明細書
新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質およびその D NA 技術分野
本発明は、 ヒト脳由来の新規蛋白質 (G蛋白質共役型レセプター蛋白質) または その塩およびそれをコードする DNA、 これらに対するリガンド決定方法、 当該リ ガンドとの結合性を変化させる化合物またはその塩などに関する。 背景技術
多くのホルモンや神経伝達物質は、細胞膜に存在する特異的なレセプ夕一蛋白質 を通じて生体の機能を調節している。これらのレセプ夕一蛋白質の多くは共役して いる guanine nucleot ide-binding protein (以下、 G蛋白質と略称する場合がある) の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行ない、また 7個の膜貫通領域を有する 共通した構造をもっていることから、 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質あるいは 7 回膜貫通型レセプター蛋白質と総称される。
G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質は生体の細胞や臓器の各機能細胞表面に存在 し、 それら生体の細胞や臓器の機能を調節する分子、 例えばホルモン、 神経伝達物 質および生理活性物質等の標的として非常に重要な役割を担っている。
各種生体の細胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、その特異的レセプ夕 一蛋白質、特には G蛋白質共役型レセプター蛋白質との関係を明らかにすることは、 各種生体の細胞や臓器の機能を解明し、それら機能と密接に関連した医薬品開発に 非常に重要な手段を提供することとなる。
例えば、 脳などの中枢神経系の器官では、 多くのホルモン、 ホルモン様物質、 神 経伝達物質あるいは生理活性物質などによる調節のもとで脳の生理的な機能の調 節が行なわれている。 特に、 神経伝達物質は脳内の様々な部位に存在し、 それぞれ に対応するレセプター蛋白質を通してその生理機能の調節を行っている。脳内には 未知の神経伝達物質も多く、そのレセプ夕一蛋白質をコードする c D NAの構造に 関しても、 これまで報告されていないものも多いと考えられる。 さらに、 既知のレ セプ夕一蛋白質のサブタイプが存在するかどうかについても分かっていなかった。
脳における複雑な機能を調節する物質と、その特異的レセプター蛋白質との関係 を明らかにすることは、 医薬品開発に非常に重要な手段である。 また、 レセプ夕一 蛋白質に対するァゴニスト、 アン夕ゴニストを効率よくスクリーニングし、 医薬品 を開発するためには、脳内で発現しているレセプ夕一蛋白質の遺伝子の機能を解明 し、 それらを適当な発現系で発現させることが必要であった。
近年、 生体内で発現している遺伝子を解析する手段として、 c D NAの配列をラ ンダムに解析する研究が活発に行なわれており、 このようにして得られた c D NA の断片配列が Expressed Sequence Tag (E S T) としてデータベースに登録され、 公開されている。 し力、し、 多くの E S Tは配列情報のみであり、 その機能を推定す ることは困難である。 本発明は、 ラット脳由来の新規蛋白質 (G蛋白質共役型レセプター蛋白質) 、 そ の部分ペプチドまたはそれらの塩、該蛋白質またはその部分ペプチドをコードする D NAを含有するD NA、 該 D N Aを含有する組換えベクター、 該組換えべクタ一 で形質転換された形質転換体、 該蛋白質またはその塩の製造法、 該蛋白質、 その部 分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体、 該蛋白質(G蛋白質共役型レセプ夕一 蛋白質) に対するリガンドの決定方法、 リガンドと該蛋白質 (G蛋白質共役型レセ プター蛋白質)との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 該スクリーニング用キット、該スクリーニング方法もしくはスクリーニングキット を用いて得られるリガンドと該蛋白質(G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質) との結 合性を変化させる化合物またはその塩、 およびリガンドと該蛋白質(G蛋白質共役 型レセプター蛋白質)との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる 医薬などを提供する。 発明の開示
本発明者らは、 ヒト脳由来の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質 ZAQをコードする c D NAを単離するとともに、 該蛋白質 ZAQが Mamba Intest inal Toxin 1 (M I T 1と略称することがある; Toxicon、 28巻、 847- 856頁、 1990年、 FEBS Let ters 461, 183-188 (1999) ) またはその哺乳動物のホモログと結合することを見出した (WO
01/16309) 。
本発明者らは、 鋭意研究を重ねた結果、 ラット脳由来の新規な蛋白質 (G蛋白質 共役型レセプ夕一蛋白質) をコードする cDNAを単離し、 全塩基配列を解析する ことに成功した。 そして、 この塩基配列をアミノ酸配列に翻訳したところ、 第 1〜 第 7膜貫通領域が疎水性プロッ卜上で確認され、 これらの cDNAにコードされる 蛋白質が 7回膜貫通型の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質であることを確認し(図 7、 図 8) 、 さらに研究を重ねた結果、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
(1) 配列番号: 4または配列番号: 11で表わされるアミノ酸配列と同一もしく は実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする蛋白質またはその塩、
(2) 配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列を含有する上記 (1) 記載の蛋白質 またはその塩、
(3) 配列番号: 11で表わされるアミノ酸配列を含有する上記 (1) 記載の蛋白 質またはその塩、
(4) 上記 (1) 記載の蛋白質の部分ペプチドまたはその塩、
(5) 上記 (1) 記載の蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌク レオチド、
(6) DNAである上記 (5) 記載のポリヌクレオチド、
(7)配列番号: 3または配列番号: 10で表される塩基配列を含有する上記(6) 記載の DNA、
(8) 上記 (5) 記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(9) 上記 (8) 記載の組換えべクタ一で形質転換された形質転換体、
(10) 上記 (9) 記載の形質転換体を培養し、 上記 (1) 記載の蛋白質を生成 - 蓄積せしめることを特徴とする上記 (1) 記載の蛋白質またはその塩の製造法、 (11) 上記 (1) 記載の蛋白質もしくは上記 (4) 記載の部分ペプチドまたはそ の塩に対する抗体、
(12) 上記 (1) 記載の蛋白質もしくは上記 (4) 記載の部分ペプチドまたはそ の塩を用いることを特徴とする上記(1)記載の蛋白質またはその塩に対するリガ ンドの決定方法、
(13) 上記 (1) 記載の蛋白質もしくは上記 (4) 記載の部分ペプチドまたはそ の塩を用いることを特徴とするリガンドと上記(1)記載の蛋白質またはその塩と の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(14) 上記 (1) 記載の蛋白質もしくは上記 (4) 記載の部分ペプチドまたはそ の塩を含有することを特徴とするリガンドと上記(1)記載の蛋白質またはその塩 との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キッ卜、
(15) 上記 (13) 記載のスクリーニング方法または上記 (14) 記載のスクリ —ニング用キットを用いて得られうる、 リガンドと上記 (1) 記載の蛋白質または その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(16) 上記 (13) 記載のスクリーニング方法または上記 (14) 記載のスクリ 一二ング用キットを用いて得られうる、 リガンドと上記(1) 記載の蛋白質または その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(17) 消化器疾患の予防剤、 または治療剤である上記 (16) 記載の医薬、
(18) 上記 (6) 記載の DNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダィ ズする DNA、
(19)哺乳動物に対して、上記(13)記載のスクリーニング方法または上記(1 4) 記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、 リガンドと上記 (1) 記 載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の有効量を 投与することを特徴とする消化器疾患の予防、 または治療方法、
(20) 消化器疾患の予防剤、 または治療剤を製造するための上記 (13) 記載の スクリーニング方法または上記(14)記載のスクリーニング用キットを用いて得 られうる、 リガンドと上記 (1) 記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させ る化合物またはその塩の使用、 などを提供する。
より具体的には、
(21) 蛋白質が、 ①配列番号: 4または配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配 列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜9個 程度、 さらに好ましくは数個 (1または 2個) ) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配 列、 ②配列番号: 4または配列番号: 11で表わされるアミノ酸配列に 1または 2 個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好
ましくは数個( 1または 2個))のァミノ酸が付加したアミノ酸配列、③配列番号: 4または配列番号: 11で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上(好まし くは、 1〜30個程度、より好ましくは 1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1 または 2個) ) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または④そ れらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質である上記(1)記載の蛋白質 またはその塩、
(22) 上記 (1) 記載の蛋白質もしくはその塩または上記 (4) 記載の部分ぺプ チドもしくはその塩と、 試験化合物とを接触させることを特徴とする上記 (12) 記載のリガンドの決定方法、
(23) リガンドがアンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド、 コレシストキ ニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラ卜ニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP、 セクレチン、 グリレ力ゴン、 カルシトニン、 アドレノメジュリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACT H、 GRP、 PTH、 VI P (バソアクティブ インテスティナル アンド リレ ィテッド ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ドーパミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレ一ティッドペプチド) 、 ロイコ トリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン、 アデノシ ン、 アドレナリン、 ひおよび j8—ケモカイン (chemokine) (例えば、 I L— 8、 GROa、 GROjS、 GROァ、 NAP— 2、 ENA—78、 PF4, I P10、 GCP— 2、 MCP— 1、 HC 14、 MCP— 3、 I— 309、 M I P 1ひ、 M I P— 1 /3、 RANTE Sなど)、エンドセリン、ェンテロガストリン、ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプ夕イド、 ガラニン、 Ml T 1またはその哺乳動物のホモログである上記(12)記載のリガンドの決定方法、 (24) ( i) 上記 (1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記 (4) 記載の部 分ペプチドもしくはその塩と、 リガンドとを接触させた場合と、 (U) 上記 (1) 記載の蛋白質もしくはその塩または上記(4)記載の部分ペプチドもしくはその塩 と、 リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴と する上記 (13) 記載のスクリーニング方法、
(25) ( i)標識したリガンドを上記 (1)記載の蛋白質もしくはその塩または
上記 (4) 記載の部分ペプチドもしくはその塩に接触させた場合と、 (ii) 標識し たリガンドおよび試験化合物を上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記 (4)記載の部分ペプチドまたはその塩に接触させた場合における、標識したリガ ンドの上記 (1) 記載の蛋白質もしくはその塩または上記 (4) 記載の部分べプチ ドもしくはその塩に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと 上記(1)記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩 のスクリーニング方法、
(26) ( i) 標識したリガンドを上記 (1) 記載の蛋白質を含有する細胞に接触 させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試験化合物を上記 (1) 記載の蛋白 質を含有する細胞に接触させた場合における、標識したリガンドの該細胞に対する 結合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の蛋白質ま たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(27) ( i) 標識したリガンドを上記 (1) 記載の蛋白質を含有する細胞の膜画 分に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試験化合物を上記 (1) 記 載の蛋白質を含有する細胞の膜画分に接触させた場合における、標識したリガンド の該細胞の膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと 上記(1)記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩 のスクリーニング方法、
(28) ( i) 標識したリガンドを上記 (9) 記載の形質転換体を培養することに よって該形質転換体の細胞膜に発現した蛋白質に接触させた場合と、 (ii)標識し たリガンドおよび試験化合物を上記(9)記載の形質転換体を培養することによつ て該形質転換体の細胞膜に発現した蛋白質に接触させた場合における、標識したリ ガンドの該蛋白質に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと 上記(1)記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩 のスクリー;ング方法、
(29) ( i)上記(1)記載の蛋白質またはその塩を活性化する化合物を上記(1) 記載の蛋白質を含有する細胞に接触させた場合と、 (ii) 上記 (1) 記載の蛋白質 またはその塩を活性化する化合物および試験化合物を上記(1)記載の蛋白質を含 有する細胞に接触させた場合における、 蛋白質を介した細胞刺激活性を測定し、
比較することを特徴とするリガンドと上記(1)記載の蛋白質またはその塩との結 合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(30) 上記 (1)記載の蛋白質またはその塩を活性化する化合物を上記 (9) 記 載の形質転換体を培養することによって該形質転換体の細胞膜に発現した蛋白質 に接触させた場合と、 上記 (1)記載の蛋白質またはその塩を活性化する化合物お よび試験化合物を上記(9)記載の形質転換体を培養することによって該形質転換 体の細胞膜に発現した蛋白質に接触させた場合における、該蛋白質を介する細胞剌 激活性を測定し、 比較することを特徵とするリガンドと上記 (1)記載の蛋白質ま たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 (31) 上記 (1)記載の蛋白質を活性化する化合物が、 アンギオテンシン、 ボン ベシン、カナビノィド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 ΡΑ CAP, セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 アドレノメジュリン、 ソマトス 夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 VI P (バソアクティブ インテスティナル アンド リレイテッド ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ド —パミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシ卜ニンジーンリ レーティッドペプチド) 、 ロイコ卜リエン、 パンクレアスタチン、 プロスタグラン ジン、 トロンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 αおよび /3—ケモカイン (chemokine) (例えば、 IL— 8、 GROo;、 GROj8、 GROr、 NAP— 2、 ENA— 78、 PF4、 I P10、 GCP— 2、 MCP_1、 HC14、 MCP_ 3、 I— 309、 MI Pl Q!、 MI P—l /3、 R ANTESなど)、エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティッ クポリぺプタイド、 ガラニン、 M I T 1またはその哺乳動物のホモログである上記 (29) または上記 (30) 記載のスクリーニング方法、
(32) 上記 (24) 〜 (31) 記載のスクリーニング方法で得られうる、 リガン ドと上記(1)記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはそ の塩、
(33) 上記 (24) 〜 (31) 項記載のスクリーニング方法で得られうる、 リガ :記(1)記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させるの化合物また
はその塩を含有することを特徴とする医薬、
(34) 上記 (1) 記載の蛋白質を含有する細胞を含有することを特徴とする上記 (14) 記載のスクリーニング用キット、
(35) 上記 (1) 記載の蛋白質を含有する細胞の膜画分を含有することを特徴と する上記 (14) 記載のスクリーニング用キット、
(36) 上記 (9) 記載の形質転換体を培養することによって該形質転換体の細胞 膜に発現した蛋白質を含有することを特徴とする上記(14)記載のスクリ一ニン グ用キッ卜、
(37) 上記 (34) 〜 (36) 記載のスクリーニング用キットを用いて得られう る、 リガンドと上記 (1) 記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合 物またはその塩、
(38) 上記 (34) 〜 (36) 記載のスクリーニング用キットを用いて得られう る、 リガンドと上記 (1) 記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合 物またはその塩を含有することを特徴とする医薬、
(39) 上記 (11) 記載の抗体と、 上記 (1) 記載の蛋白質もしくは上記 (4) 記載の部分ペプチドまたはその塩とを接触させることを特徴とする上記(1)記載 の蛋白質もしくは上記 (4) 記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法、
(40) 上記 (11) 記載の抗体と、 被検液および標識化された上記 (1) 記載の 蛋白質もしくは上記(4)記載の部分ペプチドまたはその塩とを競合的に反応させ、 該抗体に結合した標識化された上記 (1) 記載の蛋白質もしくは上記 (4) 記載の 部分ペプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする被検液中の上記
( 1 )記載の蛋白質もしくは上記(4)記載の部分べプチドまたはその塩の定量法、 および
(41) 被検液と担体上に不溶化した上記 (1 1) 記載の抗体および標識化された 上記 (11) 項記載の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体 上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の上記(1)記載の蛋白質 もしくは上記 (4) 記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法などを提供する。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 1で得られた本発明のラット脳由来蛋白質 (rZAQl) をコードす る D NAの塩基配列、およびそれから推定されるアミノ酸配列を示す(図 2に続く)。 図 2は、 実施例 1で得られた本発明のラット脳由来蛋白質 (rZAQl) をコードす る D N Aの塩基配列、およびそれから推定されるアミノ酸配列を示す(図 1の続き、 図 3に続く) 。
図 3は、 実施例 1で得られた本発明のラット脳由来蛋白質 (rZAQl) をコードす る D N Aの塩基配列、およびそれから推定されるァミノ酸配列を示す(図 2の続き)。 図 4は、 実施例 2で得られた本発明のラット脳由来蛋白質 (rZAQ2) をコードす る D N Aの塩基配列、およびそれから推定されるァミノ酸配列を示す(図 5に続く)。 図 5は、 実施例 2で得られた本発明のラット脳由来蛋白質 (rZAQ2) をコードす る D NAの塩基配列、およびそれから推定されるアミノ酸配列を示す(図 4の続き、 図 6に続く) 。
図 6は、 実施例 2で得られた本発明のラット脳由来蛋白質 (rZAQ2) をコードす る D N Aの塩基配列、およびそれから推定されるアミノ酸配列を示す(図 5の続き)。 図 7は、 rZAQlの疎水性プロットを示す。
図 8は、 rZAQ2の疎水性プロットを示す。
図 9は、 rZAQlの発現分布解析の結果を示す。
図 1 0は、 rZAQ2の発現分布解析の結果を示す。 発明を実施するための最良の形態
本発明の蛋白質 (G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質) は、 配列番号: 4で表わさ れるアミノ酸配列 (図 1〜図 3中のアミノ酸配列) または配列番号: 1 1で表わさ れるアミノ酸配列(図 4〜図 6中のアミノ酸配列) と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有するレセプ夕一蛋白質である (以下、 本発明の蛋白質 (G蛋白 質共役型レセプター蛋白質) またはその塩を本発明の蛋白質と略記する場合があ る) 。
本発明の蛋白質 (G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質) は、 例えば、 ヒトやその他 の哺乳動物(例えば、 モルモット、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ブ夕、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、 グリア細胞、膝臓 ;3細胞、
骨髄細胞、 メサンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細 胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、
T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞 など) や血球系の細胞 (例えば、 MEL, Ml, CTLL- 2, HT- 2, WEH 1 -3, HL— 60, J OSK- 1, K562, ML— 1, MOLT- 3, MOL T— 4, MOLT- 10, CCRF-CEM, TALL— 1, J u r k a t , CC RT-HS B- 2, KE— 37, S KW- 3 , HUT- 78, HUT— 102, H 9, U 937, THP— 1, HEL, JK— 1, CMK, K〇_812, MEG— 01など) 、 またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部 位(例、 嗅球、扁頭核、 大脳基底球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、 延髄、 小脳、 後頭葉、 前頭葉、 側頭葉、 被殻、 尾状核、 脳染、 黒質) 、 脊髄、 下垂 体、 胃、 膝臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 末梢 血球、 前立腺、 睾丸、 精巣、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋など (特に、 脳 や脳の各部位)に由来する蛋白質であってもよく、また合成蛋白質であってもよい。 配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 例えば、 配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列と約 97%以上、 好ましくは約 9 8 %以上、 より好ましくは約 99%以上、 最も好ましくは約 99. 5%以上の相同 性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する 蛋白質としては、 例えば、 配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一 のアミノ酸配列を有し、配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と 実質的に同質の性質を有する蛋白質などが好ましい。
本発明の配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する蛋白質としては、 例えば、 配列番号: 4で表わされるァミノ 酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 4で表わさ れるアミノ酸配列と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。
配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として は、 例えば、 配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列と約 9 5 %以上、 好ましく は約 9 6 %以上、 より好ましくは約 9 7 %以上、 最も好ましくは約 9 8 %以上の相 同性を有するァミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有す る蛋白質としては、 例えば、 配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に 同一のアミノ酸配列を有し、配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列を有する蛋 白質と実質的に同質の性質を有する蛋白質などが好ましい。
本発明の配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一の アミノ酸配列を含有する蛋白質としては、 例えば、 配列番号: 1 1で表わされるァ ミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 1 1で 表わされるアミノ酸配列と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。 実質的に同質の活性としては、 例えば、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作 用などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質であること を示す。 したがって、 リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性が同等 (例、 約 0 . 5〜2倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度や蛋白質の 分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、公知の方法に準 じて行なうことができるが、例えば、 リガンド決定方法やスクリーニング方法に従 つて測定することができる。
また、 本発明の蛋白質としては、 ①配列番号: 4または配列番号: 1 1で表わさ れるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ま しくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1または 2個) ) のアミノ酸が欠 失したアミノ酸配列、 ②配列番号: 4または配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸 配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0 個程度、 さらに好ましくは数個 (1または 2個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸 配列、③配列番号: 4または配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列中の 1また は 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さら に好ましくは数個 (1または 2個) ) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列、または④それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質なども用 いられる。
本明細書における蛋白質は、 ペプチド標記の慣例に従って左端が N末端(ァミノ 末端)、右端が C末端(力ルポキシル末端)である。配列番号: 4または配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をはじめとする本発明の蛋白質 は、 C末端が通常力ルポキシル基 (― C O OH) またはカルポキシレート(—C O O一) であるが、 C末端がアミド (一 C ONH2) またはエステル (一 C O O R) で あってもよい。
'ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル、 イソプロピルもしくは n—ブチルなどの アルキル基、 例えば、 シクロペンチ ル、 シクロへキシルなどの C 3_8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 0!—ナフ チルなどの 2ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフエニル—
C i_2アルキル基もしくはひ一ナフチルメチルなどのひ—ナフチル— C卜2アルキ ル基などの ( 7_ 1 4ァラルキル基のほか、 経口用エステルとして汎用されるピバロ ィルォキシメチル基などが用いられる。
本発明の蛋白質が C末端以外に力ルポキシル基(またはカルポキシレート) を有 している場合、力ルポキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発 明の蛋白質に含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記した C末端のェ ステルなどが用いられる。
さらに、 本発明の蛋白質には、 上記した蛋白質において、 N末端のメチォニン残 基のアミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの C 2_6アルカノィ ル基などの ァシル基など) で保護されているもの、 N端側が生体内で切断さ れ生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖 上の置換基(例えば、 —〇H、 一 S H、 アミノ基、イミダゾ一ル基、インドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの C 2
— 6アルカノィル基などの C^— 6ァシル基など) で保護されているもの、 あるいは糖 鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
本発明の蛋白質の具体例としては、 例えば、 配列番号: 4または配列番号: 1 1 で表わされるアミノ酸配列を含有するラット由来 (より好ましくはラット脳由来)
の蛋白質などがあげられる。
本発明の蛋白質の部分ペプチド (以下、 本発明の部分ペプチド、 または単に部分 ペプチドと略記する場合がある) としては、 前記した本発明の蛋白質の部分べプチ ドであれば何れのものであってもよいが、 例えば、 本発明の蛋白質分子のうち、 細 胞膜の外に露出している部位であって、 レセプタ一結合活性を有するものなどが用 いられる。
具体的には、 配列番号: 4または配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列を有 する蛋白質の部分ペプチドとしては、図 7または図 8で示される疎水性プロット解 祈において細胞外領域 (親水性 (Hydrophi l ic) 部位) であると分析された部分を 含むペプチドである。 また、 疎水性 (Hydrophobic) 部位を一部に含むペプチドも 同様に用いることができる。 個々のドメインを個別に含むぺプチドも用い得るが、 複数のドメインを同時に含む部分のぺプチドでも良い。
本発明の部分ペプチドのアミノ酸の数は、前記した本発明の蛋白質の構成アミノ 酸配列のうち少なくとも 2 0個以上、 好ましくは 5 0個以上、 より好ましくは 1 0 0個以上のァミノ酸配列を有するぺプチドなどが好ましい。
実質的に同一のアミノ酸配列とは、 これらアミノ酸配列と約 5 0 %以上、好まし くは約 7 0 %以上、より好ましくは約 8 0 %以上、さらに好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。
ここで、 「実質的に同質の活性」 とは、 前記と同意義を示す。 「実質的に同質の 活性」 の測定は前記と同様に行なうことができる。
また、 本発明の部分ペプチドは、 上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ま しくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1または 2個)) のアミノ酸が 欠失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜2 0個 程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1または 2個) ) のアミノ酸が付加し、 または、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましく は、 1〜1 0個程度、 より好ましくは 1〜5個程度、 さらに好ましくは数個 (1ま たは 2個) ) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が通常力ルポキシル基(― C O O H) また はカルポキシレート (― C O O一) であるが、 前記した本発明の蛋白質のごとく、
C末端がアミド (一 C〇NH 2) またはエステル (― C O O R) であってもよい。 さらに、 本発明の部分ペプチドには、 前記した本発明の蛋白質と同様に、 N末端 のメチォニン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、 N端側が生体内で切 断され生成した Ginがピ口グルタミン酸化したもの、 分子内のァミノ酸の側鎖上の 置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖 ぺプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が通常力ルポキシル基 (一 C O O H) また はカルボキシレート(一C〇〇—) であるが、 前記した本発明の蛋白質のごとく、 C 末端がアミド (一 C ONH 2) またはエステル (― C O O R) であってもよい。 本発明の蛋白質またはその部分ペプチドの塩としては、とりわけ生理学的に許容 される酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロ ピオン酸、 フマル酸、マレイン酸、 コハク酸、酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩などが用いられる。 本発明の蛋白質またはその塩は、前述したヒ卜やその他の哺乳動物の細胞または 組織から公知の蛋白質の精製方法によつて製造することもできるし、後述する本発 明の蛋白質をコードする D N Aを含有する形質転換体を培養することによつても 製造することができる。 また、後述の蛋白質合成法またはこれに準じて製造するこ ともできる。
ヒトやその他の哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトやその他の哺 乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液 を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフ ィ一を組み合わせることにより精製単離することができる。
本発明の蛋白質、その部分ペプチドもしくはそれらの塩またはそれらのアミド体 の合成には、通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂 としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル樹脂、 ベンズヒドリルァ ミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4—ベンジルォキシベンジルアルコール樹脂、 4一 メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 PAM樹脂、 4—ヒドロキシメチルメチルフエ二 ルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4一 (2', 4' -ジメトキシフ
ェニルーヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4一 (2' , 4' -ジメトキシフエ二ルー Fmocアミノエチル) フエノキシ樹脂などを挙げることができる。 このような樹脂を 用い、 α—.ァミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、 目的とする蛋白質 の配列通りに、 公知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の最後に樹 脂から蛋白質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子 内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質またはそれらのアミド体を取 得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、蛋白質合成に使用できる各種活性化試 薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルポジイミド類と しては、 DCC、 Ν, Ν' -ジイソプロピルカルポジイミド、 Ν-ェチル -Ν' - (3-ジメチルァ ミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられる。 これらによる活性化にはラセミ 化抑制添加剤 (例えば、 HOBt, HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加する かまたは、 対称酸無水物または HOBtエステルあるいは HOOBtエステルとしてあらか じめ保護アミノ酸の活性化を行なつた後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、蛋白質縮合反 応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、 N, N— ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N—メチルピロリドンな どの酸アミド類、 塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化水素類、 トリ フルォロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシ ド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフランなどのエーテル類、 ァセトニト リル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸ェチルなどのエステ ル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度は蛋白質結合形成 反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約一 2 0 °C〜 5 Q °Cの範囲から適宜選択される。 活性化されたアミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜4 倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテス卜の結果、縮合が不十分な場 合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を 行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、 無水 酢酸またはァセチルイミダゾ一ルを用いて未反応アミノ酸をァセチル化すること ができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 Boc、 夕一シャリーペンチルォ キシカルポニル、 イソポルニルォキシカルボニル、 4—メトキシベンジルォキシカ ルポニル、 CI- Z、 Br- Z、 ァダマンチルォキシカルポニル、 トリフルォロアセチル、 フタロイル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエニル、 ジフエニルホスフイノ チオイル、 Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プ 口ピル、 ブチル、 夕一シャリーブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロ ヘプチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状もしくは環状 アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステル、 4— ニトロべンジルエステル、 4ーメトギシベンジルエステル、 4一クロ口ベンジルェ ステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベンジルォキシカ ルポニルヒドラジド化、 ターシャリーブトキシカルポニルヒドラジド化、 トリチル ヒドラジド化などによつて保護することができる。
セリンの水酸基は、例えば、 エステル化またはェ一テル化によって保護すること ができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基などの低級ァ ルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルポニル基、 ェ トキシカルポニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。 また、 エーテ ル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロビラニル基、 t -プチ ル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bzl、 Cl 2-BzK 2 - ニトロベンジル、 Br-Z、 夕一シャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾ一ルの保護基としては、例えば、 Tos、 4-メトキシ- 2, 3, 6- トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、ベンジルォキシメチル、 Bum、 Boc、 Trt、 Fmoc などが用いられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノ一ル、 2, 4, 5- トリクロ口フエノール、 2, 4-ジニトロフエノール、 シァノメチルアルコール、 パラ ニトロフエノール、 H0NB、 N-ヒドロキシスクシミド、 N-ヒドロキシフ夕ルイミド、 HOBt) とのエステル〕 などが用いられる。 原料のァミノ基の活性化されたものとし
ては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 P d—黒あるいは P d -炭素など の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタンス ルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれらの混 合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルァミン、 ピぺ リジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリウムによる 還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 2 0 °C〜4 O の温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソール、 フエノール、 チ オアニソール、 メタクレゾール、 パラクレゾール、 ジメチルスルフイド、 1, 4-ブ夕 ンジチオール、 1, 2-エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効で ある。 また、 ヒスチジンのイミダゾ一ル保護基として用いられる 2, 4-ジニトロフエ ニル基はチオフヱノール処理により除去され、 トリブトファンのィンドール保護基 として用いられるホルミル基は上記の 1, 2-エタンジチオール、 1, 4-ブタンジチォ一 ルなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、 希アンモ ニァなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基 の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜 選択しうる。
蛋白質のアミド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルポキシ末端アミ ノ酸の 0;—力ルポキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド鎖を 所望の鎖長まで延ばした後、該ぺプチド鎖の N末端の α—ァミノ基の保護基のみを 除いた蛋白質と C末端の力ルポキシル基の保護基のみを除去した蛋白質とを製造 し、 この両蛋白質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細につ いては上記と同様である。縮合により得られた保護蛋白質を精製した後、上記方法 によりすベての保護基を除去し、所望の粗蛋白質を得ることができる。 この粗蛋白 質は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の 蛋白質のアミド体を得ることができる。
蛋白質のエステル体を得るには、例えば、 カルポキシ末端アミノ酸の α—力ルポ キシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、蛋白質のアミ
ド体と同様にして、 所望の蛋白質のエステル体を得ることができる。
本発明の蛋白質の部分ペプチドまたはその塩は、公知のペプチドの合成法に従つ て、あるいは本発明の蛋白質を適当なぺプチダ一ゼで切断することによって製造す ることができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成法の いずれによっても良い。すなわち、 本発明の蛋白質を構成し得る部分ペプチドもし くはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱 離することにより目的のぺプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護 基の脱離としては、 例えば、 以下の①〜⑤に記載された方法が挙げられる。
① M. Bodanszkyおよび M. A. Ondet t i、ペプチド シンセシス (Pept ide Synthes is) , Interscience Publ ishers, New York (1966年)
② Scliroederおよび Luebke、 ザペプチド(The Pept ide) , Academic Press, New York (1965年)
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
④矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 蛋白質の化学 IV、 205、 (1977 年)
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発第 14巻ペプチド合成広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 たとえば、 溶媒抽出 ·蒸留 ·カラムクロマトダラ フィ一 ·液体クロマ卜グラフィ一 ·再結晶などを組み合わせて本発明の部分べプチ ドを精製単離することができる。上記方法で得られる部分べプチドが遊離体である 場合は、 公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で得られ た場合は、 公知の方法によって遊離体に変換することができる。
本発明の蛋白質をコードする D NAとしては、前述した本発明の蛋白質をコード する塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。 また、 ゲノム D NA、 ゲノム D NAライブラリー、 前記した細胞 ·組織由来の c D NA、 前記し た細胞 ·組織由来の c D NAライブラリ一、 合成 D NAのいずれでもよい。 ライブ ラリーに使用するベクターは、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファ —ジミドなどいずれであってもよい。 また、 前記した細胞 ·組織より total R NA または m R N A画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain React ion (以下、 R T- P C R法と略称する) によって増幅する
こともできる。
具体的には、 本発明の蛋白質をコードする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 3または配列番号: 10で表わされる塩基配列を含有する DNA、 または配列番 号: 3または配列番号: 10で表わされる塩基配列を有する DNAとハイストリン ジェン卜な条件下でハイブリダィズする DNAを有し、本発明の蛋白質と実質的に 同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有する蛋白質 をコ一ドする DNAであれば何れのものでもよい。
配列番号: 3で表わされる塩基配列を有する DNAとハイストリンジェントな条 件下でハイブリダィズする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 3で表わされる塩 基配列と約 97%以上、 好ましくは約 98%以上、 より好ましくは約 99%以上、 最も好ましくは約 99. 5%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなど が用いられる。
配列番号: 10で表わされる塩基配列を有する DNAとハイストリンジェントな 条件下でハイブリダィズする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 10で表わされ る塩基配列と約 95%以上、好ましくは約 96%以上、 より好ましくは約 97%以 上、最も好ましくは約 98%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DN Aなど が用いられる。
ハイブリダィゼ一シヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 モ レキユラ一 'クローニング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従つ て行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェントな条件に従って行 なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリゥム濃度が約 19〜 40 mM、 好ましくは約 19〜 20 mMで、 温度が約 50〜 70 、 好ましくは約 60〜 6 5°Cの条件を示す。特に、 ナトリウム濃度が約 19mMで温度が約 65°Cの場合が 最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質をコー ドする DNAとしては、 配列番号: 3で表わされる塩基配列を有する DNAがあげ
られ、配列番号: 1 1で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードする D N Aとしては、 配列番号: 1 0で表わされる塩基配列を有する D NAがあげられる。 本発明の蛋白質をコードする塩基配列を含有する、または該塩基配列と相補的な 塩基配列の一部を含有してなるヌクレオチド (オリゴヌクレオチド) とは、 本発明 の蛋白質またはその部分ペプチドをコードする D NAを包含するだけではなく、 R N Aをも包含する意味で用いられる。
本発明に従えば、本発明の蛋白質遺伝子の複製又は発現を阻害することのできる アンチセンス · (オリゴ) ヌクレオチド (核酸) を、 クローン化したあるいは決定 された蛋白質をコードする塩基配列の塩基配列情報に基づき設計し、 合成しうる。 そうした (オリゴ) ヌクレオチド (核酸) は、 G蛋白質共役型蛋白質遺伝子の R N Aとハイプリダイズすることができ、該 R N Aの合成又は機能を阻害することがで きるか、あるいは G蛋白質共役型蛋白質関連 R NAとの相互作用を介して G蛋白質 共役型蛋白質遺伝子の発現を調節 ·制御することができる。 G蛋白質共役型蛋白質 関連 R NAの選択された配列に相補的な (オリゴ) ヌクレオチド、 及び G蛋白質共 役型蛋白質関連 R NAと特異的にハイブリダィズすることができる (オリゴ) ヌク レオチドは、生体内及び生体外で G蛋白質共役型蛋白質遺伝子の発現を調節 ·制御 するのに有用であり、 また病気などの治療又は診断に有用である。
用語 「対応する」 とは、 遺伝子を含めたヌクレオチド、 塩基配列又は核酸の特定 の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。 ヌクレオチド、塩 基配列又は核酸とペプチド(蛋白質) との間で「対応する」 とは、 ヌクレオチド (核 酸) の配列又はその相補体から誘導される指令にあるペプチド (蛋白質) のァミノ 酸を通常指している。 G蛋白質共役型蛋白質遺伝子の 5 ' 端ヘアピンループ、 5 ' 端 6—ベースペア 'リピート、 5 ' 端非翻訳領域、 ポリペプチド翻訳開始コドン、 蛋白質コード領域、 O R F翻訳開始コドン、 3 ' 端非翻訳領域、 3 ' 端パリンドロ —ム領域、 及び 3 ' 端ヘアピンループは好ましい対象領域として選択しうるが、 G 蛋白質共役型蛋白質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
目的核酸と、 対象領域の少なくとも一部に相補的な (オリゴ) ヌクレオチドとの 関係は、 対象物とハイブリダィズすることができる (オリゴ) ヌクレオチドとの関 係は、 「アンチセンス」 であるということができる。 アンチセンス · (オリゴ) ヌ
クレオチドは、 2—デォキシー D—リポースを含有しているポリデォキシヌクレオ チド、 D—リポ一スを含有しているポリヌクレオチド、 プリン又はピリミジン塩基 の N—グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオ チド骨格を有するその他のポリマー(例えば、 市販の蛋白質核酸及び合成配列特異 的な核酸ポリマー) 又は特殊な結合を含有するその他のポリマー (但し、 該ポリマ 一は D N Aや R N A中に見出されるような塩基のペアリナグゃ塩基の付着を許容 する配置をもつヌクレオチドを含有する) などが挙げられる。 それらは、 2本鎖 D NA、 1本鎖 D NA、 2本鎖 R NA、 1本鎖 R NA、 さらに D NA: R NAハイブ リッドであることができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド又は非修飾オリゴヌクレ ォチド、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば当該分野で知られた標識の あるもの、 キャップの付いたもの、 メチル化されたもの、 1個以上の天然のヌクレ ォチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、 例えば非 荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、 ホスホトリエステル、 ホスホルアミデ一 ト、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合又は硫黄含有結合(例えば、 ホスホロチォエート、 ホスホロジチォエー卜など) を持つもの、 例えば蛋白質 (ヌ クレアーゼ、 ヌクレア一ゼ*インヒビ夕一、 トキシン、 抗体、 シグナルペプチド、 ポリ— L—リジンなど) や糖 (例えば、 モノサッカライドなど) などの側鎖基を有 しているもの、 イン夕一力レント化合物 (例えば、 ァクリジン、 プソラレンなど) を持つもの、 キレート化合物 (例えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化 性の金属など) を含有するもの、 アルキル化剤を含有するもの、 修飾された結合を 持つもの (例えば、 αァノマー型の核酸など) であってもよい。 ここで 「ヌクレオ シド」 、 「ヌクレオチド」 及び 「核酸」 とは、 プリン及びピリミジン塩基を含有す るのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良 レ^ こうした修飾物は、 メチル化されたプリン及びピリミジン、 ァシル化されたプ リン及びピリミジン、 あるいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾され たヌクレオチド及び修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、 例えば 1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、 ある いはエーテル、 ァミンなどの官能基に変換されていてよい。
本発明のアンチセンス核酸は、 R NA、 D NA、あるいは修飾された核酸である。
修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘導体ゃチォホスフェート誘導体、そ してポリヌクレオシドアミドゃオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のもの が挙げられるが、それに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次 のような方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸を より安定なものにする、 アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、 目標とする センス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるならアン チセンス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうして修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kawakami et al., Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992 ; Vol. 8, pp. 395, 1992 ; S. T. Crooke et al. ed., Ant isense Research and Appl icat ions, CRC Press, 1993 などに開 示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結合 を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で供与され たり、遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられることができう る。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格の電荷を中和する ように働くポリリジンのようなポリカチォン体、 細胞膜との相互作用を高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホスホリピッド、 コレステロ一 ルなど) といった粗水性のものが挙げられる。 付加するに好ましい脂質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステリルクロ口ホルメート、 コール酸 など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸の 3 ' 端あるいは 5 ' 端に付着させる ことができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができう る。 その他の基としては、 核酸の 3 ' 端あるいは 5 ' 端に特異的に配置されたキヤ ップ用の基で、 ェキソヌクレアーゼ、 R N a s eなどのヌクレア一ゼによる分解を 阻止するためのものが挙げられる。 こうしたキャップ用の基としては、 ポリエチレ ングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分 野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、 それに限定されるものではない。 アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や生体外 の遺伝子発現系、あるいは蛋白質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることが できる。 該核酸は、 公知の各種の方法で細胞に適用できる。
本発明の部分ペプチドをコードする DNAとしては、前述した本発明の部分ぺプ チドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよレ^ また、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラリー、 前記した細胞 ·組織由来の cD NA、 前記した細胞 ·組織由来の c DNAライブラリ一、 合成 DNAのいずれでも よい。 ライブラリ一に使用するべクタ一は、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コ スミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 前記した細胞 ·組織より mRN A画分を調製したものを用いて直接 RT- PC R法によって増幅することも できる。
具体的には、 本発明の部分ペプチドをコードする DNAとしては、 例えば、 配列 番号: 3または配列番号: 10で表わされる塩基配列を有する DNAの部分塩基配 列を有する DNA、 または②配列番号: 3または配列番号: 10で表わされる塩基 配列を有する D N Aとハイストリンジェン卜な条件下でハイブリダィズする D N Aを有し、本発明の蛋白質べプチドと実質的に同質の活性 (例、リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など)を有する蛋白質をコードする DNAの部分塩基配列を 有する DN Aなどが用いられる。
配列番号: 3で表わされる塩基配列を有する DNAとハイストリンジェントな条 件下でハイブリダィズする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 3で表わされる塩 基配列と約 97%以上、 好ましくは約 98%以上、 より好ましくは約 99 %以上、 最も好ましくは約 99. 5%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DN Aなど が用いられる。
配列番号: 10で表わされる塩基配列を有する DN Aとハイストリンジェン卜な 条件下でハイブリダィズする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 10で表わされ る塩基配列と約 95%以上、好ましくは約 96%以上、 より好ましくは約 97%以 上、最も好ましくは約 98%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなど が用いられる。
本発明の蛋白質またはその部分ペプチド (以下、 本発明の蛋白質と略記すること もある) を完全にコードする DNAのクロ一ニングの手段としては、本発明の蛋白 質をコードする DN Aの塩基配列の部分塩基配列を有する合成 DN Aプライマ一 を用いて PC R法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだ DNA
を本発明の蛋白質の一部あるいは全領域をコードする DN A断片もしくは合成 D N Aを用いて標識したものとのハイブリダィゼーシヨンによって選別することが できる。 ハイブリダィゼーシヨンの方法は、 例えば、 モレキュラー ·クロ一ニング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のライブラリー を使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
DNAの塩基配列の変換は、 PCRや公知のキット、 例えば、 Mut an™- super Express Ki (宝酒造 (株) ) 、 Mutan™- K (宝酒造 (株) ) 等を用いて、 0DA- LAPCR 法や Gapped dup 1 ex法や Kunke 1法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従 つて行なうことができる。
クローン化された蛋白質をコードする DN Aは目的によりそのまま、または所望 により制限酵素で消化したり、 リンカ一を付加したりして使用することができる。 該 DNAはその 5'末端側に翻訳開始コドンとしての ATGを有し、 また 3'末端 側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TG Aまたは TAGを有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成 DNAアダプターを用い て付加することもできる。
本発明の蛋白質の発現べクタ一は、 例えば、 (ィ) 本発明の蛋白質をコードする DNAから目的とする DNA断片を切り出し、 (口)該 DNA断片を適当な発現べ クタ一中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。 ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、 pBR 322, pBR 325, pUC 12, pUC 13) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB 110, pTP 5, pCl 94) 、 酵母由来プラスミド (例、 pSHl 9, pSHl 5) 、 λファ ージなどのパクテリオファージ、 レトロウイルス, ワクシニアウィルス, バキュ口 ウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 pAl— 11、ρΧΤ1、 pRc/CMV、 pR c/ S V, p c DNA I Ne o, p c DNA 3. 1、 pRc/CMV2、 pRc/RS V (Invitrogen社) などが用いられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応し て適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物細胞を宿主と して用いる場合は、 SRaプロモータ一、 SV40プロモーター、 HIV- LTR
プロモータ一、 CM Vプロモーター、 HSV-TKプロモーターなどが挙げられる。 これらのうち、 CMVプロモーター、 SR αプロモータ一などを用いるのが好ま しい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモーター、 l a cプロモ 一夕一、 r e c Aプロモ一夕一、 APLプロモーター、 1 ρρプロモ一夕一など力 宿主がバチルス属菌である場合は、 S ΡΟ 1プロモー夕一、 S ΡΟ 2プロモータ一、 p e ηΡプロモーターなど、 宿主が酵母である場合は、 ΡΗΟ 5プロモーター、 Ρ GKプロモーター、 GAPプロモータ一、 ADHプロモーターなどが好ましい。 宿 主が昆虫細胞である場合は、 ポリヘドリンプロモーター、 P 10プロモーターなど が好ましい。
発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシングシグ ナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカ一、 SV40複製オリジン (以下、 SV4 0 o r iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いることができる。 選択マーカーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dh f rと略称す る場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシリン耐性遺 伝子 (以下、 Amp rと略称する場合がある) 、 ネオマイシン耐性遺伝子 (以下、 Ne o rと略称する場合がある、 G418耐性) 等が挙げられる。 特に、 dh f r 遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r_) 細胞 と略記) を用いて dh f r遺伝子を選択マ一カーとして使用する場合、 目的遺伝子 をチミジンを含まない培地によっても選択できる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明の蛋白質の N端末側 に付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 PhoA ·シグナル配列、 0即 A ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 ひ一アミラ一ゼ ·シ グナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが、 宿主が酵母である場合は、 MF α ·シグナル配列、 SUC 2 ·シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、 インシユリン ·シグナル配列、 —インターフェロン ·シグナル配列、 抗体分子 · シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明の蛋白質をコードする DN Aを含有するべク ターを用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆
虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌の具体例としては、 ェシエリヒア 'コリ (Escherichia col i) Kl 2 - DH1 〔プロシ一ジングズ.ォブ ·ザ'ナショナル 'アカデミー .ォブ. サイェンシィズ 'ォブ ·ザ ·ュ一エスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 60巻, 160 (1968)〕 , JM103 〔ヌクイレック ·了シッズ · リサ一チ, (Nucleic Acids Research) , 9巻, 309 (1981)〕 , J Α221 〔ジャーナ ル ·ォブ ·モレキュラー ·バイオロジー (Journal of Molecular Biology) , 12 0巻, 517 (1978)〕 , ΗΒ 101 〔ジャーナル ·ォブ'モレキュラー ·バイ ォロジ一, 41巻, 459 (1969)〕, C600〔ジエネティックス(Genetics) , 39巻, 440 (1954)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·サチルス (Bacillus subtilis) M 1114 〔ジーン, 24巻, 255 (1983)) , 207 - 21 〔ジャーナル ·ォ ブ 'バイオケミストリー (; Tournal of Biochemistry) , 95巻, 87 (1984)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレピシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH 22, AH22R— , ΝΑ87 - 11 A, DKD— 5D, 20 B — 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Sdiizosaccharomyces pombe) NCYC 1913, NCYC 2036, ピキア パストリス (Pichia pastoris) などが用 いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが AcNPVの場合は、 夜盗蛾の幼虫由来 株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの中腸由 来の MG 1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の HighFive™細胞、 Mamestra brassicae 由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウィルスが Bm NPVの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori N; BmN細胞) などが用いられ る。該 S f細胞としては、例えば、 S f 9細胞(ATCCCRL1711)、 S f 21細胞(以 上、 Vaughn, J. L.ら、 イン ·ヴィポ (In Vivo) ,13, 213-217, (1977)) などが用い られる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネイチヤー (Nature) , 315巻, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Vero, チャイニーズハムス 夕一細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) , CHO (dh f r_) , マウス L細 胞, マウス At T— 20, マウスミエローマ細胞, ラット GH3, ヒト FL細胞な どが用いられる。
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ- ナショナル ·アカデミー'ォブ ·サイェンジィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69巻, 21 10 (1972)やジーン (Gene) , 1 7巻, 107 (1 982)などに記載の方法に従って行なうことができる。 バチル ス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー ·アンド ·ジェネラル.ジエネ ティックス (Molecular & General Genetics) , 168巻, 1 1 1 (1979)な どに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、 メッソズ,イン ·ェンザィモロジ一(Methods in Enzymology) , 194巻, 182— 187 (1991) 、 プロシ一ジングズ · ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエス エー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75巻, 1929 (1978) などに記 載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ Ζテクノロジー (Bio/Technology) , 6, 47- 55 (1988)などに記載の方法に従って行なうことができ る。
動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊 8 新 細胞工学実験プロ トコール, 263— 267 (1995) (秀潤社発行)、ヴィロロジ一(Virology) , 52巻, 456 (1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、 G蛋白質共役型蛋白質をコードする DNAを含有する発現べク ターで形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がェシェリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に 使用される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に 必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては、 例え ば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源としては、 例え ば、 アンモニゥム塩類、硝酸塩類、 コーンスチープ ·リカ一、ペプトン、カゼイン、
肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグネシウムなどが挙げ られる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進因子などを添加してもよい。 培 地の p Hは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミノ 酸を含む M 9培地 〔ミラ一 (Miller) , ジャーナル.ォブ.ェクスペリメンッ ·ィ ン ·モレキュラー ·ジエネティックス (Journal of Experiments in Molecular Genetics) , 431 -433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 197 2〕 が好ましい。 ここに必要によりプロモー夕一を効率よく働かせるために、 例え ば、 3 /3—インドリル アクリル酸のような薬剤を加えることができる。 宿主が ェシエリヒア属菌の場合、 培養は通常約 15〜43Tで約 3〜24時間行ない、必 要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約 30〜 40 °Cで約 6〜 24時間行ない、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホー ルダ一 (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 プロシージングズ ·ォブ. ザ ·ナショナル 'アカデミー'ォブ'サイェンシィズ 'ォブ ·ザ ·ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 77巻, 4505 (1 980)〕 や 0. 5%カザミノ酸 を含有する SD培地 〔Bitter, G. A. ら、 プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナ ル 'アカデミー'ォブ 'サイェンシィズ 'ォブ ·ザ'ユーエスエー(Proc. Natl. Acad.. Sci. USA) , 8 1巻, 5330 (1 984) 〕 が挙げられる。 培地の ρΗは約 5〜 8に調整するのが好ましい。培養は通常約 20°C〜35°Cで約 24〜72時間 行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace's Insect Medium (Grace, T. C. ,ネィチヤ一 (Nature) , 195, 788 (1962)) に非動化した 10 %ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地 の ρΗは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 271で約 3〜 5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5〜
2 0 %の胎児牛血清を含む ME M培地 〔サイエンス (Science) , 1 2 2巻, 5 0 1 ( 1 9 5 2 ) ] , DMEM培地 〔ヴイロロジ一 (Virology) , 8巻, 3 9 6 ( 1 9 5 9 )〕 , R P M I 1 6 4 0培地 〔ジャーナル ·ォブ ·ザ'アメリカン'メデイカ ル ·アソシエーション (The Journal of the American Medical Associat ion) 1 9 9巻, 5 1 9 ( 1 9 6 7 )〕 , 1 9 9培地 〔プロシージング.ォブ.ザ.ソサイエ ティ 'フォー ·ザ ·バイオロジカル ·メディスン (Proceeding of the Society for the Biological Medicine) , 7 3巻, 1 ( 1 9 5 0 )〕 などが用いられる。 p Hは 約 6〜 8であるのが好ましい。培養は通常約 3 0 °C〜 4 0 °Cで約 1 5〜 6 0時間行 ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明の蛋白質 を生成せしめることができる。
上記培養物から本発明の蛋白質を分離精製するには、例えば、 下記の方法により 行なうことができる。
本発明の蛋白質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培養後、 公知 の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、 超音波、 リゾチ
—ムおよび Zまたは凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心 分離やろ過により蛋白質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中 に尿素や塩酸グァニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトン X— 1 0 0 TMなどの界面 活性剤が含まれていてもよい。培養液中に蛋白質が分泌される塲合には、 培養終了 後、 公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる蛋白質の精製は、 公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。 これらの公知の分 離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、 透析法、 限 外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの 主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の 差を利用する方法、ァフィ二ティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用 する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等 電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
このようにして得られる蛋白質が遊離体で得られた場合には、公知の方法あるい
はそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には 公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換すること ができる。
なお、組換え体が産生する蛋白質を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素 を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを部分的に除去す ることもできる。 蛋白修飾酵素としては、 例えば、 卜リブシン、 キモトリブシン、 アルギニルエンドべプチダ一ゼ、 プロテインキナ一ゼ、 グリコシダーゼなどが用い られる。
このようにして生成する本発明の蛋白質またはその塩の活性は、標識したリガン ドとの結合実験および特異抗体を用いたェンザィムィムノアッセィなどにより測 定することができる。
本発明の蛋白質、その部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体は、 本発明の 蛋白質、その部分ペプチドまたはそれらの塩を認識し得る抗体であれば、 ポリクロ ーナル抗体、 モノク口一ナル抗体の何れであつてもよい。
本発明の蛋白質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩(以下、 本発明の蛋白質等 と略記することもある) に対する抗体は、 本発明の蛋白質等を抗原として用い、 公 知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
( a ) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明の蛋白質等は、哺乳動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ 自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高める ため、完全フロイントアジュバントゃ不完全フロイン卜アジュバントを投与しても よい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜1 0回程度行なわれる。 用いられ る哺乳動物としては、例えば、サル、 ゥサギ、ィヌ、モルモッ卜、 マウス、 ラッ卜、 ヒッジ、 ャギが挙げられるが、 マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫された温血動物、 例 えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に脾臓ま たはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させる
ことにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリドーマを調製することができる。抗 血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化した本発明の蛋白質等と抗血清と を反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうこと ができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケ一ラーとミルスタインの方法 〔ネィ チヤ一 (Nature), 256巻、 495頁 (1975年) 〕 に従い実施することがで きる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコール (PEG) やセンダ ィウィルスなどが挙げられるが、 好ましくは P E Gが用いられる。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P3U1、 SP 2/0などが挙げられ るが、 P 3U1が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と 骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1〜20: 1程度であり、 PEG (好ましく は、 PEG1000〜PEG6000)が 10〜80 %程度の濃度で添加され、 約 20〜40°C、好ましくは約 30〜37°Cで約 1〜10分間インキュベートするこ とにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノク口一ナル抗体産生ハイプリド一マのスクリ一ニングには種々の方法が使 用できるが、例えば、 本発明の蛋白質等抗原を直接あるいは担体とともに吸着させ た固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培養上清を添加し、 次に放射性 物質や酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマ ウスの場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) またはプロテイン Aを加 え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体ま たはプロティン Aを吸着させた固相にハイプリドーマ培養上清を添加し、放射性物 質や酵素などで標識した本発明の蛋白質等を加え、固相に結合したモノクローナル 抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうこ とができるが、 通常は HAT (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミジン) を添 加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別および育種用培地としては、 ハイプリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。 例えば、
1〜20%、好ましくは 10〜20%の牛胎児血清を含む RPMI 1640培地、 1〜10%の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) またはハイプリ ドーマ培養用無血清培地 (SFM— 101、 日水製薬 (株) ) などを用いることが
できる。培養温度は、通常 2 0〜4 0 °C、好ましくは約 3 7 である。培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。 培養は、 通常 5 %炭酸ガス 下で行なうことができる。ハイプリドーマ培養上清の抗体価は、 上記の抗血清中の 抗体価の測定と同様にして測定できる。
( b ) モノクローナル抗体の精製
モノク口一ナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様 に免疫グロブリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 D E A E) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲルろ過 法、抗原結合固相またはプロティン Aあるいはプロティン Gなどの活性吸着剤によ り抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従って行なう ことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法にしたがって製 造することができる。 例えば、 免疫抗原 (本発明の蛋白質等の抗原) とキャリア一 蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクロ一ナル抗体の製造法と同様に哺乳動物 に免疫を行ない、該免疫動物から本発明の蛋白質等に対する抗体含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体 に関し、 キャリアー蛋白質の種類およびキャリア一とハプテンとの混合比は、 キヤ リア一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様な ものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アルブミン、 ゥシサ イログロブリン、 キーホール ·リンぺッ卜 ·へモシァニン等を重量比でハプテン 1 に対し、 約 0. 1〜2 0、 好ましくは約 1〜5の割合でカプルさせる方法が用いら れる。
また、ハプテンとキャリアーの力プリングには、種々の縮合剤を用いることがで きるが、 ダルタルアルデヒドやカルポジイミド、 マレイミド活性エステル、 チォ一 ル基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担 体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全フロ ィントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。 投与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜 1 0回程度行なうことができる。
ポリクロ一ナル抗体は、 上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、 腹水など、 好 ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様 にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、 上記のモノクローナル抗体 の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。. 本発明の蛋白質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩、 およびそれらをコードす る D NAは、①本発明の蛋白質に対するリガンドの決定方法、②抗体および抗血清 の入手、③組換え型蛋白質の発現系の構築、④同発現系を用いたレセプター結合ァ ッセィ系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、⑤構造的に類似したリガン ド ·レセプ夕一との比較にもとづいたドラッグデザインの実施、⑥遺伝子診断にお けるプロ一ブゃ P C Rプライマーを作成するための試薬、⑦トランスジエニック動 物の作製または⑧遺伝子予防 ·治療剤等の医薬などとして用いることができる。 特に、本発明の組換え型蛋白質の発現系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系を用 いることによって、ヒトやその他の哺乳動物に特異的な G蛋白質共役型レセプ夕一 に対するリガンドの結合性を変化させる化合物 (例、 ァゴニスト、 アン夕ゴニスト など) をスクリーニングすることができ、 該ァゴ二ストまたはアン夕ゴニストを各 種疾病の予防 ·治療剤などとして使用することができる。
本発明の蛋白質、 部分ペプチドまたはそれらの塩(以下、 本発明の蛋白質等と略 記する場合がある) 、 本発明の蛋白質またはその部分ペプチドをコードする D NA (以下、 本発明の D NAと略記する場合がある)および本発明の蛋白質等に対する 抗体 (以下、 本発明の抗体と略記する場合がある) の用途について、 以下に具体的 に記載する。
( 1 ) 本発明の蛋白質に対するリガンド (ァゴ二スト ·アン夕ゴニスト) の決定方
本発明の蛋白質もしくはその塩または本発明の部分べプチドもしくはその塩は、 本発明の蛋白質またはその塩に対するリガンド (ァゴ二スト ·アン夕ゴニスト) を 探索し、 または決定するための試薬として有用である。
すなわち、 本発明は、 本発明の蛋白質もしくはその塩または本発明の部分べプチ ドもしくはその塩と、試験化合物とを接触させることを特徴とする本発明の蛋白質 に対するリガンドの決定方法を提供する。
試験化合物としては、公知のリガンド(例えば、アンギオテンシン、ボンべシン、 カナピノイド、 コレシストキニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニュー 口ペプチド Y、ォピオイド、プリン、バソプレツシン、ォキシトシン、 PACAP、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 アドレノメジュリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテ スティナル アンド リレイテッド ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ド一パミ ン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレーテ イツドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン、アデノシン、アドレナリン、 および j8—ケモカイン(chemokine) (例えば、 I L_8、 GRO«、 GROj3、 GROァ、 NAP— 2、 ENA— 78、 PF4、 I P 10、 GCP— 2、 MCP—1、 HC 14、 MCP— 3、 1— 309、 MI P l Q!、 MI P— 1 /3、 RANTESなど) 、 エンドセリン、 ェンテロガス卜 リン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプタイ ド、 ガラニン、 M I T 1またはその哺乳動物のホモログなど) があげられ、 またそ の他に、 例えば、 ヒトまたは哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ブ夕、 ゥシ、 ヒ ッジ、サルなど)の組織抽出物、細胞培養上清などが、 さらには、配列番号: 49、 配列番号: 51、 配列番号: 53または配列番号: 71で表わされるアミノ酸配列 を含有するペプチドなどが用いられる。 例えば、 該組織抽出物、 細胞培養上清など を本発明の蛋白質に添加し、細胞刺激活性などを測定しながら分画し、最終的に単 一のリガンドを得ることができる。
リガンドがぺプチド性リガンドである塲合、該リガンドをリガンドぺプチドと称 することがある。 また、 リガンドペプチドが前駆体として発現し、 シグナルべプチ ドが除去されて成熟体となる場合、それぞれをリガンド前駆体べプチドおよびリガ
ンド成熟体べプチドと称することがあるが、両者を総称して単にリガンドぺプチド と称することもある。
具体的には、 本発明のリガンド決定方法は、 本発明の蛋白質、 その部分ペプチド もしくはそれらの塩を用いるか、 または組換え型蛋白質の発現系を構築し、 該発現 系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系を用いることによって、本発明の蛋白質に結 合して細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 '細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o s活性化、 p Hの低下などを 促進する活性または抑制する活性) を有する化合物 (例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物など) またはその塩を決定する方法 である。
本発明のリガンド決定方法においては、本発明の蛋白質またはその部分ペプチド と試験化合物とを接触させた場合の、例えば、 該蛋白質または該部分ペプチドに対 する試験化合物の結合量や、 細胞刺激活性などを測定することを特徴とする。 より具体的には、 本発明は、 ①標識した試験化合物を、 本発明の蛋白質もしくは その塩または本発明の部分ペプチドもしくはその塩に接触させた場合における、標 識した試験化合物の該蛋白質もしくはその塩、または該部分べプチドもしくはその 塩に対する結合量を測定することを特徴とする本発明の蛋白質またはその塩に対 するリガンドの決定方法、
②標識した試験化合物を、本発明の蛋白質を含有する細胞または該細胞の膜画分に 接触させた場合における、標識した試験化合物の該細胞または該膜画分に対する結 合量を測定することを特徴とする本発明の蛋白質またはその塩に対するリガンド の決定方法、
③標識した試験化合物を、本発明の蛋白質をコードする D NAを含有する形質転換 体を培養することによって細胞膜上に発現した蛋白質に接触させた場合における、 標識した試験化合物の該蛋白質またはその塩に対する結合量を測定することを特 徴とする本発明の蛋白質に対するリガンドの決定方法、
④試験化合物を、 本発明の蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における、蛋白 質を介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞
内 Ca2+遊離、細胞内 cAMP生成、細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産 生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f osの活性化、 pHの低下 などを促進する活性または抑制する活性など)を測定することを特徴とする本発明 の蛋白質またはその塩に対するリガンドの決定方法、 および
⑤試験化合物を、本発明の蛋白質をコ一ドする DNAを含有する形質転換体を培養 することによって細胞膜上に発現した蛋白質に接触させた場合における、蛋白質を 介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f osの活性化、 pHの低下など を促進する活性または抑制する活性など)を測定することを特徴とする本発明の蛋 白質またはその塩に対するリガンドの決定方法を提供する。
特に、上記①〜③の試験を行ない、試験化合物が本発明の蛋白質に結合すること を確認した後に、 上記④〜⑤の試験を行なうことが好ましい。
まず、 リガンド決定方法に用いる蛋白質としては、 前記した本発明の蛋白質また は本発明の部分ペプチドを含有するものであれば何れのものであってもよいが、動 物細胞を用いて大量発現させた蛋白質が適している。
本発明の蛋白質を製造するには、 前述の発現方法が用いられるが、 該蛋白質をコ 一ドする DN Aを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好 ましい。 目的とする蛋白質部分をコードする DNA断片には、 通常、 相補 DNAが 用いられるが、 必ずしもこれに制約されるものではない。 例えば、 遺伝子断片や合 成 DNAを用いてもよい。本発明の蛋白質をコードする DNA断片を宿主動物細胞 に導入し、 それらを効率よく発現させるためには、 該 DNA断片を昆虫を宿主とす るバキュロウィルスに属する核多角体病ウィルス (nuclear poly edrosis virus; NP V) のポリヘドリンプロモーター、 S V40由来のプロモータ一、 レトロウイ ルスのプロモー夕一、 メタ口チォネインプロモーター、 ヒトヒートショックプロモ 一夕一、サイトメガロウィルスプロモーター、 S Rひプロモータ一などの下流に組 み込むのが好ましい。発現したレセプ夕一の量と質の検査は公知の方法で行うこと ができる。例えば、 文献〔Nambi, P. ら、 ザ ·ジャーナル ·ォブ ·バイオロジカル - ケミストリ一 (J. Biol. Chem. ), 267巻, 19555〜19559頁, 1992年〕 に記載の方法に
従って行うことができる。
したがって、 本発明のリガンド決定方法において、 本発明の蛋白質、 その部分べ プチドまたはそれらの塩を含有するものとしては、公知の方法に従つて精製した蛋 白質、その部分ペプチドまたはそれらの塩であってもよいし、 該蛋白質を含有する 細胞またはその細胞膜画分を用いてもよい。
本発明のリガンド決定方法において、本発明の蛋白質を含有する細胞を用いる場 合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化してもよい。 固定化方 法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明の蛋白質を含有する細胞としては、本発明の蛋白質を発現した宿主細胞を いうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが 用いられる。
細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く含 まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、 Pot ter— Elvehj em型ホモジナ ィザ一で細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリトロン (Kinemat ica 社製) による破砕、 超音波による破砕、 フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を 細いノズルから噴出させることによる破碎などが挙げられる。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用い られる。例えば、細胞破砕液を低速(5 0 0 r p m〜3 0 0 0 r p m)で短時間(通 常、 約 1分〜 1 0分) 遠心し、 上清をさらに高速 (1 5 0 0 0 r p m〜3 0 0 0 0 r p m) で通常 3 0分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中 には、発現した蛋白質と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれ る。
該蛋白質を含有する細胞やその膜画分中の蛋白質の量は、 1細胞当たり 1 0 3〜 1 0 8分子であるのが好ましく、 1 0 5〜1 0 7分子であるのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比活性) が高くなり、 高感度 なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロッ卜で大量の試料を 測定できるようになる。
本発明の蛋白質またはその塩に対するリガンドを決定する前記の①〜③の方法 を実施するためには、 適当な蛋白質画分と、 標識した試験化合物が必要である。
蛋白質画分としては、天然型のレセプ夕一蛋白質画分か、 またはそれと同等の活 性を有する組換え型レセプ夕一画分などが望ましい。 ここで、 同等の活性とは、 同 等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用などを示す。
標識した試験化合物としては、 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 など で標識したアンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド、 コレシストキニン、 グ ル夕ミン、 セロトニン、 メラ卜ニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシト ニン、 アドレノメジュリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GR P、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテスティナル アンド リイテッド ポ リペプチド)、 ソマトス夕チン、 ドーパミン、モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パン クレアス夕チン、 プロスタグランジン、 トロンボキサン、 アデノシン、 アドレナリ ン、 a;および |8—ケモカイン (chemokine) (例えば、 I L— 8、 GROa、 GR 0/3、 GRO了、 NAP- 2, ENA— 78、 PF4、 I P 10、 GCP— 2、 M CP— 1、 HC 14、 MCP— 3、 I— 309、 M I P 1 α、 M I P一 1 /3、 R A NTESなど) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテン シン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプタイド、 ガラニン、 M I T 1またはそ の哺乳動物のホモログなどが好適であり、 配列番号: 49、 配列番号: 51、 配列 番号: 53または配列番号: 71で表わされるアミノ酸配列を含有するペプチドな ども用いられる。
具体的には、本発明の蛋白質またはその塩に対するリガンドの決定方法を行なう には、 まず本発明の蛋白質を含有する細胞または細胞の膜画分を、 決定方法に適し たバッファーに懸濁することによりレセプ夕一標品を調製する。 バッファーには、 pH4〜10 (望ましくは pH6〜8) のリン酸バッファ一、 トリス—塩酸パッフ ァーなどのリガンドと本発明の蛋白質との結合を阻害しないバッファーであれば いずれでもよい。 また、 非特異的結合を低減させる目的で、 CHAPS、 Twe e n-80™ (花王一アトラス社) 、 ジギトニン、 デォキシコレートなどの界面活性 剤やゥシ血清アルブミンやゼラチンなどの各種蛋白質をバッファ一に加えること もできる。 さらに、 プロテアーゼによるリセプターやリガンドの分解を抑える目的
で PMSF、 ロイぺプチン、 E—64 (ペプチド研究所製) 、 ぺプス夕チンなどの プロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。 0.0 lml〜l 0 mlの該レセプタ 一溶液に、一定量(5000 c pm〜500000 c pm)の〔3H〕、 〔125 I〕、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識した試験化合物を共存させる。非特異的結合量(N S B)を知るために大過剰の未標識の試験化合物を加えた反応チューブも用意する 反応は約 0°Cから 50°C、望ましくは約 4°Cから 37°Cで、約 20分から 24時間、 望ましくは約 30分から 3時間行なう。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過し、 適量 の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレ —シヨンカウンタ一あるいはァーカウンターで計測する。 全結合量(B) から非特 異的結合量 (NSB) を引いたカウント (B— NSB) が O c pmを越える試験化 合物を本発明の蛋白質またはその塩に対するリガンド (ァゴ二スト) として選択す ることができる。
本発明の蛋白質またはその塩に対するリガンドを決定する前記の④〜⑤の方法 を実施するためには、該蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、細胞内 cAM P生成、 細胞内 cGMP生 成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を公知の 方法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。具体的には、まず、 本発明の蛋白質を含有する細胞をマルチウエルプレート等に培養する。リガンド決 定を行なうにあたっては前もつて新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当 なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定 量する。 細胞刺激活性の指標とする物質 (例えば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素によつて検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を 添加してアツセィを行なってもよい。 また、 c AMP産生抑制などの活性について は、フオルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産 生抑制作用として検出することができる。
本発明の蛋白質またはその塩に結合するリガンド決定用キットは、本発明の蛋白 質もしくはその塩、 本発明の部分ペプチドもしくはその塩、本発明の蛋白質を含有
する細胞、または本発明の蛋白質を含有する細胞の膜画分などを含有するものであ る。
本発明のリガンド決定用キットの例としては、 次のものが挙げられる。
1. リガンド決定用試薬
①測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0.05%のゥシ血清アルブ ミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0.45 zmのフィルターで濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用時 調製しても良い。
② G蛋白質共役型レセプター蛋白質標品
本発明の蛋白質を発現させた CHO細胞を、 12穴プレートに 5 XI 05個ノ穴 で継代し、 37°C、 5%C02、 95%a i rで 2日間培養したもの。
③標識試験化合物
市販の 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識した化合物、 また は適当な方法で標識化したもの
水溶液の状態のものを 4 あるいは— 20 °Cにて保存し、用時に測定用緩衝液に て Ι /iMに希釈する。水に難溶性を示す試験化合物については、 ジメチルホルムァ ミド、 DMSO、 メタノール等に溶解する。
④非標識試験化合物
標識化合物と同じものを 100〜1000倍濃い濃度に調製する。
2. 測定法
① 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の蛋白質発現 CHO細胞を、測定 用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 /11の測定用緩衝液を各穴に加える。 ②標識試験化合物を 5 n 1加え、室温にて 1時間反応させる。非特異的結合量を知 るためには非標識試験化合物を 5 a 1加えておく。
③反応液を除去し、 1 m 1の洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。細胞に結合した標識試 験化合物を 0.2 N NaOH— 1 %SDSで溶解し、 4mlの液体シンチレ一夕 — A (和光純薬製) と混合する。
④液体シンチレーシヨンカウンター(ベックマン社製) を用いて放射活性を測定す る。
本発明の蛋白質またはその塩に結合することができるリガンドとしては、例えば、 脳、 下垂体、 膝臓などに特異的に存在する物質などが挙げられ、 具体的には、 アン ギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド、 コレシストキニン、 グルタミン、 セロ トニン、メラ卜ニン、ニューロペプチド Y、ォピオイド、プリン、バソプレツシン、 才キシ卜シン、 PACAP、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシ卜ニン、 アドレノメ ジュリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテスティナル アンド リレイテッド ポリペプチド)、 ソマトス夕チン、 ドーパミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (力 ルシトニンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアス夕チ ン、 プロスタグランジン、 トロンボキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 および β—ケモカイン (chemokine) (例えば、 I L— 8、 GRO a, GRO β、 GRO ァ、 NAP - 2、 ENA— 78、 PF4、 I P 10、 GCP— 2、 MCP— 1、 H C 14、MCP— 3、 I一 309、MI P 1 «、MI P— 1 /3、 RANTESなど)、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 ノ° ンクレアティックポリぺプタイド、 ガラニン、 M I T 1またはその哺乳動物のホモ ログなどが用いられる。 (2) 本発明の蛋白質欠乏症の予防および Zまたは治療剤
上記( 1 )の方法において、本発明の蛋白質に対するリガンドが明らかになれば、 該リガンドが有する作用に応じて、①本発明の蛋白質または②該蛋白質をコードす る DNAを、本発明の蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療 剤などの医薬として使用することができる。
例えば、生体内において本発明の蛋白質が減少しているためにリガンドの生理作 用が期待できない (該蛋白質の欠乏症) 患者がいる場合に、 ①本発明の蛋白質を該 患者に投与し該蛋白質の量を補充したり、 ②(ィ) 本発明の蛋白質をコードする D NAを該患者に投与し発現させることによって、 あるいは (口) 対象となる細胞に 本発明の蛋白質をコードする DNAを挿入し発現させた後に、該細胞を該患者に移
植することなどによって、 患者の体内における蛋白質の量を増加させ、 リガンドの 作用を充分に発揮させることができる。 したがって、本発明の蛋白質をコードする D NAは、安全で低毒性な本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の • 予防および Zまたは治療剤などの医薬として有用である。
本発明の蛋白質または該蛋白質をコードする D NAは中枢疾患 (例えばアルッハ イマ一病 '痴呆'摂食障害(拒食症) ,てんかんなど)、 ホルモン系の疾患(例えば、 微弱陣痛、 弛緩出血、 胎盤娩出前後、 子宮復古不全、 帝王切開術、 人工妊娠中絶、 乳汁うっ滞など) 、 肝/胆 /膝/内分泌疾患 (例えば糖尿病 ·摂食障害など)、 炎症性疾 患(アレルギー ·喘息, リュウマチなど)、 循環器疾患 (例えば高血圧症 ·心肥大 '狭 心症 ·動脈硬化等)、 呼吸器系疾患 (例えば、 肺炎、 喘息、 気管支炎、 呼吸器感染 症、 慢性閉塞性肺疾患等) 、 感染症 (例えば、 敗血症、 M R S A、 呼吸器感染症、 尿路感染症、 胆道感染症、 感染性腸炎、 中耳炎、 前立腺炎等) の予防および/また は治療に有用である。
また、 本発明の蛋白質または該蛋白質をコードする D NAは消化器疾患 (例えば 腸炎、 下痢、 便秘、 吸収不良性症候群など)の予防および Zまたは治療に特に有用 である。 '
本発明の蛋白質を上記予防 ·治療剤として使用する場合は 常套手段に従って製 剤化することができる。
一方、 本発明の蛋白質をコードする D NA (以下、 本発明の D NAと略記する場 合がある) を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 本発明の D NAを単独ある いはレトロウイルスベクタ一、 アデノウイルスベクター、 アデノウイルスァソシェ 一テツドウィルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って 実施することができる。 本発明の D NAは、 そのままで、 あるいは摂取促進のため の補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによつ て投与できる。
例えば、①本発明の蛋白質または②該蛋白質をコードする D NAは、必要に応じ て糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして 経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、①本発明の蛋
白質または②該蛋白質をコードする D NAを生理学的に認められる公知の担体、香 味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよう にするものである。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えばゼラチン、 コ一ンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セルロースの ような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨化剤、 ステ アリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリンのような甘 味剤、ぺパ一ミント、ァカモノ油またはチェリ一のような香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような 液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなべ ヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解また は懸濁させるなどの通常の製剤実施に従つて処方することができる。注射用の水性 液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例え ば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、 適当な溶解補助剤、例えば、 アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベー卜 8 0 TM、 H C O - 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベ ンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸ナ トリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロ力インな ど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど) 、 保 存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤などと配合し てもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、 ヒトやその他 の哺乳動物 (例えば、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルな ど) に対して投与することができる。
本発明の蛋白質または DN Aの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法 などにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に成人 (60kgとして) の消 化器疾患患者においては、一日につき約 0. lmg〜l 0 Omg、好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。非経口的に投与する場 合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異な るが、 例えば、 注射剤の形では通常成人 (6 Okgとして) の消化器疾患患者にお いては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程 度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合 である。他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算した量を投与することができる。
(3) 遺伝子診断剤
本発明の DN Aは、 プローブとして使用することにより、 ヒトまたはその他の哺 乳動物 (例えば、 ラッ卜、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) における本発明の蛋白質またはその部分ペプチドをコードする DN Aまたは mR NAの異常 (遺伝子異常) を検出することができるので、 例えば、 該 DNAまたは mRNAの損傷、 突然変異あるいは発現低下や、 該 DNAまたは mRNAの増加あ るいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。
本発明の DN Aを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、 公知のノーザンハイプリ ダイゼーシヨンや PCR— S S CP法 (ゲノミックス (Genomics) , 第 5巻, 87 4〜 879頁 (1989年) 、 プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·ァカデ ミ一 ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ュ一エスエー (Proceedings of the Natinal Academy of Sciences of the United States of America) , 86巻, 2766 〜 2770頁 (1989年) ) などにより実施することができる。
(4) 本発明の蛋白質に対するリガンドの定量法
本発明の蛋白質等は、 リガンドに対して結合性を有しているので、 生体内におけ るリガンド濃度を感度良く定量することができる。
本発明の定量法は、例えば、 競合法と組み合わせることによって用いることがで きる。すなわち、 被検体を本発明の蛋白質等と接触させることによって被検体中の
リガンド濃度を測定することができる。 具体的には、 例えば、 以下の①または②な どに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って用いることができる。
①入江寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行)
②入江寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行)
( 5 )本発明の蛋白質とリガンドとの結合性を変化させる化合物のスクリーニング 方法
本発明の蛋白質等を用いるか、 または組換え型蛋白質等の発現系を構築し、 該発 現系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系を用いることによって、 リガンドと本発明 の蛋白質等との結合性を変化させる化合物 (例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非べプチ ド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物など) またはその塩を効率よくスクリーニン グすることができる。
このような化合物には、 (ィ) G蛋白質共役型レセプターを介して細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細 胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性また は抑制する活性など) を有する化合物 (いわゆる、 本発明の蛋白質に対するァゴニ スト) 、 (口) 該細胞刺激活性を有しない化合物 (いわゆる、 本発明の蛋白質に対 するアン夕ゴニスト) 、 (八) リガンドと本発明の蛋白質との結合力を増強する化 合物、 あるいは (二) リガンドと本発明の蛋白質との結合力を減少させる化合物な どが含まれる (なお、 上記 (ィ) の化合物は、 前記したリガンド決定方法によって スクリーニングすることが好ましい) 。
すなわち、 本発明は、 (i ) 本発明の蛋白質、 その部分ペプチドまたはそれらの 塩と、 リガンドとを接触させた場合と (i i) 本発明の蛋白質、 その部分ペプチドま たはそれらの塩と、リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合との比較を行な うことを特徴とするリガンドと本発明の蛋白質、その部分べプチドまたはそれらの 塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。 本発明のスクリーニング方法においては、 ( i ) と (i i) の場合における、 例え ば、 該蛋白質等に対するリガンドの結合量、 細胞刺激活性などを測定して、 比較す
ることを特徴とする。
より具体的には、 本発明は、
①標識したリガンドを、本発明の蛋白質等に接触させた場合と、標識したリガンド および試験化合物を本発明の蛋白質等に接触させた場合における、標識したリガン ドの該蛋白質等に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと本 発明の蛋白質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方 法、
②標識したリガンドを、本発明の蛋白質等を含有する細胞または該細胞の膜画分に 接触させた場合と、標識したリガンドおよび試験化合物を本発明の蛋白質等を含有 する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合における、標識したリガンドの該 細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンド と本発明の蛋白質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン グ方法、
③標識したリガンドを、本発明の D N Aを含有する形質転換体を培養することによ つて細胞膜上に発現した蛋白質等に接触させた場合と、標識したリガンドおよび試 験化合物を本発明の D N Aを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜 上に発現した本発明の蛋白質等に接触させた場合における、標識したリガンドの該 蛋白質等に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと本発明の 蛋白質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 ④本発明の蛋白質等を活性化する化合物(例えば、 本発明の蛋白質等に対するリガ ンドなど) を本発明の蛋白質等を含有する細胞に接触させた場合と、 本発明の蛋白 質等を活性化する化合物および試験化合物を本発明の蛋白質等を含有する細胞に 接触させた場合における、 レセプターを介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン 酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を 測定し、比較することを特徴とするリガンドと本発明の蛋白質等との結合性を変化 させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 および
⑤本発明の蛋白質等を活性化する化合物(例えば、 本発明の蛋白質等に対するリガ
ンドなど)を本発明の D NAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜 上に発現した本発明の蛋白質等に接触させた場合と、本発明の蛋白質等を活性化す る化合物および試験化合物を本発明の D NAを含有する形質転換体を培養するこ とによって細胞膜上に発現した本発明の蛋白質等に接触させた場合における、レセ プ夕ーを介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、イノシトールリン 酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの 低下などを促進する活性または抑制する活性など) を測定し、 比較することを特徴 とするリガンドと本発明の蛋白質等との結合性を変化させる化合物またはその塩 のスクリーニング方法を提供する。
本発明の蛋白質等が得られる以前は、 G蛋白質共役型レセプ夕一ァゴニストまた はアン夕ゴニストをスクリーニングする場合、まずラットなどの G蛋白質共役型レ セプター蛋白質を含む細胞、組織またはその細胞膜画分を用いて候補化合物を得て (一次スクリーニング)、その後に該候補化合物が実際にヒトの G蛋白質共役型レ セプター蛋白質とリガンドとの結合を阻害するか否かを確認する試験(二次スクリ —ニング) が必要であった。 細胞、 組織または細胞膜画分をそのまま用いれば他の レセプター蛋白質も混在するために、目的とするレセプ夕一蛋白質に対するァゴニ ストまたはアン夕ゴニストを実際にスクリーニングすることは困難であった。 しかしながら、 例えば、 本発明のラット由来蛋白質を用いることによって、 一次 スクリーニングの必要がなくなり、 リガンドと G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質と の結合を阻害する化合物を効率良くスクリーニングすることができる。 さらに、 ス クリーニングされた化合物がァゴニストかアン夕ゴニストかを簡便に評価するこ とができる。
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、 本発明のスクリーニング方法に用いる本発明の蛋白質等としては、 前記し た本発明の蛋白質等を含有するものであれば何れのものであってもよいが、本発明 の蛋白質等を含有する哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適である。 しかし、 特にヒ ト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリ一ニングに用いられるものと しては、組換え体を用いて大量発現させたラット由来のレセプ夕一蛋白質等などが
適している。
本発明の蛋白質等を製造するには、 前述の方法が用いられるが、 本発明の D NA を哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好ましい。目的とする蛋 白質部分をコードする D NA断片には相補 D NAが用いられるが、必ずしもこれに 制約されるものではない。例えば、 遺伝子断片や合成 D NAを用いてもよい。 本発 明の蛋白質をコードする D NA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率よく発 現させるためには、該 D NA断片を昆虫を宿主とするバキュロウィルスに属する核 多角体病ウィルス (nuclear polyhedrosis virus; N P V) のポリヘドリンプロモ —夕一、 S V 4 0由来のプロモーター、 レトロウイルスのプロモータ一、 メタロチ ォネインプロモーター、 ヒトヒートショックプロモー夕一、 サイトメガロウィルス プロモーター、 S R αプロモーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発現した レセプターの量と質の検査は公知の方法で行うことができる。例えば、文献〔Nambi, P. ら、ザ ·ジャーナル ·ォブ ·バイオロジカル ·ケミストリ一(J. Biol. Chen ), 267 巻, 19555〜19559頁, 1992年〕 に記載の方法に従って行なうことができる。
したがって、 本発明のスクリーニング方法において、 本発明の蛋白質等を含有す るものとしては、公知の方法に従って精製した蛋白質等であってもよいし、 該蛋白 質等を含有する細胞を用いてもよく、また該蛋白質等を含有する細胞の膜画分を用 いてもよい。
本発明のスクリーニング方法において、本発明の蛋白質等を含有する細胞を用い る場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化してもよい。 固定 化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明の蛋白質等を含有する細胞としては、該蛋白質等を発現した宿主細胞をい うが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが好 ましい。
細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く含 まれる画分のことをいう。細胞の破碎方法としては、 Pot ter— Elvehjem型ホモジナ ィザ一で細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリトロン (Kinemat ica 社製) のよる破砕、 超音波による破砕、 フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を 細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細胞膜の分画には、
分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用い られる。例えば、細胞破碎液を低速(500 r pm〜3000 r pm)で短時間(通 常、 約 1分〜 10分) 遠心し、 上清をさらに高速 (15000 r pm〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中 には、発現した蛋白質等と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含ま れる。
該蛋白質等を含有する細胞や膜画分中の該蛋白質の量は、 1細胞当たり 103〜 108分子であるのが好ましく、 105〜 107分子であるのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比活性) が高くなり、 高感度 なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロッ卜で大量の試料を 測定できるようになる。
リガンドと本発明の蛋白質等との結合性を変化させる化合物をスクリーニング する前記の①〜③を実施するためには、 例えば、 適当な蛋白質画分と、 標識したリ ガンドが必要である。
蛋白質画分としては、 天然型のレセプ夕一蛋白質画分か、 またはそれと同等の活 性を有する組換え型レセプター蛋白質画分などが望ましい。 ここで、 同等の活性と は、 同等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用などを示す。
標識したリガンドとしては、 標識したリガンド、 標識したリガンドアナログ化合 物などが用いられる。 例えば 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標 識されたリガンドなどが用いられる。
具体的には、 リガンドと本発明の蛋白質等との結合性を変化させる化合物のスク リーニングを行なうには、まず本発明の蛋白質等を含有する細胞または細胞の膜画 分を、スクリーニングに適したバッファ一に懸濁することにより蛋白質標品を調製 する。 バッファ一には、 pH4〜10 (望ましくは pH6〜8) のリン酸バッファ ―、 トリス一塩酸バッファーなどのリガンドと蛋白質との結合を阻害しないバッフ ァーであればいずれでもよい。 また、 非特異的結合を低減させる目的で、 CHAP S、 Twe en-80™ (花王一アトラス社) 、 ジギトニン、 デォキシコレートな どの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。 さらに、 プロテアーゼによる レセプ夕一やリガンドの分解を抑える目的で PMS F、ロイぺプチン、 E— 64 (ぺ
プチド研究所製)、 ぺプス夕チンなどのプロテア一ゼ阻害剤を添加することもでき る。 0. 01ml〜: L Omlの該レセプ夕ー溶液に、 一定量 (5000 c pm〜5 00000 c pm) の標識したリガンドを添加し、 同時に 10— 4M〜10— 1QMの 試験化合物を共存させる。 非特異的結合量(NSB) を知るために大過剰の未標識 のリガンドを加えた反応チューブも用意する。反応は約 0°Cから 50°C、 望ましく は約 4 から 37 °Cで、約 20分から 24時間、望ましくは約 30分から 3時間行 う。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過し、 適量の同バッファ一で洗浄した後、 ガラ ス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたはァ一力 ゥン夕一で計測する。拮抗する物質がない場合のカウント(B。)から非特異的結合 量 (NSB) を引いたカウント (BQ— NSB) を 100%とした時、 特異的結合 量 (B— NSB) が、 例えば、 50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある 候補物質として選択することができる。
リガンドと本発明の蛋白質等との結合性を変化させる化合物をスクリーニング する前記の④〜⑤の方法を実施するためには、例えば、 蛋白質を介する細胞剌激活 性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 c GMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c_ f o sの活性化、 pHの低下などを促進する活性ま たは抑制する活性など)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定する ことができる。
具体的には、 まず、 本発明の蛋白質等を含有する細胞をマルチウエルプレート等 に培養する。スクリーニングを行なうにあたっては前もつて新鮮な培地あるいは細 胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時 間インキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回収して、 生成した産物を それぞれの方法に従って定量する。 細胞剌激活性の指標とする物質 (例えば、 ァラ キドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、 該 分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行なってもよい。 また、 cAMP産 生抑制などの活性については、フオルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大さ せておいた細胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当な蛋白質を発現した
細胞が必要である。本発明の蛋白質等を発現した細胞としては、 天然型の本発明の 蛋白質等を有する細胞株、前述の組換え型蛋白質等を発現した細胞株などが望まし い。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合成 化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用いられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。 リガンドと本発明の蛋白質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のス クリーニング用キットは、 本発明の蛋白質等、 本発明の蛋白質等を含有する細胞、 または本発明の蛋白質等を含有する細胞の膜画分を含有するものなどである。 本発明のスクリーニング用キットの例としては、 次のものが挙げられる。
1. スクリーニング用試薬 .
①測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0. 05%のゥシ血清アルブ ミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0.45 imのフィルターで濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用時 調製しても良い。
② G蛋白質共役型レセプ夕一標品
本発明の蛋白質を発現させた CHO細胞を、 12穴プレートに 5X 105個 穴 で継代し、 37°C、 5%C02、 95% a i rで 2日間培養したもの。
③標識リガンド
市販の 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識したリガンド 水溶液の状態のものを 4°Cあるいは— 20°Cにて保存し、用時に測定用緩衝液に て 1 Mに希釈する。
④リガンド標準液
リガンドを 0. 1%ゥシ血清アルブミン (シグマ社製) を含む PBSで ImMと なるように溶解し、 一 20°Cで保存する。
2. 測定法
① 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の蛋白質発現 CHO細胞を、測定
用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 1の測定用緩衝液を各穴に加える。 ② 10— 3〜10_1QMの試験化合物溶液を 5 ^ 1加えた後、標識リガンドを 5 1 加え、室温にて 1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代 わりに 10— 3Mのリガンドを 5 1加えておく。
③反応液を除去し、 1 m 1の洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。細胞に結合した標識リ ガンドを 0.2N NaOH— 1 %SDSで溶解し、 4m 1の液体シンチレ一夕一 A (和光純薬製) と混合する。
④液体シンチレーシヨンカウンター(ベックマン社製)を用いて放射活性を測定し、 Percent Maximum Binding (PMB) を次式で求める。
PMB= [ (B—NSB) / (B。― NSB) ] X 100
PMB: Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB: Non-specific Binding (非特異的結合量)
B。 :最大結合量
本発明のスクリ一ニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩は、 リガンドと本発明の蛋白質等との結合性を変化させる作用 を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) G蛋白質共役型レセプ夕一を介して細 胞剌激活性(例えば、ァラキドン酸遊離、ァセチルコリン遊離、細胞内 C a 2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位 変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 pHの低下などを促進する 活性または抑制する活性など) を有する化合物 (いわゆる、 本発明の蛋白質に対す るァゴニスト) 、 (口) 該細胞刺激活性を有しない化合物 (いわゆる、 本発明の蛋 白質に対するアン夕ゴニス卜) 、 (八) リガンドと本発明の G蛋白質共役型蛋白質 との結合力を増強する化合物、 あるいは(二) リガンドと本発明の G蛋白質共役型 蛋白質との結合力を減少させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発 酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の 化合物であってもよい。
本発明の蛋白質等に対するァゴニストは、本発明の蛋白質等に対するリガンドが 有する生理活性と同様の作用を有しているので、該リガンド活性に応じて安全で低 毒性な医薬 [例えば、 中枢疾患 (例えばアルツハイマー病 ·痴呆 ·摂食障害 (拒食 症) 'てんかんなど)、 ホルモン系の疾患 (例えば、 微弱陣痛、 弛緩出血、 胎盤娩 出前後、 子宮復古不全、 帝王切開術、 人工妊娠中絶、 乳汁うっ滞など) 、 肝/胆 / 膝/内分泌疾患 (例えば糖尿病 ·摂食障害など)、 炎症性疾患 (アレルギー ·喘息 · リ ユウマチなど)、 循環器疾患 (例えば高血圧症 ·心肥大 ·狭心症 ·動脈硬化等)、 呼吸 器系疾患(例えば、肺炎、喘息、気管支炎、呼吸器感染症、慢性閉塞性肺疾患等)、 感染症 (例えば、 敗血症、 M R S A、 呼吸器感染症、 尿路感染症、 胆道感染症、 感 染性腸炎、 中耳炎、 前立腺炎等) の予防および Zまたは治療剤など]として有用で ある。
また、 本発明の蛋白質等に対するァゴニストは、 本発明の蛋白質等に対するリガ ンドが有する生理活性と同様の作用を有しているので、該リガンド活性に応じて安 全で低毒性な消化器疾患 (例えば腸炎、 下痢、 便秘、 吸収不良性症候群など)の予防 およびノまたは治療剤として特に有用である。
本発明の蛋白質等に对するアン夕ゴニストは、本発明の蛋白質等に対するリガン ドが有する生理活性を抑制することができるので、該リガンド活性を抑制する安全 で低毒性な医薬 [例えば、 ホルモン分泌調節薬、 本発明の蛋白質等に対するリガン ドの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、 ホルモン系の疾患、 肝/胆 Z塍/内 分泌疾患 (例えば抗肥満薬 ·摂食過剰など) 、 炎症性疾患、 循環器疾患、 呼吸器系 疾患) 、 感染症の予防および/または治療薬など]として有用である。
本発明の蛋白質等に対するアン夕ゴニストは、本発明の蛋白質等に対するリガン ドが有する生理活性を抑制することができるので、該リガンド活性を抑制する安全 で低毒性な消化器疾患 (例えば腸炎、 下痢、 便秘、 吸収不良性症候群など)の予防お よび Zまたは治療剤として特に有用である。
リガンドと本発明の蛋白質との結合力を減少させる化合物は、本発明の蛋白質等 に対するリガンドが有する生理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬 [例え ば、 ホルモン分泌調節薬、本発明の蛋白質等に対するリガンドの過剰な産生によつ て惹起される中枢疾患、 ホルモン系の疾患、 肝 Z胆 Z膝 Z内分泌疾患(例えば抗肥
満薬 ·摂食過剰など) 、 炎症性疾患、 循環器疾患、 呼吸器系疾患、 感染症の予防お よびノまたは治療薬など]として有用である。
リガンドと本発明の蛋白質との結合力を減少させる化合物は、本発明の蛋白質等 に対するリガンドが有する生理活性を減少させることができるので、安全で低毒性 な消化器疾患 (例えば腸炎、 下痢、 便秘、 吸収不良性症候群など)の予防および/ま たは治療剤として特に有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩を上述の医薬組成物として使用する場合、常套手段に従って実 施することができる。例えば、 前記した本発明の蛋白質を含有する医薬と同様にし て、 錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液 剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、 ヒ卜またはそ の他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などに より差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人(6 0 k gとして)においては、 —日につき約 0. 1〜1 0 O m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 O m g、 より好ましく は約 1 . 0〜2 O m gである。非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与 対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形で は通常成人 (6 O k gとして) の消化器疾患患者においては、 一日につき約 0 . 0 1〜3 O m g程度、 好ましくは約 0 . 1〜2 O m g程度、 より好ましくは約 0 . 1 〜1 O m g程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 6 0 k g当たりに換算した量を投与することができる。 ( 6 ) 本発明の蛋白質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩の定量
本発明の抗体は、本発明の蛋白質等を特異的に認識することができるので、被検 液中の本発明の蛋白質等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使 用することができる。 すなわち、 本発明は、 例えば、 (i ) 本発明の抗体と、 被検 液および標識化蛋白質等とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化蛋白質等
の割合を測定することを特徴とする被検液中の本発明の蛋白質等の定量法、
(i i)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の抗体 とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す ることを特徴とする被検液中の本発明の蛋白質等の定量法を提供する。
上記 (i i) においては、 一方の抗体が本発明の蛋白質等の N端部を認識する抗体 で、他方の抗体が本発明の蛋白質等の C端部に反応する抗体であることが好ましい。 本発明の蛋白質等に対するモノクローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル 抗体と称する場合がある) を用いて本発明の蛋白質等の測定を行なえるほか、組織 染色等による検出を行なうこともできる。 これらの目的には、 抗体分子そのものを 用いてもよく、 また、 抗体分子の F ( a b ' ) 2 、 F a b '、 あるいは F a b画分を用 いてもよい。本発明の蛋白質等に対する抗体を用いる測定法は、 特に制限されるべ きものではなく、 被測定液中の抗原量 (例えば、 蛋白質量) に対応した抗体、 抗原 もしくは抗体一抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これを既 知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、 いずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィムノメトリ ック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、 感度、 特異性の点で、 後述す るサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例えば、 〔1 2 5 I〕 、 〔1 3 1 I〕 、 〔3 H〕 、 〔1 4 C〕 などが用いられる。 上記酵素として は、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 3—ガラクトシダーゼ、 β— ダルコシダーゼ、 アル力リフォスファターゼ、 パーォキシダーゼ、 リンゴ酸脱水素 酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレスカミン、 フルォレ ッセンイソチオシァネ一卜などが用いられる。 発光物質としては、 例えば、 ルミノ ール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどが用いられる。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にピオチン一アビジン系を用いることもでき る。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常、 蛋 白質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法で
もよい。 担体としては、 例えば、 ァガロース、 デキストラン、 セルロースなどの不 溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成樹脂、 あるい はガラス等が用いられる。
サンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を 反応させ(1次反応) 、 さらに標識化した本発明のモノクローナル抗体を反応させ ( 2次反応) たのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中 の本発明の蛋白質量を定量することができる。 1次反応と 2次反応は逆の順序に行 なっても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。 標識化 剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。
また、サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識用抗 体に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等 の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドィツチ法による本発明の蛋白質等の測定法においては、 1次反応 と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は本発明の蛋白質等の結合 する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。即ち、 1次反応および 2次反応に 用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が、 本発明の蛋白質の C端 部を認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は、 好ましくは C端部以外、 例えば N端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、 競 合法、ィムノメトリック法あるいはネフロメトリ一などに用いることができる。競 合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、 未反応の標識抗原と(F) と抗体と結合した標識抗原 (B ) とを分離し (BZF分 離) 、 B, Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量する。 本反応法 には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B /F分離をポリエチレングリコール、 前記 抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1抗体として固相化抗体を 用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い第 2抗体として固相化抗体を 用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体 に対して競合反応させた後固相と液相を分離する力、、 あるいは、 被検液中の抗原と
過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固 相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次 いずれかの相の標識量を測定 し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリ一では、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果、 生じ た不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の沈降物 しか得られない場合にもレーザ一の散乱を利用するレーザ一ネフロメトリーなど が好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の測定方法に適用するにあたっては、特別 の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件、 操 作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明の蛋白質またはその塩の測定系 を構築すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成書など を参照することができる〔例えば、入江 寛編「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年 発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄 治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら 編 「酵素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「メソッズ ·ィ ン · ェンジモノジー (Methods in ENZYMOLOGY) 」 Vol. 70 (I匪 unochemical Tec ni ues (Part A) )、 同書 Vol. 73 (Immunochemical Techni ues (Part B) )、 同 書 Vol. 74 (Immunochemical Techniaues (Part 0 ) > 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniaues (Part D: Selected Immunoassays) ) 同書 Vol. 92 (I匪漏 chemical Techniaues (Part E: Monoclonal Ant ibodies and General Immunoassay Methods) ) 同書 Vol. 121 (I腿画 chemical Techniaues (Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Ant ibodies) ) (以上、 アカデミックプレス社発行)など参照〕 。
以上のように、本発明の抗体を用いることによって、 本発明の蛋白質またはその 塩を感度良く定量することができる。 さらに、 本発明の抗体を用いて本発明の蛋白 質またはその塩を定量することによって、 各種疾病の診断をすることができる。 また、 本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明の蛋白質等 を検出するために使用することができる。 また、 本発明の蛋白質等を精製するため に使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明の蛋白質等の検出、被検
細胞内における本発明の蛋白質の挙動の分析などのために使用することができる。
( 7 )本発明の G蛋白質共役型蛋白質をコードする D NAを有する非ヒトトランス ジエニック動物の作出
本発明の D NAを用いて、本発明の蛋白質等を発現する非ヒ卜トランスジェニッ ク動物を作出することができる。非ヒト動物としては、哺乳動物(例えば、ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) など (以下、 動物 と略記する) が挙げられるが、 特に、 マウス、 ゥサギなどが好適である。
本発明の D N Aを対象動物に転移させるにあたっては、該 D N Aを動物細胞で発 現させうるプロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトとして用いるの が一般に有利である。 例えば、 ゥサギ由来の本発明の D N Aを転移させる場合、 こ れと相同性が高い動物由来の本発明の D N Aを動物細胞で発現させうる各種プロ モーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトを、 例えば、 ゥサギ受精卵へマイ クロインジェクションすることによって本発明の蛋白質等を高産生する D N A転 移動物を作出できる。 このプロモ一夕一としては、 例えば、 ウィルス由来プロモ一 夕一、メタ口チォネイン等のュビキアスな発現プロモー夕一も使用しうるが、好ま しくは脳で特異的に発現する N G F遺伝子プロモーターやエノラ一ゼ遺伝子プロ モーターなどが用いられる。
受精卵細胞段階における本発明の D NAの転移は、対象動物の胚芽細胞および体 細胞の全てに存在するように確保される。 D N A転移後の作出動物の胚芽細胞にお いて本発明の蛋白質等が存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞及び 体細胞の全てに本発明の蛋白質等を有することを意味する。遺伝子を受け継いだこ の種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の蛋白質等を有す る。
本発明の D NA転移動物は、交配により遺伝子を安定に保持することを確認して、 該 D N A保有動物として通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。 さらに、 目的 D NAを保有する雌雄の動物を交配することにより、導入遺伝子を相同染色体 の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌雄の動物を交配することにより すべての子孫が該 D NAを有するように繁殖継代することができる。
本発明の DN Aが転移された動物は、本発明の蛋白質等が高発現させられている ので、本発明の蛋白質等に対するァゴニス卜またはアンタゴニス卜のスクリーニン グ用の動物などとして有用である。
本発明の D N A転移動物を、組織培養のための細胞源として使用することもでき る。例えば、 本発明の DNA転移マウスの組織中の DNAもしくは RNAを直接分 祈するか、あるいは遺伝子により発現された本発明の蛋白質が存在する組織を分析 することにより、本発明の蛋白質等について分析することができる。本発明の蛋白 質等を有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、 これらを使用して、例 えば、脳や末梢組織由来のような一般に培養困難な組織からの細胞の機能を研究す ることができる。 また、 その細胞を用いることにより、 例えば、 各種組織の機能を 高めるような医薬の選択も可能である。 また、 高発現細胞株があれば、 そこから、 本発明の蛋白質等を単離精製することも可能である。
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 IU PAC- I UB Commision on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当 該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。 またアミノ酸に 関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとする。
DNA デォキシリポ核酸
c DNA 相補的デォキシリポ核酸
A アデニン
T チミン
G グァニン
C
RNA リボ核酸
mRNA ーリポ核酸
dATP リン酸
dTTP デォキシチミジン三リン酸
dGTP デォキシグアノシン三リン酸
dCTP デォキシシチジン三リン酸
G 1 yまたは G
A 1 aまたは A ァラニン
Va 1または V バリン
L e uまたは L ロイシン
I 1 eまたは I
S e rまたは S セリン
Th rまたは T スレオニン
Cy sまたは C
Me tまたは M メチォニン
G 1 uまたは E グルタミン酸
As pまたは D ァスパラギン酸
Ly sまたは K リジン
A r gまたは R アルギニン
H i sまたは H ヒスチジン
Ph eまたは F フエ二ルァラニン
Ty rまたは Y チロシン
T r pまたは W 卜リプトフアン
P r oまたは P
As nまたは N ァスパラギン
G 1 nまたは Q グル夕ミン
p G 1 u ピログルタミン酸
X a a 未同定アミノ酸残基
T o s p—トルエンスルフォニル
B z 1 ベンジル
Cl2Bzl 2, 6—ジクロ口べンジル
Bom ベンジルォキシメチル
Z ベンジルォキシカルボニル
C 1一 Z 2一クロ口べンジルォキシカルポニル B r -Z 2—ブロモベンジルォキシカルポニル B o c t一ブトキシカルポニル
DNP ジニトロフエノール
T r t 卜 Uチル
B um t一ブトキシメチル
Fmo c N— 9—フルォレニルメトキシカルボニル
HOB t 1ーヒドロキシベンズトリァゾール
HOOB t 3, 4—ジヒドロ一 3—ヒドロキシ一 4—ォキソ一
1, 2, 3—ベンゾトリアジン
HONB 1 -ヒドロキシ -5 -ノルポルネン- 2, 3-ジカルポキシイミド DCC ATP アデノシン三リン酸
EDTA エチレンジァミン四酢酸
SD S ドデシル硫酸ナトリウム 本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1〕
後述の実施例 1で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 2〕
後述の実施例 1'で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 3〕
本発明の新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質(rZAQl) をコードする cDNAの塩基 配列を示す。
〔配列番号: 4〕
本発明の新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 (rZAQl) のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 5〕
後述の実施例 2で用いられたプローブの塩基配列を示す。
〔配列番号: 6〕
後述の実施例 2で用いられたプローブの塩基配列を示す。
〔配列番号: 7〕
後述の実施例 2で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 8〕
後述の実施例 2で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 9〕
後述の実施例 2で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 0〕
本発明の新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質(rZAQ2) をコードする cDNAの塩基 配列を示す。
〔配列番号: 1 1〕
本発明の新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質 (rZAQ2) のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 1 2〕
ヒト脳由来の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質 (ZAQ) のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 1 3〕
後述の実施例 3で用いられたプライマー 1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 4〕
後述の実施例 3で用いられたプライマ一 2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 5〕
後述の実施例 3で用いられた rZAQ 1プロ一ブの塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 6〕
後述の実施例 3で用いられたプライマー 3の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 7〕
後述の実施例 3で用いられたプライマ一 4の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 8〕
後述の実施例 3で用いられた rZAQ2プローブの塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 9〕
後述の実施例 3で用いられたプライマー rZAQISalの塩基配列を示す。
〔配列番号: 2 0〕
後述の実施例 3で用いられたプライマ一 rZAQISpe の塩基配列を示す。
〔配列番号: 2 1〕
後述の実施例 3で用いられたプライマ一 rZAQ2Sal の塩基配列を示す。
〔配列番号: 22〕
後述の実施例 3で用いられたプライマー rZAQ2Spe の塩基配列を示す。
〔配列番号: 23〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 24〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 25〕
後述の実施例 4で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 26〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 27〕
後述の実施例 4で得られた DN A断片の塩基配列を示す。
〔配列番号: 28〕
後述の実施例 4で得られた D N A断片の塩基配列を示す。
〔配列番号: 29〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 30〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 3 1〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 32〕
後述の実施例 4で得られたラット型 Z A Qリガンドペプチドをコードする D N Aの 5' 端塩基配列を示す。
〔配列番号: 33〕
後述の実施例 4で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 34〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 35〕
後述の実施例 4で得られたラット型 Z A Qリガンドペプチドをコードする D N
Aの 5' 端塩基配列を示す。
〔配列番号: 36〕
後述の実施例 4で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 37〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 38〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 39〕
後述の実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 40〕
後述の実施例 4で得られた DNA断片の塩基配列を示す (ノーマルタイプ) 。 〔配列番号: 41〕
後述の実施例 4で得られた DNA断片の塩基配列を示す (Yタイプ) 。
〔配列番号: 42〕
後述の実施例 4で得られた DN A断片の塩基配列を示す (Qタイプ) 。
〔配列番号: 43〕
ラット型 ZAQリガンド前駆体ペプチド (ノ一マルタイプ) のアミノ酸配列を示 す。
〔配列番号: 44〕
ラッ卜型 ZAQリガンド前駆体ペプチド (ノーマルタイプ) をコードする DNA の塩基配列を示す。
〔配列番号: 45〕
ラット型 ZAQリガンド前駆体ペプチド (Yタイプ) のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 46〕
ラット型 ZAQリガンド前駆体ペプチド (Yタイプ) をコードする DNAの塩基 配列を示す。
〔配列番号: 47〕
ラット型 ZAQリガンド前駆体ペプチド (Qタイプ) のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 48〕
ラット型 ZAQリガンド前駆体ペプチド (Qタイプ) をコードする DNAの塩基 配列を示す。
〔配列番号: 49〕
ラット型 ZAQリガンド成熟体ペプチド (ノーマルタイプ) のアミノ酸配列を示 す。
〔配列番号: 50〕
ラット型 ZAQリガンド成熟体ペプチド (ノ一マルタイプ) をコードする DNA の塩基配列を示す。
〔配列番号: 51〕
ラット型 ZAQリガンド成熟体ペプチド (Yタイプ) のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 52〕
ラット型 ZAQリガンド成熟体ペプチド (Yタイプ) をコードする DNAの塩基 配列を示す。
〔配列番号: 53〕
ラット型 ZAQリガンド成熟体ペプチド (Qタイプ) のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 54〕
ラット型 ZAQリガンド成熟体ペプチド (Qタイプ) をコードする DNAの塩基 配列を示す。
〔配列番号: 55〕
後述の実施例 5で用いられたプライマ一 BF 2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 56〕
後述の実施例 5で用いられたプライマ一 BR 1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 57〕
後述の実施例 5で得られた DNA断片の塩基配列を示す。
〔配列番号: 58〕
後述の実施例 5で用いられたプライマ一 RB 5― 1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 59〕
後述の実施例 5で用いられたプライマー R B 5-3の塩基配列を示す。
〔配列番号: 60〕
後述の実施例 5で得られたラット型 B v 8をコードする D N Aの 5 '端塩基配列 を示す。
〔配列番号: 61〕
後述の実施例 5で用いられたプライマー RB 3—1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 62〕
後述の実施例 5で用いられたプライマー R B 3— 2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 63〕
後述の実施例 5で得られたラット型 Bv 8をコードする DNAの 3'端塩基配列 を示す。
〔配列番号: 64〕
後述の実施例 5で用いられたプライマ一 RBv 8— WF 1の塩基配列を示す。 〔配列番号: 65〕
後述の実施例 5で用いられたプライマ一 RBv 8—WF 2の塩基配列を示す。 〔配列番号: 66〕
後述の実施例 5で用いられたプライマ一 RBv 8 -WR 1の塩基配列を示す。 〔配列番号: 67〕
後述の実施例 5で用いられたプライマ一 R B V 8—WR 2の塩基配列を示す。 〔配列番号: 68〕
後述の実施例 5で得られた D N A断片の塩基配列を示す。
〔配列番号: 69〕
ラッ卜型 B V 8前駆体べプチドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 70〕
ラット型 Bv 8前駆体ペプチドをコードする DN Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 71〕
ラッ卜型 B V 8成熟体ペプチドおよびマウス型 B V 8成熟体ペプチドのァミノ 酸配列を示す。
〔配列番号: 72〕
ラッ卜型 Bv 8成熟体ペプチドをコードする DN Aの塩基配列を示す。
後述の実施例 1で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) 皿 5ひ / pCR2.1 - rZAQlは、 平成 12年 8月 21日から、 日本国茨城県つくば市東 東 1丁目 1番地 1 中央第 6 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託 センター (旧:通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (N I BH) ) に寄 託番号 FERM BP— 7275として、平成 12年 8月 1日から、 日本国大阪府 大阪市淀川区十三本町 2— 17— 85 財団法人 ·発酵研究所( I F 0) に寄託番 号 I FO 16459として寄託されている。
後述の実施例 2で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ ( Escherichia coli )DH10B /pCMV - rZAQ2は、 平成 12年 8月 21日から、 日本国茨城県つくば市 東東 1丁目 1番地 1 中央第 6 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄 託センター (旧:通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (N I BH) ) に 寄託番号 FERM BP— 7276として、 平成 12年 8月 1日から財団法人 '発 酵研究所 (I FO) に寄託番号 I FO 16460として寄託されている。
後述の実施例 4で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) ) TOP 10/pRM I Tは、 平成 13 (2001) 年 1月 11日から、 日本国茨城 県つくば巿東東 1丁目 1番地 1 中央第 6 経済産業省産業技術総合研究所生命 工学工業技術研究所 ( (旧:通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (Ν I ΒΗ) ) ) に寄託番号 F ERM BP— 7426として、 2000年 12月 22日 から、 財団法人 ·発酵研究所 ( I F 0) に寄託番号 I F O 16521として寄託 されている。
後述の実施例 5で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) TOP 10/pRBvは、 2001 (平成 13)年 1月 11日から、 日本国茨城県 つくば巿東東 1丁目 1番地 1 中央第 6 独立行政法人産業技術総合研究所 特 許生物寄託センター(旧:経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所 (N I BH) ) に寄託番号 FERM B P— 7427として、 2000年 12月 2 2日から財団法人 ·発酵研究所(I FO) に寄託番号 I FO 16522として寄 託されている。 実施例
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、 これらは本発明の範囲 を限定するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュラー · クロ一ニング (Molecular cloning) に記載されている方法に従った。 実施例 1 ラット脳 cDNA由来新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質 (rZAQl) をコ 一ドする cDNAのクローニングと塩基配列の決定
ラット全脳 cDNAライブラリ一 ( CL0NTECH社) を鍀型とし、 2種類のプライマー (配列番号: 1および配列番号: 2) を用いて PCR反応を行った。 該反応における 反応液の組成は上記 cDNAを 10分の 1量錶型として使用し、 Advantage - 2 cDNApolymeraseMix (CL0NTECH社) 1/50量、 プライマー各 0.2/iM、 dNTPs 200 M, および酵素に添付のバッファーを加え、 25 1の液量とした。 PCR反応は、 ① 94°C- 2分の後、 ② 94°C'20秒、 72°C · 1分 30秒のサイクルを 3回、 ③ 94°C'20秒、 68 ' 1 分 30秒のサイクルを 3回、 ④ 94で'20秒、 62 · 20秒、 68で 1分のサイクルを 36回繰 り返し、 最後に 68°C · 7分の伸長反応を行った。 該 PCR反応後の反応産物を T0P0 —TAクローニングキット (Invitrogen社) の処方に従いプラスミドベクター PCR2.1 - T0P0 (Invitrogen社) へサブクロ一ニングした。 これを大腸菌 DH5 αに導 入し、 cDNAを持つクロ一ンを、 アンピシリンを含む LB寒天培地中で選択した。 個々 のクローンの配列を解析した結果、 新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード する cDNA ( 配列番号: 3) を得た。 該 cDNAの塩基配列から導き出されるアミノ酸 配列 (配列番号: 4) には、 ヒト脳由来の G蛋白質共役型レセプター蛋白質である ZAQ (WO 0 1/16309) のアミノ酸配列 (配列番号: 12) と 83.7%の相同 性がみられた。 このアミノ酸配列を含有する新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 を rZAQlと命名した。 また配列番号: 3で表わされる塩基配列を有する DNAを含有す る形質転換体(大腸菌) については、ェシエリヒア コリ (Escherichia col i)DH5 / pCR2.1 - rZAQlと命名した。 実施例 2 ラット脳 cDNA由来新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質 (rZAQ2) をコ ―ドする cDNAのクローニングと塩基配列の決定
rZAQ2をコードするクローンは、 gene trapper法で取得した。 すなわち、 プロ一
ブ (配列番号: 5および配列番号: 6 ) をピオチン化したのち、 一本鎖にしたラッ ト全脳 cDNAライブラリ一 (GIBC0— BRL社) とハイブリダィゼーシヨンし、 得られた 一本鎖遺伝子をプライマ一 (配列番号: 7および配列番号: 8 ) を用いて二本鎖に 修復した。 この遺伝子を大腸菌 DH10Bにエレクト口ポーレーシヨンし、 アンピシリ ン耐性を指標として形質転換体を得た。 さらに、 プローブ (配列番号: 5 ) とブラ イマ一 (配列番号: 9 ) を用いたコロニー PCRで、 目的とする塩基配列をコードす るクローンを選択した。 このクローンの塩基配列から予測される 0RF ( open reading frame ) の塩基配列(配列番号: 1 0 ) より導き出されるアミノ酸配列(配 列番号: 1 1 ) は、 rZAQlと 80. 6%の相同性がみられた。 このアミノ酸配列を有する 新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を rZAQ2と命名した。 また、 この gene trapper 法で取得した形質転換体 (大腸菌) を、 ェシエリヒア コリ ( Escherichia col i ) DH10B /pCMV- rZAQ2と命名した。 実施例 3 Taaman PCRによる rZAQlおよび rZAQ2の発現分布解析
Taaman PCRに用いるプライマ一及びプローブは、 Primer Express ver. 1. 0 ( PE バイオシステムスジャパン ) を用いて検索した。 rZAQlの塩基配列よりプライマー 1 (配列番号: 1 3 )、 プライマー 2 (配列番号: 1 4 )および rZAQlプローブ(配 列番号: 1 5 ) を、 rZAQ2の塩基配列より、 プライマ一 3 (配列番号: 1 6 ) 、 プ ライマ一 4 (配列番号: 1 7 ) および rZAQ2プローブ (配列番号: 1 8 ) を選択し た。 プローブのレポ一夕一色素として FAM (6-carboxyf luorescein) を付加した。 スタンダード DNAとして、 以下の 2種類を調製した。 すなわち、 rZAQlは、 pCR2. 1 - rZAQl (実施例 1 )を鍀型に、プライマ一 rZAQISal (配列番号: 1 9 )および rZAQISpe (配列番号 : 2 0 ) を用いて PCRにて増幅し、 rZAQ2は、 CMV-rZAQ2 (実施例 2 ) を 铸型に、 プライマー rZAQ2Sal (配列番号: 2 1 ) および rZAQ2Spe (配列番号: 2 2 ) を用いて増幅し、 各々の断片を用意した。 CHROMA SPIN200 CCLONTECH Laboratories, Inc. (CA, USA) 〕 を用いて精製し、 10° _ 106コピー/ lに調製 して使用した。 各組識の cDNAソースとして、 ウィスターラット (雄性または雌性、 7. 5週齢、 日本チャールズリバ一) から 21種類 (大脳、 小脳、 下垂体、 脊髄、 胸腺、 心臓、 肺、 肝臓、 ヒ臓、 腎臓、 副腎、 胃、 精巣、 卵巣、 子宮、 小腸、 結腸、 盲腸、
膝臓、 骨格筋、 脂肪の全 21種類、 卵巣、 子宮については雌性ラットから採取) の組 織を 0.5 g - 1.0 gずつ採集した後、 該組織から TRIZOL reagent (Gibco BRL社) を 用い、 添付されたマニュアルに記載された方法に従って total RNAを抽出した。 次 いでオリゴ dTセル口一スカラム (MessageMaker reagent assembly, Gibco BRL社、 または卵巣、 子宮については相当品の m NA purification kit, Pharmacia社) を用 い、添付されたマニュアルに記載された方法に従って上記の total RNAから poly (A) +RMを調製した。 さらに、 Superscript Preamplif ication System for First Strand cDNA Synthesis (Gibco BRL社) を用い、 添付されたマニュアルに記載された方法 に従って、 上記 Poly(A) + RNA 500 ngから反応温度 42°C、 反応容量 20 1にて Oligo (dT) プライマーを用いて first strand cDNAを合成した。 プライマ一、 プローブ、 錶型に、 TaQman Universal PCR Master Mix (PEバイオシステムスジャパン) を添 付書類記載の規定量加え、 ABI PRISM 7700 Se uence Detection System (PEバイオ システムズジャパン) で PCR反応および解析をおこなった。 結果を cDNA合成開始時 に使用した poly(A) +RNA lngあたりのコピー数に換算し、 図 9および図 10に示し た。
rZAQlは脾臓、 脂肪細胞等で高い発現がみられた。 rZAQ2は精巣、 卵巣および中枢 で高い発現がみられた。 実施例 4 ラット型 Z AQリガンドペプチド c DNAのクローニング
ラット脳 QUICK- clone cDNA (CL0NTECH社)を錡型として、 degenerateプライマー MF1 (配列番号: 23)、 MR1 (配列番号: 24)、 MF2 (配列番号: 25)および (配列番号: 26)を作成し、 以下に記した PCR反応を実施した。
MF1: 5' -TCACCYCAAGTGAYCATGAGAGG-3' (配列番号: 23)
M 1: 5' -CTA ARTTGRYRTTCTTCAAGTCC-3' (配列番号: 24)
MF2: 5'-ATCACAGGGGCCTGTGARCG-3' (配列番号: 25)
MR2: 5'-AGCAGCGGTACCTGCCGTCC-3' (配列番号: 26)
PCR反応液は 50X Advantage 2 Polymerase Mix (CL0NTECH社)を 0.6 、 添付の 10x Advantage 2 PCR buffer (400 ni Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM Mg(OAc) 2, 37.5 g/ml BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet- P40)を 3 1、 dNTP mixture (2.5
H each,宝酒造) を 2.4 L 10 Mプライマー MF1および ¾R1を 0.6 1、 錶型 CDNA を 1 l、 および蒸留水を 20.6 xlを混合して作製した。 反応条件は 95°C'l分の初 期変性後、 95°C'30秒- 55°01分- 68°C'l分のサイクル反応を 35回、 および 68°C'5分 の最終伸長反応とした。
続いて、 該 PCR反応の反応液を蒸留水で 15倍希釈したものを铸型として nested PCRを実施した。 反応液は 50X Advantage 2 Polymerase Mix (CL0NTECH社)を 0.6 n 1、 添付の 10x Advantage 2 PCR buffer (400 niM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM Mg (OAc) 2, 37.5 g/ml BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet - P40)を 3 K dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を 2.4 ιι , 10 Mプライマー MF1および ¾R1を 0.6 錶型 cDNAを 1 A、 および蒸留水を 20.6 を混合して作製した。 反応条件は
95^ ·1分の初期変性後、 95 '30秒-55 '1分-68°01分のサィクル反応を35回、 お よび 68°C ·5分の最終伸長反応とした。
得られた DNA断片を Zaro Blunt T0P0 PCR Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて 添付のマニュアルに記載された方法に従ってクローニングした。クロ一ニングされ た DNA配列を ABI377DNAse<iuencerを用いて解読し、 配列番号: 27 (Tタイプ) お よび配列華号: 28 (Cタイプ) で表される部分配列を得た。
上記配列の情報よりプライマー RM3- 1 (配列番号: 29) 、 RM3-2 (配列番号: 30) および RM3- 3 (配列番号: 31) を作成し、 以下に記した 5' RACE実験を実施 した。
RM3-1: 5'-GTGGCACTCCTCTCCTTCCCGCCCCAGA-3' (配列番号: 29)
RM3-2: 5 ' -CAGGCCCCGCAGCCACAGGCTGATAGCA-3 ' (配列番号: 30)
RM3-3: 5'-AGCAGGTGCCAGCCCCACACTGGACATC-3' (配列番号: 31)
5'1^£の?じ 反応液は5(¾ &1^ 6-002 Polymerase Mix (CL0NTECH社)を 0· 6 1、 添付の Advantage- GC 2 PCR buffer (200 mM Tricine-KOH, 75 mM KOAc, 17.5 mM Mg (OAc)
2, 25% Dimethyl Sulfoxide, 18.75 g/ml BSA, 0.025%Tween-20, 0.025 Nonidet- P40)を 6 1、 dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を 2.4 1、 10 βΜ プライマー RM3- 1を 0.6
10 Mプライマ一 API (プライマー APIは CL0NTECH社 の Marathon- Ready cDNA Kitに添付のもの) を 0.6 1、 铸型 cDNA (CL0NTECH社、 ラ ット脳 Marathon- Ready cDNA) を 3 1、 および蒸留水を 16.8 lを混合して作製し
た。反応条件は 94°C ·30秒の初期変性後、 94°C ·5秒- 72°C ·3分のサイクル反応を 5回、 94°C'5秒 - 70で'3分のサイクル反応を 5回、 94°C ·5秒- 68°C ·3分のサイクル反応を 25 回行った。
続いて、 該 PCR反応の反応液を鍀型として nested PCRを実施した。 反応液は 50X Advantage - GC 2 Polymerase Mix (CLONTECH社)を 0.6 1、 添付の 5x Advantage- GC
2 PCR buffer (200 mM Tricine -匪, 75 mM KOAc, 17.5 mM Mg(OAc) 2, 25% Dimethyl Sulfoxide, 18.75 /ml BSA, 0.025%Tween-20, 0.025% Nonidet— P40)を 6 1、 dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を 2.4 10 プライマ一 RM3-2または RM3- 3 を 0· 6 1、 10 Mプライマー AP2 (プライマー AP2は CLONTECH社の Marathon- Ready cDNA Kitに添付のもの) を 0.6 nL 鍀型 DNA (該 PCR反応液 50倍希釈液) を 3 および蒸留水を 16.8 xlを混合して作製した。 反応条件は 94°C' 30秒の初期変性後、 94°C · 5秒 _68°C · 3分のサイクル反応を 30回行つた。
得られた DNA断片を T0P0 TA Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて添付のマニュ アルに記載された方法に従ってクロ一ニングした。 クローニングされた DNA配列を ABI377DNA senuencerを用いて解読し、 5'端の配列 (配列番号: 32) を得た。 配列番号: 2 7および配列番号: 2 8の情報よりプライマー RM5- 1 (配列番号:
33)と1¾15-4 (配列番号: 34)を作成し、 以下に記した 3' RACE実験を実施した。
RM5-1: 5'-GGAAGGAGAGGAGTGCCACCCTGGAAG-3' (配列番号: 33)
RM5-4: 5 ' -ACCATACCTGTCCCTGTTCACCCAGCCT-3 ' (配列番号: 34)
3' RACEの PCR反応液は 50X Advantage-GC 2 Polymerase Mix (CLONTECH社)を 0.6 n 1、 添付の 5x Advantage-GC 2 PCR buffer (200 mM Tricine-醒, 75 mM KOAc, 17.5 mM Mg (OAc) 2, 25% Dimethyl Sulfoxide, 18.75 ig/ml BSA, 0.025%Tween-20, 0.025% Nonidet- P40)を 6 U dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を 2.4 A、 10 /iM プライマー M5- 1を 0.6 10 / Mプライマー API (プライマー APIは CLONTECH社 の Marathon- Ready cDNAKiUこ添付のもの) を 0.6 n 铸型 cDNA (CLONTECH社、 ラ ット脳 Marat hon-Ready cDNA) を 3 、 および蒸留水を 16.8 /xlを混合して作製し た。反応条件は 94°C · 1分の初期変性後、 94°C ·30秒- 72°C ·3分のサイクル反応を 5回、 94°C'30秒- 70°Ο3分のサイクル反応を 5回、 94°C ·30秒- 68°C ·3分のサイクル反応を 25回、 および 68°C'3分の最終伸長反応とした。
続いて、 該 PCR反応の反応液を鐯型として nested PCRを実施した。 反応液は 50X Advantage-GC 2 Polymerase Mix (CLONTECH社)を 0· 6 1、 添付の 5x Advantage-GC 2 PCR buffer (200 mM Tricine-KOH, 75 mM KOAc, 17.5 mM Mg (OAc) 2, 25% Dimethyl Sulfoxide, 18. l^ug/m\ BSA, 0.025%Tween-20, 0.025% Nonidet— P40)を 6 1、 dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を 2.4 10 プライマー RM5- 4または RM3 - 3 を 0.6 l、 10 プライマ一 AP2 (プライマー AP2は CLONTECH社の Marathon-Ready cDNA Kitに添付のもの) を 0.6 nL 錡型 DNA (該 PCR反応液 50倍希釈液) を 3 l、 および蒸留水を 16.8 lを混合して作製した。 反応条件は 94°C'l分の初期変性後、 94°C'30秒- 68°C'3分のサイクル反応を 35回、および 68°C · 3分の最終伸長反応とした。 得られた DNA断片を T0P0 TA Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて添付のマニュ アルに記載された方法に従ってクロ一ニングした。 クローニングされた DNA配列を ABI377DNA sequencerを用いて解読し、 3'端の配列 (配列番号: 35) を得た。 ラット脳 QUICK-clone cDNA (CLONTECH社) またはラット脳 cDNA (Wis tar rat)を 鎳型として 5' RACEおよび 3' RACEの情報よりプライマ一 RBv8-WFl (配列番号: 36)、 RBv8-WF2 (配列番号: 37)、 RBv8-WRl (配列番号: 38) および RBv8- WR2 (配 列番号: 39) を作成し、 以下に記した PCR反応を実施した。
RMIT-WF1: 5'-ATTCCAGAGTGGACAGTGTTTGCCTTCACC-3' (配列番号: 36) MIT-WF2: 5'-GATCATGAGAGGTGCTGTGCAAGTCTTC-3' (配列番号: 37)
RMIT-WR1: 5'-CTCTCTGCACGCTGCTGGACTGTTCC-3' (配列番号: 38) RMIT-WR2: 5 ' -CAGATGTAACACAAGAGGTCACCCAGTAGG-3 ' (配列番号: 3 9)
PCR反応液は PfuTurbo DNA polymerase (Stratagene社)を 0.6 juL 添付の 10x PCR bufferを 3 j L 2.5 mM dNTP mixtureを 2.4 1、 10 Mプライマ一 RMIT— WF1およ び RMIT-WRlを各 1.5 l 、 铸型 DNAを 1 1、 および蒸留水を 20 lを混合して作製 した。反応条件は 95°C'l分の初期変性後、 95° 30秒-55°030秒_72で'1分のサィク ル反応を 35回、 および 72°05分の最終伸長反応とした。
続いて、 該 PCR反応の反応液を蒸留水で 50倍に希釈したものをを铸型として nested PCRを行った。 PCR反応液は PfuTurbo DNA polymerase (Stratagene社)を 0.6 l、 添付の 10x PCR bu^erを 3 /iU 2.5 mM dNTP mixtureを 2· 4 βΙ、 10 μ プラ イマ一 RMIT- WF2および RMIT-WR2を各 1.5 /i 1、铸型 DNAを 3/xl、および蒸留水を 18
1を混合して作製した。 反応条件は 95°0 1分の初期変性後、 95°0 30秒_55°030秒 -72 · 1分のサイクル反応を 35回、 および 72°C · 5分の最終伸長反応とした。
得られた DNA断片を Zaro Blunt TOPO PCR Cloning Ki t (Invi t rogen社)を用いて 添付のマニュアルに記載された方法に従ってクロ一ニングした。クローニングされ た DNA配列を ABI 377DNA seauencerを用いて解読し、 ラット ZAQリガンド全長べプチ ドをコードする 3種の 375bpの DNA断片 (配列番号: 4 0、 配列番号: 4 1および配 列番号: 4 2 ;塩基置換が起こっているそれぞれをノーマルタイプ、 Yタイプ、 Q タイプとする) を有するプラスミドを、 pRMIT、 pRMITYおよび pHMITQとそれぞれ命 名した。 該プラスミドにより大腸菌 (Escherichia col i ) TOP10をトランスフォー ムさせ、 大腸菌 T0P 10/pRMIT、 大腸菌 TOPlO/pRMITYおよび大腸菌 TOPlO/pRMITQとそ れぞれ命名した。
これらの DNA断片の塩基配列を解析した結果、 配列番号: 4 0で表わされる DNA 断片は、 配列番号: 4 3で表わされるラット型 Z AQリガンド前駆体ペプチド(105 アミノ酸残基) をコードする DNA (配列番号: 4 4 ) を含んでいることが、 配列番 号: 4 1で表わされる DNA断片は、 配列番号: 4 5で表わされるラット型 Z A Qリ ガンド前駆体ペプチド(105アミノ酸残基) をコードする DNA (配列番号: 4 6 ) を 含んでいることが、 配列番号: 4 2で表わされる DNA断片は、 配列番号: 4 7で表 わされるラット型 Z AQリガンド前駆体ペプチド(105アミノ酸残基)をコードする DNA (配列番号: 4 8 ) を含んでいることが明らかとなった。
また、 配列番号: 4 3、 配列番号: 4 5または配列番号: 4 7で表わされる塩基 配列は典型的なシグナル配列を有しており、配列番号: 4 3で表わされる塩基配列 を有する DNAは、 配列番号: 4 9で表わされるラット型 Z A Qリガンド成熟体ぺプ チド (86アミノ酸残基) をコードする 258塩基対からなる DNA (配列番号: 5 0 ) を 含んでいることが、 配列番号: 4 5で表わされる塩基配列を有する DMは、 配列番 号: 5 1で表わされるラット型 Z A Qリガンド成熟体ペプチド (86アミノ酸残基) をコードする 258塩基対からなる DNA (配列番号: 5 2 ) を含んでいることが、 配列 番号: 4 7で表わされる塩基配列を有する DNAは、 配列番号: 5 3で表わされるラ ット型 Z A Qリガンド成熟体ペプチド (86アミノ酸残基) をコードする 258塩基対 からなる DNA (配列番号: 5 4 ) を含んでいることが明らかとなった。
配列番号: 49のアミノ酸配列において、 配列番号: 51では 46番目の H i s が Ty rに、 配列番号: 53では 36番目の A r gが G 1 nにそれぞれ置換されて いる。 実施例 5 ラット型 Bv 8ペプチド cDNAのクローニング
ラット精巣 Marathon- Ready cDNA (CL0NTECH社)を铸型として、 degenerateプライ マー BF2 (配列番号: 55) とプライマ一 BR1 (配列番号: 56) を作成し、 以下 に記した PCR反応を実施した。
BF2: 5' -GCTTGYGACAAGGACTCYCA-3' (配列番号: 55)
BR1: 5'-GTTYCTACTYCAGAGYGAT-3' (配列番号: 56)
PCR反応液は 50X Advantage 2 Polymerase Mix (CL0NTECH社)を 0.4 fi\, 添付の 10x Advantage 2 PCR buffer (400 niM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM Mg(OAc) 2, 37.5/xg/ml BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet- P40)を 2 、 dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を 1.6 1、 IO Mプライマー BF2及び BRlを 0.4 l、 铸型 cDNAを 2 L 1、及び蒸留水を 13.2 1を混合して作製した。反応条件は 95°C · 1分の初期変性後、 95°C · 30秒- 55で · 1分- 68°C * 1分のサイクル反応を 40回、 および 68°C ·5分の最終伸長 反応とした。
得られた DNA断片を T0P0 TA Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて添付のマニュ アルに記載された方法に従ってクローニングした。 クロ一ニングされた DNAの塩基 配列を ABI377DNA sequencerを用いて解読し、 配列番号: 5 7で表される部分配列 を得た。
この配列情報よりプライマー RB5- 1 (配列番号: 58) とプライマー RB5- 3 (配 列番号: 59) を作成し、 以下に記した 5' RACE実験を実施した。
RB5-1: 5' -GTGCATCCTCCGCCCCCAAAATGGAA-3' (配列番号: 58)
B5-3: 5'-GACAGCGCAGCACATTCCTCCTCCACAC-3' (配列番号: 59)
5' RACEの PCR反応液は 50X Advantage 2 Polymerase Mix (CL0NTECH社)を 1 U、 添 付の 10x Advantage 2 PCR buffer (400 mM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35mMMg (OAc) 2, 37.5 zg/ml BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet- P40)を 5 U dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を 4 1、 10 Mプライマー RB5 - 1を 1 、 プライマー API
-APIは CLONTECH社の Marathon- Ready cDNA Kitに添付のもの) を 1 βΙ、 铸型 cDNA (CL0NTECH社、 ラット精巣 Marathon- Ready cDNA) を 5 L 及び蒸留水を 33 lを混合して作製した。 反応条件は 94°C'l分の初期変性後、 94 '30秒-72°0 3分のサイクル反応を 5回、 94°O30秒- 70°C'3分のサイクル反応を 5回、 94°C'30秒 -68υ· 3分のサイクル反応を 25回行った。
続いて、 該 PCR反応の反応液を鍀型として nested PCRを実施した。 反応液は 50X Advantage 2 Polymerase Mix (CL0NTECH社)を 1 1、 添付の 10x Advantage 2 PCR buffer (400 mM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM Mg(OAc) 2, 37.5 n g/ml BSA,
0.05¾Tween-20, 0.05¾ Nonide卜 P40)を 5 dNTP mixture (2.5 niM each, 宝酒 造)を 4 10 プライマ一 RB5 - 3を 1 βΙ、 ΙΟ Μプライマー ΑΡ2 (プライマ一
ΑΡ2は CL0NTECH社の Marathon-Ready cDNAKiUこ添付のもの) を l zl、 踌型 cDNA (該 PCR反応液 50倍希釈液) を 5 JLLL 及び蒸留水を 33 1を混合して作製した。 反応条 件は 94°C · 1分の初期変性後、 94°C ·30秒- 68 ·3分のサイクル反応を 35回行った。 得られた DM断片を T0P0 TA Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて添付のマニュ アルに記載された方法に従ってクローニングした。 クロ一ニングされた DNAの塩基 配列を ABI377DNA seQuencerを用いて解読し、 5'端の配列 (配列番号: 60) を得 た。 ,
配列番号: 57の情報より、 プライマー RB3- 1 (配列番号: 61) とプライマ一
RB3-2 (配列番号: 62) を作成し、 以下に記した 3' RACE実験を実施した。
RB3-1: 5'-GAGACAGCTGCCACCCCCTGACTCGGAA-3' (配列番号: 61 )
RB3-2: 5' -GGCGGAGGATGCACCACACTTGTCCCTG-3' (配列番号: 62)
3' RACEの PCR反応液は 50X Advantage 2 Polymerase Mix (CL0NTECH社)を 1 μΛ、 添付の 10x Advantage 2 PCR buffer (400 mM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM
Mg (OAc) 2, 37.5 g/ml BSA, 0.05¾Tween-20, 0.05% Nonidet— P40)を 5 dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を 4 1、 10 tMプライマー RB3-1を 1 ^1、 10 n
Mプライマ一 API (プライマー APIは CL0NTECH社の Marathon-Ready cDNAKitに添付の もの) を 1 1、 铸型 CDNA (CL0NTECH社、 ラット精巣 Marathon-Ready cDNA) を 5 n
1、 及び蒸留水を 33 1を混合して作製した。 反応条件は 94°C'l分の初期変性後、 94°C'30秒- 72°C'3分のサイクル反応を 5回、 94°C'30秒- 70°C'3分のサイクル反応を 5
回、 94°C'30秒- 68°C'3分のサイクル反応を 25回行った。
続いて、 該 PCR反応の反応液を踌型として nested PCRを実施した。 反応液は 50X Advantage 2 Polymerase Mix (CL0NTECH社)を 1 1、 添付の 10x Advantage 2 PCR buffer (400 慮 Tricine-腿, 150 mM KOAc, 35 mM Mg (OAc) 2, 37.5 n g/ml BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet- P40)を 5 μΑ、 dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒 造)を 4 ΐ, 10 プライマー RB3- 2を 1 ^1、 10 プライマー AP2 (プライマ一 AP2は CL0NTECH社の Marathon- Ready cDNA Kitに添付のもの) を l xl、 鍀型 cDNA (該 PCR反応液.50倍希釈液) を 5 ΐ, 及び蒸留水を 33 1を混合して作製した。 反応条 件は 94°C · 1分の初期変性後、 94°C ·30秒- 68°C ·3分のサイクル反応を 35回行つた。 得られた DNA断片を T0P0 TA Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて添付のマニュ アルに記載された方法に従ってクローニングした。 クローニングされた DNAの塩基 配列を ABI377DNA seduencerを用いて解読し、 3'端の配列 (配列番号: 63) を得 た。
ラット脳 Marathon- Ready cDNA (CL0NTECH社)を錶型として、 上記 5' RACE及び 3' RACEの情報より、 プライマー RBv8- WF1 (配列番号: 64)、 プライマー RBv8- W2 (配列番号: 65) 、 プライマー RBv8- WR1 (配列番号: 66) およびプライマ一 RBV8-WR2 (配列番号: 67) を作成し、 以下に記した PCR反応を実施した。
RBv8-WFl: 5'-TAACCGCCACCGCCTCCT-3' (配列番号: 64)
RBv8-WF2: 5'-GGGACGCCATGGAGGAC-3' (配列番号: 65)
RBV8-WR1: 5' -CGAGACTTGACAGACATTGTTCAGTG-3' (配列番号: 66)
RBv8-WR2: 5'-TTTCCAGCTCCTGCTTCAGA-3' (配列番号: 67)
PCR反応液は PfuTurbo DNA polymerase (Stratagene社)を 0.6 ΐ, 添付の 10x PCR bufferを 3 uL 2.5 mM dNTP mixtureを 2.4 JLLL 10 Mプライマ一 RBv8- WF1及び RBv8-WRlを各 1.5 l、 铸型 DNAを 3 ^1、 及び蒸留水を 18 を混合して作製した。 反応条件は 95°C · 1分の初期変性後、 95°C · 30秒- 55°C · 30秒- 72°C · 1分のサイクル反応 を 35回、 および 72°05分の最終伸長反応とした。
続いて、 該 PCR反応の反応液を蒸留水で 50倍に希釈したものをを铸型として nested PCRを行った。 PCR反応液は PfuTurbo DNA polymerase (Stratagene社)を 0· 6 iiL 添付の 10x PCR bufferを 3 nU 2.5 mM dNTP mixtureを 2.4 n\, 10 βΜブラ
イマ一 RBv8- WF2及び RBv8- WR2を各 1. 5 μ, Ι 、 铸型 DNAを 3 ii 及び蒸留水を 18 \ を混合して作製した。 反応条件は 95°C ' l分の初期変性後、 95°0 30秒-55で' 30秒 - 72 · 1分のサイクル反応を 35回、 および 72°C · 5分の最終伸長反応とした。
得られた DM断片を Zero Blunt TOPO PCR Cloning Ki t (Invi t rogen社)を用いて 添付のマニュアルに記載された方法に従ってクローニングした。クローニングされ た MAの塩基配列を ABI377DNA seQuencerを用いて解読し、 配列番号: 6 8で表され る 356bpの塩基配列を有していることが明らかとなった。 配列番号: 6 8で表わさ れる塩基配列を有する DNA断片を有するプラスミドを pRBvと命名した。 プラスミド pRBvにより大腸菌(Escherichia col i)をトランスフォームさせ、ェシエリヒア コ リ (Escherichia col i) T0P10/ pRBvと命名した。
この DNA断片の塩基配列を解析した結果、配列番号: 6 8で表わされる DNA断片は、 配列番号: 6 9で表わされるラット型 B v 8前駆体ペプチド(107アミノ酸残基) を コードする DNA (配列番号: 7 0 ) を含んでいることが明らかとなった。
また、配列番号: 7 0で表わされる塩基配列は典型的なシグナル配列を有してお り、 配列番号: 7 0で表わされる塩基配列を有する DNAは、 配列番号: 7 1で表わ されるラット型 B v 8成熟体ペプチド (81アミノ酸残基) をコードする 243塩基対 からなる DNA (配列番号: 7 2 ) を含んでいることが明らかとなった。 産業上の利用可能性
本発明の蛋白質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩、 およびそれらをコードす る D NAは、 ①リガンド (ァゴ二スト) の決定、 ②抗体および抗血清の入手、 ③組 み替え型蛋白質の発現系の構築、④同発現系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系の 開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、⑤構造的に類似したリガンド ·レセプ ターとの比較にもとづいたドラッグデザィンの実施、⑥遺伝子診断におけるプロ一 ブゃ P C Rプライマーの作成のための試薬、⑦トランスジエニック動物の作製また は⑧遺伝子予防 ·治療剤等の医薬等として用いることができる。