明 細- 光学活性ォキサジン誘導体 技術分野
本発明は、 ホスホジエステラーゼ (phosphodiesterase, PDE) IV阻害作用を有す る新規な化合物及ぴそれを含む医薬組成物に関するものである。 背景技術
(土) 一 6— [3 - (2—インダニルォキシ) —4ーメ トキシフエニル] - 6- メチルー 3, 4, 5, 6—テトラヒドロ一 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2—オン(W O 9 8/0 4 5 3 4号公報参照) は、 強いホスホジエステラーゼ (PDE) IV阻害作 用を有し、 気管支拡張作用及ぴ抗炎症作用を発現することが知られており、 .喘息、 皮膚炎などの炎症性疾患、 リゥマチ、多発†生硬化症などの自己免疫疾患等に有効と 考えられている。 発明の開示
(士) 一 6— [3— (2—インダニルォキシ) 一 4ーメ トキシフエニル] — 6— メチノレ一 3, 4, 5, 6—テトラヒドロ一 2 H— 1, 3—ォキサジン _ 2—オンは、 ラセミ体 (比旋光度 0° ) で 6位に不斉炭素を有し、 (+) —体と (一) 一体の二 種類の異性体の存在が予想はされていたが、 3, 4, 5, 6—テトラヒドロー 2H - 1 , 3一ォキサジン一 2—オン骨格を有する化合物の異性体の分離方法は一般化 されておらず、ラセミ体から異性体を分離することは達成し得なかった。特に上記 の (士) 一6— [3— (2—インダニノレォキシ) 一 4—メ トキシフエ二ノレ] 一 6— メチルー 3, 4, 5, 6—テトラヒドロー 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2—オンは 酸性若しくは塩基性を示す官能基を有しておらず、その分離に光学活性な有機塩基 や有機酸を利用したジァステレオマー光学分割法などの手法は利用できなかつた。
従って、 そのホスホジエステラーゼ (PDE) IV阻害作用おょぴ副作用の違いについ ては知られておらず、 検討することもできなかった。
本発明者は、 各々の異性体を純粋に取得するために研究を重ねた結果し (±) 一 6 - [ 3 - ( 2—インダニルォキシ) 一 4—メトキシフエ二ノレ]一 6—メチノレー 3, 4 , 5 , 6—テトラヒドロー 2 H— 1, 3—ォキサジン _ 2—オンを高速液体クロ マトグラフィ一で純粋な各異性体に分離する方法を見出した。そして、得られた各 異性体のホスホジエステラーゼ (PDE) IV阻害作用及ぴ抗喘息作用、 並びに毒性及 ぴ水に対する溶解性を検討し、特定の異性体が医薬として優れた性質を有している ことを見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、 (一) 一6— [ 3 - ( 2—インダニルォキシ) 一4ーメト キシフエ二ル] — 6—メチル一3, 4, 5 , 6—テトラヒドロ一 2 H— 1 , 3—ォ キサジン一 2—オン又はその水和物若しくはその溶媒和物に関する。
また本発明は、 (一) 一 6— [ 3— (2—インダニルォキシ) 一 4ーメトキシフ ェニル] 一 6—メチル一3, 4 , 5 , 6—テトラヒドロー 2 H— 1, 3—ォキサジ ンー 2—オン並びにその水和物及ぴその溶媒和物からなる群から選ばれる物質を 有効成分として含む医薬に関する。 ' 本発明の化合物はホスホジエステラーゼ (PDE) IV阻害作用を示し、 これに基づ き、 本発明の医薬は、 喘息、 皮膚炎、 慢性閉塞性肺疾患等の炎症性疾患;多発性硬 化症;リゥマチ等の自己免疫疾患の治療及ぴ Z又は予防のための医薬として有用で ある。
また、本発明の化合物はアレルギー性結膜炎に対する改善作用を示し、 これに基 づき、本発明の医薬は、 アレルギー性結膜炎、春季カタル、春季角結膜炎等のァレ ルギー性眼疾患の治療及び/又は予防のための医薬として有用である。
さらに、本発明の化合物は TN F— α産生抑制作用を示し、 これに基づき、本発 明の医薬は、 アレルギー、 気管支喘息、 敗血症、 関節炎 (関節リウマチ、 変形性関 節症等) 、 糖尿病、 乾癬、 クローン病、 潰瘍性大腸炎の治療及び Ζ又は予防のため の医薬として有用である。
また、 本発明の化合物は N K i受容体拮抗作用を示し、 これに基づき、 本発明の 医薬は、 痛み;嘔吐;喘息、 慢性閉塞性肺疾患、 皮膚炎 (ァトピー性皮膚炎、 接触 性皮膚炎、奪麻疹等) 、 アレルギー性眼疾患、 関節炎等の炎症性疾患の治療及び Z 又は予防のための医薬として有用である。
別の観点からは、本発明により、 上記の医薬の製造のための (一) - 6 - [ 3— ( 2—インダニルォキシ) 一4ーメ トキシフエ二ル] 一 6—メチルー 3, 4 , 5 , 6—テトラヒドロー 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2—オン並びにその水和物及びそ の溶媒和物からなる群から選ばれる物質の使用;上記物質を含むホスホジエステラ ーゼ (PDE) IV阻害剤;上記物質を含むアレルギー性結膜炎に対する改善剤;上記 物質を含む T N F— a産生抑制剤;及び上記物質を含む N I^受容体插抗剤が提供 される。
また、 さらに別の観点からは、
ヒトを含む哺乳類動物においてホスホジエステラーゼ (PDE) IVを阻害する方法 であって、 (一) 一 6— [ 3— (2—インダニノレォキシ) 一 4ーメ トキシフエニル] 一 6—メチルー 3, 4, 5 , 6—テトラヒドロ一 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2— オン並びにその水和物及ぴその溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量を ヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;
喘息、皮膚炎、若しくは慢性閉塞性肺疾患等の炎症性疾患、 多発性硬化症、 又は リゥマチ等の自己免疫疾患の治療及び/又は予防方法であって、上記物質の治療及 び/又は予防有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;
ヒトを含む哺乳類動物においてァレルギ一性結膜炎を改善する方法であって、上 記物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;
アレルギー性結膜炎、春季カタル、春季角結膜炎等のアレルギー性眼疾患の治療 及び _ 又は予防方法であって、上記物質の治療及び Z又は予防有効量をヒトを含む 哺乳類動物に投与する工程を含む方法;
ヒトを含む哺乳類動物において T N F— aの産生を抑制する方法であって、上記 物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;
アレルギー、 気管支喘息、 敗血症、 関節炎 (関節リウマチ、 変形性関節症等) 、 糖尿病、乾癬、クローン病、又は潰瘍性大腸炎の治療及び Z又は予防方法であって、 上記物質の治療及ぴ z又は予防有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を 含む方法;
ヒトを含む哺孚 L類動物において ΝΚ^受容体を拮抗阻害する方法であって、 上記 物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;及ぴ
痛み、 嘔吐、 又は喘息、 慢性閉塞性肺疾患、 皮膚炎 (ァトピー性皮膚炎、接触性 皮膚炎、蓴麻疹等) 、 アレルギー性眼疾患、若しくは関節炎等の炎症性疾患の治療 及び/又は予防方法であつて、上記物質の治療及び Z又は予防有効量をヒトを含む 哺乳類動物に投与する工程を含む方法
が提供される。 発明を実施するための最良の形態
本発明の光学活性的に純粋な化合物は、例えば国際公開 WO 9 8 / 0 4 5 3 4に 記載の方法により製造されるラセミ体を高速液体クロマトグラフィー(HPLC) を用 いて下記の実施例に記載の如く特定の条件で処理することにより、二種類の光学活 性体 [即ち (一) 一6— [ 3— ( 2—インダニルォキシ) 一4ーメ トキシフエ二ル] 一 6—メチルー 3 , 4, 5, 6—テトラヒドロー 2 H— 1 , 3—ォキサジン一 2— オン及び (+) - 6 - [ 3 - ( 2—インダニルォキシ) —4—メ トキシフエ二ノレ] 一 6—メチルー 3 , 4, 5 , 6—テトラヒドロー 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2— オン] に分割することにより得られる。 また、得られた光学活性体を必要に応じて 各種溶媒により再結晶を行うことにより、更に高純度の光学活性体を得ることがで さる。
光学活性体の再結晶は、 メタノール、 エタノール、 イソプロパノール、 プタノー ノレ、 アセトン、 酢酸ェチノレ、 クロロホノレム、 n-へキサン、 シクロへキサン等の単一 溶媒又は 2種若しくはそれ以上の溶媒を組み合わせた混合溶媒により行うことカ できる。
上記の方法により得られる光学活性体の (一) 一体 [ (一) 一 6— [3— (2— インダニルォキシ) 一 4ーメ トキシフエ-ノレ] 一 6—メチルー 3, 4, 5, 6—テ トラヒドロー 2 H— 1,. 3—ォキサジン一 2—オンの略]および(+) —体 [ (+) 一 6— [3— (2—インダニノレォキシ) 一4ーメ トキシフエニル] 一 6—メチルー
3, 4, 5, 6—テトラヒ ドロー 2 H— 1 , 3—ォキサジン一 2—オンの略]の PDE IV阻害活性おょぴ抗喘息作用をラセミ体 [ (士) 一体] と比較して下記の表 1に示 す。 表 1は後記の試験例 1及ぴ試験例 2の結果をまとめたものである。 表 1
上記表に示した様に、 (一) 一体はラセミ体の約 2倍の PDE IV阻害作用及ぴ抗喘 息作用を有すのに対し、 (+) —体はラセミ体の約 1/3の PDE IV阻害作用おょぴ 約 1 / 4以下の抗喘息作用しか有さず、 薬理活性は相当弱いがラセミ体と同程度の 毒性を示す。 さらに、 (一)一体はラセミ体に比べ水に対する溶解性が著しく高く、 各種液剤としての利用の可能性が高くなるとともに、消化管などにおける吸収性も 改善される可能性があり好ましい。以上の通り、 (一)一体はラセミ体に比べて PDE IV阻害薬および抗喘息薬などの医薬として極めて有用であることが確認された。 また、 (一) 一体がアレルギー性結膜炎に対する改善作用、 TNF— a産生抑制 作用、及び NK;^受容体拮抗作用を有することも新たに確認された。ラセミ体が PDE IV阻害薬おょぴ抗喘息薬として有用であることは国際公開 WO 9 8/0 4 5 3 4 号に開示されているが、 (一) 一体がアレルギー性眼疾患治療薬、 TNF— 産生 阻害薬、 及び N K i受容体拮抗薬として有用であることは示唆ないし教示されてい ない。
本発明の化合物を有効成分として含む医薬としては、上記の方法により得られる 光学活性な化合物並びにその水和物及ぴその溶媒和物からなる群から選ばれる物 質を単独で用いてもよいが、又は上記物質を薬学的に許容される担体と混合し、適 当な形態の医 袓成物として調製することもできる。
全身投与に適する医薬組成物としては、 例えば、顆粒剤、 散剤、 錠剤、 丸剤、 硬 カプセル剤、軟カプセル剤、 シロップ剤、 乳剤、 懸濁剤、 又は液剤等の経口投与に 適する医薬組成物、 あるいは注射剤 (静脈内、 筋肉内、 皮下) 、 点滴剤、 軟膏剤、 坐剤、エアゾール剤、吸入剤等の非経口投与に適する医薬組成物を例示することが できる。局所投与に適する医薬組成物としては、点眼剤、眼軟膏剤、軟膏剤、坐剤、 エアゾール剤、 吸入剤等を挙げることができる。
なお、上記の医薬組成物の製造のためには、必要により 1種又は 2種以上の製剤 用添加物、 例えば、 結合剤、 潤滑剤、 崩壊剤、 保存剤、 緩衝剤、 増粘剤、 溶解補助 剤、 キレート剤、安定化剤、 pH調整剤、等張化剤のような通常用いられる各種製剤 用添加剤を用いてもよい。
例えば、 経口投与のための医薬組成物は、 ?し糖、結晶セルロース、 ブドウ糖、 コ ーンスターチ、 ショ糖、 ソルビトール、 マン-トール、 エリスリ トールなどの賦形 剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、 ヒ ドロキシプロピルセルロースなど の崩壊剤、 ステアリン酸カルシウム、 ステアリン酸マグネシウム、 タルク、 ポリエ チレンダリコール、硬化油などの滑沢剤、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロ キシプロピノレメチノレセノレロース、 カノレボキシメチノレセノレロース、 ポリビニノレアノレコ ール、 ゼラチン、 アラビアゴムなどの湿潤剤、 その他必要に応じて界面活性剤、矯 味剤などを使用して所望の投与剤型に調製することができる。
また、非経口投与のための医薬組成物の製造には、水、エタノール、グリセリン、 プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、寒天、 トラガントガムなどの希 釈剤を用いて、必要に応じて溶解補助剤 (ポリビュルピロリ ドン、ポリオキシェチ レン硬化ヒマシ油、 ポリエチレングリコール、 ポリソルべ一ト 80、 ポリオキシェチ レンモノステアレート等)、保存剤(クロロブタノール、デヒ ドロ酢酸ナトリゥム、
塩化ベンザルコニゥム、塩ィヒセチルピリジ-ゥム、 フヱネチルアルコール、パラオ キシ安息香酸エステル類、塩化べゼトニゥム等) 、 緩衝剤 (ホウ酸緩衝剤、 リン酸 塩緩衝剤、 炭酸塩緩衝剤、 酢酸塩緩衝剤、 クェン酸緩衝剤等) 、 安定化剤 (ェデト 酸ナトリウム、 亜硫酸水素ナトリゥム等) 、 pH調整剤 (水酸化ナトリウム、水酸ィ匕 カリウム、 炭酸ナトリウム、 炭酸水素ナトリウム、 酢酸、 クェン酸、 リン酸等) 、 '等張化剤 (塩化ナトリゥム、塩ィ匕カリゥム、 グリセリン、 多価アルコール、 ソルビ トール、 マンニトール、 グルコース等) 、 無痛化剤などを使用することができる。
眼軟膏剤の場合には、通常使用されている基剤 (眼科用白色ワセリン、 プラス チベース、 プロぺト等) を使用でき、添加剤としては、 流動パラフィンなどが挙げ られる。
本発明の医薬の投与量は、全身投与用の製剤として経口投与する場合、通常、成 人に対し本発明の化合物の重量と'して 1日あたり 0. 01〜: 1000m gであり、好ましく は 0. 01〜100m gである。 投与量は、 年齢、 病状、 症状のほか、 同時投与の医薬の 有無等により適宜増減することが好ましい。前記 1日投与量を 1日 1回、又は適当 間隔をおいて 1日に 2〜 3回に分けて投与してもよいし、数日ごとに間欠投与して もよレヽ。全身投与用の注射剤として用いる場合には、本発明の化合物の重量として、 成人に対し 1回量 0. 001〜100m gを連続投与又は間欠投与することが好ましい。 本発明の医薬を局所投与する場合の投与量は、 吸入剤の場合、通常、成人に対し 1日量 0. 001〜300m gであり、 好ましくは 0. 001〜30m gである。 点眼剤の場合に は、 通常0. 01〜3. 0^/ %の濃度で使用され、 眼軟膏剤の場合には、 通常 0. 01〜 10. 0wZ v %の濃度で使用される。 投与量は、年齢、 病状、 症状のほか、 同時投与 の医薬の有無等により適宜増減することが好ましい。注射剤の場合、 1日に 1〜数 回に分けて投与することができる。 点眼剤の場合、通常 1日に 1〜 6回、 1回に 1 〜 2滴を点眼することができ、眼軟膏の場合、通常 1日に 1〜 2回、結膜嚢内に適 量を塗布することができる。
実施例
以下、本発明を実施例及ひ ¾験例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範 囲は以下の実施例およぴ試験例に限定されるものではない。
<実施例 1 >
(土) 一 6— [3— (2—インダニルォキシ) 一4ーメ トキシフヱニル] 一 6— メチル一 3, 4, 5, 6—テトラヒドロー 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2—オン 70g を変性エタノール 7.0Lに溶解した後、 一度に約 3.0 gのサンプル溶液を力ラムに注 入し、 下記の条件で HPLCを行った。
カラム: CHIRALPAK AS (10cm φ X50cm)
溶媒:変性エタノール
流量: lOOmL/分
第 1ピーク及ぴ第 2ピークそれぞれの分画液を減圧濃縮し、得られた油状の残渣 にエタノール及ぴ n-へキサンを添加後、再ぴ減圧濃縮し、粉末状の光学活性体を得 た。 以上のような操作を繰り返すことにより (土) 一体 70 gより二種類の光学活 性体、 (一) 一体 31.5g、 (+) —体 29.6 gを得た。 尚、構造については、 光 学分割前のラセミ体の NMRと比較することにより確認した。 -
(一) 一体:保持時間 50〜62分、 カラム温度 40。C
[c¾]20 D 一 68° (c二 1.00, MeOH)
一 NMR (CDC 13) δ (p pm)
1.68 (3H, s) 、 2.14 (1H, ddd, J=14.0, 10.6, 5.6 Hz) 、 2.30 (1H, ddd, J=14.0, 3.9, 3.9 Hz) 、 3.06 (1H, ddd, J=10.6, 10.6, 4.8 Hz) 、 3.20 (1H, dd, J=16.7, 3.9 Hz) 、 3.22 (1H, dd, J=16.7, 3.9 Hz) 、 3.25-3.30 (1H, m) 、 3.36 (1H, dd, J=16.7, 6.6 Hz) 、 3.37 (1H, dd, 16.7, 6.6 Hz) 、 3.81 (3H, s) 、 5.21 (1H, dddd, J=6.6, 6.6, 3.9, 3.9Hz) 、 6.13 (1H, broad) 、 6.86 (1H, d, J=8.3Hz) 、 6.90 (1H, dd, J=8.3, 2.2Hz) 、 6.95 (1H, d, J=2.2Hz) 、 7.15-7.19 (2H, m) 、 7.21-7.23 (2H, m)
(+) —体:保持時間 69〜88分、 カラム温度 40°C
ί Υ°Ό +68° (c=1.00, MeOH)
(土) 一体の1 H— NMR (CDC 13) δ (p pm)
1.66 (3H, s) 、 2.11 (1H, ddd, J=13.9, 10.3, 5.4Hz) 、 2.27 (1H, ddd, J=13.9, 4.2, 4.2Hz) 、 3.00-3.07 (1H, m) 、 3.20 (1H, dd, J=16.6, 3.7Hz) 、 3.22 (1H, dd, J=16.6, 3.7Hz) 、 3.22-3.29 (1H, m) 、 3.36 (2H, dd, J=16.6, 6.6Hz) 、 3.80 (3H, s) 、 5.21 (1H, dddd, 6.6, 6.6, 3.7, 3.7Hz) 、 6.13 (lH, broad) 、 6.86 (1H, . d, J=8.3Hz) 、 6.90 (1H, dd, J=8.3, 2.2Hz) 、 6.95 (1H, d, J=2.2Hz) 、 7.14-7.18 (2H, m) 、 7.19-7.23 (2H, m)
<実施例 2〉
錠剤の製造
30 gの (一) 一 6— [3— (2—インダニルォキシ) 一4—メ トキシフヱニル] 一 6—メチノレ一 3, 4, 5, 6—テトラヒ ドロ一 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2— オン、乳糖 253 g、 トウモロコシデンプン 63 g、 低置換ヒ ドロキシプロピルセ ルロース 40 g、ステアリン酸カルシウム 4 gを混和し、通常の方法で圧縮して前 記化合物 1 Omgを含む錠剤を製造した。
<実施例 3>
カプセル剤の製造
30 gの (一) ー6— [3— (2—インダニルォキシ) 一 4ーメ トキシフエニル] —6—メチル一3, 4, 5, 6—テトラヒ ドロー 2H— 1, 3—ォキサジン一 2— オン、乳糖 260 g、 トウモロコシデンプン 66 g、 ステアリン酸カルシウム 4 g を混和した後、通常の方法でゼラチンカプセルに充填し、前記化合物 1 Omgを含 むカプセル剤を製造した。
ぐ実施例 4 >
吸入剤の製造
(-) 一 6— [3— (2—インダニルォキシ) 一 4ーメ トキシフエ二ル'] 一 6— メチルー 3, 4, 5, 6—テトラヒドロ一 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2—オンを よく粉砕し、 粒子径を 1〜5 /imとしたもの 0. 1 5 gと乳糖 (32 5メッシュ、 ディー. ェム. ブイ. 社製) 6 O gを混和する。 通常の方法でカプセルに充填し、 各カプセルが前記化合物 50 gを含むようにする。吸入は粉末吸入容器にカプセ ルを装填して行う。
<実施例 5 >
点眼剤の製造
滅菌精製水にメチルセルロース 0. 3 g、塩ィヒベンザルコニゥム液を微量、 リン 酸二水素ナトリウム 2 g、 水酸化ナトリウム適量を加え、溶解後、 除塵 ·除菌 ろ過を行った。 この液に無塵 ·無菌の (一) 一 6— [3 - (2—インダニルォキシ) —4—メ トキシフエ二ル] 一 6—メチルー 3, 4, 5, 6—テトラヒドロー 2 H— 1, 3—ォキサジン一 2—オン 0. 5 gを懸濁させ、滅菌精製水を加えて全量を 1 00 mLとした。得られた懸濁液を洗浄 ·乾燥 ·滅菌した点眼容器に一定容量充填 し、 ノズル、 キャップを施し、 点眼剤を製造した。 ぐ実施例 6 >
眼軟膏剤の製造
(一) 一 6— [3- (2—インダニルォキシ) 一 4ーメ トキシフヱニル] 一 6— メチルー 3, 4, 5, 6—テトラヒドロー 2H— 1, 3—ォキサジン一 2—オン 0. 5 g、精製ラノリン 1 0. 0 g、 眼科用白色ワセリン 80. O g及び流動パラフィ ン 0. 5 gをとり、 眼科軟膏の製法に従って調製し、更に眼科用白色ワセリンを加 えて調製することにより眼軟膏剤 1 00 gを製造した。
一く試験例 1 >
ホスホジエステラーゼ (PDE) の分離及ぴ PDE阻害活性の測定
化合物の P D E阻害活性およぴ選択性を調べるために I型、 III型、 IV型及ぴ V 型の、 4種類の PDEアイソザィムを準備した [T r e n d s P h a r ma c o 1 . S c i . , 1 2, 1 9— 2 7 (1 9 9 2) ]。 I型 P D Eはシグマ社より購入 したものを用いた。 また、 III型、 IV型及び V型の PDEアイソザィムはラットょ り採取した血小板 (III型および V型) 又は好中球 (IV型) 力 ら部分精製した。 各 酵素源を 2 O mMビストリス、 EDTA (エチレンジァミン 4酢酸) 2 mMN PM S F (フエ-ルメチルスルフォニルフルオラィド) 0. 1 mM、 2—メルカプトェ タノール 5 mM、ぺプスタチン 0. 00 lmM、 ロイぺプチン 0. 0 1 mMを含む 緩衝液 (ρΗ 6. 5) 中でホモジナイズし、 3 0 0 00 XGで 3 0分間遠心して得 られた遠心上清をィ才ン交換カラム (Qセファロースフアーストフロー、 ファノレマ シァ社製) にかけ、 0〜1Μの酢酸ナトリウムで溶離した。部分精製したアイソザ ィムは各々既知の選択的阻害剤の効果を調べることによって同定した。
被検物質は DMS O (ジメチルスルホキシド) 中に溶解し、 5 mMの塩化マグネ シゥムを含む 5 OmMトリス塩酸緩衝液中に添加した。この反応液に上記の PDE アイソザィムおよび3 H— c AMP (III型、 IV型 PDEのとき) 又は3 H— c GMP ( I型、 V型 PDEのとき) を基質として加え、 3 0°Cで 3 0分間反応させた。 反 応後 1 00度の沸騰液中に 5分間つけることによって反応を停止した。 PDEによ つて生成したヌクレオチドは 5 ' ーヌクレォチダーゼで3 H—アデノシンまたは3 H -グァノシンに分解し、未反応の基質と反応生成物はィォン交換力ラム ( Q A Eセ フアデッタス、 フアルマシア社製) を通して分離した。 溶出した3 H—ヌクレオシ ドの放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。各被検物質の阻害活 性は I C5。値 (μΜ) で表し、 IV型に対する阻害活性を表 2に示した。 また、 各被 検物質の I型、 III型、 V型に対する阻害活性は IV型に対する阻害活性の 1 0分の 1以下であった。
表 2
<試験例 2 >
抗原誘発気道収縮抑制作用 (抗喘息作用)
ハートレイ系雄性モルモットに卵白アルブミン(〇Α) を 3 5mg筋肉内投与し て感作し、 4日後に同様に追加感作を行った。初回感作から 2 5〜2 9日後、ペン トバルビタール麻酔したモルモットに気管力ニューレを揷入して人工呼吸を施し た。 Ko n z e t t— R o e s s 1 e r法により気道抵抗をモニターし、 OA0. 0 5 mg/k g静脈内投与で惹起される気道抵抗の増加を調べた。 被検物質は 0. 5 %カルボキシメチルセルロースに懸濁して抗原投与の 4 5分前に十二指腸内投 与した。 本発明の化合物の効果を ED5Q値で表し、 表 3に示す。 表 3
<試験例 3 >
ァレルギ一性結膜炎モデルに対する改善作用
実験にはウィスター系のラット (日本クレア) を使用した。 ラットに卵白アルブ ミン(OA、シグマ社製) 1 0 0 μ §と 1 0 m g水酸ィ匕アルミニウム(Alum、 PIERCE 社製) を 1 m Lの生理食塩液に懸濁し、腹腔内投与することによつて感作した。 ァ
レルギ一性結膜炎は、感作日から 3週目以降のラットを用い、生理食塩液で 3 Om gZniLの濃度に調製した OAを 10 μ L点眼することによって惹起した。 薬物 は、 1. 0% (w/v) の濃度で生理食塩液に懸濁し、 OAで結膜炎を惹起する 1 0分前に点眼した (陽性対照薬としてジフェンヒドラミンを 0. 3% (w/v) の 濃度で生理食塩液に懸濁し、 OAで結膜炎を惹起する 10分前に点眼した) 。 薬物の効果は、 OA点眼後から 20分間に観察された、後肢で眼瞼を引つ搔く仕 草 (Itch - Scratch response:痒みの指標と考えられる) の回数を測定し、 下記式 より痒みの抑制率を求めた。
コントロール群:予め感作したラットに〇Aで結膜炎を惹起する 10分前に生理 食塩水を点眼した。 '
無処置群:感作していないラット.に生理食塩水を点眼した。
§十算 ·Α(:
(被験物質群 -無処置群)
抑制率 (%) = 100- X 00
(コントロール群
その結果、 (一) 一体は例数 5で 71.4%の抑制率を示した。 ぐ試験例 4 >
TNF— α産生抑制作用
ラットをペントバルビタール麻酔下にてへパリン処置した試験管に採血を行つ た。採血した血液と等量の RPMI— 1640培地を加え、 24we l 1 1 a t eに分注し、 溶媒 (DMSO) 、 または、溶媒に溶かした被験薬を添加し、 30 分間、 37°C、 5%。〇2でプレインキュベーションを行った。 反応は LP S (リ ポポリサッカライド) を添カ卩して開始し、 4時間、 37°C、 5%C〇2でインキュ ベーションを行い、氷浴にて反応を停止した。反応停止後、 3000 r pm、 4°C、 15分間遠心分離し、上清中の TNF— αを EL I S Α法にて測定した。被験薬の
活性は溶媒対照群に対する産生抑制率を求め、 TN F— α産生を 5 0 %抑制する被 験薬濃度を求め評価した。
その結果、 (一) 一体の IC5。( M)は 0. 11であった。
<試験例 5 >
N K^受容体拮抗作用
ヒト型 N K 1受容体を発現させた CH0細胞を 25mM Tris- HC1、 6mM MnCl2、 ImM EDTA、 10 i M PMSFを含む pH7. 4の緩衝液中でホモジナイズし、 800 g s 10分間遠心した。 上清を lOOOOOg X 1. 0時間遠心し、 得られた沈渣を上記緩衝液中に再度懸濁した。 タンパク量を測定後、 0. 02mg protein/mLになるように、 20mM HEPES、 1. 0mM MnCl2、 0. 01%BSAを含む pH7. 4の緩衝液で希釈し、 N K 受容体標本として使用した。
!^!^受容体への親和性は、 [¾] SR140333の bindingの阻害を測定することによつ て求めた。 前述した N Kェ受容体標本に DMS0中に溶解した被験物質及び [¾] SR140333 (最終濃度 0. 25nM) を加え、 25。Cで 90分間インキュベートした後、 グ ラスフィルターで吸引濾過し、 lmLの 50mM Tris- HC1緩衝液 pH7. 4で 3回洗浄後、 フ ィルター上の放射能活性を液体シンチレーシヨンカウンターで測定した。 尚、被験 物質は最終濃度で 10 μ Μ添カ卩し、 [¾] SR140333のバインディング阻害活性を測定し た。 '
その結果、 (-) 一体はほぼ 100%の抑制率を示した。
<試験例 5 >
モルモット摘出気管支のサブスタンス: Ρ (Ν Κ Χ ) 収縮に対する抑制作用 体重 330〜496gのハートレイ系雄性モルモットを脱血屠殺後に気管を摘出し、 鎖状 標本を作製した。 これを 95% 02 + 5% C02の混合ガスを通気した 3 Mインドメタシン を含む Krebs- Henseleit液を満たした organ bath中に lgの負荷で懸垂した。 標本の 収縮反応は FDピックァップ及びひずみ圧力ァンプを介してペンレコーダ一で記録 した。 標本が安定した後、 サプスタンス Pを 10— 9〜10— ¾の濃度となるよう低濃度か
ら累積添加して収縮反応を確認した。標本を Krebs-Henseleit液で数回洗浄した後;/ 本発明化合物を添カ卩して 20分間作用させた。その後、サブスタンス Pを累積添加し て収縮を惹起した。
その結果、 (一) 一体はモルモットの摘出気管支におけるサブスタンス P誘発収 縮のグラフを用量依存的に右側にシフトさせ、 拮抗的な阻害作用を示した。 産業上の利用可能性
本発明の化合物はラセミ体に比べて約 2倍のホスホジエステラーゼ (PDE) IV阻 害作用及び抗喘息作用を有しており、またラセミ体に比べて水に対する溶解性が著 しく高いことから、喘息、慢性閉塞性肺疾患等の炎症性疾患などの治療及び/ Xは 予防のための医薬の有効成分として極めて有用である。