WO1995018200A1

WO1995018200A1 - Lubricating oil composition

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Publication number: WO1995018200A1
Application number: PCT/JP1994/002291
Authority: WO
Inventors: Hirotaka Tomizawa; Michiya Yamada; Michihide Tokashiki
Original assignee: Tonen Corp
Current assignee: Tonen General Sekiyu KK
Priority date: 1993-12-30
Filing date: 1994-12-28
Publication date: 1995-07-06
Anticipated expiration: 1996-06-30
Also published as: AU680086B2; US5719109A; AU1283995A; JPH07197068A; EP0743354A1; SG52468A1; EP0743354A4

Description

明細書潤滑油組成物発明の技術分野

本発明は、潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは、耐摩耗性及び摩擦特性に優れた潤滑油組成物に関する。本発明の潤滑油組成物は、自動車内燃焼機関用潤滑油（エンジン油）をはじめ、ギヤ一油、自動変速機油（A T F ) 、パワーステアリング油（P S油）、スピンドル油、油圧作動油、工業用潤滑油等として広範な分野に使用できる。

背景技術

ジアルキルジチォ燐酸亜鉛などのジチォ燐酸亜鉛（以下、 Z n— D T Pと略記）は、酸化防止剤、腐食防止剤として働くほか、優れた摩耗防止性能を有しているため、エンジン油などの添加剤として汎用されている。

ところが、 Z n— D T Pを添加したエンジン油においては、 Z n— D T P中に含まれる燐（P ) が自動車の排気浄化触媒や酸素センサーを被毒するため、排気ガス制御システムの能力が著しく低下するという問題がある。従来、この問題を解決するために、 Z n—D T Pの添加量を低減して、エンジン油の低燐化を図る方法がとられてきた。しかしながら、 Z n— D T Pの添加量を低減すると、潤滑油の耐摩耗性が低下し、動弁系の摩耗によりエンジンの耐久性が低下するなどの問題が生じる。そこで、 Z n— D T Pの添加量を低減しつつ、例えば、無灰清浄分散剤、金属洗浄剤等の他の添加剤と組み合わせることにより、エンジン油としての必要な性能が維持されてきた。

しかしながら、 Z n— D T Pとポリアルケニルコハク酸イミドなどの無灰清浄分散剤とを併用するときには、両者が基油中で優先的に反応して、 Z n— D T Pが隠蔽され、その活性が発揮されなくなるという問題があった。したがつて、充分な耐摩耗性を得るには、 Z n— D T Pを比較的多量に使用しなければならず、燐含有量の低減が困難であった。

発明の概要 1 . 発明の開示

本発明の目的は、耐摩耗性と摩擦特性に優れた潤滑油組成物を提供することにあ O。

2 . 課題を解決するための手段

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、潤滑油基油に、 ①ジチォ燐酸金属塩（以下、 M— D T Cと略記）と短鎖の第 1級アルキルァミンとの錯体を添加するとともに、さらに、 ②硫化ォキシモリブデンジチォカルバメ一卜（以下、 M 0 _ D T Cと略記）、硫化ォキシモリブデンオルガノホスホ口ジチォエート（以下、 M o— D T Pと略記）、脂肪族エステル、及び有機アミド化合物からなる群より選ばれた少なくとも 1種の化合物を含有せしめることにより、潤滑油の耐摩耗性を改善すると共に、摩擦係数を大幅に低下させ得ることを見出した。

本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。

かくして、本発明によれば、潤滑油基油に対して、（A ) 平均炭素数が 4以上の親油基を有するジチォ燐酸金属塩と炭素数 8以下の第 1級アルキルァミンとを反応させて得られる錯体、及び（B ) 硫化ォキシモリブデンジチォ力ルバメート、硫化ォキシモリブデンオルガノホスホロジチォエー卜、脂肪酸エステル、及び有機ァミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも 1種の化合物を含有せしめてなる潤滑油組成物が提供される。

実施態様の詳細な説明

以下、本発明について詳述する。

(潤滑油基油）

本発明で用いる潤滑油基油としては、特に限定されず、従来公知の各種鉱油や合成潤滑油等が使用できる。鉱油としては、潤滑油原料をフニノール、フルフラール等の芳香族抽出溶剤を用いた溶剤精製により得られるラフィネート、シリカ —アルミナを担体とするコバルト、モリブデン等の水素化処理触媒を用いた水素化処理により得られる水素化処理油、またはヮックスの異性化により得られる潤滑油留分などの鉱油、例えば、 60ニュートラル油、 100ニュートラル油、 150ニュ一トラル油、 300二ユートラル油、 500二ユートラル油、ブライトストックなどが挙げられる。合成潤滑油としては、例えば、ポリ一ひ一ォレフィン、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、二塩基酸エステルなどが挙げられる。これらの基油は、それぞれ単独で、あるいは 2種類以上を混合して使用することができる。これらの潤滑油基油の動粘度は、ェンシン油に使用される場合、通常、 100°Cで 3〜20 c S tである。

(ジチォ燐酸金属塩）

本発明で用いるジチォ燐酸金属塩（M— D T P ) は、下記一般式（ I ) で表される化合物である。。〉一 C D

R₂0, ヽ OR4

(式中、 Mは、亜鉛、銅、二ッゲル、鉄、カドミウム、銀、鉛、アンチモン、錫及びビスマスから選ばれる金属原子であり、！^〜尺ま、それぞれ独立に炭素数 1 ~ 30の親油基から選ばれるが、これら 4つの親油基の平均炭素数は 4以上である。）

これらの M— D T Pは、それぞれ単独で、あるいは 2種類以上を組み合わせて使用することができる。

親油基としては、飽和または不飽和のアルキル基、アルキルァリール基またはァリ一ルアルキル基などを挙げることができ、 4つの親油基がすべて同一であるものから、それぞれ異なるものまで各種のものがある。この M— D T Pの 4つの親油基の平均炭素数が 4未満の場合には、第 1級アルキルアミン化合物と組み合わせても、潤滑油に対する溶解性が悪いため均一な潤滑油組成物を得ることが困難である。有機金属系耐摩耗剤は、一般に、金属表面に吸着されることによってその機能を発揮するため、適度な溶解性を有することが必要である。一方、 M— D T Pは、 4つの親油基の平均炭素数が 13を越えると、潤滑油に対する溶解性は良好であるものの、耐摩耗性が低下する。親油基の平均炭素数の上限は、耐摩耗性等の機能の面からみて、好ましくは 13である。

M— D T Pは、合成の容易性と耐摩耗性等の機能からみて、通常、 4つの親油基の炭素数が 4以上のアルキル基である M— D T Ρが特に好ましい。金属原子（Μ ) としては、亜鉛、銅、ニッケル、鉄、カドミウム、銀、鉛、ァンチモン、錫またはビスマスなどを挙げることができるが、これらの中でも、入手の容易さと耐摩耗性等の機能から見て、特に亜鉛（Ζ η ) が好ましい。

(第 1級アルキルァミン）

本発明で使用する第 1級アルキルァミンとしては、例えば、 η —プロピルァミン、 η—ブチルァミン、 η—ペンチルァミン、 η —へキシルァミン、 η —へプチルァミン、 η—才クチルァミンなどの比較的短鎖のアルキルァミンを挙げることができる。

潤滑油組成物中、 Μ— D T Pの配合割合が、組成物全量基準で、通常、 0. 05~ 7重量％、好ましくは 0. 2~ 5重量％、より好ましくは 0. 3~ 2重量％になるように、アルキルアミン化合物との錯体調製時に、 M— D T Pの使用量を調整する。 M— D T Pの配合割合が少なすぎると耐摩耗性付与効果が不充分であり、多すぎてもそれ以上の効果が出なくなり、また、金属腐食の原因になることがある。第 1級アルキルアミンの配合割合は、 0. 001〜0. 5重量％、好ましくは 0. 01〜 0. 3重量％である。第 1級アルキルアミン化合物の配合割合が少なすぎると、その効果が不充分となり、多すぎるとかえつて耐摩耗性を減少させることがある。

M— D T Pと第 1級アルキルアミンは、予め両者の錯体を形成させてから潤滑油に添加すると、 M— D T Pと無灰清浄分散剤との優先的反応を抑制することができ、耐摩耗性に優れた潤滑油組成物を得ることができるので好ましい。予め M— D T Pと第 1級アルキルアミンとの錯体を形成するには、両者を潤滑油基油中に、高濃度となる割合で添加し、加熱する方法が好ましい。例えば、 M— D T Pと第 1級アルキルァミンとを所望の割合で混合し、場合によっては、基油で数倍に希釈して、好ましくは 40〜： L20°C、より好ましくは 60〜： 100°Cで、好ましくは 1〜60分間、より好ましくは 5〜30分間、撹拌すると、両者は錯体を形成する。加熱温度を高くするほど、短時間で錯体を形成して均一に溶解する。得られた錯体溶液は、そのままで潤滑油組成物として使用するか、あるいは、さらに潤滑油で希釈して、所望の割合で両者を含有する均一な潤滑油組成物として使用す 5

(併用する添加剤）

本発明では、潤滑油基油に対して、ジチォ燐酸金属塩と第 1級アルキルアミンとの錯体と共に、硫化ォキシモリブデンジチォ力ルバメート、硫化ォキシモリブデンオルガノホスホロジチォエート、脂肪酸エステル、及び有機アミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも 1種の化合物を添加する。

M 0 - D T C及び M o— D T P

本発明で用いる硫化ォキシモリブデンジチォカルバメート（Mo— D T C) 及び硫化ォキシモリブデンオルガノホスホロジチォエート（Mo— DT P) は、それぞれ下記一般式（Π) 及び（m) で表される有機モリブデン化合物である。

[式（π) 及び（m) 中、 Rs~R_sは、水素原子、炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6~26のシクロアルキル基、炭素数 6〜26のァリール基、アルキルァリール基またはァリールアルキル基、あるいは、エステル結合、エーテル結合、アルコール基またはカルボキシル基を含む炭化水素基であり、互いに同 —または異なっていてもよい。及び X₂は、酸素原子または硫黄原子であり、互いに同一または異なっていてもよい。 Y!及び Y₂は、酸素原子または硫黄原子であり、互いに同一または異なっていてもよい。 ]

—般式（Π) 及び（ΠΙ) 中、 R₅〜R₈は、好ましくは炭素数 6~18の飽和または不飽和のアルキル基、炭素数 12〜24のシクロアルキル基、または炭素数 12〜 24のアルキルァリール基である。これらの置換基の好ましい具体例としては、例えば、 n—へキシル、 2—ェチルへキシル、 n—ォクチル、ノニル、デシル、ラゥリル、トリデシル、ォレイル、リノレイルなどの炭素数 6 ~18のアルキル基または不飽和アルキル基（アルケニル基）、ノニルフヱニルなどの炭素数 3〜18のアルキル基で置換されたアルキルァリール基が挙げられる。

M 0 D T C及び M 0 D T Pの配合割合は、それぞれ単独で使用する場合のみならず、両者を併用する場合にも、全組成物基準で 0.01〜10重量％、好ましくは 0.05〜 5重量％、より好ましくは 0.1〜 1重量％である。この配合割合が、 0.01重量％未満では、摩擦低減効果が少なく、多すぎると銅腐食性などの問題を生じ易い。また、潤滑油の低燐化を図るためには、有機モリブデン化合物として Mo DT Cを単独で使用するか、あるいは Mo DT Pを使用する場合には、その配合割合を 0.2重量％以下の少量とすることが好ましい。本願発明の特定の添加剤の組み合わせにおいては、これらの有機モリブデン化合物の使用割合が比較的少量であっても、優れた摩擦係数低減効果を発揮する。

脂肪族エステル

本発明で使用する脂肪酸エステルとしては、脂肪酸とグリセリンのモノエステルまたはジエステル、あるいはソルビ夕ンのモノエステルまたはジエステル等が挙げられる。

脂肪酸グリセライドは、下記一般式（IV) で表されるモノエステル、あるいは下記一般式（V) で表されるジエステルである。

CH₂OCORio

I

CH₂OCORii (V)

CH₂OH

[式（IV) 及び（V) 中、 FU R Hは、炭素数 8〜22の飽和または不飽和のアルキル基を表す。 ]

脂肪酸エステルは、それぞれ単独で、あるいは 2種以上を組み合わせて使用することができ、その使用割合は、全組成物基準で 0. 01〜10重量％、好ましくは 0. 05〜 5重量％である。この使用割合が少なすぎると、摩擦特性の改善効果が少なく、多すぎると耐摩耗性が悪化する。

有機ァミド化合物

本発明で使用する有機アミド化合物は、下記一般式（VI ) で表される化合物でめ ^ 0

0

R " - （VI)

[式（VI ) 中、 1 _{1 2}及び1 _{1 3}は、水素原子、炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜26のシクロアルキル基、炭素数 6〜26のァリール基、アルキルァリ一ル基またはァリ一ルアルキル基、あるいは炭素数 2〜30のアルキレンォキシド基であり、互いに同一または異なつていてもよい。 R _{1 4} は、水素原子、炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜26のシクロアルキル基、炭素数 6〜26のァリール基、アルキルァリール基またはァリールアルキル基、あるいは、エステル結合、エーテル結合またはカルボキシル基を含む炭化水素基である。 ]

ここで、アルキレンォキシド基とは、下記一般式（）または（珊）で表され ¾ ¾し⁵める。

-(CH₂CHO)HH

R'

-<CHCH₂0)iiH ( VI )

R' [式（W) 及び（）中、 R ' は水素原子またはメチル基を表し、 nは 1〜10の整数を表す。 ]

一般式（VI ) 中、 1^ _{1 2}及び1^ ;は、好ましくは水素原子、炭素数 2〜 8のアルキル基、炭素数 8〜：のシクロアルキル基、炭素数 8〜14のアルキルァリール基、 n = l ~ 5のアルキレンォキシド基であり、また、 R は、好ましくは炭素数 6〜： 18の飽和または不飽和のアルキル基、炭素数 12〜24のシクロアルキル基、または炭素数 12〜24のアルキルァリール基である。

このような有機アミド化合物の具体例としては、例えば、ォレイン酸アミド、ラウリン酸ァミドなどが挙げられる。

有機ァミド化合物の配台割合は、 0. 01 ~ 10重量％、好ましくは 0. 01〜 5重量 %、より好ましくは 0. 05〜2重量％である。有機アミド化合物を添加することにより、銅腐食性を抑制しつつ、初期からの摩擦係数を低減させることができる。この配台割合が少なすぎると摩擦低減効果が少なく、多すぎると効果が飽和する。

(潤滑油組成物）

本発明の潤滑油組成物は、前記各成分を潤滑油基油に添加することにより調製することができる。この場合、 M— D T Pと第 1級アルキルアミンは、予め両者を反応させて錯体を形成させてから潤滑油に添加する。

本発明の潤滑油組成物には、必要に応じて更に耐摩耗剤、摩擦低減剤、無灰清浄分散剤、酸化防止剤、金属清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防锖財、消泡財、腐食防止剤などを適宜添加することができる。

耐摩耗剤としては、例えば、ジチォ力ルバミン酸亜鉛、燐酸エステル、燐酸ェステルのアミン塩等を挙げることができる。

無灰清浄分散剤としては、ポリアルケニルコハク酸イミド、ポリアルケニルコハク酸ァミド、アルキルベンジルァミン、ポリアルケニルコハク酸ィミドのホウ素誘導体、アルキルベンジルァミンのホウ素誘導体などが挙げられる。

酸化防止剤としては、例えば、アルキル化ジフヱニルァミン、フエニル— α— ナフチルアミン、アルキル化— α—ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、 2 , 6—ジ一 t 一ブチルフエノール、 4 , 4 ' —メチレンビス一（2， 6—ジ一 t—ブチルフノール）等のフノール系酸化防止剤等を挙げることができ、これらは、通常、 0. 05〜2重量％の割合で使用される。

金属清浄剤としては、例えば、 C a —スルホネート、 M g _スルホネート、 B a —スルホネート、 C a —フエネート、 B a —フヱネ一ト、 M g—フエネート、 C a —サリシレート、 M g —サリシレート、 B a —サリシレート等があり、これらは通常、 0. 1 ~ 5重量％の割合で使用される。

粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレー卜系、ポリイソブチレン系、エチレン一プロピレン共重合体系、スチレン一ブタジエン水添共重台体系等が挙げられ、これらは、通常、 1 ~ 35重量％の割合で使用される。

防鲭剤としては、例えば、アルケニルコハク酸またはその部分エステル等が挙げられる。

消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリアクリレート等が挙げられる。

本発明の潤滑油組成物は、前記構成を採用することにより、優れた耐摩耗性を発揮するとともに摩擦係数を大幅に低減することができる。また、ジチォ力ルバミン酸亜鉛（Z n— D T C ) と併用することにより、 M— D T Pの使用割合を大幅に減少させて、従来以上の低燐化潤滑油組成物を得ることもできる。

本発明の潤滑油組成物は、 M— D T Pと第 1級アルキルアミンとの併用系を使用しているため、耐摩耗性や極圧性の他に、酸化安定性、耐コーキング性等の特性を有している。

本発明の潤滑油組成物が優れた耐摩耗性を示す理由は、必ずしも明らかではないが、 M— D T Pと第 1級アルキルァミンとが錯体を形成していることにより、 M - D T Pと無灰清浄分散剤との反応が抑制され、 M— D T Pの金属表面への吸着を容易にするためと考えられる。

本発明の潤滑油組成物は、自動車のエンジン油をはじめ、ギヤ一油、 A T F、 P S、スピンドル油、油圧作動油、工業用潤滑油等として使用される。以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。

実施例 1〜8、比較例 1 ~ 4

潤滑油基油に、表 1に示す各成分を添加して潤滑油組成物を調製した。表 1中の各成分の割合は、全組成物基準の重量％であり、残余は潤滑油基油の割合である。ただし、親油基の炭素数が 6の Z n— D T Pは、予め n—へキシルァミンと反応させて錯体を形成させてから使用した。

各成分は、下記に示す通りである。

(1) 潤滑油基油

150ニュートラル鉱油（100。Cでの動粘度 =5.1 c S t )

(2 ) Z n - D T P

市販の Z n DT P ： 4つの s—へキシル基を有する Z n— D T P Z n— DT Pは、鉱油中で、 n—へキシルアミンと反応させて錯体を形成させてから、さらに鉱油で希釈して使用した。

(3) M 0 - D T C

S 0 0 S

(2ΕΗ)\、_τ II _ II ノ S \ II II . (2EH)

, ヽ〉 N - C一 S - Moく >Mo-S-C-N

(2EH), ^XS^X \ (2EH)

(式中、 2 E Hは、 2—ェチルへキシル基を表す。）

(4) Mo— DT P

S O O S

(2ΕΗ)-Ο_χΠ II /0 II ΙΙ/Ο— (2ΕΗ)

,„„_ττ. ^>P~S- o < 〉Μο— S— Ρぐ

(2ΕΗ)- Ο^χ ヽ 0 Ζ \ 0 - (2ΕΗ)

(式中、 2 Ε Ηは、 2—ェチルへキシル基を表す。）

(5) 脂肪酸グリセライド

CH₂OCOR C¾OCOR

CHOH 50重量％ + CHOCOR 50重量％

C¾OH CH₂OH

(式中、 Rは、ォレイル基を表す。） (6) 有機ァミド化合物

ォレイン酸アミド

錯体化処理

撹拌機付きの反応器中で、親油基の炭素数が 6の Z n _DT P、 n—へキシルァミン、及び鉱油を 1 : 0.28 : 1 (重量比）の割合で混合し、 60°Cで 5分間加熱 •撹拌した。形成された錯体を含む溶液は、さらに鉱油で希釈して、最終的に Z n - D T Pの含有量が 0.5重量％または 1.0重量％となるように調整した。得られた潤滑油組成物について、耐摩耗性及び摩擦係数を評価し、その結果を表 1に示す。なお、測定方法は以下の通りである。

摩擦 ·摩耗特性の測定法

シェル四球式耐摩耗性試験により、試験開始 30分後の摩擦係数及び摩耗痕径 (mm) を測定した。試験条件は、次の通りである。

荷重： 40k g

油温： 90°C

回転数： 1800 r p m

試験時間： 30分

実施例比較例

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 市販 Ζπ- DTP(s- C₆) 0.5 1.0 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 1.0 0.5 1.0 n -へキシルアミン 0.14 0.28 0.14 0.14 0.14 0.14 0.14 0.14 0.14 0.28

o-DTC 0.15 0.15 1.5 0.15 0.5 0.15 0.15

Mo- DTP 0.15 0.075

脂肪族グリセライド 0.075 0.075 0.075 1.5 0.075 0.075

ォレイン酸ァミド 0.3 0.3 0.3

摩擦係数 0.053 0.056 0.052 0.053 0.052 0.057 0.051 0.053 0.083 0.090 0.120 0.125 摩耗痕径（mm) 0.43 0.41 0.43 0.45 0.44 0.45 0.44 0.45 0.042 0.39 0.49 0.43

表 1の結果から明らかなように、本発明の潤滑油組成物は、摩擦係数が非常に小さく、良好な低摩擦特性を示すとともに、摩耗痕径が小さく、良好な耐摩耗性を示す。これに対して、 Z n— D T Pと n —へキシルァミンとの併用系のみの場台（比較例 1及び 2 ) は、摩擦係数の低減効果が不充分である。 n—へキシルァミンを使用しない場台（比较例 3及び 4 ) には、さらに摩擦係数が大きく、摩擦特性が不充分である。

本発明によれば、耐摩耗性と摩擦特性に優れた潤滑油組成物が提供される。本発明の潤滑油組成物は、比較的低燐含有率の組成で、優れた耐摩耗性と低摩擦係数を発揮するため、特に内燃機関用として好適である。

Claims

請求の範囲滑油基油に対して、

( A ) 平均炭素数が 4以上の親油基を有するジチォ燐酸金属塩と炭素数 8以下の第 1級アルキルアミンとを反応させて得られる錯体、及び

( B ) 硫化ォキシモリブデンジチ才力ルバメート、硫化ォキシモリブデンォルガノホスホロジチォェ一ト、脂肪酸エステル、及び有機アミド化合物から成る群より選ばれる少なくとも 1種の化合物

を含有せしめてなる潤滑油組成物。