸化する手段としては、ホスホン酸エステル化合物に例えば塩素ガス等 のハロゲンを反応させることにより、ホスホロハロリデートィ匕合物を合成し、このホスホ ロハロリデートィ匕合物を加水分解する手段を利用することができる。ここで、ホスホン 酸エステル化合物とハロゲンとの反応温度は 0— 40°Cが好ましぐ特に好ましくは 5 一 25。Cである。また、ホスホン酸エステル化合物を酸化する前に、このホスホン酸ェ ステル化合物を蒸留して精製してもよい。この方法においては、例えば、特定のアル コール及び三ハロゲン化リンをモル比で 3 : 1となる割合で用いることにより、アルキル リン酸ジエステルイヒ合物又はアルケニルリン酸エステル化合物を高い純度で得ること ができる。
[0041] また、アルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸エステル化合物として は、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分とをモル比で 70 : 30 0 : 100の 割合で含有することが好ましぐより好ましくは 70 : 30— 10 : 90であり、更に好ましくは 70 : 30— 30 : 70である。
[0042] なお、アルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸エステル化合物が複数 成分を含む場合には、このような混合物は、上記 R1が同一の基であるリン酸モノエス テル成分とリン酸ジエステル成分 (例えば、上記一般式(5a)及び(5b)で表される化 合物)とから構成されていてもよぐまた、 R1がそれぞれ異種の基であるリン酸モノエ ステル成分とリン酸ジエステル成分 (例えば、上記一般式(5a)及び(6b)で表される 化合物)とから構成されていてもよい。さらに、 R1がそれぞれ同一及び異種の基であ るリン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分 (例えば、上記一般式(5a)及び(5 b)、並びに上記一般式(6a)及び(6b)で表される化合物)とで構成されてレ、てもよレ、
[0043] 具体的に例示したアルキルリン酸エステル化合物の中では、上記式(5a)及び/又 は(5b)で表されるアルキルリン酸エステル化合物が好ましぐ上記式(5b)で表され るリン酸ジエステル成分のみからなるアルキルリン酸エステル化合物、及び上記式(5 a)で表されるリン酸モノエステル成分と上記式(5b)で表されるリン酸ジエステル成分 とをモル比で 50: 50の割合で含有するアルキルリン酸エステル化合物が特に好まし
レ、。
[0044] また、本実施形態に係る樹脂組成物は、上述のように希土類金属イオンとアルキル リン酸エステル化合物又はァルケニノレリン酸エステル化合物とを含有するものである が、上述したアルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸エステル化合物と 希土類金属化合物とを反応させて得られるアルキルリン酸エステル希土類金属化合 物又はアルケニルリン酸エステル希土類金属化合物を含有させても良い。
[0045] 希土類金属化合物としては、前述した希土類金属塩を用いることができる。また、ァ ルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸エステルと希土類金属塩との反 応は、適宜の条件下で両者を接触させることにより行われる。
[0046] 具体的には、 (ィ)アルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸エステルと 希土類金属塩とを混合して、両者を反応させる方法、(口)適宜の有機溶剤中におい てアルキルリン酸エステルイヒ合物又はアルケニルリン酸エステルィヒ合物と希土類金 属塩とを反応させる方法、(ハ)アルキルリン酸エステル化合物又はアルケニルリン酸 エステル化合物が有機溶剤中に含有されてなる有機溶剤層と、希土類金属塩が溶 解又は分散されてなる水層とを接触させることにより、アルキルリン酸エステル化合物 又はアルケニルリン酸エステル化合物と希土類金属塩とを反応させる方法、等が挙 げられる。なお、上記反応条件は、反応温度 0— 250°C、好ましくは 40— 180°Cで、 反応時間 0. 5— 30時間、好ましくは 1一 10時間である。また、上記有機溶媒としては 、例えば、トルエン等の芳香族化合物、メチルアルコール等のアルコール類、メチル セロソルブ等のグリコールエーテル類、ジェチルエーテル等のエーテル類、アセトン 等のケトン類、酢酸ェチル等のエステル類が例示される。
[0047] また、希土類金属塩として酸塩を用いた場合には、アルキルリン酸エステル化合物 又はアルケニルリン酸エステルと希土類金属塩との反応にぉレ、て、希土類金属塩か ら陰イオンである酸成分が遊離される。このような酸成分は、アルキルリン酸エステル 化合物又はアルケニルリン酸エステルをポリビュルァセタール樹脂に溶解又は分散 せしめて樹脂組成物とするときに、該樹脂組成物の耐湿性及び熱安定性を低下させ る原因となり得るため、必要に応じて除去することが好ましい。上記 (ィ)又は(口)の方 法によりアルキルリン酸エステル希土類金属化合物又はアルケニルリン酸エステル希
土類金属化合物を製造する場合には、アルキルリン酸エステル化合物又はアルケニ ルリン酸エステル化合物と希土類金属塩とを反応させた後、生成した酸成分((口)の 方法においては生成された酸成分及び有機溶剤)を蒸留によって除去することがで きる。
[0048] さらに、上記 (ハ)の方法によってアルキルリン酸エステル希土類金属化合物又はァ ルケ二ルリン酸エステル化合物を製造する場合には、酸成分を除去する好ましい方 法として、水に不溶又は難溶の有機溶剤にリン酸エステルイ匕合物が含有されてなる 有機溶剤相に、アルカリを添加することによって中和した後、この有機溶剤相と希土 類金属塩が溶解又は分散された水相とを接触させることより、アルキルリン酸エステ ル化合物又はアルケニルリン酸エステル化合物と希土類金属塩とを反応させ、その 後、有機溶剤相と水相とを分離する方法がある。
[0049] ここで、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げら れる力 これらに限定されるものではない。この方法によれば、銅塩から遊離される酸 成分とアルカリとによって水溶性の塩が形成され、この塩が水相に移行するとともに、 生成されるアルキルリン酸エステル希土類金属化合物又はアルケニルリン酸エステ ル化合物は有機溶剤相に移行するため、この水層と有機溶剤層とを分離することに より、酸成分が除去される。
[0050] 上記 (ィ)一(ハ)の方法で得られたアルキルリン酸エステル希土類金属化合物又は アルケニルリン酸エステル希土類金属化合物の好適な具体例としては、例えば、下 記一般式(7a)で表されるリン酸モノエステル成分由来のアルキルリン酸エステル希 土類金属化合物又はアルケニルリン酸エステル希土類金属化合物、或いは、下記 一般式(7b)で表されるリン酸ジエステル成分由来のアルキルリン酸エステル希土類 金属化合物又はアルケニルリン酸エステル希土類金属化合物が挙げられる。ここで 、アルキルリン酸エステル希土類金属化合物又はァノレケニノレリン酸エステル希土類 金属化合物は、単独もしくは 2種類以上を組み合わせたアルキルリン酸エステル化 合物又はアルケニルリン酸エステル化合物と希土類金属塩とを反応させて得られた ものであってもよレ、。従って、例えば、下記一般式(7b)において、希土類金属イオン Mに結合した 3つのリン酸残基は、互いに同一のものでも異なるものであってもよレ、。
[化 15]
(式中、 R1はそれぞれ独立に炭素数力 ¾一 18であるアルキル基又は炭素数力 S4 1 8であるアルケニル基を示し、 Mは希土類金属イオンを示す。 )
[0051] 上記一般式(7a)で表されるアルキルリン酸モノエステル希土類金属化合物又はァ ルケ二ルリン酸モノエステル希土類金属化合物、及び、上記一般式(7b)で表される アルキルリン酸ジエステル希土類金属化合物又はアルケニルリン酸ジエステル希土 類金属化合物(以下、「リン酸エステル希土類化合物」という)における R1としては、上 記一般式( 1 a)及び( lb)で表されるアルキルリン酸エステル化合物における R1と同 一の置換基を、好適な置換基として挙げることができる。
[0052] また、リン酸エステル希土類金属化合物は、単独で又は 2種以上混合して使用する こと力 Sできる。なお、リン酸エステル希土類金属化合物が単独成分からなる場合には 、上記一般式(7b)で表されるリン酸エステル希土類金属化合物が好ましぐ一方、リ ン酸エステル希土類金属化合物が複数成分からなる場合には、上記一般式 (7a)で 表されるリン酸エステル希土類金属化合物と上記一般式(7b)で表されるリン酸エス テル希土類金属化合物とを 50: 50の割合(モル比)で含有するものが好ましい。
[0053] このようなリン酸エステル希土類金属化合物の含有割合は、樹脂組成物の用途又 は使用目的によって異なるが、樹脂組成物の全質量基準で 0. 1— 90質量%である ことが好ましぐより好ましくは 0. 1— 70質量%であり、更に好ましくは 0. 1 60質量
%である。このような含有割合とすることにより、アルキルリン酸エステル化合物又は アルケニルリン酸エステルイヒ合物や希土類金属イオンの沈殿を生ずることなく均一に
溶解又は分散することができる。
[0054] また、希土類イオンに対するアルキルリン酸エステルイヒ合物又はアルケニルリン酸 エステル化合物に含まれる水酸基の合計量の割合(OH基/希土類イオン) 、モル 比で 0. 5— 8であることが好ましぐより好ましくは 0. 5— 6であり、更に好ましくは 0. 8 一 4である。 OH基の比率が 0. 5未満となると、アルキルリン酸エステル化合物又はァ ルケ二ルリン酸エステル化合物を樹脂中に分散させることが困難となり、また、特定波 長に対する吸収性能や透光性が不充分となる傾向がある。一方、〇H基の比率が 8 を超えると、希土類イオンとの配位結合及び/又はイオン結合に関与しない水酸基 の割合が過大となるため、このような組成割合の組成物は、吸湿性が比較的大きくな るィ頃向にある。
[0055] 次に、樹脂組成物の樹脂成分であるポリビュルァセタール樹脂について説明する。
ポリビュルァセタール樹脂は、ポリビュルアルコールをアルデヒドによって一部又は大 部分をァセタール化することにより得ることができる。ポリアセタール樹脂のなかでも、 ポリビニルプチラール樹脂が好ましレ、。ポリビュルプチラール樹脂を用いることにより 、得られる中間膜の透明性、耐候性、ガラスに対する接着性等が優れたものとなる。 なお、ポリビニルァセタール樹脂は、必要な物性に応じて、適当な組み合わせにてブ レンドされたものであってもよぐァセタール化時にアルデヒドを組み合わせてァセタ ール化することにより得られるポリビニルァセタール樹脂であってもよレ、。このようなポ リビニルァセタール樹脂の分子量、分子量分布及びァセタール化度は特に限定され ないが、例えば、ァセタールイ匕度は、 40— 85%であると好ましく、より好ましい下限値 は 60%であり、より好ましい上限値は 75%である。
[0056] ポリビュルァセタール樹脂の製造に用いるポリビュルアルコール樹脂は、例えば、 ポリ酢酸ビュルを鹼化することにより得られるものであり、鹼化度が 80 99. 8モル% であるものが好ましい。ポリビュルアルコール樹脂の粘度平均重合度の好ましい下限 値は 200であり、上限値は 3000である。粘度平均重合度が 200未満であると、得ら れる合わせガラスの耐貫通性が低下する傾向にある。一方、 3000を超えると、樹脂 膜の成形性が悪くなるほか、樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎ、加工性が悪くなる傾向 にある。これらの不都合をより低減する観点から、粘度平均重合度のより好ましい下
限値は 500であり、上限値は 2000である。なお、ポリビュルアルコール樹脂の粘度 平均重合度及び鹼化度は、例えば、 JISK 6726「ポリビュルアルコール試験方法」 に基づレ、て測定することができる。
[0057] ァセタール化に用いられるアルデヒドとしては、例えば、炭素数 1一 10のアルデヒド 等が挙げられ、プロピオンアルデヒド、 n—ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、 2 —ェチルブチルアルテヒド、 n—バレルアルデヒド、 n—ペンチルアルデヒド、 n—へキシ ノレアノレデヒド、 η—ォクチルアルデヒド、 n—ノニルアルデヒド、 n—デシノレアノレデヒド、ホ ノレムァノレデヒド、ァセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等を挙げることができ、これらを単 独で用いてもよぐ 2種以上を併用してもよい。なかでも、炭素数力 S4のブチルアルデ ヒドが好ましレ、。このようにして得られるポリビュルァセタール樹脂の平均重合度は、 5 00—3, 000であることカ好ましく、より好ましレヽ平均重合度は 1 , 000 2, 500であ る。
[0058] 好適なポリビニルァセタール樹脂としては、例えば、ポリビュルアルコールをホルム アルデヒドで一部又は大部分をァセタール化したポリビニルホルマール樹脂(ビニ口 ン)、ポリビエルアルコールを炭素数が 4である n—ブチルアルデヒドで一部又は大部 分をァセタール化したポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単 独で又は 2種以上を組み合わせて用いることもできる。さらに、樹脂組成物を後述す る合わせガラス用中間膜を用いる場合、これらの樹脂の中でポリビニルプチラール榭 脂が、ガラス、プラスチック等の透光性材料に対して高い接着性を有することから、好 適に使用される。なお、ポリビエルァセタール樹脂の含有割合は、上述した希土類金 属イオン、アルキルリン酸エステル化合物及び後述する任意成分の合計質量を樹脂 組成物の全質量からを除レ、た残部である。
[0059] 樹脂組成物には任意成分として、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフヱノン系又はサリ チル酸系の紫外線吸収剤、その他の抗酸化剤、安定剤等を更に含有させることがで きる。さらに、必要に応じて、押出機中での熱による変質を防止するための酸化防止 剤、調色のための染料及び顔料、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤等の 添加剤等が添加されていても良い。
[0060] 紫外線吸収剤としては、ベンゾエート系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフエ
ノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シァノアクリレート系化合物、シユウ酸ァ 二リド系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。
[0061] ベンゾエート系化合物としては、 2, 4_ジー t_ブチルフエ二ルー 3 ' , 5 ' _ジー t—ブチ ノレ一 4 '—ヒドロキシベンゾエートが挙げられ、サリシレート系化合物としては、フエニル サリシレートや p_t—ブチルフヱニルサリシレートが挙げられる。
[0062] ベンゾフエノン系化合物としては、 2, 4—ジーヒドロキシベンゾフエノン、 2—ヒドロキシ —4ーメトキシベンゾフエノン、 2—ヒドロキシー 4ーメトキシベンゾフエノン一 5—スルホン酸、 2—ヒドロキシ一 4_n—ォクチルォキシベンゾフエノン、 2—ヒドロキシ一 4_n—ドデシルォ キシベンゾフエノン、 2, 2' , 4, 4'—テトラヒドロべンゾフエノン、ビス(5—ベンゾイノレー 4 —ヒドロキシー 2—メトキシフエ二ル)メタン、 2, 2'—ジヒドロキシー 4, 4'—ジメトキシベンゾ フエノン、 2, 2'—ジヒドロキシー 4, 4'—ジメトキシベンゾフエノン一 5, 5 ' _ジスルホン酸 ナトリウム、 2, 2'—ジヒドロキシ _5—メトキシベンゾフエノン、 2—ヒドロキシー 4ーメタクリロ ィルォキシェチルベンゾフエノン、 4_ベンゾィルォキシ一 2—ヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2,, 4, 4,ーテトラヒドロキシベンゾフエノン等が挙げられる。
[0063] ベンゾトリアゾール系化合物としては、 2_ (2,ーヒドロキシー 5,一メチルフエニル)ベン ゾトリァゾール、 2— (2,一ヒドロキシ _3,一t—ブチルー 5 '—メチルフエニル)一5—クロ口べ ンゾトリァゾール、 2— (2 '―ヒドロキシ -3' , 5 '—ジ -t—ブチルフエ二ノレ)— 5—クロ口ベン ゾトリァゾール、 2_ (2 '—ヒドロキシー 3' , 5 ' _ジー t_ブチルフエニル)ベンゾトリァゾー ノレ、 2_ (2 '—ヒドロキシ _5_t—ォクチルフエ二ノレ)ベンゾトリアゾール、 2_ (2 '—ヒドロキ シ一 5— t—ブチルフエニル)ベンゾトリァゾール、 2— [2,—ヒドロキシー 3,—(3,,, 4" , 5 , ', 6 ' '—テトラヒドロフタリミドメチル)—5 '—メチルフエニル]ベンゾトリァゾール、 2— (2 ,—ヒドロキシ _3 ', 5,—ジ— t—ァミルフエニル)ベンゾトリァゾール、 2— (2,—ヒドロキシ — 5— t—ォクチルフエ二ル)ベンゾトリァゾール、 2— [2,一ヒドロキシ一 3 ', 5,一ビス(ひ, ひ—ジメトキシベンゾィル)フエニル]ベンゾトリァゾール、 2, 2 '—メチレンビス [4— (1 , 1 , 3, 3—テトラメチルブチル)_6_(2N—ベンゾトリァゾーノレ _2_ィル)フエノール]、 2 - (2'—ヒドロキシ— 5,—メタクリロイルォキシェチルフエニル)—2H—ベンゾトリアゾール 、 2— (2 '―ヒドロキシ— 3'—ドデシルー 5'—メチルフエニル)ベンゾトリァゾール、メチルー 3_[3_t_ブチル _5_ (2H—ベンゾトリァゾーノレ— 2—ィル)_4—ヒドロキシフヱニル]プ
口ピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物等が挙げられる。
[0064] シァノアクリレート系化合物としては、ェチノレー 2_シァノ一3, 3—ジフエ二ルァクリレー トゃォクチノレ一 2_シァノ _3, 3—ジフエニルアタリレートが挙げられ、シユウ酸ァニリド 系化合物としては、 2_エトキシ _2 ' _ェチルォキサリック酸ビスァニリドゃ 2_エトキシ— 5_t—ブチルー 2' _ェチルォキサリック酸ビスァニリドが挙げられる。また、トリアジン系 化合物としては、 2— (4, 6—ジフエ二ルー 1 , 3, 5—トリァジン— 2_ィル)—5— [ (へキシ ノレ)ォキシ]—フエノールが挙げられる。
[0065] また、樹脂組成物に添加し得る安定剤としては、光安定剤が挙げられる。特に、上 述した紫外光吸収剤とこの光安定剤を併用すると、光に対する安定性が極めて良好 となる傾向にある。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)や、 Ni 系化合物を適用可能である。
[0066] より具体的には、 HALSとしては、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4—ピペリジル)セ バケート、ビス(1 , 2, 2, 6, 6_ペンタメチルー 4—ピペリジル)セバケード、 1-[2-[3- (3, 5_t—ブチルー 4—ヒドロキシフエニル)プロピオニルォキシ]ェチル ]_4_[3_(3,
5—ジー t—ブチルー 4—ヒドロキシフエニル)プロピオ二ルォキシ]— 2, 2, 6, 6—テトラメ チルピペリジン、 4一ベンゾィルォキシ一 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン、 8—ァセチ ノレ一 3—ドデシルー 7, 7, 9, 9—テトラメチルー 1, 3, 8_トリァザスピロ [4, 5]デカン一 2, 4—ジオン、ビス—(1, 2, 2, 6, 6—ペンタメチルー 4—ピペリジル)—2— (3, 5—ジー t—ブ チルー 4—ヒドロキシベンジル)_2— n—ブチルマロネート、テトラキス(1, 2, 2, 6, 6_ ペンタメチルー 4—ピペリジル 2, 3, 4_ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス( 2, 2, 6, 6—テトラメチノレー 4—ピペリジル 2, 3, 4_ブタンテトラカルボキシレート
、 (Mixed 1, 2, 2, 6, 6_ペンタメチノレ一 4_ヒ。ぺリジノレ/トリデシノレ)_1 , 2, 3, 4_ ブタンテトラカルボキシレート、 Mixed { 1 , 2, 2, 6, 6_ペンタメチノレー 4—ピペリジル Z β , β , β ' , j3 '—テトラメチル _3, 9— [2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ(5, 5)ゥ ンデカン]ジェチル}_1 , 2, 3, 4_ブタンテトラカルボキシレート、 (Mixed 2, 2, 6,
6—テトラメチルー 4—ピペリジル Zトリデシル)— 1 , 2, 3, 4_ブタンテトラカルボキシレ ート、 Mixed { 2, 2, 6, 6—テトラメチノレ _4—ピペリジノレ / /3 , β , β ' , j3 '―テトラメ チル一 3, 9— [2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ(5, 5)ゥンデカン]ジェチノレ }—1, 2, 3
, 4_ブタンテトラカルボキシレート、 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4—ピペリジルメタクリレ 一卜、 1, 2, 2, 6, 6—ペンタメチル— 4—ピぺリジルメタクリレー卜、ポリ [ (6— (1, 1 , 3, 3 —テトラメチルブチル)ィミノ— 1 , 3, 5_トリアジンー 2, 4_ジィル)] [ (2, 2, 6, 6—テトラ メチノレ一 4—ピペリジル)ィミノ]へキサメチレン [ (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4—ピペリジ ノレ)イミノール]、ジメチルサシネートポリマ _with_4—ヒドロキシ一 2, 2, 6, 6—テトラメ チル—1—ピぺリジンエタノール、 N, N,, N' ', N' ' '—テトラキス _ (4, 6—ビス—(ブチ ノレ—(N—メチル _2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン _4_ィル)ァミノ)—トリァジン— 2— ィル ) _4, 7_ジァザデカン— 1 , 10—ジァミン、ジブチルァミン— 1 , 3, 5_トリァジン—N , N'—ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4—ピベリジルー 1, 6—へキサメチレンジァミンと N- (2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジル)ブチルァミンの重縮合物、デカン二酸ビス( 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 1—(ォクチルォキシ)— 4—ピベリジニル)エステル等が挙げ られる。
[0067] また、 Ni系化合物の光安定剤としては、 [2, 2'—チオービス(4 t-ォクチルフエノレ ート) ]_2—ェチルへキシルアミンーニッケル(II)、ニッケルジブチルジチォカーボネー ト、 [2, 2,一チォ—ビス(4 tーォクチルフエノレート)]—ブチルァミン—ニッケル(Π)等が 挙げられる。
[0068] またさらに、樹脂組成物には、種々の可塑剤を含有させることもできる。中間膜用の 可塑剤として一椴的に用いられている公知の可塑剤が挙げられ、例えば、一塩基性 有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機 亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が好適に用いられる。これらの可塑剤は、単独で 用いられてもよぐ 2種以上が併用されてもよぐ樹脂の種類に応じて相溶性等を考慮 して使レ、分けることが好ましレ、。
[0069] 一塩基性有機酸エステルとしては、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレン グリコール又はトリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸 、 2—ェチル酪酸、ヘプタン酸、 n—オクタン酸、 2—ェチルへキサン酸、ペラルゴン酸( n—ノニル酸)又はデシノレ酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコー ル系エステル等が挙げられる。より具体的には、トリエチレングリコールジー 2_ェチル へキサノエート(3G〇)、トリエチレングリコールジ— 2ェチルブチレート(3GH)、ジへ
キシルアジペート(DHA)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート(4G7)、テトラ エチレングリコールジー 2—ェチルへキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジへ プタノエート(3G7)等が例示できる。なかでも、 3G〇、 3GH又は 3G7が好ましい。
[0070] 多塩基性有機酸エステルとしては特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン 酸又はァゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数 4一 8の直鎖状又は分枝状アル コールとの反応によって得られるエステル等が挙げられ、なかでも、ジブチルセバシ ン酸エステル、ジォクチルァゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸ェ ステル等が好適に用いられる。
[0071] その他、有機酸系エステルの可塑剤として、ジォクチルフタレート、ジブチルフタレ ート等のフタル酸系可塑剤、ジブチルセバケート、ブチルリシノレート、メチルァセチ ノレリシノレート、プチルサクシネート等の脂肪酸系可塑剤、ブチルフタリルブチルダリ コレート、ポリエチレングリコール等のグリコール系可塑剤等が挙げられる。
[0072] 有機リン酸系可塑剤としては、例えば、トリブトキシェチルホスフェート、イソデシル フエニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、リン酸トリクレジル、リン酸トリフエ ニル等が挙げられる。
[0073] 樹脂組成物における可塑剤の含有量は、樹脂材料 100質量部に対して、 1一 120 質量部とすることが好ましぐ 1一 100質量部とすることがより好ましぐ 2— 80質量部 とすることが更に好ましい。可塑剤の含有量が、樹脂材料 100質量部に対して 1質量 部未満であると、希土類金属イオンやリン含有化合物の溶解性が低下して透光性が 不十分となる場合がある。一方、 100質量部を超えると基材である樹脂材料が柔軟 になり過ぎ、例えば合わせガラスにおける中間膜としての使用が困難となる ί頃向にあ る。
[0074] また、樹脂組成物には、必要に応じて、接着力調整剤が含有されていてもよい。ま た、これらの接着力調整剤は、当該樹脂組成物からなる中間膜の表面に塗布されて いてもよレ、。接着力調整剤としては、例えば、有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又 はアル力リ土類金属塩、変成シリコーンオイル等が挙げられる。
[0075] 有機酸としては、例えば、オクタン酸、へキサン酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン 酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。アルカリ金
属塩及びアルカリ土類金属塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マ グネシゥム等の塩が挙げられる。
[0076] 有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩のなかでも、炭素数 2— 16の有機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好ましぐより好ましく は、炭素数 2 16のカルボン酸のカリウム塩及びマグネシウム塩である。
[0077] 炭素数 2— 16のカルボン酸のカリウム塩及びマグネシウム塩としては特に限定され ないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピ オン酸カリウム、 2_ェチルブタン酸マグネシウム、 2_ェチルブタン酸カリウム、 2—ェ チルへキサン酸マグネシウム、 2—ェチルへキサン酸カリウム等が好適である。これら は単独で用いられてもよぐ 2種以上が供用されてもよい。
[0078] 有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の配合量の好ましい 下限値は、樹脂 100重量部に対して 0. 001重量部であり、上限値は 0. 5重量部で ある。この配合量が 0. 001重量部未満であると、高湿度雰囲気下で周辺部の接着 力が低下することがある。 0. 5重量部を超えると、膜の透明性が低下する場合がある 。これらの不都合を防止する観点から、有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はァ ルカリ土類金属塩の配合量のより好ましい下限値は 0. 01重量部であり、上限値は 0 . 2重量部である。
[0079] また、変成シリコーンオイルとしては特に限定されず、例えば、エポキシ変成シリコ ーンオイル、エーテル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、ァミン 変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは 、単独で用いられてもよぐ 2種以上が併用されてもよい。なお、これらの変性シリコー ンオイルは、一般にポリシロキサンに、変性させるべき化合物を反応させることによつ て得ること力 Sできる。
[0080] 変性シリコーンオイルの分子量の好ましい下限値は 800であり、上限値は 5000で ある。この分子量が 800未満であると、表面への局在化が不充分なことがある。一方 、 5000を超えると、樹脂との相溶性が低下し、膜表面にブリードアウトしてガラスとの 接着力が低下することがある。これらを防止する観点から、変性シリコーンオイルの分 子量のより好ましい下限値は 1500であり、より好ましい上限値は 4000である。
[0081] 変性シリコーンオイルを添加する場合、その配合量の好ましい下限値は、樹脂 100 重量部に対して 0. 01重量部であり、上限値は 0. 2重量部である。この配合量が 0. 01重量部未満であると、吸湿による白化を防止する効果が不充分となることがある。 また、 0. 2重量部を超えると、樹脂との柏溶性が低下し、変性シリコーンオイルが膜 表面にブリードアウトして樹脂とガラスとの接着力が低下する場合がある。これらの観 点から、変性シリコーンオイルの分子量のより好ましい下限値は 0. 03重量部であり、 より好ましい上限値は 0. 1重量部である。
[0082] (光学部材)
光学部材は、上述した樹脂組成物を用いてなるものであり、以下の 3種類の形態が 好適である。
第 1の形態:上述した樹脂組成物で形成されるもの。
第 2の形態:ガラス又はプラスチック等の透光性材料からなる透明基板に、上述した 樹脂組成物が貼合されたもの。
第 3の形態:ガラス又はプラスチック等の透光性材料からなる透明基板に、上述した 樹脂組成物よりなる層が形成されたもの。
[0083] 第 1の形態の光学部材としては、例えば、板状(円状を含む)のレンズ、シート、フィ ルムが挙げられる。ここで、シートとは、上記樹脂組成物を溶融させて、例えば押出 成形により 250 μ ΐη以上の厚さを有する薄板状に成形したものをいう。また、フィルム とは、上記樹脂組成物を溶融させて、例えば延伸成形により厚さ 5— 250 μ ΐηの薄い 膜状にしたものをいう。また、シート又はフィルムを製造する手段としては、溶融押出 成形法、カレンダー成形法、プレス成形法、溶液キャスト法等が好適に使用される。 さらに、板状のレンズは、射出成形法、溶融押出成形法等により成形可能である。
[0084] 第 2の形態の光学部材としては、例えば、上述したシート又はフィルムを合わせガラ ス用中間膜として使用し、この合わせガラス用中間膜と、ガラス、プラスチック等からな る透光性材料とを貼り合せたものが挙げられる。シート又はフィルムからなる合わせガ ラス用中間膜と、透光性材料とを接着させる手段としては、プレス法、マルチロール 法、減圧法などの加圧又は減圧により接着する手段、オートクレープ等を用いて加熱 することにより接着させる手段又はこれらの組み合わせによる手段を用いることができ
る。
[0085] なお、合わせガラス用中間膜は、その厚みが 0. 001— 10mm、特に 0. 01— 5mm であることが好ましい。合わせガラス用中間膜の厚みが 0. 001mm未満の場合には 、特定の波長光に対する吸収性が高い中間膜を得ることが困難となって、防眩性が 不充分なものとなることがある。一方、合わせガラス用中間膜の厚みが 10mmを超え る場合には、可視光線の透過率が高い中間膜を得ることが困難となって、透光性が 低いものとなることがある。
[0086] 第 3の形態の光学部材としては、例えば、コーティングが挙げられる。ここで、コーテ イングとは、上記樹脂組成物を適宜の溶剤に溶解又は分散させた溶液又は分散液を 、必要な面に塗布し溶剤を蒸発させて、その面の一部又は全部に形成される薄膜、 被覆物又は薄層をいう。また、薄膜等が形成された面の平坦性等を高める目的で、 例えば、レべリング剤、消泡剤としての各種の界面活性剤等の溶解補助剤を溶液又 は分散液に添加してもよい。
[0087] 力かる第 1一 3の形態の光学部材は、希土類金属イオンを含有することに起因して 特定の波長光を吸収可能になることから優れた防眩性を有するようになり、また、榭 脂組成物中における希土類金属イオンの溶解性及び分散性が良好であることから透 光性にも優れるようになる。さらに、優れた耐光性が得られるようになるほか、加熱や 長期保存による透光性の低下も大幅に少なレ、ものとなる。また、樹脂成分としてポリビ 二ルァセタール樹脂、特にポリビュルプチラール樹脂を含有すると、透光性材料との 接着性に優れるようになる。さらにまた、ポリビエルァセタール樹脂は熱可塑性を有 することから、成形加工を簡易に行うことができる。
[0088] また、合わせガラスの製造方法として、接着性を有する熱可塑性樹脂からなる中間 膜を 2枚のガラス板の間に挿入し、得られた積層体を予備圧着して各層間に残存す る空気を排除した後、本圧着して積層体を完全に密着させる方法が採られることがあ る。この場合に用いられる中間膜は、保存時に中間膜同士が合着し塊状となる、いわ ゆるブロッキング現象が生じないこと、ガラスと中間膜とを重ね合わせる際の作業性が 良好であること、および予備圧着工程における脱気性が良好であることが要求される 。予備圧着時の脱気性は合わせガラスの品質を左右し、脱気が不十分であると得ら
れた合わせガラスの透明性が悪くなつたり、促進試験を行うと気泡が生じたりすること 力 Sある。
[0089] 上記のような中間膜の総合性能は、素材である熱可塑性樹脂の種類や粘弾性等 の物性によって左右されるが、これらの物性を固定して考えると、中間膜の表面形状 がその総合性能を決定する大きな要因となる。特に、エンボスと呼ばれる多数の微細 な凹凸を中間膜の表面に形成すると効果が得られ、エンボスが表面に形成された中 間膜が従来より使用されている。そのエンボスの形態としては、例えば、多数の凸部 とこれらの凸部に対する多数の凹部とからなる各種凸凹模様、多数の凸条とこれらの 凸条に対する多数の凹溝とからなる各種の凸凹模様、粗さ、配置、大きさ等の種々の 形状因子に関し多様な値を有するエンボス形状がある。このようなエンボスとしては、 例えば、特開平 6—198809号公報に記載されているような凸部の大きさを変え、そ の大きさ、配置を規定したもの、特開平 9一 40444号公報に記載されているような表 面の粗さを 20— 50 /i mとしたもの、特開平 9-295839号公報に記載されているよう な凸条が交差するように配置されたもの、特開 2003— 48762号公報に記載されてい るような主凸部の上に更に小さな凸部が形成されているもの、等が挙げられる。また、 このような、エンボス形状を施す方法としては、特表 2003-528749号公報に、樹脂 成形時に発生するメルトフラクチャ一を利用する方法が記載されており、特表 2002— 505211号公報、特表平 9一 502755号公報に、架橋 PVB粒子や造核剤を用いる方 法が記載されている。
[0090] さらに、各種用途において、合わせガラスに対して遮音性が要求される場合がある 。一般に遮音性能は、周波数の変化に応じた透過損失量として示される。この透過 損失量は、 JIS A4708では、 500Hz以上において遮音等級に応じてそれぞれ一定 値で規定されている。しかし、ガラス板の遮音性能は、 2000Hzを中心とする周波数 領域ではコインシデンス効果により著しく低下する。ここで、コインシデンス効果とは、 ガラス板に音波が入射した時、ガラス板の剛性と慣性によって、ガラス板状を横波が 伝播してこの横波と入射音とが共鳴し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。一 般的な合わせガラスでは、 2000Hzを中心とする周波数領域において、かかるコイン シデンス効果による遮音性能の低下が避けられず、この点の改善が求められることが
ある。
[0091] 一方、人間の聴覚は、等ラウドネス曲線から、 1000— 6000Hzの範囲では他の周 波数領域に比べ非常に良い感度を示すことが知られている。従って、コインシデンス 効果による上記遮音性能の落ち込みを解消することは、防音性能を高める上で重要 であることがわかる。従って、合わせガラスの遮音性能を高めるには、上記コインシデ ンス効果による遮音性能の低下を緩和し、コインシデンス効果によって生じる透過損 失の極小部(以下、この極小部の透過損失量を TL値という。)の低下を防ぐ必要があ る。
[0092] 合わせガラスに遮音性を付与する方法としては、合わせガラスの質量を増大させる 方法、ガラスを複合化する方法、ガラス面積を細分化する方法、ガラス板支持手段を 改善する方法などがある。
[0093] また、遮音性能が中間膜の動的粘弾性により左右され、特に貯蔵弾性率と損失弾 性率との比である損失正接に影響されることが知られている。このため、この値を制 御すれば合わせガラスの遮音性能を高めることができる。制御手段としては、例えば 、特定の重合度を有する樹脂膜を用いる方法、特開平 4 - 2317443号公報に記載さ れているような、ポリビニルァセタール樹脂のァセタール部分の構造を規定する方法 、特開 2001-220183号公報に記載されているような、樹脂中の可塑剤量を規定す る方法、等が挙げられる。さらに、異なる 2種以上の樹脂を組み合わせることにより広 い温度範囲にわたって合わせガラスの遮音性能を高めることもできる。例えば、特開 2001-206742号公報に記載されているような複数種の樹脂をブレンドする方法、 特開 2001-206741号公報、特開 2001—226152号公報に記載されているような 複数種の樹脂を積層する方法、特開 2001—192243号公報に記載されているような 中間膜中の可塑剤量に偏向を持たせる方法、等が挙げられる。
[0094] 更に合わせガラスの遮熱性を高める方法としては、遮熱機能を有する金属や金属 酸化物微粒子を中間膜中に含有させる方法や、これらの材料を含む層を合わせガラ スの積層構造の任意の位置に揷入する方法等が挙げられる。具体的には、例えば、 特開 2001— 206743号公報、特開 2001— 261383号公報、特開 2001— 302289号 公報等に記載されている方法が例示できる。酸化物微粒子としては錫ドープ酸化ィ
ンジゥム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫 (AT〇)、アルミニウムドープ酸化亜鉛 (AZ O)等が挙げられる。また、中間膜の透光性を上げるためには、酸化物微粒子の粒径 を規定する方法(特許 271589号公報、特開 2002 - 293583号公報)や、分散性を 高める方法等を用いてもよい。微粒子の分散性を上げるためには、機械的に分散さ せる、分散剤を用いる等の既知の微粒子分散技術を用いることが出来る。また、金属 や金属酸化物微粒子だけではなぐ特開平 7-157344号公報、特許第 319271号 公報に記載されているような有機系の遮熱機能を有する染料'顔料を用いる方法も 挙げられる。有機系の染料'顔料としては、フタロシアニン系、アントラキノン系、ナフト キノン系、シァニン系、ナフタロシアニン系、ピロール系、ィモニゥム系、ジチオール 系、メルカプトナフトール系等が挙げられる。
[0095] 合わせガラスの遮熱性を高める方法としては、遮熱機能を有するガラスを用いて合 わせガラスを作成する方法が挙げられる。例えば、特開 2001— 151539号公報に記 載されているような Fe等の遷移金属を含有するガラス (例えば、グリーンガラス等)を 使用する方法や、特開 2001-261384号公報、特開 2001—226148号公報に記載 されているような金属、金属酸化物を積層したガラス板を使用する方法等が挙げられ る。
[0096] また、中間膜としての性能を高めるために、以下に例示するような方法を用いること も出来る。耐貫通性を向上させる方法としては、例えば、特公平 6 - 25005号公報に 記載されるように樹脂基材として α -ォレフイン変性ポリビュルァセタールを使用する 方法、特開平 10 - 25390号公報に記載されるように樹脂の重合度、可塑剤添加量 を規定する方法、特開平 11-147736号公報に記載されるように中間膜の厚み偏差 を低減させる方法、等が挙げられる。
[0097] 中間膜とガラスとの接着性、密着性を改良する方法としては、例えば、特許 26247 79号公報に記載されるように樹脂を放射線グラフト不飽和化する方法、特開平 11 - 322378号公報に記載されるようにシリコーンオイルを添カ卩する方法、特開 2000—1 238586号公報に記載されるようにアルカリ金属又はアルカリ土類金属を添加する方 法、特開 2002—505210号公報に記載されるように表面エネルギー改変剤を添カロ する方法、等が挙げられる。
[0098] 耐久性試験時における白化防止方法としては、例えば、特開 2000-72495号公 報に記載されるように分子中に疎水性の大きな炭化水素基を有するシリコーンオイル を添加する方法、特開 2000-128586号公報に記載されるようにアルカリ金属又は アルカリ土類金属添加量を規定する方法、特開 2001 - 139352号公報に記載され るようにォキシアルキレングリコール含有量を規定する方法、特開 2001—163640号 公報に記載されるように規定された特性をもつ樹脂を使用する方法、特開平 6— 211 548号公報に記載されるようにシランカップリング材シールする方法、等が挙げられる
[0099] 紫外線吸収性を向上させる方法としては、特公平 4—29697号公報、特開平 10— 1 94796号公報、特開 2000—128587号公報に記載されるように紫外線吸収剤を添 加する方法が挙げられる。帯電防止方法としては、特開 2001—240425号公報に記 載されるようにカルボン酸アルカリ金属塩を添カ卩する方法、特開 2001—261384号 公報に記載されるようにォキシアルキレン化合物を添加する方法、等が挙げられる。 調色方法としては、特開平 9-183638号公報に記載されるように染料を添加する方 法が挙げられる。
[0100] また、透光性に優れる光学部材とするためには、光学部材のヘーズが 30%以下で あることが好ましぐ 20%以下であることがより好ましぐ 10%以下であることが特に好 ましレ、。力かるヘーズが 30%を超えると、可視光線の透過率が不充分となって透光 十生が低くなる ί頃向がある。
[0101] さらに、合わせガラスは、上述したような近赤外光領域の光線を吸収する特性を有 する中間膜のみならず、更なる近赤外光遮断特性の向上を目的として、近赤外光を 反射する特性を有する層(赤外反射層)を更に備えるものであってもよい。このような 赤外反射層は、合わせガラスの任意の位置に導入することができる。
[0102] 赤外反射層としては、金属や金属酸ィヒ物から構成される透明な層が挙げられ、具 体的には、例えば、金、銀、銅、錫、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、ケィ素、クロ ム、チタン、インジウム、アンチモン等の金属単体、合金、混合物又は酸化物が例示 できる。このような赤外反射層は、例えば、当該層を形成すべき面上に、例えば、金 属ゃ金属酸化物を蒸着することによって形成することが可能である。また、赤外反射
層としては、特表平 09-506837、特表 2000—506082、特表 2000—506084、特 表 2004-525403、特表 2003—515754、特開 2002—231038、特表 2004—503 402等に示されるような、光の干渉を利用して特定波長を反射する高分子多層フィル ムを適用してもよい。
[0103] ここで、上述したように赤外反射層を形成した場合は、この赤外反射層とこれに隣 接する層との接着性が低下してしまうことがある。例えば、透光性基板と中間膜との間 に赤外反射層を導入した場合には、赤外反射層と中間膜との接着性が低下し、合わ せガラスが破損した場合に、透光性基板が剥離 *飛散し易くなる傾向にある。このた め、安全性の点で問題が生じることになる。
[0104] そこで、このような接着性の低下を避けるために、赤外反射層と、これと隣接する層 との接着性を調整する手段を採ることができる。具体的には、透光性基板と中間膜と の間に赤外反射層を形成する場合には、これらの間に、中間膜よりも高いァセタール 度を有するポリビュルァセタールからなる層(特開平 7-187726号公報、特開平 8- 337446号公報)を設ける方法等を採用することができる。その他、赤外反射層と、こ れと隣接する層との間に、所定の割合のァセトキシ基を有する PVBからなる層(特開 平 8-337445号公報)を設ける方法や、所定のシリコーンオイルからなる層(特開平 7— 314609号広報)を設ける方法等も挙げられる。
[0105] このように、合わせガラスにおいては、近赤外光吸収性を有する中間膜に加えて、 近赤外光反射性を有する反射層を更に設けることで、両層の効果により、合わせガラ スに対して極めて優れた近赤外光遮断特性を付与することができる。また、上述した ような、赤外反射層と中間膜 (赤外吸収層)との接着性を改善する方法を採用すれば 、近赤外光遮断特性に加え、より優れた強度を有する合わせガラスを得ることも可能 となる。
[0106] 図 1は、本実施形態による光学部材の一例を模式的に示す断面図である。図 1に 示す光学部材は窓材 10である。窓材 10は、ガラスやプラスチック等の透光性材料か らなる板状基材 1上に、上述した樹脂組成物からなる層(以下、「防眩組成物層」とい う) 2が設けられたものであり、単層ガラス窓又はその母材、合わせガラス窓の単層、 複層ガラス窓の一層等に好適に用いることができる。このような構成の窓材 10は、板
状基材 1上の主面の一方に樹脂組成物を塗布(例えば、コーティング)して形成する こと力 Sできる。また、板状基材 1上の主面の一方に上述したシート、フィルムを貼り合 せて形成することも可能である。
[0107] また、図 1に示す窓材 10は、板状基材 1の主面の一方に防眩組成物層 2が設けら れているが、更に板状基材 1の主面の他方にも防眩組成物層 2が設けられていてもよ レ、。またさらに、窓材 10において、防眩組成物層 2上に、更に防眩組成物層 2が積層 されていてもよい。このような構成の窓材は、上述の窓材 10と同様に、単層ガラス窓 又はその母材、合わせガラス窓の単層、複層ガラス窓の一層等に好適に用いること ができる。
[0108] さらに、板状基材 1上に防眩組成物層 2、及び板状基材 1を順次積層させて一体化 した窓材、板状基材 1上に防眩組成物層 2、防眩組成物層 2、及び板状基材 1を順 次積層させて一体化した窓材、板状部材 1上に防眩組成物層 2、板状部材 1、及び 防眩組成物層 2を順次積層させて一体化した窓材等が挙げられ、これらの窓材は合 わせガラス窓に好適な態様である。また、このような態様の窓材においては、防眩組 成物層 2が 2枚の板状基材 1の中間膜 (例えば、合わせガラス中間膜)として機能して いる。
[0109] また、上述した防眩組成物層 2には、リン酸エステルイ匕合物と金属イオンとを含む赤 外線吸収組成物を含有していても良い。このような構成を有する窓材とすることにより 、特定波長に対する吸収特性に加え、赤外線を吸収する機能をも有することができる
[0110] さらに、板状部材 1上に防眩組成物層 2、及び赤外線吸収組成物層を順次積層さ せた窓材、板状部材 1上に赤外線吸収組成物層、及び防眩組成物層 2を順次積層 させた窓材、板状部材 1上に防眩組成物層 2、赤外線吸収組成物層、及び防眩組成 物層 2を順次積層させた窓材としてもよい。
[0111] このような赤外線吸収組成物層を備える窓材 10は、その近赤外光吸収性から熱線 吸収材としての機能を発揮するものであり、熱線の遮断が必要とされる種々の部材に 適用できる。その用途としては、例えば、太陽光等の自然光その他の外光を取り入れ る窓材及び屋根材 (住宅、店舗その他の建築物又は建造物、自動車その他の移動
運搬機器やそれらの収容場所、通行路等に用いられる透光性部材)、屋内外の日焼 けを目的とする部材一般等が挙げられる。
[0112] また、太陽光等の外光には、人体 (皮膚)に対して有害な影響を及ぼし、且つ、塗 料や塗装或いはゴム製品やプラスチック製品等の劣化を引き起こす紫外線が含まれ ているが、このような窓材 10は熱線吸収のみならず、入射光の波長成分のうち紫外 光を遮断する性能を有しているために、建材等に好適に用いることができる。しかも、 この窓材 10は、可視光に対して高い透過特性を有している。
[0113] 板状基材 1を構成する材料としては、可視光透過性を有する透光性材料であれば 、特に限定されるものではなぐ窓材の用途に応じて適宜選択可能である。硬度、耐 熱性、耐薬品性、耐久性等の観点から、上述のようにガラス又はプラスチックが好適 に使用される。ガラスとしては、無機ガラス又は有機ガラス等が挙げられる。プラスチ ックとしては、例えばポリカーボネイト、アクリロニトリル一スチレン共重合体、ポリメチノレ メタタリレート、塩化ビエル系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフイン、ノルボ ルネン系樹脂等が例示できる。なお、板状基材 1が複数存在する場合には、それぞ れ同じ種類の材料で構成されてレ、てもよく、或いは互いに異なる材料で構成されて いてもよい。
[0114] また、防眩組成物層 2として上述した樹脂組成物を使用する場合には、ヘンシェル ミキサー等の混合機により混合する手段、ロール混練機、或いは混練押出機等により 混練混合する手段を用いることができる。また、各成分を適宜の有機溶剤に分散させ 、この分散液から有機溶剤を除去する手段を用いることができる。
[0115] なお、上記実施形態においては、光学部材が窓材である場合について詳細に説 明した。この窓材以外にも、上述した樹脂組成物が防眩性及び透光性に加えて成形 加工性に優れることから、防眩性眼鏡レンズ (サングラス)、防眩性フィルター、画面力 バー、防眩性ディスプレイフィルター、色純度補正フィルター、色調補正フィルター、 照明器具の輝度調節フィルタ一等の光学フィルター、光通信機能デバイス、ファラデ 一素子、光増幅素子、波長変換素子等を構成するものとして極めて有用である。また 、これらを備えて成る機器としては、カラーディスプレイ(カラー画像表示装置)、カラ 一撮像カメラ (カラー画像撮像装置)、照明灯 (照明器具)、レーザ、通信用光増幅器
、通信用光アイソレーター、光スィッチ等を例示することができる。
実施例
[0116] 以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は 以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(希土類金属イオンとアルキルリン酸エステルとの組成物の調製)
[0117] (調製例 1)
酢酸ネオジム '一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との 割合がモル比で 50: 50の 2-ェチルへキシルリン酸エステル化合物(東京化成製) 6 . 95gと、をトルエン 10gに加えたところ、透明な溶液が得られた。この溶液を用いて 脱酢酸還流を行った後、トルエンを留去してネオジムイオンとリン酸エステルイ匕合物と を含む組成物 12gを得た。
[0118] (調製例 2)
酢酸プラセオジム二水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分と の割合が、モル比で 50: 50の 2—ェチルへキシルリン酸エステル化合物(東京化成製 ) 13. 54gとをトルエン 10gに加えたところ、透明な溶液が得られた。この溶液を用い て脱酢酸還流を行った後、トルエンを留去してプラセオジムイオンとリン酸エステルイ匕 合物とを含む組成物 19gを得た。
[0119] (調製例 3)
酢酸ネオジム '一水和物 5gと、 2—ェチルへキシルリン酸ジエステル化合物(東京化 成製、リン酸ジエステル成分 100%) 13. 3gとをトノレェン 10gにカロえたところ、透明な 溶液が得られた。この溶液を用いて脱酢酸還流を行った後、トルエンを留去してネオ ジムイオンとリン酸エステル化合物とを含む組成物 19gを得た。
[0120] (調製例 4)
酢酸ネオジム '一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との 割合が、モル比で 50 : 50のラウリルリン酸エステルイ匕合物(城北化学製) 14. 46gと、 をトルエン 10gにカ卩えたところ、半透明な溶液が得られた。この溶液を用いて脱酢酸 還流を行った後、トルエンを留去してネオジムイオンとリン酸エステルイ匕合物とを含む 組成物 20gを得た。
[0121] (調製例 5)
酢酸ネオジム '一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との 割合が、モル比で 50 : 50のォレイルリン酸エステルイ匕合物(東京化成製) 11. 83gと 、をトルエン 10gに加えたところ、半透明な溶液が得られた。この溶液を用いて脱酢 酸還流を行った後、トルエンを留去してネオジムイオンとリン酸エステルイ匕合物とを含 む組成物 14. 69gを得た。
[0122] (調製例 6)
酢酸ネオジム '一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との 割合が、モル比で 50 : 50のステアリルリン酸エステル化合物(城北化学製) 11. 90g と、をトルエン 10gに加えたところ、半透明な溶液が得られた。この溶液を用いて脱酢 酸還流を行った後、トルエンを留去してネオジムイオンとリン酸エステルイ匕合物とを含 む組成物 15. 31gを得た。
[0123] (調製例 7)
酢酸ネオジム '一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との 割合が、モル比で 50 : 50の n—ブチルリン酸エステル化合物(東京化成製) 4. 58gと 、をトルエン 10gに加えたところ、半透明な溶液が得られた。この溶液を用いて脱酢 酸還流を行った後、トルエンを留去してネオジムイオンとリン酸エステルイ匕合物とを含 む組成物 7. 28gを得た。
[0124] (比較調製例 1)
酢酸ネオジム '一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との 割合力 S、モル比で 61. 6 : 33. 6のメトキシプロピルリン酸エステル化合物(城北化学 製) 4. 77gと、をトルエン 10gに加えたところ、半透明な溶液が得られた。この溶液を 用いて脱酢酸還流を行った後、トルエンを留去してネオジムイオンとリン酸エステル 化合物とを含む組成物 10gを得た。
[0125] (比較調製例 2)
酢酸銅'一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との割合が 、モル比で 50 : 50の 2_ェチルへキシルリン酸エステル化合物(東京化成製) 8. 9gと 、をトルエン 10gに加えたところ、半透明な溶液が得られた。この溶液を用いて脱酢
酸還流を行った後、トルエンを留去して銅イオンとリン酸エステル化合物とを含む組 成物 10. 8gを得た。
[0126] (比較調製例 3)
酢酸鉄 ·一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との割合が 、モル比で 50 : 50の 2_ェチルへキシルリン酸エステル化合物(東京化成製) 2. 45g と、をトルエン 10gに加えたところ、半透明な溶液が得られた。この溶液を用いて脱酢 酸還流を行った後、トルエンを留去して鉄イオンとリン酸エステル化合物とを含む組 成物 6. 4gを得た。
[0127] (比較調製例 4)
酢酸ニッケル '一水和物 5gと、リン酸モノエステル成分とリン酸ジエステル成分との 割合が、モル比で 50: 50の 2_ェチルへキシルリン酸エステル化合物(東京化成製) 3. 5gと、をトルエン 10gに加えたところ、半透明な溶液が得られた。この溶液を用い て脱酢酸還流を行った後、トルエンを留去してニッケルイオンとリン酸エステルイ匕合 物とを含む組成物 7. 2gを得た。
[0128] (比較調製例 5)
酢酸銅 '一水和物 5gと、リン酸ジエステル成分のみを含む 2—ェチルへキシルリン酸 エステル化合物(東京化成製) 16. 6gと、をトルエン 10gに加えたところ、半透明な溶 液が得られた。この溶液を用いて脱酢酸還流を行った後、トルエンを留去して銅ィォ ンとリン酸エステル化合物とを含む組成物 21. 0gを得た。
[0129] (実施例 1)
(樹脂組成物の合成)
調製例 1で得られた組成物 lgを可塑剤(3G〇(トリエチレングリコールジー 2—ェチ ルへキサネート)、ァクロス社製) 2gへ溶解させ、ポリビュルプチラール樹脂(エスレツ ク BH3、積水化学 (株)製) 7. Ogと共に 85°Cで混合して樹脂組成物を得た。
[0130] (シート及びこれを用いた合わせガラスの作製)
次いで、得られた樹脂組成物を、 85°Cに調製されたプレス機 (WF— 50、神藤金属 工業製)により数回プレスした後、 120°Cに調整されたプレス機で数回プレスを行つ て混鍊成形し、厚さ 1. Ommの均一な面を有するシートを作製した。そして、希土類
金属イオン及びリン酸エステルィヒ合物のポリビニルブチラール樹脂への溶解性を試 験するために、得られたシートの外観を目視観察して以下の基準で評価を行った。 評価結果を表 1に示す。
評価基準;
〇:全く曇りが見られず、透光性が維持されている。
X:透光性が維持されていない。
[0131] 次いで、上述のようにして得られたシートをスライドガラス(76mm X 26mm X I . 1 mm) 2枚の間に挟み、得られた積層体をオートクレープにより温度 130°C、圧力 1. 2 MPaで 30分保持しながら真空プレスを行レ、、合わせガラスを作製した。
[0132] (実施例 2)
調製例 2で得られた組成物 lgを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法により樹 脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの外 観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0133] (実施例 3)
調製例 1で得られた組成物 0. 5g及び調製例 2で得られた組成物 0. 5gを用いたこ と以外は、実施例 1と同様の方法により樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様 の方法によりシートを得、当該シートの外観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0134] (実施例 4)
調製例 1で得られた組成物 2gを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法により榭 脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの外 観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0135] (実施例 5)
調製例 1で得られた組成物 5gを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法により樹 脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの外 観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0136] (実施例 6)
調製例 1で得られた組成物 1 Ogを用レ、たこと以外は、実施例 1と同様の方法により 樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの
外観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0137] (実施例 7)
調製例 3で得られた組成物 lgを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法により榭 脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの外 観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0138] (実施例 8)
調製例 4で得られた組成物 lgを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法により樹 脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの外 観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0139] (実施例 9)
実施例 1で得られたシートをグリーンガラス(76mm X 26mm X 2mm)の間に挟ん だこと以外は、実施例 1と同様の方法により合わせガラスを得た。
[0140] (実施例 10)
調整例 1で得られた組成物 lg、可塑剤(3GO) 2g、錫ドープ酸化インジウム(IT〇、 平均粒子径 80nm以下) 0. 023gを溶解させた状態で、ポリビエルプチラール樹脂 7 . Ogに加え、 85°Cで混合して樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法に よりシートを得、当該シートの外観を目視観察した。次いで、実施例 9と同様のダリー ガラスを用レ、、このグリーンガラスの間に ITOを含有させたシートを挟んで実施例 1と 同様の方法により合わせガラスを得た。
[0141] (実施例 11)
調製例 5で得られた組成物 0. lgを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法により 樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの 外観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0142] (実施例 12)
調製例 6で得られた組成物 0. lgを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法により 樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの 外観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0143] (実施例 13)
調整例 7で得られた組成物 0. lgを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法により 樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シートの 外観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0144] (比較例 1)
酢酸ネオジム '一水和物 5gと、可塑剤(3G〇(トリエチレングリコールージー 2—ェチ ルへキサネート)、ァクロス社製) 2gと、ポリビュルブチラール樹脂(エスレック BH3、 積水化学 (株)製) 7. Ogとを 85°Cで混合して樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と 同様の方法により、シートを得、当該シートの外観を目視観察した後、合わせガラスを 得た。
[0145] (比較例 2)
比較調製例 1で得られた組成物 1 gを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法によ り樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得、当該シート の外観を目視観察した後、合わせガラスを得た。
[0146] (比較例 3)
比較調製例 2で得られた組成物 lgを、ポリビニルプチラール樹脂(エスレック BH3、 積水化学 (株)製) 9. Ogと共に 85°Cで混合して樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得た後、合わせガラスを得た。
[0147] (比較例 4)
比較調製例 3で得られた組成物 lgを、ポリビニルプチラール樹脂(エスレック BL1、 積水化学 (株)製) 9. Ogと共に 85°Cで混合して樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得た後、合わせガラスを得た。
[0148] (比較例 5)
比較調製例 4で得られた組成物 lgを、ポリビュルプチラール樹脂(エスレック BL1、 積水化学 (株)製) 9. Ogと共に 85°Cで混合して樹脂組成物を得た。次いで、実施例 1と同様の方法により、シートを得た後、合わせガラスを得た。
[0149] (比較例 6)
比較調製例 5で得られた組成物 lgを、ポリビュルプチラール樹脂(エスレック BH3、 積水化学 (株)製) 9. Ogと共に 85°Cで混合して樹脂組成物を得た。次いで、実施例
1と同様の方法により、シートを得た後、合わせガラスを得た。
[0150] (ヘーズ試験)
実施例 1一 13及び比較例 1一 2の樹脂組成物を用レ、て作製した合わせガラスにつ いて、 JIS K0101に準拠して 23。Cにおけるヘーズを濁度計(製品名 NDH— 1001D P、 日本電色工業製)を用いて測定した。測定結果を表 1に示す。また、希土類金属 イオンと 2_ェチルへキシルリン酸エステル化合物(リン酸モノエステル成分:リン酸ジ エステル成分(モル比) = 50 : 50)とを含む組成物の含有量と^ ^一ズとの関係を図 2 に示す。
[0151] (分光透過率測定)
実施例 1一 13及び比較例 1一 2で得られた合わせガラスにっレ、て、分光光度計 (U - 4000、(株)日立製作所製)を用いて、分光測定を行った。実施例 1一 13及び比較 例 1一 2で得られた合わせガラスの 300 800nmにおける分光透過率を表 1に示す 。また、実施例 1一 3及び比較例 1の合わせガラスの分光スペクトルを図 3に示し、実 施例 4一 6の合わせガラスの分光スペクトルを図 4に示し、実施例 7— 8の合わせガラ スの分光スペクトルを図 5に示す。なお、図 3— 5において、実施例 1一 8の合わせガ ラスの分光スペクトルをそれぞれ E1— 8とし、比較例 1の合わせガラスの分光スぺタト ルを C1として表示する。さらに、実施例 9で得られた合わせガラスの 300— 2300nm における分光スぺクトルを図 6に示し、実施例 10で得られた合わせガラスの 300— 2 300nmにおける分光スペクトルを図 7に示す。
[表 1]
透過率(%)
溶解性 ヘーズ(%)
520nm 580nm
実施例 1 〇 87. 2 76. 4 2. 1 実施例 2 〇 91. 3 90. 3 1. 6 実施例 3 〇 89. 0 82. 4 2. 3 実施例 4 〇 84. 2 66. 6 3. 1 実施例 5 〇 73. 5 38. 2 4. 8 実施例 6 〇 63. 7 20. 7 12. 6 実施例 7 〇 90. 1 88. 2 13. 2 実施例 8 〇 88. 1 84. 5 10. 7 実施例 9 〇 78. 4 3. 5 実施例 10 〇 71. 5 57. 8 4. 1 実施例 11 〇 86. 5 85. 6 10. 0 実施例 12 〇 88. 8 76. 9 14. 7 実施例 13 〇 84. 44 82 CO. 92 14. 1
O
比較例 1 X 41. 6 23. 3
比較例 2 X 82. フ 76. 2 35. 4
[0152] (耐光性試験) CD
Ο
実施例 1、 2、 11及び 12、並びに比較例 3— 5の樹脂組成物を用いて作製した合わ せガラスについて、耐光性試験を行った。すなわち、まず、製造直後の各合わせガラ スについて、分光光度計 (U— 4000、 (株)日立製作所製)を用いて、分光測定を行 レ、、 JIS R3106に準拠する分光透過率 (T (%))を測定した。次いで、これらの合わ
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せガラスに対し、キセノンウエザーメーター(アトラス C135、東洋精機製作所社製;光 源:キセノンランプ、 自動照射強度: 0.78WZm2、ブラックパネル温度: 63°C)を用 いて、 100時間紫外線照射を行った。それから、紫外線照射後の各合わせガラスに ついて、上記と同様にして可視光における分光透過率 (T (%))を測定した。
[0153] そして、紫外線照射前後における合わせガラスの透過率の変化(ΔΤ(%))を算出 し、これに基づいて耐光性を評価した。なお、 ΔΤの値が小さいほど合わせガラスの 透光性変化が小さいことから、耐光性が高いことを示している。得られた結果をまとめ て表 2に示した。
[表 2]
[0154] (耐熱性試験)
実施例 1、 2、 7、 11及び 12、並びに比較例 6の樹脂組成物を用いて作製した合わ せガラスについて、耐熱性試験を行った。すなわち、まず、製造直後の各合わせガラ スについて、濁り度計(NDH— 1001DP、 日本電色工業社製)を用いてヘーズ (H (
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%) )の評価を行った JISK 7136に準拠する方法)。次いで、これらの合わせガラス を、 80°Cで 30秒時間加熱した。それから、加熱後の各合わせガラスについて、上記 と同様にしてヘーズ (H (%) )を測定した。
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[0155] そして、加熱前後における合わせガラスのヘーズの変化(Δ Η (%) )を算出し、これ に基づいて耐熱性を評価した。なお、 Δ Ηの値が小さいほど、加熱によるヘーズの変 化が小さいことから、耐熱性が高いことを示している。得られた結果をまとめて表 3に 示す。
[表 3]
(長期保存安定性試験)
実施例 1及び 2、並びに比較例 3の樹脂組成物を用いて作製した合わせガラスにつ いて、長期保存安定性試験を行った。すなわち、すなわち、まず、製造直後の各合 わせガラスについて、濁り度計(NDH— 1001DP、 日本電色工業社製)を用いてへ ーズ (H (%) )の評価を行った (JISK 7136に準拠する方法)。次いで、これらの合
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わせガラスを、大気中で 40日間保存した。それから、各合わせガラスについて、上記 と同様にしてヘーズ (H (%) )を測定した。
そして、長期保存前後における合わせガラスのヘーズの変化(ΔΗ(%))を算出し 、これに基づいて長期保存安定性を評価した。なお、 ΔΗの値が小さいほど、溶媒の 影響によるヘーズの変化が小さいことから、安定性が高いことを示している。得られた 結果をまとめて表 4に示す。
[表 4] 実施例 1 実施例 2 比較例 3
Η0(%) 2. 1 1. 6 5. 2
(%) 2.7 1. 7 40. 1
ΔΗ(%) - 0. 6 - 0. 1 34.9