明 細 書
細胞動態の検査方法
技術分野
[0001] 本発明は、癌治療の新たな領域を提供するものである。すなわち、新規な癌治療 法として着目されるチロシンキナーゼ阻害剤と、医学博士八木田旭邦が開発した NK 細胞の活性化能、 NKT細胞の活性化能、血管新生阻害能、 IL-12の産生誘導能及 び IFN γの産生誘導能の動態に着目した新免疫療法との併用にお 、て、パーフオリ ン産生細胞の動態に着目した新規な癌免疫療法の検査方法及び癌免疫療法剤の 提供に関する。
[0002] 本出願は、参照によりここに援用されるところの、 日本特許出願特願 2003-40367 6号からの優先権を請求する。
背景技術
[0003] ガン(malignant neoplasms) (cancer)の予防または治療のための有用な物質の選別 は、従来、ガン細胞へのその直接的作用が重要視されていた。免疫賦活剤がガン治 療に有用であることは認められて ヽたが、免疫賦活剤として得られた化合物は ヽず れもその抗ガン効果が微弱であり、免疫療法単独または化学療法との併用治療によ つてもガンの十分な治療効果は達成されて!、な!/、。
[0004] 本発明者の医学博士八木田は、先にガン治療における画期的な手法として、イン ターロイキン 12 (IL-12)を生体内で誘発する物質の有用性に着目し、キノコ菌糸体 加工物がその機能を有することを発見し、新免疫療法 (Novel Immunotherapy for cancer) (MTC)ともいうべきガン治療法を確立した。従来 IL-12は、抗ガン効果がある ものの生体内に IL-12自体を直接投与した場合には副作用を生じるために患者が治 療に耐えられないという事実があり、それ自体を抗ガン剤として使用できな力つた。し かし、八木田が報告したキノコ菌糸体加工物を含む製剤は、ガンの治療において著 しい治癒'延命効果を達成した。つまり八木田は、 IL- 12を生体内で誘発できる有効 量のキノコ菌糸体加工物を投与することにより、ガンの治療目的を達成した (特許文
[0005] IL- 12は、 TNF a→IFN y→IL- 12→CTL活性と!/、うルートでキラー T細胞の活性化 効果と増強効果をもつ。つまり IL-12の産生増強は、キラー T細胞の活性化と増強に より抗ガン効果を期待される。
[0006] 八木田は、 IL-12の産生増強の系とは別に NKT細胞の活性ィ匕が抗ガン効果に有用 であることを報告している。谷口等は、 NKT細胞が有する ν α 24ν |8 11という特異的 な Τ細胞抗原受容体 (TCR)が認識する特異的な糖脂質抗原を発見し、この抗原が 、 αガラクトシルセラミドであることを報告している。更に、 αガラクトシルセラミドを投 与した担ガンマウスでは、 ΝΚΤ細胞が活性ィ匕され、ガンの消失はみられないものの転 移が抑制されることを証明した。
ΝΚΤ細胞にはもう一つの受容体として ΝΚ細胞抗原受容体 (NKR-P1 ;ナチュラルキ ラー受容体 P1)があることが報告されている(非特許文献 1)。 NKR-P1も ΝΚΤ細胞の 活性ィ匕に関与し、この活性ィ匕が抗ガン効果において、より優位であることを八木田は 見出している (特許文献 2)。
[0007] ガンの分子標的治療剤は、新タイプの制癌剤として従来の細胞標的治療剤と対比 してその意義が着目されている。そのなかでも特にシグナル伝達阻害作用を有する 薬剤としてチロシンキナーゼ阻害剤が注目されて 、る。 ZD1839 (ィレッサ:登録商標 ァストラゼネ力)は EGFR (上皮成長因子受容体)チロシンキナーゼの ΑΤΡ結合部位に おける ΑΤΡとの競合作用を有し、チロシンキナーゼの自己リン酸ィ匕を抑制することで チロシンキナーゼ活性を抑制する。その結果、 EGFRのもつ増殖、浸潤、分化、転移 に関連するシグナル伝達〔EGFRの細胞外ドメインに上皮成長因子 (EGF)等のリガン ドが結合することにより、細胞内ドメインにある EGFRチロシンキナーゼが活性ィ匕し、 EGFRの自己リン酸ィ匕および種々の細胞内標的たんぱくのリン酸ィ匕を引き起こすこと により細胞表面力 核への増殖シグナルが伝達され、癌細胞表面から核への増殖シ グナルが伝達され、癌細胞の増殖、浸潤、転移、血管新生を起こす〕を遮断すること により抗癌作用を発現する。 IMC-C225 (EGFR標的モノクローナル抗体)は細胞膜表 面の EGFRレセプター部分を認識し、 EGFRの自己リン酸ィ匕を抑制することでチロシン キナーゼ活性を阻害する。ハーセプチンは EGFRと相同性をもつ Her2/Neuに対する モノクローナル抗体であり、 STI-571 (グリベック)は BCR-Ablのチロシンキナーゼ活性
の阻害と c kitのチロシンキナーゼ活性の阻害能を有する(非特許文献 2)。
[0008] このような分子標的治療剤は新メカニズムのガン治療薬として着目される力 その 効果はいまだ革命的とはいえない。たとえば、 ZD1839 (ィレッサ)はァストラゼネカ社 が新規に開発した強力かつ選択的な EGFRチロシンキナーゼ阻害剤であり、ヒトでも その有用性が判明している。し力 非小細胞肺癌や前立腺癌などでの臨床成績は PR (部分寛解)が 10— 20数 %で、 CR (完全寛解)は全くないと言ってもよいが、あっても 極くまれで完全寛解まで 4ヶ月以上の期間が力かっていた。そこで ZA1839 (ィレッサ) と各種抗癌剤との併用療法が試みられて!/、るものの現時点では相加ある!、は相乗効 果は得られていない。
[0009] NK細胞からの IFN γ産生を誘導するケモカインとして CX3C-ケモカインが報告され 、そのレセプターとして CX3CR1があり、これは G蛋白共役 7回膜貫通型レセプターで ΝΚ細胞や単球及び一部 Τ細胞に発現している(非特許文献 3)。西村等は Τ細胞に おける CX3CR1発現は CD3(+)CD161(+)とグランザィム Β陽性細胞に限られ、細胞障 害活性が CX3CR1陽性細胞によって担われていることを明らかにした (非特許文献 4)
[0010] 特許文献 1 :特開平 10— 139670号公報
特許文献 2: US2002-0010149A1
非特許文献 1:特集 NKT細胞の基礎と臨床:最新医学 55卷 4号 2000年 818— 823 ぺ1 ~~シ
非特許文献 2 :血液 ·免疫'腫瘍 Vol. 7 No.3 2002-7
非特許文献 3 : Cell 1997 ;91 : 521
非特許文献 4:J. Immunol 2002; 168: 6173
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] 本発明は、上記のような分子標的治療薬のより有効な効果をもたらすことを目的とし 、完全寛解率を上げ、完全寛解への期間の短縮化を達成し、免疫療法との相乗効 果を達成するための手段を提供するものである。つまり、 CTL活性、 NKT活性、 NK活 性及び VEGF等に着目する新免疫療法と、分子標的治療薬、特にチロシンキナーゼ
阻害剤との併用による相乗効果の達成を課題とする。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明は、チロシンキナーゼ阻害剤と癌免疫療法剤の併用がガン治療における優 位な相乗効果を達成するためには、癌免疫療法剤がパーフォリン産生細胞に有効に 影響するものであることが重要であることを見出し本発明を完成した。
[0013] すなわち本発明は、
「1.チロシンキナーゼ阻害剤と癌免疫療法剤の併用において、癌免疫療法剤による パーフォリン産生細胞の動態をマーカーにする細胞動態の検査方法。
2.チロシンキナーゼ阻害剤と癌免疫療法剤の併用において、癌免疫療法剤の有効 性判定のためにパーフォリン産生細胞の動態をマーカーにする癌免疫療法剤。
3.チロシンキナーゼ阻害剤と癌免疫療法剤の併用において、癌免疫療法剤の有効 性判定のためにパーフォリン産生細胞の動態をマーカーにする癌免疫療法剤のスク リーニング方法。
4.チロシンキナーゼ阻害剤が、以下の少なくとも 1の受容体に対する選択的標的作 用を有し、癌免疫療法剤の機能が IL-12産生誘導及び Z又は IL-21介在反応である 前項 1又は 3の方法。
HER2/neu、 HER3、 HER4、 c— kit、 PDGFR、 bcr— abl、 EGFR
5.チロシンキナーゼ阻害剤が、以下の少なくとも 1の受容体に対する選択的標的作 用を有し、癌免疫療法剤の機能が IL-12産生誘導及び Z又は IL-21介在反応である 前項 2の癌免疫療法剤。
HER2/neu、 HER3、 HER4、 c— kit、 PDGFR、 bcr— abl、 EGFR
6.癌免疫療法剤が、 β 1,3/1, 6グルカン構造を有する物質である前項 4の方法。
7.癌免疫療法剤が、 |8 1,3/1,6グルカン構造を有する物質である前項 5の癌免疫療 法剤。
8.癌免疫療法剤が、 β 1,3/1,6グルカン構造を有する酵母由来成分である前項 4の 方法。
9.癌免疫療法剤が、 β 1,3/1,6グルカン構造を有する酵母由来成分である前項 5の 癌免疫療法剤。
10.パーフォリン産生細胞の動態が、 NKTP(+)値、 NKT8(+)P(+)値、 CD8(+)P(+)T値、 及び Thl/Th2比のうちの少なくとも一により判定される前項 1、 3、 4、 6、及び 8の何れ か一の方法。
11.パーフォリン産生細胞の動態が、 NKTP(+)値、 NKT8(+)P(+)値、 CD8(+)P(+)T値、 及び Thl/Th2比のうちの少なくとも一により判定される前項 2、 5、 7、及び 9の何れか 一の癌免疫療法剤。
12.ガンの化学療法剤及び放射線治療との併用無しに処置される前項 2、 5、 7、 9、 及び 11の何れか一の癌免疫療法剤。
13. NKT細胞の NKR-P1に選択的に作用して NKT細胞を活性ィ匕をおこす物質と併 用される前項 2、 5、 7、 9、 11、及び 12の何れか一の癌免疫療法剤。
14.血管新生阻害能を有する物質と併用される前項 2、 5、 7、 9、 11、 12及び 13の 何れか一の癌免疫療法剤。」
からなる。
発明の効果
[0014] 本発明では、免疫療法剤によるパーフォリン産生細胞の動態への影響をマーカー にすることの臨床的意義を見出し、これを測定すれば、より確実にチロシンキナーゼ 阻害剤と免疫療法剤の併用による効果を達成可能である。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]免疫マーカーの寄与度について多変量解析図である。
[図 2]各々の effector細胞中のパーフォリン産生細胞の寄与度を検討した図である。
[図 3]寄与度を比率で見た図である。
[図 4]免疫学的 factorの重要性を検討した図である。
[図 5]免疫学的 factorの重要性を検討した図である。
[図 6]免疫学的 factorの重要性を検討した図である。
[図 7]NK細胞で検討した図である。
[図 8]CD8(+)細胞で検討した図である。
[図 9]肺腺癌における奏効への寄与 (N=50)を示す図である。
[図 10]肺腺癌 (ィレッサ投与後)における奏効への寄与 (N=48)を示す図である。
[図 11]肺腺癌 (ィレッサ投与後)における奏効率 (N=30)を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
[0016] 以下、本発明を詳しく説明するが、本明細書中で使用されている技術的および科 学的用語は、別途定義されていない限り、本発明の属する技術分野において通常の 知識を有する者により普通に理解される意味を持つ。
[0017] 本発明者の医学博士八木田のガン新免疫療法 (NITC)とは 4つの異なる作用機序 を組み合わせることからなる治療手段である。
第一の作用機序は、血管新生阻害物質 (ベターシヤーク)を投与してガンへの血流 を障害してガン縮小をは力る方法である。これは血管内皮細胞増殖因子 (VEGF)を 測定することでその効果の判定が可能である。血管新生阻害作用は VEGF値のマイ ナス(負)値(- VEGF)で評価できる。この VEGF値の代わりに FGF、 HGFなどのその他 の血管増殖因子を用いても血管新生阻害能を評価することが可能である。また VEGFの替わりに血管新生阻害因子の正数値でもその評価が可能である(例えばェ ンドスタチン値)。
[0018] 第-の作用機序は、 β 1 ,3グルカン構造を担持する化合物を投与して Thlサイトカイ ン (TNF o;、 IFN y , IL- 12)を誘導して CTLを活性ィ匕する方法である。 CTL活性は CD8(+)パーフォリン産生能力で判定が可能である力 この CD8(+)パーフォリン値には 細胞障害性 T細胞 (CTL)と免疫抑制性 T細胞 (STC; Suppressor T cell)とがあり、前者 はガン細胞を障害し、後者の活性ィ匕は結果的にガンの増殖につながる。したがって その絶体値では評価はできない。し力し、 IFN y力 S 10 IU/ml以上力もしくは IL-12値が 7.8 pg/ml以上であれば CTLであり、 IFN γと IL-12が低値であれば STCと判定される 。そこで CTL活性は、 IFN y産生能力(IFN y値)もしくは IL-12産生能力 (IL-12値)で 評価が可能である。
[0019] 第三及び第四の作用機序である ex 1 ,3グルカン構造を担持する化合物の投与によ つて活性化される effector細胞は NK細胞と NKT細胞である。この NKと NKT細胞とは NKR-P1(NK細胞受容体 CD161(+》を共有しており、前者について、 CD3(-)CD161(+) の表面マーカーで NK細胞数は測定可能であり、その活性ィ匕は CD3(-)CD161(+)パー フォリン産生能力で判定が可能である。一方後者の NKT細胞は CD3(+)CD161(+)で
その細胞数は測定が可能となり、そのパーフォリン産生能力(NKTP(+)と記す)で NKT 細胞の活性ィ匕は測定可能である。
[0020] したがってガン治療にお!、て新免疫療法 (NITC)であっても一般的な免疫療法で あっても以下の測定項目でそれぞれの effector細胞もしくは血管新生阻害作用を評 価することが可能である。具体的には、 CTL活性は IFN yあるいは IL-12の産生誘導 能力で評価が可能である。 NK細胞の活性ィ匕は CD3(-)CD161(+)で、もしくは
CD3(- )CD161(+)パーフォリン値でも評価可能である。 NKT細胞の活性ィ匕は
CD3(+)CD161(+)で、もしくは CD3(+)CD161(+)パーフォリン値 (NKTP値)でも評価が 可能である。
[0021] 本発明は、上記の新免疫療法にチロシンキナーゼ阻害剤を併用することによる臨 床における結果を検討することにより行われた。本発明者は、新免疫療法 (NITC)と して、ガン患者に a 1 ,3グルカン構造を担持する化合物、 /3 1 ,3グルカン構造を担持 する化合物と血管新生阻害作用物質 (サメ軟骨)を併用し、 IL-12、 IFN y他の各種サ イト力インを測定した。なお、 CD8(+)パーフォリン産生は、 IFN y及び IL-12の産生とは 強い正の相関性が存在し、この結果、 CD8(+)パーフォリン産生の測定は CTL活性ル ートの評価に意義があることを見出している。本発明では、新免疫療法にチロシンキ ナーゼ阻害剤を併用し、その有効患者の腫瘍細胞障害細胞の特定を行い、
NKTP (+)〔CD3(+)CD161(+)パーフォリン (+)〕、 NKT8(+)P (+)〔CD3(+)CD161(+)CD8(+) パーフォリン (+)〕、 CD8(+)P(+丌 CD8(+)パーフォリン (+)〕T細胞、及び ΝΚΡ(+丌
CD3(-)CD161(+)パーフォリン (+)〕に強い寄与度を確認した。そして、 IFN yや IL-12で は活性ィ匕されないが、 Thl/Th2比に依存的である effector細胞の存在を確認した。こ の細胞はパーフォリンと非常に強い関連性をもち、本発明者は CX3CR1類似細胞で あるとして Y細胞と仮称した。この細胞は、 IL-21で活性化される IL-21介在性反応に 関連するものと推定された。
[0022] この意義により免疫療法剤とチロシンキナーゼ阻害剤の併用において、少なくとも パーフォリン産生細胞の測定は、チロシンキナーゼ阻害剤との併用において有用な 癌免疫療法剤のスクリーニング方法に適用可能であり、このスクリーニング方法を利 用すればチロシンキナーゼ阻害剤との併用にお 、て有用な癌細胞障害性を機能を
担持する新規 ι8 1,3グルカンの特定が可能である。本発明で使用する、癌免疫療法 剤は、例えば、 β 1,3グルカン構造を持つ茸菌糸体組成物製剤 (例えば ILXffi^ :東 西医薬研究所、 ILYffi^ :セイシン企業)、或は j8 1,3グルカン構造を持つ各種酵母( 海洋性酵母、パン酵母、 NBG™)が利用できる。特に海洋性酵母が好ましい。また、 新規な癌免疫療法剤は、パーフォリン産生細胞の測定を組み合わせることで当業者 には容易に特定可能である。この方法により、本発明では海洋性酵母が、チロシンキ ナーゼ阻害剤との併用において有用な癌免疫療法剤として最適であり、この系は CX3CR1発現細胞も活性ィ匕しているものと考えられた。
[0023] 本発明では、この癌免疫療法剤とチロシンキナーゼ阻害剤の併用が必須である。
具体例では、 ZD1839 (ィレッサ商品名)又は STI571 (ダリベック商品名)を使った力 各種チ 口シンキナーゼ阻害剤が有効に利用できる。それらの標的分子として、 HER2/neu、 HER3、 HER4、 c-kit、 PDGFR、 bcr- abl、 EGFR等が例示される。最も効果的な分子は EGFR又は C- kitである。
チロシンキナーゼ阻害剤の投与量は、各分子標的化合物の推奨投与量に従うが、
10— 500mg/日の経口投与がおこなわれる。
[0024] 癌免疫療法剤とチロシンキナーゼ阻害剤の併用は、特に限定はされな 、が、治療 初期からでもよいし、どちらを先行させても良い。具体例では、 NITC療法特に癌免疫 療法剤を一定期間投与後に、チロシンキナーゼ阻害剤を併用し、劇的な臨床効果を 確認した。
[0025] 本発明では、癌免疫療法剤として、 IL-12産生誘導剤に加えて、 NK活性化剤又は NKT活性化剤の併用が可能である。 -ゲロオリゴ糖、フコィダン等の a 1,3グルカン構 造を持つ化合物の組成物製剤が NK活性化剤又は NKT活性化剤として有用である。 a 1,3グルカン構造を持つ化合物は種々知られており、この既知構造と CD3 (-) CD161 (+)、 CD3 (-) CD161 (+)パーフォリン産生能、 CD3 (+) CD161 (+)、 CD3 (+) CD161 (+)パーフォリン産生能の測定を組み合わせれば当業者は容易に NK活性ィ匕 剤を特定可能である。なお、 CD3 (+) CD161 (+)は NKT細胞の受容体 NKR-P1に作用 することを意味する。
[0026] a 1,3グルカン構造の糖類物質としては、例えば、 -ゲロオリゴ糖 (TSO)、フコイダ
ン、硫酸オリゴ糖等が挙げられる。
-ゲロオリゴ糖は、 3—0— a D ダルコビラノシルー D グルコースを構成単位して 含有する糖類である。代表的なものとしては、 -ゲロース、 -ゲロシルグルコース、二 ゲロシルマルトース等が挙げられる。
[0027] また、市販されている-ゲロオリゴ糖としては、 -ゲロオリゴ糖液糖 (販売者'武田食 品工業株式会社)が挙げられるが、これが含有する主な-ゲロオリゴ糖は (1) -ゲロ ース a— D— Glcp— (1,3)— D— Glc (2) -ゲロシルグルコース a— D— Glcp— (1,3)— α - D- Glcp- (1,4) - D- Glc (3) -ゲロシルマルトース a - D- Glcp- (1,3) - a - D- Glcp- (1,4) - a - D- Glcp- (1,4) - D- Glc (なお、 Glcはグルコース、 pはビラノースの略号であ る)である。
フコィダンは、狭義ではフコースの 2— 6分子に硫酸 1分子が結合した硫酸ィ匕フコー ス含有多糖類であり、これにキシロースあるいはゥロン酸を含有したフコィダン様多糖 体を食品レベルで「フコィダン」と称している。フコィダンは、例えばコンブを破砕し、 チップ化し、水溶液成分を抽出した後、抽出残渣を遠心分離により除去し、ョードや 塩ィ匕ナトリウム等の低分子物質を限外ろ過により除去して凍結乾燥ィ匕して製剤化さ れる。
フコィダンとしては、褐藻類由来フコィダン、例えばガゴメコンブ由来のフコィダン、 およびォキナヮモズク由来フコィダン等が例示される。ガゴメコンブ等の褐藻類コンブ 科由来のフコィダンには少なくとも 3種類のフコィダン、 F フコィダン( a L フコー スのポリマー)、 U フコィダン( 13 D—グルクロン酸と a—D マンノースを主鎖とし、 側鎖に a Lーフコースをもつ)、 G フコィダン( |8— D ガラクトースを主鎖とし、側鎖 に α Lーフコースをもつ)、が存在しており、いずれのフコイダンもフコースが硫酸化 されている。
[0028] 硫酸オリゴ糖としては、例えば株式会社白子製のスサビノリ(Poryphyra Yezaensis) 由来の抽出物があげられる。該抽出物の主成分は ex 1,3結合のガラクタン硫酸のオリ ゴ糖と ex 1,3結合および β 1,4結合よりなるガラクタン硫酸のオリゴ糖である。
[0029] 本発明のチロシンキナーゼ阻害剤と癌免疫療法剤、 CTL活性化剤 (IL-12産生誘 導剤、 INF y産生誘導剤)との併用、更には NK活性化剤、 NKT活性化剤、新生血管
阻害剤との併用は、その適用法を選別することで肺ガン (肺扁平上皮ガン、肺腺ガン 、小細胞肺ガン)、胸腺腫、甲状腺ガン、前立腺ガン、腎ガン、膀胱ガン、結腸ガン、 直腸ガン、食道ガン、盲腸ガン、尿管ガン、乳ガン、子宮頸ガン、脳ガン、舌ガン、咽 頭ガン、鼻腔ガン、喉頭ガン、胃ガン、肝ガン、胆管ガン、精巣ガン、卵巣ガン、子宫 体ガン、転移性骨ガン、悪性黒色腫、骨肉腫、悪性リンパ腫、形質細胞腫、脂肪肉 腫等の治療に有効である。
[0030] 本発明に係るチロシンキナーゼ阻害剤と癌免疫療法剤、 CTL活性化剤 (IL-12産生 誘導剤、 INF y産生誘導剤)の併用、更には NK活性化剤、 NKT活性化剤、新生血管 阻害剤との併用は、その活性ィ匕を誘導または増強し、さらに活性化を維持できる処 方にて用いられる。すなわち、その活性ィ匕を誘導または増強し、さらに活性化を維持 できる投与量、ならびに投与期間を選択して用いられる。具体的には、その投与量は 、 NK活性化剤又は NKT活性化剤であるひ- 1,3グルカン構造を持つ化合物は lg— 4 OgZ日程度、好ましくは 5g— 20gZ日程度で、 CTL活性化剤 (IL- 12産生誘導剤、 INF y産生誘導剤)である β -1,3グルカン構造を持つ化合物は lg— 10gZ日程度、 好ましくは 3g— 6gZ日程度である。また、投与期間は一般的には 10日間一 24ヶ月 間、投与頻度は隔日又は 1一 3回 Z日で、好ましくは連日投与である。当該癌免疫療 法剤、 CTL活性化剤 (IL-12産生誘導剤、 INF y産生誘導剤)、 NK活性化剤、 NKT活 性化剤は、好適には経口摂取される。
[0031] 抗ガン (化学療法)剤、放射線、あるいはステロイド併用療法を、本発明の併用に加 えて行う場合には、 2種類の免疫系のうち、 TNF Q;→IFN Y→IL- 12→キラー T細胞の 系統が著しく障害される。そのためこれらは本発明では用いないことが好ましい。但し 抗ガン剤を投与するとき、上記の免疫系を障害しない投与法である低濃度化学療法 すなわち 5FU、 UFT、ミフロール、フルツロン、 CDDP ^ /z g—lO /z g)の低濃度の投 与法やタキソテールあるいはタキノール、アドリアマイシン、マイトマイシン、 CPT-11 などの低濃度抗ガン剤の投与法等を適用することは有用である。また同様に放射線 療法にお!ヽて低容量照射の適用、ステロイド療法にぉ ヽても低濃度投与等を選択す る必要がある。
[0032] 細胞および各サイト力インの測定方法を以下に例示する。
(NKT細胞の測定)(NK細胞の測定)(CD8の測定)
NKR-P1を有する NKT細胞の測定は、 NKT細胞の細胞表面に特異的に存在する細 胞表面抗原(CD3および CD161)の測定により行うことができる。具体的には、末梢血 中のリンパ球について、 CD3が陽性でかつ CD161が陽性〔CD3(+)CD161(+)〕の細胞 を検定する。つまり、 NKT細胞の細胞表面抗原である CD3および CD161を、モノクロ ーナル抗体を用いてフローサイトメトリーを使用する Two Color検査により測定する。 ここで NKT細胞が活性化されているとは、リンパ球の中で NKT〔CD3(+)CD161(+)〕細 胞の割合が 10%以上、より好ましくは 16%以上であることをいう。 NKT細胞活性ィ匕能 とは、 NKT細胞の割合を 10%以上、より好ましくは 16%以上に増加せしめる機能、ま たはある物質を投与する前の NKT細胞の割合より更に増強せしめる機能を意味する 同様に〔CD3(-)CD161(+)〕とは CD3が陰性でかつ CD161が陽性の細胞を検定する ことである。この方法は NK細胞の測定に有用である。
さらに CD8(+)とは CD8が陽性の細胞を検定することである。この方法は CTL活性の 測定に有用である。
[0033] 実施例ではガン患者の血液を用いて、血中細胞につ!、て細胞表面抗原である
CD3、 CD161、 CD8について陽性'陰性で区別し、各細胞の割合を、フローサイトメト リーを用いた Two Color検査により常法通り測定した。このとき CD3、 CD161、 CD8に 対するモノクローナル抗体は、それぞれコールター社製又はべタトンディッキンソン社 製のものを使用した。
[0034] (パーフォリン産生細胞の測定)
末梢血中のリンパ球について、細胞表面抗原である CD3、 CD161、 CD8のうち 2者と パーフォリンについてフローサイトメトリーを用いた Three Color検査により常法通り測 定する。具体的には、採取した血液に固定液をカ卩えて細胞を固定し、膜透過液を添 加後、抗パーフォリン抗体(Pharmingen社製)を添カ卩して反応させ、さらに PRE— Cy5 標識二次抗体 (DAKO社製)を添カ卩して反応させ、っ 、で抗 CD3- PE (Coulter 6604627)抗体および抗 CD161-FITC (B- D)抗体を添カ卩して反応させ、その後フロー サイトメトリーで測定する。図 ·表中での略語は P又は PERと表示した。
[0035] (サイト力インを測定するための試料の調製)
まず、血液より単核球画分を分離調製する。へパリン加末梢血をリン酸緩衝生理食 塩水(Phosphate Buffered Saline) (PBS)で 2倍に希釈して混和した後、 FicoU- Conray 液 (比重 1. 077)上に重層し、 400Gで 20分間遠沈後、単核球画分を採取する。洗 浄後、 10%牛胎児血清(FBS)をカ卩えた RPMI - 1640培地をカ卩え、細胞数を 1 X 10 6個となるように調製する。得られた細胞浮遊液 200 1にフイトへマダルチュン( Phytohemagglutinin) (DIFCO社製)を gZmlの濃度となるように加え、 96穴マイ クロプレートにて 5%CO存在下、 37°Cで 24時間培養し、該培養した細胞溶液中の
2
サイト力インを測定する試料とする。
[0036] (IL- 12の測定)
IL-12量の測定は自体公知の臨床、生化学的検査を利用できる力 R&D SYSTEMS 社や MBL社より入手することのできる酵素免疫測定法 (ELISA)による測定キットが使 用される。ここでは R&D SYSTEMS社の測定キットを用いた。実際には 96穴マイクロプ レートの各穴に測定用希釈液 Assay Diluent 1¾ を50 1、標準液(standard)また は前記サイト力イン測定用試料の調製法で調製した試料を 200 μ 1ずつ分注した後、 室温にて静置して 2時間反応させた。その後、西洋わさびパーォキシダーゼ (horse radish peroxidase) (HRP)標識抗 IL- 12抗体を 200 μ 1ずつ分注し 2時間室温で静置 した。各穴の反応液を除去し 3回洗浄後、発色基質溶液を 200 1ずつ分注し、 20分 間室温静置後、酵素反応停止溶液を 50 1ずつ分注した。 550nmを対照として 450 nmにおける各穴の吸光度を Emax (和光純薬株式会社製)にて測定した。 IL-12量 は、 pgZmlとして表される。ここで IL-12産生誘発能とは、末梢血単核球画分が刺激 により産生する IL-12量を、 7. 8pgZml以上に増強せしめる機能、またはある物質を 投与する前の IL-12産生量より増強せしめる機能を意味する。
[0037] (IFN yの測定)
IFN yの測定は、 BioSource Europe S.社の IFN y EASIAキットを用いて、酵素免 疫測定法 (EIA法)で測定した。実際には 96穴マイクロプレートの各穴に標準液( standard)または上記調製した試料を 2倍に希釈したものを 50 1ずつ分注し、 HRP 標識抗 IFN— γ抗体を 50 μ 1ずつ分注し更に振盪しながら 2時間室温で反応させた。
各穴の反応液を除去し 3回洗浄後、発色基質溶液を 200 1ずつ分注し、振盪しなが ら 15分間室温で反応させ、酵素反応停止溶液を 50 1ずつ分注した。 630nmを対 照として 450nmおよび 490nmにおける各穴の吸光度を Emax (和光純薬株式会社 製)にて測定した。 IFN y量は、 IUZmlとして表される。
[0038] (Thl/Th2比)
Thl/Th2比とは、細胞表面抗原 CD4を有するヘルパー T細胞の中で、 Ν γを産生 する細胞 (Thl)と IL-4を産生する細胞 (Th2)の比率を表すもので、 CD4(+)IFN y (+)/CD4(+)IL- 4(+)と記す。 Thl/Th2細胞比は、フローサイトメトリーによるヘルパー T( Th)細胞系統 Three Color解析検査によって当業者には公知である常法を用いて、 具体的には国際公開公報 WO 02/04944号に記載の方法を用いて検定した。
[0039] (血管新生阻害能の測定)
(血管内皮細胞増殖因子/ VEGFと、塩基性繊維芽細胞増殖因子/ bFGF、及び血 管新生阻害因子エンドスタチン/ endostatinの測定)
巿販キットの各酵素免疫固相法(ELISA: enzyme linked immuno sorbent assay) ( ACCUCYTE Human VEGF, ACCUCYTE Human bFGF, ACCUCYTE Human Endostatin: CYTIMMUNE Sciences Inc.)で血清中濃度を測定した。
[0040] なお、臨床検査に用いた各マーカーは何れも市販品を用い、各推奨の方法により 測定値を示した。表示される略字は各一般的な表示方法によった。
[0041] 患者の効果判定は、次の CR (完全寛解)、 PR (部分寛解)、 LNC (長期不変)、 SNC
(短期不変)、 PD (病状進行)の 5段階判定を行った。また、各癌種での奏効率とは、 各癌種の全症例中の CR、 PR、 LNC、 SNC、 PDの割合を示す。
実施例
[0042] 以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限 定されるものではない。
新免疫療法 (MTC)として進行末期癌症例に対し治療を行ってきた。この NITCは β -1,3グルカンの投与で内因性 TNF α、 IFN γ、 IL- 12を誘導して CTL (キラー T細胞 )を活性化し、かつ α -1,3グルカンの投与で ΝΚおよび ΝΚΤ細胞の活性化をはかると 共にベターシヤークの経口投与で血管新生阻害をは力る BRM療法である。患者には
、癌免疫療法剤、 IL-12産生誘発剤、サメ軟骨 (セイシン企業)、及び o 1 ,3構造をも つ糖類等を、各推奨処方により投与された。また、 IL-12産生誘導剤として、 ILX (東 西医薬)、 ILY (セイシン企業)、クレスチン (三共)、イミュトール (NBG)等を患者の症 状により、単独又は併用して投与がなされた。
なお、本実施例での IL- 10量の測定は、 Bio Source Europe製のキットを用いた ELISA法にて行った。実際には 96穴マイクロプレートの各穴に標準液または前記サ イト力イン測定用試料の調製法で調製した試料を 50 1ずつ分注した後、室温にて 2 時間反応させた。各穴の反応液を除去し、 3回洗浄後、パーォキシダーゼ標識抗ヒト IL-10モノクローナル抗体を 50 1ずつ分注し、室温にて 2時間反応後、各穴の反応 液を除去し、 3回洗浄した。発色基質溶液を 200 1ずつ分注し、 25分間室温静置後 、酵素反応停止溶液を 50 1ずつ分注した。 620nmを対照として 450nmにおける 各穴の吸光度を Emax (和光純薬株式会社製)にて測定した。 IL-10量は、 pgZmlと し一 し/こ。
NITCを施行し有効性が認められた肺腺癌患者を対象にィレッサ (ゲフニチブ)
250mg/日を経口投与した。対象患者は 37例で奏効における種々の免疫マーカーの 寄与度について多変量解析 (口ジステック解析)を施行した。その結果、寄与度 1.0以 上もしくは 1.0以下の factorは、 NKT細胞〔CD3(+)CD161(+)細胞〕、なかでも
NKT8(+)T細胞〔CD3(+)CD161(+)CD8(+)細胞〕と Thl/Th2比、 IFN y、 IL- 12であり、マ ィナス要因としては IL- 10であった(図 1)。なお、以下で図中 NKT(8+)は NKT8(+丌 CD3(+)CD161(+)CD8(+)〕、 NKT(4+)は NKT4(+)〔CD3(+)CD161(+)CD4(+)〕と同義であ る。また、(P+)と P(+)とも同義である。
っ 、で癌細胞を障害するに際し、各 effector細胞では対象となる腫瘍細胞にパーフ ォリンあるいはグランザィム B蛋白を注入して、細胞障害性を発揮することが知られて いることから、各々の effector細胞中のパーフォリン産生細胞の寄与度を検討した(図 2)。その結果、寄与度 1.0あるいは 1.0を超えるものは NKT P(+)〔CD3(+)CD161(+)パ ーフォリン (+)〕、なかでも NKT8(+)P(+)〔CD3(+)CD161(+)CD8(+)パーフォリン (+)〕細胞 であり、 CD8(+)P(+)T〔CD8(+)パーフォリン (+)〕細胞であった。また、 Thl/Th2比と IL-12および IL- 10も寄与度は高かった。
さらに寄与度を比率で見た場合は、 ALL/NKT8(+)〔CD3(+)CD161(+)CD8(+)パーフ ォリン (+)/ CD3(+)CD161(+)CD8(+)〕、 CD8(+)P(+)/CD8(+丌 CD8(+)パーフォリン (+)/CD8(+)〕、 Thl/Th2比、及び IL- 10で有意であった(図 3)。
[0044] 以上の結果をまとめると MTCとィレッサの併用で effector細胞として注目される細胞 は CD3(+)CD161(+)CD8(+)パーフォリン産生細胞と CD8(+)パーフォリン T細胞が最も 細胞障害性が強いと考えられる。また、その時の免疫学的作用として注目される factorは、 Thl/Th2比と IL- 10と考えられた。
[0045] 次に、 NITCとィレッサの併用療法において有効群 23例と無効群 14例において、い ずれの免疫学的 factorが重要かを検討し図 4、図 5、図 6に示した。 NKT8(+) [ CD3(+)CD161(+)CD8(+)〕細胞では、 NKT8(+)P(+)〔CD3(+)CD161(+)CD8(+)パーフォ リン (+)〕細胞が、無効例に比較して有効例で有意に増加していた。逆に NKT4(+)P(+) 〔CD3(+)CD161(+)CD4(+)パーフォリン (+)〕細胞では、有効と無効とで差が認められな かった。
[0046] NK細胞で検討すると、 NKP(+)/NK(CD3(— )CD161(+)パーフォリン (+))
/CD3(-)CD161(+)細胞での比にお!、てのみ(P〈0.05)有効群で増加して 、た(図 7)。
[0047] CD8(+)細胞では、 CD8(+)P(+)/CD8(+)〔CD8(+)パーフォリン (+)/CD8(+)〕の比率が P く 0.01の危険率で差が認められた(図 8)。
[0048] 従って、 NITCとィレッサの併用症例では、 NKT8(+)P(+) > CD8(+)P (+) > NKP (+) の順に重要であり、 V、ずれもパーフォリン産生細胞が重要な effector細胞であることが 判明した。
[0049] 以上の分析から、 NKT8(+)P (+)〔CD3(+)CD161(+)CD8(+)パーフォリン (+)〕細胞、
CD8(+)P (+)〔CD8(+)パーフォリン (+)〕 T細胞、 NK P (+)〔CD3(- )CD161(+)パーフォリン (+)〕細胞力 癌細胞を障害する際の effector細胞であることが明らかになった力 この ような細胞に共通して発現して 、る細胞が最近見出されて 、る(非特許文献 3 & 4)。 それは、 CX3CR1のケモカインを発現している細胞であって、パーフオリンゃグランザ ィム B陽性細胞で、強 、細胞障害性を発揮できる細胞であることが確認されて 、る。 この CX3CR1発現細胞では、 NK細胞、単球 T細胞(CD4、 CD8、 y δ Τ細胞)というサ ブセットを越えた細胞に発現し、強い細胞障害性を示すことが報告されている。今回
確認された effector細胞では、 NITCとィレッサ併用投与で誘導される細胞であり、少 なくともパーフォリン産生細胞である、 NKT8(+)P (+)〔CD3(+)CD161(+)CD8(+)パーフォ リン (+)〕細胞が最も強力であった。っ 、で CD8(+)P(+)〔CD8(+)パーフォリン (+)〕 T細胞 、 NK P (+)〔CD3(-)CD161(+)パーフォリン (+)〕細胞の順に細胞障害性を有して!/、たが 、この細胞は、極めて CX3CR1発現細胞と類似している。
海洋性酵母はこの細胞群を活性ィ匕することみ 、だしており、 NITCあるいは海洋性 酵母群は、 CX3CR1発現細胞を活性ィ匕して ヽるものと考えられる。
A. 肺腺癌における奏効への寄与 (N=50)
図 9に示すように、 NITC単独では、 IFN- γと IL-12の寄与度が高ぐその時の effector細胞が、 NKT8(+)P(+)/NKT8(+)〔CD3(+)CD161(+)CD8(+)パーフォリン
(+)/CD3(+)CD161(+)CD8(+)]細胞、 CD8(+)P(+)/CD8(+)〔CD8(+)パーフォリン
(+)/CD8(+)〕T細胞、 NK P(+)/NK〔CD3(— )CD161(+)パーフォリン (+)/CD3(— )CD161(+) 〕細胞の順に活性が高い。
B. 肺腺癌 (ィレッサ投与後)における奏効への寄与 (N=48)
図 10に示すように、 NITCとィレッサの併用では、 IFN- γと IL-12は活性ィ匕されないが Thl/Th2比バランスでコントロールされる effector細胞があり、その細胞傷害性は、 CD8(+) P(+)/CD8(+)〔CD8(+)パーフォリン (+)/CD8(+)〕 T細胞、 NKT8(+)P(+)/NKT8(+) 〔CD3(+)CD161(+)CD8(+)パーフォリン (+)/CD3(+)CD161(+)CD8(+)〕細胞、 NK P(+)/NK〔CD3(- )CD161(+)パーフォリン (+)/CD3(- )CD161(+)〕細胞の順に活性が高 い。
上記 A.の NITCで誘導される CX3CR1保有細胞は、 B.の NITCとィレッサ併用時に誘 導される CX3CR1保有細胞と類似する Y細胞 (仮称)に比較して細胞傷害性の力価は 少し劣ると考えられる。
また、 Y細胞では、 IFN- γや IL- 12に非依存性であるが Thl/Th2比に依存的である
CD8(+)P(+)、 NKT8(+)P(+)、 NKP(+)の順に細胞傷害性の力価が低下する力 図 11 によると、 No.1— No.6までの粟粒性肺内転移を起こした末期癌でも、他臓器転移を起 こした末期癌でも(強力な免疫抑制がある状態)細胞傷害性を発揮できる強力な細胞
(Y細胞)への刺激が行われていると考えられる。この Υ細胞は、 IL-21媒介反応によつ て活性化される細胞と考えられる(The Journal of Immunology, 2003, 171: 608-615) この IL-21 activate細胞では、 TH1サイト力インや Th2サイト力インに非依存的で CD4(+)T細胞にも影響されない。また、 CD8(+)、 NK細胞で免疫細胞に障害されにく い細胞でも強力な細胞障害を示すこと、 IL-21Rを介すことなどが知られている力 Y 細胞と極めて類似している。
Y細胞は、 IL-21で活性ィ匕し培養して本人に戻したり、拒絶反応を調整して (たとえ ば HLAが同じ症例)他人でも投与可能とする。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明の細胞動態の検査方法を用いることにより、チロシンキ ナーゼ阻害剤と癌免疫療法剤との併用にお ヽて癌治療の有効性を検査することが でき、より有効に癌治療を行うことが可能となる。また、本発明のスクリーニング方法を 用いることにより、チロシンキナーゼ阻害剤との併用において優れた効果を有する癌 免疫療法剤が得られ、当該癌免疫療法剤は癌治療に効果的に用いることができる。