明 細 書 水性分散体およびその製造方法 発明の分野 ,
本発明は、 水不溶性固体を水中に微粒子状に分散させた水性分散体と、 その製 造方法とに関するものである。
従来の技術
水不溶性固体を水中に微粒子状に分散させた水性分散体は、 水不溶性固体とし て顔料や染料を用いた塗料、 印刷インク、 液体現像剤 (湿式トナー) 、 インクジ エツトプリンタ用インクなどや、 上記固体として薬剤を用いた医薬品、 また触媒 や重合開始剤などを用いた工業製品や中間製品などとして、 幅広く利用されてい る。
このような水性分散体は、 固体粒子の分散安定性にすぐれ、 保存中に沈降など の問題を起こさず、 長期間安定に保存できることが望まれる。 そこで、 従来から、 固体の種類に応じて、 その粒子径ゃ分散安定剤などを選択することにより、 また インクジエツトプリンタ用インクでは、 固体粒子である顔料の表面にァニオン性 基含有樹脂を酸析させて被膜を形成することにより (特開平 9 _ 1 5 1 3 4 2号 公報) 、 水性分散体の分散安定性を改善する試みがなされている。
し力 し、 上記従来の方法では、 分散安定性の改善効果が十分とはいえず、 固体 粒子が保存中に沈降するなどの問題が依然として認められ、 このため、 塗料、 印 刷ィンクなどの用途に利用する場合、 その性能の劣ィ匕が避けられなかったり、 使 用不能となってしまうなどの問題があった。
発明の開示
本発明の目的は、 顔料や染料をはじめとした広範囲の固体粒子に対してその分 散安定性の改善をはかれ、 保存中に沈降などの問題を起こさず、 長期間安定に保 存できる水性分散体を提供することにある。
本発明の別の目的は、 上記の性能に加えて、 インクジェットプリンタ用インク として高速印字性にもすぐれた水性分散体を提供することにある。
本発明者らは、 上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、 固体粒子の分 散安定性を改善するための成分として、 ポリエーテル構造を有する樹脂を用い、 これと固体粒子を含む有機溶媒相に水相を混合すると、 固体粒子の表面に上記榭 脂が付着して、 固体粒子が上記榭脂により被覆された構造の微粒子が得られ、 し かもその際、 樹脂の被覆量が前記従来の酸析方法 (特開平 9一 1 5 1 3 4 2号公 報) などに比べて、 はるかに多くなり、 その結果、 固体粒子の分散安定性が飛躍 的に向上して、 保存中に沈降などの問題を起こさない、 長期間安定に保存できる 水性分散体が得られることが見出された。 これは、 ポリエーテル構造を有する樹 脂が水に自己分散しやすいためである。 また、 この水性分散体は、 固体粒子とし て顔料などを選択使用したとき、 上記樹脂の性質や被覆構造などに起因して、 表 面張力の低下などの不都合をきたさない、 インクジエツトプリンタ用インクとし て高速印字性にすぐれたものとなることも見出された。
本発明は、 上記の知見をもとにして、 完成されたものである。
すなわち、 本発明は、 水不溶性固体を含む水性分散体であって、 上記固体がポ リエーテル構造を有する樹脂により被覆された微粒子からなり、 上記樹脂による 被覆量が固体 1 0 0重量部に対し 1 5〜: 1, 0 0 0重量部であることを特徴とす る水性分散体を提供する。
さらに、 本発明は、 水不溶性固体とポリエーテル構造を有する樹脂を含む有機 溶媒相を、 水相と混合して、 水性分散体を得ることを特徴とする水性分散体の製 造方法をも提供する。
発明の実施するための最良の形態
本発明におけるポリエーテル構造を有する榭脂は、 分子中に固体表面と水との 両方に親和するポリエーテル構造、 とくに親水性にすぐれたポリォキシエチレン およびポリオキシプロピレンの少なくとも一つを含むとともに、 水に自己分散ィ匕 する性質を持つ、 つまり、 この樹脂を有機溶媒に溶解させた溶液をつくりこれと 水とを混合したときに、 樹脂自体が自己分散化して微粒子状の樹脂分散液を付与 する性質を持つものである。
この性質を持たせるため、 樹脂は分子中に酸性基または塩基性基からなる極性 基を有しているのが望ましく、 とくに酸性基としてカルボキシル基、 スルホン酸
基、 ホスホン酸基などを有しているのがよく、 中でも、 分散粒子の凝集が起こり にくい酸強度の弱いカルボキシル基を有しているのが望ましい。
このような樹月旨は、 好ましくは 5〜7 0 KOHmg/ g、 より好ましくは 1 0〜 6 5 K〇Hmg/ g、 特に好ましくは 1 0〜5 O KOHmgZ gの酸価を有する。 酸 価が 5 KOHmg/ g未満である力、 または 7 0 KOHmg/ gを超えると、 自己分 散化しにくくなる傾向にある。 また、 酸価が低すぎると固体粒子との親和性が弱 くなり、 微細な水性分散体を得にくくかったり、 固体粒子の電荷が小さくなる傾 向にある。 また、 水性分散体中の微粒子の酸価は、 好ましくは 2〜 9 5 K O Hmg Z g、 より好ましくは 5〜6 8 KOHmg/ gである。
このようにポリエーテル構造を有する樹脂には、 アクリル系、 ポリエステル系、 ポリウレタン系、 エポキシ系、 アミノ系などの各種の樹脂が含まれ、 これらは、 単独でまたは 2種以上の混合物として用いることができる。 分子中への極性基の 導入やグラフト化が容易で、 水に自己分散化する性質を付与しやすいなどの点よ り、 アクリル系樹脂、 とくにポリエーテル構造をグラフト部分に有するアクリル 系樹脂が好ましく用いられる。
このようなアクリル系樹脂は、 アクリル系モノマーおよび極性基含有モノマー とともに、 ポリエーテル構造を有するマクロモノマーを併用し、 また必要により その他の共重合可能なモノマーを使用し、 これらのモノマーを、 触媒の存在下、 ラジカル重合させることにより、 得ることができる。
アクリル系モノマーとしては、 たとえば、 アクリル酸メチル、 アクリル酸ェチ ル、 アクリル酸イソプロピル、 アクリル酸 n—プロピル、 アクリル酸 n—プチル、 ァクリル酸 t—ブチル、 ァクリル酸 2—ェチルへキシル、 ァクリル酸ォクチル、 アタリル酸ラゥリル、 アタリル酸セチル、 アタリル酸ステアリル、 アタリル酸べ へニル、 アタリル酸ベンジルなどのァクリル酸エステルや、 メタクリル酸メチル、 メタクリル酸ェチル、 メタタリル酸ィソプロピル、 メタクリノレ酸 n—プロピル、 メタタリル酸 n -ブチル、 メタタリル酸ィソプチル、 メタクリル酸 t一プチル、 メタクリル酸 2—ェチルへキシル、 メタクリル酸ォクチル、 メタクリル酸ラウリ ル、 メタクリル酸トリデシル、 メタクリル酸セチル、 メタクリル酸ステアリル、 メタタリル酸ベへニル、 メタタリノレ酸ベンジルなどのメタクリル酸エステルなど
が好ましく、 中でもアタリノレ酸メチル、 アクリル酸ェチル、 アクリル酸イソプロ ピル、 アタリル酸一 n—プロピル、 アタリル酸一 n—プチル、 アタリル酸一 t一 ブチル、 メタクリル酸メチル、 メタクリル酸ェチル、 メタクリル酸ィソプロピル、 メタクリル酸一 n—プロピル、 メタクリル酸 _ ΙΊ一プチル、 メタクリル酸イソブ チル、 メタクリノレ酸一 t一ブチルなどの比較的分子量が低いモノマーが特に好ま しい。 これらモノマーの使用量は、 単量体全重量に対し、 好ましくは 5〜8 0重 量%の範囲、 より好ましくは 1 0〜 7 0重量%の範囲である。
極性基含有モノマーとしては、 酸性基含有モノマーまたは塩基性基含有モノマ 一が用いられる。 酸性基含有モノマーの例には、 アクリル酸、 メタクリル酸、 ク ロトン酸、 エタアタリル酸、 プロピルァクリル酸、 ィソプロピルァクリル酸、 ィ タコン酸、 フマール酸、 ァクロィルォキシェチルフタレート、 ァクロィルォキシ サクシネートなどのカルボキシル基含有モノマー、 ァクリル酸 2—スルホン酸ェ チル、 メタクリル酸 2—スルホン酸ェチル、 ブチルアクリルアミ ドスルホン酸な どのスルホン酸基含有モノマー、 メタクリル酸 2—ホスホン酸ェチル、 アクリル 酸 2—ホスホン酸ェチルなどのホスホン酸基含有モノマー、 アクリル酸 2—ヒド 口キシェチル、 メタクリル酸 2—ヒドロキシェチル、 アクリル酸ヒドロキシプロ ピル、 メタタリル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマーなどが好まし く、 中でもアクリル酸、 メタクリル酸などのカルボキシル基含有モノマー、 また はアクリル酸 2—ヒドロキシェチル、 メタクリル酸 2—ヒドロキシェチル、 ァク リル酸ヒドロキシプロピル、 メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有 モノマーが特に好ましい。 カルボキシル基含有モノマーの使用量は、 単量体全重 量に対し、 好ましくは 0 . 5〜 1 0重量。 /0の範囲、 より好ましくは 1〜 7重量% の範囲である。 また、 水酸基含有モノマーの使用量としては、 単量体全体に対し、 好ましくは 1 0〜 5 0重量。 /0の範囲、 より好ましくは 2 0〜 4 0重量%の範囲で 使用することにより、 効果が発揮されることが多い。
また、 塩基性基含有モノマーの例には、 アタリル酸ァミド、 アタリル酸ァミノ ェチル、 アタリル酸ァミノプロピル、 メタクリル酸ァミ ド、 メタクリル酸ァミノ ェチル、 メタクリル酸アミノプロピルなどの第 1級ァミノ基含有モノマー、 ァク リル酸メチルアミノエチル、 アクリル酸メチルァミノプロピル、 アクリル酸ェチ
ルァミノェチル、 アタリル酸ェチルァミノプロピル、 メタタリル酸メチルァミノ ェチル、 メタクリル酸メチルァミノプロピル、 メタクリル酸ェチルァミノェチル、 メタクリル酸ェチルァミノプロピルなどの第 2級ァミノ基含有モノマー、 アタリ ル酸ジメチルァミノェチル、 アタリル酸ジェチルァミノェチル、 アタリル酸ジメ チルァミノプロピル、 アタリル酸ジェチルァミノプロピル、 メタタリル酸ジメチ ノレアミノェチノレ、 メタクリル酸ジェチルァミノェチル、 メタクリル酸ジメチルァ ミノプロピル、 メタクリル酸ジェチルァミノプロピルなどの第 3級ァミノ基含有 モノマー、 アタリル酸ジメチルァミノェチルメチルク口ライド塩、 メタタリノレ酸 ジメチルァミノェチルメチルク口ライド塩、 アタリル酸ジメチルァミノェチルベ ンジルク口ライド塩、 メタクリル酸ジメチルァミノェチルベンジルク口ライド塩 などの第 4級ァミノ基含有モノマーなどが好ましい。
ポリエーテル構造を有するマクロモノマーとしては、 アタリロイル基またはメ タクリロイル基に直接もしくはアルキル基を介してメ トキシポリエチレングリコ 一ルゃメ トキシポリプロピレングリコールが結合したマクロモノマーが用いられ る。 市販品としては、 日本油脂社製 「PE—200」 、 「PE—350」 、 「A E_200」 、 「AE_350」 、 「AP_400」 、 「AP_550J 、 「A P— 800J 、 「70 PEP— 350 B」 、 「 10 P E P— 550 B」 、 「AE P」 、 「50 POEP— 800 B」 、 「 50 A〇 E P— 800 B」 、 「PLE」 、 「ALE」 、 「PSE」 、 「ASE」 、 「PNE」 、 「ANE」 、 「PNP」 、 「ANP」 、 「PNEP— 600」 、 「PME— 200」 、 「PME_400」 、
「PME— 1000」 、 「AME_400」 、 「PP_500」 、 「PP_80 0」 、 「PP—1000」 ;新中村化学社製 「AMP_10G」 、 「AMP_2 0G」 、 「AMP— 60G」 、 「AM—90G」 ;大阪有機化学工業社製 「ビス コート # 355HP」 、 「ビスコート # 310」 、 「ビスコート # 310HPJ 、 「ビスコート # 310HG」 、 「ビスコート # 312」 、 「ビスコート # 70
0J ;共栄社化学社製 「ライトアタリレート EHDG— A」 、 「ライトアタリレ ート EC— A」 、 「ライトアタリレート MTG— A」 、 「ライトアタリレート 1 30A」 、 「ライトアタリレート P— 200AJ 、 「ライトアタリレート NP— 4EA」 、 「ライトアタリレート NP_8 EA」 、 「ライトエステル MC」 、
「ライトエステル 1 3 0 MA」 、 「ライトエステル 0 4 1 MA」 ;新中村化学ェ 業社製 「NKエステル M— 2 0 GJ 、 「N Kエステル M—4 0 GJ 、 「NKエス テル M— 9 0 G」 ;旭電化工業社製 「アデ力リァソープ N E— 1 0」 、 「アデ力 リアソープ N E— 2 0 J 、 「アデ力リァソープ N E— 4 0」 などが好ましい。 これらマクロモノマーの分子量は、 好ましくは 1 5 0〜1 0, 0 0 0の範囲、 より好ましくは 1 8 0〜 2 , 0 0 0の範囲である。 分子量が 1 5 0未満では、 固 体粒子の表面に榭脂を付着させたとき、 グラフ 1、基の立体反発の効果が小さくな り、 固体同士の凝集が起こりやすく、 保存安定性に欠ける場合がある。 また、 分 子量が 1 0 , ◦ 0 0を超えると、 樹脂が固体表面に付着する際、 グラフト基が立 体障害となり、 固体との親和性が悪くなり、 分散性に欠ける場合がある。
これらマクロモノマーの使用量は、 単量体全重量に対し、 好ましくは 5〜 7 0 重量。 /0の範囲、 より好ましくは 1 0〜 5 0重量%の範囲である。 5重量%未満で は、 グラフト基の効果が小さくなり、 自己分散性に乏しくなり、 また、 7 0重 量%を超えると、 樹脂の親水性が増すために水に溶けやすくなり、 樹脂が固体表 面に付着しにくくなる傾向にある。
その他の共重合可能なモノマーの例には、 スチレン、 α—メチルスチレン、 ο —メチノレスチレン、 m—メチノレスチレン、 p—メチノレスチレン、 ρ—tert—ブチ
ィタコン酸べンジルなどのィタコン酸ェ ステル類、 マレイン酸ジメチルなどのマレイン酸エステノレ類、 フマール酸ジメチ ルなどのフマール酸エステル類、 エチレンなどの α—ォレフィン、 その他、 ァク リロ二トリル、 メタクリロニトリル、 酢酸ビュル、 グリシジルメタクリ レート、 グリシジルアタリレートなどが好ましく、 中でもスチレン、 ーメチルスチレン、
0—メチノレステレン、 m—メチノレスチレン、 p -
系モノマー、 またはグリシジルメタクリレート、 グリシジルァクリレートなどの グリシジル基含有モノマーが特に好ましい。 スチレン系モノマーの使用量は、 単 量体全重量に対し、 好ましくは 5〜 5 0重量%の範囲、 より好ましくは 1 0〜 3 0重量%の範囲である。 また、 グリシジル基含有モノマーの使用量としては、 単 量体全重量に対し、 好ましくは 1〜 1 5重量%の範囲、 より好ましくは 2〜 1 0 重量%の範囲で使用することにより、 効果が発揮されることが多い。
ラジカル重合は、 塊状重合、 溶液重合、 懸濁重合、 乳化重合、 レ ッタス重合 など公知の一般的な方法を用いて行えばよい。 溶液重合は、 反応方法がシンプル なため、 とくに好ましい。 溶液重合に用いる非反応性溶媒には、 へキサン、 ミネ ラルスピリットなどの脂肪族炭化水素系溶剤、 ベンゼン、 トルエン、 キシレンな どの芳香族炭化水素系溶剤、 酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、 メタノール、 ブ タノールなどのアルコール系溶剤、 メチルェチルケトン、 イソプチルメチルケト ンなどのケトン系溶剤、 ジメチルホルムァミド、 ジメチルスルホキシド、 N—メ チルピロリ ドン、 ピリジンなどの非プロトン性極性溶剤などがある。 必要により、 これらの溶剤の 2種以上を併用してもよレ、。
ラジカル重合に用いる重合開始剤としては、 t一ブチルパーォキシベンゾエー ト、 ジ一 t—プチノレパーォキシド、 クメンパーヒ ドロキシド、 ァセチノレパーォキ シド、 ベンゾィルパーォキシド、 ラウロイルパーォキシドなどの有機過酸化物、 ァゾビスイソプチロニトリノレ、 ァゾビス一 2, 4一ジメチノレパレロニトリノレ、 ァ ゾビスシク口へキサンカルボ二トリルなどのァゾ化合物などの公知の重合開始剤 が挙げられる。 ラジカル重合に際し、 反応条件は、 重合開始剤の種類、 溶媒の種 類などにより異なるが、 反応温度は 1 8 0 °C以下、 好ましくは 3 0〜 1 5 0 °C、 反応時間は 3 0分間〜 4 0時間、 好ましくは 2時間〜 3 0時間である。
本発明で用いるポリエーテル構造を有する樹脂の数平均分子量は、 好ましくは 1 , 0 0 0〜 1 0 0, 0 0 0、 より好ましくは 3 , 0 0 0〜 3 0 , 0 0 0の範囲 にある。 数平均分子量が 1, 0 0 0未満となると、 固体粒子を微細に分散させる のが難しくなる傾向にあり、 固体粒子の沈降を引き起こしやすい。 また、 1 0 0 , 0 0 0を超えると、 溶媒に溶解しにくくなり、 水性分散体の粘度が著しく高くな りやすい。
本発明における水不溶性固体としては、 塗料、 印刷インク (とくに、 インクジ エツトプリンタ用インク) 、 液体現像剤などの用途にあっては、 無機顔料、 有機 顔料、 水および有機溶剤に溶解しない染料などが用いられる。 その他、 用途に応 じて、 フィラー、 医薬、 重合開始剤、 触媒、 紫外線吸収剤など、 水および有機溶 剤に溶解しない各種の固体物質が用いられる。
無機顔料の例としては、 たとえば、 酸ィ匕チタン、 亜鉛華、 酸化亜鉛、 トリポン、
酸化鉄、 酸ィ匕アルミニウム、 二酸化ケイ素、 カオリナイト、 モンモリロナイト、 タルク、 硫酸バリゥム、 炭酸カルシウム、 シリカ、 アルミナ、 力ドミゥムレツド、 べんがら、 モリブデンレツド、 クロムバーミリオン、 モリブデートオレンジ、 黄 鉛、 クロムイェロー、 カドミウムイェロー、 黄色酸化鉄、 チタンイェロー、 酸ィ匕 クロム、 ピリジアン、 コ/ ノレトグリーン、 チタンコバノレトグリーン、 コパノレトク ロムグリーン、 群青、 ウルトラマリンブルー、 紺青、 コバルトブルー、 セルリア ンブルー、 マンガンバイオレツト、 コバルトバイオレツト、 マイ力などが好まし い。
有機顔料としては、 ァゾ系、 ァゾメチン系、 ポリアゾ系、 フタロシア-ン系、 キナタリ ドン系、 アンスラキノン系、 インジゴ系、 チォインジゴ系、 キノフタ口 ン系、 ベンツイミダゾロン系、 イソインドリン系、 イソインドリノン系顔料、 若 しくは酸性、 中性、 または塩基性カーボンからなるカーボンブラックなどが好ま しい。 水および有機溶剤に溶解しない染料としては、 たとえば、 ァゾ系、 アント ラキノン系、 インジゴ系、 フタロシアニン系、 カルボニル系、 キノンィミン系、 メチン系、 キノリン系、 ュトロ系などの染料が挙げられ、 これらの中でもとくに 分散染料が好ましい。 これらの中でも耐水性、 耐候性などの点から、 顔料が特に 好ましい。
とくにシアンインク組成物に使用される顔料の種類としては、 C. I . ピグメ ントブルー 1、 2、 3、 15 : 3、 15 : 4、 15 : 34、 16、 22、 60等 が挙げられ、 好ましくは C. I. ビグメントブルー 15 : 3、 15 : 4から選択 される 1種または 2種以上の混合物である。
また、 マゼンタインク組成物に使用される顔料の種類としては、 C. I. ビグ メントレッド 5、 7、 12、 48 (Ca) 、 48 (Mn) 、 57 (Ca) 、 5 7 : 1、 1 12、 122、 123、 168、 184、 202、 209、 C. I . ビグメントバイオレット 19等が挙げられ、 好ましくは C. I . ビグメントレツ ド 57 : 1、 122、 202、 209、 C. I . ピグメントバイオレツト 19力 ら選択される 1種または 2種以上の混合物である。
さらに、 イェローインク組成物に使用される顔料の種類としては、 C. I . ピ グメントイエロー 1、 2、 3、 12、 13、 14、 16、 17、 73、 74、 7
5、 8 3、 93、 95、 9 7、 98、 1 09、 1 1 0、 1 14、 1 20、 1 28、 1 29、 1 30、 1 3 8、 1 50、 1 5 1、 1 54、 1 55、 1 80、 1 8 5等 が挙げられ、 好ましくは C. I . ビグメントイエロ一 14、 74、 83、 1 09、 1 1 0、 1 20、 1 50、 1 5 1、 1 55、 1 80から選択される 1種または 2 種以上の混合物である。
具体的にブラックインク組成物に使用される顔料の種類としては、 三菱化学社 製の HCF、 MCF、 RCF、 LFF、 SCF、 キャボット社製のモナーク、 リ 一ガル、 デグサ · ヒュルス社製のカラーブラック、 スぺシヤノレブラック、 プリン テックス、 東海カーボン社製のト一力ブラック、 コロンビア社製のラヴェン等が 挙げられ、 好ましくは三菱ィ匕学社製 HCF# 26 50、 # 2600、 # 23 50、 # 2300、 MCF# 1000、 # 980、 # 9 70、 # 960、 MCF 8 8、 LFFMA7、 MA 8、 MA 1 1、 MA 77、 MA 1 00、 テグサ · ヒュノレス社 製のプリンテックス 9 5、 85、 75、 55、 45、 25等から選択される 1種 または 2種以上の混合物がとくに好ましく用いられる。
本発明においては、 上記樹脂による被覆量は、 固体 1 00重量部に対し、 通常
1 5〜 1, 000重量部であり、 より好ましくは 20〜 500重量部、 特に好ま しくは 25〜 200重量部である。 また、 上記の微粒子は、 好ましくは 0. 0 1 〜0· 3 μηιの範囲、 より好ましくは 0. 0 1 5〜0. 2 w mの範囲の平均粒子 径を有する。
なお、 上記樹脂による被覆構造は、 樹脂と固体との間の化学的結合 (酸一塩基 結合、 イオン結合、 共有結合など) 、 物理的結合 (樹脂凝集による結合、 分散力 による機械的結合など) 、 物理ィ匕学的結合のいずれかまたはこれらが複合した結 合に基づいており、 かなり強固な付着形態を有する。 このような付着形態を有す る樹脂の被覆量は、 たとえば、 水性分散体の不揮発分濃度を 2重量%に調整した のち、 この水性分散体を上澄み液が透明になるまで遠心分離を行レ、、 上澄み液中 の樹脂濃度を測定することにより、 間接的に求めることができる。
本発明の水性分散体は、 上記樹脂の前記した性質に加え、 上記のような被覆構 造を有することにより、 とくにその被覆量が多いことにより、 固体粒子が前記微 粒子として水中に安定に分散し、 従来に比べて、 分散安定性に格段にすぐれた性
能を発揮する。 その結果、 保存中にもやや沈降などの問題を起こさず、 長期間安 定に保存することが可能となる。
これに対し、 上記樹脂の被覆量や微粒子の平均粒子径が前記範囲を逸脱したり すると、 このような効果が得られにくレ、。 とくに、 上記樹脂の被覆量が固体 1 0 0重量部に対し 1 5重量部未満となると、 水性分散体中での固体同士の凝集が起 こりやすく保存安定性が低下するようになり、 印字基材への定着性も劣る。 また、 上記樹脂の被覆量が 1 , 0 0 0重量部を超えると、 上記の効果が飽和する。 さら に、 上記微粒子の平均粒子径が 0 . 3 i Hiを超えると、 やはり分散安定性が低下 する傾向にあり、 凝集を起こしやすく、 インクなどに処方した場合には、 印刷物 の色再現性が悪くなつたり、 インクジェットプリンタのノズルの目詰まりの原因 となりやすい。 また、 上記微粒子の平均粒子径が 0 . 0 1 m未満では、 印字物 のコントラストが低下しやすくなる。
本発明の水性分散体は、 上記の分散安定性に加えて、 上記樹脂の性質や被覆構 造を有することにより、 表面張力を高い値に維持することができる。 具体的には、 固体濃度が 3〜1 0重量%において、 表面張力は 3 . 0 X 1 0— 4〜6 . 0 X 1 0— N/cm、 好ましくは 3 . 5 X 1 0— 4〜5 . 5 X 1 0— 4NZcmとなる。 このため、 ィンクジヱットプリンタ用ィンクとした場合、 液滴が非常に安定した球状となり、 画像の乱れを起こさず、 高速印字性にすぐれたものとなる。
これに対し、 上記表面張力が 3 . 0 X 1 0— ANZcm未満となる、 水性分散体を ィンクジヱットプリンタ用ィンクとして使用する場合、 液滴が安定した球状とな らず、 画像の乱れが生じ、 高速印字性を損なう場合がある。 なお、 インクの保存 安定性を改良するために、 分散安定剤にシリコーン成分を含む樹脂を用いること が提案されている (特開平 1 0— 2 7 9 8 7 3号公報) 。 しかしこの場合、 イン クの表面張力が 3 . 0 X 1 0—4N/cm未満となり、 インクジェットプリンタ用ィ ンクとして高速印字性などの特性を満足させることができない。
本発明の水性分散体は、 水不溶性固体とポリエーテル構造を有する樹脂を含む 有機溶媒相を水相と混合して、 固'体粒子の表面に上記樹脂を付着させ、 固体粒子 が上記樹脂により被覆された構造の微粒子を生成させるという方法により、 製造 できる。 すなわち、 この方法によると、 固体粒子の表面に上記樹脂が容易にかつ
多量に析出付着する結果、 固体に対する被覆量が 1 5重量%以上となる被覆構造 を形成することができる。
本発明の上記方法は、 具体的には、 下記工程により実施できる:
A) ポリエーテル構造を有する樹脂を溶解させた有機溶媒中に水不溶性固体を 分散する分散工程、
B ) 上記の分散工程で得られた分散液中に水を注入する力、、 または上記の分散 工程で得られた分散液を水中に注入して、 上記分散液と水とを混合することによ り固体粒子の表面に上記樹脂を析出付着させる混合工程、
C) 必要に応じて上記の混合工程後、 溶媒を蒸留する濃縮工程。
上記の A工程では、 ポリエーテル構造を有する樹脂を有機溶媒に溶解し、 これ に水不溶性固体を加えたのち、 必要により、 ガラスビーズ、 スチールビーズ、 ジ ルコユアビーズなどの分散媒体を用いて、 ダイノ ミルゃ D S P—ミルなどのビ ーズミル、 ロールミノレ、 サンドミル、 了トライター、 ニーダーゃナノマイザ一な どの高圧噴射ミルなどの分散機により、 分散して分散液を得る。 その際、 必要に より界面活性剤、 榭脂、 顔料分散剤、 顔料誘導体、 電荷発生剤などの各種の添加 剤を添加してもよい。
固体を媒体に分散する条件は、 固体の種類や分散機の種類にもよるが、 経済性 などを考慮すると、 温度は 0〜: 1 5 0 °Cの範囲とし、 分散時間は短ければ短いほ どよい。 分散時間が 0 . 1〜 1 0時間/ k gであれば生産性の点で満足できる。 分散後の粒子径は、 最終目的とする樹脂による被覆構造の微粒子の平均粒子径 が前記範囲内となるように、 適宜選択する。 粒子径の測定方法は、 とくに限定さ れず、 一般的に慣用されている方法を採用すればよい。 たとえばレーザー散乱方 式や遠心沈降方式の粒度分布測定装置により、 測定できる。
上記の B工程では、 水を上記の A工程で得られた分散液中に、 あるいは上記の A工程で得られた分散液を水中に、 ゆつくり添加し混合する。 この場合、 添加時 や添加後、 スリーワンモーターやマグネチックスターラー、 デイスパー、 ホモジ ナイザーなどの簡単な攪拌機を用いて、 均一に混合する。 ラインミキサーなどの 混合機を用いて、 混合してもよレ、。 さらに、 析出粒子をより微細化する目的で、 ビーズミルゃ高圧噴射ミルなどの分散機を用いて、 混合してもよ 、。
上記の C工程は、 有機溶媒の存在が好ましくない場合に、 この溶媒を除去する 目的で実施する。 濃縮方法には、 通常の常圧または減圧蒸留法を採用できる。 濃 縮により除去する有機溶媒は、 A工程でポリエーテル構造を有する樹脂を溶解す るために使用した溶媒であり、 そのような溶媒としては、 メチルェチルケトン、 テトラヒドロフラン、 イソプロピルアルコール、 エチルアルコールなどの水に易 解性の有機溶媒で、 かつ沸点が 1 0 0 °C以下のものが好ましい。
このようにして得られる水性分散体は、 水不溶性固体 1 0 0重量部あたり、 通 常 5 0〜1 0, 0 0 0重量部、 好ましくは 1 0 0〜3 , 0 0 0重量部の範囲の水 を含む。 この水性分散体には、 製造工程中に必要により添加される各種の添加剤、 例えば界面活性剤、 顔料分散剤、 顔料誘導体、 電荷発生剤などや、 さらに、 防腐 剤、 防臭剤、 皮はり防止剤、 香料などが含まれていてもよい。
本発明の上記構成の水性分散体は、 固体の種類に応じた各種用途に利用できる。 とくに固体として顔料を使用したものでは、 塗料、 グラビアインクなどの印刷ィ ンク、 インクジェットプリンタ用インク、 湿式電子写真印刷機や静電気力を用い たインクジェットプリンタ用の液体トナーなどとして、 有用である。 とりわけ、 ィンク分野では、 水に自己分散化するポリエーテル構造を有する樹脂が顔料表面 を被覆しているため、 顔料が凝集しにくく長期間安定に使用できる。
本発明の水性分散体を上記用途に利用する場合、 その用途に応じて、 パインダ 一や有機溶媒を添加し、 また各種の添加剤を添カ卩し、 所定の固体濃度やバインダ 一濃度に調整して、 使用する。 その際、 デイスパーのような簡単な攪拌機を用い て、 撹拌混合すればよく、 従来必要とされていた分散機などを使用しなくてもよ いので、 省エネルギー化ゃコスト低減に貢献することができる。
上記のバインダーは、 従来から使用されている樹脂が使用でき、 そのような樹 脂の例としては、 天然タンパク質、 セルロース類、 ポリビュルアルコール、 ポリ ァクリルアミ ド、 ポリアクリル酸、 ポリビュルエーテル、 ポリビュルピロリ ドン、 アクリル樹脂、 ポリエステル樹脂、 アルキド樹脂、 ウレタン樹脂、 アミ ド樹脂、 芳香族ァミド榭脂、 メラミン樹脂、 エーテル樹脂、 フッ素樹脂、 スチレンーァク リル樹脂、 スチレン一マレイン酸樹脂などの合成高分子や、 その他、 感光性樹脂、 熱硬化性樹脂、 紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂などが挙げられる。 また、
上記の添加剤としては、 ァ-オン系、 カチオン系またはノニオン系の界面活性剤、 皮はり防止剤、 レべリング剤、 金属石鹼ゃレシチンなどの電荷調整剤、 湿潤剤な ど、 公知の各種のものが用いられる。
実施例
つぎに、 本発明の実施例を記載して、 より具体的に説明する。
実施例中、 「部」 および 「%」 とあるのは、 とくに断りがない限り、 「重量 部」 および 「重量%」 を意味する。 また、 注意書きのない試薬は、 すべて、 和光 純薬 (株) 製の試薬 1級である。
以下の実施例において、 水に自己分散化するポリエーテル構造を有する樹脂と して使用した 「自己分散ィ匕高分子化合物 A〜G」 は、 下記の合成例 1〜7により、 合成したものである。 また、 以下の比較例において、 上記樹脂に代わるものとし て使用した 「ポリエーテル構造を含まない高分子化合物 H」 および 「酸価が 7 0 KOHmgZ gを超えるポリエーテル構造を有する高分子化合物 I」 は、 下記の比 較合成例 1, 2により、 合成したものである。
合成例 1 (自己分散化高分子化合物 Aの合成)
n—プチルァクリレート 3 3 . 3部 n—ブチルメタクリレート 1 0 . 9咅 スチレン 2 0 . 0部 メタクリル酸 4 . 5部 グリシジルメタクリレート 4 . 5部
PME - 4 0 0 (日本油脂社製のメトキシポリエチレン 2 6 . 7部
ダリコールモノメタクリレート)
パーブチル O (日本油脂社製のパーォキシエステル) 4 . 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチルケトン 1 0 0部を 入れ、 窒素を導入しながら、 7 5 °Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 4時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 7 5 °Cで 5時間反応させた。 反応後の溶液は、 5 1 . 0 %の不揮発分、 2 9 . 0 KOHmg/ gの酸価を有し、 数平均分子量が 1 3 , 0 0 0の高分子化合物 Aを含んでいた。
このようにして得た高分子化合物 Aの 1部に、 メチルェチルケトンで希釈した のち、 水 0. 5部を加えたところ、 自己分散化し、 平均粒子径が 0. 035 ιη (コールターネ:¾のレーザードップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で 測定) のディスパージ aンが得られた。
合成例 2 (自己分散化高分子化合物 Bの合成)
n—プチルァクリレート 3 3. 3部 n—プチノレメタクリレート 1 0. 9部 スチレン 2 0. 0部 メタクリル酸 4. 5部 グリシジルメタクリレート 4. 5部
AME-400 (日本油脂社製のメトキシポリエチレン 2 6. 7部
ダリコールモノアクリレート)
2, 2—ァゾビスイソプチ口エトリル 4. 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチルケトン 100部を 入れ、 窒素を導入しながら、 75°Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 4時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 75 °Cで 5時間反応させた。 反応後の溶液は、 51. 5 %の不揮発分、 27. 5 KOHmg/ gの酸価を有し、 数平均分子量が 7 , 000の高分子化合物 Bを含んでいた。
このようにして得た高分子化合物 Bの 1部を、 メチルェチルケトンで希釈した のち、 水 0. 5部を加えたところ、 自己分散化し、 平均粒子径が 0. 032 μηι (コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で 測定) のデイスパージヨンが得られた。
合成例 3 (自己分散化高分子化合物 Cの合成)
n—ブチルアタリレート 23. 3部
11ーブチノレメタクリレート 9. 6咅 スチレン 20. 0部 メタタリル酸 3. 0部 グリシジ メタクリレート 7. 5¾
PME-400 (日本油脂社製のメトキシポリエチレン 26. 6部
ダリコールモノメタクリレート)
AMP— 10 G (新中村化学ネ ±Mのフエノキシェチル 10. 0部
ァクリレート)
2, 2—ァゾビスイソブチロュトリノレ 4. 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチルケトン 100部を 入れ、 窒素を導入しながら、 75°Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 4時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 75 °Cで 5時間反応させた。 反応後の溶液は、 44. 7%の不揮発分、 19. 7KOHmg/gの酸価を有し、 数平均分子量が 1 3, 000の高分子化合物 Cを含んでいた。
このようにして得た高分子化合物 Cの 1部を、 メチルェチルケトンで希釈した のち、 水 0. 5部を加えたところ、 自己分散化し、 平均粒子径が 0. 040 m
(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で 測定) のディスパージョンが得られた。
合成例 4 (自己分散化高分子化合物 Dの合成)
n—プチルァクリレート 30. 0部 n—プチルメタクリレート 26. 0部 スチレン 6. 7部 メタクリル酸 4. 0部
PME- 1000 (日本油脂社製のメトキシポリエチレン 33. 3部
グリコールモノメタクリレート)
パープチル o (日本油脂社製のパーォキシエステル) 2. 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチルケトン 100部を 入れ、 窒素を導入しながら、 80°Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 2時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 80°Cで 13時間反応させた。 反応後の溶液は、 50. 5%の不揮発分、 26. 2KOHmg gの酸価を有し、 数平均分子量が 2 1, 000の高分子化合物 Dを含んでいた。
このようにして得た高分子化合物 Dの 1部を、 メチルェチルケトンで希釈した のち、 水 0. 5部を加えたところ、 自己分散化し、 平均粒子径が 0. 04 5 μ m (コールタ一社製のレーザードップラー方式の粒度分布計 ΓΝ4 P LUS」 で 測定) のディスパ一ジョンが得られた。
合成例 5 (自己分散化高分子化合物 Eの合成)
n—プチルメタタリレート 1 5. 5部
2 0. 0部
NKエステル S A (新中村化学社製の j3 _メタタリロイ 2 5. 0部
ノレ才キシェチノレノ、ィドロジェンサクシ —ト) グリシジルメタクリレート 7. 5部
PME-40 0 (日本油脂社製のメトキシポリエチレン 3 2. 0部
グリコーノレモノメタクリレート)
パープチル O (日本油脂社製のパーォキシエステル) 4. 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチルケトン 1 0 0部を 入れ、 窒素を導入しながら、 7 5°Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 4時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 7 5°Cで 5時間反応させた。 反応後の溶液は、 4 7. 3%の不揮発分、 4 5. 6 KOHmg/gの酸価を有し、 数平均分子量が 1 6, 0 0 0の高分子化合物 Eを含んで!/、た。
このようにして得た高分子化合物 Eの 1部を、 メチルェチルケトンで希釈した のち、 水 0. 5部を加えたところ、 自己分散ィ匕し、 平均粒子径が 0. 0 2 5 μ ηι (コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計 「N4 P LUS」 で 測定) のディスパージョンが得られた。
合成例 6 (自己分散化高分子化合物 Fの合成)
n一プチルメタクリレー卜 1 4 9部 スチレン 2 0 0部 メタクリル酸 5 0部 メタクリル酸 2—ヒドロキシェチル 3 3 3部 グリシジルメタタリレート 5 6部
PP—500 (日本油脂社製のポリプロピレングリ 21. 2部 コーノレモノメタクリレート)
パーブチル O (日本油脂社製のパーォキシエステル) 6. 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチルケトン 100部を 入れ、 窒素を導入しながら、 75 °Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 4時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 75 °Cで 5時間反応させた。 反応後の溶液は、 47. 7%の不揮発分、 34. 5KO Hrag/ gの酸価を有し、 数平均分子量が 1 0 , 000の高分子化合物 Fを含んでいた。
このようにして得た高分子化合物 Fの 1部を、 メチルェチルケトンで希釈した のち、 水 0. 5部を加えたところ、 自己分散化し、 平均粒子径が 0. 055 m
(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で 測定) のディスパージョンが得られた。
合成例 7 (自己分散化高分子化合物 Gの合成)
n—ブチ メタクリレート 44. 3部 メタクリル酸 1. 5部 グリシジルメタクリレート 7. 5部'
AM P— 10 G (新中村化学社製のフエノキシェチル 20. 0部 アタリレート)
PP-800 (日本油脂社製のポリプロピレングリ 26. 7部 コールモノメタクリレート)
パーブチル o (日本油脂社製のパーォキシエステル) 4. 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチノ 1ケトン: 100: 入れ、 窒素を導入しながら、 75 °Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 4時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 75°Cで 5時間反応させた。 反応後の溶液は、
48. 8%の不揮発分、 14. 6 KOHmg/ gの酸価を有し、 数平均分子量が 1
5, 000の高分子化合物 Gを含んでいた。
このようにして得た高分子化合物 Gの 1部を、 メチルェチルケトンで希釈した
のち、 水 0· 5部を加えたところ、 自己分散化し、 平均粒子径が 0. 098 μπι (コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で 測定) のディスパージョンが得られた。
比較合成例 1 (ポリエーテル構造を含まない高分子化合物 Hの合成)
n—プチルァクリレート 41. 3部
11ーブチルメタクリレート 23. 0部 スチレン 17. 2部 メタクリル酸 3. 5部 メタクリル酸 2—ヒドロキシェチノレ 15. 0部 パーブチル〇 (日本油脂社製のパーォキシエステル) 2. 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチルケトン 100部を 入れ、 窒素を導入しながら、 80°Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 2時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 80°Cで 15時間反応させた。 反応後の溶液は、 52. 0%の不揮発分、 25. 8KOHmg/gの酸価を有し、 数平均分子量が 2
4, 000の高分子化合物 Hを含んでいた。
このようにして得た高分子化合物 Hの 1部を、 メチルェチルケトンで希釈した のち、 水を加えたが、 自己分散化せず、 高分子化合物 Hが析出した。 すなわち、 この高分子化合物 Hは、 分子中にポリエーテル構造を含まないものであり、 水に 自己分散する性質を有していないことがわかった。
比較合成例 2
(酸価が 70 KOHmg/ gを超えるポリエーテル構造を有する高分子化合物 Iの 合成)
n—プチルァクリレート 2 2. 9部 n—プチノレメタタリレート 1 0. 9部 スチレン 2 0. 0部 メタタリル酸 1 5. 0部 グリシジルメタタリレート 4. 5部
PME-400 (日本油脂社製のメトキシポリエチレン 2 6. 7部
ダリコールモノメタクリレート)
パーブチル O (日本油脂社製のパーォキシエステル) 4. 0部 上記の各成分を混合し、 溶液を調製した。
つぎに、 窒素導入管を備え付けた反応容器に、 メチルェチルケトン 100部を 入れ、 窒素を導入しながら、 80°Cまで昇温した。 これに、 上記の溶液を 2時間 にわたつて滴下し、 滴下終了後、 80°Cで 12時間反応させた。 反応後の溶液は、 51. 3 %の不揮発分、 71. 8 KOHmg/ gの酸価を有し、 数平均分子量が 1 4, 000の高分子化合物 Iを含んでいた。
このようにして得た高分子化合物 Iの 1部を、 メチルェチルケトンで希釈した のち、 水 2部を加えたところ、 自己分散化し、 平均粒子径が 0. 01 5 μηι (コ 一ルター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUSj で測 定) のデイスパージヨンとなったが、 水に一部溶解していることがわかった。 実施例 1
100 c cのプラスチック製ビンに、 合成例 1の自己分散化高分子化合物 Aを 4. 0部、 固体として鲖フタロシアニンブルー顔料 (大日本インキ化学工業社製 の 「FASTGEN BLUE GNPS」 ) を 4. 0部、 メチルェチルケトン を 12. 0部、 直径 3匪のジルコユアビーズを 100部、 秤量し、 ペイントシエ 一力一 (東洋精機社製) で 2時間分散し、 さらにその後、 メチルェチルケトン 1 0. 0部を追カ卩して混合し、 スラリー状の分散液を得た。
つぎに、 2—ジメチルァミノエタノール 0. 2部、 水 44. 8部を秤取し、 ビ 一力一に入れ、 マグネチックスターラーで攪拌した。 攪拌しながら、 上記のスラ リー状の分散液 15. 0部をゆつくりと滴下し、 顔料表面に高分子化合物 Aを析 出付着させた微粒子を生成した。 その後、 メチルェチルケトンを減圧蒸留により 脱溶媒して、 顔料濃度が 4. 65 %の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 156 μπιの微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUSj で測定) 、 3. 9 X 1 CT4N/cmの表面張力、 および 1. 49 m P a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 33500Gの遠 心力を 5時間かけ、 上澄みに含まれる不揮発分の量から遠心沈降による樹脂の被
覆量を測定したところ、 顔料 100部に対して 31. 5部であった。
さらに、 この水性分散体につ!/、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 158 μ mで、 表面張力が 3. 9 X 1 0-4N/cm、 粘度が 1. 47 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は 起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水性分散体 63. 2部に、 浸透剤としてトリエチレンダリコー ルモノ _ n—プチルエーテル 10. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 465」 ) 2. 0部および水 24. 5部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジエツトプリンタ用インクを調製した。
このインクは、 0. 155 μ mの微粒子平均粒子径、 3. 3 X 1 (T4N/cmの 表面張力、 および 1. 36mP a · s粘度を有していた。
また、 このインクについて、 70°Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行ったと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 158 μ mで、 表面張力が 3. 2 X 10一4 N/ cm、 粘度が 1. 34 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
実施例 2
固体として、 銅フタロシアニンブルー顔料 (大日本インキ化学工業社製の 「F ASTGEN BLUE GNPS」 ) 4. 0部に代えて、 キナクリ ドン顔料 (チバ 'スペシャルティ 'ケミカルズ社製の 「C I NQUAS I A MAG EN TA RT— 355— D」 ) 4. 0部を使用した以外は、 実施例 1と同様にして、 顔料濃度が 4. 60%の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 158 の微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で測定) 、 3. 6 X 1 Cr4N/cniの表面張力、 および 1. 48mP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2 %に調整し、 33500 Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 100部に対して 25. 5部であった。
さらに、 この水性分散体につ!/、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 158 μ mで、 表面張力が 3. 6 X
1 0— 4NZcm、 粘度が 1. 47 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集 は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水性分散体 65. 2部に、 浸透剤としてトリエチレンダリコー ルモノ一 n—プチルエーテル 1 0. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 465 J ) 2. 0部および水 22. 8部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジエツトプリンタ用インクを調製した。
このィンクは、 0. 1 52 μ mの微粒子平均粒子径、 3. 2 X 1 (T4N/cmの 表面張力、 および 1. 89 m P a - sの粘度を有していた。
また、 このインクにつ!/、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行つたと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 5 1 μ mで、 表面張力が 3. 2 X 1 0" N/ cm, 粘度が 1. 86mP a . sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
実施例 3
合成例 1の自己分散化高分子化合物 A4. 0部に代えて、 合成例 2の自己分散 化高分子化合物 B 4. 0部を使用した以外は、 実施例 2と同様にして、 顔料濃度 が 4. 96 %の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 1 26 /zmの微粒子平均粒子径 (コールターネ のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で測定) 、 4. 3 X 1 O-NZcmの表面張力、 および 1. 38mP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 3 3500Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 1 00部に対して 38. 6部であった。
さらに、 この水性分散体について、 70°Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 30 μ mで、 表面張力が 4. 3 X 1 (T4N/cm、 粘度が 1. 3 7 m P a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集 は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水性分散体 60. 5部に、 浸透剤としてトリエチレンダリコー ルモノ _n—プチルエーテル 1 0. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 46 5」 ) 2. 0部おょぴ水 27. 5部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 %
である水性のインクジエツトプリンタ用インクを調製した。
このインクは、 0. 1 33 μ mの微粒子平均粒子径、 3. 7 X 1 0— 4N/cmの 表面張力、 および 1. 3 ImP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクにつレ、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行つたと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 34 μ mで、 表面張力が 3. 6 X 1 0一4 N/ cm, 粘度が 1. 30 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
実施例 4
固体として、 銅フタロシアニンブルー顔料 (大日本インキ化学工業社製の 「F ASTGEN BLUE GNP S」 ) 4. 0部に代えて、 カーボンブラック
(テグサ ·ヒュルス社製の 「P r i n t e x 8 5」 ) 4. 0部を使用し、 かつ、 合成例 1の自己分散化高分子化合物 A 4. 0部に代えて、 合成例 3の自己分散化 高分子化合物 C 4. 0部を使用した以外は、 実施例 1と同様にして、 顔料濃度が 5. 98%の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 1 49 μπιの微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で測定) 、 4. I X 1 0— 4NZcmの表面張力、 および 1. 89mP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 3 3500Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 1 00部に対して 44. 3部であった。
さらに、 この水性分散体にっレ、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 146 μ mで、 表面張力が 4. I X 1 0_4N/cm、 粘度が 1. 9 1 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集 は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水性分散体 83 · 6部に、 浸透剤としてトリエチレンダリコー ルモノー n—ブチルエーテル 10. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノーノレ 46 5」 ) 2. 0部および水 4. 4部を加えて、 混合し、 顔料分が 5 %で ある水性のィンクジェットプリンタ用ィンクを調製した。
このインクは、 の 0. 149 μ m微粒子平均粒子径、 3. 7 X 1 0 -4N/cmの
表面張力、 および 1. 76mP a - sの粘度を有していた。
また、 このインクにつレ、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行つたと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 50 μ mで、 表面張力が 3. 6 X 1 0"4N/ cm、 粘度が 1 · 7 7 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
実施例 5
合成例 1の自己分散化高分子化合物 A 4. 0部に代えて、 合成例 4の自己分散 化高分子化合物 D 4. 0部を使用した以外は、 実施例 1と同様にして、 顔料濃度 が 6. 30 %の水†生分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 1 5 7 mの微粒子平均粒子径 (コールターネ ± のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 P LUS」 で測定) 、 3. 4 X 1 0— 4N/cmの表面張力、 および 1. 9 9mP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 33500Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 1 00部に対して 33. 5部であった。
さらに、 この水性分散体について、 70°Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 5 6 μ mで、 表面張力が 3. 4 X 1 0_4NZcm、 粘度が 1. 97mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集 は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水性分散体 47. 6部に、 浸透剤としてトリエチレングリコー ルモノー n—プチルエーテル 1 0. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 46 5」 ) 2. 0部および水 40. 4部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジェットプリンタ用インクを調製した。
このインクは、 0. 1 56 μ mの微粒子平均粒子径、 3. 0 X 1 CT4N/cmの 表面張力、 および 1. 73mP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクにつレ、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行つたと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 58 μ mで、 表面張力が 3. 0 X 1 0 "4N/ cm、 粘度が 1. 78 mP a · sであり、 上記の保存試験で顏料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
実施例 6
合成例 1の自己分散化高分子化合物 A 4. 0部に代えて、 合成例 5の自己分散 化高分子化合物 E 4. 0部を使用した以外は、 実施例 1と同様にして、 顔料濃度 が 4. 30 %の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 142 mの微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で測定) 、 3. 8 X 10— 4N/cmの表面張力、 および 2. 0 OmP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 3350 OGの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 100部に対して 43. 5部であった。
さらに、 この水性分散体について、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 146 mで、 表面張力が 3. 8 X 10-N/cm, 粘度が 1. 97mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集 は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水性分散体 69. 8部に、 浸透剤としてトリエチレングリコー ルモノ _ n—プチルエーテル 10. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 465」 ) 2. 0部おょぴ水 18. 2部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジエツトプリンタ用インクを調製した。
このィンクは、 0. 145 μ mの微粒子平均粒子径、 3. 3 X 1 CT4NZcmの 表面張力、 および 1. 78mP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクにつ!/、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行つたと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0 · 149 ^ mで、 表面張力が 3. 3X 10— 4N/ cm, 粘度が 1. 80 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
実施例 7
固体として、 鲖フタロシアニンブルー顔料 (大日本ィンキ化学工業社製の 「F ASTGEN BLUE GNP Sj ) 4. 0部に代えて、 ジスァゾ系顔料 (ク ラリアントネ土製の 「Y e 1 1 0 w HGAF LP 901」 ) を 4. 0部使用し、 かつ、 メチルェチルケトンを 12. 0部から 10. 0部に減らし、 n—へキサン
2. 0部を加えるようにした以外は、 実施例 1と同様にして、 顔料濃度が 5. 0 8%の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 189 μηιの微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で測定) 、 3. 6 X 10— 4NZcmの表面張力、 および 1. 66 m P a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 33500Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 100部に対して 26. 5部であった。
さらに、 この水性分散体について、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 146 μ mで、 表面張力が 3. 7 X
10—4NZcm、 粘度が 1. 63mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集 は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水生分散体 59. 0部に、 浸透剤としてトリエチレンダリコー ルモノ _ n _プチルエーテル 10. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 465」 ) 2. 0部おょぴ水 29. 0部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジエツトプリンタ用インクを調製した。
このインクは、 0. 190 mの微粒子平均粒子径、 3. 3 X 104NZcmの 表面張力、 および 1. 58mP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクについて、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行つたと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 192 μ mで、 表面張力が 3. 2X 10—4N/ cm、 粘度が 1. 57mP a ' sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
実施例 8
合成例 1の自己分散化高分子化合物 A4. 0部に代えて、 合成例 6の自己分散 化高分子化合物 F 4. 0部を使用した以外は、 実施例 2と同様にして、 顔料濃度 が 4. 63 %の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 190 mの微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で測定) 、 3· 5 X 10-4N/cmの表面張力、 1. 89mP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 3 3500Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 1 00部に対して 32. 2部であった。
さらに、 この水性分散体について、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 8 8 mで、 表面張力が 3. 5 X
1 0_4N/cm、 粘度が 1. 88 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集 は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水性分散体 64. 8部に、 浸透剤としてトリエチレンダリコー ルモノー n—プチルエーテル 1 0. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノーノレ 465」 ) 2. 0部および水 23. 2部を加えて、 混合し、 顔料分が 3% である水性のィンクジヱットプリンタ用ィンクを調製した。
このィンクは、 0. 1 95 μ mの微粒子平均粒子径、 3. 2 X 1 0 NZcmの 表面張力、 および 1. 67mP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクについて、 70°Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行ったと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 93 μ mで、 表面張力が 3. 1 X 1 0~4N/ cm, 粘度が 1. 68 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
実施例 9
合成例 1の自己分散化高分子化合物 A 4. 0部に代えて、 合成例 7の自己分散 化高分子化合物 G 4. 0部を使用した以外は、 実施例 1と同様にして、 顔料濃度 が 4. 30 %の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 1 35 mの微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で測定) 、 3. 8 X 1 CT4N/cmの表面張力、 1. 76mP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2 %に調整し、 33500 Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 1 00部に対して 36. 9部であった。
さらに、 この水性分散体にっレ、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つたところ、 微粒子の平均粒子径が 0. 1 3 8 μ mで、 表面張力が 3. 8 X
10— 4N/cm、 粘度が 1. 78mP a ' sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集 は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
つぎに、 上記の水性分散体 69. 8部に、 浸透剤としてトリエチレングリコー ルモノー n _プチルエーテル 10. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 465」 ) 2. 0部おょぴ水 18. 2部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジエツトプリンタ用インクを調製した。
このインクは、 0. 138 μ mの微粒子平均粒子径、 3. 3 X 1 T4N/cmの 表面張力、 1. 82mP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクにつレ、て、 70 °Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行つたと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 141 ^ mで、 表面張力が 3. 3 X 10— 4N/ cm、 粘度が 1. 80 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集は起こらず、 非常にすぐれた保存安定性を示した。
比較例 1
100 c cのプラスチック製ビンに、 水に自己分散ィ匕しない樹月旨としてスチレ ン ·アタリル系榭脂 (ジョンソンポリマー社製の 「ジョンクリル」 ) を 20. 0 部、 固体として銅フタロシアニンブルー顔料 (大日本インキ化学工業社製の 「フ ァストゲンプル一 GNP S」 ) を 20. 0部、 水を 57. 0部、 消泡剤 (日信化 学工業社製の 「サーフィノール 104」 ) を 1. 8部、 直径 3mmのジルコ-アビ ーズを 100部、 秤量し、 ペイントシェーカー (東洋精機社製) で 2時間分散し、 さらにその後、 水 253. 0部および上記と同じスチレン.アクリル系樹脂 (ジ ヨンソンポリマー社製の 「ジョンクリル」 ) 46. 5部を追加して混合し、 顔料 濃度が 5. 00 %の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 179 の微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 ΓΝ4 PLUSJ で測定) 、 3. 2 X 1 CT4NZcmの表面張力、 1. 97 mP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2 %に調整し、 33500 Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 100部に対して 2. 3部であった。 このことは、 上記の樹脂が ほとんど顔料の表面に付着していなレ、ことを意味する。
さらに、 この水性分散体について、 70 °Cの恒温槽で 3日間の保存試験を行つ た結果、 微粒子の平均粒子径が 0. 335 mで、 表面張力が 2 · 9 X 10— 4N /cm, 粘度が 4. 26 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集が起こり、 顔料の若干の沈降がみられ、 保存安定性に欠けていた。
つぎに、 上記の水性分散体 60. 0部に、 浸透剤としてトリエチレングリコー ルモノ― n—ブチルエーテル 10. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 465」 ) 2. 0部および水 28. 0部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジェットプリンタ用インクを調製した。
このインクは、 0. 169 μ mの微粒子平均粒子径、 2. 8 X 10-4N/cmの 表面張力、 1. 89mP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクにつレ、て、 70 °Cの恒温槽で 3日間の保存試験を行つたとこ ろ、 微粒子の平均粒子径が 0. 648 μ mで、 表面張力が 2. 8 X 10_4N/cm、 粘度が 4. 75mP a * sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集が起こり、 顔料 の沈降がみられ、 保存安定性に欠けていた。
比較例 2
合成例 1の自己分散化高分子化合物 A 4. 0部に代えて、 比較合成例 1のポリ エーテル構造を含まない高分子化合物 H 4. 0部を使用した以外は、 実施例 1と 同様にして、 顔料濃度が 4. 86 %の水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 360 μ mの微粒子平均粒子径 (コールター社製のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 PLUS」 で測定) 、 3. I X
1 CT4N/cmの表面張力、 2. 09 mP a · sの粘度を有していて、 粒子径がか なり大きかった。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 33500Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 100部に対して 1 1. 2部とレヽぅ少ない量であった。
さらに、 この水性分散体について、 70°Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行 つた結果、 微粒子の平均粒子径が 0. 538 / mで、 表面張力が 2. 8 X 10"4 N/cm, 粘度が 5. 78mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集が認め られ、 保存安定性に欠けていた。
つぎに、 上記の水性分散体 6 1. 7部に、 浸透剤としてトリエチレングリコー ルモノ一 n—ブチルエーテル 1 0. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 46 5」 ) 2. 0部おょぴ水 2 6. 3部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジエツトプリンタ用インクを調製した。
このインクは、 0. 4 5 5 μ mの微粒子平均粒子径、 2. 6 X l CT4N/cmの 表面張力、 3. 6 8mP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクについて、 7 0°Cの恒温槽で 1 4日間の保存試験を行ったと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 5 2 3 μ mで、 表面張力が 2. 5 X 1 0一4 N/ cm、 粘度が 4. 0 8mP a ' sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集が起こり、 顔料の沈降が若干みられ、 保存安定性に欠けていた。
比較例 3
合成例 1の自己分散化高分子化合物 A4. 0部に代えて、 比較合成例 2の酸価 が 7 O KOHmgZgを超えるポリエーテル構造を有する高分子化合物 Iを 4. 0 部使用するようにした以外は、 実施例 1と同様にして、 顔料濃度が 5. 1 9 %の 水性分散体を得た。
この水性分散体は、 0. 2 3 0 μπιの微粒子平均粒子径 (コールターネ ± のレ 一ザ一ドップラー方式の粒度分布計 「N4 P LUS」 で測定) 、 3. 2 X 1 0— 4N/cmの表面張力、 および 2. 8 7mP a · sの粘度を有していた。
また、 この分散体を水により不揮発分濃度を 2%に調整し、 3 3 5 0 0 Gの遠 心力を 5時間かけて上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂の被覆量を測定し たところ、 顔料 1 0 0部に対して 1 0. 4部という少ない量であった。
さらに、 この水性分散体にっレ、て、 70 °Cの恒温槽で 1 4日間の保存試験を行 つた結果、 微粒子の平均粒子径が 0. 4 5 3 μ mで、 表面張力が 2. 7 X 1 0一4 N/cm、 粘度が 4. 34mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集が認め られ、 保存安定性に欠けていた。
つぎに、 上記の水性分散体 5 7. 8部に、 浸透剤としてトリエチレンダリコー ルモノー n—ブチルエーテル 1 0. 0部、 消泡剤 (日信化学工業社の 「サーフィ ノール 4 6 5」 ) 2. 0部おょぴ水 3 0. 2部を加えて、 混合し、 顔料分が 3 % である水性のインクジエツトプリンタ用インクを調製した。
このインクは、 0. 280 μ mの微粒子平均粒子径、 2. 8 X 10— 4N/cmの 表面張力、 および 2. 88mP a · sの粘度を有していた。
また、 このインクについて、 70°Cの恒温槽で 14日間の保存試験を行ったと ころ、 微粒子の平均粒子径が 0. 368 ,u mで、 表面張力が 2. 6 X 10一4 N/ cm, 粘度が 3. 38 mP a · sであり、 上記の保存試験で顔料の凝集が起こり、 顔料の沈降が若干みられ、 保存安定性に欠けていた。
発明の効果
以上のように、 本発明は、 水不溶性固体をポリエーテル構造を有する樹脂によ り被覆した構造の微粒子を含み、 上記榭脂による被覆量が上記固体 100重量部 に対し 15〜1, 000重量部となる構成としたことにより、 顔料や染料をはじ めとした広範囲の固体に対しその分散安定性の改善をは力れ、 保存中に沈降など の問題を起こさず、 長期間安定に保存できる水性分散体を提供できる。 また、 上 記固体としてとくに顔料を使用したときには、 インクジェットプリンタ用インク として高速印字性にもすぐれた上記水性分散体を提供できる。