明細書
4 -置換ピぺリジン化合物 技術分野
本発明は、 アセチルコリンエステラーゼ阻害剤として有用な新規化合物、 その塩、 その水和物およびその製造法に関する。 従来の技術
アルツハイマー型老年痴呆等の老年痴呆、 脳血管性痴呆、 注意欠陥多動障害等は 脳のコリン作動性機能低下を伴うことが知られている。 現在、 これらの疾患の治療 薬としてアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の有用性が認められており、 実際に臨 床でも応用されている。 例えば、 その代表的な治療薬である塩酸ドネぺジル
[Donepezil Hydrochloride, 1一べンン Jレ一 4 _ [ ( 5 , 6ージメ卜千シ一 1ーィ ンダノン) 一 2—ィル] メチルピペリジン '塩酸塩〕 をはじめ、 リバスティグミン
〔Rivastigmine,N—ェチル— N—メチルカルバミン酸 3 _ [ 1 — (ジメチルアミ ノ) ェチル] フエニル〕 、 メトリフォネート 〔Metrifonate, ( 2 , 2 , 2—トリク ロロ— 1—ヒドロキシェチル) リン酸ジメチル〕 、 塩酸夕クリン [Tacrine
Hydrochloride, 1 , 2 , 3 , 4—テトラヒドロ— 9—ァクリジナミン〕 、 臭化水素 酸ガランタミン [Galanthamine Hydrobromide]、不ォスティグミン [Neostigmine]、 フィゾスチグミン 〔Physostigmine〕 等が知られている。
しかしながら、 前記治療薬の中で、 実際に臨床で使用され、 かつ、 疾患に対する 薬理活性、 副作用、 投与回数、 投与形態等の点で充分な有用性が認められているの は塩酸ドネぺジルだけであり、 これ以外には臨床上有用性のあるァセチルコリンェ ステラーゼ阻害剤は見出されていない。 従って、 塩酸ドネぺジルの他にも、 優れた 効果を有し有用性の高いァセチルコリンエステラーゼ阻害剤の提供が切望されて いる。
発明の開示
本 明者らは、 上記事情に鑑みて、 永年にわたって精力的に研究を重ねた結果、 式
〔式中、 R 1は式
〔式中、 R
3、 R
4、 R
5および R
6は同一または相異なって水素原子、 ハロゲン原子、 水酸基、 置換されていてもよい炭化水素基、 置換されていてもよい C^eアルコキ シ基、
6ァシル基、 ニトロ基、 置換されていてもよいアミノ基、 置換されてい てもよいアミド基、メルカプト基または チォアルコキシ基を示し; R
7は水素 原子または C 6アルキル基を示し;部分構造 で表される結合は単結合または二重結合を示し; mは 0または 1ないし 6の整数を 示し; pは 1または 2の整数を示す〕 からなる群から選ばれるいずれか 1つの基を 示し; R
2は水素原子、置換されていてもよい C ^
6アルキル基、 置換されていても よい C
2—
6アルケニル基または置換されていてもよい C
2_
6アルキニル基を示す。〕 で表される新規な化合物を合成することに成功し、 さらに予想外にも、 該化合物、 その塩およびこれらの水和物が優れたァセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有 し所期の目的を達することを見出して、 本発明を完成した。
すなわち、 本発明は、 (1) 前記式 (I) で表される化合物もしくはその塩また はそれらの水和物に関し、 更に、 (2) 前記 (1) において R1は式
〔式中、 R3、 R4、 R5、 R 6および mは前記(1)に記載の定義と同意義を示す。 〕 で表される基であってもよく、 (3) 前記 (1) または (2) において R3、 R4、 R 5および R 6は同一または相異なって水素原子または置換されていてもよい C卜 6アルコキシ基であってもよく、 (4) 前記 (1) または (2) において R3、 R4、 R 5および R 6は同一または相異なって水素原子または置換されていてもよいメト キシ基であってもよく、 (5) 前記 (1) または (2) において mは整数 1であつ てもよく、 (6) 前記 (1) において R1は [ (5, 6—ジメ卜キシ一 2—フルォ ロー 1一インダノン) —2—ィル] メチル基であってもよく、 (7) 前記 (1) ま たは (2) において R 2は水素原子であってもよく、 (8) 前記 (1) または (2)
において R2は置換されていてもよい C — 6アルキル基であってもよく、 (9)前記 (1) または (2) において R 2は (1)ハロゲン原子、 (2)水酸基または (3)二トリル基 で置換されていてもよい — 6アルキル基であってもよく、 (10) 前記 (1) ま たは (2) において R2はメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i s o—プロピ ル基、 2—メチル— 1一プロピル基または t e r t—プチル基であってもよく、 (1 1) 前記 (1) において化合物は 4— [ (5, 6—ジメトキシ _ 2 _フルオロー 1 一インダノン) 一 2—ィル] メチルピペリジン、 4— [ (5, 6—ジメトキシ一 2 一フルオロー 1一インダノン) 一2—ィル] メチル _ 1—メチルビペリジン、 4— [ (5, 6—ジメトキシー 2—フルオロー 1_インダノン) 一 2 fル] メチルー 1一 (1—メチルェチル) ピぺリジンまたは 4— [ (5, 6—ジメトキシー 2—フ ルオロー 1—インダノン) 一 2_ィル] メチル—1— (2—メチルプロピル) ピぺ リジンであってもよく、 また、 本発明は、 (12) 前記 (1) 記載の化合物もしく はその塩またはそれらの水和物を含有してなる医薬にも関し、 更に、 (13) 前記 (12) において当該医薬はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤であってもよく、 (14) 前記 (12) において当該医薬は老人性痴呆症、 脳血管性痴呆または注意 欠陥多動障害の治療剤、 予防剤または改善剤であってもよく、 (15)前記 (14) において老人性痴呆症はアルッ八イマ一型老年痴呆症であってもよい。 更に、 本発 明は、 (16) 式
(Π)
〔式中、 R 11は下記置換基
〔式中、 R3、 R4、 R5、 R6、 R7、 m、 pおよび部分構造 で表される結合はそれぞれ前記 (1) 記載の定義と同意義を示す〕 からなる群から 選ばれるいずれか 1つの基を示し; R2は前記 (1) 記載の定義と同意義を示す。 〕 で表される化合物をフッ素化し、必要に応じて塩にすることを特徴とする前記( 1 ) 記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物の製造法にも関し、 (17) 前 記 (16) に記載の製造法においてフッ素化剤は N—フルォロベンゼンスルホンィ ミド、 3—シクロへキシルー 2—フルオロー 2, 3—ジヒドロ一 3—メチルー 1 , 1—ジォキシドー 1, 2—べンズイソチアゾールまたは 2—フルオロー 3, 3—ジ メチル—2, 3—ジヒドロー 1, 2—べンズイソチアゾール一 1 , 1—ジォキシド であってもよい。
本発明は、 上記式 (I) で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物 の薬理学上有効量を患者に投与することにより、 ァセチルコリンエステラーゼ阻害
が有効な疾患を予防、 治療または改善する方法を提供する。
本発明は、 上記式 (I ) で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物 をァセチルコリンエステラーゼ阻害が有効な疾患の予防剤、 治療剤または改善剤の 製造のために用いる用途を提供する。
本発明におけるァセチルコリンエステラーゼ阻害が有効な疾患とは、 ァルツハイ マ一型老年痴呆症を含む老人性痴呆症、 脳血管性痴呆又は注意欠陥多動障害を含む。 発明の詳細な説明
以下に、 本願明細書において記載する記号、 用語等の意味を説明し、 本発明を詳 細に説明する。
本願明細書中においては、 化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあ るが、 本発明には化合物の構造上生ずる総ての幾何異性体、 不斉炭素に基づく光学 異性体、 立体異性体、 互変異性体等の異性体および異性体混合物を含み、 便宜上の 式の記載に限定されるものではなく、 いずれか一方の異性体でも混合物でもよい。 従って、 本発明化合物には、 分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体およびラセミ 体が存在することがあり得るが、 本発明においては限定されず、 いずれもが含まれ る。 また、 結晶多形が存在することもあるが同様に限定されず、 いずれかの結晶形 が単一であってもまたは結晶形混合物であってもよい。本発明にかかる化合物( I ) またはその塩は、 無水物であっても水和物であってもよく、 いずれも本願明細書の 特許請求の範囲に含まれる。 本発明にかかる化合物 (I ) が生体内で分解されて生 じる代謝物、 ならびに、 本発明にかかる化合物 (I ) またはその塩のプロドラッグ も本願明細書の特許請求の範囲に包含される。
fR 1の意義 Ί
前記式 (I ) 中、 R 1の定義において、 R 3、 R 4、 R 5および R 6で示される 「ハ ロゲン原子」 とは、 例えばフッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子等の原子 を示し、 好ましくはフッ素原子、 塩素原子、 臭素原子である。
R 3、 R 4、 R 5および R 6で示される 「置換されていでもよい炭化水素基」 におけ る 「炭化水素基」 とは、 C ^ eアルキル基等の鎖状炭化水素基または C 3_ ンクロ
アルキル基等の環状炭化水素基を意味する。 R3、 R R5、 R6および R7で示さ れる rc^ 6アルキル基」 とは、 炭素数 1ないし 6のアルキル基を意味し、 例えば メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i s o_プロピル基、 n—ブチル基、 i s o—プチル基、 t e r t一ブチル基、 n—ペンチル基、 i s o—ペンチル基、 ネオ ペンチル基、 へキシル基、 1一メチルプロピル基、 1一メチルブチル基、 2—メチ ルブチル基、 等の直鎖または分枝状アルキル基があげられる。
R3、 R4、 R5および R6で示される 「C3_8シクロアルキル基」 とは、 炭素数 3 乃至 8の環状アルキル基を意味し、 例えばシクロプロピル基、 シクロブチル基、 シ クロペンチル基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基、 シクロォクチル基等があ げられる。
R3、 R4、 R 5および R 6で示される 「0^6アルコキシ基」 とは、 前記定義にお ける 「じ卜6アルキル基」 に同意義の基が酸素原子と結合した基を意味し、 例えば メトキシ基、 エトキシ基、 n—プロポキシ基、 i s o—プロポキシ基、 n—ブトキ シ基、 i s o—ブトキシ基、 t e r t—ブトキシ基、 ペンチルォキシ基、 へキシル ォキシ基、 等の直鎖または分枝状アルコキシ基があげられる。
R3、 R4、 R5および R6で示される 「。^6アルコキシアルコキシ基」 とは、 前 記定義における C _ 6アルコキシ基に同意義の基にさらに 「0^6アルコキシ基」 が結合した基を意味し、 例えばメトキシメ卜キシ基、 メトキシェトキシ基、 メトキ シプロポキシ基、 エトキシメトキシ基、 エトキシエトキシ基、 エトキシプロポキシ 基、 プロポキシプロポキシ基等があげられる。
R3、 R4、 R5および R6で示される 「ハロゲン化 C^ 6アルキル基」 とは、 前記 定義における — 6アルキル基に同意義の 「。^6アルキル基」 に 1または 2個以 上の同一または相異なる八ロゲン原子が結合した基を意味し、 例えばクロロメチル 基、 ジクロロメチル基、 トリクロロメチル基、 フルォロメチル基、 ジフルォロメチ ル基、 トリフルォロメチル基、 フルォロェチル基、 ジフルォロェチル基、 トリフル ォ口ェチル基等があげられる。
R3、 R4、 R5および R6で示される 「ヒドロキシ アルキル基」 とは、 前記 定義における 6アルキル基に同意義の基に 1または 2個以上の水酸基が結合し
た基を意味し、 例えばヒドロキシメチル基、 ヒドロキシェチル基、 2, 3-ジヒドロ キシプロピル基等があげられる。
R3、 R4、 R5および R6で示される 「シァノ。 6アルキル基」 とは、 前記定義 における C x― 6アルキル基に同意義の基に 1または 2個以上のシァノ基が結合した 基を意味し、 具体的には例えばシァノメチル基、 シァノエチル基、 シァノプロピル 基等があげられる。
R3、. R4、 R5および R6で示される 「ハロゲン化 アルコキシ基」 とは、 前 記定義におけるハロゲン化 C _ 6アルキル基に同意義の 「ハロゲン化 Cェ _ 6アルキ ル基」 が酸素原子に結合した基を意味し、 「ヒドロキシ 6アルコキシ基」 とは、 前記定義におけるヒドロキシ アルキル基に同意義の 「ヒドロキシ アル キル基」 が酸素原子に結合した基を意味し、 また、 「シァノじェ— 6アルコキシ基 j とは、 前記定義におけるシァノ C ^6アルキル基に同意義の 「シァノじェ アルキ ル基」 が酸素原子に結合した基を意味する。
R3、 R4、 R5および R6で示される re 6ァシル基」 とは、 炭素数 1ないし 6 の脂肪酸から誘導される直鎖または分枝状ァシル基を意味し、 例えばホルミル基、 ァセチル基、 プロピオニル基、 プチリル基、 イソプチリル基、 バレリル基、 イソバ レリル基、 ビバロイル基、 へキサノィル基等があげられる。
R3、 R4、 R5および R6で示される 「置換されていてもよいアミノ基」 とは、 窒 素原子が C i— 6アルキル基等の基で置換されていてもよいアミノ基を意味し、 さら に、 当該アミノ基には環状のアミノ基も含まれる。 当該 「置換されていてもよいァ ミノ基」 としては、 例えばアミノ基 (一 NH2) 、 メチルァミノ基 (一 NHCH3) 、 ジメチルァミノ基 (_N(CH3)2) 、 ピロリジニル基、 ビラゾリニル基、 ピベリジ ル基、 ピペラジニル基等があげられる。
R3、 R R5および R6で示される 「置換されていてもよいアミド基」 とは、 窒 素原子が アルキル基等の基で置換されていてもよいアミド基を意味し、 さら に、 当該アミド基には環状ァミンのアミド基も含まれる。 当該 「置換されていても よいアミド基」 としては、例えばアミド基(—CONH2) 、 N-メチルアミド基(一 CONHCH3) 、 N,N-ジメチルアミド基 (― C〇N(CH3)ゥ) 、 N-ェチルアミド
基 (—CONHC2H5) 、 Ν,Ν-ジェチルアミド基 (—CON(C2H5)2) 、 N-メ チル ェチルアミド基 (一 CON(CH3)C2H5) 、 ピロリジニルカルポニル基、 ピラゾリニルカルボニル基、 ピペリジルカルポニル基、 ピペラジニルカルボニル基 等があげられる。
R3、 R4、 R5および R6で示される 「じ 6チォアルコキシ基」 とは、 前記定義 における — 6アルキル基に同意義の基が硫黄原子に結合した基を意味し、 例えば メチルチオ基 (一 SCH3) 、 ェチルチオ基 (一 SC2H5) 等があげられる。
前記式 (I) 中、 R1の定義において、 記号 mは 0または 1ないし 6の整数を示 すが、 mとして好ましくは 0または 1ないし 5の整数であり、 より好ましくは 0ま たは 1ないし 3の整数であり、 さらに好ましくは 0または 1ないし 2の整数であり、 もっとも好ましくは 0または 1である。 また、 記号!)は 1または 2の整数を示すが、 pとして好ましくは 1である。
前記式 (I) において、 ; R1としては
で表わされる基から選ばれるいずれかの基をとることができるが、 好ましくは式
〔式中、 R3、 R4、 R5、 R 6および mは前記定義に同意義を示す。 〕 で表される基 である。 かかる場合において、 好ましくは R3、 R4、 R5および R6が同一または相 異なって水素原子、 ハロゲン原子、 水酸基、 C^eアルキル基、 Ci-6アルコキシ 基、 ハロゲン化 d— 6アルキル基、 ヒドロキシ — 6アルキル基、 シァノ — 6ァ ルキル基、 ハロゲン化 アルコキシ基、 ヒドロキシ アルコキシ基または シァノ Ci_6アルコキシ基であり、 かつ、 mが 0または 1ないし 5の整数である場 合である。 より好ましくは R3、 R4、 R5および R6が同一または相異なって水素原 子、 C^ 6アルコキシ基、 ハロゲン化じい 6アルコキシ基、 ヒドロキシ C 6アル コキシ基またはシァノ アルコキシ基であり、 かつ、 mが 0または 1ないし 3 の整数である場合である。 さらに好ましくは R3、 R4、 R 5および R 6が同一または 相異なって水素原子または Ci_6アルコキシ基 (例えばメトキシ基、 エトキシ基、 n-プロポキシ基、 i-プロポキシ基等) であり、 かつ、 mが 1または 2である場合で ある。 もっとも好ましくは R 3および R 6が水素原子であり、 R4および R 5が同一ま たは相異なる アルコキシ基 (例えばメトキシ基、 エトキシ基、 n-プロポキシ 基、 i-プロポキシ基等) であり、 かつ、 mが 1または 2である場合である。 R1とし
ては、 もっとも好ましくは [(5, 6—ジメトキシ一 2—フルオロー 1一インダノン) —2—ィル]メチル基である。
[R2の意義]
前記式(I)において、 R 2で示される「置換されていてもよい 6アルキル基」 における 「じト 6アルキル基」 とは、 前記定義における アルキル基に同意義 を示し、 例えばメチル基、 ェチル基、 n-プロピル基、 i-プロピル基、 n-プチル基、 ブチル基、 tert-ブチル基、 n-ペンチル基、 i -ペンチル基、 ネオペンチル基、 n -へキシル基、 1-メチルプロピル基、 1,2-ジメチルプロピル基、 2-ェチルプロピ ル基、 1-メチル -2-ェチルプロピル基、 1-ェチル -2-メチルプロピル基、 1,1,2- トリメチルプロピル基、 1-メチルプチル基、 2-メチルブチル基、 1,1-ジメチルブ チル基、 2, 2-ジメチルプチル基、 2-ェチルブチル基、 1,3-ジメチルプチル基、 2 -メチルぺンチル基、 3 -メチルぺンチル基等の直鎖または分枝状アルキル基があ げられ、 好ましくはメチル基、 ェチル基、 n-プロピル基、 i-プロピル基、 2-メチ ル -1-プロピル基、 プチル基である。
R2で示される 「置換されていてもよい C2_6アルケニル基」 における 「C2_67 ルケごル基」 とは、 炭素数が 2ないし 6個のアルケニル基をいい、 例えばビニル基、 ァリル基、 1-プロぺニル基、 イソプロぺニル基、 1-ブテン-1-ィル基、 1-ブテン- 2-ィル基、 1-ブテン- 3-ィル基、 2-ブテン- イル基、 2-ブテン- 2ィル基等の直 鎖状または分枝鎖状の C2一 6アルケニル基があげられ、 好ましはビニル基、 ァリル 基、 イソプロぺニル基である。
R2で示される 「置換されていてもよい C2_6アルキニル基」 における 「C2_67 ルキニル基」 とは、 炭素数が 2ないし 6個のアルキンから誘導されるアルキニル基 をいい、 例えばェチニル基、 1-プロピニル基、 2-プロピニル基、 プチ二ル基、 ぺ ンチニル基、 へキシニル基等の直鎖状または分子鎖状の C2_6アルキニル基があげ られる。
R2で示される 「置換されていてもよい アルキル基」 、 「置換されていても よい C2_6アルケニル基」 および 「置換されていてもよい C2_6アルキニル基」 に おける当該 「置換基」 としては、 例えばノヽロゲン原子、 水酸基、 二トリル基、 C卜
6アルキル基、 C3— 8シクロアルキル基、 アルコキシ基、 C — 6アルコキシァ ルコキシ基、 ァリールォキシ基、 ァラルキルォキシ基、 ハロゲン化 アルキル 基、 ヒドロキシ 6アルキル基、 シァノ 6アルキル基、 ハロゲン化 Ci— 6ァ ルコキシ基、 ヒドロキシ アルコキシ基、 シァノ C 6アルコキ'シ基、 ァシル基、 ニトロ基、 置換されていてもよいアミノ基、 置換されていてもよいアミ ド基、 メルカプト基、 〇ト6チォアルコキシ基等があげられ、 好ましくはハロゲン 原子、 水酸基、 二トリル基である。
当該 「置換基」 としての 「ハロゲン原子」 、 「Ci一 6アルキル基」 、 「C3_8シ クロアルキル基」 、 「。 アルコキシ基」 、 rCi— 6アルコキシアルコキシ基」 、
「ハロゲン化〇ュ_
6アルキル基」 、 「ヒドロキシ
アルキル基」 、 「シァ
_6アルキル基」 、 「ハロゲン化 アルコキシ基」 、 「ヒドロキシ Ci— 6アルコ キシ基」 、 「シァノ C^eアルコキシ基」 、 「。^6ァシル基」 、 「置換されてい てもよぃァミノ基」 、 「置換されていてもよいアミド基」 、 「メルカプト基」 およ び 「。^6チォアルコキシ基」 とは、 それぞれ前記定義に同意義を示す。 また、 前 記 「ァリールォキシ基」 における 「ァリール基」 とは、 芳香環を構成した炭化水素 環基を意味し、 例えばフエニル基、 インデニル基、 ナフチル基、 ァズレニル基、 へ プ夕レニル基、 アンスニル基、 フエナントレニル基等の単環式、 二環式または三環 式のァリール基があげられる。 当該 「ァリールォキシ基」 とは、 前記ァリール基が 酸素原子と結合した基を意味し、 例えばフエノキシ基、 ナフチルォキシ基等があげ られる。 前記 「ァラルキルォキシ基」 とは、 前記ァリール基に同意義の基がじ卜6 アルキル基と結合し、 当該ァリールアルキル基がさらに酸素原子と結合した基を意 味し、 例えばべンジルォキシ基、 フエニルェトキシ基、 フエニルプロポキシ基、 ナ フチルメトキシ基等があ. られる。
R2としては、好ましくは水素原子または置換されていてもよい アルキル基 であり、 より好ましくは水素原子、 それぞれ置換されていてもよいメチル基、 ェチ ル基、 n-プロピル基、 i s o-プロピル基、 2 -メチル -1-プロピル基、 t e r t-ブ チル基であり、 さらに好ましくは水素原子である。
以上、 前記式 (I) における R1および R2の意義を示したが、 R1および R2は独
立して各定義に基づく基を選ぶことができ、 その組合せが限定されるものでないこ とはいうまでもないが、 本発明にかかる化合物 (I) のより好ましい態様としては、 R1が式
〔式中、 各記号は前記定義に同意義を示す。 〕 で表わされる基であり、 かつ、 R2 が水素原子または置換されていてもよい C 6アルキル基である場合であり、 さら に好ましい態様としては、 R1が 5,6—ジメトキシ一 2—フルオロー 1一インダノ ン— 2—ィル基であり、 かつ、 R 2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよ いメチル基、 ェチル基、 n-プロピル基、 i s o-プロピル基、 2-メチル -1-プロピ ル基もしくは t -プチル基である場合であり、 もっとも好ましい態様としては R 1が 5,6—ジメトキシ— 2—フルオロー 1一インダノン— 2—^ fル基であり、 かつ、 R 2が水素原子である場合である。 本発明にかかる化合物 (I) のもっとも好ましい 態様には、 例えば 4一 [ (5, 6—ジメトキシー 2—フルオロー 1—インダノン) -2 -ィル] メチリレビペリジン、 4— [ (5, 6—ジメトキシー 2—フルオロー 1 一インダノン) —2—ィル] メチル _ 1—メチルビペリジン、 4一 [ (5, 6—ジ メトキシー 2—フルオロー 1—インダノン) 一 2一^ rル] メチルー 1一 ( 1ーメチ ルェチル) ピぺリジン、 4_ [ (5, 6—ジメトキシ一 2—フルオロー 1一インダ ノン) 一 2—ィル] メチルー 1一 (2—メチルプロピル) ピぺリジン、 等から選ば れるいずれかの化合物があげられが、 本発明がこれらに限定されるものでないこと はいうまでもないことである。
本願明細書における 「塩」 とは薬理学的に許容される塩を示し、 本発明に^かる 化合物と付加塩を形成したものであれば特に限定されないが、 例えばフッ化水素酸 塩、 塩酸塩、 臭化水素酸塩、 ヨウ化水素酸塩などのハロゲン化水素酸塩;硫酸塩、 硝酸塩、 過塩素酸塩、 リン酸塩、 炭酸塩、 重炭酸塩などの無機酸塩;酢酸塩、 シュ ゥ酸塩、 マレイン酸塩、 酒石酸塩、 フマル酸塩などの有機カルボン酸塩;メタンス
ルホン酸塩、 トリフルォロメタンスルホン酸塩、 エタンスルホン酸塩、 ベンゼンス ルホン酸塩、 トルエンスルホン酸塩、 カンファースルホン酸塩などの有機スルホン 酸塩;ァスパラギン酸塩、 グルタミン酸塩などのアミノ酸塩; トリメチルァミン塩、 トリェチルァミン塩、 プロ力イン塩、 ピリジン塩、 フエネチルベンジルァミン塩な どのァミンとの塩;ナトリウム塩、 カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシゥ ム塩、 カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩等があげられ、 好ましくは塩酸塩、 シユウ酸塩である。
本発明にかかる化合物の製造方法としては種々の方法が考えられるが、 代表的な 方法としては、 例えば以下の方法があげられる。 すなわち、 本発明にかかる化合物
〔式中、 R 1 1は下記置換基
(式中、 R3、 R4、 R5、 R6、 R7、 m、 pおよび部分構造二 で表される結合 は前記定義に同意義を示す。 ) から選ばれたいずれかの基を示す;
R2は前記定義に同意義を示す。 〕 で表される 4一置換ピぺリジン誘導体をフッ 素化し、 必要に応じて塩にすることにより製造することができる。 当該製造法にお いては、 一般的には、 まず塩基と反応させ、 次いでフッ素化剤と反応させることに より、 好ましい結果が得られる。 使用する塩基としては、 強塩基が好ましく、 その 種類は特に限定されないが、 例えばリチウム ' ビス (トリメチルシリル) アミド、 n—ブチルリチウム、 リチウムジイソプロピルアミド、 ナトリウムアミド、 水素化 ナトリウム、 ナトリウムメトキシド、 ナトリウムエトキシド、 カリウム, t—ブト キシド、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム等があげられる。 使用するフッ素化剤 としては、 例えば N—フルォロベンゼンスルホンイミド (NFS I, CAS登録番 号: [133745-75-2]) 、 3—シクロへキシル— 2—フルオロー 2 , 3—ジヒドロ一 3 —メチルー 1, 1ージォキシドー 1, 2—ベンズイソチアゾール (CM I T— F, 同: [186806- 24-6] [196106-79-3]) 、 2—フルオロー 3, 3—ジメチル _ 2, 3— ジヒドロー 1, 2—ベンズイソチアゾ一ルー 1 , 1—ジォキシド (CAS登録番 号: [124170-23-6]) 、 ジェチルァミノ硫黄トリフルオリド (DAST, 同: [38078- 09-0]) 、 N, N—ジェチルー 1, 1 , 2, 3, 3, 3一へキサフルォロプロピルァ ミン (石川試薬) 、 フッ化水素、 テトラアルキルアンモニゥムフルオリド、 フッ化 カリウム、 フッ化セシウム、 フッ化水素—ピリジン (オラー試薬) 等があげられ、 好ましくは N—フルォロベンゼンスルホンイミド、 3—シクロへキシルー 2 _フル オロー 2, 3—ジヒドロー 3—メチル— 1, 1—ジォキシドー 1, 2—べンズイソ
チアゾ一ル、 2—フルオロー 3, 3—ジメチルー 2, 3—ジヒドロ一1, 2—ベン ズイソチアゾ一ルー 1, 1 _ジォキシドがあげられる。 使用する溶媒としては、 前 記強塩基やフッ素化剤に対して不活性な溶媒であれば特に限定されないが、 例えば テトラヒドロフラン (THF) 、 1, 2—ジメトキシェタン (DME, エチレング リコールジメチルェ一テル) 、 ェチルエーテル、 イソプロピルエーテル、 ブチルェ 一テル、 1, 3 _ジォキサン、 1, 4一ジォキサン、 1, 3—ジォキゾラン、 ベン ゼン、 トルエン、 キシレン、 シクロへキサン、 n—へキサン、 n—ペンタン、 n— オクタン、 石油エーテル、 等があげられ、 これらの溶媒は単独でも 2種以上の混合 物であってもよい。
なお、 前記式 (II) で表わされる 4一置換ピぺリジン誘導体は、 例えば特開昭 6 4-79151号公報 (EP- 296560-A 1号公報) 、 特開平 55— 1401 49号公報 (EP— 487071 -A 1号公報) 、 特表平 6— 500794号公報、 特表平 6— 510788号公報、 特表平 6— 508904号公報、 特開平 5— 27 9355号公報、 特開平 5— 320160号公報、 特開平 6— 116237号公報、 特開平 6— 41070号公報、 等に記載の方法と同様またはこれらに準じた方法に 従って製造することができる。
なお、 本発明化合物の製造における原料化合物は、 塩や水和物を形成していても よく、 反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではない。 また、 本発明 に係る化合物 (I) がフリー体として得られる場合、 前記の化合物 (I) が形成し ていてもよい塩の状態に常法に従って変換することができる。 また、 本発明に係る 化合物 (I) について得られる種々の異性体 (例えば幾何異性体、 不斉炭素に基づ く光学異性体、 立体異性体、 互変異性体、 等) は、 通常の分離手段、 例えば再結晶、 ジァステレオマ一塩法、 酵素分割法、 種々のクロマトグラフィー (例えば薄層クロ マトグラフィ一、 カラムクロマトグラフィー、 ガスクロマ卜グラフィ一、 等) を用 いることにより精製し、 単離することができる。
本発明にかかる前記式 (I) で表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの 水和物は、 慣用される方法により製剤化することが可能で、 好ましい剤形としては 錠剤、 散剤、 細粒剤、 顆粒剤、 被覆錠剤、 カプセル剤、 シロップ剤、 トローチ剤、
吸入剤、 坐剤、 注射剤、 軟膏剤、 眼軟膏剤、 点眼剤、 点鼻剤、 点耳剤、 パップ剤、 ローション剤等があげられる。 製剤化には、 通常用いられる賦形剤、 結合剤、 崩壊 剤、 滑沢剤、 着色剤、 矯味矯臭剤や、 および必要により安定化剤、 乳化剤、 吸収促 進剤、 界面活性剤、 p H調整剤、 防腐剤、 抗酸化剤などを使用することができ、 一 般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合して常法により製剤化可能で ある。 これらの成分としては例えば (1)大豆油、 牛脂、 合成グリセライド等の動植物 油;(2)流動パラフィン、 スクヮラン、 固形パラフィン等の炭化水素;(3)ミリスチン 酸ォクチルドデシル、 ミリスチン酸ィソプロピル等のエステル油;(4)セトステアリ ルアルコール、 ベへニルアルコール等の高級アルコール; (5)シリコン樹脂; (6)シリ コン油;(7)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、 ソルビタン脂肪酸エステル、 ダリ セリン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンソルビ夕ン脂肪酸エステル、 ポリオキ シェチレン硬化ひまし油、 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポ リマー等の界面活性剤;(8)ヒドロキシェチルセルロース、 ポリアクリル酸、 力ルポ キシビ二ルポリマー、 ポリエチレングリコール、 ポリビニルピロリドン、 メチルセ ルロースなどの水溶性高分子;(9)エタノール、 イソプロパノールなどの低級アルコ ール;(10)グリセリン、 プロピレングリコール、 ジプロピレングリコール、 ソルビ ] ^一ルなどの多価アルコール;(11)グルコース、 ショ糖などの糖;(12)無水ケィ酸、 ケィ酸アルミニウムマグネシウム、 ケィ酸アルミニウムなどの無機粉体;(13)精製 水などがあげられる。
1)賦形剤としては、 例えば乳糖、 コーンスターチ、 白糖、 ブドウ糖、 マンニトー ル、 ソルピット、 結晶セルロース、 二酸化ケイ素等; 2)結合剤としては、 例えばポ リビニルアルコール、 ポリビニルエーテル、 メチルセルロース、 ェチルセルロース、 アラビアゴム、 トラガント、 ゼラチン、 シェラック、 ヒドロキシプロピルセルロー ス、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース、 ポリビニルピロリドン、 ポリプロピレ ングリコール ·ポリオキシエチレン ·ブロックポリマー、 メダルミン、 クェン酸力 ルシゥム、 デキストリン、 ぺクチン等; 3)崩壊剤としては、 例えば澱粉、 寒天、 ゼ ラチン末、 結晶セルロース、 炭酸カルシウム、 炭酸水素ナトリウム、 クェン酸カル シゥム、 デキストリン、 ぺクチン、 カルポキシメチルセルロース ·カルシウム等;
4)滑沢剤としては、 例えばステアリン酸マグネシウム、 タルク、 ポリエチレンダリ コール、 シリカ、 硬化植物油、 等; 5)着色剤としては医薬品に添加することが許可 されているものであれば、 いかなるものでもよく ; 6)矯味矯臭剤としては、 ココア 末、 ハツ力脳、 芳香散、 八ッカ油、 竜脳、 桂皮末等; 7)抗酸化剤としては、 ァスコ ルビン酸、 α—トコフエロール、 等、 医薬品に添加することが許可されているもの がそれぞれ用いられる。
1)経口製剤は、 本発明にかかる化合物またはその塩に賦形剤、 さらに必要に応じ て結合剤、 崩壊剤、 滑沢剤、 着色剤、 矯味矯臭剤などを加えた後、 常法により散剤、 細粒剤、 顆粒剤、 錠剤、 被覆錠剤、 カプセル剤等とする。 2)錠剤 ·顆粒剤の場合に は、 糖衣、 ゼラチン衣、 その他必要により適宜コーティングすることはもちろん差 支えない。 3)シロップ剤、 注射用製剤、 点眼剤、 等の液剤の場合は、 ρ Η調整剤、 溶解剤、 等張化剤、 等と、 必要に応じて溶解補助剤、 安定化剤、 緩衝剤、 懸濁化剤、 抗酸化剤、 等を加えて、 常法により製剤化する。 該液剤の場合、 凍結乾燥物とする ことも可能で、 また、 注射剤は静脈、 皮下、 筋肉内に投与することができる。 懸濁 化剤における好適な例としては、 メチルセルロース、 ポリソルベー卜 8 0、 ヒドロ キシェチルセルロース、 アラビアゴム、 トラガント末、 カルポキシメチルセルロー スナトリウム、 ポリオキシエチレンソルピタンモノラウレート、 等;溶解補助剤に おける好適な例としては、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、 ポリソルべ一ト 8 0、 ニコチン酸アミド、 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等;安定化剤に おける好適な例としては、亜硫酸ナトリゥム、メタ亜硫酸ナトリゥム、エーテル等; 保存剤における好適な例としては、 パラォキシ安息香酸メチル、 パラォキシ安息香 酸ェチル、 ソルビン酸、 フエノール、 クレゾール、 クロロクレゾール等があげられ る。 また、 4)外用剤の場合は、 特に製法が限定されず、 常法により製造することが できる。 使用する基剤原料としては、 医薬品、 医薬部外品、 化粧品等に通常使用さ れる各種原料を用いることが可能で、 例えば動植物油、 鉱物油、 エステル油、 ヮッ クス類、 高級アルコール類、 脂肪酸類、 シリコン油、 界面活性剤、 リン脂質類、 ァ ルコール類、 多価アルコール類、 水溶性高分子類、 粘土鉱物類、 精製水などの原料 が挙げられ、 必要に応じ、 ρ Η調整剤、 抗酸化剤、 キレート剤、 防腐防黴剤、 着色
料、 香料などを添加することができる。 さらに、 必要に応じて分化誘導作用を有す る成分、 血流促進剤、 殺菌剤、 消炎剤、 細胞賦活剤、 ビタミン類、 アミノ酸、 保湿 剤、 角質溶解剤、 等の成分を配合することもできる。
本発明にかかる医薬の投与量は、 症状の程度、 年齢、 性別、 体重、 投与形態 ·塩 の種類、 薬剤に対する感受性差、 疾患の具体的な種類、 等に応じて異なるが、 通常、 成人の場合は 1日あたり経口投与で約 3 0 gないし 1 0 0 0 m g、 好ましくは 1 0 0 gないし 5 0 0 m g、 さらに好ましくは 1 0 0 gないし 1 0 O m gを、 注 射投与で約 1ないし 3 0 0 0 n g /k g , 好ましくは 3ないし 1 0 0 O ^ g/ k g を、 それぞれ 1回または数回に分けて投与する。
本発明により、 前記式 (I ) で表わされる新規な化合物、 その塩、 およびそれら の水和物を提供することができた。 本発明にかかる前記式 (I ) で表わされる化合 物もしくはその塩またはそれらに水和物は、 優れたァセチルコリンエステラーゼ阻 害活性を示し、 従って、 各種老人性痴呆症、 脳血管性痴呆、 注意欠陥多動障害の治 療剤、 予防剤または改善剤として有用であり、 特に、 アルツハイマー型老年痴呆の 治療剤、 予防剤または改善剤として有用である。 実施例
以下に本発明にかかる前記式 (I ) で表わされる化合物またはその塩における最 良の実施態様をあげるが、 以下の参考例、 実施例および試験例は例示的なものであ つて、 本発明にかかる化合物またはその塩は、 如何なる場合も以下の具体例に制限 されず、 当業者はこれらの具体例ならびに本願特許請求の範囲に様々な変更を加え 本発明を実施することができ、 かかる変更は本願特許請求の範囲に包含される。 実施例 1
4 -JI5 , -ジメトキシ - 2 -フルォロ - 1インダノン) - 2ィル 1メチルビペリジン.塩酸
1一べンジルー 4一 [ (5, 6—ジメトキシー 2—フルォロ一 1一インダノン) 一 2—ィル] メチルビペリジン 0.25 g (0.63mmo 1 ) を 1, 2—ジクロ口 ェタン 5mlに溶解し、 1一クロ口ェチルクロ口ホルメート 0.8 lm 1 (0.77 mmo 1) を加えた。 1時間加熱還流した後、 減圧濃縮し、 メタノール 5mlを加 え、 さらに 40分間加熱還流した。 減圧濃縮して得られた残渣を、 メタノールージ ェチルエーテルから再結晶し、 淡黄白色結晶の標題化合物 (遊離体) 0.1 9 gを得 た (収率; 9 8%) 。 標題化合物の遊離体の物理化学データは以下の如くであった。 融点:234-238で (分解) .
1H-NMR(400Mz:CD3OD) δ 1.45-1.60 (2H,m), 1.77 (1H, ddd, ^=6Hz, J^U.SHz, ^30Hz), 1.94-2.14 (4H, m), 2.94-3.06 (2H, m), 3.22-3.48 (4H, m), 3.86 (3H, s), 3.95 (3H, s), 7.07 (1H, s), 7.18 (1H, s).
これを常法により塩酸塩にし、 95%エタノール Zt e r t一ブチルメチルエー テルから再結晶して、 淡黄白色結晶の標題化合物を得た。 標題化合物 (塩酸塩) の 物理化学データは以下の如くであった。
融点: >240 (分解) .
1H-NMR(400Mz:CDCl3) δ 1.72-2.17 (7H,m), 2.91 (2H,bs), 3.19-3.39 (2H,m), 3.48 (2H,bs), 3.92 (3H,s), 3.99 (3H,s), 6.84 (lH,s), 7.18 (lH,s), 9.31 (1H bs), 9.56 (1H, bs).
ESI-MS: m/z = 308 (M+H+).
実施例 2
4 -K 5, 6-ジメトキシ -2-フルォ口- 1-インダノン) -2ィル 1メチル -1-メチルピペリ ジン ·塩酸塩
4— [ (5 6—ジメトキシ一 2—フルォロ _ 1—インダノン) 一 2—ィル] メ チルピペリジン ·塩酸塩 68mg (0:2 Ommo 1) 中にギ酸 0.052ml (1. 39 mmm o 1 ) と 37%ホルムアルデヒド水溶液 0.1 Om 1 (1.3 S mm o 1 )
を加えた。 80 にて 3時間加熱した後、 室温まで放冷し酢酸ェチル 30mlを加 え、 1 N水酸化ナトリゥム水溶液 30 m 1、 飽和塩化ナトリゥム水溶液 3 0 m 1に て洗浄した。 乾燥 (Mg S〇4) 後、 減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロ マトグラフィー (塩化メチレン Zメタノール) にて精製し、 淡黄オイルの標題化合 物 (遊離体) 34mgを得た (収率; 53%) 。 これを常法により塩酸塩にし、 ェ 夕ノール/ t e r t一プチルメチルェ一テルから再結晶して、 淡黄白色結晶の標題 化合物を得た。 標題化合物 (塩酸塩) の物理化学データは以下の如くであった。 融点: 215-220°C (分解) .
¾-NMR (400Mz:CDCl3) δ 1.80-2.27 (7H,m), 2.72-2.86 (2H,m), 2.80 (3H,s), 3.23 (lHdd,^=9.6Hz, 16.8Hz), 3.32 (lH'dd, 17.6Hz,J^38.4Hz), 3.53 (2H,t, ≡12.SRz), 3.92 (3H,s), 4.00 (3Hs), 6.85ひ ¾s), 7.17 (lH,s). (塩酸のプロトンは 観察されず)
ESI-MS m/z = 322 (Μ+Η,.
実施例 3
4ィ(5,6-ジメトキシ -2-フルォ口- 1 -インダノン 1- 2 -ィル Jメチル- 1 -(1 -メチルェ
4- [ (5 6—ジメトキシー 2—フルオロー 1一インダノン) 一2—ィル] メ チルピペリジン '塩酸塩 5 Omg (0.1 5mmo 1 ) を DMF 3mlに溶解し、 ト リエチルァミン 0.049m 1 (0.3 5mmmo 1 ) と 2—ブロモプロパン 0. 0 1 6m l (0.1 7mmo 1 ) を加えた。 7 0 にて 6時間加熱した後、 室温まで放 冷し酢酸ェチル 3 Om 1を加え、 水 3 0m l、 飽和塩化ナトリウム水溶液 3 0 m I にて洗浄した。 乾燥 (MgS〇4) 後、 減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層ク 口マトグラフィ一 (塩化メチレン /メタノール) にて精製し、 淡黄オイルの標題化' 合物 (遊離体) 1 3mgを得た (収率; 2 6%) 。 これを常法により塩酸塩にし、 ジェチルエーテルを用いて固化し、 淡黄白色アモルファスの標題化合物を得た。 標
題化合物 (塩酸塩) の物理化学データは以下の如くであった。
¾-NMR (400Mz:CDCl3) δ: 1.43 (6H,d,^5.6Hz), 1.81(lH,bd,^12.8Hz), 1.90- 1.95 (lH,m), 1.96-2.01 (lH,m), 2.07-2.32 (4H,m), 2.69-2.86 (2H,m), 3.18-3.50 (5H,m), 3.92 (3H,s), 3.99 (3H,s), 6.84 (lH,s), 7.17 (lH,s), 11.55 (lH,bs).
ESI-MS: m/z = 350 (M+H+).
実施例 4
4 - Γ( 5, 6ジメトキシ - 2 -フルォ口 - 1インダノン) - 2 -ィル 1メチル- 1ィ 2 -メチルプ □
実施例 3と同様にして、 淡黄色オイル状の標題化合物 (遊離体) を得た (収率; 4 0 %) 。 これを常法により塩酸塩にし、 エタノール Z t e r t—プチルメチルェ 一テルから再結晶して、 淡黄白色結晶の標題化合物を得た。 物理化学データは以下 の如くであった。
融点:220-225 (分解) .
¾-NMR (400Mz:CDCl3) δ: 1.15 (6H,d,^6.8Hz), 1.78 (lH,bd,^13.2Hz), 1.93 (lH,bs), 1.99 (lH,bs), 2.08-2.40 (5H,m), 2.62-2.78 (2H,m), 2.80 (2H,d,^6.4Hz), 3.23 (lH,dd,^=9.6Hz,^16.8Hz)3 3.31 (lH'dd, 17.6Hz, 38·8Ηζ), 3.58
(2H,bt,^14Hz), 3.92 (3H,s), 3.99 (3H,s), 6.84 (lH,s), 7.17 (lH,s), 11.61 (lH,bs).
ESI-MS: m/z = 364 (M+H+). ·
以下に、 本発明にかかる化合物の医薬としての有用性を示す薬理試験例を掲げる。
[In vitroァセチルコリンエステラーゼ阻害作用]
アセチルコリンエステラーゼ源として、 ラット脳ホモジネートを用いて、 Ellman らの方法 1〉に準拠してエステラーゼ活性を測定した。 マウス脳ホモジネートに、 基 質としてァセチルチオコリン、 被検体及び D T N B [ 5, 5 ' 一ジチォビス (2— ニトロ安息香酸) ] を添加し、 インキュベーション後、 産生したチォコリンが D T N Bと反応し、 生じる黄色産物を 4 1 2 n mにおける吸光度変化として測定し、 ァ
セチルコリンエステラーゼ活性を求めた。 各被験化合物のァセチルコリンエステラ
—ゼ阻害活性を、 5 0 %阻害濃度 (I C 5 0) として求めた。 なお、 被験化合物は、 それぞれ生理食塩水に溶解して用いた。
; EUman.G.L., Courtney, K.D., Andres, V.and Feather stone, R.M., (1961), Biochem.Pharmacol., 7, 88~95.
上記試験例において、 本発明にかかる前記式 (I ) で表される化合物もしくはそ の塩またはそれらの水和物は、 有意なァセチルコリンエステラーゼ阻害活性を示し た。