WO2004077138A2 - 液晶表示素子 - Google Patents

Description

明 細 書 液晶表示素子 技術分野

本発明は 液晶パネルによって表示される画像の視野角を拡大するた めの光学フィルムを備えた液晶表示素子に関する。 背景技術

携帯電話に設けられる液晶表示素子に対して、 特に上下方向に沿った 視野角特性を改善することが強く要望されている。

パーソナルコンピュータのモニタに通常使用される WVフィルムでは、 上下方向に沿った視野角を拡大することができない。 このため、 上下方 向に沿った視野角を拡大するために、 広い波長領域において複屈折を補 償することができる N Hフィルムを設けた液晶表示素子が特開平 8— 1 2 2 7 5 5号公報において提案されている。

しかしながら、 N Hフィルムを設けた液晶表示素子では、 上下方向に 沿った視野角を拡大することができるけれども、 パネルの光学定数 ( Δ n d、 ω等) および N Hフィルムのリターデ一ション値のマッチングに より、 上下 ·左右の視野角分布が変化するという問題がある。

本発明の目的は、 光学フィルムのリターデーション値のマッチングを 最適化することにより、 上下方向及び左右方向に沿った視野角に対する 表示特性が良好な液晶表示素子を提供することにある。 発明の開示

本発明に係る液晶表示素子は、 2枚のガラスの間に液晶分子が封入さ れた液晶パネルと、 前記液晶パネルに対して観測者側に配置された第 1 偏光板と、 前記液晶パネルを挟んで前記第 1偏光板と対向するように配 置された第 2偏光板と、 前記液晶パネルによって表示される画像の視野 角を拡大するために前記第 1偏光板と前記液晶パネルとの間および前記 第 2偏光板と前記液晶パネルとの間の少なくとも一方に配置された光学 フィルムとを具備する液晶表示素子で、 前記液晶パネルに封入された前 記液晶分子のねじれ角は、 9 0度よりも大きく 9 6度以下になっており、 前記液晶パネルのリ夕一デーション△ n dは、 4 0 0ナノメータ ( n m) 以上 4 3 0ナノメ一夕 ( n m) 以下であり、 前記光学フィルムのリタ一 デ一ション△ n dは、 1 1 0ナノメータ ( n m) 以上 1 2 0ナノメ一夕 ( n m) 以下であることを特徴とする。

本発明に係る携帯通信装置は、 本体と、 情報を表示するために前記本 体に設けられた表示部とを備えた携帯通信装置において、 前記表示部が 本発明に係る液晶表示素子を含むことを特徴とする。 図面の簡単な説明

図 1は、本実施の形態に係る液晶表示素子の構成を示す断面図である。 図 2は、 本実施の形態に係る液晶表示素子の構成を説明するための模 式的な斜視図である。

図 3は、 本実施の形態に係る液晶表示素子に設けられた偏光板と光学 フィルムの構成を説明するための模式図である。

図 4は、 本実施の形態に係る液晶表示素子に設けられた偏光板と光学 フィルムの構成を説明するための平面図である。

図 5は、 本実施の形態に係る液晶表示素子の上下視野角と N H— R値 との関係を示すグラフである。

図 6は、 本実施の形態に係る液晶表示素子の左右視野角と N H— R値 との関係を示すグラフである。

図 7は、 本実施の形態に係る液晶表示素子における主視角方向と階調 との関係を示すグラフである。

図 8は、 本実施の形態に係る液晶表示素子における反主視角方向と階 調との関係を示すグラフである。

図 9は、 本実施の形態に係る液晶表示素子における視野角を示すダラ フである。

図 1 0は、 従来の液晶表示素子における視野角を示すグラフである。 図 1 1は、 本実施の形態に係る他の液晶表示素子における視野角を示 すグラフである。

図 1 2は、 本実施の形態に係る液晶表示素子を備えた携帯通信装置の 外観を示す斜視図である。 発明を実施するための最良の形態

本実施の形態に係る液晶表示素子においては、 液晶パネルによって表 示される画像の視野角を拡大するために第 1偏光板と液晶パネルとの間 および第 2偏光板と液晶パネルとの間の少なくとも一方に配置された光 学フィルムとを具備しており、 液晶パネルに封入された液晶分子のねじ れ角は、 9 0度よりも大きく 9 6度以下になっており、 液晶パネルのリ ターデーシヨン Δ n dは、 4 0 0ナノメータ （n m) 以上 4 3 0ナノメ —夕 ( n m) 以下になっている。 そして、 光学フィルムのリタ一デ一シ ヨン Δ n dは、 1 1 0ナノメータ （n m) 以上 1 2 0ナノメータ ( n m) 以下である。 このため、 上下視野角を拡大することができると同時に左 右視野角方向に沿った色味変化も格段に改善することができる。 その結 果、 表示特性の良好な透過型 T F T液晶表示素子を提供することができ る。 この実施の形態では、 視野角をコントラス卜 1 0以上の領域の角度範 囲と定義すると、 左右方向に沿った視野角に対する上下方向に沿った視 野角の比率が 1 . 2 5以上であることが好ましい。

前記光学フィルムは、 前記第 1偏光板と前記液晶パネルとの間および 前記第 2偏光板と前記液晶パネルとの間の双方に配置されていることが 好ましい。

前記液晶パネルに封入された前記液晶分子へバックライトを供給する ために前記第 2偏光板に対して前記液晶パネルの反対側に設けられたバ ックライト供給器をさらに具備することが好ましい。

以下、 図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。

図 1は、 本実施の形態に係る透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0の構成 を示す断面図である。 図 2は透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0の構成を 説明するための模式的な斜視図であり、 図 3は透過型 T F T液晶表示素 子 1 0 0に設けられた偏光板と光学フィルムとの構成を説明するための 模式図であり、 図 4は透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0に設けられた偏 光板と光学フィルムとの構成を説明するための平面図である。

透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0は、 液晶パネル 3を備えている。 液 晶パネル 3には、 2枚のガラス板 2が互いに対向するように設けられて いる。 2枚のガラス板 2の間には、 液晶分子 1が封入されている。

液晶分子 1のねじれ角は、 9 0度よりも大きく 9 6度以下である。 液晶 パネル 3のリタ一デーシヨン Δ η は、 4 0 0ナノメ一夕 （n m) 以上 4 3 0ナノメータ ( n m) 以下になっている。

透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0は、 偏光板 4を備えている。 偏光板 4は， 液晶パネル 3に対して観測者側に配置されている。

透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0は、 偏光板 5を備えている。 偏光板 5は、液晶パネル 3を挟んで偏光板 4と対向するように配置されている。 透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0は、 光学フィルム 6を備えている。 光学フィルム 6は、 N Hフィルムによって構成され、 液晶パネル 3によ つて表示される画像の上下方向に沿った視野角を拡大するために偏光板 4と液晶パネル 3との間に配置されている。

透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0は、 光学フィルム 7を備えている。 光学フィルム 7は、 N Hフィルムによつて構成され、 液晶パネル 3によ つて表示される画像の上下方向に沿った視野角を拡大するために偏光板 5と液晶パネル 3との間に配置されている。 光学フィルム 6および光学 フィルム 7のリターデーション Δ n dは、 1 1 0ナノメータ ( n m) 以 上 1 2 0ナノメータ （n m) 以下になっている。

偏光板 4側の液晶分子 1のラビング方向 1 2と偏光板 5側の液晶分子 1のラビング方向 1 3とのなす液晶分子ねじれ角 1 1は、 9 4度以上 9 6度以下であることが特に好ましい。 偏光板 4の吸収軸 1 7と偏光板 5 の吸収軸 1 6とは、 互いに略直交する。 光学フィルム 6の吸収軸 1 4と 光学フィルム 7の吸収軸 1 5とは、 互いに略直交する。

光学フィルム 6および 7は、 液晶パネル 3のガラス板 2に糊で接着さ れている。 偏光板 4は、 光学フィルム 6に糊で接着されている。 偏光板 5は、 光学フィルム Ίに糊で接着されている。

透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0は、 バックライト供給器 8を備えて いる。 バックライト供給器 8は、 液晶パネル 3に封入された液晶分子 1 へバックライ卜を供給するために偏光板 5に対して液晶パネル 3の反対 側に設けられている。

透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0において、 視野角をコントラスト 1 0以上の領域の角度範囲と定義すると、 左右方向に沿った視野角に対す る上下方向に沿った視野角の比率は、 1 . 2 5以上である。

このように構成された透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0においては、 パックライト供給器 8がバックライトを偏光板 5に向かって発光すると， バックライト供給器 8から発光されたバックライトは、 偏光板 5と光学 フィルム 7とを透過して液晶パネル 3へ入射する。 液晶パネル 3へ入射 したバックライトは、 液晶パネル 3に設けられた一方のガラス板 2と液 晶分子 1と他方のガラス板 2とを透過し、 光学フィルム 6と偏光板 4と を透過して観測者側へ出射する。

図 5は、 本実施の形態に係る透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0の上下 視野角と N H— R値との間の関係を示すグラフである。 透過型 T F T液 晶表示素子 1 0 0に設けられた液晶パネル 3のリターデーシヨン△ n d は、 約 4 2 0ナノメ一夕 （n m) になっている。 前述したように光学フ イルム 6および光学フィルム 7を設けたことによって、 主視角方向にお ける上下視野角と反主視角方向における上下視野角とが、 光学フィルム を設けない従来の上下視野角よりも拡大している。

図 6は、 透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0の左右視野角と N H— R値 との間の関係を示すグラフである。 液晶パネル 3のリタ一デーシヨン Δ n dは、 約 4 2 0ナノメータ （n m) になっている。 前述したように液 晶パネル 3に封入された液晶分子 1のねじれ角を 9 0度よりも大きく 9 6度以下とし、 液晶パネル 3のリタ一デーシヨン Δ n dを 4 0 0ナノメ —夕 （n m) 以上 4 3 0ナノメータ （n m) 以下としたことによって、 左右方向に沿った視野角が、 破線によって示される従来の左右方向に沿 つた視野角よりも拡大している。

図 7は、 透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0における主視角方向と階調 との間の関係を示すグラフである。 液晶パネル 3のリタ一デーション△ n dは、約 4 2 0ナノメータ （n m) になっている。図 7に示すように、 透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0では、 主視角方向における階調の変化 が従来よりも減少している。 図 8は、 透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0における反主視角方向と階 調との間の関係を示すグラフである。 液晶パネル 3のリターデ一ション △ n dは 約 4 2 0ナノメータ （n m) になっている。 図 8に示すよう に、 透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0では、 反主視角方向における黒浮 きが従来よりも減少している。

図 9は本実施の形態に係る透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0における 1 2時主視角の視野角を示すグラフであり、 図 1 0は従来の透過型 T F T液晶表示素子における 1 2時主視角の視野角を示すグラフである。 図 9および図 1 0に示すように、 透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0におけ る 1 2時主視角の視野角は、 従来の透過型 T F T液晶表示素子における 1 2時主視角の視野角よりも拡大している。

図 1 1は、 本実施の形態に係る他の透過型 T F T液晶表示素子におけ る 6時主視角の視野角を示すグラフである。 この他の透過型 T F T液晶 表示素子では、 光学フィルムは 1枚のみ設けられており、 光学フィルム 7が設けられておらず、 光学フィルム 6のみが設けられている。

図 9に示す 2枚の N Hフィルムを設けた透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0の視野角と図 1 1に示す 1枚の N Hフィルムを設けた透過型 T F T 液晶表示素子の視野角とでは、 液晶セルの主視角方向がそれぞれ 1 2時 と 6時とになっており、 互いに異なっているため、 視野角の分布形状は 互いに逆の形状になっているけれども、 従来の透過型 T F T液晶表示素 子に対する視野角の拡大の程度は大差がない。 このように、 少なくとも 1枚の N Hフィルムを設ければ、 視野角を従来よりも拡大することがで きる。

なお、 光学フィルムは 1枚のみ設けられており、 光学フィルム 7が設 けられておらず、 光学フィルム 6のみが設けられている例を示したけれ ども、 逆に光学フィルム 6が設けられておらず、 光学フィルム 7のみが 設けられているように構成してもよい。

以上のように本実施の形態によれば、 液晶パネル 3によって表示され る画像の視野角を拡大するために偏光板 4と液晶パネル 3との間および 偏光板 5と液晶パネル 3との間の少なくとも一方に配置された光学フィ ルム 6、 7を具備しており、 液晶パネル 3に封入された液晶分子 1のね じれ角は、 9 0度よりも大きく 9 6度以下になっており、 液晶パネル 3 のリターデーション Δ n dは、 4 0 0ナノメータ ( n m) 以上 4 3 0ナ ノメータ ( n m) 以下になっている。 そして、 光学フィルムのリタ一デ ーシヨン A n dは、 1 1 0ナノメータ （n m)以上 1 2 0ナノメータ （n m) 以下である。 このため、 上下視野角を拡大することができると同時 に左右視野角方向に沿った色味変化も格段に改善することができる。 そ の結果、 表示特性の良好な透過型 T F T液晶表示素子を提供することが できる。

図 1 2は、 本実施の形態に係る透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0を備 えた携帯通信装置 2 0 0の外観を示す斜視図である。 本実施の形態に係 る透過型 T F T液晶表示素子 1 0 0は、 上下方向に沿った視野角を拡大 することができる。 このため、 本体 2 8と、 情報を表示するために本体 2 8に設けられた表示部 2 1とを備えた携帯通信装置 2 0 0における表 示部 2 1に対して特に好適に適用することができる。 産業上の利用可能性

以上のように本発明によれば、 上下方向に沿った視野角を拡大するこ とができると同時に左右方向に沿った視野角に対する色味変化も格段に 改善することができ、 表示特性が良好な液晶表示素子を提供することが できる。

Claims

請求の範囲

1 . 2枚のガラスの間に液晶分子が封入された液晶パネルと、

前記液晶パネルに対して観測者側に配置された第 1偏光板と、 前記液晶パネルを挟んで前記第 1偏光板と対向するように配置された 第 2偏光板と、

前記液晶パネルによって表示される画像の視野角を拡大するために前 記第 1偏光板と前記液晶パネルとの間および前記第 2偏光板と前記液晶 パネルとの間の少なくとも一方に配置された光学フィルムとを具備する 液晶表示素子で、

前記液晶パネルに封入された前記液晶分子のねじれ角は、 9 0度より も大きく 9 6度以下であり、

前記液晶パネルのリタ一デーシヨン Δ n dは、 4 0 0ナノメータ （n m) 以上 4 3 0ナノメ一夕 （n m) 以下であり、

前記光学フィルムのリタ一デ一ション Δ n dは、 1 1 0ナノメータ（n m) 以上 1 2 0ナノメータ （n m) 以下であることを特徴とする液晶表 示系子。

2 . 左右方向に沿った視野角に対する上下方向に沿った視野角の比率が 1 . 2 5以上である請求の範囲 1に記載の液晶表示素子。

3 . 前記光学フィルムは、 前記第 1偏光板と前記液晶パネルとの間およ び前記第 2偏光板と前記液晶パネルとの間の双方に配置されている請求 の範囲 1に記載の液晶表示素子。

4 . 前記液晶パネルに封入された前記液晶分子へバックライトを供給す るために前記第 2偏光板に対して前記液晶パネルの反対側に設けられた バックライ卜供給器をさらに具備する請求の範囲 1に記載の液晶表示素 子。

5 . 本体と、

情報を表示するために前記本体に設けられた表示部とを備えた携帯通 信装置において、

前記表示部が請求の範囲 1に記載の液晶表示素子を含むことを特徴と する携帯通信装置。