明 細 書 ポリオレフィン系樹脂複合材料、 熱可塑性樹脂複合材料及び熱可塑性樹 脂複合材料の製造方法 発明の分野
本発明は、 ナノコンポジッ トと称されているポリオレフイン系樹脂複 合材料もしくは熱可塑性樹脂複合材料に関し、 より詳細には、 ポリオレ フィン系樹脂や熱可塑性樹脂樹脂と有機化層状珪酸塩とを含むポリオレ フィン系樹脂複合材料、 熱可塑性樹脂複合材料及び該熱可塑性樹脂複合 材料の製造方法に関する。 背景技術
層状珪酸塩は、 厚さが約 1 n m、 平均ァスぺク ト比 (長さまたは幅の 厚みに対する比) が約 2 0〜2 0 0の微細な多数の薄片状結晶がイオン 結合により凝集されている無機鉱物である。 この凝集構造を化学的また は物理的な手段により解き、 薄片状結晶を有機ポリマー中に均一に分散 させることにより、 ポリマー材料の機械物性、 熱的特性及びガスバリヤ 性などの性質を改善し得ることが従来より知られている。 このようなポ リマー中に層状珪酸塩の薄片状結晶を分散させてなる複合材料は、 ナノ コンポジッ トと称されている。
上記ナノコンポジッ トでは、 薄片状結晶を有機ポリマー中に均一に分 散させるために、 薄片状結晶間のィオン相互作用をできるだけ小さく し て、 分散性を高めることが必要である。
例えば、 特公平 8— 2 2 9 4 6号公報においては、 アミノカルボン酸 を層状珪酸塩にィンタ一力レートすることで層間の間隔を予め拡げてお
き、 次いでポリアミ ドのモノマーである £ —力プロラタタムを層間に揷 入させると同時に重縮合させることによりポリアミ ド樹脂中に層状珪酸 塩の薄片を均一に分散させた構造を形成することができることが記載さ れている。 しかしポリアミ ド等の親水性ポリマーのみならず、 非極性ポ リマーであるポリエチレンやポリプロピレンといったポリマーに、 元来 親水性の高い層状珪酸塩を均一に分散させることは一般に極めて困難で ある。 この問題を解決するために、種々のアプローチが開示されている。 例えば特開平 9一 1 8 3 9 1 0号公報には、 有機化層状珪酸塩を溶剤 で膨潤分散させた有機分散液とビニル系高分子化合物を融解状態で混合 することにより層状珪酸塩をポリマー中に分散する方法が開示されてい る。 特開平 1 0— 1 8 2 8 9 2号公報には、 有機化層状珪酸塩と、 0 . 0 0 1 m m o 1 / g以上、 かつ 0 . 4 5 m m o 1 / gの水素結合性官能 基を含有するポリオレフインオリゴマ一、 及びポリオレフインポリマー を溶融混練することにより、 層状珪酸塩がポリマー中で無限膨潤してい るポリオレフイン系樹脂複合材料を調製し得ることが開示されている。 しかしながら、 特開平 9一 1 8 3 9 1 0号公報に記載の方法は、 溶媒 の使用が必須であり、 ポリマーの溶解工程、 有機化層状珪酸塩の膨潤化 工程、 溶媒除去工程等の煩雑な工程を含むため、 工業的側面からは必ず しも実際的でない。 また、 本出願の発明者らによれば、 特開平 1 0— 1 8 2 8 9 2号公報に記載の方法では、 層状珪酸塩の結晶薄片をポリマー 中に均一に分散させた材料を工業材料として使用することは極めて困難 であることがわかった。 すなわち、 オリゴマー中の官能基と層状珪酸塩 表面の水酸基とを溶融混練中に反応させるため、 必ずしも層状珪酸塩の 水酸基が該官能基により効率的に処理されるわけではなレ、。そのために、 実際に層状珪酸塩の均一分散を達成するためには多量のオリゴマーが必 要となる。 このようなオリゴマー成分がポリマー中に多量に含有される
ことは、 物性及びコストの点からも好ましくない。
また、 特開平 8— 3 0 2 0 2 5号公報には、 層状化合物に有機カチォ ンを接触させる工程と、 接触された層状化合物を有機溶媒 (特に、 芳香 族系溶媒) で膨潤化する工程と、 膨潤化した層状化合物をエラストマ一 と混練する工程とからなる無機質フィラー含有エラストマ一の製造方法 が開示されている。 特開平 9一 4 8 8 5 6号公報には、 有機化層状珪酸 塩を溶媒で膨潤分散させた有機分散液とビニル系高分子化合物とを融解 状態で混合することにより、 層状珪酸塩をポリマー中に分散させる方法 が開示されている。
しかしながら、 特開平 8— 3 0 2 0 2 5号公報及び特開平 9一 4 8 8 5 6号公報に記載の各方法では、 最終製品には不必要な溶媒を使用する ため、 溶媒除去工程が必須となる。 有機化層状珪酸塩の層間に取り込ま れた溶媒を完全に除去することは、 非常に困難で、 工業的側面からは必 ずしも実際的でない。 また、 溶媒の除去が不十分で溶媒が残存した場合 には、 力学的強度の向上も期待通りには得られず、 さらに、 長期間に渡 り臭気が発生しがちであった。
また、層状珪酸塩を微分散化して得られる、所謂ナノコンポジッ トは、 ポリアミ ド、 ポリオレフイン等の基本的に可塑剤を含まない硬質系の材 料には適用されているが、 可塑剤を含有する軟質系組成物のナノコンポ ジッ トは知られていなかった。 発明の要約
本発明の主たる目的は、 ポリオレフイン系ポリマー中に層状珪酸塩の 薄片が均一に分散されており、 それによつて機械的強度、 熱的特性及び ガスバリャ性が高められているポリオレフイン系樹脂複合材料を提供す ることにある。
本発明の他の目的は、 熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩の薄片が均一に分 散されており、 それによつて機械的強度、 熱的特性及びガスバリヤ性が 高められた熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法を提供することにあ る。
なお、 本発明により提供されるポリオレフイン系樹脂複合材料及び熱 可塑性樹脂複合材料は、 層状珪酸塩を用いて構成されるナノコンポジッ トであり、 層状珪酸塩の薄片状結晶間が拡げられて、 その間に樹脂が入 り込んでいる。 このナノコンポジッ トのァスぺク ト比は 2 0以上が好ま しく、 より好ましくは 2 0〜5 0 0、 さらに好ましくは 5 0〜2 0 0の 範囲である。
なお、 後述の層状珪酸塩の 「平均粒径」 は、 (長径 +短径) Z 2で表 される値の平均値である。
本願の第 1の発明の広い局面によれば、 ポリオレフィン系樹脂 1 0 0 重量部及び有機化層状珪酸塩 0 . 1〜5 0重量部を含むポリオレフイン 系樹脂複合材料であって、 前記有機化層状珪酸塩が、 結晶構造中に交換 性カチオンとして含有する金属イオンがカチオン系界面活性剤にてィォ ン交換された有機化層状珪酸塩であり、 かつ該有機化層状珪酸塩の結晶 側面の水酸基が、 水酸基との化学結合性もしくは化学親和性を有する官 能基を分子末端に有する化学物質により化学修飾されていることを特徴 とするポリオレフィン系樹脂複合材料が提供される。
第 1の発明の特定の局面では、 前記水酸基との化学結合性もしくは化 学親和性を有する官能基が、 アルコキシ基、 アルコキシシリル基、 ェポ キシ基、 カルボキシル基、 水酸基、 無水マレイン酸基、 イソシァネート 基及びアルデヒ ド基からなる群から選択された 1種である。
第 1の発明の他の特定の局面では、 上記化学物質は 2個以上の炭素原 子を有する。
第 1の発明のより限定的な局面では、 前記化学物質が、 分子末端に水 酸基との化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基以外に、 反応性 官能基を少なく とも 1個含有する。
第 1の発明の他の特定の局面では、 前記反応性官能基が、 ビニル基、 アミノ基、 エポキシ基及びァクリロイル基からなる群から選択した少な く とも 1種である。
第 1の発明のさらに他の特定の局面では、 上記化学物質は、 炭素原子 を 1 2個以上含む直鎖を含有する。
第 1の発明のさらに他の特定の局面では、 X線回折測定によって検出 される前記層状珪酸塩の平均層間距離が 6 n m以上とされている。 第 1の発明のさらに他の特定の局面では、 1 0 0 / m四方の範囲に平 均粒径 1 μ m以上の層状珪酸塩の粒子が 1 0 0個以下とされている。 第 1の発明及び次に述べる第 2の発明のポリオレフイン系樹脂複合材 料を構成する層状珪酸塩の平均層間距離は、 X線回折測定によって検出 されるが、 この平均層間距離は 6 n m以上であることが好ましい。 一般 に、 分散されていない層状珪酸塩の層間はイオン結合力により互いに凝 集し、 1 n m程度の層間距離にて安定に存在する。 この層間のイオン相 互作用を極力小さくせしめること、 すなわち層間距離を 6 n m以上にせ しめることにより、 層状珪酸塩の薄片を離砕し樹脂中に分散させること が可能となる。
また、 上述のように、 層状珪酸塩の薄片を榭脂中に分散することがで きれば、 複合体の機械的強度、 熱的特性を著しく改善することが可能と なる。
本願の第 2の発明の広い局面によれば、 ポリオレフィン系樹脂 1 0 0 重量部及び有機化層状珪酸塩 0 . 1〜5 0重量部を含むポリオレフイン 系樹脂複合材料であって、 前記有機化層状珪酸塩が、 結晶構造中に交換
性カチオンとして含有する金属イオンがカチオン系界面活性剤にてィォ ン交換された有機化層状珪酸塩であり、 かつ該有機化層状珪酸塩の結晶 側面が、 ァニオン性界面活性能を有する化合物により化学修飾されてい ることを特徴とするポリオレフィン系樹脂複合材料が提供される。 第 2の発明の特定の局面では、 前記ァニオン性界面活性能を有する化 合物が、 カルボン酸塩、 スルホン酸塩、 硫酸エステル塩、 リン酸エステ ル塩及びポリ リン酸塩からなる群から選択した少なく とも 1種の界面活 性剤である。
第 2の発明のより特定の局面では、 前記ァニオン性界面活性能を有す る化合物が、 その分子鎖中のァニオン部位以外に、 少なく とも 1個の反 応性官能基を含有する。
第 2の発明の他の特定の局面では、 前記反応性官能基が、 ビニル基、 アミノ基、 アタリロイル基及びエポキシ基からなる群から選択した少な く とも 1種である。
第 2の発明のさらに他の特定の局面では、 前記ァニオン界面活性能を 有する化合物が、 炭素原子を 1 2個以上含む長鎖を含有する。
第 2の発明のさらに他の特定の局面では、 X線回折測定によって検出 される前記層状珪酸塩の平均層間距離が 6 n m以上とされている。 第 2の発明のさらに他の特定の局面では、 1 0 0 μ m四方の範囲に平 均粒径 1 μ m以上の層状珪酸塩の粒子が 1 0 0個以下とされている。 本願の第 3の発明の広い局面によれば、 熱可塑性樹脂、 層状珪酸塩及 び可塑剤を含有してなり、 前記層状珪酸塩が微細に分散されていること を特徴とする熱可塑性榭脂複合材料が提供される。
第 3の発明の特定の局面では、 熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対し、 上 記層状珪酸塩 0 . 1〜 1 0 0重量部及び可塑剤 2〜 3 0 0重量部が配合 される。
第 3の発明のより特定の局面では、 上記層状珪酸塩として、 有機化層 状珪酸塩が用いられる。
第 3の発明のより限定的な局面では、 上記熱可塑性樹脂として、 ポリ ビュルブチラール樹脂が用いられる。
第 3の発明のさらに他の特定の局面では、 X線回折測定によって検出 される前記層状珪酸塩の平均層間距離が 6 n m以上とされている。 第 3の発明のさらに他の特定の局面では、 1 0 0 μ m四方の範囲に平 均粒径 1 μ m以上の層状珪酸塩の粒子が 1 0 0個以下とされている。 第 3の発明の熱可塑性樹脂複合材料を構成する層状珪酸塩の平均層間 距離は、 X線回折測定によって検出されるが、 この平均層間距離は 6 n m以上であることが好ましい。 一般に、 分散されていない層状珪酸塩の 層間はイオン結合力により互いに凝集し、 1 n m程度の層間距離にて安 定に存在する。 この層間のイオン相互作用を極力小さくせしめること、 すなわち層間距離を 6 n m以上にせしめることにより、 層状珪酸塩の薄 片を離砕し樹脂中に分散させることが可能となる。
また、 上述のように、 層状珪酸塩の薄片を樹脂中に分散することがで きれば、 複合体の機械的強度、 熱的特性を著しく改善することが可能と なる。
本願の第 4の発明は、 第 3の発明に係る熱可塑性樹脂複合材料の製造 方法であって、 層状珪酸塩と可塑剤とを混合して混合物を得る工程と、 該混合物と熱可塑性樹脂とを混合する工程とを備える。
第 4の発明の特定の局面では、 上記層状珪酸塩として有機化層状珪酸 塩が用いられる。
第 4の発明のさらに他の特定の局面では、 熱可塑性樹脂 1 0 0重量部 に対し、 層状珪酸塩 0 . 1〜 1 0 0重量部及び可塑剤 2〜3 0 0重量部 が配合される。
以下、 本発明の詳細を説明する。
第 1, 第 2の発明におけるポリオレフイン系樹脂については、 特に限 定されるものではないが、 プロピレンの単独重合体、 プロピレンとェチ レンのランダム及びブロック共重合体、 エチレンの単独重合体、 ェチレ ンと α—ォレフインとの共重合体、 ポリブテンの単独重合体、 ポリイソ プレンの単独重合体等が挙げられる。 ひーォレフィンとしては、例えば、 プロピレン、 1ーブテン、 1—ペンテン、 1—へキセン、 4—メチルー 1—ペンテン、 1—ぺプテン、 1—ォクテン等が挙げられる。 また、 こ れらのポリオレフインは、 得られる物性を考慮した上で、 適宜組み合わ されてもよレ、。
また、 第 1, 第 2の発明に用いるポリオレフイン系樹脂の分子量及び 分子量分布は特に制限されるものではないが、 好ましくは重量平均分子 量が 5, 0 0 0〜5, 0 0 0 , 0 0 0、 より好ましくは 2 0, 0 0 0〜 3 0 0, 0 0 0であり、 分子量分布 (=重量平均分子量 数平均分子量) 力 好ましくは 2〜 8 0、 より好ましくは 3〜4 0とすることが望まし レ、。
第 1, 第 2の発明に用いるポリオレフイン系樹脂には適宜添加剤が添 加されていても構わない。 酸化防止剤、 耐光剤、 紫外線吸収剤、 滑剤等、 難燃剤、 帯電防止剤等の添加剤は、 所望の物性を得るために適宜用いら れる。 結晶核剤となり得るものを少量添加して、 結晶を微細化して、 物 性を均一化する補助とすることも可能である。
層状珪酸塩とは、 層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を指す。 層状珪酸塩の種類は特に限定されるものではないが、 膨潤性マイ力等の 合成層状珪酸塩、 モンモリ口ナイ ト、 サボナイ ト、 へク トライ ト、 バイ デライ ト、 スティブンサイ ト、 ノントロナイ トなどのスメクタイ ト系粘 土鉱物のほか、 パーミキユライ ト、 ハロイサイ トなどがあり、 天然のも
のでも合成されたものでも好ましく用いることができる。 さらに好まし くは、 計算式 (1 ) で定義される形状異方性効果が大きい膨潤性マイ力 を用いること力 複合材料の機械強度やガスバリャ性の面から望ましい。 形状異方性効果 =結晶側面 (A) の面積 Z層状結晶表面 (B) の面積
• · · ·式 (1 ) なお、 結晶側面 (A) とは、 図 1に略図的に示すように、 薄片状結晶 の側面であり、 結晶表面 (B) とは薄片状結晶同士が対向している面を レヽう。
本発明に用いられる層状珪酸塩の形状としては、 平均長さが 0. 0 1 〜3 μ πι、 厚さが 0. 00 :!〜 l At m、 アスペク ト比が 20〜 500の ものが好ましく用いられ、 より好適には平均長さが 0. 05〜2 /xm、 厚さが 0. 0 :!〜 0. 5 μ m、 アスペク ト比が 50〜 200のものが用 レ、られる。
本発明に用いる層状珪酸塩の陽イオン交換容量は特に限定されるもの ではないが、 50〜 200ミ リ当量ノ 1 00 gであることが好ましい。 5 0ミ リ当量 1 00 g未満の場合には、 結晶層間にイオン交換により ィンタ一力レートされるカチオン系界面活性剤の量が少ないために、 層 間が十分に非極性化されない場合がある。 一方、 200ミ リ当量 /1 0 O gを超える場合には、 層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり、 結晶 薄片をデラミネ一トすることが困難な場合がある。
有機化層状珪酸塩とは、 上記層状珪酸塩の陽イオン、 すなわち金属ィ オンが、 カチオン界面活性剤にてイオン交換されているものをいう。 上記カチオン系界面活性剤については特に限定されるものではないが. 4級アンモニゥム塩、 4級ホスホニゥム塩等が挙げられ、 好ましくは炭
素数 8以上のアルキル鎖を有する 4級アンモニゥム塩が用いられる。 炭 素数が 8以上のアルキル鎖を含有しない場合には、 アルキルアンモニゥ ムイオンの親水性が強く、 層状珪酸塩の層間を十分に非極性化すること ができない。 4級アンモニゥム塩としては、 例えば、 ラウリルトリメチ ルアンモニゥム塩、 ステアリルトリメチルアンモニゥム塩、 トリオクチ ルアンモニゥム塩、 ジステアリルジメチルアンモニゥム塩、 ジ硬化牛脂 ジメチルアンモニゥム塩、 ジステアリルジベンジルアンモニゥム塩等が 挙げられる。
第 1, 第 2の発明においては、 有機化層状珪酸塩の層状珪酸塩の結晶 側面が、 水酸基と化学結合する官能基もしくは化学親和性を有する官能 基を分子の末端に有する上記化学物質、 またはァニオン性界面活性能を 有する化合物にて、 それぞれ、 化学修飾されている。 第 1, 第 2の発明 のポリオレフイン系樹脂複合材料は、 ポリオレフイン系樹脂 1 0 0重量 部に対し及び有機化層状珪酸塩 0 . 1〜 5 0重量部から構成される。
(第 1の発明の詳細)
上記「水酸基との化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基」 は、 特に限定されないが、 少なくとも水酸基との化学親和性を有する官能基 である必要があり、 アルコシキシ基、 アルコキシシリル基、 エポキシ基、 カルボキシル基、 水酸基叉は無水マレイン酸基、 イソシァネート基、 ァ ルデヒ ド基等が好ましく用いられる。
これらの官能基を有する、 化合物、 オリ ゴマー、 ポリマー等の化学物 質について以下に説明する。
この様な化学物質としては、例えば、前記官能基を含むシラン化合物、 チタネート化合物、 グリシジル化合物、 カルボン酸類、 アルコール類等 が挙げられ、 好ましくは、 アルコキシシリル基を有する化学物質が用い られる。 アルコキシシリル基を含有する化合物として、 例えば、 シラン
0
カツプリング剤が挙げられ、 アルコキシシリル基を有するシラン力ップ リング剤は一般式 (2 ) にて表すことができる。
R 2
R S i R 3 式 ( 2 )
R 4 一般式 (2 ) 中、 R 1 としては、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプ 口ピル、 へキシル、 ォクタデシル、 さらには炭素原子を 1 2個以上含有 するアルキル基が挙げられる。
上記化学物質は炭素原子を 1 2個以上有する長鎖を含むことがより好 ましい。 これは以下のような理由によるものである。
すなわち前記のように、 結晶側面 (A ) 上の水酸基と反応または水素 結合する該化学物質は、 ポリオレフィン系樹脂と混練を行う際に樹脂の 分子鎖と絡み合うことにより、 結晶薄片を引き剥がす物理化学的発生点 として作用する為、 該化学組成物の分子量を大きくすることにより分子 鎖の絡み合いの効果が増大させ、 その結果層状珪酸塩の各薄片はさらに 引き剥がれ易くせしめることが可能となる。 また R 1は、 該化学物質の 分子末端に水酸基と化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基以外 に、 反応性官能基を含んでいても構わない。 反応性官能基として、 アミ ノプロピル基、 N— /3 (アミノエチル) γ—ァミノプロピル基、 ビニル 基、 エポキシ基、 ァクリロイル基、 無水マレイン酸基、 アルコキシ基、 カルボキシル基、 水酸基等が挙げられる。 これらの反応性官能基を用い る理由は以下のような点にある。
これらの反応性官能基を適宜ポリオレフイン系樹脂と反応させること により、 デラミネ一トを生じる物理化学的活性点として作用させること ができる。 例えば、 ビニル基を官能基として用いる場合には、 適当な半 減期温度を有するラジカル発生剤、 過酸化物等を混練の際に用いること により、 ポリオレフイン樹脂とのグラフ ト反応をさせることが可能とな る。
すなわち、 これらの反応性官能基と反応する適当な試薬と反応せしめ ることにより、 R 1を鎖延長 (あるいは分子量増大) せしめることがで きる。 このことにより、 分子鎖の絡み合いの効果をさらに高め、 層状珪 酸塩の各薄片は引き剥がれ易くせしめることが可能となる。 反応性官能 基と反応させる試薬については特に限定されるものではない。 また、 マ トリ ックス樹脂として使用するポリオレフイン樹脂と直接反応させてい ることも前記の理由から自明のように効果的である。
反応性官能基としては、 上記に上げた中でも、 ビニル基、 アミノ基、 エポキシ基、 またはァクリロイル基であることがより好ましい。 反応性 官能基としてビニル基を用いる場合には、 ビニル基を有する試薬やアル キル基との間に、 熱、 ラジカル開始剤、 紫外線、 電子線等のトリガーに より簡便に化学結合を形成せしめることができる。 また反応性官能基と してアミノ基を用いる場合には、 イソシネート基や無水マレイン基、 力 ルボキシル基、 カルボ二ル基を有する試薬との間に、 熱、 酸、 塩基等の トリガーにより簡便に化学結合を形成せしめることができる。 また反応 性官能基としてエポキシ基を有するを用いる場合には、 水酸基を有する 試薬等との間に、 熱、 酸、 塩基等のトリガーにより簡便に化学結合を形 成せしめることができる。 反応性官能基としてアタリロイル基を用いた 場合には、 電子線、 光、 紫外線などの物理的トリガー、 ァゾ系化合物、 過酸化物などによる化学的トリガーにより簡便に化学結合を形成せしめ
ることができる。
R 2 、 R 3 、 R 4の何れかが水酸基との化学結合性もしくは化学 親和性を有する官能基を有するものでない場合は、 その構造について特 に限定されるものではないが、 メチル基、 ェチル基、 メ トキシ基、 エト キシ基等が例として挙げられる。
上記化学物質としては、 炭素原子を 2個以上有するものが好ましく、 その例としては、 上記一般式 (2 ) で表わすことができるシランカップ リ ング剤でもあり、 ビニルトリメ トキシシラン、 ビニルトリエトキシシ ラン、 ビニルトリス ( ]3メ トキシェトキシ) シラン、 γ—ァミノプロピ ノレト リメ トキシシラン、 γ —ァミノプロピルメチルジメ トキシシラン、 ーァミノプロピルジメチルメ トキシシラン、 γ —ァミ ノプロピルト リ エ トキシシラン、 γ —ァミ ノプロピノレメチルジェ トキシシラン、 γ—ァ ミ ノプロピルジメチルエ トキシシラン、 メチルト リエトキシシラン、 ジ メチルジメ トキシシラン、 ト リメチルメ トキシシラン、 へキシルト リメ トキシシラン、 へキシルト リエトキシシラン、 Ν— 3 (アミノエチル) γ —ァミノプロビルトリメ トキシシラン、 Ν— 3 (アミ ノエチル) Ί— ァミノプロピルト リエ トキシシラン、 Ν— β (アミノエチル) γ —アミ ノプロピルメチルジメ トキシシラン、ォクタデシルトリメ トキシシラン、 ォクタデシルトリエ トキシシラン、 γ —メタク リ ロキシプロピルメチル ジメ トキシシラン、 γ —メタク リ ロキシプロビルトリメ トキシシラン、 ■V —メタタ リ ロキシプロピルメチルジェトキシシラン、 γ —メタク リ ロ キシプロピルトリエ トキシシラン、 γ—グリシドキシプロピルト リメ ト キシシラン、 γ—グリシドキシプロピルメチルト リエトキシシラン、 γ 一ダリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。 本発明において最も注目すべきことは, 有機化層状珪酸塩の結晶側面 の水酸基を、 水酸基との化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基
を分子の末端に有する化学組物質にて効率的に化学修飾することにある。 これにより、 少量の化学物質にて、 有機化層状珪酸塩の結晶表面の水酸 基を効率的に処理することが可能となる。 さらには、 該化学組成物は層 状珪酸塩の結晶の端面に結合する為、 各結晶薄片をデラミネ一トするに 際しての物理化学的な活性点として作用することが期待できることとな つた。 以下、 本発明の作用効果について詳述する。
一般に図 1に略図的に示す層状珪酸塩 1の結晶薄片は、 例えば図 2に 示すモンモリロナイ トの様に、 珪素等のイオンの回りに 4つの酸素ィォ ンが配位した 4面体 1 1、 アルミニウム等のイオンの回りに 6つの酸素 イオン又は水酸基イオンが配位した 8面体 1 2から構成され、 各々の結 晶薄片は、 層状結晶表面 (B ) 上にナトリウムやカルシウム等のイオン が配列することによりイオン結合力により結びつけられている。
上記層状珪酸塩は、 層間のナトリゥムイオンやカルシウムイオンを例 えばアルキルアンモニゥム塩等のようなカチオン性界面活性剤とイオン 交換することが可能である。 該アルキルアンモニゥム塩として、 例えば ジステアリルジメチルアンモニゥム塩等の非極性性の高いカチオン種を 用いることで、 層状結晶表面 (B ) は非極性化され、 非極性ポリマー中 における層状珪酸塩の分散性は比較的改善される。
しかしながら、 結晶側面 (A ) 上に存在する水酸基は上記イオン交換 後も極性サイ トとして残存しており、 これが、 有機化層状珪酸塩が非極 性ポリマー中に均一分散し得ない一因でもある。 本発明においては、 結 晶側面 (A ) 上に存在する水酸基を、 水酸基との化学結合性もしくは化 学親和性を有する官能基を分子の末端に有する化学物質にて化学修飾す るので、 非極性ポリマーであるポリオレフイン系樹脂と層状珪酸塩の相 溶性は著しく改善され、 層状珪酸塩をポリマー中に容易に均一分散する ことが可能となる。
さらに、 上記化学物質が炭素原子を 2個以上有するものであることに より、 非極性ポリマーであるポリオレフイン系樹脂との相溶性はより一 層改善される。
また、 結晶側面 (A) 上の水酸基と反応または水素結合する上記化学 物質は、 ポリオレフイン系樹脂と混練を行う際に樹脂の分子鎖と絡み合 うことにより、結晶薄片を引き剥がす物理化学的発生点として作用する。 すなわち、 結晶薄片を引き剥がす (=デラミネート) 為の応力は、 上記 化学物質が層状結晶表面 (B ) 上に存在する場合に比較してはるかに小 さくて済む。
これは、 図 3に示す様なモデルにて容易に説明することができる。 す なわち、 接着シート 3を被着基板 4から引き剥がすことを想定すると、 図 3 ( b ) の如くシートの中心付近を持って矢印方向に引っ張り力を与 えて引き剥がすよりも、 図 3 ( a ) の如くシートの端部を持って矢印方 向に引っ張り力を与えて引き剥がす方が、 遥かに小さな力でシートを引 き剥がすことが可能である。 この機構に従えば、 上記化学物質をポリオ レフイン系樹脂と反応させることによって、 混練の際に発生するデラミ ネー卜の為の応力をさらに向上することができることが、 容易に推察で さる。
特開平 1 0— 1 8 2 8 9 2号公報に開示された発明では、 このような 点が考慮されておらず、 従って、 均一分散の達成が困難であることが、 本発明の研究者らの研究により明らかにされたものである。
一般に、 層状珪酸塩の結晶薄片がポリマー中に分散すればする程、 ポ リオレフィン系樹脂と層状珪酸塩との複合材料の弾性率は著しく向上す る。 この現象は、 層状珪酸塩と樹脂との界面の面積が、 結晶薄片の分散 の向上に伴い増大することにより説明することができる。 すなわち、 ポ リマーと無機結晶との接着面においてポリマ一の分子運動が拘束される
ことにより、 ポリマー弾性率等の力学強度が増大する為、 結晶薄片の分 散割合が向上する程、効率的にポリマー強度を増大させることができる。 また、 層状珪酸塩の結晶薄片がポリマー中に微細に分散すればするほ どポリオレフイン系樹脂複合材料のガスバリャ性は著しく向上する。 無 機物に比較してポリマーはガス分子が遙かに拡散しやすいため、 本発明 複合材料中をガス分子が拡散する際には、 図 4に示すように層状珪酸塩 1を迂回しながらポリオレフイン系樹脂 2中を拡散する。 従ってこの場 合も、 結晶薄片の分散割合が向上する程、 効率的にガスバリヤを増大さ せることができる。
本発明複合材料を得る方法を用いることにより、 結晶薄片の分散割合 を著しく向上させることができ、 その結果、 機械的強度やガスバリヤ性 に優れたポリオレフイン材料が得られるわけである。
一方、 特開平 9一 1 8 3 9 1 0号公報に記載された方法は、 予め有機 溶媒を層状珪酸塩の層間に含浸させて層間距離を開いておくことで、 結 晶薄片の分散性を上昇させることを狙ったものであるが、 実際には、 酸 素バリャ性については改善効果がみられるものの、 残存溶媒が簡単には 抜けきらないためか、 曲げ弾性率はほとんど向上しなかった。 押出機の ベントロ程度では溶媒を完全に除去するのは困難であり、 その意味でェ 業的見地からの採用は困難な手法であると考えられる。
本発明複合材料を得た方法を展開することにより、 分子鎖の拘束によ る耐熱変形温度の上昇が期待でき、 また、 燃焼ガスの拡散の抑制効果や 無機結晶による核剤効果も期待できるので、 ポリオレフイン樹脂の耐熱 性、 難燃性、 寸法安定性等、 諸物性についても大幅に向上させることが 可能である。
(第 2の発明の詳細)
第 2の発明において用いられるァニオン性界面活性能を有する化合物
は、 特に限定されるものではないが、 正電荷との化学親和性が高い官能 基である必要がある。 これらの官能基を含有する化合物として、例えば、 ァニオン性の官能基を含むラゥリン酸ナトリゥム、 ステアリン酸ナトリ ゥム、 ォレイン酸ナトリウム等のカルボン酸塩、 ラウリルアルコール硫 酸エステルナトリ ウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニゥム、 セチルァノレコール硫酸エステルナト リ ゥム、 セチルアルコール硫酸エス テルアンモニゥム、 ステアリルアルコール硫酸エステルナトリ ウム、 ス テアリルアルコール硫酸エステルアンモニゥム、 ォレイルアルコール硫 酸エステルナト リ ゥム、 ォレイノレアルコール硫酸エステルアンモニゥム 等の高級アルコール硫酸エステル塩、 高級アルキルエーテル硫酸エステ ル塩、 硫酸化油、 硫酸化脂肪酸エステル、 硫酸化ォレフイン等の硫酸ェ ステノレ塩、 ァノレキノレベンゼンスルホン酸ナトリ ウム、 ァノレキルナフタレ ンスノレホン酸ナトリ ウム、 パラフィンスルホン酸ナトリ ウム、 スルホコ ハク酸ジ— 2—ェチルへキシルエステルナトリ ゥム塩等のスルホン酸塩、 高級アルコールリ ン酸エステルナトリ ウム、 高級アルコールリン酸エス テルアンモニゥム、 ポリ リン酸ナトリウム、 ポリ リン酸アンモニゥム等 のリン酸エステル塩が挙げられる。 これら以外の化合物でも、 分子鎖中 にァニオン発生部位を有する化合物であれば好ましく用いることができ る。
上記ァニオン性界面活性能を有する化合物は、 分子鎖中のァニオン部 位以外に反応性官能基を 1個または 2個以上含有するのが好ましい。 ま た、 上記ァニオン性界面活性能を有する化合物は、 炭素原子を 1 2個以 上含有する直鎖を有することが好ましい。
これは以下のような理由によるものである。 すなわち前記のように、 結晶側面 (A ) に化学修飾された化合物の分子鎖は、 ポリオレフイン系 樹脂と混練を行う際に樹脂の分子鎖と絡み合うことにより、 結晶薄片を
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引き剥がす物理化学的発生点として作用するため、 該試剤の分子量を大 きくすることにより分子鎖の絡み合いの効果が増大させ、 その結果層状 珪酸塩の各薄片は引き剥がれ易くせしめることが可能となる。 該試剤の 反応性官能基をポリオレフイン系樹脂と反応させても同様の効果が得ら れることは自明である。
上記反応性官能基については特に限定されるものではないが、例えば、 ビニル基、 アタリロイル基、 エポキシ基、 無水マレイン酸基、 アルコキ シ基、 カルボキシル基、 水酸基等が挙げられる。 これらのうちでも、 界 面活性剤の合成のし易さの点から、 ビニル基、 ァクリロイル基であるこ とが好ましい。
第 2の発明において最も注目すべきことは、 有機化層状珪酸塩の結晶 側面 (A) をァニオン性界面活性能を有する化合物にて化学修飾されて することにある。 これにより、 ァニオン性界面活性能を有する化合物は、 有機化層状珪酸塩の各結晶薄片をデラミネ一卜するに際しての物理化学 的な活性点として作用することが期待できる。
前述した第 1の発明の説明の場合と同様に、上記図 2の結晶側面(A ) 上に存在する正電荷はイオン交換後も残存しており、 これが、 有機化層 状珪酸塩が非極性ポリマー中に均一に分散し得ない理由の 1つであった c 第 2の発明においては、 結晶側面 (A ) の正電荷を、 ァニオン性界面活 性能を有する試剤にて化学修飾するこどを特徴とするため、 非極性ポリ マーであるポリオレフィン系樹脂と層状珪酸塩の相溶性は著しく改善さ れ、 層状珪酸塩をポリマー中に容易に均一分散することが可能となる。 また、 結晶側面 (A) の正電荷を、 ァニオン性界面活性能を有する試 剤は、 ポリオレフイン系樹脂と混練を行う際に樹脂の分子鎖と絡み合う ことにより、 結晶薄片を引き剥がす物理化学的発生点として作用する。 すなわち、 結晶薄片を引き剥がす (=デラミネート) ための応力は、 同
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化合物が結晶表面 (B ) 上に存在するに比較して遥かに小さくて済む。 これは、 図 3に示すようなモデルにて容易に説明することができる。 す なわち、 接着シートを被着基板から引き剥がすことを想定すると、 シー トの中心付近を持って引き剥がすよりも、 シートの端部を持って引き剥 がす方が遥かに小さな力でシートを引き剥がすことが可能である。 この 機構に従えば、 該化学組成物をポリオレフイン系樹脂と反応させること で、 混練の際に発生するデラミネ一トのための応力をさらに向上するこ とができることが、 容易に推察できる。 特開平 1 0— 1 8 2 8 9 2号公 報は、 このような点が考慮されておらず、 従って、 均一分散の達成が困 難であることが、 本発明の研究者らの研究により明らかにされたもので ある。
(第 3及び第 4の発明の詳細)
第 3, 第 4の発明で用いられる熱可塑性榭脂については、 特に限定さ れるものではないが、 ポリ ビニルァセタール、 ポリ塩化ビニル、 ポリ酢 酸ビエル、 ポリスチレン、 ポリオレフイン、 ポリメタクリル酸エステル、 ポリアク リノレ酸エステル、 ポリ ビニノレアルコール、 セルロースエステル、 ニ トロセルロース等の樹脂、 N B R、 S B R、 クロ口プレン、 イソプレ ンゴム、 ブタジエンゴム、 ブチノレゴム、 ウレタンゴム、 ノルボルネンゴ ムに代表されるような各種ゴム等を用いることができる。
上記ポリオレフインとしては、 プロピレンの単独重合体、 プロピレン とエチレンのランダム及びブロック共重合体、 エチレンの単独重合体、 エチレンと ひーォレフィンの共重合体、 ポリブテンの単独重合体、 ポリ イソプレンの単独重合体等が挙げられる。 α—ォレフィンとしては、 例 えば、 1—ブテン、 1—ペンテン、 1—へキセン、 4一メチル一 1ーぺ ンテン、 1—ぺプテン、 1ーォクテン等が挙げられる。
特に透明性、 接着性が要求される場合には、 例えば、 上記熱可塑性樹
月旨のうち炭素数が 1〜 1 0のアルデヒ ドでァセタール化して得られるポ リ ビエルァセタール樹脂が好適に用いられ、 特に、 炭素数が 4のブチル アルデヒ ドでァセタール化して得られるポリビニルプチラールが好まし レ、。
また、 これらの樹脂は必要な物性を考慮した上で、 適当な組み合わせ にてプレンドされていてもよい。
また、 第 3, 第 4の発明に用いる熱可塑性樹脂の分子量及び分子量分 布は特に限定されるものではないが、 成形性、 物性等から重量平均分子 量力 S 5, 0 0 0〜5, 0 0 0 , 0 0 0、 好ましくは 2 0, 0 0 0〜1, 0 0 0 , 0 0 0であり、 分子量分布が 2〜8 0、 好ましくは 3〜4 0と することが望ましレ、。
なお、 分子量分布は重量平均分子量/数平均分子量で表される。
第 3, 第 4の発明に用いる層状珪酸塩は、 第 1の発明に用いられる層 状珪酸塩と同様であるため、 第 1の発明における説明を援用する。
層状珪酸塩はそのまま使用してもよいし、 前もって処理された有機化 層状珪酸塩を使用してもよいが、 有機化層状珪酸塩を使用するのがより 好ましい。
上記有機化層状珪酸塩としては、 第 1, 第 2の発明と同様のものを用 いることができる。
なお、 層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩の添加量は熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対して 0 . 1から 1 0 0重量部であることが好ましい。 0 . 1重量部未満では、 添加量が少なく、 所望の物性を十分に発揮するには 至らない。 1 0 0重量部を超えて添加すると、 複合材料中に占める樹脂 分が少なくなり、 耐衝撃性などの物性が低下することがあり好ましくな レ、。 より好ましい層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩の添加量は 1〜 2 0重量部である。
層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩は、 微細に分散されていることが 必要である。 目視ゃ走査型電子顕微鏡 (S E M) レベルで確認できる 1 μ m以上の大きさの層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩が多く存在する ことは、 機械強度、 特に透明性の上で好ましくない。 Ι μ πι以上の層状 珪酸塩または有機化層状珪酸塩の量は 1 0 0 /z m X 1 0 0 i mあたり 1 0 0個以下が好ましく、 さらに好ましくは 5 0個以下である。
本発明で用いられる可塑剤とは、 特に限定されるものではないが、 リ ン酸エステル系、 フタル酸エステル系、 脂肪酸エステル系、 グリ コール エステル系、 エポキシ系等が挙げられ、 好ましく用いられる具体例とし ては、 ト リ クレジルフォスフェート、 ト リオクチルフォスフェート、 ジ ブチノレフタレート、 ジォクチルフタレー ト、 ジォクチルアジペー ト、 ジ オタチノレアゼレート、 ジォクチノレセバケ一ト、 トリエチレングリ コール 一ジーェチルブチラ一ト、 ト リエチレングリ コール一ジーェチルへキソ エート、 ト リエチレングリ コール—ジープチルセバケート、 エポキシ化 大豆油等が挙げられる。 これら可塑剤は樹脂との相溶性等を考慮して、 熱可塑性樹脂の種類に応じて使い分けられる。
可塑剤の添加量は、 熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対して、 2〜3 0 0 重量部が好ましい。 2重量部未満では、 層状珪酸塩または有機化層状珪 酸塩を十分に分散するのには不十分である。 また、 3 0 0重量部を超え て可塑剤を添加すると、 可塑剤のブリードアウトが生じるため、 好まし くない。 より好ましい可塑剤の添加量は 5〜 1 0 0重量部である。 また、 可塑剤の量は層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩 1部に対して、 可塑剤 の量が 0 . 5部から 1 0 0部であることが好ましい。
透明性、 接着性が要求される際に好適に用いられるボリビニルブチラ —ルの場合の可塑剤量は、 好ましくは 5〜 1 0 0重量部、 さらに好まし くは 3 0〜 7 0重量部である。
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第 3の発明の熱可塑性樹脂複合材料を得る方法としては特に限定され るものではないが、 第 4の発明に従って層状珪酸塩または有機化層状珪 酸塩と可塑剤を予め混合して、 層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩の層 間隔を十分に膨潤させたものを、 樹脂に添加して混練することが特に好 ましい。 この場合、 可塑剤の一部と層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩 の全量をー且混合し、 その後さらに可塑剤の残量を加えて混合してもよ レ、。
本発明に用いる熱可塑性樹脂複合材料には、 必要に応じて、 酸化防止 剤、 耐光剤、 紫外線吸収剤、 滑剤等、 難燃剤、 帯電防止剤等の添加剤を 添加してもよレ、。
可塑剤と層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩を混合する装置は、 特に 限定されないが、 遊星式攪拌装置、 湿式メカノケミカル装置、 ヘンシェ ルミキサー、 ホモジナイザー、超音波照射機などが一般的に用いられる。 樹脂、 可塑剤、 層状珪酸塩または有機化層状珪酸塩の混練に用いられ る装置も限定されるものではないが、 押出機、 プラストグラフ、 ニーダ 一、バンバリ一ミキサ一、力レンダーロールなどを用いることができる。 特に、 連続的に生産するという観点から、 押出機を用いることが好まし レ、。
第 3の発明の熱可塑性樹脂複合材料は、 各種樹脂によりいろいろな用 途に供することができる。 例えば、 ポリ ビュルプチラール、 層状珪酸塩 または有機化層状珪酸塩、 及び可塑剤との組み合わせからなる複合材料 は、 合わせガラス用中間膜、 特に多層系中間膜に好適に用いられ、 多層 系遮音性中間膜の中間層として、 建築用 · 自動車用などの合わせガラス 用中間膜として用いることができる。 また、 ポリ塩化ビニル、 層状珪酸 塩または有機化層状珪酸塩、 及び可塑剤との組み合わせからなる複合材 料は、 軟質塩化ビニル、 ゴムと して、 農業用ビュルシート、 食品用包装
材、 レザー、 フィルム、 制振シート、 壁紙、 チューブ類、 塗料、 接着剤 等の多彩な用途に用いることができる。
一般に層状珪酸塩が微細に樹脂中に分散すればする程、 熱可塑性樹脂 一層状珪酸塩複合物の機械的強度やガスバリヤ性、 透明性は著しく向上 する。 層状珪酸塩と樹脂との界面積が、 層状珪酸塩の分散の向上に伴い 増大することにより説明することができる。 すなわち、 樹脂と無機結晶 との界面においてポリマーの分子運動が拘束されることにより、 ポリマ 一の弾性率等の力学強度が増大するため、 層状珪酸塩の分散度合いが向 上する程、 効率的にポリマ一強度を増大させることができる。 また、 無 機物に比較して樹脂層はガス分子が遥かに拡散し易いため、 複合材料中 をガス分子が拡散する際には、無機物を迂回しながら拡散する。従って、 層状珪酸塩の分散度合いが向上する程、 効率的にガスバリャ性を向上さ せることができる。
さらに、 透明性の樹脂に層状珪酸塩を添加した場合、 分散している層 状珪酸塩の大きさが大きいと、光が散乱されて不透明となってしまう力 微細に分散される程、 光の散乱が少なくなつて、 光が透過し易くなり透 明性が良くなる。
以上の如く、 第 3, 第 4の発明において最も注目すべきことは、 層状 珪酸塩を樹脂中に分散させる際に、可塑剤が層間に侵入することにより、 層状珪酸塩を効率的に微細に分散させることが可能であり、 かつ、 可塑 剤を除去する必要がないため、 優れた物性の複合材料が簡易に得られる ことである。 さらに注目すべき点は、 層状珪酸塩を微細に分散させるこ とにより、 強度と柔軟性を両立させた軟質系複合材料が得られることで ある。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明に係るポリオレフイン系樹脂複合材料を得るのに用い られる層状珪酸塩の模式的斜視図である。
図 2は、 図 1に示されている層状珪酸塩の要部を部分的に拡大した概 念図である。
図 3は、 接着シートを基板から引き剥がす状態を示す側面図である。 図 4は、 本発明に係るポリオレフィン系樹脂複合材料中をガス分子が 透過する状態を説明するための模式的断面図である。 好ましい実施例の説明
以下、 本発明の具体的な実施例を説明することにより、 本発明を明ら 力、にする。
〔第 1の発明の実施例〕
以下の第 1の発明の実施例、比較例で用いた原材料について説明する。
*層状珪酸塩
層状珪酸塩として、 以下に示す鉱物を用いた。
•モンモリ口ナイ ト :豊順鉱業製モンモリ口ナイ ト (商品名 ;ベンゲル A )
•膨潤性マイ力 : コープケミカル製膨潤性マイ力 (商品名 ; M E— 1 0 0 )
*カチオン系界面活性剤含有層状珪酸塩
カチオン系界面活性剤を含有する層状珪酸塩として、 以下に示す資材 を用いた。
• D S D M変性モンモリロナイ ト :豊順鉱業製 D S D M変性モンモリ口 ナイ ト (商品名 ; ニューエスベン D =ジステアリルジメチルアンモニゥ ムクロライ ドにてモンモリロナイ ト層間のナトリゥムイオンを全量ィォ ン交換した有機化モンモリ口ナイ ト)
• D S D M変性膨潤性マイ力 ; コープケミカル製 D S D M変性膨潤性マ イカ (商品名 ; M A E =ジステアリルジメチルアンモニゥムクロライ ド にてモンモリロナイ ト層間のナトリゥムイオンを全量イオン交換した有 機化膨潤性マイ力)
*結晶側面 (A) を修飾する化学組成物
結晶側面(A) を修飾する化学組成物として以下の各組成物を用いた。 • ァミノプロビルト リメ トキシシラン (信越化学製 試薬)
'ォクタデシルトリメ トキシシラン (信越化学製 試薬)
• メタク リ ロキシトリメ トキシシラン (信越化学製 試薬)
· ビニルト リメ トキシシラン (信越化学製 試薬)
• y—グリシドキシプロビルト リ メ トクシシラン (信越化学製 試薬)
• 両末端アルコキシシリルポリイソプチレン (重量平均分子量 2万 鐘 淵化学 商品名 ;ェピオン)
*ポリオレフイ ン系樹脂組成物
ポリオレフイン系樹脂として以下の各組成物を用いた。
' ポリプロピレン (日本ポリケム 商品名 ; E A 9 )
• ポリエチレン (日本ポリケム 商品名 ; H B 5 3 0 )
*過酸化物
メタタ リ ロキシト リメ トキシシラン、 あるいはビニルトリメ トキシシ ランに含有される不飽和結合をポリプロピレン樹脂に対してグラフト反 応させることを目的として、 下記の過酸化物を用いた。
• 2 , 5—ジメチル一 2 , 5 —ビス ( t 一ブチルペルォキシ) へキサン (日本油脂製 商品名 ; パーへキサ 2 5 B、 半減期 1分の温度 = 1 8 0 。C)
*反応性試薬
ァミノプロビルトリメ トキシシラン (信越化学製 試薬) 処理した層
状珪酸塩に対して化学反応をさせる試薬として、 以下の化合物を使用し た。
• ステアリルアルコール (和光純薬 試薬)
' ェピクロロヒ ドリン (和光純薬 試薬)
*ポリオレフィン系オリ ゴマー
従来技術との比較に用いる榭脂オリゴマーとして以下の各組成物を用 いた。
'無水マレイン酸変性ポリプロ ピレンオリ ゴマー (三洋化成製 商品 名 ;ユーメックス 1 0 0 1、 官能基含有量 = 0 . 2 3 m m o 1 / g ) *分散スラリー調製用有機溶媒
従来技術との比較に用いる溶媒として以下の有機溶媒を用いた。 有機 化スラリ一の層間に含浸し、 層間距離を拡張する目的で用いられるもの である。
• キシレン (和光純薬 試薬)
〔結晶側面 (A) の処理方法〕
以下に示す方法により、 処理粉末 A〜F及び未処理粉末を調製した。 処理粉末 A : D S D M変性モンモリロナイ ト 5 0 0 gをヘンシェルミ キサ一中で撹拌しながら、 ァミノプロキシトリメ トキシシランの 2 w t %水溶液 1 0 0 gを 3分間かけて滴下した。 滴下終了後、 さらに 1 0 分間の撹拌を行った。 該処理粉末を 7 0 °Cに温調した減圧乾燥機中に保 持し、 8 h r乾燥を行った粉末を、 処理粉末 Aとした。
処理粉末 B :上記処理粉末 Aの作成方法のうち、 ァミノプロピルトリ メ トキシシランの替わりにォクタデシルトリメ トキシシランを用いて、 処理粉末 Bを調製した。
処理粉末 C :上記処理粉末 Aの作成方法のうち、 アミノブ口ピルトリ メ トキシシランの替わりにメタクリロキシトリメ トキシシランを用いて,
処理粉末 cを調製した。
処理粉末 C— 2 :上記処理粉末 Aの作成方法のうち、 ァミノプロピル トリメ トキシシランの替わりにビニルトリメ トキシシランを用いて、 処 理粉末 C一 2を調製した。
処理粉末 C— 3 :上記処理粉末 Aの作成方法のうち、 ァミノプロピル トリメ トキシシランの替わりにダリシドキシプロピルトリメ トキシシラ ンを用いて、 処理粉末 C一 3を調製した。
処理粉末 C— 4 : 上記処理粉末 Aの作成方法のうち、 ァミノプロピル トリメ トキシシランの替わりに両末端アルコシキシリルポリイソブチレ ンを用いて、 処理粉末 C一 4を調製した。
処理粉末 D :上記処理粉末 Aの作成方法のうち、 D S D M変性モンモ リロナイ トの替わりに有機化膨潤性マイ力を用いて、 処理粉末 Dを調製 した。
処理粉末 E :上記処理粉末 Aの作成方法のうち、 D S D M変性モンモ リ ロナイ トの替わりにモンモリ 口ナイ トを用いて、 処理粉末 Eを調製し た。
処理粉末 F :上記処理粉末 Aの作成方法のうち、 D S D M変性モンモ リロナイ トの替わりにモンモリロナイ トを用いて、 さらにァミノプロピ ルトリメ トキシシランの替わりにォクタデシルトリメ トキシシランを用 いて、 処理粉末 Fを調製した。
未処理分末: D S D M変性モンモリ 口ナイ トを用いた。
処理粉末 C一 3とェピクロルヒ ドリンとの反応: グリシドキシプロピ ルトリメ トキシシランの 5倍量のェピクロルヒ ドリンを反応させた。 処理粉末 Aとェピクロルヒ ドリンとステアリルアルコールの反応: ァ ミノプロピルトリメ トキシシランとェピクロルヒ ドリンを反応させた後 に、 さらに、 ステアリルアルコールを加えて反応させた。
これら処理粉末、 未処理粉末の処理等に用いた層状珪酸塩や内容等を 表 1に示した。
〔評価用サンプル作成方法〕
日本製鋼所製小型押出機 (T E X 3 0) 中に、 樹脂と上記各処理粉末 が重量比率で 9 2. 7/ 7. 7となるようにフィードし、 設定温度 2 0 o°cにて溶融混練し、 押し出されたストランドをペレタイザ一にてペレ ッ ト化した。 得られたペレツ トを 2 0 0°Cに温調した熱プレスにより厚
さ 2 m mまたは厚さ 1 0 0 /i mの板状物を成形した。
なお、 投入物が液体の場合には、 プランジャ一ポンプやギヤポンプを 用いて、 押出機途中から所定の混合割合にて投入した。 後述の比較例 3 に示す液状の過酸化物 (パーへキサ 2 5 B ) の投入については、 プラン ジャーポンプを用いた。 また後述の比較例 8については、 未処理粉末を 粉末の 9倍重量のキシレン中に投入し 1時間撹拌することでスラリー化 し、 該スラ リーをギヤポンプを用いて押出途中に投入し、 さらに押出機 付属のベントロにより脱溶媒したものである。
〔サンプル評価法〕
(曲げ弾性率)
上記 2 m m厚の板状物から試験片を切り出し、 J I S K 7 2 0 7に 規定される方法にて、 テンシロン試験機を用いて測定した。
(ガスバリヤ性)
上記 1 0 0 μ m厚の板状物から試験片を切り出し、 酸素透過性試験機 (モダンコントロール社製:装置名 O X t r a n— T w i n ) にて酸 素ガスの透過速度を測定した。
実施例 1 〜 5及び比較例 1 〜 8
上記ポリオレフイン系樹脂と各種処理粉末とを用い、 上記サンプル作 成方法によつて本発明ポリォレフィン系樹脂複合材料のサンプルを作成 し、 上記評価法に従って得た物性評価結果を表 2に示した。 実施例及び 比較例にて行った各資材の配合割合、 及びサンプルの物性評価結果を併 せて表 2に示した。
表 2
比較例 1及び比較例 2はポリプロピレン樹脂単独及びポリエチレン樹 脂単独で押出を行ったサンプルについて物性を評価したものである。 ポ リプロピレン樹脂単独押出品では曲げ弾性率が 1. 3 7 G p a、 酸素透 過性が 2 84 c c c m2ノ日であった。 これに比較して、 比較例 3に 示すように、 カチオン系界面活性剤のみで有機処理を行った層状珪酸塩 を用いる場合には、 曲げ弾性率が 1. 46 G p a、 酸素バリヤ性が 24 1 c cノ c m2ノ日とやや改善されるにとどまった。 これに対し、 特開 平 1 0— 1 8 28 9 2号公報に開示の水素結合性官能基を有するポリオ レフインオリゴマーを用いると、 比較例 7に示すようにポリマーの曲げ 弾性率及び酸素バリヤ性は、 1. 9 8 G p a、 S O S c cZc m2,日 と向上した。 しかし、 比較例 6に示すように、 水素結合性官能基を有す るポリオレフインオリゴマーの量を増やすと、 酸素バリヤ性は 2 80 c c Z c m2,日と逆に低下する傾向が観測された。 これは、 酸変性オリ ゴマーが多量にポリプロピレン中に含有されることにより、 ポリプロピ レンの結晶構造が乱れることによりガス透過性が向上したことに由来す ると考えられる。
これに対して、 実施例 1〜実施例 5に示すように、 水素結合性官能基 を有するポリオレフインオリゴマーは使用せずに、 結晶側面 (A) を修 飾する化学組成物を用いた場合、 曲げ弾性率はいずれも単独のポリオレ フィン樹脂に対して 2倍以上、 酸素バリヤ性は単独のポリプロピレンに 対していずれも 1 2以下と、 顕著な物性改善効果が観測された。 特筆 すべきは、 実施例 3及び実施例 3— 2にて過酸化物を用いた場合で、 曲 げ弾性率がそれぞれ 3. 2 2 G p a、 3. l l G p a、 酸素透過性がそ れぞれ I S c c / c m2 /日、 1 3 7 c c Zc m2Z日と、 非常に良 好な物性が観測された。
これは、 結晶側面 (A) を修飾する化学組成物の末端の不飽和結合が
ポリプロピレン主鎖と化学結合することにより、 層状珪酸塩の結晶薄片 を引き剥がす効果、 すなわち図 2にモデル的に示した効果によって、 結 晶薄片の分散がより進行したものと考えられる。 また、 実施例 3— 3、 3— 4、 3 - 5はいずれも層状珪酸塩を処理する化学組成物を高分子量 化することで層状珪酸塩の結晶薄片を引き剥がす効果を高めることを狙 つたものであるが、 いずれも高い曲げ弾性率及び酸素バリャ性の向上が 観測された。
また、 実施例 4に示すように、 形状異方性効果の高い層状珪酸塩 (膨 潤性マイ力) を用いる場合には、 さらに物性向上効果が高いことがわか る。 さらに、 実施例 5に示すように、 本発明はポリプロピレン榭脂のみ ならず、 その他のポリオレフイン樹脂についても有効な発明であること が判明した。
また、 比較例 8は特開平 9一 1 8 3 9 1 0号公報の方法による方法を 用いたものである。 この方法は、 あらかじめ有機溶媒を層状珪酸塩の層 間に含浸させて層間距離を開いておくことで、 結晶薄片の分散性を上昇 させることを狙ったものであるが、 実際には、 酸素バリヤ性については 改善効果がみられるものの、 残存溶媒が簡単には抜けきらないために、 曲げ弾性率はほとんど向上されなかった。 押出機のベントロ程度では溶 媒を完全に除去するのは困難であり、 その意味で工業的見地からは非現 実的な手法であると考えられる。
〔第 2の発明の実施例〕
以下に第 2の発明の実施例中で用いた原材料を示す。
*層状珪酸塩
第 1の発明の実施例と同じくモンモリ口ナイ ト及び膨潤性マイ力を用 意した。
*カチオン系界面活性剤含有層状珪酸塩
第 1の発明の実施例と同じく D S D M変性モンモリ口ナイ ト及び D S D M変性膨潤性マイ力を用意した。
*結晶側面 (A) を修飾する化学物質
結晶側面 (A) を修飾する化学物質として以下の各物質を用いた。 · アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ ウム (三洋化成製)
*ォレイン酸ナトリウム (三洋化成製)
• アタ リ ロイル基含有スルホン酸エステル (三洋化成製 商品名 ; エル ミノール)
' ポリ リン酸アンモニゥム (和光純薬 試薬)
*ポリオレフィン系樹脂組成物
ポリオレフイン系樹脂として以下の各組成物を用いた。
' ポリプロピレン (日本ポリケム製、 商品名 ; E A 9 )
. ポリエチレン (日本ポリケム製、 商品名 ; H B 5 3 0 )
*過酸化物
ォレイン酸ナトリ ウム、 ァク リ ロイル基含有スルホン酸エステルに含 まれる不飽和結合をポリプロピレン樹脂に対してグラフト反応させるこ とを目的として、 下記の過酸化物を用いた。
• 2 , 5—ジメチノレ一 2 , 5 —ビス ( t 一ブチルペルォキシ) へキサン (日本油脂製 商品名 ; パーへキサ 2 5 B、 半減期 1分の温度 = 1 8 0 °C)
*ポリオレフィン系オリ ゴマ一
従来技術との比較に用いる樹脂オリゴマーとして以下の各組成物を用 いた。
'無水マレイン酸変性ポリプロ ピレンオリ ゴマー (三洋化成製 商品 名 ;ユーメッタス 1 0 0 1、 官能基含有量 = 0 . 2 3 m m o 1 / g ) *分散スラリー調製用有機溶媒
従来技術との比較に用いる溶媒として以下の有機溶媒を用いた。 有機 化スラリーの層間に含浸し、 層間距離を拡張する目的で用いられるもの である。
• キシレン (和光純薬 試薬)
〔結晶側面 (A ) の処理方法〕
以下に示す方法により、 処理粉末 G〜L及び未処理粉末を調製した。 処理粉末 G : D S D M変性膨潤性マイ力 5 0 0 gをヘンシェルミキサ 一中で撹拌しながら、 上記アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ ゥムの 2 %水溶液を 3分間かけて滴下した。 滴下終了後、 さらに 1 0分間の撹 拌を行った。 該処理粉末を 7 0 °Cに温調した減圧乾燥機中に保持し、 8 h r乾燥を行った粉末を、 処理粉末 Gとした。
処理粉末 H :上記処理粉末 Gの作成方法のうち、 アルキルベンゼンス ルホン酸ナトリゥムの替わりにォレイン酸ナトリウムを用いて、 処理粉 末 Hを調製した。
処理粉末 I :上記処理粉末 Gの作成方法のうち、 アルキルベンゼンス ルホン酸ナトリゥムの替わりにアタリロイル基含有スルホン酸エステル を用いて、 処理粉末 I を調製した。
処理粉末 J :上記処理粉末 Gの作成方法のうち、 アルキルベンゼンス ルホン酸ナトリゥムの替わりにポリ リン酸アンモニゥムを用いて、 処理 粉末 Jを調製した。
処理粉末 K :上記処理粉末 Gの作成方法のうち、 D S D M変性膨潤性 マイ力の替わりに D S D M変性モンモリ口ナイ トを用いて、 処理粉末 K を調製した。
処理粉末 L :上記処理粉末 Gの作成方法のうち、 D S D M変性膨潤性 マイ力の替わりに D S D M変性していない膨潤性マイ力を用いて、 処理 粉末 Lを調製した。
未処理分末: D S D M変性膨潤性マイ力を用いた。
これら処理粉末、 未処理粉末の処理等に用いた層状珪酸塩や内容等を 表 3に示した。 表 3
〔評価用サンプル作成方法〕
第 1の発明の実施例における評価サンプルの作成方法と同様にして厚 さ 2 m mまたは厚さ 1 0 0 μ mの板状物を成形した。
なお、 投入物が液体の場合には、 プランジャーポンプやギヤポンプを 用いて、 押出機途中から所定の混合割合にて投入した。 後述の比較例 1 1に示す液状の過酸化物 (パーへキサ 2 5 B ) の投入については、 プラ ンジャーポンプを用いた。 また後述の比較例 1 5については、 未処理粉 末を粉末の 9倍重量のキシレン中に投入し 1時間撹拌することでスラリ
一化し、 該スラリーをギヤポンプを用いて押出途中に投入し、 さらには 押出機付属のベントロにより脱溶媒したものである。
〔サンプル評価法〕
曲げ弾性率及びガスバリヤ性を、 第 1の発明の実施例と同様にして評 価した。
実施例 6〜: 1 1及び比較例 9〜 1 5
上記ポリオレフイン系樹脂と各種処理粉末とを用い、 上記サンプル作 成方法によって本発明ポリオレフイン系樹脂複合材料のサンプルを作成 し、 上記評価法に従って物性評価を行った。 実施例及び比較例にて行つ た各資材の配合割合、 及びサンプルの物性評価結果を表 4に示した。
表 4
比較例 9及び比較例 1 0はポリプロピレン樹脂単独及びポリエチレン 樹脂単独で押出を行ったサンプルについて物性を評価したものである。 ポリプロピレン樹脂単独押出品では曲げ弾性率が 1. 3 7 G p a、 酸素 透過性が 2 8 4 c c Z c m2 日であった。 これに比較して、 比較例 1 3に示すように、 カチオン系界面活性剤のみで有機処理を行った層状珪 酸塩を用いる場合には、 曲げ弾性率が 1. 3 2 G p a、 酸素バリヤ性が S S l c c Z c m2ノ日とやや改善されるにとどまった。 これに対し、 特開平 1 0— 1 8 2 8 9 2号公報に開示の水素結合性官能基を有するポ リオレフインオリゴマーを用いると、 比較例 1 3に示すようにポリマー の曲げ弾性率及び酸素バリヤ性は、 2. 3 2 G p a、 2 6 3 c c / c m 2 日と向上した。
これに対して、 実施例 6〜実施例 1 1に示すように、 水素結合性官能 基を有するポリオレフインオリゴマーは使用せずに、 結晶側面 (A) を 修飾する化合物を用いた場合、 曲げ弾性率はいずれも単独のポリオレフ イン樹脂に対して約 2倍以上、 酸素バリヤ性は単独のポリプロピレンに 対していずれも約 1 Z2以下と、 顕著な物性改善効果が観測された。 特 筆すべきは、 実施例 7及び 8にて過酸化物を用いた場合で、 曲げ弾性率 がそれぞれ 3. 2 2 G p a、 3. 1 2 G p a、 酸素透過性がそれぞれ 1 3 2 c c / c m2Z日、 1 2 6 c c / c m2 /日と、 非常に良好な物性 が観測された。 これは、 結晶側面 (A) を修飾する化学組成物の末端の 不飽和結合がポリプロピレン主鎖と化学結合することにより、 層状珪酸 塩の結晶薄片を引き剥がす効果、 すなわち図 2にモデル的に示した効果 によって、 結晶薄片の分散がより進行したものと考えられる。 また、 実 施例 1 0に示すように、 膨潤性マイ力でもモンモリ口ナイ トでも同様に 物性向上効果が得られることがわかる。
さらに、 実施例 1 0に示すように、 本発明はポリプロピレン樹脂のみ
ならず、 その他のポリオレフィン樹脂についても有効な発明であること が判明した。 また、 比較例 1 5は特開平 9一 1 8 3 9 1 0号公報の方法 による方法を用いたものである。 この方法は、 予め有機溶媒を層状珪酸 塩の層間に含浸させて層間距離を開いておくことで、 結晶薄片の分散性 を上昇させることを狙ったものであるが、 実際には、 酸素バリヤ性につ いては改善効果がみられるものの、 残存溶媒が簡単には抜けきらないた めに、 曲げ弾性率はほとんど向上されなかった。 押出機のベント口程度 では溶媒を完全に除去するのは困難であり、 その意味で工業的見地から は非現実的な手法であると考えられる。
(第 3, 第 4の発明の実施例)
実施例 1 2
〔評価用サンプル作成方法〕
可塑剤 (トリエチレングリ コールージーエチレンブチレート) 5 0重 量部と有機化メスクタイ ト (商品名 S A N、 コープケミカル社製) 7 . 5重量部を遊星式攪拌装置で 1分間混合して、 ペース ト状の混合物を得 た。 得られたペース ト状混合物 5 7 . 5重量部とポリ ビニルブチラール (ブチラ一ル化度 6 5モル0 /0) 1 0 0重量部をプラストグラフで、 設定 温度 1 4 0 °Cにて 5分間溶融混練した。 出来上がったサンプルを 2 0 0。Cに温調した熱プレスにより厚さ 0 . 5 m mのシート状物を得た。
〔サンプル評価法〕
(引張強度と破断点伸び)
上記 0 . 5 m m厚のシート状物から試験片を切り出し、 J I S K 7 1 1 3に規定の方法にて、 テンシロン試験機を用いて測定した。
(分散性)
S E Mにより任意の位置で、 1 0 0 μ m X 1 0 0 // mの範囲を観察し た。 結果を表 5に示す。
◎印 : 1 μ m以上の粒子数≤ 5 0
〇印 : 5 0く 1 μ m以上の粒子数≤ 1 00
X印 : 1 00 < 1 m以上の粒子数
実施例 1 3〜 2 3
表 5に示した材料、 配合割合で、 実施例 1 2と同様にして試料を作成 し評価を行った。 結果を表 5に示す。
比較例 1 6
〔評価用サンプル作成方法〕
ポリ ビニルブチラ一ル (ブチラール化度 70モル0 /0、 残存ァセチル基 1 2モル0 /0) 1 00重量部と可塑剤 (トリエチレングリコール—ジ―ェ チレンブチレート) 50重量部をプラストグラフで、 設定温度 1 40°C にて 5分間溶融混練した。 出来上がったサンプルを 200°Cに温調した 熱プレスにより厚さ 0. 5mmのシート状物を成形した。 得られたシー トを用いて実施例 1 2と同様に評価を行った。 結果を表 5に示す。
比較例 1 7
表 5に示した材料、 配合割合で、 実施例 1 2と同様にして試料を作成 し評価を行った。 結果を表 5に示す。
表 5 配 合 組 成 分散性 引 張 強 度 (MP a) 破断伸び 樹 脂 可 塑 剤 層状珪酸塩 100 % 200% 300 % 最大応力 (%) 種類 ft 種類 量 種類 量 モジュラス モジュラス モジュラス
12 A 100 3GH 50 c 7. 5 ◎ 10. 0 25. 0 47. 0 26 1.0 802
13 A 100 3 GH 50 a 7. 5 ◎ 20. 0 5 1. 0 85.0 355.0 740
14 A 100 3 GH 40 c 7. 5 ◎ 39. 0 90. 0 148. 0 320. 0 550
15 A 100 3GH 60 c 7. 5 ◎ 6. 0 1 5. 0 25. 0 164. 0 950
16 B 100 3 GH 50 c 7. 5 6. 0 10. 5 16. 4 80. 6 1070
1 7 B 100 3 GH 50 a 7. 5 ◎ 10. 8 22. 7 35. 2 6 1. 7 545 施
18 B 100 3 GH 50 b 7. 5 ◎ 20. 8 43. 6 6 1. 5 74. 8 373
19 B 100 3 GO 50 c 7. 5
例 ◎ 7. 2 14. 5 24. 6 1 72. 0 1021
20 B 100 3 GH 50 a 50 ◎ 103. 0 1 56. 0 154
21 B 100 3 GH 20 a 7. 5 ◎ 52. 0 140. 0 1 83. 0 285
22 B 100 3 GH 50 b 3. 0 ◎ 9. 0 1 7. 2 25. 2 55. 8 620
23 B 100 3 GH 50 d 7. 5 〇 5. 1 8. 3 1 1. 9 76. 6 1 256 比 16 B 100 3 GH 50 3. 6 4. 8 6. 6 52. 5 1 1 94 較
例 17 B 100 3 GH 50 e 7. 5 X 4. 0 5. 6 7. 5 54.0 1050
なお、 表 5中で用いた略号は、 各々、 以下に示す内容である。
樹脂
A : ポリ ビニルブチラール (ブチラール化度 6 5モル0 /。、 重合度 1 7 0 0、 残存ァセチル基量 0 . 5モル0 /0)
B : ポリ ビニルブチラール (ブチラール化度 7 0モル0 /0、 重合度 1 7 0 0、 残存ァセチル基量 1 2モル0 /。)
層状珪酸塩
a : モンモリロナイ ト : サザンクレイ社製 (商品名 : クロイサイ ト 2 O A ) 有機化処理品
b :膨潤性マイ力 : コープケミカル社製 (商品名 : M A E— 1 0 0 ) 有機化処理品
c : スメクタイ ト : コープケミカル社製 (商品名 : S A N ) 有機化処 d :精製モンモリロナイ ト : クニミネ社製 (商品名 : クニピア G ) e :微細タルク : 白石カルシウム社製 (商品名 :ハイフィラー # 5 0 0 0 )
可塑剤
3 G H ト リエチレングリ コーノレ—ジーェチノレブチレ一 ト
3 G O トリエチレングリコ一ノレ—ジーェチルへキソエート
発明の効果
第 1の発明に係るポリオレフイン系樹脂複合材料によれば、 ポリオレ フィン系樹脂 1 0 0重量部及び有機化層状珪酸塩 0 . 1 〜 5 0重量部か らなり、 層状珪酸塩が、 結晶構造中に交換性カチオンとして含有する金 属イオンをカチオン系界面活性剤にてイオン交換された有機化層状珪酸 塩であり、 かっこの有機化層状珪酸塩の結晶側面の水酸基が、 水酸基と
の化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基を分子の末端に有する 化学物質にて化学修飾されて成るので、 ポリオレフインの弾性率及びガ スバリヤ性等の物性が著しく改良されたものである。
第 2の発明に係るポリオレフイン系樹脂複合材料によれば、 ポリオレ フィン系樹脂 1 0 0重量部及び有機化層状珪酸塩 0 . 1〜5 0重量部か らなり、 層状珪酸塩が、 結晶構造中に交換性カチオンとして含有する金 属イオンをカチオン系界面活性剤にてイオン交換された有機化層状珪酸 塩であり、 かっこの有機化層状珪酸塩の結晶側面の水酸基が、 ァニオン 性界面活性剤を有する化合物にて化学修飾されて成るので、 ポリオレフ ィンの弾性率及びガスバリャ性等の物性が著しく改良されたものである c 第 3の発明に係る熱可塑性樹脂複合材料では、 熱可塑性樹脂、 層状珪 酸塩及び可塑剤からなり、 層状珪酸塩が微細に分散されている熱可塑性 樹脂組成物であるので、 力学的強度、 高弾性率化、 可塑剤のブリードア ゥ ト性の低減などを著しく向上することが可能である。 特に、 従来困難 であった、 柔軟性と強度のバランスを確保することが可能である。