明細書
上皮成長因子受容体を分子標的とする抗精神病薬 技術分野
本発明は、精神病の治療に有用な新規抗精神病薬に関する さ ら に詳し く は、 上皮成長因子受容体の活性阻害剤を統合失 調症の予防または治療薬としての使用 または上皮成長因子 受容体の活性阻害剤を認知機能障害の予防または治療薬と し ての使用に関する。 背景技術
統合失調症はかって精神分裂病とよばれ 、 人口の 0. 7- 1. 0 ¾ の人に発症し 、 日本でも数十万人に及ぶ長期入院患者を生み 出している極めて重大な慢性の精神疾串でめる。 本疾患の主 な症状は、 妄想、 幻覚、 幻聴といつた 性症状に加えて、 知 覚異常といつた認知障害や、 引きこ ち りや鬱症状といつた陰 性症状に至るまで、 多用な精神的異常を伴う ものである。 現 在のと ころ、 その発症原因の解明はおろか 、 生物学的な病態 さえはっさ り していない。
統合失調症は青年期から壮年期にかけて知覚 ·思考 · •感情 · 行動面に特徴的な症状で発病し、 多く は I 性に経過し 、 社会 適応にさ まざまな困難を生じる精神障 である。 その 3 ¾E 状については 、 陽性症状 (幻覚、 妄想、 減弱思考、 緊張症状、 奇異な行動など) と、 陰性症状 (感情の平板化、 意欲低下、 社会的引さ も り など)、 認知機能障害 (作業記憶障害、 言語 障害 注思欠陥) の分類があ り、 各患者において多様な形態 をとる 社 的には、 本疾患の病態の特殊性か ら早期発見、 治療 社 復帰活動、 再発予防といった一貫した包括的治療 体系の確 1Lが望まれているが、 多く の場合、 根治治療はなか
なか難しいのが現状とされている。
これまでは 、 統合失調症の陽性症状を改善する治療薬と し て 、 神経伝 物質 ドパミ ンと拮抗する薬物が有用だとされて い o 古 < よ り第一選択薬と して用い られてきた八口ペリ ド 一ルゃク Π プロマジンなどの定型抗精神病薬は、 強力な ド パミ ン D 2受容体遮断作用によ り 、 統合失調症の陽性症状の 改善効果をみる。 しカゝし、 これらの薬物は陰性症状や認知障 害に対してはごく 限られた効果しか発揮できない。 また、 多
< は年余にわたる これらの薬物の長期投与が不可欠であ り 、 パ一キンソン症状、 ァカシジァ、 ジスキネジァ等に代表され る錐体外路症状とよばれる副作用が問題視される とが非特 許文献 1 で報告されている。
近年では. , 比較的上記錐体外路症状を起こ しに < いク ロザ ピンゃリ スペリ ド ンなどの非定型抗精神病薬と呼ばれる ドパ
—
ンゃセ口 トニン両者に拮抗する一群の統合失調症治療薬が 開発されている (非特許文献 2 )。 非定型抗精神病薬は陰性症 状の改善にも有効とされるが、 ク ロザピンではハ、ヽ顆粒球症な どの重大な副作用の危険性もある。 また、 リ スぺ U ンも高 用量では定型抗精神病薬と同様の錐体外路症状などの副作用 を生じる。
このよう に統合失調症の多様な病態改善を目指し 、 上 3し t 療薬を含め 、 現在、 フエノチアジン系化合物、 チォキサンチ ン系化合物 、 プチ口フエノ ン系化合物、 ベンズァ 系化合 物が複数開発され、 患者に適用 されている。 これらの多く の 抗 fe ネ甲病架も、 根治治療に結びつく症例は限られていた。 こ のため、 神経伝達物質である ドパミ ンゃセロ 卜 ンとの拮抗 を標的としない新規の統合失調症治療薬が待ち望まれていた。 これまで上皮成長因子 ( E G F ) は、 細胞の増殖 、 と く に
ガン細胞の増殖に関与する こ と力ゝ ら、 多く の上皮成長因子の 受容体結 a阻害剤、 上皮成長因子の受容体の U ン酸化酵素活 性阻害剤 上皮成長因子の中和剤が開発され 抗がん剤と し ての医薬開発が行われてきた (非特許文献 3 )。 一方脳内の成長因子や栄養因子などの正常の脳発達つかさ どる因子の過剰作用が、 統合失調症の ¾の病 やその発症 に直接関わる といつた知見は少なく 、 最近本発明者らがい く かの因子について統合失調症との関与を §正明し、 非特許文 献 4 において報告している。 またそれらの因子を統合失調症 の診断等に利用する こ とについて特許出願を行つた (特許文 献 1 )。
実際、 本発明者らの先行研究では統合失調症患者の脳内で は上皮成長因子の夕ンパク質含 が低下し逆にその受容体の 発現量が上昇している こ とが判明している (非特許文献 5 )。 なかでも上皮成長因子の受容体はヒ 卜での認知機能で重要な 機能をする といわれる脳部位、 前頭前野や線条体での発現上 昇が特に蘋著であ た複数の夕 ンパク質のひとつであつた これらの事実は 統合失 の何だかの病態に上皮成長因 子の受容体の活性変化が関与している可能性を示唆する の である。 しかしながら、 これらの事実は上皮成長因子の受容 体が統合失 RJS ¾Eの予防または治療薬の標的である こ とを証明 したものではな < また上皮成長因子の受容体の活性阻 剤 が精神病の予防または治療薬となる こ とを証明したものでち ない。 発現変動した夕 ンパク質は上皮成長因子の受容体ひと つではない こ と 夕ンパク質の発現変動は病気の発病の結果 として生じる可能性 fcある こ と 病気の原因だと しても予防 または治療薬の 的と しては十分な効果を生じない可能性
ある こ と、 病気の直接の原因や結果と してではなく 変動する 可能性もあるからである。
統合失調症の原因は未だ不明であるが 退伝と環境因子に 影響をう けて発症する多ネ隶な 神病の一群である と一般的に は考え られている。 特に最近のヒ 卜全ゲノム領域と本疾患の 連鎖解析よ り 、 染色体 6 P 2 2 8 p 2 1 ― 2 2 2 2 q 1
2 一 1 3 などを含め複数の ナとの連鎖する こ とが報告さ れていて、 統合失調症と複数の遺伝子との関係が示唆されて いる (非特許文献 6 )
上皮成長因子の遺伝子座 q 2 5 ― 2 7 も統合失調症と の候補連鎖関連領域ではあるが、 これらの遺伝子座にく らべ 相関性は低いとされている (非特許文献 7 )。
最近、 もっ とも注目されている仮設は、 統合失調症の脳発 達障害仮説である。 上記複数の遺伝子の障害や、 ウィルス感 染ゃ周産障害による環境の影響によ り ヒ トの脳発達が傷害さ れた結果、 認知脳機能がおかし く なる という ものである。 実 際、 動物モデルでは、 イ ンフルエンザウイルス (非特許文献 8 ) や細菌の毒素の母体注射 (非特許文献 9 ) や、 イ ンター ロイキン 1 (特許文献 2 ) や白血病阻止因子 ( L I F ) (特許 文献 3 )、 上皮成長因子 (特許文献 1 ) の新生仔暴露によ り 、 脳の発達が障 される とと もに そのこ ども動物の認知行動 が成長にともな て徐々 に障害される こ とも判明している。
でィ ンフルェンザゥィルス等は脳の発達を障害させる ために投与しているものである また、 れらの因子は母体 注射や新生仔暴露で一時的なものであ り 認知機能障害の発 症のために、 その後継続して当該因子等を投与する必要はな い。 すなわち 上記動物モデルによ り、 当該因子等が統合失
調症の原因あるいは治療夕一ゲッ トである こ とは何ら示唆さ れなかった。
これらの事実は、 複数の遺伝性要因に加えて れら複数 の母子環境もその後の脳機能障害を誘発し う る とを実証し ている。 このよ う に、 ヒ トでの統合失調症を含む口心知障害に は複数の原因、 リ スク、 影響が関与してお り 、 決して 1 因子、
1 要因で決定される ものではない。
統合失調症に対して、 上皮成長因子の受容体の阻口剤が有 効に働く かはこの特許における本発明者ら の発見まで明らか でな く 、 上皮成長因子の活性阻害剤及び上皮成長因子受容体 の活性阻害剤の精神疾患への治療適用例は報告されていない
(非特許文献 1 )
Casey D. E. et al. ; J. Clinical Psychiatry 58 p 55-62 ( 1997) (非特許文献 2 )
Kapur S. et al. ; Am. J. Psychiatry 153 p466-476 (1996)
(非特許文献 3 )
Fry, D. W. ; Anti- Cancer Drug Design 15 p3- 16, (2000)
(非特許文献 4 ) .
Nawa H, et al. ; Mol Psychiatry 5 p594-603 (2000)
(非特許文献 5 )
Futamura T, et al. ; Mol Psychiatry 7 p673-682 (2002)
(非特許文献 6 )
Berry N e t a 1. ; J Psychiatry Neurosc i 28 (6) p415-429 (2003)
(非特許文献 7 )
Paunio T et al. ; Hum Mol Genet 10 p3037-3048 (2001)
(非特許文献 8 )
Shi L, et al. ; J Neurosci 23 (1) p297-302 (2003)
(非特許文献 9 )
Bor re 11 J, e t al. ; Neuropsyc opharmaco logy 26 (2) p204-215 (2002)
(特許文献 1 )
特願 2000-309042
(特許文献 2 )
特願 2001-52546
(特許文献 3 )
特願 2002-382835 発明の開示
本発明者らは、 上記の課題を解決するために鋭意研究を重 ねた結果、 統合失調症等のモデル動物において、 上皮成長因 子受容体の活性阻害薬が統合失調症等の症状を改善する こ と を明らかにした。
すなわち本発明は 、 ( 1 ) 上皮成 因子受容体の活性阻害 剤を有効成分と して含有する精神病の予防及び Z又は治療薬、 ( 2 ) 上皮成長因子受容体の活性阻害が上皮成長因子受容体 と上皮成長因子の TO 口阻害である ( 1 ) に記載の予防及びノ 又は治療薬、 ( 3 )上皮成長因子受容体の活性阻害剤を有効成 分として含有する統合失調症の予防及び 又は治療薬、 ( 4 ) 上皮成長因子受容体の活性阻害が上皮成長因子受容体と上皮 成長因子の結合阻害である ( 3 ) に記載の予防及び/又は治 療薬、 ( 5 )上皮成長因子受容体の活性阻害剤を有効成分とし て含有する認知機能障害の予防及び/又は治療薬、 ( 6 )上皮 成長因子受容体の活性阻害が上皮成長因子受容体と上皮成長 因子の結合阻害である( 5 )に記載の予防及び Z又は治療薬、
( 7 ) 一般式 ( I )
[式中 、 n は 1 、 2 又は 3 であ り 、 かつ R 2はそれぞれ無 関係に 、 八口ゲノ、 ト リ フルォロメチル又は ( 1 〜 4 C ) ァルキルであ Ό ; R 3は ( 1 〜 4 C ) アルコキシであ り ; かつ R 1はジ - - [ 〜 4 C )アルキル]アミ ノ ー ( 2 〜 4 C ) ァルコキシ、 ピ口 リ ジン一 1 一ィル一 ( 2 〜 4 C ) アル キシ 、 ピぺ U ジノ 一 ( 2 〜 4 C ) アルコキシ、 モルホ
U ノ 一 ( 2 〜 4 C ) アルコキシ、 ピぺラジン一 1 —ィル 一 ( 2 4 C ) アルコキシ、 4 一 ( 1 〜 4 C ) アルキル ピぺラ ジン一 1 —ィル一 ( 2 〜 4 C ) アルコキシ、 イ ミ ダゾ一ル一 1 ―ィル一 ( 2 〜 4 C ) アルコキシ、 ジ一 [ ( 1
〜 4 C ) ァル キシ一 ( 2 〜 4 C ) アルキル] アミ ノ ー
( 2 〜 4 C ) ァルコキシ、 チアモルホリ ノ — ( 2〜 4 C ) ァルコキシ、 1 一ォキソチアモルホリ ノ — ( 2 〜 4 C )
ァルコキシ又は 1 , 1 ージォキソチアモルホ リ ノ ー ( 2
4 C ) ァルコキシであ り 、 かつ、 この際、 N又は 0原 子に接していない C Η 2 (メチレン) 基を有する前記の R 1 置換基のいずれかが場合によ り 、 前記の C H 2 基の上に、 ヒ ドヽ 口キシ 換基を ¾する ] で示される上皮成長因子受 容体の活性阻害作用 を有するキナゾリ ン誘導体、 その光 学異性体 、 その薬学的に許容される塩、 それら の水和物 またはそれらの溶媒和物を有効成分と して含有する ( 1 ) または ( 3 ) または ( 5 ) に記載の予防及び Z又は治療 薬 、
( 8 ) 一般式 ( Π)
[式中、 mは、 1 、 2 または 3 であ り ;
各 R 1 は、 独立に、 水素、 ノヽ口、 ヒ ド ロキシ、 ァミ ノ 、 ヒ ド 口キシァミ ノ、 力ルポキシ、 (じ〗〜。 アルコキシ力ルポ二 ル、 ニ ト ロ、 グァニジノ 、 ゥ レイ ド、 力ルバモイル、 シァノ、 ト リ フルォロメチル、 ( R 6) 2 N—カルポニルおよびフエニル 一 W—アルキル { こ こ で、 Wは、 単結合、 0、 Sおよび N H よ り選択される。 } よ り選択されるか ; または、 各 R 1は、 独 立に、 シァ ノ 一 ( C ,〜 C 4) アルキルおよび R 9 { こ こで R ! は、 R 5、 R 50、 ( R 6) 2N、 R 7C ( =〇)、 R 5〇 N H、 Aお
よび R 5Yよ り選択され ; R 5は ( C ! C 4) アルキルであ り
R 6は、 水素、 または、 R 5 が同一または異なる R 5であ り
R 7 は、 , R 5 R 5 Oまたは ( R 6) 2Nであ り ; Aは、 ピぺ U ン ノ ― モルホリ ノ、 ピロ リ ジノ および 4 R 6— ピぺ ンン ―
1 -一ィル、 イ ミ ダゾ ル - - 1 ィル、 4 ピリ ドン ― 1 ―ィ ル、 力ルポキシ— ( C , C λ) アルキル、 フエノキシ フ ェニル、 フエニルスルフ ァニル、 ( C 2〜 C 4) ーァルケニル、 ( R 6) 2— Ν 力ルポ二ルー ( ^〜(: アルキルよ り選択さ れ ; および、 Υは、 S S 〇、 S 02よ り選択され ; R 5 R 5 Oおよび ( R 6) 2 Nのアルキル部分は、 ノ、口または R 9 { こ こ で R 9は、 上記定義した通り である。 } であ り 生成する基 は 、 ノ '口または R 9 で任意に置換されているが ただし 窒 素 、 酸素または硫黄原子およびも う 1 つのへテ π原子は 同 の炭素原子に結合する こ とができず、 さ ら に ただし 3 個以下の " R 9" 単位が、 R 1 を占めてもよいか または 各
R 1は、 独立に、 R 5 スルホニルァミ ノ 、 フタルイ sドー ( C j C 4) アルキルスルホニルァミ ノ、 ベンズァ ド、 ベンゼ ンスルホニルァミ ノ、 3 フエニルウ レィ ド、 2 ーォキソ ピ
Πリ ジン 1 —ィル、 2 , 5 —ジォキソ ピ π U ンン _ 1 ィ ル 、 および、 R 1()— ( C 2 C 4) アル力 ノィルァ S ノ { で R 10は、ノ、口、 R 60 ( C 2 C 4) ーァルカ ノィルォキシ
R 7C ( = 0 )、 および ( R 6) 2Nよ り選択され ; R 1中の前記 ベンズアミ ドまたはベンゼンスルホニルアミ ノ またはフエ二 ルまたはフエ ノ キシまたはァニリ ノ またはフエニルスルフ ァ ニル置換基は、 1 個または 2個のハロゲン、 ( C i C 4) アル キル、 シァノ 、 メタンスルホニルまたは ( C , C 4) アル コキシ '置換基を任意に有してもよい。 } よ り選択されるか ; ま たは、 それらが結合する炭素と合わさったいずれか 2つの R 1 は、 酸素、 硫黄または窒素よ り選択される少なく とも 1 個ま
たは 2個のへテロ原子を含み、 アルキル基およびアルコキシ またはアルキルアミ ノ基のアルキル部分が、 直鎖であっても よく 、または、少なく とも 3 個の炭素で構成される場合には、 分岐鎖または環式であってもよい 5 〜 8 員環を含み; R 2は、 水素、 および、 任意に置換された ( C t C e) アルキルよ り 選択され ; n は、 1 または 2 であ り 、 各 R 3 は、 独立に、 水 素、 任意に置換された ( C i C s) アルキル、 任意に置換さ れたァミ ノ、 ハロ、 ヒ ド ロキシ、 任意に置換されたヒ ド ロキ シよ り選択され ; R 4は、 アジ ド、 または、 R 11—ェチニル { こ こで、 R 11 は、 水素、 任意に置換された ( C ,〜 C 6) アルキ ルであ り 、 置換基は、 水素、 ァミ ノ、 ヒ ド ロキシ、 R 50、 R 5N Hおよび ( R 5) 2Nよ り選択される。 } である。 } で示され るキナゾ )J ン 導体、 その光学異性体、 その薬学的に許容さ れる塩、 それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分 とする ( 1 ) または ( 3 ) または ( 5 ) に記載の予防及び 又は治療薬 、
( 9 ) 一 式 ( III)
{式中、 Xは Nまたは C Hであ り ; Yが C R 1であって、 V
が Nである力、 ; または Yが Nであって、 Vが C R 1である力、 ; または Yが C R 1であって、 Vが C R 2であるか ; または Yが C R 2であって、 Vが C R 1であ り ; R 1は C H 3 S 02 C H 2 C H 2 N H C H 2— A r 基 (こ こで、 A r はフエニル、 フ ラ ン、 チォフェン、 ピロ一ルおよびチアゾールか ら選択され、 その各々 は所望によ り 1 も し く は 2個のハロ、 ( ェ— 4アルキ ルまたは C — 4アルコキシ基で置換されていてもよい) を表 し ; R 2は水素、 ノ、口、 ヒ ドロキシ、 C 丄 4アルキル、 C —
4アルコキシ、 c ェ— 4アルキルァミ ノ およびジ [ c ェ— 4ァル キル] アミ ノ か らなる群か ら選択され ; Uは R 3基で置換さ れ 、 力 つさ ら に所望によ り独立に選択される少なく とも 1 個 の R 4基で置換 'されていてもよいフエニル、 ピリ ジル、 3 H
―イ ミ ダゾリ ル 、 イ ン ド リ リレ、 イ ソイ ン ド リ ル、 イ ン ド U ル 、 イ ソイン ド リ ニル、 1 H イ ンダゾリ ル、 2 , 3 —ンヒ ロ ー 1 H ィ ンダゾリ ル、 1 H べンズイ ミ ダゾリル、 2
3 —ジヒ ド ロ一 1 H ベンズイ ミ ダゾリリレまたは 1 H—ベン ゾ ト リ ァゾリ ル基を表し ; R 3はベンジル、 ノ、口 一 、 ジ八 Π および ト リ八口ベンジル、 ベンゾィル、 ピリ ジルメチル 、 ピリ ジルメ トキシ、 フエノ キシ、 ベンジルォキシ、 ノ、口 、 ンハローおよび ト リ ノ\口べンジルォキシな らびにベンゼンス ルホニルか らなる群か ら選択されるカゝ ; または R 3は ト U 八 口メチルベンジルまたは ト リ八ロメチルベンジルォキシを表 すか ; または R 3は下式の基を表し ;
(式中、 R 5は各々独立にハ ロゲン、 C i— 4アルキルおよ び C — 4アルコキシか ら選択され ; かつ、 n は 0〜 3 である) R 4 は各々独立に ヒ ド ロキシ、 ノヽ ロゲン、 C i _ 4 アルキル、 C 2 — 4アルケニル、 C 2 — 4アルキニル、 — 4アルコキシ、 ミ ノ 、 C — 4アルキル ミ ノ 、 ジ [ c i— 4 アルキル] ノ 、 — 4アルキルチオ、 。 ;^ 4アルキルスルフ ィ ニル、 C _ 4アルキルスルホニル、 c — 4アルキル力ルポニル、 カル ポキシ、 力ルバモイ ル、 C ェ — 4アルコキシ力ルポニル、 C _ 4アルカ ノ ィルァミ ノ 、 N— ( (: ェ— 4アルキル) 力ルバモイ ル、 N, N— ジ ( C ュ — 4 アルキル) カルノ、モイ ル、 シァ ノ 、 ニ ト ロおよび ト リ フルォロ メチルである }、 (ただし、 下記化 合物:( 1 —ベンジル— 1 H—イ ンダゾ一ル一 5 —ィ ル)—( 6 一 ( 5 - (( 2 一メ タ ンスルホ二ルーェチルア ミ ノ ) ーメチル) 一 フ ラ ン一 2 —ィ ル) 一 ピ リ ド [ 3 , 4 - d ] ピ リ ミ ジン一 4 一ィル) ー ァミ ン;( 4 一ベンジルォキシー フエ二ル) 一 ( 6 一 ( 5 - (( 2 一メ タ ンスルホ二ルーェチルア ミ ノ ) 一メチル) 一 フ ラ ン一 2 —ィ ル) 一 ピ リ ド [ 3 , 4 - d ] ピ リ ミ ジン一 4 —ィル) ー ァミ ン ; ( 1 —ベンジルー 1 H—イ ンダゾール— 5 —ィ ル) ― ( 6 — ( 5 — (( 2 — メ タ ンスルホニル—ェチル ァ ミ ノ) 一 メチル) 一 フ ラ ン一 2 —ィ ル) 一キナゾリ ン一 4 一ィ ル) 一 ァミ ン ; ( 1 一べンジルー 1 H—イ ンダゾ一ル一 5 一ィ ル) 一 ( 7 — ( 5 — (( 2 — メ タ ンスルホ二ルーェチルァ ミ ノ ) 一 メチル) 一 フ ラ ン一 2 —ィル) 一キナゾリ ンー 4 —
ィル) ーァミ ン ;( 1 一べンジル― 1 H一ィ ンダゾ一ルー 5 一 ィル) ― ( 6 - ( 5 - (( 2 メ夕 ンスルホニル ―ェチルァミ ノ) 一メチル) 一 1 ーメチル— ピ Π一ル ― 2 一ィル) 一キナ ゾリ ン ― 4 ーィルーアミ ン ; お びそれらの塩酸塩は除く 。) で示される上皮成長因子受容体の活性阻口作用を有するキナ ゾリ ン口乃導体、その光学異性体、その薬学的に許容される ¾. 、 それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分と して含 有する ( 1 ) または ( 3 ) または ( 5 ) に PL %¾の予防及び/ 又は治療薬、
( 1 0 ) —般式 (V)
[式中、 Xは一 D — E — Fであ り そして Yは- SR4、 -OR4, - NHR3 または水素であるか、 または Xは- SR4、 -OR4, -NHR3または水 素であ りそして Yは— D — E — Fであ り ; D は - NR2 -、 - 0 -、 - CHR2-、 - NR2- NH -、 - NR2- 0-、- CHR2- 0-、- CHR2- CH2-、- NH- CHR2-、 - 0 = CHR2、 -S- CHR2-であるか、または存在せず; E は- CO-、 -SO 2-、 - PO (0R2) -または- SO-であ り ; F は- CR1 = CHR5-、 - C≡ C- -ま たは - CJU = OCHR5 であ り ; 但し、 Eが- SO-または- S02-である 場合、 D は- NH-CHR2-または- 0 = CHR2 ではなく ; R1は水素、 ハ
ロゲンまたは - C6アルキルであ り ; R2、 R3および R4は独立 して、 水素、 C C6 アルキル、 一 (CH2) n— N— ピベリ ジニル、 一 (CH2) n— N — ピペラ ジニル、 一 (CH2) n— — ピペラ ジニル [N4— ( (;厂 C6)アルキル]、 一 (CH2) n - N— ピロ リ ジル、一 (CH2) n 一 N— ピ リ ジニル、 一 (CH2) n— N —イ ミ ダゾィル、 — (CH2) n 一イ ミ ダゾィル、 ― (CH2) n― N—モルホリ ノ、 ― (CH2) n— N - チオモルホリ ノ 、 一 (CH2) n— N—へキサヒ ド ロアゼピンまた は置換された U- C6 アルキルであ り 、 こ こで置換基は -0H、 - NH2、 または - NA-B から選択され、 Aおよび B は独立して、 水素、 C!- C6アルキル、 一 (CH2) n0H、 一 (CH2) n — N— ピベリ ジ ニル、 _ (CH2) n— N— ピペラジニル、 一 (CH2) n— N!— ピペラ ジニル [ N 4_ ( C C6) アルキル]、 一 (CH2) n— N— ピロ リ ジ ル、 一 (CH2) n― N— ピ リ ジル、 ― (CH2) n—イ ミ ダゾィル、 また は一 (CH2) n— N―イ ミ ダゾィルであ り ; V、 Vまたは Z3は独 立して、 水素、 ノ、ロゲン、 C C6 アルキル、 C3- シク ロアル キル、 C6 アルコキシ、 C3_C8 シク ロアルコキシ、 ニ ト ロ、 C!- C6 ペルフルォロアルキル、 ヒ ド ロキシ、 C)- ァシルォキ シ、 - NH2、 ― N H (C】- C6アルキル)、 一 N ( - C6アルキル) 2、 一 N H ( C3-C8シク ロアルキル)、— N (C3-C8シク ロアルキル) 2、 t: ドロキシメチル、 - ァシル、 シァノ、 アジ ド、 C,- チ ォアルキル、 - c6 スルフィ エルアルキル、 c!- c6 スルホニル アルキル、 c3- c8 チオシク ロアルキル、 c3- c8 スルフィ ニルシ ク 口アルキル、 c3- c8スルホニルシク ロアルキル、メルカプ ト、 C!-C6 アルコキシ力ルポニル、 c3- c8 シク ロアルコキシ力ルポ ニル、 C2- C4 アルケニル、 -C8シク ロアルケニル、 または C2 - アルキニルであ り ; R5は水素、 ハロゲン、 d- C6ペルフルォロ アルキル、 1, 1ージフルォロ ( - ) アルキル、 -(:6 アル
キル、 一 (CH2) n— N— ピベリ ジニル、 一 (CH2) n— N— ピペラジ ニル、 一 (CH2) n— ピペラジニル [ N4— (C,- C6)アルキル]、 一 (CH2) n— N— ピロ リ ジル、 一 (CH2) n— ピリ ジニル、 — (CH2) n— N—イ ミダゾィル、 一 (CH2) n — N〜モルホリ ノ、 — (CH2) n―、 N-チオモルホリ ノ、 -CH = CH2、 -CH = CH- (C1-C6)、 N—へキサヒ ド ロアゼピン、 — (CH2) n- NH2、 _ (CH2) n- NH ( - C6 アルキル)、 ― (CH2) n— N (C】- C6アルキル) 2、 - 1 —ォキソ ( C C6アルキル)、 力ルポキシ、 ((: )アルキルォキシカルボニル、 N— ( C C6) アルキル力ルバモイル、フエニルまたは置換フエニルであ り 、 こ こで置換フエニルは Z1 V、 Z3または単環式へテロァリ 一 ル基か ら独立して選択される 1 〜 3 個の置換基を有する こ と ができ、 そしてそれぞれの C6アルキル基は- 0H、 - NH2また は - NAB (こ こで Aおよび B は前述の定義を有する) で置換さ れる こ とができ ; R6 は水素または - C6 アルキルであ り ; そ して n は 1 〜 4 、 p は 0 または 1 である ] で示される上皮成 長因子受容体の活性阻害作用を有するキナゾリ ン誘導体、 そ の光学異性体、 その薬学的に許容される塩、 それらの水和物 またはそれらの溶媒和物を有効成分と して含有する ( 1 ) ま たは ( 3 ) または ( 5 ) に記載の予防及び Z又は治療薬、
( 1 1 ) 一般式 (VI)
(CH2)n-X
/
[式中 Xは 所望によ Ό 1 個またはそれ以上の灰素数 1 6 のァルキル基で置換されていて よい、 灰素数 3 7 の シク Pァルキル ある いは ピ U ン一ル環、 ピ リ ン一ル環 またはフ X一ル環 ; <— で ビ U ン一ル環、 ピ リ ジ一ル またはフ ル環は、 所 によ り 八ロゲン、 炭乘数 1 6 のァルキル 灰素数 2 6 のァルケ レ、 灰素数 2 6 のァ ルキ一ル ァン 、 灰素数 1 6 のヒ ド ロキシァルキル 八 πメチル 灰素数 2 7 のァル キシメチ レ、 灰素数 2 7 のァル力 ノ ィ ル才キシメチル 灰素数 1 6 のァルコ キシ 灰索数 1 6 のァルキルチォ ヒ ド、 Dキシ、 ト リ フルォ メ チル シァ ノ 一卜 □ 力ルポキシ 灰系数 2 7 の力ルポ ァル キシ 灰素数 2 7 の力ルポァルキル、 フェ ノ キシ フェ一ル チォフエ ノ キシ . , ベンゾィル、 ベ ンジル ァ ノ 灰素数 1 6 のァルキルァ ミ ノ 、 炭素数 2 1 2 のジァルキ ルァミ ノ 、 フエ二ルァミ ノ 、 ベンジルァ ミ ノ 、 炭素数 1 6 のアルカ ノ ィ ルァ • ノ 、炭素数 3 8 のアルケノ ィ ルァ三ミ ノ 、 灰素数 3 8 のァルキノ ィ ルァ ミ ノ およびべンゾィ ルァ ^ ノ
, か らなる群か ら選択される置換基で 置換、 二置換または三 置換されていても よい ; n は、 0 1 ; Yは、 - N H—、 - 0 -、
- S -または - N R - R は、 炭素数 1 6 のアルキル ; R R
2、 R 3 , および R 4は 、 各々独立して、 水素、 ハ ロゲン、 灰索 数 1 6 のアルキル 、 炭素数 2 6 のァルケニル、 炭素数 2
6 のアルキニル 、 灰素数 2 6 のァルケニルォキシ、 灰索 数 2 6 のアルキ一ルォキシ、 ヒ ド ロキシメチル、 ノ、 口 メチ ル 、 灰素数 1 6 のァルカ ノ ィ ルォキシ、 炭素数 3 8 のァ ルケノ ィルォキシ 、 灰素数 3 8 のアルキノ ィ ルォキシ 、 灰 素数 2 7 のアル力 ノ ィルォキシメチル、 炭素数 4 9 のァ
ルケノ ィ ルォキシメチル、 炭素数 4 〜 9 のアルキノ ィルォキ シメチル 、 灰素数 2 〜 7 のアルコキシメチル、 炭素数 1 〜 6 のアルコキン、 灰系数 1 〜 6 のアルキルチオ、 炭素数 1 〜 6 のアルキルスリレフ ィ ニル、 炭素数 1 〜 6 のアルキルスルホ二 ル、 炭素数 1 〜 6 のアルキルスルホンアミ ド、 炭素数 2 〜 6 のアルケ一ルスルホンアミ ド、 炭素数 2 〜 6 のアルキニルス ルホンァ ド、 ヒ ド 口キシ、 ト リ フルォロ メチル、 シァ ノ 、 ニ ト ロ 、 力ルポキシ、 炭素数 2 〜 7 のカルポアルコ キシ、 炭 素数 2 7 の力ルポアルキル、 フ エ ノ キシ、 フ エニル、 チォ フ エノ キシ 、 ベンジル、 ァミ ノ 、 ヒ ド ロキシァ ミ ノ 、 炭素数
1 〜 4 のァルコ キシァ ミ ノ 、炭素数 1 〜 6 のアルキルァミ ノ 、 炭素数 2 〜 1 2 のジアルキルァ ミ ノ 、 炭素数 1 〜 4 のァ ミ ノ アルキル 、 灰: Λ数 乙 7 の Ν -アルキルアミ ノ アルキル、 炭素 数 3 〜 1 4 の Ν , Ν -ジアルキルア ミ ノ アルキル、 フ エニルァ
5 ノ、 ベンジルアミ ノ 、
R5-CONH(CH2)p- R5、Q S— (C(R6)2){1— CONH(CH2)p-
(R
または 5)2V 0厂O(
R 5 は、 , 炭素数 1 〜 6 のアルキル、 所望によ り 、 1個または それ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいァルキル ; フェ二ル、 あるいは、 所望によ り 、 1 個またはそれ以上のハ ゲン原子、 炭素数 1 〜 6 のアルコキシ基、 ト リ フルォ Πメ チル基 、 アミ ノ基、 ニ ト ロ基、 シァノ基または炭素数 1 〜 6 のァルキル基で置換されていてもよいフエニル ; は 、 水 素 、 灰素数 1〜 6のアルキルまたは炭素数 2〜 6 のァルケ二 ル ; 7は、 ク ロ 口 またはブロモ ; R 8は、 水素、 中- 灰索数 1 〜
6 のァルキル、 炭素数 1〜 6 のァミ ノ アルキル、 灰索数 2〜
9 の Ν -アルキルアミ ノ アルキル、 炭素数 3 〜 1 2 の N , N― ジァルキルアミ ノ アルキル、炭素数 4 ~ 1 2 の Ν -シク Πァル キルアミ ノ アルキル、 炭素数 5〜 1 8 の N -シク ロアルキル- N -アルキルアミ ノ アルキル、炭素数 7〜 1 8 の N, N-ジシク
口アルキルアミ ノ アルキル、モルホリ ノ - N -アルキル (こ こで、 アルキル基は炭素数 1 6 )、 ピペリ ジノ - N -アルキル (こ こ で、 アルキル基は炭素数 1 6 ) N-アルキル-ピベリ ジノ - N-アルキル (こ こで、 各アルキル基は炭素数 1 6 )、 炭素数
3 1 1 の - ァザシク Dアルキル- N -アルキル、 炭素数 1 6 のヒ H Πキシァルキル 、炭素数 2 8 のアルコキシアルキル、 力ルポキシ 、 灰素数 1 6 のカルポアルコキシ、 フエニル、 灰素数 2 7 の力ルポアルキル、 ク ロ口、 フルォロまたはブ
□モ Z は 、 ァミ ノ ヒ ド ロキシ、 炭素数 1 6 のアルコキ シ、アルキルアミ ノ (こ こで、アルキル部分は炭素数 1
ジァルキルアミ ノ (こ こで、各アルキル部分は炭素数 1 6 ) モルホリ ノ、 ピペラジノ、 N -アルキルピペラジノ (こ こで ァルキル部分は炭素数 1 6 ) またはピロ リ ジノ ; m = 1 4
Q = 1 3 および p = 0 3 ; 隣接する炭素原子上に位置す る置換基 R R 2 R 3 または R 4 のいずれかは、 共に、 二価 の基 -0 - C (R 8) 2- O -であ り得る ] (ただし、 Yが- N H -であ
Ό Rい R 2 R 3および R 4 が水素であ り 、 かつ nが 0 のと き、 Xは 2 _メチルフエニルではない)で示される上皮成長因 子受容体の活性阻害作用を有する化合物、 その光学異性体 その薬学的に許容される塩、 それらの水和物またはそれらの 溶媒和物を有効成分と して含有する ( 1 ) または ( 3 ) また は ( 5 ) に記載の予防及び 又は治療薬、
( 1 2 )
[式中 Rl は水酸基、 アミ ノ基、 アルキルアミ ノ基またはフェ ニルァミ ノ基等が好ま し く 、 R2 は水素、 水酸基、 二 □基ま たは t-プチル基等が好ましレ ]で示されるシンナムァ - ド誘 導体、 その光学異性体、 その薬学的に許容される塩 、 それら の水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分とする ( 1 ) ま たは ( 3 ) または ( 5 ) に記載の予防及び Z又は治 薬 、 ( 1 3 ) 一般式 (VIII)
( )
[式中 Rl は水酸基、 アミ ノ基、 低級アルキルアミ ノ基、 アミ ド基、 アルキルアミ ド基、 アルケンスルフィ ン基またはアル ケンォキシァミ ノ基等が好まし く 、 R2はハロゲンまたはァセ チレン基等が好ま しい]で示される ピリ ド ピリ ミ ジン誘導体、 その光学異性体、 その薬学的に許容される塩、 それらの水和 物またはそれらの溶媒和物を有効成分とする( 1 )または( 3 ) または ( 5 ) に記載の予防及び/又は治療薬、
( 1 4 ) 一般式 (K)
[式中 R1及び R2はハロゲンが好ましい]で示されるチ口シン 誘導体、 その光学異性体、 その薬学的に許容される塩 、 それ らの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分とする ( 1 ) または ( 3 ) または ( 5 ) に記載の予防及び Z又は治療薬、
( 1 5 ) 4 - ( 3 —ク ロ ロー 4 一フルォロア二 U ノ) - 7 - メ 卜キシ 6 一 ( 3 —モルフォ リ ノ プロボキシ)キナゾ U ン、 その光学異性体 、 その薬学的に許容される塩、 それらの水和 物またはそれらの溶媒和物を有効成分とする( ] L )または( 3 ) または ( 5 ) に記載の予防及び 又は治療薬、
( 1 6 ) { 4 - ( 3 —ブロモフエニル) ァニリ ノ } 一 6, 7 — ジァミ ノキナゾリ ンその光学異性体、 その薬学的に許容され
る塩、 それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分と する ( 1 ) または ( 3 ) または ( 5 ) に記載の予防及び Z又 は治療薬を提供する。
上記一般式で表される化合物は W096/ 33980、 W096/30347 , W099/ 35 146 , W097/ 38983 , W098/43960記載の方法によ り 製造 する こ とができる。 図面の簡単な説明
第 1 図
上皮成長因子を新生児期に投与したラ ッ ト においてプレパ ルスイ ンヒ ピショ ンが低下する こ とを示した。 第 3 図の為の 対照群。
符号の説明
白棒 ; 健常コ ン ト ロールラ ッ ト ( 9 週齢)、 点入 り棒 ; 認知 行動異常ラ ッ 卜 ( 9週齢)、 有意な変化。
第 2 図
上皮成長因子を新生児期に投与したラ ッ ト においてプレパ ルスイ ンヒ ピショ ンが低下する こ とを示した。 第 4 図の為の 対照群。
符号の説明
白棒 ; 健常コ ン ト ロールラ ッ ト ( 9 週齢)、 点入り棒 ; 認知 行動異常ラ ッ ト ( 9 週齢)、 有意な変化。
第 3 図 上皮成長因子を新生児期に投与したラ ッ 卜にのみで上皮成 長因子受容体の活性阻害剤投与によ り、 プレパルスイ ンヒ ビ ショ ンの低下が改善する こ とを示した。
符号の説明
白棒 ; 生理食塩水を投与した健常コ ン ト ロールラ ッ 卜、 点
入り棒 ; 化合物 A投与した健常コ ン ト 口一ルラ ッ ト、 網掛け 棒 ; 生理食塩水を投与した認知行動異常ラ ッ ト、 黒棒 ; 化合 物 Aを投与した認知行動異常ラ ッ ト、 * ; 有意な変化。
第 4 図 上皮成長因子を新生児期に投与したラ ッ トにのみで上皮成 長因子受容体の活性阻害剤投与によ り 、 驚愕プレパルスイ ン ヒピショ ン異常が改善する こ とを示した。
符号の説明
白棒 ; 生理食塩水を投与した健常コ ン ト 口一ルラ ッ ト、 点 入り棒 ; 化合物 B投与した健常コ ン ト ロールラ ッ ト、 網掛け 棒 ; 生理食塩水を投与した認知行動異常ラ ッ 卜、 黒棒 ; 化合 物 B を投与した認知行動異常ラ ッ 卜、 * ; 有意な変化。
第 5 図
上皮成長因子を新生児期に投与したラ ッ トでラテン トイ ン ヒピショ ンの異常な強化が生じる こ とを示した。 コ ン ト ロー ル動物での条件行動回避率のラテン トイ ンヒ ピショ ン (上の 図)。認知行動異常動物での条件行動回避率のラテン トイ ンヒ ピショ ン (下の図)。
符号の説明
白丸 ; プレコ ンディ ショ ニングあ り の動物、 黒丸 ; プレコ ンディ ショ ニングなしの動物、 * ; 有意な変化。
第 6 図
上皮成長因子受容体の活性阻害剤投与による、 プレコ ンデ イ ショ ニングによる ラテン トイ ンヒ ピショ ン異常の改善効果 を示した。 コ ン ト ロール動物での上皮成長因子受容体活性阻 害剤化合物 Aの効果 (上の図)。 認知行動異常動物での上皮成 長因子受容体活性阻害剤化合物 Aの効果 (下の図)。
符号の説明
白丸 ; 生理食塩水投与された動物、 黒丸 ; 化合物 Aを投 与された動物 □
第 7 図
上皮成長因子受容体の活性阻害剤投与による、 プレコ ンァ ィ シ ョニングによるラテン 卜イ ンヒ ピショ ン異常の改善効果 を示した 。 3 ン 卜 口一ル動物での上皮成長因子受容体活性阻 中剤化合物 B の効果 (上の図) 及び認知行動異常動物での上 皮成長因子受容体活性阻害剤化合物 Bの効果 (下の図)。
符号の説明
丸 ; 生理食塩水投与された動物、 四角 ; 化合物 B を投与 された動物。
第 8 図
上皮成長因子受容体の活性阻害剤投与による、 メタ ンフ X 夕ミ ン誘導性の運動量亢進に対する改善効果を示した。 メ夕
ヽ
ンフエ夕 ノ投与後 1 時間してからの 1 時間あた り の垂直 動量 (上の図)。 1 時間あたり の水平運動量 (下の図)。
符号の説明
白丸 ; 化合物 Aを投与されたコ ン ト ロールラ ッ ト、 黒丸 ; 化合物 Aを投与された認知行動異常ラ ッ ト、 * ; 有意な変化。 第 9 図
P C P を新生児期に投与したラ ッ ト においてプレパルスィ ンヒ ピショ ンが低下する こ とを示した。 図 1 0 の為の薬物投 与前の状況 (対照群)。
符号の説明
白棒 ; 健常コ ン ト ロールラ ッ ト ( 8 週齢)、 黒棒 ; 認知行動 異常ラッ ト ( 8 週齢)、 * ; 有意な変化。
第 1 0 図
P C P を新生児期に投与したラ ッ 卜で上皮成長因子受容体
の活性阻害剤投与によ り 、 8 5 d Bでのプレパルスイ ンヒ ビ ショ ンの低下が改善する こ とを示した
符号の説明
白棒 ; 生理食塩水を投与した健常コ ン 卜 ロ ールラ ッ ト、 黒 棒 ; 化合物 A投与した健常 ン 卜 ロ ールラ ッ 卜 ハ占、ヽ入り棒 ; 生理食塩水を投与した 。' /0行動里党 ッ 卜、 チ ック棒 ; 化 合物 Aを投与した P C 统発性認知行動異常ラ V 、 *; 有意 な変化。 発明を実施するための最 Rの 台
形
上皮成長因子受容体の活性阻害剤は 生理条件下で上皮成 長因子受容体の活性を阻害する薬剤で る。 例えば上皮成長 因子受容体に結合する こ とで U ガン ド と受容体間の結合を阻 害する中和抗体などの リ ガン F中和剤 上皮成長因子の受容 体結合に直接作用する リ ガン 結合阻口剤、 上皮成長因子受 容体のチロシンキナーゼに対する酵素阻害剤などであるがそ れら に限定されるものではない
上皮成長因子受容体のチ口シンキナ ゼ酵素阻害剤として はアルフ ァ シァノ 3 ― ンヒ ド Πキシシンナ ド化合物
( alpha-cyano- (3, 4-dihydroxy -cinnamic acid) の 秀導体力 s 知 られている。 これらの物質は上皮成長因子受容体と リ ガン ドの結合を阻害する、 もし く はチロシンキナーゼ活性を阻害 する こ とで上皮成長因子の活性を阻害する と考え られている
( Ben-Bassat H, et al. ; Curr Pharm Des. 6 :p933-942 (2000) ) 上皮成長因子の受容体活性阻害剤と しては 4 一フエニルァ ミ ノ キナゾリ ン ( duinazol ine) の誘導体が知 られている。 近 年、 肺がんの抗がん剤として 2 0 0 2 年日本で認可されて注
目 さ れているゲフィ ニチブも こ のキナゾ リ ン誘導体である
(Fry, D. W. Ant i-Cancer Drug Des ign 15 ; p.3- 16, (2000) ) 0 そのほかには、 天然のプロモチロシン誘導体である ( +) ァ エロ プイ シニン一 1 (aeroplysinin-1) (Rodriguez-Nieto S, et al. ; FASEB J. 16 : ? 261 -263 (2002) )や A T P類縁体であ る 4 一 [ ( 3 _ フエニル) ァミ ノ ] ピ リ ド ピ リ ミ ジン誘導体 ( Smai 11 J. B. , et al. ; J. Med. Chem. 42; pl 803 ( 1999) ) があ り 、 これらの物質も上皮成長因子受容体のチロシンキナ ーゼ活性を阻害する こ とで上皮成長因子の活性を阻害する と 考え られている。
上記のキナゾリ ン誘導体、 シンナミ ド誘導体、 チロシン誘 導体、 ピ リ ド ピリ ミ ジン誘導体を含め、 特に好適な上皮成長 因子受容体の活性阻害剤の具体例と しては次の化合物および その修飾化合物、 またその製薬学的に許容される酸付加塩類 が挙げられるが、 これらに限定されるわけではない。
[ ( 3 , 4 ージヒ ド ロキシフエニル) メチレン]一プロパン ジニ ト リ ル (Gazit et al., Science 242; p933 ( 1988) ), ( E ) — 2 —シァノ一 3 — ( 3 , 4 —ジヒ ド ロキシフエニル) — 2 —プロべナミ ド (Yaish et al., Sc i ence 242; p933 ( 1988) )、 ( E ) — 2 —シァノ一 3 — ( 3 , 4 —ジヒ ドロキシフエニル) 一 2 —プロペンチォアミ ド(Yaish et al. , Science 242; p 933 (1988) )、 ( E ) 一 2 —シァノー 3 — { 3 , 4 —ジヒ ドロキシ フ エ二ルー N — (フ エニルメ チル) } 一 2 — プロペナミ ド (Gazit et al. , J. Med. Chem. 34; pl 896 ( 1991) )、 ( E ) 一 2 —シァノ一 3 — ( 3 , 4 ージヒ ドロキシフエニル) 一 N— フエ二ルー 2 —プロペナミ ド (Gazit et al. , J. Med. Chem. 34; p 1896 (1991) )、 ( E ) 一 2 —シァノー 3 — ( 3 , 4 —ジ
ヒ ド ロキシフエニル) 一 N — ( 3 — フエニルプロ ピル) 一 2 一 プロ ペ ナ ミ ド ( Gazit et al. , J. Med. Chem. 34: 1896 (1991) )、 ( E ) 一 2 — シァ ノ ー 3 — ( 3 , 4 ー ジヒ ド ロキシ フ エニル) 一 N — ( 3 — フ エニルブチル) — 2 — プロべナミ ド (Gazit et al. , J. Med. Chem. 34; pl 896 ( 1991 ) )、 ( E ) 一 2 — シァ ノ ー 3 — ( 3 , 4 ー ジヒ ド ロキシフ エニル) 一 N 一 ( 1 一フ エニルェチル) 一 2 一プロペナミ ド (Gazit et al. , J. Med. Chem. 34; pl 896 (1991) )、 ( E ) ― ( R ) 一 2 — シァ ノ 一 3 — ( 3 , 4 — ジヒ ド ロキシフエニル) 一 N— ( 1 — フ ェ ニ ル ェ チ ル ) 一 2 — プ ロ ペ ナ ミ ド ( Gazit et al. , J. Med. Chem. 34; pl 896 (1991) )、 N - ( 3 — ク ロ 口 フエニル) - 6 , 7 — ジメ 卜キシー 4 —キナゾリ ン(Levitzki and Gazit, Science 267 ; pl 783 (1995) )、 4 — ( 3 — プロモア二リ ノ) 一 6 , 7 — ジメ トキシキナゾリ ン (Fry et al Science 265; pl 093 ( 1994) )、 4 — ( 3 — ク ロ ロー 4 — フルォロア二リ ノ ) — 7 — メ ト キシ一 6 — ( 3 —モルフ ォ リ ノ プロボキシ) キナ ゾリ ン ( Gibson, K. H. e t al. ; B ioorganic Med. Chem. Lett. 7; p 2723 (1997) )、 { 4 - ( 3 — プロモフ エ二ル) ァニリ ノ } 一 6 , 7 — ジァ ミ ノ キナゾリ ン (Rewcas tie, G. W. et al. J. Med. Chem. 39; p918 (1996) )、 { 8 - ( 3 —ブロモフエニル) ア ミ ノ } 一 3 — メチル一 3 Hイ ミ ダゾ [ 4 , 5 ガンマ ] ーキ ナゾリ ン (Rewcastle, G. W. et al. J. Med. Chem. 39; p918 ( 1996) )、 { 8 — ( 3 — ブロモフ エニル) アミ ノ } 一 1 H—ィ ミ ダゾ [ 4 , 5 ガンマ ] 一キナゾリ ン (Rewcas t le, G. W. et al. J. Med. Chem. 39; p 918 (1996) )、 { 4 - ( 3 — ブロモフ エ二 ル) アミ ノ } 一 6 , 7 — ジェ トキシキナゾリ ン (Bridges, A. J. et al. J. Med. Chem. 39; p 267 ( 1996) )、 { 4 - ( 3 — プロ
モフ エ二ル) アミ ノ } 一 6 —ァク リ リレアミ ドキナゾリ ン ( F ry, D. W. et al. , Pro Nat 1. Acad. Sci. USA 95 ; pl 2022 (1998) )、 { 4 - ( 3 — ブロモフエニル) ア ミ ノ } 一 6 — プロ ピオニル アミ ドキナゾリ ン(Fry, D. W. et al. , Proc. Nat 1. Acad. Sci. USA 95; pl 2022 (1998) ) 、 ( + ) ァ エ ロ プ リ シ ニ ン ( (+ ) -Aeroplys inin-1) C9H9Br2N03 (Koulman, A. et al. J. Nat. Prod. 59; p 591 (1996) )、 4 一 [( 3 —ブロモフエニル) ァミ ノ ] ― { 6 — メ チルァミ ノ 一 ピ リ ド } [ 4, 5 - e] ピ リ ミ ジン (Cunnick, J. M. et al. J. Biol. Chem. 273, pl4468 (1998) )、 4 - [( 3 — ク ロ 口 フ エニル) ァミ ノ ] 一 { 5 、 6 — ジメチル一パイ ロ ロ [3, 4— e] } ピ リ ミ ジン ( Traxler, P. M. et al. , J. Med. Chem 39; p2285 ( 1996) )、 4 一 [( 3 — ブロモフ エニル) ァミ ノ ] 一 { 6 — ク ロ 口 プロぺォニルー ピ リ ド } [ 4 , 5 — e] ピ リ ミ ジン ( Smaill、 J. B. et al. , J. Med. Chem. 43 : p 3199 (2000) )、 4 — [( 3 — ブロモフ エニル) ァ ミ ノ ] 一 { 6 —エチレンスルフィ ノ 一 ピ リ ド } [ 4 , 5 — e] ピ リ ミ ジン ( Smai i 1、 J. B. e t al. , J. Med. Chem. 43: p3199 (2000) )、アルフ ァ シァノ 一べ一夕ハイ ド 口キシーベータ メチ ル ー N— ( 2 , 5 — ジ ブ ロ モ フ エ ニル) プ ロ ペ ン ア ミ ド (Ma aj an, S. , et al. J. Biol. Chem. 274; p 9587 (2000) ) ,
15 —ア ミ ノ ー { ( N— 2 , 5 — ジヒ ド ロキシベンジル) 一 N
' _ 2 — ヒ ド ロキシベンジル } サリ サイ リ ッ ク酸 ; L a v e n d u s i n A ( Hu, D. E. and Fan, T. P. , Br. J.
Pharmacol. 114; p262 (1995) )。
上皮成長因子受容体の活性阻害剤が精神疾患の治療に有効 であるかを証明するためには、 精神疾患の動物モデルに上記 化合物を投与する こ とによ り 、 当該モデルの精神疾患症状が
改善される こ とを示せば良い。 - 精神疾患統合失調症 /認知障害の動物モデルと しては例え ば丁ィ ゾシルピン ( ΜΚ -801) 誘発運動亢進モデル、 アポモル ヒネ 発プレパルスィ ンヒ ビシヨ ン異吊モデルがあるがこれ ら に限定されるわけではない 。 ディ ゾシルピン (MK- 801) 発 動九迪モデルにおいては精神疾串症状と して運動量の 進が め られる の動物に上皮成長因子受容体の活性阻害 剤を投与する こ とに り、 運動量の 進が抑制されれば、 上 皮成長因子受容体の活性阻害剤が精神疾患の治療において有 効でめる こ とを示す とが出来る。
上皮成長因子受容体の活性阻害剤を精神病の予防 · 治療剤 と して使用する場合、 常套手段に従つて製剤化し、 経 □的ま たは非経 □的に投与する とができる。 例えば 、 錠剤 力プ セル剤 ェリ キシル剤 マィ ク 口力プセル剤 ι 性溶液 懸濁液剤などとする こ とができる このよ に して■ί られる 製剤は安全で低毒性であるので 例えば、 ヒ 卜 または 血動 物 (例えば 、 マウス、 ラッ など ) に対して投与する とが できる 該化合物またはその塩の投与量は 例えば経 P投与 する場 該化合物の 1 回投与虽は投与対象 対象疾 など によつて 異なるが、 一般的に成人 (体重 6 0 k g として ) においては、 一日 につき該化合物を約 0. 1 1 0 0 0 m g 好まし く は約 1 . 0 5 0 0 m g、 よ り好まし く は約 5 0 2 0 0 m g投与する。 非経口的に投与する場合は、 該化合物 の 1 回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形で通常成人 ( 6 0 k g と して) に投与す る場合、一日 につき該化合物を約 0 . 0 1 3 0 O m g程度、 好まし く は約 0 . 1 2 0 O m g程度、よ り好ま し く は約 0 . 1 1 0 m g程度を静脈注射によ り投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 6 O k g 当たり に換算した量を投与
する こ とがでさる
本発明の治療薬を経口的に投与する代わ り に 直接脳内に 投与する事も可能である。 脳内直接投与では 上皮成長因子 受容体の活性阻ま剤の作用が脳内に限局されるため れま での抗癌治療でみられたよう な全身性の副作用は回避でぎる と ともに 脳血液関門の通過能を考慮せずに投薬 治療が実 施できる 脳内への直接投与には、 ニポンプを用いた脳室 内投与や脳脊髄液中への注射等が用い られる たとえば 人 の脳重を換算して上皮成長因子受容体親和性 K i = 2 5 P M を有する { 4 ( 3 一ブロモフ 二ル) ァニ V ノ } ― 6 7
―ジァ ノキすゾ U ン ( P D 1 5 3 0 •3 5 ) の場ムには 1 曰 あた 0 5 m g以上の投与が望ましい 実施例
以下に本発明を実施例で具体的に説明するが、 れはその 代表例を示すものであって、 本発明はこの実施例に限定され る ものではない。
実施例 1
特願 2000- 3 09042 記載の方法にしたがって 、 上皮成長因子 を新生児ラ ッ 卜 の皮下投与する こ とで、 統合失調症患 ¾ に見 られるのと同じ認知行動異常を呈する動物を作製した。 の モデル動物を用い、 統合失調症患者ででも共通に測定できる テス 卜で各種認知行動能力を評価した(椎木康之、林本敏彦 分子精神医学 1 ; ρ 3 6 9 — 3 9 9 ( 2 0 0 1 ) )
この上皮成長因子投与モデル動物は測定する こ とができる いく つかの特徴を示す、 たとえばプレパルスィ ンヒ ビシ 3 ン で検查できるゲーティ ングの異常、 ソーシャルイ ン夕 ラク シ ョ ンテス ト等で検査できる社会性行動の低下 、 ラテン 卜ィ ン
ヒピショ ンテス トで検査できる記憶固執性の変化、 ヮーキン グ メ モ リ ー の 低下 で あ る ( Futamura, T. et al. , Soc. Neurosc i. Abstr. 32; セッ ショ ン 291. 1( 2 0 0 2 )、 Sotoyama, H. , et al. , Soc. Neurosci. Abstr. 32; セッ ショ ン 496. 20 ( 2 0 0 2 ))。
この認知行動異常動物を用いて、 上皮成長因子受容体の活 性阻害剤がこれらの認知行動異常性を改善に役立つかどう か を明らかにするため、 以下の実験を行った。
(実験 1 ) プレパルスイ ンヒ ピショ ン異常の上皮成長因子受 容体の活性阻害剤投与による改善効果
SD ラ ッ ト (日本 SLC) を使用 した。 組み替え上皮成長因子 (ヒゲ夕醤油社) 及びコ ン ト ロールと してのチ トク ローム - C ( S i gma 社製) を生理食塩水に溶解させて用いた。 ラ ッ ト に 生後 2 日 目よ り 1 日おきに計 5 回 (生後 10 日 まで), 頸部に 体重 lg 当た り 1 . 7 5 マイ ク ログラムの上記試薬を皮下投与 した。
生後 3 週 よ り 小 動 物 驚 愕 反 応 測 定 装 置 ( San Diego Instruments)にて驚愕反応強度およびプレパルスィ ンヒビシ ヨ ンを測定した。 驚愕反応を誘発する感覚刺激として, 音刺 激 ( 1 2 0 d B) を用い, プレパルス刺激と して環境騒音 (バ ッ クグラウン ド ノイズ) レベルよ り 5、 1 0 または 1 5 デシ ベル高い音圧の刺激 ( 7 5 、 8 0 、 8 5 d B) を用いた。 その 100 ミ リ セコ ン ド後に, 音圧が 120 デシベルのパルス刺激を 与えた。 120 dB単独の時の驚愕反応とプレパルスを組み合わ せた時の反応比をプレパルスイ ンヒピショ ン ( P P I ) と した。 この PP I は統合失調症患者で低下する こ とが知 られている ( Geyer, M. A. et a 1. P sychop armaco 1 ogy (Ber 1) , 156:
Pll7- 154 (2001) ) o 測定した生後 8 週について、 上皮成長因 子投与群は AN0VA検定で P P I の低下 (P〈0.05 N= 5 ) を示 した (第 1 図、 第 2 図)。
上皮成長因子も しく はチロク ローム c (コ ン ト ロール) の 乳幼児投与が施された SD ラ ッ ト (日本 SLC) 生後 5 6 — 6 6 日齢を使用 した。 { 4 一 ( 3 —ブロモフエニル) ァニリ ノ ) 一
6 , 7 -ジァ ノキナゾリ ン (以下化合物 Aと略記する) 及 び 4 一 ( 3 一ク □ Π一 4 一フルォロアニリ ノ ) ― 7 -メ 卜キ シ一 6 — ( 3 ―モルフ ォ リ ノ プロボキシ) キナゾ U ン (以下 化合物 B と略記する ) は D M S Oに溶解し 生理 水で 1
0倍に希釈して用いた。 コ ン ト ロールには 1ロ]濃度の D M S O の生理食塩水溶液を使用 した。
麻酔をかけたラ ッ 卜の頭蓋骨のブレダマか ら 0 . 3 m m刖 方、 1 . 2 m m側方に歯科用 ド リ ルで穴をあけ 深さ 4 . 5 m mの 置に 2 8 ゲ一ジのカニューレを埋め込み 、 歯科用セ メ ン ト等を用 いて固定した。 力二ュ一レの顺に ブラスチッ クチューブを /|¾し 、 浸透圧ポンプ ( 2 5 0 マィ ク 口 U ッ夕 一容量 (Alzet モデル 2 0 0 2 , Alza社製 ; 14 日間持続投与) に連結させ、そのポンプを、ラ ッ 卜の背中の皮下に挿入した。 なお、 浸透圧ポンプに、 あ らかじめ化合物 Aも し く は化合物 B ( 1 ミ リ グラム/ m 1 ) または、 同濃度の D M S O溶液で充 填しておいた。 頭皮を縫合後、 手術用ク リ ッ プで留めて外科 手術か らの回復を待った。
投与開始後 7 日 に小動物驚愕反応測定装置 ( San Diego Instruments)にて 8 5 d Bのプレパルス音の条件でプレパル スイ ンヒ ピショ ンを測定した。 その結果、 上皮成長因子受容 体の活性阻害剤である化合物 A及び化合物 B を脳室内に投与 した認知行動異常動物群では、 溶媒のみ投与した動物群に比 ベ、 プレパルスイ ンヒピショ ンの低下が有意に改善し (化合
物 A ; P = 0. 011、 N = 5、 化合物 B ; P = 0. 032 , N = 5)、 コ ン ト ロー ル動物のプレパルスィ ンヒ ピショ ンの程度と有意な差が見ら れなく なった (化合物 A ; P = 0. 87、 N = 5、 化合物 B ; P = 0. 54、
N = 5) (第 3 図、 第 4 図)。 なお 、 健常コ ン ト Π一ルフ ッ 卜への 化合物 Α及び化合物 Βの投薬はプレパルスィ ンヒビシヨ ンに 影響を与えなかっ た。 この結果は、 統合失調症などの精神病 に見られるプレパルスイ ンヒ ピショ ンに代表される知覚 ゲー ト反応の障害の改善 れら上皮成長因子受容体の活 性阻害剤が有効である こ とを示している。
実施例 2
(実験 2 ) ラテン トイ ンヒ ピショ ン異常の上皮成長因子受容 体の活性阻害剤投与による改善効果
実施例 1 の記載の方法で、 ラ ッ ト に上皮成長因子を投与し て認知行動異常を呈するモデル動物を得た。 テス ト時 ( 6 — 8 週齢) のラ ッ ト に 2方向条件回避行動装置 (室町機械) を 使って、 「 8 0 d B の音、 および光の点滅を条件刺激と し、 電 気ショ ッ ク ( 0. 6 mA、 10秒) 非条件刺激としてラ ッ ト に、 隣 の部屋に移動する という課題を学習させた。 連続してこの課 題を 1 0 — 5 0秒間隔(ラ ンダム)に 10 回の 6 セッ ショ ン(計 6 0 回) 繰り返し、 条件刺激に対するその正解反応率を持つ て学習能力を判定した。
実施例 1 記載の認知行動異常ラ ッ トは、 この学習課題その ものでは正常な学習能力を示した (第 5 図上 ; 黒丸)。 これは 文献 ( Fu t amura, T. e t al. , Soc. Neurosc i. Abs t r. 32; セ ッ シヨ ン 291. 1 ( 2 0 0 2 ))及び文献(Sotoyama, H. , et al. , Soc. Neurosci. Abstr. 32; セッ ショ ン 496. 20 ( 2 0 0 2 )) で報告の通り である。
しかし、 あ らかじめ このテス ト学習課題の前に、 電気ショ
ッ ク を与えない条件で、 コ ン ト ロールラッ トに条件刺激であ る音と光を与えてお く と (プレコ ンディ ショ ニング)、 その後 に実施した条件回避行動の学習が阻害された (第 5 図上 ; 白 丸)。 これが前学習によ り後の認知学習が阻害される効果、 い わゆ る ラテン トイ ン ヒ ピシ ョ ンであ る ( Russig H. et al. Neuropsychopharmacology 26: p765-777 (2002) )。
一方、 このプレコ ンディ ショ ニングを、 実施例 1 記載の認 知行動異常ラ ッ ト に実施した場合、 コ ン ト ロール動物に比べ よ り強く 、 類似の新規課題に対する条件回避行動の学習が阻 害され、 この認知行動異常ラ ッ トでは第 2 セッ ショ ン以降で 2 5 %を上回る強い条件回避率の低下が生じた (第 5 図下 ; 白丸)。一般にこれは動物の病的な固執性に由来する と考え ら れる。 このような固執性は幻覚誘発剤であるコカイ ンなどで も弓 Iき起こされる(Murphy, C. A. et al. Be av Pharmacol. 12: P13-23 (2001) )。
上皮成長因子受容体の活性阻害剤化合物 A及び化合物 B を 実施例 1 記載の認知行動異常ラ ッ ト、 も し く は健常コ ン ト 口 一ルラ ッ 卜 に実施例 1 にある方法で投薬した。 健常コ ン ト 口 一ルラ ッ 卜、 実施例 1 記載の認知行動異常ラ ッ 卜、 ともに条 件回避行動の学習が改善された (第 6 図、 第 7 図)。 特に、 条 件回避行動の学習における ラテン トイ ンヒ ピショ ンが強く か かっていたこの認知行動異常ラ ッ ト において、 上皮成長因子 受容体の活性阻害剤の効果はよ り顕著であ り(第 6 図下黒丸、 第 7 図下黒四角)、正常コ ン ト ロールの学習能に匹敵する レべ ルに改善していた (第 6 図上白丸、 第 7 図上白四角)。
結果、 化合物 A及び化合物 Bの投薬によ り、 当初認知行動 異常ラッ 卜で見られたラテン トイ ンヒ ピショ ン異常な増強が
改善される こ とが判明した (化合物 A ; P = 0. 0 1 8、 N = 5、 化合 物 B ; P = 0. 0 4 K N = 5 ) (第 6 図、 第 7 図)。 この結果は、 統合 失調症などの精神病患者に見られるよ う な認知学習障害の改 善に、 上皮成長因子受容体の活性阻害剤が有効である こ とを 示している。
実施例 3
(実験 3 ) メタ ンフェタミ ン誘発運動量亢進に対する上皮成 長因子受容体の活性阻害剤投与による改善効果
実施例 1 記載の方法で、 新生児ラ ッ ト に上皮成長因子を投 与して認知行動異常を呈するモデル動物を得た。 投与終了後 約 6 週間後に、 この認知行動異常ラ ッ ト と健常コ ン ト ロール ラッ トに覚せい剤であるメタ ンフェタミ ン ( 2 m g /K g体重) を 5 日間、毎日連続投与し、覚せい剤精神病状態を再現した。 メタ ンフェタ ミ ン投与後 1 時間の時点で、 ドーパミ ン機能と 関連性のある といわれる運動量テス トを 1 日、 3 日、 5 日 目に 行い、 メタ ンフェタミ ンの薬効を評価した。 新規環境の約 5
0 c m四方の箱にラ ッ ト をいれた後、 その運動量を 6 0 分間 ビデオテープとそれに連動した行動量解析システム (メ ッ ド ァソ シェ一ッ社) を用い、 総垂直運動量 (第 8 図上) と総水 平運動量 (第 8 図下) を数値化した。
実施例 1 に記載の方法で上皮成長因子受容体の活性阻害剤 化合物 Aを健常コ ン ト ロールラ ッ ト に脳室内投与しても顕著 な効果がなかった。 メタ ンフェタミ ンを投薬するにしたがい 垂直行動量、水平運動量ともに 日増しに増加し、逆耐性現象、 いわゆる覚せい剤中毒症状が出現した (白丸)。 しかし、 実施 例 1 の方法で化合物 Aをこの認知行動異常ラ ッ トに投薬する と、 慢性メタ ンフェタ ミ ン誘発性の異常運動量増加 (逆耐性 現象) が阻害された (黒丸) (水平運動量 Ρ = 0. 0 Π ; 垂直行
動里 =0. 022、 N = 5; T検定)。 この結果は、 精神病患者に見 られる行為障害の改善に上皮成長因子受容体の活性阻害剤が 有効である こ とを示している。
実施例 4
C W a n g らの方法の変法によ り 、 N M D A受容体の阻 害剤である フェンサイ ク リ ジン ( P C P ) を新生児ラ ッ 卜の 皮下連続投与する こ とで、 統合失調症 丄、老に見られるのと同 じ認知行動異常を呈する動物を作製した ( Wang et al. ,
Neuroscience 107, 535-550, 2001)。 このモデル動物を用い、 統合失調症患者ででも共通に測定できるテス 卜で各種 知行 動能力を評価した (椎木康之、 森本敏彦、 分子精神医学 1 ;
P 3 6 9 - 3 9 9 ( 2 0 0 1 ))。
この P CP投与モデル動物は測定する こ とができるい <つかの 特徵を示す、 たとえばプレパルスィ ン七ピショ ンで検査でき るゲ一ティ ングの異常、 ソーシャルイ ンタ ラク シ 3 ンテス 卜 等で検查できる社会性行動の低下、 運動量の上昇であ り 、 従 来よ り統合失調症のモデル動物である と位置づけられている
( J. Samba et al. , Synapse 40, 11- 18, 2001 ) 0
この統合失調症のモデル動物を用いて、 上皮成長因子受容体 の活性阻害剤が、 他の統合失調症モデルにも、 一 又性を ¾ つ て有効かどうかを明 らかにするため、 以下の実験を行 た。
(実験 4 ) プレパルスイ ンヒ ピショ ン異常の上皮成長因子受 容体の活性阻害剤投与による改善効果
、、、
SD ラ ッ ト (日本 SLC) を使用 した。 フェンサイ ク ンン及 びコ ン ト ロールとしての生理食塩水を用いた。 ラ ッ 卜に生後
2 日 目よ り 1 日おきに計 7 回 (生後 14 日 まで), 頸部に体重 当た り 1 0 マイ ク ログラムの上記試薬を皮下投与した。 生 後 3 週 よ り 小 動 物 驚 愕 反 応 測 定 装 置 ( San Diego I n s t rumen t s )にて驚愕反応強度およびプレパルスィ ンヒ ピシ
ヨ ンを測定した。 驚愕反応を誘発する感覚刺激として, 音刺 激 ( 1 2 0 d B) を用い, プレパルス刺激として環境騒音 (バ ッ クグラウン ド ノイズ) レベルよ り 5、 1 0 または 1 5 デシ ベル高い音圧の刺激 ( 7 5 、 8 0 、 8 5 d B) を用いた。 その 100 ミ リセコ ン ド後に, 音圧が 120 デシベルのパルス刺激を 与えた。 120 dB単独の時の驚愕反応とプレパルスを組み合わ せた時の反応比をプレパルスィ ンヒピショ ン ( P P I ) と した。 この PP I は統合失調症患者で低下する こ とが知 られている ( Geyer, M. A. e t al. Psychopharmacology (Ber 1) , 156: P 117- 154 (2001) )0 測定した生後 8 週について、 P C P投与 群は 、 Π ン ト ロールラ ッ 卜 に比べて AN0VA検定で P P I の低 下 (P<0. 05、 N= 5 ) を示した (図 9 )。
P C P も し く はチロク ローム c (コ ン ト ロール) の新生仔 投与が施された SD ラ ッ ト (日本 SLC) 生後 5 6 — 6 6 日齢を 使用 した 。 { 4 一 ( 3 —ブロモフエニル) ァニリ ノ } ― 6 , 7 一ジァ ノキナゾリ ン ( P D 1 5 3 0 3 5 ; ィ匕合物 A ) は D
M S oに溶解し、 生理食塩水で 1 0倍に希釈して用いた。 コ ン h Π一ルには同濃度の D M S Oの生理食塩水溶液を使用 し た
麻酔をかけたラ ッ 卜の頭蓋骨のブレグマ力 ^ら 0 . 3 m m刖 方 、 1 . 2 m m側方に歯科用 ド リ ルで穴をあけ、 深さ 4 . 5 m mの位置に 2 8 ゲージの力二ユ ーレを埋め込み 、 歯科用セ メ ン 卜等を用いて固定した。 力ニュ一レの端に、 プラスチッ クチューブを接続し、 浸透圧ポンプ ( 2 5 0 マイ ク ロ リ ツ夕 容 ( A 1 z e t モデル 2 0 0 2 , Alza 社製 ; 1 4 日間持続投 与 ) に連結させ、 そのポンプを 、 ラ ッ の背中の皮下に挿入 した □ なお、 浸透圧ポンプに、 あ らかじめ化合物 A ( 1 ミ リ グラム /m 1 ) または、 同濃度の D M S 〇溶液で充填しておい た 頭皮を縫合後、 手術用ク リ ッ フで留めて外科手術か らの
回復を待った。
投与開始後 7 日 に小動物驚愕反応測定装置 ( San Diego Ins t rumen ts)にて 8 5 d Bのプレパルス音の条件でプレパル スイ ンヒピショ ンを測定した。 その結果、 上皮成長因子受容 体の活性阻害剤である化合物 Aを脳室内に投与した P C P誘 発性認知行動異常動物群では、 その化合物 A投与前の状態に 比べ、 プレパルスイ ンヒ ピシ ョ ンの低下が有意に改善した
(P = 0.011 N = 5) (図 1 0 ) なお、 健常 ン 卜 口一ルラ V 卜 への化合物 Aの投薬はプレパルスィ ンヒ ビシ ンに影響を与 えなかった。 この結果は、 単に上皮成長因子の新生仔投与モ デルだけではなく 、 よ り一 性をも て 統 a失調症などの 精神病患者に見られるプレパルスィ ンヒ ビシ a ンに代表され る知覚ゲー 卜反応の障害の改 に、 れら上皮成長因子受容 体の活性阻害剤が有効である とを示している 産業上の利用可能性
本発明は、 上皮成長因子受容体の活性を阻 等する こ とに よ り統合失調症等の症状を改釜する とを明 らかにし、 新た な統合失調症等の予防又は治療薬を提供する とによ り 統 合失調症治療のために有用である なお、 本出願は、 特願 2 0 0 3 一 3 4 3 9 6 号を優先権主 張して出願されたものである。