WO2002024237A1

WO2002024237A1 - Liquid deodorant composition and method for use thereof

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Publication number: WO2002024237A1
Application number: PCT/JP2001/008275
Authority: WO
Inventors: Toshiyuki Isobe; Kunio Sasada; Shuichi Sugihara; Ryota Shinohara
Original assignee: WITHGAIA CO Ltd
Current assignee: WITHGAIA CO Ltd
Priority date: 2000-09-21
Filing date: 2001-09-21
Publication date: 2002-03-28
Anticipated expiration: 2003-03-21
Also published as: AU2001288107A1; JP2002085537A; US20040022742A1; JP3657505B2

Description

明細書液状消臭剤組成物およびその使用方法 [発明の背景]

発明の分野

本発明は、硫黄系悪臭成分（硫化水素、メチルメルカブタン、硫化メチル、二硫化メチル等）、窒素系悪臭成分（アンモニア、トリメチルァミン等）等に由来する悪臭を低減する液状消臭剤組成物に関するものであり、例えば畜舎、特に家畜および/または家畜排泄物、の消臭に好適に使用されるものである。

背景技術

近年、畜産経営の急激な大規模化が進む一方で、郊外における宅地化も進んでいる。このため、地域住民から畜産経営に起因する苦情が多く発生している。その中でも、悪臭に関する苦情が最も多いのが実情である。

このような畜産事業所内の悪臭を低減する方法としては、一旦発生した悪臭ガスを活性炭ゃゼォライト等により吸着除去したり、あるいは悪臭源である排水を活性汚泥法等により処理したりする方法が一般的に採用されている。

しかしながら、これらの方法は、家畜およびその排泄物に消臭剤を直接散布して悪臭の発生源そのものを絶つものではないため、その処理能力には限度があるし、設備および操業コストも高くつくという問題があった。

[発明の概要]

本発明者らは、今般、悪臭の発生源（例えば家畜およびその排泄物）に 3 d遷移金属のハロゲン化物を含有する水溶液を散布することにより、悪臭、特に硫黄系悪臭成分（硫化水素、メチルメルカブタン、硫化メチル、二硫化メチル等）、窒素系悪臭成分（アンモニア、トリメチルァミン等）等に由来する悪臭、を効果的に低減できることを知見した。

したがって、本発明は、設備コストおよび操業コストが低く、かつ、悪臭、特に硫黄系悪臭成分および窒素系悪臭成分、を効果的に低減することが可能な、液状消臭剤組成物を提供することを目的としている。

上記目的を達成するために、本発明は、 3 d遷移金属のハロゲン化物を含有する水溶液から実質的になることを特徴とする、液状消臭剤組成物を提供する。また、本発明は、液状消臭剤組成物を霧状に噴霧することを特徴とする、液状消臭剤組成物の使用方法を提供する。

[発明の具体的説明]

以下、本発明の液状消臭剤組成物およびその製造方法について具体的に説明する。

液状消臭剤組成物

本発明の液状消臭剤組成物は、 3 d遷移金属のハロゲン化物を含有する水溶液から実質的になるものである。

本発明における 3 d遷移金属のハロゲン化物としては、水溶液中で電離するものであれば特に限定されず、種々のものが使用可能であるが、電離度が高いもの (例えば塩化物や臭化物）が優れた消臭効果が得られる点で好ましく、より好ましくは溶液中で完全に電離する強電解質である。なお、 3 d遷移金属とは、 3 d 殻が充たされる" S c〜₂₉ C uの遷移金属をいい、第一遷移元素系列とも呼ばれるものである。

本発明の液状消臭剤組成物においては、悪臭の発生源（例えば家畜およびその排泄物）に 3 d遷移金属のハロゲン化物を含有する水溶液を散布することにより、悪臭、特に硫黄系悪臭成分（硫化水素、メチルメルカブタン、硫化メチル、ニ硫化メチル等）、窒素系悪臭成分（アンモニア、トリメチルァミン等）等に由来する悪臭、を効果的に低減する。

理論に拘束されるつもりはないが、本発明における消臭作用は、以下のようなメカニズムにより発現するものと考えられる。まず、硫黄系悪臭成分については、 a ) H ₂ Sが 3 d遷移金属ィォンと難溶性の硫化物を形成することにより除去されるとともに、 b ) ポリスルフィドが金属イオン（M) と、 M^ S nまたは NP' S n ( n = 2〜6 ) を形成することにより、あるいはさらにこれらが最終的に H ₂ Sにまで分解されて 3 d遷移金属イオンと難溶性の硫化物を形成することにより、除去される。一方、窒素系悪臭成分のアンモニアについては、 3d遷移金属イオンとアンミン錯体 [M (NH₃) ₆] ^{2 +}または [M (NH₃) e] ^{3 +}を形成することで除去される。トリメチルァミンについても同様の錯形成が考えられる。このようにして、硫黄系悪臭成分および窒素系悪臭成分が除去されるものと考えられるが、本発明の液状消臭剤組成物はこれらの悪臭成分以外にも、種々の悪臭成分の低減にも効果を発揮しうるものである。例えば、低級脂肪酸系悪臭成分（例えば、ノルマル酪酸、イソ吉草酸）に対しても、含有金属イオン（特にストロンチウム）が塩または錯塩を形成することにより、消臭効果が発揮される。

本発明の好ましい態様によれば、 3 d遷移金属のハロゲン化物が、塩化鉄 (111)、塩化マンガン（11)、塩化コバルト（11)、塩化ニッケル（11)、およびこれらの組合せを含んでなるのが好ましく、より好ましくは、塩化鉄（III)、塩化マンガン（II)、ならびに塩化コバルト（II)および/もしくは塩化ニッケル（II) を含んでなる。

本発明の好ましい態様によれば、アル力リ金属のハロゲン化物および Zまたはアル力リ土類金属のハロゲン化物をさらに含有してなるのが好ましく、より好ましくはアル力リ金属のハロゲン化物およびアル力リ土類金属のハロゲン化物の両方を含有してなる。これにより、 pHを中性近傍（好ましくは pHが 6〜8、より好ましくは 6, 5〜7. 5) に保持しやすくして、 3d遷移金属イオンの消臭作用を向上させる。また、アルカリ金属イオン/アルカリ土類金属イオン（M) 自体もポリスルフィドと、

または M"S_n (n=2〜6) を形成することにより、あるいはさらにこれらが最終的に H ₂ Sにまで分解されて金属イオンと硫ィ匕物を形成することにより、何らかの消臭作用を発揮するものと考えられる。すなわち、多種多様の悪臭成分に対して、消臭効果を効率良く発揮させることができる。

本発明におけるアルカリ金属のハロゲン化物は、特に限定されないが、好ましい例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化カリウム、およびそれらの組合せが挙げられ、より好ましくはこれらの全部を含んでなるものが挙げられる。

本発明におけるアル力リ土類金属のハロゲン化物としては、特に限定されないが、好ましい例としては、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム、およびこれらの組合せが挙げられ、より好ましくはこれらの全部を含んでなるものが挙げられる。

本発明の好ましい態様によれば、本発明の液状消臭剤組成物は、 p Hが 6〜8 であるのが好ましく、より好ましくは 6 . 5〜7 . 5、さらに好ましくは 6 . 8 〜7 . 2である。

また、本発明の液状消臭剤組成物の濃度は、適用しょうとする用途およびその際の使用方法等に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。本発明の好ましい態様によれば、イオン強度が 3以上である。これにより、液状消臭剤組成物を濃縮液として得られるので保管、運搬等の取り扱いにおいて有利となる。例えば、家畜に直接散布する場合、濃縮液として調合しておき、使用時に有効な範囲まで希釈して用いることができる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、イオン強度が 0 . 5以下である。これにより、液状消臭剤組成物を原液のまま使用するときと比較して十分な消臭効果を効率良く発揮させるとともに、生態系（例えば家畜）および環境等への負荷を少なくすることができる。

本発明の液状消臭剤組成物においては、本発明の目的を逸脱しない範囲内において、用途に応じて、各種の任意成分を適宜含有させることができる。本発明の好ましい態様によれば、液状消臭剤組成物に界面活性剤をさらに含有させることにより、消臭効果に加えて洗浄効果を付与することも可能である。このような界面活性剤含有液状消臭剤組成物は、畜産場、産業廃棄物処理場、一般廃棄物処理場、廃棄物収集場、トイレ、排水溝、油性廃棄物取り扱い工場、食品工場処理施設、老人ホーム、ペットショップ等で好適に使用可能である。また、本発明のさらに好ましい態様によれば、好ましくは界面活性剤を含有してなる、液状消臭剤組成物に殺菌剤をさらに含有させて、殺菌効果を付与することも可能である。

製造方法

本発明の液状消臭剤組成物は、配合成分の種類に応じた適切な方法によって製造すればよく、製法は特に限定されるものではない。例えば、アルカリ金属ィォン、アルカリ土類金属イオンおよび 3 d遷移金属イオンを含有成分とする場合、次の方法により行なうことができる。まず、アルカリ金属ハロゲン化物を第 1の容器に投入し、アル力リ土類金属ハ口ゲン化物および 3 d遷移金属ハロゲン化物を第 2の容器に投入し、約 9 0 °C以上に加熱された熱湯を、第 1の容器および第 2の容器に、 6 ： 4〜8 ： 2の体積比となるように注入して、攪拌する。その後、第 1の容器内の水溶液と、第 2の容器内の水溶液とを混合し、再び攪拌する。これを常温まで放冷すると本発明の液状消臭剤組成物が得られる。

用途

工場、事業場から悪臭物質が排出される形態には、以下に示されるような種々の形態があるが、本発明の液状消臭剤組成物はこれらのいずれにも好ましく利用することができる。

i ) 畜舎などのように特定の煙突がなく、その事業場の敷地全体から悪臭物質が排出される場合、

ii) 化学工場などのように煙突、その他の気体排出施設から悪臭原因物が排出される場合、

iii) 化製場などのように悪臭物質が排出水に含まれて、事業場の外に排出され気体蒸散する場合。

これらの中でも、 i ) の畜舎に使用するのが、本発明の主な消臭対象である硫黄系悪臭成分および窒素系悪臭成分の両方を多く発生する場所であるとともに、家畜およびその排泄物に直接作用させることができる点から特に好ましい。また、本発明の消臭剤組成物は人畜に対して無害な成分で構成されているので、家畜およびその家畜排泄物の消臭に特に適している。このような畜舎としては、牛舎、豚舎、鶏舎等が挙げられる。また、 iii) の排水の消臭に使用されるのも好ましい c この場合には、悪臭成分を沈殿させることができるので、排水処理がしやすいという利点もある。

本発明の液状消臭剤組成物は、上記用途に限定されるものではなく、家庭用および公共用（例えば家庭用トイレ、公衆トイレ）も含めた広範囲の消臭用途に使用することが可能である。

使用方法

本発明の液状消臭剤組成物の使用方法は、悪臭の発生源や悪臭雰囲気に対して消臭剤を直接散布もしくは混合等により介在させるものであれば特に限定されるものではなく、公知の種々の方法により行うことができる。

本発明の好ましい態様によれば、液状消臭剤組成物を霧状に噴霧することにより散布を行うのが消臭作用が効率良く発揮されるので好ましい。また、この霧状噴霧の際の圧力が 1. 5気圧以上であるのが好ましく、より好ましくは 1. 5〜 3. 5気圧、さらに好ましくは 2. 0〜2. 5気圧である。これにより、消臭効果をより一層向上させることができる。また、本発明の好ましい態様によれば、液状消臭剤組成物の散布に際し、液状消臭剤組成物を希釈して、組成物のイオン強度を 0. 5以下にする工程を含んでなる。

このように本発明の消臭剤組成物は、消臭しょうとする対象に直接散布するという簡便な方法により優れた消臭効果を得ることができるため、設備コストおよび操業コストを最小限に抑えることができるという利点がある。

[実施例]

以下、本発明について具体的実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

実施例 1

実施例 1は、本発明の液状消臭剤組成物をウィンドウレス養豚舎（収容豚数；約 4000頭、敷地面積 2800m²) 内の消臭に使用した例である。

(1)液状消臭剤組成物の調製

まず、（a) 3 d遷移金属のハロゲン化物として、塩化コノヽリレト 8 g、および塩化マンガン 7 gを、（b) アルカリ金属のハロゲン化物として、塩化ナトリウム 60g、塩化カリウム 20 g、塩化リチウム 5 g、および臭化カリウム 10g を、（c) アルカリ土類金属のハロゲン化物として、塩化バリウム 15g、塩化カルシウム 15 g、塩化マグネシウム 20 g、および塩化ストロンチウム 10 g、を用意した。

次に、上記アルカリ金属ハロゲン化物（b) を容器 Iに、 3d遷移金属元素ハロゲン化物（a) およびアルカリ土類金属ハロゲン化物（c) を別の容器 IIに分配した。この両容器に対して、約 90°C以上の熱湯を、容器 Iに 700ml、容器 IIに 300ml注入して、素早く攪拌した。これら容器 Iおよび容器 IIの内容物を同時に、さらなる別の容器 IIIに移し、再び攪拌した。これを、常温で自然に冷却して、本発明の液状消臭剤組成物を得た。なお、得られた液状消臭剤組成物の p Hを測定したところ、 6 . 8〜7 . 2の範囲内であり、イオン強度は 3 . 2 9であった。

( 2 ) 消臭試験

まず、養豚舎内の臭気成分の初期濃度を、悪臭防止法（昭和 4 7年、環告第 9 号、別表第 2 ) に準拠して測定した。具体的には、 i ) 窒素系臭気成分として、アンモニアおよびトリメチルァミンを、 ii) 硫黄系臭気成分として、硫化水素およびメチルメルカブタンを、 iii) 低級脂肪酸成分として、ノルマル酪酸およびィソ吉草酸を、以下のようにして測定した。結果を表 1に示す。

a ) アンモニアの測定；試料をほう酸溶液に吸収させ、アンモニアを捕集した。この捕集溶液に発色液を加え、分光光度計を用いて波長 6 4 0 nm付近の吸光度を測定することにより、アンモニア濃度を算出した。

b ) トリメチルァミンの測定；試料を硫酸溶液に吸収させ、トリメチルァミンを捕集した。この捕集溶液を水酸化カリウム溶液が入った分解瓶に入れ、分解瓶から発生したトリメチルアミンを液体酸素で冷却した試料濃縮管に低温濃縮した後、試料濃縮管を水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフ（G C ) に接続し、試料濃縮管を加熱してカラムに導入しトリメチルァミンを分析した。

c ) 硫化水素およびメチルメルカブタンの測定；試料採取袋に採取した試料を液体酸素で冷却した試料濃縮管に通し、硫黄化合物を低温濃縮した。炎光光度検出器（F P D ) を備えたガスクロマトグラフ（G C ) に試料濃縮管を接続し、試料濃縮管を加熱して硫黄化合物を力ラムに導入し分析した。

d ) ノルマル酪酸およびィソ吉草酸の測定；試料を常温で水酸化スト口ンチウムを被覆したガラスビーズを充填した試料捕集管に通し、ノルマル酪酸およびイソ吉草酸を捕集した。水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフ（G C ) に試料捕集管を接続し、ギ酸を注入した後試料捕集管を加熱して、ノルマル酪酸およびイソ吉草酸をカラムに導入して分析した。

次に、本発明の液状消臭剤組成物を用いて養豚舎の消臭を行った。まず、液状消臭剤組成物 6 0 Lを水で 2 0 0 0 Lに希釈して、 1日分の希釈液を得た。すなわち、豚 50kg当たりの 1日の希釈液散布量が 0. 5 Lとなるようにした。得られた希釈液のイオン強度は 0. 1であった。この希釈液を 1日につき 12回、定期的に養豚舎内全域に散布した。 1回ごとの散布は、養豚舎の天井に配設されたスプリンクラーから、 3分間噴出させることにより行った。このような散布を、 60日間継続した。そして、養豚舎内の臭気成分の濃度を上記 a) 〜d) にしたがい測定した。

(3) 試験結果

上記（2) で行った消臭試験の結果を以下の表 1に示す。

臭気成分初期濃度 60日間継続使用後

( P m) (P pm)

(窒素系臭気成分）

8. 5 2. 5

トリメチルァミン 0. 002 検出不能※

(硫黄系臭気成分）

硫化水素 0. 0 16 0. 03

メチルメル力プ夕ン 0. 42 0. 003

(低級脂肪酸成分）

ノルマル酪酸 0. 25 0. 13

イソ吉草酸 0. 065 0. 0 12

※ 0. 005 p p m未満表 1から分かるように、窒素系臭気成分、硫黄系臭気成分、および低級脂肪酸成分のいずれにおいても、優れた低減効果が認められる。すなわち、優れた消臭効果が発現されたことを示している。

ただし、表 1の結果を検討するにあたり、以下の点に留意すべきである。すなわち、 i) 日数の経過に伴って豚が成育して、 1日当たりの糞尿の排出量が多くなっていく点、 ii) 1〜24日目はシャワー状の散布（霧状ではない）を行い、 25〜60日目は 2. 2気圧の水圧をかけて霧状の噴霧を行った点、 iii) 60日目に消臭剤の散布が終了したにも関わらず、諸般の事情から Ί 8日目に測定を行わざるを得ず、その空白期間内にも排泄物の排出およびそれによる臭気成分の増加が生じてしまっている点である。このような点を考慮すれば、実際の消臭の程度は、上記表 1の結果よりもはるかに優れたものであると推察される。実施例 2

実施例 2は、本発明の液状消臭剤組成物を製紙汚泥の脱水処理排水の消臭に使用した例である。

( 1) 液状消臭剤組成物の調製

実施例 1と同様にして、液状消臭剤組成物を調製した。

(2) 消臭試験

処理排水 1 1 0 mLに液状消臭剤組成物 1. 1 mLを添加した後、密閉した状態で室温で放置した。 1時間後 0. 45 zmのフィル夕一を用いて濾過し、この濾液を試料とした。

得られた試料について、悪臭防止法（昭和 47年、環告第 9号、別表第 2) に準拠して、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、および二硫化メチルの測定を行った。具体的には、試料採取袋に採取した試料を液体酸素で冷却した試料濃縮管に通し、硫黄化合物を低温濃縮した。炎光光度検出器（FPD) を備えたガスクロマトグラフ（GC) に試料濃縮管を接続し、試料濃縮管を加熱して硫黄化合物をカラムに導入し分析した。結果を表 2に示す。

比較例 1

液状消臭剤組成物を添加しなかったこと以外は、実施例 2と同様にして、試料の調製および測定を行った。結果を表 2に示す。実施例 3

排水 10 OmLに液状消臭剤組成物 1 OmLを添加したこと以外は、実施例 2 と同様にして、試料の調製および測定を行った。結果を表 2に示す。

比較例 2

液状消臭剤組成物を添加しなかったこと以外は、実施例 3と同様にして、試料の調製および測定を行った。結果を表 2に示す _c

2

硫化水素メチルメル力硫化メチル二硫化メチルプ夕ン

排水原液 12. 8 0. 665 0. 04 N, D 実施例 2 1. 04 0. 019 N, D N， D 比較例 1 3. 84 0. 103 0. 01 N, D 実施例 3 N, D N, D N, D N, D 比較例 2 2. 29 0. 065 0. 01 N, D 定量下限値 0. 001 0. 001 0. 01 0. 02

※単位； mgZL、

N, D；定量下限値未満

実施例 4

実施例 4は、本発明の液状消臭剤組成物をアンモニア溶液の消臭に使用し、その効果の持続性を検討した例である。

(1)液状消臭剤組成物の調製

実施例 1と同様にして、液状消臭剤組成物を調製した。

(2)消臭試験

1000 Oppmアンモニア溶液 0. lmLに、上記液状消臭剤組成物 0. 6 mLを混合した。次いで、得られた混合溶液をチャンバ一内に設置し、混合から 20分後および 30分後に、検知管でアンモニア濃度を測定した。このとき、容器内のアンモニア濃度を均一にするため、チャンバ一内に設けられたファンを作動させた。結果を表 3に示す。

実施例 5

液状消臭剤組成物の調製時における塩化コバルトの配合量を 23g、塩化マンガンの配合量を 17gとして、 3 d遷移金属のハロゲン化物の添加量を増量したこと以外は、実施例 4と同様にして、試料の調製および測定を行った。結果を表 3に示す。比較例 3

液状消臭剤組成物 0 . 6 m Lの代わりに水 0 . · 6 m Lを使用したこと以外は、実施例 4と同様にして、試料の調製および測定を行った。結果を表 3に示す。

2 0分後 3 0分後

実施例 4 5 p p m 5 p p m

実施例 5 2 p p m 2 p p m

比較例 3 2 2 p p m 2 2 p p m 表 3から分かるように、本発明の液状消臭剤組成物を使用した場合（実施例 4 および 5 ) には、水を使用した場合（比較例 3 ) と比べて、顕著に優れたアンモ二ァ消臭効果が認められる。また、実施例 4および実施例 5の比較から、 3 d遷移金属のハロゲン化物の添加量を増量させることにより、その消臭効果がさらに向上することも分かる。さらに、その消臭効果は長時間にわたって持続することも分かる。このことは、本発明の液状消臭剤組成物に一旦吸収ないし固定化されたアンモニアは、再び放出されることがないことを意味すると考えられる。

Claims

請求の範囲

I . 3 d遷移金属のハロゲン化物を含有する水溶液から実質的になることを特徴とする、液状消臭剤組成物。

2 . 前記 3 d遷移金属のハロゲン化物が、塩化鉄（I II) 、塩化マンガン（I I) 、塩化コバルト（II) 、および塩化ニッケル（II) からなる群から選択される少なくとも 1種以上を含んでなる、請求項 1に記載の液状消臭剤組成物。

3 . 前記 3 d遷移金属のハロゲン化物が、塩化マンガン（I I) 、ならびに塩化コバルト（I I) および/もしくは塩化ニッケル（II) を含んでなる、請求項 2 に記載の液状消臭剤組成物。

4 . アル力リ金属のハロゲン化物および/またはアル力リ土類金属のハロゲン化物をさらに含有してなる、請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物。

5 . アル力リ金属のハロゲン化物およびアル力リ土類金属のハロゲン化物の両方を含有してなる、請求項 4に記載の液状消臭剤組成物。

6 . 前記アル力リ金属のハロゲン化物が、塩化ナトリウム、塩化力リウム、塩化リチウム、および臭化カリウムを含んでなる、請求項 4または 5に記載の液状消臭剤組成物。

7 . 前記アルカリ土類金属のハロゲン化物が、塩化バリウム、塩化カルシゥム、塩化マグネシウム、および塩化ストロンチウムを含んでなる、請求項 4〜6 のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物。

8 . p Hが 6〜 8の範囲内である、請求項 1〜7のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物。

9 . イオン強度が 3以上である、請求項 1〜8のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物。

1 0 . イオン強度が 0 . 5以下である、請求項 1 ~ 8のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物。

I I . 畜舎の消臭に使用されるものである、請求項 1〜 1 0のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物。

12. 家畜および/または家畜排泄物の消臭に使用されるものである、請求項 1〜 11のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物。

13. 排水の消臭に使用されるものである、請求項 1〜 12のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物。

14. 界面活性剤および/または殺菌剤とさらに含んでなる、請求項 1〜1 3に記載の液状消臭剤組成物。

15. 請求項 1〜 14のいずれか一項に記載の液状消臭剤組成物を霧状に噴霧することを特徴とする、液状消臭剤組成物の使用方法。

16. 前記液状消臭剤組成物の散布に際し、前記液状消臭剤組成物を希釈して、該組成物のイオン強度を 0. 5以下にする工程を含んでなる、請求項 14または 15に記載の使用方法。