H-ホスホネ一卜オリゴヌクレオチド誘導体、 及び該誘導体の製造方法 技術分野
本発明は、 新規な H-ホスホネ一卜ォリゴヌクレオチド誘導体、 及び該誘導体の 製造方法に関する。 詳しくは、 ホスホジエステラーゼ耐性で、 かつ細胞への取り 込み効率の高い H-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体に関する。 背景技術
近年、 遺伝子発現を阻害するアンチセンス DNAとして数多くの DNA類似体が合成 されている。 中でも、 ホスホロチォエート型 DNAとメチルホスホネート型 DNAにつ いて広く研究されている。 例えば、 ホスホロチォェ一ト型 DNAに関しては、 ヒト免 疫不全ウィルス (HIV) の発現制御 (C.Cazenave et al, Nucleic Acids Res.,15, 10507(1987), W. J. Stec et al, J. Am.Chem. ,106,6077(1984)、 S.Agrawal et al,Pro c.Natl. Acad. Sci. USA, 85, 7079(1988), T.Vickers et al, Nucleic Acids Res. ,19, 3359(1991)) 、 単純へルぺスウィルス (HSV) の発現制御 (W.Gao et al,J.Biol. Chem., 2643, 11521(1989)) 、 ゥシパピ口一マウィルス (BPV) の発現の制御 (L.M .Cowsert et al, Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 37, 171 ( 1993 ) ) 、 c-m yc oncogeneの発現制御 (E.L.Wickstrom et al, In Vitro Cell Develop. Biol. ,2 5,297(1989)) 、 BCL-2 oncogeneの発現制御 (J. C. Reed et al,Proc.Natl.Acad. S ci.USA,87, 3660(1990)) 、 I CAM- 1タンパク質の発現制御 (J.A.M.Maier et al,Sc ience., 249, 1570(1990)) や IL- 1?タンパク質の発現制御 (J.Manson et al,Lymp hokine Res. ,9,35(1990)) などが報告されている。 また、 メチルホスホネート型 MAに関しては、 単純へルぺスウィルス (HSV) の発現制御 (C.C.Smith et al,Pr oc. Natl. Acad. Sci.USA,83,2785( 1985), M.Koziolkiewicz et al,Chem. Scripta,26
,251(1986)) 、 水疱性口内炎ウィルス (VSV) の発現制御 (C.H.Agris et al,Bio chemistry, 25, 6268(1986)) 、 SV40の発現制御 (P.S.Miller et al,Biochimie,67 ,769(1985)) 、 N-ras oncogeneの発現制御 (D.M.Tidd,Anti-Cancer Drug Design ,3,117(1988)) 、 JGlobinの発現制御 (K. R. Blake, Biochemistry,24,6132( 1985) ) やクロラムフエニコールァセチルトランスフェラ一ゼの発現制御 (C.J.Marcus -Sekura, Nucleic Acid Res. ,15,5749(1987)) などが報告されている。
しかしながら、 ホスホロチォェ一ト型 DNAには、 その二重鎖の安定性が低く、 標 的とする m A以外のタンパク質とも結合し、 非選択的な阻害を惹起するという問 題点があった。 また、 メチルホスホネート型 DNAは、 標的 mMAに高い特異性を有し ているが、 親和性が低いために有効な生物活性を示すためには高濃度で使用しな ければならず、 さらに、 水に対する溶解度が低いため高濃度で細胞に投与できな いという問題点があった。
このような問題点を改良すべくいくつかの提案がなされている。 例えば、 ヒド 口キシメチル基を導入することにより、 水溶性などを高めたヒドロキシメチルホ スホネ一ト型 DNAが提案されている(Bioorganic Chem.22, 128(1994)、 Tetrahedron LeH 8845(1995))。
なお、 構造上、 二重鎖の安定性が高く、 高い水溶性を有し、 さらに RNaseの基質 になりにくいと考えられる H-ホスホネ一卜オリゴヌクレオチド誘導体としては、 その有用性にも関わらず本発明者らの知る限りにおいては、わずかに 2量体のもの が報告されているのみである (J. Org. Chem., 49., 139(1984)) 、 Tetrahedron Let t., 29, 2911 (1989), Tetrahedron Lett. ,30,4713( 1989)s Tetrahedron Lett., l,4 145 (1980) ) 。 また、 固相担体に結合した状態の H-ホスホネートオリゴヌクレオ チドについての報告例もあるが (W090/1202(PCT/US90/01865)) 、 固相担体から切 り出すと該ヌクレオチドは直ちに加水分解されてしまう。 即ち、 長鎖の H-ホスホ ネ一卜オリゴヌクレオチドについては、 これまでに合成し、 単離された報告例は 皆無である。
発明の開示
本発明は、 新規な H-ホスホネ一卜オリゴヌクレオチド誘導体、 及び該誘導体の 合成方法を提供することを課題とする。
H -ホスホネートオリゴヌクレオチドは塩基性条件下において極めて不安定であ る。 このため通常の DNA合成における塩基部位のァシル型保護基の除去および固相 担体からのオリゴマーの切り出しを行う場合には、 用いられるアンモニァ水処理 の過程で完全に分解されてしまう。 この場合でも、 H-ホスホネートオリゴヌクレ ォチドの 3'および 5'水酸基に保護基が導入されてレ、れば無水塩基性条件下におレ、 ても比較的安定である。 しかし、 保護基を除去してしまうと、 H-ホスホネート DN Aの 3'末端に存在する遊離の水酸基が 2' -デォキシリボースを介して 5'側に隣接す る H-ホスホネ一トジエステルを分子内求核攻撃し、 これにより H-ホスホネ一ト DN Aがヌクレオシド 3', 5' -環状ホスホネートを形成しながら逐次 3,側から分解されて しまう。 H-ホスホネ一ト DNAの 5'末端に存在する遊離の水酸基も同様の反応機構に より 2' -デォキシリボ一スを介して 3'側に隣接する H-ホスホネ一トジエステルを分 子内求核攻撃し、 これにより H-ホスホネート DNAがヌクレオシド 3,,5,- 環状ホス ホネートを形成しながら逐次 5'側から分解されてしまう (図 1 A ) 。
そこで、 本発明者らは、 合成過程における H-ホスホネートオリゴヌクレオチド の塩基性条件下における分解を抑制し、 高収率で H-ホスホネートオリゴヌクレオ チドを合成する方法について、 鋭意研究を行った。 この結果、 本発明者等は、 固 相法でォリゴマーを合成する際に、 ォリゴマーの 3'末端および 5'末端に適当な鎖 長のアルキレン基をもつアルコキシホスホン酸の導入を行うと、 オリゴマーの 3, および 5'水酸基とそれにより分子内求核攻撃を受けていた H-ホスホネートジエス テルとの分子間距離が離れるため、 該水酸基の H-ホスホネ一トジエステルへの攻 撃が不可能となり、 無水塩基性条件下で反応を行った場合でも、 H-ホスホネート オリゴヌクレオチドの分解が顕著に抑制され (図 1 B ) 、 これにより H-ホスホネ
一卜オリゴヌクレオチドが効率よく合成されることを見いだした。
本発明の H-ホスホネ一トォリゴヌクレオチド誘導体は、 下記一般式(I )で表され るものである。
[式中、 Bは互いに異なっていてもよい、 チミン、 シトシン、 ゥラシル等のピリミ ジン塩基、 アデニン、 グァニン等のプリン塩基または 5-メチルシトシン、 5-フル ォロウラシル、 5—ヒドロキシメチルシトシン等のそれらの誘導体を表す。 R1は 水素原子、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基等のアルキル基、 ビニル 基、 ァリル基等のアルケニル基、 ヒドロキシ基、 メ トキシ基、 エトキシ基、 プロ ピルォキシ基、 ブチルォキシ基、 メ トキシェトキシ基等のアルコキシ基、 ァリル ォキシ基等のアルケニルォキシ基、 またはメチルカルボニル基、 ェチルカルボ二 ル基、 メ トキシカルボニル基、 エトキシカルボニル基等のァシル基、 好ましくは 、 水素原子、 ヒドロキシ基、 メ トキシ基を表す。 R2は炭素数 1〜; 10、 好ましくは、 炭素数 6〜8等の分岐していてもよいアルキレン基を表す。 また、 これらアルキレ ン基は 1以上の酸素原子を介していてもよい。 例えば、
- ( O C H 2 C H 2 O -
(式中 Xは、 1〜5の数を表す) 等が挙げられる。 Xは酸素原子、 硫黄原子、 セレン 原子、 好ましくは酸素原子等のへテロ原子を表す。 nは 1以上、 好ましくは、 10〜 30、 特に好ましくは、 12~15の数を表す。 ]
本発明の H-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体は、 例えば、 以下の工程か らなる方法によって合成することができる。
<反応工程 1 >
この工程は、 アルキレン基を導入した固相にモノマーを結合させる工程である (図 5参照) 。 一般式(II)
R3 - 0 - R2 - 0— R4 (II)
[式中、 R3は、 トリチル基、 モノメ トキシトリチル基、 ジメ 卜キシトリチル基、 ピキシル基等の保護基を表し、 Γは式
-COCONH-R5
(式中、 R5はァミノプロピル CPG、 長鎖アルキルアミノ CPG、 アミノメチルポリス チレン等の担体を表す。 ) を表し、 R2は前記と同義を表す。 ] で表される化合物 の保護基 R3を、 通常、 約1%のトリフルォロ酢酸/ 112(;12、約2.5%のトリクロロ酢酸 /CH2CI2, 約 3¾のジクロ口酢酸/ CH2C12などによって除去後、 下記一般式(III)
[式中、 、Β、および Xは前記と同義を表し、 R6は一般式(II)中の R3と同様の保護 基を表し、
+
X1
はトリェチルアンモニゥム、 1,8-ジァザビシクロ [5.4.0] ゥンデ力- 7-ェニゥム 、 トリプチルアンモニゥム等のアンモニゥム塩、 リチウム、 ナトリウム、 力リウ ム等の金属塩などのカチォニック塩を表す。 ] で表される塩基モノマー単位と、
該モノマー単位に対して、 通常、 1〜5当量の脱水縮合剤の存在下、 ビリジン、 あ るいはァセトニトリル—ピリジン(l : l、v/v)中、 室温で 1〜10分程度反応させる。 上記一般式(I I )で表される化合物および一般式(I I I )で表される塩基モノマ一単 位は、 後述の実施例に示すような方法によって得ることができる (図 2、 図 7参 昭) 。
かくして一般式(IV)
[式中、 Β、Χ、 、ίί2、Ι14および R6は前記と同義を表す. ] で表される化合物を得る ことができる。
く反応工程 2 >
この工程は、 反応工程 1において得た固相に結合したモノマーに、 さらにモノ マ一を結合させてヌクレオチド鎖を伸長させる工程である (図 5参照) 。
反応工程 1で得られる一般式(IV)で表される化合物の保護基 R
6を通常、 約 の トリフルォロ酢酸/ CH
2C1
2などの条件下に除去し、 前記一般式(I I I )で表される塩 基モノマー単位を反応工程 1の方法と同様にして反応させる。 この操作を繰り返 し行うことによって式
[式中、 Β,Χ, ,ί12, ,Γ,Ι16および nは前記と同義を表す] で表されるオリゴマー を得ることができる。
<反応工程 3 >
この工程は、 反応工程 2で合成したオリゴマーの 5'末端に、 縮合剤の存在下、 アルキレン基を導入する工程である (図 5参照) 。
反応工程 2で得たォリゴマーと一般式(V)
X
II - +
R7— 0— R2—〇一 P— 0 . X2 (V)
I
H
[式中、 R7は一般式(II)中の R3と同様、 あるいはァクリジン等のインターカレー 夕一等の保護基または官能基を表し、
X2
は前記 X1と同様のカチォニック塩を表し、 R2および Xは前記と同義を表す。 ] とを 縮合剤の存在下、 ピリジンあるいはァセトニトリル—ピリジン(1:1, v/v)中、 室温 で 1~10分反応させる。
ここで用いられる縮合剤としては、 例えば、 式
0
II
RSPX3
で表されるようなリン酸クロリ ド、 式
0
II
R8CX3 で表されるようなァシルク口リ ド、式
0
II
(R8C) 20 で表されるような酸無水物、 式
R PX3 - Y
で表されるようなホスホニゥム塩などが挙げられる。
[式中、 R
8は互いに異なっていてもよく、 メチル基、 ェチル基、 イソプロピル基 、 t -プチル基等のアルキル基、 フエニル基等のァリール基、 メ トキシ基、 ェトキ シ基、 イソプロポキシ基、 t-ブトキシ基等のアルコキシ基、 フエノキシ基、 へキ サフルオロフエノキシ基等のァリールォキシ基、 N, N-ジメチルァミノ基、 N, N- ジェチルァミノ基、 N, N-メチルェチルァミノ基、 N, N-ジフエニルァミノ基等の N, N-ジアルキルアミノ基、 N, N-ジフエニルァミノ基等の N, N-ジァリールァミノ 基、 ピロリジニル基、 ビペリジニル基、 モノホニル基等の環状アミン残基等、 好 ましくは、 ビロリジニル基を表す。 X
3は、 塩素原子、 臭素原子等のハロゲン原子
(式中、 Rは水素原子、 ハロゲン原子または N0
2を表す。 )
(式中、 Rは水素原子または N0
2を表す。 )
N = N
- ΝγΝ
R
(式中、 Rは水素原子またはニトロフヱニル基を表す。 )
(式中、 iま水素原子またはフヱニル基を表す。 )
— 0-N '
R
(式中、 Rは互いに異なっていてもよいハロゲン原子、 CF3または N02を表す。 )
— 0-N' 、、N
N
一。 n
(式中、 Rは互いに異なっていてもよい Cl、 Fまたは N02を表し、 mは 0~5の数を表 す。 ) 等の活性化エステル、
Y
は塩素イオン、 PF 6イオン、 BF 4イオン、 C104イオン等のァニオンを表す。 ] 好ましくは、
[式中、 R3はメチル基、 ェチル基等の炭素数 1〜 6の低級アルキル基]、 例えば、
一
などが挙げられる。
また、 本発明においては、 c - xd · γ
(式中、 Γ、 X3および
Υ
は前記と同義を表す) 、
+
•X3 · Υ
R R8 2 Ν'
(式中、 、x3および
Y
は前記と同義を表す) 、
(式中、 Rs、 X3および
Y
は前記と同義を表す) 、 または
R ''
(式中、 Rs、 X3および
Y
は前記と同義を表す) で表される化合物などを縮合剤として使用することもでき る。
かくして一般式 (VI )
く反応工程 4 >
この工程は、 反応工程 3で固相合成された H-ホスホネートオリゴヌクレオチド 誘導体を塩基性条件下で固相から分離し、 さらに加水分解により脱保護化して、 H -ホスホネ一卜オリゴヌクレオチド誘導体を単離する工程である (図 6参照) 。 反応工程 3で得られる一般式 (VI )で表される化合物を、 Ν,Ο-ビストリメチルシ リルトリフルォロアセ トアミ ド-プロビルアミン-ァセ トニトリノレ (1 :2:2, ν/ν/ν ) 等の無水塩基性の条件下に、 通常、 室温で 30分〜 1時間反応させ、 次いで、 濾過 により固相担体を除去し、 濾液を減圧下留去した後に、 ァセトニトリル-水 (1 : 1 , ν/ν) またはジォキサン-水 (1 : 1 , ν/ν) または THF-水 (1 : 1 , ν/ν) で、 室温下 、 5分間加水分解処理することによって、 本発明の前記一般式 (I ) で表される Η -ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体を得ることができる。
以上の反応工程により得られる本発明の Η-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘 導体は以下のような特徴を有する。
まず、 本発明の Η-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体はリン酸部位の立体 障害が従来のものに比べて小さく、 アンチセンスとして用いた場合、 標的遺伝子 との二重鎖を形成し易く、 ホスホロチォェ一ト型 DNAやメチルホスホネ一ト型 DNA
、 さらには、 天然型 DNAよりも有利である。 また、 中性分子であるために、 二重鎖 を形成したときに相補鎖のリン酸負電荷との静電反発が起こらないため、 天然型 DNAよりも安定な二重鎖を形成できる点で有利である。 さらに、 DNAのリン酸部に 負電荷を持たないため、 RNAとの間に形成される二重鎖は、 DNAの負電荷を認識し て Aを分解する酵素である RNaseHの基質となりにくいが、 標的遺伝子に対するァ ンチセンス効果の選択性はホスホロチォェ一ト型 DNAより有利である。 さらに、 メ チルホスホネート型 DNAよりも高い水溶性を有するため、 高濃度で細胞に投与する ことが可能である。
従って、 本発明の H-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体は、 特に、 アンチ センスとして有用であり、 例えば、 HIV、 HCV、 HCMV、 HSV、 HTLV等のウィルスの増 殖に際して生成するメッセンジャー RNA、 通常、 対象とするウィルスの生存に必須 のタンパク質をコードするメッセンジャー RNA、 例えば、 HIVの 「TAR」 、 「U5」 、 「rev」 、 rtatj (O.Zelphati,et al. ,Antisense Res. Dev. ,3,323(1993), B.Bo rdier,et al., Nucleic Acids Res. ,20,5999(1992)) 、 HCVの 「5に UTR」 (M.Alt, et al.,Hepatology,22, 707(1995)) 、 HSVの 「IE110」 、 「UL30」 、 「UL37」 、 「 UL37j (A.Peyman,et al. ,Biol.Chem.Hoppe Seyler,376, 195(1995)、 J.A.Smith, et al., J. Virol, 69, 1925(1995)) 、 HTLV- 1の 「tax」 などに相補的な塩基配列を有 するウィルス増殖阻害剤として、 或いは急性および慢性白血病、 肝臓癌、 乳癌、 大腸癌等の腫瘍細胞の増殖に際して特異的に生成するメッセンジャー RNA、 通常、 対象とする腫瘍細胞の生存に必須のタンパク質をコードするメッセンジャー MA、 例えば、 急性白血病の 「AML- 1」 (C . Sakakura, et al . ,Proc . Natl .Acad. Sci . USA, 91,11723(1994)) 、 急性および慢性骨髄白血病に関する 「bcr- abl」 (A.M.Tarai ,et al., Blood, 84,601(1994)) 、 白血病、 その他の癌に関する 「c- myc」 、 「c - m ybj (S.Kimura,et al., Cancer Res.,55, 1379(1995)、 M.Ratajczak,Proc.Natl. A cad. Sci. USA, 89, 11823(1992)N Y.Mizutani, J. Immunother. Emphasis Tumor Immun ol. ,17,78(1995)) 、 大腸癌に関する 「APC」 、 乳癌に関する 「BCA - 1」 などに相補
14 的な塩基配列を有する腫瘍細胞増殖阻害剤等として使用されうる。 このアンチセ ンスは、 通常、 4〜30、 好ましくは、 10〜20程度の長さの前記一般式(I )で表され るオリゴヌクレオチド誘導体を有効成分としている。 また、 その製剤の成分や使 用割合などは特に制限はなく、 従来アンチセンス治療剤として知られている種々 の製剤と同様に使用することができる。
なお、 本発明の H-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体は合成化学的に、 塩 基部およびリン酸部に特に保護基を用いる必要がないため、 合成反応の工程が短 縮され、 大量合成にも適している。 図面の簡単な説明
図 1は、 H-ホスホネートヌクレオチドの塩基性条件下での挙動を示す図である 図 2は、 H-ホスホネートオリゴヌクレオチドの単位となるモノマーの合成法を 示す図である。
図 3は、 5'末端のホスホネートの合成法を示す図である。
図 4は、 固相へのリンカ一の導入方法を示す図である。
図 5は、 H-ホスホネ一トオリゴヌクレオチドの固相合成の工程を示す図である 図 6は、 固相合成された H-ホスホネートオリゴヌクレオチドから保護基を除去 する工程を示す図である。
図 7は、 H-ホスホネートオリゴヌクレオチドの単位となるモノマーの合成法を 示す図である。
図 8は、 5,末端のホスホネートの合成法を示す図である。
図 9は、 本発明において用いられる固相へのリンカーの導入方法を示す図であ る。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を挙げてさらに本発明を具体的に説明するが、 下記の実施例は本 発明を制限するものではない。
く実施例 1> H-ホスホネート DNAの化学合成
( 1 ) 縮合剤、 2-ベンゾトリアゾール- 1 -ィルォキシ -1, 3-ジメチル- 2-ピロリ ジン- 1 -ィル- 1,3,2-ジァザホスホラニゥムへキサフルォロホスフェート (2 - B enzotriazol- 1 -yloxy-l,3-dimethyl-2-pyrrolydin- 1 -yl- 1,3,2-diazaphosp holanium hexaf luorophosphate) (BDPP)の合成
1,3 -ジメチル- 2-ピロリジン- 1-ィル -1,3,2-ジァザホスホレン (1,3- Dimethyl- 2-pyrrolydin-l-yl-l,3,2-diazaphospholane) (F. Ramirez, A. V. Patwardham , H. J. Kugler, C. P. Smith, J. Am. Chem. Soc, 89, 6276 (1967)を参照) ( 4.59 g, 25廳 ol) をよく攪袢した無水 CH2C12 (50 mL)中の卜ヒドロキシベンゾト リアゾ一ル (1-hydroxybenzotriazol) (3.32g, 25誦 ol) 及び CC (4.8 mL, 5 O mmol)の懸濁液に、 アルゴン下、 - 78°Cで、 5分間かけて滴下した。 同じ温度で 2 時間攪拌後、 この混合液を室温まで徐々に暖め、 KPF6 (4.6 g, 25腿 ol)を含む水 (100 mL)で洗浄した。 その有機相を Na2S04で乾燥し、 濾過し、 半量まで濃縮した 。 エーテル(50 mL)を上記混合液に加え、 濾過により淡黄色の沈殿物を回収した。 その沈殿物をエーテルで洗浄し、 真空中(in vacuo), P205で乾燥し、 BDPP (8.56 g)を 73 の収率で得た。 この化合物は、 無色針晶として酢酸ェチルから再結晶さ せることができた。
Mp 128-129 °C(dec);
31P NMR (CDC )(541.52 (s, P+), -142.90 (7重線, J = 711.6 Hz, PF6- );
Ή NMR (CDCla) 52.14 (4H, ddd, J = 7.7 Hz, 5.3 Hz, 1.3 Hz, ピロリジニ ル基の 3,4- CH2), 2.87 (6H, d, J = 11.2 Hz, N-CHa), 2.91 (2H, ddd, J: 8.9 Hz, 7.3 Hz, 5.6 Hz, ピロリジニル基の 2又は 5- CH2 ), 3.50(2H, ddd, J = 12.9 Hz, 9.1 Hz, 5.8 Hz, ピロリジニル基の 2又は 5- CH2 ), 3.64 (4H, ddd, J二 8.9
Hz, 4.3 Hz, 2.3 Hz, ジァザホスホレンの 4,5- CH2 ), 7.52 (1H, ddd, J = 8.3H z, 6.8 Hz, 1.3 Hz, ベンゾトリァゾリル基の 6- H), 7.72 (1H, dd, J = 8.6 Hz,
6.8 Hz, ベンゾトリアゾリル基の 5- H), 7.78 (1H, d, J = 8.6 Hz, ベンゾトリ ァゾリル基の 4- H), 8.07 (1H, d, J 二 8.3 Hz, ベンゾトリアゾリル基の 7- H);
13C NMR (CDCla) 526.45 (d, J = 9.8 Hz, N- CH3 ), 30.95 (d, J = 6.1 Hz,ピ ロリジニル基の 3,4-C), 45.78 (d, J二 15.8 Hz, ジァザホスホレンの 4,5- C), 4 8.68 (d, J = 4.9 Hz, ピロリジニル基の 2, 5- C) , 108.19, 120.63, 126.15,127. 58, 130.60, 142.89 (ベンヅトリアゾリル基); Anal. C14H22F6N60P2の計算値: C, 36.06; H, 4.76; N, 18.02. 実測値: C, 35.88; H, 4.59; N, 18.15.
BDPPの
の計算値: 321.159.実測値: 321.158 (2 ) モノマー、 1,8-ジァザビシクロ [5.4.0]ゥンデク- 7-ェニゥム 5'- 0-ジメ トキシトリチルデォキシアデノシン- 3,-ィル ホスホネート (1,8- Diazabicyclo [5.4.0]undec-7-enium 5 -0-dimethoxytrityldeoxyadenosin-3' -yl phosphonat e) (以下、 「2a」 と称することがある)の合成
以下の方法 A及び方法 Bを用いてモノマーの合成を行った。
方法 A (図 2) : 5,- 0-ジメ トキシトリチルデォキシアデノシン (5,_0- Dimeth ox tr i ty 1 deoxyadenos ine ) (以下、 「la」 と称することがある) (0.554 g, 1 m mol)を無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水 (coevaporation) により乾燥し、 最 終的に無水ピリジン(5 mL)中に溶解した。 この溶液にホスホン酸ジフヱニル(1. 64 g,7 mmol)を加えた。 20分の攪拌の後、 この混合液を H20- Et3N (1: 1, v/v, 2 mL)で処理し、 さらに 20分室温で攪拌した。 この混合液を MeOH (5 mL)で希釈し、 1 Mのトリエチルアンモニゥムヒドロゲンカルボネ一卜 (triethyla画 onium hydr ogencarbonate) (10 mL)を加えた。 この混合液を Et20 (10 mL x 3)で 3回洗浄し、 その有機相を 1 Mの卜リエチルアンモニゥムヒドロゲンカルボネート (triethyla 誦 onium hydrogencarbonate) で逆抽出した。 この水相 (The aqueous layer) と 洗浄液 (washings) を混合し、 CHC -MeOH (2:1, v/v, 10 mL x 3)で 3回抽出し、
その水相を CHC13- MeOH (2:1, v/v)で数回逆抽出した。 その有機相と洗浄液 (wa shings) を混合し、 Na2S04を通じて乾燥し、 濾過し、 減圧下、 濃縮して乾固した 。 その残留物をシリカゲルカラム(30 gのシリカゲル)に通した。 クロマトグラフ ィ一は、 メタノール勾配(0-155 を適用して、 0.5%トリェチルァミンを含む CHC13 を用いて行った。 「2a」 を含む画分を混合し、 濃縮して乾固した。 生成物を CHC1 3-MeOH (2: 1, v/v, 10 mL)に溶解し、 0.2 Mの 1,8-ジァザビシクロ [5.4.0]ゥンデ ク- 7-ェニゥムヒドロゲンカルボネート (1,8- diazabicyclo[5.4.0]undec- 7- eniu m hydrogencarbonate) (10 mL)で洗浄した。 その水相を CHC13- MeOH (2:1)で数回 逆抽出し、 その有機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2S04を通 じて乾燥させ 、 濾過し、 減圧下、 濃縮して乾固し、 無色の発泡体として 「2a」 (0.631 g,88%) を得た。
方法 B (図 2) : 無水ピリジン(10 mL)中のリン酸(0.082 g, 10誦 ol, 無水ピ リジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥したもの)溶液にビス (2-ォキソ -3-ォ キサゾリジニル) ホスフィニッククロライ ド (bis(2- OXO-3- oxazolidinyl)phosp hinic chloride ) (1.40 g, 5.5誦 ol)を加えた。 その反応混合液を室温で 20分間 攪拌した。 その混合液に 5'- 0-ジメチルトリルデォキシアデノシン (5'- 0- dimeth ox tr i ty 1 deoxyadenos ine ) (la) (0.554 g, 1 麵 ol)を添加した。 6時間の攪拌 後,H20 (1 mL)をその混合液に添加した。 それを CHC13- MeOH (2:1, v/v, 10 mいで 希釈し, 1 Mのトリェチルアンモニゥムヒドロゲンカルボネート (triethylammon ium hydrogencarbonate) (10 mL x 3)で 3回洗浄し,その水相を CHC13- MeOH (2: 1 , v/v)で数回逆抽出した。 その有機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2S04を 通じて乾燥し、 濾過し、 濃縮して乾固した。 その粗生成物(トリェチルアンモニゥ ム塩 (triethyla腿 onium salt) )をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製 し、 方法 Aで述べたようにして DBU塩に変換し、 無色の発泡体として 「2a」 (0.60 0 g,78%)を得た。
31P墜 (CDC13)53.74 (dd, J 612.8 Hz, 8.5 Hz);
Ή NMR (CDCL) (51.66 (2H, m, DBUの CH2 ), 1.73 (4H, m, DBUの CH2), 1.97 (2H, 5重線, J = 5.6 Hz, DBUの CH2 ),2.42-2.80 (2H, m, 2,,2"- H), 2.83 (2H, m, DBUの CH2), 3.36-3.44 (8H, m, 5,,5"-H, DBUの CH2 ),3.77 (6H, s, MTrの 0 CH3), 4.22 (1H, m, 4, - H), 4.91 (1H, m, 3, - H), 5.96 (2H, bs, 6-NH2), 6.52 (1H, t, J = 6.8 Hz, 1, - H), 6.78 (4H, d, J = 8.9 Hz, MTrの 3, 3,,5, 5, -H ) , 6.96 (1H, d, J = 612.3 Hz,P- H), 7.15-7.42 (9H, m, 3,3' ,5,5, - Hを除く DMT rの ArH), 7.99 (1H, s, 2- H), 8.26 (1H, s, 8 - H);
1 C NMR (CDC ) δ 19.50, 23.99, 26.85, 28.99, 32.11, 37.90, 39.86 (2, - C), 48.56, 54.22, 55.15,63.65 (5,- C), 73.67 (d, J = 3.7 Hz, 3,- C), 84.1 7 ( - C), 85.61 (d, J= 7.3 Hz, 4,- C), 86.38, 113.08,119.84 (5-C), 126.76 , 127.75, 128.18, 130.06, 135.67, 135.74, 138.78 (8- C), 144.55, 149.72 ( 2-0,152.81 (4-C), 155.40 (6- C), 158.40, 166.11.
「2a」 の Anal C
4。H
4
·5Η
20の計算値: C,55.87;H,6.80;N,11.40.実測値: C, 55.83;H,6.72;N, 11.28.
「2a」
の計算値: 618.212.実測値: 618.212.
( 3) モノマー、 1,8-ジァザビシクロ [5.4.0]ゥンデク -7-ェニゥム 5,- 0-ジメ トキシトリチルデォキシシチジン- 3,-ィル ホスホネート (l,8-Diazabicyclo[5 .4.0]undec-7-enium 5' -0-dimethoxytrityldeoxycytidin-3' -yl phosphonate) ( 以下、 「2b」 と称することがある)の合成
「2a」 の場合において述べたような方法 A及び Bを用いて、 5,- 0 -ジメトキシ 卜リナノレテオキシシナシン (5' -O-dimethoxytrityldeoxycytidine) (以下、 「1 b」 と称することがある) (0.530 g, 1 画 ol)から 「2b」 が無色の発泡体としてそ れぞれ 91% (0.679 g)と 74% (0.552 g)の収率で得られた。
31P NMR (CDCh) 53.83 (dd, J = 612.8 Hz, 8.6 Hz);
Ή NMR(CDC13) 51.66 (2H, m, DBUの CH2), 1.71 (4H, m, DBUの CH2), 1.97 ( 2H, 5重線, J = 5.6 Hz, DBUの CH2), 2.22 (1H, m, 2,- H), 2.66 (1H, m, 2"- H
), 2.81 (2H, m, DBUの CH2), 3.35-3.51 (8H, m,DBl^5, ,5"-H, CH , 3.78 (6H , s, DMTrの 0CH3), 4.40 (1H, m, 4, - H), 5.05 (1H, m, 3, - H), 5.51(2H, d, J 二 7.3 Hz, 5-H), 5.91 (2H, bs, 4- NH2), 6.30 (1H, t, J = 6.1 Hz, l'-H), 6. 82 (4H, d, J = 8.9 Hz, DMTrの 3,3, ,5,5, -H), 6.92 (1H, d, J = 613.3 Hz, P- H), 7.17-7.41 (9H, m, 3, 3, ,5,5, -Hを除く DMTrの ArH), 7.80 (1H, d, J = 7.3 Hz, 6 - H);
13C N R (CDC ) (519.32, 23.87, 26.62, 30.44,32.04, 37.83, 40.42 (2 C ), 48.41, 54.11, 55.13, 62.97 (5,- C), 72.60 (3,- C), 84.82 (l'-C), 85.59 (4,- C), 86.47, 94.74 (5-C), 113.08, 126.77, 127.76, 128.01, 129.97, 135. 38, 135.47, 140.56 (6-C), 144.46, 155.89 (2- C), 158.38, 165.48 (4- C), 165 .89.
「2b」 の Anal C39H4 eNsOaP, ·4Η20の計算値: 57.27;11,6.90; 8.56.実測値: C,57.38;H,7.06;N,8.82.
「2b」
の計算値: 594.201.実測値: 594.203.
(4) モノマ一、 1,8-ジァザビシクロ [5.4.0]ゥンデク- 7-ェニゥム 5,- 0-ジメ トキシトリチルデォキシグアノシン- 3'-ィル ホスホネート (l,8-Diazabicyclo [5.4.0]undec-7-enium 5 -O-dimethoxytrityldeoxyguanosin-3' -yl pnosphonate ) (以下、 「2c」 と称することがある)の合成
「2a」 の場合において述べたような方法 A及び Bを用いて、 5'- 0-ジメトキシ 卜リチノレデォキシク、 'ソ7ノシン ( 5 ' -0-d imethoxy t r i t 1 deoxyguanos ι ne (以下、 「lc」 と称することがある) (0.570 g,. 1 mmol)から無色の発泡体として(2c)をそ れぞれ 94% (0.739 g)と 87% (0.684 g) の収率で得た。
31P NMR (CDC13) 53.07 (dd, J = 618.9 Hz, 8.5 Hz);
Ή N R(CDC13) dl.58-1.78 (6H, m, DBUの CH , 1.95 (2H, 5重線, J : 5.6 Hz, DBUの CH2), 2.31-2.54(2H, m, 2, ,2" - H), 2.62-2.78 (2H, m, DBUの CH2), 3 .28-3.48 (8H, m, 5, ,5"-H, DBUの CH2), 3.78(6H, s, DMTrの 0CH3), 4.37 (1H,
m, 4,- H), 4.99 (1H, m, 3,- H), 6.17 (1H, dd, J = 9.6 Hz, 4.3 Hz, l'-H), 6 .48 (2H, bs, 2-NH2), 6.82 (4H, d, J = 8.6 Hz, DMTrの 3,3,,5,5, - H), 7.02 ( 1H, d, J 二 619.3 Ηζ,Ρ- H), 7.16-7.44 (9H, m, 3,3,,5,5, - Hを除く DMTrの ArH),
7.65 (1H, s, 8-H);
13C NMR (CDC13)19.89, 24.17, 26.97. 29.09, 33.26, 39.01, 41.33 (2,- C),
48.55, 54.13, 55.20. 63.90 (5,- C), 74.90 (3,- C), 83,70 (l'-C), 85.16 (4 ,- C), 86.43, 113.19, 117.29 (5-C), 126.82, 127.81, 128.12, 130.03, 130.0 6, 133.69, 135.67 (8- C), 135.70, 144.56, 150.71 (4 - C), 155.58 (2- C), 158 .49 (6 - C), 165.57.
「2C」 の Anal
·6Η
20の計算値 : 53.74;11,6.76;^10.97.実測値: C, 53.58;Η,6.54;Ν, 10.87.
「2C」 の FAB+(M- DBU+H C H NsOeP,の計算値: 634.207.実測値: 634.208.
(5) 5,末端のホスホネ一ト、 トリエチルアンモニゥム 6- (ジメ トキシトリチ リレ才キシ)へキシノレ ホスホネ——卜 (Triethyla腿 onium 6— (dimethoxytrityloxy)h exyl phosphonate) (以下、 「3」 と称することがある)の合成 (図 3)
1,6-へキサンジオール (1,6- Hexanediol) (0.104g, 1 舰 ol)を無水ピリジンを 用いた繰り返し共脱水により乾燥させ、 最終的に無水ピリジン(10 mL)中に溶解し た。 この溶液にジメ トキシトリチルクロライ ド (dimethoxytrityl chloride) (0 .373 g, 1.1 誦 ol)を添加し、 この混合液を室温で 3時間攪拌した。 この混合液を CHC13で希釈し、 5% NaHC03で 3回洗浄し、 その水相を CHC13で逆抽出した。 その有 機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2S04を通じて乾燥し、 濾過し、 濃縮して 乾固し、 6- (ジメ トキシトリチルォキシ)へキサノ一ル (6- (dimethoxytrityloxy) hexanol) を粗混合液として得た。 他方、 無水ピリジン(10 mL)中のホスホン酸(0 .082 g, 10 mmol, 無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥したもの) の 溶液に、 ビス(2-ォキソ -3-ォキサゾリジニル)ホスフィニッククロライ ド (bis(2 -oxo-3-oxazolidinyl)Dhosphinic chloride) (1.40 g, 5.5 mmol)を添カ卩した。 2
0分間の攪拌の後、 この混合液を 6- ( dimethoxytr i ty 1 oxy ) hexano 1を含む混合液に 添加した。 20分間の攪拌後、 この混合液をピリジン(5 mL)で希釈し、 1 Mのトリエ チノレアンモニゥムヒ ドロゲンカノレボネ一卜 (triethylammonium hydrogencarbona te) (10 mL)を添加した。 この混合液を Et20で 5回洗浄し、 有機相を 1 Mのトリェチ Jレアンモニゥムヒ ド ンカリレホ不——卜 (triethylammonium hydrogencarbonate ) で逆抽出した。 水相と洗浄液 (washings) を混合し、 CHC13で 3回抽出し、 この 有機相を CHC13で逆抽出した。 有機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2S04を通 じて乾燥し、 濾過し、 減圧下、 濃縮して乾固し、 「3」 (0.265 g, 63%)を淡黄色の 油状物として得た。 その残留物をシリカゲルカラム(30 gのシリカゲル)に通した 。 メタノールの勾配(0-4 )を適用して、 0.5%のトリチルァミン含む CHC13を用いて クロマトグラフィーを行った。 「3」 を含む画分を混合し、 濃縮して乾固した。 そ の生成物を CHCL- MeOH (2:1, v/v, 10 mL)に溶解し、 1 Mのトリェチルアンモニゥ ムヒドロゲンカノレボネー卜 (triethylammonium hydrogencarbonate) (10 mL)で洗 浄した。 水相を CHC13 (10 mL)で逆抽出し、 有機相と洗浄液 (washings) を混合し 、 Na2S04を通じて乾燥し、 濾過し、 減圧下、 濃縮して乾固し、 「3」 (0.230 g, 5 3%)を無色の油状物として得た。
31P NMR (CDCla) 55.11 (dt, J = 607.9, 7.4 Hz);
NMR (CDCh) (51.19 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3Nの CH3), 1.28 (2H, m, CH2 ), 1.52 (4H, m, CH2), 2.77 (8H, q, J = 7.3 Hz, Et3Nの CH2, CH2), 2.94 (2H , t, J二 6.9 Hz, CH2), 3.67 (6H, s, DMTrの 0CH3), 3.74 (2H, t, J = 6.9 Hz , CH2), 6.72 (4H, d, J 二 8.9 Hz, DMTrの 3, 3,,5, 5, -H), 6.76 (1H, d, J = 6 08.1 Hz, P-H), 7.06-7.36 (9H, m, 3,3,,5,5, -Hを除く DMTrの ArH);
13C NMR (CDC13)(5 9.20, 25.55, 25.79, 29.80, 30.57, 45.32, 63.1, 63.31 , 76.53, 85.30, 112.63, 126.20, 127.35, 127.85, 129.67, 136.41, 145.16, 157.97.
(6) 固相 LCAA- CPGへのリンカ一の導入 (図 4)
1,6-へキサンジオール(0. 118 g, 1 mmol ) を無水ピリジンを用いた繰り返し共 脱水により乾燥させ、 最終的に無水ピリジン(10 mL )に溶解した。 この溶液にジメ トキシトリチルクロライ ド (dimethoxytrityl chloride) ( 0.373 g, 1. 1 腸 1 )を 添加し、 この混合液を室温で 3時間攪拌した。 この混合液を CHC13 (20 mL)で希釈し 、 5% NaHC03 (20 mL x 3)で 3回洗浄し、 その水相を CHC13 (50 mL)で逆抽出した。 そ の有機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2 S04を通じて乾燥し、 濾過し、 濃縮 して乾固し、 6- (ジメ トキシトリチルォキシ)へキサノール (6- (dimethoxytrityl oxy)hexanol) を淡黄色の油状物として得た。 他方、 無水 CH3CN (4 mL)中のトリァ ゾール(0.173 g, 2.5 mmol, 無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥し たもの)の溶液にォキサリルクロライ ド (oxalyl chloride) (44 μ. , 0.5 mmol ) とピリジン(0.2 mL)を添加した。 5分間の放置後、 この混合液をピリジン- CH3CN( 2 : 1, v/v, 3 mL)中の 6- (ジメ 卜キシトリチルォキシ)へキサノール (6- (dimethox ytrityloxy)hexanol) の溶液に添加した。 1時間の放置後、 この混合液を反応容器 の中の LCAA-CPG ( 1 g)に添加した。 この混合液を 30分放置後、 CH3CN、 無水 MeOH 及び CH3CNで順次洗浄した。 CPGゲルを Ac20-ピリジン(1 : 9, v/v, 5 mL)で処理し た。 3時間の放置後、 CPGゲルをピリジン、 続いて CH3CNで洗浄し、 減圧下で乾燥さ せ、 LCAA-CPGに結合した 6- (ジメ トキシトリチルォキシ)へキシルォキザレート ( 6 - ( d imethoxy t r i ty 1 oxy ) hex 1 oxalate) を得た。 LCM- CPGに対する 6- (ジメ トキ シトリチルォキシ)へキシルォキザレート (6-(dimethoxytrityloxy)hexyl oxala te) の負荷量は、 DMTr解析により 29〃mol/g と評価された。
( 7 ) オリゴマー、 H-ホスホネートオリゴデォキシリボヌクレオチドの合成 固相合成は、 「Appl ied Biosystems 380A synthesizers で、 又は 反応容器と して、 先端に制止装置をを有し底に栓を有するガラスフィルター(10 顏 X 50 誦 )を用いて手動で行った。 鎖の伸長の各サイクルは、 脱トリチル化 (detritylati on) (CH2C12中の 1% TFA ; 15秒)、 洗浄(CH2C12、 次いでピリジン)、 カップリン グ(ピリジン中において 0.1 Mのモノマ一( 「2a」、 「2b」、 「2c」 ) 及び 0.5 Mの
BDPP; 2分)、 洗浄(ピリジン)、 キヤッビング (0· 1 M トリェチルアンモニゥムェ チルホスホネート, ピリジン中の 0.5 M BDPP; 2分)、 洗浄(ピリジン、 次いで CH2 Cl2 )から構成した。 合成の最終サイクルにおいて、 卜リメチルアンモニゥム 6- ( ジメ トキシトリチルォキシ) へキシルホスホネート (triethyla腿 onium 6- (dime thoxytrityloxy)hexyl phosphonate) (3) をモノマー単位( 「2a」 、 「2b」 、 「 2c」 )の代わりに用いた (図 5 ) 。 一般に、 1サイクル当たりの平均収率は、 DMTr 解析により 96- 99%と評価された。 鎖の伸長後、 DMTr群を CH2C12中の 1% TFAで 15秒 処理することによって除去し、 CH2C12、 次いで CHaCNで洗浄した。 CPGゲル上の H- ホスホネートオリゴマーを N, 0-ビス(トリメチルシリノレ)ァセトアミ ド- CH3CN (N , 0-bis(trimethylsi lyl )acetamide-CH3CN) ( 1 :2, v/v, 300 / L)で 20分間処理し 、 この混合液に n- PrNH2 (200〃L )を添加し 30分間放置した。 CPGゲルを濾過により 除去し、 濾液を減圧下濃縮した。 この粗精製物を 「01igo- Pak EX (Mi ll ipore社製 )」 カートリッジ上で精製した。 生成物を H20- CH3CN (3 :2, v/v)を用いて溶出させ 、 この溶出液を濃縮して乾固し、 3'及び 5'末端に 6- (ヒドロキシ) へキシルホスホ ネ一ト (6- (hydroxy)hexyl phosphonate) を有する H-ホスホネートオリゴデォキ シリボヌクレオチドを得た (図 6 ) 。
以 にテカチミ ンレート H-ホス小不一ト (Decathymidyiate H- phosphonate) (T10)とテトラヌクレオチド H-ホスホネート (Tetranucleotide H- phosphonate) (CAGT)の合成例を示す。
合成例 1 :化学式
で示されるデカチミジレート H-ホスホネート (Decathymidylate H-phosphonate ) (T10 )の合成
差替 え 用紙 (規則 26)
24/1 - 上記した典型的な工程を用いて、 LCM- CPGに結合した l〃molの 6- (ジメ トキシ卜 リチノレ才キシ)へキシノレ才キザレー卜 (6— (dirmethoxytrityloxy)hexyl oxalate) からデカチミジレート H-ホスホネート (decathymidylate H-phosphonate) (61. 4 A260 units)を 82%の収率で得た。
UV (CH3CN-H2O, 1:1, v/vUmax: 262.8 run, λιηΐη 233.0 nm;
31P NMR (CD3CN- H20, 1: 1, v/v) (510.95- 11.49 (多重線, 平均値として J二 731.6 Hz); FAB M+D+C H SN O PHの計算値: 3165.29.実測値: 3165.25
差替え用紙 (規則 26)
25 合成例 2:化学式
で示されるテトラヌクレオチド H-ホスホネート (Tetranucleotide H- phosphona te) (CAGT)の合成
上記した典型的な工程を用いて、 LCM-CPGに結合した l〃molの 6- (ジメ トキシト リチルォキシ)へキシルォキザレート (6- (dirmethoxytrityloxy)hexyl oxalate) からテ卜ラヌクレオチド H-ホスホネ一卜 (tetranucleotide H - phosphonate ) (31.0 A2 60 units)を 84°の収率で得た。
UV (CH3CN-H20, 1:1, v/v)人 max 259.2 nm, 入 min 229.8 nm;
31P丽 R(CD3CN- H20, 1:1, v/v) (510.97- 12.29 (多重線, 平均値として J二 7 28.8 Hz); FAB+(M+1)+C51H77N15025 P5の計算値: 1455.12.実測値: 1455.09.
差替 え 用紙 (規則 26)
25/1 得られたテトラヌクレオチド H-ホスホネート (tetranucleotide H- phosphona te) (1.0 A26。 units)を濃 NH3-ピリジン(9: 1, v/v, 5 mL)で室温にて 10分間処理 し、 H-ホスホネートのジエステル結合を切断した。 この混合液を脱水して乾燥さ せ、 無水ピリジン(300〃L)中に溶解した。 この溶液に Et3N (42 zL)及び BSTFA (8 1〃L)を添加した。 室温で 2時間の放置後、 無水デカン(100 /L)中の 5.0 M t-Bu00
差替え用紙 (規則 26)
26
Hを添加し、 この混合液を室温で 10分間放置した。 この混合液を脱水して乾燥させ 、 濃 NH3-ピリジン(9: 1, v/v, 5 mL)中に溶解した。 5分間の放置後、 この混合液 を脱水して乾燥させ、 0.1M Tris- HC1緩衝液 (pH 8.0, 100 〃L)に溶解した。 この 溶液に、 子牛の腸のアルカリホスファタ一ゼ(10 units)を添加し、 37°Cで 3時間ィ ンキュベ一卜し、 dC, dA, dG,及び dTのほぼ 1:1:1:1の混合液を得た(逆相 解析 )。
く実施例 2 > H-ホスホネートオリゴデォキシリボヌクレオチドの化学合成 実施例 1と異なる反応条件で H-ホスホネートオリゴデォキシリボヌクレオチド の化学合成を行った。
( 1 ) モノマー、 トリメチルアンモニゥム 5, -0-ジメ トキシトリチルデォキシ ァテノシン一 3,ーィノレ ホスホ不一卜 (Triethylammonium 5,一 0— dimethoxytritylde oxyadenosin-3' -yl phosphonate) (2a)の合成
以下の方法 A及び方法 Bを用いてモノマ一の合成を行った。
方法 A (図 7) : 5,- 0-ジメ トキシトリチルデォキシアデノシン (5,- 0-Dimeth oxy tr i ty Ideoxyadenos ine ) (la) (0.554 g, 1 minol)を無水ピリジンを用いた繰り 返し共脱水により乾燥させ、 最終的に無水ピリジン(5 mL)中に溶解した。 この溶 液にジフエニルホスホネート (diphenyl phosphonate) (1.64 g, 7誦 ol)を添加 した。 20分の攪拌後、 この混合液を H20- Et3N (1:1, v/v, 2 mL)で処理し、 室温で さらに 20分攪拌した。 この混合液をピリジン(5 mL)で希釈し、 1 Mのトリエチルァ ンモニゥムヒドロゲンカノレボネ——卜 (triethyla腿 onium hydrogencarbonate) (1 O mL)を添加した。 この混合液を Et20で 5回洗浄し、 その有機相を 1 Mのトリェチル アンモニゥムヒ ドロゲン力ノレ不不——ト (triethylammonium hydrogencarbonate) で逆抽出した。 その水相と洗浄液を混合し、 CHC13で 3回抽出し、 この水相を CHC1 3で逆抽出した。 有機相と洗浄液を混合し、 Na2S04を通じて乾燥させ、 濾過し、 減 圧下、 濃縮して乾固した。 その残留物をシリカゲルカラム(30 gのシリカゲル)に 通した。 メタノールの勾配(0-15%)を適用して、 4%のトリチルァミン含む CHC13を
27 用いてクロマトグラフィーを行った。 「2a」 を含む画分を混合し、 濃縮して乾固 した。 その生成物を CHC13(10 mL)に溶解し、 1 Mのトリェチルアンモニゥムヒドロ ゲンカノレボネー卜 (triethyla腿 onium hydrogenca bonate) (10 mL)で洗净し、 シ リカゲルを除去した。 水相を CHC13 で逆抽出し、 有機相と洗浄液 (washings) を 混合し、 Na2S04を通じて乾燥し、 濾過し、 減圧下、 濃縮して乾固し、 「2a」 (0.5 89 g, 82%)を無色の発泡体として得た。
方法 B (図 7) : 無水ピリジン(10 mL)中のホスホン酸(0.082 g, 10議 ol, 無 水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥したもの) の溶液に、 ビス(2-ォキ ソ- 3-ォキサゾリジニル)ホスフィニッククロライ ド (bis(2- OXO- 3- oxazolidinyl )phosphinic chloride) (1.40 g, 5.5 腿 ol)を添加した。 反応混合液を室温で 20 分間攪拌した。 この混合液に 5'- 0-ジメ 卜キシトリチルデォキシアデノシン (5'- O-dimethoxytrityldeoxyadenosine) (la)(0.554 g, 1 腿 ol)を添加した。 6時間の 攪拌後、 混合液を CHC13で希釈し、 1 Mのトリェチルアンモニゥムヒドロゲンカル ボネ一ト (triethylammonium hydrogencarbonate) で 3回洗浄し、 その水相を CHC 13で逆抽出した。 有機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2S04を通じて乾燥し 、 濾過し、 減圧下、 濃縮して乾固した。 その粗生成物を上記のようなシリカゲル カラムクロマトグラフィーにより精製し、 無色の発泡体として 「2a」 (0.563 g, 78%)を得た。
31P NMR (CDCh) (53.88 (dd, J PH = 616.5 Hz, J P。CH = 8.5 Hz);
Ή NMR (CDCh) dl.21 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3NH+の CH3), 2.70-2.83 (2H, 111, 2'-H and 2"- H), 2.92 (6H, q, J = 7.3 Hz, CH2Et3NH+), 3.32 (3H, m, 5, - H, and 5- H), 3.69 (6H, s, DMTrの 0CH3 ),4.33 (1H, m, 4,- H), 4.98(1H, m, 3 ,- H), 5.93 (2H, bs, 6-NH2), 6.45 (1H, t, Jr, 2- = 5.9 Hz, l'-H), 6.70 (4 H, d, J = 8.6 Hz, DMTrの 3,3,,5,5,- H), 6.85 (1H, d, J PII = 617.0 Hz, P- H) , 7.14-7.34 (9H, m, 3,3,,5,5, - Hを除く DMTrの ArH), 7.91 (1H, s, 2- H), 8.20 (1H, s, 8 - H);
28
13C NMR (CDCls) 58.68 (Et3NH+の CH3 ), 39.70 (2,-C), 45.41 (Et3NH+の CH2 ), 55.11 (DMTrの 0CH3), 63.60 (5, - C), 73.84(JPOC = 4.9 Hz, 3, - C), 84.13 ( l'-C), 85.50 (JPOCC = 7.3 Hz, 4,- C), 86.34 (MTrの tert-C), 113.03 (DMTrの 3,3,,5,5,- C), 119.87 (5- C), 138.67 (8-C), 149.70 (C - 2), 152.83 (C- 4), 15 5.42(C-6), 126,74, 127.73, 128.12, 130.03, 135.58, 135.63, 144.47, 158.3 8 (DMTr Ar-C).
(2) モノマ一、 トリェチルアンモニゥム 5,- 0-ジメ トキシトリチルデォキシ シチジン一 3,ーィノレ 3、スホ不——卜 (Triethyla腿 onium 5,一 0— dimethoxytrityldeo xycytidin-3' -yl phosphonate) (2b)の合成
「2a」 における場合に記載したような方法 A及び Bを用いて、 5'- 0-ジメトキシ トリチルデォキシシチジン (5'-0-dimethoxytrityldeoxycytidine) (lb)(0.530 g, 1 mmol)から 「2b」 を無色の発泡体として、 それぞれ収率 91% (0.635 g)及び 7 4¾ (0.518 g)で得た。
31P NMR (CDCh) 53.67 (dd, JPH = 616.4 Hz, JPOCH = 8.5 Hz);
Ή NMR (CDC13)(51.21 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3NH+の CH3), 2.17 (1H, m, 2, - H), 2.59 (1H, m, 2"-H), 2.93 (6H,q, J = 7.3 Hz, Et3NH+の CH2), 3.32 (3H, m, 5, - H, and 5"- H), 3.69 (6H, s, DMTrの 0CH3 ),4. 15(1H, m, 4, - H), 4.83 ( 1H, m, 3,- H), 5.57 (1H, d, J = 7.6 Hz, 5-H), 6.20 (1H, t, J , 2' = 5.9 H z, 1,- H), 6.74 (4H, d, J = 8.9 Hz, DMTrの 3,3,,5, 5, -H), 6.81 (1H, d, JPH = 617.0 Hz, P-H), 7.11-7.34 (9H, m, 3,3,,5,5, - Hを除く MTrの ArH), 7.70 (1 H, d, J = 7.6 Hz, 6-H);
,3C NMR(CDC13 ) (58.77 (Et3NH+の CH3 ), 40.61 (2,-C), 45.61 (Et3NH+の CH2) , 55.20 (MTrの 0CH3 ),62.82 (5,- C), 72.82 (3,- C), 84.91 (l'-C), 85.76 (4, - C), 86.67 (DMTrの tert- C), 94.68 (C-5), 113.21 (DMTrの 3, 3,,5, 5, -C), 141.2 4 (6- C), 154.47 (2-C), 163.97 (C - 4), 123.68, 126,93,127.91, 128.12, 130. 10, 135.38, 135.45, 144.46, 158.53 (DMTrの Ar- C).
29 グアノシン- 3,-ィル ホスホネ一ト (Triethyla画 onium 5, - 0- dimethoxytrityl
( 3) モノマ一、 トリェチルアンモニゥム 5, -0-ジメ トキシトリチルデォキシ d eoxyguanosin-3' -yl phosphonate) (2c)の合成
「2a」 の場合に記載したような方法 Aを用いて、 5'- 0-ジメ トキシトリチルデォ キシシチジン (5, - 0- dimethoxytrityldeoxycytidine) (lc)(0.570 g, 1 顏 ol)か ら 「2C」 (0,708 g, 94¾ )を無色の発泡体として得た。
3 1P NMR (CDC ) 63.22 (dd, JPH 二 626.2 Hz, JP。CH = 8.6 Hz);
Ή NMR (CDCla) (51.18 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3NH+の CH3 ),2.35 (1H, m, 2, - H), 2.58 (1H, in, 2"-H), 2.99 (6H, q, J = 7.3 Hz, Et3NH+の CH2), 3.26 (3H , m,5, - H, 及び 5"- H), 3.69 (6H, s, DMTrの 0CH3 ),4.29 (1H, m, 4,- H), 4.95 ( 1H, m, 3,- H). 6·10(1Η, dd, Jr , 2' /Jr , 2' ' = 4.6 Hz 及び 8.9 Hz, l'-H), 6. 74 (4H, d, J = 8.9 Hz, DMTrの 3,3,,5,5, - H),6.91 (1H, d, JPH 625.5 Hz, P - H), 7.11-7.35 (9H, m, 3,3,,5,5, - Hを除く DMTrの ArH),7.62 (1H, s, 8-H); )
13C NMR (CDCla) 58.86 (Et3NH+の CH3 ), 40.81 (2,- C), 45.73 (Et3NH+の CH2 ), 55.19 (DMTrの 0CH3 ), 63.67 (5, - C), 74.81 (3,- C), 83.61 (1,-C), 85.14 ( 4,- C), 86.41(DMTrの tert- C), 113.21 (DMTrの 3,3,,5,5, - C), 117.10 (5-C), 13 5.60 (8 -ひ, 150.75 (4- C), 154.66 (C-2), 158.13 (6 - C), 126,84, 127.85, 12 8.09, 130.02, 133.80, 144.51, 158.47 (DMTrの AT-C).
(4) 5'末端ホスホン酸、 トリチルアンモニゥム 5- (ジメ トキシトリチルォキ シ)ペンチノレ ホスホネ一ト (Triethylammonium 5— (dimethoxytrityloxy)pentyl phosphonate) (3)の合成 (図 8)
1,5-ペン夕ンジオール (1,5- Pentanediol) (0.104 g, 1 誦 ol)を無水ピリジン を用いた繰り返し共脱水により乾燥させ、 最終的に無水ピリジン(10 mL)中に溶解 した。 この溶液にジメ トキシトリチルクロライ ド (dimethoxytrityl chloride) (0.373 g, 1.1 醒 ol)を添加し、 この混合液を室温で 3時間攪拌した。 この混合液 を CHC13で希釈し、 5% NaHC03で 3回洗浄し、 その水相を CHC13で逆抽出した。 その
30 有機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2S04を通じて乾燥し、 濾過し、 濃縮し て乾固し、 5- (ジメトキシトリチルォキシ)ペン夕ノール (5- (dimethoxytritylox y)pentanol) を粗混合液として得た。 他方、 無水ピリジン (10 mL)中のホスホン 酸(0.082 g, 10讓 ol, 無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥したもの ) の溶液に、 ビス(2-ォキソ -3-ォキサゾリジニル)ホスフィニッククロライ ド (b is(2-oxo-3-oxazolidinyl)phosphinic chloride) (1.40 g, 5.5 mmol)を添カロした 。 20分間の攪袢の後、 この混合液を 5- (ジメチルトリチルォキシ)ペン夕ノール ( 5 - ( d ime thoxy t r i ty 1 oxy ) pentano 1 ) を含む混合液に添加した。 20分間の攪拌後、 この混合液をピリジン(5 mL)で希釈し、 1 Mのトリエチルアンモニゥムヒドロゲン カノレポ'不一卜 (triethyla醒 onium hydrogencarbonate) (10 mL)を添カロした。 この 混合被を Et20で 5回洗浄し、 有機相を 1 Mのトリエチルアンモニゥムヒドロゲン力 レボネー卜 (triethylammonium hydrogencarbonate) で逆抽出した 0 水目と洗净 液 (washings) を混合し、 CHC13で 3回抽出し、 この有機相を CHC13で 逆抽出した 。 有機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2S04を通じて乾燥し、 濾過し、 減圧 下、 濃縮して乾固し、 「3」 (0.265 g, 63%)を淡黄色の油状物として得た。 この物 質は、 これ以上精製しなくとも分析上純粋であった。
31P NMR (CDCla) 54.99 (dt, JPH = 614.0 Hz, JP。CH 二 7.3 Hz);
Ή NMR (CDC ) (51.15 (9H, t, J 二 7.3 Hz, Et3NH+の CH3), 1.36 (2H, m, C H2), 1.50 (4H, m, 2xCH2), 2.87 (6H, q, J = 7.3 Hz, Et3NH+の CH2), 2.90 (2 H, dd, J = 6.9 Hz 及び 3.0 Hz, DMTrO-CH2), 3.63 (6H, s, DMTrの 0CH3), 3.74 (2H, dd, J = 6.9 Hz 及び 7.6 Hz, P-0CH2), 6.69 (4H, d, J = 8.6 Hz, DMTrの 3,3, ,5,5,- H), 6.73 (1H, d, JPH 613.7 Hz, P- H), 7.05-7.55 (9H, m, 3,3, , 5,5, - Hを除く DMTrの ArH);
13C NMR (CDCla) (58.07 (Et3NH+の CH3 ), 22.32 (CH2), 29.35 (CH2), 30.32( JPOCC = 7.3 Hz, P-OCH2CH2), 44.93 (Et3NH+の CH2 ), 54.72 (DMTrの 0CH3), 62. 88 (CH2), 63.27 (JPOC = 4.9 Hz, P-0CH2), 85.18 (DMTrの tert-C), 112.53 (D
31
^1 の3,3, ,5,5,-0, 123.40, 126.09, 127.24, 127.71, 129.56. 135.78, 136.2 1, 145.01, 149.07, 157.84 (DMTrの Ar- C).
( 5) 固相 LCAA- CPGへのリンカ一の導入 (図 9 )
1,5-ペン夕ンジオール (1,5- Pentanediol) (0.104 g, 1 腿 ol)を無水ピリジン を用いた繰り返し共脱水により乾燥させ、 最終的に無水ピリジン(10 mL)中に溶解 した。 この溶液にジメ トキシトリチルクロライ ド (dimethoxytrityl chloride) (0.373 g, 1.1 顏 ol)を添加し、 この混合液を室温で 3時間攪拌した。 この混合液 を CHC13で希釈し、 5% NaHC03で 3回洗浄し、 その水相を CHCLで逆抽出した。 その 有機相と洗浄液 (washings) を混合し、 Na2S04を通じて乾燥し、 濾過し、 濃縮し て乾固し、 粗 5- (ジメ トキシトリチルォキシ)ペン夕ノール (5- (dimethoxytrityl oxy)pentanol) を得た。 他方、 無水 CH3CN(4 mL)中の卜リアゾール(0.173 g, 2.5 腿 ol, 無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥したもの)の溶液に、 ォ キサリルクロライ ド (oxalyl chloride) (44 uL, 0.5 腿 ol)及びピリジン(0.2 mL)を添加した。 5分間の放置後、 この混合液をピリジン- CH3CN (2:1, v/v, 3 mL )中の 5- (ジメ トキシトリチルォキシ)ペンタノ一ル (5- (dimethoxytrityloxy)pen tanol) の溶液に添加した。 1時間の放置後、 この混合液を反応容器中の LCAA- CPG
(1 g)に添加した。 この混合液を 1時間放置し、 順次 CH3CN、 無水 Me0H、 及び CH3C Nで洗浄した。 CPGゲルを Ac20ピリジン(1:9, v/v, 5 mL)で処理した。 3時間の放置 後、 CPGゲルをビリジン、 次いで、 CH3CNで洗浄し、 減圧下乾燥させ、 LCAA- CPGに 結合した 5- (ジメ トキシトリチルォキシ)ペンチルォキザレ一ト (5- (dimethoxytr ityloxy;pentyl oxalate) を得た。
( 6) H-ホスホネ一卜オリゴデォキシリボヌクレオチド (H- phosphonate olig odeoxyribionucleotide) の固相合
合成例 1.
実施例 1の合成例 1において使用したモノマーが、 方法 Aまたは方法 Bで DBUの 代わりに TEAを使用して得られたチミジンモノマーである以外は同様にして、 デカ
32 チミジレート H-ホスホネ一ト (Decathymidylate H-phosphonate) を合成した。 合成例 2.
実施例 1の合成例 1において使用したモノマーが、 方法 Aまたは方法 Bで DBUの 代わりに TEAを使用して得られたチミジンモノマーであり、 縮合剤として BDPPの代 わりに PyFOPを使用した以外は同様にして、 デカチミジレート H-ホスホネート ( Decathymidylate H-phosphonate) を合成した。
合成例 3.
実施例 1の合成例 2において使用したモノマーが、 方法 Aまたは方法 Bで DBUの 代わりに TEAを使用して得られたチミジンモノマーである以外は同様にして、 テト ラヌクレオチド H-ホスホネート (Tetranucleotide H- phosphonate) を合成した 以上の実施例の結果を表 1に示す。
表 1 オリゴ モノマー 縮合剤 平均収率 (%) 脱保護前 脱保護後の 単位の塩 (計算値) の収率 (%) の収率 (%) 実施例 T 10 DBU BDP P 99 61. 4 OD 合成例 (82%) 実施例 2 T 10 TEA BDPP 96 65 43. 50D 合成例 1 (58%) 実施例 2 T 10 TEA PyFOP* 95 62 42. 0OD 合成例 2 (56%) 実施例 1 CAGT DBU BDPP 99 95 31. 0OD 合成例 2 (84%) 実施例 2 CAGT TEA BDPP 96 26. 40D 合成例 3 ( 71 %)
33
* P y F O P : ( Ν - Ρ+— 0
文献 (H.H. Jensen, C. E. Olsen, A. Holm, J. Org. Chem. , 59, 1257( 1994)) に 従って合成した。 く参考例 1 > テトラヌクレオチドメチルホスホネ一ト(tetranucleotide met hylphosphonate)の合成
ォキザリルリンカ一(oxalyl linker)を介して LCAA- CPGに結合したテトラヌクレ ォチド H-ホスホネート(tetranucleotide H-phosphonate )( 1 〃mol )を 12の 5 %メタ ノールーピリジン溶液 (9: 1, v/v)で室温で 1 0分間反応した後、 ピリジン、 ァセ トニトリルで順次洗浄した。 ついで、 CPGゲルを n- PrNH广ァセトニトリル (1 :4, v/v) 中で室温で 3 0分間処理した。 CPGゲルを濾過により除去し、 濾液を減圧下 濃縮した。 この粗精製物を逆相 HPLCにより精製することでテトラ pヌクレオチドメ ナリレホスホネ一卜 (tetranucleotide methylpnosphonate)を得た 0
3 1P NMR (CD3CN- H20, 1 : 1, v/v) ό" 0.05-1.16,
FAB MS (FAB ) Calcd for CssH8SNi503。P5 : 1603, Found 1603.
く参考例 2 > テトラヌクレオチドヒドロキシメチルホスホネート(tetranucl eotide hydroxymethylphosphonate )の合成
ォキザリルリンカー(oxalyl linker)を介して LCAA- CPGに結合したテトラヌクレ ォチド H-ホスホネート(tetranucleotide H- phosphate )( 1 〃mol )をジォキサン(d ioxane)中で 1 Mの N,0-ビス (トリメチルシリル) ァセトアミ ド(N,0- bis(trimet hylsilyl )acetamide )と室温で 2時間反応させ、 ついでホルムアルデヒドガス(ga seous formaldehyde )と 1 0分間反応した。 ジォキサンで洗浄した後、 n- PrNHr "メ 夕ノール (1 :4, v/v)中で室温で 3 0分間処理した。 CPGゲルを濾過により除去し 、 濾液を減圧下濃縮した。 この粗精製物を逆相 HPLCにより精製することでテトラ
差替 え 用紙(規則 26)
34 ヌクレオチドヒドロキシメチルホスホネート(tetranucleotide hydroxymethylph osphonatejを得た o
3 1P 腿 (CDaCN-aO, 1 : 1, ν/ν) δ 28.52-29.78,
FAB MS (FAB ) Calcd for C5tH86N1503。Ps: 1603, Found 1603.
く参考例 3 > テトラヌクレオチドボラノホスホネ一ト(tetranucleotide bor anophosphonate )の合成
ォキザリルリンカ一(oxalyl l inker)を介して LCAA-CPGに結合したテトラヌクレ ォチド H-ホスホネート(tetranucleotide H- phosphate )( 1 〃mol )を 1 Mの N,0 -ビ ス (トリメチルシリル) ァセトアミ ド- Me2S · BH3 ( 5 : 2 , v/v)と室温で 1時間反 応させた。 メタノールで洗浄した後、 n-PrNH3-メタノール ( 1 : 4, v/v)中で室 温で 3 0分間処理した。 CPGゲルを濾過により除去し、 濾液を減圧下濃縮した。 こ の粗精製物を逆相 HPLCにより精製することでテトラヌクレオチドボラノホスホネ ―卜 (tetranucleotide boranophosphonate)を得た。
3 1P NMR (CD3CN-H¾0, 1 : 1, ν/ν) δ 92.41-94.89.
く参考例 4 > テトラヌクレオチドホスホアミデート(tetranucleotide phosp hoamidate)の合成
テトラヌクレオチド H-ホスホネ一ト(tetranucleotide H- phosphonate )(CAGT)を 5 %の12を含む飽和アンモニアピリジン溶液で 0 °Cで 5分間反応した。 ついで、 過剰 の Lを NaHS03水溶液で処理し、 得られた粗精製物を逆相 HPLCにより精製することで テトラヌクレオナドホスホア 丁一ト (tetranucleotide phosphoamidate) ¾得た
3 1P NMR (CD3CN-H20, 1 : 1, v/v) δ 12.47-14.33,
FAB MS(FAB )Calcd for CsHO P; : 1528, Found 1528. 産業上の利用可能性
本発明により、 新規な H-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体、 及び該誘導
35 体の合成方法が提供された。 本発明の H-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体 は、 標的遺伝子との二重鎖を形成しやすく、 ホスホジエステラーゼ耐性で、 かつ 細胞への取り込み効率の高いなどの特性を有する。 本発明の H-ホスホネートオリ ゴヌクレオチド誘導体は、 特にアンチセンス核酸としての利用が期待される。