明 細 書 ぺプチド化合物、 それを有効成分とする医薬組成物及び薬剤 技術分野
本発明は、 ペプチド化合物に関する。 詳しくは選択的なォキシトシン受容体拮 抗作用を有するペプチド化合物又はその薬理学的に許容される塩、 これを有効成 分とする医薬組成物、 及び薬剤に関する。 なお、 本発明で提供されるペプチド化 合物又はその薬理学的に許容される塩は、 切迫早産の予防又は治療に特に有用で ある。 背景技術
切迫早産は出生前での羅患および死亡の主な原因であるが、 現存の早産を防止 する方法は成功しているとは言えず、 また顕著な副作用をもたらすことがある。
この切迫早産の一つ大きな原因として、 ォキシトシンによる子宮収縮作用が考 えられている。 このォキシトシンの作用は細胞膜上のォキシトシン受容体を介し ていると考えられるため、 ォキシトシンとその受容体の結合に拮抗する物質は、 切迫早産の予防又は治療薬として有用である。
またォキシトシン受容体拮抗剤は、 ォキシトシンと構造が類似する抗利尿ホル モンであるバゾプレシンの受容体とも拮抗することが多い。 このためォキシトシ ン受容体を選択的に拮抗することは血圧降下等の副作用の少ない切迫早産の予防 又は治療薬として必須の条件である。
従来ォキシトシン受容体拮抗剤がいくつか報告されている。 実例を示せば、 Endocr inology, si, 267 (1967)をはじめ、 Endocrinology, l o e, 81 (1980)や J. Med. Chem. , 26, 1607 (1983)、 また Endocrinology, 88, 173 (1981)さらに Obs tet. and Gynecol. Scand. , 64 , 499 (1985)にォキシトシン拮抗剤の報告がある。 しかしな
がらこれらは活性及びォキシトシン受容体に対する選択性の面で十分であるとは 言い難い。
また、 Pept. 1994, Proc. Eur. Pept. Symp. , 23 r d (1995)では、 下記化学式で 示されるォキシトシンアンタゴニストが掲載されているが、 本発明で提供される 化合物 (I ) とは C末端の構造が異なる。
さらに、 特表平 1 0 _ 5 0 7 9 9 5号公報には、 化合物 (I ) と同等のォキシ トシン受容体拮抗活性を有する下記化学式 (Π) で示される化合物が報告されて いるが、 C末端にグリシンアミドを有しており、化合物(I ) とは構造が異なる。
本発明者らは、 ォキシトシン受容体に対し強力、 且つ選択的な拮抗作用を有す る化合物を提供するするため鋭意研究を重ねた結果、 特定のぺプチド化合物又は その薬理学的に許容される塩を見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明の第 1は、 下記化学式 (I ) で表されるペプチド化合物又は その薬理学的に許容される塩を提供する。
本発明の第 2は、 本発明の第 1記載の化合物またはその薬理学的に許容される 塩を有効成分とするォキシトシン受容体拮抗剤を提供する。
また本発明の第 3は、 本発明の第 1記載の化合物又はその薬理学的に許容され る塩を有効成分とする切迫早産の予防用又は治療用の医薬組成物を提供する。 本発明の第 4は、 本発明の第 1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩 を有効成分とする切迫早産の予防剤又は治療剤を提供する。
本発明の第 5は、 生体内において本発明の第 1記載の化合物又はその薬理学的 に許容される塩になるォキシトシン受容体拮抗剤を提供する。
本発明の第 6は、 生体内において本発明の第 1記載の化合物又はその薬理学的 に許容される塩になる化合物を有効成分とする切迫早産の予防用又は治療用の医 薬組成物を提供する。
本発明の第 7は、 生体内において本発明の第 1記載の化合物又はその薬理学的 に許容される塩を有効成分とする切迫早産の予防剤又は治療剤を提供する。 発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の実施の形態を説明する。
初めに、 化合物 (I ) の製造方法について、 いくつかの略語を使用しつつ説明 するが、 略語の内容は以下の通りである。
(光学異性体)
本明細書で使用するアミノ酸等において光学異性体が存在する場合は、 D体を 使用する場合のみ 「D—」 を付して示し、 特に明示しない場合は L体を示す。
(アミノ酸残基)
A r g :アルギニン、 A s n :ァスパラギン、 l i e :イソロイシン、 G 1 n :グル夕ミン、 G 1 y:グリシン、 P r o :プロリン、 T r ρ: トリプトファン、 P e n :ぺニシラミン
(保護基)
Bo c : t—ブトキシカルポニル、 MBz 1 : 4—メトキシベンジル、 Mt s :メシチレンスルフォニル
(脱水縮合カップリング試薬)
HOB t : 1ーヒドロキシベンゾトリアゾ一ル、 DCC:ジシクロへキシルカ ルポジイミド
(溶媒)
D I EA:ジイソプロピルェチルァミン、 DCM :ジクロロメタン、 TFA : トリフルォロ酢酸、 DMF: N, N—ジメチルホルムアミド
(その他)
EM:ェチルメルカブタン、 P AM樹脂:フエニルァセトアミドメチル化樹脂、 TP A (MB z 1) :下記構造の化合物
化合物 (I) は、 一般的なペプチド合成法である固相法あるいは液相法にて合 成できる。 固相法または液相法の選択には一般則等はなく、 目的としたペプチド の物性や必要量等で合成法を選択することになる。
固相法による化合物 (I) の合成では、 後記実施例に示すように、 PAM樹脂 上に保護アミノ酸を活性エステル法または TBTU (2- (1H—べンゾトリア ゾール一 1—ィル) _1, 1, 3, 3—テトラメチルゥロニゥム テトラフルォ ロボレート) 法を繰り返してペプチド鎖を構築できる。 液体フッ化水素 (HF) 処理により D— Tr p残基側鎖の C HO (ホルミル)基以外の全保護基を除去し、 樹脂からペプチドを解離させた後、 CHO基を酢酸アンモニゥム緩衝液(pH 9. 47) で除去し、 さらにフェリシアン化カリウムで環化させることができる。 こ
うして得られる粗ペプチドを逆相 HPLCを用いて分取精製し、 化合物 (I) を 得ることができる。
本発明において、 化合物 (I) の 「薬理学的に許容される塩」 とは、 慣用の無 毒性の塩すなわち酸付加塩及び各種塩基との塩を挙げることができる。 より具体 的には、 塩酸、 硝酸、 硫酸等の無機酸塩、 酢酸、 クェン酸、 フマル酸、 酒石酸等 の有機酸塩、 メタンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸等のスルホン酸塩及び ァラニン、 ロイシン、 グルタミン酸等のアミノ酸塩並びにアルカリ金属塩 (例え ばナトリゥム塩、力リゥム塩等)、アル力リ土類金属塩(例えばマグネシウム塩、 カルシウム塩等) 等の無機塩基塩及びトリェチルァミン塩、 ピリジン塩、 ピコリ ン塩、 エタノールアミン塩、 トリエタノールアミン塩、 ジシクロへキシルァミン 塩、 N, N, ージベンジルエチレンジァミン塩等の有機アミン塩が挙げられる。 化合物 (I) は、 水和物若しくは溶媒和物又は結晶多形の物質として単離され ることがあるが、 これらもまた本発明に包含される。
化合物 (I) は、 ォキシトシン受容体に対し拮抗作用が強力なので、 切迫早産 予防又は治療薬として使用することができる。
化合物 (I) の投与形態としては、 注射剤、 点鼻剤、 点眼剤、 パップ剤、 軟膏 剤、クリーム剤もしくは坐剤等による非経口投与又は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、 散剤、 吸入剤若しくはシロップ剤等による経口投与を挙げることができる。 これ らの製剤を調製するに当たっては、 医薬として許容される担体を用いて、 常法に より製造することができる。
化合物 (I) の薬剤としての投与量は、 症状の程度、 患者の全身状態、 年齢、 体重、 投与経路や剤形等を考慮して適宜決定されるものであるが、 有効成分であ る化合物 (I) の量に換算して、 非経口投与の場合は、 通常一日当たり 2 g〜 20mg/kgであり、 好ましくは 20 g〜2mg/k gである。 また、 通常 一回当たり 1 8〜101]18 /¾: でぁり、 好ましくは10 8〜1111 7¾: である。 また、 経口投与の場合は、 通常一日当たり 10 zg〜l 0 OmgZk g
であり、 好ましくは 100 g〜l Omg/k gである。 また、 通常一回当たり 5^g〜50mgZkgであり、 好ましくは 50 /_ig〜5mg/k gである。 実施例
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれにより何ら 限定されるものではない。
化合物 (I) は、 ペプチド合成機 (ABI社製 430A型) を用い、 Bo cアミノ酸 を用いる固相法により樹脂上にペプチド鎖を構築した。 その際の逆相 HP LC分 析条件は以下に示した。
カラム: TSK ge l ODS— 120T (4. 6 X 250mm、 東ソ一社 溶出液: TFA0. 1 %aa. soln./CH3CN= 70/30→50/50 (v / v, 30 m i n . )
検出波長: 214 nm、 流速: 1. Oml/mi n.
また合成に用いた担体樹脂、 保護アミノ酸、 試薬を以下に示す。
B o c -A r g (Mt s) — OCH2— P AM樹脂 (Bo c— Ar g (Mt s) : 0. 64 mm o 1 / , 0. 5 mm o 1 ) , Bo c— P r o— OH, Bo c— L— P en (MB z 1 ) -OH, Bo c_As n -〇H, Bo c— G i n - OH, B o c - I 1 e -OH, Bo c— D - Tr p (CHO) -OH, TP A (MB z 1)
さらに縮合反応には活性エステル法または TBTU法を用いた。 それぞれの方 法については以下に記す。
(HOB tを用いる活性エステル法)
導入する保護アミノ酸、 HOB tおよび DCCはいずれも 2mmo 1用い、 縮 合反応時間は 120分間に設定した。
(TBTU法)
導入する保護アミノ酸、 HOB tおよび TBTUはいずれも 2mmo 1用い、 D I EAは 4mmo 1用い、 縮合反応時間は 120分間に設定した。 さらに各ァ ミノ酸導入時の反応の完結度はカイザーテスト (P en (MBz 1) 残基導入時 はィサチンテスト) で確認した。
[1]固相合成
(1) B o c -A r g (Mt s) — OCH2— PAM樹脂 (0. 5mmo 1) を合成機の反応槽に添加し、 D CM 10mlで 3回洗浄後、 DC M中で一夜放置、 樹脂を充分に膨潤させた。 濾過後、 上記樹脂に 50%TFA_/DCM溶液 10m 1を添加し、 約 2分間攪拌した。 濾過後さらに 50%TFA/DCM溶液 10m 1を加え 30分間攪拌処理し、 脱 Bo c反応を行った。 反応終了後 TFA溶液を 濾過し、 DCM各 10mlで 3回洗浄、 濾過した。
(2) 10 %D I EAZDMF溶液各 10mlで 2回中和処理して残存する T FAを除去、 アミノ基を遊離させた。 さらに DMF各 10mlで 6回洗浄、 濾過 を繰り返し、 残存する D I EAを除去した。
(3)次に、 ここまでの操作と並行して B o c -P r o— OHを活性化させた。 すなわち、 Bo c— P r o— OH (431mg, 2mmo 1 )および HOB t (3 06mg, 2mmo l) を DMF 4m 1に溶解させ別の反応槽に加えてさらに 0. 5M DCC/D CM溶液 4mlを添加し窒素気流下、 約 40分間攪拌させ て活性エステルに導いた。
(4) 得られた活性化溶液を先の樹脂の入っている反応槽に添加、 攪拌して縮 合反応を開始した。 反応時間は 120分間とし、 縮合反応終了後、 DMF各 10 mlで 3回、 さらに DCM各 10m 1で 6回洗浄、 濾過した。 洗浄濾過後、 樹脂 の一部をカイザーテストに供した。 1個のアミノ酸の導入につき、 カイザーテス ト (あるいはィサチンテスト) が陰性になるまで縮合反応を操り返した。 2回目 以降の縮合反応 (リカップリング) では上記の (1) を除くステップを繰り返し 実施するのであるが、 活性エステル法の場合は上記 (2) で 10%D I EA/D
MF溶液の洗浄を 1回だけとし、 TBTU法では上記 (2) の操作は実施しなか つた。
アミノ酸をすベて導入後、 得られた保護ペプチド樹脂は、 D CM適量で充分洗 浄後、 減圧乾燥し (収量: 127 Omg) 全量を HF処理に供した。
本合成で使用した保護アミノ酸および試薬等の使用量等は下記表 1に示すとお りである。 反応時間
1- -1 Boc-Pro-OH 2讓 ol HOBt 2腿 ol DCC 2聽 ol 2hr
-2 Boc-Pro-OH 2匪 ol HOBt 2腿 ol DCC 2醒 ol 2hr
2- -1 Boc- Pen(MBzl) - OH 2腿 ol HOBt 2腿 ol DCC 2匪 ol 2hr
-2 Boc-Pen(MBzl)-OH 2藤 ol HOBt 2画 1 TBTU 2薦 ol 醒 4画 1 2hr
3- -1 Boc-Asn-OH 2讓 ol HOBt 2雇 ol DCC 2mmol 2hr
-2 Boc-Asn-OH 2腿 ol HOBt 2謹 ol DCC 2imol 2hr
4- -1 Boc- Gin - OH 2讓 ol HOBt 2匪 ol DCC 2龍 ol 2 r
-2 Boc - Gin - OH 2腿 ol HOBt 2膽 1 DCC 2舰 ol 2hr
5- -1 Boc - lie - OH · 1/2H20 2廳 ol HOBt 2讓 ol DCC 2画 ol 2hr
-2 Boc - lie- OH · 1/2H20 2蘭 ol HOBt 2讓 ol DCC 2塵 ol 2hr
-3 Boc - lie- OH · l/2¾0 5腿 ol HOBt 5画 1 DCC 2匪 ol 70 r
6- -1 Boc-D-Trp (CHO) -OH 2顧 ol HOBt 2廳 1 DCC 2匪 d 2hr
-2 Boc-D-Trp (CHO) -OH 2匪 ol HOBt 2皿 ol DCC 2讓 ol 6 r
-3 Boc-D-Trp (CHO) -OH 2匪 ol HOBt 2龍 ol TBTU 2讓 ol DIEA 4舰 ol 2hr
7- -1 TPA(MBzl) 2腿 ol HOBt 2腿 ol DCC 2顧 ol 2hr
-2 TPA(MBzl) 2iimol HOBt 2mmol DCC 2丽 ol 6hr
-3 TPA(MBzl) 2mmol HOBt 2mmol TBTU 2廳 ol DIEA 4励 1 2hr
[2] 液体 HF処理
樹脂からのペプチドの解離と T r p (CHO) 残基の CHO基を除く全保護基 の除去を液体 HF処理により行った。
液体 HF処理: [1] で得られた保護ペプチド樹脂 127 Omgとテフロン被膜 マグネットを HF反応容器に添加し、 ァニソ一ル 1. 3mlおよび EMI. 3 m 1を加えて室温減圧下で 30分間放置した。 反応容器を冷媒で冷却し、 再蒸留 H F 1 3m lを添加、 一 20°Cで 1 20分間攪拌した。 H Fを減圧下留去し(ァスピ レーターで 1時間、真空ポンプで 2時間)、残渣にジェチルエーテル 30 m 1を加 えてサラサラになるまで攪拌した。 吸引濾過後、 ジェチルエーテル各 30m 1で 3回洗浄して減圧乾燥した。 .
[3] 抽出および脱 CHO処理
[2] で得られたペプチド一樹脂混合物を充分に脱気し冷却した 1M酢酸 30 m lに添加、 攪拌してペプチド成分を溶解させた。 吸引濾過後、 濾液を素早く 1 50 Om lの純水中に投じた。 グラスフィル夕一上の濾取物をさらに冷 1M酢酸 各 30 m 1で 3回洗浄し、 先の純水中に素早く添加した。 この希釈水溶液に、 2 8 %アンモニア水 13m lを滴下して、 ρΗ9. 47とした。 24. 5 で約 2 4時間攪拌して脱 C Η Ο反応を行った。
[4] 環化反応
[3] で脱 CHO反応終了確認後、 反応液に K3 [F e (CN) 6] 25 Omg /Ί 5ml H20を滴下して 24. 5°Cで 1時間攪拌した。 原料消失確認後、 B I O— RAD社製強陰イオン交換樹脂 「AG1— X2樹脂 C I型ドライメッシ ュ 200— 400」 15 gを添加してさらに 1時間攪拌した。 反応液が黄色から 無色に変化したことを確認し、 1M酢酸 75mlを添加して pH6. 3とした。 樹脂を吸引濾過で除去し純水各 50 m 1で 3回洗浄した。
[5] 脱塩
[4] で得られた濾液および洗液を逆相 ODSカラムに添加して、 TFA0.
1 %ad. soln.で洗浄して脱塩した。 さらに TFAO. 1 %a . soln. /CH3CN (vZv, 50/50) で溶出させて溶離してくる画分を分取した。 CH3CN を減圧留去後、 凍結乾燥して粗製ペプチド 124mgを得た。
[6] 逆相 HP LCによる精製
[5] で得た粗製ペプチド 1 Omgを TFAO. 1 %aa. soln. 300 1に溶 解させ、 逆相カラムに添加し、 下記の条件で溶出させて化合物 (I) を含む画分 を分取した。 以下に HP LCの条件を記す。
カラム: TSK g e l ODS- 120T (21. 5 X 300mm、 東ソ一 社製)
溶出液: TFA0. 1 %aQ. soln. /CH3CN=65//35 (v/v, 30m i n . )
検出波長: 214 nm、 流速: 8. 0 m 1 /m i n .
上記操作を合計 8回繰り返し、 分取した画分を集めて CH3CNを減圧留去後、 凍結乾燥して目的とする精製ペプチド (N— [ (4—メルカプトシアン— 4ーィ ル) ァセチル] 一 D—トリブトフィリル一 L一イソロイシル一 L—グル夕ミニル 一 L—ァスパラギニル一 3—メルカプト— L—バリル—L一プロリル—L一アル ギニン (S, S) 一ジスルフィド) 47. 5mg (収率: 59. 4%) を得た。
MSm/z : 1 1 17 ((349 30丄 S 3 + H)
アミノ酸組成分析 (6 N HC 1、 1 10°C、 24時間) : As p (1) 1. 02、 P r o (1) 0. 97、 l i e (1) 0. 97、 Ar g (1) 1. 01
(試験例)
1. 発情ラット子宮筋を用いたォキシトシン誘発子宮収縮反応に対する作用 [ォ キシトシン (OT) 受容体に対する作用]
SD雌性ラットにエストラジオール lmg/k gを皮下投与した。 24時間後 に子宮角を摘出し、 小切片を作製し、 直ちにマグヌス装置に懸垂した。 オーガン
'
バスに 10m 1の栄養液 (Munsick soln. ) を満たし、 37°Cで 95 %02— 5 % C02の混合ガスを持続通気した。 標本には 1 gの懸垂負荷をかけ、 1一 2時間 放置した後、 10_9M OTをオーガンバス内に投与した。 OTによる安定した 収縮波形を観察した後、 化合物 (I) あるいは対照化合物として化合物 (II) を それぞれ終濃度 10_1Q〜10— 6Mを累積投与した。 薬物投与後、 5分間収縮波 形を観察し、 5分間の振幅と頻度を測定した。 化合物 (I) と化合物 (II) の結 果を表 1に示す。 化合物 (I) はォキシトシン誘発子宮収縮反応を用量依存的に 抑制し、 I C5。値 (ァゴ二スト単独による反応を 50%阻害するアンタゴニスト の濃度を表す値) は 3. 18 X 10_SMであった。
2. ラッ卜摘出大動脈を用いたバゾプレシン刺激による血管収縮反応に対する作 用 [バゾプレシン VI a受容体 (以下、 VI a受容体と略すことがある。 ) に対す る作用] ' ラット腹大動脈を摘出した後、 リング標本を作製し、 直ちにマグヌス装置に懸 垂した。 オーガンバスに 1 Om 1の栄養液 (Munsick soln. )を満たし、 37°Cで 9 5 %02— 5 %C02の混合ガスを持続通気した。 標本には 0. 5 gの懸垂負荷を かけ、 10—8Mのアルギニンバゾプレシン(AVP)をオーガンバス内に投与し、 血管収縮反応を観察した。 化合物 (I) あるいは対照化合物をそれぞれ終濃度 1 0一9〜 10_5Mを累積投与した。 AVPによる血管収縮反応に対して、 各薬物に よる弛緩反応を測定した。 化合物 (I) と化合物 (II) の結果を表 2に示す。 化 合物 (I) は A VP刺激による血管収縮反応を用量依存的に抑制し、 I C5。値は 8. 70X10一7 Mであった。
表 2
以上のように化合物 (I) は従来の化合物と比較し、 バゾプレシン受容体より ォキシトシン受容体に対し選択的な拮抗作用を有しているため、 循環器への作用 がより弱い切迫早産治療薬を提供できる。
(なお、 本出願は日本国特許出願番号:特願 2000— 195332号に基づく 優先権を主張して出願されたものである。 )