高強度高靭性マグネシゥム合金及びその製造方法 1. 技術分野
本発明は、 高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法に関し、 より 詳細には特定の希土類元素を特定割合で含有することにより高強度高靭性を 達成した高強度高靭性マグネシウ明ム合金及びその製造方法に関する。
田
2. 背景技術
マグネシウム合金は、 そのリサイクル性とあいまって、 携帯電話やノート 型パソコンの筐体あるいは自動車用部品として急速に普及し始めている。
これらの用途に使用するためにはマグネシウム合金に高強度と高靱性が要 求される。 高強度高靭性マグネシウム合金の製造のために従来から材料面及 ぴ製法面から種々検討されている。
製法面では、 ナノ結晶化の促進のために、 急冷凝固粉末冶金 (RS— P/
M) 法が開発され、 錶造材の約 2倍の 40 OMP a程度の強度のマグネシゥ ム合金が得られるようになった。
マグネシウム合金として、 Mg— A 1系、 Mg— A l _Z n系、 Mg_T h— Z n系、 Mg_Th— Z n— Z r系、 Mg— Z n_Z r系、 Mg— Z n 一 Z r— RE (希土類元素) 系等の成分系の合金が知られている。 これらの 組成を有するマグネシウム合金を前記 RS— P/M法で製造すると铸造法で 製造する場合より高強度にはなるが依然として強度が不十分であったり、 強 度が十分でも靭性 (延性) が不十分で、 高強度及び高靱性を要求される用途 には使用し難いという欠点があった。
これらの高強度及び高靭性を有するマグネシウム合金として、 Mg_Z n
-RE (希土類元素)系合金が提案されている(例えば特許 323851 6号 公報、 特許 2807374号公報、 特開 2002— 256370号公報)。
3. 発明の開示
しかしながら、 従来の Mg— Z n— RE系合金では、 例えばアモ^/ファス 状の合金材料を熱処理し、 微細結晶化して高強度のマグネシウム合金を得て いる。 そして前記アモルファス状の合金材料を得るためには相当量の亜鉛と 希土類元素が必要であるという先入観があり、 亜鉛と希土類元素を比較的多 量に含有するマグネシゥム合金が使用されている。
例えば特許 3238516号公報に記載されたマグネシウム合金は、 Mg —Z n— RE系合金であって、 希土類元素として Y、 C e、 L a、 Nd、 P r、 Sm及び Mm (ミッシュメタル) が使用され、 希土類元素の含有量の最 小値は図 1に示す通り、 1. 0〜2. 0原子%である。 そして実施例及び比 較例で実際に使用されている希土類元素は Mmだけでその最小値は表 2及ぴ 3に示された通り 1原子%であり、 そのときの亜鉛含有量は 2〜10原子% である。
また特許 2807374号公報にも同様に Mg— Z n (又は N i、 C u) — RE系合金が開示され、 希土類元素の含有量は 1〜20原子%に限定され ている。 実施例で実際に使用されている希土類元素は特許 2807374号 公報でも Mmだけでその最小値は実施例 7と実施例 13における 1原子%で あり、 Mg_Z n— RE系に限定すれば実施例 7における 1原子%のみであ る。 この実施例 7のマグネシウム合金の亜鉛含有量は 5原子0 /0であり、 マグ ネシゥム以外の合金成分の総計は 6原子%となっている。
特許 32385 16号公報及び特許 2807374号公報では、 高強度及 ぴ高靭性が得られたど記載されているが、 実際に強度及ぴ靭性ともに実用に 供するレベルに達している合金は殆ど無い。 更に現在ではマグネシウム合金 の用途が拡大して、 従来の強度及ぴ靭性では不十分で、 より以上の強度及び 靭性を有するマグネシウム合金が要請されている。
更に特開 2002— 256370号公報には、 希土類元素を 0. 5原子。 /0 以上 5原子%以下、 亜鉛及びアルミニウムの少なくとも一方を 0. 2原子%
以上 4原子。 /0以下それぞれ含有し、 更に結晶中に長周期六方構造を有するマ グネシゥム合金が開示されている。 この特開 2002— 2563 70号公報 における希土類元素の組成範囲は 0. 5原子%以上5原子%以下に設定され ているが、 実施例 1〜6では希土類元素は 2原子。 /0に固定され、 他の組成範 囲での有用性は立証されていない。更に希土類元素含有量の下限値が 0. 5原 子0 /0である理由は、 「含有量が 0. 5原子%未満であると、本発明の長周期六 方構造を得ることができず強度が低下し実用に供せない」 からであると明示 され、 特開 2002— 2563 70号公報における希土類元素含有範囲は、 長周期六方構造を採るマグネシウム合金固有のものであり、 更に比較的幅広 い希土類元素含有範囲の 1点でのみデータが提供されているに過ぎない。 本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、 その目的は、 マグネシウム合金の拡大した用途に対して強度及ぴ靭性ともに実用に供する レベルにある高強度高靭性マグネシゥム合金及びその製造方法を提供するこ とにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る高強度高靭性マグネシゥム合金は、 Z nを &原子%含有し、 L a、 C e及ぴ Mmからなる群から選択される少な くとも 1種の希土類元素を合計で b原子%含有し、 残部が Mgから成り、 a と bは下記式 (1) 〜 (3) を満たすものである。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤b≤ l . 8
(3) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 9 5
上記式(3) に代えて下記式'(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) — 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
尚、 Mm (ミッシュメタル) とは、 C e及び L aを主成分とする複数の希 土類元素の混合物又は合金であり、 鉱石から有用な希土類元素である S mや
N dなどを精鍊除去した後の残渣であり、 その組成は精鍊前の鉱石の組成に
依存する。
本発明に係る高強度髙靱性マグネシゥム合金は、 Z nを a原子%含有し、 L a、 C e及び Mmからなる群から選択される少なくとも 1種の希土類元素 を合計で b原子0 /0含有し、 S i、 Gd、 Dy、 Tb、 Ho、 E r、 C a、 M n、 Ag、 L i、 Z r、 Th、 Y、 Yb、 Eu、 P r、 3111及ぴ (1からな る群から選択される少なくとも 1種の金属を合計で 0原子%超 1. 8原子% 以下含有し、 残部が Mgから成り、 aと bは下記式 (1) 〜 (3) を満たす ものである。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤b≤ l . 8
(3) - 0. 2 a + 0. 55≤ b≤- 0. 2 a + 1. 9 5
上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及ぴ下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
上記それぞれの本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金では、 強度及 び靭性共に高性能が要求されるハイテク用機器に用いる合金として有用であ り、 更に L aや C eや Mmは希土類元素の中では安価であり、 コスト的にも 有利である。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、 Z nを &原子%含有し、 L a、 C e及び Mmからなる群から選択される少なくとも 1種の希土類元素 を合計で b原子%含有し、残部が Mgから成り、 aと bは下記式(1)〜(3) を満たす溶湯を急冷凝固させた後の急冷凝固物であって、
前記急冷凝固物は、 セル内又は結晶粒内に粒径 1 00 nm以下の金属間化 合物が析出している。 より詳細には粒径 50 nm以下の微細な球状化合物を 有するラス状組織を備えている。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤ b≤ 1. 8
(3) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 9 5 上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) —0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、 Z nを a原子%含有し、 L a、 C e及ぴ Mmからなる群から選択される少なくとも 1種の希土類元素 を合計で b原子0 /0含有し、 S i、 G d、 Dy、 Tb、 Ho、 E r、 C a、 M n、 Ag、 L i、 Z r、 Th、 Y、 Yb、 Eu、 P r、 Sm及ぴNdからな る群から選択される少なくとも 1種の金属を合計で 0原子%超 1. 8原子% 以下含有し、 残部が Mgから成り、 aと bは下記式 (1) 〜 (3) を満たす 溶湯を急冷凝固させた後の急冷凝固物であって、
前記急冷凝固物は、 セル内又は結晶粒内に粒径 1 00 nm以下の金属間化 合物が析出している。 より詳細には粒径 50 nm以下の微細な球状化合物を 有するラス状組織を備えている。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤ b≤ 1. 8
(3) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 9 5
上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) 一 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
上記それぞれの本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金では、 強度及 ぴ靱性共に高性能が要求されるハイテク用機器に用いる合金として有用であ り、 更に L aや C eや Mmは希土類元素の中では安価であり、 コス ト的にも 有利である。
また、 亜鉛の含有量を 3. 0原子%以下とする理由は、 3. 0原子%超で あると、 特に靭性 (又は延性) が低下する傾向にあるからである。 また、 希
土類元素の含有量を 1. 8原子%以下とする理由は、 1. 8原子%超である と、 特に靭性 (又は延性) が低下する傾向にあるからである。
また、 亜鉛の含有量を 0. 2原子%以上とする理由は、 0. 2原子 °/0未満 であると、 強度及ぴ靱性の少なくともいずれかが不十分になるからである。 また、 希土類元素の含有量を 0. 3原子%以上とする理由は、 0. 3原子% 未満であると、 強度及び靱性の少なくともいずれかが不十分になるからであ る。
強度及び靭性の増大、特に靭性の增大は希土類元素が 0. 5〜 1. 5原子% において顕著である。また、亜鉛の場合、強度及ぴ靭性の増大は 0. 5〜2. 0原子%において顕著になる。 亜鉛含有量が 0. 5原子%付近において希土 類元素含有量が少なくなると強度が低下する傾向にあるが、 その範囲の場合 でも従来よりも高強度及び高靭性を示す。
また、 S i、 Gd、 Dy、 Tb、 Ho、 E r、 C a、 Mn、 Ag、 L i、 Z r、 Th、 Y、 Yb、 Eu、 P r、 S m及び N dからなる群から選択され る少なくとも 1種の金属を合計で 0原子%超 1. 8原子%以下含有させるこ とにより、高強度高靭性を維持したまま、他の性質を改善することができる。 本発明に係る高強度高靱性マグネシウム合金は、 Z nを a原子%含有し、 L a、 C e及び Mmからなる群から選択される少なくとも 1種の希土類元素 を合計で 13原子%含有し、残部が Mgから成り、 aと bは下記式(1)〜(3) を満たす溶湯を急冷凝固させて急冷凝固物を作り、 前記急冷凝固物に塑性加 ェを行った後の塑性加工物であって、
前記塑性加工物は、 セル内又は結晶粒内に粒径 100 nm以下の金属間化 合物が析出している。 より詳細には粒径 50 nm以下の微細な球状化合物を 有するラス状組織を備えている。
(1) 0. 2≤ a≤3. 0
(2) 0. 3≤ b≤ 1. 8
(3) - 0. 2 a + 0. 55≤ b≤- 0. 2 a + 1. 95
上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、
前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。 '
(4) 一 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、 Z nを a原子%含有し、 L a、 C e及び Mmからなる群から選択される少なくとも 1種の希土類元素 を合計で b原子0 /0含有し、 S i、 Gd、 Dy、 Tb、 Ho、 E r、 C a、 M n、 Ag、 L i、 Z r、 Th、 Y、 Yb、 Eu、 P r、 Sm及ぴNdからな る群から選択される少なくとも 1種の金属を合計で 0原子%超 1. 8原子% 以下含有し、 残部が Mgから成り、 aと bは下記式 (1) 〜 (3) を満たす 溶湯を急冷凝固させて急冷凝固物を作り、 前記急冷凝固物に塑性加工を行つ た後の塑性加工物であって、
前記塑性加工物は、 セル内又は結晶粒内に粒径 1 00 nm以下の金属間化 合物が析出している。 より詳細には粒径 50 nm以下の微細な球状化合物を 有するラス状組織を備えている。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤ b≤ 1. 8
(3) 一 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 95
上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、 前記塑性加 ェは、押出し、圧延、 E CAE (equal- channel- angular- extrusion)及び鍛造 のいずれかであることが好ましい。
また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金においては、 希土類元 素が L a又は C eであることも可能である。
また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金においては、 前記溶湯 を急冷凝固させる際の冷却速度が 3. 5 X 1 04Kノ秒以上であることが好
ましい。 前記冷却速度を 3. 5 X 1 04K/秒未満とするとマグネシウム合 金の靭性が低下するためである。
また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金においては、 前記溶湯 を急冷凝固させる際の冷却速度が 7 X 1 04KZ秒以上であることがより好 ましい。
また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金においては、 前記金属 間化合物、 例えば前記球状化合物が Mg— Ζ η—希土類元素系の析出物であ ることが好ましい。
また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金においては、 前記セル の境界又は結晶粒界に厚さ 1 00 nm以下の偏析層があることも可能である。 このようにセルの境界又は結晶粒界に偏析する偏析物の厚さを 100 nm以 下とする理由は、 1 00 nm超のような厚い偏析物がセルの境界又は結晶粒 界に偏析すると脆くなり、 高靭性が得られないからである。
尚、 前記偏祈層には Mg、 Z n及び希土類元素系が存在することが好まし い。
また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金においては、 前記金属 間化合物 (例えば球状化合物) と偏析層との合計の体積分率が 3. 6%以上 1 7%以下であることが好ましい。
また、 前述した本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金においては、 希土類元素の総合計含有量が 1. 8原子%以下であることも可能である。 また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金においては、 前記セル 又は前記結晶粒の幅が 500 nm以下であることも可能である。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法は、 Z nを a原 子%含有し、 L a、 C e及び Mmからなる群から選択される少なくとも 1種 の希土類元素を合計で 1)原子%含有し、 残部が Mgから成り、 aと bは下記 式 (1) 〜 (3) を満たす溶湯を、 3. 5 X 1 04KZ秒以上の冷却速度で 急冷凝固させて急冷凝固物を作る工程を具備する。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤b≤ l . 8
(3) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 9 5
上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) 一 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法は、 Z nを a原 子%含有し、 L a、 C e及び Mmからなる群から選択される少なくとも 1種 の希土類元素を合計で b原子。/。含有し、 S i、 G d、 Dy、 Tb、 Ho、 E r、 C a、 Mn、 Ag、 L i、 Z r、 Th、 Y、 Yb、 Eu、 P r、 S m及 び Ndからなる群から選択される少なくとも 1種の金属を合計で 0原子%超 1. 8原子%以下含有し、残部が Mgから成り、 aと bは下記式(1)〜(3) を満たす溶湯を、 3. 5 X 1 04 秒以上の冷却速度で急冷凝固させて急 冷凝固物を作る工程を具備する。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤ b≤ 1. 8
(3) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 95
上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法は、 Z nを a原 子%含有し、 L a、 C e及び Mmからなる群から選択される少なくとも 1種 の希土類元素を合計で b原子%含有し、 残部が Mgから成り、 aと bは下記 式 (1) 〜 (3) を満たす溶湯を、 7 X 1 04K/秒以上の冷却速度で急冷 凝固させて急冷凝固物を作る工程を具備する。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤ b≤ 1. 8
(3) — 0. 2 a + 0. 55≤ b≤- 0. 2 a + 1. 95 上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) —0. 2 a + 0. 55≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム.合金の製造方法は、 Z nを a原 子%含有し、 L a、 C e及ぴ Mmからなる群から選択される少なくとも 1種 の希土類元素を合計で b原子%含有し、 S i、 Gd、 Dy、 Tb、 Ho、 E r、 C a、 Mn、 Ag、 L i、 Z r、 Th、 Y、 Yb、 Eu、 P r、 S m及 ぴ N dからなる群から選択される少なくとも 1種の金属を合計で 0原子%超 1. 8原子%以下含有し、残部が Mgから成り、 aと bは下記式(1)〜(3) を満たす溶湯を、 7 X 104 KZ秒以上の冷却速度で急冷凝固させて急冷凝 固物を作る工程を具備する。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤b≤l. 8
(3) - 0. 2 a + 0. 55≤ b≤- 0. 2 a + 1. 95
上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しレ、。
(4) -0. 2 a +0. 55≤b≤-0. 2 a + l. 80
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法においては、 前記急冷凝固物を作る工程の後に、 前記急冷凝固物に塑性加ェして塑性加工 物を作る工程をさらに具備することも可能である。 塑性加工を加えることで 剪断力を加え、 急冷凝固粉体等の間に金属結合をもたらし、 緻密化した塑性 加工物を作る。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法においては、 前記急冷凝固物を作る工程の後に、 前記急冷凝固物を予備成形して予備成形 物を作る工程、 及び、 該予備成形物を塑性加工して塑性加工物を作る工程を
さらに具備することも可能である。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法においては、 前記急冷凝固物を作る工程の後に、 前記急冷凝固物を塑性加工による固化成 形する工程と、 前記固化成形された急冷凝固物に塑性加工を行う工程をさら に具備することも可能である。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法においては、 前記塑性加工物を作る工程の後に、 前記塑性加工物を二次塑性加工する工程 をさらに具備することも可能である。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、 前記予 備成形は、 圧縮体成形又はキャンニングであることも可能である。
また、 本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、 前記塑性加工は、 押出し、 圧延、 ECAE及ぴ鍛造のうちの少なくとも一つ であることも可能である。 4. 図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 1〜 18と比較例 1〜 1 1の各マグネシゥム合金のビッ力 ース硬度と延性評価の結果を示すグラフである。
図 2は、 実施例 2, 3, 5, 6, 8, 9と比較例 2〜 7において、 573K でアニーリングを行った場合の体積分率 (V f ) とビッカース硬度 (Hv) の関係を示すグラフである。
図 3は、 実施例 2, 3, 5, 6, 8, 9と比較例 2〜 7において、 673 Κ でアニーリングを行った場合の体積分率 (vf) とビッカース硬度 (Hv) の関係を示すグラフである。
図 4は、 図 1のグラフに等硬度線を描いた図である。
図 5は、 急冷時の冷却速度とビッカース硬度及び延性の関係を示すグラフ である。
図 6 Aは、 図 5に示す参照符号 1の試験片の結晶組織を示す写真であり、 図 6 Bは、 図 5に示す参照符号 2の試験片の結晶組織を示す写真である。
図 7は、 図 5に示す参照符号 3の試験片の結晶組織を示す写真である。 図 8は、 L aを 2 . 0原子%含有する溶湯から液体急冷法により試験片を 作製し、 この試験片を 5 7 3 Kでァニールした後の結晶組織の写真を示す図 である。
図 9は、 L aを 1 . 5原子%含有する溶湯から液体急冷法により試験片を 作製し、 この試験片を 5 7 3 Kでァニールした後の結晶組織の写真を示す図 である。
図 1 0は、 実施例 1 9〜 2 4と比較例 1 2〜 1 9の各マグネシゥム合金の ピッカース硬度と延性評価の結果を示すグラフである。
図 1 1は、 実施例 2 5〜 2 8と比較例 2 0〜 2 4の各マグネシウム合金の ビッカース硬度と延性評価の結果を示すグラフである。
5 . 発明を実施するための最良の形態
本発明者は、 基本に立ち返り、 2元マグネシウム合金から始めて合金の強 度及び靭性を検討し、 更にその検討を多元マグネシウム合金まで拡大した。 その結果、 強度及び靭性とも高いレベルで有するマグネシウム合金は、 後述 する M g— Z n— R E (希土類元素) 系の合金であって希土類元素が L a、 C e又は Mmであるマグネシウム合金であり、 更に従来技術とは異なり亜鉛 の含有量が 3 . 0原子%以下、 希土類元素の含有量が 1 . 8原子%以下とい う低含有量において、従来にない高強度及ぴ高靭性が得られることを見出し、 本発明に到達したものである。
(実施の形態 1 )
本発明の実施の形態 1によるマグネシウム合金は、 基本的に M g、 Z n及 び希土類元素から成る 3元又は 4元以上の合金であり、希土類元素は、 C e、 L a及び Mmからなる群から選択される 1又は 2以上の元素である。 尚、 M m (ミッシュメタル) とは、 C e及ぴ L aを主成分とする複数の希土類元素 の混合物又は合金であり、 鉱石から有用な希土類元素である S mや N dなど を精鍊除去した後の残渣であり、 その組成は精鍊前の鉱石の組成に依存する
ものである。
亜鉛の含有量を a原子%とし、 希土類元素の含有量を b原子%とすると、 下記式 (1) 〜 (3) を満たすことが好ましい。
(1) 0. 2≤ a≤ 3. 0
(2) 0. 3≤b≤ l . 8
(3 ) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 95
上記式(3) に代えて下記式(4) を用いることがより好ましい。つまり、 前記 aと bは上記式 (1)、 (2) 及び下記式 (4) を満たすことがより好ま しい。
(4) - 0. 2 a + 0. 5 5≤ b≤- 0. 2 a + 1. 80
次に、 本発明のマグネシウム合金の製造方法について説明する。
まず、 上記のマグネシウム合金を高温溶融して合金溶湯を作製し、 この溶 湯を 3. 5 X 1 04 K/秒以上の冷却速度、 より好ましくは 7 X 1 04 KZ秒 以上の冷却速度で急冷凝固させ、 得られる粉末、 薄片、 薄帯又は細線などを 予備成形し、 その後、 その成形物を塑性加工する。 前記予備成形は、 粉末、 薄片、 薄帯又は細線を圧縮することによるビレツト成形の工程を経ても良い し、 キャンユングなどでも良い。 前記予備成形は、 塑性加工をしやすくする ためのものであり、 粉体などを固めて塑性加工時の酸化を防いだり、 ハンド リングをしやすくするなどの効果がある。
また、 前記塑性加工は、 押出し加工を用いることも可能であり、 例えば押 出し温度 250〜500°C、 押出し圧力 200〜: L 000MP a、 押出し比 5〜1 00の条件で行うことが好ましレ、。急冷凝固には、ガン法、 ピス トン ' アンビル法、 遠心法、 単ロール法、 双ロール法、 あるいはスプレー法、 高圧 ガス噴霧法、回転液中紡糸法、薄板溶湯射出成形法などがあり、単ロール法、 双ロール法又は高圧ガス噴霧法が特に適している。
このようにして製造されるマグネシウム合金は、通常の h c p構造を採り、 長周期六方構造とはならない。 また該マグネシウム合金のセル又は結晶粒は 棒状となり、 セル又は結晶粒の幅は 500 nm以下となる。
前記固化成形によって得られた成形物におけるセルの境界又は結晶粒界に は厚さ 1 0 0 n m以下の偏析層があり、 前記成形物におけるセル内又は結晶 粒内には粒径数十 n m以下、 例えば 5 0 n m以下の微細な球状化合物がほぼ 均一に析出する。 前記成形物の結晶組織は前記球状化合物を有するラス状組 織を主とした組織である。 セルの境界又は結晶粒界での偏析層を 1 0 0 n m 以下に抑え、 セル内又は結晶粒内に化合物、 例えば球状化合物を均一に析出 させることにより、 高強度及び高靭性のマグネシゥム合金が得られるものと 考えられる。
上記のようにして得られるマグネシウム合金は高強度及び高靭性を有し、 強度及び靭性のそれぞれ単独の性能が本発明のマグネシウム合金より優るマ グネシゥム合金があるとしても、 強度及び靭性の両性能において本発明のマ グネシゥム合金を上回るマグネシウム合金は、 従来には存在しない。 特に近 年のマグネシウム合金には高強度及ぴ高靭性の両者が要求されるが、 本発明 のマグネシゥム合金は正にこの要求に応えるものである。
更に本発明の M g— Z n _ R E系マグネシウム合金では、 マグネシウム及 び亜鉛とも安価な金属であり、 L a及び C eも希土類元素の中では利用価値 の小さい安価な金属であり、 また、 ミッシュメタルも L a及ぴ C e以外の高 価な希土類元素を除去した後の安価な合金として得られる。 従って、 本発明 の M g— Z n— R E系マグネシウム合金は高性能を有するにもかかわらず安 価な材料で製造できるため、 翻めて好都合である。
また、 本発明の M g— Z n _ R E系マグネシウム合金では、 亜鉛及び希土 類元素の含有量が低いため、 比重が小さい M gの特性を十分に得られるもの である。
(実施の形態 2 )
本発明の実施の形態 2によるマグネシウム合金としては、 前述した範囲の 含有量を有する亜鉛と希土類元素以外の成分がマグネシウムとなるが、 合金 特性に影響を与えない程度の他の元素を含有しても良い。
すなわち、 本発明のマグネシウム合金は、 M g— Z n— R E系以外に M g
— Z n— RE—Me系 (Meは S i、 Gd、 Dyゝ Tb、 Ho、 E r、 C a、 Mn、 Ag、 L i、 Z r、 Th、 Y、 Yb、 Eu、 P r、 3111及び1^(1から なる群から選択される少なくとも 1種の元素) も含む。 この Meの含有量は 0原子%超1. 8原子 °/0以下とする。 これらの元素を添加すると、 高強度高 靭性を維持したまま、 他の性質を改善することができる。
尚、 本実施の形態によるマグネシウム合金の製造方法は実施の形態 1の製 造方法と同様である。
(実施の形態 3)
本発明の実施の形態 3によるマグネシウム合金の製造方法について説明す る。
実施の形態 1又は 2の組成からなるマグネシウム合金を、 実施の形態 1と 同様の製造方法によって急冷凝固させ、 固化成形させて成形物を得る。 次いで、 前記成形物に第 1の塑性加工を行って第 1の塑性加工物 (一次加 ェ物) を作製する。 第 1の塑性加工は、 押出し、 圧延、 ECAE、 鍛造など の加工を意味する。
この後、 前記第 1の塑性加工物に第 2の塑性加工を行って第 2の塑性加工 物 (二次加工物) を作製する。 第 2の塑性加工は、押出し、圧延、 ECAE、 鍛造、 引き抜き、 曲げなどの加工を意味する。 第 2の塑性加工によってパソ コンの筐体などの製品や部品が製造される。 尚、 本実施の形態では、 第 1の 塑性加工を行った後に第 2の塑性加工を行って製品や部品を製造している力 2段階の塑性加工を行うことなく、 1回の塑性加工によって製品や部品を製 造することも可能である。
前記急冷凝固させた急冷凝固物、 前記固化成形させた成形物、 前記第 1及 び第 2の塑性加工物には Mg— Z n—希土類元素系の金属間化合物、 例えば 球状化合物が析出しており、 これらは高強度及び高靭性のマグネシウム合金 となっている。
上記実施の形態 1〜 3によれば、 強度及び靭性共に高性能が要求されるハ ィテク用機器に用いる合金として有用であり、 更に L aや C eや Mmは希土
類元素の中では安価であり、 コスト的にも有利である
(実施例)
以下、 本発明に係るマグネシウム合金の実施例について説明するが、 該実 施例は本発明を限定するものではない。
[実施例 1〜 18及び比較例 1〜 1 1 ]
実施例 1〜 18及ぴ比較例 1〜1 1は、 Mg— Zn— L a'3元合金に関す るものである。
Mg、 Z n及び L aを表 1に示す合金組成になるように秤量し、 ルツポ中 に充填し、 A rガス雰囲気中で高周波溶解して計 29種の合金溶湯を準備し た。
このマグネシゥム合金からなるバルク体は強度や延性を測定するサンプル としては適切なものではないので、 別に次のようなサンプルを作製した。 前記計 29種の合金溶湯から、 単ロール式液体急冷法により、 各組成につ き 2枚、 計 58枚の長さ約 1000 mm、 幅 2 mm、 厚さ 20〜40 μ mの リボン状の試験片を作製した。 液体急冷時の冷却速度は、 1 X 1 05KZ秒 とした。
前述した通り、 押出し成形は、 押出し温度 2 50〜 500°Cで通常は 300〜 400°Cで行われるため、 各組成の試験片のうち一方を 300°C (573 K) で、 他方を 400°C (673 K) で熱処理して通常の押出し成 形により得られるマグネシウム合金に近似させた。
このようにして得られたリポン状試験片に長さ方向のほぼ中央で折り曲が るように力を加えて、 各リポン状試験片が延性、 脆性又は半延性のいずれに 該当するかを確かめた。 1 80° 曲げて戻しても折れないリポン状試験片が 延性を有し、 180° 曲げて戻すときに折れるリポン状試験片が半延性を有 し、 180° に達する前に折れたリポン状試験片が脆性を有すると評価した。 実施例 1〜18と比較例 1〜1 1の各マグネシウム合金のビッカース硬度 (H v) と延性評価の結果を表 1及び図 1のグラフに纏めた。 表 1では、 ◎ は延性を、 Xは脆性を、 〇は半延性を示す。 グラフ中では、 〇は延性を、 き
は脆性を、 半黒丸は半延性を示す。
[表 1]
組成 (原子%) ァニール 金属間化合物 硬度 靭性
Mg Z n L a 温度(K) V f (%) (Hv)
573 3.6 119 実施例 1 98.0 1.5 0.5 ◎
673 3.6 90 ◎
573 8.7 133 実施例 2 97.5 1.5 1.0 ◎
673 8.7 107 ◎
573 13.7 151 〇 実施例 3 97.0 1.5 1.5
673 13.7 121 〇
573 3.6 113 実施例 4 98.5 1.0 0.5 ◎
673 3.6 89 ◎
573 8.7 134 実施例 5 98.0 1.0 1.0 ◎
673 8.7 115 ◎
573 13.7 163 〇 実施例 6 97.5 1.0 1.5
673 13.7 123 ◎
573 3.6 107 実施例 7 99.0 0.5 0.5 ◎
673 3.6 81 ◎
573 8.7 121 実施例 8 98.5 0.5 1.0 ◎
673 8.7 96 ◎
573 13.7 158 実施例 9 98.0 0.5 1.5 ◎
673 13.7 130 ◎
573 15.7 165 X 実施例 10 97.3 1.0 1.7
673 , 15.7 118 〇
97.7 573 16.2 163 X 実施例 11 0.5 1.75
5 673 16.2 123 〇
573 6.2 129 実施例 12 98.5 0.75 0.75 ◎
673 6.2 95
98.2 573 8.7 130 実施例 13 0.75 1.0 ◎
5 673 8.7 101 ◎
573 11.2 141 実施例 14 98.0 0.75 1.25 ◎
673 11.2 111 ◎
97.7 573 13.7 160 〇 実施例 15 0.75 1.5
5 673 13.7 123 ◎
573 16.2 166 X 実施例 16 97.5 0.75 1.75
673 16.2 125 〇
98.2 573 6.2 139 実施例 17 1.0 0.75 ◎
5 673 6.2 100 ◎ 実施例 18 99.0 2.0 0.5 573 3.6 126 ◎
673 3.6 90 ◎
573 3.6 92
比較例 1 99.0 0 0.5 ◎
673 3.6 61 ◎
573 8.7 100
比較例 2 99.0 0 1.0 ◎
673 8.7 83 ◎
573 13.7 127 X 比較例 3 98.5 0 1.5
673 13.7 107 X
573 18.7 147 X 比較例 4 98.0 0 2.0
673 18.7 110 X
573 18.7 183 X 比較例 5 96.5 1.5 2.0
673 18.7 137 X
573 18.7 168 X 比較例 6 97.0 1.0 2.0
673 18.7 112 X
573 18.7 162 X 比較例 7 97.5 0.5 2.0
673 18.7 122 X
573 0 78
比較例 8 98.5 0.5 0 ◎
673 0 一 ―
573 0 85
比較例 9 99.0 1.0 0 ◎
673 0 一
573 0 102
比較例 10 99.0 2.0 0 ◎
673 0 ―
573 0 102
比較例 11 96.0 4.0 0
673 0 一 一 前述した実施例 1〜 1 8のマグネシウム合金では、 セル内又は結晶粒内に Mg— Z n _ L aの金属間化合物 (例えば球状化合物) が析出した。 ランタ ンを 2. ひ原子%添加したマグネシウム合金の前記金属間化合物の体積分率 は 1 8. 7%、 1. 5原子%添加では体積分率は1 3. 7%、 1. 0原子% 添加では体積分率は 8. 7 %と見積もられた。
5 7 3 K又は 6 7 3 Kでアニーリングを行った場合の、 前記体積分率 (V f ) とビッカース硬度 (Hv) の関係を、 亜鉛添加量 (0原子%、 0. 5原 子%、 1. 0原子%及び 1. 5原子%) をパラメータとして、それぞれ図 2及 ぴ図 3のグラフに示した。
表 1、 図 1〜図 3から、 Mg— Ζ η— L a 3元合金でランタン添加量が增 えるに連れて得られた合金の硬度が上昇するが、 ランタン添加量が 2原子% に達すると合金が脆性になってしまうことが判った。 また亜鉛添加量がゼロ
であるとランタン添加量が 1 . 5原子。 /0でも得られたマグネシウム合金が脆 性になった。
また図 2と図 3のグラフを比較すると、 ァニーリング温度が低いほど得ら れる合金の硬度が全体的に高くなり、 ァニーリング温度が高いほど延性が良 くなる傾向があることが判った。
また、 表 1及び図 1によれば、 Z nを 0 . 2原子%以上 3 . 0原子%以下 含有し、 L aを 0 . 3原子%以上 1 . 8原子%以下含有し、 残部が M gから 成るリボン状試験片については高強度及び高靭性が得られたことが分かる。 また、 上述したように試験片は通常の押出し成形により得られるマグネシ ゥム合金に近似させたものである。 従って、 各試験片で延性、 脆性、 半延性 の特性は、 通常の押出し成形により得られるマグネシウム合金に対応するも のである。 また、 試験片で得られたビッカース硬度は、 通常の押出し成形に より得られるマグネシウム合金の強度に対応するものであり、 ビッカース硬 度の値を 4倍すると降伏強度の M P aの概算値となる。 例えば、 ビッカース 硬度が 1 0 0以上であれば、 通常の押出し成形により得られるマグネシウム 合金では降伏強度が 4 0 O M P a以上となると考えられる。
図 4は、 図 1のグラフに等硬度線を描いた図である。 ビッカース硬度
1 5 0の等硬度線を参照符号 1 5 0で示しており、 ビッカース硬度 1 4 0の 等硬度線を参照符号 1 4 0で示しており、 ビッカース硬度 1 3 0の等硬度線 を参照符号 1 3 0で示しており、 ビッカース硬度 1 2 0の等硬度線を参照符 号 1 2 0で示しており、 ビッカース硬度 1 1 0の等硬度線を参照符号
1 1 0で示している。 それぞれの等硬度線の内側がそれぞれのビッカース硬 度を示す組成範囲である。 図 4によれば、 Z n含有量が 0 . 5原子%、 L a 含有量が 1 . 5原子%で残部が M gからなるマグネシウム合金において最も 特性の良い結果が得られたことが分かる。
図 5は、 急冷時の冷却速度とビッカース硬度及び延性の関係を示すグラフ である。 図 5に示すように、 Z nを 0 . 5原子%含有し、 L aを 1 . 5原子0 /0 含有し、 残部が M gからなる溶湯から、 単ロール式液体急冷法により、 長さ
約 1 0 0 O mm、 幅 2 mm、 厚さ 2 0〜4 0 μ mのリポン状の試験片を作製 した。 この際、 液体急冷時の冷却速度を変更し、 それぞれの冷却速度で試験 片を作製した。
次いで、 得られた試験片をァニールすることなくビッカース硬度を測定し た(as quenched;)。 また、 得られた試験片を 5 7 3 Kでァニールした後にビッ カース硬度を測定した(annealed at 573K)。また、得られた試験片を 6 7 3 K でァニールした後にビッカース硬度を測定した(annealed at 673 K) 0 図 5によれば、 3 . 5 X 1 0 4 ΚΖ秒以上の冷却速度で急冷した試験片に ついては、 ァニールをした試験片及びァニールをしていない試験片ともに高 強度及ぴ高靭性が得られている。 また、 7 X 1 0 4 Κ/秒以上の冷却速度で 急冷した試験片については、 ァニールをした試験片及びァニールをしていな い試験片ともにより高強度及び高靭性が得られている。
図 6 Αは、 図 5に示す参照符号 1の試験片の結晶組織を示す写真であり、 図 6 Bは、 図 5に示す参照符号 2の試験片の結晶組織を示す写真である。 図 7は、 図 5に示す参照符号 3の試験片の結晶組織を示す写真である。 参 照符号 1〜 3の試験片は、 5 7 3 Kでァニールしたものである。
図 6 Aに示す結晶組織の写真では、 合金の組織が粒径 5 0 n m以下の微細 な球状化合物を有するラス状組織を主とした組織が形成されており、 セル又 は結晶粒の幅 (棒状部分の短径) が 3 0 0 n m以下となっている。 セルの境 界又は結晶粒界には厚さ 1 0 0 n m以下の偏析層がある。 上記ラス状組織を 有することにより高強度が得られるものと考えられる。 さらに、 セルの境界 又は結晶粒界の偏析層が 1 O O n m以下と薄いので、 脆化することなく高靭 性 (高い延性) が得られるものと考えられる。
図 6 Bに示す結晶組織の写真では、 セル又は結晶粒が図 6 Aに比べて微細 ではなく、 セルの境界又は結晶粒界に偏祈した偏析層の厚さも図 6 Aに比べ て厚くなっている。
図 7に示す結晶組織の写真では、 セル又は結晶粒が図 6 Bに比べて更に微 細ではなく、 セルの境界又は結晶粒界に偏祈した偏析層の厚さも図 6 Bに比
ベて更に厚くなっている。
図 6 A、 図 6 B及ぴ図 7によれば、 セル内又は結晶粒内の微細な球状化合 物の粒径が 50 nm以下であってほぼ均一に析出している場合に高強度及び 高靭性の特性が得られることが分かる。 また、 セルの境界又は結晶粒界の偏 析層の厚さが 100 nm以下と薄い場合に高靭性の特性が得られると考えら れる。 また、 セル又は結晶粒の幅が 300 nm以下 (500 nm以下でも良 レ、) という微細な組織の場合に高強度及び高靭性の特性が得られると考えら れる。
図 8は、 ∑ 11を0. 5原子%含有し、 L aを 2. 0原子%含有し、 残部が Mgからなる溶湯から、 1 X 1 05KZ秒の冷却速度の単ロール式液体急冷 法により、 長さ約 100 Omm、 幅 2mm、 厚さ 20〜40 / mのリポン状 の試験片を作製し、 この試験片を 5 7 3 Kでァニールした後の結晶組織の写 真を示す図である。
図 9は、 211を0. 5原子%含有し、 1^ &を1. 5原子%含有し、 残部が Mgからなる溶湯から、 1 X 1 05K/秒の冷却速度の単ロール式液体急冷 法により、 長さ約 1000 mm、 幅 2 mm、 厚さ 20〜 40 のリボン状 の試験片を作製し、 この試験片を 573 Kでァニールした後の結晶組織の写 真を示す図である。
L a含有量が 1. 5原子%では高強度及び高靭性の特性を有する結晶組織 が得られたのに対し、 L a含有量が 2. 0原子%となると、 高強度及ぴ高靭 性の特性を有する結晶組織が得られないことが確認された。 このような結果 となる理由を以下に説明する。
図 9に示す結晶組織では、 図 6 Aに示す結晶組織と同様の組織が得られて いるため、 高強度及ぴ高靭性の特性が得られるものと考えられる。
すなわち、 セル内又は結晶粒内の微細な球状化合物の粒径が 50 nm以下 であってほぼ均一に析出している場合に高強度及ぴ高靭性の特性が得られる と考えられる。 また、 セルの境界又は結晶粒界の偏析層の厚さが 100 nm 以下と薄い場合に高靭性の特性が得られると考えられる。 また、 セル又は結
晶粒の幅が 300 nm以下 ( 500 n m以下でも良い) という微細な組織の 場合に高強度及ぴ高靭性の特性が得られると考えられる。
これに対し、 図 8に示す結晶組織では、 セル組織が多く、 セル又は結晶粒 が微細に形成されず、 セルの境界又は結晶粒界に厚さの厚い偏析層が偏祈し ている。 このように厚い偏析層があるために合金特性が脆くなると考えられ る。
L a含有量が 0. 5原子%の合金組織を観察すると、 ラス状組織が形成さ れていなかった。 このため、 この合金では高強度が得られなかったものと考 えられる。
尚、 上記偏析層には Mg、 Z n、 希土類元素 (L a) が含まれていること を確認している。
[実施例 1 9〜 24及ぴ比較例 12〜: L 9 ]
実施例 1 9〜 24及ぴ比較例 12〜 1 9は M g— Z n— C e 3元合金に関 するものである。
Mg、 Z n及ぴ C eを表 2に示す合金組成になるように秤量し、 ルツボ中 に充填し、 A rガス雰囲気中で高周波溶解して計 14種の合金溶湯を準備し た。
これらの合金溶湯から実施例 1と同じ条件で、 それぞれ計 14個の硬度試 験用サンプルとリポン状試験片を作製し、 前者のビッカース硬度 (Hv) と 後者の延性評価を行った。
実施例 1 9〜 24と比較例 12〜 1 9の各マグネシゥム合金のビッカース 硬度 (Hv) と延性評価の結果を表 2及び図 10に纏めた。
表 2及び図 10力ゝら、 Mg— Z n— C e 3元合金でセリゥム添加量が増え るに連れて得られた合金の硬度が上昇するが、セリゥム添加量が 1.5原子% に達すると合金が半延性になり、 2. 0原子%に達すると脆性になってしま うことが判った。
[表 2]
Mg-Z n-C e合金の硬度及び靱性
[実施例 25〜 28及ぴ比較例 20〜 24 ]
実施例 25〜 28及び比較例 20〜 24は M g— Z n—Mm合金に関する ものであり、 Mmは C eリッチなものを使用した。
Mg、 Z n及ぴ Mmを表 3に示す合金組成になるように秤量し、 ルツポ中 に充填し、 A rガス雰囲気中で高周波溶解して計 9種の合金溶湯を準備した。 これらの合金溶湯から実施例 1と同じ条件で、 それぞれ計 9個の硬度試験
用サンプルとリポン状試験片を作製し、 前者のビッカース硬度 (Hv) と後 者の延性評価を行った。
実施例 25〜 28と比較例 20〜 24の各マグネシゥム合金のビッカース 硬度 (Hv) と延性評価の結果を表 3及び図 1 1に纏めた。
表 3及ぴ図 1 1から、 Mg— Z n— Mm合金で Mm添加量が増えるに連れ て得られた合金の硬度が上昇するが、 2 !1添加量が1. 0原子%の場合、 M m天下量が 1. 5原子%に達すると合金が半延性になり、 2. 0原子%に達 すると脆性になってしまうが、 含有量がこれより低い場合には良好な特性を 示すことが判った。 3]
Mg -Z n一 Mm合金の硬度及び靱性
尚、 本発明は上述した実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、 本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である