WO2000027534A1 - Plastic separator - Google Patents

Description

明細書

プラスチック選別装置 技術分野

この発明は、 粉砕されたプラスチック片をその種類別に選別するため のプラスチック選別装置に関する。 背景技術

粉砕されたプラスチヅク片をその種類別に選別するためのプラスチッ ク選別装置には、 図 3に示す装置がある。

このプラスチック選別装置は、 水平軸心回りに所定方向に回転自在な 金属製の電極ドラム 1と、 この電極ドラム 1の斜め上方に所定間隔を置 いて対向して配置された円弧状の電極板 2と、 帯電した複数種のプラス チック片 3 , 3， を、 回転する電極ドラム 1上に供給するための供給ト レイ 4とを備えている。

そして、 前記電極ドラム 1と電極板 2との間に、 高圧直流電源 5によ つて高電圧が印加され、 例えば、 ドラム電極 1は （正） に、 電極板 2は (負） にそれぞれ印加されている。

また、 電極ドラム 1の下方に、 選別されたプラスチック片 3， 3 ⁵ を 受けるための容器 6が配置され、 この容器 6には第一回収室 7および第 二回収室 8が隣り合って形成されている。 なお、 金属ドラム 1の外周面 には、 金属ブラシが接触しており、 この金属ブラシ 9に前記高圧直流電 源 5の （正） 極が接続されている。

上記構成を有したプラスチック選別装置において、 複数種が混在した 状態にあるプラスチック片 3， 3 ' は、 まず、 摩擦帯電装置 （図示せず ) によって攪拌されて種類別の極性 ·帯電量に摩擦帯電される。 続いて 、 プラスチック片 3 , 3， は、 供給トレィ 4から、 回転している電極ド ラム 1の外周面上に供給され、 電極ドラム 1と電極板 2との間を通過す る。

この際、 （正） に帯電したプラスチヅク片 3は、 電極板 2に近い軌跡 で落下して第一回収室 7内に集められ、 （負） に帯電したプラスチック 片 3， は、 電極ドラム 1の外周面に引き寄せられ、 電極ドラム 1の回転 により落下して第二回収室 8内に回収される。

上記のようにして、 種類の異なるプラスチヅク片 3， 3 ' が、 それぞ れ第一回収室 7、 第二回収室 8に静電的に選別され、 回収される。 上記従来のプラスチック選別装置において、 電極ドラム 1と電極板 2 との間に印加されている電極間電圧によっては、 電極ドラム 1と電極板 2との間にスパーク 1 0が発生することがある。

そして、 スパーク 1 0が多く発生すると、 電極ドラム 1と電極板 2と の電極間電位が零となり、 静電界が生じない。 このため、 プラスチック 片 3 , 3 ' がドラム電極 1と電極板 2との間を通過する際に分離性能が 低下する傾向にある。

そこで本発明は、 上記課題を解決し得るプラスチック選別装置の提 供を目的とする。 発明の開示

本発明は、 所定量の電圧が印加された選別用電極間に、 帯電したブラ スチック片を通過させることでプラスチック片をその種類別の極性 ·帯 電量に応じて静電的に選別するプラスチック選別装置であって、 前記選 別用電極間に印加する電圧を V p (kV) とし、 選別用電極間の距離を L (cm) とした場合、 V pと Lとの関係が、

V p / L≤ 1 0

を満足するように設定されたプラスチック選別装置である。

この発明のように、 選別用電極間に印加する電圧を V p (kV) とし、 選別用電極間の距離を L (cm) とした場合の V pと Lとの関係が、

V p / L≤ 1 0

に設定されたことにより、 選別用電極間にスパークが発生しても、 この スパークの発生量は、 プラスチック片の静電分離に影響を与えるもので はないので、 プラスチック片の分離性能を低下させることなく精度良く 選別することができる。 図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明の実施の形態に係るプラスチック選別装置における V p / Lとスパークの発生頻度の関係を示すグラフ図である。 第 2図は 、 V p / Lとプラスチック片の回収率および純度との関係を示すグラフ 図である。 第 3図は、 プラスチック選別装置の概略全体構成図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明をより詳細に説述するために、 添付の第 1図ないし第 3図に従 つてこれを説明する。

本発明の実施の形態のプラスチック選別装置は、 異なった複数種類の プラスチック同士を摩擦させた際に、 プラスチック別に生じる極性 ·帯 電量、 すなわち摩擦帯電列を利用して、 プラスチック片 3 , 3 ' を種類 別に選別するものである。

そして、 水平軸心回りに所定方向に回転自在な金属製の選別用電極、 すなわち電極ドラム 1と、 この電極ドラム 1の斜め上方に所定間隔を置 いて対向して配置された円弧状の選別用電極、 すなわち電極板 2と、 摩 擦帯電装置によって摩擦帯電された複数種のプラスチック片 3， 3 ' を 、 回転する前記電極ドラム 1上に供給するための供給トレィ 4と、 電極 ドラム 1の下方に配置されて、 摩擦帯電列を利用して静電的に選別され たプラスチック片 3， 3 ' を受けるための容器 6とを備えている。 そして、 電極ドラム 1と電極板 2との間に、 高圧直流電源 5によって 高電圧が印加され、 例えば、 ドラム電極 1は （正） に、 電極板 2は （負 ) にそれぞれ印加されている。

また、 前記容器 6には、 第一回収室 7および第二回収室 8が隣り合つ て形成されている。

なお、 金属ドラム 1の外周面には、 金属ブラシ 9が接触しており、 こ の金属ブラシ 9に前記高圧直流電源 5の （正） 極が接続されている。 上記構成のプラスチック選別装置において、 摩擦帯電装置によって異 なった複数種類のプラスチック片 3 , 3， 同士が摩擦帯電され、 摩擦帯 電列に従ってプラスチック片 3 , 3， 別に極性 .帯電量が付与される。 このようにして、 プラスチック片 3， 3， 別に極性 ·帯電量を付与し た後、 プラスチック片 3 , 3 ' を供給トレィ 4から電極ドラム 1上に供 給する。 そうすると、 プラスチック片 3 , 3， は電極ドラム 1と電極板 2との間を通過して、 （正） に帯電したプラスチック片 3は電極板 2に 近い軌跡で落下し、 第一回収室 7に回収される。 また、 （負） に帯電し たプラスチック片 3 ' は、 電極ドラム 1に近い軌跡で落下し、 あるいは 電極ドラム 1に静電的に付着して電極ドラム 1の回転によって運ばれて 第二回収室 8に落下するか、 金属ブラシ 9によって第二回収室 8に接き 落とされ、 プラスチック片 3 , 3 ' が選別される。 ここで、 例えばプラスチック片 3は塩化ビニルであり、 プラスチック 片 3 ' はポリエチレンである。

ところで、 高圧直流電源 5によって電極ドラム 1と電極板 2との間に 印加される電極間電圧を V p (kV) とし、 電極ドラム 1と電極板 2、 す なわち、 選別用電極間の距離 （最小距離） を L ( cm) とした場合、 V p I L (kV/cm ) の値に対するプラスチック片 3 , 3， の回収率と純度の 関係は、 第 2図のグラフに示される通りである。

ここで回収率とは、 プラスチック片 3が第一回収室 7に、 プラスチヅ ク片 3 ' が第二回収室 8にそれぞれ回収される割合であり、 特にこの実 施の形態では、 プラスチック片 3 ' が第二回収室 8に回収される割合を 指す。

また、 純度とは、 プラスチック片 3を第一回収 ¾ 7に回収した場合、 プラスチック片 3とこれに混在するプラスチック片 3 ' の合計に対する プラスチック片 3の割合であり、 プラスチック片 3， を第二回収室⁸に 回収した場合、 プラスチック片 3， とこれに混在するプラスチヅク片 3 の合計に対するプラスチック片 3， の割合である。 特にこの実施の形態 では、 プラスチック片 3， を第二回収室 8に回収した場合、 プラスチッ ク片 3， とこれに混在するプラスチック片 3の合計に対するプラスチッ ク片 3 ' の割合を示す。

第 2図のグラフから、 V p / Lの値がある値までは、 回収率および純 度が共に向上し、 その後、 V p / L 二 1 0まではほとんど変化しなくな ることが分かる。 问収率および純度が V p / L = 1 0までほとんど変化 しないのは次の理山による。

第 1 1 に示すように、 V p / L = 4 . 5以 にになると、 ； 極ドラム 1 と', life板 2との問にスパークが究 .する。 そして、 このスパークの允 量 （発生回数） は、

4. 5≤Vp/ L≤ 1 0

の間で、 Vp/ L= 1 0に近付くほど増加する。

しかし、 このスパークの発生量は、 Vp/ L≤ 1 0ではプラスチック 片 3， 3 ' の静電分離に影響を与えるものではないことが実験によって 明らかになつている。 従って、 4. 5≤Vp/ L≤ 1 0の範囲では、 プ ラスチック片 3 , 3 ' の回収率および純度は、 図示の通り、 ほとんど変 ィ匕しない。

しかし、 Vp/ Lの値が 1 0を越えると、 純度、 回収率ともに低下し 始める。 このように、 Vp/ L= 1 0を越えると、 純度、 回収率ともに 低下し始める理由は、 プラスチック片 3 , 3' が電極ドラム 1と電極板 2の間を通過しなくても電極ドラム 1と電極板 2の間に高い頻度でスパ 一夕が発生し、 このため、 電極ドラム 1と電極板 2の間の電位が零とな り、 静電界が生じない時間が長くなるためであることが実験によって確 かめられている。

上記のことから、 Vp/ L≤ 1 0を満足しつつプラスチック片 3， 3 ， の回収率と純度を得るのに支障のない Vp/ L値を設定するのが望ま しい。 なお、 Vp/ L値が小さすぎると、 プラスチヅク片 3 , 3' の回 収率および純度が低下することも実験によって確かめられた。

例えば、 プラスチック片 3， 3 ' の中からプラスチヅク片 3， を回収 する場合、 Vp/ L値を、 1≤Vp/ L≤ 1 0の範囲とすることで、 プ ラスチック片 3， の純度を 5 0%以上に維持できることが実験によって 確かめられた。 さらに、 2 V I L≤ 1 0の範囲とすることで、 純度 が 9 0 %以上のプラスチック片 3 ' が得られ、 3. 5≤Vp/ L≤ 1 0 では純度および回収率ともに 9 0 %のプラスチック片 3， が得られるこ とが実験により確かめられた。 なお、 Lの値は、 プラスチック片 3， 3 ' の粒径の二倍以上とすることにより、 プラスチック片 3 , 3， を円滑 に電極ドラム 1 と電極板 2との間から落下させることができる。

特に、 Vp/ L≤4. 5を満足するように設定した場合、 ドラム電極 1と電極板 2との間におけるスパークの発生が防止されるので、 例えば 直径約 1 0 0ミクロン以下の大きさのプラスチック片 3， 3 ' がそこに 混入していたとしても、 このプラスチック片 3， 3 ' に着火するのを防 止できるとともに、 プラスチック片 3， 3 ' が爆発するのを防止でき、 従って、 安全な環境下でプラスチック片 3， 3 ' を選別することができ る。

ここで、 プラスチック片 3， 3， の選別のため.の条件を、 電極ドラム 1と電極板 2との間に印加する電極間電圧 Vpを 20 (kV) とし、 電極 ドラム 1と電極板 2との間の最小距離 Lを 5 (cm) とし、 ポリエチレン ポリプロピレンを含んだプラスチック片 3 , 3 ' を選別した例を示す。 上記の条件に設定した場合、 Vp/ L二 20/ 5 = 4≤ 4. 5である。 この実験によれば、 スパーク 1 0の発生およびプラスチック片 3， 3 ' の爆発を防止でき、 安全な環境下でプラスチック片 3， 3' を選別する ことができた。

以上のように、 電極ドラム 1と電極板 2との間に発生するスパーク 2 0がプラスチヅク片 3 , 3 ' の静電分離に影響をすることがないよう、 Vp/ L≤ 1 0を満足しつつ必要なプラスチヅク片 3 , 3 ' の回収率と 純度を得るのに支障のない Vp/ Lの値を設定することで、 プラスチッ ク片 3， 3⁵ の分離性能を低下させることなく精度良く正確に選別する ことができる。

なお、 上記実施の形態では、 電極ドラム 1が （正） 、 電極板 2が （負 ) になるよう構成したが、 電極ドラム 1が （負） 、 電極板 2が （正） に なるよう構成して上記実施の形態と同様の種類のプラスチック片 3 , 3 ' あるいは、 摩擦帯電装置で摩擦帯電列に基づいてプラスチック片 3 , 3， 別に摩擦帯電した、 上記実施の形態とは別の種類のプラスチック片 3， 3 ' の分離を行ない得ることは勿論である。 産業上の利用可能性

以上のように、 本発明に係るプラスチック選別装置は、 複数種混合し たプラスチック片を、 種類別に選別するのに適した装置である。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 異なった複数種類のプラスチック片同士を摩擦することで、 これら プラスチック片に種類別の極性 ·帯電量を付与し、 所定量の電圧が印加 された選別用電極間に、 種類別の極性 ·帯電量が付与されたプラスチッ ク片を通過させ極性 ·帯電量に応じて、 プラスチック片を静電的に選別 するプラスチック選別装置において、 前記選別用電極間に印加する電圧 を V p (kV) とし、 選別用電極間の距離を L (cm) とした場合、 V pと Lとの関係が、

V p / L≤ 1 0

を満足するように設定されたことを特徴とするプラスチック選別装置。