明 細 書 アル力 リ 蓄電池用水素吸蔵合金電極の製造方法 技 術 分 野
本発明は、 アル力 リ 蓄電池用水素吸蔵合金電極の製造方法に関 し 、 詳 し く は水素吸蔵合金電極の構成材料であ る水素吸蔵合金粉 末の処理方法に関す る。 背 景 技 術
従来、 電子機器の駆動電源やバ ッ ク ア ッ プ用電源 と して、 ニ ッ ゲ ル — 力 ド ミ ゥ ム電池等の ア ル力 リ ニ次電池が使用 さ れて来たが 、 電子機器の高性能化に伴い、 こ のニ ッ ケ ル 一 カ ド ミ ウ ム電池よ り も高容量且つ長寿命であ るニ ッ ケ ル - 水素電池の利用が拡大 し てい る。
こ こ で、 上記ニ ッ ケ ル 一 水素電池では、 負極活物質であ る水 1 5 素吸蔵合金の活性度の優劣に よ り 電池性能が左右 さ れる。 こ のため、 こ の種の蓄電池で は、 微細化 し た水素吸蔵合金粉末が用 い られてい る c 微細な水素吸蔵合金粉末であ る と 、 電気化学反応 に関与する反応面積が大き く 、 ま た電極基板への充塡密度 も 大 き く な る ので、 電池容量が高ま る か らであ る。
しか し 、 水素吸蔵合金は極めて活性な物質であ る ので、 合金粉 砕時に容易に酸素 と 反応 し て合金表面に酸化皮膜を形成す る。 こ の酸化皮膜は、 台金の電気導電性を低下さ せ、 初期活性化を阻害 す る。 こ のため、 粉碎工程等で酸化を受け た合金の活性度を回復 さ せ る ために、 以下に示すよ う な種 々 な処理方法が提案さ れて い る °
①特開平 3 - 9 8 2 5 9 号公報に示すよ う に、 水素吸蔵合金粉 末を 6 0 て以上の加熱水で処理す る方法。
②特開平 4 一 1 7 9 0 5 5 号公報に示すよ う に、 酸性水溶液に 浸漬 し た後、 水洗す る方法。
③特開平 4 一 9 8 7 6 0 号公報に示すよ う に、 水素吸蔵合金粉 末を酸性水溶液に浸潰 し、 次いでアル力 リ 水溶液に浸漬 し た後、 水洗す る方法。
④特開平 3 - 4 9 1 5 4 号公報に示すよ う に、 水素吸蔵合金の 粉砕時や保存時ま た は水素吸蔵合金粉末に結着剤 と を混練 し た ス ラ リ ー に、 リ ン酸塩やケ ィ 酸塩な どの添加物を付加す る こ と に よ り 、 水素吸蔵合金の酸化を抑制す る方法。
しか し なが ら、 前記の各処理方法では、 下記に示すよ う な問題 力、め る 。
①持開平 3 - 9 8 2 5 9 号公報に示す技術の問題
当該技術では、 処理に 多 く の時間を必要と し 、 ま た酸化皮膜等 の除去効果が十分でな い。
②特開平 4 1 7 9 0 5 5 号公報に示す技術の問題
当該技術は、 酸性水溶液に浸漬す る こ と に よ り 短時間で酸化物 層を除去 し ょ う と す る も のであ り 、 こ の技術は酸化皮膜等の除去 効果が高 く 、 上記①の技術に比べ処理操作が簡単であ る。 ま た、 酸性水溶液の濃度を高 く し 十分に浸漬 し た場台、 合金表面の酸化 物層等が十分に除去で き 、 利用率が向上す る。
し か し なが ら、 酸性水溶液の濃度を高 く し た場合に は、 後記す る理由で酸処理の過程で合金表面に新た に水酸化物層が形成さ れ 、 こ の新た に形成さ れた水酸化物層に よ っ て、 初期充電におけ る 電池内圧が上昇 し 、 ま た高率放電特性を低下さ せる 原因 と な る。 加えて、 処理合金の歩留 り が悪 く な る。
—方、 こ のよ う な こ と を考慮 して、 酸性水溶液の濃度を下げた 場合に は、 水素吸蔵合金粉末表面の緻密な水酸化物層が十分に除 去で き な いため、 酸処理の効果が十分に得 られな い。
③特開平 4 一 9 8 7 6 0 号公報に示す技術の問題
e:、 当該技術は、 予め酸性水溶液に浸漬 して合金表面の酸化物層を 除去 し た後、 アル力 リ 水溶液に浸漬 して水素吸蔵合金粉末の表面 を粒界の多 い水酸化物で被覆す る こ と に よ り 、 充放電の初期か ら 十分な放電容量を引 き 出そ う と す る ものであ る。 しか し 、 こ の技 術では、 合金表面が水酸化物層で覆われる ため、 初期充電時の電 0 池内圧が高 く な り 、 ま た十分な高率放電特性を得 られない。
④特開平 3 - 4 9 1 5 4 号公報に示す技術の問題。
当該技術は、 合金に リ ン酸塩等の添加物を添加す る と い う 簡便 な方法で、 電極作製工程中におけ る酸化を抑制で き る点で有用な 技術であ るが、 台金活性を十分に高め る こ と はで き な い。
5 発 明 の 開 示
本発明の 目 的は、 電池性能を十分に高め得る 効率的で実効性の 高いアルカ リ 蓄電池用水素吸蔵合金電極の製造方法を提供す る に あ る。
本発明は、 水素吸蔵台金粉末を作製す る 合金粉末作製工程と 、 0 こ の水素吸蔵合金粉末を強酸性溶液で洗浄 し た後、 前記強酸性溶 液よ り p H値の大き い弱酸性溶液で洗浄処理する 2 段階酸処理工 程と を備えてい る。
こ の よ う な構成であ る と 、 第 1 回目 の強酸での処理において、 合金表面に形成さ れた酸化物又は水酸化物の層が除去さ れ、 合金 1 表面に触媒活性な金属単離層 ( N i リ ツ チ層) が形成さ れる。 更 に、 続いて行 う 第 2 回目 の弱酸に よ る処理に よ り 第 1 回目 の酸処 理において合金表面に新た に形成さ れた水酸化物層が除去さ れる
し たが っ て、 本発明にかかる 2 段階酸処理法を適用 し た水素吸 蔵合金電極では、 1 回限 り の酸処理 (同一条件での複数回の酸処 理を含む) を適用 し た水素吸蔵合金電極、 或い は第 1 回 目 の酸処 理に铳いてアル力 リ 処理を施す方法を適用 し た水素吸蔵合金電極 に比較 し 、 電極の諸特性が顕著に向上す る。 以下に、 こ の理由を 説明す る。
先ず、 1 回限 り の酸処理 (前記特開平 4 - 1 7 9 0 5 5 号公報 等の技術) であ る と 、 次のよ う な不都合があ る。 即ち、 合金を強 酸で処理する過程で処理液中の水素イ オ ンが消費さ れ、 処理液 p Hが上昇す る。 処理液 p H が低い段階では、 合金表面の酸化物や 水酸化物の層はよ く 処理液中に溶出す る。 しか し 、 前記溶出反応 の進行に伴っ て処理液 P H が上昇 して 5 を越え る段階にな る と 、 希土類元素イ オ ン等の溶解度が小さ く な る ため、 処理液中に溶解 し て いた前記イ オ ンが再び合金表面に析出 して水酸化物の層を形 成 し 、 こ の水酸化物の層 はそ の後の水洗いでは除去で き な い。
つ ま り 、 1 回限 り の酸処理では、 再析出に よ り 新た に合金表面 に水酸化物層が形成さ れる ため、 こ れが水素吸蔵合金電極の諸特 性、 例えば充電初期電池内圧、 高率放電特性、 サ イ ク ル特性の更 な る 向上を阻害す る と い う 問題があ る。
一方、 第 1 回目 の酸処理に続いてア ル力 リ 処理を施す酸ア ル力 リ 2 段階処理法 (前記特開平 4 一 9 8 7 6 0 号公報等の技術) は 、 第 2 回目 の処理をア ルカ リ で行 う ものであ り 、 当然に合金表面 に水酸化物の層が形成さ れる。 し たが っ て、 こ の技術では、 上記 問題を解消で き な い。
こ こ において、 本発明では、 第 1 回目 の強酸に よ る処理に続い て、 弱酸に よ り 第 2 回目の酸処理を行 う 構成と し てあ る。 し た力 <
つ て、 こ の第 2 回目の弱酸処理に よ り 、 第 1 回目の強酸処理で形 成さ れた水酸化物の層が除去で き る。 なぜな ら、 第 2 回目 の処理 液を弱酸と し た場合、 合金成分自体の溶出が少な いので処理液中 の溶出 イ オ ン (希土類元素イ オ ン等) 濃度が高ま ら な い一方、 第 1 回目処理で形成さ れた水酸化物層は弱酸に溶け易いため、 こ の 除去が可能にな る。
こ れ らの こ と か ら、 本発明の製造方法によ り 作製 し た電極を用 いた電池では、 初期充電時の電池内圧を低減さ せ、 且つ高率放電 特性と サ イ ク ル特性と を顕著に向上さ せる こ と がで き る と い う 効 果を奏す る。
本発明にかかる 2 段階酸処理法においては、 第 1 回目 の酸処理 液 と して p H 値が 0 . 5 以上、 2 . 0 以下の強酸性水溶液を用 い 、 第 2 回目 の酸処理液 と し て p H値が 2 . 0 よ り 大き く 、 5 . 0 以下の弱酸性水溶液を用 い る のが好ま し い。 特に好ま し く は第 2 回目の酸処理液 P H値を 2 . 2 以上 5 . 0 以下の弱酸性水溶液 と す るのがよ い。 なぜな ら 、 充電初期電池内圧値と 第 2 回目 の酸処 理液の P H値と の関係において、 p H 2 . 0 前後で電池内圧値が 大 き く 変化 し 、 p H 2 . 0 を越え た場合に電池内圧値の改善が進 むか らであ る - ま た、 第 2 回目 の酸処理液の p H値を 2 . 2 以上 と する と 、 前記電池内圧値の改善に加え、 高率放電特性値、 サイ ク ル特性値の何れを も顕著に向上さ せる こ と がで き る か らであ る 更に、 本発明にかかる 2 段階酸処理法においては、 よ り 好ま し く は前記 p H の弱酸性水溶液を p H値が 2 . 0 よ り 大 き く 、 5 以 下の緩衝液で構成するのがよ い。 なぜな ら、 酸処理液に緩衝作用 があ る と 、 水酸化物層の除去に好適な p H値が維持さ れる か らで あ る。 更に好ま し く は、 上記において、 p H値を 2 . 2 以上、 5
以下の緩衝液 とする のがよ い。 なぜな ら、 新たに形成さ れた水酸 化物層 (例えば希土類元素の水酸化物層) は、 P H依存性の溶解 性を有 してい る。 し たが っ て、 緩衝能を もつ処理液を使用 して、 酸処理中の p H上昇を抑制 し てや る と 、 好適な p H値が長 く 維持 さ れる ので、 水酸化物層の除去効果が顕著に発揮さ れる こ と にな る力、 らであ る。
ま た、 本発明は、 水素吸蔵合金粉末を作製す る 合金粉末作製ェ 程と 、 こ の水素吸蔵合金粉末を酸性水溶液に浸漬処理す る酸処理 工程と 、 前記酸処理 し た水素吸蔵合金粉末に対 し 、 0 . 6 重量% 〜 0 重量%の濃度のォ キ ソ酸塩水溶液で表面処理す る ォキ ソ 酸 塩表面処理工程と を備えてい る。
こ のよ う に、 酸処理済合金をォ キ ソ酸塩水溶液で処理す る と 、 合金表面の希土類元素の水酸化物は、 処理液中のォキ ソ酸イ オ ン と 反応 し てォキ ソ酸希土類元素化合物と な る。 こ のォ キ ソ酸希土 類元素化台物は、 前記水酸化物に比べ親水性が高いので、 合金表 面の含液性が向上す る。 し たが っ て、 合金 と 電解液 と の接触性が 高ま り 、 酸素消費反応等の電気化学的反応が円滑に進むよ う に な る。 その結果、 電池初期内圧が低減 し 、 ま た高率放電特性が向上 す る と い う 優れた効果が得 ら れ る。
こ こ で、 表面処理液のォ キ ソ 酸塩濃度を、 0 . 6 w t %〜 l O w t
% に規制す る の は、 以下に示す理由に よ る。
即ち 、 台金表面の含浸性を高め る ために は、 表面処理液のォキ ソ酸塩濃度を高め る のがよ い。 しか し 、 ォキ ソ酸塩濃度を過剰に 高めた場台に は、 必要以上のォ キ ソ酸塩が合金中に残留す る こ と にな り 、 こ の残留ォ キ ソ酸塩が電解液中に溶出 してサ イ ク ル特性 を大き く 低下さ せ る原因と な る。 よ っ て、 サ イ ク ル特性の低下を 避け る ために は、 ォ キ ソ 酸塩濃度を適性にす る必要があ る。 そ こ
で、 表面処理液のォキ ソ酸塩濃度を、 0 · 6 w t %〜 l 0 w t % (重 量 の範囲に規制する と 、 サ イ ク ル特性を大 き く 低下 さ せ る こ と な く 、 電池初期内圧特性や高率放電特性を向上さ せ る こ と がで き る 力、 らであ る。
ま た、 上記と 同様な理由か ら、 ォキ ソ酸塩水溶液で表面処理 し た合金粉末を純水 (イ オ ン交換水) 又はよ り 低濃度のォ キ ソ酸塩 水溶液で 2 4 時間以上浸漬保存 (静置保存) す る と 、 過剰のォ キ ソ酸塩が除去でき る ので好ま し い。
更に、 上記低濃度のォキ ソ酸塩水溶液のォキ ソ酸塩濃度を、 0 . 1 w t % ~ 1 w t % と す る のが好ま し い。 こ の濃度であ る と 、 合金 の含液性を保持で き る程度のォ キ ソ酸塩を合金中に残 し 、 かつ過 剰のォ キ ソ酸塩を除去す る こ と がで き る ので、 好都合だか らであ る。
一方、 2 4 時間の浸漬保存に変えて、 純水又は低濃度のォキ ソ 酸塩水溶液で攪拌洗浄す るの も好ま し い。 こ の場合、 低濃度のォ キ ソ酸塩水溶液の濃度を 0 . 1 w t %'〜 1 w t ¾ と す る のがよ り 好ま し い。 攪拌洗浄であ る と 、 前記浸漬保存に比べて極短時間に上記 2 4 時間浸漬保存 と 同様な効果が得 られ る か らであ る。
なお、 上記において、 浸漬保存と は、 台金粉末及び溶液が動か な い状態 (静置状態) に して合金を貯蔵す る こ と をい う 。 ま た攪 拌洗浄と は、 前記浸漬保存に対す る概念であ り 、 合金粉末 と 、 純 水又はォキ ソ酸塩水溶液 と を動的に接触す る状態にする こ と をい い、 合金粉末が動 く 場合であ っ て も、 溶液の方が動 く 場合であ つ て も よ く 、 その方法は問わな い。
更に、 本発明は、 水素吸蔵合金粉末を作製す る 合金粉末作製ェ 程 と 、 こ の水素吸蔵合金粉末を酸性水溶液で処理す る酸処理工程 と 、 こ の酸処理に よ り 水素吸蔵合金に取 り 込ま れたァニオ ンの残
留量が、 水素吸蔵合金に対 し 5 x 1 0 — 6 m o l Z g以下にな る ま で洗浄する洗浄工程と を備えてい る。
上記発明に よれば、 洗浄工程で前記酸処理の際、 合金中 (特に 合金表面) に取 り 込ま れたァニオ ンを 5 X 1 0 - m 0 1 Z合金 - g 濃度以下に ま で洗浄す るので、 残留ァニォ ンが電池性能に悪影 響を及ぼす こ と がな い。 し たが っ て、 本発明方法を適用 し た水素 吸蔵合金を用 いた場合、 初期充放電に よ り 容易に合金活性を高め る こ と がで き 、 ま た残留ァニォ ンが正負極の活性を低下 さ せ る こ と がな いので、 高率放電特性、 低温放電特性及びサ イ ク ル特性に 優れた ア ル力 リ 蓄電池を得る こ と がで き る。
上記において、 酸処理工程で使用す る酸性水溶液 と し て、 P H 0 . 5 〜 3 . 5 の溶液を用 い る と 、 酸化皮膜の除去効果が一層高 ま る。
ま た、 前記洗浄工程で使用す る洗浄液 と し て、 酸化防止剤を含 有せ し めた水溶液を用い る と 、 純水を用 いた場合に比絞 して、 よ り 迅速かつ確実に合金中の残留ァニォ ンを減少さ せる こ と がで き る。
更に洗浄工程で洗浄 し た合金を、 前記酸化防止剤含有水溶液で 浸漬保存する と 、 合金が外気と 遮断さ れる こ と に よ る酸化防止効 果に加え、 洗浄工程で洗浄で き なか っ た微量の残留ァニオ ン を さ ら に除去す る こ と が可能 と な る。
加えて、 上記 し た酸処理及び洗浄処理の効果は、 合金の種類に 係わ り な く 得 られるが、 特に 4 . 0 X 1 0 3以下の不均一歪みを 有す る水素吸蔵合金に対 し て適用 し た場合に顕著な効果が得 られ る。 その理由 は次のよ う であ る。
不均一歪みの小さ い合金は、 不均一歪みの大 き い合金に比べ、 水素の吸収放出に伴 う 合金の膨張収縮ェネ ルギ一 に対す る抵抗力
が強いため、 充放電サイ ク ルの進行に よ っ て も微細化さ れに く い 。 し たが っ て、 本発明処理方法で表面処理 した不均一歪みの小さ い合金は、 当初の好適な表面状態 (活性状態) が長期にわた っ て その ま ま 維持さ れる。 こ れに対 し不均一歪みの大 き い合金では、 充放電サイ ク ルの進行に伴っ て合金割れが生 じ 、 新たな合金表面 (活性化さ れていな い表面) が出現す る。 こ のため、 不均一歪み の大き い合金では、 相対的に本発明方法によ る処理効果が減縮す る と 考え られる。
本発明は、 水素吸蔵合金粉末を作製す る合金粉末作製工程と 、 前記水素吸蔵合金粉末を強酸性溶液で洗浄 し た後、 前記強酸性溶 液よ り p H値の大き い弱酸性溶液で洗浄処理す る 2 段階酸処理工 程と 、 前記 2 段階の酸処理 し た水素吸蔵合金粉末に対 し 、 0 . 6 重量%〜 1 0 重量%の濃度のォキ ソ酸塩水溶液で表面処理す る ォ キ ソ酸塩表面処理工程と を備え る。
こ のよ う に、 2 段階酸処理工程と ォキ ソ酸塩表面処理工程と を 備えていれば、 両工程の相乗効果に よ り 、 一層電池特性が向上す る。
ま た、 本発明は、 水素吸蔵合金粉末を作製す る 合金粉末作製ェ 程と 、 前記水素吸蔵合金粉末を強酸性溶液で洗浄 し た後、 前記強 酸性溶液よ り p H値の大き い弱酸性溶液で洗浄処理する 2 段階酸 処理工程と 、 前記酸処理に よ り 水素吸蔵合金粉末に取 り 込ま れた ァニオ ンの残留量が、 水素吸蔵合金粉末に対 し 5 X 1 0 " 6 m 0 1 Z g 以下にな る ま で洗浄す る 洗浄工程 と を備えてい る。
こ の よ う に、 2 段階酸処理工程 と 洗浄工程と を備えて いれば、 両工程の相乗効果に よ り 、 一層電池特性が向上す る。
ま た、 本発明は、 水素吸蔵合金粉末を作製す る 合金粉末作製ェ 程 と 、 前記水素吸蔵合金粉末を強酸性溶液で洗浄 し た後、 前記強
酸性溶液よ り P H値の大 き い弱酸性溶液で洗浄処理する 2 段階酸 処理工程と 、 前記 2 段階の酸処理 し た水素吸蔵合金粉末に対 し 、 0 . 6 重量%〜 1 0 重量%の濃度のォキ ソ酸塩水溶液で表面処理 する ォキ ソ酸塩表面処理工程と 、 水素吸蔵合金粉末に取 り 込ま れ たァニオ ンの残留量が、 水素吸蔵合金粉末に対 し 5 X 1 0 — 6m o 1 / g以下にな る ま で洗浄する洗浄工程と を備えてい る。
こ のよ う に、 2 段階酸処理工程と ォキ ソ酸塩表面処理工程 と 洗 浄工程 と を備えていれば、 3 つ工程の相乗効果に よ り 、 電池特性 が顕著に向上する。 図面の簡単な説明
図 1 は、 酸処理済水素吸蔵合金に対す る表面処理におけ る 表面 処理液の Na2HP04濃度 と 電池初期内圧 と の関係を示す グラ フ 、 図 2 は、 酸処理済水素吸蔵合金に対する 表面処理におけ る表面 処理液の N a 2 H P0 濃度 と 高率放電特性値と の関係を示す グラ フ 、 図 3 は、 酸処理済水素吸蔵合金に対す る表面処理におけ る表面 処理液の Na 2 HP04濃度 と サ イ ク ル寿命 と の関係を示す グラ フ 、 図 4 は、 酸処理済水素吸蔵合金に対す る 各処理条件 と 電池初期 内圧 と の関係を示す棒 グラ フ 、
図 5 は、 酸処理済水素吸蔵合金に対す る 各処理条件 と 高率放電 特性値と の関係を示す棒グラ フ、
図 6 は、 酸処理済水素吸蔵合金に対する 各処理条件と サ イ ク ル 寿命と の関係を示す棒グラ フ 、
図 7 は、 酸処理済水素吸蔵合金を Na 2 HP04溶液で浸漬保存する 場合におけ る N a 2 H PC) ,濃度 と 電池初期内圧 と の関係を示す グラ フ
図 8 は、 酸処理済水素吸蔵合金を Na 2 HPO 溶液で浸漬保存する 場合におけ る Na 2 HP04濃度 と 高率放電特性値と の関係を示すグラ フ 、
図 9 は、 酸処理済水素吸蔵合金を Na2HP04溶液で浸演保存する 場合におけ る Na2HP0r濃度 と サ イ ク ル寿命 と の関係を示す グラ フ 図 1 0 は、 酸処理済水素吸蔵合金を Na 2 HPOr溶液で攪拌洗浄す る場合におけ る Na 2 ΗΡ0 ·濃度 と 電池初期内圧 と の関係を示す グラ フ 、
図 1 1 は、 酸処理済水素吸蔵合金を Na2 HP (^溶液で攪拌洗浄す る場合におけ る Na 2 HP0 '濃度 と 高率放電特性値 と の関係を示す グ ラ フ 、
図 1 2 は、 酸処理済水素吸蔵合金を Na 2 HP0.,溶液で攪拌洗浄す る場合におけ る Na 2 HP04濃度 と サ イ ク ル寿命 と の関係を示すグラ フ であ る。 発明を実施す る ための最良の形態
実験に基づいて本発明の内容を順次具体的に説明す る。
(第 1 実施例)
〔水素吸蔵合金粉末の作製〕
市販の ミ ッ シ ュ メ タ ル (M m ; L a , C e , N d, P r等の希 土類元素の混合物) 、 ニ ッ ケル ( N i ) 、 コ バル ト ( C o ) 、 ァ ル ミ ニ ゥ ム ( A 1 ) 、 及びマ ン ガ ン ( M n ) を原料と し 、 こ れ ら が元素比で 1 : 3.4 : 0. 8 : 0. 2 : 0. 6 の割合 と な る よ う に抨量 し た後、 高周波溶解炉を用 い 1 0 0 0 てで 1 0 時間熱処理 し て、 組成 M m N i 3. 4 C 0 κ A 1 Μ η 0. e で表せ る水素吸蔵合 金铸塊を作製 し た。 次に、 こ の合金铸塊を窒素ガス雰囲気中で機
械的に粉砕 し粉末 と な し、 こ の合金粉末を 1 0 0 メ ッ シ ュ ( 目開 き : 1 5 0 〃 m ) 及び 5 0 0 メ ッ シ ュ ( 目開き : 2 5 〃 m ) の フ ルイ を使用 し て分級 し、 1 0 0 メ ッ シ ュ 力、 ら 5 0 0 メ ッ シ ュ の間 に分級 さ れる 合金粉末を得た。
〔酸処理〕
上記で作製 した水素吸蔵合金粉末に対 し 、 表 1 の 「第 1 回目 の 酸処理」 欄に示す各 p H値の塩酸水溶液を合金重量当た り 1 0 0 w t %注加 し 、 攪拌型混合機を用 いて p H値が 7 にな る ま で攪拌 し た (第 1 回目の酸処理) 。 その後、 攪拌型混合機内の処理液を 捨て第 1 回 目 の酸処理済水素吸蔵合金粉末を得た。
次いで、 前記第 1 回目酸処理済合金粉末それぞれに対 して、 表 1 の 「第 2 回目 の酸処理」 欄に示す各種酸溶液を合金重量当 た り 1 0 0 w t %注加 し 、 前記攪拌混合機で 1 0 分間攪拌 し た (第 2 回目の酸処理) 。 更に こ の処理済溶液を捨て、 替わ り に イ オ ン交 換水を台金重量当 た り 1 0 0 w t %注加 し 1 0 分間攪拌 して、 2 段階酸処理済合金粉末を水洗浄 し た後、 合金粉末を真空乾燥 し た 。 こ の よ う に し て、 2 段階で酸処理 し た本発明製造方法にかかる 水素吸蔵台金粉末を得た。
な お、 表 1 において、 緩衝液 A は、 0 . 2 m 0 1 Z 1 ( リ ッ ト ル) の フ 夕 ル酸水素カ リ ウ ム水溶液に 0 . 2 m o 1 / 1 の塩酸水 溶液を加えて p H 2 . 2 又は 3 . 0 に調整 し て作製 し た。 緩衝液 B は、 0 . 2 m o 1 Z 1 の フ タ ル酸水素カ リ ウ ム水溶液に 0 . 2 m o 1 / 1 の水酸化ナ ト リ ウ ム水溶液を加えて p H 4.0 、 5.0 及 び 6.0 に それぞれ調整 し て作製 し た。 更に、 緩衝液 C は、 0 . 2 m o 1 / 1 の リ ン酸水素 2 ナ ト リ ウ ム水溶液に 0 . I m o l Z l の ク ェ ン酸水溶液を加えて p H 2.0 、 3.0 、 4.0 、 5.0 及び 6.0 にそ れぞれ調整 し て作製 し た。
〔水素吸蔵合金電極の作製〕
前記 2 段階酸処理済水素吸蔵合金粉末の各々 に、 結着剤 と し て ポ リ テ ト ラ フ ルォ ロ エチ レ ンディ スパ一 ジ ョ ンを合金重量に対 し 5 w t %加え混練 し シ ー 卜 状と な し、 こ の合金 シ ー 卜 をパ ンチ ン グメ タ ルの両面に圧着 して本発明製造方法にかかる水素吸蔵合金 電極を作製 し た。
〔蓄電池の作製〕
前記水素吸蔵合金電極 (負極) と 、 こ の負極よ り 容量の小 さ い 公知の焼結式ニ ッ ケ ル正極と を、 セパ レ一 夕 を介 して巻回 し 、 渦 巻型電極体と な し、 こ の電極体を外装缶に挿入 し 、 3 0 W L %水 酸化カ リ ウ ム水溶液を注液 し た後、 密閉 し理論容量 1 0 0 O m A h の円筒型ニ ッ ケ ル · 水素蓄電池を作製 し た。
なお、 こ の蓄電池は、 上記で作製 し た各種水素吸蔵合金粉末を 、 充電初期内圧特性、 充放電サ イ ク ル特性の面か ら評価す る た め の ものであ る。
〔試験セ ルの作製〕
前記蓄電池と は別に、 各種水素吸蔵台金粉末を高率放電特性の 面か ら評価する ために、 次のよ う な試験セルを作製 し た。
先ず、 前記各種合金粉末 1 g に、 導電剤 と し てカ ルボ二ルニ ッ ゲ ル 1 . 2 g 、 及び結着剤 と してポ リ テ ト ラ フ ルォ ロ エチ レ ン デ ィ スパー ジ ョ ン 0 . 2 g を加え、 混練 して合金ペー ス ト を調製 し 、 こ の合金べ一 ス ト をニ ッ ケ ル メ ッ シ ュ で包み、 プ レ ス加工す る こ と に よ り 水素吸蔵合金電極を作製 し た。
次に こ の水素吸蔵合金電極 (負極) と 、 負極よ り 十分に容量の 大き い公知の焼結式ニ ッ ケ ル正極と を配置 し 、 その後水酸化カ リ ゥ ム (電解液) を過剰量入れ密閉 した。 こ のよ う に し て作製 し た ものを試験セ ル と 称す る。
〔電池特性と その評価〕
①充電初期の電池内圧特性の試験条件
前記各蓄電池に対 し 1 0 0 0 m Aの電流で 1 時間充電 し た後、 電池内圧力 ( k g Z c m 2 ) を測定す る方法に よ っ て調べた。 ②充放電サ イ ク ル特性の試験条件
先ず、 下記の条件で充放電を行 っ て (室温下 3 サ イ ク ル) 、 電 池の初期活性化を行 っ た。
充電 : 100mA x l 6時間、 休止 : 1 時間
放電 : 200mA · 放電終止電圧 1.0 V、 休止 : 1 時間
次に、 下記の条件で充放電を行い、 放電容量 (電池容量) が 5
0 0 m A h以下にな っ た時点を電池寿命と し 、 こ れに至 る ま での サ イ ク ル回数を測定 し た。
充電 : 1500mA X 48分間、 休止 : 1 時間
放電 : 1500mA · 放電終止電圧 1.0 V、 休止 : 1 時間
③高率放電特性の試験条件
(1)先ず、 前記試験セ ルを用 いて、 下記の条件で充放電を行い、 放電時の放電容量(CH)を測定 し た。
充電 : 水素吸蔵合金 1 gに対 し 50mAの電流 ( 50mA/ g - 合金) X 8 時間、 休止 : 1 時間
放電 : 200mA/g - 合金の電流 · 放電終止電圧が 1 . 0 V
(2)次に、 前記試験セ ルを 1 時間休止 して電池電圧を復帰 さ せた の ち、 下記の条件で放電 して、 こ の時の放電容量(CL)を測定 し た 放電 : 50mA - 合金の電流 · 放電終止電圧が 1 . 0 V
(3)そ の後、 下記数式 1 に従い、 高率放電特性値を算出 し た。
高率放電特性値 ( % ) = CH/ (CH + CD X 100 … 数式 1 以上の実験条件で測定 し た結果を表 1 の各所定欄 に示 し た。
表 1 において、 第 1 回 目 を強酸で行い、 第 2 回 目 の処理を行わ な い A W 2 (以下、 こ の処理方法を 1 段階酸処理法と す る ) 、 及 びに第 1 回目 を強酸で行い、 第 2 回 目の処理をア ルカ リ ( P H 1 5 . 0 ) で行っ た A W 3 (酸アルカ リ 2 段階処理法) を比較基準 と し て、 第 1 回目 を強酸性水溶液で行い、 第 2 回目 を前者に比べ よ り 弱い酸度の弱酸性水溶液で処理す る本発明 2 段階酸処理法を 適用 し た A A 1 、 3 ~ 8 、 9 〜 1 1 、 1 3 ~ 2 4 (表中 * で示 し ている ) と を比較検討す る。
比較基準であ る A W 2 、 3 の初期電池内圧値、 高率放電特性値 、 サ イ ク ル特性値は、 前者が 5 . 3 K g / c m 2 、 7 2 %、 1 1 0 0 回であ り 、 後者力く 4 . 5 K g / c m 2 、 7 2 %、 1 1 5 0 回 であ っ た。 一方、 本発明 2 段階酸処理法を適用 し た A A 1 、 3 〜 8 、 9 ~ 1 1 、 1 3 〜 2 4 中か ら最 も悪い特性値のみを拾 う と 、 初期電池内圧値は 4 . 5 K g / c m 2 ( A A 3 、 8 、 1 9 、 2 4 ) 、 高率放電特性値は 7 2 % ( A A 3 ) 、 サ イ ク ル特性値は 1 1 0 0 回 ( A A 1 9 、 2 4 ) であ っ た。 つ ま り 、 本発明を適用 し た 場合、 初期電池内圧値及び高率放電特性値は、 一段階酸処理法及 び酸アル力 リ 2 段階処理法 と 同等乃至そ れ以上の好ま し い値を示 し 、 最 も悪いサ イ ク ル特性値の A A 1 9 、 2 4 にあ っ て も 、 概ね 酸アルカ リ 処理法 と 同等の値が得 られてい る。 こ の こ と か ら、 本 発明にかかる 2 段階酸処理法が有効であ る こ と が判る。
更に、 表 1 力、 ら次の こ と が判る。
p H 1 の強酸で 1 段階の酸処理のみを行 っ た A W 2 は、 酸処理 を全 く 行わなか っ た A W 1 の合金粉末に比較 して、 高率放電特性 及びサ イ ク ル特性が優れていた。 し力、 し 、 A W 2 は、 A W 1 に比 ベ初期電池内圧が顕著に高か っ た。 こ れに対 し 、 それぞれ p H 2 . 2 , 3 . 0 , 4 . 0 , 及び 5 . 0 の弱酸を用 い 2 段階酸処理を
行 っ た A A 4 ~ 7 では、 初期電池内圧、 高率放電特性及びサ イ ク ル寿命の何れ もが顕著に良好であ っ た。 他方、 第 2 回目の酸処理 を、 強酸で行 っ た A A 2 で は初期電池内圧が極めて高 く 、 ま た p
H 2 の強酸で行っ た A A 3 、 及び p H 6 の弱酸で行 っ た A A 8 で は、 初期電池内圧がかな り 高か っ た。
第 1 回目の酸処理を P H 2 . 5 又は 5 . 0 で行い、 第 2 回目の 酸処理を弱酸 ( p H 4 . 0 ) で行 っ た A A 1 1 及び 1 2 では、 2 段階の酸処理を行 っ た に もかかわ らず、 高率放電特性及びサ イ ク ル寿命の改善が不十分であ つ た。
更に、 第 1 回目 の酸処理を p H l の強酸で行い、 第 2 回 目の酸 処理を酸性緩衝液で行 っ た場合についてみ る と 、 p Hが 2 . 2 か ら 5 . 0 ま での緩衝液を用 いた場合に は、 何れの特性値 も顕著に 向上 し た ( A A 1 5 〜 1 8 、 及び 2 0 〜 2 3 参照) 。 その一方、 p H 6 . 0 の緩衝液の場合に は、 十分な改善が認め られなか っ た 。 こ の傾向は第 2 回目の処理液 に酸性水溶液を用 いた場合 と 同様 であ る ( A A 4 〜 8 参照) 。
なお、 表 1 の A W 3 の結果か ら明 らかな如 く 、 第 1 回目 を強酸 で処理 し 、 第 2 回目 をアル力 リ 水溶液で処理す る と い う 酸ア ル 力 リ 2 段階処理法では、 各特性値を十分に向上さ せる こ と がで き な 力、 つ た。
以上の結果か ら、 第 1 回 目の酸処理を強酸性水溶液で行い、 第 2 回 目 の処理を前者に比べよ り 高い p Hの弱酸性水溶液で処理す る 本発明 2 段階酸処理法に よれば、 好適な特性を有する 水素吸蔵 合金粉末が得 られ こ と が判 る。 ま た、 こ の 2 段階酸処理法におい て、 前記強酸性水溶液の p Hを 0 . 5 以上、 2 . 0 以下と し 、 前 記弱酸性水溶液の P Hを 2 . 2 以上、 、 5 . 0 以下 と する と 、 各 特性値を一層向上さ せ る こ と がで き る。 更に、 前記弱酸性水溶液
を p H が 2 . 2 以上で 5 . 0 以下の緩衝液 と す る と 、 更に良好な 結果が得 られる こ と が判る。
こ こ で、 表 1 の結果を考察 してお く 。 A W 2 におけ る結果は次 の よ う に考え られる。 水素吸蔵合金粉末を強酸で処理する と 、 合 金表面に形成さ れた酸化物の層や水酸化物の層が除去さ れ、 ニ ッ ゲ ル等の単離層が形成さ れる ため、 合金の電気化学的反応性が向 上す る。 よ っ て、 あ る程度高率放電特性やサイ ク ル特性が向上す る。
し か し、 強酸での処理中に処理液中の水素 ィ ォ ンが消費 さ れ、 処理液 p Hが次第に中性に近づ く 。 し たが っ て、 処理開始当初 ( p H値が小さ い段階) では合金表面の希土類元素等の酸化物、 水 酸化物は処理液中に溶出す る が、 その後 p H が上昇 し p H 5 を越 えた段階では、 一旦溶出 し た前記希土類元素等の イ オ ンが合金表 面に水酸化物と な っ て折出す る。 こ のため、 合金表面に緻密な水 酸化物層が形成さ れる。 こ の水酸化物層は、 水洗浄に よ っ ては除 去で き な い: し たが っ て、 1 段階の酸処理法では、 新た に形成さ れた こ の水酸化物層が、 合金の電気化学的反応性を低下 さ せ、 特 に初期電池内圧特性を悪化さ せ る もの と 考え られ る。
なお、 上記の場合、 第 1 回目の酸処理に際 し 大量の強酸を使用 し 、 p Hが上昇する前に処理を終了 さ せる こ と も考え られ るが、 こ のよ う に し て も処理液を完全に取 り 除 く ま で、 合金表面に付着 し てい る酸によ り 水酸化物層の形成が進むため実質的に水酸化物 層の形成を防止する こ と は困難であ る。 ま た、 大量の強酸を使用 し た場合であ っ て も同様であ り 、 更に こ の場合に は合金の 目減 り が大き く な る と い う 不都合があ る。
こ の よ う な 来法に対 し 、 本発明 2 段階酸処理法では、 第 1 回 目 の酸処理に続いて行 う 弱酸性水溶液に よ る処理が、 第 1 回 目 の
酸処理の際に形成さ れた水酸化物層を溶解除去す る ために、 良好 な結果が得 られた もの と 考え ら れる。
と こ ろで、 弱酸水溶液によ る第 2 回目の酸処理において も 、 処 理液の p Hが 5 を越えて上昇す る結果、 再び合金表面に水酸化物 層が形成さ れる こ と も考え られる。 し か し 、 第 2 回目 の処理液中 に溶出 してい る希土類元素等のイ オ ン濃度は、 第 1 回目 の処理液 におけ る濃度に比べ極めて小さ いので、 第 2 回目 の酸処理におい て再析出す る水酸化物の量は極めて少量 と な る。 し たが っ て、 第
2 回目の処理液に よ り 合金表面か ら除去 さ れ る水酸化物の量の方 が、 新た に析出する水酸化物量よ り 圧倒的に多 い と 考え られる。 つ ま り 、 実質的に は、 第 1 回 目の酸処理に よ り 形成 さ れた水酸化 物層を第 2 回目 の酸処理に よ り 除去で き る ので、 本発明にかか る 2 段階酸処理法を適用 し た場合、 各特性値が向上す る もの と 考え られる。
更に、 弱酸水溶液に よ る 第 2 回目 の酸処理の意義を考察す る。 第 1 回 目か ら弱酸水溶液を用 い酸処理を行 っ た A A 1 2 は、 全 く 未処理の場合 ( A W 1 ) に比較 し 、 初期電池内圧値が改善さ れて い る ものの、 高率放電特性値及びサ イ ク ル特性値は殆ど向上 し て いな い。 こ れは、 弱酸で第 1 回 目処理を行 っ たた め、 十分に 合金 表面の水酸化物層等を除去で き なか っ た ため と 考え ら れ る。 つ ま り 、 第 1 回目 の処理において、 合金表面の酸化物層を除去 し 、 N i リ ッ チ層を十分に形成 し な い と 、 第 2 回 目 を弱酸で処理 し て も 、 2 段階処理の効果がでな い。
他方、 第 1 回目 の酸処理を強酸水溶液で行い、 更に第 2 回 目 の 酸処理を も強酸水溶液で行 っ た A A 2 では、 初期電池内圧値が悪 化 し た。 こ れは、 第 2 回目の酸処理において第 1 回目 の酸処理に おけ る場台 と 同様な現象、 即ち溶出 し た希土類元素等が再度台金
表面に析出す る と い う 現象が生 じ る ため と 考え ら れ る。 つ ま り 、 第 2 回目の酸処理は弱酸で行 う 必要があ る。
更に、 第 1 回目 を強酸性水溶液で処理 し、 第 2 回目を好適な p H域の弱酸性緩衝液を用 いて処理 し た A A 1 5 〜 1 8 、 2 0 〜 2 3 では、 各特性値 と も大幅に改善 さ れたが、 こ れは、 第 2 回 目の 処理液の p Hが、 水酸化物層が溶出 し易い p H に維持さ れ、 かつ 溶出 し た希土類元素等の ィ ォ ンが再析出す る p H域に ま で上昇 し な いため と 考え られる。 こ の こ と か ら、 第 2 回目 の酸処理液を緩 衝作用を有する もの と す るのが好ま し こ と が判 る。
〔その他の事項〕
上記実施例では、 強酸 と し て塩酸を使用 し たが こ れに限 ら れる も のではな く 、 例えば、 硝酸、 臭化水素酸、 ホ ス フ ィ ン酸、 ホ ス ホ ン酸等の他の強酸が使用可能であ る。 ま た、 第 2 回 目 の酸処理 液 と し ての緩衝液 も 、 上記実施例で示 し た も のに限定さ れ る も の ではな く 、 他の公知の種 々 な緩衝液が使用可能であ る。
(表 1)
〔水素吸蔵合金粉末の調製〕
水素吸蔵合金粉末の調製は、 上記第 1 実施例 と 同様に して行 つ たので、 その説明 は省略す る。
〔酸処理〕
上記で作製 し た水素吸蔵合金粉末に対 し 、 P H 1 の塩酸水溶液 を合金重量当た り 1 0 0 1 %注加 し、 攪拌型混合機を用 いて p H値が 7 にな る ま で攪拌す る方法に よ り 、 酸処理済水素吸蔵合金 と な し た。
〔実験 1 ; ォ キ ソ 酸塩での表面処理〕
ォ キ ソ酸塩溶液 と し て リ ン酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ ム水溶液 (以下、 Na2HP0 溶液) を用 い、 酸処理液を捨てた酸処理済合金粉末に対 し 、 0.5 w t % , 0.6 t% 1.0 w t % , 3.0 wt%、 5.0 wt%、 7.0 wt%、 10. Owt % . 20. Owt %の各濃度の Na2HP0,溶液を各々 加え、 前記攪拌機で 1 0 分間攪拌洗浄す る方法に よ り 、 ォ キ ソ酸塩攪拌 洗浄処理を行 っ た。 ォ キ ソ酸塩攪拌洗浄処理後、 処理液を捨て乾 燥 し て、 2 HP0.溶液濃度の異な る 各種水素吸蔵合金粉末 ( A B 1 ~ 8 ) を調製 し た。
なお、 酸処理およ びォ キ ソ酸塩表面処理を全 く 行わな い水素吸 蔵合金 (上記台金粉末その も の) を A X 1 と し 、 ま た上記酸処理 のみを行 っ た水素吸蔵合金粉末を A X 2 と し 、 以後の実験で は こ れ ら を比較対象と し て用 いた。
〔実験 2 : 純水浸漬保存〕
上記実験 1 において Na 2 HP04溶液で表面処理 し た A B 1 〜 8 を 、 純水 ( イ オ ン 交換水) 中に 2 4 時間以上浸潰 し 、 2 4 時間純水 浸漬保存を行 っ た。 こ の合金を A B 1 1 〜 1 8 と す る。
〔実験 3 ; 純水攪拌洗浄処理〕
上記実験 1 において Na2HP0 溶液で表面処理 し た A B 1 〜 8 を 、 合金重量に対 し 1 0 O t%量の純水に入れ、 前記攪拌機で 1 0 分間攪拌する純水攪拌洗 '净処理を行っ た。 こ の合金を A B 2 1 ~ 2 8 と す る。
〔実験 4 ; ォキ ソ酸塩浸漬保存〕
上記実験 1 において Na 2 HPO r溶液で表面処理 し た A B 1 〜 8 を 、 合金重量に対 し 1 0 0 wt%量の 0 . 3 wt % Na2HP04 溶液中に 2 4 時間以上浸潰 し 、 2 4 時間ォ キ ソ 酸塩浸漬保存を行 っ た。 こ の合金を A B 3 1 〜 3 8 と す る。
〔実験 5 ; ォ キ ソ酸塩攪拌洗浄処理〕
上記実験 1 において Na HPO r溶液で表面処理 し た A B 1 〜 8 を 、 台金重量に対 し 1 0 0 wt %量の 0 . 3 Na2HP04 溶液中に 入れ、 前記攪拌機で 1 0 分間攪拌す る ォ キ ソ酸塩洗浄処理を行 つ た c こ の台金を A B 4 1 〜 4 8 と する。
〔実験 6 ; ォ キ ソ酸塩濃度 と 浸漬保存効果〕
ォキ ソ酸塩溶液の濃度 と ォキ ソ酸塩浸漬保存効果と の関係を調 ベる 目的で、 上記実験 1 において 3 w t % Na2HP0 , 溶液で表面処 理 し た A Β 4 を、 0. 1 wし0 ό 、 0.3 t °<)、 0.5 10„ 、 1.0 wt 0() 、 1. 5 w t %の各濃度 Ν a 2 Η Ρ0 ,溶液に浸漬 ( 台金重量に対 し 1 0 O u t (Ό 量使用) し 、 2 4 時間のォ キ ソ 酸塩浸漬保存を行 っ た。 こ の台金 を Α Β 5 1 〜 5 5 と す る。
〔実験 7 ; ォキ ソ酸塩濃度 と 攪拌洗浄処理効果〕
ォ キ ソ酸塩溶液の濃度 と ォキ ソ酸塩攪拌洗浄効果 と の関係を調 ベ る 目的で、 上記実験 1 において 3 w t % Na2HP0 , 溶液で表面処 理 し た A B 4 を、 0. 1 wt .% 、 0.3 wt 'Ό 、 0.5 wt¾ 、 1.0 wt %、 1. 5 w t ('οの各濃度 Na 2 HPO 溶液 (合金重量に対 し 1 0 0 wt %量使用 ) に入れ、 前記攪拌機で 1 0 分間攪拌洗浄 し た。 こ の合金を A B
6 1 - 6 5 と する。
〔蓄電池の作製〕
上記の各種水素吸蔵合金を用 いて、 上記実施例 1 と 同様に し て 蓄電池を作製 し た。
なお、 こ の蓄電池は、 上記各種水素吸蔵合金を、 充電初期内圧 特性、 充放電サ イ ク ル特性の面か ら評価す る ための ものであ る。
〔試験セルの作製〕
上記の各種水素吸蔵合金を用 いて、 上記実施例 1 と 同様に し て 試験セ ルを作製 し た。
な お、 こ の試験セ ルは、 上記各種水素吸蔵合金を高率放電特性 の面力、 ら評価する ための ものであ る。
〔電池特性 と そ の評価〕
充電初期の電池内圧特性、 充放電サ イ ク ル特性、 及び高率放電 特性は、 前記第 1 実施例の電池特性と そ の評価の欄で示す条件 と 同様の条件で行 っ た。
以上の結果を、 処理条件と と も に表 2 〜表 8 に示す
(表 2) ォキソ雖で 浸潦保存 欄 サイクル の表 ®½¾ 内圧値 mm
No
pH 讎 Na萬 ず
( 、wfft t¾v) Kg/cm2 % 隨
AY1 2. 0 58 9 l 7
ΔΥ + 5 3 88 1 1 00
AB1 + 0 5 5. 0 88 1 1 00
AB2 + 0. 6 2. 5 90 1 1 00
AB3 + 1. 0 1. 5 92 1 070
AB4 + 3. 0 1. 0 95 1050
AB5 + 5. 0 1. 0 95 1030
AB6 + 7. 0 1. 5 92 1 0 1 0
AB7 + 1 0. 0 2. 0 90 1 000
AB8 + 20. 0 3. 5 88 950
(表 3) 酸処理 ォキソ酸塩で 浸清保存 辦洗浄 電池初期 高率 サイクル の表面処理 内圧値 ■値
No.
Na2HP04 · 24 r «せず Kg/cm2 %
(wt¾)
AB11 + 0. 5 + 5. 0 88 1 1 1 0
AB12 + 0. 6 + 2. 5 90 1 1 1 0
AB13 + 1. 0 + 2. 0 92 1 1 20
AB14 + 3. 0 + 1. 5 95 1 1 30
AB15 + 5. 0 + 1. 5 95 1 1 30
AB16 + 7. 0 + 2. 0 92 1 120
AB17 + 1 0. 0 + 2. 0 90 1 1 10
AB18 + 20. 0 + 5. 0 88 1000
(表 4)
(表 5) mm ォキソ で 浸漬保存 辦洗浄 電池初期 高率 サイクル 口 の表面処理 内圧値 m.m
No.
pm-纖 Na2HP04 Na2HP04 H¾せず
(wt¾) (wtX) Kg/cm2 %
AB31 + 0. 5 0. 3 5. 0 88 1 1 1 0
AB32 + 0. 6 0. 3 2. 0 90 1 1 10
AB33 + 1. 0 0. 3 1. 5 92 1 1 20 扁 + 3. 0 0. 3 1. 0 95 1 1 30
AB35 + 5. 0 0. 3 1. 0 95 1 1 30
AB36 + 7. 0 0. 3 1. 5 92 1 1 20
AB37 + 1 0. 0 0. 3 2. 0 90 1 1 1 0
AB38 + 20. 0 0. 3 5. 0 88 1 000
(表 6)
(表 7) mm ォキソ酸塩で 浸演保存 洗浄鹏 電池初期 サイクル の表醜理 内圧値 mm
No.
pm -繊 Na具 Na2HP04 «せず
(wt¾) ( t¾) Kg/cm2 % 回数
AB51 + 3. 0 0. 1 1. 0 9 5 1 1 30
AB52 + 3. 0 0. 3 1. 0 95 1 1 30
AB53 + 3. 0 0. 5 1. 0 95 1 1 30
AB54 + 3. 0 1. 0 1. 0 9 5 1 1 3 0
AB55 + 3. 0 1. 5 1. 0 95 1 070
(表 8)
図 1 〜図 3 に、 酸処理済の水素吸蔵合金粉末を各種濃度の Na2H P04溶液で表面処理 した合金 ( A B 1 〜 8 ) におけ る電気化学特 性値を、 Na2HP04濃度 と の関係でグラ フ化 し示すと と も に、 比較 対象と して同グラ フ上に、 酸処理、 ォキ ソ酸塩表面処理と も行わ ない A X 1 (破線) 、 及び酸処理のみを実施 し た A X 2 (—点鎖 線) におけ る結果を表 し た。
図 1 〜図 3 か ら次の こ と が明 らかにな る。 即ち、 酸処理を行 つ た後、 Na 2 HP04溶液で表面処理を行わなか っ た A X 2 (—点鑌線 ) に比較 し、 表面処理 した合金は何れ も電池初期内圧が大幅に小 さ く 、 高率放電特性値が同等乃至それ以上であ っ た。 そ して、 電 池初期内圧、 高率放電特性値と も 、 ^2 04濃度が 0 . 6 wt%〜 1 0 w t %で特に良好な結果が得 られた。
—方、 Na2HP04溶液処理合金は、 A X 2 に比較 して全体的にサ ィ ク ル寿命が短 く 、 表面処理液の Na2HP04濃度の上昇と と も にそ の差が拡大 し た。 但 し、 0 . 6 wt%〜 l 0 wt%の Na2HP04濃度で は、 その差はさ ほど大き く なか っ た。 なお、 図 3 はグラ フ を見や す く す る ため、 縦軸を大き く 取 っ てあ る。
他方、 酸処理 も ォ キ ソ酸塩表面処理 も行わな い A X 1 (破線)
と 、 Na2HP04溶液処理合金と の比較において、 何れの Na2HP04濃 度で表面処理 し た場合であ つ も 、 未処理合金に比べ大幅に高い高 率放電特性値及びサイ ク ル寿命値が得 られた。 ま た、 電池初期内 圧につ いては、 Na2HP04濃度が 0 . 8 wt% ~ l O wt%において A X 1 よ り 低 く な り 、 0 . 6 wt %〜 1 0 wt % において同等乃至それ 以下 と な る こ と が判 っ た。
以上の結果か ら、 酸処理済水素吸蔵合金粉末を、 0 . 6 wt%〜 1 0 wt%濃度の Na2HP0^溶液 (ォキ ソ酸塩溶液) で表面処理す る こ と に よ り 、 サ イ ク ル特性を さ ほ ど低下さ せ る こ と な く 、 電池初 期内圧特性及び高率放電特性を顕著に向上 さ せる こ と がで き る こ と 半 1|る。
次に、 表 2 〜表 5 、 及び こ れ ら の結果に基づいて作成 し た図 4 〜図 6 (棒グラ フ ) を解析す る。
表 2 と 表 3 及び表 4 の結果の比較か ら 、 Na 2 HP0 ,溶液で表面処 理 し た合金粉末を、 さ ら に純水に 2 4 時間以上浸漬保存 し た場合 、 又は台金重量当た り 1 0 0 \vし ¾の純水を用 い 1 0 分間の攪拌 · 洗浄処理を行 っ た場合に は、 電池初期内圧特性及び高率放電特性 に殆 ど影響を与え る こ と な く 、 サ イ ク ル寿命を改善で き る こ と が 半リ る。
ま た、 Na2HP0,溶液で表面処理 し た合金粉末を、 0 . 3 wtQ« N a 2 HP0 , 溶液 に 2 4 時間以上浸漬保存 し た場合、 又は 0 . 3 w t °o Na2HP0, 溶液を合金重量当 た り 1 0 0 wt%用 いて 1 0 分間の攪 拌 · 洗浄処理を行 っ た場合に は、 電池初期内圧特性及び高率放電 特性に殆ど影響を与え る こ と な く 、 サ イ ク ル寿命を顕著に高め る こ と がで き る こ と が判る。
更に、 表 3 〜 4 と 表 5 〜 6 の結果の比較か ら、 純水を用 いた場 合よ り も NazHPi 溶液を用 いて浸漬保存又は攪拌洗浄処理を行 つ
た場合の方が、 各特性値がよ り 大き く 向上する こ と が判る。
上記の結果を踏ま えて行 っ た実験 6 〜 7 の結果を図 7 〜図 1 2 に示す。
図 7 〜 9 は、 表面処理の Na2HP0r濃度を 3 . 0 wt% :固定 し 、 浸漬保存液の Na2HP04濃度を 0 . l wt%か ら 1 . 5 wt%に変化さ せた場合におけ る電気化学特性値の変化を示す グラ フ であ る。 図 7 〜 9 か ら 、 電池初期内圧特性及び高率放電特性は、 浸漬保存液 の Na 2 HPO r港度 ( 0 . 1 〜 1 . 5 w t % ) に影響さ れな い一方、 サ ィ ク ル特性は、 Na 2 HP04溶液濃度が 1 . 5 w tタ ό' と な る と かな り 低 下す る こ と が判 る。 こ の こ と か ら 、 浸漬保存液の 'a 2 ΗΡΟ,,濃度 ( ォキ ソ酸塩濃度) は、 0 . 1 w t ¾'〜 1 . 0 w t % と す る のが好ま し い o
図 1 0 〜図 1 2 は、 表面処理の Na2HP0 濃度を 3 . 0 w 。 に固 定 し 、 攪拌洗浄液の N a 2 H P( 濃度を 0 . 1 w t。6か ら 1 . 5 w t % に 変化 さ せた場合におけ る電気化学特性値の変化を示す グラ フ であ る。 図 1 0 〜図 1 2 に示 さ れる結果 も 、 上記図 7 〜図 9 の結果 と 同様であ り 、 電池初期内圧特性及び高率放電特性は、 攪拌洗浄液 の Na2HP0r濃度 ( 0 . 1 〜 1 . 5 w t % ) に影響さ れな い一方、 サ ィ ク ル特性は、 N a 2 HP0 溶液濃度が 1 . 5 w t n 0 と な る と かな り 低 下 し た。 こ の こ と か ら 、 攪拌洗浄液の N'a 2 HP0 濃度 (ォ キ ソ酸塩 濃度) は、 0 . 1 w t %〜 1 . 0 w t .¾ と す る のが好 ま し い。
なお、 純水ま た は Na 2 HP04溶液での 2 4 時間以上の浸漬保存 と 、 同様溶液での 1 0 分間攪拌 · 洗浄と が同様な結果を与え る こ と か ら 、 台金処理工程か ら次の工程へ移行す る 当た り 、 十分に時間 的余裕があ る場台に は浸漬保存を行い、 連続 し て次の工程に移 る 必要があ る場合に は、 攪拌洗浄処理を行 う のが合理的であ る。 こ の選択に よ り 作業労力又は時間の何れかが節約で き る と い う 効果
が得 られる。
〔その他の事項〕
上記実験ではォキ ソ酸塩と して リ ン酸水素 2 ナ ト リ ゥ ム を使用 したが、 例えば リ ン酸 2 水素ナ ト リ ウ ム、 リ ン酸水素 2 カ リ ウ ム 、 リ ン酸 2 水素カ リ ウ ム、 炭酸水素ナ ト リ ウ ム、 炭酸水素力 リ ウ ム等の他のォキ ソ酸塩を使用で き る こ と は勿論であ る。 そ し て、 他のォキ ソ酸塩を使用 し た場合であ っ て も、 表 9 及び表 1 0 に示 すが如 く リ ン酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ ムを使用 した場合 と 同様な作用効 果が得 られる。
ま た、 上記実験では、 水素吸蔵合金と して希土類 - ニ ッ ケル系 合金を用 いたが本発明の適用 は こ の合金に限 られる ものではな い 。 例えば、 チ タ ン 一ニ ッ ケ ル系水素吸蔵合金、 ジ ル コ ニ ウ ム基ラ 一べス相水素吸蔵合金な どに も適用可能であ る。
(表 9 )
ォキソ酸塩としてリン酸水素 2カリゥムを^ fflした
酸処理 ォキソ で 浸潰保存 電池初期 mm. サイクル
の表面処理 内圧値 ■値 ^fan
No.
ρΗ1-¾Κ K K2HP04
( t¾) ( t¾) Kg/cm2 %
AB71 + 3. 0 0. 3 1 . 0 9 5 1 1 3 0
(表 1 0 )
ォキソ として ¾¾7j素ナ卜リゥムを^ fflした
mm ォキソ酸塩で 浸演保存 職初期 高率 サイクル
の表面処理 内圧値 m π
No.
ρΗト讎 NaHC03 NaHCOa
(wt¾) (wt¾) Kg/cm2 % 回数
AB81 + 3. 0 0. 3 1 . 1 9 5 1 1 3 5
(第 3 実施例)
〔水素吸蔵合金の作製〕
先ず、 前記第 1 実施例 と 同様に し て、 M m N i 3. 4 C o 8 A 1 M n の組成式で表さ れる 水素吸蔵合金铸塊(L) を铸造 し た。 尚、 こ の水素吸蔵合金铸塊(L) の不均一歪みは、 5 . 4 X
1 0 3であ っ た。 次に、 こ の水素吸蔵合金铸塊(L) を不活性ガス 雰囲気中で粉砕 し 、 平均粒径が 1 5 0 m以下の合金粉末を得た 他方、 上記水素吸蔵合金铸塊( L ) を不活性ガス雰囲気中で 1 0 0 0 T:、 8 時間の熱処理を行いァニ ー ル処理合金 (M) と し た。 な お、 こ のァニー ル処理合金(M) の不均一歪みは、 2 . 5 x 1 0 であ っ た。 次に、 こ の合金 (M) を上記と 同様な条件で粉砕 して、 平均粒径が 1 5 0 w m以下の合金粉末を得た。
なお、 不均一歪み と は、 ラ ウ エカ メ ラ 等でデバ ィ 環を測定 し た 際に、 こ のデバ ィ 環がブロ ー ドに な る現象の原因の 1 つであ っ て
、 下記数式 2 に よ っ て定義 さ れる 値を い う 。
η = β ' / 2 t a n e …数式 2
v : 不均一歪
β ' : 積分幅
Θ : 回折線の ブラ ッ グ角
〔酸処理およ び洗浄処理〕
上記で作製 し た不均一歪みの異な る 2 種類の合金粉末を、 合金 重量 と ほぼ等重量の塩酸水溶液 ( Ρ Η = 1 ) に浸潰 し 、 攪拌型混 合機を用 いて 2 0 分間攪拌す る方法に よ り 酸処理を施 し た そ の 後、 こ の酸処理済台金粉末に対 し 表 1 1 に示す種 々 な条件で洗浄 処理 し た。
洗浄処理は、 純水又は純水に 1 重量%の リ ン酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ
ムを溶解 し た溶液 (酸化防止剤含有水溶液) でそれぞれ処理す る 方法に よ り 行 っ た。 具体的に は、 攪拌型混合機に上記洗浄液を入 れ、 こ の洗浄液に対 し ほぼ等重量の酸処理済合金粉末を浸漬 し 、 所定時間撹拌 し た。 次いで、 所定時間攪拌後に洗浄液を交換 して 再び所定時間攪拌する と い う 操作を、 合金中の塩素 ( ァニオ ン) 濃度が所望の値と な る ま で繰 り 返 し た。
なお、 表 1 1 は、 合金の種類 (不均一歪みの違い と 、 洗浄条件 の違い と があ る合金) を、 A C 1 〜 6 、 1 1 〜 1 6 、 2 1 〜 2 6 、 3 1 〜 3 6 で示 し てあ る。 ま た、 表 1 1 中の塩素濃度は原子吸 光分析法に よ り 測定 し た値であ り 、 洗浄時間は 1 回の攪拌時間 X 繰 り 返 し 回数で示 してあ る。
〔電極及び電池の作製〕
前記第 1 実施例 と 同様に して、 電極及び電池を作製 した。
〔洗浄処理条件の評価〕
先ず、 こ れ らの電池に対 し 、 前記第 1 実施例 と 同様の条件で、 電池の初期活性化を行 っ た。
〔電池特性と そ の評価〕
(実験 1 )
①サ イ ク ル特性
前記第 1 実施例 と 同様の条件で行っ た。
②高率充放電特性 :
充電 ; 100mA X 16時間 (室温下) 、 休止 ; 1 時間
放電 ; 4000mA · 放電終止電圧 1.0V (室温下) 、 休止 ; 1 時間
③低温放電特性 :
充電 ; 100mA X 16時間 (室温下) 、 休止 ; 1 時間 ( -10 て) 放電 ; 1000mA · 放電終止電圧 1. 0V ( -10 て)
以下、 表 1 1 に示す結果に基づいて説明する。
(表 1 1)
但し、 *(¾¾7]、 **はリ nm ^ナトリウム
①残存ァニォ ン濃度 と電池特性
表 1 1 において、 合金中の塩素濃度と 電池特性の関係を見 る と 、 A C 1 〜 6 、 1 1 〜 1 6 、 2 1 〜 2 6 、 3 1 ~ 3 6 の何れにお いて も、 塩素濃度が合金に対 し 5 X 1 0 "6m 0 1 / g以下と な つ た と き に、 電池特性値が大き く 向上 し た。
こ の こ と か ら、 合金を酸処理 し た場合、 残留ァニオ ン濃度が 5 X I 0 "6 m 0 1 / g 以下と な る ま で洗浄を行 う のが、 電池特性を 高め る上でよ り 効果的であ る こ と が判 っ た。
②洗浄条件 と 洗浄効果
A C 1 〜 6 と A C 1 1 〜 1 6 、 及び A C 2 1 ~ 2 6 と A C 3 1
〜 3 6 の比較か ら 、 合金に残留す る塩素を所定の濃度ま で低減さ せ る に要す る洗浄時間 (攪拌時間 X 回数) は、 洗浄液 と し て リ ン 酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ ム含有水溶液を用 いた場合 (酸化防止剤含有水 溶液 * * ) の方が、 純水を用 い た場台 ( * ) よ り も短か っ た。 ま た、 リ ン酸水素 2 ナ ト リ ウ ム含有水溶液で洗浄処理 し た台金を用 いた電池では、 純水で洗浄処理 し た合金で構成 し た電池に比較 し
、 残留塩素濃度が同 じ であ っ て も電池特性が優れていた e なお、 表 1 1 に は示 してな いが、 リ ン酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ ム以外の酸化防 止剤 (例えば水素化ホ ウ 素ナ ト リ ウ ム ) を用 いた場台において も 同様な効果が得 ら れ る こ と が確認 さ れてい る。
こ れ らの結果か ら 、 酸処理後に酸化防止剤含有水溶液で台金を 洗浄 し た場合、 よ り 短時間に合金か ら ァニオ ンを除去で き る と と も に、 電池性能の向上に も有効であ る こ と が実証で き た。
洗浄液 と して り ン酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ ム含有水溶液を用 いた場合 に 丁二オ ン除去効果及び電池特性向上効果が高いの は、 次の理由 に よ る と 考え ら れる。 即ち、 酸処理の際に、 合金中の希土類元素 やニ ッ ケ ル と 結合 し た ァニオ ン は、 純水では容易に溶出 し な い。
こ れに対 し リ ン酸水素 2 ナ ト リ ゥ ム含有水溶液を用 いた場合では 、 合金成分と結合 し た塩素等のァニオ ンが リ ン酸イ オ ン等に交換 さ れて液中に溶出する。 し たが っ て、 合金成分 と 結合 し た ァニォ ンが容易に除去で き る。
そ の一方、 塩素等のァニオ ン と 置換 して合金に残留す る リ ン酸 イ オ ン等のァニオ ン は、 塩素等に比べ合金活性やア ル力 リ 蓄電池 の他の構成要素に対する悪影響が少な いため、 電池特性が向上す る もの と 考え られる。
更に、 ァニオ ン濃度が同 じ であ っ て も 、 酸化防止剤含有水溶液 で洗浄 し た場合に よ り 優れた電池特性が得 られた。 こ れは、 表面 に吸着 し た酸化防止剤が合金表面の 含液性を高め る ため、 低温放 電特性及び高率放電特性が向上 し た と 考え られる。 ま た 、 表面に 吸着 し た酸化防止剤が、 酸素に よ る酸化を抑制す る ためにサ イ ク ル寿命が向上 し た と 考え られる。
表 1 1 の結果を踏ま え、 酸処理液の初期 P H の影響、 合金の不 均一歪み と 洗浄効果と の関係、 及 び保存洗浄の効果に関 し て更に 詳細に調べた。
(実験 2 )
下記方法に よ り 合金を酸処理す る際の酸性水溶液の P H が電池 特性の及ぼす影響を調べた。
先ず、 種 々 な P H (初期 P H ) の塩酸水溶液を調製 し 、 こ の塩 酸水溶液に不均一歪み 5 . 4 X 1 0 ;iの合金 ( ほぼ等重量) を浸 漬 し 、 塩酸水溶液の P H が 7 に達す る ま で前記攪拌機で攪拌 し た 。 その後、 こ の酸処理済合金の塩素残存量が 5 X 1 0 — " m o 1 / g に達す る ま で純水で洗浄 し た。 次いで、 酸処理におけ る 初期 P H値の異な る こ れ ら合金を用 いて各種電池 ( A C 4 1 〜 4 9 、 5 1 ~ 5 9 ) を構成 し 、 こ の電池の電池特性を調べた。 なお、 電池
の構成方法、 電池特性の測定方法等の他の条件は実験 1 と同様に 行っ た。
表 1 2 に結果を示す。 表 1 2 において、 何れの不均一歪みの合 金 ( A C 4 1 〜 4 9 及び 5 1 〜 5 9 ) について も、 酸処理液の初 期 P Hが 0 . 5 未満又は 3 . 5 を越えた場合に各電池特性値が大 き く 低下 した。 この こ とから、 酸処理液の初期 P Hは、 0 . 5 〜 3 . 5 の範囲に設定する こ とが好ま しい。
(¾12) サイクノ 議 PH (mAh) (mAh) (サイク膽
AC41 5L4 xlO"3 0. 0 900 802 500
AC42 〃 0. 5 916 877 655
AC 43 1. 0 920 880 660
AC 44 1. 5 919 879 658
AC45 〃 2. 0 917 877 655
AC46 〃 2. 5 916 876 652
AC47 〃 3. 0 915 875 651
AC48 〃 3. 5 914 874 650
AC49 〃 4. 0 900 800 500
AC 51 Z5 xlO"3 0. 0 900 703 950
AC52 0. 5 918 702 1 150
AC53 〃 1. 0 920 700 1 160
AC 54 〃 1. 5 918 698 1 155
AC55 〃 2. 0 917 697 1 152
AC56 〃 2. 5 916 696 1 148
AC57 〃 3. 0 915 695 1 145
AC 58 〃 3. 5 91 694 1 140
AC 59 〃 4. 0 901 620 950
(実験 3 )
合金不均一歪み と 本発明処理方法の効果と の関係を調べる ため
、 種々 の不均一歪みの合金を調製 し、 実験 1 と 同様な方法で評 A した。
表 1 3 にその結果を示す。
なお、 表 1 3 の A C 3 · 2 3 、 A Z 1 · 2 1 は実験 1 で調製 し た合金であ り 、 B Z 1 · B C 3 > C Z 1 ' C C 3 、 D Z 1 ' D C 3 、 E Z 1 ' E C 3 の合金は、 実験 1 と はァニール処理温度を変 えて調製 した ものであ る ( B Z 1 · B C 3 : 5 5 0 °C、 C Z 1 · C C 3 : 7 0 0 °C、 D Z 1 * D C 3 : 7 5 0 °C、 E Z 1 · E C 3
: 8 5 0 °C ) 。 ま た、 酸処理は P H = 1 の塩酸水溶液を用 いて行 い、 洗浄処理は純水を用い塩素濃度が合金に対 し 5 X 1 0 6 m o 1 ノ g に達す る ま で行っ た。
(¾13)
但し ^ m c と麵 (D m o
表 1 3 か ら、 不均一歪みが小さ く な る に したがい、 各電池特性 が向上する傾向が認め られたが、 特に不均一歪み 5. 0 X 1 0 一3 と 4 . 0 X 1 0 — 3の間で大き く 変化 した。 こ の こ と か ら、 不均一 歪みが 4 . 0 X 1 0 — 3の合金に対 して本発明処理方法を適用する こ と がよ り 効果的であ る こ と が判 っ た。
(実験 4 )
未処理合金及び洗浄処理済合金を、 純水及び リ ン酸水素 2 ナ ト リ ウ ム含有水溶液でそれぞれ 1 週間浸漬保存 (室温) し た後、 実 験 1 と 同様に して こ の合金を用 いて電池を構成 して、 保存液の違 いが電池特性に及ぼす影響を調べた。
なお、 こ の実験に用 いた合金は実験 1 で調製 し た ものであ り 、 表 1 4 では対応する実験 1 の合金 N o . ( 表 1 ) を Kの添字で表 してあ る。 ま た、 「 」 の左側に純水保存の場合、 右側に 1 重量 % リ ン酸水素 2 ナ ト リ ゥ ム水溶液で保存 した場合の各特性値が示 してあ る。
(表 14)
但し、
表 1 4 力、 ら、 K A C 3 1 〜 K A C 3 6 のいずれについて も、 リ ン酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ ム水溶液で保存 し た合金で構成 し た電池は、 純水で保存 した合金で構成 した電池に比べ電池の諸特性が優れて いた。
こ の こ と か ら、 酸化防止剤含有水溶液は、 合金保存液 と して も 有用であ る こ と が判 っ た。 なお、 水素吸蔵合金は極めて酸化さ れ 易いため、 一般に電池製造に際 して、 使用直前ま で合金を純水等 に浸漬 し て仮保存す る 方法が採 られてい るが、 こ の際酸化防止剤 含有水溶液を仮保存液 と して使用す る と 、 保存と 洗浄が同時に実 現で き る こ と にな る。
〔その他の事項〕
①上記実施例では リ ン酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ ム含有水溶液の例で説明 したが、 こ れによ り 本発明方法に使用で き る酸化防止剤が制限 さ れる ものではな い。 本発明方法に使用で き る酸化防止剤は、 少な く と も その作用を奏 し得る程度ま で水に溶け、 水素吸蔵合金の酸 化を抑制 し 又は合金表面の酸化物を溶解除去で き る ものであれば よ い。 こ のよ う な もの と して、 上記実施例で用 いた リ ン酸水素 2 ナ ト リ ウ ム以外に も、 例えば リ ン酸水素 2 カ リ ウ ム、 炭酸水素ナ ト リ ウ ム、 炭酸水素カ リ ウ ム 、 水素化ホ ウ 素ナ ト リ ウ ム 、 水素化 ホ ウ 素カ リ ウ ム、 水素化ア ル ミ ニ ウ ム リ チ ウ ム、 次亜 リ ン酸ナ 卜 リ ウ ム、 次亜 リ ン酸カ リ ウ ム、 ホ ルマ リ ン、 ギ酸な どが挙げ られ る。 ま た、 上記の酸化防止剤は全て前記第 2 実施例のォキ ソ酸塩 に含ま れ るが、 本発明はォ キ ソ酸塩以外の酸化防止剤或い は還元 剤であ っ て も使用で き る のは勿論であ る。
②上記実施例では、 酸処理及び洗浄処理において、 合金粉末に対 し ほぼ等重量の処理液を用 いて行 っ たが、 処理液量を増 '减す る こ と がで き る の は勿論であ る。 但 し、 処理の し易 さ や処理能率を考
慮 し た場合、 合金粉末 : 処理液 = 1 : 0 . 5 ~ 6 (重量比) が好 ま し い。
③本発明方法は、 希土類系水素吸蔵合金に限 らず、 チ タ ン系或い は a V e s 系の水素吸蔵合金に対 して も適用可能であ る。
(第 4 実施例)
〔電極及び電池の作製〕
本第 4 実施例では、 上記第 1 実施例に示すよ う に 2 段階の酸処 理工程の他に、 上記第 2 実施例で示すォ キ ソ酸塩表面処理工程 ( 本処理工程を経な い もの も有る ) 及び/又は上記第 3 実施例で示 す洗浄工程を経て電極及び電池を作製す る以外は、 上記第 1 実施 例 と 同様に して電極及び電池を作製 し た。 .
〔電池特性と そ の評価〕
上記第 1 実施例 と 同様に して、 初期電池内圧 と 高率放電特性と サ イ ク ル特性と を調べた。 そ の結果を、 表面処理条件、 洗浄条件 と と も に表 1 5 に示す。
表 1 5 よ り 、 2 段階の酸処理を行 っ た後、 ォキ ソ酸塩表面処理 を行わな いよ り ォキ ソ酸塩表面処理を行 っ た方が電池特性に優れ ( A D 1 と A D 4 と の比較、 A D 2 と A D 5 と の比較、 及び A D 3 と A D 6 と の比較) 、 ま た、 純水で洗浄する場合に は洗浄時間 が長い方が電池特性に優れる こ と がわかる ( A D 1 と A D 2 と の 比較、 及び A D 4 と A D 5 と の比較) 。 更に、 洗浄時の液 と して は純水よ り リ ン酸水素 2 ナ 卜 リ ゥ ム水溶液を用いた方が電池特性 に優れる こ と がわかる ( A D 2 と A D 3 と の比較、 及び A D 5 と A D 6 と の比絞) 。
し たが っ て、 2 段階の酸処理工程の他に、 ォキ ソ酸塩表面処理 工程及び/又は洗浄工程を経る方が望ま し く 、 特に洗浄工程にお いては リ ン酸水素 2 ナ ト リ ゥ ム水溶液を用 い るのが望ま し い。 産業上の利用可能性
以上のよ う に、 本発明によ る アルカ リ 蓄電池用水素吸蔵合金の 製造方法に よれば、 水素吸蔵合金の電気化学的特性を向上さ せ、 電池初期内圧特性、 低温放電特性、 高率放電特性及びサ イ ク ル特 性を高め る こ と がで き る。 し たが っ て、 本発明は、 水素吸蔵合金 を負極活物質と す る アル力 リ 蓄電池の性能の向上を図る手段 と し て適 してい る。