WO2004056175A1

WO2004056175A1 - 床敷および小動物飼育ケージ

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Publication number: WO2004056175A1
Application number: PCT/JP2003/016372
Authority: WO
Inventors: Takamasa Iwaki; Takao Nishimura
Original assignee: GLOBE Inc
Current assignee: GLOBE Inc
Priority date: 2002-12-20
Filing date: 2003-12-19
Publication date: 2004-07-08
Anticipated expiration: 2005-06-20
Also published as: EP1574129B1; ATE487375T1; EP1574129A1; DE60334927D1; US20060144342A1; AU2003289459A1; EP1574129A4; KR20050084408A

Abstract

　小動物を衛生的に飼育でき、小動物を繁殖させる場合でも、特別に繁殖用床敷を補充する必要のない床敷および小動物飼育ケージを提供する。　小動物飼育ケージを構成する飼育箱の床上に、床敷を敷設する。床敷は、保温性および柔軟性を備えたシート状であり、少なくとも小動物の胴体部を包むことができる大きさを備え、飼育箱の床上に、小動物の少なくとも半身が隠れる大きさの襞が形成されるように敷設される。小動物は、シート状の床敷が曲がりくねって重なり合って形成される襞を利用して、光や風を避ける寝床や排泄場所、出産保育場所などを確保する。シート状床敷は、好ましくは吸水性と臭気除去性とをも備え、悪臭の発生を抑制する。

Description

明細書床敷おょぴ小動物飼育ケージ技術分野

本発明は、マウス、ラットなどの小動物を飼育ケージ内で飼育する際に使用される床敷、および、これらの小動物を飼育するための小動物飼. 育ケージに関する。背景技術

従来から、リス、ハムスター、ラット、マウス、ゥサギなどのぺット用または実験用の小動物は、小動物飼育ケージに収容され、飼育されている。小動物飼育ケージには、給餌器および吸水器が備えられ、小動物は、小動物飼育ケージ内で食餌および排泄する。小動物飼育ケージは、プラスチックもしくは金属製の板もしくは網などで形成された床を備え、この床上には、床敷が敷設される。この床敷は、小動物が排泄した粪尿を吸収保持するための排泄物処理材として機能するほか、小動物は、この床敷を寝床材として利用する。

上記床敷としては、従来、木材チップ、紙チップ、トウモロコシ軸粉砕物、不織布再生品などが市販され、使用されてきた。これらの床敷の中では、おがくずまたは木もしくは紙製のチップが多く使用されている。しかし、おがくずやチップは、小動物の排泄物を吸収するものの、ァンモニァなどの臭気物質を除去する臭気除去性を有さない。このため、悪臭の発生を防止するためには、床敷を頻繁に交換する必要があり、交換頻度を少なくすると悪臭の発生を招くという問題がある。また、おがくずやチップは、大きさが 1〜2 c m四方またはそれ未満の細片の集'合体であり、粉塵を発生しやすい。

こうした問題に対し、悪臭の発生を抑制することができる床敷として、金属を担持させたセルロース材料からなる床敷が提案されている（特開 200 2— 20 94 6 5号公報）。この床敷は、硫化水素やアンモニァなどの臭気物質と結合する金属を、セルロース繊維に担持させることにより得られた金属担持セルロースを材料とする。このため、小動物の排泄物に由来するアンモニアなどの臭気物質は、セルロースに担持されている金属と結合し、悪臭が抑制される。

また、上記の床敷の形状は、一辺が数 cm程度の綿物、または小片であり、小動物飼育ケージの床全面を覆うように、多数の綿状物または小片が小動物飼育ケージ内に敷設される。このため、小動物飼育ケージ内に敷設された多数の綿状物全体としては、表面積も大きく、尿を効率. よく吸収することができる。さらに、床敷をある程度の厚さで敷設した場合には、小動物が床敷を寝床材または巣材として利用することができ、小動物飼育ケージ内に巣箱を設けることなく、小動物を繁殖させることもできる。

しかし、前記床敷は、一辺の大きさがせいぜい数 c m程度の小さな物体であるため、小動物が小動物飼育ケージ内を動き回ることにより、糞尿が付着した床敷が小動物飼育ケージの床全体に拡散され、排泄場所以外に敷設されていた床敷にまで糞尿が付着し、飼育環境の悪化を招く。また、小動物飼育ケージ内で、床敷を巣材として小動物を繁殖させる場合、床敷を補充するか、他の床敷を供給する必要がある。特に、小動物飼育ケージが設置される場所において、空調が行なわれている場合、小動物飼育ケージ内に空調機器からの風が入り込むことから、仔獣の体温低下を防ぐためには十分な量の床敷を敷設する必要がある。さらに、 I LAR ( I n s t i t u t e o f A n l m a 1 R e s o u r c e s ) の動物実験に関する指針によれば、床敷は毎日、あるいは週単位で新品と交換することが推奨されているが、前記床敷は再利用できないため、床敷の購入、処分費用が多くなるほか、環境対策上も好ましくない

発明の開示

本発明は、上記課題に対し、小動物を衛生的に飼育でき、小動物を繁殖させる場合に床敷を補充する必要がない床敷おょぴ小動物飼育ケージを提供することを目的とする。

本発明は、上記のような課題に対し、複数の小さな物体の集合体ではなく、一辺の長さが少なくとも 1 0 c m程度以上のシート状の柔らかな床敷が小動物の飼育、特に小動物を繁殖させるための飼育に適していることを見出し、完成されたものである。また、前記シート状の柔らかな床敷が糞尿に対する臭気除去機能を備えると好適であり、更には、その敷設形態も、小動物の飼育環境に大きく左右することも見出し、本発明を完成させたものである。

具体的には、本発明は、以下を提供する。

( 1 ) 小動物を収容して飼育する小動物飼育ケージに敷設される床敷であって、前記床敷は、前記小動物の体温を保持しうる程度の保温性と、前記小動物の身体を包むことができる程度の柔軟性と、少なくとも前記小動物の胴体部全体を覆う大きさと、を備えたシートであることを特徴とする床敷。

( 1 ) 記載の発明によれば、小動物飼育ケージに敷設される床敷は、' 飼育対象の小動物が寝床でうずくまった場合、小動物の全身をくるむことができる大きさのシート状の床敷であり、小動物が小動物飼育ケージ内を動き回っても、床敷は動かされがたい。このため、床敷が広範囲に動かされることにより、糞尿が小動物飼育ケージ床全面に拡散することを防止し、飼育環境の悪化を防止できる。

また、前記シート状の床敷は、小動物をくるんでその体温を保持することができる程度の保温性と柔軟性とを備え、小動物は前記床敷に包まることによって、体温を保持することができる。このため、小動物を繁殖させる場合、小動物飼育ケージに巣箱や繁殖用床敷を入れなくても、小動物の親獣または子獣は、床敷にくるまって体温を保持でき、特に、空調機器から吹き出される風を避けられる。また、床敷にくるまった小動物は、暗所に隠れる安心感を得るため、小動物のストレスを低減でき、これにより、繁殖力を高めることもできる。

さらに、前記床敷は、シート状であるため、おがくずやチップで構成される床敷と比べ、粉塵の発生が極めて少なく、誕生直後の無毛の子獣の体表に付着しがたい。このため、親獣が、異物である床敷が付着した子獣を食い殺す食殺を防ぐことができる。また、前記床敷は、柔軟に折れ曲がり、小動物の身体を包むことができる程度の柔軟性を備えたシート状であり、小動物飼育ケージ内で自由に折れ曲がって襞を形成する。このため、小動物の糞は、この襞に捕捉され、小動物が動き回っても小動物飼育ケージ床全体に拡散することが防止される。

上記のような床敷としては、 1辺の長さが少なくとも 1 0 c m四方程度の布が好適に用いられる。また、紙、または、保温性を付与するための表面加工がされたビニールシートなどを用いることもできる。

( 2 ) 前記床敷は、少なくとも前記小動物の胴体部および頭部を覆う大きさを備えたものであることを特徴とする（1 ) 記載の床敷。

床敷は、少なくとも小動物の胴体部を覆う大きさがあればよいが、十分な余裕を持って小動物を包むことができることが好ましく、胴体部のみならず、頭部まで覆うことができる大きさであれば、小動物がうずくまった状態のとき、小動物はほぼ全身を床敷で隠すことができる。このため、小動物は尻尾を除いてほぼ全身に渡り、光およぴ風を避けることができ、快適な生活環境を得ることができる。

( 3 ) 前記床敷は、..さらに、吸水性と臭気除去性とを備えるものであることを特徴とする（1 ) または（2 ) 記載の床敷。

( 3 ) 記載の発明によれば、床敷は、保温性と柔軟性に加え、吸水性と臭気除去性とをも備えるため、小動物の糞尿の水分を吸収し、さらに、糞尿由来の悪臭を除去できる。このため、小動物飼育ケージ内は、長期に渡って悪臭を発生しない衛生的な環境が保たれ、床敷の取替え頻度を少なくできる。

ここで、本明細書において、「臭気除去性」とは、消臭性もしくは脱臭性のいずれか一方または両方を備えることを言う。そして、「消臭性」とは、臭気物質を別の物質と反応させる、あるいは分解することにより、臭気物質を化学的に消し去ることを意味する。一方、「脱臭性」とは、臭気物質を、吸着や排気により物理的に取り去ることを意味する。

( 4 ) 前記床敷は、さらに、難裂性のものであることを特徴とする（ 1 ) または（3 ) 記載の床敷。

( 4 ) 記載の発明によれば、床敷は、手で引っ張った程度では引きちぎれることのない強度を備える。このため、小動物が動き回った場合や、数回程度かじりつくことで破損される恐れは少なく、長期間の使用ができる。また、この床敷は、簡単に破れることがないため、床敷に付着した糞尿をはけなどで払い落とすことができ、また、洗濯することもでき、床敷の再利用が可能となり、廃棄物の発生量を低減できる。

なお、本明細書において、難裂性とは、小動物が動き回ったり、 2回〜 3回嚙み付いた程度で破れることがなく、従って、小動物が床敷 6 0 を嚙んだり引っ張ったりしても、小片、小塊もしくは粉塵を生じがたい性質を意味する。

( 5 ) 前記床敷は、カルボキシル基が導入されたセルロースが,シート状に形成された改質セルロース布であることを特徴とする（4·) 記載の床敷。

保温性、柔軟性、吸水性、臭気除去性および難裂性を備えた床敷の具体例としては、公知の臭気除去物質を担持させた布が挙げられる。こうした布の中で、（5 ) に記載した改質セルロース布は、保温性、柔軟性、吸水性おょぴ臭気除去性を備え、小動物、特にマウスに齧られにくく、洗濯機での洗浄が可能であるため、特に好適に使用できる。また、上記の改質セルロース布の臭気除去性は、カルボキシル基を導入することによって付与されているため、臭気除去剤として金属を繊維に担持させる場合に比べ、小動物が、万一、床敷を摂食した場合の安全性が高い。

( 6 ) 小動物が収容されて飼育される小動物飼育ケージであって、前記小動物飼育ケージは、床と、前記床の周縁に設けられた壁と、を備えた飼育箱と、前記小動物の体温を保持しうる程度の保温性と、前記小動物の身体を包むことができる程度の柔軟性と、少なくとも前記小動物の胴体部全体を覆う大きさと、を備えたシートで形成された床敷と、を含むことを特徴とする小動物飼育ケージ。

( 7 ) 前記床敷は、 1枚のシートが折り重なって形成された襞を有した状態で前記飼育箱の床に敷設されていることを特徴とする（6 ) 記載の小動物飼育ケージ。

( 6 ) および（7 ) 記載の発明によれば、（1 ) 記載の発明と同じ効果を有する小動物飼育ケージを得ることができる。

ここで、前記小動物飼育ケージを用いて飼育される小動物とは、小動物飼育ケージ内で食餌およ-び排泄をするペット用、または実験用の小動物である。小動物の具体例としては、ラット、ハムスター等のネズミ科動物、リス、ムササビ、モモンガ等のリス科動物、チンチラ科動物並びにモルモット科動物等のげっ歯目小動物およびァナウサギなどのゥサギ科小動物が挙げられる。本発明は、実験用の小動物、例えばラット、マウス等のネズミ科動物、特にラットより小型であるマウスの飼育に好適に用いられる。

なお、小動物飼育ケージには、小動物が、小動物飼育ケージ内で食餌およぴ排泄できるよう、給餌器およぴ吸水器が備えられていることが好ましい。また、小動物を繁殖させる場合、小動物飼育ケージには、上述したとおり、巣箱を入れる必要なないが、巣箱を入れてもよい。

( 8 ) 前記床敷は、前記飼育箱の床の面積より大きいシートであることを特徴とする（6 ) または（7 ) 記載の小動物飼育ケージ。

( 8 ) 記載の発明によれば、床敷は、小動物飼育ケージの床全面を覆うことができるため、小動物が床上を歩き易く、また、糞尿により床面が汚されることを防止できる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明に係る床敷が敷設されている小動物飼育ケージの正面図である。

図 2は、図 1の小動物飼育ケージにマウスが収容され、飼育されている状態を示す図である。

図 3は、本発明に係る床敷が複数枚、敷設されている小動物飼育ケージの正面図である。

図 4は、本発明に係る床敷と、他の床敷との臭気除去能力の違いを示す図である。

図 5は、本発明に係る床敷であって、未使用のものと、使用後 2ヶ月のものとの臭気除去能力を比較した図である。発明を実施するための最良の开さ態

次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下、同一部材については同一符号を付し、その説明を省略または簡略化する。

図 1は、本発明の第 1実施形態に係る床敷 60を敷設した小動物飼育ケージ 1 1を示す正面図である。小動物飼育ケージ 1 1は、飼育箱 20 を備えている。飼育箱 20は、透明ポリカーボネート製であり、略長方形状の床 30と、この床 30の周縁に、ほぼ直立状態で設けられた 4つの壁 40とを備える。飼育箱 20の床 30の上には、本発明に係る床敷 60が1枚、折り重なって襞 70を形成するように敷設されている。飼育箱 20の上部は、ステンレスワイヤで構成された、取り外し可能な蓋 50で覆われている。蓋 50の一部には、窪み 5 1が形成され、瓶型の吸水器 5 2が差し込まれている。また、吸水器 5 2の奥には、ペレット状の餌（図示せず）が供給され、窪み 5 1は、本実施形態においては、給餌器として機能する。

飼育箱 20の大きさは、本実施形態においては、外形寸法：幅（W) X奥行 (D) X高さ (H) が 22 c mX 3 2 c mX 1 3 c mである。しかし、飼育箱 20の大きさはこれに限定されず、小動物力 S、飼育箱 20 内で寝床を確保し、また、自由に動き回れるように、飼育対象の小動物の大きさおよび数に応じて適宜、選択される。例えば、マウスを 1〜6 匹程度飼育する場合であれば、外形寸法：幅（W) 1 3 cm〜28 cm 、奥行 (D) 20 cm〜45 c m、高さ（H) l l cm〜 1 8 c mの範囲とすればよい。

また、飼育箱 20は、床敷 6 0を敷設した状態で、小動物を収容し、飼育することができる形状、材質のものであれば、図 1に示すものに限定されない。例えば、飼育箱 20の材質としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アタリロニトリ口ブタジエンスチレンなどのプラスチック、金属、木またはガラスなどを使用できる。また、飼育箱 2 0の形状も、図 1に示す略直方体状に限られず、全体が金属などのワイヤで構成された網または縞状のものであってもよい。

飼育箱 2 0としては、特に、図 1の飼育箱 2 0のように、床 3 0が平板状で、壁 4 0が透明のものであれば、シート状の床敷 6 0の敷設が容易で、小動物が歩き回り易く、また、小動物の観察が容易であるため、好ましい。

なお、飼育箱 2 0は、小動物と床敷 6 0とを収容できればよく、必ずしも床 3 0の周囲を平板状の壁 4 0で囲う必要はなく、例えば、溝のようなもので、小動物が飼育箱 2 0の外へ出ることを防止する部材は、壁 4 0の均等物である。

次に、本発明で使用される床敷 6 0について説明する。

床敷 6 0は、飼育箱 2 0に収容されて飼育される小動物の体温を保持しうる程度の保温性と、小動物の身体をくるむことができる程度の柔軟性とを備える。保温性としては、 1枚の床敷 6 0で小動物の体を覆い、気温 2 1 °C、湿度 5 0 %、気流 5 c mZ秒の室内で、静止状態に置いた場合に、平均皮膚温 3 3 °Cを保持できる程度であればよく、例えば、床敷 6 0自体のクロー値が、 0 . 1クロー程度以上あれば足りる。

また、柔軟性としては、床敷 6 0を小動物の身体にかぶせた場合に、それ自体が自然と、小動物の身体の起伏に沿うように、柔軟に曲がりくねる程度であればよい。すなわち、本明細書において、「柔軟性を備える」とは、シート状の床敷 6 0を折り曲げた場合に、床敷 6 0が折り曲げ部分で破断することなく、連続した状態を保つことができる程度のしなやかさと、折り曲げ部分が床敷 6 0自身の反発力により、自然に解消されることがない柔らかさとを備えることを意味し、床敷 6 0の生地が厚み方向に柔軟な部材で構成されていることとは別の概念である。上記の保温性おょぴ柔軟性を備えた床敷 6 0としては、天然繊維もしくは合成繊維を、単独もしくは組み合わせて得られる織物もしくは不織布などの布、キッチンペーパーなどの柔軟な紙、薄いスポンジ生地、または表面加工を施したビニールシートなどが挙げられる。特に、布は紙などに比べ、難裂性を備えるため、小動物に齧られて破枠され、小片、小塊もしくは塵芥を発生させることが防止され、好ましい。

また、本発明において使用する床敷 6 0は、小動物の、少なくとも胴体部全体を覆うことができる大きさを備える。図 1に示す本発明の第 1 実施形態に係る小動物飼育ケージ 1 1においては、床敷 6 0は、床 3 0 の面積の 8 . 5倍の大きさであり、飼育箱 2 0に無作為に丸めて放り込むように、すなわち、くしゃくしゃにして敷設されている。床敷 6 0は、このように敷設されることにより、無作為に折れ曲がり、重なり合つて様々な形状および大きさの襞 7 0を形成している。このように、床敷 6 0は曲がり童なつて襞 7 0が形成され、小動物が身体の一部を隠すことができる程度の大きさの窪み 7 1や隙間 7 2が形成される。襞 7 0は、小動物の身体の少なくとも一部、例えば半身を隠すことができる大きさであることが好ましい。また、このような襞 7 0は複数箇所、形成されることが好ましい。

図 2は、図 1に示す小動物飼育ケージ 1 1内で、複数のマウス 8 0を、雌雄混合状態で飼育している状態を示す。マウス 8 0は、襞 7 0の間にもぐりこみ、また、床敷 6 0を適宜動かして、襞 7 0の形態を変化させ、窪み 7 1や隙間 7 2を、寝床（巣）や排泄場所などとして利用するここで、床敷 6 0は、小動物の身体を包むことができる程度の柔軟性と、小動物の体温保持ができる程度の保温性とを備えることから、本発明の床敷 6 0は、飼育箱 2 0の中で、小動物の胴体を包み、小動物の体温を保持する寝床材として機能する。また、マウス 8 0のようなネズミ科動物ば、一定の場所で排泄する本能があるため、排泄物は一定の場所に排泄される。この排泄物は、襞 7 0の間の凹凸に捕捉される。また、マウス 8 0が飼育箱 2 0内を動き回っても、床敷 6 0全体は動かされがたい。このため、本発明は、チップのような小片を床敷として使用する .場合とは異なり、マウス 8 0が動き回ることにより、糞尿が付着した小片ゃ糞が床 3 0全体に拡散して飼育環境が悪化することを防止できる。また、襞 7 0が形成されることにより、マウス 8 0は、窪み 7 1や隙間 7 2に身体を隠し、光や外気を避けることができる。このため、本発明によれば、マウス 8 0にとつて安心できる生活環境が提供され、マウスのストレスが軽減され、交尾回数が増えて繁殖力が高まる。逆に、床敷 6 0の柔軟性や敷設枚数、敷設面積などを調整することにより、マウス 8 0の繁殖力を抑えることもできる。

なお、本発明によれば、マウス 8 0は、襞 7 0を利用して出産哺育場所を確保することができるため、繁殖用の床敷を特別に補充する必要はない。また、本発明の床敷 6 0は、シート状であり、無毛の仔獣の体表面に付着しがたく、また、仔獣は襞 7 0の間にもぐりこむこともできるため、親獣による食殺を受けにくく、仔獣の生存率が向上する。特に、床敷 6 0が難裂性を備えると、マウス 8 0が床敷 6 0を嚙み破りがたく、また、嚙み破られた場合でも仔獣の体表に付着し易い小片や小塊が発生しがたいため、好ましい。

なお、床敷ば、飼育対象の小動物の少なくとも胴体部を覆う大きさがあればよく、具体的には、飼育対象の小動物がマウスである場合、 1 0 c m四方程度の大きさがあればよい。しかし、床敷は、小動物の身体を、十分な余裕を持って覆うことができる大きさであることが好ましい。例えば、小動物が四肢を折り曲げてうずくまった場合に、尻尾を除く小動物の身体全体、すなわち、小動物の頭部および胴体部を覆う大きさ、例えば 1 2 c m四方程度の大きさ以上であることが好ましい。床敷が、 1 0 c π！〜 1 5 c m四方程度のシート状である場合、複数枚の床敷を、少なくとも 1枚ないし 2枚の床敷が重なり合って、襞を形成するように敷設することが好ましい。

しかし、本発明においては、図 1およぴ図 2に示すように、床 3 0の面積の 1 . 2倍以上、好ましくは 2〜1 5倍、さらに好ましくは 3〜1 0倍の大きさの床敷 6 0を用いることが好ましい。床敷 6 0がこの大きさである場合、 1枚の床敷 6 0で床 3 0全面を覆い、かつ、襞 7 0を形成することができ、床 3 0が汚れることを防げるほか、取り扱いが容易である。また、図 3に示すように、複数枚の床敷 6 0を積層して敷設してもよい。この場合、マウス 8 0が動き回ることにより、床敷 6 0が動かされ、襞 7 0が形成される。複数枚の床敷 6 0を敷設する場合は、襞が形成される状態を保持できる限り、複数枚の床敷 6 0を積層し、一部または周縁部全体などを糸で縫いつけて一体化して使用してもよい。床敷 6 0を複数枚、使用した場合、臭気除去能力を高めることができる。また、床敷 6 0は、保温性および柔軟性に加え、吸水性と臭気除去性とをも備えることが好ましい。この場合、床敷 6 0は、小動物の尿を吸収し、さらには、尿や糞に含まれるアンモニアゃメチルメルカプタンなど、悪臭を発生する臭気物質を除去するため、床敷 6 0は長期間、使用できるようになる。

吸水性としては、床敷 6 0の自重に対し、 1 0重量％以上の液体を保持できれば足り、 1 0 0〜3 0 0重量％の液体を保持できることが好ましい。また、臭気除去性としては、床敷 l gに対し、 l m g以上、好ましくは 1 0 m g、さらに好ましくは 1 5 m g以上の臭気物質を除去できることが好ましい。

保温性、柔軟性、吸水性および臭気除去性を備えた床敷 6 0としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、アクリルやポリエステルなどの化学繊維に消臭剤をコーティングした臭気除去布、木綿、麻、レ一ヨン、木材パルプなどのセルロース繊維に金属を担持させる、もしくはカルボキシル基を導入して得られる臭気除去布、キチンもしくはキトサンを原料とした臭気除去布、または活性炭などの脱臭剤と高級水性樹脂などの吸収剤とを保持する脱臭吸水シートなどである。

これらの中で、化学物質を使用しない、天然繊維から成る臭気除去布は、小動物が齧って体内に取り込まれた場合でも、健康に影響を与える恐れが少ないため、好ましい。天然繊維からなる臭気除去布としては、キチンもしくはキトサンを原料とした臭気除去布、またばセルロース繊維にカルボキシル基を導入して得られる改質セルロース布などがある。特に、セルロース繊維にポリメタクリル酸が担持されている改質セル口 —ス布は、キチンもしくはキトサン系の臭気除去布に比べ、臭気除去能力が大きいため、好ましい。改質セルロース布の臭気除去能力は、改質法にもよつて異なるが、改質セルロース布 1 gあたり 1 0〜2 0 m gの臭気物質を除去することができる。

改質セルロース布を製造するためには、木綿繊維、麻繊維、レーヨン繊維、木材パルプなどのセルロース繊維を原材料とし、これにカルボキシル基を導入する化学反応工程が必要である。セルロース繊維に力ルポキシル基を導入する反応としては、例えば、カルボキシル基を有するァクリル酸、メタクリル酸もしくはポリメタクリル酸をセルロースにダラフト重合する方法、 T E M P O法によるセルロースの触媒的酸化による一級水酸基のカルボキシル基への変換（磯貝明著「繊維学会誌 5 7卷 6号、 2 0 0 1年、 p l 6 3」）、および、モノクロロ酢酸を用いたカルボキシメチル化法などがある。カルボキシル基の導入反応は、原料繊維に対して行い、カルボキシル基が導入されたセルロース繊維を紡績することができ、また、セルロース繊維を紡績した後、カルボキシル基を導入することもできる。さらに、.不織布にカルボキシル基を導入し、臭気除去性を付与することもできる。なお、メタクリル酸をセルロース繊維に重合させる場合、メタクリル酸が重合され、ポリメタクリル酸が改質セルロース繊維に担持されるよう、加工することが好ましい。カルボキシル基の含有量は、乾燥状態の布 1 0 0 gあたり、 4 0ミリモル〜 1 4 0 ミリモノレ、好ましくは 6 0 ミリモノレ〜 1 2 0 ミリモルであることが好ましい。カルボキシル基の含有量がこの範囲であれば、良好な吸水性と臭気除去性とを備える。例えば、 1 0 0 gあたり 4 0ミリモル〜 1 4 0 ミリモルの力ルポキシル基を有する改質セルロース布は、理論的には、アンモニアを 1 g〜2 g吸着分解する脱臭性および消臭性を備える。すなわち、 1 0 0 gあたり 4 0ミリモル〜 1 4 0ミリモルの力ルポキシル基を有する改質セルロース布 1 gは、臭気物質であるアンモニァ 1 0 m g〜2 0 m gを除去することができる臭気除去性を有する。このため、このような改質セルロース布を床敷として用いた場合、 7日〜 1 0日程度、床敷を交換することなく、衛生的な飼育環境を保つことができる。

改質セルロース布のカルボキシル基含有量は、多すぎるとカルボキシル基導入反応に長時間を要するとともに、使用試薬量が増加して製造コストの高騰を招く。さらには、吸水性が低下するなどして、セルロース繊維本来の機能が低下する。一方、カルボキシル基含有量が少なすぎると、十分な臭気除去性を得ることができない。なお、カルボキシル基の含有量は、反応時間や使用試薬の量により、調整できる。また、カルボキシル基を多く含む繊維と、カルボキシル基を含まない繊維とを混紡または混合することによつても調整可能である。

カルボキシル基を導入させた改質セルロースは、下記に示すように、カルボン酸（COOH) と、臭気物質であるアンモニア（NH₃) とが結合することにより、カルボン酸アンモニゥム（COONH₄) が生成され、中和除去される。

【化 1】

-COOH + NH₃→-COONH₄

このよう.に、改質セルロース布は、塩基性の臭気物質を中和、吸着するカルボキシル基と、セルロース繊維本来の吸水性、保温性おょぴ柔軟性を併せ持ち、さらに、マウスに齧られにくい難裂性をも備える。また、床敷として使用して汚れた改質セルロース布は、洗濯することができ、洗濯に j り、ある程度、臭気除去能力を回復させることもできる。例えば、木綿繊維にメタクリル酸を 1 0重量％、グラフト重合することにより、ポリメタクリル酸がセルロース繊維に導入され、担持された状態となっている改質綿糸と、無加工の綿糸とを 1対' 1の重量比で混紡した改質セルロース布（カルボキシル基含有量は、床敷 1 00 gあたり、 70ミリモル）であれば、 50回程度、洗濯して、繰り返して使用することができる。また、 TEMPO法に従い、木綿繊維の布を参加して得た改質セルロース布（カルボキシル基含有量は、床敷 1 00 gあたり、 6 2ミリモル）も同様に、 50回程度、洗濯して繰り返し使用できる。

なお、改質セルロース布を中性洗剤または水で洗った場合、下記の反応により、臭気除去能力を回復させられると考えられる。

【化 2】

-COONH₄ + H₂O→-COOH + NH₄OH

一方、改質セルロース布を洗濯する際、アルカリ洗剤を使用すると、下記反応式に示す通り、洗剤成分中のナトリウムイオン（一 Na) 、アンモニゥムイオン（一 NHJ に置換された力ルポキシル基に結合し易くなる。

【化 3】

-COONH₄ + N a OH→-COON a +NH₄OH

このため、力ルポキシル基の置換という点では、改質セルロース布の洗濯に中性洗剤を使用することが好ましいと考えられるが、アルカリ洗剤は中性洗剤より洗浄力が高いため、アルカリ洗剤も中性洗剤と同様、改質セルロース布の洗濯に好適に用いることができる。

また、臭気除去能力をより多く回復させるため、濯ぎに酢酸、食酢もしくはクェン酸などの酸性物質を加えるとよい。濯ぎに酢酸（CH₃C OOH) を添加した場合、次の化学反応により、カルボキシル基のアンモニゥムイオン（NH₄) が外れ、アンモニア臭気除去能力が回復すると考えられる。酢酸添加による、臭気除去能力の回復は、洗濯水の酢酸濃度ではなく、布重量に対する酢酸量に比例して増大すると考えられる

【化 4】

_COONH₄ + CH₃COOH→—COOH+CH。COONH₄ 実施例

以下、実施例と比較例について説明する。

図 1に示す小動物飼育ケージ（以下、「ケージ」と称する）の飼育箱に、改質セル口ス布を 1枚、手で無作為に丸めて敷設した。飼育箱は、床幅 1 6 c m、床長 26 c m、高さ 14 c mの透明ポリカーボネート樹脂製のものとした。また、改質セルロース布は、メタクリル酸を 8重量％グラフト重合し、ポリメタクリル酸がセルロース繊維に担持されている状態となった綿糸 6 6%と、無加工の綿糸 3 3%とを混紡して得たタオル状のものであり、大きさは、幅 45 c m、長さ 1 0 5 c m、重さ 1 20 gとした。ケージは、実施例 1、比較例 1それぞれについて 5個ずつ用意し、 1時間あたり 1 5回程度の換気が行われている飼育室に収容した。各ケージ内には雄 1匹、雌 5匹の計 6匹のマウスを入れ、 2ケ月間飼育した。なお、飼育箱上面は、一部に窪みのあるステンレスワイャによる蓋で覆われ、窪みには給水器が差し込まれるとともにペレット状の餌が給餌される。また、改質セルロース布は、各ケージにつき 2枚ずつ用意し、 1週間に 1度交換し、汚れたものは中性洗剤で洗濯して繰返し使用した。なお、マウスの出産が近付いても、新たに床敷材を補充供給しなかった。

比較例 1として、床敷を約 5 mm四方の大きさの紙製のチップ状床敷に代え、そのほかの条件は、実施例 1と同様にしてマウスを飼育した。チップ状床敷は、飼育箱内に約 1 20 g入れ、 1週間に 1度、新品に交換した。またマウスの出産に際しては、ティッシュペーパーを補充した床敷交換時に飼育箱内の糞の拡散状況を調べたところ、実施例 1の場合、マウスの糞は改質セルロース布下のほぼ特定の箇所に集積する形となり、改質セルロース布は、目視観察する限りは清潔な状態であった。これに対し、比較例 1では、糞がチップ状床敷全体に散らばって混合され、床全面に拡散していた。

また、ケージ内のアンモニア濃度を、北川式ガス検知器（検知管； 1 0 5 SD& 10 5 S C) を用いて測定したところ、実施例 1の場合、床敷敷設（または交換） 3日後で 0. 1〜0. 6 p pm、 7日目の交換直前で 2. 5〜 6 p p mとなった。一方、比較例 1では、 3日後は 0. 1 〜0. 6 p pmと実施例 1と同じ値となったが、 7日後は 1 2〜30 p p mとなった。

さらに半導体レーザーパーティクルカウンター（KAN0MAX、 Model 3 8 8 6および TF 5 0 0 ) を用いて、飼育 5日目の飼育室内の 0 . 5 μ m以上の塵埃数を測定したところ、実施例 1については 4 . 4〜5 . 9 X 1 0 ⁵個/ m ³、比較例 1が 3 . 1〜 3 . 3 X 1 0 ⁷個/ m ³となり、実施例 1では、飼育ケージ周辺に目視観察可能な塵埃集積が認められなかつたのに対し、比較例 1では、飼育ケージ周辺に床敷が数十個散乱し、. 塵埃の集積が認められた。

実施例 1では、襞を利用してマウスの出産、保育が行なわれ、特に仔マウスは、襞の谷間部分に潜り込むような状態で保育された。この結果、実施例 1では、出産保育用の床敷を補充しなかったにもかかわらず、仔マウスの発育曲線は、床敷を補充した比較例 1と同等となった。また、母マウスによる食殺率は、実施例 1が比較例 1より 2〜3割低くなつた。さらに、飼育開始後 1〜 2週間の期間、午前 8時〜午後 5時まで、雄マウスの交尾回数を調べたところ、実施例 1については 2〜4回、比較例 1については 0〜 2回であり、実施例 1の交尾回数の方が多かった実施例 2として、上記の実施例 1で用いた改質セルロース布、比較例 2として比較例 1の紙製床敷、比較例 3として綿布を、それぞれ 3 . 5 g (乾燥重量）ずつ、 2 5 c m X 4 0 c mの大きさのテドラ一パック ( 株式会社サンブラチック製）に入れ、初期アンモニア濃度 2 0 0 p p mとなるようにして、容器を密閉し、 1、 3、 5、 1 0分および 3 0分後のアンモユア濃度を測定し、臭気除去性を調べた。なお、実施例 1の改質セルロース布のアンモニア吸収量は 1 gあたり 2 1 m g、比較例 3 の綿布のアンモニア吸収量は 1 gあたり 3 m gであった。

図 4は、実施例 2、比較例 2および比較例 3の試験結果を示すグラフで、縦軸は残存アンモニア濃度（単位： p p m) を示し、横軸は経過時間（単位：分）を示す。線 Pは、実施例 2の改質セルロース布を入れた容器中のアンモニア濃度、線 Aは比較例 2の紙製床敷、線 Bは比較例 3 の綿布、線 Cはブランクとして用いた検体なしのテドラーバッグのアンモニァ濃度の変化を示す。

図 4に示す通り、容器中の残存アンモニア濃度は、実施例 2については実験開始後 5分でほぼ検出されなくなったのに対し、比較例 2および 3については、実験開始後 1 0分を経過してもアンモニア濃度が残存していた。

実施例 3および実施例 4として、実施例 1の改質セルロース布を未使用状態または 2ヶ月経過後の状態で、臭気除去能力を調べた。試料は、乾燥重量で 1 2 0 gとし、これを実施例 1のケージ内に敷設し、 1 %濃度のアンモニア溶液 5 0 ミリリツトルを入れ、ケージ内のアンモニア濃度の変化を調べた。図 5は、結果を示す図で、縦軸は残存アンモニア濃度（単位： p p m) を示し、横軸は経過時間（単位：分）を示す。線 P 1は、未使用状態の改質セルロースを試料として入れたケージ内の残存アンモニア濃度の変化を示す。線 P 2は、 2ヶ月間、 1週間に 1度の割合で洗濯しながら使用した改質セルロースを、試料として入れたケージ内の残存アンモニア濃度の変化を示す。また、比較例 4として、改質セルロースに代えて、比較例 2の紙パルプ製の消臭床敷（新品）を用いた場合のケージ内の残存アンモニア濃度の変化を、線 Dで示す。

図 5に示すように、残存アンモユア濃度の変化は、新品の改質セル口ース布と 2ヶ月間使用後の改質セルロース布とで、ほぼ同様であった。一方、紙パルプ製消臭床敷は、改質セルロース布より、臭気除去能力が劣っていた。

なお、木綿繊維にァクリル酸を 1 0重量％、グラフト重合して得た改質繊維と、無加工の木綿繊維とを 1対 1の重量比で混紡して得た改質セルロース布（カルボキシル基含有量は、床敷 1 0 0 gあたり、 7 0ミリモル）、および、 T E M P O法に従い、木綿製の床敷を酸化して得た改質セルロース布（カルボキシル基含有量は、床敷 1 0 0 gあたり 6 2ミリモル）について、上記と同様の試験を行なったが、同様の結果が得られた。発明の効果

本発明によれば、保温性および柔軟性を有するシート状床敷を、小動物の身体を覆い隠せるように、襞を形成するように小動物の飼育ケージに敷設して用いることにより、小動物に光や風を避けることができる空間を提供し、小動物のストレスを低減することができる。また、シート状床敷は、塵芥の発生を防止し、襞部分で糞を捕捉し、糞の拡散を防止することができる。

さらに、シート状床敷が吸水性おょぴ臭気除去性を備える場合、小動物の糞尿に由来するアンモニアなどの悪臭を発生する臭気物質を、短時間で強力に除去し、小動物飼育ケージぉよぴ飼育室の衛生状態を良好に保つことができる。また、悪臭の発生が抑えられるため、空調換気回数を減少させ、熱量の排出などによる光熱費の消費を低減する効果も期待できる。

さらに、床敷として、ポリメタクリル酸がセルロースに担持されている改質セルロース布を用いる場合、前述した効果に加え、当該床敷を洗濯乾燥させることにより、臭気除去能力および吸水能力を回復させることができる。このため、改質セルロース布を繰り返し使用することができ、廃棄物発生量を低減できる。

Claims

請求の範囲

' 1 . 小動物を収容して飼育する小動物飼育ケージに敷設される床敷であって、

前記床敷は、前記小動物の体温を保持しうる程度の保温性と、前記小動物の身体を包むことができる程度の柔軟性と、

少なくとも前記小動物の胴体部全体を覆う大きさと、を備えたシートであることを特徴とする床敷。

2 . 前記床敷は、少なくとも前記小動物の胴体部および頭部を覆う大きさを備えたものであることを特徴とする請求項 1記載の床敷。

3 . 前記床敷は、さらに、吸水性と臭気除去性とを備えるものであることを特徴とする請求項 1または 2記載の床敷。

4 . 前記床敷は、さらに、難裂性のものであることを特徴とする請求項 1または 3記載の床敷。

5 . 前記床敷は、カルボキシル基が導入されたセルロースがシート状に形成された改質セルロース布であることを特徴とする請求項 4記載の床敷。

6 . 小動物が収容されて飼育される小動物飼育ケージであって、前記小動物飼育ケージは、床と、前記床の周縁に設けられた壁と、を備えた飼育箱と、

前記小動物の体温を保持しうる程度の保温性と、

前記小動物の身体を包むことができる程度の柔軟性と、

少なくとも前記小動物の胴体部全体を覆う大きさと、を備えたシートで形成された床敷と、を含むことを特徴とする小動物飼育ケージ。

7 . 前記床敷は、 1枚のシートが折り重なって形成された襞を有した状態で前記飼育箱の床に敷設されていることを特徴とする請求項 6記載の小動物飼育ケージ。

8 . 前記床敷は、前記飼育箱の床の面積より大きいシートであることを特徴とする請求項 6または 7記載の小動物飼育ケージ。