WO2003001078A1 - Dispositif anti-vibration - Google Patents

Description

明 細 書 防 振 装 置 〔 技 術 分 野 〕

本発明は、 自動車エンジン等の振動体を防振的に支承するのに用いら れる防振装置に関するものである。

〔 背 景 技 術 〕

自動車エンジン等の振動発生体を、 その振動を車体に伝達させないよ うに支承するマウントとして、 液封入式の防振装置が知られている （例 えば、 特開平 9— 8 9 0 3 7号公報、 特閧平 1 0— 9 3 3 0号公報） 。 かかる防振装置は、 支持側に取付固定される筒状の本体金具と、 ェン ジン等の振動発生体側に取付けられる上側取付金具とが、 外形形状が略 截頭円錐形をなすゴム材ょりなる厚肉の防振基体を介して結合され、 さ らに前記本体金具の下部側に防振基体と対向するダイヤフラムが装着さ れ、 その両者間の内室が液封入室とされ、 この液封入室が仕切部材によ り防振基体側とダイャフラム側の 2つの液室に仕切られ、 両液室がォリ フィスにより連通せしめられ、 オリフィスによる両液室間の液流動効果 や防振基体の制振効果により、 振動減衰機能と振動絶縁機能を果すよう に構成されている。

この種の防振装置においては、 エンジン等の振動によって防振基体が 変形し、 上側取付金具が上下方向および前後左右の軸直角方向に変位す る場合において、 該上側取付金具の一定以上の変位を規制するためのス トヅパ機構が設けられている。

このス トッパ機構として、 従来装置の場合、 上側取付金具に径方向に 張り.出すス ト ッパ用のフランジを設ける一方、 前記筒状の本体金具に、 前記防振基体の外方を前記フランジの上方にまで延び、 かつ上端部分を 前記フランジ上方に位置させるように内側に折曲形成してなる筒状のス トツパ金具を固定し、 ス ト ツパ作用を果たすように構成したものがあ る。

このス トッパ機構によれば、 振動に伴う上方向あるいは軸直角方向 (車両の前後方向や左右方向） の大変位時に、 前記ス トツパ用のフラン ジが前記ス トッパ金具の上端部における内フランジ状の折曲端部あるい は側壁部に当接することで、 上側取付金具の一定以上の挙動を抑えるこ とができ、 また車両の衝突時等にも前記上側取付金具の離脱 （抜け） が 起こり難く、 強度上の信頼性は高い。

ところで、 前記のス トヅパ機構において、 ス ドヅパ金具に対して当接 する前記フランジの上面部や外周部には、 当接時の緩衝を目的として、 比較的厚肉のス トッパゴムが加硫接着手段により付設されている。 この ス トッパゴムは、 上側取付金具に加硫接着される防振基体と一体のゴム よりなり、 前記フランジの外周部および上面部を周方向に連続して包被 するように設けられている。 特に、 このス トッパゴムの上面側ゴム部に おいては、 前記フランジの上面に対して凸状をなして周方向に連続して おり、 その内方部が凹状をなしている。 しかも前記ス トヅパゴムの厚み は、 当接時の衝撃吸収の効果等の点からある程度の厚みを保有してい る o

そのため、 車両搭載状態において、 筒状のス トッパ金具の上部開口よ り雨水等が侵入すると、 前記上側取付金具のフラ ンジ上面におけるス ト ツバゴムより内方の凹所に入り込み、 この水が排出されず溜まり易くな つている。 仮に水が溜まると、 これが腐敗して腐食ゃ鑌を生じ易くな り、 ゴム材よりなる防振基体やス トッパゴムを変質、 劣化させるおそれ 力 ^Sある。

なお、 ス トッパゴムの上面側のゴム部に、 周方向の所要間隔毎に径方 向の凹溝を形成したものもあるが、 この凹溝は主にス トッパ金具との吸 着による異音防止のためのものであって、 上面側ゴム部の肉厚の略 1 / 2程度の深さのものであってそれほど深くなく、 侵入した水の排出には それほど効果はない。

しかも、 前記ス トツバゴムの外周ゴム部が防振基体の上端部より径方 向に張り出して径大となっている。 すなわち、 ス トヅパゴムの外周ゴム 部に対してその下方の防振基体の上端部がアンダー力ッ ト形状をなして いる。 そのため、 前記ス トッパゴムを防振基体と一体に同時に成形した 場合、 前記アンダー力ッ ト形状のために軸方向の型抜きが困難なもので あり、 防振基体外周を成形する型を割型にする必要がある。

〔 発 明 の 開 示 〕

本発明は、 上記形態のス トッパ機構を備える防振装置として、 上下方 向および前後左右の軸直角方向のス トッパ機能を持ち、 ス トツバ用のフ ランジの上面に侵入した水が溜まるのを防止でき、 耐久性に優れ、 また アンダーカツ ト形状であっても、 軸方向の型抜きを可能にできる構造の 防振装置を提供する。

本発明は、 筒状の本体金具と、 該本体金具の軸心部上方に間隔をおい て配されかつ径方向に張り出したフランジを有する上側取付金具と、 前 記本体金具と上側取付金具との間に介設されて両金具を結合するゴム材 よりなる防振基体と、 前記本体金具に連設されて前記防振基体の外方を 前記フランジの上方にまで延び、 かつ上端部分が前記フランジ上方に位 置するように内側に折曲されてなる筒状のス トッパ金具とを有し、 前記 フランジの上面部および外周部にはス トッパゴムが付設されており、 振 動に伴う上側取付金具の上方向および軸直角方向の大変位時に、 前記フ ランジが前記ス ト ヅパゴムを介して前記ス ト ヅパ金具に当接するように 設けられてなる防振装置において、 前記フランジに付設された前記ス ト ッパゴムには、 周方向の少なく とも 1個所に、 上面部から外周面部にわ たって連続する水抜き用の切欠溝が設けられてなることを特徴とする。 この防振装置によれば、 車両への搭載状態において、 上方向あるいは 前後左右の軸直角方向の大変位時におけるス ト ッパ作用を確実に果たす ことができる上、 仮に、 筒状のス トッパ金具の上部開口から雨水等の水 が侵入し、 上側取付金具のフランジの上面に入り込んだ場合、 侵入した 水は該フランジの上面部および外周面部に付設されたス ト ッパゴムに形 成されている少なく とも 1個所の水抜き用の切欠溝を通じて排出され、 前記フランジの上面には水が溜まることがない。 そのため、 水溜ま りに よる腐食や鯖あるいはゴム材ょりなる防振基体ゃス ト ツパゴムの変質、 劣化を防止でき、 その耐久性を高めることができる。

しかも、 前記の切欠溝によりス ト ッパゴムが周方向の少なく とも 1個 所で分断される形になる。 そのため、 前記ス ト ッパゴムは周方向に環状 に連続しているものに比して変形し易くなり、 仮にス トッパゴムの外径 がその下方の防振基体の上端部より径大であっても、 軸方向に型抜きす ることが可能になる。

剪記の水抜き用の切欠溝は、 上面部から外周面部にわたりス ト ッパゴ ムのゴム厚と略同程度の深さ、 も しくは若干浅い深さであるのが好まし く、 これによ りフランジ上面の水抜き作用を確実に行うことができる。 また、 前記切欠溝は周方向の 1 もしくは数力所に形成しておくのがよ く、 これによ り前記深さの切欠溝を形成しても、 ス ト ッパゴムの弾性力 は過度に小さ くはならず、 充分にス ト ッパ作用を果たすことができる。 特に、 前記切欠溝が周方向で相対向する 2個所に設けられている場合、 前記フランジ上面の水抜き作用が良好かつ確実に行え、 しかもス ト ッパ ゴムの弹性力が過度に低下することがない。

また、 前記の一つの水抜き用の切欠溝が、 傾斜状態で車両に搭載され る場合に、 前記フランジ上面における最低位側の部位に設けられている と、 侵入した水の排出がさらに良好に行われる。

前記の防振装置において、 前記防振基体が略截頭円錐形をなし、 該防 振基体の上端部が上側取付金具のフランジの下面側に加硫接着手段によ り固着されるとともに、 該防振基体の上端部から連続するゴム材によつ て前記ス ト ヅパゴムが形成されているのが好ましい。 これにより、 ス ト ッパゴムを防振基体と一体のゴム材によ り同時に成形できるこ とにな り、 余分な成形を必要とせず、 コス ト安価に製造できる。

また、 前記のように前記防振基体と一体形成された前記ス ト ッパゴム の外周ゴム部が、 前記防振基体の上端部よ り径大に形成されている場合 において、 前記水抜き用の切欠溝を前記ス ト ツバゴムの外周ゴム部で前 記防振基体の上端部と略面一の状態になるように形成しておくのが好ま しい。

これにより、 前記ス ト ッパゴムの外周ゴム部に対してその下方の防振 基体の上端部がアンダーカヅ ト形状になるにも拘わらず、 ス ト ッパゴム が周方向の少なく とも 1個所で分断される形になるために変形し易く、 成形において軸方向の型抜きが容易に可能になる。

さらに、 前記の防振装置において、 前記防振基体が略截頭円錐形をな し、 該防振基体の下端部が前記筒状の本体金具の上部に固着されてお り、 該防振基体の外側空間の低位部から装置外部に通じる水抜き手段が 設けられているのが好ましい。 特に、 前記防振基体の外周面下部と前記 本体金具の上端部内周面との間に環状の凹所が形成されている場合に、 水抜き手段として該凹所の低位部から本体金具およびス ト ツパ金具を貫 通して外方に連通する貫通孔を形成しておくのがよい。 これにより、 前 記フランジの上面から水抜き用の前記切欠溝を通じて落下する水を、 前 記水抜き手段、 例えば貫通孔により装置外部に排出でき、 防振基体の外 側の凹所等の空間に水が溜まることがない。

また、 前記の防振装置において、 前記本体金具の下部側に前記防振基 体と対向してゴム膜よりなるダイヤフラムが配され、 防振基体とダイヤ フラムとの間の内室が液封入室とされ、 この液封入室が仕切体により防 振基体側とダイヤフラム側との二つの液室に仕切り構成され、 両液室が オリフィスにより連通せしめられてなるものが、 振動減衰機能および振 動絶縁機能の点から好ましい。

〔図面の簡単な説明〕

図 1は、 本発明の防振装置の 1実施例を示すス トッパ金具の一部を切 り欠いて示す斜視図である。

図 2は、 同上の防振装置の X— X線の縦断面図である。

図 3は、 ス トヅパ金具を省略した平面図である。

図 4は、 同上の一部の断面図である。

図 5は、 防振基体の加硫成形後の脱型時のス トッパゴムの変形状態を 示す略示断面図である。

図 6は、 本発明の防振装置の他の例を示す一部の断面図である。

〔発明を実施するための最良の形態〕 次に本発明の実施例を図面に基づいて説明するが、 本発明はこれに限 定されるものではない。

図において、 1は底部に開口 1 aを有する底部開放形の略力ップ状を なす筒状の本体金具、 2は前記本体金具 1の軸心部上方に所要の間隔を おいて配された上側取付金具である。 この上側取付金具 2の下部、 例え ば下端部に、 径方向外方に張り出したス トッパ用のフランジ 2 aがー体 に形成され、 また上部 2 bには圧入あるいは溶接手段により取付用ボル ト 2 cが突設されており、 振動発生体側の取り付け用ブラケッ ト等の部 材 2 0を固定できるようになつている。

3は外形が略截頭円錐形をなすゴム材ょりなる防振基体であり、 この 防振基体 3の上端部 3 aが前記上側取付金具 2のフランジ 2 aの下面に 加硫接着手段により固着されている。 前記上側取付金具 2の一部、 例え ば前記フランジ 2 aより下方に突出する部分 （図示せず） が防振基体 3 に埋設される場合もある。 前記防振基体 3の下端部外周は、 前記本体金 具 1の上部内周に対し加硫接着手段により固着されている。 図の場合、 本体金具 1の上端部 1 aは下部 1 bより傾斜部 1 cを介して拡径形成さ れており、 前記防振基体 3の下部外周が前記傾斜部 1 cに加硫接着され ている。 前記上端部 1 aの内周には防振基体 3と一体のゴム層 3 bが設 けられている。 こうして前記本体金具 1 と上側取付金具 2 とが防振基体 3を介して結合されている。

さらに、 前記本体金具 1の下部開口側に前記防振基体 3と対向するゴ ム膜よ りなるダイヤフラム 4が装着され、 このダイヤフラム 4と防振基 体 3 との間の内室が液封入室 5として形成されている。 前記本体金具 1 内周には、 仕切体 7が液密に嵌着されており、 前記液封入室 5が前記仕 切体 7により防振基体 3側の液室 5 aとダイヤフラム 4側の液室 5 bと に仕切られている。 両液室 5 a， 5 bは、 前記仕切体 Ίに有するォリフ イスにより連通せしめられており、 両液室 5 a， 5 b間での液流動効果 や防振基体 3の制振効果により、 振動減衰機能と振動絶縁機能を果すよ うになつている。

前記ダイャフラム 4および仕切体 7の外周端部は、 前記筒状の本体金 具 1の下端部に、 前記のダイヤフラム 4の外周縁部、 およびその下方を 覆う有底筒状の底部材 8と共にかしめ締結手段により一体に固定されて いる。

前記上側取付金具 2のフランジ 2 aの上面部における外周縁部から外 周面部にわたってス トッパゴム 1 0が加硫接着手段により付設されてお り、 後述するス ト ツバ金具に対して弾力的に当接するようになつてい る。 1 0 aはス トヅパゴムの上面ゴム部を示し、 1 0 bは外周ゴム部を 示している。

前記ス ト ヅ パゴム 1 0は、 前記フランジ 2 aの下面に固着された防振 基体 3の上端部から連続するゴム材により防振基体 3 と一体に加硫成形 され、 前記外周ゴム部 1 0 bが前記防振基体 3の上端部より径大に形成 されており、 該外周ゴム部 1 0 bに対して前記防振基体 3の上端部 3 a が括れた形状、 つまりアンダーカツ ト形状をなしている。

また、 前記の本体金具 1には、 前記防振基体 3の外方を前記フランジ 2 aより上方の位置にまで延びる略円筒状のス トツバ金具 9が固定され ている。 図の場合は、 前記ス トツパ金具 9の下部 9 1が段部 9 2を介し て上部 9 3より径大に形成され、 該径大の下部 9 1が前記本体金具 1の 上端部 1 aに対して段部 9 2に当接する位置まで圧入されて固定されて いる。 このほか、 図 6のように、 ス ト ヅパ金具 9の下端部を、 前記本体 金具 1のフランジ状の開口端部 1 dに対してかしめ締結手段により固定 しておくこともできる。

前記ス ト ツパ金具 9は、 その上端部分がス トツパ部として内側に折曲 されて内フランジ状に形成され、 前記上側取付金具 2のフランジ 2 aと その上方、 特に上側取付金具 2に固定される振動発生体側の部材 2 0 と の間に位置せしめられている。 2 1は前記上側取付金具 2の上端部に取 着されたゴムカバ一であり、 ス トヅパ金具 9の上部開口からのゴミゃ雨 水等の侵入を防止し、 かつ前きス トッパ金具 9と前記部材 2 0 との当接 時の衝撃吸収の役目も果たすように設けられている。

これにより、 振動に伴う前記上側取付金具 2の上方向の大変位時には 前記フランジ 2 aが前記ス トツバ金具 9の上端部における内フランジ状 の折曲端部 9 aに対しス トッパゴム 1 0を介して当接し、 また下方向へ の大変位時には前記部材 2 0が前記折曲端部 9 aに対し前記ゴムカバー 2 1 を介して当接することで、 ス ト ヅ パ作用を果たすようになつてい る。 また軸直角方向 （前後、 左右方向） の大変位時には、 前記フランジ 2 aの外周が前記ス トツパ金具 9の上端部における側壁部に対して前記 ストヅ パゴム 1 0を介して当接して、 ス トヅ パ作用を果たすようになつ ている。

そして、 前記のス トッパ機構において、 前記上側取付金具 2のフラン ジ 2 aに付設されたス トツパゴム 1 0には、 周方向の少なく とも 1個 所、 例えば図のように相対向する 2個所に、 ス トッパゴム 1 0の上面側 ゴム部 1 0 aから外周ゴム部 1 0 bにわたつて連続する水抜き用の切欠 溝 1 1が設けられており、 フランジ 2 aの上面に侵入する雨水等の水を 排出できるようになつている。

この切欠溝 1 1は、 ス トッパゴム 1 0のゴム厚と略同程度の深さ、 も しくは前記ゴム厚より僅かに浅い深さ、 好ましくは前記ゴム厚の 2 / 3 以上の深さとする。 すなわち、 フランジ 2 aの上面において、 前記切欠 溝 1 0の部分に前記ゴム厚の 1 / 3以上の厚みのゴム層が残っている と、 フランジ上面との段差が大きくなつて、 前記の水抜き効果が低下す ることになる。 したがって、 上面ゴム部 1 0 aではフランジ 2 aの上面 に殆どあるいは全くゴム層を残さないような深さに形成しておくのが好 ましい。

なお、 前記外周ゴム部 1 0 bでは、 切欠溝 1 1の部分に前記ゴム厚の 1 / 3以下の厚み、 例えば 1 m m程度の厚みのゴム層 1 1 bを残すよう に切欠溝 1 1の深さを設定できるが、 実施上は、 該切欠溝 1 1の底面が 前記防振基体 3の上端部 3 aの外周面と略面一になる深さに形成してお くのが好ましい。

前記のように切欠溝 1 1が形成されていると、 前記ス トヅパゴム 1 0 の外周ゴム部 1 0 bが周方向の少なく とも 1個所の切欠溝 1 1で分断さ れる形になる。 そのため、 前記外周ゴム部 1 0 bは周方向に環状に連続 しているものに比して変形し易くなり、 前記のように前記外周ゴム部 1 0 bに対して防振基体 3の上端部 3 aがアンダー力ヅ ト形状であって も、 例えば図 5 に示すように変形でき、 防振基体 3 とともに成形した 後、 軸方向に型抜きすることが可能になる。 すなわち、 防振基体 3およ びス ト ッパゴム 1 0の外周面を成形する型を分割型にする必要がなく、 成形が容易になる。

前記の水抜き用の切欠溝 1 1は、 1個所もしくは周方向に間隔をおい て複数個所に形成しておくことができるが、 この切欠溝 1 1の数が多く なればなるほど、 ス トッパゴム 1 0の周方向寸法が小さくなり、 ス トツ パゴム 1 0 としての弾性力が低下することになる。 したがって、 切欠溝 1 1の形成個所は、 その溝幅によっても異なるが、 周方向等間隔に 4個 所位までが好ましく、 より好ましくは 1〜 3個所、 例えば図のように相 対向する 2個所である。

符合の 1 2は、 前記上面ゴム部 1 0 aの周方向所要間隔毎の複数個所 に設けたゴム厚の約 1ノ2以下の比較的浅い凹溝であり、 主にス トヅパ 金具への吸着による異音防止のために設けられている。 前記切欠溝 1 1 は、 前記凹溝 1 2の任意のものの個所に形成しておくことができる。 いずれにしても、 本発明の防振装置が傾斜状態で車両に搭載される場 合に、 前記の水抜き用の切欠溝 1 1の一つが前記フランジ 2 aの上面に おける最低位側の部位に設けられているのがよく、 これにより侵入した 水の排出がさらに良好に行われることになる。

なお、 防振装置としての機能性 （軸直角方向のばね定数等） は、 前記 防振基体 3のくびれ形状となる上端部の外径寸法 Aで決まり、 またス ト ツバゴム 1 0の耐久性は、 ス トツバゴム部分の軸方向寸法 Bと外径寸法 Cで決まる。 したがって、 これらの性能を満足するように前記寸法を設 定する。

また、 前記防振基体 3の下端部が本体金具 1の上部に固着され、 その 外方にス トッパ金具 9が設けられているために、 防振基体 3の外側のス トツパ金具 9 との間に空間 1 3が形成されることになり、 前記フランジ 2 aの上面から切欠溝 1 1を通じて排出される水が、 前記空間 1 3には 入り込む。 そこで、 前記空間 1 3の低位部には装置外部に通じる水抜き 手段を設ける。

すなわち、 図示する実施例のように、 前記防振基体 3の下端部が本体 金具 1の傾斜部 1 bに固着されている場合、 前記防振基体 3の外周面下 部と前記本体金具 1の上端部内周面との間に、 前記空間 1 3の低位部と しての環状の凹所 1 5が形成されるので、 この凹所 1 5の低位部に、 水 抜き手段として、 本体金具 1およびス 卜ッパ金具 9を貫通して外部に連 通する貫通孔 1 7を設け、 該凹所 1 5に入り込む水を装置外部に排出で きるようにする。

なお、 図 6に示すように、 前記防振基体 3の下端部が本体金具 1の上 端部に加硫接着され、 防振基体 3の外周面が本体金具 1のフランジ状開 口端部 1 dの上面に傾斜して連続している場合は、 前記水抜き手段とし て前記空間 1 3の低位部にあたるス ト ッパ金具 9の個所に切欠孔 1 7 a を形成しておけばよい。

これらの貫通孔 1 7あるいは切欠孔 1 7 aは、 1個所に限らず、 複数 個所に設けることができ、 また水抜き効果上、 その一つが車両への搭載 状態において最低位となる位置に設けておくのが好ましい。

また、 図示する実施例においては、 防振装置の内部構造として、 内部 の液封入室 5を 2つの液室 5 a , 5 bに仕切る仕切体 7は、 アルミニゥ ムその他の金属材ゃ合成樹脂材その他の剛性材料による成形体よりなる 内外二つの部材 7 1 , 7 2 と、 その下面側に配された受板部材 7 3 とか' らなり、 受板部材 7 3の外縁部が前記筒状の本体金具 1の下端部にかし め固定されている。 この仕切体 7には、 前記両液室 5 a， 5 bを連通さ せるオリフィスとして、 外周部において周方向に延びる液流動抵抗の大 きい外側ォリフィス 6 と、 これより径方向の内側にあって液流動抵抗の 小さい内側ォリフィス 6 0 とが設けられている。

前記内側オリフィス 6 0は、 前記ダイヤフラム 4の中央部に一体に形 成された弁体 4 1 により開閉されるように設けられている。 その手段と して、 前記ダイヤフラム 4と底部材 8の底部との間に、 環状のゴム膜部 4 2により軸方向に変位可能に支持された押圧補助部材 4 3が配される ととともに、 この押圧補助部材 4 3を介して前記弁体 4 1を仕切体 7側 に押圧するスプリ ング 4 4が配されており、 このスプリング 4 4により 押圧されることで前記弁体 4 1が前記内側ォリフィス 6 0の液室 5 b側 の開口 6 1を閉塞するように設けられている。 そして、 前記押圧補助部 材 4 3と第 2取付具との間の大気圧と負圧の選択導入が可能な切替室 4 5に負圧を導入することにより、 前記ダイャフラム 4を前記スプリング 4 4の付勢力に抗して仕切体 7から離脱させて、 前記の内側ォリフィス 6 0を開放させるようになつており、 これにより切替制御型の液封入式 防振装置を構成している。 4 6は大気と連通する空気室である。

なお、 本発明の防振装置は、 上記の切替制御型の液封入式防振装置の ほか、 二つの液室を一つのォリフィスにより連通させる単純な二室形の 液封入式防振装置において、 上記同様のス トッパ機構の構成を採用して 実施できる。

上記実施例の防振装置は、 例えば、 本体金具 1を車体フレーム等の支 持側に固定し、 上側取付金具 2をエンジン等の振動発生体側の部材 2 0 に対し取り付け固定して使用する。 特に、 この防振装置を傾斜状態で搭 載する場合、 ス ト ッパ用フランジ 2 aのス ト ヅパゴム 1 0に形成されて いる切欠溝 1 1が最低位の位置になるようにして使用する。

この使用において、 振動発生体の振動によって、 上側取付金具 2に上 下方向の大変位が生じた時には、 ス トツバ金具 9の折曲端部 9 1に対し て、 上側取付金具 2のス トツパ用のフランジ 2 aあるいは振動発生体側 の部材 2 0がス ト ッパゴム 1 0あるいはゴムカバ一 2 1を介して弾力的 に当接することで、 大きな衝撃を生じさせずにス トッパ作用を果たすこ とができる。 また、 上側取付金具 2に前後左右の軸直角方向に大変位が 生じたときには、 前記フランジ 2 aの外周部がス トヅパゴム 1 0の外周 ゴム部 1 0 bを介して弾力的に当接することにより、 良好なス トヅパ作 用を果たす。

また、 筒状のス トッパ金具 9の上部開口から雨水等の水が侵入し、 上 側取付金具 2のフランジ 2 aの上面に入り込んだ場合は、 侵入した水は 該フランジ 2 aの上面部および外周面部に付設されたス トヅパゴム 1 0 に形成されている水抜き用の切欠溝 1 1を通じて排出され、 前記フラン ジ 2 aの上面には水が溜まることがない。 そのため、 水溜まりによる腐 食ゃ鲭あるいはゴム材ょりなる防振基体ゃス ト ッパゴムの変質、 劣化を 防止でき、 その耐久性を高めることができる。

〔産業上の利用可能性〕

本発明の防振装置は、 上下方向および前後左右の軸直角方向のス トッ パ機能を持ち、 しかもフランジ上面における水溜まりを防止でき、 以て 自動車ェンジン等の振動発生体を防振的に支承するのに好適に使用する ことができる。

Claims

請 求 の 範 囲 . 筒状の本体金具と、 該本体金具の軸心部上方に間隔をおいて配され かつ径方向に張り出したフランジを有する上側取付金具と、 前記本体 金具と上側取付金具との間に介設されて両金具を結合するゴム材ょり なる防振基体と、 前記本体金具に連設されて前記防振基体の外方を前 記フランジの上方にまで延びかつ上端部分が前記フランジ上方に位置 するように内側に折曲されてなる筒状のス トッパ金具とを有し、 前記 フランジの上面部および外周部にはス トツバゴムが付設されており、 振動に伴う上側取付金具の上方向および軸直角方向の大変位時に、 前 記フランジが前記ス トッパゴムを介して前記ス トヅパ金具に当接する ように設けられてなる防振装置において、

前記フランジ部に付設された前記ス トヅパゴムには、 周方向の少な く とも 1個所に、 上面部から外周面部にわたって連続する水抜き用の 切欠溝が設けられてなることを特徴とする防振装置。

. 前記水抜き用の切欠溝は、 上面部から外周面部にわたりス トッパゴ ムのゴム厚と略同程度もしくは若干浅い深さである請求項 1に記載の 防振装置。

. 前記水抜き用の切欠溝が、 周方向で相対向する 2個所に設けられて なる請求項 1または 2に記載の防振装置。

. 一つの水抜き用の切欠溝が、 車両搭載状態において最低位側の部位 に設けられてなる請求項 1または 2に記載の防振装置。

. 前記防振基体が略截頭円錐形をなし、 該防振基体の上端部が上側取 付金具のフランジの下面側に加硫接着手段により固着されるととも に、 該防振基体の上端部から連続するゴム材によって前記ス トッパゴ ムが形成されている請求項 1または 2に記載の防振装置。

. 前記ス トッパゴムの外周ゴム部が前記防振基体の上端部より径大に 形成されて、 前記水抜き用の切欠溝が前記防振基体の上端部と略面一 状態になるように形成されてなる請求項 5に記載の防振装置。

. 前記防振基体が略截頭円錐形をなし、 該防振基体の下端部が前記筒 状の本体金具の上部に固着されており、 該防振基体の外側空間の低位 部から装置外部に通じる水抜き手段が設けられてなる請求項 1または 2に記載の防振装置。

. 前記防振基体の外周面下部と前記本体金具の上端部内周面との間に 環状の凹所が形成され、 該凹所の低位部から本体金具およびス トツバ 金具を貫通して外方に連通する貫通孔が形成されてなる請求項 7に記 載の防振装置。

. 前記本体金具の下部側に前記防振基体と対向してゴム膜よりなるダ ィャフラムが配され、 防振基体とダイャフラムとの間の内室が液封入 室とされ、 この液封入室が仕切体により防振基体側とダイヤフラム側 との二つの液室に仕切り構成され、 両液室がォリフィスにより連通せ しめられてなる請求項 1または 2に記載の防振装置。