WO2004010991A1

WO2004010991A1 - 血流改善食品

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Publication number: WO2004010991A1
Application number: PCT/JP2003/009617
Authority: WO
Inventors: Kinya Takagaki; Takeshi Mitsui; Keiichi Abe
Original assignee: Toyo Shinyaku Co Ltd; Suntory Ltd
Current assignee: Toyo Shinyaku Co Ltd; Suntory Ltd
Priority date: 2002-07-29
Filing date: 2003-07-29
Publication date: 2004-02-05
Anticipated expiration: 2005-01-29
Also published as: US20050158409A1; KR20050078663A; EP1547591A1; CA2493790A1; AU2003252716A1; CN1671372A

Abstract

本発明の組成物は、プロアントシアニジンを有効成分とし、さらにアスコルビン酸またはその誘導体を含有することによって、血液の流動性を改善し、かつ優れた血管保護効果を発揮する。この組成物は、血液の流動性を改善する食品組成物もしくは医薬品組成物であり得る。この組成物は、特に飲料として有用である。

Description

血流改善食品

技術分野

本発明は、プロアントシァ-ジン（proanthocyanidin) を有効成分とする、血液流動性改善組成物に関する。この組成物は、血液の流動性を改善する食明

品糸且成物もしくは医薬品糸且成物であり得る。また、本発明は、さらに、プロ田

アントシァニジンとァスコルビン酸またはその誘導体とを含有する飲料（飲料組成物）を提供する。この飲料は、血液流動性改善作用を有する飲料として、有用である。

背景技術

近年、食生活の欧米化、運動不足、過度なストレスなどの生活環境の変化によって、動脈硬化症、脳梗塞などの血液や循環器系に関連した疾患、ならぴに高脂血症、糖尿病などの血液循環へ悪影響を及ぼす疾患が増加してきている。これらの疾患は、微小血管や毛細血管の血流の低下を起こすため、生体に様々な悪影響を与える危険性が指摘されている。また、血流が、皮膚のかゆみ、疲労、高血圧などと関係があることも、指摘されている。

一般に、血液の循環、すなわち血流は、（1 ) 高脂質、高血糖により血液の流動性が悪くなること、（2 ) 血球の流動性、すなわち赤血球や白血球の柔軟性の低下や粘着性が増大すること、（3 ) 血小板の凝集能が高まること、などによって影響を受けて低下する。特に、赤血球おょぴ白血球などの血球は、血液の体積の約 4 0 %を占めるといわれ、微細な血管においては特に血液の流動性に影響を与える。このような血流が低下している状態が長く続くと、例えば、血管の柔軟性が失われる、赤血球の柔軟性が悪くなる、微小血管において赤血球または白血球が詰まりやすくなる、血栓を形成しやすくなるなどの現象を引き起こし、上記循環器系疾患の発症の一因となる。重篤な場合は、血液の流れが止まり、その周辺部での a織の壊死が起こる。それゆえ、「生体内の血液の流れやすさ」は、健康を維持する上で重要視されるようになつている。

これまでに、血流を改善する可能性がある食品およぴ食品成分が多数報告されている。例えば、身近な食材では、黒酢、梅干しなどが挙げられる。また、特開平 7— 1 3 8 1 6 8号公報では、魚類胆汁の極性溶媒抽出物が血液の流動性を改善することが報告されている。さらに、特開 2 0 0 2— 9 7 1 4 3号公報では、ダルコサミン塩またはダルコサミン誘導体が血栓予防または血液の流動性を改善することが報告されている。し力しながら、血流改善. は、主に血液の流動性に関する作用によるものがほとんどであり、血流の改善と同時に血管の強度や弾力性の改善、すなわち血管保護効果を有する成分を配合した食品または医薬組成物は提供されていない。一方、特開 2 0 0 0 - 1 3 5 0 7 1号公報には、血管の強化作用に関して、ワイン搾汁粕抽出物がポリフエノール含有抽出物よりも優れた効果を有することが開示されている。し力し、血液の流動性に関しては何ら検討が行われていない。

したがって、真の意味での生体内における血流の改善、すなわち、血液の流動性を改善し、かつ優れた血管保護効果を有する、血液流動性改善,祖成物が望まれている。発明の開示

そこで発明者らは、体内の血液の流動性を改善する組成物について鋭意検討したところ、プロアントシァ-ジンを有効成分とする組成物が、優れた血液の流動性改善作用と血管保護作用とを有することを見出した。この血液の流動性の改善は、赤血球、白血球などの血球の流動性が改善されたことによると考えられる。

すなわち、本発明は、プロアントシァニジンを有効成分とする血液流動性改善組成物を提供する。

好ましい実施様態は、前記組成物が、血球の流動性を改善する組成物である。 . .

より好ましい実施態様では、上記組成物はさらにァスコルビン酸またはその誘導体を含有する。

さらに好ましい実施様態では、上記プロアントシァニジンの 2 0重量％以上力 O P C (oligomeric proanthocyanidin) で構成さォしてレヽる。

本発明は、また、プロアントシァニジンと、ァスコルビン酸またはその誘導体とを含有する飲料に関する。

好ましい実施態様では、前記プ口アントシァ-ジンとァスコルビン酸またはその誘導体とが、重量比で 1 ： 0 . 1〜5 0 0の割合で含まれている。好ましい実施態様では、前記プロアントシァニジンが 1 m g / L以上の濃度で飲料に含まれている。

好ましい実施態様では、前記飲料が茶飲料である。

また、好ましい実施態様では、前記飲料が血液流動性改善作用を有する。

図面の簡単な説明

図 1は、松樹皮抽出物含有飲料および松樹皮抽出物非含有飲科をそれぞれ摂取した場合の冷水負荷直後およぴ冷水負荷 3分後の指先温度を示す（被験者 1 ) 。

図 2は、松樹皮抽出物含有飲料おょぴ松樹皮抽出物非含有飲料をそれぞれ摂取した場合の冷水負荷直後および冷水負荷 3分後の指先温度を示す（被験者 2 ) 。発明を実施するための最良の形態

以下、まず、本発明の血液流動性改善組成物に用いられる成分について説明し、次に、本発明の血液流動性改善組成物およびプロアントシァニジンとァスコルビン酸またはその誘導体とを含有する飲料について説明する。なお、以下に説明する構成は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができることは当業者に明らかである。

(プロアントシァニジンおょぴその材料）

本発明において、プロアントシァニジンとは、フラパン一 3—オールおよぴ Zまたはフラバン一 3， 4ージオールを構成単位とする重合度が 2以上の縮重合体からなる化合物群をいう。

プロアントシァニジンは、種々の活性を有することが知られており、代表的には、抗酸化作用が挙げられる。

本明細書では、プロアントシァニジンのうち、フラバン一 3—オールおよぴ Zまたはフラバン一 3， 4ージオールを構成単位とする重合度が 2〜4の縮重合体を、 O P C (オリゴメリック 'プロアントシァニジン； oligomeric proanthocyanidin) という。〇P Cは、ポリフエノールの一種で、植物が作り出す強力な抗酸化物質であり、ヒトの体內では、生成することのできない物質である。

O P Cは、植物の葉、樹皮、果物の皮もしくは種の部分に集中的に含まれている。具体的には、松、樫、山祧などの樹皮、ブドウ、プルーベリー、ラズベリー、クランベリー、イチゴ、アポガド、ニセアカシア、コケモモの果実もしくは種子、大麦、小麦、大豆、黒大豆、カカオ、小豆、トチの実の殻、ピーナッツの薄皮、イチヨウ集などに含まれている。また、西アフリカのコーラナッツ、ペルーのラタユアの根、日本の緑茶にも、 O P Cが含まれることが知られている。

従って、プロアントシァニジンとしては、上記の O P Cを多く含む樹皮、果実もしくは種子の粉碎物、またはこれらの抽出物などの、食品原料を使用することができる。特に、松樹皮の抽出物を用いることが好ましい。松樹皮は、プロアントシァ-ジンの中でも O P C fc富むため、本発明においてプロアントシァェジンの原料として好ましく用いられる。

(プロアントシァニジンの調製）

以下、 O P Cを豊富に含む松樹皮の抽出物を例に挙げて、プロアントシァ二ジンの調製方法を説明する。

松樹皮抽出物としては、フランス海岸松（Pi皿 s Martima) 、カラマツ、クロマツ、了力マツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキユウマツ、ゥックシマツ、ダイォゥマツ、シロマツ、カナダのケべック地方のァネダなどのマツ目に属する植物の樹皮の抽出物が好まし-く用いられる。中でも、フランス海岸松（Pinus Martima) の樹皮抽出物が好ましい。

フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松の樹皮は、プロアントシァニジン、有機酸、ならびにその他の生理活性成分などを含有し、その主要成分であるプロアントシァ二ジンに、活性酸素を除去する強い抗酸化作用があことが知られている。松樹皮抽出物は、上記の松樹皮を水または有機溶媒で抽出して得られる。水を用いる場合には、温水または熱水が用いられる。抽出に用いる有機溶媒としては、食品あるいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が用いられ、例えば、メタノール、エタノーノレ、 1一プロパノーノレ、 2—プロパノール、 1一ブタノール、 2ーブタノ一ノレ、アセトン、へキサン、シクロへキサン、プロピレンダリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコー/レ、ェチ /レメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸ェチル、ジェチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、 1 , 1 , 1 , 2—テトラフルォロェタン、およぴ 1， 1 , 2—トリクロロェテンが挙げられる。これらの水おょぴ有機溶媒は単独で用いてもよいし、組合わせて用いてもよい。特に、熱水、含水エタノール、および含水プロピレングリコールが好ましく用いられる。

松樹皮からプロアントシァニジンを抽出する方法は、特に限定されないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などが用いられる。

超臨界流体抽出法は、物質の気液の臨界点（臨界温度、臨界圧力）を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流 ί卒としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素（笑気ガス）などが用いられ、二酸化炭素が好ましく用いられる。

超臨界流体抽出法は、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程および目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程からなる。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、または吸着剤ノ吸収剤を用いた抽出分離のレ、ずれを行ってもよい。

また、ェントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、超臨界流体に、例えば、エタノール、プロパノール、 η—へキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、またはケトン類を 2 〜 2 O WZV%程度添加し、得られた抽出流体で超臨界流体抽.出を行うことによって、 O P C、カテキン類（後述）などの目的とする被抽出物の抽出流体に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的に松樹皮抽出物を得る方法である。

超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操作できるため、高温で変質，分解する物質にも適用できるという利点；抽出流体が残留しないという利点；および溶媒の循環利用が可能であり、脱溶媒工程などが省略でき、工程がシンプルになるという利点がある。

また、松樹皮からの抽出は、上記の方法以外に、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸ィヒ炭素還流法などにより行ってもよい。松樹皮からの抽出は、複数の抽出方法を組み合わせてもよレ、。複数の抽出方法を組みわせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可言 gとなる。

本発明の血液流動性改善糸且成物においてプロアントシァニジンとして用いられる松樹皮抽出物は、具体的には、以下のような方法によりに調製される力これは例示であり、この方法に限定されない。

フランス海岸松の樹皮 1 k gを、塩化ナトリゥムの飽和溶液 3 Lに入れ、 1 0 0 °Cにて 3 0分間抽出し、抽出液を得る（抽出工程）。その後、抽出液を濾過し、得られる不溶物を塩化ナトリゥムの飽和溶液 5 0 O mLで洗浄し、洗浄液を得る（洗浄工程）。この抽出液と洗浄液とを合わせて、松樹皮の粗抽出液を得る。 . - 次いで、この粗抽出液に酢酸ェチル 2 5 O m Lを添カ卩して分液し、酢酸ェチル層を回収する工程を 5回行う。回収した酢酸ェチ /レ溶液を合わせて、無水硫酸ナトリウム 2 0 0 gに直接添加して脱水する。その後、この酢酸ェチル溶液を濾過し、濾液を元の 5分の 1量になるまで減圧濃縮する。濃縮された酢酸ェチル溶液を 2 Lのクロ口ホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈殿物を濾過により回収する。その後、この沈殿物を酢酸ェチル 1 0 O m 1に溶解した後、再度 1 Lのクロ口ホルムに添カ卩して沈殿させる操作を 2回繰り返す洗浄工程を行う。この方法により、例えば、 2〜 4量体の O P Cを 2 0重量％以上含み、かつ力テキン類を 5重量％以上含有する、約 5 gの松樹皮抽出物を得ることができる。

また、本発明においては、食品、医薬品に用いるときの安全性の観点から、松樹皮をェタノールまたは水等を用いて、より好ましくは加温しながら松樹皮からプロアントシァ-ジンを抽出し、吸着性の樹脂（ダイアイオン H P— 2 0、 S e p h a d e x— L H 2 0、キチンなど）などや限外ろ過膜を用いて、プロアントシァニジンの含有量が高められた松樹皮抽出物を用いること PC漏 003/009617

が好ましい。

(本発明に用いるプロアントシァニジン）

本発明の血液流動性改善組成物においては、プロアントシァニジンとして代表的に用いられる上記の原料植物からの抽出物が用いられる。特に松樹皮抽出物には、プロアントシァ-ジン、すなわち、フラパン一 3—オールおよぴ Zまたはフラバン一 3 , 4—ジオールを構成単位とする重合度が 2以上の縮重合体が多く含まれる。その中でも、重合度が低い縮重合体を多く含む松樹皮抽出物が好ましく用いられる。重合度の低い縮重合体としては、重合度が 2 ~ 3 0の縮重合体（ 2〜 3 0量体）が好ましく、重合度が 2〜 1 0の縮重合体（ 2〜 1 0量体）がより好ましく、重合度が 2〜 4の縮重合体（ 2〜 4量体；すなわち、 QP C ) がさちに好ま.しい。

本発明においては、 O P Cを 2 0重量。/。以上含有するプロアントシァ-ジンが好ましく用いられる。より好ましくは、 3 0重量％以上でぁる。このようなプロアントシァニジンとして、松樹皮抽出物が好ましく用いられる。

O P C含有量が高いプロアントシァニジンを用いると、重合度の高いプロアントシァニジン（O P C含有量が少ないもの）を用いた場合と対比して、優れた血流改善効果が得られる。

また、植物（樹皮）抽出物中のプロアントシァニジンの含有量は特に制限されないが、植物（樹皮）抽出物中のプロアントシァニジン含有量が高濃度となると、プロアントシァニジン自身の生理活性が低くなることがあるため、抽出物中のプロアントシァニジン含有量が 8 0重量％未満、好ましくは 7 5 重量％未満、より好ましくは 5 5重量％未満であることが好ましい。

〇 P Cは、'上述のように抗酸化物質であるため、ガン'心臓病などの成人病の危険率を低下する効果、関節炎 ·ァトピー性皮膚炎 ·花粉症などのァレルギ一体質の改善効果、コラーゲンの酸化や分解の阻害効果なども有する。また、 O P Cは体内でのビタミン Cの吸収や体内での持続力を飛躍的に向上させ、相乗的に体内の抗酸ィ匕力を高める作用を有する。

さらに O P Cは、抗酸化作用のほか、血管の強度、弾力性を回復させる効果；血中コレステロールおよび L D Lを低下させる効果；高血圧症に対して血圧を低下させる効果；コレステロールが付着することを防止する効果；活性酸素によって分解されたビタミン Eを再生させる効果；ビタミン Eの増強剤としての効果などを有することが知られている。

特に、抗酸化作用および血中コレステロールを低下させる効果、高血圧症に対して血圧を低下させる効果、血管の弾力性を回復させる効果、およぴコレステロールが付着することを防止する効果により、血管の保護を行うとともに、血液の流動性を改善し、相乗的に生体内の血流を改善することができ -る。 - 特に赤血球または白血球の流動性が低下すると、特に微細な血管における血流が低下することが知られているが、この流動性は、酸化によるストレス、炎症などによる血球の粘着性の増加、血圧の変化、血管の狭搾などの化学的または物理的な刺激によって低下する。既に赤血球については、化学的または物理的刺激、すなわちこれらの外因シグナルが赤血球内部に伝わり、生化学的な変化が引き起こることで赤血球の流動性が低下することが分かっている。 O P Cは、上述のように抗酸ィ匕力および血管の強度や柔軟性の増強作用を有するため、赤血球や白血球に対するこのような化学的または物理的な刺激は軽減したり、そのため血球の流動性が維持されて、血流を改善することができる。また、本発明の血液流動性改善組成物を摂取すると、血小板凝集能および血小板数やコレステロール、中性脂肪などの血漿成分や赤血球、白血球などの血球数などへ影響を与えなくとも血球の流動性を改善することで、血液の流動性を改善する。

(ァスコルビン酸またはその誘導体）

また、本発明のプロアントシァニジン、特に O P Cの効果をより効率よく PC蘭 00膽 617

10 発揮させるため、ァスコルビン酸またはその誘導体を添加してもよい。本発明の組成物を飲料とする場合、プロアントシァェジンとァスコルビン酸またはその誘導体とを共存させることにより、よりプロアントシァ-ジンの効果を高めることができる。

本発明の血液流動性改善組成物に含有されるァスコルビン酸またはその誘導体としては、食品添加物として用いられるァスコルビン酸またはその誘導体、例えば、ァスコルビン酸グリコシド、ァスコルビン酸ナトリウム、ァスコルビン酸マグネシゥムなどが用いられる。ァスコルビン酸を豊富に含む天然素材（例えば、レモン、オレンジ、ァセロラなどの果実由来の天然素材、あるいは、ブロッコリ一、メキャベツ、ピーマン、コマツナ、カリフラワーなどの野菜由来の天然素材）も、本癸明においてァスコルビン酸として用いることができる。

ァスコビン酸またはその誘導体をプロアントシァニジン（中でも、〇Ρ C) とともに摂取すると、ァスコルビン酸の吸収率や生理活性の持続性が高くなる。本発明では、血管の保護、特に血管の柔軟性と強度の増強や血中のコレステロールを低下させる目的で、ァスコルビン酸またはその誘導体を添加してもよレ、。特に、ァスコルビン酸またはその誘導体は、血管だけでなくあらゆる組織の構成タンパク質であるコラーゲンの合成を促進する作用、ストレス（特に、酸化ストレス）を軽減する作用、抗血栓作用、および免疫力を高める作用があることが知られているため、血管保護や血液の流動性の改善効果だけでなく、生体内全体の組織を改善する効果がある。

また、水溶液にプロアントシァ-ジンを配合する場合、例えば、飲料にプ口アントシァ-ジンを含有させる場合に、プロアントァニジンの生理活十生を維持する観点からァスコルビン酸またはその誘導体の配合は有効である。さらに、ァスコルビン酸及びその誘導体の飲料への配合は、飲料の味、香りの付与、飲料の着色、飲料成分を安定に保持する、などの効果が期待される。ァスコルビン酸またはその誘導体の配合量に、特に制限はないが、プロアントシァニジンを基準として、プロアントシァニジンとァスコルビン酸またはその誘導体とが重量比で、好ましくは 1 ： 0. 1〜500、より好ましくは 1 : 0. 2~200、より好ましくは 1 : 0. 2~150となるように、本発明の血液流動性改善組成物に配合される。

(カテキン類）

本発明の血液流動性改善組成物は、さらに必要に応じて、力テキン類を含んでもよい。カテキン類とは、ポリヒドロキシフラバン一 3—オールの総称である。カテキン類としては、（+) —力テキン、（一）ーェピカテキン、 (+) —ガロカテキン、（一）ーェピガロカテキン、ェピガロカテキンガレート、ェピカテキンガレートなどが知られている。天然物からは、狭義の力テキンといわれている (+) 一力テキンの他、ガロカテキン、ァフゼレキン、ならびに（+ ) —力テキンまたはガロカテキンの 3—ガロイル誘導体が単離されてレヽる。カテキン類には、発癌抑制、動脈硬化予防、脂肪代謝異常の抑制、血圧上昇の抑制、血小板凝集抑制作用、抗アレルギー、抗ウィルス、抗菌、虫歯予防、口臭防止、腸内細菌叢正常化効果、活性酸素やフリーラジカルの消去作用、抗酸化作用などがあることが知られている。また、カテキン類には、血糖の上昇を抑制する抗糖尿病効果があることが知られている。また、カテキン類は、単独では水溶性が乏しく、その生理活性が低いが、 OP Cの存在下で水溶性が増すと同時に、活性化する性質があり、 OPCとともに摂取することで効果的に作用する。

このような力テキン類を含有することによって、本発明の組成物は、さらに優れた血流改善効果を発揮し得る。

原料植物由来のプロアントシァニジン、特に植物抽出物には、 OPCとともにカテキン（catechin) 類が含まれている場合が多い。カテキン類は、上記原料植物抽出物に、 5重量％以上、好ましくは 10重量％以上含有されていることが好ましい。さらに好ましくは、 O P Cを 2 0重量％以上含有する原料植物抽出物に、カテキン類が 5重量％以上含有されるように調製される。例えば、松樹皮抽出物のカテキン類含量が 5重量％未満の場合、カテキン類含量が 5重量％以上となるように添加してもよい。力テキン類を 5重量％以上含有し、かつ O P Cを 2 0重量％以上含有する松樹皮抽出物を用いることが最も好ましい。

(その他の成分）

本発明の血液流動性改善組成物は、さらに必要に応じて、血流を改善することが知られている他の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、黒酢や梅肉おょぴそれらのエキス、タマネギゃニン-クに含まれる含硫有機化合物またはその抽出物、ダッタン、キチン 'キトサンおよびその誘導体、ダルコサミン塩おょぴその誘導体、ヘスペリジン、ケルセチンまたはルチンおよびこれらの誘導体、ビタミン B群、ビタミン E、ビタミン Kなどのビタミン類、 τΚ溶性食物繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。

特に、血糖値、血中脂質、および高血圧を抑制する作用、抗血栓作用、血中のコレステロールを低下させる作用などを増強する目的には、上記含硫有機化合物、ビタミン、ビタミン Ε、ならびにキチン 'キトサンおょぴその誘導体が好適に用いられ得る。血管の保護作用および抗酸ィ匕作用の増強のためには、ヘスペリジン、ケルセチンまたはルチンおょぴこれらの誘導体が好適に用いられ得る。

また、本発明の血液流動性改善組成物は、添加剤、例えば、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、滑沢剤、湿潤剤、懸濁剤、着色料、香料、食品添加物などを、目的に応じて含んでいてもよい。

さらに、例えば、ローヤルゼリー、ビタミン、プロテイン、卵殻カルシゥムなどのカルシウム、レシチン、ク口レラ末、ァシタパ末、モロヘイヤ末な JP2003/009617

13 どの栄養成分を添加することもできる。ステビア末、抹茶パウダー、レモンパウダー、はちみつ、還元麦芽糖、乳糖、糖液、調味料などを加えて味を整えてもよい。

⁽血液流動性改善,袓成物）

本発明の血液流動性改善組成物はプロアントシァニジンを有効成分として含有し、必要に応じて、ァスコルビン酸またはその誘導体、カテキン類、おょぴその他の成分を含有し得る。プロアントシァニジンの含有量は、特に制限はないが、糸且成物中に、好ましくは 0 . 0 0 0 1重量。/。〜 5 0重量％、より好ましくは 0 . 0 0 5重量⁰/。〜 2 0重量％である。また、プロアントシァ二ジンとともに摂取するァスコルビン酸またはその誘導体の量は 0 . 0 3 g 〜 1 gとすることが好ましい。このような組成物は、食品または医薬品に利用され得る。

本発明の血液流動性改善組成物は、上記の各成分に対して当業者が容易になしえる加工を施し、各種の形態に調製することができる。例えば、プロアントシァニジンを含有する松樹皮抽出物に賦形剤などを加えて、錠剤もしくは丸剤などの形状に成形してもよく、あるいは、成形せずに、散剤の形態や、その他の形態としてもよい。その他の形態としては、ハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、粉末状、顆粒状、ティーバッグ状、飴状、液体、ペースト状などの形態が挙げられる。中でも、液体（例えば、飲料）の形態が好ましい。

本発明の血液流動性改善組成物の摂取方法は、特に限定されない。本発明の血液流動性改善組成物を、その形状または好みに応じて、そのまま飲食しても良いし、あるいは水、湯、牛乳などに溶いて飲んでも良いし、成分を浸出させたものを飲んでも良い。

(プロアントシァニジンとァスコルビン酸またはその誘導体とを含有する飲料） JP2003/009617

14 本発明の血液流動性改善組成物の中でも、特に、プロアントシァニジンの血流改善作用をより高める組成物として、血流改善に重要とされている水分補給の要素を加えた、プロアントシァニジン配合飲料が好ましい。さらにァスコルビン酸またはその誘導体を含有するプロアントシァニジン配合飲料がより好ましい。この場合の水分補給量は 10 OmL以上が好ましい。

上記飲料中のプロアントシァニジンの含有量に特に制限はないが、飲料中に、 lmg/L以上、好ましくは lmg/L〜20 g/L、より好ましくは 2mgZL〜l 0 g/Lである。さらにァスコルビン酸またはその誘導体を含有する場合は、プロアントシァ-ジンとァスコルビン酸またはその誘導体と、重量比で 1 : 0. 1〜 500、好ましくは 1 ： 0. 2〜200、より好ましくは 1 ： 0. 2〜 150の割合で含まれる。

上記の飲料において、プロアントシァュジンとして松樹皮抽出物を用いることが好ましい。松樹皮抽出物は、水ゃェタノールなどの極性溶媒への溶解十生が高く、プロアントシァニジン高含有であっても、渋味も少ないことから、広く飲料に適用可能である。

なお飲料中のプロアントシァニジンは、 1 Om g/Lより高い濃度では、特有の香味を示すが、それ以下の濃度では、清涼飲料にも使用可能な味に抑えることができ、マスキングが不要となる。好ましくは 1 Omg/L以下、より好ましくは 5mg/L以下の濃度で配合される。

一方、プロアントシァュジンを高濃度で飲料に配合する場合には、独特の香味を効果的にしかも天然素材でマスキングする方法として、緑茶を始め、松葉茶、ウーロン茶、紅茶、麦茶、その他ブレンド茶などの茶類に配合することが有効であることを確認した。プロアントシァェジンを 2〜 20 Omg /L、好ましくは 5〜20 Omg/L、さらに好ましくは 30〜 200 m g / Lの割合で茶類と配合することにより、茶類の香味を落とさずに配合可能である。特に、日本茶にはカテキン類が多く含まれるので、血液流動性改善効果がさらに増強される。また、 10 OmL以上のドリンクタイプの飲料に関しても、香料または天然果汁（例えば、レモン果汁など）のマスキング効果が強いものを配合した場合には、プロアントシァニジンを上記と同様、高濃度で配合し得る。

このような飲料は、例えば、酸性飲料として果汁飲料、炭酸飲料、スポーッ飲料など、低酸性飲料としては茶飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、スープなどが好ましく、健康飲料として用いられる。これらの中でも、茶飲料がより好ましい。茶飲料には、上記のようにカテキン類が含まれており、プロアントシァ-ジンまたはプロアントシァニジンを含有する植物（樹皮）抽出物を加えることによって、今までの茶飲料にはない血液流動性改善効果が付加される。この茶飲料における上記効果は、上記の他の飲料における効舉に比べて高く、このような茶飲科は健康飲料として有用である。

本発明の血液流動性改善組成物およぴプ口アントシァニジンとァスコルビン酸またはその誘導体とを含有する飲料（飲料組成物）は、特に限定されないが、血液流動性改善効果を得るためには、一回の摂取量がプロアントシァ二ジンとして 0. 001〜0. 2 g、好ましくは 0. 002 g〜0. 15 g、より好ましくは 0. 002 g〜0. 08 gとなることが好ましい。この摂取量は、従来の血液流動性改善組成物の摂取量よりもごく少量で優れた血球、すなわち赤血球や白血球の流動性改善に伴う血液流動性の改善効果を得ることができる。さらに、本発明の糸且成物中のプロアントシァニジンが松樹皮の抽出物の場合は、一日の摂取量が、松樹皮抽出物中のプロアントシァニジンとして 0. 001 g〜0. 05 g、より好ましくは 0. 001 g〜0. 04 g、さらに好ましくは 0. 001 g〜0. 025 g、最も好ましくは 0. 0 08 g〜0. 025 gでその効果を得ることができる。これは、松樹皮として、およそ 0. 002 g〜0. 2 g、好ましくは Q. 01 g〜0. 15 g、さらに好ましくは 0. 04 g〜0. 15 gに相当する。なお、飲料として摂取する場合は、 1回の摂取量が、松樹皮として 0. 002 g〜0. 2 g、好ましくは 0. 01〜0. 15 g、さらに好ましくは 0. 04 g〜0. 15 g となるように含有することが好ましレ、。理由は明らかではないが、プロアントシァニジンを含有する植物抽出物の中でも、水や熱水、エタノールを用いて抽出された松樹皮抽出物が他の植物抽出物に比べて、特に血球の流動性改善効果おょぴ血液流動性改善効果が高く、 '好ましく用いることができる。本発明の血液流動性改善糸且成物は、単に血液の流動性や血球の流動性を改善するだけでなく、血管の柔軟性や強度を改善する。したがって、生体内の血流の改善、特に末梢における血流改善効果が得られる。さらに、血流が改善されることにより、体全体の健康状態も改善される。実施例

以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明がこの実施例により制限されないことはいうまでもなレ、。

(実施例 1 ：食品 1の製造）

プロアントシァニジンを 40重量％ (OPCとして 20重量⁰ /₀) 含有し、かつカテキンを 13重量％含有する松樹皮のエタノール抽出物（商品名：フラバンジヱノール、株式会社東洋新薬）、ァスコルビン酸（丸善製薬株式会社）、結晶セルロース、ショ糖エステル、二酸化ケイ素、および卵殻カルシゥムを、以下の表 1に記載の量（重量部）で含む錠剤（ 1錠当たり、約 20 Omg) を製造した（食品 1とする）。

(実施例 2 ：食品 2の製造）

実施例 1と同じ松樹皮のエタノール抽出物（商品名：フラバンジェノール、株式会社東洋新薬）、結晶セルロース、ショ糖エステル、二酸化ケイ素、おょぴ卵殻カルシウムを、以下の表 1に記載の重量比で含む錠剤（1錠当たり、約 20 Omg) を製造した（食品 2とする）。 2003/009617

17

(実施例 3 ：食品 3の製造）

実施例 1と同じ松樹皮のエタノール抽出物（商品名：フラバンジェノール、株式会社東洋新薬）を下記の条件にてセフアデックス一 LH20を用いて、プロアントシァニジンを精製し、プロアントシァニジンを 95. 9重量。 /₀含有する松樹皮抽出物を調製した。この松樹皮抽出物と結晶セルロース、ショ糖エステル、二酸化ケイ素、およぴ卵殼カルシウムを、以下の表 1に記載の重量比で含む锭剤（1錠当たり、約 200m g) を製造した（食品 3とする）。

(プロアントシァニジンの精製）

まず、水で膨潤させた MC Iゲル（三菱化学株式会社製） l O OmLを 3 0 X 300 mmの力ラムに充填し、 50 m.Lの精製水で洗浄.した。 400m gの上記松樹皮抽出物を 8 m Lの精製水に溶解させ、この溶液を上記力ラムに通液してプロアントシァニジンを吸着させた後、 0〜 30 % (vZv) ェタノール一水混合溶媒でグラジェント溶出し、 l OraLずつ分取した。分取すると同時に、各画分について、シリカゲルクロマトグラフィー（TLC) により、 2量体の OPCの標品（2量体：プロアントシァニジン B— 2 (R ί値： 0. 6) ) を指標として、 OPCを検出した。 TLCの条件は、以下のとおりである：

TLC：シリカゲノレプレート（Merck & CO. , Inc.製）検出試薬：硫酸おょぴァニスアルデヒド硫酸

サンプル量：各 10 μ L

TLCにより〇PCが検出された時点で直ちに溶出をとめ、その後、 12 00 m Lのェタノ一ルをカラムに通液して吸着したプ口アントシァニジンを溶出させた。この溶出液と O P Cが検出された画分とをあわせて凍結乾燥し、 156mgの乾燥粉末を得た。本操作を繰り返して行うことにより、所定量の乾燥粉末を回収した。なお、この乾燥粉末のカテキンの有無を調べるためにカテキンの標品（R i値： 0. 8) を指標として、 TLCを上記条件と同様にして行ったところ、カテキンは検出されなかった。

この乾燥粉末のプロアントシァ-ジンの含有量を、プロシア二ジン B— 2 を標品として、 R. B. B r o a dhu r s tらの方法（J. Sci. Fd. Agri c.， 1978, 29, 788-7941 ) を基に測定したところ、 95. 9重量％であつた。

(実施例 4 ：食品 4の製造）

実施例 1と同じ松樹皮の抽出物と実施例 3の食品 3で用いた松樹皮抽出物とを 4 ： 6の割合で混合し（プロアントシァニジン含有量： 73. 1重量％、カテキン含有量： 5. 2重量⁰ /。）、結晶セルロース、ショ糖エステル、二酸化ケィ素、および卵殻カルシウムを、以下の表 1に記載の重量比で含む錠剤 (1錠当たり、約 200mg) を製造した（食品 4とする）

(実施例 5 ：食品 5の製造）

ブドウ種子抽出物（プロアントシァニジン 38重量。/。含有、カテキン含有量： 2重量。/。、キッコ一マン株式会社) 結晶セルロース、ショ糖エステル、二酸化ケイ素、および卵殻カルシウムを、以下の表 1に記載の重量比で含む錠剤（1錠当たり、約 200mg) を製造した（食品 5とする）。

(比較例 1 ：食品 6の製造）

ァスコルビン酸（丸善製薬株式会社）、結晶セルロース、ショ糖エステル、二酸化ケイ素、および卵殻カルシウムを、以下の表 1に記載の重量比で含む錠剤（1錠当たり、約 200mg) を製造した（食品 6とする）。表 1

単位は重量部

(実施例 6〜 1 0、比較例 2 ：ヒト血液の血流通過時間の測定およぴ血小板凝集能および血液成分への影響）

上記食品 1〜 6の摂取前後におけるヒト血液の血液通過時間おょぴ血小板凝集能おょぴ血液成分への;^響を以下のようにして調べた。

(ヒト血液の血液通過時間の測定）

被験者は、 2 2〜6 3歳までの健常男女 3 6名（男性 1 8名、女性 1 8 名）とし、性別を均等にする以外はランダムに 6群に割り振った。各被験者へそれぞれ食品 1〜6を 1日 1錠（食品 1〜 4は松樹皮のェタノール抽出物で 4 0 m g相当）を 2週間毎日摂取させた。食品 1〜 6の摂取開始直前、摂取開始 1週間後、および 2週間後に採血した。採血は、座位安静状態で、肘正中皮静脈より真空採血管（テルモ（株）製：へパリンナトリウム処理）を用いて行った。なお、各被験者は採血当日は朝食を摂らず、採血を行った。得られた血液（試験血液）は、直ちに血液通過時間の測定に用いた。血液通過時間の測定は、 MC— FAN (日立原町電子工業製）を用いて行つた。血液を通過させる血管モデルの微細加工流路として、流路の深さ 4. 5μπι、深さの中央部の流路幅 7 μπι、および流路長 30 μΐηの微細な溝が形成された 8736本並列のマイクロチャネルアレイが配置されているシリコン単結晶基板 (B 1 o o d y 6-7 ；日立原町電子工業製）を用いた。血液 100 /x Lを 20 cm水柱差で流し、全血液の通過時間を血液通過時間として測定すると同時に、血液が流れる様子を顕微鏡一ビデオカメラのシステムで撮影記録した。測定値は全て 3回測定した平均値を用いた。得られた血液通過時間は、生理食塩水 100^ Lが通過するのに要した時間を 12秒として捕正した。血液通過時間の測定結果を表 2に示す。なお、表の値は各群の流速の平均値土標準誤差を示す。

(血小板凝集能およぴ血液成分の影響）

血小板凝集能の評価を以下のようにして行つ fe。まず、上記被験者から、食品 1〜6を摂取する前に、ベノジェタト管（テルモ株式会社製） 2本を用いて各 4. 5 mLずつ採血した。そのうちの 1本の血液は、血小板凝集を起こしていない上清として 1， 000 r pmで遠心分離し、上清を回収して、 2本のキュベットに 100 Lずつ分注した。他の 1本の血液は、 3， 00 0 r pmで遠心分離して血小板凝集を起こさせ、その上清を回収して、キュベットに 100 μ Lずつ分注し、これをブランクとした。血小板凝集を起こしていない上清を含む 2本のキュべットおよびブランクを M CMへマトレーサー 313 (ェム ·シーメディカル株式会社) にセットして、血小板凝集を起こしていない上清にそれぞれ 30 の ADPおよび 10 の ADPを各 22 L添加して血小板凝集率を測定した。各群の数値の最も高い値を最大血小板凝集率として、その平均値を算出したところ、 10 Μの AD Ρを添加した場合、 0. 38%、そして 30 ;ζΜの ADPを添加した場合、 0.

74。/。であった。上記と同様の操作を各食品を °2週間摂取した後にも行い、血液中の血小板凝集率を測定した。

得られた各食品 2週間摂取後の血小板凝集率から、摂取前の最大血小板凝集率の平均値を 1とした場合の相対値を各 A D P濃度ごとに算出し、それぞれ平均値を求めた。結果を表 3に示す。

血液成分の影響を調べるために、上記被験者から食品摂取前および食品を 2週間摂取した後の血液をィンセンパックー S (極東製薬株式会社）およびインセンパック一E (極東製薬株式会社）を用いてそれぞれ採取した（それぞれ 9 m Lおよび 2 m L採血）。これらの血液を久留米臨床検查センターへ依頼し、血中のタンパク質、脂質、赤血球数、白血球数、血小板数、へマトクリット、および糖質を測定した。食品摂取前の各値に対する食品摂取後の各値の相対値を算出し、平均値を求めた。結果を表 3に示す。表 2

平均値 ±標準誤差 (単位は秒）

9617

22 表 3

平均値 ±標準誤差表 2の結果より、本発明の組成物から製造された食品 1 〜 5を摂取することにより、有意に血液通過時間が短くなつており、血液の流動性が改善されたことがわかる。また、摂前に血流通過時間が遅いヒトほど血液の流動性改善の効果が大きい傾向が見られた。各食品の摂取前および摂取後における血流の状態を、 MC— F ANによって観察したところ、いずれの場合もマイクロチャネルアレイにおける目詰まりは見られなかった。さらに、食品 2と 5との比較から、同量のプロアントシァニジンを含有する植物抽出物の中でも、ブドウ種子抽出物より松樹皮抽出物の方が、血液の流動性の改善効果が高いことがわかる。そして、食品 2〜 4の比較から、植物抽出物の中でもプロアントシァニジンが植物抽出物中に 7 5重量％未満含有されている場合の方が、その活性が高かった。そして、プロアントシァ-ジンとァスコルビン酸とを含有する食品 1が最も血液流動性改善効果に優れていた。 09617

23 表 3の結果より、食品 1〜 5の摂取前後における血液の流動性に関わる血小板凝集；血小板数；タンパク質、脂質等の血漿成分；赤血球数、白血球数といった血球数；およぴ血液あたりの血球の容積比であるへマトタリット値は、食品摂取前に比べて変化がなかった。このことから、食品 1〜5の血液の流動性を改善する効果は、血漿中の成分および血小板への影響、あるいは赤血球おょぴ白血球数の変化によるものではなく、赤血球や白血球の流動性を改善することにより、血液の流動性が改善されていることが分かる。

以上のこと力、ら、プロアントシァェジンを含有する食品が血球の流動性の改善を伴う血液の流動性を改善する効果を有し、植物抽出物の中でも、松樹皮抽出物がプロアントシァニジンとして優れた上記効果を有し、そしてプロアントシァ-ジンを 8 0重量％未満含有する松樹皮抽出物が特に優れた上記効果を有することがわかる。

(実施例 1 1〜； 1 5、比較例 3 ：血流改善効果の評価）

血流改善効果の評価を以下のようにして行つた。上述の各群 6名の被験者に、まず、摂取前に血流量を測定した。次いで、被験者に上記食品 1〜6をそれぞれ 1日 1錠を 2週間毎日摂取させた。 2週間摂取後に再度血流量を測定した。血流量は、血流計（レーザー血流画像化装置 P I M II； S w e d e n P e r m i e d社）を用いて右前腕部の皮下の部位で測定した。結果を表 4に示す。表の値は、平均値土標準誤差であり、数値が大きいほど、血流量が多いことを示す。

表 4

平土

表 4の結果より、食品 1〜 5を摂取した群は、血流量が増加していること力ゝら、本発明の血液流動性を改善する組成物は、組織における血流量の増加、すなわち血流改善効果が得られていることが分かる。特に、松樹皮抽出物は、プロアントシァュジン含有量が同程度のブドウ種子抽出物に比べて、血流改善効果が高く、さらに血液通過時間の場合と同様に、プロアントシァニジンが約 7 3重量％含有する松樹皮抽出物の方が、プロアントシァニジンを約 9 6重量％含有する松樹皮抽出物に比べて血流改善効果が高かった。そして、プロアントシァニジンとァスコルビン酸とを含有する食品 1が最も血流改善効果に優れていた。 .

(実施例 1 6〜 1 8、比較例 4 ：冷水負荷試験）

食品 1、 2、 5、および 6の摂取による末梢血管への効果を検討するために、冷水負荷試験により、末梢の毛細血管を収縮させ、一時的な血液循環障害を起こさせた後、血流の回復効果を測定した。

まず、被験者として 2 0から 5 3歳の健常男性 1 5名をランダムに 3群に割り振った。食品摂取前に以下の冷水負荷試験を行った。そして、上記の食品 1、 2、 5、および 6を 1日 1錠 1週間摂取させ、さらに、 1週間摂取後に冷水負荷試験を行った。冷水負荷試験は、次のように行った。被験者の左手を 1 5 °Cの冷水に 1 0秒間浸し、冷水負荷直後および負荷 1 0分後の皮膚温をサーモグラフィー（T V S 6 0 0、日本アビォニタス株式会社）を用いて測定した。そして中指の指先、中指基節骨の中間点、および第 3中手骨の中間点の 3ポイントの皮膚温の平均温度を手背部の平均皮膚温とした。結果を表 5に示す。

' 表 5 .

* 1…平土準誤表 5からわかるように、本癸明の組成物から製造された食品 1、 2、および 5を摂取した群は、食品 6を摂取した群に比ぺ、表皮の皮膚温度の回復温度が高かった。このことから、本発明の組成物は、血流の改善効果があり、毛細血管の収縮した状態から正常の状態への回復が早く、血管が強化されていることも分かる。特に、プロアントシァニジンとァスコルビン酸とを含有する食品 1が最も血流改善効果に優れていた。

(実施例 1 9 ：プロアントシァニジン配合茶飲料の製造上）

緑茶 1 2 gに 5 5 °Cの水 1 Lを加えて 4分間抽出した後、遠心分離により茶葉を除去して抽出液を得た。この抽出液に松樹皮抽出物をプロアントシァ二ジンとして 2 0 O m g / Lとなるように溶解させた。この溶液にさらに、 2 O m g ZLのビタミン Cを添加した後、重曹を用いて p Hを 6 . 0に調整し、飲料を得た。

(比較例 5 ) ·

松樹皮抽出物を配合しなかったこと以外は実施例 1 5と同様にして、飲料を調製した。

(実施例 2 0 ：プロアントシァニジン配合茶飲料の血流改善効果の検討）実施例 1 9のプロアントシァニジン配合飲料の血流改善効果を確認するために、冷え性女性（2名）を対象に以下のようにして、冷水負荷試験を実施した。まず、被験者に飲料摂取前 3時間の飲食を禁止した _q その後、比較例 5の飲料を 2 0 O m L摂取させた。摂取 3 0分後に被験者の左手を 1 0 °Cの水に 3 0秒間浸し、冷水負荷直後および冷水負荷 3分後の指先温度の上昇をサーモグラフィー（T V S 6 0 0、日本アビォニタス株式会社）を用いて測定した。指先温度の測定方法は実施例 1 6と同様である。次いで、翌日、実施例 1 9のプロアントシァェジン配合飲料を上記の比較例 5の飲料を摂取した場合と同様に摂取してもらい、指先の温度を測定して末梢の血流改善効果を検討した。なお、比較例及ぴ実施例の各飲料摂取前における指先の温度を予めサーモグラフィ一にて測定したところ、温度の変化はなかった。結果を図 1および 2に示す。

図 1および 2の結果より、実施例 1 9のプロアントシァニジン配合飲料 2

0 O m Lを摂取した場合には、比較例 5のプロアントシァェジンを配合しない飲料を摂取した場合に比べて摂取後における冷水負荷直後の指先温度およぴ負荷後 3分後の指先温度ともに上昇していた。この結果より、プロアントシァニジン配合飲料の摂取により、飲料にプロアントシァニジンを配合した場合にも血流改善効果を示すことが確認でき、飲料による摂取は、その他の形態に比べて、より早く効果が得られることがわかった。また、データには示していないが、実施例 1 9のプロアントシァニジン配合茶飲料は、同量のプロアントシァニジンが配合された他の飲料に比べて、高い血流改善効果を有していた。

(実施例 2 1 ：プロアントシァニジン配合茶飲料の製造 2 ) .

緑茶葉 2 4 gを 8 0 °Cの水 1 Lを加えて 5分間抽出した後、濾過により茶葉を除去して抽出液を得た。この抽出液を水で 3倍希釈し、茶飲料を調製した。この茶飲料に松樹皮抽出物（プロアントシァニジンを 4 0重量％含有）およぴァスコルビン酸を以下の表 6に記載の割合で添加して飲料 ( 2 0 0 m

L) を製造した。

(実施例 2 2 ：プロアントシァニジン配合茶飲料の製造 3 )

松樹皮抽出物およぴァスコルビン酸を以下の表 6に記載の割合で添加したこと以外は、実施例 2 1と同様にして、飲料を製造した。

(比較例 6 )

松樹皮抽出物およびァスコルビン酸を以下の表 6に記載の割合で添カ卩したこと以外は、実施例 2 1と同様にして、飲料を製造した。

表 6

(実施例 2 3 ：プロアントシァニジン配合茶飲料の血流改善効果およぴ血流の回復効果の評価）プロアントシァニジン配合茶飲料の血流改善効果をより詳細に検討するために、実施例 1 1〜1 5と同様の血流計を用いて一回のみの摂取'における血流改善効果について評価を行った。まず、早朝空腹時に 7名の被験者を集め、 1時間安静にした後、右手人指し指の血流量を測定した（摂取前の血流量）。次いで、実施例 2 1の飲料を摂取させた。飲料摂取 1時間後、再度血流量を測定した（摂取後の血流量）'。対照群として、予め、プロアントシァニジンを含有する松樹皮抽出物およぴァスコルビン酸のレ、ずれも含まなレ、茶飲料を摂取させたときの摂取前おょぴ摂取後の血流量を測定しておき、それぞれ、摂取前の血流量および摂取後の血流量を測定した。これらの測定値から、以下の式により、各試験間の誤差を補正して対照群に対する血液増加率を求めた。血流増加率（<½) = (A-B) X 1 00

Λ - 試験群の摂取後血流量一対照群の捲取後血流畳

対照群の摂取後血流量

B - 試験群の摂取前血流量一対照群の ¾取前血流畳

対照群の摂取前血流量さらに、血流の回復効果、すなわち血管の弾力性 ·柔軟性の改善効果、血球および血液の流動性改善効果を総合的に評価するために、被験者の右手を氷水に 1 0.秒間浸漬する冷水負荷試験を行い、冷水負荷直後から所定の時間

(冷水負荷試験後 1分、 2分、および 5分）に血流量（試験後の血流量）を測定し、上記と同様の式で血液増加率を求めた。すなわち、試験群の摂取後血流量の代わりに冷水負荷後の血流量を用いた。対照群についても、摂取後に冷水負荷試験を行い、それぞれの所定時間に対応する冷水負荷後の血流量を、対照群の摂取後血流量として用いて計算した。結果を表 7に示す。なお、表 7中の値が大きレ、ほど、対照例の飲料を摂取した場合に比べて血流量が増加していることを示す。

実施例 2 2および比較例 6の飲料について、上記と同じ被験者.にそれぞれ摂取させ、同様の試験を行い、血流の増加率を測定した。なお、各飲料の摂取による影響が出ないように、各試験期間（血流増加率の測定から次の測定までの期間）を 2時間以上空けた。結果を表 7に示す。表 7

単位は¹ ½ 表 7の結果から、本発明のプロアントシァニジンを含む松樹皮抽出物または松樹皮抽出物とァスコルビン酸とを含有する茶飲料（実施例 2 1および 2 2 ) は、いずれもプロアントシァェジンを含む松樹皮抽出物およぴァスコルビン酸のいずれも含まない茶飲料（対照例）よりも血流量が増加した。さらに、ァスコルビン酸のみを含有する茶飲料（比較例 6 ) にはこのような血流量の増加が見られなかったことから、一回の投与でプロアントシァニジンを含有する飲料による血流改善効果が促進されていることがわかる。さらに、実施例の飲料（実施例 2 1および 2 2 ) は、ァスコルビン酸のみを含有する飲料（比較例 6 ) および松辦皮抽出物およぴァスコルビン酸のいずれも含まない茶飲料（対照例）に比べて、冷水負荷後の所定時間における血流量の増加量が高いことから、冷水負荷後の血流量が回復していることがわかった。これらは、収縮した血管の回復および血液の流入、すなわち血管の柔軟性' 弾力性の向上、血球の流動性の改善効果おょぴ血液の流動性の改善効果が増強されていると考えられる。特に、プロアントシァ-ジンを含む松樹皮抽出物とァスコルビン酸を含有する飲料（実施例 2 1 ) は、松樹皮抽出物のみを含有する飲料（実施例 2 2 ) より著しく高い血流量の増加効果および血流の回復効果を示していることから、併用による相乗効果が得られていることもわかった。上記とは別に、茶飲料の代わりに精製水を用いて松樹皮抽出物とァスコルビン酸を含有する飲料を用いて同様の試験を行ったところ、摂取 1時間後の血流増加率が 1 5 . 1 %であったため、茶飲料として摂取する実施例 2 1はその効果が高いこともわかった。

(実施例 2 4 ：プロアントシァニジン配合茶飲料の官能評価）緑茶、松葉茶、ウーロン茶、紅茶、および麦茶の各種茶飲料にプロアントシァニジンを添加し、各種プロアントシァニジン含有茶飲料の嗜好性を以下の方法にて評価した。まず、茶葉（緑茶、松葉、ウーロン茶、紅茶） 1 0 g を 8 0 °Cの水 1 Lを加えて 5分間抽出した後、濾過により茶葉を除去して各種茶飲料を得た。一方、麦については、麦 3 0 gを 1 Lの水に浸漬させ、 1 0分間沸縢させて麦茶飲料を得た。各々の茶飲料に松樹皮抽出物 (プロアン' トシァニジン 4 0重量％含有）を茶飲料 3 5 O mLあたり 4 O m gとなるような割合で添加して混合し、プロアントシァニジンを含有する茶飲料を調製した。このプロアントシァニジン配合茶飲料を、 6名のパネラーに試飲してもらい、好ましい順に順位をつけてもらい、下記評価基準にてボイントとして算出した。結果を表 8に示す：

(評価基準） .

1番目に好ましレ、： 5点

2番目に好ましレ、： 4点

3番目に好ましい： 3点

4番目に好ましレ、： 2点

5番目に好ましい： 1点表 8

数値は点数表 8の'結果から、植物の葉を用いて調製した茶飲料（緑茶、松葉茶、ウーロン茶、および紅茶）は、穀物を用いて調製した茶飲料（麦茶）に比べて、優れた嗜好性を有することがわかる。特に植物の葉を用いて調製した茶については、「プロアントシァニジンまたは松樹皮由来の収斂味が低減された」または「香味が良くなつた」という意見があった。この中でも、特に緑茶が嗜好性に優れていることがわかった。

(実施例 25 ：プロアントシァニジン高濃度配合茶飲料の製造）緑茶（ほうじ茶）にプロアントシァェジンを配合した飲料を調製した。ほうじ茶 7gを 85°Cの水 1 Lを加えて 4分間抽出した。その後、遠心分離により茶葉を除去して抽出液.を得た。この抽出液にプロアントシァェジンを 4

0重量％含有（〇 P Cを 20重量％含有）する松樹皮抽出物を 100 m g

Lとなるように溶角军させた。この溶液にさらに、 800mgZLのビタミン Cを添カ卩した後、重曹を用いて pHを 6. 0に調整し、飲料を得た。

(実施例 26 ：プロアントシァニジン低濃度配合飲料の製造）

清涼飲料として、松樹皮抽出物を 1 OmgZLの割合で配合した飲料を調製した。配合成分おょぴ配合量を以下に示す。

組成配合重量（1Lあたり）果糖ブドウ糖液糖 110 _g

クェン酸 0. 2 g Lーァスコルビン酸 0. 2 g 松樹皮抽出物 1 Omg 塩化カノ 84 Omg 塩化マ： 8 Omg 塩化カリウム 28 Omg 香料 0. 15 g 純水残量

(実施例 27 ：プロアントシァュジン高濃度配合飲料の製造）

果汁飲料として、プロアントシァニジンを 40重量％ (〇 PCを 20重量％) 含有する松樹皮抽出物を 20 Om_g/Lの割合で配合した飲料を調製した。配合成分および配合量を以下に示す。

組成配合重量（1Lあたり）果糖ブドウ糠液糖 40 g

レモン果汁 30 g

クェン酸 2 g

Lーァスコルビン酸 10 g

松樹皮抽出物 20 Omg 香料 0. 15 g ビタミン B 6 1 mg ビタミン B 12 2mg 純水残量

(実施例 28および 29、比較例 7 ：血管保護効果の検討）

本発明の組成物の有効成分であるプロアントシァニジンの血管保護効果を検討するために、ラットの血管の弾力性に対する効果を測定した。まず、 4 週齢の雄の S H Rラット（ S H R等疾患モデル共同研究会）に基本飼料（M F粉末：オリ 'ェンタル酵母株式会社）と水とを与えて 1週間馴化させた後、各群の体重の平均値がほぼ均一となるように、一群 5匹ずつ割り当てた。次いで、基本飼料に松樹皮エタノール抽出物（商品名：フラバンジェノール、株式会社東洋新薬）を 0 . 5重量％ (飼料 1 ) または 2 . 5重量％ (飼料 2 ) を含む飼料、あるいは基本飼料のみ（飼料 3 ) を 2 8日間、自由摂取させた。また、給餌開始日より、 N a C 1を 1 %含有する飲料水を全群に自由摂取させた。そして、 2 8日目に胸部大動脈を摘出し、物理学的性質の測定を行った。測定には引っ張り試験機 (E Z -test, 島津製作所）を用い、胸部大動脈を 2 mm/m i nのクロスへッド速度で破断するまで引っ張り、応カー変異曲線を得ることにより、弾性率（応力一変位曲線から最小二乗法で求めた傾き）を算出した。

弾性力の測定結果を表 9に示す。なお、弾性力は値が低いほど、血管の弾力性が向上していることを示す。表 9

表 9より、プロアントシァニジンを含有する飼料 1および 2はいずれも、基本飼料のみの群に比べて弾性力が向上していることが分かる。以上の結果カら、プロアントシァ-ジンは血管の保護効果を有することが分かる。産業上の利用可能性

以上のように、プロアントシァニジンを有効成分とする糸且成物を摂取することにより、優れた血液流動性改善効果が得られるだけでなく、血管保護効果も得られる。さらにァスコルビン酸を含む組成物を摂取すると、より優れた効果が得られる。特に、この組成物は、プロアントシァ-ジンとァスコルビン酸またはその誘導体とを含有する飲料（飲料組成物）として、有用である。

Claims

請求の範囲

1 . プロアントシァニジンを有効成分とする、血液流動性改善組成物。

2 . 前記糸且成物が、血球の流動性を改善する組成物である、請求項 1に記載の組成物。

3 . さらにァスコルビン酸またはその誘導体を含有する、請求項 1または 2に記載の血液流動性改善組成物。

4 . 前記プロアントシァニジンの 2 0重量％以上が、〇P C (oligomer ic proanthocyanidin) で構成されている、請求項 1から 3に記載の血液流動性改善組成物。

5 . プロアントシァニジンと、ァスコルビン酸またはその誘導体とを含有する飲料。

6 . 前記プロアントシァニジンとァスコルビン酸またはその誘導体とが、重量比で 1 : 0 . 1〜 5 0 0の割合で含まれている、請求項 5に記載の飲料。

7 . 前記ブロアントシァ-ジンが 1 m g Z L以上の濃度で飲料に含まれている、請求項 5または 6に記載の飲料。

8 . 前記飲料が茶飲料である、請求項 5カゝら 7のいずれかの項に記載の飲料。

9 . 前記飲科が血液流動性改善作用を有する、請求項 5から 8のいずれかの項に記載の飲料。