明細書
1—低級アルキル— 3—ヒドロキシピロリジン類の製造方法 技術分野
この発明は、 医薬品、 農薬等の精密化学品の合成中間体として有用な. '般式 (1 )
(式中、 Xは水酸基または保護された水酸基を表し、 R 1及び R 2はそれぞれ独立 して水素原子または低級アルキル基を表す) で表される 1一低級アルキル一 3― ヒドロキシピロリジン類又はその塩の製造方法に関する。
より詳細には、 原料として、
一般式 (2 )
(式中、 Xは水酸基または保護された水酸基を表す) で表される 1 一ベンジル 3—ヒドロキシピロリジン類又はその塩、
又は同じく原料として
(式中、 Xは水酸基または保護された水酸基を表す) で表される 3—ヒドロキシ ピロリジン類又はその塩に、
(式中、 R '及び R 2はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表す) で表されるアルデヒド又はケトンを接触還元反応により反応させて、 上記 1—低 級アルキル一 3—ヒドロキシピロリジン類又はその塩を製造する方法に関する。 背景技術
前記一般式 (1 ) で表される 1 —低級アルキル一 3—ヒドロキシピロリジン 類を製造する方法としては、 従来、 3—ヒドロキシピロリジン類にハロゲン化低 級アルキルを反応させる方法がよく知られている。 しかし、 この方法では、 ハロ ゲン化低級アルキルが 2モル反応した 4級アンモニゥム塩の生成が避けられず、 目的物の収率低下と不純物量の増大を招き問題となっていた。
また、 近年では、 3—ヒドロキシピロリジンの 2級ァミノ基を一旦ァシル化 した後、 そのァシル基をリチウムアルミニウムハイドライド (L A H) 等で還元
してアルキル基に変換する方法が報告されている (ジャーナル ォブ オーガ二 ック ケミストリ一、 6 3巻、 2 3号、 8 2 6 6頁、 1 9 9 8年)。 しかし、 この 方法では、 反応が複数段階に及び煩雑であること、 高価かつ安全上問題のある L AHを使用すること等、 工業的な製法とするには、 問題があった。
また、 調製の容易な 1—ベンジルー 3 —ヒドロキシピロリジンを原料とする 場合には、 一旦、 金属触媒の存在下、 接触還元反応による脱ベンジル化を行い、 3—ヒドロキシピロリジンを単離してから、 上記のハロゲン化低級アルキルを用 いる方法、 又はァシル化後還元反応を行う方法により、 アルキル化反応を実施す ることとなり、 更に反応段階が多く、 非効率であり、 問題があった。
一方、 接触還元反応を利用して 3—ヒドロキシピロリジンに類似の化合物を アルキル化した例としては、
3—ヒドロキシピロリジンにベンズアルデヒドを、 金属触媒の存在下、 接触 還元反応させて 1 一ベンジル— 3—ヒドロキシピロリジンを製造する (特開平 2 一 2 1 2 4 6 9 )、
2—ヒドロキシメチルピペリジンにホルムアルデヒドを、 P d Z C触媒の存 在下、 接触還元反応させてメチル化する方法 (ジャーナル ォブ オーガニック ケミストリ一、 2 9巻、 2 8 6 0頁、 1 9 6 4年) が知られている。
しかし、 3—ヒドロキシピロリジン類を、 接触還元反応を利用して低級アル キル化した例は知られておらず、 また、 1 —ベンジルー 3—ヒドロキシピロリジ ン類を原料として、 脱べンジル化と低級アルキル化を、 3—ヒドロキシピロリジ ンを単離することなく、 連続して又は同時に行った例も知られていない。 発明の開示
本発明は、 上記に鑑み、 1—ベンジル— 3—ヒドロキシピロリジン類又は 3 —ヒドロキシピロリジン類を原料として、 安価かつ簡便な方法にて、 選択性良く ( 4級アンモニゥム塩の副生の少ない) 1 一低級アルキル— 3—ヒドロキシピロ リジン類を製造する方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、 一般式 (3 ) で表される 3—
ヒドロキシピロリジン類又はその塩に、 一般式 (4 ) で表されるアルデヒド又は ケトンを、 金属触媒の存在下、 接触還元反応を利用して反応させることにより、 安価かつ簡便に選択性良く、 1一低級アルキル一 3—ヒドロキシピロリジン類又 はその塩が得られることを見いだした。
また、 接触還元反応を利用して、 一般式 (2 ) で表される 1—ベンジルー 3—ヒドロキシピロリジン類又はその塩から一般式 (3 ) で表される 3—ヒドロ キシピロリジン類又はその塩への変換、 更に 3—ヒドロキシピロリジン類又はそ の塩から一般式 ( 1 ) で表される 1—低級アルキル— 3—ヒドロキシピロリジン 類又はその塩への変換を、 3—ヒドロキシピロリジン類 (3 ) 又はその塩を単離 することなく連続して又は同時に行えることを見いだし、 本発明を完成するに至 つた。
即ち、 本発明は一般式 (1 )
(式中、 Xは水酸基または保護された水酸基を表し、 R 1及び R 2は、 それぞれ独 立して、 水素原子または低級アルキル基を表す) で表される 1 一低級アルキル一 3—ヒドロキシピロリジン類又はその塩の製造方法であって、
( a ) —般式 (2 )
(式中、 Xは水酸基または保護された水酸基を表す) で表される 1一べンジル · 3—ヒドロキシピロリジン類又はその塩を、 脱べンジル化して一般式 (3 )
(式中、 Xは水酸基または保護された水酸基を表す) で表される 3—ヒドロキシ ピロリジン類又はその塩に変換する工程、 及び
(b) 前記化合物 (3) 又はその塩を、
一般式 (4)
(式中、 R1及び R2は前記と同じ) で表されるアルデヒド又はケトンと反応させ て、 一般式 (1) で表される 1—低級アルキル— 3—ヒドロキシピロリジン類又 はその塩を製造する工程.
を、 金属触媒の存在下、 接触還元反応を利用して、 連続して又は同時に行うこと を特徴とする製造方法である。
また、 本発明は、 一般式 (3) で表される 3—ヒドロキシピロリジン類又は その塩と、 一般式 (4) で表されるアルデヒド又はケトンを反応させて、 一般式 (1) で表される 1一低級アルキル一 3—ヒドロキシピロリジン類又はその塩の 製造方法であって、 金属触媒の存在下、 接触還元反応を利用して反応を行うこと を特徴とする製造方法である。
以下、 本発明を詳細に説明する。
. まず、 本発明で用いる原料について説明する。
( 1 ) 一般式 (2 ) で表される 1—ベンジルー 3—ヒドロキシピロリジン類およ び一般式 (3 ) で表される 3—ヒドロキシピロリジン類について
本発明で用いる一般式(2 ) で表される 1—ベンジル— 3—ヒドロキシピ 口リジン類は、特開平 1 0— 1 5 0 9 9 7に記載の 1—ベンジルー 3—ピロ リジノンを微生物還元する方法等で得られる 1 一ベンジル— 3 —ヒドロキ シピロリジンを、必要に応じて水酸基を保護することにより調製することが できる。
また、 一般式 (3 ) で表される 3—ヒドロキシピロリジン類は、 上記のよ うにして得られた 1一べンジルー 3 —ヒドロキシピロリジン類 (2 ) を、 特 開平 2— 2 5 8 7 6 2等に記載の貴金属触媒を用いて水素化分解する方法 により調製することができる。
一般式 (2 ) 及び (3 ) において Xは水酸基または保護された水酸基を表 す。
水酸基の保護基は特に限定されず、 メトキシメチルェ一テル、 ベンジルェ 一テル、 テトラヒドロピラニルエーテル、 トリメチルシリルェ一テル等のェ 一テル系保護基、 ァセチルエステル、 ベンゾィルエステル、 メタンスルフォ ニルエステル、メチル炭酸エステル等のエステル系保護基等を挙げることが できる。
一般式 (2 ) で表される 1一べンジルー 3—ヒドロキシピロリジン類、 及 び一般式 (3 ) で表される 3—ヒドロキシピロリジン類は、 遊離体のまま使 用しても良いし、 酸との塩の形でも本発明に好適に用いることができる。 塩を形成させる酸としては、 特に限定されないが、 塩酸、 臭化水素酸、 燐 酸、 硫酸等の鉱酸類、 ギ酸、 酢酸、 シユウ酸、 マレイン酸、 フタル酸、 酒石 酸等のカルボン酸類、 メタンスルフォン酸、 トルエンスルフォン酸等の有機 スルフォン酸類、 メタンホスフォン酸、 ェ夕ンホスフォン酸等の有機ホスフ オン酸類、 グリシン、 ァラニン、 ァスパラギン酸等のアミノ酸類等を挙げる
ことができる。
1 —ベンジルー 3—ヒドロキシピロリジン類 (2 ) と酸との塩、 及び、 3 ーヒドロキシピロリジン類 (3 ) と酸との塩は、 予め塩の形に調製したもの を使用レても良いし、 本発明の接触還元反応開始前又は開始後に、 上記酸と 混合することにより反応系中で生成させても良い。
( 2 ) 一般式 (4 ) で表されるアルデヒドまたはケトンについて
本発明では、 一般式 (4 ) で表されるアルデヒドまたはケトンを用いて低 級アルキル化を行う。
一般式 (4 ) において、 R 1及び R 2は、 独立して水素原子又は低級アルキ ル基を表す。
ここで、 低級アルキル基としては、 炭素数 1〜4の直鎖または分岐アルキ ル基をいう。 炭素数 1〜4の直鎖アルキル基とは、 メチル基、 ェチル基、 n 一プロピル基、 n—ブチル基が挙げられる。 炭素数 1〜4の分岐アルキル基 としては、 イソプロピル基、、 s e c—プチル基、 t 一ブチル基が挙げられ る。
一般式 (4 ) で表されるアルデヒドまたはケトンの具体例としては、 例え ば、 ホルムアルデヒド、 パラホルムアルデヒド、 ァセトアルデヒド、 プロピ ォニルアルデヒド、 ブチルアルデヒド、 ペンチルアルデヒド、 アセトン、 2 ーブタノン、 2—ペン夕ノン、 3—ペン夕ノン、 2—へキサノン、 3—へキ サノン、 3—ヘプ夕ノン、 —ヘプ夕ノン、 メチルイソプロピルケトン、 X チルイソプロプルケトン、 ジィソプロピルケトン、 メチル— tプチルケトン、 ェチルー tプチルケトン等を挙げることができる。 3—ヒドロキシピロリジ ン類との反応性及び生成物の有用性の観点から好ましくは、ホルムアルデヒ ド、 ァセトアルデヒド又はアセトンである。
. 次いで製造工程について説明する。
( 1 ) 1 —ベンジル— 3—ヒドロキシピロリジン類 (2 ) 又はその塩を原料とし て、 脱べンジル化と低級アルキル化により 1 一低級アルキル - 3 —ヒドロキ シピロリジン類 (1 ) 等を製造する方法
次に、 1—ベンジル— 3—ヒドロキシピロリジン類 (2 ) 又はその塩を原 料とし、 脱べンジル化と低級アルキル化を連続して又は同時に行って、 1一 低級アルキル一 3—ヒドロキシピロリジン類(1 ) 又はその塩を製造する方 法について説明する。
本方法においては、原料である 1—ベンジル— 3—ヒドロキシピロリジン 類又はその塩を、 金属触媒の存在下、 接触還元反応により脱べンジル化し、 その系に上記アルデヒドまたはケトンを混合し、更に接触還元反応を行うこ とにより、 脱べンジル化と低級アルキル化を連続して行い、 1—低級アルキ ル— 3—ヒドロキシピロリジン又はその塩を製造する。ここで連続して行う とは、脱ベンジル化反応によって生成する 3—ヒドロキシピロリジン又はそ の塩を単離することなく、同反応液中で引き続き低級アルキル化を行うこと をいう。 従って、 本方法においては、 3—ヒドロキシピロリジン類又はその 塩を単離する工程を含まない場合がある。
または、 原料である 1一ベンジル一 3—ヒドロキシピロリジン (2 ) 又は その塩と、 上記アルデヒドまたはケトンを混合し、 金属触媒の存在下に接触 還元反応を行うことにより、脱べンジル化と低級アルキル化を同時に行い、 1一低級アルキル— 3—ヒドロキシピロリジン類(1 ) 又はその塩を製造す る。 ここで同時に行うとは、 脱ベンジル化反応と低級アルキル化を協奏的に 行うことをいう。 従って、 本方法においては、 3—ヒドロキシピロリジン類 又はその塩を単離する工程を含まない場合がある。
本方法は通常、 溶媒を用いて行われる。 溶媒としては、 通常の接触還元反 応に用いられる溶媒が使用でき、 例えば、 メタノール、 エタノール等のアル コール類、 酢酸等のカルボン酸類、 ジォキサン、 テトラヒドロフラン等のェ 一テル類、 トルエン、 へキサン等の炭化水素類、 ジメチルホルムアミド等の アミド類及び水を挙げることができる。これらの溶媒は単独でも 2種以上を 混合して用いても良い。 溶媒の使用量は特に限定されず、 経済性を考慮して 適切に設定すれば良いが、 通常、 原料である 1—ベンジルー 3—ヒドロキシ ピロリジン類に対して、 約 0 . 1倍重量から約 1 0 0倍重量を使用すれば良
好な結果が得られる。
また、 上記アルデヒドまたはケトンの使用量は、 原料である 1一べンジル 一 3 —ヒドロキシピロリジン類又はその塩に対して 1当量以上であれば特 に制限はなく、上記アルデヒド又はケトンを反応溶媒として使用することも できる。
金属触媒としては、接触還元反応に用いる触媒として公知のものが使用で き、 例えば、 パラジウム系触媒、 白金系触媒、 ロジウム系触媒、 ルテニウム 系触媒、 ニッケル系触媒等を挙げることができ、 炭末やシリカ等に担持され ていてもよい。例えば、炭末に担持されたパラジウム触媒(パラジウム炭素) ゃラネーニッケル触媒等が挙げられる。 これらの金属触媒は、 単独で又は 2 種以上を併用して使用することができる。 中でも、 脱べンジル化と低級アル キル化を同時に行う場合には、金属触媒の一種をパラジウム系触媒とすると、 脱ベンジル化及び低級アルキル化の反応速度の観点から良好な結果が得ら れことから、 パラジウム炭素等を用いるのが好ましい。
上記触媒の使用量は特に限定されないが、原料である 1一べンジルー 3― ヒドロキシピロリジン類又はその塩に対して、 0 . 1〜2 0重量%を用ぃる ことにより、 反応を選択性良く、 かつ効率的に実施することができる。
本方法においては、脱べンジル化の際に使用した金属触媒をそのまま低級 アルキル化に使用することが可能であり、 ことさら金属触媒を追加しなくと も実施できる。
接触還元反応は、 好ましくは常圧 (約 0 . I M P a ) 〜 1 M P a、 より好 ましくは常圧 (約 0 . l M P a ) 〜5 M P aの水素雰囲気下、 好ましくは反 応溶液の凝固点〜沸点の範囲、より好ましくは室温〜 1 0 0 で行うことが できる。
本方法によれば、 1—ベンジル— 3 —ヒドロキシピロリジン類又はその塩 を原料として、 脱ベンジル化後に 3—ヒドロキシピロリジン類 (3 ) 又はそ の塩を単離することなく、 1—低級アルキル一 3 —ヒドロキシピロリジン類 ( 1 ) 又はその塩を製造することができる。
( 2 ) 3 —ヒドロキシピロリジン類 (3 ) 等から、 アルデヒドまたはケトンと、 金属触媒の存在下に接触還元して 1 一低級アルキル一 3—ヒドロキシピロリ ジン類等を製造する方法
本発明においては、予め脱べンジル化された 3—ヒドロキシピロリジン類 ( 3 ) 又はその塩を、 上記アルデヒドまたはケトンと、 金属触媒の存在下に 接触還元して 1 —低級アルキル一 3—ヒドロキシピロリジン類( 1 ) 又はそ の塩を製造することも好適に実施できる。
原料として 3—ヒドロキシピロリジン類 (3 ) 又はその塩を用いる以外は, 上述の 1—ベンジルー 3 —ヒドロキシピロリジンを原料とする方法と同様 の試剤 (溶媒、 ケ卜ン又はアルデヒド、 金属触媒) を用いることができ、 そ の使用量、 反応条件も上記と同様である。
なお、 本発明の方法は、 光学活性な 3—ヒドロキシピロリジン類又はその 塩や、 1一べンジルー 3—ヒドロキシピロリジン類又はその塩にも適用する ことができ、 光学活性な原料を用いることにより、 原料と同一の立体配置を 有する対光学活性 1 一アルキル一 3—ヒドロキシピロリジン類又はその塩 を得ることができる。
上記の方法により製造された 1—低級アルキル一 3 —ヒドロキシピロリ ジン類又はその塩は、 触媒の濾過等の後処理の後、 濃縮、 蒸留等の操作によ り容易に単離することができる。 発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例を掲げて本発明をより詳細に説明するが、 本発明はこれら の実施例のみに限定されるものではない。
なお、 以下の実施例における単一生成物が生成していることを確認する 手段である薄層クロマトグラフィーは、 展開溶媒:酢酸ェチルズメタノール Zァ ンモニァ水 = 1 0容 Z 1 0容 1容、 ヨウ素発色の条件で行なった。
(実施例 1 )
4 . 3 4 gの (S ) — 3 —ヒドロキシピロリジンを水 1 0 . 2 5 gに溶解し、
37 %ホルムアルデヒド水溶液 (ホルマリン) 8. 20 g、 1 0 %パラジウム炭 素 0. 27 gを加えて、 撹拌下、 水素圧 0. 1〜0. 3MP a、 約 40でにて 6 時間接触還元反応させた。
薄層クロマトグラフィー (TLC) にて、 3—ヒドロキシピロリジンが消 失し、 1—メチルー 3—ヒドロキシピロリジンが単一生成物として生成している ことを確認した》
パラジウム炭素を濾別し、濾液を濃縮して、 (S) - 1—メチルー 3—ヒド ロキシピロリジン粗生成物 5. 41 gを淡黄色オイルとして得た。 更にこれを蒸 留することにより、 (S) _ 1—メチルー 3—ヒドロキシピロリジン蒸留物 1. 5 6 gを無色オイルとして得た。
(実施例 2)
(S) _ 3—ヒドロキシピロリジン、 8. 7 1 gを水 1 0. 29 gに溶解し、 アセトン 1 1. 3 0 g、 1 0 %パラジウム炭素 0. 38 gを加えて、 撹拌下、 水 素圧 0. 1〜0. 3MP a、 約 45°Cにて 2日間接触還元反応させた。
TLCにて、 1—イソプロピル一 3—ヒドロキシピロリジンが単一生成物 として生成して ることを確認した。
パラジウム炭素を濾別し、 濾液を濃縮した。 濃縮物に水 2 OmLを加え、 酢酸ェチル 4 OmLで 6回抽出した。得られた酢酸ェチル相を濃縮して、 (S) — 1一イソプロピル一 3—ヒドロキシピロリジン粗生成物 5. 1 0 gを淡褐色オイ ルとして得た。
(実施例 3)
(S) - 1—ペンジルー 3—ヒドロキシピロリジン 4. 46 gをメタノール 1 4. 98 gに溶解した。 濃塩酸 2. 5 1 g (1. 0当量) を加えた。 1 0 %パラ ジゥム炭素 0. 2 0 gを水 1. 93 gに懸濁して加え、 撹拌下、 水素圧 0. 1〜 0. 3MP a、 5 0°Cで接触還元反応させた。 4時間後に水素の吸収が止まった ことを確認した。
37 %ホルムアルデヒド水溶液 (ホルマリン) 4. 14 gを加え、 撹拌下、 水素圧 0. 1〜 . 3MP a、 40 で接触還元反応させた。 3. 5時間後に水
素の吸収が止まった。
TLCにて、 (S) — 1—ベンジル一 3—ヒドロキシピロリジン、 (S) — 3—ヒドロキシピロリジンに対応するスポッ卜がなく、 (S)— 1—メチルー 3— ヒドロキシピロリジンが単一生成物として生成していることを確認した。 パラジ ゥム炭素を濾別し、濾液を濃縮することにより、 (S) — 1—メチル一 3—ヒドロ キシピロリジン塩酸塩粗生成物 4. 1 0 gを微黄色オイルとして得た。
(実施例 4)
(R) — 3—ヒドロキシピロリジン塩酸塩 1 87. l gをメタノール 556. l gに溶解し、 37 %ホルムアルデヒド水溶液 (ホルマリン) 243. 5 g、 1 0%パラジウム炭素 1 8. 5 gを加えて、 撹拌下、 常圧の水素圧下、 約 45°Cに て 1 9時間接触還元反応させた。
TLCにて、 (R)— 1—メチル— 3—ヒドロキシピロリジン塩酸塩が単一 生成物として生成していることを確認した。
パラジウム炭素を濾別した。 濾液に (R) — 1—メチル— 3—ヒドロキシ ピロリジン塩酸塩に対して 1当量の 30 %水酸化ナトリゥム水溶液を加え、 濃縮 した。 得られた濃縮物にトルエンを加え共沸脱水を行った。 析出する塩化ナトリ ゥムを濾別し、 濃縮し、 蒸留することにより、 (R) - 1—メチルー 3—ヒドロキ シピロリジン蒸留物 1 23. 7 g (比旋光度: [ ] 25°= - 2. 0 6° 、 n e a t) を無色澄明オイルとして得た。
1 H-NMR (D 20) :
1. 70 (m、 1 H)、 2. 1 5 (m、 1H)、 2. 32 ( s 3 H)、 2. 43 (d d、 1H)、 2. 59 (m、 1H)、 2. 67 (m、 1H)、 1.. 90 (d d、 1H)、 4. 42 (m、 1H)、 4. 87 (s、 1 H)
1 3 C-NMR (D 2 O) :
36. 55、 43. 80、 .56. 48、 6 5. 56、 73. 44 産業上の利用可能性
本発明によれば、 上述の如く、 安価かつ簡便な方法にて、 選択性良く
低級アルキル一 3—ヒドロキシピロリジンを製造することができる。