明細書
呼吸器疾患の診断 ·予防 .治療剤 技術分野
本発明は、 呼吸器疾患の予防 ·治療剤および診断薬などに関する。 背景技術
慢性閉塞性肺疾患、 慢性気管支炎、 肺気腫、 びまん性汎細気管支炎、 内因性喘息 などは、 喫煙世代の高齢化、 平均寿命の延長等にともなって、 今後、 呼吸器疾患の 中心的な病気になると考えられている。
喫煙は慢性閉塞性肺疾患の明確な病因になりえることが示されている。喫煙によ り閉塞性障害が進行し、 タバコ本数に依存する。喫煙開始年齢が若年であるほど進 行しやすい。 また、 喫煙と気管支腺の過形成との用量相関が確かめられている。 動物実験においても、タバコを吸入させることによつて気腫性変化を起こし得る ことについては多くの報告がある。
慢性閉塞性肺疾患 (以下、 C0PDと略称することもある) の病理学的変化は、 中枢 気道、 末梢気道、 肺実質の 3領域で特有の異常が観察される。 中枢気道病変は、 杯 細胞の過形成や粘液下腺における細胞の増生、肥大といった分泌組織の形態変化が みられる。炎症細胞に関しては、 気道粘膜にマクロファージゃ活性化 Tリンパ球の 増加が示されている。細気管支領域の病変は、気道内腔の粘液塞栓や気道上皮での 杯細胞異形成、 気道壁における炎症細胞浸潤、 平滑筋肥厚、 線維化が観察される。 いずれの変化も気道狭窄をもたらす。肺胞実質では、肺胞の破壊消失と気腔の拡大 で定義された肺気腫病変が観察される。 これらには、 プロテアーゼ Zアンチプロテ ァーゼのバランスの不均衡が関与すると考えられている。
一方、遺伝子発現を網羅的に解析するために、 cDNAまたはオリゴヌクレオチドを 固定化したマイクロアレイ法が開発され、疾患特異的な遺伝子発現の変化を見出す 技術が普及し、 その有用性が確認されている。 例えば、 Aifynietrix社の GeneCMp システムはがんなどの疾患の診断や創薬標的遺伝子の発見に多用されつつある。し
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かしながら、 この技術を利用して肺気腫の発症や進展に関与する遺伝子を見出した 報告はない。
プロコラーゲン C—プロテア一ゼ ェンハンサ一プロテイン 2 (procol lagen C- protease enhancer protein 2, PC0LCE2) は、 PC0LCE1のァイソフォームの一つ としてクローニングされている (ゲノミックス (Genomics) 66巻、 264頁、 2000 年) 。 PC0LCE1は、 C末端側が組織メタ口プロテア一ゼインヒビター (t issue inhibi tor of metaro protease, TIMP) の N末端側と相同性が高いことが報告され (プロテイン サイエン (Protein Sci) 8巻、 1636頁、 1999年) 、 また、実際に、 この C末端部分が翻訳後に切断され、メタ口プロテア一ゼィンヒビターとして作用 することが報告されている(ジャーナル ォブ バイオロジカル ケミストリ一(L Biol. diem. ) 275巻、 1384頁、 2000年) 。 発明の開示
副作用の少ない優れた呼吸器疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患など) の予防 ·治療剤 および診断剤の開発が望まれている。
本発明者らは、 上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、肺気腫病変 を有する肺組織に発現が顕著に低下する遺伝子を見出し、 この知見に基づいて、 さ らに検討を重ねた結果、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
( 1 ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ ノ酸配列を含有する夕ンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩の活性を 促進する化合物またはその塩を含有してなる呼吸器疾患の予防 ·治療剤、
( 2 ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ ノ酸配列を含有する夕ンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩の遺伝子 の発現を促進する化合物またはその塩を含有してなる呼吸器疾患の予防 ·治療剤、
( 3 ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ ノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分べプチドをコードするポリヌクレ ォチドの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部分
を含有するァンチセンスポリヌクレオチド、
(4) 上記 (3) 記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(5) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ ノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗 体、
(6) 上記 (5) 記載の抗体を含有してなる医薬、
( 7 ) 呼吸器疾患の予防 ·治療剤である上記 ( 6 ) 記載の医薬、
(8) 上記 (5) 記載の抗体を含有してなる診断薬、
(9) 呼吸器疾患の診断薬である上記 (8) 記載の診断薬、
(10) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌク レオチドを含有してなる呼吸器疾患の診断薬、
(11) プロコラーゲン C末端切断促進活性を促進する作用を有する化合物また はその塩を含有してなる慢性閉塞性肺疾患または気管支喘息の予防 ·治療剤、 ' (12) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用い ることを特徴とする呼吸器疾患の予防 ·治療剤のスクリ一二ング方法、
(12 a) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩を用 いることを特徴とする医薬用化合物のスクリ一エング方法、
(12 b) 医薬用化合物が、 呼吸器疾患の予防 ·治療用の化合物、 呼吸器疾患の 予防 ·治療に用いられる化合物および/または呼吸器疾患の予防 ·治療効果を有す る化合物である上記 (12 a) 記載のスクリーニング方法、
(13) タバコ煙曝露慢性閉塞性肺疾患モデルマウスまたはエラス夕一ゼ誘発慢 性閉塞性肺疾患モデルマウスを用いる上記 (12) 記載のスクリーニング方法、
(14) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩を含有 することを特徴とする呼吸器疾患の予防 ·治療剤のスクリーニング用キット、
(1 5) 上記 (12) 記載のスクリーニング方法または上記 (14) 記載のスク リーニング用キットを用いて得られうる呼吸器疾患の予防 ·治療剤、
(1 5 a) 上記 (1 2 a) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる医薬用 化合物、
(1 5 b) 医薬用化合物が、 呼吸器疾患の予防 ·治療用の化合物、 呼吸器疾患の 予防 ·治療に用いられる化合物および/または呼吸器疾患の予防 ·治療効果を有す る化合物である上記 (1 5 a) 記載の化合物またはその塩、
(1 5 c) 上記 (1 5 b) 記載の化合物またはその塩を含有してなる呼吸器疾患 の予防 ·治療剤、
(16) 呼吸器疾患が肺気腫である上記 (15) 記載の予防 ·治療剤、
(17) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する夕ンパク質またはその部分べプチドをコードするポリヌク レオチドを用いることを特徴とする呼吸器疾患の予防 ·治療剤のスクリーニング方 法、
(17 a) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の ァミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌ クレオチドを用いることを特徴とする医薬用化合物のスクリ一二ング方法、 .
(17 b) 医薬用化合物が、 呼吸器疾患の予防 ·治療用の化合物、 呼吸器疾患の 予防 ·治療に用いられる化合物および/または呼吸器疾患の予防 ·治療効果を有す る化合物である上記 (17 a) 記載のスクリーニング方法、
(1 8) タバコ煙曝露慢性閉塞性肺疾患モデルマウスまたはエラスターゼ誘発慢 性閉塞性肺疾患モデルマウスを用いる上記 (17) 記載のスクリーニング方法、
(19) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分べプチドをコードするポリヌク レオチドを含有することを特徴とする呼吸器疾患の予防 ·治療剤のスクリ一ニング 用キット、
(20) 上記 (17) 記載のスクリーニング方法または上記 (1 9) 記載のスク リーニング用キットを用いて得られうる呼吸器疾患の予防 ·治療剤、
(20 a) 上記 (17 a) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる医薬用 化合物、
(2 Ob) 医薬用化合物が、 呼吸器疾患の予防 ·治療用の化合物、 呼吸器疾患の 予防 ·治療に用いられる化合物および/または呼吸器疾患の予防 ·治療効果を有す る化合物である上記 (20 a) 記載の化合物またはその塩、
(20 c) 上記 (20 b) 記載の化合物またはその塩を含有してなる呼吸器疾患 の予防 ·治療剤、
(21) 呼吸器疾患が肺気腫である上記 (20) 記載の予防 ·治療剤、
(22) 哺乳動物に対し、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは 実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分べプチドま たはその塩の活性を促進する化合物またはその塩、または該タンパク質の遺伝子の 発現を促進する化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする呼吸器 疾患の予防 ·治療方法、
(23) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩の活性 を促進する、または該タンパク質の遺伝子の発現を促進することを特徴とする呼吸 器疾患の予防 ·治療方法、
(24) 呼吸器疾患の予防 ·治療剤を製造するための、 配列番号: 1で表される ァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する夕ンパク質 もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩、ま たは該タンパク質の遺伝子の発現を促進する化合物またはその塩の使用、 などを提供する。 図面の簡単な説明
図 1は、実施例 1で得られたマウス摘出肺の圧-容量曲線を表す図である。図中、
(a) の— ·一は 1ヶ月間のタバコ煙曝露マウス群 (n = 8) 、 一〇一はコント口 ール群 (n = 7) を、 (b) のー秦一は 3ヶ月間のタバコ煙曝露マウス群 (n= l 0) 、 一〇一はコントロール群 (n = 9) を、 (c) の—秦一は 6ヶ月間のタバコ
煙曝露マウス群 (n=10) 、 —〇一はコントロール群 (n = 9) を示す。 * *は p≤0. 01を、 *は ρ≤0. 05を示す。
図 2は、実施例 2で得られた PC0LCE 2遺伝子発現量の結果を表す図である。 図中、横軸の Αは 1ヶ月間のタバコ煙曝露マウス肺、 Bはそのコン卜ロールマウス 肺、 Cは 3ヶ月間のタバコ煙曝露マウス肺、 Dはそのコントロールマウス肺、 Eは 6ヶ月間のタバコ煙曝露マウス肺、 Fはそのコントロールマウス肺を示す。
図 3は、実施例 3で得られたマウス P C O L C E 2遺伝子発現分布の結果を表す 図である。
図 4は、実施例 4で得られたマウス摘出肺の圧—容量曲線を表す図である。 図中 、 (a) の一睡一はエラスターゼ投与 1日後のマウス群 (n = 6) 、 一口一はコン トロール群 (n = 6) を、 (b) の一園一はエラス夕一ゼ投与 7日後のモデルマウ ス群 (n = 5) 、 一口一はコントロール群 (n=6) を、 (c) の一議一はエラス ターゼ投与 21日後のモデルマウス群 (n = 6) 、 一口一はコントロール群 (n = 6) を示す。 *は p≤0. 05、 * *は p≤0. 01を示す。
図 5は、実施例 4で得られたエラス夕一ゼ投与後のマウス摘出肺のコンプライア ンス値の経時的変化を表す図である。 図中、 横軸はエラスターゼ投与後の日数、 縦 軸はコンプライアンス値を示す。 ー麵一はエラスターゼ投与マウス群 (n = 6) 、 一口一はコントロール群 (n = 6) を示す。 *は p≤0. 05、 は p≤0. 0 1を示す。
図 6は、実施例 4で得られたェラスターゼ投与後のマウス肺組織での P C〇 L C E 2遺伝子発現量の経時的変化を表す図である。 図中、横軸はエラス夕ーゼ投与後 の日数、縦軸は PCOLCE 2遺伝子発現量を示す。 —騸—はエラス夕ーゼ投与マ ウス群 (n = 6) 、 一口一はコントロール群 (n = 6) を示す。 *は p≤0. 05 を示す。 発明を実施するための最良の形態
本発明で用いられる配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的 に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(以下、本発明のタンパク質または本
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発明で用いられるタンパク質と称することもある) は、 ヒトゃ温血動物 (例えば、 モルモット、 ラット、 マウス、 ニヮトリ、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) の細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、 グリア細胞、塍臓 jS細胞、骨髄細胞、 メサンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細胞、内皮細胞、 平滑筋細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロフ ァ一ジ、 T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラ一細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳 腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくは ガン細胞など) もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の 各部位(例、 嗅球、 扁桃核、大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、大脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 膝臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎 下腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋などに由来す るタンパク質であってもよく、 合成タンパク質であってもよい。
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と約 5 0 %以上、 好ましくは約 6 0 %以上、 さらに好ましくは約 7 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 %以上、特に好ましくは約 9 0 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙 げられる。
アミノ酸配列の相同性は、相同性計算アルゴリズム NCBI BLAST (Nat ional Center for Biotechnology Informat ion Bas ic Local Al ignment Search Tool) を用レ 以下の条件 (期待値 = 10;ギヤップを許す;マトリクス ==BLOSUM62;フィルタリン グ =0FF) にて計算することができる。
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する タンパク質としては、 例えば、 前記の配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質 的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有す るタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。 配列番 号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質としては、 例えば、 配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質 などが挙げられる。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 プロテアーゼ阻害活性、 プロコラーゲン
C末端切断促進活性などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの性質が性質的 に (例、 生理学的に、 または薬理学的に) 同質であることを示す。 したがって、 プ 口テアーゼ阻害活性、 プロコラーゲン C末端切断促進活性などが同等 (例、 約 0 . 0 1〜1 0 0倍、 好ましくは約 0 . 1〜1 0倍、 より好ましくは 0 . 5〜2倍) で あることが好ましいが、 これらの活性の程度、 タンパク質の分子量などの量的要素 は異なっていてもよい。
プロテア一ゼ阻害活性、 プロコラーゲン C末端切断促進活性の測定は、 自体公知 の方法、 例えば J. Biol. Chem. 275 (2)巻、 1384-90頁、 2000年、 Eur. J. Biochem. 186巻、 U5- 121頁、 1989年などに記載の方法またはそれに準じる方法に従って測定 することができる。
具体的には、 プロテアーゼ阻害活性の測定は、 本発明のタンパク質、 標識された (例、 蛍光ラベル) ペプチド基質およびプロテアーゼを反応させ、 プロテア一ゼ活 性により切断されたべプチド基質量を測定する。本反応は、適当な緩衝液中で行う。 '標識剤が例えば蛍光物質の場合、 ペプチド基質量は蛍光強度を測定すればよい。蛍 光強度の測定は、 蛍光測定装置などを使用する公知の方法に準じて行えばよい。 プロコラーゲン C末端切断促進活性の測定は、 本発明のタンパク質、標識された (例、 放射ラベル) プロコラーゲン、 およびプロコラーゲン C末端領域切断プロテ ァ一ゼ (例、 B M P— 1など) を反応させ、 プロテアーゼ活性により切断されたプ 口コラーゲンの C末端夕ンパク質量を測定する。本反応は、適当な緩衝液中で行う。 標識剤が例えば放射性同位元素の場合、 C末端タンパク質量の測定は、 高速液体ク 口マトグラフィーなどを使用する公知の方法に準じて行えばよい。
また、 本発明で用いられるタンパク質としては、 例えば、 (1 ) ①配列番号: 1 で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上(例えば 1〜1 0 0個程度、好まし くは 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1 ~ 5 ) 個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 ②配列番号: 1で表されるアミノ酸配列
に 1または 2個以上(例えば 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜3 0個程度、 好ま しくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が付加した アミノ酸配列、 ③配列番号: 1で表されるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (例え ば 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さ らに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、 ④配列番 号: 1で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1 〜5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または⑤それら を組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆるムティン、 ( 2 )①配列番号: 3で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上(例えば 1〜 1 0 0個程度、 好ましくは 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好 ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 ②配列番号: 3で 表されるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (例えば 1〜1 0 0個程度、好ましくは 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のァミノ酸が付加したアミノ酸配列、③配列番号: 3で表されるァミノ酸配列に 1 または 2個以上(例えば 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜 3 0個程度、 好ましく は 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が挿入されたァ ミノ酸配列、 ④配列番号: 3で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例え ば 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さ らに好ましくは数(1〜5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸 配列、または⑤それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのい わゆるムテインも含まれる。
上記のようにアミノ酸配列が挿入、 欠失または置換されている場合、 その挿入、 欠失または置換の位置としては、 とくに限定されない。
本明細書におけるタンパク質は、 ペプチド標記の慣例に従って左端が N末端(ァ ミノ末端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 1で表される アミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめとする、本発明で用いられるタンパク 質は、 C末端がカルボキシル基(- C00H)、カルボキシレート (-C00")、アミド (-画 2)
またはエステル (- C00R) の何れであってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル、 イソプロピル、 n—ブチルなどの アルキル基、 例えば、 シクロペンチル、 シク 口へキシルなどの C 3_8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 一ナフチ>レなどの C 6— 12ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフエ二ルー アルキル基 もしくは a—ナフチルメチルなどの α—ナフチルー C卜2アルキル基などの C 7一 i 4 ァラルキル基、 ビバロイルォキシメチル基などが用いられる。
本発明で用いられるタンパク質が C末端以外に力ルポキシル基(またはカルポキ シレート) を有している場合、 カルボキシル基がアミド化またはエステル化されて いるものも本発明で用いられるタンパク質に含まれる。この場合のエステ Jレとして は、 例えば上記した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明で用いられるタンパク質には、 N末端のアミノ酸残基 (例、 メチ ォニン残基) のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの アルカノィルなどの C Mァシル基など) で保護されているもの、 生体内で切断され て生成する N末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミ ノ酸の側鎖上の置換基 (例えば - 0H、 -SH、 アミノ基、 イミダゾール基、 インドール 基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの C Wアルカノィル基などの C HJァシル基など) で保護されているもの、 あるいは糖 鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
本発明で用いられるタンパク質の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1で表さ れるアミノ酸配列を含有するタンパク質、配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を 含有する夕ンパク質などがあげられる。
本発明で用いられるタンパク質の部分ペプチドとしては、前記した本発明で用い られるタンパク質の部分ペプチドであって、好ましくは、前記した本発明で用いら れるタンパク質と同様の性質を有するものであればいずれのものでもよい。
具体的には、 後述する本発明の抗体を調製する目的には、 配列番号: 1で表され るアミノ酸配列において第 3 8 1〜3 9 1番目のアミノ酸配列を有するペプチド、 配列番号: 3で表されるアミノ酸配列において第 3 8 0〜3 9 0番目のアミノ酸配
列を有するペプチドなどがあげられる。例えば、本発明で用いられるタンパク質の 構成アミノ酸配列のうち少なくとも 2 0個以上、好ましくは 5 0個以上、 さらに好 ましくは 7 0個以上、 より好ましくは 1 0 0個以上、最も好ましくは 2 0 0個以上 のァミノ酸配列を有するぺプチドなどが用いられる。
また、本発明で用いられる部分ペプチドは、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個 以上 (好ましくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のァミノ 酸が欠失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) の アミノ酸が付加し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が挿入され、 または、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好 ましくは、 1〜1 0個程度、より好ましくは数個、さらに好ましくは 1〜 5個程度) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明で用いられる部分ペプチドは C末端が力ルポキシル基 (- C00H) 、 カルポキシレート (- C00— ) 、 アミド (- C0NH2) またはエステル (- C00R) の何れで あってもよい。
さらに、本発明で用いられる部分ペプチドには、 前記した本発明で用いられる夕 ンパク質と同様に、 C末端以外に力ルポキシル基(またはカルボキシレート) を有 しているもの、 N末端のアミノ酸残基 (例、 メチォニン残基) のァミノ基が保護基 で保護されているもの、 N端側が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピロ グルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保 護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合べプチ ドなども含まれる。
本発明で用いられる部分ペプチドは抗体作成のための抗原としても用いること ができる。
本発明で用いられるタンパク質または部分ペプチドの塩としては、生理学的に許 容される酸 (例、 無機酸、 有機酸) や塩基 (例、 アルカリ金属塩) などとの塩が用 いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、
例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有 機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒 石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホ ン酸) との塩などが用いられる。
本発明で用いられるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩は、前述 したヒトゃ温血動物の細胞または組織から自体公知のタンパク質の精製方法によ つて製造することもできるし、タンパク質をコードする D N Aを含有する形質転換 体を培養することによつても製造することができる。 また、後述のペプチド合成法 に準じて製造することもできる。
ヒトゃ哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、 ヒトゃ哺乳動物の組織また は細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、 該抽出液を逆相クロマトグ ラフィ一、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせ ることにより精製単離することができる。
本発明で用いられるタンパク質もしくは部分べプチドまたはその塩、またはその アミド体の合成には、 通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。そ のような樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル樹脂、 ベン ズヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4一べンジルォキシベンジルアルコー ル樹脂、 4—メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 P AM樹脂、 4ーヒドロキシメチ ルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド榭脂、 4 _ ( 2 ' , 4, ージメトキシフエ二ルーヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4— ( 2, , 4, ージメトキシフエ二ルー Fm o cアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げること ができる。 このような樹脂を用い、 ひーァミノ基と側鎖官能基を適当に保護したァ ミノ酸を、 目的とするタンパク質の配列通りに、 自体公知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂から夕ンパク質または部分べプチドを切り 出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合 形成反応を実施し、 目的のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはそれらのアミド 体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用できる各種活性
化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルポジイミド 類としては、 D C C、 N, Ν'—ジイソプロピルカルポジイミド、 Ν—ェチル— N' 一 (3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられる。 これらによ る活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 HO B t, HO O B t ) とともに保護 アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物または HO B tエステルあ るいは H O O B tエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なつた後 に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮 合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、 N, N—ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N—メチルピロリド ンなどの酸アミド類、 塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化水素類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホ キシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフランなどのエーテル類、 ァセト 二トリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸ェチルなどのェ ステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタンパク質 結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約一 2 0 ° (:〜 5 0 °Cの範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜 4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十 分な場合には保護基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより十分 な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときに は、無水酢酸またはァセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をァセチル化す ることによって、 後の反応に影響を与えないようにすることができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 t一ペンチルォキシカ ルポニル、イソボルニルォキシカルポニル、 4—メトキシベンジルォキシカルボ二 ル、 C 1 一 Z、 B r—Z、ァダマンチルォキシカルポニル、 トリフルォロアセチル、 フタロイル、 ホルミル、 2一二卜口フエニルスルフエニル、 ジフエニルホスフイノ チオイル、 Fm o cなどが用いられる。
力ルポキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プ
口ピル、ブチル、 t一ブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロへプチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルェ ステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステル、 4—ニトロベン ジルエステル、 4ーメトキシベンジルエステル、 4一クロ口べンジルエステル、 ベ ンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベンジルォキシカルポニルヒ ドラジド化、 t一ブトキシカルポニルヒドラジド化、 トリチルヒドラジド化などに よつて保護することができる。
セリンの水酸基は、例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護すること ができる。このエステル化に適する基としては、例えば、ァセチル基などの低級(C !_6) アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルポニル 基、 エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。 また、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロピラニル基、 t一ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 B z 1、 C 12-B z l、 2—ニトロベンジル、 B r_Z、 t—ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 例えば、 To s、 4—メトキシー 2, 3, 6—卜リメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメチル、 B um、 Bo c、 Tr t、 Fmo cなどが用いられる。
原料の力ルポキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペン夕クロ口フエノール、 2, 4, 5—トリクロ口フエノール、 2, 4—ジニトロフエノール、 シァノメチルアルコー ル、 パラニトロフエノール、 HONB、 N—ヒドロキシスクシミド、 N—ヒドロキ シフ夕ルイミド、 HOB t) とのエステル〕 などが用いられる。 原料のァミノ基の 活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 Pd—黒あるいは Pd—炭素など の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタンス ルホン酸、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれらの混 合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルァミン、 ピぺ
リジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリウムによる 還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約一 2 0 ° (:〜 4 0 °C の温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソール、 フエノール、 チ オアニソール、 メタクレゾ一ル、 パラクレゾール、 ジメチノレスルフイド、 1, 4— ブタンジチオール、 1 , 2—エタンジチオールなどのようなカチォン捕捉剤の添加 が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾ一ル保護基として用いられる 2 , 4— ジニト口フエニル基はチォフエノ一ル処理により除去され、 卜リブトフアンのイン ドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1 , 2—エタンジチオール、 1, 4一ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護 外に、希水酸化ナトリ ゥム溶液、 希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基 の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜 選択しうる。
タンパク質または部分ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、例えば、 ま ず、 カルポキシ末端アミノ酸の α—力ルポキシル基をアミ ド化して保護した後、 ァ ミノ基側にペプチド (タンパク質) 鎖を所望の鎖長まで延 した後、 該ペプチド鎖 の Ν末端の α—ァミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部分べプチドと C末端の力ルポキシル基の保護基のみを除去したタンパク質または部分ペプチド とを製造し、 これらのタンパク質またはペプチドを上記したような混合溶媒中で縮 合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護 タンパク質またはべプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、 所望の粗タンパク質またはペプチドを得ることができる。この粗タンパク質または ぺプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで 所望のタンパク質またはペプチドのアミド体を得ることができる。
タンパク質またはペプチドのエステル体を得るには、例えば、 カルポキシ末端ァ ミノ酸の α—力ルポキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルと した後、 タンパク質またはペプチドのアミド体と同様にして、 所望のタンパク質ま たはぺプチドのエステル体を得ることができる。
本発明で用いられる部分ペプチドまたはそれらの塩は、自体公知のペプチドの合 成法に従つて、あるいは本発明で用いられる夕ンパク質を適当なぺプチダーゼで切 断することによって製造することができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明で用いられる 部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合さ せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを 製造することができる。 公知の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下の
①〜⑤に記載された方法が挙げられる。
ΦΜ. Bodanszkyおよび M. A. Ondet t i、ペプチド ·シンセシス (Pept ide Synthes is) , Interscience Publ ishers, New York (1966年)
② Schroederおよび Luebke、 ザ ·ペプチド(The Pept ide), Academic Press, New York (1965年)
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
④矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、 205、 (1977 年)
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発、 第 14巻、 ペプチド合成、 広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 ·カラムクロマトグラフ ィ一 ·液体ク口マトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明で用いられる部 分べプチドを精製単離することができる。上記方法で得られる部分べプチドが遊離 体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換す ることができるし、 逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方 法によって遊離体または他の塩に変換することができる。
本発明で用いられるタンパク質をコードするポリヌクレオチドとしては、前述し た本発明で用いられるタンパク質をコードする塩基配列を含有するものであれば いかなるものであってもよい。 好ましくは D NAである。 D NAとしては、 ゲノム D NA、 ゲノム D NAライブラリー、 前記した細胞'組織由来の c D NA、 前記し た細胞 ·組織由来の c D NAライブラリー、 合成 D N Aのいずれでもよい。
ライブラリーに使用するベクターは、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コスミ
ド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、前記した細胞 ·組織より total RNAまたは mR NA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain React ion (以下、 R T— P C R法と略称する) によって増幅す ることもできる。
本発明で用いられるタンパク質をコードする D NAとしては、 例えば、 配列番 号: 2で表される塩基配列を含有する D NA、 または配列番号: 2で表される塩基 配列とハイストリンジェントな,条件下でハイプリダイズする塩基配列を含有し、前 記した配列番号: 1で表されるァミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質 の性質を有するタンパク質をコードする D N Aであれば何れのものでもよい。 配列番号: 2で表される塩基配列と八ィストリンジェン卜な条件下でハイプリダ ィズできる D NAとしては、 例えば、 配列番号: 2で表される塩基配列と約 5 0 % 以上、 好ましくは約 6 0 %以上、 さらに好ましくは約 7 0 %以上、 より好ましくは 約 8 0 %以上、 特に好ましくは約 9 0 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上の相同 性を有する塩基配列を含有する D NAなどが用いられる。 例えば、 配列番号: 4で 表される塩基配列を含有する D NAなどが挙げられる。
塩基配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム NCBI BLAST (Nat ional Center for Biotechnology Informat ion Basic Local Al ignment Search Tool) を用レ、 以下 の条件 (期待値 = 10;ギャップを許す;フィルタリング =0N;マッチスコア = 1; ミスマッチスコア =-3) にて計算することができる。
ハイプリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、 モレキュラー ·クローニング (Molecular Cloning) 2 nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことが できる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方 法に従って行なうことができる。 より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に 従って行なうことができる。
ハイストリンジェン卜な条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約 1 9〜4 0 mM、 好ましくは約 1 9〜 2 0 mMで、 温度が約 5 0〜 7 0 X:、 好ましくは約 6 0 ~ 6 5 °Cの条件を示す。特に、 ナトリゥム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 °Cの場合が
最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質を コードする DNAとしては、 配列番号: 2で表される塩基配列を含有する DNAな どが、配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする D NAとしては、配列番号: 4で表される塩基配列を含有する DNAなどが用いられ る。
本発明で用いられる部分ペプチドをコードするポリヌクレオチド (例、 DNA) としては、前述した本発明で用いられる部分ペプチドをコードする塩基配列を含有 するものであればいかなるものであってもよい。 また、 ゲノム DNA、 ゲノム DN Aライブラリー、 前記した細胞 ·組織由来の c DNA、 前記した細胞 ·組織由来の cDNAライブラリ一、 合成 DNAのいずれでもよい。
本発明で用いられる部分ペプチドをコードする DNAとしては、例えば、配列番 号: 2で表される塩基配列を含有する DNAの一部分を含有する DNA、 または配 列番号: 2で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイプリダイズ する塩基配列を含有し、本発明のタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパ ク質をコードする DN Aの一部分を含有する DN Aなどが用いられる。
配列番号: 2で表される塩基配列とハイブリダィズできる DNAは、 前記と同意 義を示す。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記と同 様のものが用いられる。
本発明で用いられるタンパク質、 部分ペプチド (以下、 これらをコードする DN Aのクローニングおよび発現の説明においては、 これらを単に本発明のタンパク質 と略記する場合がある)を完全にコードする DNAのクローニングの手段としては、 本発明のタンパク質をコードする塩基配列の一部分を有する合成 DN Aプライマ 一を用いて PC R法 よって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだ DN Aを本発明のタンパク質の一部あるいは全領域をコードする DNA断片もしくは 合成 DN Aを用いて標識したものとのハイブリダィゼーシヨンによって選別する ことができる。 ハイブリダィゼーシヨンの方法は、 例えば、 モレキュラー ·クロー
ニング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のライ ブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことがで さる。
DNAの塩基配列の変換は、 PCR、 公知のキット、 例えば、 Mutan™- super Express Km (宝酒造 (株) ) 、 Mutan™-K (宝酒造 (株) ) 等を用いて、 ODA- LAPCR 法、 Gapped duplex法、 Kunkel法等の自体公知の方法あるいはそれらに準じる方法 に従って行なうことができる。
クローン化されたタンパク質をコードする DNAは目的によりそのまま、または 所望により制限酵素で消化したり、 リンカ一を付加したりして使用することができ る。 該 DNAはその 5' 末端側に翻訳開始コドンとしての ATGを有し、 また 3' 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TG Aまたは TAGを有していてもよ レ^ これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な合成 DNAアダプタ一を 用いて付加することもできる。
本発明のタンパク質の発現ベクターは、 例えば、 (ィ)本発明のタンパク質をコ ードする DNAから目的とする DNA断片を切り出し、 (口)該 DNA断片を適当 な発現べクタ一中のプロモーターの下流に連結することにより製造することがで さる。
ベクタ一としては、大腸菌由来のプラスミド(例、 PBR 322, pBR 325, pUC 12, pUC13) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB 110, TP 5, pC 194) 、 酵母由来プラスミド (例、 pSHl 9, p SHI 5) 、 λファ ージなどのバクテリオファージ、 レトロウイルス, ワクシニアウィルス, バキュ口 ゥィルスなどの動物ゥィルスなどの他、 A 1 - 11、 pXT 1、 pRc/CMV、 pRcZRS V、 p cDNA I ZN e oなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモー夕一としては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応し て適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、 動物細胞を宿主と して用いる場合は、 SRaプロモーター、 SV40プロモ一夕一、 LTRプロモー 夕一、 CMVプロモーター、 HSV-TKプロモーターなどが挙げられる。
これらのうち、 CMV (サイトメガロウィルス) プロモータ一、 SRaプロモー ターなどを用いるのが好ましい。宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプ 口モー夕—、 プロモ一夕一、 r e cAプロモ一夕一、 APLプロモーター、 1 ppプロモー夕一、 T 7プロモータ一などが、宿主がバチルス属菌である場合は、 SP01プロモータ一、 SP02プロモ一夕一、 p e n Pプロモータ一など、 宿主 が酵母である場合は、 PHO 5プロモーター、 PGKプロモーター、 GAPプロモ 一夕一、 ADHプロモーターなどが好ましい。 宿主が昆虫細胞である場合は、 ポリ ヘドリンプロモーター、 P 10プロモータ一などが好ましい。
発現べクタ一には、 以上の他に、 所望によりェンハンサ一、 スプライシングシグ ナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下、 SV4 0 o r iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いることができる。 選択マ一カーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dh f rと略称す る場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシリン耐性遺 伝子 (以下、 Amp と略称する場合がある) 、 ネオマイシン耐性遺伝子 (以下、 Ne orと略称する場合がある、 G41 8耐性) 等が挙げられる。 特に、 dh f r 遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞を用いて dh f r遺伝子を選択マーカー として使用する場合、 目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択できる。 また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のタンパク質の N端 末側に付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 PhoA ·シグナル配列、 OmpA ·シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、 ひ一アミラーゼ- シグナル配列、 サブチリシン,シグナル配列などが、 宿主が酵母である場合は、 M F a ·シグナル配列、 SUC 2 ·シグナル配列など、 宿主が動物細胞である場合に は、 インシュリン ·シグナル配列、 ひ一インターフェロン ·シグナル配列、 抗体分 子 ·シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のタンパク質をコ一ドする DN Aを含有する ベクターを用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆 虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌の具体例としては、例えば、ェシエリヒア'コリ (Escherichia coli) Kl 2 - DH1 CProc. Natl. Acad. Sci. USA, 60巻, 160 (1968)〕 , JM1 03 [Nucleic Acids Research, 9巻, 309 (1981)〕, J A 221 (Journal of Molecular Biology, 120巻, 517 (1978)〕 , HB 101 [Journal of Molecular Biology, 41 巻, 459 (1969)〕 , C 600 [Genetics, 39巻, 440 (1954)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·サブチルス (Bacillus subtilis) M I 114 [Gene, 24巻, 255 (1983)〕 , 207 - 21 [Journal of Biochemistry, 95 巻, 87 (1984)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレピシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH22, AH22R—, NA 87 - 11 A, DKD- 5D, 2 OB 一 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) NCYC 1913, NCYC 2036, ピキア パストリス (Pichia pastoris) KM 71 などが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが Ac NPVの場合は、 夜盗蛾の幼虫由来 株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの中腸由 来の MG 1細胞、 Tridioplusianiの卵由来の HigliFive™細胞、 Mamestra brassicae 由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウィルスが Bm NPVの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori N細胞; BmN細胞) などが用い られる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCCCRL1711) 、 S f 21細 胞 (以上、 Vaughn, J丄ら、 In Vivo, 13, 213-217, (1977)) などが用いられる。 昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 Nature, 315 巻, 592(1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Ve ro, チャイニーズハム スター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) , dh f r遺伝子欠損チャイニーズ ハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r— )細胞と略記) , マウス L細胞, マウス At T— 20, マウスミエローマ細胞, マウス ATDC5細胞, ラット GH 3, ヒト FL細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69
巻, 2110 (1972) Gene, 17巻, 107 (1982)などに記載の方法に従って行なうことができ る。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 Molecular & General Genet ics, 168 巻, 111 (1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、 Methods in Enzymology, 194巻, 182-187 (1991)、 Pro Nat l. Acad. Sc i. USA, 75巻, 1929 (1978)などに記載の方法に従って行なうこ とができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 Bio/Technology, 6,
47-55 (1988)などに記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、 例えば、細胞工学別冊 8 新細胞工学実験プロ卜 コール. 263-267 (1995) (秀潤社発行) 、 Virology, 52巻, 456 (1973)に記載の方法に 従って行なうことができる。
このようにして、タンパク質をコードする D N Aを含有する発現ベクターで形質 転換された形質転換体を得ることができる。
宿主がェシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に 使用される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に 必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては、 例え ば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源としては、 例え ば、 アンモニゥム塩類、硝酸塩類、 コ一ンスチープ ·リカー、ペプトン、カゼイン、 肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグネシウムなどが挙け5 られる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 成長促進因子などを添加してもよい。 培 地の p Hは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミノ 酸を含む M 9培地 [Mi l ler, Journal of Experiments in Molecular
Genet ics, 431-433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972] が好ましい。 ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、例えば、 3 ]3—インド リルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。
宿主がェシェリヒァ属菌の場合、培養は通常約 15〜 43 °Cで約 3〜 24時間行 ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約 30〜40 で約 6〜24時間行ない、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホー ルダ一 (Burkholder)最小培地 CBostian, K. L. ら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77 巻, 4505 (1980)〕や 0. 5 %カザミノ酸を含有する S D培地〔Bitter, G. A. ら、 Pro Natl. Acad. Sci. USA, 81巻, 5330 (1984)〕 が挙げられる。 培地の pHは約 5〜8に 調整するのが好ましい。 培養は通常約 20°C〜35 ^で約 24〜72時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、
Grace's Insect Medium (Grace, T. C. C. , Nature), 195, 788(1962)) に非動化した 10%ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地の pHは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 27 °Cで約 3〜 5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5〜 20%の胎児牛血清を含む MEM培地 [Science, 122巻, 501 (1952)〕 , DMEM培 地 [Virology, 8 , 396(1959)] , RPM I 1640培地 [The Journal of the American Medical Association 199巻, 519 (1967)〕 , 199培地 [Proceeding of the Society for the Biological Medicine, 73巻, 1 (1950)] などが用いられる。 p Hは約 6〜 8であるのが好ましい。培養は通常約 30〜401:で約15〜60時間 行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明のタンパ ク質を生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のタンパク質を分離精製するには、 例えば、下記の方法に より行なうことができる。
本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培養後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、 リ
ゾチームおよび zまたは凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち 遠心分離やろ過によりタンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩 衝液の中に尿素や塩酸グァニジンなどの蛋白質変性剤や、 トリトン X— 1 0 0 TM などの界面活性剤力 S含まれていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場合 には、 培養終了後、 それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、 上 清を集める。
このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる夕ンパク質の精 製は、 自体公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。 これら の公失 Πの分離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルアミドゲル電気泳 動法などの主として分子量の差を利用する方法、ィォン交換ク口マトグラフィ一な どの荷電の差を利用する方法、ァフィ二ティ一クロマトグラフィーなどの特異的親 和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用す る方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。 かくして得られるタンパク質が遊離体で得られた場合には、 自体公知の方法ある いはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合に は自体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換す ることができる。
なお、 組換え体が産生するタンパク質を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾 酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを部分的に除 去することもできる。 蛋白修飾酵素としては、 例えば、 トリプシン、 キモトリプシ ン、 アルギニルェンドぺプチダーゼ、 プロテインキナーゼ、 グリコシダーゼなどが 用いられる。
かくして生成する本発明のタンパク質の存在は、特異抗体を用いたェンザィムィ ムノアツセィゃウェスタンブロッテイングなどにより測定することができる。 本発明で用いられるタンパク質もしくは部分べプチドまたはその塩に対する抗 体は、本発明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩を認識し 得る抗体であれば、 ポリクローナル抗体、 モノクローナル抗体の何れであつてもよ
い。
本発明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以下、 抗体 の説明においては、 これらを単に本発明のタンパク質と略記する場合がある) に対 する抗体は、 本発明のタンパク質を抗原として用い、 自体公知の抗体または抗血清 の製造法に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそ れ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高め るため、完全フロイントアジュバン卜や不完全フロイントアジュバントを投与して もよい。 投与は通常 2〜6週毎に 1回ずつ、 計 2〜10回程度行われる。 用いられ る温血動物としては、例えば、サル、 ゥサギ、ィヌ、モルモット、マウス、 ラッ卜、 ヒッジ、 ャギ、 ニヮトリが挙げられるが、 マウスおよびラットが好ましく用いられ る。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原で免疫された温血動物、 例 えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に脾臓ま たはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動物の骨 髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイプリドーマを調製 することができる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化タンパク質 と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより 行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケ一ラーとミルスタインの 方法 〔ネイチヤー (Nature), 256、 495 (1975)〕 に従い実施することができる。 融 合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコール (PEG) やセンダイウィル スなどが挙げられるが、 好ましくは P E Gが用いられる。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P 3U1、 SP 2/0、 AP— 1など の温血動物の骨髄腫細胞が挙げられるが、 P 3U1が好ましく用いられる。用いら れる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1: 1〜20: 1程度であり、 PEG (好ましくは PEG 1000〜PEG6000) が 10〜8
0 %程度の濃度で添加され、 2 0〜4 0 °C、好ましくは 3 0〜3 7 °Cで 1〜1 0分 間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイプリドーマのスクリーニングには種々の方法が使 用できるが、 例えば、 タンパク質抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培養上清を添加し、 次に放射'性物質や 酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの 場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) またはプロテイン Aを力 Πえ、 固 相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロプリン抗体またはプ 口ティン Aを吸着させた固相にハイプリドーマ培養上清を添加し、放射性物質ゃ酵 素などで標識したタンパク質を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出す る方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、 自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行な うことができる。 通常 HAT (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミジン) を添 加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および育種用培地としては、 八 イブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、 1 〜2 0 %、 好ましくは 1 0〜2 0 %の牛胎児血清を含む R P M I 1 6 4 0培地、 1〜1 0 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) あるい ハイブ リドーマ培養用無血清培地 (S F M— 1 0 1、 日水製薬 (株) ) などを用いること ができる。 培養温度は、 通常 2 0〜4 0 ° (:、 好ましくは約 3 7 °Cである。 培養時間 は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。 培養は、 通常 5 %炭酸 ガス下で行なうことができる。ハイプリドーマ培饕上清の抗体価は、上記の抗血清 中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
( b ) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 自体公知の方法、 例えば、 免疫グロブリンの 分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿法、 電気泳動法、 イオン 交換体 (例、 D E A E) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲルろ過法、 抗原結合固相あ るいはプロテイン Aあるいはプロテイン Gなどの活性吸着剤により抗体のみを採 取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従って行なうことができる。
〔ポリクロ一ナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法に従つ て製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (タンパク質抗原) 自体、 あるいはそ れとキャリア一蛋白質との複合体をつくり、上記のモノグローナル抗体の製造法と 同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のタンパク質に対する抗体 含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造することができる。 温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体 に関し、 キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、 キヤ リア一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、 どの様な ものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アルブミンやゥシサ イログロブリン、 へモシァニン等を重量比でハプテン 1に対し、 約 0 . 1〜2 0、 好ましくは約 1〜 5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリア一の力プリングには、 種々の縮合剤を用いることがで きるが、 ダルタルアルデヒドゃカルポジィミド、 マレイミド活性エステル、 チォ一 ル基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担 体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全フロ イントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。 投与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜 1 0回程度行なわれる。
ポリクローナル抗体は、 上記の方法で免疫された温血動物の血液、 腹水など、 好 ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同 様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗 体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうことができる。 本発明で用いられるタンパク質または部分ペプチドをコードするポリヌクレオ チド (例、 D NA (以下、 アンチセンスポリヌクレオチドの説明においては、 これ らの D NAを本発明の D NAと略記する場合がある) ) の塩基配列に相補的な、 ま たは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有するアンチセンスポリヌクレ
ォチドとしては、本発明の DNAの塩基配列に相補的な、 または実質的に相補的な 塩基配列またはその一部を有し、該 DN Aの発現を抑制し得る作用を有するもので あれば、 いずれのアンチセンスポリヌクレオチドであってもよいが、 アンチセンス DN Aが好ましい。
本発明の DN Aに実質的に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明の DN Aに相 補的な塩基配列 (すなわち、 本発明の DNAの相補鎖) の全塩基配列あるいは部分 塩基配列と約 70%以上、好ましくは約 80%以上、より好ましくは約 90%以上、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列などが挙げられる。 特に、 本発明の DNAの相補鎖の全塩基配列うち、 (ィ)翻訳阻害を指向したアンチセン スポリヌクレオチドの場合は、本発明のタンパク質の N末端部位をコードする部分 の塩基配列 (例えば、 開始コドン付近の塩基配列など) の相補鎖と約 70%以上、 好ましくは約 80 %以上、 より好ましくは約 90 %以上、 最も好ましくは約 95 % 以上の相同性を有するアンチセンスポリヌクレオチドが、 (口) RNa s eHによ る R N A分解を指向するァンチセンスポリヌクレオチドの場合は、イントロンを含 む本発明の DN Aの全塩基配列の相補鎖と約 70%以上、好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 90 %以上、最も好ましくは約 95%以上の相同性を有するアン チセンスポリヌクレオチドがそれぞれ好適である。
具体的には、 (1) 配列番号: 2で表される塩基配列を含有する DNAの塩基配 列に相補的な、 もしくは実質的に相補的な塩基配列、 またはその一部分を含有する アンチセンスポリヌクレオチド、 好ましくは例えば、 配列番号: 2で表される塩基 配列を含有する DN Aの塩基配列に相補な塩基配列、またはその一部分を含有する アンチセンスポリヌクレオチド (より好ましくは、 配列番号: 2で表される塩基配 列を含有する DNAの塩基配列に相補な塩基配列、またはその一部分を含有するァ ンチセンスポリヌクレオチド) 、 (2) 配列番号: 4で表される塩基配列を含有す る DNAの塩基配列に相補的な、 もしくは実質的に相補的な塩基配列、 またはその 一部分を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、 好ましくは例えば、 配列番号: 4で表される塩基配列を含有する DN Aの塩基配列に相補な塩基配列、またはその 一部分を含有するアンチセンスポリヌクレオチド (より好ましくは、 配列番号: 4
で表される塩基配列を含有する D NAの塩基配列に相補な塩基配列、またはその一 部分を含有するアンチセンスポリヌクレオチド) などが挙げられる。
アンチセンスポリヌクレオチドは通常、 1 0〜4 0個程度、 好ましくは 1 5〜3 0個程度の塩基から構成される。
ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐために、アンチセンス D NA を構成する各ヌクレオチドのりん酸残基 (ホスフェート) は、 例えば、 ホスホロチ ォエート、 メチルホスホネート、 ホスホロジチォネートなどの化学修飾りん酸残基 に置換されていてもよい。 また、 各ヌクレオチドの糖(デォキシリポース) は、 2, —O—メチル化などの化学修飾糖構造に置換されていてもよいし、塩基部分(ピリ ミジン、 プリン) も化学修飾を受けたものであってもよく、 配列番号: 2で表され る塩基配列を含有する D N Aにハイブリダィズするものであればいずれのもので もよい。 これらのアンチセンスポリヌクレオチドは、 公知の D NA合成装置などを 用いて製造することができる。
本発明に従えば、本発明のタンパク質遺伝子の複製または発現を阻害することの できるアンチセンスポリヌクレオチドを、 クローン化した、 あるいは決定された夕 ンパク質をコードする D NAの塩基配列情報に基づき設計し、 合成しうる。かかる ヌクレオチド (核酸) は、 本発明のタンパク質遺伝子の R NAとハイブリダィズす ることができ、該 R NAの合成または機能を阻害することができるか、 あるいは本 発明のタンパク質関連 R N Aとの相互作用を介して本発明のタンパク質遺伝子の 発現を調節 '制御することができる。本発明のタンパク質関連 R N Aの選択された 配列に相補的なポリヌクレオチド、および本発明のタンパク質関連 R NAと特異的 にハイプリダイズすることができるポリヌクレオチドは、生体内および生体外で本 発明のタンパク質遺伝子の発現を調節 ·制御するのに有用であり、 また病気などの 治療または診断に有用である。 用語 「对応する」 とは、 遺伝子を含めたヌクレオチ ド、塩基配列または核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であること を意味する。ヌクレオチド、塩基配列または核酸とペプチド(蛋白質) との間で「対 応する」 とは、 ヌクレオチド (核酸) の配列またはその相補体から誘導される指令 にあるペプチド (蛋白質) のアミノ酸を通常指している。 タンパク質遺伝子の 5 '
端ヘアピンループ、 5 ' 端 6—ベ一スペア ·リピート、 5 ' 端非翻訳領域、 ポリべ プチド翻訳開始コドン、 蛋白質コード領域、 O R F翻訳終止コドン、 3 '端 翻訳 領域、 3 ' 端パリンドローム領域、 および 3 ' 端ヘアピンループは好ましい対象領 域として選択しうるが、タンパク質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しう る。
目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドとの関係は、 対象物とハイプリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係は、 「アンチ センス」 であるということができる。 7ンチセンスポリヌクレオチドは、 2—デォ キシー D—リポースを含有しているポリヌクレオチド、 D—リポースを含有してい るポリヌクレオチド、プリンまたはピリミジン塩基の N—グリコシドであるその他 のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリ マー (例えば、 市販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマ—) または特 殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、 該ポリマーは D N Aや RN A中に見 出されるような塩基のペアリングゃ塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチ ドを含有する) などが挙げられる。 それらは、 2本鎖 D NA、 1本鎖 D NA、 2本 鎖 R NA、 1本鎖 R NA、 さらに D NA: R NAハイブリッドであること力 Sでき、 さらに非修飾ポリヌクレオチド (または非修飾オリゴヌクレオチド) 、 さらには公 知の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップ の付いたもの、 メチル化されたもの、 1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置 換したもの、 分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、 ホスホトリエステル、 ホスホルアミデート、 力ルバメートな ど) を持つもの、 電荷を有する結合または硫黄含有結合 (例えば、 ホスホロチォェ ート、 ホスホロジチォエートなど) を持つもの、 例えば蛋白質 (ヌクレアーゼ、 ヌ クレア—ゼ.インヒビター、 トキシン、 抗体、 シグナルペプチド、 ポリ一 Lーリジ ンなど) や糖 (例えば、 モノサッカライドなど) などの側鎖基を有しているもの、 インターカレント化合物 (例えば、 ァクリジン、 ソラレンなど) を持つもの、 キレ ート化合物 (例えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性の金属など) を 含有するもの、ァルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、
ひァノマー型の核酸など) であってもよい。 ここで 「ヌクレオシド」 、 「ヌクレオ チド」 および 「核酸」 とは、 プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、 修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。こうした修 飾物は、 メチル化されたプリンぉよびピリミジン、 ァシル化されたプリンおよびピ リミジン、 あるいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌクレオ チドおよび修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、 例えば、 1個以上の水酸基がハロゲンとか、 脂肪族基などで置換されていたり、 あるいはェ 一テル、 ァミンなどの官能基に変換されていてよい。
本発明のアンチセンスポリヌクレオチドは、 R NA、 D NA、 あるいは修飾され た核酸 (R NA、 D NA) である。 修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘 導体ゃチォホスフエ一ト誘導体、そしてポリ.ヌクレオシドアミドゃオリゴヌクレオ シドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定されるものではない。 本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計されうる。 すなわち、 細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞透 過性をより高める、 目標とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにする、 そしてもし毒性があるならァンチセンス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうして修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kawakami e t al. , Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992 ; Vol. 8, pp. 395, 1992 ; S. T. Crooke et al. ed. , Ant isense Research and App l icat ions, CRC Press, 1993 などに開 示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結合 を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で供与され たり、遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられることができう る。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格の電荷を中和する ように働くポリリジンのようなポリ力チォン体、 細胞膜との相互作用を高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホスホリピド、 コレステロール など) といった疎水性のものが挙げられる。 付加するに好ましい脂質としては、 コ レステロールやその誘導体 (例えば、 コレステリルクロ口ホルメート、 コ一ル酸な
ど) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸の 3 ' 端あるいは 5 ' 端に付着させるこ とができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3 '端あるいは 5 '端に特異的に配置されたキャップ 用の基で、 ェキソヌクレア一ゼ、 R N a s eなどのヌクレア一ゼによる分解を阻止 するためのものが挙げられる。 こうしたキャップ用の基としては、 ポリエチレング リコール、テトラエチレンダリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で 知られた水酸基の保護基が挙げられるが、 それに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や生体外 の遺伝子発現系、あるいは本発明のタンパク質の生体内や生体外の翻訳系を用いて 調べることができる。 該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に適用できる。 以下に、 本発明のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以下、 本発明 のタンパク質と略記する場合がある) 、本発明のタンパク質または部分ペプチドを コードするポリヌクレオチド (例、 D NA (以下、 本発明の D NAと略記する場合 がある) ) 、 本発明のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩に対する抗体 (以下、 本発明の抗体と略記する場合がある) 、 および本発明の D NAのアンチセ ンスポリヌクレオチド (以下、本発明のアンチセンスポリヌクレオチドと略記する 場合がある) の用途を説明する。
本発明のタンパク質は、 肺気腫病変を有する肺で発現が低下するので、 疾患マー カーとして利用することが出来る。 すなわち、 肺における早期診断、 症状の重症度 の判定、 疾患進行の予測のためのマーカーとして有用である。 よって、 本発明の夕 ンパク質をコードする遺伝子のァンチセンスポリヌクレオチド、本発明のタンパク 質の活性を阻害する化合物もしくはその塩または本発明のタンパク質に対する抗 体を含有する医薬は、例えば、呼吸器疾患〔例、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線 維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性 鼻炎、萎縮性鼻炎、乾燥性前鼻炎、血管運動性鼻炎、壊疽性鼻炎、副鼻腔炎など)、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー
性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎 症性腸疾患、アレルギー性結膜炎などの予防'治療剤として使用することができる。 好ましくは、 呼吸器疾患などの予防 ·治療剤、 さらに好ましくは慢性閉塞性肺疾患 などの予防 ·治療剤、 さらに好ましくは肺気腫などの予防 ·治療剤である。
( 1 ) 疾病に対する医薬候補化合物のスクリーニング
本発明のタンパク質は肺気腫病変を有する肺で発現が低下するので、本発明の夕 ンパク質の活性を調節 (好ましくは促進) する化合物またはその塩は、 例えば、 呼 吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支 炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレル ギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻 炎、血管運動性鼻炎、壊疽性鼻炎、副鼻腔炎など)、免疫疾患(例、重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性 関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アト'ピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能 不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜 炎などの予防 ·治療剤として使用することができる。 好ましくは、 呼吸器疾患など の予防 ·治療剤、 さらに好ましくは慢性閉塞性肺疾患などの予防 ·治療剤、 さらに 好ましくは肺気腫などの予防 ·治療剤である。
したがって、 本発明のタンパク質は、 本発明のタンパク質の活性を調節 (好まし くは促進)する化合物またはその塩のスクリーニングのための試薬として有用であ る。
すなわち、 本発明は、本発明のタンパク質を用いることを特徴とする本発明の夕 ンパク質の活性 (例えば、 プロテア一ゼ阻害活性、 プロコラーゲン C末端切断促進 活性など) を調節 (促進または阻害) する化合物またはその塩のスクリーニング方 法を提供する。
具体的には、 (i) 本発明のタンパク質のプロテアーゼ阻害活性またはプロコラ 一ゲン C末端切断促進活性と、 (i i)本発明のタンパク質と試験化合物の混合物の プロテア一ゼ阻害活性またはプロコラーゲン c末端切断促進活性との比較をする ことを特徴する本発明のタンパク質の活性を調節(促進または阻害)する化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法が用いられる。
上記スクリーニング方法においては、 例えば (i) と (i i) の場合において、 プ 口テア一ゼ阻害活性またはプロコラーゲン C末端切断促進活性を自体公知の方法、 例えば、 J. Biol. Chera. 275 (2)巻、 1384- 90頁、 2000年、 Eur. J. Biochem. 186 巻、 115- 121頁、 1989年などに記載の方法またはそれに準じる方法に従って測定し、 比較する。
具体的には、 (i)本発明のタンパク質、 標識された (例、 蛍光ラベル) ペプチド 基質およびプロテアーゼを反応させた場合と、 (i i)試験化合物の存在下、 本発明の タンパク質、 標識された (例、 蛍光ラベル) ペプチド基質およびプロテア一ゼを反 応させた場合の、プロテアーゼ活性により切断されたべプチ 'ド基質量をそれぞれ測 定し、 本発明のタンパク質の活性を調節 (促進または阻害) する化合物またはその 塩をスクリーニングする。 本反応は、 適当な緩衝液中で行う。 切断されたペプチド 基質量は公知の方法によって測定する。標識剤が例えば蛍光物質の場合、 ペプチド 基質量は蛍光強度を測定すればよい。 蛍光強度の測定は、 蛍光測定装置などを使用 する公知の方法に準じて行えばよい。
標識されたペプチド基質およびプロテア一ゼは、試験化合物と混合した後に、本 発明のタンパク質と反応させてもよく、 また、本発明のタンパク質に標識されたぺ プチド基質およびプロテアーゼを接触させた後、 試験化合物を添加してもよい。 具体的には、 (i)本発明のタンパク質、 標識された (例、 放射ラベル) プロコラ 一ゲン、およびプロコラーゲン C末端領域切断プロテアーゼ(例、 B M P— 1など) を反応させた場合と、 (i i)試験化合物の存在下、 本発明のタンパク質、 標識された (例、 放射ラベル) プロコラーゲン、 およびプロコラーゲン C末端領域切断プロテ ァ一ゼ (例、 BM P— 1など) を反応させた場合の、 プロテアーゼ活性により切断 されたプロコラーゲンの C末端夕ンパク質量をそれぞれ測定し、本発明の夕ンパク 質の活性を調節(促進または阻害)する化合物またはその塩をスクリーニングする。 本反応は、適当な緩衝液中で行う。切断されたプロコラーゲンの C末端タンパク質 量は公知の方法によって測定する。標識剤が例えば放射性同位元素の場合、 C末端 タンパク質量の測定は、高速液体クロマトグラフィーなどを使用する公知の方法に
準じて行えばよい。
標識されたプロコラーゲンおよびプロコラーゲン C末端領域切断プロテアーゼ は、 試験化合物と混合した後に、 本発明のタンパク質と反応させてもよく、 また、 本発明のタンパク質に標識されたプロコラーゲンおよびプロコラーゲン c末端領 域切断プロテアーゼを接触させた後、 試験化合物を添加してもよい。
上記の本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞 を培養することによって製造されたものなどが用いられる。 さらには、 前記細胞の 培養液、 その上清、 細胞破砕物などを用いてもよい。
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞としては、例えば、前述した本 発明のタンパク質をコードする D NAを含有するべクタ一で形質転換された宿主 (形質転換体) が用いられる。宿主としては、例えば、 C O S 7細胞、 C HO細胞、 H E K 2 9 3細胞などの動物細胞が好ましく用いられる。 該スクリーニングには、 例えば、 前述の方法で培養することによって、本発明のタンパク質を細胞外に分泌 させる、 または細胞内に発現させる形質転換体が好ましく用いられる。本発明の夕 ンパク質を発現し得る細胞の培養方法は、前記した本発明の形質変換体の培養法と 同様である。
試験化合物としては、 例えばペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成 化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられる。 例えば、上記 (i i) の場合におけるプロテアーゼ阻害活性またはプロコラーゲン C末端切断促進活性が上記 (i) の場合に比べて、約 2 0 %以上、好ましくは 3 0 % 以上、 より好ましくは約 5 0 %以上上昇させる試験化合物を、 本発明のタンパク質 の活性を促進する化合物として、 上記 (i i) の場合におけるプロテアーゼ阻害活性 またはプロコラーゲン C末端切断促進活性が上記 (i) の場合に比べて、 約 2 0 % 以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上減少させる試験化合物 を本発明のタンパク質の活性を阻害する化合物として選択することができる。 本発明のタンパク質の活性を促進する活性を有する化合物は、本発明のタンパク 質の作用を増強するための安全で低毒性な医薬、 例えば、 呼吸器疾患 〔例、 慢性閉 塞性^ J疾患 (1曼性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞
性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性 硬化症、 シェ一グレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身 性エリテマトーデス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常 にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの予防,治療 剤として有用である。
本発明のタンパク質の活性を阻害する活性を有する化合物は、本発明のタンパク 質の生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬、 例えば、 呼吸器疾患 (例、 気 管支喘息、 嚢胞性線維症、 肺線維症、 特発性間質性肺炎など) 、 肝疾患 〔例、 慢性 活動性肝炎、 肝硬変、 肝線維化など〕 、 動脈硬化、 腎硬化症、 骨髄線維症、 糖尿病 性血管障害などの予防 ·治療剤として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩は、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿などから 選ばれた化合物である。該化合物の塩としては、 前記した本発明のペプチドの塩と 同様のものが用いられる。
さらに、本発明のタンパク質をコードする遺伝子も、 肺気腫病変を有する肺組織 で発現が低下するので、 本発明のタンパク質をコードする遺伝子の発現を調節(好 ましくは促進) する化合物またはその塩は、 例えば、 例えば、 呼吸器疾患 〔例、 慢 性閉塞性肺疾患 (慢性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉 症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻 炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多 発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺 異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの予防 - 治療剤として使用することができる。好ましくは、呼吸器疾患などの予防 ·治療剤、
さらに好ましくは慢性閉塞性肺疾患などの予防 ·治療剤、 さらに好ましくは肺気腫 などの予防 ·治療剤である。
したがって、 本発明のポリヌクレオチド (例、 D NA) は、 本発明のタンパク質 をコードする遺伝子の発現を調節する化合物またはその塩のスクリーニングのた めの試薬として有用である。
スクリーニング方法としては、 (i i i) 本発明のタンパク質を産生する能力を有 する細胞を培養した場合と、 (iv) 試験化合物の存在下、 本発明で用いられるタン パク質を産生する能力を有する細胞を培養した場合との比較を行うことを特徴と するスクリ一ニング方法が挙げられる。
上記方法において、 (i i i) と (iv) の場合における、 前記遺伝子の発現量 (具 体的には、 本発明のタンパク質量または前記タンパク質をコードする mR NA量) を測定して、 比較する。
試験化合物および本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞としては、上 記と同様のものが挙げられる。
タンパク質量の測定は、 公知の方法、 例えば、 本発明のタンパク質を認識する抗 体を用いて、 細胞抽出液中などに存在する前記タンパク質を、 ウェスタン解析、 E L I S A法などの方法またはそれに準じる方法に従い測定することができる。 mR NA量の測定は、 公知の方法、 例えば、 プローブとして配列番号: 2または その一部分を含有する核酸を用いるノーザンハイプリダイゼ一シヨン、あるいはプ ライマーとして配列番号: 2またはその一部分を含有する核酸、 配列番号: 4また はその一部分を含有する核酸を用いるノーザンハイブリダィゼーシヨン、あるいは プライマ一として配列番号: 4またはその一部分を含有する核酸を用いる P C R法 またはそれに準じる方法に従い測定することができる。
例えば、 上記 (iv) の場合における遺伝子発現量を、 上記 (i i i) の場合に比べ て、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上上昇させ る試験化合物を、本発明のタンパク質をコードする遺伝子の発現を促進する化合物 として、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上阻害 する試験化合物を、本発明のタンパク質をコードする遺伝子の発現を抑制する化合
物として選択することができる。
本発明のスクリーニング用キットは、本発明で用いられるタンパク質もしくは部 分ペプチドまたはその塩、または本発明で用いられるタンパク質もしくは部分ぺプ チドを産生する能力を有する細胞を含有するものである。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩は、 上記した試験化合物、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非 ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織 抽出液、 血漿などから選ばれた化合物またはその塩であり、 本発明のタンパク質の 活性 (例、 プロテアーゼ阻害活性またはプロコラーゲン C末端切断促進活性など) を調節する化合物またはその塩である。
該化合物の塩としては、前記した本発明のタンパク質の塩と同様のものが用いら れる。
本発明のタンパク質の活性を調節 (好ましくは促進) する化合物またはその塩、 および本発明のタンパク質をコードする遺伝子の発現を調節(好ましくは促進)す る化合物またはその塩はそれぞれ、 例えば呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢 性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏 性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性 鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副 鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエー ダレン症候群、 ィンスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リゥマチ、 全身性エリテマトー デス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫 不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの予防,治療剤として使用す ることができる。 好ましくは、 呼吸器疾患などの予防 ·治療剤、 さらに好ましくは 慢性閉塞性肺疾患などの予防 ·治療剤、 さらに好ましくは肺気腫などの予防 ·治療 剤である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩を上述の予防 ·治療剤として使用する場合、 常套手段に従って 製剤化することができる。
例えば、 経口投与のための組成物としては、 固体または液体の剤形、 具体的には 錠剤 (糖衣錠、 フィルムコ一ティング錠を含む) 、 丸剤、 顆粒剤、 散剤、 カプセル 剤 (ソフトカプセル剤を含む) 、 シロップ剤、 乳剤、 懸濁剤などがあげられる。 か かる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる 担体、 希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。 例えば、 錠剤用の担体、 賦形 剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用いられる。 非経口投与のための組成物としては、 例えば、 注射剤、 坐剤などが用いられ、 注 射剤ま静脈注射剤、 皮下注射剤、 皮内注射剤、 筋肉注射剤、 点滴注射剤、 関節内注 射剤などの剤形を包含する。 かかる注射剤は、 自体公知の方法に従って、 例えば、 上記抗体またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶 解、懸濁または乳化することによって調製する。注射用の水性液としては、例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解 捕助斉 !!、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレ ングリコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン界面活性剤 〔例、 ポリソルべ ート 8 0、 H C O— 5 0 (polyoxyethylene (50mol) adduct of hydrogenated cas tor oi l ) 〕 などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが 用いられ、 溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどを併用し てもよい。 調製された注射液は、 通常、 適当なアンプルに充填される。 直腸投与に 用いられる坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによ つて調製される。
上言 3の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような 投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、 錠剤、 丸剤、 カプセル剤、 注射剤 (アンプル) 、 坐剤などが例示され、 それぞれの 投薬単位剤形当たり通常 5〜 5 0 0 m g、 とりわけ注射剤では 5〜1 0 O m g、 そ の他の剤形では 1 0〜2 5 O m gの上記化合物が含有されていることが好ましい。 なお前記した各組成物は、上記化合物との配合により好ましくない相互作用を生 じない限り他の活性成分を含有してもよい。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、 ヒ卜または温
血動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネ コ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して経口的にまたは非経口的に投与する ことができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 その作用、 対象疾患、 投与対象、 投与ルート などにより差異はあるが、例えば、 肺気腫の治療の目的で本発明のタンパク質の活 性を調節する化合物またはその塩を経口投与する場合、 一般的に成人(体重 60 k gとして)においては、一日につき該化合物またはその塩を約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜5 Omg、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非 経口的に投与する場合は、該化合物またはその塩の 1回投与量は投与対象、対象疾 患などによっても異なるが、例えば、 肺気腫の治療の目的で本発明のタンパク質の 活性を調節する化合物またはその塩を注射剤の形で通常成人 (体重 60 k gとし て) に投与する場合、 一日につき該化合物またはその塩を約 0. 01〜30mg、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg、 より好ましくは約 0. l〜10mgを静脈注射に より投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重 60 kg当たりに換算し た量を投与することができる。
(2) 本発明のタンパク質、 その部分ペプチドまたはその塩の定量
本発明のタンパク質に対する抗体 (以下、 本発明の抗体と略記する場合がある) は、 本発明のタンパク質を特異的に認識することができるので、 被検液中の本発明 のタンパク質の定量、特にサンドイツチ免疫測定法による定量などに使用すること ができる。
すなわち、 本発明は、
(i) 本発明の抗体と、 被検液および標識化された本発明のタンパク質とを競合的 に反応させ、該抗体に結合した標識化された本発明のタンパク質の割合を測定する ことを特徴とする被検液中の本発明の夕ンパク質の定量法、 および
(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の別の 抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測 定することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量法を提供する。 上記 (ii) の定量法においては、 一方の抗体が本発明のタンパク質の N端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質の C端部に反応する抗体であるこ とが望ましい。
また、 本発明のタンパク質に対するモノクローナル抗体(以下、 本発明のモノク ローナル抗体と称する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を行なえる ほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 これらの目的には、 抗体分子 そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F ( a b ' ) 2 、 F a b '、 あるいは F a b画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いる本発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきもの ではなく、 被測定液中の抗原量 (例えば、 タンパク質量) に対応した抗体、 抗原も しくは抗体—抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これを既知 量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、い ずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィムノメトリツ ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、 感度、 特異性の点で、 後述する サンドィツチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例えば、
〔1251〕 、 〔1311〕 、 〔¾〕 、 〔14c〕 などが用いられる。 上記酵素としては、 安定で比活 性の大きなものが好ましく、例えば、 β一ガラクトシダーゼ、 β一ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファタ一ゼ、パーォキシダーゼ、 リンゴ酸脱水素酵素などが用いら れる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレスカミン、 フルォレツセンイソチオシ ァネートなどが用いられる。 発光物質としては、 例えば、 ルミノール、 ルミノール 誘導体、 リレシフェリン、 ルシゲニンなどが用いられる。 さらに、 抗体あるいは抗原 と標識剤との結合にピオチン一アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常タン パク質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法 でもよい。 担体としては、 ァガロース、 デキストラン、 セルロースなどの不溶性多 糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成樹脂、 あるいはガラ ス等が挙げられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を 反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体を反応 させ(2次反応) たのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検 液中の本発明のタンパク質量を定量することができる。 1次反応と 2次反応は逆の 順序に行っても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。 標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。 また、サンド イッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる 抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で 2種類 以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定法においては、 1次反 応と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の 結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、 1次反応および 2 次反応に用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が、 本発明のタン パク質の C端部を認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は、好ましくは C端部 以外、 例えば N端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノク口一ナル抗体をサンドィツチ法以外の測定システム、例えば、 競 合法、 ィムノメトリック法あるいはネフロメトリ一などに用いることができる。 競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたの ち、 未反応の標識抗原(F) と、 抗体と結合した標識抗原 (B) とを分離し (B Z F分離) 、 B , Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量する。 本反 応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B Z F分離をポリエチレングリコール、 前記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1抗体として固相化抗 体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い第 2抗体として固相化抗 体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体 に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 あるいは、 被検液中の抗原と 過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固 相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの相の標識量を測定
し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた 不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の沈降物し か得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザ一ネフ口メトリ一などが 好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、特別 の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件、 操 作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のタンパク質の測定系を構築す ればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成書などを参照す ることができる。
例えば、 入江 寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入 江 寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定 法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「Methods in ENZYMOLOGYj Vol. 70 (Immunochemical Tec ni ues (Part A) ) > 同書 Vol. 73 (Immunochemical Tec ni ues (Part B) )、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniaues (Part C) )、 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniaues (Part D: Selected Immunoassays) ) , 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniaues (Part E: Monoclonal Ant ibodies and General Immunoassay Methods) ) , 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniaues (Part
I :Hybridoma Technology and Monoclonal Ant ibodies) ) (以上、 アカデミックプレ ス社発行)などを参照することができる。
以上のようにして、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明のタンパク質を 感度良く定量することができる。
さらには、本発明の抗体を用いて本発明のタンパク質の濃度を定量することによ つて、 本発明のタンパク質の濃度の増加または減少が検出された場合、例えば呼吸 器疾患〔例、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)、びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー
性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸 球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関 節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不 全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎 などである、 または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のタンパク 質を検出するために使用することができる。 また、本発明のタンパク質を精製する ために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のタンパク質の検出、 被検細胞内における本発明のタンパク質の挙動の分析などのために使用すること ができる。
( 3 ) 遺伝子診断薬
本発明の D N Aは、 例えば、 プローブとして使用することにより、 ヒトまたは温 血動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 トリ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥ シ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) における本発明のタンパク質ま たはその部分ペプチドをコードする D NAまたは mR NAの異常(遺伝子異常) を 検出することができるので、 例えば、 該 D NAまたは mR NAの損傷、 突然変異あ るいは発現低下や、該 D N Aまたは m R N Aの増加あるいは発現過多などの遺伝子 診断薬として有用である。
本発明の D N Aを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、 自体公知のノーザンハイ プリダイゼーシヨンや P C R— S S C P法(Genomics,第 5巻, 874〜879頁(1989年)、 Proceedings of the Nat ional Academy of Sciences of the Uni ted States of America, 第 86巻, 2766〜2770頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーシヨンにより発現過多または減少が検出され た場合や P C R— S S C P法により D N Aの突然変異が検出された場合は、例えば 呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 ('|¾性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管 支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 ァレ ルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前
鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力 症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマ卜一デス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾 機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性 結膜炎などである可能性が高いと診断することができる。
( 4 ) アンチセンスポリヌクレオチドを含有する医薬
本発明の D NAに相補的に結合し、該 D NAの発現を抑制することができる本発 明のアンチセンスポリヌクレオチドは低毒性であり、生体内における本発明の夕ン パク質または本発明の D N Aの機能 (例、 プロテアーゼ阻害活性、 プロコラーゲン C末端切断促進活性など)を抑制することができるので、例えば、 Ιί乎吸器疾患(例、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 肺線維症、 特発性間質性肺炎など) 、 肝疾 〔例、 慢 性活動性肝炎、 肝硬変、 肝線維化など〕 、 動脈硬化、 腎硬化症、 骨髄線維症、 糖尿 病性血管障害などの予防 ·治療剤として使用することができる。
上記アンチセンスポリヌクレオチドを上記の予防 ·治療剤として使用する場合、 自体公知の方法に従って製剤化し、 投与することができる。
また、 例えば、 前記のアンチセンスポリヌクレオチドを単独あるいはレトロウイ ルスベクター、 アデノウイルスベクタ一、 アデノウイルスァソシエーテツドウィル スベクターなどの適当なベクターに挿入した後、 常套手段に従って、 ヒトまたは哺 乳動物 (例、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対 して経口的または非経口的に投与することができる。該アンチセンスポリヌクレオ チドは、 そのままで、 あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められ る担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテル によって投与できる。 あるいは、 エアロゾル化して吸入剤として気管内に局所投与 することもできる。
さらに、体内動態の改良、半減期の長期化、細胞内取り込み効率の改善を目的に、 前記のアンチセンスポリヌクレオチドを単独またはリポゾームなどの担体ととも に製剤 (注射剤) 化し、 静脈、 皮下、 気道、 肺病変部等に投与してもよい。
)投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルート
などにより差異はあるが、例えば、 肺気腫の治療の目的で本発明のアンチセンスポ リヌクレオチドを投与する場合、 一般的に成人 (体重 6 0 k g ) においては、 一日 にっき該アンチセンスポリヌクレオチドを約 0 . 1〜1 0 O m g投与する。
さらに、 該アンチセンスポリヌクレオチドは、 組織や細胞における本発明の D N Aの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとし て使用することもできる。
上記アンチセンスポリヌクレオチドと同様に、本発明のタンパク質をコードする R NAの一部を含有する二重鎖 RNA、本発明のタンパク質をコードする R NAの 一部を含有するリポザィムなども、 本発明の遺伝子の発現を抑制することができ、 生体内における本発明で用いられるタンパク質または本発明で用いられる D NA の機能を抑制することができるので、 例えば、 呼吸器疾患 (例、 気管支喘息、 嚢胞 性線維症、 肺線維症、 特発性間質性肺炎など) 、 肝疾患 〔例、 慢性活動性肝炎、 肝 硬変、 肝線維化など〕 、 動脈硬化、 腎硬化症、 骨髄線維症、 糖尿病性血管障害など の予防 ·治療剤などとして使用することができる。
二重鎖 R NAは、 公知の方法 (例、 Nature, 411巻, 494頁, 2001年) に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
リポザィムは、 公知の方法 (例、 TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 2001年) に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造すること ができる。例えば、 本発明のタンパク質をコードする R NAの一部に公知のリポザ ィムを連結することによって製造することができる。本発明のタンパク質をコード する RN Aの一部としては、公知のリポザィムによって切断され得る本発明の R N A上の切断部位に近接した部分 (R NA断片) が挙げられる。
上記の二重鎖 R NAまたはリポザィムを上記予防 ·治療剤として使用する場合、 アンチセンスポリヌクレオチドと同様にして製剤化し、 投与することができる。 ( 5 ) 本発明の抗体を含有する医薬
本発明の抗体は、 例えば呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支炎、 肺 気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維 症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻
炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シェ一ダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー 性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎 症性腸疾患、アレルギー性結膜炎などの予防'治療剤として使用することができる。 あるいは、 呼吸器疾患 (例、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 肺線維症、 特発性間質性 肺炎など) 、 肝疾患 〔例、 慢性活動性肝炎、 肝硬変、 肝線維化など〕 、 動脈硬化、 腎硬化症、 骨髄線維症、 糖尿病性血管障害などの予防 ·治療剤としても使用するこ とができる。
本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物として投与することができる。 上記投与に用いられる医薬組成物は、上記抗体またはその塩と薬理学的に許容され 得る担体、 希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。 かかる組成物は、 経口また は非経口投与に適する剤形として提供される。
すなわち、 例えば、 経口投与のための組成物としては、 固体または液体の剤形、 具体的には錠剤(糖衣錠、 フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、 力プセル剤 (ソフト力プセル剤を含む) 、 シロップ剤、 乳剤、 懸濁剤などがあげら れる。かかる組成物は公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いら れる担体、 希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。 例えば、 錠剤用の担体、 賦形剤としては、 乳糖、 でんぷん、 蔗糖、 ステアリン酸マグネシウムなどが用いら れる。
非経口投与のための組成物としては、 例えば、 注射剤、 坐剤などが用いられ、 注 射剤は静脈注射剤、 皮下注射剤、 皮内注射剤、 筋肉注射剤、 点滴注射剤などの剤形 を包含する。 かかる注射剤は、 公知の方法に従って、 例えば、 上記抗体またはその 塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化す ることによって調製する。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ 糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 ァ ルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリ エチレングリコール) 、 非イオン界面活性剤 〔例、 ポリソルべ一ト 8 0、 H C O -
50 (polyoxyethylene (50mol) adduct of hydrogenated castor oil) 〕 などと併 用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補 助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどを併用してもよい。調製さ れた注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、 上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製される。 上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような 投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、 錠剤、 丸剤、 カプセル剤、 注射剤 (アンプル) 、 坐剤などが例示され、 それぞれの 投薬単位剤形当たり通常 5〜500mg、 とりわけ注射剤では 5〜100mg、 そ の他の剤形では 10〜25 Omgの上記抗体が含有されていることが好ましい。 なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を生じ ない限り他の活性成分を含有してもよい。
本発明の抗体を含有する上記疾患の予防 ·治療剤は低毒性であり、 そのまま液剤 として、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラッ卜、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して経口的または非経 口的 (例、 静脈投与) に投与することができる。 投与量は、 投与対象、 対象疾患、 症状、 投与ルートなどによっても異なるが、 例えば、 成人の肺気腫の治療 ·予防の ために使用する場合には、 本発明の抗体を 1回量として、 通常 0. 0 1〜20mg /kg体重程度、 好ましくは 0. 1〜1 OmgZkg体重程度、 さらに好ましくは 0. l〜5mg/k g体重程度を、 1日 1〜5回程度、 好ましくは 1日 1〜3回程 度、注射剤として投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口投与の場 合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、 その症状 に応じて増量してもよい。
また、 本発明の抗体は、 例えば、 呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管 支炎、肺気腫)、びまん性汎細気管支炎、気管支喘息、嚢胞性線維症、過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥 厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎な ど) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症
候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 ァ トビー性皮膚炎、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など)、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの診断薬としても有用である。
(6)本発明の 「プロコラーゲン C末端切断促進活性を調節する作用を有する化合 物またはその塩を含有してなる慢性閉塞性肺疾患または気管支喘息の予防 ·治療 剤」 について
「プロコラーゲン C末端切断促進活性を調節する作用を有する化合物」 は、 プロ コラーゲン C末端切断促進活性を調節する作用を有する化合物であればいかなる ものでもよく、 例えば、 慢性閉塞性肺疾患 (例、 慢性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん 性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 免疫疾患 (例、 重症筋 無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿 病、慢性関節リゥマチ、全身性エリテマトーデス、ァトピー性皮膚炎、白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー 性結膜炎などの予防 ·治療剤などとして用いられる。
該予防 ·治療剤は、 上記と同様にして製造される。
(7) DNA転移動物
本発明は、 外来性の本発明のタンパク質をコードする DNA (以下、 本発明の外 来性 DN Aと略記する) またはその変異 DN A (本発明の外来性変異 DNAと略記 する場合がある) を有する非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
(1) 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを有する非ヒ卜哺乳動物、
(2) 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 (1)記載の動物、
(3) ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第 (2) 記載の動物、 および
(4)本発明の外来性 DN Aまたはその変異 DN Aを含有し、 哺乳動物において発 現しうる組換えベクターを提供するものである。
本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、 本 発明の DNA転移動物と略記する) は、 未受精卵、 受精卵、 精子およびその始原細 胞を含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発
生の段階(さらに好ましくは、 単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に 8細胞 期以前) に、 リン酸カルシウム法、 電気パルス法、 リポフエクシヨン法、 凝集法、 マイクロインジェクション法、 パーティクルガン法、 DEAE—デキストラン法な どにより目的とする DNAを転移することによって作出することができる。 また、 該 DNA転移方法により、 体細胞、 生体の臓器、 組織細胞などに目的とする本発明 の外来性 D N Aを転移し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さらに、 これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融合法により融合させることによ り本発明の DNA転移動物を作出することもできる。
非ヒト哺乳動物としては、 例えば、 ゥシ、 ブタ、 ヒッジ、 ャギ、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 マウス、 ラットなどが用いられる。 なかでも、 病 体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、 また、 繁殖が容易なゲッ歯動物、 とりわけマウス (例えば、 純系として、 C57BLZ6 系統, DBA 2系統など、 交雑系として、 Be CSFi系統, BDF 系統, B 6D 2 系統, BALB/c系統, I CR系統など) またはラット (例えば、 Wi s t a r, SDなど) などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける 「哺乳動物」 としては、 上 記の非ヒ卜哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
本発明の外来性 DNAとは、非ヒト哺乳動物が本来有している本発明の DNAで はなく、 いったん哺乳動物から単離 ·抽出された本発明の DNAをいう。
本発明の変異 DNAとしては、 元の本発明の DN Aの塩基配列に変異 (例えば、 突然変異など) が生じたもの、 具体的には、 塩基の付加、 欠損、 他の塩基への置換 などが生じた DNAなどが用いられ、 また、 異常 DNAも含まれる。
該異常 DN Aとしては、異常な本発明のタンパク質を発現させる DN Aを意味し、 例えば、正常な本発明のタンパク質の機能を抑制するタンパク質を発現させる DN Aなどが用いられる。
本発明の外来性 DNAは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動 物由来のものであってもよい。本発明の DN Aを対象動物に転移させるにあたって は、該 D N Aを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合した DNAコン
ストラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、 本発明のヒト DNAを転 移させる場合、これと相同性が高い本発明の DNAを有する各種哺乳動物(例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マウスなど) 由来の DN Aを発現させうる各種プロモーターの下流に、本発明のヒト DNAを結合した DN Aコンストラクト (例、 ベクタ一など) を対象哺乳動物の受精卵、 例えば、 マウス 受精卵へマイクロインジェクションすることによつて本発明の D N Aを高発現す る DNA転移哺乳動物を作出することができる。
本発明のタンパク質の発現ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド、枯草菌 由来のプラスミド、酵母由来のプラスミド、 λファ一ジなどのバクテリオファージ、 モロニ一白血病ウィルスなどのレトロウイルス、ワクシニアウィルスまたはバキュ ロウィルスなどの動物ウイルスなどが用いられる。 なかでも、 大腸菌由来のプラス ミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミドなどが好ましく用いら れる。
上記の D Ν Α発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、①ウィルス(例、 シミアンウィルス、 サイトメガロウィルス、 モロニ一白血病ウィルス、 J Cウィル ス、 乳がんウィルス、 ポリオウイルスなど) に由来する DN Aのプロモータ一、 ② 各種哺乳動物 (ヒト、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マ ウスなど) 由来のプロモーター、 例えば、 アルブミン、 インスリン I I、 ゥロプラ キン I I、 エラス夕一ゼ、 エリスロポエチン、 エンドセリン、 筋クレアチンキナー ゼ、 グリァ線維性酸性夕ンパク質、 ダルタチオン S—トランスフエラーゼ、 血小板 由来成長因子 i3、 ケラチン K l, 1 0ぉょび1^ 1 4、 コラーゲン I型および I I 型、サイクリック AMP依存タンパク質キナーゼ/ 3 Iサブユニット、 ジストロフィ ン、 酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、 心房ナトリウム利尿性因子、 内皮レ セプターチ口シンキナーゼ (一般に T i e 2と略される) 、 ナトリウムカリウムァ デノシン 3リン酸化酵素(Na, K-ATP a s e)、ニューロフィラメント軽鎖、 メタ口チォネイン Iおよび I I A、 メタ口プロティナーゼ 1組織インヒビター、 M HCクラス I抗原(H— 2 L) 、 H— r a s、 レニン、 ドーパミン] 3—水酸化酵素、 甲状腺ペルォキシダーゼ (TPO) 、 ペプチド鎖延長因子 la (EF- 1 ) 、 β
ァクチン、 ο:および ]3ミオシン重鎖、 ミオシン軽鎖 1および 2、 ミエリン基礎タン パク質、 チログロブリン、 Thy_ l、 免疫グロブリン、 H鎖可変部 (VNP) 、 血清アミロイド Pコンポーネント、 ミオグロビン、 トロポニン C、 平滑筋 αァクチ ン、 プレプロエンケフアリン A、 バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられ る。なかでも、全身で高発現することが可能なサイトメガロウィルスプロモーター、 ヒトペプチド鎖延長因子 1 a; (EF- 1 a) のプロモーター、 ヒ卜およびニヮトリ j8ァクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、 DNA転移哺乳動物において目的とするメッセンジャー RNA の転写を終結する配列(一般にターミネ夕一と呼ばれる) を有していることが好ま しく、例えば、 ウィルス由来および各種哺乳動物由来の各 DN Aの配列を用いるこ とができ、 好ましくは、 シミアンウィルスの SV40ターミネタ一などが用いられ る。
その他、 目的とする外来性 DNAをさらに高発現させる目的で各 DNAのスプラ イシングシグナル、 ェンハンサー領域、 真核 DN Aのイントロンの一部などをプロ モーター領域の 5'上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の 3 '下 流 に連結することも目的により可能である。
正常な本発明のタンパク質の翻訳領域は、 ヒトまたは各種哺乳動物 (例えば、 ゥ サギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マウスなど) 由来の肝臓、 腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 DNAおよび市販の各種ゲノム DNAライブラ リーよりゲノム DN Aの全てあるいは一部として、または肝臓、腎臓、甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 RN Aより公知の方法により調製された相補 DN Aを原料として 取得することが出来る。 また、 外来性の異常 DN Aは、 上記の細胞または組織より 得られた正常なタンパク質の翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領 域を作製することができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうる DNAコンストラクトとして、前記の プロモーターの下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通常の D N A工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 DN Aの転移は、対象哺乳動物の胚芽細
胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。 D NA転移後の作出動物の 胚芽細胞において、本発明の外来性 D N Aが存在することは、 作出動物の後代がす ベて、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 D N Aを保持すること を意味する。本発明の外来性 D N Aを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細 胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 D N Aを有する。
本発明の外来性正常 D NAを転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性 D N Aを安定に保持することを確認して、該 D N A保有動物として通常の飼育環境で 継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 D N Aの転移は、対象哺乳動物の胚芽細 胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。 D NA転移後の作出動 物の胚芽細胞において本発明の外来性 D N Aが過剰に存在することは、作出動物の 子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 D N Aを過剰に有 することを意味する。本発明の外来性 D NAを受け継いだこの種の動物の子孫はそ の胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 D N Aを過剰に有する。
導入 D NAを相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌雄の 動物を交配することによりすべての子孫が該 D N Aを過剰に有するように繁殖継 代することができる。
本発明の正常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常 D N Aが高発現さ せられており、内在性の正常 D N Aの機能を促進することにより最終的に本発明の 夕ンパク質の機能亢進症を発症することがあり、その病態モデル動物として利用す ることができる。例えば、 本発明の正常 D N A転移動物を用いて、 本発明のタンパ ク質の機能亢進症や、本発明のタンパク質が関連する疾患の病態機序の解明および これらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、 本発明の外来性正常 D N Aを転移させた哺乳動物は、 遊離した本発明の夕 ンパク質の増加症状を有することから、本発明のタンパク質に関連する疾患に対す る予防 ·治療剤、 例えば呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支炎、 肺気 腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症 など〕 、 鼻炎(例、 アレルギー性鼻炎、花粉症、急性鼻炎、慢性鼻炎、肥厚性鼻炎、
萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫 疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 イン スリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー性皮 膚炎、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性 腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの予防 ·治療剤のスクリーニング試験にも利用可 能である。
一方、 本発明の外来性異常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、 交配により外来性 D N Aを安定に保持することを確認して該 D N A保有動物として通常の飼育環境 で継代飼育することが出来る。 さらに、 目的とする外来 D NAを前述のプラスミド に組み込んで原料として用いることができる。プロモーターとの D NAコンストラ ク卜は、 通常の D NA工学的手法によって作製することができる。 受精卵細胞段階 における本発明の異常 D N Aの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全 てに存在するように確保される。 D N A転移後の作出動物の胚芽細胞において本発 明の異常 D N Aが存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細 胞の全てに本発明の異常 D N Aを有することを意味する。本発明の外来性 D N Aを 受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異 常 D N Aを有する。導入 D N Aを相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取 得し、 この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該 D N Aを有するよう に繁殖継代することができる。
本発明の異常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の異常 D N Aが高発現さ せられており、内在性の正常 D N Aの機能を阻害することにより最終的に本発明の 夕ンパク質の機能不活性型不応症となることがあり、その病態モデル動物として利 用することができる。 例えば、 本発明の異常 D NA転移動物を用いて、 本発明の夕 ンパク質の機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検 討を行なうことが可能である。
また、 具体的な利用可能性としては、 本発明の異常 D NA高発現動物は、 本発明 のタンパク質の機能不活性型不応症における本発明の異常タンパク質による正常 タンパク質の機能阻害 (dominant negat ive作用) を解明するモデルとなる。
また、 本発明の外来異常 D NAを転移させた哺乳動物は、 遊離した本発明のタン パク質の増加症状を有することから、本発明のタンパク質または機能不活性型不応 症に対する予防 ·治療剤、 例えば呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支 炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥 厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎な ど) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シェ一ダレン症 候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 '隱性関節リウマチ、 全身性エリテマト一デス、 ァ 卜ピー性皮膚炎、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など)、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの予防 ·治療剤などの予防 ·治療剤のスク リーニング試験にも利用可能である。
また、上記 2種類の本発明の D NA転移動物のその他の利用可能性として、 ·例え ば、
①組織培養のための細胞源としての使用、
②本発明の D NA転移動物の組織中の D NAもしくは R NAを直接分析するか、ま たは D N Aにより発現されたぺプチド組織を分析することによる、本発明のタンパ ク質により特異的に発現あるいは活性化するペプチドとの関連性についての解析、 ③ D N Aを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、 これらを使用して、 一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
④上記③記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤のスクリ —ニング、 および
⑤本発明の変異タンパク質を単離精製およびその抗体作製などが考えられる。
さらに、 本発明の D NA転移動物を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型 不応症などを含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の臨床症状を調べることが でき、 また、 本発明のタンパク質に関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細 な病理学的所見が得られ、 新しい治療方法の開発、 さらには、 該疾患による二次的 疾患の研究および治療に貢献することができる。
また、 本発明の D NA転移動物から各臓器を取り出し、 細切後、 ト
のタンパク質分解酵素により、 遊離した DN A転移細胞の取得、 その培養またはそ の培養細胞の系統化を行なうことが可能である。 さらに、本発明のタンパク質産生 細胞の特定化、 アポトーシス、 分化あるいは増殖との関連性、 またはそれらにおけ るシグナル伝達機構を調べ、 それらの異常を調べることなどができ、 本発明の夕ン パク質およびその作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、本発明の DNA転移動物を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型 不応症を含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、 上述の検査法および定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリー二 ング法を提供することが可能となる。 また、 本発明の DNA転移動物または本 明 の外来性 DNA発現ベクターを用いて、本発明のタンパク質が関連する疾患の D N A治療法を検討、 開発することが可能である。
(8) ノックアウト動物
本発明は、本発明の DN Aが不活性化された非ヒ卜哺乳動物胚幹細胞および本発 明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
( 1 ) 本発明の DNAが不活性化された非ヒ卜哺乳動物胚幹細胞、
(2) 該 DNAがレポーター遺伝子 (例、 大腸菌由来の i3—ガラクトシダーゼ遺伝 子) を導入することにより不活性化された第 (1) 項記載の胚幹細胞、
(3) ネオマイシン耐性である第 (1) 項記載の胚幹細胞、
(4) 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 (1) 項記載の胚幹細胞、
(5) ゲッ歯動物がマウスである第 (4) 項記載の胚幹細胞、
(6) 本発明の DNAが不活性化された該 DNA発現不全非ヒ卜哺乳動物、
(7) 該 DNAがレポ一夕一遺伝子(例、 大腸菌由来の j8—ガラクトシダーゼ遺伝 子) を導入することにより不活性化され、該レポ一夕一遺伝子が本発明の DN Aに 対するプロモーターの制御下で発現しうる第 (6) 項記載の非ヒト哺乳動物、
(8) 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 (6) 項記載の非ヒト哺乳動物、
(9) ゲッ歯動物がマウスである第 (8) 項記載の非ヒト哺乳動物、 および
(10) 第 (7) 項記載の動物に、 試験化合物を投与し、 レポーター遺伝子の発現
を検出することを特徴とする本発明の DNAに対するプロモーター活性を促進ま たは阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動 物が有する本発明の DN Aに人為的に変異を加えることにより、 DN Aの発現能を 抑制するか、もしくは該 DNA力 Sコードしている本発明のタンパク質の活性を実質 的に喪失させることにより、 DN Aが実質的に本発明のタンパク質の発現能を有さ ない (以下、 本発明のノックアウト DNAと称することがある) 非ヒト哺乳動物の 胚幹細胞 (以下、 ES細胞と略記する) をいう。
非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DNAに人為的に変異を加える方法としては、 例えば、遺伝子工学的手 法により該 D N A配列の一部又は全部の削除、他 D N Aを揷入または置換させるこ とによって行なうことができる。 これらの変異により、 例えば、 コドンの読み取り 枠をずらしたり、プロモーターあるいはェキソンの機能を破壊することにより本発 明のノックアウト DN Aを作製すればよい。
本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、 本発明の DN A不活性化 E S細胞または本発明のノックァゥト E S細胞と略記する)の具体例と しては、 例えば、 目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明の DNAを単離し、 そ のェキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表と する薬剤耐性遺伝子、 あるいは 1 a c Z (i3—ガラクトシダーゼ遺伝子) 、 c a t (クロラムフエニコールァセチフレトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポ一 夕一遺伝子等を挿入することによりェキソンの機能を破壌する力、、あるいはェキソ ン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させる DNA配列(例えば、 po l y A付加シグナルなど) を挿入し、 完全なメッセンジャー RNAを合成できなくする ことによって、結果的に遺伝子を破壊するように構築した DN A配列を有する DN A鎖 (以下、 ターゲッティングベクターと略記する) を、 例えば相同組換え法によ り該動物の染色体に導入し、得られた ES細胞について本発明の DNA上あるいは その近傍の D N A配列をプローブとしたサザンハイプリダイゼーシヨン解析ある いはターゲッティングベクター上の DN A配列と夕ーゲッティングベクタ一作製
に使用した本発明の D N A以外の近傍領域の D N A配列をプライマ一とした PC R法により解析し、本発明のノックアウト ES細胞を選別することにより得ること ができる。
また、相同組換え法等により本発明の DNAを不活化させる元の ES細胞として は、 例えば、 前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、 また公知 Evans と Kaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、 マウスの ES細胞 の場合、 現在、 一般的には 129系の ES細胞が使用されているが、 免疫学的背景 がはっきりしていないので、 これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかな E S細胞を取得するなどの目的で例えば、 C 57 BLZ6マウスや C 57 BL/6 の採卵数の少なさを DBAZ2との交雑により改善した BDFiマウス (C 57 B L/6と DBAZ2との F を用いて樹立したものなども良好に用いうる。 BD Fiマウスは、 採卵数が多く、 かつ、 卵が丈夫であるという利点に加えて、 C 57 B L / 6マウスを背景に持つので、これを用いて得られた E S細胞は病態モデルマ ウスを作出したとき、 C 57 BL/ 6マウスとバッククロスすることでその遺伝的 背景を C57 BL/6マウスに代えることが可能である点で有利に用い得る。 また、 ES細胞を樹立する場合、 一般には受精後 3.5日目の胚盤胞を使用する が、 これ以外に 8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率よく 多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれの ES細胞を用いてもよいが、通常雄の ES細胞の方が生殖系 列キメラを作出するのに都合が良い。 また、 煩雑な培養の手間を削減するためにも できるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
E S細胞の雌雄の判定方法としては、例えば、 P C R法により Y染色体上の性決 定領域の遺伝子を増幅、 検出する方法が、 その 1例としてあげることができる。 こ の方法を使用すれば、 従来、 核型分析をするのに約 106個の細胞数を要していた のに対して、 1コロニー程度の ES細胞数 (約 50個) で済むので、 培養初期にお ける E S細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期 に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。 また、 第二次セレクシヨンとしては、 例えば、 G—バンデイング法による染色体
数の確認等により行うことができる。得られる E S細胞の染色体数は正常数の 1 0 0 %が望ましいが、 樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、 E S細胞の遺 伝子をノックアウトした後、 正常細胞 (例えば、 マウスでは染色体数が 2 n = 4 0 である細胞) に再びクローニングすることが望ましい。 .
このようにして得られた胚幹細胞株は、 通常その増殖性は大変良いが、個体発生 できる能力を失いやすいので、 注意深く継代培養することが必要である。 例えば、
S T O繊維芽細胞のような適当なフィーダ一細胞上で L I F (l~10000U/ml)存在 下に炭酸ガス培養器内 (好ましくは、 5 %炭酸ガス、 9 5 %空気または 5 %酸素、 5 %炭酸ガス、 9 0 %空気) で約 3 7 °Cで培養するなどの方法で培養し、 継代時に は、例えば、 トリプシン ZE D T A溶液(通常 0. 001-0. 5%トリプシン/ 0. l-5mM EDTA, 好ましくは約 0. 1 %トリプシン/ ImM EDTA) 処理により単細胞化し、 新たに用意した フィーダ一細胞上に播種する方法などがとられる。 このような継代は、通常 1一 3 日毎に行なうが、 この際に細胞の観察を行い、 形態的に異常な細胞が見受けられた 場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
E S細胞は、 適当な条件により、 高密度に至るまで単層培養するか、 または細胞 集塊を形成するまで浮遊培養することにより、 頭頂筋、 内臓筋、 心筋などの種々の タイプの細胞に分化させることが可能であり 〔M. J. Evans及び Μ· H. Kaufman,
Nature第 292巻、 154頁、 1981年; G. R. Mart in, Proc. Nat l. Acad. Sci. U. S. A. 第 78巻、 7634頁、 1981年; T. C. Doetschman ら、 ジャーナル ·ォブ ·ェンブリオ ロジー 'アンド ·ェクスペリメンタル 'モルフォロジ一、第 87巻、 27頁、 1985年〕、 本発明の E S細胞を分化させて得られる本発明の D NA発現不全細胞は、インビト 口における本発明のタンパク質の細胞生物学的検討において有用である。
本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物の mR NA量を公知方法を用 いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区別すること が可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物は、例えば、 前述のようにして作製した ターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、導入に
より夕ーゲッティングベクタ一の本発明の D NAが不活性化された D N A配列が 遺伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵細包の染色体上の本発明 の D NAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、本発明の D NAをノックァ ゥトさせることができる。
本発明の D N Aがノックアウトされた細胞は、本発明の D N A上またはその近傍 の D N A配列をプロ一ブとしたサザンハイブリダイゼ一ション解析または夕一ゲ ッティングベクター上の D NA配列と、ターゲッティングべクターに使用したマウ ス由来の本発明の D NA以外の近傍領域の D N A配列とをプライマーとした P C R法による解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、 遺伝子相同組換えにより、本発明の D N Aが不活性化された糸 H胞株をクローニング し、 その細胞を適当な時期、 例えば、 8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に 注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作 出された動物は正常な本発明の D N A座をもつ細胞と人為的に変異した本発明の D N A座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明の D N A座をもつ場合、 このよ うなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、全ての組織 が人為的に変異を加えた本発明の D NA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、 コートカラ一の判定等により選別することにより得られる。 このようにして得られ た個体は、 通常、 本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体であり、 本発明のタン パク質のへテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本発明のタンパク質 のホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェクション法で D N A溶液を注入することによりターゲッティングベクタ一を染色体内に導入し たトランスジエニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、これらのトランスジェニ ック非ヒト哺乳動物に比べて、遺伝子相同組換えにより本発明の D NA座に変異の あるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明の D NAがノックアウトされている個体は、交配により得 られた動物個体も該 D N Aがノックアウトされていることを核認して通常の飼育
環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、 生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよレ^すなわち、 該 不活化 D NAの保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化 D NAを相同 染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得しうる。得られたホモザィゴート動 物は、 母親動物に対して、 正常個体 1 , ホモザィゴート複数になるような状態で飼 育することにより効率的に得ることができる。ヘテロザィゴート動物の雌雄を交配 することにより、該不活化 D N Aを有するホモザィゴートおよびへテロザィゴート 動物を繁殖継代する。
本発明の D NAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明の D NA発 現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、 非常に有用である。
また、本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のタンパク質により誘 導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発明のタンパク質の生物活性の不活 性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療 法の検討に有用である。
( 8 a )本発明の D NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予防効果 を有する化合物のスクリーニング方法
本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明の D NAの欠損や損傷などに 起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物のスクリ一ニングに用いるこ とができる。
すなわち、 本発明は、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投 与し、 該動物の変化を観察 ·測定することを特徴とする、 本発明の D NAの欠損や 損傷などに起因する疾病、 例えば呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支 炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥 厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎な ど) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症 候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 ァ 卜ピー性皮膚炎、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など)、
炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などに対して治療 ·予防効果を有する化合物ま たはその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳 動物としては、 前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿などがあ げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であっても よい。
具体的には、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物を、 試験化合物で処理し、 無処理の対照動物と比較し、 該動物の各器官、 組織、 疾病の症状などの変化を指標 として試験化合物の治療 ·予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、 例えば、 経口投与、 静脈注射な どが用いられ、 試験動物の症状、 試験化合物の性質などにあわせて適宜選択す ることができる。 また、 試験化合物の投与量は、 投与方法、 試験化合物の性質など にあわせて適宜選択することができる。
例えば呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性 汎細気管支炎、気管支喘息、嚢胞性線維症、過敏性肺炎、肺線維症など〕、鼻炎(例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥 性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋 無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿 病、慢性関節リゥマチ、全身性エリテマトーデス、ァトピー性皮膚炎、白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー 性結膜炎などのに対して治療 ·予防効果を有する化合物をスクリーニングする場合、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、試験化合物非投与 群と肺の気腫化の違い、 呼吸機能の違いなどを上記組織で経時的に観察する。
該スクリーニング方法において、 試験動物に試験化合物を投与した場合、該試験 動物の上記疾患症状が約 1 0 %以上、好ましくは約 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上改善した場合、 該試験化合物を上記の疾患に対して治療 ·予防効果を有
する化合物として選択することができる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、上記した試験化合物から選ば れた化合物であり、本発明のタンパク質の欠損や損傷などによって引き起こされる 疾患に対して治療 ·予防効果を有するので、 該疾患に対する安全で低毒性な予防 - 治療剤などの医薬として使用することができる。 さらに、 上記スクリーニングで得 られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の 塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸、 有機酸など) や塩基 (例、 ァ ルカリ金属など) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩 が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化 水素酸、硫酸など) との塩、 あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記し た本発明のタンパク質を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトまたは 哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどにより 差異はあるが、 例えば、 該化合物を経口投与する場合、 一般的に成人 (体重 6 0 k gとして)の肺気腫患者においては、一日につき該化合物を約 0. 1〜1 0 O m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 O m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 0 m g投与する。 非 経口的に投与する場合は、該化合物の 1回投与量は投与対象、対象疾患などによつ ても異なるが、 例えば、 該化合物を注射剤の形で通常成人 (体重 6 O k gとして) の肺気腫患者に投与する場合、 一日につき該化合物を約 0 . 0 1〜3 O m g、 好ま しくは約 0 . 1〜2 O m g、 より好ましくは約 0 . 1〜1 O m gを静脈注射により 投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重 6 0 k g当たりに換算した量 を投与することができる。
(8 b)本発明の DNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物 をスクリーニング方法
本発明は、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物に、 試験化合物を投与し、 レ ポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の DNAに対するプロ モーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法 を提供する。
上記スクリーニング方法において、本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物とし ては、前記した本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、本発明の DNA がレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本 発明の D N Aに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられる。 試験化合物としては、 前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、 前記と同様のものが用いられ、 /3—ガラクトシダー ゼ遺伝子 (1 a c Z) 、 可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはルシフェラ ーゼ遺伝子などが好適である。
本発明の DN Aをレポーター遺伝子で置換された本発明の DN A発現不全非ヒ ト哺乳動物では、 レポーター遺伝子が本発明の D N Aに対するプロモーターの支配 下に存在するので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレースすること により、 プロモーターの活性を検出することができる。
例えば、本発明のタンパク質をコードする D N A領域の一部を大腸菌由来の i3 _ ガラクトシダーゼ遺伝子 ( 1 a c Z) で置換している場合、 本来、 本発明のタンパ ク質の発現する組織で、本発明のタンパク質の代わりに j3_ガラクトシダーゼが発 現する。 従って、 例えば、 5—ブロモ—4—クロロー 3—インドリル一 /3_ガラク トピラノシド (X— g a 1) のような ]3—ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用 いて染色することにより、簡便に本発明のタンパク質の動物生体内における発現状 態を観察することができる。具体的には、本発明のタンパク質欠損マウスまたはそ の組織切片をダルタルアルデヒドなどで固定し、 リン酸緩衝生理食塩液 (PBS) で洗浄後、 X-g a 1を含む染色液で、 室温または 37°C付近で、 約 30分ないし 1時間反応させた後、 組織標本を ImM EDTA/PBS溶液で洗浄することに
よって、 ]S—ガラク卜シダーゼ反応を停止させ、 呈色を観察すればよい。 また、 常 法に従い、 1 a c Zをコードする mR NAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、上記した試験 化合物から選ばれた化合物であり、本発明の D NAに対するプロモーター活性を促 進または阻害する化合物である。
該スクリ一二ング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の 塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 アルカリ金 属など) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし レ この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル 酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタ ンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
本発明の D N Aに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物または その塩は、 本発明のタンパク質の発現の調節、 該タンパク質の機能を調節すること ができるので、例えば呼吸器疾患〔例、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)、 びまん性汎細気管支炎、気管支喘息、嚢胞性線維症、過敏性肺炎、肺線維症など〕、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性 鼻炎、乾燥性前鼻炎、血管運動性鼻炎、壊疽性鼻炎、副鼻腔炎など)、免疫疾患(例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗 性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー性皮膚炎、 白血 球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 ァ レルギ一性結膜炎などの予防 ·治療剤として有用である。
さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用 いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記し た本発明のタンパク質またはその塩を含有する医薬と同様にして製造することが できる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトまたは
哺乳動物 (例えば、 ラッ卜、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどにより 差異はあるが、例えば、本発明の DN Aに対するプロモーター活性を阻害する化合 物を経口投与する場合、 一般的に成人 (体重 60 kgとして) の肺気腫患者におい ては、 一日につき該化合物を約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50m g、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該 化合物の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 本発 明の DN Aに対するプロモータ一活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人 (体重 60 k gとして)の肺気腫患者に投与する場合、一日にっき該化合物を約 0. 01〜3 Omg、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg、 より好ましくは約 0. 1〜: L 0 mgを静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
このように、 本発明の DNA発現不全非ヒ卜哺乳動物は、 本発明の DNAに対す るプロモ一夕一の活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリ一ニン グする上で極めて有用であり、本発明の D N A発現不全に起因する各種疾患の原因 究明または予防 ·治療剤の開発に大きく貢献することができる。
また、 本発明のタンパク質のプロモーター領域を含有する DNAを使って、その 下流に種々のタンパクをコードする遺伝子を連結し、 これを動物の卵細胞に注入し ていわゆるトランスジヱニック動物 (遺伝子移入動物) を作成すれば、 特異的にそ のタンパク質を合成させ、その生体での作用を検討することも可能となる。 さらに 上記プロモーター部分に適当なレポーター遺伝子を結合させ、 これが発現するよう な細胞株を樹立すれば、本発明のタンパク質そのものの体内での産生能力を特異的 に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。 (9) 本発明のタンパク質を含有してなる医薬
本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質は肺気腫病変を有する肺で発現が低 下するため、 本発明のタンパク質をコードする DNAに異常があったり、 欠損して いる場合あるいは本発明の夕ンパク質の発現量が減少している場合には、 例えば、
呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管 支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 ァレ ルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前 鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力 症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シェ一ダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾 機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性 結膜炎などの種々の疾患が発症する。
したがって、 本発明のタンパク質および本発明の D N Aは、 例えば、 呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管 支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻 炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管 運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体 腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リ ゥマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不全ま たは胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎など の予防 ·治療剤などの医薬として使用することができる。 好ましくは、 呼吸器疾患 などの予防 ·治療剤、 さらに好ましくは慢性閉塞性肺疾患などの予防 ·治療剤、 さ らに好ましくは肺気腫などの予防 ·治療剤である。
例えば、生体内において本発明のタンパク質が減少あるいは欠損している患者が いる場合に、 (ィ) 本発明の D NAを該患者に投与し、 生体内で本発明のタンパク 質を発現させることによって、 (口) 細胞に本発明の D NAを挿入し、 本発明の夕 ンパク質を発現させた後に、 該細胞を患者に移植することによって、 または (八) 本発明のタンパク質を該患者に投与することなどによって、該患者における本発明 のタンパク質の役割を十分に、 あるいは正常に発揮させることができる。
本発明の D N Aを上記の予防,治療剤として使用する場合は、該 D N Aを単独あ るいはレトロウイルスベクタ一、 アデノウイルスベクター、 アデノウイルスァソシ エーテツドウィルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従つ
て、ヒトまたは温血動物に投与することができる。本発明の D NAは、そのままで、 あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤 化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。 本発明のタンパク質を上記の予防 ·治療剤として使用する場合は、 少なくとも 9 0 %、好ましくは 9 5 %以上、より好ましくは 9 8 %以上、さらに好ましくは 9 9 % 以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
本発明のタンパク質は、 例えば、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ 以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で 非経口的に使用できる。例えば、本発明のタンパク質を生理学的に認められる担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められ た製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することがで きる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラチ ン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セルロー スのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリンのよう な甘味剤、ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いら れる。調剤単位形態が力プセルである場合には、 前記タイプの材料にさらに油脂の ような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のよ うなべヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶 解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、 例え 、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含 む等張液 (例えば、 D—ソルビ] ル、 D—マンニ! ^一ル、 塩化ナトリウムなど) などが挙げられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例えば、 エタノールな ど) 、 ポリアルコール (例えば、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール など) 、 非イオン性界面活性剤 (伊 [Jえば、 ポリソルベート 8 0™、 H C O— 5 0な
ど) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが挙げ られ、 溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。 また、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸ナトリウム緩衝液など) 、 無 痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニゥム、塩酸プロ力インなど)、安定剤(例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジル アルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤などと配合してもよい。 調製された注 射液は、 通常、 適当なアンプルに充填される。
本発明の D NAが挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口 的に使用される。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、温血動物(例 えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 トリ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して投与することができる。 本発明のタンパク質の投与量は、対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどにより差 異はあるが、例えば、不妊症の治療目的で本発明のタンパク質を経口投与する場合、 一般的に成人(体重 6 0 k gとして)においては、一日につき該タンパク質を約 0. 1〜1 0 O m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 O m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 0 m g投与する。非経口的に投与する場合は、該タンパク質の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なるが、例えば、 肺気腫の治療目的で本発明のタンパク 質を注射剤の形で成人 (体重 6 O k gとして) に投与する場合、 一日につき該夕ン パク質を約 0 . 0 1〜3 O m g、 好ましくは約 0 . 1〜2 O m g、 より好ましくは 約 0 . 1〜1 O m gを患部に注射することにより投与するのが好都合である。他の 動物の場合も、 体重 6 0 k g当たりに換算した量を投与することができる。
本明細書において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 IUPAC-IUB Commiss ion on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における 慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミノ酸に関し光学異性体 があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとする。
D NA :デォキシリボ核酸
c D NA :相補的デォキシリポ核酸
A アデニン
T チミン
G グァニン
C RNA リポ核酸
mRNA メッセンジャ一リポ核酸 dATP デォキシアデノシン三リン酸 dTTP デォキシチミジン三リン酸 dGTP デォキシグアノシン三リン酸 d CTP デォキシシチジン三リン酸
ATP アデノシン三リン酸
EDTA エチレンジアミン四酢酸
SD S ドデシル硫酸ナトリウム
G 1 y グリシン
A l a ァラニン
Va 1 バリン
Leu ロイシン
I 1 e
S e r セリン
Th r スレオニン
C y s システィン
Me t メチォニン
G 1 u ダル夕ミン酸
As ァスパラギン酸
L y s リジン
Ar g アルギニン
H i s ヒスチジン
Ph e フエ二ルァラニン
Ty r チロシン
T r p 卜リブ卜ファン
P r o
A s n ァスパラギン
G 1 n ダル夕ミン
p G 1 u ピログルタミン酸
S e c (selenocysteine)
また、本明細書中で繁用される置換基、保護基および試薬を下記の記号で表記す る。
Me メチル基
E t ェチル基
Bu ブチル基
P h フエニル基
TC チアゾリジン一 4 (R) 一カルボキサミド基
T o s p -トルエンスルフォニル
CHO ホルミル
B z 1
Cl Bzl 2, 6—シ
Bom ベンジルォキシメチル
B o c t—ブトキシカルポニル
DNP ジニトロフエニル
T r t トリチル
B um t一ブトキシメチル
Fmo c N— 9 _フルォレニルメトキシカルポニル
HOB t 1—ヒドロキシベンズトリアゾール
HO O B t : 3 , 4—ジヒドロ一 3—ヒドロキシー 4一ォキソ一
1 , 2 , 3—ベンゾ卜リアジン
HO N B :卜ヒドロキシ- 5-ノルポルネン- 2, 3-ジカルポキシイミド 本願明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1〕
ヒトプロコラーゲン C—プロテアーゼ ェンハンサープロテイン 2のァミノ 酸配列を示す。
〔配列番号: 2〕
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を有するヒトプロコラーゲン C—プロテ ァ一ゼ ェンハンサーブロティン 2をコードする D N Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 3〕
マウスプロコラーゲン C一プロテアーゼ ェンハンサープロテイン 2のアミ ノ酸配列を示す。
〔配列番号: 4〕
配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を有するマウスプロコラーゲン C—プロ テアーゼ ェンハンサーブロティン 2をコ一ドする D N Aの塩基配列を示す。 〔配列番号: 5〕
実施例 2および 3で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 6〕
実施例 2および 3で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 7〕
実施例 2および 3で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 8〕
実施例 2および 3で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
以下において、実施例により本発明をより具体的にするが、 この発明はこれらに 限定されるものではない。
実施例
実施例 1
(1) タバコ煙曝露 COP Dモデルマウスの作製
C0PDモデルは、 C57BL/6Nマウス (6週齡、 日本チヤ一ルスリバ一) に Kentucky Reference Cigarette 1R1から発生する主流煙を、 1〜4時間/日、 5日/週ずつ計 6 ヶ月間吸入させて作製した。 すなわち、 Kentucky Reference Cigarette 1R1を夕バ コ煙発生装置 (SG-200, 柴田科学株式会社) に装着し、 35 ml/puff, 10puff/min, 25puif/cigaretteの条件で主流煙を採取した。 得られた主流煙を空気で 3% (V/V) に希釈した後に、 マウスを入れたアクリル製の曝露チャンバ一に送気し、 自発呼吸 下のマウスに所定の時間タバコ煙を吸入させた。なお、 コントロール群には正常マ ウスを用いた。マウスの肺機能は摘出肺の圧一容量曲線を用いて評価した。すなわ ち、 1ヶ月、 3ヶ月および 6ヶ月間のタバコ煙曝露が終了した翌日に、 マウスをペン トバルビタール (70mg/kg, i.p.) で麻酔した後、 頸部を切開し、 気管に力ニュー レ (サーフロー留置針、 18G) を挿入した。 この気管力ニューレに人工呼吸器 (Harvard社) を連結し、 横隔膜切除下で、 99.995% 02により 10分間人工呼吸を施 した。 なお、 その際の気道内圧変化が 10 cm ¾0となるように換気量を調節した。 人工呼吸終了後、 気管を動脈クリップで閉じて肺内の degassingを行った後、 肺を 摘出した。この摘出肺に、 0〜25 cm ¾0の圧力でホルマリン緩衝液を順次注入して、 5 cm ¾0ごとの肺の体積を prethysmograph OJgobasil社)を用いて測定し、 摘出肺 の圧一容量曲線を求めた。 結果を図 1に示す。
( 2 ) タバコ煙曝露 C 0 P Dモデルマウス肺で発現変動する遺伝子の探索 タバコ煙曝露 C0PDモデルマウス肺で特異的に発現変動している遺伝子を明らか にするため、最終曝露が終了した翌日にマウスをベントバルピタール麻酔により致 死させ、 気管支肺胞洗浄を施行した後に肺を摘出した。摘出肺は液体窒素中で凍結 させ、 凍結組織破砕装置で粉砕した後に、 その湿重量の 10倍量に相当する Isogen (和光純薬社製) に浸した。 1ヶ月タバコ煙曝露群 (n=10) 、 そのコントロー ル群 (n=6) 、 3ヶ月タバコ煙曝露群 (n=8) 、 そのコントロール群 (n=8) 、 6ヶ月 タバコ煙曝露群 (n=8) 、 そのコントロール群 (n=8) から ISOGENを用いて、 添付の
マニュアルに従って抽出した total R Aを材料とし、 ol igonucleot ide microarray (Mouse Genome U94A, U94B, U94C ; Asymetrix社) を用いて遺伝子発現解析を行つ た。
•実験方法は、 Af iymet rix社の実験手引き書 (Express ion analys is technical manual) に従った。 その結果、 タバコ煙曝露 C0PDモデルマウスで特異的に発現が低 下する遺伝子として af fymetrix No. 108315_atが検出された。この配列を基に BLAST 検索をしたところ、当該遺伝子はマウスプロコラーゲン C一プロテア一ゼ ェン ハンサ一プロテイン 2 (PC0LCE2) をコードしていた。 そのヒトカウンターパート は、 ヒトプロコラーゲン C一プロテアーゼ ェンハンサープロテイン 2
(hPC0LCE2) であることが判明した。 実施例 2
定量的 R T— P C R法による発現変動の確認
PC0LCE2遺伝子の発現変動が個体レベルでも顕著に認められることを確認するた め、 定量的 RT- PCR法により、 個体毎の発現を調べた。
マウス肺組織から調製した total RNA 200ngを出発材料として TaQMan Gold RT- PCR Ki t (アプライドバイオシステムズ社製) を用いて 50 1の反応液中で逆転写反応に より c D NAを合成した。 反応液を蒸留水で 5倍に希釈した後、 そのうちの を用いて ABI PRISM 7900シークェンスディテクター (アプライドバイオシステムズ 社製) と Quant iTect SYBR Green PCR Ki t (QIAGEN社製) を用いたリアルタイム定 量的 PCR法により、 マウス PC0LCE2遺伝子コピー数を測定した。遺伝子量検出に用い たプライマ一〔プライマー 1 (配列番号: 5 )およびプライマー 2 (配列番号: 6 )〕 はマウス PC0LCE2遺伝子の塩基配列 〔GenBank Access ion Number : AF352788] から Pr ime r Expres sプログラムを用いて設計した。 コピー数算出のための標準サンプル としては、マウス肺組織から抽出した total RNAを錶型にプライマー 3 (配列番号: 7 ) およびプライマ一 4 (配列番号: 8 ) を用いて、 RT- PCR法により増幅した 515 塩基対からなる DNA断片の濃度を Spectrophotometerにより、測定し、段階希釈する ことにより調製した。 同様にハウスキーピング遺伝子として GAPDH遺伝子のコピー
数を測定した。 また、非特異的な増幅を除去するために逆転写酵素を含まないサン プルも同様に処理し、 次式より、 total RNAあたりの遺伝子コピー数を求め、 夕バ コ煙曝露 C0PDモデルマウス肺とコントロールマウス肺の個体毎の発現を比較した。 (逆転写酵素含有サンプル中の PC0LCE2遺伝子コピー数/ GAPDH遺伝子コピ一数) 一 (逆転写酵素非含有サンプル中の PC0LCE2遺伝子コピー数/ GAPDH遺伝子コピー数) = (PC0LCE2遺伝子発現量)
結果を図 2に示す。
これより、 マウス PC0LCE2遺伝子 (配列番号: 4) の発現が C0PDモデルマウス肺 で有意に低下している (* *p≤0. 01) ことがわかった。 実施例 3
マウス PCOLCE 2遺伝子産物の組織分布の解析
マウスの各組織 (骨髄、 リンパ節、 前立腺、 胸腺、 胃、 子宮、 心齓 脳、 脾臓、 肺、 肝臓、 腎臓、 精巣、 11日目胚) の cDNA (Mouse MTC panel Iおよび Mouse MTC panel II:クロンテック社製) およびタバコ煙曝露モデルマウス肺およびコント口 —ルマウス肺 cDNA (1ヶ月、 3ヶ月および 6ヶ月処理混合群)を鎢型として、 ABI PRISM 7900シークェンスディテクター (アプライドバイオシステムズ社製) と QuantiTect SYBR Green PC Kit (Q I AGEN社製) を用いたリアルタイム定量的 PCR法によ り、 マウス PC0LCE遺伝子発現分布を調べた。 遺伝子量検出に用いたプライマー 〔プ ライマー 1 (配列番号: 5)およびプライマー 2 (配列番号: 6)〕はマウス PC0LCE2 遺伝子の塩基配列 CGenBank Accession Number: AF352788] から Primer Express プログラムを用いて設計した。 コピー数算出のための標準サンプルとしては、 マウ ス肺組織から抽出した total RNAを铸型にプライマー 3 (配列番号: 7) およびプ ライマー 4 (配列番号: 8) を用いて、 RT-PCR法により増幅した 503塩基対からな る DNA断片の濃度を Spectrophotometerにより、 測定し、 段階希釈することにより調 製した。同様にハウスキーピング遺伝子として GAPDH遺伝子のコピー数を測定した。 また、非特異的な増幅を除去するために逆転写酵素を含まないサンプルも同様に処 理し、 次式より、 total RNAあたりの遺伝子コピー数を求めることにより発現量を
求めた。
(逆転写酵素含有サンプル中の PC0LCE2遺伝子コピ一数 /GAPDH遺伝子コピー数) 一 (逆転写酵素非含有サンプル中の PC0LCE2遺伝子コピー数/ GAPDH遺伝子コピー数) = (PC0LCE2遺伝子発現量)
結果を図 3に示す。
その結果、 マウス PC0LCE2遺伝子産物 (niRNA) は肺に特異的に発現していること が判明した。 実施例 4
( 1 ) エラスターゼ誘発 C O P Dモデルマウスの作製
C0PDモデルは、 C57BL/6Nマウス (8週齡、 日本チヤ一ルスリバ一) にブ夕膝臓ェ ラスターゼ溶液 (和光純薬) ^ imits O xL /マウス) をハロタン麻酔下にて点鼻 投与して作製した。 なお、 コントロール群には生理食塩液点鼻マウスを用いた。 マ ウスの肺機能は摘出肺の圧—容量曲線を用いて評価した。すなわち、 エラスターゼ 投与 1日、 3日、 7曰、 14日、 21日および 35日後にマウスをペントバルビタール (70 mg/kg腹腔内投与) で麻酔した後、 頸部を切開し気管に力ニューレ (サ一フロー留 置針、 18G) を揷入した。 この気管力ニューレに人工呼吸器 (Harvard社製) を連 結し、 横隔膜切除下で 99. 995% 02を用いて 10分間人工呼吸を施した。 なお、 その 際の気道内負荷圧が 10 cm 0となるように換気量を調節した。 人工呼吸終了後、 気管を動脈クリップで閉じて肺内の degassingを行った後、 肺を摘出した。 この摘 出肺に、 0〜25 cm ¾0の負荷圧下でホルマリン緩衝液を順次注入して、 5 cm ¾0ご との肺の体積を]? lethysmograph (Ugobasi l社製)を用いて測定し、 摘出肺の圧一容 量曲線を求めた。 また、 以下の式に従い、 肺の広がり易さの指標としてコンプライ アンス値を算出した。
(25 cm ¾0の負荷圧下での肺容量増加量 (mL) ) /25 (cmH20) = コンプライアンス値 結果を図 4および図 5に示す。
( 2 ) エラス夕ーゼ誘発 C〇 P Dモデルマゥス肺で発現変動する遺伝子の探索 エラス夕一ゼ誘発 C0PDモデルマウス肺で特異的に発現変動している遺伝子を明
らかにするため、 エラス夕ーゼ投与 1日、 3日、 7日、 14日、 21日および 35日後にマ ウスをベントバルピタール麻酔により致死させ肺を摘出した。摘出肺は液体窒素中 で凍結させ、 凍結組織破砕装置で粉砕した後に、 その湿重量の 10倍量に相当する IS0GEN (和光純薬) に浸した。 エラス夕一ゼ投与 1日後群、 エラス夕ーゼ投与 3日後 群、 エラス夕一ゼ投与 7日後群、 エラスターゼ投与 14日後群、 エラス夕一ゼ投与 21 日後群、 エラスターゼ投与 35日後群 (いずれも n=6) およびそれらコントロール群 (いずれも n=6) から IS0GENを用いて、 添付のマニュアルに従って total RNAを調製 した。
マウス肺組織から調製した total RNA l gを出発材料として M- MLV Reverse Transcriptase (インビトロジェン社製)を用いて 50 1の反応液中で逆転写反応に より cDNAを合成した。 その反応液を用いて ABI PRISM 7700シークェンスディテクタ 一(アプライドバイオシステムズ社製)を用いたリアルタイム定量的 PCR法により、 マウス PC0LCE2遺伝子量を測定した。 遺伝子量検出に用いたプライマー 〔プライマ 一 1 (配列番号: 5 ) およびプライマー 2 (配列番号: 6 ) 〕 はマウス PC0LCE2遺 伝子の塩基配列 CGenBank Access ion Number: A E 352788 〕 から Primer Express プログラムを用いて設計した。 同様にハウスキーピング遺伝子として 18Sリポゾ一 マル RNA遺伝子の遺伝子量を測定した。 次式より、 18Sリポゾ一マル RNA遺伝子発現 量あたりの PC0LCE2遺伝子発現量を求め、 エラス夕ーゼ誘発 C0PDモデルマウス肺と コントロールマウス肺の個体毎の発現を比較した。
(PC0CE2遺伝子発現量 /18Sリポゾ一マル RNA遺伝子発現量) = (PC0LCE2遺伝子発現 結果を図 6に示す。
これより、 PC0LCE2遺伝子 (配列番号: 4 ) の発現がエラス夕ーゼ誘発 C0PDモデ ルマウス肺で有意に減少している (*≤0 . 0 5 ) ことがわかった。 産業上の利用可能性
本発明のタンパク質およびポリヌクレオチドは、 例えば、 呼吸器疾患 〔例、 慢性 閉塞性肺疾患 (慢性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢
胞性線維症、 過敏性肺炎、肺線維症など〕 、鼻炎(例、 アレルギー性鼻炎、花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性 硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身 性エリテマ卜一デス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常 にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの診断マーカ 一等として有用であり、 該タンパク質、 ポリヌクレオチドまたは該タンパク質に対 する抗体などを用いるスクリーニングにより得られる調節剤、該タンパク質に対す る抗体などは、 例えば、 例えば、 呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢性気管支 炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥 厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎な ど) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症 候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 ァ トピー性皮膚炎、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など)、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの予防 ·治療剤として使用することができ る。 また、 本発明のアンチセンスポリヌクレオチドは、 本発明のタンパク質の発現 を抑制することができ、 例えば、 例えば、 呼吸器疾患 〔例、 慢性閉塞性肺疾患 (慢 性気管支炎、 肺気腫) 、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 囊胞性線維症、 過敏 性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性 鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副 鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸球体腎炎、 多発性硬化症、 シエー ダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトー デス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫 不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎などの疾病の予防 ·治療剤として 使用することができる。 さらに、 本発明の各種のポリヌクレオチドは例えば、 呼吸 器疾患〔例、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)、 びまん性汎細気管支炎、 気管支喘息、 嚢胞性線維症、 過敏性肺炎、 肺線維症など〕 、 鼻炎 (例、 アレルギー
性鼻炎、 花粉症、 急性鼻炎、 慢性鼻炎、 肥厚性鼻炎、 萎縮性鼻炎、 乾燥性前鼻炎、 血管運動性鼻炎、 壊疽性鼻炎、 副鼻腔炎など) 、 免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 糸 球体腎炎、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 インスリン抵抗性糖尿病、 慢性関 節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 アトピー性皮膚炎、 白血球異常、 脾機能不 全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 炎症性腸疾患、 アレルギー性結膜炎 など、 好ましくは、 呼吸器疾患など、 さらに好ましくは慢性閉塞性肺疾患など、 さ らに好ましくは肺気腫などの診断、 予防または治療に有用である。