明糸田書 撥水性付与クロス用処理剤及び撥水性又は撥水齙出し性付与クロス
技術分野
本発明は、 撥水性付与クロス用処理剤、 撥水性付与クロスの製造方法、 撥水付 与クロス及び持続性撥水艷出し材に関し、 特に、 自動車のボディを磨き上げたり 洗車後の水滴を拭き取るという作業を行うだけで自動車のボディに撥水性を付与 する撥水性付与クロス用処理剤、 撥水性付与クロスの製造方法、 撥水性付与クロ ス、 及び洗車後の自動車の車体を拭くことにより、 前記車体の塗装面に艷と撥水 性とを同時に付与し、 しかも艷と撥水性との持続性に優れた持続性撥水艷出し材 に関する。 背景技術
自動車の車体表面へのワックスがけ方法としては、 従来は、 以下の方法、
A. 水洗い (シャンプーによる洗浄を含む。 ) をする工程、 車体表面の水を拭 き取る工程、 ワックスをかける工程、 及びワックスを拭き取る工程からなる方法
B . ワックスを配合したシャンプーで洗浄する工程、 前記シャンプーを水で洗 い落とす工程、 及び水を拭き取る工程からなる方法、
C . 水洗い (シャンプーによる洗浄を含む。 ) する工程、 ワックス配合溶液を スプレーする工程、 及び水を拭き取る工程からなる方法、 並びに
D . ワックス配合溶液をスプレーする工程、 及び過剰分のワックス配合溶液を 拭き取る工程からなる方法
が一般的であった。
しかし、 前記方法 Aについては、 車体表面の艷、 撥水性等のワックス効果、 お よび前記ワックス効果の持続性等については十分であるが、 ワックスの乾燥及び
拭き取りにかなりの時間と労力とがかかるという問題がある。
前記方法 B及び方法 Cは、 作業は楽だが、 高いワックス効果が得られないとい う問題点がある。
前記方法 Dは、 水を使用しないので、 車体表面に付着した埃及び砂等により車 体表面に傷が付く可能性が高いという問題点がある上に、 前記方法 B及び Cと同 様に高いワックス効果が得られない。
このように、 従来のワックスがけ方法においては、 良好なワックス効果が得ら れる方法については作業性が劣り、 逆に作業性に優れる方法についてはワックス 効果が劣るという傾向があつた。 発明の開示
本発明は、 自動車ボディ表面の撥水被膜の形成における、 時間的効率の悪さや 、 ワックス拭き上げ時の作業性の悪さといった短所を克服した撥水性成分を含有 させた撥水性付与クロス用処理剤、 撥水性付与クロスの製法を提供することを目 的とする。
本発明は、 自動車のボディを磨き上げたり洗車後の水滴を拭き取るという作業 を行うだけで自動車のボディに光沢と共に撥水性を付与することのできる撥水性 付与クロスの提供を目的とする。
本発明は、 自動車の車体を水洗して表面に残った水を拭き取るという簡単な作 業だけで、 高いワックス効果が得られ、 ワックス効果の持続性にすぐれた持続性 撥水艷出し材を提供することを目的とする。 前記課題を解決することを目的とする本発明は、
( 1 ) 複数のシリコーン化合物を組み合わせて有機溶剤に溶解又は水に分散さ せたことを特徴とする撥水性付与クロス用処理剤であり、
( 2 ) 複数ののシリコーン化合物が、 下記一般式 (1 ) であらわされるトリメ チルシ口キシケィ酸を溶解してなるオルガノポリシロキサン溶液にして用いられ る前記 (1 ) に記載の撥水性付与クロス用処理剤であり、
[ (CH3) 3S i 01/2] x · [S i 02] Y … (1)
(ただし、 式中、 Xは 1〜3、 Yは 0. 5〜8を表す。 )
(3) ァミノ変性ジメチルポリシロキサン、 界面活性剤、 有機粉体、 及び無機 粉体からなる群より選択される少なくとも一種を更に含有することを特徴とする 前記 (1) に記載の撥水性付与クロス用処理剤であり、
(4) 前記 (1) に記載の撥水性付与クロス用処理剤を、 クロスに、 クロス重 量に対する前記撥水性付与クロス用処理剤中の不揮発分が 1〜 50重量部の割合 になるように、 含浸させることを特徴とする撥水性付与クロスの製造方法であり
(5) 前記 (4) に記載の方法により製造されて成ることを特徴とする撥水性 付与クロスであり、
(6) 前記 (5) に記載の撥水性付与クロスにおいて、 クロスを形成する繊維 が天然繊維又は合成繊維で形成され、 又は混紡されて成ることを特徴とする撥水 性付与クロスであり、
(7) 前記撥水性付与クロスを形成するクロスが不織布である前記 (6) に記 載の撥水性付与クロスであり、
(8) 前記不織布に使用される繊維が、 0. 3デニール未満の極細繊維である 前記 (7) に記載の撥水性付与クロスであり、
(9) 親水性繊維と疎水性繊維との重量比が 3 : 7〜7 : 3になる割合で含有 された親水性繊維と、 疎水性繊維と、 これら繊維間に含浸されて成る撥水性成分 とを有して成る撥水性不織布層、 又は、 疎水性繊維と、 これら繊維間に含浸され て成る撥水性成分及び界面活性剤とを有して成る撥水性不織布層を有することを 特徴とする持続性撥水艷出し材であり、
(10) . 前記 (9) に記載の撥水性不織布層が、 実質的に親水性繊維により 形成され、 撥水性成分を含有しない不織布層に隣接してなることを特徴とする前 記 (9) に記載の持続性撥水艷出し材であり、
(1 1) 前記親水性繊維がセルロース系繊維である前記 (9) に記載の持続性 撥水艷出し材であり、
(12) 前記疎水性繊維が、 ポリオレフイン系繊維及びポリエステル系繊維よ り成る群から選択される少なくとも一種である前記 (9) に記載の持続性撥水艷 出し材であり、
(13) 前記撥水性成分が、 トリメチルシロキシケィ酸と有機油状物とを含有 し、 水溶性の界面活性剤により oZw型乳化物を形成してなる前記 (9) に記載 の持続性撥水艷出し材であり、
(14) 前記撥水性成分が、 トリメチルシロキシケィ酸及び有機油状物を含有 し、 水溶性の界面活性剤により、 溶剤中に分散して成る前記 (9) に記載の持続 性撥水艷出し材であり、
(15) 前記有機油状物が、 ジメチルポリシロキサン、 変性シリコンオイル、 合成炭化水素油、 石油系炭化水素油、 フッ素オイル、 動物油、 高級アルコール、 及び高級脂肪酸より成る群から選択される少なくとも一種である前記 (14) に 記載の持続性撥水艷出し材であり、
(16) 防腐剤を更に含有する前記 (9) に記載の持続性撥水艷出し材である
発明を実施するための最良の形態
本発明の撥水性付与クロス用処理剤、 撥水性付与クロス、 及び撥水性付与クロ スの製造方法におけるシリコーン化合物としては、 撥水性を有するシリコーン化 合物を挙げることができ、 その中でも一般式 (1) で示されるトリメチルシロキ シケィ酸をオルガノポリシロキサンに溶解させた溶液が好ましい。
[ (CH3) 3S i 01/2] x . [S i〇2] Y - (1)
(ただし、 式中、 Xは 1〜3、 Υは 0. 5〜8を表す。 )
本発明で使用されるトリメチルシロキシケィ酸のオルガノポリシ口キサン溶液 は、 トリメチルシロキシケィ酸を粘度 5〜 10000 c s t (25°C) の範囲の ジメチルポリシロキサン等に 30〜60重量%の割合で溶解させたものであり、 例えば信越化学工業 (株) の KF— 7312K、 KF_9021、 X— 21— 5 250、 東レダウコーニングシリコーン (株) の DC— 593、 BY 1 1 - 01
8、 ヮッカーケミカルズィ一ストアジア社の V P— 1 0 3 8等を挙げることがで さる。
また、 これら以外でも一般式 (1 ) で示されるトリメチルシロキシケィ酸を前 記のようなジメチルポリシロキサンに溶解させることにより使用することができ る。 本発明に加えることができる、 トリメチルシロキシケィ酸のオルガノポリシ ロキサン溶液は、 本発明中にトリメチルシロキシケィ酸としてクロス重量に対し 0 . 5〜 2 5重量部あればよい。
また、 この外にも極性基を有し、 塗面に吸着し易いアミノ変性ジメチルポリシ ロキサンを併用して使用することができる。 ァミノ変性ジメチルポリシロキサン は、 トリメチルシロキシケィ酸のオルガノポリシロキサン溶液の撥水性及び定着 性を向上させる補助剤としての働きがある。
本発明で用いられるァミノ変性ジメチルポリシロキサンは、 ジメチルポリシ口 キサン中の側鎖、 及び末端のいずれか、 又は側鎖及び末端の両方にアミノ基を結 合させたものである。
ァミノ変性ジメチルポリシロキサンは、 トリメチルシロキシケィ酸のオルガノ ポリシロキサン溶液 1 0 0重量部に対し通常 1 0〜5 0重量部であることが好ま しい。
本発明において使用される有機溶剤としては、 揮発性であり、 撥水性成分を溶 解することができる限り特に制限がなく、 例えば工業ガソリン、 灯油、 ミネラル スピリット、 ストダートソルベント、 ノルマルパラフィン系、 イソパラフィン系 、 アルコール系、 ナフテン系、 無臭素系溶剤その他、 繊維を傷めないような溶剤 を挙げることができる。
本発明において使用される撥水性成分としては、 前記シリコーン化合物の外に 様々な添加剤例えば界面活性剤及び微粉末等を使用することができる。
前記界面活性剤はェマルジヨンにする際の乳化剤として働くだけでなく、 含浸 させた撥水性成分によって水を吸収しにくくなつた繊維性織物に吸水性を挙げる ことができる。
本発明において使用することのできる界面活性剤としては、 ァニオン系、 カチ
オン系、 ノニオン系及び両性系のいずれの界面活性剤であっても良い。 また、 界 面活性剤として、 これらの外に、 スパン系活性剤例えばモノォレインサンソルビ タン、 モノステアリン酸ソルビタン、 セスキォレイン酸ソルビタン、 モノラウリ ン酸ソルビタン、 モノパルミチン酸ソルビタン、 モノステアリン酸ソルビタン、 トリステアリン酸ソルビタン、 モノォレイン酸ソルビタン、 トリオレイン酸ソル ビ夕ン等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、 トリメチルシロキシケィ酸のオルガノポリシロキサン 溶液 1 0 0重量部に対して 1〜2 0重量部である。
本発明に使用される粉体としては、 一般に艷出し用として慣用される無機粉体 又は有機粉体を挙げることができる。 本発明に使用される粉体として、 例えば力 ォリン、 タルク、 ケィ石、 珪藻土、 パーライト、 炭酸カルシウム、 ゼォライト、 アルミナ、 水酸化アルミニウム、 不溶性シリコーン樹脂パウダー (例えば信越化 学工業株式会社の KM P— 5 9 0、 X— 5 2— 1 0 3 4、 東レダウコ一ニングシ リコ一ン (株) のトレフィル R— 9 0 1、 R - 9 0 2 ) 、 不溶性シリコ一ンゴム パウダー (例えば信越化学工業 (株) の KM P— 5 9 4、 KM P _ 5 9 5、 東レ ダウコーニングシリコーン (株) のトレフィル E— 6 0 0、 E— 6 0 4 ) 、 セル ロースパウダー、 ポリオレフインパウダー、 四フッ化工チレン樹脂パウダー、 四 フッ化工チレン六フッ化プロピレン共重合樹脂パウダー、 高級脂肪酸ビスアマィ ド、 高級脂肪酸金属石鹼、 アクリル樹脂パウダー、 エポキシ樹脂パウダー、 その 他ナイロン等の合成樹脂パウダー、 合成球状シリカパウダー、 これらに類似する 天然又は同姓の無機或いは有機のパウダーを挙げることができる。
前記粉体は、 本発明において、 トリメチルシロキシケィ酸のオルガノポリシ口 キサン溶液 1 0 0重量部に対して 2 0〜2 0 0重量部の割合で配合されるのが、 好ましい。
本発明におけるクロスに対する撥水性付与クロス用処理剤の含浸量としては、 クロスの重量に対して撥水性付与クロス用処理剤中の不揮発成分が 1〜 5 0重量 部となるように、 決定されることができる。
本発明におけるクロスとしては天然繊維及び合成繊維のいずれか又は両方を使
用して形成される織物を挙げることができる。
本発明におけるクロスに使用される天然繊維としては綿、 絹、 麻、 ゥ一ル等を 挙げることができ、 合成繊維としてはポリエステル、 ポリプロピレン、 ポリェチ レン、 ナイロン、 ビニロン、 ポリウレタン、 レーヨン等を挙げることができる。 本発明におけるクロスに使用される繊維の細さが 0 . 3デニール未満の超極細 繊維を単独又は通常の繊維と組み合わせることもできる。 0 . 3デニール未満の 超極細繊維を使用すると、 水や汚れをよく吸収することができるように成ること に加えて拭き挙げる塗装面に磨き傷を付けにくくすることができる。
撥水性成分のクロスへの含浸方法としては、 一般に知られている工業生産で用 いられているコーティング加工の方法を採用することができる。 次に、 本発明の持続性撥水艷出し材について詳述する。
この持続性撥水艷出し材は、
( 1 )親水性繊維と疎水性繊維とを特定の割合で含有し、 撥水性成分が含浸され ている撥水性不織布層を有する持続性撥水艷出し材 (以下 「態様 1の持続性撥水 艷出し材」 という。 ) 、
(2)実質的に疎水性繊維から形成され、 撥水性成分と界面活性剤とが含浸され ている撥水性不織布層を有する持続性撥水艷出し材 (以下 「態様 2の持続性撥水 艷出し材」 という。 ) 、
(3)実質的に親水性繊維から形成された第 1の不織布層と、 主に疎水性繊維か ら形成され、 前記第 1の不織布層における少なくとも一方の面に積層されてなり 、 撥水性成分が含浸されている第 2の不織布層 (第 2の撥水性不織布層と称する ことがある。 ) とを有する持続性撥水艷出し材 (以下 「態様 3の持続性撥水艷出 し材」 という。 )
の大きく 3つの態様に分けられる。
1 . 態様 1の持続性撥水艷出し材
態様 1の持続性撥水艷出し材における不織布は、 前述のように親水性繊維と疎 水性繊維とを 3 : 7〜7 : 3の割合で含有し、 好ましくは 4 : 6〜6 : 4の割合
で含有する。 前記不織布における前記親水性繊維の前記疎水性繊維に対する割合 が 3 : 7よりも小さい場合は、 不織布が十分な吸水性を有しないので、 洗車後の 車体表面に残る水を拭き取りにくくなる。 一方、 親水性繊維の疎水性繊維に対す る割合が 7 : 3よりも大きな場合には、 前記不織布の撥水性成分を保持する能力 が不十分なので、 撥水性成分が車体表面に一度に浸出され、 車体表面にむらがで き易い。 更に、 この場合、 車体表面全部を拭き上げる前に前記不織布の層から前 記撥水性成分が全て浸出されてしまう可能性がある。
親水性繊維としては、 例えば、 湿度 9 5〜 1 0 0 %での水分率が 2 0 %以上で ある繊維が挙げられ、 具体的には、 セルロース系繊維が挙げられる。
セルロース系繊維としては、 例えばビスコースレーヨン、 キュブラ、 及び鹼化 繊維等のレーヨン系繊維、 綿、 亜麻、 ラミー、 楮、 及び三椏等の植物性天然繊維
、 並びに綿リンター、 木材パルプ、 及び藁パルプ等のパルプ系繊維等が挙げられ る。
前記不織布においては、 前記レーヨン系繊維、 前記植物性天然繊維、 及び前記 パルプ系天然繊維からなる群より選択される 2種以上の繊維を併用することもで さる。
前記親水性繊維としては、 前記レーヨン系繊維及び前記パルプ系繊維が特に好 ましい。
疎水性繊維としては、 例えば、 湿度 9 5〜 1 0 0 %における水分率が 5 %以下 である繊維が挙げられ、 具体的にはポリオレフィン系繊維及びポリエステル系繊 維が挙げられる。
前記ポリオレフイン系繊維としては、 例えばポリエチレン繊維及びポリプ口ピ レン繊維等が挙げられる。
前記ポリエステル系繊維としては、 例えばポリエチレンテレフタレ一ト繊維、 ポリエチレンイソフタレー卜繊維、 ポリエチレンテレフ夕レー卜 ·ポリエチレン イソフタレート共重合体繊維等が挙げられる。
前記不織布においては、 前記ポリオレフィン系繊維及びポリエステル系繊維か らなる群より選択される 2種以上の疎水性繊維を併用することもできる。
前記不織布の具体例としては、 乾式法不織布及び湿式法不織布等が挙げられる 前記乾式法不織布としては、 例えば、 バインダによりウェブが接合されている バインダ法不織布、 並びに機械的接合法によりウェブが接合されている二一ドル パンチ不織布及びステツチボンド不織布等が挙げられる。
撥水性成分としては、 例えば、 トリアルキルシロキシ珪酸と有機性油状物の混 合物を水溶性の活性剤にて Oノ W型乳化物にしたもの、 あるいはトリアルキルシ 口キシ珪酸と有機油状物と水溶性活性剤を溶剤にて分散したものが用いられる。 前記トリアルキルシロキシ珪酸としては、 例えば以下の一般式 (2) で示され る M単位と一般式 (3) で示される Q単位とを有し、 3次元網目構造を有するシ リコ一ンレジンが挙げられる。
R1
I
R3- S i -0- … (2) R2
(R\ R2、 及び R3は、 何れも炭素数 1以上のアルキル基であり、 好ましくは 炭素数 1〜3のアルキル基である。 前記 R R2、 及び R3は、 同一であっても よく、 互いに異なっていてもよい。 )
!
〇
I
-0- S i -0- … (3)
O
I
前記トリアルキルシロキシ珪酸としては、 前記 R1 R2、 及び R 3が何れもメ チル基であるトリメチルシロキシ珪酸が好ましく、 具体的には旭化成ヮッカーシ リコーン社製 " S I L I CONE RES I N POWDER 803 TF" や 、 "S I L I CONE RES I N MK" 、 及びトーレ 'ダウコーティングシ リコーン社製 "トレフィル R 910" が挙げられる。
又、 前記有機油状物としては、 炭素数 1〜3のアルキルポリシロキサン、 アミ ノ変性ジメチルポリシロキサン、 およびアルコール変性ジメチルポリシロキサン 等のシリコーンオイル類、 フッ素オイル類、 流動パラフィン等の油状脂肪族炭化 水素類、 ポリブテンやエチレンとォレフィンの共重合物等の合成炭化水素油又は 石油系炭化水素油、 大豆油、 コーン油、 鯨油、 およびラノリン等の動植物油、 ォ レイルアルコール、 およびトリデシルアルコール等の高級アルコール類、 ォレイ ン酸、 および 1 2—ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪族類が挙げられる。 前記撥水性成分の好適例としては、 例えばトリメチルシロキシ珪酸と有機油状 物とを、 水溶性界面活性剤にて乳化した O W型乳化物からなる混合物が挙げら れる。
前記トリメチルシロキシ珪酸と有機油状物との混合物としては、 トリメチルシ 口キシ珪酸と有機油状物との重量比が 1 . 5 : 8 . 5 - 7 : 3の範囲である混合物 が、 長期間持続する高い撥水性と優れた伸びとを有する故に好ましく、 特に前記 重量比が 3 : 7〜6 : 4の範囲である混合物が好ましい。
前記撥水性成分の含浸量は、 前記不織布目付量当たり 1 0 0〜4 0 0 %の範囲 が好ましく、 特に 2 0 0〜3 0 0 %の範囲が好ましい。 ここで不織布の目付量と は、 不織布の 1平方メートル当たりの重量をいう。
前記撥水性成分溶液において不織布への浸透性向上や乾燥性向上のために溶剤 を加えてもよく、 その溶剤として、 前記撥水性成分を溶解でき、 ある程度以上の 揮発性を有する有機溶剤が挙げられ、 具体的には、 炭化水素系溶剤、 アルコール 系溶剤、 ケトン系溶剤、 及びエステル系溶剤、 並びにこれらの混合物等が挙げら れる。
前記撥水性成分溶液を前記不織布に含浸させる含浸方法として、 前記撥水性成 分溶液に前記不織布を浸漬する浸漬法、 ローラ等を用いて前記撥水性成分溶液を 前記不織布に塗布する塗布法、 及び前記撥水性成分溶液を前記不織布に噴霧する 噴霧法等を挙げることができる。
この態様 1の持続性撥水艷出し材は、 態様 2及び態様 3においても同様である が、 前記撥水性成分の外に、 必要に応じて香料、 及び防腐剤を含有することもで
きる。 特に防腐剤は、 この持続性撥水艷出し材が含水状態であるとカビが発生し やすくなるので、 持続性撥水艷出し材に含有されているのが、 好ましい。 防腐剤 としては、 安息香酸ナトリウム、 安息香酸メチル、 ソルビン酸カリウム、 及びデ ヒドロ酢酸ナトリウム並びに市販の 「ケーソン C G」 (ロームアンドハース社製
) 等を挙げることができる。
2 . 態様 2の持続性撥水艷出し材
態様 2の持続性撥水艷出し材における不織布は、 前述のように、 実質的に疎水 性繊維から形成されている。
疎水性繊維から実質的に形成された不織布として、 例えば、 前記疎水性繊維を 7 0重量%よりも多く含む不織布が挙げられ、 特に前記疎水性繊維を 9 0重量% 以上含む不織布が好ましい。
前記疎水性繊維として、 前記態様 1の持続性撥水艷出し材のところで述べた疎 水性繊維と同様の繊維が挙げられる。
前記不織布の形態としては、 乾式法不織布、 湿式法不織布、 並びにスプレーフ アイバー法不織布及びスパンボンド不織布等の直接法不織布等が挙げられる。 前 記乾式法不織布及び湿式法不織布としては、 前記態様 1の持続性撥水艷出し材の 説明において述べた乾式法不織布及び湿式法不織布と同様の不織布が挙げられる 前記不織布に含浸される撥水性成分としては、 前記態様 1の持続性撥水艷出し 材のところで述べたのと同様のトリメチルシロキシケィ酸例えば 3次元編み目構 造を有するシリコーンレジンと有機性油状物の混合物を挙げることができる。 界面活性剤としては、 浸透性、 換言すれば湿潤性が強い水可溶性の界面活性剤 が好ましく、 具体的には、 脂肪酸アル力ノールアミド、 スルホン酸塩型界面活性 剤、 硫酸エステル塩型界面活性剤、 アルキルポリオキシアルキレンエーテル型界 面活性剤、 アルキルァリ一ルポリォキシアルキレンエーテル型界面活性剤及びポ リオキシアルキレン脂肪酸エステル型界面活性剤等が挙げられる。
前記スルホン酸塩型界面活性剤としては、 例えばアルキルスルホン酸、 ジアル キルスルホ琥珀酸、 エステルスルホン酸、 及びアルキルァリールスルホン酸のァ
ルカリ金属塩、 アンモニゥム塩、 アミン塩、 並びにアルカノールァミン塩等が挙 げられ、 具体的には、 アルキルスルホン酸ナトリウム、 スルホ琥珀酸ジォクチル ナトリウム、 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、 アルキルベンゼンスルホ ン酸アンモニゥム、 アルキル硫酸エステルナトリウム、 およびアルキル硫酸トリ エタノールアミン塩等が挙げられる。
前記アルキルポリオキシアルキレンエーテル型界面活性剤としては、 例えばァ ルキルポリォキシェチレンエーテル等が挙げられる。
前記アルキルァリールポリオキシアルキレンエーテル型界面活性剤としては、 例えばアルキルフエ二ルポリオキシエチレンエーテル等が挙げられる。
前記ポリォキシアルキレン脂肪酸エステル型界面活性剤としては、 ポリオキシ エチレンソルビ夕ン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス テル、 ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、 およびポリグリセリン脂肪酸ェ ステル等が挙げられる。
態様 2の持続性撥水艷出し材における前記撥水性成分の含浸量は、 前記態様 1 の持続性撥水艷出し材と同様の、 不織布の目付量当たり 1 0 0〜4 0 0 %の範囲 が好ましく、 特に 2 0 0〜3 0 0 %の範囲が好ましい。
前記撥水性成分の含浸量に対する前記界面活性剤の含浸量は、 界面活性剤ノ撥 水性成分 = 1 Z 3 0〜 1 / 1 (重量 Z重量) の範囲が好ましく、 特に 1 / 2 0〜 1 / 5 (重量 Z重量) の範囲が好ましい。
撥水性成分と界面活性剤とを同時に前記不織布に含浸させる場合、 例えば、 前 記撥水性成分と界面活性剤とを溶剤に分散させた混合分散液を前記不織布に含浸 させる方法および撥水性成分と界面活性剤とを O Z W型乳化した組成物を直接前 記不織布に含浸させる方法等が挙げられる。
また、 撥水性成分と界面活性剤とを別々に前記不織布に含浸させることもでき る。 この場合、 撥水性成分は、 前記態様 1の持続性撥水艷出し材における撥水性 成分の含浸法と同様の各方法によって含浸できる。 界面活性剤は、 水溶液又は有 機溶剤溶液の形態で、 撥水性成分の場合と同様の各方法で含浸できる。 前記撥水 性成分及び界面活性剤を溶液の形態で別々に不織布に含浸させる場合には、 最初
に撥水性成分を含浸させ、 不織布の撥水性成分中の有機溶剤又は水が蒸発してか ら界面活性剤を含浸させることが好ましい。
3 . 態様 3の持続性撥水艷出し材
態様 3の持続性撥水艷出し材は、 前述のように実質的に親水性繊維から形成さ れた第 1の不織布の層と、 実質的に疎水性繊維から形成され、 前記第 1の不織布 の層に積層された第 2の不織布の層とを有する。
先ず、 第 1の不織布について説明する。
親水性繊維から実質的に形成された不織布としては、 具体的には、 親水性繊維 を 7 0重量%よりも多く含む不織布が挙げられ、 特に前記親水性繊維を 9 0重量 %以上含有する不織布が好ましい。 この第 1の不織布は、 洗車後の自動車の車体 等を拭く際に、 第 2の不織布が吸収した水分を保持する役目を担う。
前記親水性繊維については、 態様 1の持続性撥水艷出し材のところで述べた親 水性繊維と同様である。
第 1の不織布としては、 具体的には、 乾式法不織布及び湿式法不織布が挙げら れる。 乾式法不織布及び湿式法不織布の具体例については、 前記態様 1の持続性 撥水艷出し材の説明において述べた通りである。
第 2の不織布として、 態様 2の持続性撥水艷出し材における不織布と同様の不 織布が挙げられる。 この第 2の不織布は、 洗車後の自動車の車体を拭く際に、 車 体表面の水分を吸収する役目を担う。
態様 3の持続性撥水艷出し材として、 第 1の不織布における一方の面に第 2の 不織布が貼り合わされた持続性撥水艷出し材、 及び第 1の不織布の両面に第 2の 不織布が貼り合わされた持続性撥水艷出し材を挙げることができる。
前記第 1の不織布における一方の面に第 2の不織布が貼り合わされた持続性撥 水艷出し材については、 第 2の不織布の層が外側にくるように折り畳み、 第 2の 不織布で車体表面を拭くことが好ましい。
第 1の不織布と第 2の不織布とを貼り合わせる方法としては、 例えば縫い合わ せ、 及びホットメルト接着剤等の接着剤による接着等が挙げられる。
撥水性成分については、 態様 1の持続性撥水艷出し材における撥水性成分と同
様である。 前記撥水性成分は、 第 2の不織布の層にのみ含浸してもよく、 第 1の 不織布と第 2の不織布との両方に含浸してもよい。
態様 3の持続性撥水艷出し材の作製方法として、 例えば、 前記撥水性成分を含 浸した第 2の不織布を、 第 1の不織布と貼り合わせる方法、 および第 2の不織布 と第 1の不織布とを前述のように貼り合わせた後、 前記撥水性成分を含浸させる 方法が挙げられる。 不織布に撥水性成分を含浸させる方法としては、 例えば、 態 様 1の持続性撥水艷出し材における撥水性成分の含浸方法と同様の方法等が挙げ られる。
前記撥水性成分の含浸量は、 持続性撥水艷出し材の目付量当たり 1 0 0〜4 0 0 %の範囲が好ましく、 特に 2 0 0〜 3 0 0 %の範囲が好ましい。
この第 3の態様に係る持続性撥水艷出し材で洗車後の自動車の車体を拭くと、 第 1の不織布で車体上の水分を吸収して保持し、 第 2の不織布で車体に撥水性及 び艷出しの被膜を形成することができる。
4 . 本発明の持続性撥水艷出し材の使用方法
本発明の持続性撥水艷出し材は、 例えば、 自動車の車体表面の艷出しに用いる ことができる。
例えば、 以下に述べる手順に従って、 本発明の持続性撥水艷出し材により、 自 動車の車体表面の艷出しを行うことができる。
先ず、 通常の手順に従って洗車する。 自動車の車体表面の汚れが酷いときには 、 洗車用シャンプー等を用いて洗車することが好ましい。
洗車終了後、 車体表面のシャンプー等を水で洗い流す。
次いで、 車体表面の水が乾かないうちに本発明の持続性撥水艷出し材で車体表 面を拭く。
これにより、 車体表面の水が前記持続性撥水艷出し材に吸収されて除去される と同時に、 前記持続性撥水艷出し材中に含浸された撥水性成分が車体表面に均一 に塗布されてワックス効果を発揮する。
前記持続性撥水艷出し材が水を吸つて吸水力が低下したら、 前記持続性撥水艷 出し材を絞って水を除去することにより、 吸水力を回復させることができる。
又、 車体表面の汚れが少ない場合、 前記持続性撥水艷出し材を洗車なしで直接 使用することもできる。 前記不織布を湿らせた状態で車体をふき上げることによ り、 ワックス効果、 洗浄効果を発揮する。 洗車が不要となるので特に作業性に優 れる。
本発明の持続性撥水艷出し材は、 自動車の車体の艷出し以外に、 燭台等の各種 銀器、 陶器製又はガラス製の置物及び食器、 窓ガラス、 シャンデリア、 並びに家 具等の艷出しにも好適に使用される。 実施例
以下に示す手順に従い、 持続性撥水艷出し材を用いて実施例 1〜2 6を作製し その結果を表 1に示す。
含浸材
含浸材 A:不織布として親水性繊維であるレーヨンと、 疎水性繊維であるポリ エチレンテレフタレート (以下 「P E T」 という。 ) 繊維とを 6 : 4の重量比で 含有するォーミケンシ (株) 製の P X D 6 0 3 5 (商品名) を用いた。
含浸材 B :不織布として疎水性繊維であるポリプロピレン (以下 「P P」 という 。 ) 繊維と、 同じく疎水性繊維である P E T繊維とを 1 : 1の重量比で含有する 富士ケミクロス (株) 製の 7 6 7 3 — 8 (商品名) を用いた。
含浸材 C:実質的に親水性繊維から形成された第 1の不織布としてパルプ 1 0 0 %からなる旭化成工業 (株) 製ネオシート (商品名) を用い、 実質的に疎水性繊 維である第 2の不織布として、 前記含浸材 Bの不織布を用いた。 前記第 2の不織 布を前記第 1の不織布の片面に木綿糸で縫い合わせて含浸材 Cを作製した。 含浸材 D:不織布として親水性繊維であるレーヨンと、 疎水性繊維である P E T とを 4 : 1の重量比で含有するォーミケンシ (株) 製 P X D 6 0 4 0 M (商品名 ) を用いた。
含浸液
含浸液①
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I COME RES I N POWDER 803TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1. 0重量部
•ジメチルシリコーンオイル
商品名 SH— 200 (10 c/s)
(トーレ ·ダウコーティングシリコーン株式会社) 2. 0重量部 •界面活性剤
ポリオキシエチレン (POE) (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT— 9、 (日光ケミカルズ株式会社) 0.
•防腐剤
商品名 ケーソン CG (ロームアンドハース社製) 0.
•イオン交換水 残
含浸液②
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CON RES I N POWDER 803 TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1. 0重量部
•ジメチルシリコーンオイル
商品名 SH—200 (5 c/s)
(トーレ ·ダウコーティングシリコーン株式会社) 2.
•界面活性剤
• POE (10) モノラウレート、 商品名 MYL— 10
(日光ケミカルズ株式会社) 0.
-デヒドロ酢酸ナトリウム 0. 4重量部
•イオン交換水 残
含浸液③
- トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803TF (旭化成ヮッカ一シリコーン株式会社) 1. 0重量部
•ポリブテン
商品名 ニッサンポリブテン OS H
(日本油脂株式会社) 2.
•界面活性剤
脂肪酸アル力ノールアミド、 商品名 ス夕ホーム F
(日本油脂株式会社) 0.
•イオン交換水 残
含浸液④
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803 TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1.
•流動パラフィン
商品名 モレスコホワイト P— 300
(株式会社松村石油研究所) 2. 0重量部
•界面活性剤
ラウリル硫酸トリエタノールァミン、 商品名 TEALS
(日光ケミカルズ株式会社) 0. 4重量部 ,イオン交換水 残
含浸液⑤
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803 TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1.
3—
商品名 SH— 200 (10 c/s)
(トーレ ·ダウコーティングシリコーン株式会社) 1.
揮発性環状シリコーン
商品名 T S F 405
(GE ·東芝シリコーン株式会社) 1, 0重量部 界面活性剤
P〇E (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT—9 (日光ケミカルズ株式会社) 0.
•イオン交換水 残
含浸液⑥
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803 TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1. 0重量部
•ポリブテン
商品名 ニッサンポリブテン OSH
(日本油脂株式会社) 1.
'揮発性環状シリコーン
商品名 T S F 404
(GE ·東芝シリコーン株式会社) 1. 0重量部 •揮発性環状シリコーン
商品名 T S F 405
(GE ·東芝シリコーン株式会社) 1. 0重量部 •界面活性剤
POE (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT— 9
(日光ケミカルズ株式会社) 0. 4重量部 •イオン交換水 残
含浸液⑦
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803 TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1. 商品名 ニッサンポリブテン OS H
(日本油脂株式会社) 2. 0重量部 揮発性炭化水素系溶剤
商品名 アイソゾール 300
(日本石油化学株式会社) 1.
,界面活性剤
POE (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT— 9
(曰光ケミカルズ株式会社) 0. 4重量部
•イオン交換水 残
含浸液⑧
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 トレフィル R— 910
(! ^一レ ·ダウコーティングシリコーン株式会社) 1. 0重量部 • ジメチルシリコーンオイル
商品名 SH— 200 (1 0 c/s)
(トーレ ·ダウコーティングシリコーン株式会社) 2. 0重量部 •界面活性剤
POE (9) 2級アルキルェ一テル、 商品名 BT— 9
(日光ケミカルズ株式会社) 0.
'イソプロピルアルコール 残
含浸液⑨
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N MK
(旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1.
•ジメチルシリコーンオイル
商品名 SH— 200 (10 c/s)
(卜一レ ·ダウコーティングシリコーン株式会社) 2. 0重量部 •界面活性剤
POE (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT— 9
(曰光ケミカルズ株式会社) 0. 4重量部
-イオン交換水 残
含浸液⑩
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I POWDER 803TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1. 5重量部
'液状ラノリン
(吉川油脂株式会社) 2.
•界面活性剤
POE (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT— 9
(日光ケミカルズ株式会社) 0.
•防腐剤
商品名 ケ一ソン CG (口一ムアンドハース社製) 0.
,イオン交換水 残
含浸液⑪
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1. 0重量部
*ォレイルアルコール 1. 0重量部
•揮発性環状シリコーン
商品名 T S F 405
(GE ·東芝シリコーン株式会社) 2. 0重量部
•界面活性剤
POE (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT— 9
(日光ケミカルズ株式会社) 0. 4重量部
•イオン交換水 残
含浸液⑫
• 卜リメチルシ口キシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1. 0重量部
ポリブテン
商品名 二.
(日本油脂株式会社)
液状ラノリン
(日本精化株式会社)
界面活性剤
ジ 2—
商品名 OTP— 100
(日光ケミカルズ株式会社) 0
換水
含浸液⑬
• トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1.
•ポリブテン
(日本油脂株式会社) 1.
•界面活性剤
POE (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT— 9
(日光ケミカルズ株式会社) 0.
'エチルアルコール 1. 0重量部
•イオン交換水 残
含浸液⑭
* トリメチルシロキシ珪酸
商品名 S I L I CONE RES I N POWDER 803TF (旭化成ヮッカーシリコーン株式会社) 1. 名 ニッサンポリブテン OS Η
(日本油脂株式会社) 1. 0重量部
•界面活性剤
POE (9) 2級アルキルエーテル、 商品名 BT—9
(日光ケミカルズ株式会社) 0. 4重量部
•エチレングリコール 1· 0重量部
•イオン交換水 残
各含浸液は、 撥水性成分及び界面活性剤を攪拌しながら、 その中にイオン交換 水 (又はアルコール) を徐々に加えて乳化させて調製した。 界面活性剤 POE ( 9) 、 POE (10) は、 それぞれポリオキシエチレン鎖の平均繰り返し数 が 9、 10である。
(実施例 1〜 4 )
0. lm2の含浸材 A〜Dに前記含浸液 1を 10 g含浸させ、 この不織布を、 50°Cの乾燥器中で 1時間乾燥させて各持続性撥水艷出し材を作製した。
(実施例 5〜: 17 )
0. lm2の各含浸材 Bに前記含浸液 2〜 14を 10 g含浸させ、 この不織布 を、 501:の乾燥器中で 1時間乾燥させて各持続性撥水艷出し材を作製した。 (実施例 18〜26)
0. lm2の各含浸材 Aに前記含浸液 6〜 14を 10 g含浸させ、 この不織布 を、 50°Cの乾燥器中で 1時間乾燥させて持続性撥水艷出し材を作製した。
作製した持続性撥水艷出し材を用いて、 紺色メ夕リック塗装された乗用車を以 下の手順に従つて洗車及び艷出しを行った。
先ず、 スポンジを用いて前記乗用車の車体を水洗いした。 前記車体の塗装面を 水洗い後、 水をふき取らずに直ちに、 持続性撥水艷出し材を用いて前記車体の塗 装面を拭いて艷出しを行つた。 使用された持続性撥水艷出し材の種類及びその結 果は、 表 1における実施例 1〜26である。
なお、 実施例 2の持続性撥水艷出し材については、 第 2の不織布面が車体の塗 装面と接するように拭いた。
前記洗車及び艷出しについて、 以下の評価方法及び評価基準に従って、 作業性
、 ワックス効果 (撥水性、 艷) 、 及びワックス効果の持続性を評価した。 結果を 表 1に示す。 但し、 ワックス効果の持続性については、 鋼板の上に前記乗用車の 塗装面と同様の塗装を施して作製したテストピースを用いて評価した。
(作業性)
実際に前記乗用車の艷出しにかかった作業時間と労力とに基づき、 以下の基準 に従って評価した。
◎ :作業時間が短く、 労力をあまり要しない。
〇:作業時間は短いが、 ある程度の労力を要する。
△ :作業時間が長く、 ある程度の労力を要する。
X :作業時間が長く、 かなりの労力を要する。
(撥水性)
艷出し後の前記乗用車の車体の塗装面に水をスプレーし、 塗装面に形成された 水滴の形状を目視で観察し、 以下の基準に従つて撥水性を評価した。
◎:水滴が真球に近い。
〇:水滴が球に近い。
△:水滴が楕円形に近い。
X :水滴が楕円状にもならない。
(艷)
艷出し後に前記乗用車の車体塗装面の艷がどの程度増加しているかを目視で観 察し、 以下の基準に従って評価した。
◎:洗車 ·艷出し前に比較し、 大幅な艷の増大が認められる。
〇:洗車 ·艷出し前に比較し、 艷の増大が明確に認められる。
△:洗車 ·艷出し前に比較し、 艷の増大が若干認められる。
X :洗車 ·艷出し前に比較し、 艷の増大が殆ど認められない、 又は 酷いムラの発生が認められる。
(ワックス効果の持続性)
前記乗用車と同様の手順で洗浄及び艷出しを行った前記テストピースを屋外に 曝露し、 撥水性及び艷がとの程度の期間持続するかを目視で観察し、 以下の基準
に従って評価した。
◎:撥水性及び艷が 1ヶ月以上持続した。
〇:撥水性及び艷が 2週間〜 4週間持続した。
Δ:撥水性及び艷が 1週間〜 2週間しか持続しなかった
X :撥水性及び艷が 1週間も持続しなかった。
(比較例 1 )
この比較例及び以下の比較例においては、 前記実施例 1〜2 6で用いられた乗 用車と同じ乗用車を用いた。 その車体をスポンジで水洗いし、 車体表面に残った 水を夕オルで拭き取った。 次いで、 THE SURLUSTER社製 (輸入販売元:株式会社 同和) の固形ワックスを通常の使用方法に従って前記車体表面に塗布し、 前記固 形ワックスが乾燥した後に、 夕オルで余分なワックスを拭き取った。
(比較例 2 )
車体に十分に水をかけ、 株式会社ゥィルソン製のヮックス配合自動車用シャン ブーをスポンジに付けて前記車体を洗った。 次いで、 車体についたシャンプーを 十分に水で洗い流し、 車体表面に残った水を夕オルで拭き取った。
(比較例 3 )
車体を、 スポンジを用いて水洗いし、 水を拭き取らずに株式会社ソフト 9 9コ —ポレーション製の拭き取り不要簡易撥水剤をスプレーした後、 水で洗い流した 。 次いで、 車体に残った水を夕オルで拭き取った。
(比較例 4 )
車体を、 花王株式会社製の 「水を使わない簡易艷出し洗浄剤」 をスプレーし、 夕 オルで拭き取った。
作業性、 車体表面におけるワックス効果、 及び前記ワックス効果の持続性につ いては、 実施例 1〜2 6と同様の評価方法及び評価基準に従って評価した。 結果 を表 1に示す。
(比較例 5〜 7 )
0 . 1 1^ 2の各含浸材8に前記含浸液1、 3、 4からトリメチルシロキシケィ
酸を抜いた (その分は水に置換する) ものを 1 0 g含浸させ、 この不織布を、 5 0 の乾燥器中で 1時間乾燥させて各持続性撥水艷出し材を作製した。
前記撥水艷出し剤を用いて前記実施例 1〜2 6で用いられた乗用車と同様の乗 用車の車体について洗車 ·艷出しを行った。
比較例の作業性、 車体表面におけるワックス効果、 及び前記ワックス効果の持 続性については、 実施例 1〜2 6と同様の評価方法及び評価基準に従って評価し た。 前記評価結果も表 1に示す。
表 1 撥水艷出し材の組成と評価結果
ワックス効果 ワックス効果の 未肥 リ 合 ΰ fx. tlx 作 φ
Ί「對未 I
撥水 艷 持続性 実施例 1 1 A ◎ 〇 〇 〇 実施例 2 1 C ◎ Δ ◎ 〇 実施例 3 1 D ◎ 〇 〇 〇 実施例 4 1 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 5 2 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 6 3 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 7 4 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 8 5 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 9 6 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 1 0 7 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 1 1 8 B ◎ Δ ◎ 〇 実施例 1 2 9 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 1 3 1 0 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 1 4 1 1 B ◎ 〇 ◎ 〇 実施例 1 5 1 2 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 1 6 1 3 B ◎ 〇 〇 〇 実施例 1 7 1 4 B ◎ Δ 〇 〇
実施例 1 8 6 A ◎ 〇 〇 〇 実施例 1 9 7 A ◎ 〇 〇 〇 実施例 2 0 8 A ◎ 〇 〇 〇 実施例 2 1 9 A ◎ 〇 〇 〇 実施例 2 2 1 0 A ◎ 〇 〇 〇 実施例 2 3 1 1 A ◎ Δ ◎ 〇 実施例 2 4 1 2 A ◎ 〇 〇 〇 実施例 2 5 1 3 A ◎ 〇 〇 〇 実施例 2 6 1 4 A ◎ 〇 〇 〇 比較例 1 1 — X ◎ ◎ ◎ 比較例 2 2 — ◎ X X X 比較例 3 3 — ◎ Δ X X 比較例 4 4 一 〇 X 〇 X 比較例 5 B ◎ X 〇 X 比較例 6 B ◎ X 〇 X 比較例 7 B ◎ X 〇 X 本発明によれば、 自動車の車体を水洗して前記車体の表面に残った水を拭き取 るという簡単な作業により、 前記車体に優れた撥水性と艷を与えるとともに、 そ の優れたワックス効果が長期間持続する持続性撥水艷出し材が提供される。